JP2024506700A - 診断上および治療上の使用のためのcxcr4-リガンドならびにその前駆体 - Google Patents

診断上および治療上の使用のためのcxcr4-リガンドならびにその前駆体 Download PDF

Info

Publication number
JP2024506700A
JP2024506700A JP2023549039A JP2023549039A JP2024506700A JP 2024506700 A JP2024506700 A JP 2024506700A JP 2023549039 A JP2023549039 A JP 2023549039A JP 2023549039 A JP2023549039 A JP 2023549039A JP 2024506700 A JP2024506700 A JP 2024506700A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cxcr4
formula
compound
acid
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023549039A
Other languages
English (en)
Inventor
ウェスター,ハンス-ユルゲン
コンラッド,マティアス
ショッテリウス,マルグレート
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Technische Universitaet Muenchen
Original Assignee
Technische Universitaet Muenchen
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Technische Universitaet Muenchen filed Critical Technische Universitaet Muenchen
Publication of JP2024506700A publication Critical patent/JP2024506700A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K51/00Preparations containing radioactive substances for use in therapy or testing in vivo
    • A61K51/02Preparations containing radioactive substances for use in therapy or testing in vivo characterised by the carrier, i.e. characterised by the agent or material covalently linked or complexing the radioactive nucleus
    • A61K51/04Organic compounds
    • A61K51/08Peptides, e.g. proteins, carriers being peptides, polyamino acids, proteins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K51/00Preparations containing radioactive substances for use in therapy or testing in vivo
    • A61K51/02Preparations containing radioactive substances for use in therapy or testing in vivo characterised by the carrier, i.e. characterised by the agent or material covalently linked or complexing the radioactive nucleus
    • A61K51/04Organic compounds
    • A61K51/08Peptides, e.g. proteins, carriers being peptides, polyamino acids, proteins
    • A61K51/088Peptides, e.g. proteins, carriers being peptides, polyamino acids, proteins conjugates with carriers being peptides, polyamino acids or proteins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

本発明は、式(I):TIFF2024506700000214.tif26149[式中、aは0または1であり、bは0または1であり、cは0または1であり、かつdは0または1であり、但し、cおよびdのうち少なくとも1つは1であり、eは1~4の整数であり、RCPは、この化合物をCXCR4受容体に結合させる結合モチーフであり、RL1はHまたはアルキルであり、RL2は、-NH2および-NH-C(=X)-NH2から選択される少なくとも1つの基で置換されている置換アルキルであり、XはNHおよびOから選択され、RL3は、-CH2-NH2または-CH2-(1H-イミダゾール-4-イル)であり、RL4は-NH2であり、X1はカップリング基であり、RSは二価のスペーサー基であり、およびRAは、診断上または治療上の有用性を有する部分を含む官能基である]のCXCR4受容体リガンド化合物またはその塩を提供する。本発明の化合物は、CXCR4受容体を遮断することによって処置もしくは予防されることが可能な疾患もしくは障害、またはCXCR4受容体の発現の増加もしくは異常に関連する疾患もしくは障害の、処置、予防、および/または診断に使用するのに適している。

Description

本発明は、7回膜貫通型Gタンパク質共役ケモカイン受容体サブタイプ(CXCR4)に高親和性で結合することができ、したがってCXCR4リガンドと考えられる化合物に関する。それは、好ましくはアゴニストとして作用するか、またはアンタゴニスト、逆アゴニストもしくは部分アゴニストとしても作用することができる。本化合物は、診断上および治療上の適用において使用するのに適している。
ストロマ細胞由来因子1(SDF-1)(以下、C-X-Cモチーフケモカイン12(CXCL12)と呼ぶ)がCXCR4に結合すると(1)、下流のプロテインキナーゼB(AKT)/マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)シグナル経路を活性化し、遺伝子発現の変化、アクチン重合、細胞骨格の再構成および細胞遊走をもたらす。CXCL12/CXCR4軸の生理機能は、胚形成、免疫応答、造血、脳発生および血管新生を含む(2~6)。生理的プロセスへのCXCR4の基本的な関与に加えて、CXCR4発現の上昇は、様々な悪性腫瘍に関連する。CXCR4は、補助受容体としてHIV-1のT細胞への侵入を媒介し、この点においてCXCR4は初めて同定された(3)。CXCR4は、慢性白血病患者におけるB細胞輸送および組織局在(7)、ならびに様々な乳がんモデルにおける器官特異的転移の制御(8)に関与する。したがって、CXCR4の過剰発現は、造血器悪性腫瘍、脳新生物、消化管がんおよび他のがん型を含む、20を超えるヒト腫瘍型において知られている(2、8~10)。CXCL12/CXCR4軸は、腫瘍細胞とストロマ細胞との間の重要なコミュニケーションブリッジとして機能し、許容状態の微小環境を作ることを示すエビデンスが増えている(11)。したがって、CXCR4の異常な発現は、様々ながん型の増殖、遊走および浸潤を強力に促進するため、サイトカインCXCL12およびその受容体CXCR4は、治療戦略にとって有望で実行可能な標的となる(12)。
CXCL12/CXCR4軸を標的とするペプチド性および非ペプチド性のCXCR4アンタゴニストが、医薬の用途に使用できる可能性があるため、いくつか開発された。最も定評のある例は、FDAによって非ホジキンリンパ腫および多発性骨髄腫の処置用に認可されたビシクラムAMD3100(Plerixafor(登録商標)、テトラザシクロテトラデカ-1-イルメチル)フェニル]メチル}-1,4,8,11-テトラザシクロ-テトラデカン)である。さらなるペプチド性CXCR4アンタゴニスト、例えば、1つまたは2つの環化部位を含有する側鎖環化ペプチドであるT140およびその誘導体が開発された(13~15)。細胞傷害性がより低く、生物学的に安定したT140の誘導体は、TN14003である(16)。4-フルオロベンゾイル基の導入は、T140系CXCR4アンタゴニストであるTF14016に新規のファルマコフォアを構成し、サブナノモル濃度の結合親和性をもたらした(16)。このペプチドCXCR4アンタゴニストは、さらに、in vivoでのCXCR4発現の18F系または68Ga系の陽電子放出断層撮影(PET)イメージングに使用された(17~19)。T140系CXCR4アンタゴニストは、がんおよび慢性関節リウマチの予防および/または治療に既に使用されている(US8410059B2、US8765683B2)。
強力なCXCR4アンタゴニストであるLY2510924(シクロ[Phe-Tyr-Lys(iPr)-D-Arg-2-Nal-Gly-D-Glu]-Lys(iPr)-NH)は、固形腫瘍モデルおよび乳がん転移モデルにおいて良好な抗腫瘍活性を示すことが立証され、現在、第II相臨床試験中である(NCT01391130およびNCT1439568)(20)。
さらに、CXCL12のN末端配列に基づく3つの環状ペンタペプチド(ペプチドR、IおよびS)は、腎がん細胞の皮下増殖を有意に阻害する。腎がん細胞は、肺転移および原発腫瘍増殖も引き起こす(21)。加えて、ラクタム環化ヘプタペプチドは、がん、関節リウマチ、肺線維症、およびHIV感染症の処置において有用な、強力なCXCR4アンタゴニストであることが報告された(WO2008/150689A1)。
T140から誘導された、シクロ(D-Tyr-Arg-Arg-Nal-Gly)に基づく環状ペンタペプチド(以下、Fc-131と呼ぶ)は、がんの治療および抗炎症に使用される(22)。アラニンスキャニング、N-メチルアミノ酸スキャニング、アミノ酸残基の最適化およびレトロインベルソ配列のペプチドのデザインを含むSAR研究はすべて、Fc-131と比較して、結合親和性または抗HIV活性を改善することができず(23~25)、Fc-131の高度に最適化された結合足場を立証した。しかしながら、アミジンタイプのジペプチドの等価物の導入は、CXCR4に対処する環状ペンタペプチドの新規なリード構造をもたらした(WO2012/118124A1)。加えて、Fc-131のペプチド結合のN-メチル化は、その活性に著しく影響を及ぼし、CXCR4アンタゴニスト活性の著しい増強を示す、環状ペンタペプチド系CXCR4アンタゴニストであるFc-122をもたらした(26~28)。
CXCR4に対する分子イメージングプローブの開発の範囲の中で、結合親和性を増強するためにN-メチル化手法が使用され、一方、Fc-131のすべての側鎖がその交換の実行可能性について試験された。ArgをD-オルニチンで置換し、続いてN末端をメチル化すると、CPCR4(シクロ(D-Tyr-D-[NMe]Orn-Arg-Nal-Gly))が得られた。これは、CXCR4に対する良好な結合親和性を示す。このリード構造は、さらなる修飾のためのアンカーポイントとして役に立った(29)(WO2007/096662)。CPCR4の二量体の誘導体が記載されたが、in vivo診断への適用は、肝臓内のCXCR4リガンドの蓄積が上昇したことにより、阻まれた(WO2009/027706)(29、30)。
最近、最小主義の手法が使用され、その中で、テクネチウムキレーターであるヒドラジノ-ニコチン酸がD-Orn側鎖に直接結合され、CXCR4 SPECTイメージング剤がもたらされた(31)。この化合物は、現在、ヒトにおける概念研究の最初の実証において調査中である(32)。
それでもなお、さらなる構造修飾、例えば、シクロ(D-Tyr-D-[NMe]Orn-Arg-Nal-Gly)の[NMe]Ornの側鎖に結合した芳香族スペーサーの導入は、標識部分としての1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)の導入(WO2011/131735)を、医薬の用途のために(33~35)容易にした。
大抵の場合、検出可能な標識に対して追加の構造変化を行うと(36)、結合親和性の重大な損失が起こる。シクロ(D-Tyr-D-[NMe](DOTA)-OrnArg-Nal-Gly)(ペンチキサフォル(pentixafor))の環状ペンタペプチド足場における追加の修飾((3-ヨード)チロシンの導入)が記載され、それは、hCXCR4に対する結合親和性を著しく増加させた。したがって、得られた177Lu-ペンチキサテル(pentixather)および90Y-ペンチキサテルは、CXCR4関連の悪性腫瘍の治療手法に利用された(WO2015/185162)(37)。
これらの臨床的に適用されたペプチドの成功を基盤に、ペプチドスコープの親和性および多用途性を増強するために、さらなる最適化が企てられた。短い芳香族スペーサーをテーラーメイドのペプチド性リンカーユニットに置換すると、最終的に、新たに誘導されたペプチド足場の半アゴニスト性(semi-agonistic)の性質のため、親和性が増強し、内在化率が著しく増加したCXCR4結合モチーフをもたらした(38)。これらの修飾により、得られたペプチドの親和性を大きく損なうことのない、18F標識ユニットとしてのmas系テクネチウムキレーターまたはAmBFなどの種々の機能様式の導入が可能になった(WO2020/053255)。
CXCR4リガンドの診断上および治療上の可能性は、多くの様々な場合において、例えば、HIV感染症およびがんの処置のため、または患者におけるCXCR4発現の可視化のために示されてきた。特に、環状ペンタペプチドは、CXCR4の結合空洞における化合物の完全な相互作用および小さな修飾、例えば、CXCR4リガンドの薬物動態に影響を及ぼすための標識部分または標識残基の導入のために最適化され、その結果、かなりの高親和性の損失があり(36)、したがって、所望の各適用のために構造的に最適化されなければならない。結果として、新規なCXCR4を標的とする化合物のデザインおよび開発は、入念な構造活性相関の研究(SAR研究)を必要とする。
この理由のため、ヒトCXCR4受容体に対する高親和性を確保し、同時に診断上または治療上の有用性を有する多種多様な官能基の結合を可能にする、普遍的に適用できるリガンドデザインが必要である。本発明は、そのような新規なリガンド化合物ならびに医学的および科学的な適用におけるその使用を提供する。本発明の化合物は、ヒトCXCR4受容体を高親和性で、およびマウス受容体を中親和性で結合することができ、したがって、CXCR4リガンドとして適している。これらのリガンドは、アゴニスト、逆アゴニスト、部分アゴニストまたはアンタゴニストとして機能することができる。本発明によって提供されるリガンド化合物中のリンカーの構造は、驚くべきことに、種々の官能部分の結合に対する本化合物の高い適応性をもたらし、同時にCXCR4の親和性を保存または増強さえする。さらに、親和性がより高く、内在化を増強するような有利なin vitro特性に基づき、より高くより一貫した腫瘍の取り込みに到達することが多い。したがって、本発明の化合物は、前臨床および臨床のイメージングなどの医学的適用、ならびに内部放射線治療などの治療上の適用に特に適している。
上記の背景を前に、本発明は、C-X-Cケモカイン受容体タイプ4リガンド化合物、または短く言うとCXCR4受容体リガンド化合物である、式(I):
Figure 2024506700000002
[式中、
aは0または1、好ましくは0であり、
bは0または1であり、
cは0または1であり、かつ
dは0または1であり、但し、cおよびdのうち少なくとも1つは1であり、
eは1~4、好ましくは2~4の整数であり、
CPは式(II):
Figure 2024506700000003
(ここで、式(II)において、
B1はHまたはI、好ましくはHであり、
B2はアルカンジイル鎖であり、
破線は、RCP基を式(I)の化合物の残部に結合させる結合を示す)
のシクロペプチド基であり、
L1はHまたはアルキルであり、
L2は、-NHおよび-NH-C(=X)-NHから選択される少なくとも1つの基で置換されている置換アルキルであり、XはNHおよびOから選択され、
L3は、-CH-NHまたは-CH-(1H-イミダゾール-4-イル)であり、
L4は-NHであり、
はカップリング基であり、
は二価のスペーサー基であり、および
は、診断上または治療上の有用性を有する部分を含む官能基である]
の化合物またはその塩を提供する。
図1は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、99mTc-CXCR4-6注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、1~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。 図2は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、99mTc-CXCR4-9注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、1~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。 図3は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、99mTc-CXCR4-11注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、1~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。 図4は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、99mTc-CXCR4-12注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、1~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。 図5は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、99mTc-CXCR4-13注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし、1~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。 図6は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、99mTc-CXCR4-14注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、1~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。 図7は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、99mTc-CXCR4-14注射後2時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし、1~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。 図8は、多発性骨髄腫に罹患している女性患者のSPECTおよびPETイメージングから取得した最大値投影(MIP)画像を示す。A)[18F]FDGのPET MIP(注射後1時間、189MBqの[18F]FDG)、B)[99mTc]CXCR4-Tc-14のSPECT MIP(注射後3時間、604MBqの[99mTc]CXCR4-Tc-14)。直線矢印は腫瘍病変を示し、点線矢印は、心臓における[18F]FDGの生理学的取り込み、および脾臓における[99mTc]CXCR4-Tc-14の生理学的取り込みを示す。 図9A)は、多発性骨髄腫に罹患している患者における604MBqの[99mTc]CXCR4-Tc-14の注射後3時間での軸断面のSPECT/CT画像を示し、図9B)は、同じ患者における189MBqの[18F]FDGの注射後1時間での軸断面のPET/CT画像を示し、直線矢印は膀胱を示し、破線矢印は溶骨性病変を示す。 図10は、同じ患者における[99mTc]CXCR4-Tc-14の注射後5分~21時間の間の生体内分布を示す。図10A)は、多発性骨髄腫に罹患している女性患者における、604MBqの[99mTc]CXCR4-Tc-14の注射後5分、60分、120分、5時間および21時間でのSPECTイメージングから取得したMIP画像を示し、図10B)は、同じ患者の選択した器官および組織について計算した特異的線量[μGy/MBq]を示す。 図11は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、177Lu-CXCR4-DOTA-1注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、2~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。 図12は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、177Lu-CXCR4-DOTA-2注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし、2~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。 図13は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、177Lu-CXCR4-DOTA-3注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、2~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。 図14は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、177Lu-CXCR4-DOTA-4注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、2~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。 図15は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、177Lu-CXCR4-DOTA-4注射後6時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし、2~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。 図16は、Jurkat担腫瘍雌CB-17SCIDマウスにおける、[18F、natGa]CXCR4-SiFA-07注射後1時間の生体内分布プロファイルを示す。異なる量の放射性リガンド、すなわち、36pmol、1,000pmolおよび2,000pmolを適用した。データは%iD/g値で表され、36pmolでの実験については動物5匹の平均±SDである。他の両方の実験には動物各1匹を使用した。 図17は、Raji細胞(左側)およびU2932細胞(右側)を使用しての細胞生存率のフローサイトメトリー分析の結果を示す。細胞を、0、24、48、72および96時間、0(ブランク)、10、20、40および100nMのCXCR4-MMAE-02とともにインキュベートし、その後、ヨウ化プロピジウムで染色し、フローサイトメトリー分析をした。細胞の全数に対する生存細胞数が、細胞生存率である。 図18は、Raji細胞およびU2932細胞を使用した細胞生存率のフローサイトメトリー分析の結果を示す。細胞を、0(ブランク)、10、20、40および100nMのCXCR4-MMAE-02とともに96時間インキュベートし、その後、ヨウ化プロピジウムで染色し、死滅細胞のフローサイトメトリー分析をした。 図19は、U2932細胞を使用しての細胞周期プロファイリング実験の結果を示す。細胞を、0(ブランク)、10、20、40および100nMのCXCR4-MMAE-02とともに72時間インキュベートし、固定し、透過処理し、ヨウ化プロピジウムで染色した。G0/G1期、S期またはG2/M期の細胞の割合を決定した。 図20は、Jurkat担腫瘍雌CB-17SCIDマウスにおける、[177Lu]CXCR4-OI-03注射後1時間の生体内分布プロファイルを示す。異なる量の放射性リガンド、すなわち59pmolおよび1,000pmolを適用した。データは%iD/g値として表され、59pmolでの実験では動物5匹の平均±SDであり、他方の実験では動物1匹を使用した。
本発明のCXCR4受容体リガンド化合物において、結合モチーフRCPおよび官能基Rは、次の構造のリンカーによって結合されている。
Figure 2024506700000004
式(I)の化合物の一部を形成するこのリンカーは、RL3、RL4として、またはRL3およびRL4として提供される、サイズの小さい置換基、および通常、生理的条件下で正電荷を帯びる官能基の存在を特徴とする。本発明に関連して、このリンカー構造は、有益な性質の中でも特に、官能基Rの悪影響がなく、またはほとんどなく、CXCR4の高親和性が本発明の化合物に保持されることを可能にすることが判明した。したがって、本発明による化合物中に含有される結合モチーフとリンカーとの組合せに頼れば、結合モチーフによってもたらされる親和性の著しい損失に関する懸念はなく、多種多様な官能基を有するCXCR4受容体リガンドが提供され得る。
さらに関連する態様によれば、本発明は、式(I)のCXCR4受容体リガンド化合物またはその塩を含む、治療上または診断上の組成物を提供する。
上で述べたように、式(I)の化合物の塩、典型的には薬学的に許容される塩は、本発明に包含される。したがって、相反する記載のない限り、本明細書における本発明による化合物への言及はいずれも、式(I)の化合物および本明細書に開示されるこの式の好ましい実施形態、ならびにその塩の両方を包含する。さらに、検討中の化合物の特定の立体化学が特定の文脈に示されていない限り、式(I)の化合物の任意のラセミ体、エナンチオマー、またはジアステレオマーが包含される。
CXCR4受容体リガンド化合物としての式(I)の化合物への言及によって説明されるように、本化合物は、CXCR4受容体に結合するリガンド化合物として作用することができる。その分、式(I)の化合物およびその塩は、本明細書で式(I)のCXCR4受容体リガンド化合物の「結合モチーフ」とも呼ばれ得るシクロペプチド基RCPを含む。なぜなら、シクロペプチド基RCPは、本発明による化合物またはその塩とCXCR4受容体との間の結合相互作用を確保し、それにより、CXCR4受容体に対する化合物の親和性アンカーとして役立つからである。
CXCR4受容体リガンド化合物の結合モチーフは、好ましくは、CXCR4受容体に特異的に結合することができる。これに関連して、特異的に結合するとは、好ましくは、CXCR4受容体リガンド化合物の結合モチーフは、CXCR4受容体以外の他のタンパク質に結合しないか、または実質的に結合しないこと、特に、CXCケモカイン受容体ファミリーの他のメンバーに結合しないか、または実質的に結合しないことを意味する。「実質的に結合しない」という用語は、好ましくは、例えばIC50値によって決定される結合モチーフのCXCR4への結合親和性が、他のタンパク質、特に、CXCケモカイン受容体ファミリーの他のメンバーへの結合親和性より少なくとも100倍、好ましくは少なくとも1000倍、最も好ましくは少なくとも10000倍強いことを意味する。
式(I)中の結合モチーフとしてのシクロペプチド基RCPは、式(II):
Figure 2024506700000005
[式中、
B1はHまたはI、好ましくはHであり、および
B2はアルカンジイル鎖である]
の基である。
熟練した読者には理解されるであろうが、式(II)の破線で示された結合は、窒素原子と反対側の末端にメチル基を有さず、RCP基を式(I)の化合物の残部、すなわちこの場合、式(I)のRCPの結合点に結合させる結合を表す。換言すると、式(II)の破線で示された結合は、本発明による化合物中に存在する、式(II)に示された-NH-基の窒素原子と、式(I)の左側に示されたRCPが結合しているカルボニル基の炭素原子との間の共有結合を表す。このように、アミド結合は、式(II)に示されたRCPの-NH-基、および式(I)に示されたカルボニル基を使用して提供される。
式(II)の基において、-RB2-は、アルカンジイル鎖、好ましくはC2~C6アルカンジイル鎖、より好ましくはC2~C3アルカンジイル鎖、最も好ましくは-CH-CH-CH-である。したがって、RCPは、好ましくは式(IIa):
Figure 2024506700000006
の基であり、式中、RB1は、式(II)について定義されており、本明細書においてさらに定義されるこの変数の任意の好ましい実施形態を含み、破線は、RCP基を式(I)の化合物の残部に結合させる結合を示す。
CPは、式(IIb):
Figure 2024506700000007
の基であることがさらに一層好ましく、式中、RB1は、式(II)について定義されており、本明細書においてさらに定義されるこの変数の任意の好ましい実施形態を含み、破線は、RCP基を式(I)の化合物の残部に結合させる結合を示す。
式(I)の変数aは、0または1のいずれかであり、これにより、式(I)のリンカー構造中のフェニレン環に結合している-CH-基は、存在することもしないこともできる任意選択の基である。当然のことながら、それが存在しない場合、すなわち、aが0である場合、-CH-基は、式(I)中のこの基に隣接する原子間の直接結合に置換される。
式(I)のRL1基は、HまたはC1~C6アルキル、より好ましくはHまたはC1~3アルキル、より一層好ましくはHまたはメチル、最も好ましくはメチルである。
式(I)のRL2は、-NHおよび-NH-C(=X)-NHから選択される少なくとも1つの基で置換されている置換アルキルである。XはNHおよびOから選択される。置換アルキルのアルキル部分は、好ましくはC1~C6アルキル、より好ましくはC1~C4アルキル、より一層好ましくはC2~C4アルキルである。アルキル部分は、好ましくは直鎖アルキル部分である。アルキル部分は、-NHおよび-NH-C(=X)-NH基から選択される、少なくとも1つ、好ましくは正確に1つの置換基を有する。Xは、好ましくはNHであり、その場合、-NH-C(=X)-NH基は、グアニジノ基である。上記に伴って、RL2は、好ましくは、-(CH-NHおよび-(CH-NH-C(=NH)-NHから選択される基であり、Aは、1~6、好ましくは1~4、より好ましくは2~4の整数である。最も好ましくは、RL2は、-(CH-NH-C(=NH)-NHである。
式(I)および本明細書において定義されるその好ましい実施形態のRL3は、-CH-NHまたは-CH-(1H-イミダゾール-4-イル)であり、好ましくは-CH-NHである。-CH-(1H-イミダゾール-4-イル)基は、次式:
Figure 2024506700000008
で表すことができ、式中、破線は、この基を式(I)の化合物の残部に結合させる結合を示す。
式(I)および本明細書において定義されるその好ましい実施形態のRL4は、-NHである。
式(I)および本明細書において定義されるその好ましい実施形態の変数eは、1~4、好ましくは2~4の整数であり、より好ましくは2である。
式(I)のXは、カップリング基である。熟練した読者には理解されるであろうが、カップリング基Xは、RまたはRが式(I)の化合物の残部に、X基とR基との間、またはX基とR基との間に形成される共有結合を介してカップリングされることを可能にする官能基である。カップリング基は、1つまたは複数の原子からなることができる。好ましいカップリング基Xは、-NH-、-C(O)-、-O-、および-S-から選択される。典型的には、カップリング基Xは、RまたはRに含まれるさらなる相補的なカップリング基と共有結合しており、それにより、2つのカップリング基が組み合わさって、アミド結合-C(O)-NH-、エステル結合-C(O)-O-、または次式
Figure 2024506700000009
(式中、各破線は、この基を式(I)の化合物中の隣接する原子または基に結合させる結合を示す)で表すことができるチオスクシンイミジル基などの結合ユニットを形成する。
例えば、カップリング基X=-NH-は、RまたはRに含まれる相補的な基-C(O)-とアミド結合-NH-C(O)-を形成することができ、カップリング基X=-C(O)-は、RもしくはRに含まれる相補的な基-NH-とアミド結合-C(O)-NH-を形成することができるか、またはRもしくはRに含まれる相補的な基-O-とエステル結合-C(O)-O-を形成することができ、カップリング基X=-O-は、RもしくはRに含まれる相補的な基-C(O)-とエステル結合-O-C(O)-を形成することができるか、またはRもしくはRに含まれる炭素原子とエーテル結合-O-を形成することができ、カップリング基X=-S-は、RもしくはRに含まれる相補的な基-C(O)-とチオエステル結合-S-C(O)-を形成することができるか、またはRもしくはRに含まれる炭素原子とチオエーテル結合-S-を形成することができる。好ましい実施形態によれば、Xは、硫黄原子-S-であり、RまたはRに含まれる相補的なスクシンイミジル基と共有結合を形成する。後者の組合せは、チオール基を有する化合物を、マレイミジル基を含有する化合物と反応させることによって簡便に実現することができることが理解されよう。
式(I)の変数cは、0または1のいずれかであり、これにより、指数cを有する括弧[・・・]内に含有される置換基RL3を有する基は、存在することもしないこともできる。当然のことながら、それが存在しない場合、すなわち、cが0である場合、その基は直接結合に置換される。好ましくは、cは1である。同様に、式(I)の変数dは、0または1のいずれかであり、これにより、指数dを有する括弧[・・・]内に含有される置換基RL4を有する基は、存在することもしないこともできる。当然のことながら、それが存在しない場合、すなわち、dが0である場合、その基は直接結合に置換される。しかしながら、本発明による化合物において、cおよびdのうち少なくとも1つは1でなければならない。
したがって、式(I)の化合物は、式(Ia)、(Ib)または(Ic):
Figure 2024506700000010
を有することが好ましく、式中、変数RCP、a、RL1、RL2、RL3、R、b、RL4、e、XおよびRは、式(I)について定義されており、本明細書においてさらに定義されるこれらの変数の任意の好ましい実施形態を含む。
式(I)の化合物のこれらの好ましい式の中で、さらなる優先度が、式(Ia):
Figure 2024506700000011
に与えられる。
式(I)の化合物は、式(Iaa):
Figure 2024506700000012
の化合物であることが特に好ましく、式中、変数RCP、a、RL1、RL2、RL3、R、bおよびRは、式(I)について定義されており、本明細書においてさらに定義されるこれらの変数の任意の好ましい実施形態を含む。
式(I)および本明細書において定義されるその好ましい実施形態のRは、二価のスペーサー基である。変数bは0または1であり、これにより、スペーサー基Rは、存在することもしないこともできる任意選択の基である。当然のことながら、それが存在しない場合、すなわち、eが0である場合、R基は、式(I)のRに隣接する原子間の直接結合に置換される。R基は、好ましくは、3~10個、好ましくは4~6個の炭素原子の直鎖を含む。この炭素原子の直鎖は、NH基とR基との間(bが1であり、dが0である場合)またはX基とR基との間(bが1であり、dが1である場合)にわたる。3~10個、好ましくは4~6個の炭素原子の直鎖に加えて、Rは、炭素原子の鎖がNH基およびR基に、またはX基およびR基に、それぞれ結合されることを可能にする、1つまたは2つ、好ましくは2つのカップリング基を含んでもよい。典型的には、スペーサー基Rは、非分岐鎖であり、荷電基を含まない。
より好ましくは、R基は、3~10個の炭素原子を有する、好ましくは4~6個の炭素原子を有する直鎖アルカンジイル鎖を含む。このアルカンジイル鎖は、NH基とR基との間(bが1であり、dが0である場合)またはX基とR基との間(bが1であり、dが1である場合)にわたる。3~10個の炭素原子を有する、好ましくは4~6個の炭素原子を有する直鎖アルカンジイル鎖に加えて、R6Lは、アルカンジイル鎖がNH基およびR基、またはX基およびR基に、それぞれ結合されることを可能にする1つまたは2つ、好ましくは2つのカップリング基を含んでもよい。
したがって、R基は、式
-X-(CH-X
[式中、
は、dが0である場合、式(I)のNH基に、またはdが1である場合、式(I)のX基に結合するカップリング基であり、
Bは、3~10、好ましくは4~6の整数であり、および
は、Rに結合するカップリング基である]
の基であることが好ましい。
カップリング基XおよびXについて、上記のカップリング基Xの場合のように、同様の考察が適用される。したがって、カップリング基Xは、Rが、X基とNH基との間に形成される共有結合を介してNH基に、またはX基とX基との間に形成される共有結合を介してX基に、のいずれかに結合されることを可能にする官能基である。カップリング基Xは、1つまたは複数の原子からなることができる。好ましいカップリング基は、-NH-、-C(O)-、-O-、および-S-から選択される。XがNHに結合する場合、それは好ましくは-C(O)-であり、これにより、XおよびXは、アミド結合-C(O)-NH-を形成する。XがXに結合する場合、カップリング基XおよびXは、典型的には、組み合わさって、アミド結合-C(O)-NH-、エステル結合-C(O)-O-、またはチオスクシンイミジル基
Figure 2024506700000013
などの結合ユニットを形成する相補的なカップリング基である。
特に好ましいR基は、式-C(O)-(CH-NH-の基であり、Bは上記に定義されたとおりであり、N末端の結合はRに結合している。
上記に伴って、式(I)の化合物の変数の好ましい組合せは、RCP中のRB2は-CH-CH-CH-であり、RL1はメチルであり、RL2は-(CH-NH-C(=NH)-NHであり、cは1であり、残りの変数は、式(I)および(II)について定義されており、本明細書においてさらに定義されるこれらの変数の任意の好ましい実施形態を含むものであることが理解されよう。式(I)の化合物の変数のより一層好ましい組合せは、RCP中のRB2は-CH-CH-CH-であり、RL1はメチルであり、RL2は-(CH-NH-C(=NH)-NHであり、cは1であり、dは0であり、bは0または1であり、Rは、存在する場合、-C(O)-(CH-NH-であり(その場合、Bは上記のとおりであり、N末端の結合はRに結合している)、残りの変数は、式(I)および(II)について定義されており、本明細書においてさらに定義されるこれらの変数の任意の好ましい実施形態を含むものである。
したがって、特に好ましい式(I)の化合物は、次式(Iab)または次式(Iac)
Figure 2024506700000014
[式中、RB1、a、RおよびRは、式(I)および(II)についてそれぞれ定義されており、本明細書においてさらに定義されるこれらの変数の任意の好ましい実施形態を含む]
を有する。
は、診断上または治療上の有用性を有する部分、例えば標識基を含む官能基である。当業者には理解されるであろうが、診断上の有用性を有する部分は、患者への投与後に、または本発明によるリガンド化合物がin vitroまたはex vivoで生理学的試料に接触させられた後に、本発明によるリガンド化合物の検出を容易にする基またはそのような基の前駆体である。そのような前駆体の例は、検出されることが可能な放射性元素を有することができるが、そのような元素がまだ含有されていない基、例えば、SiFA部分またはキレート化部分である。好ましくは、診断上の有用性を有する部分は、本発明による化合物が、患者への投与後に患者の身体中で検出され、位置特定されることを可能にする基またはその前駆体である。診断上の有用性を有する部分を含む本発明の化合物は、CXCR4に対するその親和性のため、特にCXCR4のトレーサーとして機能することができる。治療上の有用性を有する部分は、本発明の化合物が、患者への投与後に、疾患または障害を、特に、CXCR4受容体を遮断することによって処置もしくは予防され得る疾患もしくは障害またはCXCR4の発現の増加もしくは異常発現に関連する疾患もしくは障害を、処置もしくは予防することを可能にする基、またはそのような基の前駆体である。そのような前駆体の例は、治療上の効果を有する放射性元素を有することができるが、そのような元素がまだ含有されていない基、例えばキレート化部分である。
基は、診断上または治療上の有用性を有する部分を含む。好ましくは、それは、このような部分のうち1つまたは2つを含む。2つの部分の組合せは、例えば、診断上および治療上の有用性を併せもつ本発明の化合物を提供するために有用であり得る。
好ましくは、式(I)の化合物および本明細書において定義されるその好ましい実施形態のRは、診断上または治療上の有用性を有する次の部分:
(i)キレート化部分、
(ii)キレート化された放射性または非放射性の陽イオンまたは陰イオン、好ましくはキレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともに、キレート化部分(i)によって形成されるキレート、
(iii)ケイ素原子およびフッ素原子を含むフッ化ケイ素アクセプター(SiFA)部分であって、フッ素原子が共有結合を介して直接ケイ素原子に結合しており、SiFA部分が、19Fの18Fによる同位体交換によって18Fで標識されることが可能であるか、または18Fによって標識されている、フッ化ケイ素アクセプター(SiFA)部分、
(iv)細胞傷害性部分、および
(v)蛍光部分
のうち少なくとも1つを含むか、またはそれらからなる。
より好ましくは、Rは、部分(i)~(v)のうち1つ、またはキレート化部分(i)およびキレート(ii)から選択される1つの部分と1つのSiFA部分(iii)との組合せを含むか、またはそれらからなる。
(i)および(ii)のキレート化部分は、放射性または非放射性の陽イオンまたは陰イオン、好ましくは放射性陽イオンとともにキレートを形成するのに適している。種々の陽イオンおよび陰イオンについてキレート化部分を提供する適切なキレート化剤は、当技術分野において周知であり、本発明に関連して使用することができる。キレート化部分を提供するのに適切な、金属キレート化剤または陽イオンキレート化剤、例えば大環状化合物または非環式化合物は、複数の製造元から入手可能である。多数のキレート化剤が、当業者によってさほど苦労なく市販品で使用され得ることが理解されよう。所与の陰イオンまたは陽イオンとともにキレートを形成するためのキレート化部分の適性は、そのキレート化部分が、検討中の陰イオンまたは陽イオンを含むキレート錯体においてキレート配位子を提供することが可能であることを必要とするが、そのキレート化部分が、キレート錯体において陰イオンまたは陽イオンの配位子のみを形成することは必要としないことも、さらに理解されよう。したがって、上記の選択肢(ii)に従うキレートは、キレート化された陽イオンまたは陰イオン、キレート化配位子としてのキレート化部分(i)、およびキレート化された陽イオンまたは陰イオンと配位する追加の配位子を含むことができる。
例えば、キレート化部分は、
8~20個の環原子(そのうち2個以上、好ましくは3個以上が、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選択される)を有する大環状環構造、および
8~20個の主鎖原子(そのうち2個以上、好ましくは3個以上が、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選択されるヘテロ原子である)を有する非環式の開鎖キレート化構造
のうち少なくとも1つを含むことができる。
好ましくは、上記の(i)または(ii)に記載のキレート化部分は、43Sc、44Sc、47Sc、51Cr、52mMn、58Co、52Fe、56Ni、57Ni、natCu、62Cu、64Cu、67Cu、66Ga、natGa、68Ga、67Ga、89Zr、90Y、86Y、94mTc、99mTc、97Ru、105Rh、109Pd、111Ag、110mIn、111In、113mIn、114mIn、117mSn、121Sn、127Te、142Pr、143Pr、147Nd、149Gd、149Pm、151Pm、149Tb、152Tb、155Tb、153Sm、156Eu、157Gd、161Tb、164Tb、161Ho、166Ho、157Dy、165Dy、166Dy、160Er、165Er、169Er、171Er、166Yb、169Yb、175Yb、167Tm、172Tm、natLu、177Lu、186Re、188Re、188W、191Pt、195mPt、194Ir、197Hg、198Au、199Au、natPb、212Pb、203Pb、211At、212Bi、213Bi、223Ra、224Ra、225Acおよび227Thの陽イオンから、ならびに18F-[AlF]2+などの18Fを含む陽イオン性分子から選択される陽イオンに対するキレート配位子として適しているキレート化部分である。
したがって、上記の(i)または(ii)のキレート化部分を提供するために使用され得る好ましいキレート化剤は、ビス(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(CBTE2a)、シクロヘキシル-1,2-ジアミン四酢酸(CDTA)、4-(1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカ-1-イル)-メチル安息香酸(CPTA)、N’-[5-[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]ペンチル]-N-[5-[[4-[5-アミノペンチル-(ヒドロキシ)アミノ]-4-オキソブタノイル]アミノ]ペンチル]-N-ヒドロキシブタンジアミド(DFO)、4,11-ビス(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザビシクレ[6.6.2]ヘキサデカン(DO2A)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(DOTA)、2-[1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-4,7,10-三酢酸]-ペンタン二酸(DOTAGAまたはDOTA-GA)、N,N’-ジピリドキシルエチレンジアミン-N,N’-ジアセテート-5,5’-ビス(ホスファト)(DPDP)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン-N,N’-四酢酸(EDTA)、エチレングリコール-O,O-ビス(2-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、N,N-ビス(ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、1-(p-ニトロベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロデカン-4,7,10-トリアセテート(HP-DOA3)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1-コハク酸-4,7-二酢酸(NODASA)、1-(1-カルボキシ-3-カルボキシプロピル)-4,7-(カルボキシ)-1,4,7-トリアザシクロノナン(NODAGA)、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、4,11-ビス(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(TE2A)、1,4,8,11-テトラアザシクロドデカン-1,4,8,11-四酢酸(TETA)、テルピリジン-ビス(メチレンアミン)四酢酸(TMT)、1,4,7,10-テトラアザシクロトリデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(TRITA)、およびトリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、N,N’-ビス[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-4,13-ジアザ-18-クラウン-6(Hマクロパ(Hmacropa))、4-アミノ-4-{2-[(3-ヒドロキシ-1,6-ジメチル-4-オキソ-1,4-ジヒドロ-ピリジン-2-イルメチル)-カルバモイル]-エチル}ヘプタン二酸ビス-[(3-ヒドロキシ-1,6-ジメチル-4-オキソ-1,4-ジヒドロ-ピリジン-2-イルメチル)-アミド](THP)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-トリス[メチレン(2-カルボキシエチル)ホスフィン酸(TRAP)、2-(4,7,10-トリス(2-アミノ-2-オキソエチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)酢酸(DO3AM)、および1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7、10-テトラキス[メチレン(2-カルボキシエチルホスフィン酸)](DOTPI)、S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸、メルカプトアセチル-トリセリン(mas)、ヒドラジノニコチン酸(HYNIC)ならびに3-(2-アミノエチルアミノ)-2-[(2-アミノエチルアミノ)メチル]プロパン酸(N4キレーター、6-カルボキシ-1,4,8,11-テトラアザウンデカン)から選択される。さらに好ましい例として、セリン残基のうち1つまたは複数が親水性側鎖を含有する別のアミノ酸に置換されている修飾メルカプトアセチルセリンキレート化剤(修飾mas)が挙げられ得る。
上記の(i)または(ii)のキレート化部分を提供するために使用されることが可能なこれらの好ましいキレート化剤の中で、特に好ましいのは、mas、修飾mas、HYNIC、N4キレーター、DOTAおよびDOTAGAから選択されるキレート化剤である。
熟練した読者には理解されるであろうが、上に挙げた好ましいキレート化剤および特に好ましいキレート化剤は、キレート化剤中に含有される官能基を使用して、キレート化部分を化合物の残部に結合させる結合ユニットを提供することによって、本発明による化合物中にキレート化部分を簡便に提供することができる。そのような結合ユニットの例として、例えば、キレート化剤中に官能基として含有され得るカルボキシル基またはアミノ基を使用して提供され得るアミド結合(-C(O)-NH-)またはエステル結合(-C(O)-O-)が挙げられ得る。
上記に伴って、上記の(ii)に言及されているキレート化された陽イオンは、好ましくは、43Sc、44Sc、47Sc、51Cr、52mMn、58Co、52Fe、56Ni、57Ni、natCu、62Cu、64Cu、67Cu、66Ga、natGa、68Ga、67Ga、89Zr、90Y、86Y、94mTc、99mTc、97Ru、105Rh、109Pd、111Ag、110mIn、111In、113mIn、114mIn、117mSn、121Sn、127Te、142Pr、143Pr、147Nd、149Gd、149Pm、151Pm、149Tb、152Tb、155Tb、153Sm、156Eu、157Gd、161Tb、164Tb、161Ho、166Ho、157Dy、165Dy、166Dy、160Er、165Er、169Er、171Er、166Yb、169Yb、175Yb、167Tm、172Tm、natLu、177Lu、186Re、188Re、188W、191Pt、195mPt、194Ir、197Hg、198Au、199Au、natPb、212Pb、203Pb、211At、212Bi、213Bi、223Ra、224Ra、225Acおよび227Thの陽イオンから、ならびに18F-[AlF]2+などの18Fを含む陽イオン性分子から選択される。そのような陽イオンで形成されるキレートは、式(I)の化合物またはその塩によって提供されるキレート化部分に加えて、キレート化された陽イオンと配位する配位子であって、式(I)の化合物またはその塩の一部ではない、1つまたは複数の追加の配位子、例えば、99mTc(V)-オキソコアを含むキレート中のオキソ-配位子などを含んでもよい。
基として特に好ましいのは、99mTc、177Lu、67Gaおよび68Gaの陽イオンから選択される陽イオンとともにキレートを形成することができるキレート化部分を含む基である。同様に、R基として好ましいのは、99mTc、177Lu、67Gaおよび68Gaの陽イオンから選択されるキレート化された陽イオンを有するキレートを含む基である。
上に述べたとおり、本発明の化合物の一部を形成するリンカーの構造は、CXCR4の高親和性を保持しながら、多種多様な官能基Rがこの化合物中に使用されることを可能にする。上記の選択肢(i)および(ii)に言及されているキレート化部分を含む官能基Rの場合、リンカーの好ましい影響は、Rが、DOTAもしくはDOTAGA残基からなる基以外の基、または一般にM3+(すなわち三価の金属陽イオン)のキレーターの残基からなる基以外の基である、式(I)の化合物およびその塩の場合に特に明白である。
上記の選択肢(iii)に即したフッ化ケイ素アクセプター(SiFA)部分は、好ましくは、式(S-1)の基:
Figure 2024506700000015
[式中、
S1およびRS2は、独立して、直鎖または分岐鎖C3~C10アルキル基であり、好ましくは、RS1およびRS2は、独立して、イソプロピルおよびtert-ブチルから選択され、より好ましくは、RS1およびRS2は、両者ともtert-ブチルであり、破線で示された結合は、式(S-1)の基を式(I)の化合物の残部に結合させる]を含む。好ましくは、式(S-1)の基は、置換基としてフェニル環に結合される。
より好ましくは、SiFA部分は、式(S-2)の基および式(S-3)の基
Figure 2024506700000016
[式中、
nは、1、2、または3であり、好ましくは1であり、RS1およびRS2は、独立して、直鎖または分岐鎖C3~C10アルキル基であり、好ましくは、RS1およびRS2は、独立して、イソプロピルおよびtert-ブチルから選択され、より好ましくは、RS1およびRS2は、両者ともtert-ブチルであり、破線で示された結合は、式(S-2)の基または式(S-3)の基を式(I)の化合物の残部に結合させる]から選択される基である。2つのメチル置換基を有する、式(S-3)に示された正電荷の四級窒素原子に適切な対イオンは、陰イオンを含み(陰イオンは、式(I)の化合物の、形成される塩に関して本明細書で述べられているため)、例えば、トリフルオロ酢酸陰イオンまたは酢酸陰イオンを含んでもよい。
熟練した読者には理解されるであろうが、式(S-2)および(S-3)の破線で示されたカルボニル基での結合は、カルボニル基の反対側の末端にメチル基を有さず、SiFA部分を式(I)の化合物の残部に結合させる結合を表す。換言すると、破線で示された結合は、式(S-2)および(S-3)に示されたカルボニル基の炭素原子と、本発明による化合物中の、(S-2)基または(S-3)基に隣接する原子または基との間に存在する共有結合を表す。例えば、アミド結合(-C(O)-NH-)またはエステル結合(-C(O)-O-)、好ましくはアミド結合は、式(S-2)および(S-3)に示されたカルボニル基ならびにこれらの基に隣接する-NH-基または-O-基を使用して提供される。例えば、そのような-NH-基または-O-基は、Rのリンカー形成部分に含まれてもよい。
さらに理解されるであろうが、式(S-1)~(S-3)に含有されるフッ素原子は、18F原子、または19Fの18Fによる同位体交換によって18Fを提供するために交換されることが可能な19F原子であってもよい。
上記の選択肢(iv)の細胞傷害性部分は、例えば、細胞傷害性化合物、例えばアウリスタチン類似体、例えば、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)、またはPF-06380101などの残基によって提供されてもよい。残基は、細胞傷害性部分を本発明による化合物の残部に結合させる結合ユニットを形成するための、細胞傷害性化合物中に含有される官能基を使用して提供されてもよい。任意選択により、代謝的に切断可能なリンカーが、細胞傷害性部分を本発明による化合物の残部に結合させるリンカーとして、さらに提供されてもよい。
上記の選択肢(v)の蛍光部分は、例えば、蛍光色素の残基によって提供されてもよい。そのような蛍光色素は、当技術分野において公知であり、例えば、Cy5-系およびCy7-系のシアニン色素を含む。残基は、細胞傷害性部分を本発明による化合物の残部に結合させる結合ユニットを提供するための、蛍光色素中に含有される官能基を使用して提供されてもよい。
上記の診断上または治療上の有用性を有する部分に加えて、Rは、異なる目的を対象とする1つまたは複数のさらなる部分を含むことができる。例えば、Rは、診断上または治療上の有用性を有する1つまたは複数の部分が、化合物の残部に結合されることを可能にする二価またはそれより高原子価のリンカーを含むことができる。別の例として、本発明による化合物の親水性/疎水性特性を調整するためにRに含まれる部分、例えば、1つまたは複数の極性基を有する部分が挙げられ得る。
当業者には理解されるであろうが、Rは、Rが、-NH-基に(式(I)の化合物中、dが0であり、bが0である場合)、-X-基に(式(I)の化合物中、dが1であり、bが0である場合)、または-R-の終端に(式(I)の化合物中、bが1である場合)共有結合されることを可能にするカップリング基を含む。適切なカップリング基は、確立した合成化学の原理に依拠して選択および提供され得る。例えば、カップリング基は、Rによって任意選択により含まれるリンカー中に含有されることが可能であるか、またはRに含まれる診断上または治療上の有用性を有する部分の一部であることが可能である。例えば、式(I)の化合物中、dが0であり、bが0である場合、Rは、アミド結合を提供するために-NH-に結合するためのカップリング基-C(O)-を含むことが好ましい。そのようなカップリング基は、例えば、カルボキシル基から簡便に誘導されることが可能である。同様に、式(I)の化合物中、bが1であり、Rが式-C(O)-(CH-NH-の基である場合、Rは、アミド結合を提供するために-NH-に結合するためのカップリング基-C(O)-を含むことが好ましい。別の例として、式(I)の化合物中、dが1であり、bが0であり、Xが-S-である場合、Rは、チオスクシンイミジル基を得るために-S-に結合するためのカップリング基としてスクシンイミジル基を含むことができる。そのようなカップリング基は、例えば、マレイミジル基から簡便に誘導されることが可能である。
上記に伴って、Rの特に好ましい実施形態が以下に例示され得る。
- Rは、アミド結合を介して式(I)の化合物の残部に結合されるメルカプトアセチルトリセリン(mas)キレート化剤によって提供されるキレート化部分である、
- Rは、アミド結合を介して式(I)の化合物の残部に結合されるメルカプトアセチルトリセリン(mas)キレート化剤によって提供されるキレート化部分と、99mTc陽イオンなどのキレート化された陽イオンとを含むキレートである、
- Rは、アミド結合を介して式(I)の化合物の残部に結合される修飾メルカプトアセチルトリセリン(mas)キレート化剤によって提供されるキレート化部分であり、この場合、セリン残基のうち1つまたは複数が、親水性側鎖を有する別のアミノ酸残基、例えばシトルリンによって、またはグリコシル化側鎖を有するアミノ酸残基によって置換されている、
- Rは、アミド結合を介して式(I)の化合物の残部に結合される修飾メルカプトアセチルトリセリン(mas)キレート化剤によって提供されるキレート化部分(この場合、セリン残基のうち1つまたは複数が、親水性側鎖を有する別のアミノ酸残基、例えばシトルリンによって、またはグリコシル化側鎖を有するアミノ酸残基によって置換されている)と、99mTc陽イオンなどのキレート化された陽イオンとを含むキレートである、
- Rは、アミド結合を介して式(I)の化合物の残部に結合されるヒドラジノニコチン酸(HYNIC)キレート化剤によって提供されるキレート化部分である、
- Rは、アミド結合を介して式(I)の化合物の残部に結合されるヒドラジノニコチン酸(HYNIC)キレート化剤によって提供されるキレート化部分と、99mTc陽イオンなどのキレート化された陽イオンとを含むキレートである、
- Rは、アミド結合を介して式(I)の化合物の残部に結合される3-(2-アミノエチルアミノ)-2-[(2-アミノエチルアミノ)メチル]プロパン酸(N4)キレート化剤によって提供されるキレート化部分であるか、またはRは、アミド結合を介して式(I)の化合物の残部に結合されるN4キレート化剤によって提供されるキレート化部分を含む、
- Rは、アミド結合を介して式(I)の化合物の残部に結合される3-(2-アミノエチルアミノ)-2-[(2-アミノエチルアミノ)メチル]プロパン酸(N4)キレート化剤によって提供されるキレート化部分と、99mTc陽イオンなどのキレート化された陽イオンとを含むキレートであるか、またはRは、アミド結合を介して式(I)の化合物の残部に結合されるN4キレート化剤によって提供されるキレート化部分と、99mTc陽イオンなどのキレート化された陽イオンとを含むキレートを含む、
- Rは、SiFA部分およびキレート化部分、例えば、アミド結合を介して式(I)の化合物の残部に結合されるDOTAまたはDOTAGAキレート化剤によって提供されるキレート化部分を含む、
- Rは、SiFA部分、およびキレート化部分、例えば、DOTAまたはDOTAGAキレート化剤によって提供されるキレート化部分と、キレート化された陽イオン、例えば、177Lu陽イオン、68Ga陽イオンまたは69Ga陽イオンとを含むキレートを含む、
- Rは、MMAEによって提供される細胞傷害性部分を含む、または
- Rは、蛍光色素Cy5.5によって提供される蛍光部分を含む。
の存在(すなわち、式(I)においてbの選択が1)は、特に、R基が高分子量を有する場合、R基が式(I)の化合物の残部への結合点の付近に大型の基を含有する場合、またはR基が負電荷の官能基を含む(キレート錯体の形成によって負電荷が中和される官能基を考慮しない)場合、本発明の化合物のCXCR4の高親和性に鑑みて、追加の有益性をもたらすことができる。したがって、方向として、任意選択によるスペーサー基Rの存在は、次の3つの要件のうち2つを満たすR基を含有する化合物に対する親和性をさらに向上させることが期待される。
i)Rの分子量は300g/molを超える、
ii)式(I)の化合物が、中性pHで溶液中に維持されている(キレート錯体の形成によって中和されるキレート化剤中の荷電基を考慮しない)場合、Rは、<-1の電荷を有する、
iii)Rは、Rの式(I)の化合物の残部への結合点の付近(例えばRが結合される原子から7未満の共有結合(C-C結合、C-O-結合、またはC-N結合)分、離れている)に、フェニル環またはより大きい芳香族基を含む。
上に述べたとおり、本発明によるリガンド化合物は、式(I)の化合物およびその塩、好ましくは薬学的に許容される塩を包含する。そのような塩は、例えば、プロトン化しやすい孤立電子対を有する原子、例えば窒素原子の、無機酸または有機酸でのプロトン化によって、またはカルボン酸基などの酸性基からプロトンを分離することによって、例えば塩基での中和によって、形成され得る。本発明による化合物中に存在し得る他の荷電基は、持続的に荷電している基、例えば、4つのオルガニル基で置換された第四級アンモニウム陽イオンまたは荷電キレート錯体を含む。
本発明の化合物の塩形態で存在することができる例示的な陰イオンとして、その塩形態が式(I)の化合物の正電荷形態を含む場合、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン(例えば、リン酸塩、リン酸水素塩、またはリン酸二水素塩など)、炭酸イオン、炭酸水素イオンまたは過塩素酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオン、ペンタン酸イオン、ヘキサン酸イオン、ヘプタン酸イオン、オクタン酸イオン、シクロペンタンプロピオン酸イオン、ウンデカン酸イオン、乳酸イオン、マレイン酸イオン、シュウ酸イオン、フマル酸イオン、酒石酸イオン、リンゴ酸イオン、クエン酸イオン、ニコチン酸イオン、安息香酸イオン、サリチル酸イオンまたはアスコルビン酸イオン、スルホン酸イオン、例えば、メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、2-ヒドロキシエタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン(トシル酸イオン)、2-ナフタレンスルホン酸イオン、3-フェニルスルホン酸イオン、またはカンファースルホン酸イオンから選択される陰イオンを挙げることができる。トリフルオロ酢酸は、ペプチドの合成中に頻用されるため、ペプチド構造を含む化合物が形成される場合、トリフルオロ酢酸塩は、提供される典型的な塩である。そのようなトリフルオロ酢酸塩は、そのワークアップ中に酢酸塩に変換されてもよい。本発明の化合物の塩形態で存在することができる例示的な陽イオンとして、その塩形態が式(I)の化合物の負電荷形態を含む場合、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンなどのアルカリ金属陽イオン、カルシウムイオンまたはマグネシウムイオンなどのアルカリ土類金属陽イオン、およびアンモニウムイオン(有機基で置換されたアンモニウムイオンを含む)から選択される陽イオンを挙げることができる。
本発明によるリガンド化合物は、好ましくは、100nM以下、より好ましくは10nM以下、より一層好ましくは5nM以下のIC50値によって反映される親和性で、ヒトCXCR4に結合することができる。
本発明による例示的な化合物として、以下が挙げられる。
次式:
Figure 2024506700000017
の化合物、式中に示されたmasキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000018
の化合物、式中に示されたmasキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000019
の化合物、式中に示されたmasキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000020
の化合物、式中に示されたmasキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000021
の化合物、式中に示された修飾masキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000022
の化合物、式中に示された修飾masキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000023
の化合物、式中に示された修飾masキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000024
の化合物、式中に示された修飾masキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000025
の化合物、式中に示されたHYNICキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000026
の化合物、式中に示されたN4キレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000027
の化合物、式中に示されたN4キレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000028
の化合物、式中に示されたN4キレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000029
の化合物、式中に示されたDOTAキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000030
の化合物、式中に示されたDOTAキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000031
の化合物、式中に示されたDOTAキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000032
の化合物、式中に示されたDOTAキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000033
の化合物、式中に示されたDOTAキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000034
の化合物、式中に示されたDOTAGAキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000035
の化合物、式中に示されたDOTAGAキレート化部分のうちいずれかが、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000036
の化合物、式中に示されたDOTAGAキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000037
の化合物、式中に示されたDOTAGAキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000038
の化合物、式中に示されたDOTAGAキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000039
の化合物、式中に示されたDOTAキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000040
の化合物またはその塩、
次式:
Figure 2024506700000041
の化合物またはその塩、
次式:
Figure 2024506700000042
の化合物またはその塩、
次式:
Figure 2024506700000043
の化合物、式中に示されたDOTAGAキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩、
次式:
Figure 2024506700000044
の化合物またはその塩、
次式:
Figure 2024506700000045
の化合物またはその塩、および
次式:
Figure 2024506700000046
の化合物、式中に示されたDOTAキレート化部分が、キレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともにキレートを形成する化合物、またはこれらのうちいずれかの塩。
さらなる態様において、本発明は、1つまたは複数のタイプ、好ましくは1つのタイプの本発明によるリガンド化合物、すなわち、式(I)の化合物(本明細書に記載される任意のその好ましい実施形態を含む)、またはその塩を、含むかまたはそれらからなる医薬組成物(治療組成物とも呼ばれる)を提供する。関連する態様において、本発明によるリガンド化合物は、治療において使用するため、または薬剤として使用するために提供される。したがって、本発明のリガンド化合物は、治療方法において使用されることが可能であり、当該方法は、当該リガンド化合物を対象に投与するステップを含むことができる。対象は、ヒトまたは動物とすることができ、好ましくはヒトである。本発明のこれらの医学的態様によれば、官能基Rは、一般に、治療上の有用性を有する部分、例えば、治療上の効果を有する放射性元素を有する基、または細胞傷害性部分を含むことが理解されるべきである。
上記の治療または治療方法は、一般に、CXCR4受容体を遮断することによって処置もしくは予防されることが可能な疾患もしくは障害、またはCXCR4受容体の発現の増加もしくは異常に関連する疾患もしくは障害、例えば、がん、心血管障害または炎症性障害などの、ヒトまたは動物体の疾患または障害の処置または予防を狙いとする。したがって、治療上の適用の観点から、本発明の化合物は、好ましくは、がん、炎症性障害もしくは心血管障害、例えば、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、または卒中などの処置または予防において使用するために提供される。
式(I)のR基の選択という観点から本発明によって提供される多用途性のため、本発明の化合物は、種々の治療手法に好都合に適応されることが可能である。例えば、放射性構成成分、例えば放射性金属陽イオンとともにキレートを形成することができるキレート化部分を含む本発明による化合物、またはそのようなキレートを含む化合物は、放射線療法、特に、標的放射性リガンド療法(RLT)のために使用されることが可能である。放射線療法の場合、キレート化された放射性陽イオンは、好ましくは、ガンマまたはベータ放射体である。なぜなら、それらは、標的部位において特定の標的細胞を衰弱させるかまたは破壊する放射線量を放射することができるからである。ガンマまたはベータ放射体の例は、177Lu、89Zrおよび186Reである。別の例として、細胞傷害性部分を含む本発明による化合物は、細胞、例えばがん細胞の化学療法的破壊に関与する治療において使用するために提供され得る。
別の態様において、本発明は、1つまたは複数のタイプ、好ましくは1つのタイプの本発明によるリガンド化合物、すなわち、式(I)の化合物(本明細書に記載される任意のその好ましい実施形態を含む)、またはその塩を、含むかまたはそれらからなる診断上の組成物を提供する。関連する態様において、本発明によるリガンド化合物は、疾患または障害のin vivoでの診断の方法において使用するために提供される。したがって、本発明によるリガンド化合物は、診断の方法において使用されることが可能であり、当該方法は、リガンド化合物を対象に投与し、対象においてリガンド化合物を検出するステップ、または対象におけるリガンド化合物の分布をモニターし、それにより、診断されようとする疾患を検出またはモニターするステップを含むことができる。対象は、ヒトまたは動物とすることができ、好ましくはヒトである。代替として、診断の方法は、リガンド化合物を、試料、例えば対象から得られた生理学的試料にin vitroまたはex vivoで添加し、試料中のリガンド化合物を検出するステップを含むこともできる。本発明のこれらの診断上の態様によれば、官能基Rは、一般に、診断上の有用性を有する部分、例えば、検出可能な放射性元素を有する基、または蛍光部分を含むことが理解されるべきである。
上記の診断の方法は、一般に、CXCR4受容体を遮断することによって処置もしくは予防されることが可能な疾患もしくは障害、またはCXCR4受容体の発現の増加に関連する疾患もしくは障害、例えば、がん、心血管障害または炎症性障害などの、ヒトまたは動物体の疾患または障害の同定を狙いとする。したがって、診断上の適用の観点から、本発明の化合物は、好ましくは、がん、心血管障害もしくは炎症性障害、例えば、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、または卒中などの障害のin vivoでの診断の方法において使用するために提供される。
式(I)のR基の選択という観点から本発明によって提供される多用途性のため、本発明の化合物は、種々の診断手法に好都合に適応されることが可能である。例えば、放射性構成成分、例えば放射性金属陽イオンとともにキレートを形成することができるキレート化部分を含む本発明による化合物、そのようなキレートを含む化合物、または18F原子を含む化合物は、核画像診断のために使用されることが可能である。例えば、本発明による化合物が、陽電子放射体、例えば、キレート化された64Cu陽イオン、キレート化された68Ga陽イオン、またはSiFA部分中に結合された18F原子を含む場合、化合物は、陽電子放出断層撮影(PET)イメージングによる診断のために使用されることが可能である。本発明による他の化合物、例えば、キレート化された99mTc陽イオンを含む化合物は、単一光子放出型コンピューター断層撮影(SPECT)イメージングによる診断のために使用され得る。さらなる例として、SiFA部分を含む本発明による化合物は、19F MRIによる診断のために使用されることが可能であり、または蛍光部分を含む本発明による化合物は、光学イメージングに関与する診断方法において使用されることが可能である。
治療上および診断上の適用についての適性は、相互排他的ではないことが理解されよう。すなわち、本発明による化合物は、両方の適用に好適であり得、したがって、官能基Rは、診断上および治療上の有用性の両方を有する部分を、または診断上の有用性を有する部分および治療上の有用性を有する部分を別々の部分として、含むことができる。例えば、本発明による化合物は、放射線療法および画像診断において活性な放射性種を含むことができる。さらに、本発明の化合物は、SiFA部分と、治療的に活性な放射性陽イオンとともにキレートを形成するのに適したキレート化部分との両方を含む放射ハイブリッド化合物を包含する。そのような放射ハイブリッド化合物は、SiFA部分が18F原子を有し、キレート化部分が非放射性(cold)陽イオンとともにキレートを形成する場合、診断目的のために使用されてもよく、SiFA部分が19F原子を有し、キレート化部分が対応する放射性(hot)陽イオンとともにキレートを形成する場合、治療目的のために使用されてもよい。有利なことには、放射性および非放射性の陽イオンが同じ化学種の異なる同位体である場合、診断上および治療上の変形の放射ハイブリッド化合物の薬物動態学的性質は、依然として同じである。診断および治療において使用するための例示的な放射ハイブリッドリガンド化合物は、18F原子/natGa陽イオンを組み合わせる化合物および19F原子/68Ga陽イオンを組み合わせる化合物、18F原子/natY陽イオンを組み合わせる化合物および19F原子/90Y陽イオンを組み合わせる化合物、または18F原子/natLu陽イオンを組み合わせる化合物および19F原子/177Lu陽イオンを組み合わせる化合物である。
医薬のまたは診断上の組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、賦形剤および/または希釈剤をさらに含むことができる。適切な医薬の担体、賦形剤および/または希釈剤の例は、当技術分野において周知であり、リン酸緩衝生理食塩水、水、エマルション、例えば、油/水エマルション、種々のタイプの湿潤剤、滅菌溶液などを含む。そのような担体を含む組成物は、周知の従来方法によって製剤化されることが可能である。これらの組成物は、対象に適切な用量で投与されることが可能である。適切な組成物の投与は、様々な方法で、例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、局所、皮内、鼻腔内または気管支内の投与によって実現され得る。前記投与は、注射および/または送達によって行われるのが特に好ましい。組成物は、標的部位に直接投与されてもよい。投与計画は、主治医および臨床的要因によって決定されることになる。医学分野において周知であるように、任意の1人の患者の投与量は、患者のサイズ、体表面積、年齢、投与されようとする特定の化合物、性別、時間および投与経路、全身の健康、ならびに併用で投与される他の薬物を含む多くの要因に依存する。薬学的に活性な物質は、例えば、1用量当たり0,1ng~10mg/kg体重の間の量で存在し得るが、特に上記の要因を考慮すると、この例示的な範囲未満またはこの例示的な範囲を超える用量が想定される。
以下の項目は、本発明の態様の要約である。これらの項目は、上記の説明部分に密接に関連すること、およびこれらの項目において提供される情報は、上記の説明部分を補足することができ、その逆もまた同様であることが理解されよう。
1.式(I):
Figure 2024506700000047
[式中、
aは0または1、好ましくは0であり、
bは0または1であり、
cは0または1であり、かつ
dは0または1であり、但し、cおよびdのうち少なくとも1つは1であり、
eは1~4、好ましくは2~4の整数であり、
CPは、式(II):
Figure 2024506700000048
(ここで、式(II)において、
B1はHまたはI、好ましくはHであり、
B2はアルカンジイル鎖であり、
破線は、RCP基を式(I)の化合物の残部に結合させる結合を示す)
のシクロペプチド基であり、
L1はHまたはアルキルであり、
L2は、-NHおよび-NH-C(=X)-NHから選択される少なくとも1つの基で置換されている置換アルキルであり、XはNHおよびOから選択され、
L3は、-CH-NHまたは-CH-(1H-イミダゾール-4-イル)であり、
L4は-NHであり、
はカップリング基であり、
は二価のスペーサー基であり、および
は、診断上または治療上の有用性を有する部分を含む官能基である]
の化合物またはその塩。
2.式(I)のRCPは、式(IIa):
Figure 2024506700000049
[式中、RB1は、項目1において定義されており、破線は、RCP基を式(I)の化合物の残部に結合させる結合を示す]
の基である、項目1に記載の化合物または塩。
3.式(I)のRL1基は、HまたはC1~C6アルキル、より好ましくはHまたはC1~3アルキルである、項目1または2に記載の化合物または塩。
4.式(I)のRL1基はメチルである、項目3に記載の化合物または塩。
5.式(I)のRL2は、-NHおよび-NH-C(=X)-NH基から選択される1つの置換基を有する、C1~C6アルキル、より好ましくはC1~C4アルキル、より一層好ましくはC2~C4アルキルであり、XはNHまたはOである、項目1~4のいずれかに記載の化合物または塩。
6.式(I)のRL2は、-(CH-NHおよび-(CH-NH-C(=NH)-NHから選択される基であり、Aは、1~6、好ましくは1~4、より好ましくは2~4の整数である、項目5に記載の化合物または塩。
7.式(I)のRL2は、-(CH-NH-C(=NH)-NHである、項目6に記載の化合物または塩。
8.式(I)のRL3は、-CH-NHである、項目1~7のいずれかに記載の化合物または塩。
9.式(I)のeは2である、項目1~8のいずれかに記載の化合物または塩。
10.式(I)のXは-S-である、項目1~9のいずれかに記載の化合物または塩。
11.式(I)のcは1であり、かつ式(I)のdは0であるか、または式(I)のcは0であり、かつ式(I)のdは1である、項目1~10のいずれかに記載の化合物または塩。
12.式(I)のcは1であり、式(I)のdは0である、項目1~10のいずれかに記載の化合物または塩。
13.式(I)のbは0である、項目1~12のいずれかに記載の化合物または塩。
14.式(I)のRは、-C(O)-(CH-NH-であり、Bは、3~10、好ましくは4~6の整数であり、N末端の結合はRに結合している、項目1~12のいずれかに記載の化合物または塩。
15.式(I)のRは、診断上または治療上の有用性を有する1つまたは2つの部分を含む、項目1~14のいずれかに記載の化合物または塩。
16.式(I)のRに含まれる診断上または治療上の有用性を有する部分は、
(i)キレート化部分、
(ii)キレート化された放射性または非放射性の陽イオンまたは陰イオン、好ましくはキレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともに、キレート化部分(i)によって形成されるキレート、
(iii)ケイ素原子およびフッ素原子を含むフッ化ケイ素アクセプター(SiFA)部分であって、フッ素原子が共有結合を介して直接ケイ素原子に結合しており、SiFA部分が、19Fの18Fによる同位体交換によって18Fで標識されることが可能であるか、または18Fによって標識されている、フッ化ケイ素アクセプター(SiFA)部分、
(iv)細胞傷害性部分、および
(v)蛍光部分
から選択される、項目1~15のいずれかに記載の化合物または塩。
17.式(I)のRは、部分(i)~(v)のうち1つを含むか、またはキレート化部分(i)およびキレート(ii)から選択される1つの部分と1つのSiFA部分(iii)との組合せを含む、項目16に記載の化合物または塩。
18.(i)および(ii)に記載のキレート化部分は、43Sc、44Sc、47Sc、51Cr、52mMn、58Co、52Fe、56Ni、57Ni、natCu、62Cu、64Cu、67Cu、66Ga、natGa、68Ga、67Ga、89Zr、90Y、86Y、94mTc、99mTc、97Ru、105Rh、109Pd、111Ag、110mIn、111In、113mIn、114mIn、117mSn、121Sn、127Te、142Pr、143Pr、147Nd、149Gd、149Pm、151Pm、149Tb、152Tb、155Tb、153Sm、156Eu、157Gd、161Tb、164Tb、161Ho、166Ho、157Dy、165Dy、166Dy、160Er、165Er、169Er、171Er、166Yb、169Yb、175Yb、167Tm、172Tm、natLu、177Lu、186Re、188Re、188W、191Pt、195mPt、194Ir、197Hg、198Au、199Au、natPb、212Pb、203Pb、211At、212Bi、213Bi、223Ra、224Ra、225Acおよび227Thの陽イオンから、ならびに18F-[AlF]2+などの18Fを含む陽イオン性分子から選択される陽イオンに対するキレート配位子として適しているキレート化部分である、項目16または17に記載の化合物または塩。
19.(i)および(ii)に記載のキレート化部分は、ビス(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(CBTE2a)、シクロヘキシル-1,2-ジアミン四酢酸(CDTA)、4-(1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカ-1-イル)-メチル安息香酸(CPTA)、N’-[5-[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]ペンチル]-N-[5-[[4-[5-アミノペンチル-(ヒドロキシ)アミノ]-4-オキソブタノイル]アミノ]ペンチル]-N-ヒドロキシブタンジアミド(DFO)、4,11-ビス(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザビシクレ[6.6.2]ヘキサデカン(DO2A)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(DOTA)、2-[1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-4,7,10-三酢酸]-ペンタン二酸(DOTAGAまたはDOTA-GA)、N,N’-ジピリドキシルエチレンジアミン-N,N’-ジアセテート-5,5’-ビス(ホスファト)(DPDP)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン-N,N’-四酢酸(EDTA)、エチレングリコール-O,O-ビス(2-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、N,N-ビス(ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、1-(p-ニトロベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロデカン-4,7,10-トリアセテート(HP-DOA3)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1-コハク酸-4,7-二酢酸(NODASA)、1-(1-カルボキシ-3-カルボキシプロピル)-4,7-(カルボキシ)-1,4,7-トリアザシクロノナン(NODAGA)、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、4,11-ビス(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(TE2A)、1,4,8,11-テトラアザシクロドデカン-1,4,8,11-四酢酸(TETA)、テルピリジン-ビス(メチレンアミン)四酢酸(TMT)、1,4,7,10-テトラアザシクロトリデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(TRITA)、およびトリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、N,N’-ビス[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-4,13-ジアザ-18-クラウン-6(Hマクロパ)、4-アミノ-4-{2-[(3-ヒドロキシ-1,6-ジメチル-4-オキソ-1,4-ジヒドロ-ピリジン-2-イルメチル)-カルバモイル]-エチル}ヘプタン二酸ビス-[(3-ヒドロキシ-1,6-ジメチル-4-オキソ-1,4-ジヒドロ-ピリジン-2-イルメチル)-アミド](THP)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-トリス[メチレン(2-カルボキシエチル)ホスフィン酸(TRAP)、2-(4,7,10-トリス(2-アミノ-2-オキソエチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)酢酸(DO3AM)、および1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7、10-テトラキス[メチレン(2-カルボキシエチルホスフィン酸)](DOTPI)、S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸、メルカプトアセチル-トリセリン(mas)、ヒドラジノニコチン酸(HYNIC)、ならびに3-(2-アミノエチルアミノ)-2-[(2-アミノエチルアミノ)メチル]プロパン酸(N4キレーター、6-カルボキシ-1,4,8,11-テトラアザウンデカン)から選択されるキレート化剤によって、またはセリン残基のうち1つまたは複数が親水性側鎖を含有する別のアミノ酸に置換されている修飾メルカプトアセチルセリンキレート化剤によって提供される、項目16~18のいずれかに記載の化合物または塩。
20.Rは、99mTc、177Luおよび68Gaの陽イオンから選択される陽イオンとともにキレートを形成することができるキレート化部分を含むか、またはRは、99mTc、177Luおよび68Gaの陽イオンから選択されるキレート化された陽イオンを有するキレートを含む、項目16~19のいずれかに記載の化合物または塩。
21.SiFA部分(iii)は、式(S-1)の基:
Figure 2024506700000050
[式中、
S1およびRS2は、独立して、直鎖または分岐鎖C3~C10アルキル基であり、好ましくは、RS1およびRS2は、独立して、イソプロピルおよびtert-ブチルから選択され、より好ましくは、RS1およびRS2は、両者ともtert-ブチルであり、破線の結合は、式(S-1)の基を式(I)の化合物の残部に結合させる]
を含む、項目16~20のいずれかに記載の化合物または塩。
22.SiFA部分(iii)は、式(S-2)の基および式(S-3)の基
Figure 2024506700000051
[式中、
nは、1、2、または3であり、好ましくは1であり、RS1およびRS2は、独立して、直鎖または分岐鎖C3~C10アルキル基であり、好ましくは、RS1およびRS2は、独立して、イソプロピルおよびtert-ブチルから選択され、より好ましくは、RS1およびRS2は、両者ともtert-ブチルであり、破線で示された結合は、式(S-2)の基または式(S-3)の基を式(I)の化合物の残部に結合させる]
から選択される、項目21に記載の化合物または塩。
23.細胞傷害性部分(iv)は、好ましくはモノメチルアウリスタチンE(MMAE)およびモノメチルアウリスタチンF(MMAF)から選択されるアウリスタチン類似体の残基によって、またはPF-06380101の残基によって提供される、項目16~22のいずれかに記載の化合物または塩。
24.蛍光部分(v)は、蛍光色素、好ましくはCy5-系またはCy7-系のシアニン色素の残基によって提供される、項目16~23のいずれかに記載の化合物または塩。
25.項目1~24のいずれかに記載の化合物または塩を含む、またはそれらからなる医薬組成物。
26.薬剤として使用するための項目1~24のいずれかに記載の化合物または塩。
27.CXCR4受容体を遮断することによって処置もしくは予防されることが可能な疾患もしくは障害、またはCXCR4受容体の発現の増加もしくは異常に関連する疾患もしくは障害の、処置または予防において使用するための、項目1~24のいずれかに記載の化合物または塩。
28.がん、心血管障害または炎症性障害の処置または予防において使用するための、項目1~24および27のいずれかに記載の化合物または塩。
29.項目1~24のいずれかに記載の化合物または塩を含むか、またはそれらからなる、診断上の組成物。
30.疾患または障害のin vivoでの診断の方法において使用するための、項目1~24のいずれかに記載の化合物または塩。
31.CXCR4受容体を遮断することによって処置もしくは予防されることが可能な疾患もしくは障害、またはCXCR4受容体の発現の増加もしくは異常に関連する疾患もしくは障害の、in vivoでの診断の方法において使用するための、項目1~24のいずれかに記載の化合物または塩。
32.がん、心血管障害または炎症性障害のin vivoでの診断の方法において使用するための、項目1~24および31のいずれかに記載の化合物または塩。
本明細書において、特許出願および製造元のマニュアルを含む複数の文書が引用されている。これらの文書の開示は、本発明の特許性に関連するとは考えられないが、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。より具体的には、個々の文書が参照により組み込まれることが明確におよび個別に示されているかのような場合と同程度まで、すべての参考文書が参照により組み込まれる。
参考文献
1. Zlotnik A, Yoshie O. Chemokines. Immunity. 2000;12:121-127. doi:10.1016/s1074-7613(00)80165-x.
2. Domanska UM, Kruizinga RC, Nagengast WB, et al. A review on CXCR4/CXCL12 axis in oncology: No place to hide. Eur J Cancer. 2013;49:219-230. doi:10.1016/j.ejca.2012.05.005.
3. Feng Y, Broder CC, Kennedy PE, Berger EA. HIV-1 entry cofactor: Functional cDNA cloning of a seven-transmembrane, G protein-coupled receptor. Science. 1996;272:872-877. doi:10.1126/science.272.5263.872.
4. Nagasawa T, Hirota S, Tachibana K, et al. Defects of B-cell lymphopoiesis and bone-marrow myelopoiesis in mice lacking the CXC chemokine PBSF/SDF-1. Nature. 1996;382:635-638. doi:10.1038/382635a0.
5. Loetscher P, Moser B, Baggiolini M. Chemokines and Their Receptors in Lymphocyte Traffic and HIV Infection. In: Vol. 74: Elsevier; 1999:127-180. Advances in Immunology.
6. Aiuti A, Webb IJ, Bleul C, Springer T, Gutierrez-Ramos JC. The chemokine SDF-1 is a chemoattractant for human CD34+ hematopoietic progenitor cells and provides a new mechanism to explain the mobilization of CD34+ progenitors to peripheral blood. J Exp Med. 1997;185:111-120. doi:10.1084/jem.185.1.111.
7. Burger JA, Burger M, Kipps TJ. Chronic lymphocytic leukemia B cells express functional CXCR4 chemokine receptors that mediate spontaneous migration beneath bone marrow stromal cells. Blood. 1999;94:3658-3667.
8. Muller A, Homey B, Soto H, et al. Involvement of chemokine receptors in breast cancer metastasis. Nature. 2001;410:50-56. doi:10.1038/35065016.
9. Burger JA, Kipps TJ. CXCR4: A key receptor in the crosstalk between tumor cells and their microenvironment. Blood. 2006;107:1761-1767. doi:10.1182/blood-2005-08-3182.
10. Chatterjee S, Behnam Azad B, Nimmagadda S. The intricate role of CXCR4 in cancer. Adv Cancer Res. 2014;124:31-82. doi:10.1016/B978-0-12-411638-2.00002-1.
11. Guo F, Wang Y, Liu J, Mok SC, Xue F, Zhang W. CXCL12/CXCR4: A symbiotic bridge linking cancer cells and their stromal neighbors in oncogenic communication networks. Oncogene. 2016;35:816-826. doi:10.1038/onc.2015.139.
12. Orimo A, Gupta PB, Sgroi DC, et al. Stromal fibroblasts present in invasive human breast carcinomas promote tumor growth and angiogenesis through elevated SDF-1/CXCL12 secretion. Cell. 2005;121:335-348. doi:10.1016/j.cell.2005.02.034.
13. Tamamura H, Xu Y, Hattori T, et al. A low-molecular-weight inhibitor against the chemokine receptor CXCR4: A strong anti-HIV peptide T140. Biochem Biophys Res Commun. 1998;253:877-882. doi:10.1006/bbrc.1998.9871.
14. Tamamura H, Kuroda M, Masuda M, et al. A comparative study of the solution structures of tachyplesin I and a novel anti-HIV synthetic peptide, T22 ([Tyr5,12, Lys7]-polyphemusin II), determined by nuclear magnetic resonance. Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Protein Structure and Molecular Enzymology. 1993;1163:209-216. doi:10.1016/0167-4838(93)90183-R.
15. Tamamura H, Waki M, Imai M, et al. Downsizing of an HIV-cell fusion inhibitor, T22 ([Tyr 5, 12 , Lys 7 ]-Polyphemusin II), with the maintenance of anti-HIV activity and solution structure 1. Bioorganic & Medicinal Chemistry. 1998;6:473-479. doi:10.1016/s0968-0896(97)10055-4.
16. Tamamura H, Hiramatsu K, Mizumoto M, et al. Enhancement of the T140-based pharmacophores leads to the development of more potent and bio-stable CXCR4 antagonists. Org Biomol Chem. 2003;1:3663-3669. doi:10.1039/b306613b.
17. George GPC, Stevens E, Aberg O, et al. Preclinical evaluation of a CXCR4-specific (68)Ga-labelled TN14003 derivative for cancer PET imaging. Bioorganic & Medicinal Chemistry. 2014;22:796-803. doi:10.1016/j.bmc.2013.12.012.
18. Jacobson O, Weiss ID, Kiesewetter DO, Farber JM, Chen X. PET of tumor CXCR4 expression with 4-18F-T140. J Nucl Med. 2010;51:1796-1804. doi:10.2967/jnumed.110.079418.
19. Yan X, Niu G, Wang Z, et al. Al18FNOTA-T140 Peptide for Noninvasive Visualization of CXCR4 Expression. Mol Imaging Biol. 2016;18:135-142. doi:10.1007/s11307-015-0872-2.
20. Peng S-B, Zhang X, Paul D, et al. Inhibition of CXCR4 by LY2624587, a Fully Humanized Anti-CXCR4 Antibody Induces Apoptosis of Hematologic Malignancies. PLoS ONE. 2016;11:e0150585. doi:10.1371/journal.pone.0150585.
21. Portella L, Vitale R, Luca S de, et al. Preclinical development of a novel class of CXCR4 antagonist impairing solid tumors growth and metastases. PLoS ONE. 2013;8:e74548. doi:10.1371/journal.pone.0074548.
22. Tsutsumi H, Tanaka T, Ohashi N, et al. Therapeutic potential of the chemokine receptor CXCR4 antagonists as multifunctional agents. Biopolymers. 2007;88:279-289. doi:10.1002/bip.20653.
23. Tamamura H, Araki T, Ueda S, et al. Identification of novel low molecular weight CXCR4 antagonists by structural tuning of cyclic tetrapeptide scaffolds. J Med Chem. 2005;48:3280-3289. doi:10.1021/jm050009h.
24. Tamamura H, Esaka A, Ogawa T, et al. Structure-activity relationship studies on CXCR4 antagonists having cyclic pentapeptide scaffolds. Org Biomol Chem. 2005;3:4392-4394. doi:10.1039/b513145f.
25. Tanaka T, Nomura W, Narumi T, et al. Structure-activity relationship study on artificial CXCR4 ligands possessing the cyclic pentapeptide scaffold: The exploration of amino acid residues of pentapeptides by substitutions of several aromatic amino acids. Org Biomol Chem. 2009;7:3805-3809. doi:10.1039/b908286g.
26. Narumi T, Hayashi R, Tomita K, et al. Synthesis and biological evaluation of selective CXCR4 antagonists containing alkene dipeptide isosteres. Org Biomol Chem. 2010;8:616-621. doi:10.1039/b917236j.
27. Ueda S, Oishi S, Wang Z-x, et al. Structure-activity relationships of cyclic peptide-based chemokine receptor CXCR4 antagonists: Disclosing the importance of side-chain and backbone functionalities. J Med Chem. 2007;50:192-198. doi:10.1021/jm0607350.
28. Wu B, Chien EYT, Mol CD, et al. Structures of the CXCR4 chemokine GPCR with small-molecule and cyclic peptide antagonists. Science. 2010;330:1066-1071. doi:10.1126/science.1194396.
29. Demmer O, Dijkgraaf I, Schumacher U, et al. Design, synthesis, and functionalization of dimeric peptides targeting chemokine receptor CXCR4. J Med Chem. 2011;54:7648-7662. doi:10.1021/jm2009716.
30. Tanaka T, Nomura W, Narumi T, Masuda A, Tamamura H. Bivalent ligands of CXCR4 with rigid linkers for elucidation of the dimerization state in cells. J Am Chem Soc. 2010;132:15899-15901. doi:10.1021/ja107447w.
31. Avila-Sanchez M, Ferro-Flores G, Jimenez-Mancilla N, et al. Synthesis and preclinical evaluation of the 99mTc-/177Lu-CXCR4-L theranostic pair for in vivo chemokine-4 receptor-specific targeting. J Radioanal Nucl Chem. 2020;324:21-32. doi:10.1007/s10967-020-07043-6.
32. Vallejo-Armenta P, Santos-Cuevas C, Soto-Andonaegui J, et al. 99mTc-CXCR4-L for Imaging of the Chemokine-4 Receptor Associated with Brain Tumor Invasiveness: Biokinetics, Radiation Dosimetry, and Proof of Concept in Humans. Contrast Media Mol Imaging. 2020;2020:2525037. doi:10.1155/2020/2525037.
33. Demmer O, Dijkgraaf I, Schottelius M, Wester H-J, Kessler H. Introduction of functional groups into peptides via N-alkylation. Org Lett. 2008;10:2015-2018. doi:10.1021/ol800654n.
34. Demmer O, Gourni E, Schumacher U, Kessler H, Wester H-J. PET imaging of CXCR4 receptors in cancer by a new optimized ligand. ChemMedChem. 2011;6:1789-1791. doi:10.1002/cmdc.201100320.
35. Gourni E, Demmer O, Schottelius M, et al. PET of CXCR4 expression by a (68)Ga-labeled highly specific targeted contrast agent. J Nucl Med. 2011;52:1803-1810. doi:10.2967/jnumed.111.098798.
36. Poschenrieder A, Schottelius M, Schwaiger M, Kessler H, Wester H-J. The influence of different metal-chelate conjugates of pentixafor on the CXCR4 affinity. EJNMMI Res. 2016;6:36. doi:10.1186/s13550-016-0193-8.
37. Herrmann K, Schottelius M, Lapa C, et al. First-in-Human Experience of CXCR4-Directed Endoradiotherapy with 177Lu- and 90Y-Labeled Pentixather in Advanced-Stage Multiple Myeloma with Extensive Intra- and Extramedullary Disease. J Nucl Med. 2016;57:248-251. doi:10.2967/jnumed.115.167361.
38. Osl T, Schmidt A, Schwaiger M, Schottelius M, Wester H-J. A new class of PentixaFor- and PentixaTher-based theranostic agents with enhanced CXCR4-targeting efficiency. Theranostics. 2020;10:8264-8280. doi:10.7150/thno.45537.
39. Schottelius M, Konrad M, Osl T, Poschenrieder A, Wester H-J. An optimized strategy for the mild and efficient solution phase iodination of tyrosine residues in bioactive peptides. Tetrahedron Letters. 2015;56:6602-6605. doi:10.1016/j.tetlet.2015.10.032.
40. Demmer O, Frank AO, Hagn F, et al. Erhohte CXCR4-Affinitat und Anti-HIV-Aktivitat eines Peptoids durch Konformationsfixierung. Angew. Chem. 2012;124:8234-8237. doi:10.1002/ange.201202090.
41. Chatterjee J, Gilon C, Hoffman A, Kessler H. N-methylation of peptides: A new perspective in medicinal chemistry. Acc Chem Res. 2008;41:1331-1342. doi:10.1021/ar8000603.
42. Weineisen M, Simecek J, Schottelius M, Schwaiger M, Wester H-J. Synthesis and preclinical evaluation of DOTAGA-conjugated PSMA ligands for functional imaging and endoradiotherapy of prostate cancer. EJNMMI Res. 2014;4:63. doi:10.1186/s13550-014-0063-1.
43. Iovkova L, Wangler B, Schirrmacher E, et al. para-Functionalized aryl-di-tert-butylfluorosilanes as potential labeling synthons for (18)F radiopharmaceuticals. Chemistry. 2009;15:2140-2147. doi:10.1002/chem.200802266.
44. Kostikov AP, Iovkova L, Chin J, et al. N-(4-(di-tert-butyl[18F]fluorosilyl)benzyl)-2-hydroxy-N,N-dimethylethylammonium bromide ([18F]SiFAN+Br-): A novel lead compound for the development of hydrophilic SiFA-based prosthetic groups for 18F-labeling. Journal of Fluorine Chemistry. 2011;132:27-34. doi:10.1016/j.jfluchem.2010.10.008.
45. Abrams MJ, Juweid M, tenKate CI, et al. Technetium-99m-human polyclonal IgG radiolabeled via the hydrazino nicotinamide derivative for imaging focal sites of infection in rats. J Nucl Med. 1990;31:2022-2028.
46. Joyard Y, Bischoff L, Levacher V, Papamicael C, Vera P, Bohn P. Synthesis and Stability Evaluation of New HYNIC Derivatives as Ligands for Technetium-99m. LOC. 2014;11:208-214. doi:10.2174/15701786113106660087.
47. Schottelius M, Schwaiger M, Wester H-J. Rapid and high-yield solution-phase synthesis of DOTA-Tyr3-octreotide and DOTA-Tyr3-octreotate using unprotected DOTA. Tetrahedron Letters. 2003;44:2393-2396. doi:10.1016/S0040-4039(03)00221-1.
48. Schottelius M, Osl T, Poschenrieder A, et al. 177Lupentixather: Comprehensive Preclinical Characterization of a First CXCR4-directed Endoradiotherapeutic Agent. Theranostics. 2017;7:2350-2362. doi:10.7150/thno.19119.
49. Robu S, Schottelius M, Eiber M, et al. Preclinical Evaluation and First Patient Application of 99mTc-PSMA-I&S for SPECT Imaging and Radioguided Surgery in Prostate Cancer. J Nucl Med. 2017;58:235-242. doi:10.2967/jnumed.116.178939.
50. Kuzmanovska S, Vaskova O, Zdraveska Kocovska M. “In-house” preparation of 99mTc-EDDA/HYNIC-TOC, a specific targeting agent for somatostatin receptor scintigraphy. Maced. Pharm. Bull. 2011;57:65-70. doi:10.33320/maced.pharm.bull.2011.57.007.
51. Wangler C, Niedermoser S, Chin J, et al. One-step (18)F-labeling of peptides for positron emission tomography imaging using the SiFA methodology. Nat Protoc. 2012;7:1946-1955. doi:10.1038/nprot.2012.109.
52. Othman MFB, Mitry NR, Lewington VJ, Blower PJ, Terry SYA. Re-assessing gallium-67 as a therapeutic radionuclide. Nucl Med Biol. 2017;46:12-18. doi:10.1016/j.nucmedbio.2016.10.008.
53. Yamazaki K, Kanaoka M. Computational prediction of the plasma protein-binding percent of diverse pharmaceutical compounds. J Pharm Sci. 2004;93:1480-1494. doi:10.1002/jps.20059.
使用される略語のリスト
%iD/g 1グラム当たりの注入量のパーセント
2-CTC 2-クロロトリチルクロリド
AA アミノ酸
Abz パラ-アミノ安息香酸
ACN アセトニトリル
AKT プロテインキナーゼB
Ambz パラ-アミノメチル安息香酸
Boc tert-ブチルオキシカルボニル
CDI カルボニルジイミダゾール
CPCR4 シクロ(D-Tyr-D-[NMe]Orn-Arg-2-Nal-Gly)
CT コンピューター断層撮影
CXCR4 C-X-Cケモカイン受容体タイプ4
dap 2,3-ジアミノプロピオン酸
DBU 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DCE ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
Dde N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)エチル)
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-(ジメチルアミノ)-ピリジン
DMEM ダルベッコ改変イーグル培地
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMG ジメチルグリシン
DMSO ジメチルスルホキシド
DOTA 1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸
DOTA-GA 5-(tert-ブトキシ)-5-オキソ-4-(4,7,10-トリス(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)ペンタン酸
DPPA ジフェニルホスホリルアジド
EDDA エチレンジアミン二酢酸
EDTA エチレンジアミン四酢酸
EtO ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
EUE (R)-5-(tert-ブトキシ)-4-(3-((R)-1,5-ジ-tert-ブトキシ-1,5-ジオキソペンタン-2-イル)ウレイド)-5-オキソペンタン酸
FBS ウシ胎仔血清、ウシ胎仔血清
HATU [O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオルホスファト]
HBSS ハンクス緩衝塩溶液
HFIP 1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール
HIV ヒト免疫不全ウイルス
HOAt 1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
HSA ヒト血清アルブミン
HYNIC ヒドラジノニコチン酸
MAPK マイトジェン活性化プロテインキナーゼ
mas メルカプトアセチル-トリセリン
MMAE モノメチルアウリスタチン
NEA 非必須アミノ酸
NIS N-ヨードスクシンイミド
NMP N-メチル-2-ピロリドン
OI 光学イメージング
O-NBS-Cl 2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド
p.i. 注射後
Pbf 2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル
PBS リン酸緩衝生理食塩水
PCC クロロクロム酸ピリジニウム
PenStrep ペニシリン-ストレプトマイシン混合物
PET 陽電子放出断層撮影
r.t. 室温
RP-HPLC 逆相高圧液体クロマトグラフィー
RPMI ローズウェルパーク記念研究所(Rosewell park memorial institute)
SAR 構造活性相関
sat. 飽和
SCID 重症複合免疫不全症
SDF-1 ストロマ細胞由来因子1
SiFA フッ化ケイ素アクセプター
SiFA-BA SiFA-安息香酸
SiFA-Br SiFA-臭化物
SPECT 単一光子放出型断層撮影
SPPS 固相ペプチド合成
t.b.d. 未定
TBDMSCl tert-ブチルジメチルシリルクロリド
TBTU 2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムテトラフルオロボレート
tBu tert-ブチル
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TIPS トリイソプロピルシラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
保持時間
Trt トリチル
I.材料および方法
1.概説
1.1 試薬および溶媒
購入した試薬を、それ以上精製せずに使用した。Fmoc-(9-フルオレニルメトキシカルボニル-)および他のすべての保護アミノ酸類似体を、Bachem(Bubendorf、スイス)、Iris Biotech GmbH(Marktredwitz、ドイツ)、Carbolution Chemicals GmbH(St.Ingbert、ドイツ)およびMerck Millipore(Darmstadt、ドイツ)から購入した。2-クロロトリチルクロリド(2-CTC)樹脂を、Iris Biotech GmbH(Marktredwitz、ドイツ)またはCEM(Matthews、米国)から入手した。ペプチド合成用の試薬を、Iris Biotech GmbH(Marktredwitz、ドイツ)、Sigma-Aldrich(Munich、ドイツ)およびMolekula GmBH(Garching、ドイツ)から購入した。有機合成用の溶媒および試薬を、Alfa Aesar(Karlsruhe、ドイツ)、Sigma-Aldrich(Munich、ドイツ)またはVWR(Darmstadt、ドイツ)のいずれかから購入した。
Chematech(Dijon、フランス)は、使用するDOTA-GAキレーターを送達し、DOTA誘導体は、Macrocyclics(Plano、米国)によって提供された。Cy5-カルボン酸を、Lumiprobe(Hunt Valley、米国)から入手した。細胞傷害性MMAE誘導体を、Creative Biolabs(Shirley、米国)から購入した。
生化学製品、例えば、DMEM(ハムF-12、安定なGln含有)およびRPMI1640(Gln含有)培地、ウシ胎仔血清(FBS上級)、リン酸緩衝生理食塩水(PBSダルベッコ、Ca2+、Mg2+不含)、トリプシン/EDTA(PBS中0.05%/0.02%、Ca2+、Mg2+不含)ならびにハンクス緩衝塩溶液(HBSS、0.35g/L NaHCOおよびCa2+、Mg含有)などをBiochrom GmbH(Berlin、ドイツ)またはSigma-Aldrich(Munich、ドイツ)から入手した。
RP-HPLC溶媒用の水を、Thermo Fischer Scientific Inc.(Waltham MA、米国)の構内Milliporeシステムから入手した。標識実験用Tracepure水を、Merck Millipore(Darmstadt、ドイツ)から入手した。
1.2 放射性同位体
125Iでの標識を、Hartmann Analytik GmbH(Braunschweig、ドイツ)製NaOH中[125I]NaI溶液(40mM、74TBq/mmol)を用いて行った。
99mTc]-ペルテクネテートを、GE Healthcare(Munich、ドイツ)製Drytech(商標)テクネチウムジェネレーターの、生理NaCl溶液(0.9%;v/v)を用いる溶離によって入手した。このジェネレーターは、Klinikum Rechts der Isar(ミュンヘン工科大学:Technical University Munich、Munich、ドイツ)によって提供された。
177Lu]LuClの溶液(HCl(0.04M);S>3TBq/mg、740MBq/mL)は、ITM GmbH(Garching、ドイツ)によって提供され、これを標識実験に直接使用した。
標的水中[18F]-フルオリドは、Klinikum Rechts der Isar(ミュンヘン工科大学:Technical University Munich、Munich、ドイツ)によって提供された。
放射性合成用の[68Ga]GaClを、iThemba LABS(Cape Town、南アフリカ共和国)製68Ge/68Gaジェネレーターの、HCl水溶液(1.00M)を用いる溶離によって入手した。合成は、Scintomics GmbH(Fuerstenfeldbruck、ドイツ)製自動GallElutシテムで行った。
67Ga]クエン酸Gaは、Mallinckrodt Pharmaceuticals(Dublin、アイルランド)によって送達され、これを放射性合成の前に[67]GaClに変換した。
1.3 機器および分析
固相ペプチド合成(SPPS)は、Neolab(Heidelberg、ドイツ)製Intelli-Mixerシリンジ振盪機を使用して手動操作で行った。
すべてのRP-HPLC操作用の溶離液は、水(溶媒A)およびアセトニトリル(溶媒B)とし、両者とも0.1vol%トリフルオロ酢酸を含有していた。セミ分取RP-HPLCの実行の場合、溶媒Bを5vol%HOとともに使用した。分析用およびセミ分取逆相高圧クロマトグラフィー(RP-HPLC)の実行は、SPD-20A UV/Vis検出器(λ=220nm、254nm)をそれぞれ備えたShimadzu Deutschland GmbH(Neufahrn、ドイツ)製Shimadzu勾配システムを使用して行った。CS GmbH(Langerwehe、ドイツ)によって提供されたMultokrom100C18(125×4.6mm、5μm粒径)カラムを、1mL/分の流速での分析用RP-HPLCの実行に使用した。特定の勾配および対応する保持時間tの両方が本文に引用される。セミ分取HPLC精製は、CS GmbH(Langerwehe、ドイツ)製Multokrom100 RP18(250×10mm、5μm粒径)カラムを用いて5mL/分の一定流速で実行した。
分析用およびセミ分取放射性RP-HPLCは、CS GmbH(Langerwehe、ドイツ)製Multokrom100C18(5μm、125×4.0mm)カラムを使用して実行した。放射活性は、UV光度計の出口をEG&G Ortec(Munich、ドイツ)製NaI(Tl)ウェル型シンチレーションカウンターに連結することによって検出した。
マウスの器官または細胞の試験バイアルなどの放射性プローブは、Perkin Elmer(Waltham MA、米国)製WIZARD(登録商標)2480自動γカウンターで測定した。
放射性TLC測定は、LabLogic Sstems Ltd.(Broomhill、英国)製Scan-RAM(商標)で行った。そのクロマトグラムを、LabLogic Sstems Ltd.(Broomhill、英国)製Laura(商標)ソフトウェアを使用して分析した。
RP-HPLCクロマトグラムを、島津製作所(京都、日本)製LabSolutionソフトウェアを使用して評価した。
有機物質の特性決定のための質量スペクトルを、Advion Ltd.(Harlow、英国)製expression CMS四重極質量分析計で取得した。NMRスペクトルを、Bruker Corporation(Billerica、米国)製Bruker AVHD-300またはAVHD-400分光計にて、300Kで記録した。
pH値を、Mettler Toledo(Giessen、ドイツ)製SevenEasy pHメーターで測定した。
フラッシュクロマトグラフィーによる精製は、Biotage(Uppsala、スウェーデン)製Isolera(商標)Prime Systemで、Biotage09474Rev.E Bioポンプを作動させて行った。Biotage(商標)SNAP KP-C18カートリッジ(12g、93Å孔径、382m/g表面)を使用し、溶媒A(HO、0.1vol%TFA)中溶媒B(ACN、0.1vol%TFA、2vol%HO)の直線勾配を適用した。
ペプチドの凍結乾燥を、Christ(Osterode am Harz、ドイツ)製Alpha1-2 LDplus凍結乾燥機を使用し、Vacubrand GmbH(Wertheim、ドイツ)製RZ-2真空ポンプを使用して行った。
IC50値を、GraphPad Software Inc.(SanDiego、米国)製GraphPad Prism6を使用して計算した。
2.合成
2.1 Fmoc戦略に従う固相ペプチド合成
GP1:2-CTC-樹脂のローディング
2-CTC樹脂へのFmoc-保護アミノ酸(AA)のローディングを、2-CTC-樹脂(1.6mmol/g)とFmoc-AA-OH(1.5当量)とのDMF中懸濁液をDIPEA(3.0当量)とともに室温で2~5時間撹拌することによって行った。残ったトリチルクロリドに、メタノール(5mL/g樹脂)を添加することによってキャップをし、15分間インキュベートした。次いで、樹脂を濾別し、DMF(5×5mL/g樹脂)およびメタノール(3×5mL/g樹脂)で洗浄し、真空中で乾燥した。樹脂へのFmoc-AA-OHの最終ローディングlは、次式によって決定した。
Figure 2024506700000052
GP2:樹脂上のペプチドカップリング
それぞれの側鎖を保護したFmoc-AA-OH(1.5当量)をDMF(8mL/g樹脂)に溶解し、TBTU(1.5当量)、HOBt(1.5当量)およびDIPEA(3当量)を添加することによって予備活性化した。低反応性のアミノ酸またはペプチドフラグメント縮合については、TBTUおよびHOBtではなく、HATU(1.5当量)、HOAt(1.5当量)を使用した。15分間活性化した後、溶液を、樹脂に結合した遊離アミンペプチド2-CTC-AA-NHに添加し、室温で2時間振盪した。dap(Boc)-OH、dap(Dde)-OHおよびcys(Trt)-OH、ならびにこれらのアミノ酸をC末端に有するフラグメントについては、予備活性化を2~5分に短縮し、2,4,6-コリジンを塩基として使用した。ペプチドフラグメントについては、反応時間の延長が、室温で48時間まで必要な場合が多かった。次いで、樹脂をDMF(6×5mL/g樹脂)で洗浄し、Fmoc脱保護した後、次のアミノ酸を同様にカップリングした。
GP3:樹脂上のFmoc脱保護
樹脂に結合したFmoc-ペプチドを、DMF(v/v、8mL/g樹脂)中20%ピペリジンで5分間、次いで15分間処理した。その後、樹脂をDMF(8×5mL/g樹脂)で完全に洗浄した。
GP4:樹脂上のDde-脱保護:
Ddeで保護されたペプチド(1.0当量)を、2%ヒドラジン一水和物のDMF(v/v、5mL/g樹脂)中溶液で処理し、15分間振盪した。このFmoc-基の場合、Dde-脱保護は、イミダゾール(0.46g)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.63g)のNMP(2.5mL)およびDMF(0.5mL)中溶液を添加することによって、室温で3時間実行した。脱保護した後、樹脂をDMF(6×5mL/g樹脂)で洗浄した。
GP5:tBu/Boc/Pbf/Trtの脱保護
tBu/Boc/Pbf-保護基の除去は、粗生成物をTFAに溶解し、室温で90分間撹拌することによって行った。Trt保護基の除去の場合には、TIPSを混合物に添加した。TFAを窒素流下で除去した後、残留物をt-ブタノールと水との混合物に溶解した。凍結乾燥した後、粗製脱保護ペプチドを得た。
GP6:N-アセチル化
アミン官能基のアセチル化は、それぞれのペプチドを、DIPEA(5.00当量)とAcO(5.00当量)とのDMF中混合物と2時間反応させることによって実現した。
GP7:CPCR4のヨウ素化
CPCR4チロシンのヨウ素化は、公開された手順(39)に従って行った。手短に言えば、完全に脱保護され、精製されたペプチドを、ACN/HO(1/1(V/V)、1.00mM)に溶解し、0.30~0.50当量のNISを添加した。室温で5分後、反応混合物をHPLC精製に供した。
GP8:溶液中のフラグメントの縮合
CPCR4結合モチーフと機能的フラグメントとの連結は、少モル量の合成フラグメント(1.10~1.30当量)およびカップリング試薬としてHOAt/HATUを使用して、DMF中で行った。活性化したアミノ酸がdapである場合、2,4,6-コリジンを塩基として使用し、他の場合はすべてDIPEAを使用した。
GP9:樹脂からのペプチドの切断
酸に不安定な保護基の保存
樹脂に結合したペプチドを、DCM/HFIP(4/1(v/v)、8mL/g樹脂)の混合物で処理し、60分間振盪した。完全に保護されたペプチドを含有する溶液を濾別し、樹脂を切断溶液の別の部分で60分間処理した。両方の画分を合わせ、溶媒を減圧下で留去した。凍結乾燥した後、粗製の完全に保護されたペプチドを得た。
酸に不安定な保護基の切断
完全に保護された、樹脂に結合したペプチドを、TFA/TIPS/HO(95/2.5/2.5(v/v/v))の混合物で処理し、30分間振盪した。溶液を濾別し、樹脂を同様にさらに30分間処理した。両方の濾液を合わせ、窒素流下で濃縮した。残留物をt-ブタノールと水との混合物に溶解し、次いで凍結乾燥した後、粗製ペプチドを得た。
GP10:スルフヒドリル-マレイミドカップリング
システインまたはホモシステインを有するペプチドを、以下の手順によって、マレイミド官能基とカップリングした。完全非保護のHS-ペプチドを、DMF(1.00mg/mL)に溶解し、DMF(1.10mg/mL)中マレイミドを有する物質に添加した。DIPEA(0.50μL/mgペプチド)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の完了をRP-HPLCによって確認し、セミ分取RP-HPLCによって精製を行った。
2.2 NATGA/NATLU錯体形成
DOTAを有するペプチドおよびDOTA-GAを有するペプチドとnatGaおよびnatLuとの錯体形成については、完全に脱保護され、精製されたペプチドを使用した。ペプチドをDMSO、DMSO/HO混合物またはHOに溶解し、理想的に1mMの濃度にした。必要な量のペプチド(30~500nmol)をエッペンドルフチューブ中に入れ、HO中natGaNOまたはnatLuCl(各3.00当量)を添加した。バイアルを95℃に30分間加熱し、量的変換をRP-HPLCおよびESI-MSによってチェックした。追跡可能な抽出物がない場合、反応混合物を、それ以上精製せずに使用した。
2.3 構成要素の合成
2.3.1 シクロ(D-Tyr-D-[NMe]Orn-Arg-2-Nal-Gly)(=CPCR4)の合成
Figure 2024506700000053
CXCR4結合モチーフCPCR4の合成は、上記の手順と同様に実現した(40)。手短に言えば、Fmoc-Gly-OHを2-CTC樹脂に固定化し、Fmoc-2-Nal-OH、Fmoc-Arg(Pbf)-OHおよびFmoc-D-Orn(Boc)-OHを、GP2およびGP3に従ってカップリングした。次いで、N末端をFmoc脱保護し、O-NBS-Cl(4.00当量)と2,4,6-コリジン(10.0当量)とをNMP中で15分間反応させることによって新たに保護した。N末端のメチル化を、光延条件(THF中PhP(5.00当量)、MeOH(10.0当量)、DIAD(5.00当量)、10分)または硫酸ジメチル(NMP中MeSO(10.0当量)、DBU(3.00当量)、2×2分)のいずれかを使用することによって実現した(41)。メチル化された終端の脱保護を、ペプチドのDBU(5.00当量)での5分間のインキュベートによって実現し、その後、メルカプトエタノール(10.00当量)を添加した。30分後、樹脂を完全に洗浄した。次のFmoc-D-Tyr(tBu)-OHのカップリングを、カップリング試薬としてHOAtおよびHATUを使用することによって実現した。最終Fmoc脱保護をした後、酸に不安定な保護基を保持して樹脂からペプチドを切断した(GP9)。環化を、ペプチドのDMF中1mM溶液の中でDPPA(3.00当量)およびNaHCO(5.00当量)を使用して行った。RP-HPLCによってモニターした反応の完了後、生成物溶液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をTFAでの処理によって完全に脱保護し、その後、EtO中に沈殿させた。フラッシュクロマトグラフィーによりペプチドを精製して、オフホワイト色固体を得た。
CPCR4:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=6.49分。モノアイソトピック質量計算値(C3647):701.36、実測値:701.8[M+H]、351.4[M+2H]2+
2.3.2 (R)-5-(tert-ブトキシ)-4-(3-((R)-1,5-ジ-tert-ブトキシ-1,5-ジオキソペンタン-2-イル)ウレイド)-5-オキソペンタン酸(=D-(tBu)e(OH)u-D-e(tBu))の合成[3]
Figure 2024506700000054
ジ-tert-ブチル-(1H-イミダゾール-1-カルボニル)-D-グルタメート[1]
合成は、公開された手順(42)に従い、軽微な変更を加えて行った。手短に言えば、D-glu(OtBu)-OtBu(1.00当量)をDCMに溶解し、氷上にてTEA(2.50当量)およびDMAP(0.04当量)で処理した。CDI(1.10当量)を添加し、この混合物を、それ以上冷却せずに終夜撹拌した。飽和NaHCOの添加によって反応を停止し、有機層をHOおよびブラインでそれぞれ2回洗浄した。溶媒を蒸発させ、粗生成物[1]を無色油状物として得た(収率91%)。生成物を、それ以上精製せずに次の反応に使用した。
ジ-tert-ブチル-(1H-イミダゾール-1-カルボニル)-D-グルタメート[1]:RP-HPLC:(15分で10~90%B):t=14.50分。モノアイソトピック質量計算値(C1727):353.2、実測値:376.3[M+Na]
5-ベンジル-1-(tert-ブチル)-(((R)-1,5-ジ-tert-ブトキシ-1,5-ジオキソペンタン-2-イル)カルバモイル)-d-グルタメート[2]
抽出物[1](1.00当量)をDCEに溶解し、氷上で冷却し、その後、TEA(2.00当量)およびD-glu(OBn)-OtBu(1.00当量)を添加した。この混合物を40℃に終夜加熱した。次いで、溶媒を真空中で濃縮し、粗生成物を、EtOAc/n-ヘキサン/TEA(500/500/0.8(v/v/v))を使用するシリカフラッシュクロマトグラフィーに供した。減圧下で溶媒を留去した後、所望の生成物[2]を無色油状物として得た(収率84%)。
5-ベンジル-1-(tert-ブチル)-(((R)-1,5-ジ-tert-ブトキシ-1,5-ジオキソペンタン-2-イル)カルバモイル)-d-グルタメート[2]:RP-HPLC:(20分で10~90%B):t=17.43分。モノアイソトピック質量計算値(C3046):578.3、実測値:601.5[M+Na]、523.3[M-tBu+H]、467.3[M-2tBu+H]、411.3[M-3tBu+H]
(tBu)e(OH)ue(tBu)[3]
ベンジルで保護された抽出物[2](1.00当量)をEtOHに溶解し、パラジウム(活性炭上10%、0.10当量)を添加した。H雰囲気を室温で終夜維持して、脱保護反応を促進した。混合物をセライトパッドに通過させることによって触媒を濾別した。得られた透明溶液の溶媒を減圧下で蒸発させて、所望の生成物[3]を、凝固する無色油状物として得た(収率82%)。
e(tBu)ue(tBu)[3]:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=12.00分。モノアイソトピック質量計算値(C2349):488.3、実測値:489.4[M+H]、516.4[M+Na]
2.3.3 Fmoc-D-Hcy(グリコシル/ラクトシル)-OH
糖部分のFmoc-D-Hcy(Trt)-OHへの組み入れのために、それぞれのペルアセチル化前駆体(β-D-グルコースペンタアセテート/β-D-ラクトースオクタアセテート)を使用した。糖(1.00当量)および保護アミノ酸(1.20当量)をアルゴン流中で丸底フラスコに添加し、DCMabsに溶解した。TIPS(1.30当量)を捕捉剤として添加し、SnCl(2.40当量、DCM中1.00M)を反応混合物に滴下した。初期は黄色であったが、その後、混合物は無色になり、室温で終夜撹拌した後に沈殿物が形成した。混合物をDCMで希釈し、HCl(1.00M)で酸性化した。有機層を、HClおよびHOでそれぞれ2回抽出し、NaSOで脱水した。溶媒を真空中で蒸発させ、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。
Figure 2024506700000055
Fmoc-D-HCy-(β-D-Gluc(OAc))-OH:HPLC(15分で30~80%B):t=9.90分。モノアイソトピック質量計算値(C3337NO13S):687.20、実測値:688.2[M+H]
Fmoc-D-HCy-(β-D-Lac(OAc))-OH:HPLC(15分で30~80%B):t=10.70分。モノアイソトピック質量計算値(C4553NO21S):975.28、実測値:976.0[M+H]
2.3.4 4-(ジ-tert-ブチルフルオロシリル)安息香酸(=SiFA-BA、[8])
Figure 2024506700000056
フッ化ケイ素アクセプター部分[8]の合成は、公開された手順(43)に依拠し、若干の変更を加えて実現した。反応は、乾燥したフラスコ中で、アルゴン雰囲気下にて行った。4-ブロモベンジルアルコールで出発し、5つの反応ステップの後に所望の生成物を得た。
((4-ブロモベンジル)オキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン[4]
4-ブロモベンジルアルコール(1.00当量)をDMFabs.(15mL/g抽出物)に溶解し、イミダゾール(1.20当量)およびTBDMSCl(1.20当量)を激しく撹拌しながら添加した。反応混合物を室温で終夜撹拌し、冷HOに注ぎ入れ、水性相をEtOで5回抽出した。有機相を合わせ、飽和NaHCOおよびブラインで2回洗浄し、
Figure 2024506700000057
MgSOで脱水し、真空中で濃縮した。シリカフラッシュクロマトグラフィーにより、石油エーテル中5%EtOAc(v/v)を使用して、粗生成物を精製した。減圧下で溶媒を留去した後、保護されたアルコール[4]を無色油状物として得た(収率95%)。
((4-ブロモベンジル)オキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン[4]:RP-HPLC:(15分で50~100%B):t=15.0分。1H-NMR (400 MHz, CDCl3, 300 K): δ = 0.10 (6H, s, SiMe2tBu), 0.95 (9H, s, SiMe2tBu), 4.69 (2H, s, CH2OSi), 7.21 (2H, d), 7.46 (2H, d) ppm.
ジ-tert-ブチル(4-((tert-ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)フェニル)フルオロシラン[5]
Figure 2024506700000058
[4](1.00当量)をTHFabs.(10mL/g抽出物)に溶解し、-78℃に冷却し、その後、ペンタン(c=1.70mol/L)中tBuLi(2.40当量)を添加した。-78℃で30分間撹拌した後、反応混合物を、ジ-tert-ブチルジフルオロシラン(1.20当量)のTHFabs.(10mL/g)中溶液に-78℃で滴下添加した。この溶液を終夜撹拌し、室温に加温し、その後、ブラインを添加した。粗生成物をEtOで3回抽出し、合わせた有機相をMgSOで脱水し、溶媒を真空中で蒸発させて、帯黄色油状物を得た(収率95%)。粗生成物[5]を、それ以上精製せずに使用した。
ジ-tert-ブチル(4-((tert-ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)フェニル)フルオロシラン[5]:RP-HPLC:(20分で50~100%B):t=19.0分。
4-(ジ-tert-ブチルフルオロシラニル)ベンジルアルコール[6]
Figure 2024506700000059
[5]の脱保護を、MeOH(25mL/g抽出物)中に懸濁させ、触媒量の濃HCl(0.25mL/g)を使用することによって実現した。混合物を室温で終夜撹拌した後、溶媒を減圧下で留去した。残留物をEtO(20mL/g抽出物)に溶解し、飽和NaHCO溶液で洗浄した。次いで、水性層をEtOで3回抽出し、合わせた有機相をMgSOで脱水し、溶媒を真空中で蒸発させて、帯黄色油状物を得た(収率98%)。粗生成物[6]を、それ以上精製せずに使用した。
4-(ジ-tert-ブチルフルオロシラニル)ベンジルアルコール[6]:RP-HPLC:(15分で50~100%B):t=8.2分。
4-(ジ-tert-ブチルフルオロシリル)ベンズアルデヒド[7]
Figure 2024506700000060
アルデヒドへの酸化を、Corey-Suggs条件を使用して行った。抽出物[6](1.00当量)をDCMabs.(15mL/g抽出物)に溶解し、PCC(2.50当量)のDCMabs.(20mL/gPCC)中氷冷懸濁液に滴下添加した。0℃で30分間、続いて室温で2.5時間撹拌した後、EtOを添加し、上清を固体からデカントした。黒色残留物をEtOで洗浄し、合わせた有機相をシリカゲルのパッド(10cm/g生成物)に通して濾過した。溶媒を真空中で蒸発させ、[7]を帯黄色油状物として得た(収率96%)。
4-(ジ-tert-ブチルフルオロシリル)ベンズアルデヒド[7]:RP-HPLC:(15分で50~100%B):t=10.5分。
4-(ジ-tert-ブチルフルオロシリル)安息香酸(=SiFA-BA)[8]
Figure 2024506700000061
アルデヒド[7](1.00当量)をtBuOH(23mL/g抽出物)、DCM(2.5mL/g抽出物)に溶解し、NaHPO×HO(1.25M、pH=4.0~4.5、15mL/g抽出物)およびKMnO水溶液(1M、23mL/g抽出物)を添加した。25分間撹拌した後、混合物を5℃に冷却した。KMnO(1.00当量)を添加し、直後に飽和NaHCOを添加することによって反応を停止した。混合物をMgSOで脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物[8]を、EtO/n-ヘキサン(1/3、v/v)から再結晶させることによって精製し、無色固体を得た(収率60%)。
4-(ジ-tert-ブチルフルオロシリル)安息香酸(=SiFA-BA[8]):RP-HPLC:(15分で50~100%B):t=8.5分。モノアイソトピック質量計算値(C1523FOSi):282.4;実測値:m/z=281.1[M-H]、235.1[M-COOH]
2.3.5 (4-ブロモメチルフェニル)-ジ-tert-ブチル-フルオロシラン(=SiFA-Br[9])
Figure 2024506700000062
[9]の合成を、文献(44)に従って実行した。手短に言えば、SiFAベンジルアルコール[6]をDCMに溶解し、この溶液を0℃に冷却した。CBr(1.10当量)を添加し、その後、PPhを30分にわたって少量ずつ添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、溶媒を真空中で留去し、残留物をn-ヘキサンで洗浄した。沈殿物を濾別し、液体を真空中で濃縮した。次なるシリカフラッシュクロマトグラフィーにより、n-ペンタンを移動相として使用して、所望の生成物[9]を無色油状物として得た(収率32~39%)。
(4-ブロモメチルフェニル)-ジ-tert-ブチル-フルオロシラン(=SiFA-Br[9]):RP-HPLC:(15分で50~100%B):t=15.10分。モノアイソトピック質量計算値(C1524BrFSi):330.08;実測値:m/z=331.3[M-H]
1H NMR (300 MHz, CDCl3, 293 K) δ 7.63 - 7.54 (m, 2H, 2x-CH-), 7.40 (d, J = 8.0 Hz, 2H, 2x-CH-), 4.50 (s, 2H, -CH2-), 1.06 (d, J = 1.2 Hz, 18H, 2xtBu).
13C NMR (75 MHz, CDCl3, 293 K) δ 139.50 (-CH-), 135.00 (-CH-), 134.95 (-CH-), 134.84 (-CH-), 134.66 (-CH-), 128.72 (-CH-), 33.88 (-CH2-), 27.88 (6xtBu C), 20.92 (第三級C), 20.75 (第三級C).
2.3.6 リンカー構造の合成
2.3.6.1 Abz-系リンカーおよびAmbz-系リンカー
Figure 2024506700000063
-Ambz-系リンカーおよび-Abz-系リンカーの全体を同じように合成した(GP1、GP2、GP3を参照)が、違いは、Fmoc-D-Ala-OHのカップリングであった。-Abz-系リンカーの場合、-Abz-のアミン官能基の反応性が-Ambz-と比較して低いことを考慮して、HOAtおよびHATUを使用し、同時に反応時間を4時間に延長した。第2または第3のアミノ酸を挿入した後、保護基を保持して、それぞれのリンカーを固体支持体から切断した(GP9を参照)。アセチル化されたリンカーユニットについては、追加のFmoc脱保護、およびそれに続く記載されたとおりのアセチル化(GP6を参照)を固体支持体上で行った。
HO-Abz-a-r(Pbf)-Fmoc
Figure 2024506700000064
HO-Abz-a-r(Pbf)-Fmoc:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=15.33分。モノアイソトピック質量計算値(C4450S):838.34、実測値:839.1[M+H]
HO-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-Fmoc
Figure 2024506700000065
HO-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-Fmoc:RP-HPLC(15分で50~95%B):t=13.52分。モノアイソトピック質量計算値(C526412S):1024.44、実測値:1025.2[M+H]
HO-Abz-a-cit-dap(Boc)-Fmoc
Figure 2024506700000066
HO-Abz-a-cit-dap(Boc)-Fmoc:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=10.86分。モノアイソトピック質量計算値(C394710):773.34、実測値:774.5[M+H]
HO-Abz-a-r(Pbf)-h(Trt)-Fmoc
Figure 2024506700000067
HO-Abz-a-r(Pbf)-h(Trt)-Fmoc:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=17.15分。モノアイソトピック質量計算値(C697110S):1217.50、実測値:1218.0[M+H]、977.3[M-Trt+H]
HO-Abz-a-r(Pbf)-c(Trt)-Fmoc
Figure 2024506700000068
HO-Abz-a-r(Pbf)-c(Trt)-Fmoc:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=17.77分。モノアイソトピック質量計算値(C666910):1183.45、実測値:1184.4[M+H]
HO-Abz-a-r(Pbf)-Hcy(Trt)-Fmoc
Figure 2024506700000069
HO-Abz-a-r(Pbf)-Hcy(Trt)-Fmoc:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=17.79分。モノアイソトピック質量計算値(C677110):1197.47、実測値:1198.2[M+H]
HO-Abz-a-r(Pbf)-f-Fmoc
Figure 2024506700000070
HO-Abz-a-r(Pbf)-f-Fmoc:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=16.30分。モノアイソトピック質量計算値(C535910S):985.40、実測値:986.8[M+H]
HO-Abz-a-r(Pbf)-r(Pbf)-Fmoc
Figure 2024506700000071
HO-Abz-a-r(Pbf)-r(Pbf)-Fmoc:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=16.82分。モノアイソトピック質量計算値(C63781013):1246.52、実測値:1248.6[M+H]
HO-Ambz-a-r(Pbf)-Fmoc
Figure 2024506700000072
HO-Ambz-a-r(Pbf)-Fmoc:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=12.51分。モノアイソトピック質量計算値(C4552S):852.35、実測値:601.4[M-Pbf+H]
HO-Ambz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-Fmoc
Figure 2024506700000073
HO-Ambz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-Fmoc:RP-HPLC(15分で30~90%B):t=13.70分。モノアイソトピック質量計算値(C536612S):1038.45、実測値:1039.6[M+H]
HO-Ambz-a-r(Pbf)-h(Trt)-Fmoc
Figure 2024506700000074
HO-Ambz-a-r(Pbf)-h(Trt)-Fmoc:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=17.95分。モノアイソトピック質量計算値(C707310S):1231.52、実測値:1233.1[M+H]
HO-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-Ac
Figure 2024506700000075
HO-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-Ac:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=10.43分。モノアイソトピック質量計算値(C395611S):844.38、実測値:845.2[M+H]
HO-Abz-a-r(Pbf)-4-APipAc-Ac
Figure 2024506700000076
HO-Abz-a-r(Pbf)-4-APipAc-Ac:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=8.13分。モノアイソトピック質量計算値(C3854S):798.37、実測値:799.7[M+H]、400.1[M+2H]2+
HO-Abz-a-cit-dap(Boc)-Ac
Figure 2024506700000077
HO-Abz-a-cit-dap(Boc)-Ac:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=6.61分。モノアイソトピック質量計算値(C2639):593.28、実測値:594.3[M+H]
HO-Abz-a-4-APipAc-dap(Boc)-Ac
Figure 2024506700000078
HO-Abz-a-4-APipAc-dap(Boc)-Ac:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=6.62分。モノアイソトピック質量計算値(C2740):576.29、実測値:577.2[M+H]
AHX-系リンカー
Figure 2024506700000079
Ahx-系ペプチドリンカーの合成を、GP1、GP2、GP3およびGP4に従い、標準的なSPPSによって実現した.手短に言えば、Ahxを2-CTC樹脂に固定化し、Fmocを脱保護し、Fmoc-D-dap(Dde)-OHとカップリングした。イミダゾールおよびヒドロキシルアミンを使用して側鎖を脱保護し、その後、所望のキレーター、すなわち、DOTA(tBu)、R-DOTAGA(tBu)またはN4(Boc)をカップリングした。次なるFmoc脱保護は、さらなる誘導体化の可能性を開いた。Ahx-系リンカー構造をさらに誘導体化した。詳細は2.3.8.2を参照されたい。
2.3.7 CPCR4-リンカーの連結体
CPCR4-リンカーの連結体は、GP8の実行の下で、CPCR4とそれぞれのFmoc-保護されたリンカーユニットとの間のフラグメント縮合によって合成した。反応混合物を真空中で濃縮し、その後、DMF中20vol%ピペリジンに溶解することによってFmoc脱保護した。次なるセミ分取RP-HPLCにより、所望の生成物を得た。
CPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH
Figure 2024506700000080
CPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NHの合成を、GP8に従い、フラグメント縮合によって促進した。CPCR4(2.3.1を参照)とリンカーHO-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-Fmoc(2.3.6を参照)とを縮合し、得られたペプチドをFmoc脱保護した。粗生成物を、セミ分取RP-HPLCによって精製した。
CPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=8.83分。モノアイソトピック質量計算値(C73991715S):1485.72、実測値:744.6[M+2H]2+
CPCR4-Abz-a-cit-dap(Boc)-NH
Figure 2024506700000081
CPCR4-Abz-a-cit-dap(Boc)-NHの合成を、GP8に従い、フラグメント縮合によって実現した。CPCR4(2.3.1を参照)とリンカーHO-Abz-a-cit-dap(Boc)-Fmoc(2.3.6を参照)とを縮合し、得られたペプチドをFmoc脱保護した。粗生成物を、セミ分取RP-HPLCによって精製した。
CPCR4-Abz-a-cit-dap(Boc)-NH:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=7.03分。モノアイソトピック質量計算値(C60821613):1234.62、実測値:618.2[M+2H]2+
CPCR4-Ambz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH
Figure 2024506700000082
CPCR4-Ambz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NHを、CPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NHと同様に合成することにより、CPCR4(2.3.1を参照)とリンカーHO-Ambz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-Fmoc(2.3.6を参照)との縮合、ならびに次なるFmoc脱保護および精製によって得た。
CPCR4-Ambz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=8.97分。モノアイソトピック質量計算値(C741011715S):1499.74、実測値:750.2[M+2H]2+
CPCR4-Ambz-a-r(Pbf)-NH
Figure 2024506700000083
CPCR4-Ambz-a-r(Pbf)-NHの合成を、CPCR4(2.3.1を参照)とリンカーHO-Ambz-a-r(Pbf)-Fmoc(2.3.6を参照)との縮合によって実現した(GP8)。Fmoc脱保護およびセミ分取RP-HPLCによる精製によって所望の生成物を得た。
CPCR4-Ambz-a-r(Pbf)-NH:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=7.94分。モノアイソトピック質量計算値(C86871512S):1313.64、実測値:658.2[M+2H]2+
CPCR4-Ambz-a-r(Pbf)-h(Trt)-NH
Figure 2024506700000084
CPCR4-Ambz-a-r(Pbf)-NHを、CPCR4(2.3.1を参照)とリンカーHO-Ambz-a-r(Pbf)-h(Trt)-Fmoc(2.3.6を参照)との縮合によって合成した(GP8)。Fmoc脱保護およびセミ分取RP-HPLCによる精製によって所望の生成物を得た。
CPCR4-Ambz-a-r(Pbf)-h(Trt)-NH:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=13.43分。モノアイソトピック質量計算値(C911081813S):1692.81、実測値:848.3[M+2H]2+
2.3.8 キレーターの合成
2.3.8.1 修飾masから誘導されるキレーター
masから誘導される複数のキレーターを、すべて標準的なFmocペプチド合成戦略およびGP1、2、3、9に従って合成した。
Figure 2024506700000085
得られたキレーターを、CXCR4-結合ペプチドとのフラグメント縮合または事前の脱アセチル化のいずれかに使用した。
HO-(s(tBu))-TMAA
Figure 2024506700000086
HO-(s(tBu))-TMAA:HPLC(15分で10~90%B):t=14.85分。モノアイソトピック質量計算値(C4257S):763.39、実測値:764.7[M+H]
HO-(Hcy(Gluc(OAc)))-TMAA
Figure 2024506700000087
HO-(Hcy(Gluc(OAc)))-TMAA:HPLC(15分で10~95%B):t=12.97分。モノアイソトピック質量計算値(C759332):1675.46、実測値:1677.2[M+H]
HO-s(tBu)-(Hcy(Gluc(OAc)))-TMAA
Figure 2024506700000088
HO-s(tBu)-(Hcy(Gluc(OAc)))-TMAA:HPLC(15分で10~95%B):t=13.0分。モノアイソトピック質量計算値(C648124):1371.44、実測値:1372.3[M+H]
HO-cit-Hcy(Lac(OAc))-cit-TMAA
Figure 2024506700000089
HO-cit-Hcy(Lac(OAc))-cit-TMAA:HPLC(15分で10~90%B):t=7.97分。モノアイソトピック質量計算値(C638124):1383.48、実測値:1141.1[M-Trt+H]
HO-s(tBu)-Hcy(Lac(OAc))-s(tBu)-TMAA
Figure 2024506700000090
HO-s(tBu)-Hcy(Lac(OAc))-s(tBu)-TMAA:HPLC(15分で10~90%B):t=8.47分。モノアイソトピック質量計算値(C658524):1355.50、実測値:1001.8[M-Trt、-2tBu+H]
脱アセチル化
樹脂から切断した後、キレーターをMeOH(2mL/50mg)に溶解し、pHをKCNで10~11に調整した。周囲温度で少なくとも4時間後、脱アセチル化したキレーターをEtO中に沈殿させた。
HO-(Hcy(Gluc(OAc)12))-TMAA:HPLC(15分で10~90%B):t=12.97分。モノアイソトピック質量計算値(C759332):1675.46、実測値:1677.2[M+H]
HO-(Hcy(Gluc))-TMAA:HPLC(15分で10~95%B):t=8.70分。モノアイソトピック質量計算値(C486516):1035.35、実測値:1036.3[M+H]
HO-cit-Hcy(Lac)-cit-TMAA:HPLC(15分で10~95%B):t=7.90分。モノアイソトピック質量計算値(C496717):1089.40、実測値:1089.9[M+H]
HO-s(tBu)-Hcy(Lac)-s(tBu)-TMAA:HPLC(15分で10~95%B):t=11.59分。モノアイソトピック質量計算値(C517117):1061.42、実測値:1061.8[M+H]
HO-a-(s(tBu))-TMAA
Figure 2024506700000091
HO-a-(s(tBu))-TMAA:RP-HPLC(15分で40~100%B):t=16.54分。モノアイソトピック質量計算値(C4562S):834.42、実測値:835.2[M+H]
HO-dap(Boc)-(s(tBu))-TMAA
Figure 2024506700000092
HO-dap(Boc)-(s(tBu))-TMAA:RP-HPLC(15分で40~100%B):t=17.60分。モノアイソトピック質量計算値(C507111S):949.49、実測値:950.6[M+H]
2.3.8.2 リンカー-キレーター-コンストラクト
リンカー-キレーター-コンストラクトは、GP1、GP2、GP3、GP9を使用し、樹脂上線形合成によって調製した。
HO-Abz-a-r(Pbf)-r(Pbf)-(s(tBu))-TMAA
Figure 2024506700000093
HO-Abz-a-r(Pbf)-r(Pbf)-(s(tBu))-TMAA:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=18.41分。モノアイソトピック質量計算値(C901231318):1769.83、実測値:1771.2[M+H]
HO-Abz-a-r(Pbf)-f-(s(tBu))-TMAA
Figure 2024506700000094
HO-Abz-a-r(Pbf)-f-(s(tBu))-TMAA:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=17.44分。モノアイソトピック質量計算値(C801041015):1508.71、実測値:1509.8[M+H]
HO-Abz-a-r(Pbf)-h(Trt)-(s(tBu))-TMAA
Figure 2024506700000095
HO-Abz-a-r(Pbf)-h(Trt)-(s(tBu))-TMAA:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=17.80分。モノアイソトピック質量計算値(C961161215):1740.81、実測値:1742.3[M+H]
(tBu)e(HO-Ahx-dap(N4(Boc))ue(tBu)
Figure 2024506700000096
(tBu)e(HO-Ahx-dap(N4(Boc))ue(tBu):RP-HPLC(15分で10~95%B):t=16.57分。モノアイソトピック質量計算値(C6010720):1273.76、実測値:1274.6[M+H]
(tBu)e(HO-Ahx-dap(R-DOTAGA(tBu)-dap(SiFa-BA)ue(tBu)
Figure 2024506700000097
(tBu)e(HO-Ahx-dap(R-DOTAGA(tBu)-dap(SiFa-BA)ue(tBu):RP-HPLC(15分で10~95%B):t=15.62分。モノアイソトピック質量計算値(C85146FN1122Si):1720.04、実測値:1721.3[M+H]、861.4[M+2H]2+
HO-Ahx-dap(R-DOTAGA(tBu))-SiFalin
Figure 2024506700000098
HO-Ahx-dap(R-DOTAGA(tBu))-SiFalin:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=11.64分。モノアイソトピック質量計算値(C63112FN12Si):1235.81、実測値:1235.9[M+H]
HO-Ahx-dap(DOTA(tBu))-D-HCy(ラクトシル)-SiFalin
Figure 2024506700000099
HO-Ahx-dap(DOTA(tBu))-D-HCy(ラクトシル)-SiFalin:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=9.55分。モノアイソトピック質量計算値(C72127FN22SSi):1548.86、実測値:1550.3[M+H]、775.3[M+2H]2+
HO-Ahx-dap(R-DOTAGA(tBu))-D-HCy(Trt)-Ac
Figure 2024506700000100
O-Ahx-dap(R-DOTAGA(tBu))-D-HCy(Trt)-Ac:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=12.49分。モノアイソトピック質量計算値(C6910414S):1300.74、実測値:1301.5[M+H]
HO-Ahx-dap(DOTA(tBu))-Fmoc
Figure 2024506700000101
HO-Ahx-dap(DOTA(tBu))-Fmoc:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=16.66分。モノアイソトピック質量計算値(C527912S):993.58、実測値:938.7[M-tBu+H]
2.3.8.3 HO-HYNIC(BOC)
Figure 2024506700000102
HO-HYNIC(Boc)の合成を、公開された手順(45、46)に従って実現した。手短に言えば、ヒドラジノ-ニコチン酸を、DMF中でBocO(1.00当量)およびトリエチルアミン(1.30当量)と終夜反応させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物を、EtOAc、次いでEtOAc+1vol%AcOHを使用するシリカフラッシュクロマトグラフィーに供した。溶媒を留去した後、所望の生成物を白色粉末として得た。
ESI-MS:モノアイソトピック質量計算値(C1115):253.11、実測値:254.4[M+H]
2.3.8.4 3-((tert-ブトキシカルボニル)(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)アミノ)-2-(((tert-ブトキシカルボニル)(2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)エチル)アミノ)メチル)プロパン酸(=N4キレーター[11])
Figure 2024506700000103
tert-ブチル-(2-アミノエチル)-カルバメート(4.00当量)を、THF(25mL/mmol)中3-ブロモ-2-(ブロモメチル)プロパン酸(1.00当量)に激しく撹拌しながらゆっくりと添加した。
Figure 2024506700000104
この混合物を周囲温度で4時間撹拌し、その後、溶媒を減圧下にて室温で留去した。粗生成物[10]をアセトン:HO(1:1、25mL/mmol)に溶解し、0℃に冷却し、NEt(3.00当量)を添加した。5分予備活性化した後、BocO(4.00当量)を添加した。この混合物を15時間撹拌し(0℃~室温)、溶媒を減圧下で留去し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(HO中35~95%MeCN、15分)によって精製した。
(EtOAc+0.5%AcOH)=0.65。
MS(ESI、陽イオン):C285210のモノアイソトピック質量計算値:604.37;ESI-MSによる実測値:m/z=605.0[M+H]
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 7.17-6.19 (m, 2H, NH), 3.28-3.17 (m, 6H, CH2), 3.10-2.95 (m, 6H, CH2), 2.94- 2.90 (m, 1H, CH), 1.38 (s, 18H, CH3), 1.36 (s, 18H, CH3).
3.合成されたペプチド
この試験内の大多数のペプチドを、フラグメント縮合によって合成した。CPCR4結合モチーフを、ほとんどの場合におけるリンカーユニットと同様に(2.3.6を参照)、別々に合成し、精製した(2.3.1を参照)。これらのフラグメントをGP8に従って縮合し、20%ピペリジン/DMF(v/v)に溶解することによってFmocを脱保護し、RP-HPLCによって精製した。得られたCPCR4-リンカーコンストラクトを、対応するキレーター、または標識部分などの官能基で誘導体化するための出発材料として使用した。得られたペプチドは、それぞれの分析データとともに以下に列挙される。
Figure 2024506700000105
3.1 テクネチウム-99M SPECTトレーサー
3.1.1 masコンジュゲートペプチド
Tc-CXCR4-1
Figure 2024506700000106
Tc-CXCR4-1の合成を、GP8に従い、フラグメント縮合によって促進した。CPCR4(2.3.1を参照)とリンカーHO-Abz-a-r(Pbf)-Fmoc(2.3.6を参照)とを縮合し、得られたペプチドをFmoc脱保護し、その後、HO-(s(tBu))-TMAA(2.3.8.1を参照)とさらにカップリングした。粗生成物を脱保護し(GP5を参照)、セミ分取RP-HPLC精製に供した。
Tc-CXCR4-1:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=9.82分。モノアイソトピック質量計算値(C63861816S):1382.62、実測値:692.2[M+2H]2+
Tc-CXCR4-2
Figure 2024506700000107
Tc-CXCR4-2の合成を、Tc-CXCR4-1と同様に行った。CPCR4(2.3.1を参照)とリンカーHO-Abz-a-r(Pbf)-Fmoc(2.3.6を参照)とを縮合し、得られたペプチドをFmoc脱保護し、その後、HO-a-(s(tBu))-TMAA(2.3.8.1を参照)とさらにカップリングした。粗生成物を脱保護し(GP5を参照)、セミ分取RP-HPLC精製に供した。
Tc-CXCR4-2:RP-HPLC(15分で15~45%B):t=9.10分。モノアイソトピック質量計算値(C66911917S):1453.66、実測値:728.6[M+2H]2+
Tc-CXCR4-3
Figure 2024506700000108
Tc-CXCR4-3を、CPCR4(2.3.1を参照)とリンカー-キレーターコンストラクトHO-Abz-a-r(Pbf)-r(Pbf)-(s(tBu))-TMAA(2.3.8.2を参照)とをカップリングすることによって合成した。粗生成物を脱保護し(GP5を参照)、セミ分取RP-HPLC精製に供した。
Tc-CXCR4-3:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=9.00分。モノアイソトピック質量計算値(C69982217S):1538.72、実測値:770.4[M+2H]2+
Tc-CXCR4-4
Figure 2024506700000109
Tc-CXCR4-4を、CPCR4(2.3.1を参照)とリンカー-キレーターコンストラクトHO-Abz-a-r(Pbf)-f-(s(tBu))-TMAA(2.3.8.2を参照)とをカップリングすることによって、Tc-CXCR4-3と同様に合成した。粗生成物を脱保護し(GP5を参照)、セミ分取RP-HPLC精製に供した。
Tc-CXCR4-4:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=10.20分。モノアイソトピック質量計算値(C72951917S):1529.69、実測値:766.1[M+2H]2+
Tc-CXCR4-5
Figure 2024506700000110
Tc-CXCR4-5を、CPCR4(2.3.1を参照)とリンカー-キレーターコンストラクトHO-Abz-a-r(Pbf)-h(Trt)-(s(tBu))-TMAA(2.3.8.2を参照)とをカップリングすることによって、Tc-CXCR4-3および-4と同様に合成した。粗生成物を脱保護し(GP5を参照)、セミ分取RP-HPLC精製に供した。
Tc-CXCR4-5:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=9.53分。モノアイソトピック質量計算値(C69932117S):1519.68、実測値:761.2[M+2H]2+
Tc-CXCR4-6
Figure 2024506700000111
Tc-CXCR4-6の合成を、Tc-CXCR4-1と同様に実現した。CPCR4(2.3.1を参照)とリンカーHO-Abz-a-r(Pbf)-Fmoc(2.3.6を参照)とを縮合し、得られたペプチドをFmoc脱保護し、その後、HO-dap(Boc)-(s(tBu))-TMAA(2.3.8.1を参照)とさらにカップリングした。粗生成物を脱保護し(GP5を参照)、セミ分取RP-HPLC精製に供した。
Tc-CXCR4-6:RP-HPLC(15分で35~65%B):t=8.85分。モノアイソトピック質量計算値(C66922017S):1468.67、実測値:735.1[M+2H]2+
Tc-CXCR4-7
Figure 2024506700000112
合成を、CPCR4-リンカー-コンストラクトCPCR4-Ambz-a-r(Pbf)-his(Trt)-NH(2.3.7を参照)とキレーターHO-(s(tBu))-TMAA(2.3.8.1を参照)とのフラグメント縮合(GP8)によって実現した。次なるペプチドの脱保護(GP5)およびセミ分取RP-HPLCによる精製により、所望の生成物を得た。
Tc-CXCR4-8
Figure 2024506700000113
合成を、CPCR4-リンカー-コンストラクトCPCR4-Ambz-a-r(Pbf)-NH(2.3.7を参照)と修飾キレーターHO-a-(s(tBu))-TMAA(2.3.8.1を参照)とのフラグメント縮合(GP8)によって実現した。次なるペプチドの脱保護(GP5)およびセミ分取RP-HPLCによる精製によって、所望の生成物を得た。
Tc-CXCR4-8:RP-HPLC(15分で20~60%B):t=7.26分。モノアイソトピック質量計算値(C67942017S):1482.68、実測値:742.4[M+2H]2+
3.1.2 修飾masコンジュゲートペプチド
Tc-CXCR4-9
Figure 2024506700000114
Tc-CXCR4-9を、フラグメント縮合(GP8を参照)によって合成した。CPCR4-リンカーコンストラクトCPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH(2.3.7を参照)を、保護されたキレーターHO-(Hcy(Gluc(OAc)))-TMAA(2.3.8.1を参照)と反応させた。記載したとおりの脱アセチル化および次なる酸に不安定な保護基の除去(GP5を参照)により、所望の粗生成物が得られ、これをセミ分取RP-HPLCによって精製した。
Tc-CXCR4-9:RP-HPLC(15分で5~55%B):t=9.51分。モノアイソトピック質量計算値(C871282029):2044.80、実測値:1023.7[M+2H]2+
Tc-CXCR4-10
Figure 2024506700000115
Tc-CXCR4-10を、Tc-CXCR4-9と同様に合成したが、違いは、キレーターHO-s(tBu)-(Hcy(Gluc))-TMAA(2.3.8.1を参照)を脱アセチル化し、その後、CPCR4-リンカーコンストラクトとカップリングしたことであった。粗生成物を、完全に脱保護し(GP5を参照)、セミ分取RP-HPLCによって精製した。
Tc-CXCR4-10:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=9.00分。モノアイソトピック質量計算値(C801162025):1852.76、実測値:927.4[M+2H]2+、618.7[M+3H]3+
Tc-CXCR4-11
Figure 2024506700000116
Tc-CXCR4-11を、脱アセチル化したキレーターHO-s(tBu)-Hcy(Lac)-s(tBu)-TMAA(2.3.8.1を参照)を用いて、Tc-CXCR4-10と同様に合成した。粗生成物を、完全に脱保護し(GP5を参照)、セミ分取RP-HPLCによって精製した。
Tc-CXCR4-11:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=7.90分。モノアイソトピック質量計算値(C791142026):1822.77、実測値:920.4[M+HO+2H]2+、614.1[M+HO+3H]3+
Tc-CXCR4-12
Figure 2024506700000117
Tc-CXCR4-12を、脱アセチル化したキレーターHO-cit-Hcy(Lac)-cit-TMAA(2.3.8.1を参照)を用いて、Tc-CXCR4-10および-11と同様に合成した。粗生成物を、完全に脱保護し(GP5を参照)、セミ分取RP-HPLCによって精製した。
Tc-CXCR4-12:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=8.00分。モノアイソトピック質量計算値(C851262426):1962.87、実測値:982.6[M+2H]2+、655.5[M+3H]3+
3.1.3 固定されたキレーター系ペプチド
Tc-CXCR4-13
Figure 2024506700000118
Tc-CXCR4-13の合成は、GP8に従って、HO-HYNIC(Boc)(2.3.8.3を参照)をCPCR4-リンカーコンストラクトCPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH(2.3.7を参照)にカップリングすることによって実現し、その後、GP5によって脱保護し、セミ分取RP-HPLCによって精製した。
Tc-CXCR4-13:RP-HPLC(15分で5~55%B):t=7.88分。モノアイソトピック質量計算値(C61802011):1268.63、実測値:635.6[M+2H]2+
Tc-CXCR4-14
Figure 2024506700000119
Tc-CXCR4-14を、Tc-CXCR4-13と同様に合成した。GP8に従って、HO-N4(Boc)(2.3.8.4を参照)をCPCR4-リンカーコンストラクトCPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH(2.3.7を参照)にカップリングし、その後、GP5によって脱保護し、セミ分取RP-HPLCによって精製した。
Tc-CXCR4-14:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=8.03分。モノアイソトピック質量計算値(C63932111):1319.74、実測値:660.7[M+2H]2+、441.0[M+3H]3+
Tc-CXCR4-15
Figure 2024506700000120
Tc-CXCR4-15を、Tc-CXCR4-13および-14と同様に合成した。GP8に従って、キレーターを有する足場(tBu)e(HO-dap(N4(Boc)))ue(tBu)を、CPCR4-リンカーコンストラクトCPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH(2.3.7を参照)にカップリングし、その後、GP5によって脱保護し、セミ分取RP-HPLCによって精製した。
Figure 2024506700000121
(tBu)e(HO-dap(N4(Boc)))ue(tBu):RP-HPLC(15分で10~95%B):t=16.75分。モノアイソトピック質量計算値(C549619):1160.68、実測値:1162.2[M+H]、531[M-Boc+2H]2+
Tc-CXCR4-15:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=8.03分。モノアイソトピック質量計算値(C771132520):1707.86、実測値:855.5[M+2H]2+、570.6[M+3H]3+、427.1[M+4H]4+
Tc-CXCR4-16
Figure 2024506700000122
Tc-CXCR4-16を、Tc-CXCR4-15と同様に合成した。GP8に従って、キレーターを有するAhx-系足場(tBu)e(HO-Ahx-dap(N4(Boc)))ue(tBu)(0を参照)をCPCR4-リンカーコンストラクトCPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH(2.3.7を参照)にカップリングし、その後、GP5によって脱保護し、セミ分取RP-HPLCによって精製した。
Tc-CXCR4-16:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=7.83分。モノアイソトピック質量計算値(C831242621):1820.94、実測値:1821.5[M+H]、910.8[M+2H]2+、607.4[M+3H]3+
3.2 DOTAコンジュゲートペプチド
DOTAの、それぞれAmbzまたはAbzを有する足場(2.3.7を参照)へのコンジュゲートを、最近公開された手順(47)に従って行った。手短に言えば、DOTA(4.00当量)を、NHS(5.00当量)、EDCI(5.00当量)および2,4,6-コリジン(6.00当量)を用いてHO中で30分間、予備活性化した。Fmoc脱保護したペプチドをDMF(30μL/mg)に溶解し、これを混合物に加え、室温で2~4時間撹拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、粗生成物をTFAで1~2時間処理した(GP5を参照)。N流中でTFAを除去した後、生成物をセミ分取RP-HPLCによって精製した。
tyrを有する結合モチーフのヨウ素化を、精製され、完全に脱保護されたペプチドを基材として、一般手順GP7に従って実現した。
CXCR4-DOTA-1
Figure 2024506700000123
CXCR4-DOTA-1の合成を、一般合成手順GP1、GP2、GP3を適用して実現し、CPCR4-Ambz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH(2.3.7を参照)を得た。DOTAを上記のようにカップリングし、GP5に従ってペプチドを脱保護した。
CXCR4-DOTA-1:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=7.97分。モノアイソトピック質量計算値(C721032117):1533.78、実測値:768.6[M+2H]2+、512.6[M+3H]3+
natGa]CXCR4-DOTA-1:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=7.97分。モノアイソトピック質量計算値(C72101GaN2117):1600.69、実測値:801.0[M+2H]2+、534.8[M+3H]3+
natLu]CXCR4-DOTA-1:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=7.99分。モノアイソトピック質量計算値(C72100LuN2117):1705.70、実測値:570.1[M+3H]3+
CXCR4-DOTA-2
Figure 2024506700000124
CXCR4-DOTA-2の合成を、完全に脱保護され、精製されたCXCR4-DOTA-1を基材として、GP7によるヨウ素化によって実現した。所望の生成物を、セミ分取RP-HPLCによって単離した。
CXCR4-DOTA-2:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=8.85分。モノアイソトピック質量計算値(C72102IN2117):1659.68、実測値:1660.6[M+H]、830.7[M+2H]2+、553.9[M+3H]3+
natGa]CXCR4-DOTA-2:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=8.73分。モノアイソトピック質量計算値(C72100GaIN2117):1726.59、実測値:863.9[M+2H]2+、576.6[M+3H]3+
natLu]CXCR4-DOTA-2:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=8.80分。モノアイソトピック質量計算値(C7299ILuN2117):1831.60、実測値:916.8[M+2H]2+、611.6[M+3H]3+
CXCR4-DOTA-3
Figure 2024506700000125
CXCR4-DOTA-3をCXCR4-DOTA-1と同様に合成したが、違いは、使用したリンカーであった。この場合、HO-Abz-a-r-(Pbf)-dap(Boc)-Fmoc(2.3.6を参照)をCPCR4にカップリングし、その後、Fmoc脱保護し、精製し、DOTAカップリングをした。
CXCR4-DOTA-3:RP-HPLC(15分で20~75%B):t=5.36分。モノアイソトピック質量計算値(C711012117):1519.77、実測値:1521.0[M+H]、760.8[M+2H]2+、507.9[M+3H]3+
natGa]CXCR4-DOTA-3:RP-HPLC(15分で20~75%B):t=6.65分。モノアイソトピック質量計算値(C7199GaN2117):1586.68、実測値:1569.5[M+H]、795.0[M+2H]2+、529.6[M+3H]3+
natLu]CXCR4-DOTA-3:RP-HPLC(15分で20~75%B):t=6.62分。モノアイソトピック質量計算値(C7198LuN2117):1691.69、実測値:1691.9[M+H]、846.8[M+2H]2+、565.1[M+3H]3+
CXCR4-DOTA-4
Figure 2024506700000126
CXCR4-DOTA-4の合成を、GP7に従って、完全に脱保護され、精製されたCXCR4-DOTA-3をヨウ素化することによって実現した。所望の生成物を、セミ分取RP-HPLCによって単離した。
CXCR4-DOTA-4:RP-HPLC(15分で20~80%B):t=5.72分。モノアイソトピック質量計算値(C71100IN2117):1645.67、実測値:1647.2[M+H]、824.4[M+2H]2+、550.0[M+3H]3+
natGa]CXCR4-DOTA-4:RP-HPLC(15分で20~80%B):t=5.52分。モノアイソトピック質量計算値(C7198GaIN2117):1712.58、実測値:857.1[M+2H]2+、572.2[M+3H]3+
natLu]CXCR4-DOTA-4:RP-HPLC(15分で20~80%B):t=5.55分。モノアイソトピック質量計算値(C7197ILuN2117):1817.58、実測値:910.2[M+2H]2+、607.1[M+3H]3+
CXCR4-DOTA-5
Figure 2024506700000127
CXCR4-DOTA-5の合成を、CXCR4-DOTA-3と同様に実現したが、違いは、CPCR4-リンカーコンストラクトCPCR4-Abz-a-cit-dap(Boc)-NH(2.3.7を参照)であった。Fmoc脱保護の後、DOTAを上記のようにカップリングし、得られたペプチドを脱保護し(GP5)、その後、セミ分取RP-HPLCによって精製した。
CXCR4-DOTA-5:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=8.40分。モノアイソトピック質量計算値(C711002018):1520.75、実測値:1522.0[M+H]、761.6[M+2H]2+
natGa]CXCR4-DOTA-5:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=8.33分。モノアイソトピック質量計算値(C719820GaO18):1587.66、実測値:794.6[M+2H]2+、529.8[M+3H]3+
natLu]CXCR4-DOTA-5:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=8.42分。モノアイソトピック質量計算値(C7197LuN2018):1692.67、実測値:847.2[M+2H]2+、565.1[M+3H]3+
ペンチキサフォル
Figure 2024506700000128
ペンチキサフォルの合成を、既刊文献(48)に従って行った。手短に言えば、HO-Ambz-FmocをCPCR4にカップリングし(GP8)、生成物をFmoc脱保護した。セミ分取RP-HPLCによって精製した後、DOTAを、文献に従って上記のように(47)カップリングした。得られたペプチドを脱保護し(GP5)、セミ分取RP-HPLCによって精製した。
ペンチキサフォル:RP-HPLC(15分で15~45%B):t=14.96分。モノアイソトピック質量計算値(C60801414):1220.60、実測値:1220.8[M+H]
natGa]ペンチキサフォル:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=8.73分。モノアイソトピック質量計算値(C6078GaN1414):1287.51、実測値:863.9[M+2H]2+、576.6[M+3H]3+
ペンチキサテル
Figure 2024506700000129
ペンチキサテルを、完全に脱保護され、精製されたペプチドを基材として、文献(39)およびGP7に従い、ペンチキサフォルのヨウ素化によって得た。得られた混合物を、セミ分取RP-HPLCに供した。
ペンチキサテル:RP-HPLC(15分で15~45%B):t=10.60分。モノアイソトピック質量計算値(C6079IN1414):1346.59、実測値:1347.7[M+H]、676.2[M+2H]2+
natLu]ペンチキサテル:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=9.34分。モノアイソトピック質量計算値(C6079ILuN1414):1518.41、実測値:1519.2[M+H]、760.4[M+2H]2+
3.3 フッ素-18PETトレーサー/放射ハイブリッド
CXCR4-SiFA-1
Figure 2024506700000130
CXCR4-SiFA-1を、CPCR4と、SiFAを有するリンカーHO-Abz-a-r(Pbf)-dap(SiFA-BA)-Fmocとのフラグメント縮合(GP8を参照)によって合成した。次なるFmoc脱保護およびDOTA-GA無水物とのカップリング、それに続く脱保護およびセミ分取RP-HPLCによる精製によって、所望の生成物を得た。
Figure 2024506700000131
Figure 2024506700000132
HO-Abz-a-r-(Pbf)-dap(SiFA-BA)-Fmoc:RP-HPLC(15分で50~95%B):t=17.70分。モノアイソトピック質量計算値(C6277FN11SSi):1188.52、実測値:1189.3[M+H]
natGa]CXCR4-SiFA-1:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=8.98分。モノアイソトピック質量計算値(C89124FGaN2120Si):1922.83、実測値:1924.0[M+H]、962.9[M+2H]2+
natLu]CXCR4-SiFA-1:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=9.77分。モノアイソトピック質量計算値(C89124FLuN2120Si):2028.85、実測値:1015.1[M+2H]2+
CXCR4-SiFA-2
Figure 2024506700000133
CXCR4-SiFA-2を、CXCR4-SiFA-1と同様に合成した。Abz-系リンカーユニットを、Fmoc-h(Trt)-OHを伴わせて伸長させ、その後、Fmoc-dap(Dde)-OHを伴わせて伸長させた。次なるDde脱保護、SiFa-BAカップリングおよび樹脂切断により、SiFaを有するリンカーを得た。CPCR4とのカップリング、Fmoc脱保護、DOTA-GAの連結および全体的な脱保護を同様に行った。
Figure 2024506700000134
HO-Abz-a-r-(Pbf)-h(Trt)-dap(SiFA-BA)-Fmoc:RP-HPLC(15分で70~95%B):t=19.04分。モノアイソトピック質量計算値(C8798FN1112SSi):1567.69、実測値:1568.9[M+H]
CXCR4-SiFA-2:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=8.43分。モノアイソトピック質量計算値(C95133FN2421Si):1992.98、実測値:997.2[M+2H]2+、665.7[M+3H]3+
natGa]CXCR4-SiFA-2:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=5.40分。モノアイソトピック質量計算値(C95131FGaN2421Si):2059.89、実測値:1031.2[M+2H]2+、688.8[M+3H]3+
natLu]CXCR4-SiFA-2:RP-HPLC(15分で10~90%B):t=5.89分。モノアイソトピック質量計算値(C95130FLuN2421Si):2164.90、実測値:1084.8[M+2H]2+、723.1[M+3H]3+
CXCR4-SiFA-3
Figure 2024506700000135
CXCR4-SiFA-3の合成を、SiFAを有するフラグメントHO-dap(SiFA-BA)-k((R)-DOTA-GA(tBu))-(R)-DOTA-GA(tBu)とCPCR4-リンカーコンストラクトCPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NHとの縮合によって実現した(2.3.7、GP8を参照)。得られたペプチドを12時間脱保護し(GP5)、セミ分取RP-HPLCによって精製した。
Figure 2024506700000136
HO-dap(SiFA-BA)-k((R)-DOTA-GA(tBu))-(R)-DOTA-GA(tBu):RP-HPLC(15分で25~95%B):t=12.32分。モノアイソトピック質量計算値(C94165FN1222Si):1861.19、実測値:931.2[M+2H]2+
CXCR4-SiFA-3:RP-HPLC(15分で20~60%B):t=8.77分。モノアイソトピック質量計算値(C117174FN2931Si):2528.27、実測値:844.5[M+3H]3+、633.4[M+4H]4+
natGa]CXCR4-SiFA-3:RP-HPLC(15分で20~60%B):t=8.82分。モノアイソトピック質量計算値(C117170FGa2931Si):2662.09、実測値:1333.1[M+2H]2+、889.5[M+3H]3+
natLu]CXCR4-SiFA-3:RP-HPLC(15分で20~60%B):t=9.71分。モノアイソトピック質量計算値(C117168FLuN2931Si):2872.10、実測値:1438.5[M+2H]2+、958.7[M+3H]3+
CXCR4-SiFA-4
Figure 2024506700000137
CXCR4-SiFA-4を、GP8に従い、SiFAを有する部分(tBu)e(HO-dap((R)-DOTAGA(tBu))-dap(SiFA-BA))ue(tBu)とCPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH(2.3.7を参照)とを連結させて合成した。次なる12時間の脱保護(GP5)およびセミ分取RP-HPLCにより、所望の生成物を得た。
Figure 2024506700000138
(tBu)e(HO-dap((R)-DOTAGA(tBu))-dap(SiFA-BA))ue(tBu):RP-HPLC(15分で10~95%B):t=15.97分。モノアイソトピック質量計算値(C79135FN1021Si):1606.96、実測値:1609.1[M+H]、805.4[M+2H]2+
CXCR4-SiFA-4:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=11.70分。モノアイソトピック質量計算値(C106152FN2730Si):2330.10、実測値:1167.2[M+2H]2+、778.6[M+3H]3+、584.3[M+4H]4+
natGa]CXCR4-SiFA-4:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=12.32分。モノアイソトピック質量計算値(C106150FGaN2730Si):2397.01、実測値:1200.7[M+2H]2+、801.0[M+3H]3+
natLu]CXCR4-SiFA-4:RP-HPLC(15分で20~60%B):t=11.72分。モノアイソトピック質量計算値(C106149FLuN2730Si):2502.01、実測値:835.7[M+3H]3+
CXCR4-SiFA-5
Figure 2024506700000139
CXCR4-SiFA-5の合成をCXCR4-SiFA-4と同様に行ったが、違いは、CPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH(2.3.7を参照)とカップリングされた、SiFAを有する部分(tBu)e(HO-Ahx-dap((R)-DOTAGA(tBu))-dap(SiFA-BA))ue(tBu)(0を参照)であった。それに続く12時間の脱保護(GP5)およびセミ分取RP-HPLCにより、所望の生成物を得た。
Figure 2024506700000140
(tBu)e(HO-Ahx-dap((R)-DOTAGA(tBu))-dap(SiFA-BA))ue(tBu):RP-HPLC(15分で10~95%B):t=15.62分。モノアイソトピック質量計算値(C85146FN1122Si):1720.04、実測値:1721.3[M+H]、861.6[M+2H]2+
CXCR4-SiFA-5:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=11.70分。モノアイソトピック質量計算値(C112163FN2831Si):2443.18、実測値:1221.9[M+2H]2+、814.8[M+3H]3+、611.3[M+4H]4+
natGa]CXCR4-SiFA-5:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=11.82分。モノアイソトピック質量計算値(C112160FGaN2831Si):2509.08、実測値:1255.3[M+2H]2+、837.0[M+3H]3+
natLu]CXCR4-SiFA-5:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=12.72分。モノアイソトピック質量計算値(C112159FLuN2831Si):2614.09、実測値:1307.8[M+2H]2+、872.1[M+3H]3+
CXCR4-SiFA-6
Figure 2024506700000141
CXCR4-SiFA-6を、CPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH(2.3.7を参照)とSiFAを有するHO-Ahx-dap((R)-DOTAGA(tBu))-SiFAlin(0を参照)とのフラグメント縮合によって合成した(GP8)。SiFA-臭化ベンジルが、SiFA-BAシントンの合成(2.3.4を参照)中に得られ、これをDCM中でDMG N末端に終夜カップリングした(3.00当量SiFA-臭化ベンジル、3.00当量DIPEA)。ペプチドの最終脱保護(GP5)およびセミ分取RP-HPLC精製により、所望の生成物を得た。
Figure 2024506700000142
HO-Ahx-dap((R)-DOTAGA(tBu))-SiFAlin:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=11.64分。モノアイソトピック質量計算値(C63112FN13Si):1235.81、実測値:1235.9[M+H]
CXCR4-SiFA-6:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=11.70分。モノアイソトピック質量計算値(C102153FN2522Si):2127.14、実測値:1063.4[M+2H]2+、709.2[M+3H]3+
natGa]CXCR4-SiFA-6:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=11.73分。モノアイソトピック質量計算値(C102150FGaN2522Si):2193.04、実測値:1096.7[M+2H]2+、731.3[M+3H]3+、548.7[M+4H]4+
natLu]CXCR4-SiFA-6:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=12.71分。モノアイソトピック質量計算値(C102149FLuN2522Si):2298.05、実測値:1149.3[M+2H]2+、766.4[M+3H]3+
CXCR4-SiFA-7
Figure 2024506700000143
CXCR4-SiFA-7を、SiFAを有するHO-Ahx-dap(DOTA(tBu))-D-HCy(ラクトシル)-SiFAlin(0を参照)を使用して、CXCR4-SiFA-6と同様に合成した(GP8)。ペプチドの最終脱保護(GP5)およびセミ分取RP-HPLC精製により、所望の生成物を得た。
Figure 2024506700000144
HO-Ahx-dap(DOTA(tBu))-D-HCy(ラクトシル)-SiFalin:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=9.55分。モノアイソトピック質量計算値(C72127FN22SSi):1548.86、実測値:1550.3[M+H]、775.3[M+2H]2+
CXCR4-SiFA-7:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=7.61分。モノアイソトピック質量計算値(C102153FN2522Si):2496.25、実測値:838.8[M+HO+3H]3+
natGa]CXCR4-SiFA-7:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=11.23分。モノアイソトピック質量計算値(C115174FGaN2631SSi):2563.16、実測値:861.5[M+HO+3H]3+
natLu]CXCR4-SiFA-7:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=11.47分。モノアイソトピック質量計算値(C115173FLuN2631SSi):2668.16、実測値:896.3[M+HO+3H]3+
3.4 細胞傷害性物質を結合したペプチド
CXCR4-MMAE-1
Figure 2024506700000145
システインを有する結合足場HO-Abz-a-r(Pbf)-c(Trt)-Fmocの合成(2.3.6を参照)を、記載されたとおりに実現した。CPCR4足場(2.3.1を参照)とリンカー部分との縮合、次なるFmoc脱保護および酸に不安定な保護基の脱保護を、GP5、GP8を使用して実現した。スルフヒドリル-マレイミドカップリングを上記のように行い(GP10を参照)、得られたペプチドをセミ分取RP-HPLCによって精製した。
Figure 2024506700000146
CPCR4-Abz-a-r-c-NH:RP-HPLC:(15分で10~90%B):t=9.80分。モノアイソトピック質量計算値(C55741610S):1150.55、実測値:1151.3[M+H]、576.4[M+2H]2+
CXCR4-MMAE-1:RP-HPLC:(15分で25~70%B):t=9.31分。モノアイソトピック質量計算値(C1231792725S):2466.33、実測値:1234.0[M+2H]2+、823.2[M+3H]3+
CXCR4-MMAE-2
Figure 2024506700000147
CXCR4-MMAE-2を、CXCR4-MMAE-1と同様に合成したが、違いは、N末端がc(Trt)-NHではなくD-Hcy(Trt)-NHであることであった(2.3.6を参照)。脱保護された中間生成物CPCR4-Abz-a-r-Hcy(SH)-NHを同様にVcMMAEにカップリングし(GP10を参照)、セミ分取RP-HPLCによって精製した。
Figure 2024506700000148
CXCR4-MMAE-2:RP-HPLC:(15分で25~70%B):t=9.39分。モノアイソトピック質量計算値(C1241812725S):2480.34、実測値:1241.0[M+2H]2+、827.8[M+3H]3+
125I-CXCR4-MMAE-2:HPLC(2分間0%B、1分で0~35%B、15分で35~50%B):t=14.19分。
CXCR4-MMAE-3
Figure 2024506700000149
CXCR4-MMAE-3を、CXCR4-MMAE-1および-2と同様に合成した。リンカーHO-Abz-a-r(Pbf)-h(Trt)-Fmoc(2.3.6を参照)をCPCR4にカップリングし(GP8)、Fmoc脱保護し、ペプチドをFmoc-D-Hcy(Trt)-OHとカップリングした。完全に脱保護した後、スルフヒドリル-マレイミドカップリングを、記載されたとおりに実現し(GP10を参照)、ペプチドをセミ分取RP-HPLCによって精製した。
Figure 2024506700000150
CXCR4-MMAE-3:RP-HPLC(15分で30~70%B):t=5.93分。モノアイソトピック質量計算値(C1301883026S):2617.40、実測値:1310.1[M+2H]2+、873.8[M+3H]3+
125I-CXCR4-MMAE-3:HPLC(2分間0%B、1分で0~35%B、15分で35~50%B):t=15.18分。
CXCR4-MMAE-4
Figure 2024506700000151
CXCR4-MMAE-4を、CPCR4-リンカーコンストラクトCPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH(2.3.7を参照)とAhx-系キレーターを有する部分HO-Ahx-dap(R-DOTAGA(tBu))-D-HCy(Trt)-Ac(0を参照)とのフラグメント縮合によって合成した。ペプチドを全体的に脱保護し、傷害性物質をGP10に従ってカップリングし、ペプチドをセミ分取RP-HPLCによって精製した。
Figure 2024506700000152
HO-Ahx-dap((R)-DOTA-GA(tBu))-D-HCy(Trt)-Ac:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=12.64分。モノアイソトピック質量計算値(C6910414S):1300.74、実測値:1060.2[M-Trt+H]、651.6[M+2H]2+
CPCR4-Abz-a-r-dap-Ahx-dap((R)-DOTA-GA)-D-HCy(VcMMAE)-Ac:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=6.22分。モノアイソトピック質量計算値(C891312523S):1949.96、実測値:652.3[M+3H]3
CXCR4-MMAE-4:RP-HPLC(15分で20~70%B):t=9.63分。モノアイソトピック質量計算値(C1572363638S):3265.74、実測値:1634.4[M+2H]2+、1089.8[M+3H]3+、817.7[M+4H]4+
natLu]CXCR4-MMAE-4:RP-HPLC(15分で20~70%B):t=10.46分。モノアイソトピック質量計算値(C1572333638S):3437.65、実測値:1720.1[M+2H]2+、1146.9[M+3H]3+
3.5 光学イメージング化合物
CXCR4-OI-1
Figure 2024506700000153
CXCR4-OI-1の合成は、CPCR4-リンカーコンストラクトCPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NH(2.3.7を参照)とスルホ-Cy5-カルボン酸とのフラグメント縮合に基づいたものとした(GP8)。得られたペプチドをTFAで処理し(GP5)、セミ分取RP-HPLCによって精製した。
CXCR4-OI-1:RP-HPLC(15分で5~55%B):t=8.73分。モノアイソトピック質量計算値(C871111917):1757.78、実測値:880.5[M+2H]2+、587.3[M+3H]3+
CXCR4-OI-2
Figure 2024506700000154
CXCR4-OI-2を、完全に脱保護され、精製されたCXCR4-OI-1を基材として、記載された方法に従い、ヨウ素化によって合成した(GP7を参照)。混合物をセミ分取RP-HPLCに供して、所望の生成物を得た。
CXCR4-OI-2:RP-HPLC(15分で5~55%B):t=11.00分。モノアイソトピック質量計算値(C87110IN1917):1883.68、実測値:942.7[M+2H]2+、630.4[M+3H]3+
CXCR4-OI-3
Figure 2024506700000155
CXCR4-OI-3を、CPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-NHとHO-Ahx-dap(DOTA(tBu))-Fmoc(0を参照)とのフラグメント縮合によって合成した。GP3、GP5およびGP8に従う次なるFmoc脱保護およびCy5.5の標準的なカップリングにより、所望の生成物を得た。
HO-Ahx-dap(DOTA(tBu))-Fmoc:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=16.66分。モノアイソトピック質量計算値(C527912S):993.58、実測値:938.7[M-tBu+H]
CPCR4-Abz-a-r(Pbf)-dap(Boc)-Ahx-dap(DOTA(tBu))-NH:RP-HPLC(15分で10~95%B):t=9.14分。モノアイソトピック質量計算値(C1101662424S):2239.22、実測値:1120.3[M+2H]2+
CXCR4-OI-3:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=8.86分。モノアイソトピック質量計算値(C1121542626):2343.10、実測値:1173.4[M+2H]2+、782.7[M+3H]3+
natLu]CXCR4-OI-3:RP-HPLC(15分で10~60%B):t=8.78分。モノアイソトピック質量計算値(C1121512626):2515.01、実測値:1258.4[M+2H]2+、839.3[M+3H]3+
4.放射標識
4.1 125I標識/125I-FC-131
およそ50~150μgの非標識前駆体をDMSO(20μL)に溶解し、トリス緩衝液280μL(25mMトリス-HCl、0.40mM NaCl、pH=7.5)を添加した。[125I]NaI溶液(15~20MBq、1.2を参照)5μLを添加した後、この混合物を反応チューブに移し、Iodogen(登録商標)150μgでコーティングした。室温で15分間インキュベートした後、混合物を酸化体から除去し、RP-HPLC精製に供した。
125I-Fc-131
Figure 2024506700000156
125I-Fc-131を、上記のように調製し、RP-HPLC手順:
RP-HPLC(15分で20~55%B):t=9.35分
に従って精製した。
4.2 99MTC標識
ペプチドの99mTcO での標識を、使用したキレーターに依存して行った。ペプチドおよびそれぞれの混合材料(水溶液から新たに得るか、または予め配合し、凍結乾燥したキットとして使用するかのいずれか)を、新たに溶離した99mTc-ペルテクネテートと反応させた(1.2を参照)。
4.2.1 masから誘導されるキレーター
標識混合物は、溶液中でも、凍結乾燥製剤を用いる場合でも、同じ成分を含有していた(49):
ストック1:ナトリウム-ホスフェート-二塩基性二水和物1.78gをHO(50.0mL)に溶解した(=溶液1)。ナトリウム-ホスフェート-一塩基性一水和物1.38gをHO(50.0mL)に溶解した(=溶液2)。溶液1(47.35mL)および溶液2(2.65mL)を混合して、ストック1を得た。
ストック2:ストック1(5.00mL)を、HO(5.00mL)で希釈して、ストック2を得た。
ストック3:それぞれのペプチドを、DMSOもしくはHOまたはそれらの混合物に溶解して、通常1.00mMの濃度にした。
ストック4:酒石酸二ナトリウム無水物(dehydrate)2.50gを、ストック1に溶解して、ストック4を得た。
ストック5:アスコルビン酸30.0mgをHCl水溶液10.0mL(10.0mM)と混合した。
ストック6:塩化スズ(II)二水和物4.00mgを、ストック5(1.0mL)に溶解した。この溶液を、すべての標識実験毎に新たに調製した。
標識混合物またはキットを、次の指示に従い、ストック溶液を混合することによって調製した。
ストック1:6.76μL
ストック2:10.0μL
ストック3:5.00μL
ストック4:8.00μL
ストック6:2.00μL
新たに溶離した99mTc-ペルテクネテート(0.10~5.00μL、50.0~850MBq)を添加し、この混合物を95℃で30分間加熱した。品質管理を、反応混合物から直接、放射性TLCおよび放射性RP-HPLCによって実行した。
放射性RP-HPLC:R99mTcO )=t、R99mTc-コロイド)=t、R99mTc-タルトレート)=2~3分、R99mTc-ペプチド)=>3分。
異なる移動相を使用するシリカをコーティングした60RP-18F254s片での放射性TLC:
NHOAc/DMF(1/1、v/v):R99mTcO )=1、R99mTc-コロイド)=0、R99mTc-タルトレート)=0.5~0.8分、R99mTc-ペプチド)=0.8~1。
2-ブタノン:R99mTcO )=1、R99mTc-コロイド)=0、R99mTc-タルトレート)=0分、R99mTc-ペプチド)=0。
NaCl(HO中25vol%):R99mTcO )=0、R99mTc-コロイド)=1、R99mTc-タルトレート)=0.5~0.8分、R99mTc-ペプチド)=0。
4.2.2 キレーターとしてのHYNIC
標識混合物は、溶液中でも、凍結乾燥製剤を用いる場合でも、同じ成分を含有していた(50)。
ストック1:エチレンジアミン二酢酸(EDDA)をNaOH水溶液(0.10M)に溶解して、10.0g/Lの濃度にした。
ストック2:酒石酸二ナトリウム二水和物をNaHPO緩衝液(40.0g/L)に溶解して、40.0g/Lの濃度にした。
ストック3:塩化スズ(II)二水和物をアスコルビン酸ナトリウム水溶液(0.01M HCl中3.00g/L)に溶解して、1.50g/Lの濃度にした。この混合物を、すべての標識実験毎に新たに調製した。
ストック4:それぞれのペプチドを、DMSOもしくはHOまたはそれらの混合物に溶解して、通常1.00mMの濃度にした。
標識混合物またはキットを、次の指示に従い、ストック溶液を混合することによって調製した。
ストック1:50.0μL
ストック2:50.0μL
ストック3:5.33μL
ストック4:5.00μL
新たに溶離した99mTc-ペルテクネテート(0.10~5.00μL、50.0~850MBq)を添加し、この混合物を95℃で20分間加熱した。品質管理を、上記のように、反応混合物から直接、放射性TLCおよび放射性RP-HPLCによって実行した(4.2.1を参照)。
4.2.3 キレーターとしてのN4
標識混合物は、溶液中でも、凍結乾燥製剤を用いる場合でも、同じ成分を含有していた。
ストック1:NaHPOをHOに溶解して、0.05Mの濃度(pH=11.5)にした。
ストック2:クエン酸二ナトリウムセスキ水和物をHOに溶解して、0.10Mの濃度にした。
ストック3:塩化スズ(II)二水和物をアスコルビン酸ナトリウム水溶液(0.01M HCl中3.00g/L)に溶解して、1.00g/Lの濃度にした。この混合物を、すべての標識実験毎に新たに調製した。
ストック4:それぞれのペプチドを、DMSOもしくはHOまたはそれらの混合物に溶解して、通常1.00mMの濃度にした。
標識混合物またはキットを、次の指示に従い、ストック溶液を混合することによって調製した。
ストック1:25.0μL
ストック2:3.00μL
ストック3:5.00μL
ストック4:7.50μL
新たに溶離した99mTc-ペルテクネテート(0.10~5.00μL、50.0~850MBq)を添加し、この混合物を90℃で10分間加熱した。品質管理は、上記のように、反応混合物から直接、放射性TLCおよび放射性RP-HPLCによって実行した(4.2.1を参照)。
4.3 177LU標識
DOTAまたはDOTA-GAを有するペプチドの177Lu標識のために、0.5~2nmolのそれぞれのペプチド(ストック、DMSOもしくはHOまたはそれらの混合物から直接)を、酢酸ナトリウム水溶液緩衝液(1.00M、pH=5.50)10μLと混合した。通常5~80MBqの間の所望の放射能量の[177Lu]LuCl(HCl中0.04M)を添加し、この混合物をHCl(0.04M)で希釈して、総体積を100μLにした。95℃で30分後、アスコルビン酸ナトリウム10μL(0.10M)を添加して放射線分解を防止し、放射性RP-HPLCおよび放射性TLCによる反応制御を実行した。
シリカをコーティングした60RP-18F254sおよび移動相NHOAc/DMF(1/1;v/v):
177LuCl)=0、R177Lu-コロイド)=0、R177Lu-ペプチド)=1.
セルロースITLC-SG紙および移動相クエン酸三ナトリウム(0.10M):
177LuCl)=1、R177Lu-コロイド)=0、R177Lu-ペプチド)=0。
4.4 18F標識
SiFAを有するペプチドの標識を、近刊の文献(51)に従って実現した。手短に言えば、SAXカートリッジ(Sep-Pak Accell Plus QMA Carbonateライト)を、HO(10mL)でコンディショニングし、その後、18F-フルオリド水溶液を通過させた。カートリッジを空気10mLでパージし、ACN10mLで乾燥させ、次いで、さらに空気20mLでパージして微量の水を除去した。18F-フルオリドを100μmol[K⊂2.2.2]OH(500μLACN中)で溶離し、シュウ酸(ACN中1.00M)25μLを添加することによってpHを調整した。
この混合物を、1つまたは複数の標識実験に使用した。所望の放射能量(通常30~500MBq)を10~25μmolの、それぞれのSiFAを有するペプチド(DMSO中ストックから直接)と混合し、この混合物を室温で5分間インキュベートした。次いで、反応混合物をHEPES緩衝液(0.10M、pH=3)9mLで希釈した。この混合物をSep-PakC18ライトカートリッジに通過させることによって、未反応の18F-フルオリドから生成物を単離した。カートリッジをHO(10mL)でパージした後、ペプチドをEtOH/PBS混合物(1/1;v/v)500μLで溶離した。放射化学的純度を、放射性RP-HPLCおよび放射性TLCを使用して決定した。
シリカをコーティングした60RP-18F254sおよび移動相ACN/PBS(1/1;v/v;+10vol%NaOAc(HO中2.00M);+1vol%TFA):
18F-フルオリド)=0、R18F-ペプチド)=0.8~1。
4.5 68GA標識
DOTAを有するペプチドおよびDOTA-GAを有するペプチドの68Ga標識を、文献(34)に従って実現した。Scintomics製自動GallElutシテムを使用した。手短に言えば、IThemba LABS製68Ge/68GaジェネレーターをHCl水溶液(1.00M)で溶離し、画分(通常1.25mL、500~700MBq)を、2~5nmolのそれぞれのペプチドを予め充填しておいた反応バイアル(ALLTECH、5mL)に移した。反応混合物を95℃で5分加熱し、その後、HO(10mL)でプレコンディショニングしたSep-Pak C8ライトカートリッジに通過させた。生成物を、EtOH/HO(1/1;v/v)2mLで溶離し、カートリッジをPBS(1mL)およびHO(1mL)でパージし、その後、EtOHを真空中で留去した。放射化学的純度を放射性TLCによって査定した。
シリカをコーティングした60RP-18F254sおよび移動相NHOAc/DMF(1/1;v/v):
68GaCl)=0、R68Ga-コロイド)=0、R68Ga-ペプチド)=1。
セルロースITLC-SG紙および移動相クエン酸三ナトリウム(0.10M):
68GaCl)=1、R68Ga-コロイド)=0、R68Ga-ペプチド)=0。
4.6 67GA標識
DOTAを有するペプチドの67Gaでの標識を、文献(52)に記載された方法と同様に行った。手短に言えば、[67Ga]クエン酸GaをSEP-Pakシリカライトカートリッジに固定化し、HO(10mL)で洗浄し、所望の体積のHCl(0.1M)で溶離した。次いで、得られた67GaCl溶液の画分をHEPESで希釈して、総体積を200μLにし、ペプチド(5nmol、HO)に加えた。次いで、この混合物を95℃に30分間加熱し、PBSで希釈して、体積を少なくとも3mLにし、SEP Pak C8ライトカートリッジに通過させて過剰な67GaClを除去した。標識したペプチドをEtOH/PBS(1/1;v/v)混合物0.5mLで溶離した。放射化学的収率および純度を放射性TLCによって査定した。
シリカをコーティングした60RP-18F254sおよび移動相NHOAc/DMF(1/1;v/v):
67GaCl)=0、R67Ga-コロイド)=0、R67Ga-ペプチド)=1。
セルロースITLC-SG紙および移動相クエン酸三ナトリウム(0.10M):
67GaCl)=1、R67Ga-コロイド)=0、R67Ga-ペプチド)=0。
5.in vitro実験
5.1 IC50の決定
CXCR4陽性Jurkat Tリンパ球細胞を、10vol%FBSを添加したGibcoのRPMI1640GlutaMAX培地中で増殖させ、5%CO雰囲気中37℃で維持した。
in vitro実験では、細胞を、血球計算盤で、コントラスト剤としてトリパンブルーを使用して計数した。細胞懸濁液を遠心分離し、ペレットをHBSS(+1wt%BSA)中に再懸濁させ、2百万細胞/mLの濃度にした。8×3ポリスチレンチューブに、標準的なリガンド125I-Fc-131(4.1を参照、HBSS中1.00nM)25μL、および調査するためのリガンド25μLをそれぞれの濃度で(10-4~10-10M、各濃度につきn=3)入れた。細胞懸濁液(400.000細胞/ウェル)200μLを添加して、10-5~10-11Mの最終ペプチド濃度範囲を得た。チューブを8℃で2時間冷却して、内在化を防止した。上清を除去することによって実験を停止した。HBSS(200μL)を細胞に添加し、懸濁液を遠心分離し、上清をそれぞれの最初の画分とともにプールした。このステップを再度繰り返し、その後、上清を含有するチューブおよび細胞ペレットを含有するものをγカウンター中で放射能量測定をした。
5.2 invIC50の決定
逆IC50(invIC50)値の決定については、通常のIC50値の決定のためのプロトコルを、軽微な変更を加えて再開した。調査中のペプチドを放射性標識し、ストック溶液をHBSS(2.00nM)中に調製した。標準的なリガンドFc-131の濃度勾配をHBSS(10-4~10-10M)中に調製した。次いで、細胞チューブに、放射性ペプチド溶液25μL、それぞれのFc-131溶液25μL、および細胞懸濁液(400.000細胞)200μLを含有させた。実験を上記のように行った。
5.3 内在化の決定
CXCR4を発現するChem_1細胞を、10vol%FBS、1vol%NEA、1vol%PenStrepおよび1vol%HEPES(1.00M)を添加したDMEM-F12培地中で増殖させた。細胞を、5%CO雰囲気中、37℃で維持した。
in vitro実験では、培地を除去し、細胞をトリプシン/EDTA(0.05%/0.02%;w/v)で37℃にて30分インキュベートすることによって、細胞を回収した。細胞を計数し、実験の24±2時間前に24ウェルプレートに播種した(100.000細胞/ウェル)。
培地を除去し、細胞を、DMEM-F12(+5wt%BSA)200μL中で、37℃にて15分間インキュベートした。受容体を遮断するために、各ウェル(各時点でn=3)をDMEM-F12(+5wt%BSA)25μLまたはAMD3100ストック(HO中1mM)25μLのいずれかで処理した。実験は二重トレーサー法として行ったため、標準的なリガンド125I-Fc-131および調査中の放射性標識したペプチドを各々2.00nMの濃度で含有する放射性トレーサー溶液を調製した。このストック25μLを、ウェルに添加し(125Fc-131の最終濃度:0.20nM;調査中のペプチドの最終濃度:0.20nM)、細胞を37℃でそれぞれの時間、インキュベートした。
ウェルプレートを氷上に置き、上清を除去することによって実験を停止した。細胞を、非放射性HBSS(250μL)で洗浄し、各ウェルにつき、一定量の未結合の放射性リガンドを含む両方の画分を合わせた。
冷酸洗浄剤(酢酸水溶液中0.02M NaOAc、pH=5)250μLを添加し、細胞を氷上で15分間インキュベートした。上清を除去し、細胞を冷HBSSで洗浄し、それぞれの画分を合わせて、一定量の表面に結合した放射性リガンドを得た。
次いで、細胞を、NaOH(HO中1.00M)300μLで室温にて少なくとも30インキュベートし、その後、上清を除去した。ウェルを別のNaOH(300μL)で洗浄し、一定量の内在化した放射性リガンドを含有する画分を合わせた。
3つの異なる画分を、γカウンター中で放射能量測定し、調査中のペプチドの標識化に使用した放射性核種の放射能量を最初に測定した。最初の放射性核種の半減期に応じて適切な時間をおいた後、125Iの放射能量を調べるため、同じ画分を再度測定した。データを非特異的内在化について補正し、標準的なリガンド125I-Fc-131の特異的内在化を参照とした。
5.4 オクタノール/PBS分配係数の決定
調査中のリガンド(通常、放射性同位体に依存して0.50~3.00MBq)をPBS(pH=7.4)中に希釈して総体積を1.00mLにし、低吸着エッペンドルフチューブ中でn-オクタノール1.00mLと混合した(n=8)。チューブを最高速度で3分間ボルテックスして平衡を確保し、その後、Heraeus Holding GmbH(Osterode、ドイツ)製Biofuge15にて、15.000×gで5分間遠心分離した。各画分の100μLのアリコートをγカウンター中で測定し、logD7.4を次のように計算した。
Figure 2024506700000157
6.in vivo実験
6.1 マウスモデルおよび腫瘍モデル
すべての動物実験は、ドイツの一般動物福祉規制、ならびに動物の飼育および使用の組織的ガイドラインに従って行った。腫瘍異種移植を確立するため、Jurkat細胞(2~3×10細胞)を、GibcoのRPMI1640培地とBD Biosciences(Heidelberg、ドイツ)製Matrigel(1/1;v/v)との混合物中に懸濁させ、Charles River GmbH(Sulzfeld、ドイツ)または社内マウス飼育設備のいずれかから調達した6~10週齢のCB17-SCIDマウスの右肩に皮下接種した。マウスは、腫瘍が直径5~8mmに成長したときに(接種後4~10週間)使用した。
6.2 μSPECT/μPET/CTイメージング
イメージング実験を、MILabs BV.(Utrecht、オランダ)製VECTor小動物SPECT/PET/OI/CTで行った。結果のデータを付属のPMOD(バージョン4.0)ソフトウェアで分析した。マウスをイソフルランで麻酔し、放射性標識化合物を尾静脈経由で注射した。それぞれの距離に行き渡った後、マウスを安楽死させ、後の生体内分布試験用の血液試料を心穿刺によって採取し、その後、画像を取得した。静態像は、45分の撮像時間で、SPECT同位体についてはHE-GP-RMコリメーターおよび段階的多断面ベッド移動を使用し、PET同位体についてはHE-UHR-Mコリメーターおよび段階的らせん状ベッド移動を使用して取得した。すべての画像は、MILabs-Recソフトウェア(バージョン10.02)およびピクセルベースの類似性制御サブセット化期待値最大化法(Similarity-Regulated Ordered Subsets Expectation Maximization:SROSEM)アルゴリズムをウインドウベースの錯乱補正(それぞれ光電ピークの20%未満および20%超)とともに使用して再構築した。(ボクセルサイズCT:80μm、ボクセルサイズSPECT/PET:0.8mm、1.6mm(FWHM)Gaussianぼかし後処理フィルター、校正係数(単位kBq/mL)および減衰補正有り、吸収補正なし)
6.3 生体内分布試験
およそ0.5~20MBq(0.02~0.20nmol)の、125I標識、177Lu標識、99mTc標識、18F標識または68Ga標識したリガンドを、Jurkat担腫瘍CB-17SCIDマウスの尾静脈に注射し、それぞれの生体内に分布する時間をおいた後に動物を処分した。選択した器官を除去し、秤量し、γカウンター中で測定した。
II.結果
1.テクネチウム-99M SPECTトレーサー
1.1 masコンジュゲートペプチド
1.1.1 化学構造
masコンジュゲート化合物Tc-CXCR4-1~-8の化学構造が、以下に図示される。
Figure 2024506700000158
Figure 2024506700000159
1.1.2 in-vitroデータ
Figure 2024506700000160
1.1.3 生体内分布試験
Figure 2024506700000161
Figure 2024506700000162
Figure 2024506700000163
Figure 2024506700000164
1.1.4 マウスイメージング試験
図1は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、99mTc-CXCR4-6注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、1~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。
1.1.5 内在化試験
Figure 2024506700000165
1.2 修飾masコンジュゲートペプチド
1.2.1 化学構造
修飾masコンジュゲート化合物Tc-CXCR4-9~-12の化学構造が、以下に図示される。
Figure 2024506700000166
Figure 2024506700000167
1.2.2 in vitroデータ
Figure 2024506700000168
1.2.3 生体内分布試験
Figure 2024506700000169
Figure 2024506700000170
1.2.4 マウスイメージング試験
図2は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、99mTc-CXCR4-9注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、1~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。
図3は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、99mTc-CXCR4-11注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、1~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。
図4は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、99mTc-CXCR4-12注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、1~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。
1.2.5 内在化試験
Figure 2024506700000171
Figure 2024506700000172
1.3 固定されたキレーター系ペプチド
1.3.1 化学構造
HYNICおよびN4を含む固定されたキレーターを伴うペプチドであるTc-CXCR4-13~-16の化学構造が、以下に図示される。
Figure 2024506700000173
Figure 2024506700000174
1.3.2 in vitroデータ
Figure 2024506700000175
1.3.3 生体内分布試験
Figure 2024506700000176
Figure 2024506700000177
1.3.4 マウスイメージング試験
図5は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、99mTc-CXCR4-13注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし、1~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。
図6は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、99mTc-CXCR4-14注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、1~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。
図7は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、99mTc-CXCR4-14注射後2時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし、1~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。
1.3.5 内在化試験
Figure 2024506700000178
Figure 2024506700000179
1.3.6 in vivo試験
99mTc]CXCR4-Tc-14について良好な前臨床データが得られたため、このリガンドを、多発性骨髄腫に罹患している患者における最初の概念実証試験用に選択した。[99mTc]CXCR4-Tc-14の放射性合成を、上記の章4.2.3に記載されているとおりに手作業で実行した。430~604MBqの[99mTc]CXCR4-Tc-14を注射した後、注射後5分~21時間で画像を取得した。スキャニング手順の詳細は以下に記載される。
図8は、多発性骨髄腫に罹患している女性患者のSPECTおよびPETイメージングから取得した最大値投影(MIP)画像を示す。A)[18F]FDGのPET MIP(注射後1時間、189MBqの[18F]FDG)、B)[99mTc]CXCR4-Tc-14のSPECT MIP(注射後3時間、604MBqの[99mTc]CXCR4-Tc-14)。直線矢印は腫瘍病変を示し、点線矢印は、心臓における[18F]FDGの生理学的取り込み、および脾臓における[99mTc]CXCR4-Tc-14の生理学的取り込みを示す。
99mTc]CXCR4-Tc-14の生体内分布は、確立したPETトレーサー[68Ga]ペンチキサフォルの生体内分布に類似している(Lapa C、Schreder M、Schirbel Aら、68GaPentixafor-PET/CT for imaging of chemokine receptor CXCR4 expression in multiple myeloma-Comparison to 18FFDG and laboratory values.Theranostics.2017;7:205~212.doi:10.7150/thno.16576)。健常な器官では、著しい取り込みが腎臓において認められる。脾臓における相対的に高い取り込みは、ヒトにおける既知のCXCR4の発現およびCXCR4に向かうリガンドの取り込みを反映する。著しい取り込みはまた、肝臓および骨髄においても認められ、この両者は、CXCR4を生理学的状態で発現するが、病的状態では一層多く発現することが知られている(Philipp-Abbrederis K、Herrmann K、Knop Sら、In vivo molecular imaging of chemokine receptor CXCR4 expression in patients with advanced multiple myeloma.EMBO Mol Med.2015;7:477~487.doi:10.15252/emmm.201404698;Vag T、Gerngross C、Herhaus Pら、First Experience with Chemokine Receptor CXCR4-Targeted PET imaging of Patients with Solid Cancers.J Nucl Med.2016;57:741~746.doi:10.2967/jnumed.115.161034)。血液プールの取り込みの低さ、および非標的組織からのトレーサーのクリアランスの速さは、前臨床実験で確認されたトレーサーの顕著な標的潜在力(InvIC50=10.2nM、内在化(125I-FC-131の%で)=742%)と組み合わされた[99mTc]CXCR4-Tc-14の適切な親水性(logD7.4=-1.75)の結果であることはほぼ確実である。腫瘍病変においてトレーサーの取り込みが高く、同時に背景組織において蓄積が低いことにより、複数転移の可視化が高コントラストで可能になる(図8、B)。軸断面のSPECT/CT画像は、[18F]FDGを使用したPET/CTスキャンと一致して、病変の取り込みの高さ、および骨盤内の溶骨性病変における[99mTc]CXCR4-Tc-14の有益な解像度を表示することによって、トレーサーの潜在能力をさらに認めるものである(図9)。[18F]FDG陽性の病変のうち、CXCR4を標的とする[99mTc]CXCR4-Tc-14を用いたSPECTスキャンにおいて陰性と判明したものはなかった。図9A)は、多発性骨髄腫に罹患している患者における604MBqの[99mTc]CXCR4-Tc-14の注射後3時間での軸断面のSPECT/CT画像を示し、図9B)は、同じ患者における189MBqの[18F]FDGの注射後1時間での軸断面のPET/CT画像を示し、直線矢印は膀胱を示し、破線矢印は溶骨性病変を示す。
担腫瘍マウスでの前臨床試験において得られた知見とは反対に、ヒトの肝臓および肺においてリガンドの取り込みの実質的な上昇は検出されず、このことは、マウスの肝臓および肺における取り込みの上昇がリガンドのmCXCR4親和性に起因することを確証した。
胃および甲状腺における生理学的な取り込みは低く、他の正常器官と同等であり、このことは、[99mTc]-ペルテクネテートの汚染がないこと、または放射性金属のin vivo消失を示した(Franken PR、Guglielmi J、Vanhove Cら、Distribution and dynamics of(99m)Tc-pertechnetate uptake in the thyroid and other organs assessed by single-photon emission computed tomography in living mice.Thyroid.2010;20:519~526.doi:10.1089/thy.2009.0213)。
図10は、同じ患者における[99mTc]CXCR4-Tc-14の注射後5分~21時間の間の生体内分布を示す。[99mTc]CXCR4-Tc-14の、目的の様々な組織および器官における特異的線量を決定した。
図10A)は、多発性骨髄腫に罹患している女性患者における、604MBqの[99mTc]CXCR4-Tc-14の注射後5分、60分、120分、5時間および21時間でのSPECTイメージングから取得したMIP画像を示し、図10B)は、同じ患者の選択した器官および組織について計算した特異的線量[μGy/MBq]を示す。
99mTc]CXCR4-Tc-14の時間分解生体内分布は、注射後5分などの早い時点でさえ、迅速なバックグラウンドクリアランス、ならびに病変ならびに脾臓および骨髄内の取り込みを再確認するものである。それより遅い時点で、胆汁を介するクリアランスの遅延は検出できず、このことは、腎臓を介するトレーサーのクリアランスを示す。しかしながら、腎臓および膀胱内の取り込みは、観察時間全体にわたって低いことが判明し、このことは、CXCR4を発現する組織においてリガンドの維持が長いことを示唆する(図10 10、B)。これは、前臨床実験において決定された、高い標的親和性およびCXCR4を発現するがん細胞内への顕著な内在化の直接的な結果と思われる。
最高特異的線量が、脾臓(47μGy/MBq)について、続いて肝臓(14μGy/MBq)、骨形成原細胞(13μGy/MBq)、赤色骨髄(11μGy/MBq)および腎臓(10μGy/MBq)について決定される(図10 10、B)。全身実効線量は、注射される604MBqの[99mTc]CXCR4-Tc-14では6.3μSv/MBqと計算され、これは送達される全身線量が3.8mSvであることを表す。器官に送達される特異的線量および全身実効線量は、PSMAを標的とする[99mTc]PSMA I&SまたはCXCR4を標的とする[99mTc]CXCR4-Lなどの他のテクネチウム-99m標識リガンドと類似していることが判明している(P.Vallejo-Armentaら、Contrast Media and Molecular Imaging、2020、論文ID2525037、https://doi.org/10.1155/2020/2525037;S.Urbanら、J.Nucl.Med.2021、62(8)、1075~1081)。多発性骨髄腫の患者における[68Ga]ペンチキサフォルについて得られた線量測定データと比較して、[99mTc]CXCR4-Tc-14は、全身の吸収線量は高いが、特異的器官線量は低いことを示す(K.Herrmannら、J.Nucl.Med.2015、56(3)、410~416)。
この概念実証試験は、臨床状況において[99mTc]CXCR4-Tc-14をさらに評価することの十分な根拠となる。
臨床SPECT/CTイメージング
患者における[99mTc]CXCR4-Tc-14の臨床評価を、人道的使用(compassionate use)の下、ドイツ薬事法(German Medicinal Products Act:AMG)13条2bを遵守し、責任当局(Oberbayernの政府)に従って行った。最初の概念実証試験は、Universitatsklinikum Augsburg(Augsburg、ドイツ)で行われた。
対象全員を、Optima540CTを備えたDiscovery MN CT670Pro(GE Healthcare、Solingen、ドイツ)で検査した。トレーサー注射後5分および60分の全身のSPECT/CTスキャンを30cm/分のスキャン速度で取得し、120分および300分のスキャンを12cm/分のスキャン速度で取得し、21時間のスキャンを5cm/分のスキャン速度で取得した。ダブルヘッド技術を使用し、128×128のマトリックス(ズーム1)で、スキャンを60サブセット取得した。トレーサー注射後60分および180分のSPECTスキャンは、サブセット当たり8秒の曝露時間で取得し、21時間のスキャンは、サブセット当たり16秒の曝露時間で取得した。排出データにバターワースフィルター(0.48)を適用して滑らかにし、サブセット化期待値最大化法アルゴリズム(2反復回数、10サブセット)によって反復的に再構築した。430~604MBqの[99mTc]CXCR4-Tc-14を注射した後、注射後5分~21時間で画像を取得した。
選択した器官における特異的線量および実効線量を分析した。線量の計算のために、目的のボクセルを、全身の画像において取り込みの多い領域周辺で定義した。それぞれの器官の時間放射能曲線を自動的に決定し、トレーサーの滞留時間を、SPECTカメラの特定の校正および標準的な放射能量値を使用して計算した。滞留時間を、Olinda/EXMソフトウェアにインプットデータとして使用した。この計算のアウトプットを、国際放射線防護委員会(International Commission on Radiological Protection)の線量測定ガイドラインに照らし合わせた。
臨床PET/CTイメージング
患者における[18F]FDGの臨床評価を、責任当局(Oberbayernの政府)に従って行った。臨床試験は、Universitatsklinikum Augsburg(Augsburg、ドイツ)で行われた。
対象全員を、Biograph mCT-S40(Siemens Healthineers、Erlangen、ドイツ)で検査した。[18F]FDGの注射後1時間の全身のPET/CTスキャンを、ベッドポジション当たり2分のスキャン速度で取得した。排出データを反復的に再構築した。低線量CTを、吸収補正および解剖学的相関のために行った。189MBqの[18F]FDGを注射した後、注射後1時間で画像を取得した。
2.ルテチウム-177/ガリウム-68セラノスティクス
2.1 化学構造
DOTAを有するペプチドCXCR4-DOTA-1~-5の化学構造が、以下に図示される。
Figure 2024506700000180
Figure 2024506700000181
2.2 in vitroデータ
Figure 2024506700000182
2.3 生体内分布試験
Figure 2024506700000183
Figure 2024506700000184
Figure 2024506700000185
Figure 2024506700000186
Figure 2024506700000187
Figure 2024506700000188
Figure 2024506700000189
2.4 マウスイメージング試験
図11は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、177Lu-CXCR4-DOTA-1注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、2~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。
図12は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、177Lu-CXCR4-DOTA-2注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし、2~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。
図13は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、177Lu-CXCR4-DOTA-3注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、2~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。
図14は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、177Lu-CXCR4-DOTA-4注射後1時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし(左)および有り(右、100nmol AMD3100)、2~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。
図15は、雌Jurkat担腫瘍マウスにおける、177Lu-CXCR4-DOTA-4注射後6時間の、CTとSPECTとの両方のスキャンのMIPを示す。競合物質なし、2~10%iD/mL。白矢印は目的の器官を示す:実線=腫瘍、点線=腎臓、破線=肝臓。
2.5 内在化試験
Figure 2024506700000190
Figure 2024506700000191
3.フッ素-18PETトレーサー/放射ハイブリッド
3.1 化学構造
SiFAを有するペプチドおよび放射ハイブリッドの化学構造が、以下に図示される。
Figure 2024506700000192
Figure 2024506700000193
3.2 in vitroデータ
Figure 2024506700000194
3.3 生体内分布試験
Figure 2024506700000195
後で、2つの追加の生体内分布試験を行い、1および2ナノモルの非放射性物質をそれぞれ同時注射することによってこの問題を再調査した。この手法の狙いは、非放射性物質によるマウスCXCR4受容体の部分的および完全な遮断であった。
図16は、Jurkat担腫瘍雌CB-17SCIDマウスにおける、[18F、natGa]CXCR4-SiFA-07注射後1時間の生体内分布プロファイルを示す。異なる量の放射性リガンド、すなわち、36pmol、1,000pmolおよび2,000pmolを適用した。データは%iD/g値で表され、36pmolでの実験については動物5匹の平均±SDである。他の両方の実験には動物各1匹を使用した。
動物の命を救うために、追加の試験はそれぞれ、マウス1匹のみを使用して行った。したがって、これらの実験で得られたデータは典型ではない。しかしながら、ある特定の傾向は推定され得る。1,000pmolの非放射性物質の同時注射によって、循環放射性リガンドのレベルの上昇が認められる。血液中放射能量レベルは310%上昇し、膵臓(196%)および筋肉(226%)などのCXCR4組織における取り込みの増加につながる。この血液循環の拡大は、CXCR4器官である肝臓(121%)および脾臓(114%)において特に過小に示されており、これは初期受容体飽和を示唆する。リガンドの循環がより多いと、補充しない注射と比較してほぼ2倍の腫瘍取り込み(180%)が認められる。
2,000pmolの非放射性物質が同時注射されると、著しい受容体飽和に到達する。36pmolのリガンドのみでの初期生体内分布と比較して、器官取り込みにおける最も注目すべき変化がCXCR4器官である脾臓(61%)および肝臓(70%)に見られ、より一層顕著な変化が腫瘍(40%)に見られる。これらのデータセットは、腫瘍における取り込みがCXCR4器官におけるmCXCR4受容体の利用能に依存するという上記の考え方を支持する。
3.4 内在化試験
Figure 2024506700000196
Figure 2024506700000197
Figure 2024506700000198
4.細胞傷害性物質を結合したペプチド
4.1 化学構造
細胞傷害性物質を結合した化合物CXCR4-MMAE-1~-4の化学構造が、以下に図示される。
Figure 2024506700000199
Figure 2024506700000200
4.2 in vitroデータ
Figure 2024506700000201
4.3 生体内分布試験
Figure 2024506700000202
4.4 内在化試験
Figure 2024506700000203
細胞傷害効果
細胞傷害性の有効性の評価は、MunichのKlinikum Rechts der Isar(TUM)で、現在、Mycに関連するがんの生物学的調査を率いるUlrich Keller医学博士教授のグループと協力して行った。このグループは、CXCR4-MMAE-02のin vitroでの細胞傷害性能力の分析のため、この化合物を受け取った。
それぞれの実験のために2つの細胞株を選択した。B細胞リンパ腫細胞株U2932およびCXCR4をより高発現するリンパ芽球様Raji細胞株。両方の細胞株を、PDCとともに、24、48、72および96時間、0(ブランク)、10、20、40および100nMの様々な濃度でインキュベートした。次に、細胞生存率を、フローサイトメトリー実験において、死滅細胞について、マーカーとしてヨウ化プロピジウムを使用して査定した(図17)。
図17は、Raji細胞(左側)およびU2932細胞(右側)を使用しての細胞生存率のフローサイトメトリー分析の結果を示す。細胞を、0、24、48、72および96時間、0(ブランク)、10、20、40および100nMのCXCR4-MMAE-02とともにインキュベートし、その後、ヨウ化プロピジウムで染色し、フローサイトメトリー分析をした。細胞の全数に対する生存細胞数が、細胞生存率である。
両方の細胞株での実験は、PDCの濃度を高くしてインキュベートした細胞の細胞生存率が減少したことを示す。さらに、インキュベート時間が長くなると細胞生存率が全体的に降下したため、時間依存的な効果が認められ得る。換言すると、CXCR4-MMAE-02を用いるインキュベートによって誘導される細胞死は、使用されるPDCの量およびインキュベート時間と一致する。逸脱したデータ点は、サンプルサイズが小さいことに原因があり得、したがって実験の失敗である可能性がある。図18は、18の結果を示し、PDCを用いたインキュベートで死滅したがん細胞の量を可視化するものである。
図18は、Raji細胞およびU2932細胞を使用した細胞生存率のフローサイトメトリー分析の結果を示す。細胞を、0(ブランク)、10、20、40および100nMのCXCR4-MMAE-02とともに96時間インキュベートし、その後、ヨウ化プロピジウムで染色し、死滅細胞のフローサイトメトリー分析をした。
10、20および40nMの濃度については、U2932細胞と比較してかなり高い割合の死滅Raji細胞が検出され得る。この知見は、U2932細胞と比較して、Raji細胞のCXCR4発現がより高いこと、およびPDCの取り込みがおそらくより効率的であることと一致する。この場合も、100nMデータ点の逸脱した結果はサンプルサイズの小ささに起因するものと思われる。
U2932細胞の細胞周期プロファイリング実験を、様々な濃度のCXCR4-MMAE-02とともに72時間インキュベートした後に実行した。この目的のため、細胞を固定し、透過処理し、ヨウ化プロピジウムで処理した。次に、G0/G1期、S期およびG2/M期の細胞数を、使用されたPDCの量に関して測定した。
図19は、U2932細胞を使用しての細胞周期プロファイリング実験の結果を示す。細胞を、0(ブランク)、10、20、40および100nMのCXCR4-MMAE-02とともに72時間インキュベートし、固定し、透過処理し、ヨウ化プロピジウムで染色した。G0/G1期、S期またはG2/M期の細胞の割合を決定した。
図19は、19の結果を示し、PDCの量を増加させてインキュベートすることにより、G2/M期(有糸分裂/細胞分裂期)に留まる細胞数がより多くなることを示す。このデータは、MMAEが細胞の内部に放出され、微小管重合を阻害し、複製前に細胞の停止を導くことを示唆する。この誘導された細胞周期停止は、次に、がん細胞のアポトーシスを操作するキナーゼなどのチェックポイントセンチネル(checkpoint sentinel)の活性化をもたらすと思われる。
5.光学イメージング化合物
5.1 化学構造
光学イメージング化合物CXCR4-OI-1~-3の化学構造が、以下に図示される。
Figure 2024506700000204
Figure 2024506700000205
5.2 in vitroデータ
Figure 2024506700000206
5.3 生体内分布試験
Figure 2024506700000207
Figure 2024506700000208
CXCR4器官の部分的遮断が、いかに腫瘍取り込みに便益を与えるかについて、別の生体内分布試験において、放射性リガンドを低モル活性で使用して試験した。動物の命を救うために、この試験にはマウス1匹のみを使用した。したがって、得られた生体内分布は典型ではない。しかしながら、ある特定の傾向は推定され得る。図20は、実験の結果の概要である。
図20は、Jurkat担腫瘍雌CB-17SCIDマウスにおける、[177Lu]CXCR4-OI-03注射後1時間の生体内分布プロファイルを示す。異なる量の放射性リガンド、すなわち59pmolおよび1,000pmolを適用した。データは%iD/g値として表され、59pmolでの実験では動物5匹の平均±SDであり、他方の実験では動物1匹を使用した。
1,000pmolの非放射性ペプチドを注射すると、CXCR4器官である肺(-23%)、肝臓(-10%)および脾臓(-23%)における取り込みの減少が認められる。したがって、腫瘍取り込みは1.6倍に増加し、これは、循環中のより多い量のペプチドが腫瘍内に蓄積することを示す。したがって、腫瘍取り込みが低い場合、それは、CXCR4器官におけるリガンドの捕捉に起因し、標的潜在力の欠如の結果ではないと思われる。
5.4 内在化試験
Figure 2024506700000209

Claims (15)

  1. 式(I):
    Figure 2024506700000210
    [式中、
    aは0または1であり、
    bは0または1であり、
    cは0または1であり、および
    dは0または1であり、但し、cおよびdのうち少なくとも1つは1であり、
    eは1~4の整数であり、
    CPは式(II):
    Figure 2024506700000211
    (ここで、式(II)において、
    B1はHまたはIであり、
    B2はアルカンジイル鎖であり、
    破線は、RCP基を式(I)の化合物の残部に結合させる結合を示す)
    のシクロペプチド基であり、
    L1はHまたはアルキルであり、
    L2は、-NHおよび-NH-C(=X)-NHから選択される少なくとも1つの基で置換されている置換アルキルであり、XはNHおよびOから選択され、
    L3は、-CH-NHまたは-CH-(1H-イミダゾール-4-イル)であり、
    L4は-NHであり、
    はカップリング基であり、
    は二価のスペーサー基であり、および
    は、診断上または治療上の有用性を有する部分を含む官能基である]
    の化合物またはその塩。
  2. 式(I)のRL1基は、HまたはC1~C6アルキル、より好ましくはHまたはC1~3アルキルである、請求項1に記載の化合物または塩。
  3. 式(I)のRL2は、-NHおよび-NH-C(=X)-NH基から選択される1つの置換基を有する、C1~C6アルキル、より好ましくはC1~C4アルキル、より一層好ましくはC2~C4アルキルであり、XはNHまたはOである、請求項1または2に記載の化合物または塩。
  4. 式(I)のXは-S-である、請求項1から3のいずれかに記載の化合物または塩。
  5. 式(I)のcは1であり、かつ式(I)のdは0である、請求項1から4のいずれかに記載の化合物または塩。
  6. 式(I)のRは、-C(O)-(CH-NH-であり、Bは、3~10、好ましくは4~6の整数であり、N末端の結合はRに結合している、請求項1から5のいずれかに記載の化合物または塩。
  7. 式(I)のRに含まれる診断上または治療上の有用性を有する部分は、
    (i)キレート化部分、
    (ii)キレート化された放射性または非放射性の陽イオンまたは陰イオン、好ましくはキレート化された放射性または非放射性の陽イオンとともに、キレート化部分(i)によって形成されるキレート、
    (iii)ケイ素原子およびフッ素原子を含むフッ化ケイ素アクセプター(SiFA)部分であって、前記フッ素原子が共有結合を介して直接前記ケイ素原子に結合しており、前記SiFA部分が、19Fの18Fによる同位体交換によって18Fで標識されることが可能であるか、または18Fによって標識されている、フッ化ケイ素アクセプター(SiFA)部分、
    (iv)細胞傷害性部分、および
    (v)蛍光部分
    から選択される、請求項1から6のいずれかに記載の化合物または塩。
  8. (i)および(ii)に記載のキレート化部分は、43Sc、44Sc、47Sc、51Cr、52mMn、58Co、52Fe、56Ni、57Ni、natCu、62Cu、64Cu、67Cu、66Ga、natGa、68Ga、67Ga、89Zr、90Y、86Y、94mTc、99mTc、97Ru、105Rh、109Pd、111Ag、110mIn、111In、113mIn、114mIn、117mSn、121Sn、127Te、142Pr、143Pr、147Nd、149Gd、149Pm、151Pm、149Tb、152Tb、155Tb、153Sm、156Eu、157Gd、161Tb、164Tb、161Ho、166Ho、157Dy、165Dy、166Dy、160Er、165Er、169Er、171Er、166Yb、169Yb、175Yb、167Tm、172Tm、natLu、177Lu、186Re、188Re、188W、191Pt、195mPt、194Ir、197Hg、198Au、199Au、natPb、212Pb、203Pb、211At、212Bi、213Bi、223Ra、224Ra、225Acおよび227Thの陽イオンから、ならびに18F-[AlF]2+などの18Fを含む陽イオン性分子から選択される陽イオンに対するキレート配位子として適しているキレート化部分である、請求項7に記載の化合物または塩。
  9. (i)および(ii)に記載のキレート化部分は、ビス(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(CBTE2a)、シクロヘキシル-1,2-ジアミン四酢酸(CDTA)、4-(1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカ-1-イル)-メチル安息香酸(CPTA)、N’-[5-[アセチル(ヒドロキシ)アミノ]ペンチル]-N-[5-[[4-[5-アミノペンチル-(ヒドロキシ)アミノ]-4-オキソブタノイル]アミノ]ペンチル]-N-ヒドロキシブタンジアミド(DFO)、4,11-ビス(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザビシクレ[6.6.2]ヘキサデカン(DO2A)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(DOTA)、2-[1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-4,7,10-三酢酸]-ペンタン二酸(DOTAGAまたはDOTA-GA)、N,N’-ジピリドキシルエチレンジアミン-N,N’-ジアセテート-5,5’-ビス(ホスファト)(DPDP)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン-N,N’-四酢酸(EDTA)、エチレングリコール-O,O-ビス(2-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、N,N-ビス(ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N’-二酢酸(HBED)、ヒドロキシエチルジアミン三酢酸(HEDTA)、1-(p-ニトロベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロデカン-4,7,10-トリアセテート(HP-DOA3)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1-コハク酸-4,7-二酢酸(NODASA)、1-(1-カルボキシ-3-カルボキシプロピル)-4,7-(カルボキシ)-1,4,7-トリアザシクロノナン(NODAGA)、1,4,7-トリアザシクロノナン三酢酸(NOTA)、4,11-ビス(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン(TE2A)、1,4,8,11-テトラアザシクロドデカン-1,4,8,11-四酢酸(TETA)、テルピリジン-ビス(メチレンアミン)四酢酸(TMT)、1,4,7,10-テトラアザシクロトリデカン-N,N’,N’’,N’’’-四酢酸(TRITA)、およびトリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、N,N’-ビス[(6-カルボキシ-2-ピリジル)メチル]-4,13-ジアザ-18-クラウン-6(Hマクロパ)、4-アミノ-4-{2-[(3-ヒドロキシ-1,6-ジメチル-4-オキソ-1,4-ジヒドロ-ピリジン-2-イルメチル)-カルバモイル]-エチル}ヘプタン二酸ビス-[(3-ヒドロキシ-1,6-ジメチル-4-オキソ-1,4-ジヒドロ-ピリジン-2-イルメチル)-アミド](THP)、1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-トリス[メチレン(2-カルボキシエチル)ホスフィン酸(TRAP)、2-(4,7,10-トリス(2-アミノ-2-オキソエチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)酢酸(DO3AM)、および1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7、10-テトラキス[メチレン(2-カルボキシエチルホスフィン酸)](DOTPI)、S-2-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン四酢酸、メルカプトアセチル-トリセリン(mas)、ヒドラジノニコチン酸(HYNIC)、ならびに3-(2-アミノエチルアミノ)-2-[(2-アミノエチルアミノ)メチル]プロパン酸(N4キレーター、6-カルボキシ-1,4,8,11-テトラアザウンデカン)から選択されるキレート化剤によって、またはセリン残基のうち1つまたは複数が親水性側鎖を含有する別のアミノ酸に置換されている修飾メルカプトアセチルセリンキレート化剤によって提供される、請求項7または8に記載の化合物または塩。
  10. SiFA部分(iii)は、式(S-1)の基:
    Figure 2024506700000212
    [式中、
    S1およびRS2は、独立して、直鎖または分岐鎖C3~C10アルキル基であり、好ましくは、RS1およびRS2は、独立して、イソプロピルおよびtert-ブチルから選択され、より好ましくは、RS1およびRS2は、両者ともtert-ブチルであり、破線で示された結合は、式(S-1)の基を式(I)の化合物の残部に結合させる]
    を含む、請求項7から9のいずれかに記載の化合物または塩。
  11. SiFA部分(iii)は、式(S-2)の基および式(S-3)の基:
    Figure 2024506700000213
    [式中、
    nは、1、2、または3であり、好ましくは1であり、RS1およびRS2は、独立して、直鎖または分岐鎖C3~C10アルキル基であり、好ましくは、RS1およびRS2は、独立して、イソプロピルおよびtert-ブチルから選択され、より好ましくは、RS1およびRS2は、両者ともtert-ブチルであり、破線で示された結合は、式(S-2)の基または式(S-3)の基を式(I)の化合物の残部に結合させる]
    から選択される、請求項10に記載の化合物または塩。
  12. 細胞傷害性部分(iv)は、好ましくはモノメチルアウリスタチンE(MMAE)およびモノメチルアウリスタチンF(MMAF)から選択されるアウリスタチン類似体の残基によって、またはPF-06380101の残基によって提供される、請求項7から11のいずれかに記載の化合物または塩。
  13. 蛍光部分(v)は、蛍光色素、好ましくはCy5-系またはCy7-系のシアニン色素の残基によって提供される、請求項7から12のいずれかに記載の化合物または塩。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の化合物または塩を含む、または前記化合物もしくは塩からなる、医薬のまたは診断上の組成物。
  15. がん、心血管障害もしくは炎症性障害の処置もしくは予防において使用するための、またはがん、心血管障害もしくは炎症性障害のin vivoでの診断の方法において使用するための、請求項1から13のいずれかに記載の化合物または塩。
JP2023549039A 2021-02-15 2022-02-14 診断上および治療上の使用のためのcxcr4-リガンドならびにその前駆体 Pending JP2024506700A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP21157225.0A EP4043041A1 (en) 2021-02-15 2021-02-15 Cxcr4-ligands for diagnostic and therapeutic use and precursors thereof
EP21157225.0 2021-02-15
PCT/EP2022/053528 WO2022171869A1 (en) 2021-02-15 2022-02-14 Cxcr4-ligands for diagnostic and therapeutic use and precursors thereof

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024506700A true JP2024506700A (ja) 2024-02-14

Family

ID=74625931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023549039A Pending JP2024506700A (ja) 2021-02-15 2022-02-14 診断上および治療上の使用のためのcxcr4-リガンドならびにその前駆体

Country Status (8)

Country Link
EP (2) EP4043041A1 (ja)
JP (1) JP2024506700A (ja)
CN (1) CN117042812A (ja)
AU (1) AU2022219294A1 (ja)
CA (1) CA3204021A1 (ja)
CO (1) CO2023010579A2 (ja)
MX (1) MX2023009538A (ja)
WO (1) WO2022171869A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB202207372D0 (en) * 2022-05-19 2022-07-06 Blue Earth Diagnostics Ltd Synthesis of fluorosilyl compounds

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1541585B1 (en) 2002-08-27 2013-01-30 Biokine Therapeutics Ltd. Cxcr4 antagonist and use thereof
EP1991562A2 (en) 2006-02-27 2008-11-19 Technische Universität München Cancer imaging and treatment
WO2008075371A2 (en) 2006-12-21 2008-06-26 Biokine Therapeutics Ltd. T-140 peptide analogs having cxcr4 super-agonist activity for immunomodulation
KR101169846B1 (ko) 2007-05-30 2012-08-01 일라이 릴리 앤드 캄파니 시클릭 펩티드 cxcr4 길항제
GB0716897D0 (en) 2007-08-30 2007-10-10 Univ Muenchen Tech Cancer imaging and treatment
EP2380596A1 (en) 2010-04-20 2011-10-26 Technische Universität München Cyclopentapeptide derivatives and uses thereof
WO2012118124A1 (ja) 2011-03-01 2012-09-07 国立大学法人京都大学 新規ケモカイン受容体拮抗剤
CN102626522B (zh) * 2012-04-12 2014-09-10 韩彦江 基于趋化因子受体cxcr4多肽类拮抗剂的多肽放射性诊断与治疗药物
US10919938B2 (en) 2014-06-06 2021-02-16 Technische Universität München Modified cyclopentapeptides and uses thereof
US11639373B2 (en) 2018-09-12 2023-05-02 Technische Universität München Therapeutic and diagnostic agents for cancer

Also Published As

Publication number Publication date
EP4043041A1 (en) 2022-08-17
CO2023010579A2 (es) 2023-08-28
WO2022171869A1 (en) 2022-08-18
AU2022219294A1 (en) 2023-07-06
CN117042812A (zh) 2023-11-10
CA3204021A1 (en) 2022-08-18
MX2023009538A (es) 2023-08-25
EP4291252A1 (en) 2023-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2592685C2 (ru) Радиоактивно меченые пептиды, связывающиеся с her2
ES2615805T3 (es) Conjugados de antagonista de péptido análogo de la bombesina
CN106573959B (zh) 修饰的环五肽及其用途
US20080267882A1 (en) Imaging compounds, methods of making imaging compounds, methods of imaging, therapeutic compounds, methods of making therapeutic compounds, and methods of therapy
US10960089B2 (en) Radiolabeled drug
Mu et al. In vitro and in vivo characterization of novel 18F-labeled bombesin analogues for targeting GRPR-positive tumors
US20200268913A1 (en) Radioactive drug
EP3805250A1 (en) Improved 18f - tagged inhibitors of prostate specific membrane antigen (psma) and their use as imaging agents for prostate cancer
KR20130132939A (ko) 18f - 함유 유기실리콘 화합물로 표지된 her2 결합 펩티드
JP2021505532A (ja) 画像化および内部放射線療法のためのpsmaリガンド
MX2007010116A (es) Complejos de galio radiomarcados, metodos para sintesis y uso para la formacion de imagenes de tomografia de emision de positron (pet) de la expresion del receptor de factor de crecimiento epidermico (egfr) en tumores malignos.
García et al. Synthesis of hydrophilic HYNIC-[1, 2, 4, 5] tetrazine conjugates and their use in antibody pretargeting with 99m Tc
JP2024506700A (ja) 診断上および治療上の使用のためのcxcr4-リガンドならびにその前駆体
JP2024517971A (ja) 放射性医薬品のソマトスタチン受容体リガンドおよびその前駆体
US20230117927A1 (en) Targeted Radiopharmaceutical for Tumor and Its Use in the Imaging-guided Combination Therapy of Targeted Radiotherapy and Immunotherapy
EP4338757A1 (en) New pet tracer for imaging of the functional liver reserve
KR20220118464A (ko) 암의 영상화 및 치료법을 위한 개선된 약동학을 갖는 화합물
KR20230028412A (ko) 섬유증의 진단 및/또는 모니터링에 사용하기 위한 신규 화합물
EA046402B1 (ru) Двухрежимная радиоактивная метка и радиотерапевтическое средство