JP2024098198A - 捕捉構造体及び捕捉構造物 - Google Patents

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【課題】捕捉工の迅速な施工性及び河川における設置の自在性が高く、工事にかかるコスト等を抑える。【解決手段】本発明に係る捕捉鋼製枠体10は、複数の柱材21及び梁材23,24を互いに連結して立体的に構成された鋼製枠体20と、鋼製枠体20内に詰め込まれている中詰材40と、柱材21及び梁材23,24によって画定される少なくとも1つの枠面に取り付けられて、柱材21の延び方向(高さ方向H)に沿って鋼製枠体20から突き出ている捕捉工30と、を備える。【選択図】図2A

Description

本発明は、捕捉構造体及び捕捉構造物に関する。
河川の山間部等においては、台風や大雨等による土砂災害を防止するための技術として堰堤が知られている(例えば、特許文献1参照)。堰堤は、水を通過させつつも土石流に含まれる岩石や流木が通過することを抑えるものであり、その壁部にて土石流の勢いを弱めると共に、岩石や流木を堰き止める働きをしている。
近年、土砂災害による被害を抑えるため、流木を捕捉する対策工が進められており、捕捉体が設けられていない既存の堰堤についても水通し部に捕捉体を新たに設置する試みがなされている。例えば、構築されて時間が経過した堰堤の上流側には、堰き止められた土砂が堆積して堆砂域が形成されることがある。上流側に堆砂域が形成された堰堤に対して捕捉体を設けるために新たな水通し部を確保する必要がある。そのため、捕捉体の周囲の袖部を嵩上げする改良工事が必要になるが、その改良工事にはコストや時間がかかる。
そこで、近年では、堰堤に対して切り離した構造の流木捕捉体を設置する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載された流木捕捉体は、柱材(縦材)と梁材(横材)とを連結して立体構造のフレーム枠により形成されている。フレーム枠の平面領域内でフレーム枠の中央部には鞘管部材が設けられており、鞘管部材からは流木捕捉柱材が立ち上がっており、フレーム枠内には中詰め材が詰め込まれている。
特開2003-313852号公報 特開2022-85121号公報
ところで、堆砂域の上流側に依然として岩石や流木等がある場合、さらなる土石流の発生に備え、残る岩石や流木等を捕捉する対策を施しておく必要があり、堆砂域における対策工の設置は急務となる。例えば、特許文献2に記載された流木捕捉体においては、流木捕捉柱は、フレーム枠の平面領域の中央部に設けてあり、フレーム枠に対して流木捕捉柱を固定する対策等に手間がかかる。また、流木捕捉体におけるフレーム枠は、12本の柱材により形成されているので、流木捕捉体自体の規模が大きく、迅速な施工性及び河川における設置の自在性に優れているとはいえない。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、捕捉工の迅速な施工性及び河川における設置の自在性が高く、工事にかかるコスト等を抑えることができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る捕捉鋼製枠体は、複数の縦材及び横材を互いに連結して立体的に構成された鋼製枠体と、前記鋼製枠体内に詰め込まれている中詰材と、前記縦材及び前記横材によって画定される少なくとも1つの枠面に取り付けられて、前記縦材の延び方向に沿って前記鋼製枠体から突き出ている捕捉工と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る捕捉鋼製枠体の一態様においては、前記捕捉工の先端部と、前記捕捉工が取り付けられた前記枠面に対向する枠面側で前記鋼製枠体とを連結する斜め材が設けられている。
また、本発明に係る捕捉鋼製枠体の一態様においては、前記捕捉工は、前記少なくとも1つの枠面を画定する少なくとも1つの前記横材に連結された少なくとも1つの柱部材により形成されている。
また、本発明に係る捕捉鋼製枠体の一態様においては、前記捕捉工は、前記少なくとも1つの枠面を画定する少なくとも1つの前記縦材によって形成されている。
また、本発明に係る捕捉鋼製枠体の一態様においては、前記縦材は、4本である。
さらに、上記課題を解決するために、本発明に係る捕捉構造物は、河川に設置されて河川を流されてくる物体を捕捉する捕捉構造物であって、複数の縦材及び横材を互いに連結して立体的に構成された鋼製枠体と、前記鋼製枠体内に詰め込まれている中詰材と、前記縦材及び前記横材によって画定される少なくとも1つの枠面に取り付けられて、前記縦材の延び方向に沿って前記鋼製枠体から突き出ている捕捉工と、を備える複数の捕捉鋼製枠体と、を備え、前記複数の捕捉構造体は、前記捕捉工が前記河川の上流側又は下流側に面するように互いに連結されていることを特徴とする。
本発明により、捕捉工の施工性及び河川における設置の自在性が高く、工事にかかるコスト等を抑えることができる。
堆砂域に設置された本実施の形態に係る捕捉構造物を概略的に示す斜視図である。 図1Aに示す捕捉構造物の平面図である。 図1Aに示す捕捉構造物の側面図である。 捕捉鋼製枠体の斜視図である。 中詰材を除いた捕捉鋼製枠体の斜視図である。 変形例1に係る捕捉構造物の平面図である。 変形例2に係る捕捉構造物の平面図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率等が異なる部分が含まれている場合がある。
図1Aは、堆砂域200に設置された本実施の形態に係る捕捉構造物1を概略的に示す斜視図である。図1Bは、図1Aに示す捕捉構造物1の平面図である。図1Cは、図1Aに示す捕捉構造物1の側面図である。既設の堰堤100の上流側に設置された本発明に係る捕捉構造物1は、例えば、渓谷間において川幅方向に設置されて、上流から流れてくる土石流等を堰き止める堰堤の上流側に設置されている。堰堤100は、その底部が地盤に埋設されており、河川を横切るように河川の幅方向に沿って延在するように構築されている。堰堤100は、例えば、コンクリート又はソイルセメントによって構築されている。なお、堰堤100において、河川の上流側又は下流側に面する壁面を、複数の鋼製セグメントを連結することにより形成された鋼板壁とし、その内部にコンクリートやソイルセメントを充填してもよい。
堰堤100における河川の幅方向に沿った中央近傍の上端部には、周囲よりも上端部が低くなるように切り欠かれた(凹んだ)水通し部110が形成されている。水通し部110は、上流から流れてくる流水を堰堤100の中央近傍に集約して下流に流すために形成されている。
図1A及び図1Bに示す堰堤100は、例えば、既存の堰堤であり、その上流側の壁部には水通し部110の底部付近まで土砂が堆積して堆砂域200が形成されている。本発明に係る捕捉構造物1は、堰堤100に対して所定の間隔をあけて、水通し部110の上流側で堆砂域200に埋められている。本発明に係る捕捉構造物1は、河川の幅方向に複数の、例えば、本実施の形態においては5つの捕捉鋼製枠体10を並べて構成されている。捕捉構造物1は、幅方向Wにおいて水通し部110を少なくとも超えるように構築されている。なお、捕捉構造物1は、1つの捕捉鋼製枠体10により構成されていてもよい。
なお、説明の便宜上、捕捉鋼製枠体10が設置された状態において、捕捉鋼製枠体10の上下方向を「高さ方向H」、河川の幅に沿って捕捉鋼製枠体10が設置される方向を捕捉鋼製枠体10の「幅方向W」、河川の流れに沿った方向を捕捉鋼製枠体10の「奥行き方向D」とする。
本発明に係る捕捉鋼製枠体10は、複数の柱材(縦材)21及び梁材(横材)23,24を互いに連結して立体的に構成された鋼製枠体20と、鋼製枠体20内に詰め込まれている中詰材40と、柱材21及び梁材23,24によって画定される少なくとも1つの枠面に取り付けられて、柱材21の延び方向(高さ方向H)に沿って鋼製枠体20から突き出ている捕捉工30と、を備えることを特徴とする。本発明に係る捕捉鋼製枠体10について以下に具体的に説明する。
図2Aは、捕捉鋼製枠体10の斜視図である。図2Bは、中詰材40を除いた捕捉鋼製枠体10の斜視図である。捕捉鋼製枠体10は、例えば、堆砂域200に埋設される。捕捉鋼製枠体10は、鋼製枠体20と、捕捉工30と、中詰材40と、を備える。鋼製枠体20は、複数(本実施の形態では4本)の柱材21と、複数(本実施の形態では8本)の梁材23,24と、複数の面材25,26と、を有する。鋼製枠体20は、直方体形状になるように、柱材21と梁材23,24とを互いに連結することにより形成されている。なお、鋼製枠体20は、本実施の形態では直方体形状に形成されているが、これに限定されず、堆砂域200に設置された状態において、下流側の柱材21が上流側の柱材21に対して傾斜していて、側面視台形状等の立体構造に形成されていてもよい。
柱材21は、互いに幅方向W及び奥行き方向Dにそれぞれ所定の間隔をあけて高さ方向Hに延びるようにして設けられている。柱材21は、例えば、H形鋼により形成されている。奥行き方向Dに対向する各柱材21は、それぞれのフランジが互いに対向するように設けられている。
梁材23は、例えば、H形鋼により形成されている。梁材23は、各柱材21を上端部及び下端部において幅方向Wに互いに連結している。奥行き方向Dにおいて対向する各梁材23は、それぞれのフランジが互いに対向するように設けられている。梁材23と柱材21とは、互いにボルト又は溶接等により連結されている。
梁材24は、例えば、長手方向に交差した断面形状がL字形又は略L字形の山形鋼により形成されている。梁材24は、各柱材21を上端部及び下端部において奥行き方向Dに互いに連結している繋ぎ材である。本実施の形態においては、幅方向Wにおいて3個所に梁材24が設けられている。各個所において2本の梁材24が互いに背中合わせで設けられている。梁材24と柱材21とは、互いにボルト又は溶接等により連結されている。
鋼製枠体20は、6つの枠面を有する。例えば、高さ方向Hに面する枠面は、梁材23,24によって画定されており、幅方向Wに面する枠面は、柱材21と梁材24とによって画定されており、奥行き方向Dに面する枠面は、柱材21と梁材23とによって画定されている。高さ方向H及び幅方向Wに面する各枠面は、例えば、平鋼により形成されている複数の面材25を有する。面材25は、所定の枠面において柱材21及び梁材23に連結されている。奥行き方向Dに面する各枠面は、例えば、長手方向に交差した断面形状がL字形又は略L字形の山形鋼により形成されている複数の面材26を有する。
捕捉工30は、複数の捕捉柱材31を含む。各捕捉柱材31は、例えば、H形鋼により形成されている。捕捉柱材31は、高さ方向Hに沿って延びており、奥行き方向Dに面する少なくとも一の枠面において、上側及び下側の梁材23に連結されている。具体的には、捕捉柱材31は、フランジを梁材23のフランジに面接触させた状態において、上側及び下側の梁材23に、例えば、ボルト接合されている。捕捉柱材31は、幅方向Wにおいて所定の間隔をあけて設けられている。捕捉柱材31は、鋼製枠体20の柱材21よりも長く構成されている。
本実施の形態では3本の捕捉柱材31が設けられているが、捕捉柱材31の数は、特に限定されない。鋼製枠体20は、堆砂域200に埋め込まれた状態において、捕捉工30が上流側に面するように設置されている。
捕捉工30は、さらに、鋼製のステー(斜め材)33を有する。ステー33は、各捕捉柱材31と、奥行き方向Dにおいて捕捉工30が取り付けられていない側の枠面と、の間に設けられている。具体的には、ステー33は、一端が捕捉柱材31の先端部で連結されており、他端が奥行き方向Dにおいて、枠面を画定していて、捕捉柱材31が取り付けられた上側の梁材23に連結されている。ステー33の他端は、奥行き方向Dにおいて対向する梁材23とは反対の側に面するフランジに連結されているが、対向するフランジに面するフランジに連結されていてもよい。
中詰材40は、鋼製枠体20内に充填されている。中詰材40としては、透水性の観点から玉石、割石等が用いられる。
<捕捉構造物の構築>
次に捕捉鋼製枠体10により捕捉構造物1を構築する方法について説明する。堰堤100の上流側に土砂等が堆積し、例えば、水通し部110の位置まで堆砂域200が形成された場合、水通し部110に対向する位置で、堰堤100から所定の間隔をあけた位置に捕捉構造物1を設置する場合がある。
まず、捕捉構造物1の設置予定場所にある土砂を掘削する。具体的には、堰堤100に対して上流側に所定の間隔をあけた位置で、堰堤100に沿って水通し部110の幅を超える長さの所定の深さの穴を掘削し、次いで、土砂が除去された位置に中詰材40が充填されていない鋼製枠体20を設置していく。この場合、鋼製枠体20は、捕捉工30が上流側に面するように設置する。穴に設置された鋼製枠体20は、幅方向Wにおいて水通し部110を超えるように並べられている。
鋼製枠体20には、中詰材40は充填されていないので、高さ方向Hにおいて上方に面する枠面には面材25は設けられておらず、また、ステー33も設けられていない。
上記鋼製枠体20を並べた後に中詰材40を詰め、高さ方向Hにおいて上方に面する枠面に面材25を設け、併せてステー33を設けて捕捉鋼製枠体10を完成させる。次いで、捕捉鋼製枠体10を設置現場の土砂によって埋める。この状態において、捕捉鋼製枠体10は、少なくとも捕捉柱材31が堆砂域200から露出している。
以上により、捕捉構造物1が構築される。なお、土砂を掘削した穴内で、鋼製枠体20を組み立ててもよく、また、土砂を掘削した穴に完成した捕捉鋼製枠体10を設置してもよい。
以上のような捕捉鋼製枠体10は、1つのユニットとして構成されているので、堰堤100の上流側に形成された堆砂域200において、堰堤100から離れた位置に迅速に、かつ、設置位置に関して高い自由度をもって設置することができる。
さらに、捕捉鋼製枠体10は、高さ方向Hにおいて突き出た捕捉柱材31を、柱材21と梁材23とによって画定された上流側に面する枠面において、梁材23に容易に取り付けることができるので、平易な構造で容易に組み立てることができる。さらに、捕捉鋼製枠体10は、ステー33を有しているので捕捉工30の圧縮強度が高められている。これにより、仮に、上流側から流木等がなされてきた場合であっても確実に流木等を捕捉することができる。
さらに、捕捉鋼製枠体10は、H形鋼の梁材23を有しており、複数の捕捉柱材31を梁材23のフランジに容易に連結することができる。
さらに、鋼製枠体20は、4本の柱材21を有する立方体であるので、鋼製枠体20をコンパクトに構成することができる。これにより、捕捉鋼製枠体10もコンパクトになり、施工性及び設置の自由度がより高まる。
<その他>
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。また、例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。上記の実施の形態において、捕捉構造物1は、5つの捕捉鋼製枠体10により鋼製されていたが、捕捉鋼製枠体10の数は特に限定されず、堰堤100の規模、特に水通し部110の規模に応じて適宜増減させればよい。
また、上記実施の形態に係る捕捉構造物1において、捕捉鋼製枠体10は、幅方向Wに直線状に配置されているが、捕捉構造物1の配置後の形状に関しては特に限定されてない。図3は、変形例1に係る捕捉構造物1Aの平面図である。変形例1に係る捕捉構造物1Aにおいては、堰堤100の水通し部110の上流側に5つの捕捉鋼製枠体10が幅方向Wに並べられている。変形例1において、幅方向Wに並ぶ捕捉鋼製枠体10は、互いに相前後して、つまり、上流側及び下流側に互いに相対的にずらされて配置されている。
例えば、変形例1に係る捕捉構造物1Aにおいて、幅方向Wにおいて両端及び中央に配置された捕捉鋼製枠体10は、その間に配置された捕捉鋼製枠体10に対して上流側にずれた位置にある。
変形例1に係る捕捉構造物1Aによれば、捕捉構造物1と同じ効果を奏することができる。変形例1に係る捕捉構造物1Aにおいては、幅方向Wにおいて端にある捕捉鋼製枠体10と中央にある捕捉鋼製枠体10との間に位置する捕捉鋼製枠体10が、両端及び中央にある捕捉鋼製枠体10に対して下流側にずれた位置にあり、捕捉構造物1Aには窪んだ個所が形成されている。これにより、窪んだ個所で流木等を捕捉することができ、捕捉された流木が横ずれして下流側に流されることを抑制することができる。
図4は、変形例2に係る捕捉構造物1Bの平面図である。捕捉鋼製枠体10は、設置状態において上流側に面する枠面にのみ捕捉柱材31が取り付けられていたが、捕捉柱材31は、幅方向Wに面する一の枠面に取り付けられていてもよい。ここでは、設置状態において、上流側に面する枠面及び幅方向Wに面する枠面に捕捉柱材31が取り付けられた捕捉鋼製枠体を「捕捉鋼製枠体10B」とする。変形例2に係る捕捉構造物1Bは、捕捉鋼製枠体10と、捕捉鋼製枠体10Bと、を備える。
変形例2に係る捕捉構造物1Bにおいては、堰堤100の水通し部110の上流側に3つの捕捉鋼製枠体10と、2つの捕捉鋼製枠体10Bが幅方向Wに直線状に並べられている。捕捉鋼製枠体10Bは、幅方向Wにおいて3つの捕捉鋼製枠体10の両端に位置する。捕捉鋼製枠体10Bは、それぞれ捕捉工30が上流側に面するとともに、幅方向Wにおいて隣接する捕捉鋼製枠体10とは反対の側に面するように設置されている。
変形例2に係る捕捉構造物1Bにおいては、直線状に設置された捕捉鋼製枠体10,10Bのうち、両端に位置する捕捉鋼製枠体10Bに対して下流側にさらに2つの捕捉鋼製枠体10Bが設けられている。下流側に位置する捕捉鋼製枠体10Bは、直線状に設置された捕捉鋼製枠体10Bに対して幅方向Wにおいて外側に位置する。
変形例2に係る捕捉構造物1Bによれば、捕捉構造物1,1Aと同じ効果を奏することができ、さらに、捕捉構造物1Bの側方から廻り込んで水通し部110を抜けようとする流木等を効果的に捕捉することができる。
なお、下流側の捕捉鋼製枠体10Bは、上流側の捕捉鋼製枠体10Bに対して幅方向Wにおいて重なるように設置されていてもよい。この場合、下流側の捕捉鋼製枠体10Bには、幅方向Wに面する少なくとも一の枠面にのみ捕捉工30が設けられていればよい。
また、上記実施の形態及び変形例1,2において、捕捉工30は、上流側に面するように捕捉鋼製枠体10,10Bは設置されていたが、捕捉工30が下流側に面するように捕捉鋼製枠体10,10Bを設置してもよい。
また、捕捉鋼製枠体10,10Bに取付けられる捕捉工30の捕捉柱材31の数は特に限定されず、捕捉鋼製枠体10,10Bの幅に応じて適宜決めることができ、例えば、1本、2本であってもよい。
また、捕捉鋼製枠体10,10Bにおいて、鋼製枠体20を構成する柱材21が高さ方向Hにおいて上方に突出するようにして、捕捉工として構成されていてもよい。
また、上記実施の形態及び変形例1,2において、捕捉柱材1は、H形鋼により形成されていたが、鋼管、鋼製の棒材であってもよい。
1,1B・・・捕捉構造物
10,10B・・・捕捉鋼製枠体、
20・・・鋼製枠体、21・・・柱材(縦材)、23,24・・・梁材(横材)
30・・・捕捉工、31・・・捕捉柱材、33・・・ステー(斜め材)
40・・・中詰材

Claims (6)

  1. 複数の縦材及び横材を互いに連結して立体的に構成された鋼製枠体と、
    前記鋼製枠体内に詰め込まれている中詰材と、
    前記縦材及び前記横材によって画定される少なくとも1つの枠面に取り付けられて、前記縦材の延び方向に沿って前記鋼製枠体から突き出ている捕捉工と、
    を備えることを特徴とする河川に設置される捕捉鋼製枠体。
  2. 前記捕捉工の先端部と、前記捕捉工が取り付けられた前記枠面に対向する枠面側で前記鋼製枠体とを連結する斜め材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の捕捉鋼製枠体。
  3. 前記捕捉工は、前記少なくとも1つの枠面を画定する少なくとも1つの前記横材に連結された少なくとも1つの柱部材により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の捕捉鋼製枠体。
  4. 前記捕捉工は、前記少なくとも1つの枠面を画定する少なくとも1つの前記縦材によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の捕捉鋼製枠体。
  5. 前記縦材は、4本であることを特徴とする請求項1に記載の捕捉鋼製枠体。
  6. 河川に設置されて河川を流されてくる物体を捕捉する捕捉構造物であって、
    複数の縦材及び横材を互いに連結して立体的に構成された鋼製枠体と、前記鋼製枠体内に詰め込まれている中詰材と、前記縦材及び前記横材によって画定される少なくとも1つの枠面に取り付けられて、前記縦材の延び方向に沿って前記鋼製枠体から突き出ている捕捉工と、を備える複数の捕捉鋼製枠体と、
    を備え、
    前記複数の捕捉構造体は、前記捕捉工が前記河川の上流側又は下流側に面するように互いに連結されている
    ことを特徴とする捕捉構造物。
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