JP2024089117A - 積層フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、積層フィルム、より詳しくは、再生プラスチックを用いた積層フィルムに関する。
プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化等への対応を契機として、わが国におけるプラスチック資源循環を促進する重要性が高まっている。
包装用プラスチック製品のメーカーでは、製造時に加工ロスが発生する。現状これらの多くは、再生業者へ販売され、再樹脂化されているが、用途としてはパレットや土木資材、一部の雑貨などに留まっており、元の包装用途にはほとんど循環されていない。
しかし、メーカーで発生する加工ロスは、消費者が使用した後のプラスチックと比較するとはるかに衛生度が高いため、上記用途よりも付加価値の高い用途への再利用が期待でき、包装用途への再利用もその有力な候補である。
この点に関して、特許文献1には、再生ポリエチレンを含むシーラントフィルムが開示されている。このシーラントフィルムは、第1のバージンポリエチレン層と、第2のバージンポリエチレン層との間に再生ポリエチレンを含む中間層が設けられた構造を有する。
詳細は後述するが、発明者は、種々の検討により特許文献1に記載されたシーラントフィルムにおける外観上および製造上の課題を見出し、これを解決して本発明を完成させた。
本発明は、再生ポリエチレンを使用しつつ、外観に優れ製造もしやすい積層フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、再生ポリエチレンと顔料とを含むコア層と、樹脂成分としてバージンポリエチレンのみを含み、コア層を挟むように配置された表層とを備える積層フィルムである。
本発明によれば、再生ポリエチレンを使用しつつ、外観に優れ製造もしやすい積層フィルムを提供できる。
以下、本発明の一実施形態について、図1および図2を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る積層フィルム1の層構成を示す模式図である。
積層フィルム1は、コア層10と、コア層10を挟む二つの表層20とを備えている。
図1は、本実施形態に係る積層フィルム1の層構成を示す模式図である。
積層フィルム1は、コア層10と、コア層10を挟む二つの表層20とを備えている。
コア層10は、再生ポリエチレンと、顔料とを含む。コア層の樹脂成分は、再生ポリエチレンのみであってもよいし、再生ポリエチレンと石油から製造されたバージンポリエチレンとが混合されたものであってもよい。
再生ポリエチレンとしては、上記加工ロスを含む、ポストインダストリーリサイクル材(PIR)を用いる。PIRは、消費者が使用した後のポストコンシューマーリサイクル材(PCR)に比べてはるかに衛生度が高いため、PIRのみを用いることで、再生ポリエチレンを従来難しかった包装用途において循環させることが可能となる。
コア層10に含まれる顔料に特に制限はないが、代表的なものは、白色顔料および黒色顔料である。
白色顔料としては、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化スズ等を例示できるが、コストや発色等の観点からは、酸化チタンが好適である。
黒色顔料としては、カーボンブラックを例示できる。
したがって、コア層10の色彩としては、白色顔料のみ使用した白色、黒色顔料のみ使用した黒色、および二つの顔料を使用した灰色等が典型的である。
白色顔料としては、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化スズ等を例示できるが、コストや発色等の観点からは、酸化チタンが好適である。
黒色顔料としては、カーボンブラックを例示できる。
したがって、コア層10の色彩としては、白色顔料のみ使用した白色、黒色顔料のみ使用した黒色、および二つの顔料を使用した灰色等が典型的である。
表層20は、いずれも樹脂成分としてバージンポリエチレンのみを含み、再生ポリエチレンを含まない。
各層に用いるポリエチレンに特に制限はなく、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等の各種ポリエチレンを選択できる。コア層10と表層20のポリエチレンが異なっていてもよく、コア層10において再生ポリエチレンとバージンポリエチレンが異なるポリエチレンであってもよい。さらに、再生ポリエチレンやバージンポリエチレンを複数種類用いることにより、コア層10が3種類以上のポリエチレンを含んだ構成としてもよい。
各層に用いるポリエチレンに特に制限はなく、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等の各種ポリエチレンを選択できる。コア層10と表層20のポリエチレンが異なっていてもよく、コア層10において再生ポリエチレンとバージンポリエチレンが異なるポリエチレンであってもよい。さらに、再生ポリエチレンやバージンポリエチレンを複数種類用いることにより、コア層10が3種類以上のポリエチレンを含んだ構成としてもよい。
積層フィルム1において、表層20にLDPEやLLDPEを用いると、熱融着層を設けるためのシーラントフィルムとして好適に積層フィルム1を使用できる。このとき、他の層と融着されるのは表層20であるため、コア層10は、必ずしもLDPEやLLDPEを含まなくてもよい。
積層フィルム1は、キャスト法(Tダイ法)やインフレーション法により製造できる。これらの方法に共押出法を組み合わせることにより、積層フィルム1の3つの層を同時に形成することができ、製造効率を向上できる。
コア層となる材料の準備工程について説明する。
再生ポリエチレンとなるPIRとしては、ポリエチレンフィルムの製造工程で発生する加工ロスが好適である。加工ロスには、フィルムの幅を要求仕様に合わせて調整したり、厚さの均一性を保ったりするためにフィルムから切り落とされる「スリットロス」や、インフレーション法で作成される筒状のフィルムを2枚に分離するために切り落とされる「耳ロス」等があり、いずれも本実施形態に用いることができる。
再生ポリエチレンとなるPIRとしては、ポリエチレンフィルムの製造工程で発生する加工ロスが好適である。加工ロスには、フィルムの幅を要求仕様に合わせて調整したり、厚さの均一性を保ったりするためにフィルムから切り落とされる「スリットロス」や、インフレーション法で作成される筒状のフィルムを2枚に分離するために切り落とされる「耳ロス」等があり、いずれも本実施形態に用いることができる。
準備したPIRを細かく裁断し、樹脂再生機に投入する。コア層にバージンポリエチレンを含有させる場合は、バージンポリエチレンのペレットをともに樹脂再生機に投入する。
投入した材料が樹脂再生機で混練されると、ペレット状のコア層材料ができあがる。コア層材料に顔料を含むポリエチレンのマスターバッチを混合したものと、表層の材料となるバージンポリエチレンのペレットとを、それぞれ成膜機の異なる押出し機に投入することで、積層フィルム1を製造できる。
コア層にバージンポリエチレンを含有させる場合は、上記に加えてバージンポリエチレンのペレットをコア層の押出し機に投入すればよい。
投入した材料が樹脂再生機で混練されると、ペレット状のコア層材料ができあがる。コア層材料に顔料を含むポリエチレンのマスターバッチを混合したものと、表層の材料となるバージンポリエチレンのペレットとを、それぞれ成膜機の異なる押出し機に投入することで、積層フィルム1を製造できる。
コア層にバージンポリエチレンを含有させる場合は、上記に加えてバージンポリエチレンのペレットをコア層の押出し機に投入すればよい。
当初発明者は、顔料を含むマスターバッチを用いずにコア層材料を作製して様々な条件下で成膜検討を行った。この際、作製された透明性を有するコア層において、抗張力、弾性率、引裂き耐性等の各種物性は、バージンポリエチレンで作製したものと同等であったものの、視認可能なサイズの異物による「フィッシュアイ」と呼ばれる外観不良が想定よりもはるかに多く発生した。
発明者は、これらの異物について、再生ポリエチレンがコア層材料の調製時に2度目の熱履歴を受けることで過剰に酸化して生じた酸化ポリエチレンが多くを占めていると推測した。しかし、詳細は後に実験例で説明するが、異物に占める酸化ポリエチレンの割合はそれほど高くなく、コア層の材料と関係ない物質が多くの割合を占めており、これを完全になくすことは困難であることが分かった。
このため、再生ポリエチレンを用いて作製したコア層は、衛生度や物性には問題がないものの、透明な状態ではその外観から用途が限定される可能性があり、期待した包装用途における再生循環は決して容易ではないことが明らかになった。
このため、再生ポリエチレンを用いて作製したコア層は、衛生度や物性には問題がないものの、透明な状態ではその外観から用途が限定される可能性があり、期待した包装用途における再生循環は決して容易ではないことが明らかになった。
これを踏まえ、発明者は、コア層に顔料を含有させることにより、異物およびそれに伴う外観不良を視認しにくくし、外観を著しく向上させることに成功した。当初、多数発生した外観不良を使用者が気にならない程度にするためには、ある程度高濃度の顔料が必要とも予測されたが、発明者の検討により、想定よりもずっと少ない量で、異物およびそれに伴う外観不良をほとんど目立たなくできることが分かった。
本実施形態に係る積層フィルム1は、コア層10に含まれる顔料により、再生ポリエチレンを用いることで不可避的に生じる外観不良をほとんど気にならない程度に抑えることができる。したがって、再生ポリエチレンを用いながらも、包装用途に好適に使用できる。
また、コア層10を挟む2つの表層20を同一材料で形成すれば、押出し機を2つのみ備える成膜機に必要な材料を投入するだけで作製できる。このため、製造可能な成膜装置の範囲が広くなり、製造上の汎用性を高めやすい。
さらに、再生ポリエチレンの使用に伴う外観不良を著しく低減できるため、積層フィルム1において再生ポリエチレンの比率を高めやすい。積層フィルム1は、例えばシーラントフィルムとして、基材となる他のフィルムに貼り合わされることも想定されるが、積層フィルム1における再生ポリエチレンの比率が高ければ、貼り合わされた後の積層体全体に占める再生ポリエチレンの比率も高めやすくなり、エコマーク等に代表される各種環境対応の認定基準を満たす積層体を構成しやすくなるという利点もある。このような観点からは、積層フィルム1における再生ポリエチレンの比率が20質量パーセント以上であることが好ましい。
本実施形態に係る積層フィルムにおける顔料と外観不良抑制効果との関係について、実験例を示しつつさらに説明する。
(実験1)
実験1では、顔料を用いない透明なコア層を有する積層フィルムの外観不良の状態を検証した。
各層の材料として以下を準備した。
コア層材料:LLDPEのバージンペレットと、細断したLLDPEの耳ロスから作製した再生ポリエチレンペレットとを1:1で混合したもの(再生ポリエチレン比率50%)
表層材料:LLDPEのバージンペレット
実験1では、顔料を用いない透明なコア層を有する積層フィルムの外観不良の状態を検証した。
各層の材料として以下を準備した。
コア層材料:LLDPEのバージンペレットと、細断したLLDPEの耳ロスから作製した再生ポリエチレンペレットとを1:1で混合したもの(再生ポリエチレン比率50%)
表層材料:LLDPEのバージンペレット
上記材料を用いて、以下の実験例1に係る積層フィルムを作製した。
実験例1:コア層50μm、表層いずれも25μm(総厚100μm)
実験例1の積層フィルムは、再生ポリエチレンを25%含んでいる。
実験例1:コア層50μm、表層いずれも25μm(総厚100μm)
実験例1の積層フィルムは、再生ポリエチレンを25%含んでいる。
積層フィルムの作製はインフレーション式の成膜装置で共押出にて行い、幅520mmのフィルムを2枚作製した。
作製したフィルムの任意の100mm角の正方形の範囲内において、目視にて視認される外観不良の数をカウントし、1m2あたりの個数とした。
作製したフィルムの任意の100mm角の正方形の範囲内において、目視にて視認される外観不良の数をカウントし、1m2あたりの個数とした。
コア層をバージンポリエチレンのみで作製した厚さ100μmのフィルムにおける外観不良の数をリファレンスとして実験前に検討したところ、1m2あたり200個であり、注意深く観察しない限りほとんど気にならないレベルであった。
これに対し、実験例1の積層フィルムの外観不良の数は、1m2あたり9000個であり、「外観が良くない」と容易に認識できる水準であった。
これに対し、実験例1の積層フィルムの外観不良の数は、1m2あたり9000個であり、「外観が良くない」と容易に認識できる水準であった。
次に、検出された異物について、FT-IR法による分析にて、材質の特定を試みた。その結果、当初予定していた酸化ポリエチレンの他に、炭酸カルシウム、ポリアミド、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、セルロース、フッ素系樹脂など、準備した材料に含まれていない物質が多数確認された。これらのうち、炭酸カルシウムやポリアミドは、耳ロスから再生ポリエチレンペレットを作製する機械の内部に残留していたものと推測された。EVAは、成膜装置に残留していたものと推測された。セルロースやフッ素系樹脂は、いずれかの工程における雰囲気中に含まれていたものが混入したものと考えられた。
実験1において、異物全体に占める酸化ポリチレンの比率は、わずか10%であり、当初の予想を大きく下回った。一方、再生ポリエチレンペレットの作製工程で混入したと思われるものの割合は50%であり、FT-IR法にて材質が特定できなかったものも25%存在した。
これらを総合的に考慮すると、再生ポリエチレンを用いて積層フィルムを作製する場合、一定量の異物が混入することはほぼ不可避であり、これにより無視できない程度のフィッシュアイ等がほぼ確実に生じることが推測された。
実験1において、異物全体に占める酸化ポリチレンの比率は、わずか10%であり、当初の予想を大きく下回った。一方、再生ポリエチレンペレットの作製工程で混入したと思われるものの割合は50%であり、FT-IR法にて材質が特定できなかったものも25%存在した。
これらを総合的に考慮すると、再生ポリエチレンを用いて積層フィルムを作製する場合、一定量の異物が混入することはほぼ不可避であり、これにより無視できない程度のフィッシュアイ等がほぼ確実に生じることが推測された。
(実験2)
実験2では、顔料による外観不良の抑制効果について検証した。
表層材料は実験1と同一とし、コア層材料として以下の3種類を準備した。バージンペレットおよび耳ロスから作製した再生ポリエチレンペレットは、実験1におけるものと同一である。
コア層材料A:再生ポリエチレンペレット50%、バージンペレット43.5%、酸化チタン濃度70%のマスターバッチ(樹脂成分LLDPE、以下、単に「マスターバッチ」と称する。)6.5%を混合したもの。コア層材料Aにおける顔料(酸化チタン)の比率は、4.55%である。
コア層材料B:再生ポリエチレンペレット50%、バージンペレット37%、マスターバッチ13%を混合したもの。コア層材料Bにおける顔料の比率は、9.1%である。
コア層材料C:再生ポリエチレンペレット50%、バージンペレット33%、マスターバッチ17%を混合したもの。コア層材料Cにおける顔料の比率は、11.9%である。
実験2では、顔料による外観不良の抑制効果について検証した。
表層材料は実験1と同一とし、コア層材料として以下の3種類を準備した。バージンペレットおよび耳ロスから作製した再生ポリエチレンペレットは、実験1におけるものと同一である。
コア層材料A:再生ポリエチレンペレット50%、バージンペレット43.5%、酸化チタン濃度70%のマスターバッチ(樹脂成分LLDPE、以下、単に「マスターバッチ」と称する。)6.5%を混合したもの。コア層材料Aにおける顔料(酸化チタン)の比率は、4.55%である。
コア層材料B:再生ポリエチレンペレット50%、バージンペレット37%、マスターバッチ13%を混合したもの。コア層材料Bにおける顔料の比率は、9.1%である。
コア層材料C:再生ポリエチレンペレット50%、バージンペレット33%、マスターバッチ17%を混合したもの。コア層材料Cにおける顔料の比率は、11.9%である。
実験例1で用いたコア層材料を上記コア層材料A、B、Cのいずれかに変更した点を除き、実験例1と同様の手順で、実験例2、3、および4に係る積層フィルムを作製した。
実験例2から4のフィルムにおいて、目視にて視認される外観不良の数をカウントし、1m2あたりの個数を算出した。ただし、実験例2から4のフィルムでは、視認される不良の数が実験例1に比して著しく少なくなっていたため、任意の500mm角の正方形の範囲内でカウントを行った。
結果を表1に示す。
実験例2から4のフィルムにおいて、目視にて視認される外観不良の数をカウントし、1m2あたりの個数を算出した。ただし、実験例2から4のフィルムでは、視認される不良の数が実験例1に比して著しく少なくなっていたため、任意の500mm角の正方形の範囲内でカウントを行った。
結果を表1に示す。
実験例2から4では、視認された外観不良の数が著しく減少し、包装用途に問題なく適用できる程度の外観が確保されていた。
図2に、電子顕微鏡による実験例2の部分拡大断面像を示す。顔料を含むコア層10が、異物Fmに対して、積層フィルムの厚さ方向両側に位置しており、これにより異物Fmに起因する外観不良を視認しにくくしたり、生じさせなくしたりしていると推測される。
実験2の結果から、コア層に顔料を含有させることにより、積層フィルムの外観を著しく向上できることが示された。
図2に、電子顕微鏡による実験例2の部分拡大断面像を示す。顔料を含むコア層10が、異物Fmに対して、積層フィルムの厚さ方向両側に位置しており、これにより異物Fmに起因する外観不良を視認しにくくしたり、生じさせなくしたりしていると推測される。
実験2の結果から、コア層に顔料を含有させることにより、積層フィルムの外観を著しく向上できることが示された。
表1には、コア層に顔料を含まない点を除き同条件で作製された実験例1の数値を併せて載せている。原理的には、実験例2から4においても実験例1と同程度のフィッシュアイ等が存在していると推測されるため、実験例1における外観不良の数を基準として、どのくらいの割合の外観不良が顔料により視認されなくなったのかを隠ぺい率として算出し、表1に示した。
表1に示すように、最も顔料の量が少ない実験例2であっても98%以上の外観不良を視認されなくすることができていた。コア層における顔料の比率が大きくなりすぎると、コア層あるいは積層フィルム全体の物性に影響が出ることも考えられるため、コア層に含有させる顔料の比率は、4質量パーセント(wt%)以上12wt%以下が好ましく、4wt%以上5wt%以下がより好ましいと考えられた。
表1に示すように、最も顔料の量が少ない実験例2であっても98%以上の外観不良を視認されなくすることができていた。コア層における顔料の比率が大きくなりすぎると、コア層あるいは積層フィルム全体の物性に影響が出ることも考えられるため、コア層に含有させる顔料の比率は、4質量パーセント(wt%)以上12wt%以下が好ましく、4wt%以上5wt%以下がより好ましいと考えられた。
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせなども含まれる。
例えば、本発明に係る積層フィルムにおいては、表層が顔料を含み、透明でない構成であってもよい。この場合、表層の顔料とコア層の顔料とが同一であってもよいし、異なっていてもよい。またこの場合、上述した顔料の好適な数値範囲については、積層フィルム全体に占める比率として考えればよい。なお、実験例3から5において、積層フィルム全体に占める顔料の率は、それぞれ概ね2.3%、4.6%、および6.0であり、2wt%以上6wt%以下が好ましく、2wt%以上3wt%以下がより好ましいと考えられた。
なお、コア層に再生ポリエチレンが含まれていることは、上述したような意図的な添加とは考えにくい多量の異品種や異物によって発生する欠陥(フィッシュアイ等)の存在を確認することで確認できる。
ただし、顔料を添加することで欠陥が視認しにくくなっている場合は、ランダムサンプリングによりフィルムの複数個所を裁断して断面観察をおこなうことにより、異物の存在を確認できる。さらに、赤外分析等により物質を同定することで、意図的な添加物との区別が可能である。
ただし、顔料を添加することで欠陥が視認しにくくなっている場合は、ランダムサンプリングによりフィルムの複数個所を裁断して断面観察をおこなうことにより、異物の存在を確認できる。さらに、赤外分析等により物質を同定することで、意図的な添加物との区別が可能である。
上記実施形態では、2つの表層がコア層を挟むように配置された例を示したが、表層は必ずしも2つ設けられなくてもよく、コア層の片側に1つだけ設けられてもよい。
1 積層フィルム
10 コア層
20 表層
10 コア層
20 表層
Claims (5)
- 再生ポリエチレンと顔料とを含むコア層と、
樹脂成分としてバージンポリエチレンのみを含む表層と、
を備える、
積層フィルム。 - 前記表層を二つ備え、前記表層が前記コア層を挟むように配置されている、
請求項1に記載の積層フィルム。 - 前記コア層に占める顔料の比率が、4質量パーセント以上12質量パーセント以下である、
請求項1に記載の積層フィルム。 - 前記積層フィルム全体に占める前記再生ポリエチレンの比率が、20質量パーセント以上である、
請求項1に記載の積層フィルム。 - 前記表層の樹脂成分が低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレンである、
請求項1に記載の積層フィルム。
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024089117A true JP2024089117A (ja) | 2024-07-03 |
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