JP2013226826A - ポリスチレン系樹脂積層発泡板とその製造方法、テープリール用側板及びテープリール - Google Patents

ポリスチレン系樹脂積層発泡板とその製造方法、テープリール用側板及びテープリール Download PDF

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裕之 樽本
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Abstract

【課題】軽量で、かつテープリールに必要な諸特性を持続できるポリスチレン系樹脂積層発泡板を提供する。
【解決手段】ポリスチレン系樹脂を発泡させてなる発泡層2と、該発泡層2の少なくとも一方の面に設けられた樹脂層4a,4bとを備え、前記樹脂層4a,4bは、帯電防止剤及び光安定剤から選ばれる1種以上を含有することよりなる。前記樹脂層4a,4bは、前記帯電防止剤及び前記光安定剤を含有するのが好ましく、前記樹脂層は、前記光安定剤を2種以上含有することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂積層発泡板とその製造方法及び該発泡板を用いたテープリール用側板及びテープリールに関する。
従来より、各種電子部品、半導体チップなどの部品を多数収納・保管・運搬するためのキャリアテープや、キャリアテープの開口部を封止するカバーテープを巻き取るためのリール(テープリール等と称される)としては、側板が合成樹脂板や紙板製のリールが用いられていた(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1には、コア部材と側板部材を貼り合わせてなるキャリアテープ用リールにおいて、発泡倍率が20〜50倍の発泡プラスチック製のコア部材と、発泡倍率が5〜30倍の発泡プラスチック製の一対の側板部材からなり、前記コア部材及び側板部材の表面抵抗が1×10 〜1×1011Ωになるように帯電防止処理されてなることを特徴とするキャリアテープ用リールが開示されている。
特許文献2には、坪量700グラム以下、厚さ0.75ミリメートル以上の多層抄き板紙であって、その表層を、針葉樹系の化学パルプを少なくとも20%配合した化学パルプにより製造し、且つ、表層の全層に対する重量比を10%以上とした板紙を以て製造したことを特徴とするリール台紙が開示されている。
実開平6−61874号公報 特開2003−206073号公報
しかしながら、前述した従来技術には、次のような問題があった。
特許文献1に開示されたキャリアテープ用リールは、5〜30倍の発泡プラスチック製の側板からなるキャリアテープ用リールであり、径がφ420〜750mmと大きいことから側板にはかなりの曲げ強度が必要と考えられるが、特許文献1中にはリール用側板の強度に関する記載が無く、曲げ変形に対しては不十分であると考えられる。
また、このキャリアテープ用リールは、表面に帯電防止処理を施しているが、使用している帯電防止剤が液体塗布タイプであるため、該リールを何回もリユースした場合、帯電防止剤が剥がれ、帯電防止性能が低下する恐れがある。
特許文献2に開示された技術では、リールの側板にパルプからなる紙素材を用いているため、樹脂発泡板よりも重量が嵩み、径の大きなリールでは重くなって取り扱いが容易ではない。
また、紙製のリール側板は、何回も使用しているうちに毛羽だってきて粉立ちが生じるため、電子部品の包装材には不向きである。
また、テープリールは、リユースが繰り返されているうちに、日光等の光により劣化する(光劣化)。このような光劣化は、テープリールを室内で保管した場合でも、窓等から入射する日光により生じうる。光劣化を生じたテープリールは、剛性が損なわれたり、色調が損なわれたり、物理的衝撃を受けなくても、徐々に毛羽だって表面平滑性が損なわれたりする。
従来のテープリールは、繰り返しリユースが行なわれた場合に、表面平滑性、剛性、帯電防止性能、粉立ちの抑制、色調の劣化抑制等の諸特性が十分に持続されているとはいえなかった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、軽量で、かつテープリールに必要な諸特性を持続できるポリスチレン系樹脂積層発泡板を課題とする。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡板は、ポリスチレン系樹脂を発泡させてなる発泡層と、該発泡層の少なくとも一方の面に設けられた樹脂層とを備え、前記樹脂層は、帯電防止剤及び光安定剤から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする。
前記樹脂層は、前記帯電防止剤及び前記光安定剤を含有するのが好ましく、前記樹脂層は、前記光安定剤を2種以上含有することが好ましく、前記樹脂層は、表面抵抗率が1013Ω/□未満であることが好ましい。
また、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡板は、幅方向における密度差が、5%以下であるのが好ましく、曲げ強度が2.0MPa以上であり、流れ方向(MD)と幅方向(TD)との曲げ強度比(MD/TD)の値が0.8〜1.2の範囲内であることが好ましい。
本発明のテープリール用側板は、前記の本発発明のポリスチレン系樹脂積層発泡板を打ち抜き加工して得られることを特徴とする。
本発明のテープリールは、前記の本発明のキャリアテープリール用側板を備えることを特徴とする。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡板の製造方法は、ポリスチレン系樹脂と発泡剤とを溶融混練し、これを発泡させて発泡層を形成する工程と、前記発泡層の少なくとも一方の面に、帯電防止剤及び光安定剤から選ばれる1種以上を含有する樹脂層を設ける工程と、を備えることを特徴とする。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡板によれば、軽量で、かつテープリールに必要な諸特性の持続性の向上を図れる。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡板の実施形態を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかるポリスチレン系樹脂積層発泡板の製造装置の概略構成図である。 本発明のテープリール用側板の一例を示す正面図である。 本発明のテープリールの一例を示す側面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(ポリスチレン系樹脂積層発泡板)
図1は、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡板の実施形態を示す図である。このポリスチレン系樹脂積層発泡板1は、複数枚(図1の例示では2枚)のポリスチレン系樹脂発泡シート2a,2bが積層された発泡層2と、発泡層の両面に設けられた樹脂層4a,4bとを備える。ポリスチレン系樹脂発泡シート2a,2b同士は、融着接合部3において融着接合され、それぞれのポリスチレン系樹脂発泡シート2a,2bの外側面には、樹脂層4a,4bが積層されている。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡板1において、ポリスチレン系樹脂発泡シート2a,2bの樹脂原料であるポリスチレン系樹脂としては、特に制限されることなく、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体等が挙げられ、スチレンを50質量%以上含有するポリスチレン系樹脂が好ましく、ポリスチレンがより好ましい。
また、前記ポリスチレン系樹脂としては、前記スチレンモノマーを主成分とする、前記スチレン系モノマーとこのスチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよく、このようなビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの二官能性モノマーなどが挙げられる。
また、ポリスチレン系樹脂が主成分であれば、他の樹脂を添加してもよく、添加する樹脂としては、例えば、発泡成形体の耐衝撃性を向上させるために、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体などのジエン系のゴム状重合体を添加したゴム変性ポリスチレン系樹脂、いわゆるハイインパクトポリスチレンが挙げられる。あるいは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などが挙げられる。
前記ポリスチレン系樹脂発泡シート2a,2bにおいて、原料となるポリスチレン系樹脂としては、市販されている通常のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法などの方法で新たに作製したポリスチレン系樹脂などの、リサイクル原料でないポリスチレン系樹脂(バージンポリスチレン)を使用できる他、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたリサイクル原料を使用することができる。このリサイクル原料としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレーなどを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したリサイクル原料を用いることができる。また、使用することができるリサイクル原料は、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたもの以外にも、家電製品(例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)や事務用機器(例えば、複写機、ファクシミリ、プリンターなど)から分別回収された非発泡のポリスチレン系樹脂成形体を粉砕し、溶融混練してリペレットしたものを用いることができる。
樹脂層4a,4bは、帯電防止剤及び光安定剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有する非発泡樹脂からなる層である。本実施形態において、樹脂層4a,4bは、ポリスチレン系樹脂積層発泡板1の表層を形成する。
ポリスチレン系樹脂積層発泡板1は、帯電防止剤を含有する樹脂層4a,4bが設けられていることで、表面平滑性や剛性に優れ、持続性のある帯電防止性能が得られ、粉立ちを低減できる。
また、樹脂層4a,4bは、光安定剤を含有することで、光劣化を抑制し、表面平滑性、色調の劣化、帯電防止性能の低下、粉立ち、剛性の低下を抑制し、テープリールに必要な諸特性を持続できる。
樹脂層4aを構成する樹脂材料としては、ポリスチレン系樹脂、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、フッ素樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられ、その中でもポリスチレン系樹脂が好ましい。
樹脂層4bを構成する樹脂材料は、樹脂層4aを構成する樹脂材料と同様である。樹脂層4bを構成する樹脂材料は、樹脂層4aを構成する樹脂材料と同じでもよいし、異なってもよい。
前記帯電防止剤としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミド、エチレン−メタクリル酸共重合体などのアイオノマー(アイオノマー樹脂)やポリエチレングリコールメタクリレート系共重合体等の第四級アンモニウム塩、特開2001−278985号公報等に記載のオレフィン系ブロックと親水性ブロックとの共重合体)などが挙げられる。中でも、ポリスチレン系樹脂やポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂及び、ポリ乳酸系樹脂との相互作用を考慮した場合、オレフィン系ブロックと親水性ブロックとの共重合体、エステルアミド系樹脂と親水性ブロックとの共重合体が好ましく、ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体(ポリエーテル系ブロックとポリオレフィン系ブロックのブロック共重合体)を主成分とする高分子型帯電防止剤、ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体(ポリエーテル系ブロックとポリエステルアミド系ブロックのブロック共重合体)を主成分とする高分子型帯電防止剤が好適に使用されうる。これら帯電防止剤は、単独、又は、複数混合した状態で使用することが出来る。
また、樹脂層4a,4bを構成する樹脂材料として、樹脂層帯電防止剤を含有する樹脂を樹脂加工分野等で周知の各種の帯電防止剤を帯電防止有効量となるように添加した帯電防止樹脂材料や、帯電防止性を有する官能基を高分子主鎖や側鎖に含む帯電防止樹脂など、帯電防止性能を有する樹脂が用いられてもよい。
帯電防止性能を有する樹脂としては、各種の市販品の中から適宜選択して使用することができ、例えば、PSジャパン社製の商品名「RH455」、三洋化成社製の商品名「ペレスタット300」、ペレスタット「230」などが挙げられる。
樹脂層4a中の帯電防止剤の含有量は、樹脂層4aに求められる帯電防止性能に応じて適宜決定され、例えば、0.1〜30質量%が好ましい。
樹脂層4b中の帯電防止剤の含有量は、樹脂層4a中の帯電防止剤の含有量と同様である。
樹脂層4b中の帯電防止剤の含有量は、樹脂層4a中の帯電防止剤の含有量と同じでもよいし、異なってもよい。
光安定剤としては、特に限定されず、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボオクトキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、フェニルサリチレート、p−t−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等のサリチレート系紫外線吸収剤、2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等のオキザニリド系紫外線吸収剤、エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−α−シアノ−β−メチル−β−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物等のヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。これらの光安定剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
樹脂層4aが光安定剤を含有する場合、樹脂層4aは、光安定剤を2種以上併有するのが好ましい。光安定剤の組み合わせとしては、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤との組み合わせが好ましく、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤との組み合わせがより好ましい。2種以上の光安定剤を併有することで、テープリールに必要な諸特性の持続性のさらなる向上を図れる。
樹脂層4a中の光安定剤の含有量は、樹脂層4aに求める諸特性を勘案して適宜決定され、例えば、0.1〜1.0質量%が好ましい。
樹脂層4b中の光安定剤の種類は、樹脂層4a中の光安定剤の種類と同様である。樹脂層4b中の光安定剤の種類は、樹脂層4a中の光安定剤の種類と同じでもよいし、異なってもよい。
樹脂層4b中の光安定剤の含有量は、樹脂層4a中の光安定剤の含有量と同様である。樹脂層4b中の光安定剤の含有量は、樹脂層4a中の光安定剤の含有量と同じでもよいし、異なってもよい。
樹脂層4aは、帯電防止剤と光安定剤とを併有することが好ましい。帯電防止剤と光安定剤とを併有することで、テープリールに必要な諸特性の持続性のさらなる向上を図れる。特に、光劣化による帯電防止性能の低下を良好に防止できる。
樹脂層4aが帯電防止剤と光安定剤とを併有する場合、樹脂層4a中の帯電防止剤と光安定剤との合計量は、樹脂層4aに求める諸特性を勘案して適宜決定され、例えば、15.1〜16.0質量%が好ましい。
樹脂層4aが帯電防止剤と光安定剤とを併有する場合、帯電防止剤/光安定剤で表される質量比は、15〜150が好ましく、20〜70がより好ましい。上記下限値以上であれば、所望する帯電防止性能を得られやすく、上記上限値以下であれば、帯電防止性能の持続性のさらなる向上を図れる。
樹脂層4bは、樹脂層4aと同様に、帯電防止剤と光安定剤とを併有することが好ましい。
樹脂層4b中の帯電防止剤と光安定剤との合計量は、樹脂層4a中の帯電防止剤と光安定剤との合計量と同様である。樹脂層4b中の帯電防止剤と光安定剤との合計量は、樹脂層4a中の帯電防止剤と光安定剤との合計量は、同じでもよいし、異なってもよい。
樹脂層4bにおける帯電防止剤/光安定剤で表される質量比は、樹脂層4aにおける帯電防止剤/光安定剤で表される質量比と同様である。樹脂層4bにおける帯電防止剤/光安定剤で表される質量比は、樹脂層4aにおける帯電防止剤/光安定剤で表される質量比と同じでもよいし、異なってもよい。
樹脂層4aの表面抵抗率は、1013Ω/□未満が好ましく、1012Ω/□以下がより好ましく、1011Ω/□以下がさらに好ましい。表面抵抗率が1013Ω/□以上であると、十分な帯電防止性能が得られず、テープリール用側板として使用するのに適さなくなる可能性がある。表面抵抗率は、JIS K6911に基づき測定される値である。
樹脂層4aの表面抵抗率は、樹脂層4aを構成する樹脂の種類や、樹脂層4aにおける帯電防止剤の含有量等により調節される。
樹脂層4bの表面抵抗率は、樹脂層4bの表面抵抗率と同様である。
なお、本例示にあっては、発泡層2の両面に樹脂層4a,4bが積層された構成としているが、樹脂層は発泡層2の一方の面にあればよく、また他方の面に帯電防止剤及び光安定剤を有していない熱可塑性樹脂層が積層された構成としてもよい。
樹脂層4aと樹脂層4bとは、含有する添加剤の種類が同じでもよいし、異なってもよい。例えば、樹脂層4aが帯電防止剤及び光安定剤を含有し、樹脂層4bが帯電防止剤又は光安定剤のみを含有する構成でもよいし、樹脂層4aが帯電防止剤のみを含有し、樹脂層4bが光安定剤のみを含有する構成でもよい。
あるいは、樹脂層4aが、帯電防止剤及び光安定剤から選ばれる1種以上を含有し、樹脂層4bが帯電防止剤及び光安定剤のいずれも含有しない構成でもよい。
本実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡板1は、厚みが2.0〜10.0mmの範囲であることが好ましく、3.0〜7.0mmの範囲であることがより好ましい。
また、樹脂層4a,4bの厚みは10〜200μmの範囲であることが好ましく、20〜150μmの範囲であることがより好ましい。
本実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡板1は、密度が0.05〜0.20g/cmの範囲内であることが好ましく、0.07〜0.15g/cmの範囲がより好ましい。
密度が前記範囲内であれば、軽量で、機械強度に優れ、表面平滑性の良好なポリスチレン系樹脂積層発泡板1が得られる。密度が0.05g/cmの未満であると、十分な機械強度が得られなくなり、0.20g/cmを超えると、質量が増加し、軽量のテープリールが得られ難くなる。
本実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡板1は、幅方向における密度差が、5%以下であることが好ましく、4%以下であることがより好ましい。
幅方向における密度差が5%を超えると、MD、TD方向の曲げ強度に差が生じやすくなる為、一様な強度のテープリールを得難くなる。
なお、幅方向等は、後述するポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法において、発泡層2の流れ方向(押し出される方向)に直行する方向である。
本実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡板1は、曲げ強度が2.0MPa以上であることが好ましく、2.5MPa以上であることがより好ましい。
曲げ強度が2.0MPa未満であると、機械強度が悪くなり、そのポリスチレン系樹脂積層発泡板1を用いて製造されたテープリールが変形したり破損し易くなるため、該リールをリユースすることが難しくなる。
また、本実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡板1は、流れ方向(MD)と幅方向(TD)との曲げ強度比(MD/TD)の値が0.8〜1.2の範囲内であることが好ましく、0.85〜1.25の範囲内であることがより好ましい。
前記曲げ強度比(MD/TD)が0.8未満でも、前記曲げ強度比(MD/TD)が1.2を超えても、一様な曲げ強度を持つテープリールが得られず、使用する際に一方向に変形が生じやすくなるため、該リールをリユースすることが難しくなる。
発泡層2の厚みは、ポリスチレン系樹脂積層発泡板1に求める剛性等を勘案して決定され、例えば、2.0〜10.0mmが好ましく、3.0〜7.0mmがより好ましい。
樹脂層4aの厚みは、ポリスチレン系樹脂積層発泡板1に求める剛性等を勘案して決定され、例えば、10〜200μmが好ましく、20〜150μmがより好ましい。
樹脂層4bの厚みは、樹脂層4aの厚みと同様である。樹脂層4bの厚みは、樹脂層4aの厚みと同じでもよいし、異なってもよい。
本実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡板1は、ポリスチレン系樹脂発泡シート2a,2bが積層されて発泡層2が形成され、発泡層2の両面に樹脂層4a,4bが積層されているため、軽量である。
加えて、樹脂層4a,4bが帯電防止剤及び光安定剤から選ばれる1種以上を含有するため、テープリールに必要な諸特性を有しかつ該諸特性の持続性に優れる。
(ポリスチレン系樹脂積層発泡板の製造方法)
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡板の製造方法(以下、単に製造方法ということがある)は、発泡層を形成する工程(発泡層形成工程)と、発泡層の少なくとも一方の面に樹脂層を設ける工程(樹脂層形成工程)とを備える。
本発明の製造方法について、図1のポリスチレン系樹脂積層発泡板1の製造方法の一例を挙げて説明する。
本実施形態の製造方法は、樹脂供給装置内でポリスチレン系樹脂と発泡剤とを溶融混練して押出発泡させて得られた複数枚のポリスチレン系樹脂発泡シートを製造し、得られたポリスチレン系樹脂発泡シートに樹脂層を積層し、前記ポリスチレン系樹脂発泡シートの発泡シート側表面を加熱して複数枚重ね合わせて押圧し、複数枚のポリスチレン系樹脂発泡シートが積層されて発泡層が形成され、発泡層の両方の面に樹脂層が積層されたポリスチレン系樹脂積層発泡板を得る。
図2は、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡板の製造装置の概略構成図である。なお、本例では、2枚の非発泡樹脂層付きポリスチレン系樹脂発泡シート5a,5bを融着接合し、図1に示す前記ポリスチレン系樹脂積層発泡板1を製造する方法について説明する。
本製造方法では、まず、ポリスチレン系樹脂発泡シート5a、5bを原反ローラ6a,6bに、シート送り出し可能にセットする。
このポリスチレン系樹脂発泡シート5a,5bは、押出機などの樹脂供給装置内で前記ポリスチレン系樹脂、発泡核剤などの添加剤、および発泡剤とを溶融混練し、その樹脂混合物を装置先端に取り付けたサーキュラーダイの環状スリットから環状に押し出し、発泡させ、冷却して筒状の発泡シートとし、それをカッターで切開することによって製造される。
前記ポリスチレン系樹脂発泡シート5a,5bの製造において、発泡剤としては、例えばプロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素や、テトラフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素などの1種または2種以上が挙げられ、特にブタンが好適に使用される。ブタンとしてはノルマルブタン、もしくはイソブタンをそれぞれ単独で使用してもよいし、ノルマルブタンとイソブタンとを任意の割合で併用してもよい。
ポリスチレン系樹脂発泡シート5a,5bの製造において、ポリスチレン系樹脂に添加される発泡核剤としては、例えばタルクやステアリン酸カルシウム等が挙げられる。発泡核剤は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して0.5〜5.0質量部の割合で添加される。ポリスチレン系樹脂には、発泡剤、発泡核剤以外の種々の添加剤を添加してもよい。ポリスチレン系樹脂に添加することのできるその他の添加剤としては、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤等が挙げられる。添加剤の配合割合は適宜、設定される。
また、ポリスチレン系樹脂発泡シート5a,5bのそれぞれの片面に樹脂層4a,4bを設ける方法としては、
(1)樹脂層4a,4bとなる樹脂を押出機に投入し、これを溶融し、押出機先端に取り付けたTダイからポリスチレン系樹脂発泡シート上に押し出す方法、
(2)2つの押出機を備えた共押出装置を用い、一方の押出機で前記ポリスチレン系樹脂発泡シートの発泡押し出しを行うと共に、他方の押出機から樹脂層4a,4bとなる樹脂を共押出しする方法、
(3)樹脂層4a,4bとなる樹脂フィルムを、接着剤を用いてポリスチレン系樹脂発泡シートの片面に接着する方法、
などが挙げられる。樹脂層4a,4bのベース樹脂としてポリスチレン系樹脂を用いる場合には、接着剤を用いずにポリスチレン系樹脂発泡シートの片面に樹脂層4a,4bを形成する前記(1)または(2)の方法が好ましい。
次に、2つの原反ローラ6a,6bから引き出した2枚のポリスチレン系樹脂発泡シート5a,5bを、直接、またはローラ7で支持し、重ね合わせた状態で熱ロール9a,9bに供給する。熱ロール9a,9bに送られる前に、それぞれのポリスチレン系樹脂発泡シート5a,5bの接合面側をヒータ8a,8bで加熱し、その表面を溶融発泡させた状態にしておく。このヒータ8a,8bによる加熱条件は、ポリスチレン系樹脂発泡シート5a,5bの接合面を最高到達温度100〜160℃に加熱することが望ましく、発生熱量や発泡シートとの間隔等は、ポリスチレン系樹脂発泡シート5a,5bの移動速度などに応じて適宜設定される。
押出発泡法によって製造されたポリスチレン系樹脂発泡シート5a,5bの表面は、押出発泡後に冷却することで、表面に表皮層(またはスキン層)と呼ばれる非発泡の樹脂薄層が形成されている場合が多い。本製造方法では、ポリスチレン系樹脂発泡シート5a,5bの表面をヒータ8a,8bで加熱した後、両者を押圧して融着接合することで、それぞれのポリスチレン系樹脂発泡シート5a,5bの表面が溶融し、残存している揮発性発泡剤によって発泡し、表皮層が発泡層となった状態で融着接合される。この結果、2枚のポリスチレン系樹脂発泡シート5a,5bの融着接合部3には表皮層に起因する非発泡樹脂層がなく、また残留する揮発性発泡剤の量も少なくなる。
ヒータ8a,8bで加熱され、その表面を溶融発泡させた2枚のポリスチレン系樹脂発泡シート5a,5bは、熱ロール9a,9bを通して押圧することで、融着接合され、図1に示す積層構造を有するポリスチレン系樹脂積層発泡板1となる。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板1は、裁断工程に送られ、カッター10等の切断手段によって所望の寸法に裁断される。
本実施形態のポリスチレン系樹脂積層発泡板の製造方法は、樹脂供給装置内でポリスチレン系樹脂と発泡剤とを溶融混練して押出発泡させて得られた複数枚のポリスチレン系樹脂発泡シート2a,2bを製造し、得られたポリスチレン系樹脂発泡シート2a,2bに樹脂層4a,4bを積層し、前記ポリスチレン系樹脂発泡シート2a,2bの発泡シート側表面を加熱して複数枚重ね合わせて押圧し、2枚のポリスチレン系樹脂発泡シート2a,2bが積層され、両方の外側面に樹脂層4a,4bが積層され、前記樹脂層4a,4bの表面抵抗率が1013Ω/□未満であるポリスチレン系樹脂積層発泡板1を得ることによって、軽量で、テープリールン必要な諸特性を維持できるポリスチレン系樹脂積層発泡板を効率よく安価に製造することができる。
(テープリール用側板)
図3は、本発明のテープリール用側板の一例を示す図である。
このテープリール用側板21は、前述した本発明に係るポリスチレン系樹脂積層発泡板1を所定寸法の円形状に打ち抜き加工して得られたものである。
なお、図3に例示したテープリール用側板21は、複数の穴23a,23b,23cや中心部に穿設した軸穴24が設けられているが、これらの詳細な構成は特に限定されず、テープリールを取り付ける製造装置等のリール係合構造等に適合するように適宜変更可能である。
(テープリール)
図3及び図4は、本発明のテープリールの一例を示す図である。
このテープリール20は、円筒状をなすコア材22の両端面に、前述したテープリール用側板21,21がそれぞれ接合された構成になっている。
コア材22の中心部には、テープリール用側板21の軸穴24と合致する軸穴24が穿設されている。
テープリール用側板21は、前述した本発明に係るポリスチレン系樹脂積層発泡板1を打ち抜き加工することで得られたものであり、またテープリール20は、コア材22の両端面に、テープリール用側板21,21をそれぞれ接合させた構成なので、軽量で、テープリールに必要な諸特性を持続できる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、発泡層が2枚のポリスチレン系樹脂発泡シートで構成されているが、本発明はこれに限定されず、発泡層が1枚のポリスチレン系樹脂発泡シートで構成されていてもよいし、3枚以上のポリスチレン系樹脂発泡シートで構成されていてもよい。
上述の実施形態では、発泡層の両面に樹脂層が設けられているが、本発明はこれに限定されず、発泡層の少なくとも一方の面に樹脂層が設けられていればよい。ただし、テープリールに必要な諸特性の持続性のさらなる向上を図る観点から、帯電防止剤及び光安定剤から選ばれる1種以上を含有する樹脂層が発泡層の両面に設けられているのが好ましい。
上述の実施形態では、樹脂層は非発泡層であるが、本発明はこれに限定されず、樹脂層が発泡層でもよい。ただし、ポリスチレン系樹脂積層発泡板の剛性をより高め、平滑性をより高める観点から、樹脂層は非発泡層が好ましい。
上述の実施形態では、樹脂層が一層で構成されているが、本発明はこれに限定されず、樹脂層が2層以上で構成されていてもよい。
上述の実施形態では、樹脂層が発泡層に直接積層されているが、本発明はこれに限定されず、発泡層と樹脂層との間に中間層が設けられていてもよい。中間層としては、熱可塑性樹脂で構成され、帯電防止剤及び光安定剤を含有しない非発泡層が挙げられる。
上述した通り、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡板は、発泡層と、発泡層の少なくとも一方の面に設けられた樹脂層とを備え、樹脂層は帯電防止剤及び光安定剤から選ばれる1種以上を含有するため、テープリールに必要な諸特性を維持できる。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡板は、表面平滑性、剛性、帯電防止性能、粉立ちの抑制、色調の劣化抑制等、テープリールに必要な諸特性を持続できるため、テープリールの部材(例えば、側板等)に利用できる。
特に、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡板は、電子部品等を収容するキャリアテープや、キャリアテープの開口部を封止するカバーテープのテープリールとして好適に利用できる。
(実施例1)
発泡核剤(タルク)を60質量部と、ポリスチレン樹脂40質量部とを混合し、これを押出温度200℃で溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチAを得た。
内径115mm押出機と内径180mm押出機とが連結された押出機を用い、ポリスチレン樹脂(PSジャパン社製、商品名:G0002)100質量部に対し、マスターバッチAを0.8質量部混合し、これを押出機に投入して溶融混練し、発泡剤としてブタン(イソ/ノルマル=70/30%)を3.1質量部添加し、樹脂と混合しつつ発泡適正温度域まで冷却した。
さらに、押出機先端に取り付けた、口径180φでスリットクリアランス0.5mmに設定されたサーキュラーダイより溶融樹脂を大気下へ押出して発泡した。押出された円筒状の発泡体の両表面をエアーにて冷却しつつ、ダイに近接配置した冷却マンドレルに接触させて冷却した後、水平方向2点でカッターにより切り開き、巻き取り器にてロール状に巻き取ることで、ポリスチレン系樹脂発泡シート(発泡シート)のロール(発泡シートロール)を得た。
得られた発泡シートロールを所定の熟成期間保存した。Tダイを備えた押出機に、熱可塑性帯電防止樹脂(PSジャパン社製、商品名:RH455)75質量部と、ハイインパクトポリスチレン系樹脂(PSジャパン社製、商品名:475D)25質量部とをあらかじめ混合し、投入した。
次いで、発泡シートの片面に厚み170μmの非発泡フィルムを溶融押出して積層して、樹脂層を設けた。得られた樹脂層付きの発泡シートは、厚み2.2mm、密度0.19g/cmであった。
得られた樹脂層付きの発泡シートのロールを2つ用い、図2の製造装置で、2枚の発泡シートの発泡層面をヒータにより加熱し、二次発泡させつつ、挟圧ロールにて発泡層面同士を熱融着させて接合し、図1に示す、両面に樹脂層が設けられたポリスチレン系樹脂積層発泡板を得た。
このポリスチレン系樹脂積層発泡板を直径φ670mmに打ち抜き加工を行ってテープリール用側板とした。ポリスチレン樹脂発泡粒子を成形した発泡倍率30倍、直径φ200mmのコア材の両端面に、テープリール用側板をEVA系ホットメルト接着剤にて接着してテープリールを作製した。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表1に示す。
なお、表1〜4中、光安定剤及び帯電防止剤の含有量は、樹脂層100質量%における含有量である。
また、表中に示された表面抵抗率「XE+Y」は、「X×10」を表す(Xは仮数、Yは指数)。
(実施例2)
マスターバッチAを0.7質量部とし、発泡剤を2.8質量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡シートロールを得た。
得られた発泡シートロールを所定の熟成期間で保存した。
熱可塑性帯電防止樹脂(PSジャパン社製、商品名:RH455)100質量部からなりインフレーション製法により得られた厚み25μmのフィルムを熱ラミネートにより発泡シートの片面に積層して、樹脂層を設けた。得られた樹脂層付の発泡シートは、厚み2.2mm、密度0.11g/cmであった。
この樹脂層付の発泡シートを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリスチレン系樹脂積層発泡板とテープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表1に示す。
(実施例3)
樹脂層の厚みを110μmとした以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同様にして発泡シートロールを得た。
東洋スチレン社製汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)90質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)5質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)5質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチBを作製した。
ハイインパクトポリスチレン系樹脂(PSジャパン社製、商品名:475D)を95質量%と、マスターバッチBを5質量とを混合した。これをプラコー(株)製40φインフレーション加工機を用いて、樹脂温度220℃、ダイス温度200℃の条件でフィルム加工を行なった。この時フィルム幅1000mm、フィルム厚み25μmを保ちながら、押出機スクリュー回転数と引取速度を調節して、しわの入らない状態でフィルムを作製した。作製されたフィルムは、本例における樹脂層を形成する。
得られた発泡シートロールを所定の熟成期間で保存した。Tダイを備えた押出機(120φ)に、ハイインパクトポリスチレン系樹脂(PSジャパン社製、商品名:461N)100質量部を投入した。
押出機を最高温度240℃に設定し、ハイインパクトポリスレン系樹脂を発泡シートの片面に、厚み140μmで溶融押出して積層して、中間層を設けた。この中間層が冷却しきらないうちに、前述の樹脂層を形成するフィルムを重ねて融着させ、樹脂層を設けた。得られた樹脂層付きの発泡シートは、厚み2.3mm、密度0.152g/cmであった。
そして、樹脂層付きの発泡シートを用い、実施例1と同様にして、両面に樹脂層が設けられたポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表1に示す。
(実施例5)
東洋スチレン社製汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)95質量部に対し、光安定剤としてヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)5質量部を混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチCを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチCを用いた以外は、実施例4と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表1に示す。
(実施例6)
東洋スチレン社製汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)95質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)5質量部を混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチDを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチDを用いた以外は、実施例4と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表1に示す。
(実施例7)
ハイインパクトポリスチレン系樹脂(商品名:475D)と、マスターバッチBとに代えて、熱可塑性帯電防止樹脂(PSジャパン社製、商品名:RH455)75質量部と、ハイインパクトポリスチレン系樹脂(商品名:475D)20質量部と、マスターバッチB5質量部とを用いてフィルムを作製した以外は、実施例4と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表1に示す。
(実施例8)
中間層を設けなかった以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表2に示す。
(実施例9)
Tダイを備えた押出機に、熱可塑性帯電防止樹脂(商品名:RH455)75質量部と、ハイインパクトポリスチレン系樹脂(商品名:475D)20質量部と、マスターバッチB5質量%とをあらかじめ混合し、投入した。これを発泡シートの片面に溶融押出して、厚み140μmの樹脂層を設けた以外は、実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表2に示す。
(実施例10)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)80質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)15質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)5質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチEを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチEを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表2に示す。
(実施例11)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)70質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)25質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)5質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチFを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチFを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表2に示す。
(実施例12)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)80質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)5質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)15質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチGを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチGを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表2に示す。
(実施例13)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)70質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)5質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)25質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチHを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチHを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表2に示す。
(実施例14)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)92質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)3質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)5質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチIを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチIを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表2に示す。
(実施例15)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)94.5質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)0.5質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)5質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチJを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチJを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表3に示す。
(実施例16)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)92質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)5質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)3質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチKを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチKを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表3に示す。
(実施例17)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)94.5質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)5質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)0.5質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチLを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチLを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表3に示す。
(実施例18)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)50質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)25質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)25質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチMを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチMを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表3に示す。
(実施例19)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)99質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)0.5質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)0.5質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチNを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチNを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表3に示す。
(実施例20)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)90質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)5質量部と、サリチレート系紫外線吸収剤(ケミプロ化成社製、商品名:ケミソーブ21)5質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチOを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチOを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表3に示す。
(実施例21)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)90質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)5質量部と、オキザニリド系紫外線吸収剤(Clariant社製、商品名:Sanduvor VSU)5質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチPを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチPを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表3に示す。
(実施例22)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)90質量部に対し、光安定剤としてシアノアクリレート系紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Uvinul 3030)5質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)5質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチQを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチQを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表4に示す。
(実施例23)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)90質量部に対し、光安定剤としてベンゾフェノン系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−46)5質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)5質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチRを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチRを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表4に示す。
(実施例24)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)95質量部に対し、光安定剤としてヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)5質量部を混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチSを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチSを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表4に示す。
(実施例25)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)95質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)5質量部を混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチTを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチTを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表4に示す。
(実施例26)
汎用ポリスチレン(GPPS)(商品名:トーヨースチロールHRM10N)86質量部に対し、光安定剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−31)5質量部と、ヒンダードアミン系光安定剤(ADEKA社製、商品名:アデカスタブ LA−402 XP)5質量部と、低分子型帯電防止剤(ミヨシ社製、商品名:ネオダスパーLA−2000)4質量部とを混合した。これを押出温度200℃にて溶融混練し、棒状成形体として吐出した。吐出した成形体を水冷し、ペレタイザーでペレット化して、マスターバッチUを作製した。
マスターバッチBに代えてマスターバッチUを用いた以外は、実施例7と同様にしてポリスチレン系樹脂積層発泡板と、テープリールとを得た。
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表4に示す。
(比較例1)
内径115mm押出機と150mm押出機が連結された押出機を用い、ポリスチレン樹脂(PSJ社製、商品名:G0002)100質量部に対して、マスターバッチAを0.7質量部混合して溶融混練し、発泡剤としてブタン(イソ/ノルマル=70/30%)を2.8質量部添加し、樹脂と混合しつつ発泡適正温度域まで冷却した。
さらに押出機先端に取り付けた、口径180φでスリットクリアランス0.9mmに設定されたサーキュラーダイよりチューブ状に発泡シートを押出した。
次いで、このチューブ状発泡シートを、冷却機能をもったロール間を通過させ、チューブ状発泡シート内面を融着させてポリスチレン系樹脂発泡板を得た。得られたポリスチレン系樹脂発泡板は全体密度0.105g/cm、厚み5.0mmであった。
得られたポリスチレン系樹脂発泡板について、全体厚み、フィルム層厚み、曲げ強度、曲げ弾性率、密度、幅方向のバラツキ、表面抵抗率を測定した。
また、実施例1と同様にしてテープリールを得、得られたテープリールについて、落下試験、促進暴露試験後の黄変度、ダイナップ全吸収エネルギー、促進暴露試験後の表面抵抗率の測定及び総合評価を行い、その結果を表4に示す。
(評価方法)
<全体厚み>
ポリスチレン系樹脂積層発泡板の幅方向の両端20mmを除いた部分を、幅方向に等間隔に10cm×10cmに切り出し、各切片の全体厚みをダイヤルシックネスゲージSM−112(テクロック社製)で測定した。
<樹脂層厚み>
ポリスチレン系樹脂積層発泡板の厚み断面をマイクロスコープ(高精度デジタルマイクロスコープ VHX−500(キーエンス社製)、レンズ倍率50倍)で観察し、ポリスチレン系樹脂発泡シートに積層したフィルム厚みを8点測定し、その平均値を算出した。
<曲げ強度、曲げ弾性率>
MD方向、TD方向ともに、シート両端50mmを除いた等間隔の5箇所よりMD方向、TD方向が各々長さ方向となる様に切り抜いて、試験片とした。曲げ強度及び曲げ弾性率は、以下の条件にて測定した。
測定装置:テンシロン万能試験機 UCT−10T(オリエンテック社製)
測定条件:試験片 (幅)50mm×(長さ)150mm×(厚み)試験片原厚み、試験速度 50mm/分、支点間距離 100mm、先端冶具 加圧くさび 3.2R、指示台 3.2R。
得られた曲げ強度、曲げ弾性率の相加平均した値を各々曲げ強度(MPa)、曲げ弾性率(MPa)を求めた。
<全体密度、幅方向密度バラツキ>
得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板の幅方向の両端20mmを除いた部分を、幅方向に等間隔に10cm×10cmに切り取り、各切片の質量を測定する。さらに各切片をダイヤルシックネスゲージSM−112(テクロック社製)を使用して厚みを測定した。得られた各切片の質量と厚みから密度(g/cm)を算出し、各切片の密度の相加平均した値をポリスチレン系樹脂積層発泡板の密度(Dav)とした。
さらに、各切片の最大密度(Dmax)と最小密度(Dmin)から下式を用いて密度のバラツキを求めた。
密度バラツキ(%)=(Dmax−Dmin)/Dav×100(%)
<落下試験>
テープリールにポリスチレン製テープ2kgを巻きつけ、これをダンボールケースに入れて試験体とした。試験体を30cmの高さから繰り返し100回落下させた。その後、ダンボール内のテープリールを取り出し、異物(チップ)の発生具合と側板の外観(変形具合)を確認し、下記評価基準にて評価した。
S:チップの発生なし、変形もない。
A:チップの発生はないが、若干の変形がある。
B:チップの発生が見られ、若干の変形がある。
C:チップの発生が激しく、大きな変形がある。
<促進暴露試験>
ポリスチレン系樹脂積層発泡板に対して、JIS A1415:1999記載の「高分子系建築材料の実験室光源による促進暴露試験方法 WX−B」(引用規格JIS K7350−2:2008「プラスチック−実験室光源による暴露試験方法−第2部:キセノンランプ」)により測定した。試験片は、50mm×150mmm×原厚み(色差評価等の場合)または100mm×100mm×原厚み(ダイナタップ衝撃強度試験及び表面抵抗率の測定の場合)をスーパーキセノンウェザーメーターSX75型(スガ試験機(株)製)にセットし、以下の照射条件で促進暴露試験を行った。
光源:キセノンランプ、水冷式。
インナーフィルター:石英。
アウターフィルター:#275。
ブラックパネル設定温度:63℃。
スプレー(噴霧):無し。
暗転:無し。
放射照度:180W/m(波長域300〜400nm)。
試験槽設定温度:30℃。
試験槽設定湿度:50%。
照射時間:310時間。
<黄変度の測定>
促進暴露試験前後のポリスチレン系樹脂積層発泡板について、JIS Z8722:2009「色の測定方法−反射及び透過物体色」記載の方法に準じて、黄変度を測定した。
分光式色彩計SE−2000(日本電色工業(株)製)、データ処理ソフト・カラーメイト5(日本電色工業(株)製)を用いて、1辺100mmの正方形で原厚みの試料を、光源[D65/10°視野]にて、バックに押え専用白板を使用し反射法で測定した。基準とする色と測定する色差を測定し、得られたΔEを黄変度とした。但し、試験片は温度23±2℃、湿度50±5%で24時間以上、状態調節後、試験環境として温度20±2℃、湿度65±5%で測定した。
標準板には、三刺激値(C/2)、Y=96.09,X=94.13,Z=113.36のものを用いた。得られる値は、L(明度:白>黒)、a(色相:赤>緑)、b(彩度:黄>青)、ΔE(色差)である。
<ダイナタップ衝撃強度試験>
促進暴露試験前後のポリスチレン系樹脂積層発泡板について、ASTM D−3763(Standard Test Method for High Speed Puncture Properties of Plastics Using Load and Displacement Sensors)に準じて測定した。即ち、試験片を長さ100mm×幅100mm×原厚みとし、試験装置(ダイナタップ衝撃試験装置GRC 8250、General Research Corp社製)を用い、下記条件にて全吸収エネルギー(J)を測定した。
試験速度:1.2〜13.4mm/分
試験荷重:3.24〜44.98kg
試験片支持スパン:φ76mm
使用タップ:先端半円球状で直径1/2インチ・フルスケール3500ポンド(1.6t)
試験温度:−50〜175℃
また、促進暴露試験前後のポリスチレン系樹脂積層発泡板の全吸収エネルギー(J)の変化量を下記式にてダウン率として算出した。
ダウン率(%)={(促進暴露試験後のポリスチレン系樹脂積層板の全吸収エネルギー(J))−(促進暴露試験前のポリスチレン系樹脂積層板の全吸収エネルギー(J))}/(促進暴露試験前のポリスチレン系樹脂積層発泡板の全吸収エネルギー(J))×100
算出されたダウン率を下記評価基準に分類した。
≪評価基準≫
S:−17%以上
A:−25%以上−17%未満
B:−30%以上−25%未満
C:−30%未満
<表面抵抗率>
促進暴露試験前後のポリスチレン系樹脂積層発泡板に対して、JIS K6911:1995「熱硬化性プラスチックー般試験方法」記載の方法により表面抵抗率を求めた。
具体的には、一辺が10cmの平面正方形状の試験片を恒温、恒湿度の雰囲気下に24時間放置した後、恒温、恒湿度温度の環境下、試験装置(アドバンテスト社製、デジタル超高抵抗/微少電流計R8340及びレジスティビティ・チェンバR12702A)を使用し、試験片に、約30Nの荷重にて電極を圧着させ500Vの電圧を印加して1分経過後の表面抵抗Rs(Ω)を測定し、表面抵抗率ρs(Ω/□)を次式により算出した。
算出された表面抵抗率を下記評価基準に分類した。
ρs=π(D+d)/(D−d)×Rs
ただし、
ρs:表面抵抗率(Ω/□)
D:表面の環状電極の内径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、7cm)
d:表面電極の内円の外径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、5cm)
Rs:表面抵抗(Ω)
また、測定は3回実施し、それぞれの相加平均値を求めた。
なお、促進暴露試験前のポリスチレン系樹脂積層発泡板については、下記の標準条件下及び低湿度条件下の両方の条件下で測定した。低湿度条件下での帯電防止性能を評価する目的で、下記の低湿度条件下での結果を下記評価基準に分類して、帯電防止性能を評価した。
促進暴露試験後のポリスチレン系樹脂積層発泡板については、下記の標準条件下で測定した。光劣化後の帯電防止性能を評価する目的で、下記の標準条件下での結果を下記評価基準に分類して、帯電防止性能を評価した。
1.標準条件下:23℃、湿度65%
2.低湿度条件下:23℃、湿度30%
≪評価基準≫
A:1012Ω/□未満
B:1012Ω/□以上1014Ω/□未満
C:1014Ω/□以上
<総合評価>
促進暴露試験前の表面抵抗率、促進暴露試験後の表面抵抗率、落下試験、ダウン率の各評価について下記のようにポイントをつけ、その合計を総合評価点とした。
S:3ポイント
A:2ポイント
B:1ポイント
C:0ポイント
Figure 2013226826
Figure 2013226826
Figure 2013226826
Figure 2013226826
表1の結果から、本発明を適用した実施例1〜26のポリスチレン系樹脂積層発泡板は、MD方向とTD方向の曲げ強度の差が少なく、幅方向の密度バラツキが小さい物であった。加えて、実施例1〜26の総合評価点は、4点以上であった。
一方、比較例1のポリスチレン系樹脂発泡板は、MD方向とTD方向の曲げ強度の差が大きく、幅方向の密度バラツキが大きいものであった。加えて、比較例1の総合評価点は1点であった。
これらの結果から、本発明を適用することで、テープリールに必要な諸特性に優れ、かつこの諸特性を良好に維持できることが判った。
1 ポリスチレン系樹脂積層発泡板
2 発泡層
2a、2b、5a、5b ポリスチレン系樹脂発泡シート
4a、4b 樹脂層
20 テープリール
21 テープリール用側板
22 コア材

Claims (7)

  1. ポリスチレン系樹脂を発泡させてなる発泡層と、該発泡層の少なくとも一方の面に設けられた樹脂層とを備え、
    前記樹脂層は、帯電防止剤及び光安定剤から選ばれる1種以上を含有することを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡板。
  2. 前記樹脂層は、前記帯電防止剤及び前記光安定剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡板。
  3. 前記樹脂層は、前記光安定剤を2種以上含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡板。
  4. 前記樹脂層は、表面抵抗率が1013Ω/□未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡板。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡板を打ち抜き加工して得られることを特徴とするテープリール用側板。
  6. 請求項5に記載のテープリール用側板を備えることを特徴とするテープリール。
  7. ポリスチレン系樹脂と発泡剤とを溶融混練し、これを発泡させて発泡層を形成する工程と、
    前記発泡層の少なくとも一方の面に、帯電防止剤及び光安定剤から選ばれる1種以上を含有する樹脂層を設ける工程と、を備えることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡板の製造方法。
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