JP2024086178A - 塗装鋼板および給湯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐食性が高く、かつ排ガスによる変色が加工部に生じにくい塗装鋼板を提供すること。【解決手段】本発明の塗装鋼板は、鋼板と、AlおよびMgを含む亜鉛系めっき層と、クロメートフリーの下塗り塗膜と、上塗り塗膜と、がこの順番に積層されている。前記下塗り塗膜は、ガラス転移温度が0℃以上30℃以下であるバインダー樹脂と、顔料と、を含み、前記上塗り塗膜は、ガラス転移温度が20℃以上60℃以下であるバインダー樹脂と、アスペクト比が5以上である扁平形状の顔料と、を含み、前記扁平形状の顔料の含有量は、前記上塗り塗膜の全体積に対して、3体積%以上30体積%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、塗装鋼板および給湯器に関する。
エアコンの室外機や給湯器等の家電外装品、および屋根や壁等の外装用建材などの、屋外で使用される物品に用いられる鋼板には、高い耐食性が求められる。そのため、これらの屋外用途に用いられる鋼板として、亜鉛系めっき鋼板に、耐食性を高めるための防錆顔料を含む下塗り塗膜と、着色顔料を含む上塗り塗膜と、を有する塗装鋼板が用いられている(たとえば特許文献1など)。防錆顔料としては、以前は耐食効果が高いクロム系の防錆顔料が用いられていたが、近年では環境負荷を低減するため非クロム系の防錆顔料が使用されている。そのため、非クロム系の防錆顔料を使用しても、クロム系の防錆顔料と同様の高い耐食性を得ることが求められている。
たとえば特許文献1には、亜鉛系めっき鋼板上に形成する下塗り塗膜中の、有機樹脂(A)、硬化剤(B)、バナジン酸カルシウム(C)、シリカ(D)、ケイ酸塩(E)、およびトリポリリン酸金属塩(F)の配合量を調整することで、加工部の耐食性に優れた塗装鋼板を得ることができると記載されている。
特開2015-199803号公報
特許文献1に記載のように、塗装鋼板の耐食性を高める方法が種々検討されている。しかし、従来の方法でも赤錆の発生を抑制しきることはできておらず、さらなる耐食性の向上が求められている。
そこで、本発明者らは、アルミニウム(Al)およびマグネシウム(Mg)を含む亜鉛系めっき鋼板(Zn-Al-Mg系めっき鋼板)を使用することで、塗装鋼板の耐食性をさらに高める方法を検討した。しかし、Zn-Al-Mg系めっき鋼板を用いた塗装鋼板を上述した屋外用途に使用すると、耐食性は高まるものの、特に給湯器に使用したときなどには、SOxなどを含む排ガスによる変色が加工部に発生しやすかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、耐食性が高く、かつ排ガスによる変色が加工部に生じにくい塗装鋼板、および当該塗装鋼板を含む給湯器を提供することを、その目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、下記[1]~[8]の塗装鋼板に関する。
[1]鋼板と、
AlおよびMgを含む亜鉛系めっき層と、
クロメートフリーの下塗り塗膜と、
上塗り塗膜と、
がこの順番に積層され、
前記下塗り塗膜は、バインダー樹脂と、顔料と、を含む、ガラス転移温度が0℃以上30℃以下の塗膜であり、
前記上塗り塗膜は、バインダー樹脂と、アスペクト比が5以上である扁平形状の顔料と、を含む、ガラス転移温度が20℃以上60℃以下の塗膜であり、
前記扁平形状の顔料の含有量は、前記上塗り塗膜の全体積に対して、3体積%以上30体積%以下である、
塗装鋼板。
[2]前記扁平形状の顔料は、アルミニウム顔料である、[1]に記載の塗装鋼板。
[3]前記扁平形状の顔料は、膜厚が40nm以上の樹脂コーティングを有する、[1]に記載の塗装鋼板。
[4]前記扁平形状の顔料は、膜厚が40nm以上の樹脂コーティングを有する、[2]に記載の塗装鋼板。
[5]前記塗装鋼板を1T曲げ加工し、前記曲げ加工した加工部の断面のうち、前記亜鉛系めっき層に割れが生じている部位を観察したとき、
前記割れの直上の前記下塗り塗膜は、幅5μm以上の破断部を有さず、
前記割れの直上の前記上塗り塗膜は、破断部を有さない
部位が存在する、
[1]~[4]のいずれかに記載の塗装鋼板。
[6]前記下塗り塗膜は、
幅200μmの範囲における、
膜厚が最も薄い部位の膜厚(A)に対する膜厚が最も厚い部位の膜厚(B)の比率(B/A)が、1.0以上4.0以下である、
[1]~[5]のいずれかに記載の塗装鋼板。
[7]前記下塗り塗膜が含む前記顔料は、バナジウムを含む化合物の粒子とマグネシウムを含む化合物の粒子とを含む、[1]~[6]のいずれかに記載の塗装鋼板。
[8]前記下塗り塗膜が含む前記顔料は、マグネシウムを含む化合物の粒子とりんおよびアルミニウムを含む化合物の粒子とを含む、[1]~[7]のいずれかに記載の塗装鋼板。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、下記[9]の給湯器に関する。
[9][1]~[8]のいずれかに記載の塗装鋼板を有する、給湯器。
本発明によれば、耐食性が高く、かつ排ガスによる変色が加工部に生じにくい塗装鋼板、および当該塗装鋼板を含む給湯器が提供される。
図1Aおよび図1Bは、本発明の塗装鋼板の断面図であり、図1Cは、従来の塗装鋼板の断面図である。 図2Aは、本発明の塗装鋼板の加工部の断面図であり、図2Bは、従来の塗装鋼板の加工部の断面図である。
1.塗装鋼板
本発明の一実施形態は、鋼板上にこの順番に積層された、AlおよびMgを含む亜鉛系めっき層、下塗り塗膜および上塗り塗膜を有する塗装鋼板に関する。図1Aに示すように、塗装鋼板100は、鋼板110、亜鉛系めっき層120、下塗り塗膜130および上塗り塗膜140を有する。なお、塗装鋼板はこれら以外の層を有してもよく、たとえば亜鉛系めっき層と下塗り塗膜との間に、化成処理層を有してもよい。以下、各構成要件について説明する。
1-1.鋼板110
鋼板の種類は特に限定されず、JIS G 3131(2018年)に記載の熱延軟鋼板および鋼帯、JIS G 3113(2018年)に記載の自動車用熱延鋼板および鋼帯、JIS G 3141(2017年)に記載の冷延鋼板および鋼帯など、あらゆる鋼板を使用することができる。
1-2.亜鉛系めっき層120
塗装鋼板は、AlおよびMgを含む亜鉛系めっき層(以下、単に「亜鉛系めっき層」ともいう。)を有する。具体的には、亜鉛系めっき層は、Alの含有量が0.5質量%以上60.0質量%以下、Mgの含有量が0.5質量%以上15.0質量%以下であり、ケイ素(Si)などの他の元素を微量に含んでもよく、かつ残部が亜鉛(Zn)および不純物からなるめっき層とすることができる。
亜鉛系めっき層中のAlの含有量を0.5質量%以上とすることで、亜鉛系めっき層の鋼板への密着性および塗装鋼板の耐食性を向上させることができる。Alの含有量の上限は特に定められないが、他の成分を十分に含ませ、特には亜鉛による耐腐食性を十分に高める観点から、60質量%以下とすることが好ましい。これらを両立させる観点から、亜鉛系めっき層中のAlの含有量は、0.5質量%以上25.0質量%以下とすることがより好ましく、5.0質量%以上20.0質量%以下とすることがさらに好ましい。
亜鉛系めっき層中のMgの含有量を0.5質量%以上とすることで、塗装鋼板の耐食性を向上させることができる。Mgの含有量を15.0質量%以下とすることで、亜鉛系めっき層の鋼板への密着性を十分に担保することができる。これらを両立させる観点から、亜鉛系めっき層中のMgの含有量は、0.5質量%以上10.0質量%以下とすることがより好ましく、2.0質量%以上8.0質量%以下とすることがさらに好ましい。
亜鉛系めっき層は、密着性を高めるためにSiを含んでもよい。亜鉛系めっき層中のSiの含有量は、0.01質量%以上2.0質量%以下とすることができ、0.1質量%以上1.6質量%以下であることが好ましい。
また、亜鉛系めっき層は、鉄(Fe)、アンチモン(Sb)および鉛(Pb)などを含んでもよい。これらの元素の含有量は、0.01質量%以上1質量%以下とすることができる。
亜鉛系めっき層の具体例には、Zn-11%Al-3%Mg-0.2%Si合金めっき層、Zn-6%Al-3%Mg合金めっき層およびZn-19%Al-6%Mg-微量Si合金めっき層などが含まれる。これらの亜鉛系めっき層を有するめっき鋼板の市販品の例には、日本製鉄株式会社製のスーパーダイマ、ZAMおよびZEXEED(「スーパーダイマ」、「ZAM」および「ZEXEED」はいずれも同社の登録商標)などが含まれる。
亜鉛系めっき層の付着量は、20g/m以上120g/m以下であることが好ましく、30g/m以上90g/m以下であることがより好ましい。亜鉛系めっき層の付着量がより多いほど、塗装鋼板の耐食性をより高めることができる。亜鉛系めっき層の付着量厚の上限は、塗装鋼板の用途等に応じて適宜定めればよい。
亜鉛系めっき層の平均膜厚は、3μm以上25μm以下であることが好ましく、9μm以上25μm以下であることがより好ましい。亜鉛系めっき層の平均膜厚がより大きいほど、塗装鋼板の耐食性をより高めることができる。亜鉛系めっき層の平均膜厚の上限は、塗装鋼板の用途等に応じて適宜定めればよい。
亜鉛系めっき層の付着量は、インヒビター入り塩酸で亜鉛系めっき層を溶解したときの溶解前後の重量差(亜鉛系めっき層の溶解重量)を、溶解した亜鉛系めっき層の面積で除算して、求めることができる。このとき、亜鉛系めっき層を溶解した溶解液に含まれるAl、Mg、Zn、Siなどの元素の重量比率を高周波誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)発光分光分析法により測定・算出して、これらの元素の比率から亜鉛系めっき層の平均比重を算出することができる。そして、溶解重量を平均比重で除算して得られる亜鉛系めっき層の体積を、溶解した亜鉛系めっき層の面積で除算して、亜鉛系めっき層の平均膜厚を求めることができる。
亜鉛系めっき層は、必要に応じて洗浄および脱脂などの前処理をした鋼板を、上記した成分比の溶融亜鉛系めっき浴(たとえば、浴温が450℃以上のめっき浴)に浸漬して鋼板の表面に亜鉛系めっきを付着させ、その後、めっき浴から取り出して冷却(たとえば10℃/秒以上の冷却速度で冷却)して形成することができる。
1-3.化成処理層
化成処理層は、亜鉛系めっき層と下塗り塗膜との間の密着性および鋼板の耐食性を向上させる。化成処理層の種類は特に限定されず、クロメート処理、クロメートフリー処理、およびリン酸塩処理などの公知の化成処理により形成された層とすることができる。これらのうち、クロメートフリー処理により形成されたクロメートフリーの化成処理層が好ましい。
クロメートフリーの化成処理層は、たとえば、バインダー樹脂、シランカップリング剤、ジルコニウム化合物、シリカ、リン酸またはその塩、フッ化物、バナジウム化合物、およびタンニンまたはタンニン酸などを含む層とすることができる。これらの材料を含む化成処理層は、下塗り塗膜の成膜性および亜鉛系めっき層への密着性を高めやすく、かつ、水分や腐食性イオン等の腐食因子に対するバリア性(緻密性)が高いため塗装鋼板の耐食性を高めやすい。
特に、シランカップリング剤およびジルコニウム化合物は、化成処理層中に架橋構造を形成して、亜鉛系めっき層への化成処理層の密着性を高め、かつバリア性を向上させて塗装鋼板の耐食性をより高めることができる。また、シリカ、リン酸またはその塩、フッ化物およびバナジウム化合物は、インヒビターとして機能して沈殿皮膜や不動態皮膜を形成して、塗装鋼板の耐食性をより高めることができる。
バインダー樹脂の種類は特に限定されず、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、およびポリオレフィン樹脂などの公知の有機樹脂を使用することができる。亜鉛系めっき層への密着性を高める観点からは、分子鎖中に極性部位や極性官能基をもつ、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂などを使用することが好ましい。これらの樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
バインダー樹脂の含有量は、化成処理層の全質量に対して、1質量%以上85質量%以下であることが好ましく、1質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上40質量%以下であることがさらに好ましい。
シランカップリング剤の例には、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリエトキシシラン、γ-クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ-アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ-アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ-アニリノプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、オクタデシルジメチル[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル[3-(メチルジメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル[3-(メチルジエトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、およびトリメチルクロロシランなどが含まれる。これらのシランカップリング剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤の添加量は、化成処理層を形成するための化成処理液中、2g/L以上80g/L以下とすることができる。上記範囲とすることで、化成処理層と、亜鉛系めっき層および下塗り塗膜との間の密着性をより高め、なおかつ塗装鋼板の耐食性をより高めることができる。
ジルコニウム化合物の例には、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムビスアセチルアセトネート、ジルコニウムモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムモノステアレート、炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモ二ウム、炭酸ジルコニウムカリウム、および炭酸ジルコニウムナトリウムなどが含まれる。これらのジルコニウム化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ジルコニウム化合物の添加量は、化成処理層を形成するための化成処理液中、2g/L以上80g/L以下とすることができる。上記範囲とすることで、化成処理層と、亜鉛系めっき層および下塗り塗膜との間の密着性をより高め、なおかつ塗装鋼板の耐食性をより高めることができる。
シリカは、市販のシリカゲルおよび粉末シリカなどを広く使用することができる。
シリカの添加量は、化成処理層を形成するための化成処理液中、1g/L以上40g/L以下とすることができる。上記範囲とすることで、塗装鋼板の耐食性をより高め、かつ化成処理層と下塗り塗膜との間の密着性をより高めることができる。
リン酸またはその塩の例には、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、および四リン酸などのリン酸類またはこれらの塩(たとえばリン酸三アンモニウム、およびリン酸水素二アンモニウムなどのアンモニウム塩)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、およびジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)等のホスホン酸類またはこれらの塩、ならびにフィチン酸などの有機リン酸類またはこれらの塩などが含まれる。なお、塩は、アンモニウム塩のほか、Na、Mg、Al、K、Ca、Mn、Ni、Zn、およびFeなどとの金属塩を使用してもよい。これらのリン酸またはその塩は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
リン酸またはその塩の含有量は、化成処理層の全質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。上記範囲とすることで、塗装鋼板の耐食性をより高め、かつ化成処理層と下塗り塗膜との間の密着性をより高めることができる。
フッ化物の例には、ジルコンフッ化アンモニウム、ケイフッ化アンモニウム、チタンフッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、チタンフッ化水素酸、およびジルコンフッ化水素酸などが含まれる。これらのフッ化物は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フッ化物の含有量は、化成処理層の全質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。塗装鋼板の耐食性をより高め、かつ化成処理層と下塗り塗膜との間の密着性をより高めることができる。
バナジウム化合物の例には、五酸化バナジウム、メタバナジン酸、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、およびオキシ三塩化バナジウムなどの5価のバナジウム化合物を還元剤で2~4価に還元したバナジウム化合物、ならびに、三酸化バナジウム、二酸化バナジウム、オキシ硫酸バナジウム、オキシ蓚酸バナジウム、バナジウムオキシアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、三塩化バナジウム、リンバナドモリブデン酸、硫酸バナジウム、二塩化バナジウム、酸化バナジウムなどの2~4価のバナジウム化合物などが含まれる。これらのバナジウム化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
バナジウム化合物の含有量は、化成処理層の全質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。塗装鋼板の耐食性をより高め、かつ化成処理層と下塗り塗膜との間の密着性をより高めることができる。
タンニンまたはタンニン酸は、加水分解できるタンニンでもよいし、縮合タンニンでもよい。タンニンまたはタンニン酸の例には、ハマメタタンニン、五倍子タンニン、没食子タンニン、ミロバランのタンニン、ジビジビのタンニン、アルガロビラのタンニン、バロニアのタンニン、およびカテキンなどが含まれる。
タンニンまたはタンニン酸の添加量は、化成処理層を形成するための化成処理液中、2g/L以上80g/L以下とすることができる。上記範囲とすることで、塗装鋼板の耐食性をより高め、かつ化成処理層と下塗り塗膜との間の密着性をより高めることができる。
化成処理層の付着量は、10mg/m以上1000mg/m以下であることが好ましく、20mg/m以上800mg/mであることがより好ましく、50mg/m以上600mg/m以下であることがさらに好ましい。このときの化成処理層の膜厚は、化成処理層に含まれる成分の種類にもよるが、概ね0.01~1μm程度である。
化成処理層は、上記例示した成分などを含む化成処理液を亜鉛系めっき層の表面に塗布し、乾燥して形成することができる。なお、化成処理液は、pH調整のための酸およびアルカリなどを含んでいてもよい。
1-4.下塗り塗膜130
下塗り塗膜は、鋼板と上塗り塗膜との間に配置されたクロメートフリーの下塗り塗膜(プライマー層)であり、バインダー樹脂と、顔料と、を含む、ガラス転移温度が0℃以上30℃以下の層である。
上述したAlおよびMgを含む亜鉛系めっき層を塗装鋼板に用いることで、塗装鋼板の耐食性を高めることができる。一方で、本発明者らの知見によると、上記亜鉛系めっき層は硬質であり、加工時にめっき層の割れが生じやすい。このとき、下塗り塗膜および上塗り塗膜は、当該割れの直上の部位(割れの塗装鋼板表面側に存在する部位)において上記割れにより局所的に引き延ばされる。そのため、下塗り塗膜および上塗り塗膜は、上記直上の部位に割れが生じやすい(たとえば、従来の塗装鋼板100bの加工部の構成を示す断面図である図2Bを参照。)。そして、これらの割れから排ガスが侵入して亜鉛系めっき層の金属成分と反応することで、亜鉛系めっき層に変色が生じる。
これに対し、下塗り塗膜は、ガラス転移温度(Tg)が0℃以上30℃以下である柔軟な塗膜である。Tgが低く柔軟な塗膜を下塗り塗膜とすることで、亜鉛系めっき層の割れの直上の部位において、局所的に引き延ばされることによる割れが生じにくくなり、下塗り塗膜の割れに起因する加工部の変色を抑制できると考えられる(本発明の塗装鋼板100の加工部の構成を示す断面図である図2Aを参照。)。また、下塗り塗膜の割れを抑制することで、割れから侵入した水分による腐食も抑制し、加工部の耐食性も高めることができると考えられる。
一方で、下塗り塗膜のTgを0℃以上とすることで、下塗り塗膜のガスバリア性および耐水性を十分に確保して、加工部および非加工部における亜鉛系めっき層の変色をより生じにくくし、かつ塗装鋼板の耐食性も十分に確保することができる。
これらを両立させる観点から、下塗り塗膜のTgは、0℃以上30℃以下であり、0℃以上25℃以下であることが好ましく、0℃以上15℃以下であることがより好ましい。
下塗り塗膜は、上塗り塗膜よりもTgが低いことが好ましい。下塗り塗膜のTgをより低くすることで、亜鉛系めっき層に割れが生じたときに、当該割れの直上の部位における下塗り塗膜の割れをより生じにくくして、亜鉛系めっき層への変色を効果的に抑制することができる。
下塗り塗膜のTgとは、顔料や硬化剤を含む塗膜の場合にはこれらを添加した後の塗膜のバルクとしてのTgである。塗膜のTgは鋼板に塗装された塗膜を剥離して示差走査熱量分析装置(一般に、DSCと呼ばれる)を用いて測定してもよいし、塗装鋼板として塗装された状態で熱機械分析装置(一般に、TMAと呼ばれる)を用いて測定してもよい。また、その他一般に公知の方法にて測定してもよい。なお塗膜のTgは測定機器や測定条件により多少の誤差が生じることが知られている。そのため、本発明では複数ある一般に公知のTg測定方法の内、いずれか1つの方法、すなわち、DSCを用いた方法およびTMAを用いた方法などのいずれかで測定された塗膜のTgが請求項で規定する範囲であれば本発明に含まれるものとする。
1-4-1.バインダー樹脂(下塗り塗膜)
下塗り塗膜が含むバインダー樹脂は、硬化性樹脂であることが好ましい。硬化性樹脂の例には、ポリアクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリブチラール系樹脂、メラミン系樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等などが含まれる。これらのうち、加工性および上塗り塗膜との密着性を高める観点からは、ポリエステル樹脂が好ましい。
硬化性ポリエステル樹脂の例には、オイルフリーポリエステル、(油変性)アルキド樹脂およびこれらの樹脂の変性物などの水酸基含有ポリエステル樹脂が含まれる。
オイルフリーポリエステルは、多塩基酸成分と多価アルコール成分との重縮合物である。多塩基酸成分の例には、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などのジカルボン酸、およびこれらの酸の低級アルキルエステル化物が含まれる。多価アルコール成分の例には、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAアルキレンオキシド付加物などの2価のアルコールや;トリメチロールプロパン(TMP)、ペンタエリスリトール(PE)、トリメチロールエタン(TME)、エリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、グリセリンなどの3価以上のアルコールが含まれる。
アルキド樹脂は、前述のオイルフリーポリエステルの多塩基酸成分および多価アルコール成分に加えて、油脂肪酸も既知の方法で反応させた樹脂である。油脂肪酸の例には、ヤシ油脂肪酸や大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸が含まれる。
下塗り塗膜のTgを低くする観点から、硬化性樹脂のTgがより低いことが好ましい。たとえば、硬化性樹脂のTgは、-10℃以上25℃以下とすることができる。
また、硬化性樹脂は、下塗り塗膜を形成するための塗料(下塗り塗料)中における数平均分子量が10000以上20000以下であることが好ましく、13000以上20000以下であることがより好ましく、15000以上20000以下であることがさらに好ましい。硬化性樹脂の数平均分子量がより小さいほど、加工時に塗膜表面に疵が入りにくくなる。硬化性樹脂の数平均分子量がより大きいほど、亜鉛系めっき層の割れ部で塗膜が割れにくくなる。
硬化性樹脂は、下塗り塗料中に、硬化剤と併用されて含まれることが好ましい。
硬化剤は、硬化性樹脂の種類に応じて選択されうる。例えば、水酸基含有ポリエステル樹脂の硬化剤としては、メラミン化合物やイソシアネート化合物を用いることができる。
メラミン化合物の例には、イミノ基型、メチロールイミノ基型、メチロール基型または完全アルキル基型のメラミン化合物などが含まれる。
イソシアネートの例には、m-キシレンジイソシアネート、およびナフタレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式イソシアネート、ならびにヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネートが含まれる。これらのイソシアネート化合物は、ブロックイソシアネートであってもよい。
これらのうち、上塗り塗膜との十分な密着性を確保しやすいためイソシアネートが望ましい。
硬化剤の含有量は、硬化性樹脂の全質量に対して2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。硬化剤の含有量が2質量%以上であると、硬化性樹脂を硬化させ、かつ上塗り樹脂との密着性を高めやすく、20質量%以下であると、硬化性樹脂の硬化物の柔軟性が損なわれにくく、亜鉛系めっき層の割れが生じている部位の直上において下塗り塗膜に割れが生じにくい。硬化剤の含有量は、上記観点から、硬化性樹脂の全質量に対して2質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
1-4-2.顔料
下塗り塗膜が含む顔料は、防錆効果を担保するための防錆顔料とすることができる。
防錆顔料は、非クロメート系の顔料であることが好ましい。防錆顔料の例には、
バナジン酸カルシウム、バナジン酸マグネシウムおよびメタバナジン酸アンモニウムなどのバナジウムを含む化合物の粒子、
酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、およびりん酸マグネシウムなどを含むマグネシウムを含む化合物の粒子、
オルトりん酸アルミニウム、二りん酸アルミニウム、三りん酸アルミニウム、およびメタりん酸アルミニウムなどを含む、りんおよびアルミニウムを含む化合物の粒子、ならびに
カルシウムイオン交換シリカ(カルシウムシリケート)、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸バリウム、酸化バナジウム、オルトリン酸、ピロリン酸、メタリン酸、次リン酸、亜リン酸、および次亜リン酸などの粒子などが含まれる。
これらのうち、下塗り塗膜は、バナジウムを含む化合物の粒子とマグネシウムを含む化合物の粒子との組み合わせ、またはマグネシウムを含む化合物の粒子とりんおよびアルミニウムを含む化合物の粒子との組み合わせを含むことが好ましい。
本発明者らの知見によると、AlおよびMgを含む亜鉛系めっき層を塗装鋼板に用いると、塗膜がカットされたカット部から水が侵入して腐食を進行させることによる塗膜の膨れ、特には長期間にわたって屋外で使用したときの塗膜の膨れが生じやすい。
これに対し、バナジウムを含む化合物の粒子とマグネシウムを含む化合物の粒子とを組み合わせると、バナジウムを含む化合物から放出されたバナジン酸イオンが亜鉛系めっき層の表面で塩を形成して亜鉛系めっき層の表面に吸着する。また、マグネシウムを含む化合物から放出されたマグネシウムイオンが亜鉛系めっき層の表面で水酸化マグネシウムを形成して、亜鉛系めっき層の表面のうち、バナジン酸塩による被覆が十分ではない部位を埋めるように被覆する。上記組みあわせは、これらの効果により亜鉛系めっき層の表面に密なバリア層を形成して、カット部における耐食性を高め、上記膨れを生じにくくすることができる。
また、マグネシウムを含む化合物の粒子とりんおよびアルミニウムを含む化合物とを組み合わせると、マグネシウムを含む化合物から早期に放出されるマグネシウムイオンによる耐食効果と、りんおよびアルミニウムを含む化合物から長期間にわたって放出されるりん酸イオンによる耐食効果およびpH緩衝作用と、の組み合わせにより、カット部における耐食性を長期間にわたって高め、上記膨れを生じにくくすることができる。
なお、防錆顔料の種類はこれらの組み合わせのみに限定されることはなく、たとえば下塗り塗膜はバナジウムを含む化合物の粒子、マグネシウムを含む化合物の粒子およびりんおよびアルミニウムを含む化合物の粒子のすべてを含んでいてもよいし、これらの他の防錆顔料を含んでいてもよい。
また、下塗り塗膜は、防錆顔料に加えて、あるいは防錆顔料の代わりに、着色顔料、メタリック顔料、体質顔料などを含んでいてもよい。着色顔料の例には、カーボンブラック、酸化クロム、酸化鉄、ベンガラ、チタンイエロー、コバルトブルー、コバルトグリーン、アニリンブラックおよびフタロシアニンブルーなどが含まれる。メタリック顔料の例には、アルミニウムフレーク(ノンリーフィングタイプ)、ブロンズフレーク、銅フレーク、ステンレス鋼フレークおよびニッケルフレークなどが含まれる。体質顔料の例には、硫酸バリウム、酸化チタン、水分散シリカ、ヒュームドシリカ、および炭酸カルシウム等が含まれる。
顔料の平均粒子径は特に限定されないものの、バナジウムを含む化合物の粒子、マグネシウムを含む化合物の粒子、りんおよびアルミニウムを含む化合物の粒子、およびその他の顔料のそれぞれが、0.5μm以上4μm以下であることが好ましく、0.5μm以上3μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上2μm以下であることがさらに好ましい。顔料の平均粒子径がより大きいほど、下塗り塗膜によるガスバリア性および耐水性をより高めて、加工部および非加工部の変色をより効果的に抑制し、かつ塗装鋼板の耐食性もより高めることができる。一方で、顔料の平均粒子径を過剰に大きくはしないことで、下塗り塗膜のバインダー樹脂が顔料により分断された部位を起点とする下塗り塗膜の割れを生じにくくし(特には加工部における割れをより生じにくくし)、加工部および非加工部の変色をさらに効果的に抑制することができる。
顔料の平均粒子径を測定する方法は以下の通りである。対象とする塗装鋼板を適当な大きさに切断して板厚方向断面が見えるように樹脂埋め込みし、断面を研磨し、その後、断面(研磨面)の下塗り塗膜層のFE-EPMAマッピング分析を倍率6000倍、加速電圧15kVで行う。下塗り塗膜層から検出された元素を検出対象元素として元素濃度マッピング撮影を行う。次に、同一サンプルの同じ位置を倍率6000倍でSEM画像撮影し、先のEPMAマッピング画像と照合することにより、SEM画像上での各顔料を特定する。SEM画像上で塗装鋼板の平面方向に200μmを測定範囲とし、範囲内の下塗り塗膜中に存在するすべての顔料の粒子径(真円でない場合は最も長い径:長径を粒子径とする)を測定する。同様にして10視野を観察し、各視野で測定した各顔料の粒子径を平均して、各顔料の平均粒子径とする。
また、下塗り塗膜によるガスバリア性をより高めて、加工部および非加工部の変色をより効果的に抑制する観点からは、下塗り塗膜中には顔料がより密に添加されていることが好ましい。上記観点から、塗装鋼板の断面における、下塗り塗膜の全面積に対する、下塗り塗膜中に顔料が占める面積の比率は、50%以上80%以下であることが好ましく、60%以上80%以下であることがより好ましく、70%以上80%以下であることがさらに好ましい。下塗り塗膜中に顔料が占める面積の比率は、塗装鋼板のうち任意に選択した10箇所の断面を観察し、これらの断面について測定された比率の平均値とすることができる。下塗り塗膜の全面積に対する、下塗り塗膜中に顔料が占める面積の比率は、断面のSEM画像から一般的な画像解析ソフト(たとえばimagejなど)を用いて求めることができる。
ところで、本発明者らの知見によれば、粒子径が大きい顔料を用いると、下塗り塗膜の中に、粒子径が大きい顔料により膜厚が厚くなった部分と、顔料が存在せず(あるいは粒子径が大きい顔料がわずかにしか存在せず)膜厚が薄い部分と、の間の膜厚差が、下塗り塗膜中に生じる(たとえば、従来の塗装鋼板100aの構成を示す断面図である図1Cを参照。)。これに対し、上記した顔料がバインダー樹脂を分断した部位を起点とする下塗り塗膜の割れを生じにくくする観点からは、下塗り塗膜は粒子径が大きい顔料の量が少ないことが好ましく、つまりは下塗り塗膜中の膜厚差がより小さいことが好ましい(本発明の塗装鋼板100の構成を示す断面図である図1Aおよび図1Bを参照。)。
上記観点から、下塗り塗膜は、幅200μmの範囲における、膜厚が最も薄い部位の膜厚(A)に対する膜厚が最も厚い部位の膜厚(B)の比率(B/A)が、1.0以上4.0以下であることが好ましく、1.0以上3.5以下であることがより好ましく、1.0以上3.0以下であることがさらに好ましい。比率(B/A)は、塗装鋼板を15×20mmの大きさに切断し、板厚方向が見えるように樹脂埋め込み、断面研磨を実施し、SEMにより断面を観察し、塗装鋼板の平面方向に200μmの範囲内における、下塗り塗膜の膜厚の最も薄い部位の膜厚(A)と最も厚い部位の膜厚(B)の比率(B/A)を求める。同様にしてSEMで10視野観察し、10か所の比率(B/A)から、平均値を算出して、当該塗装鋼板の比率(B/A)とする。
1-4-3.膜厚・製造方法
下塗り塗膜の膜厚は、2μm以上10μm以下であることが好ましい。下塗り塗膜の膜厚をより大きくするほど、亜鉛系めっき層の変色をより抑制し、かつ塗装鋼板の耐食性をより高めることができる。下塗り塗膜の膜厚を過剰とはしない程度にすることで、塗装鋼板の加工性をより高めることができる。上記観点から、下塗り塗膜の膜厚は、3μm以上8μm以下であることがより好ましく、4μm以上8μm以下であることがさらに好ましい。
下塗り塗膜は、上記例示した成分などを含む下塗り塗料を亜鉛系めっき層(または化成処理層)の表面に塗布し、焼き付けてバインダー樹脂を硬化させつつ乾燥させて形成することができる。焼き付けの温度は特に限定されないが、下塗り塗膜の密着性を担保し、かつバインダー樹脂の熱劣化を抑制する観点から、たとえば150℃以上300℃以下とすることができる。
下塗り塗料の塗布方法は特に限定されず、ロールコート、カーテンフローコート、エアースプレー、エアーレススプレーなどの公知の方法を使用することができる。
1-5.上塗り塗膜140
上塗り塗膜は、下塗り塗膜の表面側には配置されたクロメートフリーの上塗り塗膜(トップコート層)であり、バインダー樹脂と、顔料と、を含む、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上60℃以下の層である。
上塗り塗膜は、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上60℃以下の層である。下塗り塗膜と同様に、上塗り塗膜をTgが低く柔軟なものとすることで、亜鉛系めっき層の割れの直上の部位における、局所的に引き延ばされることによる割れが生じにくくなり、上塗り塗膜の割れから侵入した排ガスによる亜鉛系めっき層の変色、特には加工部における亜鉛系めっき層の変色を抑制することができる。
また、上塗り塗膜への割れの発生を抑制することで、上記割れから侵入した排ガスと上塗り塗膜が含む金属顔料とが反応することによる、金属顔料の変色も抑制することができる。
一方で、上塗り塗膜のTgを20℃以上とすることで、上塗り塗膜のガスバリア性を十分に高め、亜鉛系めっき層および金属顔料の変色、特には平坦な非加工部における変色をより十分に抑制することができる。
これらを両立させる観点から、上塗り塗膜のTgは、20℃以上60℃以下であり、30℃以上60℃以下であることが好ましく、35℃以上60℃以下であることがより好ましい。
上塗り塗膜は、下塗り塗膜よりもTgが高いことが好ましい。上塗り塗膜のTgをより高くすることで、塗装鋼板の塗膜内部への排ガスの侵入をより効果的に抑制し、特には非加工部における排ガスによる変色を効果的に抑制することができる。なお、上塗り塗膜の膜厚は、下塗り塗膜の膜厚よりも大きいことが好ましい。上塗り塗膜の膜厚をより大きくすることで、上塗り塗膜のTgをより高くしても、加工部に割れを発生させにくくすることができる。
上塗り塗膜のTgは、下塗り塗膜のTgと同様の方法により測定することができる。
1-5-1.バインダー樹脂(上塗り塗膜)
上塗り塗膜が含むバインダー樹脂は、硬化性樹脂であることが好ましい。硬化性樹脂の例には、ポリアクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリブチラール系樹脂、メラミン系樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等などが含まれる。これらのうち、塗装鋼板の加工性および下塗り塗膜との密着性を高める観点からは、ポリエステル樹脂が好ましい。上記ポリエステル樹脂としては、下塗り塗膜が含むことができるとして説明したポリエステル樹脂などを特に限定されず使用することができる。
上塗り塗膜のTgを低くする観点から、硬化性樹脂はTgがより低いことが好ましい。たとえば、硬化性樹脂のTgは、10℃以上55℃以下とすることができる。
また、硬化性樹脂は、上塗り塗膜を形成するための塗料(上塗り塗料)中における数平均分子量が10000以上20000以下であることが好ましく、13000以上20000以下であることがより好ましく、15000以上20000以下であることがさらに好ましい。硬化性樹脂の数平均分子量がより大きいほど、硬化性樹脂の数平均分子量がより小さいほど、加工時に塗膜の表面に疵が入りにくくなる。硬化性樹脂の数平均分子量がより大きいほど、亜鉛系めっき層の割により引き延ばされた上塗り塗膜に割れが生じにくくなる。
また、硬化性樹脂は、上塗り塗料中に、硬化剤と併用されて含まれることが好ましい。硬化剤としては、下塗り塗料について説明した硬化剤を同様に好ましく使用することができる。硬化剤の含有量は、硬化性樹脂の全質量に対して20質量%以上45質量%以下であることが好ましい。硬化剤の含有量が20質量%以上であると、硬化性樹脂を十分に硬化させうるため、塗装鋼板の耐食性を高めやすく、45質量%以下であると、硬化性樹脂の硬化物の柔軟性が損なわれにくく、亜鉛系めっき層の割れが生じている部位の直上の上塗り塗膜に割れが生じにくい。硬化剤の含有量は、上記観点から、硬化性樹脂の全質量に対して25質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
1-5-2.扁平形状の顔料
上塗り塗膜は、アスペクト比が5以上である扁平形状の顔料を含む。なお、アスペクト比とは、顔料の幅が最も長くなる長手方向への幅と、長手方向に直交する方向のうち顔料の幅が最も短くなる短手方向への幅と、の比率(長手方向への幅/短手方向への幅)である。
なお、長手方向に直交する方向のうち短手方向とは異なる方向への幅は特に限定されないが、長手方向への幅に対して0.5以上1以下であることが好ましく、0.7以上1以下であることがより好ましい。当該方向からみた扁平形状の顔料の形状は特に限定されず、円形、楕円形、長円形、多角形およびその他の任意の不定形であってもよい。
扁平形状の顔料は、上塗り塗膜中で、顔料の長手方向が上塗り塗膜の膜内方向(鋼板・亜鉛系めっき層・下塗り塗膜の表面に水平な方向)に配向して存在する。この配向した扁平形状の顔料は、亜鉛系めっき層の割れにより上塗り塗膜が引き延ばされたときに、上塗り塗膜の伸長を阻害しにくい。そのため、扁平形状の顔料は上塗り塗膜を割れにくくして、当該割れから排ガスが侵入することによる亜鉛系めっき層や金属顔料(扁平形状の顔料が金属顔料であったとき)の変色、特には加工部におけるこれらの変色を抑制することができる。扁平顔料の長手方向の粒子径(最大粒子径)は特に規定されないが、過剰に長いと加工時に、扁平顔料と上塗り塗料の隙間が生じて排ガスが侵入する起点となる場合がある。上記観点から扁平顔料の好ましい最大粒子径は上塗り塗膜の膜厚の4倍以下であり、0.2倍以上4倍以下であることが好ましい。たとえば、上塗り塗膜が15μmの場合、扁平顔料の好ましい最大粒子径は60μm以下である。
上記観点から、扁平顔料のアスペクト比は5以上40以下であることが好ましく、10以上35以下であることがより好ましく、15以上35以下であることがさらに好ましい。アスペクト比は以下のようにして求めることができる。塗装鋼板を15×20mmの大きさに切断し、板厚方向が見えるように樹脂に埋め込み、断面研磨を実施し、SEMにより断面を観察し断面SEM画像を取得する。断面SEM画像中の塗装鋼板の平面方向に200μmの範囲内における、上塗り塗膜中の扁平顔料すべてのアスペクト比を求める。本作業を、塗装鋼板の切り出しを5か所、各場所について5視野、計25か所を観察して上塗り塗膜中の扁平顔料のアスペクト比を求める。計25か所の平均を扁平顔料のアスペクト比とする。
上塗り塗膜中の扁平形状の顔料の含有量は、上塗り塗膜の全体積に対して3体積%以上30体積%以下である。扁平顔料の含有量をより多くすることで、上塗り塗膜をより割れにくくして、亜鉛系めっき層や金属顔料の変色を十分に抑制することができる。扁平顔料の量を所定範囲に抑えることで、扁平形状の顔料を起点とする上塗り塗膜の割れを生じにくくし(特には加工部における割れをより生じにくくし)、加工部および非加工部の変色をさらに効果的に抑制することができる。上記観点から、上塗り塗膜中の扁平形状の顔料の含有量は、上塗り塗膜の全体積に対して5体積%以上25体積%以下であることが好ましく、5体積%以上20体積%以下であることがより好ましい。
上塗り塗膜中の扁平顔料の含有量は以下の方法で測定することができる。塗装鋼板の平面方向の塗膜の数mm程度の範囲では顔料はほぼ均一に分散しているため扁平顔料の上塗り塗膜中の体積率と断面での観察される上塗り塗膜中の扁平顔料の面積率はほぼ同じと考えることができる。塗装鋼板を15×20mmの大きさに切断し、板厚方向が見えるように樹脂に埋め込み、断面研磨を実施し、SEMにより断面を観察し断面SEM画像を取得する。断面SEM画像中の塗装鋼板表面と平面方向に200μmの範囲内における、上塗り塗膜中の扁平顔料の占める面積を、画像解析ソフト等を用いて算出する。本作業を、塗装鋼板の切り出しを5か所、各場所について5視野、計25か所を観察して上塗り塗膜中の扁平顔料の占める面積を求める。計25か所の面積率を平均し、上塗り塗膜中の扁平顔料の体積率とすることができる。また別の手法として、FBI加工とSEM観察を繰り返し、連続画像を取得(一般的にSlice&Viewと呼ばれる手法)することで塗膜中の顔料の体積計算を行うことも可能であり、この方法を採用して上塗り塗膜中の扁平顔料の体積率を算出することも可能である。
扁平形状の顔料の種類は特に限定されず、金属顔料であってもよいし、パールやガラスなどの非金属の顔料であってもよい。これらのうち、塗装鋼板にメタリック調の外観を付与する観点から、扁平形状の顔料はアルミニウムやニッケルなどの金属顔料であることが好ましく、アルミニウム顔料であることがより好ましい。また、扁平形状の顔料として金属顔料を用いたときは、排ガスによる金属顔料の変色による塗装鋼板の変色が生じやすく、そのため本発明の効果が顕著にみられる。
扁平形状の顔料は、樹脂コーティングされていることが好ましい。樹脂コーティングすることにより、上塗り塗膜のバインダー樹脂を透過した排ガスによる扁平形状の顔料の変色を抑制することができる。
樹脂コーティングに使用する樹脂の種類は特に限定されず、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、およびウレタン樹脂などを使用することができる。これらのうち、ガスバリア性が高く、変色抑制効果が高いことから、アクリル樹脂が好ましい。
樹脂コーティングの膜厚は、より厚いほど変色抑制効果が高い。上記観点から、樹脂コーティングの膜厚は、40nm以上であることが好ましく、40nm以上300nm以下であることがより好ましく、100nm以上300nm以下であることがさらに好ましく、150nm以上300nm以下であることが特に好ましい。樹脂コーティングの膜厚の上限は特に限定されないものの、製造コストを抑制する観点から300nm以下とすることができる。樹脂コーティングの膜厚は上塗り塗膜中の扁平顔料をFIB加工等でサンプリングし、断面をTEM観察することで測定することができる。扁平顔料を25個観察し、各顔料の樹脂コーティングの膜厚を求め、平均したものを樹脂コーティング膜厚とすることができる。
1-5-3.その他の成分
上塗り塗膜は、上述したバインダー樹脂および扁平形状の顔料以外に、非扁平形状の顔料および粒子、分散剤、レベリング剤、有機ワックス、無機ワックス、紫外線吸収剤および光安定剤などを含んでもよい。
非扁平形状の顔料は、公知の着色顔料、メタリック顔料、体質顔料などとすることができる。着色顔料の例には、カーボンブラック、酸化クロム、酸化鉄、ベンガラ、チタンイエロー、コバルトブルー、コバルトグリーン、アニリンブラックおよびフタロシアニンブルーなどが含まれる。メタリック顔料の例には、アルミニウムフレーク(ノンリーフィングタイプ)、ブロンズフレーク、銅フレーク、ステンレス鋼フレークおよびニッケルフレークなどが含まれる。体質顔料の例には、硫酸バリウム、酸化チタン、水分散シリカ、ヒュームドシリカ、および炭酸カルシウムなどが含まれる。
上塗り塗膜が非扁平形状の顔料を含むとき、当該非扁平形状の顔料と扁平形状の顔料とをあわせた含有量が、上塗り塗膜の全体積に対して3体積%以上60体積%以下であることが好ましい。
有機ワックスの例には、フッ素系ワックス、ポリエチレン系ワックス、スチレン系ワックス、およびポリプロピレン系ワックスなどが含まれる。無機ワックスの例には、二硫化モリブデンやタルクなどが含まれる。これらの有機ワックスおよび無機ワックスの含有量は、上塗り塗膜の全体積に対して0体積%以上10体積%以下とすることができる。
1-5-4.膜厚・製造方法
上塗り塗膜の膜厚は特に限定されないが、下塗り塗膜と上塗り塗膜とを合計した膜厚が10μm以上30μm以下となる膜厚であることが好ましい。これらの合計の膜厚をより大きくするほど、亜鉛系めっき層および金属顔料の変色をより抑制し、かつ塗装鋼板の耐食性をより高めることができる。これらの合計の膜厚を過剰とはしない程度にすることで、塗装鋼板の加工性をより高めることができる。上記観点から、上塗り塗膜の膜厚は、13μm以上28μm以下であることがより好ましく、20m以上25μm以下であることがさらに好ましい。
上塗り塗膜は、上記例示した成分などを含む上塗り塗料を下塗り塗膜の表面に塗布し、焼き付けてバインダー樹脂を硬化させつつ乾燥させて形成することができる。焼き付けの温度は特に限定されないが、上塗り塗膜の密着性を担保し、かつバインダー樹脂の熱劣化を抑制する観点から、たとえば150℃以上300℃以下とすることができる。
上塗り塗料の塗布方法は特に限定されず、ロールコート、カーテンフローコート、エアースプレーなどの公知の方法を使用することができる。
1-6.塗装鋼板の特徴
上述した塗装鋼板は、亜鉛系めっき鋼板は耐食性が高い一方で曲げ加工したときに割れを生じることがあるものの、当該割れが生じている部位を被覆する下塗り塗膜および上塗り塗膜に塗膜割れが生じにくい、という特徴を有する。これにより、曲げ加工部における排ガスによる変色が抑制される。
具体的には、塗装鋼板を1T曲げ加工し、当該曲げ加工した加工部の断面のうち、亜鉛系めっき層に割れが生じている部位を観察したとき、下記2つの条件を満たす塗装鋼板が、上記各条件により達成される。
条件1:めっき割れ直上の下塗り塗膜は最大幅が5μm以上の破断部を有さない
条件2:めっき割れ直上の上塗り塗膜は破断部を有さない
曲げ加工部に、亜鉛系めっき層の割れ複数個所で生じていたときは、当該複数個所のうち1か所が上記条件を満たすことが好ましく、当該複数個所のすべてが上記条件を満たすことがより好ましい。なお、上記条件は、塗装鋼板を1T曲げ加工したときに亜鉛系めっき層に割れが発生することを必須とするものではなく、亜鉛系めっき層に割れが発生しなくてもよいことは言うまでもない。
1-7.用途
上述した塗装鋼板は、エアコン室外機や給湯器などの家電外装品などの、主に屋外で使用される物品をはじめとして、各種の用途に使用することができる。
1-8.その他
上述した塗装鋼板は亜鉛系めっき層、下塗り塗膜および上塗り塗膜を、鋼板の一方の表面のみに有していてもよいし、両方の表面に有していてもよい。鋼板の一方の面のみに上述した各層を有するときは、塗装鋼板のうち、加工時に曲げ部の外側となる表面に、上述した各層を有することが好ましい。また、鋼板の一方の面のみに上述した各層を有するときは、他方の表面には、これとは異なる構成の塗装がされていてもよい。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
1.塗装鋼板の作製
1-1.亜鉛系めっき鋼板
以下の2種類の亜鉛系めっき鋼板を用意した。
鋼板に、片面あたりのめっき付着量が45g/mとなるように溶融Zn-11質量%Al-3質量%Mg―0.2質量%Siめっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板を作製し、これを「SD」とした。
鋼板に、片面あたりのめっき付着量が45g/mとなるように溶融Zn-6質量%Al-3質量%Mgめっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板を作製し、これを「ZM」とした。
鋼板に、片面あたりのめっき付着量が45g/mとなるように溶融Zn-19質量%Al-3質量%Mgめっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板を作製し、これを「ZX」とした。
鋼板に、片面あたりのめっき付着量が45g/mとなるように溶融Znめっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板を作製し、これを「GI」とした。
1-2.化成処理層の作製
上記めっき鋼板に対し、化成処理(CT-E236H/日本パーカライジング社製)を塗布量が80mg/mとなるようにバーコーターで塗布し、熱風炉中で金属表面到達温度が70℃となる条件で乾燥して、それぞれのめっき鋼板の表面に化成処理層を形成した。
1-3.下塗り塗膜の作製
1-3-1.下塗り塗料の調製
以下の材料を用意した。
バインダー樹脂として、ガラス転移温度が異なる複数種のポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびイソシアネート系硬化剤、メラミン系硬化剤を用意した。なお、硬化剤の量は、目標とする下塗り塗膜のガラス転移温度にあわせて、樹脂の全質量に対して3質量%~10質量%の範囲で適宜調整した。
(顔料)
顔料として、以下の顔料を用意した。
(バナジウムを含む化合物の粒子)
V1: バナジン酸カルシウムの粒子
V2: バナジン酸マグネシウムの粒子
V3: バナジン酸カルシウム-マグネシウムの粒子
(マグネシウムを含む化合物の粒子)
M1: 酸化マグネシウムの粒子(林純薬工業株式会社製)
M2: 水酸化マグネシウムの粒子(林純薬工業株式会社製)
M3: りん酸マグネシウムの粒子(太平化学産業株式会社製、メタリン酸マグネシウム)
(りんおよびアルミニウムを含む化合物の粒子)
PA1: りん酸アルミニウムの粒子(テイカ株式会社製、K-ホワイト#82)
PA2: トリポリりん酸二水素アルミニウムの粒子
PA3: 第二りん酸アルミニウムの粒子(太平化学産業株式会社製、第二リン酸アルミニウム)
(その他の顔料)
B: 硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製、沈降性硫酸バリウム100)
T: 酸化チタン(石原産業株式会社製、SR95)
S: 粒状シリカ
上記ポリエステル樹脂、硬化剤および顔料を、それぞれの種類および固形分中の質量割合(PWC)を表1および表2に記載されたようにしてシクロヘキサノンに分散させて、下塗り塗料1~下塗り塗料27を調製した。
Figure 2024086178000002
Figure 2024086178000003
1-3-2.下塗り塗膜の作製
化成処理層を形成しためっき鋼板の表面(化成処理層を形成した面)に、下塗り塗料1~下塗り塗料27のそれぞれを所定の膜厚となるようにバーコーターで塗布し、熱風炉中で金属表面到達温度が215℃となる条件で乾燥して、それぞれのめっき鋼板の化成処理層が形成された面に下塗り塗膜を形成した。
1-4.上塗り塗膜の作製
1-4-1.上塗り塗料の調製
以下の材料を用意した。
バインダー樹脂として、ガラス転移温度が異なる複数種のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂およびイソシアネート系硬化剤、メラミン系硬化剤を用意した。なお、硬化剤の量は、目標とする上塗り塗膜のガラス転移温度にあわせて、樹脂の全質量に対して20質量%~40質量%の範囲で適宜調整した。
扁平顔料として、以下の顔料を用意した。
A1(30): アルミフレーク(東洋アルミニウム株式会社製、5660NS)に、アクリル樹脂コーティングを施した被覆アルミ顔料
A1(50): アルミフレーク(東洋アルミニウム株式会社製、5660NS)に、アクリル樹脂コーティングを施した被覆アルミ顔料
A1(80): アルミフレーク(東洋アルミニウム株式会社製、5660NS)に、アクリル樹脂コーティングを施した被覆アルミ顔料
A1(100): アルミフレーク(東洋アルミニウム株式会社製、5660NS)に、アクリル樹脂コーティングを施した被覆アルミ顔料
A1(200): アルミフレーク(東洋アルミニウム株式会社製、5660NS)に、アクリル樹脂コーティングを施した被覆アルミ顔料
A2(100): アルミフレーク(東洋アルミニウム株式会社製、5640NS)に、アクリル樹脂コーティングを施した被覆アルミ顔料
A2(150): アルミフレーク(東洋アルミニウム株式会社製、5640NS)に、アクリル樹脂コーティングを施した被覆アルミ顔料
A3(100):アルミフレーク(東洋アルミニウム株式会社製、MG2030)に、アクリル樹脂コーティングを施した被覆アルミ顔料
A3(150):アルミフレーク(東洋アルミニウム株式会社製、MG2030)に、アクリル樹脂コーティングを施した被覆アルミ顔料
P(70): パール顔料(日本光研株式会社製、SXB)に、アクリル樹脂コーティングを施した被覆パール顔料
その他の顔料として、以下の顔料を用意した。
B: 硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製、沈降性硫酸バリウム100)
T: 酸化チタン(石原産業株式会社製、SR95)
S: 粒状シリカ
上記ポリエステル樹脂、硬化剤および各顔料を、扁平顔料の固形分中の体積割合を表3に記載されたようにしてシクロヘキサノンに分散させて、上塗り塗料1~上塗り塗料22を調製した。
Figure 2024086178000004
1-4-2.上塗り塗膜の作製
化成処理層および下塗り塗膜を形成しためっき鋼板の表面(下塗り塗膜を形成した面)に、上塗り塗料1~上塗り塗料22のそれぞれを所定の膜厚となるようにバーコーターで塗布し、熱風炉中で金属表面到達温度が230℃となる条件で乾燥して、それぞれのめっき鋼板の化成処理層が形成された面に下塗り塗膜を形成した。
1-5.ガラス転移温度、膜厚比・膜厚の測定
塗膜のTgは下塗り塗膜、上塗り塗膜を別々に採取しTG-DSC法で求めた。測定にはNETZSCH Japan株式会社のDSC 3500Siriusを使用した。測定条件は測定温度領域-120~80℃、昇温速度10℃/min、アルゴン雰囲気で測定した。
めっき鋼板、下塗り塗料、および上塗り塗料の種類を変更してそれぞれ上記方法により作製した塗装鋼板1~塗装鋼板30について、15×20mmの大きさに切断し、板厚方向が見えるように樹脂埋め込み、断面研磨を実施し、SEMにより断面を観察し、200μmの範囲内における、下塗り塗膜の厚みを断面SEM写真により測定した。そして、上記範囲中における、下塗り塗膜の膜厚が最も薄い部位の膜厚(A)に対する、下塗り塗膜の膜厚が最も厚い部位の膜厚(B)の比率(B/A)を求めた。この比率(B/A)の測定を、任意に選択した10箇所の断面について行い、その平均値を、当該塗装鋼板の、下塗り塗膜の膜厚比(B/A)とした。
また、塗装鋼板1~塗装鋼板30について、15×20mmの大きさに切断し、板厚方向が見えるように樹脂に埋め込み、断面研磨を実施し、SEMにより断面を観察し断面SEM画像を取得した。そして、断面SEM画像中の塗装鋼板表面と平面方向に200μmの範囲内における、上塗り塗膜中の扁平顔料すべてのアスペクト比を求めた。本作業を、塗装鋼板の切り出しを5か所、各場所について5視野、計25か所を観察して上塗り塗膜中の扁平顔料のアスペクト比を求める。計25か所の平均を、それぞれの上塗り塗膜に含まれる扁平顔料のアスペクト比とした。
また、上塗り塗膜中の扁平顔料をFIB加工によってサンプリングし、断面をTEM観察して扁平顔料を25個観察し、各顔料の樹脂コーティングの膜厚を求め、平均したものを、それぞれの上塗り塗膜に含まれる扁平顔料の樹脂コーティングのコート膜厚とした。
塗装鋼板1~塗装鋼板30の作製に用いためっきの種類、下塗り塗膜の構成(ガラス転移温度(Tg)、各顔料の量、膜厚比(B/A)、および形成時の目標膜厚)、ならびに上塗り塗膜の構成(ガラス転移温度(Tg)、扁平顔料のアスペクト比(AP比)、樹脂コーティングのコート膜厚、扁平顔料の量、その他の顔料の有無、および形成時の目標膜厚)を、表4~表6に示す。
Figure 2024086178000005
Figure 2024086178000006
Figure 2024086178000007
2.塗装鋼板の評価
塗装鋼板1~塗装鋼板30について、下塗り塗膜および上塗り塗膜が形成された面が表側となるように180°曲げ加工して、1T曲げ試験を行った。その後、180°曲げ加工された塗装鋼板および曲げ加工をしていない塗装鋼板について、以下の評価を行った。
2-1.めっきおよび塗膜の割れ
曲げ加工部の断面を観察し、亜鉛系めっき層に割れが生じているかどうかを確認した。亜鉛系めっき層に割れが生じていたときは、当該割れが生じている部位の直上の(割れの塗装鋼板表面側に存在する)下塗り塗膜および上塗り塗膜に割れが生じているかどうかを確認した。具体的には、塗装鋼板を20mm×40mmの大きさに切断して、1T曲げ試験を20℃にて行った。1T曲げ後の試験片を板厚方向が見えるように樹脂埋め込み、断面を研磨し、曲げ部の登頂のめっき割れが発生している部位を倍率1000倍でSEM観察(加速電圧15kV)を行った。めっき割れ部で下塗り塗膜が途切れている部分の長さを、曲げ部に発生しているめっき割れ部すべてで測定し、その中の最大値を当該割れの最大幅とした。
2-2.耐排ガス変色性(曲げ加工部)
塗装鋼板から50mm×50mmの試験片を切り出し、1T曲げ加工実施後に、切断端面を塗装シールで保護した。作製した曲げ試験片を60℃の1%硫酸に24時間浸漬し、浸漬後の曲げ加工部のうち曲げ頂点部50mmの観察範囲を、目視およびマイクロスコープ(倍率25倍)で観察した。観察部位に平坦部と比較して変色が認められたかどうかをもとに、下記基準で塗装鋼板の曲げ加工部の耐排ガス変色性を評価した。評価「3」以上を合格とした。
5.目視による観察およびマイクロスコープによる観察のいずれでも、観察部位に変色が認められなかった
4.目視による観察では観察部位に変色は認められなかったが、マイクロスコープによる観察では観察部位に4か所以下の変色部が認められた
3.目視による観察では観察部位に変色は認められなかったが、マイクロスコープによる観察では観察部位に5か所以上の変色部が認められた
2.目視による観察でも軽微な変色が認められた
1.目視による観察でも著しい変色が認められた
2-3.耐排ガス変色性(平坦部)
塗装鋼板から50mm×50mmの試験片を切り出し、切断端面を塗装シールで保護した。作製した試験片を60℃の1%硫酸に24時間浸漬し、50mm×50mmの観察範囲を、目視で観察した。観察部位に浸漬前と比較して変色が認められたかどうかをもとに、下記基準で塗装鋼板の平坦部の耐排ガス変色性を評価した。評価「3」以上を合格とした。
5.正面および斜めからの観察のいずれによっても変色は認められなかった
4.正面からの観察では変色は認められなかったが、斜めからの観察ではわずなか変色が認められた
3.正面からの観察では変色は認められなかったが、斜めからの観察では明瞭な変色が認められた
2.正面からの観察で軽微な変色が確認された
1.正面からの観察で著しい変色が確認された
2-4.耐食性
曲げ加工をしていない塗装鋼板にクロスカットを入れ、JIS Z 2371:2015に準じて塩水噴霧試験(SST試験)を行った。塗装鋼板から70mm×150mmのサンプルを採取した、このサンプルの切断断面を塗装シールし、鋼板表面の塗膜にカッターナイフで鉄地に至るまでの深い傷を長さ70mmで2本、X形状に入れた試験片を準備した。この試験片について塩水噴霧試験(SST試験)を実施した。連続1500時間のSST試験を実施した後のクロスカット部の傷部から垂直方向の塗膜への膨れが発生している部分の最大長さを膨れ幅として測定し、下記基準で塗装鋼板の耐食性を評価した。評価「4」以上を合格とした。
5.膨れ幅は1mm未満であった
4.膨れ幅は1mm以上2mm未満であった
3.膨れ幅は2mm以上4mm未満であった
2.膨れ幅は4m以上6mm未満であった
1.膨れ幅は6mm以上であった
塗装鋼板1~塗装鋼板30の評価結果を、表7に示す。
Figure 2024086178000008
表7から明らかなように、バインダー樹脂と顔料とを含むガラス転移温度が0℃以上30℃以下である下塗り塗膜と、バインダー樹脂と3体積%以上30体積%以下の量の扁平形状の顔料とを含みガラス転移温度が20℃以上60℃以下である上塗り塗膜が含む塗装鋼板1~21は、曲げ加工部および平坦部の耐排ガス変色性に優れ、かつ耐食性も良好だった。
ガラス転移温度が15℃以下である下塗り塗膜を含む塗装鋼板2、3、5、12、13、16は、曲げ加工部の耐排ガス変色性が特に優れていた。
上塗り塗膜に含まれる扁平形状の顔料が、膜厚150nm以上の樹脂コーティングを有する塗装鋼板9、13は、平坦部の耐排ガス変色性が特に優れていた。
一方で、上塗り塗膜のガラス転移温度が60℃よりも高い塗装鋼板22、23は、曲げ加工部の耐排ガス変色性が劣る結果となった。これらの塗装鋼板の断面を観察したところ、他の塗装鋼板よりも上塗り塗膜に割れが多く発生していた。
また、上塗り塗膜のガラス転移温度が20℃よりも低い塗装鋼板24は、平坦部の耐排ガス変色性が劣る結果となった。
また、下塗り塗膜のガラス転移温度が30℃よりも高い塗装鋼板25、26は、曲げ加工部の耐排ガス変色性が劣る結果となった。これらの塗装鋼板の断面を観察したところ、他の塗装鋼板よりも下塗り塗膜に割れが多く発生していた。
また、AlおよびMgを含まない亜鉛めっき層を設けた塗装鋼板29は、耐食性が劣る結果となった。
本発明の塗装鋼板は、耐食性が高く、かつ排ガスによる変色も生じにくい。そのため、本発明の塗装鋼板は、エアコンの室外機や給湯器等の家電外装品、および屋根や壁等の外装用建材などの、屋外で使用される物品の耐久性を高めることができる。
100 塗装鋼板
110 鋼板
120 亜鉛系めっき層
130 下塗り塗膜
140 上塗り塗膜

Claims (9)

  1. 鋼板と、
    AlおよびMgを含む亜鉛系めっき層と、
    クロメートフリーの下塗り塗膜と、
    上塗り塗膜と、
    がこの順番に積層され、
    前記下塗り塗膜は、バインダー樹脂と、顔料と、を含む、ガラス転移温度が0℃以上30℃以下の塗膜であり、
    前記上塗り塗膜は、バインダー樹脂と、アスペクト比が5以上である扁平形状の顔料と、を含む、ガラス転移温度が20℃以上60℃以下の塗膜であり、
    前記扁平形状の顔料の含有量は、前記上塗り塗膜の全体積に対して、3体積%以上30体積%以下である、
    塗装鋼板。
  2. 前記扁平形状の顔料は、アルミニウム顔料である、請求項1に記載の塗装鋼板。
  3. 前記扁平形状の顔料は、膜厚が40nm以上の樹脂コーティングを有する、請求項1に記載の塗装鋼板。
  4. 前記扁平形状の顔料は、膜厚が40nm以上の樹脂コーティングを有する、請求項2に記載の塗装鋼板。
  5. 前記塗装鋼板を1T曲げ加工し、前記曲げ加工した加工部の断面のうち、前記亜鉛系めっき層に割れが生じている部位を観察したとき、
    前記割れの直上の前記下塗り塗膜は、幅5μm以上の破断部を有さず、
    前記割れの直上の前記上塗り塗膜は、破断部を有さない
    部位が存在する、
    請求項1に記載の塗装鋼板。
  6. 前記下塗り塗膜は、
    幅200μmの範囲における、
    膜厚が最も薄い部位の膜厚(A)に対する膜厚が最も厚い部位の膜厚(B)の比率(B/A)が、1.0以上4.0以下である、
    請求項1に記載の塗装鋼板。
  7. 前記下塗り塗膜が含む前記顔料は、バナジウムを含む化合物の粒子とマグネシウムを含む化合物の粒子とを含む、請求項1に記載の塗装鋼板。
  8. 前記下塗り塗膜が含む前記顔料は、マグネシウムを含む化合物の粒子とりんおよびアルミニウムを含む化合物の粒子とを含む、請求項1に記載の塗装鋼板。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の塗装鋼板を有する、給湯器。
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