JP2024083846A - 配線基板及び配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板及び配線基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】TGVを有するガラス基板の表面及び裏面にそれぞれ設けられたキャパシタの下部電極間で寄生静電容量が発生するのを抑制する。【解決手段】配線基板は、第1面S1と第1面に対向する第2面S2とを有し、第1面から第2面まで達する貫通孔が設けられたガラス基板10と、貫通孔に設けられたビア70dと、第1面と向かい合う第3面S3が第1面及びビア70dに接する第1電極20aと、第1電極の上に設けられる第1誘電体層25と、第1誘電体層の上に設けられる第2電極30とを含む第1キャパシタC1と、第2面と向かい合う第4面S4a/S4bが第2面に接し且つビア70dに接していない第3電極70a/70bと、第3電極の上に設けられる第2誘電体層75と、第2誘電体層の上に設けられる第4電極80a/80bとを含む第2キャパシタC2a/C2bとを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、配線基板及び配線基板の製造方法に関する。
従来から、例えば、大規模集積回路(LSI)の実装技術として、シリコン貫通電極(TSV)を用いた実装技術が知られている。TSVが設けられたシリコン基板、即ち、シリコンインターポーザは、配線のデザインルールが互いに異なる集積回路(IC)チップ及びプリント基板のように、端子間距離が異なる部品を中継する配線基板である。
シリコンインターポーザでは、半導体であるシリコンを貫通電極から電気的に絶縁する必要がある。具体的には、貫通孔を形成した後に、シリコン基板へ絶縁処理を行う必要がある。また、シリコン基板は、それ自体が高価である。それ故、シリコンインターポーザには、製造コストが高いという問題がある。そこで、安価で大面積のガラス基板にガラス貫通電極(TGV)等を形成し、これを個片化することにより得られるガラスインターポーザが注目されている。
TGV技術においては、ガラス基板へ貫通孔を形成する必要がある。ガラス基板には、様々な方法で貫通孔を形成することができる。
例えば、特許文献1に記載されているように、パルス発振YAGレーザを使用したレーザ光照射によって、ガラス基板へ貫通孔を形成する技術が知られている。
特許文献2には、感光性ガラス基板に微細な孔を形成する方法が記載されている。この方法では、先ず、フォトマスクを介して感光性ガラス基板へ紫外線を照射して、感光性ガラス基板に潜像を形成する。次に、感光性ガラス基板を加熱処理して、潜像が形成された部分で結晶化を生じさせる。次いで、潜像を形成した部分の中央に、潜像よりも小さな穴をレーザ光照射により形成する。その後、弗酸を用いてエッチングを行い、結晶化させた部分を選択的にエッチングする。このようにして、レーザ光照射によって形成した孔よりも大きな孔を生じさせる。
特許文献3には、同軸上に配置され、板ガラスを間に挟んで向き合った一対のコアドリルによって、板ガラスへ穿孔する方法が記載されている。
特許文献4には、ガラス基板への貫通孔の形成とガラス基板の薄板化とをエッチングによって同時に行う方法が記載されている。この方法では、先ず、ガラス基板へレーザ光を照射して、改質部を生じさせる。次に、ガラス基板の一方の面を弗酸でエッチングして、ガラス基板を薄板化するとともに、改質部を除去して貫通孔を形成する。
ガラスインターポーザには、インダクタやキャパシタを設けることもできる。特許文献5には、インダクタとキャパシタとを組み合わせたLCフィルタを内蔵したガラスコア配線基板が記載されている。この配線基板において、キャパシタは、ガラスコア基板の厚さ方向へ、金属層、誘電体層及び金属層を重ねた、MIM(Metal/Insulator/Metal)と呼ばれる構造を有している。また、この配線基板において、インダクタは、螺旋軸がガラスコア基板の主面に対して平行であり、ガラスコア基板に設けられた二列の貫通孔を通って螺旋状に伸びた構造を有している。
特許文献6には、基板の両面の上にMIM構造のキャパシタを形成した構造が記載されている。
特開2000-61667号公報 特開2001-105398号公報 特開昭54-126215号公報 国際公開第2019/235617号 特開2021-166257号公報 特表2019-507972号公報
本発明は、TGVを有するガラス基板の表面及び裏面にそれぞれ設けられたキャパシタの下部電極間で寄生静電容量が発生するのを抑制し得る技術を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、第1面と前記第1面に対向する第2面とを有し、前記第1面から前記第2面まで達する貫通孔が設けられたガラス基板と、前記貫通孔に設けられたビアと、前記第1面と向かい合う第3面が前記第1面及び前記ビアに接する第1電極と、前記第1電極の上に設けられる第1誘電体層と、前記第1誘電体層の上に設けられる第2電極とを含む第1キャパシタと、前記第2面と向かい合う第4面が前記第2面に接し且つ前記ビアに接していない第3電極と、前記第3電極の上に設けられる第2誘電体層と、前記第2誘電体層の上に設けられる第4電極とを含む第2キャパシタとを備える配線基板が提供される。
本発明の他の側面によると、前記第1電極は、前記第1面に接する耐フッ酸金属層を含む上記側面に係る配線基板が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記耐フッ酸金属層は、クロム、ニッケル、及びニッケルクロム合金からなる群より得られる材料からなる上記側面に係る配線基板が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記第3電極は、前記ビアと電気的に接続されている上記側面の何れかに係る配線基板が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記第1電極は、耐フッ酸金属層と、第1シード層と、第1銅層とを積層した構造を有し、前記第2電極は、第2シード層と、第2銅層とを積層した構造を有し、前記ビアは、密着層と、第3シード層と、第3銅層とを積層した構造を有し、前記第3電極は、前記密着層と、前記第3シード層と、前記第3銅層とを積層した構造を有し、前記第4電極は、第4シード層と、第4銅層とを積層した構造を有する上記側面の何れかに係る配線基板が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記貫通孔は、テーパ形状を有し、前記貫通孔の前記第1面側の断面積は、前記貫通孔の前記第2面側の断面積よりも小さい上記側面の何れかに係る配線基板が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記ビアは、前記貫通孔の側壁、及び前記第1電極のうち前記貫通孔に接する部分を被覆している上記側面の何れかに係る配線基板が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記密着層は、チタン、クロム及びニッケルからなる群より選ばれる1以上の材料又はその酸化物からなる上記側面に係る配線基板が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記貫通孔は、テーパ形状を有する第1部分と、テーパ形状を有する第2部分とを含み、前記第1部分の前記第2面側の断面積は、前記第1部分の前記第1面側の断面積よりも小さく、前記第2部分の前記第1面側の断面積は、前記第2部分の前記第2面側の断面積よりも小さい上記側面の何れかに係る配線基板が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記ビアは、前記貫通孔の全体に埋め込まれている上記側面の何れかに係る配線基板が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記ガラス基板の前記第1面及び前記第1キャパシタを覆う絶縁層を更に備え、前記絶縁層は、絶縁樹脂であり、前記絶縁樹脂のガラス転移温度は、150℃以上200℃以下である上記側面の何れかに係る配線基板が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記ガラス基板の前記第1面及び前記第1キャパシタを覆う絶縁層を更に備え、前記絶縁層は、絶縁樹脂であり、前記絶縁樹脂の弾性率は、6GPa以上15GPa以下であり、前記絶縁樹脂の線膨張係数は、15ppm/℃以上30ppm/℃以下である上記側面の何れかに係る配線基板が提供される。
本発明の更に他の側面によると、ガラス基板にレーザ光を照射して、前記ガラス基板に改質部を形成することと、前記ガラス基板の第1面側において、前記改質部の上に、第1導体層と、第1誘電体層と、第2導体層とを形成して第1キャパシタを形成することと、前記ガラス基板の前記改質部の位置に前記第1面と前記第1面に対向する第2面とを貫通する貫通孔を形成することと、前記ガラス基板の前記第2面及び前記貫通孔に第3導体層を形成し、前記貫通孔内にビアを形成することと、前記ガラス基板の前記第2面側において、前記第3導体層の上であり且つ前記ビアと異なる位置に、第2誘電体層と、第4導体層とを形成して、第2キャパシタを形成することとを備える配線基板の製造方法が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記第1導体層を形成することは、前記ガラス基板の前記第1面の上に、耐フッ酸金属層を形成することと、前記耐フッ酸金属層の上に、第1シード層を形成することと、前記第1シード層の上に、第1銅層を形成することとを含み、前記第3導体層を形成することは、前記ガラス基板の前記第2面及び前記貫通孔内に、密着層を形成することと、前記密着層の上に、第3シード層を形成することと、前記第3シード層の上に、第3銅層を形成することとを含む上記側面に係る配線基板の製造方法が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記ガラス基板への前記レーザ光の照射の前に、前記ガラス基板の前記第2面側に第1支持体を設けることと、前記貫通孔を形成する前に、前記第1支持体を除去することとを更に備える上記側面に係る配線基板の製造方法が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記第1キャパシタの形成の後に、前記ガラス基板の前記第1面側に第2支持体を設けることを更に備え、前記改質部を形成することは、前記第2支持体を設けた後に、前記ガラス基板に前記第2面側からレーザ光を照射して、前記ガラス基板に前記改質部を形成することを含む上記側面に係る配線基板の製造方法が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記第1キャパシタの形成の前に、前記ガラス基板の前記第2面側に第3支持体を設けることと、前記貫通孔を形成する前に、前記第3支持体を除去することとを更に備える上記側面に係る配線基板の製造方法が提供される。
本発明の更に他の側面によると、前記ガラス基板の前記第1面及び前記第1キャパシタを覆う絶縁層を形成することを更に備え、前記絶縁層は、絶縁樹脂であり、前記第2キャパシタの形成は、前記絶縁樹脂のガラス転移温度以下の温度で行われる上記側面の何れかに係る配線基板の製造方法が提供される。
本発明によれば、TGVを有するガラス基板の表面及び裏面にそれぞれ設けられたキャパシタの下部電極間で寄生静電容量が発生するのを抑制し得る技術が提供される。
図1は、本発明の第1実施形態に係る配線基板の断面図である。 図2は、図1に示す配線基板の一部を拡大して示す断面図である。 図3は、図1に示す配線基板の第3導体層の一部をガラス基板の裏面側から見た平面図である。 図4は、図1に示す配線基板の製造方法における一工程を示す断面図である。 図5は、図1に示す配線基板の製造方法における他の工程を示す断面図である。 図6は、図1に示す配線基板の製造方法における更に他の工程を示す断面図である。 図7は、図1に示す配線基板の製造方法における更に他の工程を示す断面図である。 図8は、図1に示す配線基板の製造方法における更に他の工程を示す断面図である。 図9は、図1に示す配線基板の製造方法における更に他の工程を示す断面図である。 図10は、図1に示す配線基板の製造方法における更に他の工程を示す断面図である。 図11は、図1に示す配線基板の製造方法における更に他の工程を示す断面図である。 図12は、図1に示す配線基板を使用して製造可能なパッケージ化デバイスの一例を示す断面図である。 図13は、第1比較例に係る配線基板の断面図である。 図14は、第1変形例に係る配線基板のガラス基板に設けられた貫通孔を示す断面図である。 図15は、第2変形例に係る配線基板のガラス基板に設けられた貫通孔を示す断面図である。 図16は、第3変形例に係る配線基板の一部を示す斜視図である。 図17は、第4変形例に係る配線基板の断面図である。 図18は、第2比較例に係る配線基板の断面図である。 図19は、本発明の第2実施形態に係る配線基板の製造方法における一工程を示す断面図である。 図20は、本発明の第2実施形態に係る配線基板の製造方法における他の工程を示す断面図である。 図21は、本発明の第3実施形態に係る配線基板の製造方法における一工程を示す断面図である。 図22は、本発明の第3実施形態に係る配線基板の製造方法における他の工程を示す断面図である。 図23は、本発明の第4実施形態に係る配線基板の製造方法における一工程を示す断面図である。 図24は、本発明の第4実施形態に係る配線基板の製造方法における他の工程を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、上記側面の何れかをより具体化したものである。以下に記載する事項は、単独で又は複数を組み合わせて、上記側面の各々に組み入れることができる。
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、下記の構成部材の材質、形状、及び構造等によって限定されるものではない。本発明の技術的思想には、請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
なお、同様又は類似した機能を有する要素については、以下で参照する図面において同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面は模式的なものであり、或る方向の寸法と別の方向の寸法との関係、及び、或る部材の寸法と他の部材の寸法との関係等は、現実のものとは異なり得る。
<1>第1実施形態
<1.1>配線基板
図1は、本発明の第1実施形態に係る配線基板の断面図である。
図1に示す配線基板1は、ガラスコア配線基板である。一例によれば、配線基板1は、インターポーザとして使用する配線基板、即ち、ガラスインターポーザである。
配線基板1は、ガラス基板10と、第1導体層20と、第1誘電体層25と、第2導体層30と、層間絶縁膜40と、導体層50と、絶縁層60と、第3導体層70と、第2誘電体層75と、第4導体層80と、層間絶縁膜90と、導体層100と、絶縁層110とを含んでいる。
ガラス基板10は、光透過性を有する透明のガラス材料である。ガラス基板10の成分、及び成分の配合比率は、特に限定されない。ガラス基板10の例としては、珪酸塩を主成分とするガラス材料が挙げられるが、その他のガラス材料であってもよい。ガラス基板10の具体例としては、無アルカリガラス、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、サファイアガラス、感光性ガラス等が挙げられるが、無アルカリガラスがより好ましい。
ガラス基板10は、第1面S1と、第1面S1に対向する第2面S2とを有している。第1面S1と第2面S2とは、平行である。
以下では、第1面S1及び第2面S2と平行な面をXY平面とする。XY平面内で互いに交差する方向をX方向及びY方向とする。XY平面と交差する方向をZ方向とする。また、第1面S1は、ガラス基板10の表面とも表記する。第2面S2は、ガラス基板10の裏面とも表記する。
ガラス基板10には、各々が第1面S1から第2面S2まで達する1以上の貫通孔、ここでは、複数の貫通孔が設けられている。換言すると、貫通孔の各々は、ガラス基板10をZ方向に貫通している。また、貫通孔の各々は、第2面S2から第1面S1へ向けて先細りしている。具体的には、貫通孔の各々は、テーパ形状を有し、貫通孔の第1面S1側の開口径(又は断面積)は、貫通孔の第2面S2側の開口径(又は断面積)よりも小さい。
第1導体層20は、ガラス基板10の第1面S1上に設けられている。第1導体層20は、第3導体層70及び導体層50に接続される配線部と、後述するキャパシタC1の下部電極とを含んでいる。
第1導体層20は、ガラス基板10の貫通孔の第1面S1側の開口を覆っている。
第1導体層20は、多層構造を有している。具体的には、第1導体層20は、耐弗酸金属層21と、第1シード層22と、第1銅層23とを積層した構造を有している。
耐弗酸金属層21は、ガラス基板10の第1面S1上に設けられている。換言すると、耐弗酸金属層21は、第1面S1に接している。耐弗酸金属層21は、ガラス基板10と比較して、弗酸によるエッチングに対する耐性に優れた金属材料からなる。耐弗酸金属層21は、例えば、クロム、ニッケル及びニッケルクロム合金からなる群より得られる材料からなる。耐弗酸金属層21の厚さは、10nm乃至500nmの範囲内にあることが好ましく、20nm乃至80nmの範囲内(例えば、50nm前後)にあることがより好ましい。なお、耐弗酸金属層21のうちガラス基板10の貫通孔上に位置する部分は、除去されてもよい。換言すると、耐弗酸金属層21は、第1面S1の貫通孔の位置に貫通孔を有していてもよい。この場合、第1導体層20のガラス基板10側の面は、第1面S1の貫通孔の位置に凹部を有した構造となる。第1導体層20の凹部の径(又は断面積)は、ガラス基板10の貫通孔の第1面S1側の開口径(又は断面積)より大きくてもよい。
第1シード層22は、耐弗酸金属層21上に設けられている。第1シード層22は、例えば、銅からなる。第1シード層22は、第1銅層23を電解めっきによって形成する場合に設けられ、給電層として用いられる。第1銅層23を無電解めっきやスパッタリング等の他の方法を利用して形成する場合、第1シード層22を省略してもよい。なお、耐弗酸金属層21と第1シード層22との間に密着層を設けてもよい。密着層は、第1シード層22の耐弗酸金属層21に対する密着性を高める。密着層には、後述する密着層71について例示する材料を使用することができる。
第1銅層23は、第1シード層22上に設けられている。
第1誘電体層25及び第2導体層30は、第1導体層20の一部の上に、この順に積層されている。積層された第1導体層20、第1誘電体層25及び第2導体層30は、キャパシタC1を、具体的にはMIM構造のキャパシタ(以下、MIMキャパシタと表記する)を構成している。即ち、キャパシタC1は、第1導体層20の一部と第1誘電体層25と第2導体層30とを含む。第2導体層30は、キャパシタC1の上部電極である。第1導体層20のうち第2導体層30と向き合った部分は、キャパシタC1の下部電極である。以下、キャパシタC1の下部電極の第1面S1と向かい合う面を第3面S3と表記する。
図1に示す例では、キャパシタC1の下部電極は、貫通孔の第1面S1側の開口を覆っている。キャパシタC1の下部電極は、貫通孔から離間させてもよいが、貫通孔の第1面S1側の開口を覆うように設けた場合、貫通孔から離間させて設けた場合よりも、キャパシタC1の下部電極と貫通孔に設けられる第3導体層70との間の配線の長さが短縮できるため、配線に起因した電気抵抗を小さくすることができる。このため、キャパシタC1の電気特性の劣化を抑制できる。
第1誘電体層25は、例えば、アルミナ、シリカ、シリコンナイトライド、タンタルオキサイド、酸化チタン、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、及びチタン酸ストロンチウムから選択される少なくとも1つの材料を用いることができる。
第2導体層30は、多層構造を有している。具体的には、第2導体層30は、第2シード層31と、第2銅層32とを積層した構造を有している。
第2シード層31は、第1誘電体層25上に設けられている。第2シード層31は、例えば、銅からなる。第2シード層31は、第2銅層32を電解めっきによって形成する場合に設けられ、給電層として用いられる。第2銅層32を無電解めっきやスパッタリング等の他の方法を利用して形成する場合、第2シード層31を省略してもよい。なお、第1誘電体層25と第2シード層31との間に密着層を設けてもよい。密着層は、第2シード層31の第1誘電体層25に対する密着性を高める。密着層には、後述する密着層71について例示する材料を使用することができる。
第2銅層32は、第2シード層31上に設けられている。
層間絶縁膜40は、ガラス基板10の第1面S1、第1導体層20、第1誘電体層25、及び第2導体層30を被覆する。換言すると、層間絶縁膜40は、第1面S1及びキャパシタC1を覆っている。層間絶縁膜40には、第1導体層20が含む第3導体層70及び導体層50に接続される配線部の位置及び第2導体層30の位置に、貫通孔が設けられている。一例によれば、層間絶縁膜40は、絶縁樹脂層である。
層間絶縁膜40の材料として絶縁樹脂が用いられる場合、用いられる絶縁樹脂は、例えば、以下のように決めることができる。
例えば、配線基板1の製造工程において、層間絶縁膜40として絶縁樹脂を形成した後、ガラス基板10の第2面S2側に、後述するキャパシタC2a及びC2bが形成される。キャパシタC2a及びC2bの形成には、比較的高い温度が用いられる。このため、層間絶縁膜40に用いられる絶縁樹脂は、キャパシタC2a及びC2bの形成において、熱による絶縁樹脂の溶融や変性を抑制することを考慮して決めることができる。具体的には、例えば、絶縁樹脂のガラス転移温度は、キャパシタC2a及びC2bの形成における最大加工温度以上であることが好ましい。具体的には、絶縁樹脂のガラス転移温度は、例えば、150℃以上200℃以下の範囲内にあることが好ましい。絶縁樹脂のガラス転移温度が上記条件を満たす場合、キャパシタC2a及びC2bの形成における絶縁樹脂の溶融や変性を抑制できる。
また、層間絶縁膜40に用いられる絶縁樹脂は、第1面S1側のみに第1導体層20、第1誘電体層25、第2導体層30及び層間絶縁膜40等が形成されたことにより生じるガラス基板10の反り量を抑制することを考慮して決めることができる。具体的には、例えば、絶縁樹脂の弾性率は、6GPa以上15GPa以下であることが好ましい。絶縁樹脂の線膨張係数(CTE)は、15ppm/℃以上30ppm/℃以下であることが好ましい。絶縁樹脂の弾性率が上記条件を満たし、且つ絶縁樹脂のCTEが上記条件を満たす場合、第1面S1側のみに第1導体層20、第1誘電体層25、第2導体層30及び層間絶縁膜40等が形成されたことにより生じるガラス基板10の反り量を抑制できる。
導体層50は、第1導体層20の一部、第2導体層30、及び層間絶縁膜40の上に設けられている。導体層50は、層間絶縁膜40に設けられた貫通孔に埋め込まれたビア部と、このビア部及び層間絶縁膜40の上に設けられたパッド部とを含んでいる。ビア部の各々は、第1導体層20が含む第3導体層70に接続される配線部又は第2導体層30をパッド部へ接続している。パッド部は、外部接続端子である。
導体層50は、シード層51と銅層52とを含んでいる。シード層51及び銅層52は、第1導体層20の一部、第2導体層30、及び層間絶縁膜40の上に、この順に積層されている。シード層51は、例えば、銅からなる。なお、層間絶縁膜40とシード層51との間に密着層を設けてもよい。密着層は、シード層51の層間絶縁膜40に対する密着性を高める。密着層には、後述する密着層71について例示する材料を使用することができる。
絶縁層60は、層間絶縁膜40及び導体層50の一部を被覆する。絶縁層60には、導体層50が含むパッド部の位置に貫通孔が設けられている。絶縁層60は、例えば、ソルダーレジストからなる。
第3導体層70は、ガラス基板10の第2面S2、ガラス基板10に設けられた貫通孔の側壁、及び第1導体層20のうちガラス基板10の貫通孔に接する部分(以下、貫通孔の底部とも表記する)を被覆している。第3導体層70は、ガラス基板10の貫通孔に設けられたビア部と、後述するキャパシタC2a及びC2bの下部電極と、第2面S2上に設けられ、ビア部及びキャパシタC2bの下部電極に接続される配線部とを含んでいる。ビア部は、ガラス基板10の貫通孔の側壁、及び貫通孔の底部を被覆している。ビア部は、ガラス基板10を貫通する電極(貫通電極)である。以下、ビア部をビア又は貫通電極とも表記する。
第3導体層70は、多層構造を有している。具体的には、第3導体層70は、密着層71と、第3シード層72と、第3銅層73とを積層した構造を有している。
密着層71は、ガラス基板10の貫通孔の側壁、貫通孔の底部、及び第2面S2の一部を被覆している。
密着層71は、第3シード層72のガラス基板10に対する密着性を高める。密着層71は、チタン、クロム及びニッケルからなる群より選ばれる1以上の材料又はその酸化物からなることが好ましく、チタン又はチタン酸化物からなることがより好ましい。密着層71の厚さは、10nm乃至500nmの範囲内にあることが好ましく、20nm乃至80nmの範囲内(例えば、50nm前後)にあることがより好ましい。ここで、密着層71の厚さは、密着層71のうち第2面S2上に設けられた部分の厚さである。なお、密着層71は設けられなくてもよい。また、耐弗酸金属層21のうちガラス基板10の貫通孔上に位置する部分が除去されている場合、即ち、第1導体層20のガラス基板10側の面が第1面S1の貫通孔の位置に凹部を有した構造の場合、密着層71は、第1導体層20の凹部にも形成される。この場合、密着層71をガラス基板10から引きはがす方向に力が印加された場合でも、これに抗することができる。
第3シード層72は、密着層71を被覆している。第3シード層72は、例えば、銅からなる。第3シード層72は、第3銅層73を電解めっきによって形成する場合に設けられ、給電層として用いられる。第3シード層72の厚さは、100nm乃至500nmの範囲内にあることが好ましく、200nm乃至400nmの範囲内(例えば、300nm前後)にあることがより好ましい。ここで、第3シード層72の厚さは、第3シード層72のうち第2面S2上に設けられた部分の厚さである。
第3銅層73は、第3シード層72を被覆している。第3銅層73の厚さは、例えば、2μm乃至10μmの範囲内にある。ここで、第3銅層73の厚さは、第3銅層73のうち第2面S2上に設けられた部分の厚さである。
第2誘電体層75及び第4導体層80は、第3導体層70のうち第2面S2を被覆した部分の一部の上に、この順に積層されている。積層された第3導体層70、第2誘電体層75及び第4導体層80は、キャパシタC2a及びC2bを、具体的にはMIMキャパシタを構成している。即ち、キャパシタC2aは、第3導体層70の一部と、第2誘電体層75の一部と、第4導体層80の一部とを含む。キャパシタC2bは、第3導体層70の他の一部と、第2誘電体層75の他の一部と、第4導体層80の他の一部とを含む。第4導体層80の一部は、キャパシタC2aの上部電極である。第3導体層70のうち第4導体層80の一部と向き合った部分は、キャパシタC2aの下部電極である。第4導体層80の他の一部は、キャパシタC2bの上部電極である。第3導体層70のうち第4導体層80の他の一部と向き合った部分は、キャパシタC2bの下部電極である。以下、キャパシタC2aの下部電極の第2面S2と向かい合う面を第4面S4aと表記する。キャパシタC2bの下部電極の第2面S2と向かい合う面を第4面S4bと表記する。
図1に示す例では、第3導体層70の一部であるキャパシタC2aの下部電極、及び第3導体層70の他の一部であるキャパシタC2bの下部電極は、第3導体層70のビア部から離れた位置に設けられ、互いに離間している。即ち、キャパシタC2aの下部電極及びキャパシタC2bの下部電極は、第3導体層70のビア部の上に設けられていない。キャパシタC2aの下部電極上に設けられる第2誘電体層75の一部、及びキャパシタC2bの下部電極上に設けられる第2誘電体層75の他の一部は、互いに離間している。第2誘電体層75の一部の上に設けられる第4導体層80の一部(キャパシタC2aの上部電極)、及び第2誘電体層75の他の一部の上に設けられる第4導体層80の他の一部(キャパシタC2bの上部電極)は、互いに離間している。
第4導体層80は、多層構造を有している。具体的には、第4導体層80は、第4シード層81と、第4銅層82とを積層した構造を有している。
第4シード層81は、第2誘電体層75上に設けられている。第4シード層81は、例えば、銅からなる。第4シード層81は、第4銅層82を電解めっきによって形成する場合に設けられ、給電層として用いられる。第4銅層82を無電解めっきやスパッタリング等の他の方法を利用して形成する場合、第4シード層81を省略してもよい。なお、第2誘電体層75と第4シード層81との間に密着層を設けてもよい。密着層は、第4シード層81の第2誘電体層75に対する密着性を高める。密着層には、前述した密着層71について例示する材料を使用することができる。
第4銅層82は、第4シード層81上に設けられている。
層間絶縁膜90は、ガラス基板10の第2面S2、第3導体層70、第2誘電体層75、及び第4導体層80を被覆する。層間絶縁膜90には、第3導体層70が含むビア部に接続される配線部の位置及び第4導体層80の位置に、貫通孔が設けられている。一例によれば、層間絶縁膜90は、絶縁樹脂層である。
導体層100は、第3導体層70の一部、第4導体層80、及び層間絶縁膜90の上に設けられている。導体層100は、層間絶縁膜90に埋め込まれたビア部と、このビア部及び層間絶縁膜90の上に設けられたパッド部とを含んでいる。ビア部の各々は、第3導体層70が含むビア部に接続される配線部又は第4導体層80をパッド部へ接続している。パッド部は、外部接続端子である。
導体層100は、シード層101と銅層102とを含んでいる。シード層101及び銅層102は、第3導体層70の一部、第4導体層80、及び層間絶縁膜90の上に、この順に積層されている。シード層101は、例えば、銅からなる。なお、層間絶縁膜90とシード層101との間に密着層を設けてもよい。密着層は、シード層101の層間絶縁膜90に対する密着性を高める。密着層には、前述した密着層71について例示する材料を使用することができる。
絶縁層110は、層間絶縁膜90及び導体層100の一部を被覆する。絶縁層110には、導体層100が含むパッド部の位置に貫通孔が設けられている。絶縁層110は、例えば、ソルダーレジストからなる。
次に、第1導体層20及び第3導体層70の詳細について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、図1に示す配線基板1の一部を拡大して示す断面図である。図3は、図1に示す配線基板1の第3導体層70の一部をガラス基板10の裏面側から見た平面図である。
図2に示すように、第3導体層70は、キャパシタC2aの下部電極70aと、キャパシタC2bの下部電極70bと、配線部70cと、ビア部(ビア)70dと、配線部70eとを含んでいる。
ビア部70dは、ガラス基板10の貫通孔に設けられている。詳細には、ビア部70dは、ガラス基板10の貫通孔の側壁、及び貫通孔の底部を被覆している。
下部電極70a及び70b、並びに配線部70c及び70eは、ガラス基板10の第2面S2の一部を被覆している。
下部電極70a及び70bは、互いに離間している。配線部70cは、下部電極70bに接続されている。ビア部70dは、配線部70c及び70eに接続されている。
下部電極70aの第4面S4aは、ガラス基板10の第2面S2に接している。下部電極70aは、ビア部70dに接していない。下部電極70bの第4面S4bは、ガラス基板10の第2面S2に接している。下部電極70bは、ビア部70dに接していない。下部電極70bは、配線部70cを介してビア部70dと電気的に接続されている。第2誘電体層75の一部は、下部電極70a上に設けられている。キャパシタC2aの上部電極80aは、下部電極70aの上に設けられた第2誘電体層75の上に設けられている。第2誘電体層75の他の一部は、下部電極70b上に設けられている。キャパシタC2bの上部電極80bは、下部電極70bの上に設けられた第2誘電体層75の上に設けられている。
キャパシタC2a及びC2bは、ガラス基板10の貫通孔上に設けられていない。即ち、キャパシタC2a及びC2bは、ガラス基板10の貫通孔から離れた位置に設けられている。
第1導体層20は、キャパシタC1の下部電極20aを含んでいる。下部電極20aの第3面S3は、ガラス基板10の第1面S1及びビア部70dに接している。第1誘電体層25は、下部電極20aの上に設けられている。第2導体層30は、第1誘電体層25の上に設けられている。
キャパシタC1は、ガラス基板10の貫通孔上に設けられている。
なお、ガラス基板10の第2面S2側に設けられるMIMキャパシタの数は、1つでもよい。即ち、ガラス基板10の第2面S2側に、キャパシタC2aのみ設けられていてもよいし、キャパシタC2bのみ設けられていてもよい。また、ガラス基板10の第2面S2側に設けられるMIMキャパシタの数は、3つ以上でもよい。
図3に示すように、第3導体層70は、ガラス基板10の貫通孔の側壁、貫通孔の底部、及びガラス基板10の第2面S2の一部を被覆している。
配線部70cは、ビア部70dに接続されている。配線部70cは、ガラス基板10の第2面S2側から見て、例えば、略矩形の形状を有する。配線部70cは、X方向において、ビア部70dとの接続部から下部電極70bの方向に延びている。配線部70cのY方向の長さは、例えば、貫通孔の第2面S2側の開口径よりも短い。
下部電極70bは、配線部70cに接続されている。下部電極70bは、第3導体層70のうち第4導体層80bと向き合った部分である。下部電極70bは、ガラス基板10の第2面S2側から見て、例えば、略矩形の形状を有する。下部電極70bのY方向の長さは、例えば、配線部70cのY方向の長さよりも長い。
下部電極70aは、配線部70cに接続されていない。下部電極70aは、第3導体層70のうち第4導体層80aと向き合った部分である。下部電極70aは、ガラス基板10の第2面S2側から見て、例えば、略矩形の形状を有する。下部電極70aのY方向の長さは、例えば、配線部70cのY方向の長さよりも長い。
配線部70eは、ビア部70dに接続されている。配線部70eは、ガラス基板10の第2面S2側から見て、例えば、略矩形の形状を有する。配線部70eは、X方向において、ビア部70dとの接続部から下部電極70bとは反対方向に延びている。配線部70eのY方向の長さは、例えば、貫通孔の第2面S2側の開口径よりも短い。
キャパシタC2a及びC2bは、ビア部70d上に設けられていない。即ち、キャパシタC2a及びC2bは、ビア部70dから離れた位置に設けられている。
<1.2>配線基板の製造方法
上記の配線基板1は、例えば、以下の方法により製造することができる。
図4乃至図11は、図1に示す配線基板の製造方法における一工程を示す断面図である。
<1.2.1>第1工程
この方法では、先ず、互いに対向する第1面S1と第2面S2とを有しているガラス基板10を準備する。例えば、厚さ500μmの無アルカリガラス板の表面から、超音波洗浄などで汚染物を除去して、ガラス基板10を得る。なお、この段階のガラス基板10は、配線基板1が含むガラス基板10と比較してより厚い。また、この段階のガラス基板10は、後述するパッケージ化デバイスが含むガラス基板10と比較して、厚さ方向に対して垂直な方向の寸法がより大きな大判のガラス基板である。
<1.2.2>第2工程
次に、第1面S1から第2面S2へ向けてガラス基板10へレーザ光を照射して、図4に示すように、ガラス基板10に1以上の改質部11を形成する。改質部11は、例えば、レーザ光照射によって加熱されることにより、レーザ光未照射部との間で結晶性等に相違を生じた部分である。改質部11は、貫通孔に対応した位置に形成する。改質部11は、第1面S1から第2面S2へ向けて、例えば、ガラス基板10の厚さ方向へ伸びている。レーザ光量は、第1面S1から伸びた改質部11が第2面S2まで到達しないように調整することが望ましい。
ここで用いるレーザ光の波長は、535nm以下である。レーザ光の好ましい波長は、355nm以上535nm以下である。レーザ光の波長を355nm未満とすると、十分なレーザ出力を得ることが難しく、安定的なレーザ改質が難しくなるおそれがある。一方、レーザ光の波長を535nmより大きくすると、照射スポットが大きくなり、小範囲のレーザ改質が難しくなる。また、熱の影響により、マイクロクラックが発生し、ガラス基板10が割れやすくなる。
パルスレーザを用いる場合、レーザパルス幅はピコ秒からフェムト秒の範囲内にあることが望ましい。レーザパルス幅がナノ秒以上になると、1パルス当たりのエネルギー量の制御が困難となり、マイクロクラックが発生して、ガラス基板10が割れやすくなる。
レーザパルスのエネルギーは、ガラスの組成や、どのようなレーザ改質を生じさせるかに応じて好ましい値が選択され、5μJ以上150μJ以下の範囲内にあることが好ましい。レーザパルスのエネルギーを増加させることで、それに比例するように改質部11の長さを大きくすることが可能となる。
<1.2.3>第3工程
次に、第1面S1上に、耐弗酸金属層21と第1シード層22と第1銅層23とを含んだ第1導体層20を、改質部11を覆うように形成する。
例えば、先ず、図5に示すように、第1面S1上に、耐弗酸金属層21及び第1シード層22をこの順に形成する。ここでは、耐弗酸金属層21及び第1シード層22の各々は、連続膜として形成する。耐弗酸金属層21は、例えば、スパッタリングにより形成する。耐弗酸金属層21には、前述した材料を使用することができる。第1面S1上に形成される耐弗酸金属層21の厚さは、例えば、10nm以上500nm以下の範囲の厚さとすることができる。第1シード層22は、例えば、スパッタリング又は無電解めっきにより形成する。第1シード層22には、前述した材料を使用することができる。耐弗酸金属層21上に形成される第1シード層22の厚さは、例えば、100nm以上500nm以下の範囲の厚さとすることができる。第1シード層22を形成するのに先立ち、耐弗酸金属層21上に、密着層を形成してもよい。密着層は、例えば、スパッタリング又は無電解めっきにより、連続膜として形成する。密着層を形成すると、耐弗酸金属層21と第1シード層22との間の密着性が向上する。
次に、第1シード層22上に、絶縁体からなり、第1銅層23に対応した位置で開口したマスクパターンを形成する。マスクパターンは、例えば、第1シード層22上にフォトレジスト層を設け、このフォトレジスト層へのパターン露光及び現像を行うことにより形成する。一例によれば、昭和電工マテリアルズ社製のドライフィルムレジストであるRD1225を第1シード層22へラミネートし、このドライフィルムレジストへのパターン露光及び現像を順次行うことにより、樹脂からなるマスクパターンを得る。
続いて、第1シード層22を給電層として用いた電解銅めっきを行う。これにより、マスクパターンの開口部の位置で第1シード層22上に銅を堆積させて、図6に示す第1銅層23を得る。第1シード層22上に形成される第1銅層23の厚さは、例えば、2μm以上10μm以下の範囲の厚さとすることができる。
その後、マスクパターンを除去する。例えば、ドライフィルムレジストを溶解剥離する。次いで、第1銅層23とガラス基板10とを含んだ複合体の第1銅層23側の面全体をエッチングして、第1シード層22の露出部を除去する。なお、第1シード層22と耐弗酸金属層21との間に密着層が存在している場合には、この複合体の第1銅層23側の面全体を、密着層のうち、第1シード層22の露出部を除去することによって露出した部分も除去されるまで更にエッチングする。続いて、この複合体の第1銅層23側の面全体を、耐弗酸金属層21のうち、第1シード層22の露出部を除去することによって露出した部分が除去されるまで更にエッチングする。
以上のようにして、図6に示す第1導体層20を得る。なお、第1導体層20は、上記の通り、配線部と下部電極とを含んでいる。
<1.2.4>第4工程
次に、第1導体層20が含む下部電極上に、第1誘電体層25及び第2導体層30をこの順に形成して、図6に示すキャパシタC1を得る。第1誘電体層25には、前述した材料を使用することができる。第2導体層30は、例えば、第1導体層20が含む第1シード層22及び第1銅層23について上述したのと同様の方法により形成することができる。そのような第2導体層30は、第2シード層31と第2銅層32とを含んだ多層構造を有している。第2シード層31を形成するのに先立ち、第1誘電体層25上に、密着層を形成してもよい。密着層は、例えば、スパッタリング又は無電解めっきにより、連続膜として形成する。密着層を形成すると、第1誘電体層25と第2シード層31との間の密着性が向上する。キャパシタC1のキャパシタンスは、第1誘電体層25の誘電率と、上部電極(第2導体層30)の面積と、下部電極(第1導体層20の一部)と上部電極との間隔により決定される。
第3工程と第4工程により、ガラス基板10の第1面S1側において、改質部11の上に、第1導体層20と、第1誘電体層25と、第2導体層30とが形成される。これにより、キャパシタC1が形成される。
<1.2.5>第5工程
次に、キャパシタC1とガラス基板10とを含んだ複合体のキャパシタC1側の面に、絶縁樹脂層を設ける。一例によれば、味の素ファインテクノ社製の絶縁樹脂フィルムであるABF-GXT31(32.5μm厚)を上記の面へラミネートし、これをプリキュアする。次いで、レーザ加工によって絶縁樹脂層にブラインドビアを形成する。その後、デスミア処理を実施して、レーザ加工によって発生した残渣を除去する。以上のようにして、図7に示す層間絶縁膜40を得る。即ち、ガラス基板10の第1面S1及びキャパシタC1を覆う層間絶縁膜40が形成される。
層間絶縁膜40に用いられる絶縁樹脂としては、例えば、層間絶縁膜40の形成後に実施されるキャパシタC2a及びC2bの形成において、熱による絶縁樹脂の溶融や変性を抑制することを考慮して、ガラス転移温度がキャパシタC2a及びC2bの形成における最大加工温度以上である絶縁樹脂が好ましい。キャパシタC2a及びC2bの形成における最大加工温度は、例えば、第3導体層70の形成、第2誘電体層75の形成、及び第4導体層80の形成における処理温度のうちの最大の処理温度であり、例えば、130℃以上である。具体的には、例えば、ガラス転移温度が150℃以上200℃以下の範囲内にある絶縁樹脂が好ましい。換言すると、キャパシタC2a及びC2bの形成は、絶縁樹脂のガラス転移温度以下の温度で行われるのが好ましい。
また、層間絶縁膜40に用いられる絶縁樹脂としては、例えば、第1面S1側のみに第1導体層20、第1誘電体層25、第2導体層30及び層間絶縁膜40等が形成されたことにより生じるガラス基板10の反り量を抑制することを考慮して、弾性率が6GPa以上15GPa以下であり、且つCTEが15ppm/℃以上30ppm/℃以下である絶縁樹脂が好ましい。
次いで、スパッタリング又は無電解めっきにより、シード層51を形成する。ここでは、シード層51は、層間絶縁膜40の上面、層間絶縁膜40に設けられた貫通孔の側壁、及び、第1導体層20及び第2導体層30のうちこれら貫通孔の位置で露出した部分を被覆するように形成する。シード層51には、前述した材料を使用することができる。形成されるシード層51の厚さは、例えば、100nm以上500nm以下の範囲の厚さとすることができる。
次に、シード層51上に、絶縁体からなり、銅層52に対応した位置で開口したマスクパターンを形成する。マスクパターンは、例えば、シード層51上にフォトレジスト層を設け、このフォトレジスト層へのパターン露光及び現像を行うことにより形成する。一例によれば、昭和電工マテリアルズ社製のドライフィルムレジストであるRD1225をシード層51へラミネートし、このドライフィルムレジストへのパターン露光及び現像を順次行うことにより、樹脂からなるマスクパターンを得る。
続いて、シード層51を給電層として用いた電解銅めっきを行う。これにより、マスクパターンの開口部の位置でシード層51上に銅を堆積させて、図7に示す銅層52を得る。シード層51上に形成される銅層52の厚さは、例えば、2μm以上10μm以下の範囲の厚さとすることができる。
その後、マスクパターンを除去する。例えば、ドライフィルムレジストを溶解剥離する。次いで、銅層52とガラス基板10とを含んだ複合体の銅層52側の面全体をエッチングして、シード層51の露出部を除去する。以上のようにして、導体層50を得る。
次いで、層間絶縁膜40上に、図7に示す絶縁層60を設ける。例えば、層間絶縁膜40上にソルダーレジストを設け、フォトリソグラフィ法などを用いてこれをパターニングする。以上のようにして、図7の構造を得る。
<1.2.6>第6工程
次に、図8に示すように、ガラス基板10と絶縁層60とを含んだ複合体を、第1支持体121に、絶縁層60が第1支持体121と向き合うように支持させる。ここでは、仮貼り用の接着剤122を介して、第1支持体121を上記複合体へ貼り合わせる。第1支持体121は、次工程でのガラス基板10の薄板化に伴うその破損を生じ難くし、ガラス基板10を含んだ複合体の取り扱いを容易にする。
接着剤122としては、例えば、日東電工社製のリバアルファ(登録商標)を使用する。第1支持体121としては、例えば、薄板状のガラスキャリアを使用する。第1支持体121は、ガラス製ではなくてもよく、金属製や樹脂製などでもよい。
第1支持体121の厚さは、ガラス基板10の薄板化後の搬送性を鑑み、0.7mm以上10mm以下の範囲内にあることが望ましい。第1支持体121の厚さは、ガラス基板10の厚さに応じて適宜設定して構わない。
第6工程により、キャパシタC1及び層間絶縁膜40等の形成の後に、ガラス基板10の第1面S1側に第1支持体121が設けられる。
<1.2.7>第7工程
次に、第1支持体121に支持させた上記複合体の第2面S2を、弗化水素を含んだエッチング液でエッチングして、図9に示すように、第2面S2を後退させるとともに、改質部11の位置に貫通孔12をそれぞれ形成する。第2面S2をエッチングすると、ガラス基板10は薄くなり、改質部11が露出する。ガラス基板10のうち、改質部11は、他の部分と比較して、エッチングレートが高い。従って、このエッチングによって、ガラス基板10の薄板化と貫通孔12の形成とを同時に達成できる。
なお、このエッチングにおいて、耐弗酸金属層21は、エッチングストッパ膜としての役割を果たす。換言すると、耐弗酸金属層21によって、弗化水素を含んだエッチング液と第1シード層22が接して、第1シード層22が腐食することが抑制される。また、上記のエッチングによって得られる貫通孔12は、図9の例では、第2面S2側の径(又は断面積)が第1面S1側の径(又は断面積)よりも大きい円錐台形状を有している。
ガラス基板10のエッチング量は、配線基板1の厚さに応じて適宜設定して構わない。例えば、エッチング前のガラス基板10の厚さが400μmである場合、そのエッチング量は100μm以上350μm以下の範囲内とすることが望ましい。薄板化後のガラス基板10の厚さは、50μm以上300μm以下の範囲内とすることが好ましい。
弗化水素を含んだエッチング液は、例えば、弗化水素水溶液である。エッチング液は、硝酸、塩酸及び硫酸からなる群から選ばれる1種以上の無機酸を更に含むことができる。
エッチング液の弗化水素濃度は、例えば1.0質量%以上6.0質量%以下の範囲内にあり、好ましくは2.0質量%以上5.0質量%以下の範囲内にある。無機酸濃度は、例えば1.0質量%以上20.0質量%以下の範囲内にあり、好ましくは3.0質量%以上16.0質量%以下の範囲内にある。各成分の濃度を上記範囲内に設定したエッチング液を使用して、1.0μm/min以下のエッチングレートでエッチングを行うことが望ましい。エッチングの際のエッチング液の温度は、10℃以上40℃以下の範囲内とすることが望ましい。
第7工程により、ガラス基板10の改質部11の位置に第1面S1と第2面S2とを貫通する貫通孔12が形成される。
<1.2.8>第8工程
次に、第2面S2上及び貫通孔12に、密着層71と第3シード層72と第3銅層73とを含んだ第3導体層70を形成する。
例えば、先ず、図10に示すように、第2面S2及び貫通孔12内に、密着層71を形成する。ここでは、密着層71は、貫通孔12の側壁、貫通孔12の底部、及び第2面S2を被覆した連続膜として形成する。密着層71は、例えば、スパッタリング又は無電解めっきにより、連続膜として形成する。密着層71を形成すると、ガラス基板10と第3シード層72との間の密着性が向上する。密着層71には、前述した材料を使用することができる。形成される密着層71の厚さは、例えば、10nm以上500nm以下の範囲の厚さとすることができる。
次いで、密着層71上に、図10に示す第3シード層72を形成する。第3シード層72は、例えば、スパッタリング又は無電解めっきにより、連続膜として形成する。第3シード層72には、前述した材料を使用することができる。密着層71上に形成される第3シード層72の厚さは、例えば、100nm以上500nm以下の範囲の厚さとすることができる。
次に、第3シード層72上に、絶縁体からなり、第3銅層73に対応した位置で開口したマスクパターンを形成する。マスクパターンは、例えば、第3シード層72上にフォトレジスト層を設け、このフォトレジスト層へのパターン露光及び現像を行うことにより形成する。一例によれば、昭和電工マテリアルズ社製のドライフィルムレジストであるRD1225を第3シード層72へラミネートし、このドライフィルムレジストへのパターン露光及び現像を順次行うことにより、樹脂からなるマスクパターンを得る。
続いて、第3シード層72を給電層として用いた電解銅めっきを行う。これにより、マスクパターンの開口部の位置で第3シード層72上に銅を堆積させて、図10に示す第3銅層73を得る。第3シード層72上に形成される第3銅層73の厚さは、例えば、2μm以上10μm以下の範囲の厚さとすることができる。
その後、マスクパターンを除去する。例えば、ドライフィルムレジストを溶解剥離する。次いで、第3銅層73とガラス基板10とを含んだ複合体の第3銅層73側の面全体をエッチングして、第3シード層72の露出部を除去する。続いて、この複合体の第3銅層73側の面全体を、密着層71のうち、第3シード層72の露出部を除去することによって露出した部分が除去されるまで更にエッチングする。
以上のようにして、図10に示す第3導体層70を得る。なお、第3導体層70は、上記の通り、ビア部と下部電極と配線部とを含んでいる。
第8工程により、ガラス基板10の第2面S2及び貫通孔12に第3導体層70が形成され、貫通孔12内にビア部(ビア)が形成される。
なお、密着層71を形成する前に、耐弗酸金属層21のうち貫通孔12上に位置する部分を、ウェットエッチングにより除去することにより、耐弗酸金属層21のうち第1面S1の貫通孔12の位置に貫通孔を形成してもよい。この除去方法は、腐食溶液を用いた湿式法で耐弗酸金属層21が除去できる方法であればよい。エッチング液としては、例えば、クロムエッチング液が好ましい。
<1.2.9>第9工程
次に、第3導体層70が含む下部電極上に、第2誘電体層75及び第4導体層80をこの順に形成して、図10に示すキャパシタC2a及びC2bを得る。第2誘電体層75の形成には、例えば、CVD(chemical vapor deposition)処理装置を用いる。処理温度は、例えば、130℃以上である。第2誘電体層75には、前述した材料を使用することができる。第4導体層80は、例えば、第3導体層70が含む第3シード層72及び第3銅層73について上述したのと同様の方法により形成することができる。そのような第4導体層80は、第4シード層81と第4銅層82とを含んだ多層構造を有している。第4シード層81を形成するのに先立ち、第2誘電体層75上に、密着層を形成してもよい。密着層は、例えば、スパッタリング又は無電解めっきにより、連続膜として形成する。密着層を形成すると、第2誘電体層75と第4シード層81との間の密着性が向上する。キャパシタC2aのキャパシタンスは、第2誘電体層75の一部の誘電率と、上部電極(第4導体層80の一部)の面積と、下部電極(第3導体層70の一部)と上部電極との間隔により決定される。キャパシタC2bのキャパシタンスは、第2誘電体層75の他の一部の誘電率と、上部電極(第4導体層80の他の一部)の面積と、下部電極(第3導体層70の他の一部)と上部電極との間隔により決定される。
第9工程により、ガラス基板10の第2面S2側において、第3導体層70の上であり且つビア部(ビア)と異なる位置に、第2誘電体層75と、第4導体層80とが形成される。これにより、キャパシタC2a及びC2bが形成される。
<1.2.10>第10工程
次いで、キャパシタC2a及びC2bとガラス基板10とを含んだ複合体のキャパシタC2a及びC2b側の面に対して、第5工程と同様の処理を実施して、図11に示す、層間絶縁膜90、導体層100及び絶縁層110を設ける。
<1.2.11>第11工程
その後、ガラス基板10、第1導体層20及び第3導体層70等を含んだ複合体から、第1支持体121と接着剤122とを除去する。以上のようにして、図1に示す配線基板1を得る。
<1.3>パッケージ化デバイス
上記の配線基板1は、パッケージ化デバイスの製造に使用することができる。
図12は、図1に示す配線基板を使用して製造可能なパッケージ化デバイスの一例を示す断面図である。図12に示すパッケージ化デバイスは、例えば、LCフィルタを搭載した高周波デバイスである。図12に示すパッケージ化デバイスは、配線基板1と、機能デバイス2と、チップ部品3と、接合用導体4及び5とを含んでいる。
配線基板1は、図1等を参照しながら説明した配線基板を個片化したものである。配線基板1は、接合用導体4及び5の少なくとも一方を更に含むことができる。
接合用導体4及び5は、ここでは、はんだボールである。接合用導体4は、導体層50が含むパッド部上に設けられている。接合用導体4は、機能デバイス2を配線基板1へ接合している。接合用導体5は、導体層100が含むパッド部上に設けられている。接合用導体5は、パッケージ化デバイスを、他の配線基板、例えばマザーボードへ接合することを可能とする。
機能デバイス2は、電力及び電気信号の少なくとも一方が供給されることにより動作するデバイス、外部からの刺激により電力及び電気信号の少なくとも一方を出力するデバイス、又は、電力及び電気信号の少なくとも一方が供給されることにより動作し且つ外部からの刺激により電力及び電気信号の少なくとも一方を出力するデバイスである。機能デバイス2は、例えば、半導体チップや、ガラス基板などの半導体以外の材料からなる基板上に回路や素子が形成されたチップのように、チップの形態にある。機能デバイス2は、例えば、LSI、メモリ、撮像素子、発光素子、及びMEMSの1以上を含むことができる。MEMSは、例えば、圧力センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、傾斜センサ、マイクロフォン、及び音響センサの1以上である。一例によれば、機能デバイス2は、LSIを含んだ半導体チップである。
機能デバイス2は、配線基板1へ実装されている。ここでは、機能デバイス2は、フリップチップボンディングによって、配線基板1へ実装されている。機能デバイス2は、他の表面実装技術によって、配線基板1へ実装されていてもよい。パッケージ化デバイスは、2以上の機能デバイス2を含んでいてもよい。
チップ部品3は、チップ抵抗、チップキャパシタ及びチップインダクタなどの、表面実装が可能な受動部品である。チップ部品3は、配線基板1へ実装されている。ここでは、チップ部品3は、ダイボンディング及びワイヤボンディングによって、配線基板1へ実装されている。チップ部品3は、他の表面実装技術によって、配線基板1へ実装されていてもよい。パッケージ化デバイスは、2以上のチップ部品3を含んでいてもよい。チップ部品3は、省略してもよい。ここでは、一例として、チップ部品3は、チップインダクタであり、キャパシタC1とともにLCフィルタを構成していることとする。
<1.4>効果
上述した技術は、例えば、以下に記載する効果を奏する。
<1.4.1>設計制約
上述した方法によれば、以下に説明するように、配線基板1の設計の制約が軽減される。
ガラス基板にMIMキャパシタと貫通孔を形成する方法として、ガラス基板に貫通孔を形成した後、ガラス基板上にMIMキャパシタを形成する方法がある。この方法では、貫通孔が形成された状態でMIMキャパシタを形成するため、MIMキャパシタを貫通孔上に配置することが難しい。このため、MIMキャパシタは、ガラス基板上の貫通孔から離れた位置に配置される。この場合、貫通孔上のスペースがデッドスペースになり、設計の自由度が低下し、設計の制約が生じるおそれがある。
上述した方法では、ガラス基板10の第1面S1上に下部電極20a(第1導体層20)を形成した後、ガラス基板10の下部電極20aの下方の位置に貫通孔12を形成する。このため、下部電極20aを貫通孔12上に配置することができる。換言すると、下部電極20aを第3導体層70のビア部70d上に配置することができる。これにより、MIMキャパシタがガラス基板上の貫通孔から離れた位置に配置される場合と比べて、配線基板1の設計の制約が軽減される。
<1.4.2>加工性
上述した方法により得られる配線基板1は、以下に説明するように、加工性を担保した構造となる。
MIMキャパシタをガラス基板の表面及び裏面に形成する際には、ガラス基板の表面に一方のMIMキャパシタ及びこのMIMキャパシタを覆う絶縁樹脂等を作製した後、ガラス基板の裏面に他方のMIMキャパシタを作製する必要がある。ここで、MIMキャパシタの誘電体層の形成には、例えば、CVD処理装置が用いられ、処理温度は、例えば、130℃以上である。このため、CVD処理装置を用いてガラス基板の裏面側にMIMキャパシタの誘電体層を形成する際には、ガラス基板の表面に作製されたMIMキャパシタ及びこのMIMキャパシタを覆う絶縁樹脂等も、130℃以上の温度に晒される。ガラス基板の表面側のMIMキャパシタを覆う絶縁樹脂の耐熱性が不十分であると、CVD処理時にこの絶縁樹脂が溶融し、表面側のMIMキャパシタの下部電極を含む配線の位置ずれが生じるおそれがある。また、表面側のMIMキャパシタを覆う絶縁樹脂が熱により変性し、誘電特性が低下することで伝送線路の伝送特性が低下し、表面側のMIMキャパシタの性能が低下するおそれがある。
上述した方法により得られる配線基板1では、ガラス基板10の第1面S1側のキャパシタC1を覆う層間絶縁膜40として、絶縁樹脂を採用し、その絶縁樹脂のガラス転移温度を第2面S2側のキャパシタC2a及びC2bの形成における最大加工温度以上とする。例えば、絶縁樹脂のガラス転移温度を150℃以上200℃以下とする。これにより、CVD処理装置を用いて第2面S2側のキャパシタC2a及びC2bを形成する際に、絶縁樹脂の溶融が抑制され、第1面S1側のキャパシタC1の下部電極20aを含む配線の位置ずれを抑制できる。また、絶縁樹脂の熱による変性が抑制され、誘電特性の低下、及び第1面S1側のキャパシタC1の性能の低下を抑制できる。よって、配線基板1の加工性を担保することができる。
また、上述した方法により得られる配線基板1は、以下に説明するように、加工性を向上させることができる。
上述のように、ガラス基板の裏面にMIMキャパシタを作製するのは、ガラス基板の表面にMIMキャパシタ及びこのMIMキャパシタを覆う絶縁樹脂等を作製した後である。ここで、表面にMIMキャパシタ及びこのMIMキャパシタを覆う絶縁樹脂等を作製したとき、ガラス基板は、表面側のみにMIMキャパシタ及びこのMIMキャパシタを覆う絶縁樹脂等が作製された状態となるため、このとき、ガラス基板の反り量が最も大きくなる可能性が高い。このため、裏面側にMIMキャパシタを作製する際には、ガラス基板が大きく反った状態であるため、フォトリソグラフィの加工精度の低下、及びこれに伴う配線形成精度の低下や、装置内での搬送時のガラス基板の落下、及びこれに伴うガラス基板の欠けや割れの発生などの加工性の低下が発生するおそれがある。
上述した方法により得られる配線基板1では、ガラス基板10の第1面S1側のキャパシタC1を覆う層間絶縁膜40として、絶縁樹脂を採用し、その絶縁樹脂の弾性率を6GPa以上15GPa以下とし、絶縁樹脂のCTEを15ppm/℃以上30ppm/℃以下とする。これにより、ガラス基板10とキャパシタC1の下部電極20aを含む配線との間に発生する応力などを調整することができ、第1面S1側にキャパシタC1及び絶縁樹脂等を形成する際のガラス基板10の反り量を抑制できる。このため、フォトリソグラフィの加工精度の低下の抑制、及びこれに伴う配線形成精度の低下の抑制や、装置内での搬送時のガラス基板10の落下の抑制、及びこれに伴うガラス基板10の欠けや割れの発生の抑制などの加工性を向上させることができる。
<1.4.3>視認性
上述した方法により得られる配線基板1は、以下に説明するように、視認性を向上させることができる。
図13は、第1比較例に係る配線基板の断面図である。
第1比較例に係る製造方法は、第3工程において耐弗酸金属層21を形成しないこと以外は、図4乃至図11を参照しながら説明した製造方法と同様である。
図13に示すように、ガラス基板10の第1面S1上には、耐弗酸金属層21が形成されていない。このため、第1面S1上には、第1シード層22が形成される。第1シード層22の材料は、第1銅層23及び第3銅層73と同様の材料が好ましい。このため、第1シード層22には、例えば、銅を採用することができる。ガラス基板10などの透明度が高い基板の場合には、第2面S2側の配線(第3導体層70)の検査時に、光が検査面と反対側の第1面S1側の配線(第1導体層20)も透過し、第1シード層22と第3銅層73が同系色の色となるため、ガラス基板10の両面の配線が視認できる状態となる。このため、配線検査時の検査面の配線の視認性が低下するおそれがある。
上述した方法により得られる配線基板1では、ガラス基板10の第1面S1上に耐弗酸金属層21が形成される。ここで、耐弗酸金属層21の材料は弗酸に薬液耐性を有することが好ましいため、クロムなどを採用することができる。クロムの色は第1シード層22に採用される銅や第3銅層73などと比較して明度が低いため、耐弗酸金属層21と第3銅層73を区別する際の視認性は第1シード層22と第3銅層73を区別する場合よりも向上する。これにより、耐弗酸金属層21が設けられない場合と比べて、配線検査時の検査面の配線の視認性を向上させることができる。
また、ガラス基板10の第1面S1側のキャパシタC1は貫通孔12上に形成され、第2面S2側のキャパシタC2a及びC2bは、第2面S2の一部に形成される。換言すると、ガラス基板10の第1面S1側のキャパシタC1はビア部70d上に形成され、第2面S2側のキャパシタC2a及びC2bは、第2面S2のうちビア部70dから離れた位置に形成される。このため、第2面S2側の配線の検査時には、第2面S2側の配線と重なることなく、必ず検査面と反対側の第1面S1側の配線の裏面も透過し、視認できる状態となる。これにより、視認性の向上効果をより高めることができる。
<1.4.4>電気特性
上述した方法により得られる配線基板1は、以下に説明するように、MIMキャパシタの電気特性に優れている。
MIMキャパシタがガラス基板の表面及び裏面に設けられる場合において、ガラス基板の両面ともにMIMキャパシタをガラス基板の貫通孔上に形成すると、貫通孔の開口の両側に形成された配線同士で寄生静電容量が発生し、MIMキャパシタの特性値が設計値から乖離するなどの悪影響を及ぼすおそれがある。また、特性値が設計値から乖離したMIMキャパシタをLCフィルタに使用すると、フィルタ特性にも悪影響を及ぼすおそれがある。
上述した方法により得られる配線基板1では、第1面S1側のキャパシタC1は、ビア部70d上に配置されている。第2面S2側のキャパシタC2a及びC2bは、第2面S2のうちビア部70dから離れた位置に配置されている。換言すると、キャパシタC1は、貫通孔12上に形成されているが、キャパシタC2a及びC2bは、貫通孔12上に形成されていない。キャパシタC2a及びC2bは、貫通孔12から離れており、ビア部70dからも離れている。このため、ガラス基板の両面ともにMIMキャパシタがガラス基板の貫通孔上に設けられる場合と比べて、ガラス基板10を介した下部電極20a及び70bの間の距離、並びにガラス基板10を介した下部電極20a及び70aの間の距離が長くなり、下部電極20a及び70bの間、並びに下部電極20a及び70aの間に発生する寄生静電容量が抑制される。これにより、キャパシタC1、C2a及びC2bの電気特性の低下を抑制できる。また、キャパシタC1、C2a又はC2bを用いて形成されるLCフィルタの伝送特性やフィルタ特性の劣化も抑制できる。さらに、第1面S1側のキャパシタC1は、ビア部70d上に配置されているので、設計制約の軽減と寄生静電容量の発生の抑制を両立させることができる。
<1.4.5>歩留まり
上述した方法により得られる配線基板1では、以下に説明するように、高い歩留まりを達成することができる。
上述のように、ガラス基板の表面にMIMキャパシタ及びこのMIMキャパシタを覆う絶縁樹脂等を作製したとき、ガラス基板の反り量が最も大きくなる可能性が高い。これに対応して、ガラス基板の貫通孔の底部に発生する応力も最も大きく可能性が高い。このため、ガラス基板と表面側のMIMキャパシタを含む配線界面との密着性が不十分な場合、表面側のMIMキャパシタの下部電極を含む貫通孔の底部の配線が剥離するおそれがある。例えば、図13に示すように、ガラス基板10の第1面S1上に耐弗酸金属層21が形成されていない場合、キャパシタC1の下部電極を含む貫通孔の底部の配線が剥離するおそれがある。
上述した方法により得られる配線基板1では、ガラス基板10の第1面S1上に耐弗酸金属層21が形成される。上述のように、耐弗酸金属層21の材料はクロムなどを採用することができる。ここで、クロムはガラス基板10との密着層としても作用することができるため、応力が最も大きくなる貫通孔12の底部に耐弗酸金属層21を成膜することによりガラス基板10と第1シード層22界面の密着力が高まり、キャパシタC1の下部電極20aを含む貫通孔12の底部の配線の剥離を抑制することができる。これにより、高い歩留まりを達成することができる。
ガラス基板の表面側の貫通孔上にMIMキャパシタを形成した後、ガラス基板の裏面側の貫通孔上にMIMキャパシタを形成する場合には、貫通孔内部の導体層形成とMIMキャパシタ形成とを両立させる必要がある。しかしながら、例えば、貫通孔の側壁、貫通孔の底部、及びガラス基板の裏面に、密着層及びシード層を積層した後、ドライフィルムレジストを形成すると、ドライフィルムレジストが貫通孔内に入り、気泡が発生する可能性がある。貫通孔内に気泡が発生した状態でフォトリソグラフィによりパターニングすると、気泡の影響でドライフィルムレジストにゆがみが発生するおそれがある。ドライフィルムレジストにゆがみが発生すると、ドライフィルムレジストのゆがみの影響により、裏面側の貫通孔上に設けられるMIMキャパシタの下部電極の寸法精度が低下するおそれがある。
上述した方法により得られる配線基板1では、第2面S2側のキャパシタC2a及びC2bは、第2面S2の一部に形成される。換言すると、キャパシタC2a及びC2bは、貫通孔12から離れた位置に形成される。これにより、下部電極70a及び70bは、ドライフィルムレジストのゆがみの影響を受けることなく形成される。このため、裏面側の下部電極を貫通孔上に設ける場合と比べて、下部電極70a及び70bの寸法精度の低下を抑制することができる。よって、高い歩留まりを達成することができる。さらに、第1面S1側のキャパシタC1は、ビア部70d上に配置されているので、設計制約の軽減と下部電極70a及び70bの寸法精度の低下の抑制を両立させることができる。
<1.4.6>接続信頼性
上述した方法により得られる配線基板1は、以下に説明するように、ガラス基板10上に設けられた配線と、このガラス基板10に設けられたTGVとの間の接続信頼性に優れている。
両面ともにガラス基板のTGV上にMIMキャパシタを形成する場合には、温度サイクル試験などの信頼性試験の際には、ガラス基板のTGV部の応力により、ガラス基板両面に形成されたMIMキャパシタの配線が断線および剥離するおそれがある。
上述した方法により得られる配線基板1では、ガラス基板10の第1面S1側のキャパシタC1はビア部70d上に形成され、第2面S2側のキャパシタC2a及びC2bは、第2面S2のうちビア部70dから離れた位置に形成される。このため、ガラス基板の両面ともにMIMキャパシタがガラス基板のTGV上に設けられる場合と比べて、キャパシタC1、C2a及びC2bにかかる応力を軽減できる。これにより、ガラス基板10の第1面S1側及び第2面S2側の両方において、配線の断線や剥離を抑制することができる。よって、ガラス基板10上に設けられた配線と、ガラス基板10に設けられたTGVとの間の接続信頼性に優れている。
<1.4.7>ハンドリング性
上述した製造方法によると、以下に説明するように、ガラス基板10の破損を生じ難く、優れたハンドリング性を実現し得る。
ガラス基板に貫通孔を形成すると、その機械的強度が低下する可能性がある。また、厚さが小さなガラス基板、例えば、厚さが300μm以下であるガラス基板は、回路など導電部を形成するための搬送時などに割れを生じ易く、取扱いが困難である。
上述した方法では、第1面S1へ第1導体層20等を形成する際には、ガラス基板10は相対的に厚いため、その破損は生じ難い。また、ガラス基板10と第1導体層20とを含んだ複合体は、ガラス基板10の薄板化及び貫通孔12の形成を行った後でも、高い強度を有している。それ故、その後の工程においても、ガラス基板10の破損は生じ難い。そして、第1支持体121は、ガラス基板10の破損を更に生じ難くする。また、第1支持体121を取り除く前に第2導体層30等を形成することにより、複合体の強度は高められているので、この複合体から第1支持体121を取り除いた後であっても、ガラス基板10の破損は生じ難い。従って、上述した製造方法によると、ガラス基板10の破損を生じ難く、その取扱いが容易である。
<1.4.8>生産性
また、上述した製造方法によると、以下に説明するように、高い生産性を達成可能である。
TSV技術においては、ドライエッチングを応用したBoschプロセスなどの手法が、シリコン基板に貫通孔を形成する方法として確立されている。しかしながら、ドライエッチングによるガラス基板への貫通孔の形成は、長時間を要し、実用的であるとは言い難い。
上述した製造方法では、ガラス基板10を薄板化するためのウェットエッチングによって、貫通孔12の形成も行う。そして、貫通孔12は、レーザ光照射で生じさせた改質部11の位置に形成する。ガラス基板10のうち、改質部11は、他の部分と比較して高いエッチングレートでエッチングすることができる。従って、上述した製造方法によると、高い生産性を達成可能である。
<1.5>変形例
上述した配線基板1及びパッケージ化デバイスには、様々な変形が可能である。
<1.5.1>貫通孔
図14は、第1変形例に係る配線基板のガラス基板に設けられた貫通孔を示す断面図である。図15は、第2変形例に係る配線基板のガラス基板に設けられた貫通孔を示す断面図である。第1及び第2変形例に係る配線基板は、貫通孔12に図14及び図15の構造をそれぞれ採用したこと以外は、上記の配線基板1と同様である。
上述した配線基板1において、ガラス基板10に設けられた貫通孔12は、第2面S2から第1面S1へ向けて先細りしている。即ち、貫通孔12は順テーパ形状を有する。貫通孔12は、図14及び図15に示すように、第2面S2から第1面S1へ向けて先細りした順テーパ形状を有する部分(順テーパ形状部)と、第1面S1から第2面S2へ向けて先細りした逆テーパ形状を有する部分(逆テーパ形状部)とを含んでいてもよい。図1、図14及び図15に示すような断面形状の異なる貫通孔12は、改質部11の位置や弗化水素を含んだエッチング液の濃度や処理温度などのエッチング条件を変更することにより形成することができる。
ここでは、順テーパ形状部は、第2面S2から第1面S1へ向けて伸びるとともに、第2面S2から第1面S1へ向けて縮径している。即ち、順テーパ形状部の第1面S1側の開口径(又は断面積)は、順テーパ形状部の第2面側の開口径(又は断面積)よりも小さい。また、逆テーパ形状部は、第1面S1から第2面S2へ向けて伸びるとともに、第1面S1から第2面S2へ向けて縮径している。即ち、逆テーパ形状部の第2面S2側の開口径(又は断面積)は、逆テーパ形状部の第1面S1側の開口径(又は断面積)よりも小さい。
図14の構造では、貫通孔12が径の極小値を有する位置は、第1面S1からの距離が、ガラス基板10の厚さの0.4倍乃至0.6倍の範囲内にある。図15の構造では、貫通孔12が径の極小値を有する位置は、第1面S1からの距離が、ガラス基板10の厚さの0.2倍以下である。
図14及び図15に示す構造では、貫通孔12が径の極小値を有する位置(又は、第1面S1に対して平行な断面の面積が極小値を有する位置)は、第1面S1から離間している。それ故、貫通孔12に図14又は図15の構造を採用した場合、図1の構造を採用した場合と比較して、径(断面積)が極小となる位置が、第1面S1側よりも第2面S2側の位置であるため、第1導体層20と第3導体層70との接続部に加わる応力を小さくすることができ、従って、ガラス基板10上に設けられた配線と、このガラス基板に設けられたTGVとの間の接続信頼性を更に向上させることができる。
<1.5.2>インダクタ
上記のパッケージ化デバイスは、インダクタをチップ部品3として含んでいる。上記の通り、インダクタとキャパシタC1とを組み合わせて、LCフィルタを構成することができる。
インダクタは、配線基板1に内蔵させてもよい。インダクタを配線基板1に内蔵させた場合、例えば、配線長の短縮、これに伴う電気特性及び伝送特性の向上、又は、パッケージ化デバイスの小型化若しくは低背化が可能である。
配線基板1に内蔵させるインダクタは、例えば、スパイラルコイルである。配線基板1は、第1導体層20の一部をスパイラルコイルとして含んでいてもよく、第3導体層70の一部をスパイラルコイルとして含んでいてもよい。或いは、配線基板1は、第1導体層20の一部をスパイラルコイルとして含み、第3導体層70の一部を他のスパイラルコイルとして含んでいてもよい。
配線基板1は、インダクタとして、以下に説明するソレノイドコイルを内蔵していてもよい。
図16は、第3変形例に係る配線基板の一部を示す斜視図である。図16には、配線基板1が内蔵し得るインダクタの一例として、ソレノイドコイルL1を描いている。第3変形例に係る配線基板は、ソレノイドコイルL1を含んでいること以外は、上記の配線基板1と同様である。
ソレノイドコイルL1は、第1導体層20の一部と第3導体層70の一部とによって構成されている。具体的には、ソレノイドコイルL1は、第1導体路20pと、第2導体路70pと、第3導体路70qとを含んでいる。
第1導体路20pの各々は、第1導体層20の一部である。第1導体路20pは、第1面S1に対して平行な第1方向へ伸びた形状を有し、第1面S1に対して平行であり且つ第1方向に対して交差する第2方向へ一定のピッチで配列している。各第1導体路20pは、第1端と第2端とを有している。ガラス基板10には、第1端の位置と第2端の位置とに、貫通孔12が設けられている。
第2導体路70pの各々は、第3導体層70のうち、第2面S2上に位置した部分の一部である。第2導体路70pは、第2面S2に対して平行であり且つ第1及び第2方向に対して交差する第3方向へ伸びた形状を有し、第2方向へ一定のピッチで配列している。各第2導体路70pは、或る第1導体路20pの第1端と向き合った第3端と、先の第1導体路20pと隣り合った第1導体路20pの第2端と向き合った第4端とを有している。
第3導体路70qの各々は、第3導体層70のうち、貫通孔12内に位置した部分の一部である。第3導体路70qは、各第2導体路70pの第3端及び第4端を、それぞれ、或る第1導体路20pの第1端と、これと隣り合った第1導体路20pの第2端とへ接続している。
ソレノイドコイルL1は、第1導体路20p、第3導体路70q、第2導体路70p及び第3導体路70qをこの順に各々が含んだ複数のセグメントを直列に連ねた構造を有している。また、ソレノイドコイルL1の螺旋軸は、上記の第2方向に対して平行である。ソレノイドコイルL1は、キャパシタC1と組み合わせて、LCフィルタを構成し得る。
上述したソレノイドコイルL1では、第1導体路20pと第3導体路70qとの接続部は、図1を参照しながら説明した構造を有している。図1の構造では、第1導体層20と第3導体層70との接続抵抗が小さい。それ故、ソレノイドコイルL1では、第1導体路20pと第3導体路70qとの接続抵抗が小さい。従って、このソレノイドコイルL1は、キャパシタC1と組み合わせた場合に、電気特性及び伝送特性に優れたLCフィルタを実現し得る。
ソレノイドコイルL1は、第1導体層20の一部と第3導体層70の一部とによって構成されている。同様の構造を有するソレノイドコイルは、第1導体層20の一部と導体層50の一部とによって構成することができ、第3導体層70の一部と導体層100の一部とによって構成することもできる。
<1.5.3>銅層
図17は、第4変形例に係る配線基板の断面図である。第4変形例に係る配線基板は、第3銅層73に後述する構造を採用したこと以外は、上記の配線基板1と同様である。
図1の構造では、貫通孔12の位置で、第3銅層73は第3シード層72を被覆している。これに対し、図17の構造では、側壁及び底部に密着層71及び第3シード層72が形成された貫通孔12の全体を、第3銅層73が埋め込んでいる。換言すると、ビア部は、貫通孔12の全体に埋め込まれている。即ち、前者の構造はコンフォーマル形態であり、後者の構造はフィルド形態である。
各ビアにおいて銅層には、コンフォーマル形態及びフィルド形態の何れを採用しても構わない。但し、フィルド形態を採用した場合、コンフォーマル形態を採用した場合と比較して、貫通孔12内に比較的電気抵抗が低い銅が多く形成されるため、ガラス基板10上に設けられた配線と、このガラス基板に設けられたTGVとの接続部の電気特性や伝送特性を向上させることができる。
図18は、第2比較例に係る配線基板の断面図である。
第2比較例に係る製造方法は、以下に説明するように、第8工程において第3銅層73をフィルド形態で形成すること、及び上部電極80bの配置位置を変更したこと以外は、図4乃至図11を参照しながら説明した製造方法と同様である。
図18に示すように、側壁及び底部に密着層71及び第3シード層72が形成された貫通孔12の全体を、第3銅層73が埋め込んでいる。即ち、ビア部の構造は、フィルド形態である。キャパシタC2bは、ビア部上に形成されている。
図18の構造では、第1実施形態で述べたように、ガラス基板10の第2面S2側の貫通孔12上に設けられるキャパシタC2a及びC2bの下部電極70a及び70bの寸法精度が低下するおそれがある。
これに対し、第4変形例に係る配線基板1では、第2面S2側のキャパシタC2a及びC2bは、第2面S2の一部に形成される。換言すると、キャパシタC2a及びC2bは、貫通孔12から離れた位置に形成される。これにより、下部電極70a及び70bは、ドライフィルムレジストのゆがみの影響を受けることなく形成される。このため、裏面側の下部電極を貫通孔上に設ける場合と比べて、下部電極70a及び70bの寸法精度の低下を抑制することができる。
<1.5.4>他の変形例
上記の配線基板1及びパッケージ化デバイスには、更に他の変形も可能である。
例えば、図1の配線基板1は、第1面S1上に、層間絶縁膜40と導体層50との積層体を1つのみ含んでいる。第1面S1上には、この積層体を2以上積層してもよい。或いは、この積層体は、省略してもよい。
同様に、図1の配線基板1は、第2面S2上に、層間絶縁膜90と導体層100との積層体を1つのみ含んでいる。第2面S2上には、この積層体を2以上積層してもよい。或いは、この積層体は、省略してもよい。
これらの場合、第11工程の後に第5工程と同様の処理を実施して、配線基板1の表面及び裏面に更に層間絶縁膜と導体層との積層体を2以上形成してもよい。第11工程の後では第1支持体121を取り外しているため、層間絶縁膜と導体層との積層体の両面同時形成が可能となり、片面形成と比較して工程の短縮化が可能となる。
<2>第2実施形態
本発明の第2実施形態は、配線基板を以下の方法により製造すること以外は、第1実施形態と同様である。
<2.1>配線基板の製造方法
図19は、本発明の第2実施形態に係る配線基板の製造方法における一工程を示す断面図である。図20は、本発明の第2実施形態に係る配線基板の製造方法における他の工程を示す断面図である。
第2実施形態に係る製造方法は、以下に説明するように、第1及び第2工程の代わりに第12及び第13工程を実施し、第6工程と第7工程との間に第14工程を実施すること以外は、図4乃至図11を参照しながら説明した製造方法と同様である。
<2.1.1>第12工程
この方法では、先ず、互いに対向する第1面S1と第2面S2とを有しているガラス基板10を準備する。ガラス基板10は、第1工程で使用するものよりも厚さが小さいものであることが好ましい。例えば、厚さ130μmの無アルカリガラス板の表面から、超音波洗浄などで汚染物を除去して、ガラス基板10を得る。なお、この段階のガラス基板10は、パッケージ化デバイスが含むガラス基板10と比較して、厚さ方向に垂直な方向の寸法がより大きな大判のガラス基板である。
次に、図19に示すように、第2面S2に、仮貼り用の接着剤132を介して第2支持体131を貼り合わせる。第2支持体131としては、例えば、薄板状のガラスキャリアを使用する。第2支持体131は、ガラス製ではなくてもよく、金属製や樹脂製などでもよい。第2支持体131の厚さは、ガラス基板10の搬送性を鑑み、0.7mm以上10mm以下の範囲内にあることが望ましい。第2支持体131の厚さは、ガラス基板10の厚さに応じて適宜設定して構わない。
第12工程により、ガラス基板10へのレーザ光の照射の前、及びキャパシタC1の形成前に、ガラス基板10の第2面S2側に第2支持体131が設けられる。
<2.1.2>第13工程
次に、第1面S1から第2面S2へ向けてガラス基板10へレーザ光を照射して、図19に示すように、ガラス基板10に1以上の改質部11を形成する。改質部11は、貫通孔に対応した位置に形成する。改質部11は、第1面S1から第2面S2へ向けて、例えば、ガラス基板10の厚さ方向へ伸びている。レーザ光量は、第1面S1から伸びた改質部11が第2面S2まで到達するが、第2支持体131の第2面S2と向き合った面の裏面までは到達しないように調整することが望ましい。
<2.1.3>第3乃至第6工程
次いで、第2支持体131に支持させたガラス基板10に対して、第3乃至6工程を順次実施する。これにより、図20に示す構造を得る。
<2.1.4>第14工程
その後、ガラス基板10、第1導体層20及び第1支持体121等を含んだ複合体から、第2支持体131と接着剤132とを除去する。
第14工程により、貫通孔12を形成する前に、第2支持体131が除去される。
<2.1.5>第7乃至第11工程
更に、ガラス基板10及び第1導体層20等を含んだ複合体に対して、第7乃至第11工程を順次実施する。これにより、図1に示す配線基板1を得る。
<2.2>効果
第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
また、第2実施形態では、改質部11を、第1面S1から伸び、第2面S2まで到達するように形成する。それ故、ガラス基板10における改質部11の長さにばらつきがない。従って、第2実施形態によれば、第1実施形態と比較して、貫通孔12の径のばらつきを小さくすることが容易であり、より高い加工精度を達成できる。
<2.3>変形例
上記の製造方法、この製造方法によって得られる配線基板、及びこの配線基板を含んだパッケージ化デバイスには、例えば、第1実施形態において説明したのと同様の変形が可能である。
<3>第3実施形態
本発明の第3実施形態は、配線基板を以下の方法により製造すること以外は、第1実施形態と同様である。
<3.1>配線基板の製造方法
図21は、本発明の第3実施形態に係る配線基板の製造方法における一工程を示す断面図である。図22は、本発明の第3実施形態に係る配線基板の製造方法における他の工程を示す断面図である。
第3実施形態に係る製造方法は、以下に説明するように、第2工程を省略し、第6工程と第7工程との間に第15工程を実施すること以外は、図4乃至図11を参照しながら説明した製造方法と同様である。
<3.1.1>第1及び第3乃至第6工程
先ず、第1工程を実施し、次いで、第2工程を実施することなしに、第3工程を実施する。第3工程では、先ず、図21の構造を得る。図21の構造は、改質部11が設けられていないこと以外は、図5の構造と同様である。その後、第3工程における残りの処理を実施し、更に、第4乃至第6工程をこの順に実施する。以上のようにして、図22の構造を得る。
<3.1.2>第15工程
次に、第2面S2から第1面S1へ向けてガラス基板10へレーザ光を照射して、図8に示すように、ガラス基板10に1以上の改質部11を形成する。改質部11は、貫通孔に対応した位置に形成する。改質部11は、第1面S1から第2面S2へ向けて、例えば、ガラス基板10の厚さ方向へ伸びている。レーザ光量は、第1面S1から伸びた改質部11が第2面S2まで到達しないように調整することが望ましい。レーザ光の照射条件は、例えば、第2工程と同様とすることができる。
第15工程により、第1支持体121を設けた後に、ガラス基板10に第2面S2側からレーザ光を照射して、ガラス基板10に改質部11が形成される。
<3.1.3>第7乃至第11工程
更に、ガラス基板10及び第1導体層20等を含んだ複合体に対して、第7乃至第11工程を順次実施する。これにより、図1に示す配線基板1を得る。
<3.2>効果
第3実施形態は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
<3.3>変形例
上記の製造方法、この製造方法によって得られる配線基板、及びこの配線基板を含んだパッケージ化デバイスには、例えば、第1実施形態において説明したのと同様の変形が可能である。
<4>第4実施形態
本発明の第4実施形態は、配線基板を以下の方法により製造すること以外は、第1実施形態と同様である。
<4.1>配線基板の製造方法
図23は、本発明の第4実施形態に係る配線基板の製造方法における一工程を示す断面図である。図24は、本発明の第4実施形態に係る配線基板の製造方法における他の工程を示す断面図である。
第4実施形態に係る製造方法は、以下に説明するように、第1工程の代わりに第12工程を実施し、第2工程を省略し、第6工程と第7工程との間に第16及び第14工程をこの順に実施すること以外は、図4乃至図11を参照しながら説明した製造方法と同様である。
<4.1.1>第12及び第3乃至第6工程
先ず、第1工程の代わりに第12工程を実施し、次いで、第2工程を実施することなしに、第3工程を実施する。第3工程では、先ず、図23の構造を得る。図23の構造は、改質部11が設けられておらず、第1面S1に耐弗酸金属層21及び第1シード層22がこの順に形成されていること以外は、図19の構造と同様である。その後、第3工程における残りの処理を実施し、更に、第4乃至第6工程をこの順に実施する。以上のようにして、図24の構造を得る。
<4.1.2>第16工程
次に、第2面S2から第1面S1へ向けてガラス基板10へレーザ光を照射して、図20に示すように、ガラス基板10に1以上の改質部11を形成する。改質部11は、貫通孔に対応した位置に形成する。改質部11は、第1面S1から第2面S2へ向けて、例えば、ガラス基板10の厚さ方向へ伸びている。レーザ光量は、第1面S1から伸びた改質部11が第2面S2まで到達するが、第2支持体131の第2面S2と向き合った面の裏面までは到達しないように調整することが望ましい。レーザ光の照射条件は、例えば、第2工程と同様とすることができる。
<4.1.3>第14及び第7乃至第11工程
次いで、第14工程を実施して、ガラス基板10、第1導体層20及び第1支持体121等を含んだ複合体から、第2支持体131と接着剤132とを除去する。
その後、ガラス基板10及び第1導体層20等を含んだ複合体に対して、第7乃至第11工程を順次実施する。これにより、図1に示す配線基板1を得る。
<4.2>効果
第4実施形態は、第1及び第2実施形態と同様の効果を奏する。
<4.3>変形例
上記の製造方法、この製造方法によって得られる配線基板、及びこの配線基板を含んだパッケージ化デバイスには、例えば、第1実施形態において説明したのと同様の変形が可能である。
以下に、本発明に関連して行った試験について記載する。
<試験1>
図1を参照しながら説明した配線基板1を製造した。この配線基板1の層間絶縁膜40に用いられる絶縁樹脂として、ガラス転移温度がキャパシタC2b形成時の最大加工温度以上の絶縁樹脂(ガラス転移温度が150℃以上200℃以下(以下、条件1と表記する)である絶縁樹脂)を採用した。また、層間絶縁膜40に用いられる絶縁樹脂として、ガラス転移温度が最大加工温度よりも低い絶縁樹脂(ガラス転移温度が上記条件1を満たさない絶縁樹脂)を採用したこと以外は上記と同様の配線基板を製造した。これら配線基板1について、第1面S1上の第1導体層20における設計値からの配線の位置ずれ量を測定した。
その結果、絶縁樹脂として、ガラス転移温度が最大加工温度よりも低い絶縁樹脂を採用した配線基板では、位置ずれ量は10μmであった。これに対し、図1の構造を採用した配線基板では、位置ずれ量は0μmであった。
<試験2>
図1を参照しながら説明した配線基板1を50個製造した。これら配線基板1について、ガラス基板10上に設けられた配線とTGVとの間の接続信頼性を調べた。具体的には、配線基板1の各々を熱冷衝撃試験機に取り付けて、-40℃から+125℃まで配線基板の雰囲気温度を変動させるサイクルを1000回繰り返した。その後、上記配線とTGVとの間の導通確認を行った。上記配線とTGVとの間の導通は、第1導体層20が含む配線と第3導体層70が含む配線との間の電気抵抗をテスターで測定することにより行った。
また、図1の構造の代わりに図13の構造を採用したこと以外は上記と同様の配線基板を50個製造した。これらについても、上記と同様の方法により、ガラス基板10上に設けられた配線とTGVとの間の接続信頼性を調べた。
更に、図1の構造の代わりに図18の構造を採用したこと以外は上記と同様の配線基板を50個製造した。これらについても、上記と同様の方法により、ガラス基板10上に設けられた配線とTGVとの間の接続信頼性を調べた。
その結果、図13の構造を採用した配線基板では、導通不良の頻度は30%であった。これに対し、図18の構造を採用した配線基板では、導通不良の頻度は20%であった。また、図1の構造を採用した配線基板では、導通不良の頻度は3%以下であった。
<試験3>
図1を参照しながら説明した配線基板1を製造した。この配線基板1の層間絶縁膜40に用いられる絶縁樹脂としては、弾性率が6GPa以上15GPa以下、且つCTEが15ppm/℃以上30ppm/℃以下(以下、条件2と表記する)である絶縁樹脂を採用した。また、層間絶縁膜40に用いられる絶縁樹脂として、弾性率及びCTEが上記条件2を満たさない絶縁樹脂を採用したこと以外は上記と同様の配線基板を製造した。これら配線基板1について、両面に何も形成されていないガラス基板10の第1面S1に対する、第1導体層20、第1誘電体層25、第2導体層30及び層間絶縁膜40等が形成された第1面S1の反り量を測定した。
その結果、絶縁樹脂として、弾性率及びCTEが上記条件2を満たさない絶縁樹脂を採用した配線基板では、反り量は1.8mmであった。これに対し、図1の構造を採用した配線基板では、反り量は1.2mmであった。
1…配線基板、2…機能デバイス、3…チップ部品、4…接合用導体、5…接合用導体、10…ガラス基板、11…改質部、12…貫通孔、20…第1導体層、20a…下部電極、21…耐弗酸金属層、22…第1シード層、23…第1銅層、25…第1誘電体層、30…第2導体層、31…第2シード層、32…第2銅層、40…層間絶縁膜、50…導体層、51…シード層、52…銅層、60…絶縁層、70…第3導体層、70a、70b…下部電極、70c…配線部、70d…ビア部、70e…配線部、71…密着層、72…第3シード層、73…第3銅層、80…第4導体層、80a、80b…上部電極、81…第4シード層、82…第4銅層、90…層間絶縁膜、100…導体層、101…シード層、102…銅層、110…絶縁層、121…第1支持体、122…接着剤、131…第2支持体、132…接着剤、S1…第1面、S2…第2面、S3…第3面、S4a、S4b…第4面、C1、C2a、C2b…キャパシタ、L1…ソレノイドコイル

Claims (18)

  1. 第1面と前記第1面に対向する第2面とを有し、前記第1面から前記第2面まで達する貫通孔が設けられたガラス基板と、
    前記貫通孔に設けられたビアと、
    前記第1面と向かい合う第3面が前記第1面及び前記ビアに接する第1電極と、前記第1電極の上に設けられる第1誘電体層と、前記第1誘電体層の上に設けられる第2電極とを含む第1キャパシタと、
    前記第2面と向かい合う第4面が前記第2面に接し且つ前記ビアに接していない第3電極と、前記第3電極の上に設けられる第2誘電体層と、前記第2誘電体層の上に設けられる第4電極とを含む第2キャパシタと
    を備える、配線基板。
  2. 前記第1電極は、前記第1面に接する耐フッ酸金属層を含む、
    請求項1記載の配線基板。
  3. 前記耐フッ酸金属層は、クロム、ニッケル、及びニッケルクロム合金からなる群より得られる材料からなる、
    請求項2記載の配線基板。
  4. 前記第3電極は、前記ビアと電気的に接続されている、
    請求項1記載の配線基板。
  5. 前記第1電極は、耐フッ酸金属層と、第1シード層と、第1銅層とを積層した構造を有し、
    前記第2電極は、第2シード層と、第2銅層とを積層した構造を有し、
    前記ビアは、密着層と、第3シード層と、第3銅層とを積層した構造を有し、
    前記第3電極は、前記密着層と、前記第3シード層と、前記第3銅層とを積層した構造を有し、
    前記第4電極は、第4シード層と、第4銅層とを積層した構造を有する、
    請求項1記載の配線基板。
  6. 前記貫通孔は、テーパ形状を有し、前記貫通孔の前記第1面側の断面積は、前記貫通孔の前記第2面側の断面積よりも小さい、
    請求項1記載の配線基板。
  7. 前記ビアは、前記貫通孔の側壁、及び前記第1電極のうち前記貫通孔に接する部分を被覆している、
    請求項1記載の配線基板。
  8. 前記密着層は、チタン、クロム及びニッケルからなる群より選ばれる1以上の材料又はその酸化物からなる、
    請求項5記載の配線基板。
  9. 前記貫通孔は、テーパ形状を有する第1部分と、テーパ形状を有する第2部分とを含み、
    前記第1部分の前記第2面側の断面積は、前記第1部分の前記第1面側の断面積よりも小さく、
    前記第2部分の前記第1面側の断面積は、前記第2部分の前記第2面側の断面積よりも小さい、
    請求項1記載の配線基板。
  10. 前記ビアは、前記貫通孔の全体に埋め込まれている、
    請求項1記載の配線基板。
  11. 前記ガラス基板の前記第1面及び前記第1キャパシタを覆う絶縁層
    を更に備え、
    前記絶縁層は、絶縁樹脂であり、
    前記絶縁樹脂のガラス転移温度は、150℃以上200℃以下である、
    請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の配線基板。
  12. 前記ガラス基板の前記第1面及び前記第1キャパシタを覆う絶縁層
    を更に備え、
    前記絶縁層は、絶縁樹脂であり、
    前記絶縁樹脂の弾性率は、6GPa以上15GPa以下であり、
    前記絶縁樹脂の線膨張係数は、15ppm/℃以上30ppm/℃以下である、
    請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の配線基板。
  13. ガラス基板にレーザ光を照射して、前記ガラス基板に改質部を形成することと、
    前記ガラス基板の第1面側において、前記改質部の上に、第1導体層と、第1誘電体層と、第2導体層とを形成して第1キャパシタを形成することと、
    前記ガラス基板の前記改質部の位置に前記第1面と前記第1面に対向する第2面とを貫通する貫通孔を形成することと、
    前記ガラス基板の前記第2面及び前記貫通孔に第3導体層を形成し、前記貫通孔内にビアを形成することと、
    前記ガラス基板の前記第2面側において、前記第3導体層の上であり且つ前記ビアと異なる位置に、第2誘電体層と、第4導体層とを形成して、第2キャパシタを形成することと
    を備える、
    配線基板の製造方法。
  14. 前記第1導体層を形成することは、
    前記ガラス基板の前記第1面の上に、耐フッ酸金属層を形成することと、
    前記耐フッ酸金属層の上に、第1シード層を形成することと、
    前記第1シード層の上に、第1銅層を形成することと
    を含み、
    前記第3導体層を形成することは、
    前記ガラス基板の前記第2面及び前記貫通孔内に、密着層を形成することと、
    前記密着層の上に、第3シード層を形成することと、
    前記第3シード層の上に、第3銅層を形成することと
    を含む、
    請求項13記載の配線基板の製造方法。
  15. 前記ガラス基板への前記レーザ光の照射の前に、前記ガラス基板の前記第2面側に第1支持体を設けることと、
    前記貫通孔を形成する前に、前記第1支持体を除去することと
    を更に備える、
    請求項13記載の配線基板の製造方法。
  16. 前記第1キャパシタの形成の後に、前記ガラス基板の前記第1面側に第2支持体を設けること
    を更に備え、
    前記改質部を形成することは、前記第2支持体を設けた後に、前記ガラス基板に前記第2面側からレーザ光を照射して、前記ガラス基板に前記改質部を形成することを含む、
    請求項13記載の配線基板の製造方法。
  17. 前記第1キャパシタの形成の前に、前記ガラス基板の前記第2面側に第3支持体を設けることと、
    前記貫通孔を形成する前に、前記第3支持体を除去することと
    を更に備える、
    請求項16記載の配線基板の製造方法。
  18. 前記ガラス基板の前記第1面及び前記第1キャパシタを覆う絶縁層を形成すること
    を更に備え、
    前記絶縁層は、絶縁樹脂であり、
    前記第2キャパシタの形成は、前記絶縁樹脂のガラス転移温度以下の温度で行われる、
    請求項13乃至請求項17のいずれか1項記載の配線基板の製造方法。
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