JP2024076276A - 電動工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】先端工具のカバーの取付け構造に関する改良を提供する。【解決手段】電動工具は、スピンドルと、ハウジングと、ハウジングに取り外し可能に取り付けられ、スピンドルの下端部に装着された先端工具を部分的に覆うカバー本体と、カバー本体に設けられた第1係合部と、ハウジングに設けられた第2係合部とを備える。カバー本体は、上板部と、上板部の外縁に沿って、外縁から下方に突出する外周部とを含む。第2係合部は、第1係合部に係合する係合位置と、第1係合部に係合不能な解除位置との間で移動可能である。第1係合部及び第2係合部は、互いに係合することによって、ハウジングに対するカバー本体の駆動軸周りの回動を規制する。第1係合部は、駆動軸に直交する径方向において、カバー本体の外周部と同じ位置又は外周部よりも径方向外側にあり、且つ、上下方向においてカバー本体の上端と下端の間にある。【選択図】 図5

Description

本開示は、電動工具に関する。より詳細には、本開示は、スピンドルに装着された先端工具を部分的に覆うカバーを備えた電動工具に関する。
電動工具(例えば、先端工具を回転又は揺動する電動工具)は、加工作業で発生する粉塵や火花が飛散することを抑制するために、スピンドルの下端部に装着された先端工具を部分的に覆うカバーを備えることがある。電動工具は、狭い場所で使用されるときの作業性に鑑み、スピンドルの軸方向におけるサイズが小さいことが好ましい。そこで、カバーの取付け構造に関し、スピンドルの軸方向におけるサイズ低減のための改良が提案されている。例えば、特許文献1には、保護フード(カバー)の径方向外側に配置され、保護フードに係合可能なレバーを備えたグラインダが開示されている。
欧州特許第2189244号明細書
上述のグラインダでは、保護フードは、先端工具の上側に配置されるディスク状部分と、ディスク状部分の外縁に接続し、先端工具の縁を包囲する縁部とを備えている。レバーは、保護フードの径方向外側に配置され、保護フードの縁部のうち、先端工具に対して下側に配置される部分に形成された凹部に係合可能である。このようなカバーの取付け構造には、更なる改良の余地がある。
上述の状況に鑑み、本開示は、先端工具のカバーの取付け構造に関する改良を提供することを、非限定的な1つの目的とする。
本開示の非限定的な1つの態様によれば、スピンドルと、ハウジングと、カバー本体と、第1係合部と、第2係合部とを備えた電動工具が提供される。なお、本態様の電動工具として、例えば、先端工具を駆動軸周りに回転させる回転工具(例えば、グラインダ、カッタ、丸鋸)、先端工具を駆動軸周りに揺動(往復回動)させる振動工具(いわゆるマルチツール)等が挙げられる。
スピンドルは、電動工具の上下方向を規定する駆動軸に沿って延在する。スピンドルは、先端工具を着脱可能な下端部を有する。ハウジングは、スピンドルの下端部が外部に露出した状態で、スピンドルを収容する。カバー本体は、ハウジングに取り外し可能に取り付けられ、スピンドルの下端部に装着された先端工具を部分的に覆うように構成されている。カバー本体は、先端工具の上方に配置される上板部と、上板部の外縁に沿って、外縁から下方に突出する外周部とを含む。第1係合部は、カバー本体に設けられている。第2係合部は、ハウジングに設けられ、第1係合部に係合する係合位置と、第1係合部に係合不能な解除位置との間で移動可能である。第1係合部及び第2係合部は、互いに係合することによって、ハウジングに対するカバー本体の駆動軸周りの回動を規制するように構成されている。第1係合部は、駆動軸に直交する径方向において、カバー本体の外周部と同じ位置又は外周部よりも径方向外側にあり、且つ、上下方向においてカバー本体の上端と下端の間にある。なお、ここでいう「外周部と同じ位置にある」とは、具体的には、例えば、第1係合部が外周部に形成された凹部または孔である場合をいう。また、「上端と下端の間」は、上端と同じ位置及び下端と同じ位置も含む。
本態様の電動工具では、カバー本体に設けられた第1係合部とハウジングに設けられた第2係合部とが互いに係合することで、カバー本体の回動を規制するように構成されている。そして、第1係合部は、上下方向においてカバー本体の上端と下端との間にある。つまり、第1係合部はカバー本体の上方や下方に突出していない。よって、第1係合部がカバー本体の上方や下方に突出する場合に比べ、第2係合部を含む電動工具全体の上下方向の大型化を抑制することが可能となる。
第1実施形態に係るグラインダの斜視図である。 グラインダの断面図である。 図2の部分拡大図である。 カバーの斜視図である。 グラインダの前端部の斜視図である。 先端工具及びカバーが取り外された状態のグラインダの部分的な分解斜視図である。 カバー部が取り外され、レバーが係合位置にあるときのグラインダの部分的な左側面図である。 係合位置にあるレバーとレールとを示す断面図である。 カバー部が取り外され、レバーが解除位置にあるときのグラインダの部分的な左側面図である。 解除位置にあるレバーとレールとを示す断面図である。 カバー部が取り外され、レバーが係合位置にあるときの第2実施形態のグラインダの部分的な左側面図である。 レバーが係合位置にあるときの第3実施形態に係るグラインダの部分的な断面図である。 カバーの斜視図である。 レール係合部及びその周辺部分の拡大斜視図である。 先端工具及びカバーが取り外された状態のグラインダの部分的な分解斜視図である。 レバーが解除位置にあるときのグラインダの部分的な断面図である。 第4実施形態に係るグラインダの部分的な斜視図である。 カバーの斜視図である。 レバーが係合位置にあるときのグラインダの下面図である。 先端工具及びカバーが取り外された状態のグラインダの部分的な分解斜視図である。 レバーが解除位置にあるときのグラインダの下面図である。 レバーが係合位置にあるときの第5実施形態に係るグラインダの部分的な断面図である。 カバーの斜視図である。 係合位置にあるレバーとレールとを示す断面図である。 グラインダ部分的な斜視図である。 先端工具及びカバーが取り外された状態のグラインダの部分的な分解斜視図である。 レバーが解除位置にあるときのグラインダの部分的な断面図である。 解除位置にあるレバーとレールとを示す断面図である。 レバーが係合位置にあるときの第6実施形態に係るグラインダの部分的な断面図である。 グラインダの部分的な斜視図である。 先端工具及びカバーが取り外された状態のグラインダの部分的な分解斜視図である。 係合位置にあるレバーとレールとを示す断面図である。 レバーが解除位置にあるときのグラインダの部分的な断面図である。 解除位置にあるレバーとレールとを示す断面図である。 ラッチが係合位置にあるときの第7実施形態に係るグラインダの部分的な断面図である。 ラッチが係合位置にあるときのグラインダの下面図である。 解除位置にあるラッチとカバーとを示す断面図である。 別のカバーが取り付けられたグラインダの下面図である。 更に別のカバーが取り付けられたグラインダの下面図である。
本開示の非限定的な一実施形態において、第1係合部は、カバー本体の上板部又は外周部から径方向外側に突出する突出部として構成されていてもよい。この実施形態によれば、第1係合部と第2係合部との係合構造の設計の自由度を高めることができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第2係合部は、駆動軸に実質的に平行に、直線状に移動可能なレバーであってもよい。この実施形態によれば、カバー本体に設けられた突出部と、ハウジングに設けられた簡素な構成の可動部材との協働により、効果的にカバー本体の回動を規制することができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、突出部は、上下方向に延在する凹部又は孔を少なくとも1つ有してもよい。第2係合部は、係合位置にあるときに、凹部又は孔に係合するように構成された突起を有してもよい。この実施形態によれば、ハウジングに対するカバー本体の回動を確実に規制することができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第2係合部は、駆動軸に実質的に直交する面内を移動可能であってもよい。この実施形態によれば、上下方向において第2係合部を確実に小型化することができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、突出部は、突出部の外縁から径方向内側に凹む凹部を少なくとも1つ有してもよい。第2係合部は、係合位置にあるときに、凹部に係合するように構成された突起を有してもよい。この実施形態によれば、ハウジングに対するカバー本体の回動を確実に規制することができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第2係合部は、使用者による外部操作が可能な回動式のレバーであってもよい。この実施形態によれば、操作が容易なレバーが実現される。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第2係合部を係合位置に向けて付勢するように構成された付勢部材を更に備えてもよい。この実施形態によれば、付勢部材の付勢力によって第1係合部と第2係合部との係合状態を維持することができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第1係合部は、カバー本体とは別個に形成され、カバー本体に固定されていてもよい。この実施形態によれば、カバー本体と第1係合部を別個に製造した後で、互いに固定すればよいため、カバー本体と第1係合部を最初から一体的に形成する場合に比べ、製造が容易である。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第2係合部の下端は、第2係合部が係合位置にあるときも、解除位置にあるときも、上下方向においてカバー本体の下端と同じ位置、又は、前記カバー本体の下端よりも上方にあってもよい。この実施形態によれば、第2係合部はカバー本体の下方に突出しないため、第2係合部を含む電動工具全体を上下方向に小型化することができる。また、第2係合部が不測の外力の影響を受ける可能性を低減することができる。
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第2係合部は、第2係合部が係合位置にあるときも、解除位置にあるときも、上下方向においてカバー本体の上端と前記下端との間にあってもよい。この実施形態によれば、第2係合部はカバー本体の上方にも下方にも突出しないため、第2係合部が不測の外力の影響を受ける可能性を更に低減することができる。
以下、図面を参照して、本開示の代表的且つ非限定的な実施形態について、具体的に説明する。なお、以下の実施形態では、電動工具の一例として、手持ち式の電動ディスクグラインダ(以下、単にグラインダという)を挙げる。なお、グラインダは、先端工具を回転駆動するように構成された回転工具の一例でもある。
<第1実施形態>
以下、図1~図10を参照して、第1実施形態に係るグラインダ1Aについて説明する。
まず、グラインダ1Aの概略構成について説明する。図1、図2に示すように、グラインダ1Aは、モータ21と、モータ21に動作可能に連結されたスピンドル25と、モータ21とスピンドル25とを収容するハウジング10Aとを備える。ハウジング10Aは、長尺状の中空体であって、グラインダ1Aの外郭を形成する。モータ21は、出力シャフト215の回転軸RXがハウジング10Aの長軸と概ね平行に延びるように配置されている。スピンドル25は、ハウジング10Aの長軸方向の一端部内に配置されている。スピンドル25は、ハウジング10A内で、駆動軸DX周りに回転可能に支持されている。駆動軸DXは、出力シャフト215の回転軸RXと交差する(詳細には、実質的に直交する)。
スピンドル25の軸方向の一端部は、ハウジング10Aから外部に露出している。先端工具91は、スピンドル25のこの一端部に取り外し可能に取り付けられる。先端工具91の一部は、ハウジング10Aに取り付けられたカバー5Aによって覆われている。
スピンドル25が、モータ21によって、駆動軸DX周りに回転駆動されるのに応じて、先端工具91が回転され、加工材に対する加工作業が行われる。なお、グラインダ1Aに装着可能な先端工具91として、研削砥石、切断砥石、ブレード、ゴムパッド、ブラシ等が用意されている。なお、研削砥石、切断砥石、ブレードは、ディスク状に形成された先端工具91の非限定的な例である。使用者は、所望の加工作業に応じて適切な先端工具91を選択し、グラインダ1Aに装着する。グラインダ1Aは、先端工具91の種類に応じて、加工材に対して研削、研磨、切断等の加工作業を行うことができる。
以下、グラインダ1Aの詳細構成について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、駆動軸DXの延在方向を、グラインダ1Aの上下方向と定義する。上下方向において、先端工具91が配置される側を、グラインダ1Aの下側と定義し、反対側をグラインダ1Aの上側と定義する。出力シャフト215の回転軸RXの延在方向を、グラインダ1Aの前後方向と定義する。前後方向において、スピンドル25が配置されている側を、グラインダ1Aの前側と定義し、反対側をグラインダ1Aの後側と定義する。上下方向及び前後方向に直交する方向をグラインダ1Aの左右方向と定義する。また、駆動軸DXに直交する任意の方向を径方向と定義し、駆動軸DXから離れる方向を径方向外側方向、駆動軸DXに近づく方向を径方向内側方向と定義する。
まず、ハウジング10Aの構成について説明する。
図1、図2に示すように、ハウジング10Aは、前から後ろへ向かって順番に、駆動機構収容部11と、モータ収容部13と、ハンドル部15と、コントローラ収容部17とを含む。駆動機構収容部11は、スピンドル25と、中間シャフト23とを収容する部分であって、ギヤハウジングとも称される。駆動機構収容部11は、ハウジング10Aの前端部を構成する。モータ収容部13は、モータ21と、ファン22とを収容する部分である。ハンドル部15は、使用者によって把持される部分であって、グリップ部とも称される。コントローラ収容部17は、コントローラ29を収容する部分である。コントローラ収容部17は、ハウジング10Aの後端部を構成する。
以下、ハウジング10A内に配置される要素(機構)について説明する。
モータ21の出力シャフト215は、モータ収容部13内で、回転軸RX周りに回転可能に支持されている。ファン22は、出力シャフト215のうち、ステータ211の前方に延びる部分に固定されており、出力シャフト215と一体的に回転する。
図3に示すように、スピンドル25は、駆動機構収容部11内で、駆動軸DX周りに回転可能に支持されている。スピンドル25の上部の周囲には、被動ギヤ250が固定されている。スピンドル25の下端部は、ハウジング10Aの下方に突出している。スピンドル25の下端部は、先端工具91を着脱可能な工具装着部253として構成されている。本実施形態では、工具装着部253の外周面にはネジが切られており、先端工具91は、ロックナット254によって、工具装着部253に固定される。但し、スピンドル25に対する先端工具91の取付け方式はこれに限られず、いかなる公知の方式が採用されてもよい。
なお、グラインダ1Aは、先端工具91による加工材の加工作業時に生じる粉塵や火花から使用者を保護するためのカバー5Aを備えている。カバー5Aは、ハウジング10Aに取り外し可能に取り付けられた状態で、スピンドル25の工具装着部253に取り付けられた先端工具91を部分的に覆うように構成されている。なお、カバー5Aは、ホイールカバー、ディスクカバー、保護カバー、保護フード等とも称される。カバー5Aの詳細については、後述する。
図3に示すように、中間シャフト23は、モータ21の回転駆動力をスピンドル25に伝達するシャフトであって、モータ21とスピンドル25とに動作可能に連結されている。具体的には、中間シャフト23は、モータ21の出力シャフト215と同軸状に配置され、駆動機構収容部11内で、回転軸RX周りに回転可能に支持されている。中間シャフト23の後端部は、連結部材を介して出力シャフト215の前端部と係合しており、中間シャフト23は出力シャフト215と一体的に回転する。中間シャフト23の前端部には、駆動ギヤ230が設けられている。駆動ギヤ230は、被動ギヤ250と噛合している。駆動ギヤ230及び被動ギヤ250には、ベベルギヤが採用されている。
以上のような構成により、モータ21の駆動に応じて、中間シャフト23を介してスピンドル25が駆動軸DX周りに回転され、工具装着部253に固定された先端工具91がスピンドル25と一体的に回転される。但し、モータ21の回転駆動力は、中間シャフト23以外のいかなる機構を介してスピンドル25に伝達されてもよい。
図2に示すように、ハンドル部15には、スイッチ27が収容されている。スイッチ27は、モータ21の起動用のスイッチである。本実施形態では、スイッチがオン状態の間、モータ21への通電が行われ、モータ21が駆動される。ハウジング10Aには、スイッチ27のオン・オフを切り替えるためのスイッチノブ271が設けられている。より詳細には、スイッチノブ271は、モータ収容部13の上部に、使用者による外部操作が可能、且つ、オン位置とオフ位置との間で移動可能に支持されている。スイッチノブ271は、常時にはオフ位置で保持されている。スイッチノブ271は、連結部材272を介してスイッチ27に連結されている。スイッチ27は、使用者によってスイッチノブ271がオフ位置からオン位置に移動されるのに応じて、オフからオンに切り替えられる。
コントローラ収容部17には、グラインダ1Aの動作を制御するように構成されたコントローラ29が収容されている。コントローラ29は、制御回路を含み、モータ21、スイッチ27等に電気的に接続されている。本実施形態では、コントローラ29は、スイッチ27のオン・オフに応じてモータ21の駆動(モータ21への通電)を制御するように構成されている。
また、コントローラ収容部17には、バッテリ装着部18が設けられている。バッテリ装着部18には、充電式のバッテリ93が取り外し可能に装着されている。バッテリ装着部18は、バッテリ93との物理的な係合構造と、バッテリ93と電気的に接続するための端子とを含む。本実施形態のグラインダ1Aは、バッテリ93から供給される電力により動作する。但し、グラインダ1Aは、電源コードを介して外部交流電源から供給される電力で動作するように構成されていてもよい。
以下、カバー5Aについて説明する。なお、カバー5Aは、ハウジング10Aから取り外し可能であるが、以下の説明では、カバー5Aがハウジング10Aに取り付けられた状態のグラインダ1Aの方向を基準として、カバー5Aの方向を参照する。
図1、図3、図4に示すように、カバー5Aは、カバー本体50と、レール55Aとを備えている。カバー本体50は単一(継ぎ目のない)の金属製部材である。一方、レール55Aは、元々はカバー本体50とは別個に形成された金属製部材であって、カバー本体50に固定されている。この構成によれば、カバー本体50とレール55Aとを別個に加工した後で互いに接合すればよいため、製造が容易となる。但し、カバー本体50とレール55Aとは一体的に形成された単一の部材であってもよい。
カバー本体50は、先端工具91を部分的に覆うように構成されている。本実施形態のカバー本体50は、上板部51と、外周部53と、リップ部54とを含む。
上板部51は、上下方向において先端工具91の上側に配置される、薄板状の部分である。上板部51は、駆動軸DXと直交する面に実質的に平行に(つまり、ディスク状の先端工具91(例えば、研削砥石、切断砥石、ブレード)の面と実質的に平行に)配置される。また、上板部51は上又は下から見て扇状(円弧状)に形成されており、内縁(径方向内側の縁)511及び外縁(径方向外側の縁)515は円弧状である。なお、上板部51は、ディスク状の先端工具91のうち180度以上の部分を覆うように構成されている。
外周部53は、上板部51の外縁515に沿って設けられ、上板部51から下方に突出する部分である。外周部53は、円弧状に湾曲する薄板状に形成されている。外周部53は、ディスク状の先端工具91の外縁に対して、先端工具91の径方向外側に配置される。外周部53は、その下端が少なくともディスク状の先端工具91の下面よりも下側に位置するように構成されている。
リップ部54は、外周部53の下端から、径方向内側に突出する部分である。リップ部54の内縁は、ディスク状の先端工具91の外縁よりも径方向外側にある。なお、リップ部54の径方向の幅は変更されてもよいし、リップ部54は省略されてもよい。
レール55Aは、カバー本体50から径方向外側に突出する薄板状の部分である。より詳細には、レール55Aは、外周部53の上端から、径方向外側に突出している。レール55Aの位置は、レール55Aの上面551が上板部51の上面513と実質的に同一面内にある(上下方向において実質的に同じ位置にある)ように設定されている。また、レール55Aの幅(径方向の長さ)は実質的に均一であり、上板部51の径よりは大幅に小さい。レール55Aの上下方向の厚みは実質的に均一である。以上のような構成から、レール55Aは、上板部51又は外周部53から径方向外側に突出する円弧状の突出部であるといってもよい。
また、レール55Aは、互いから離間して配置された複数の係合孔56Aを有する。なお、本実施形態では、すべての係合孔56Aが等間隔で配置されているが、隣接する係合孔56Aの間隔は異なっていてもよい。係合孔56Aは、レール55Aを上下方向に(レール55Aの厚み方向に)貫通する孔である。但し、係合孔56Aは、下方に開放された凹部(有底孔)であってもよいし、レール55Aの外縁から径方向内側に凹む凹部(切り欠き)であってもよい。なお、本実施形態の係合孔56Aは、円形の断面を有する。
以下、カバー5Aの取付けのためにハウジング10Aに設けられる構造について説明する。
図1、図3、図5、図6に示すように、ハウジング10Aには、カバー5Aのカバー本体50(詳細には、上板部51)に係合するように構成された本体係合部31Aと、レール55Aに係合するように構成されたレール係合部30Aとが設けられている。
図3、図5、図6に示すように、本体係合部31Aは、本体係合溝311を含む。本体係合溝311は、駆動軸DX(スピンドル25)を取り巻くようにハウジング10Aに形成された環状の溝である。本体係合溝311は、カバー本体50の上板部51の内縁部512(内縁511に沿った円弧状の部分)の少なくとも一部を受け入れるように構成されている。より詳細には、本体係合溝311及び内縁部512は、夫々の断面形状が互いに概ね整合するように構成されている。使用者は、上板部51が駆動軸DXに実質的に直交し、内縁部512がハウジング10Aの前側から本体係合溝311に対向するように配置されたカバー5Aを、ハウジング10Aに対して後方に移動させ、内縁部512を本体係合溝311に嵌め込むことができる。更に、使用者は、上板部51の内縁部512が本体係合溝311に嵌め込まれた状態で、カバー5Aをハウジング10Aに対して駆動軸DX周りに回動させることができる。
レール係合部30Aは、レール係合溝32Aと、レバー35Aとを含む。
図3、図5、図6に示すように、レール係合溝32Aは、ハウジング10Aにおいて、カバー5Aの径方向外側に設けられている。本実施形態では、レール係合溝32Aは、本体係合溝311の後方において、ハウジング10Aの左右方向の略中央部に設けられている。レール係合溝32Aは、前方に開放され、後方に凹むと共に、円弧状に延びる溝であって、レール55Aの外縁部556(外縁555に沿った円弧状の部分)の一部を受け入れるように構成されている。レール係合溝32A及び外縁部556は、夫々の断面形状が互いに概ね整合するように構成されている。なお、上述のように、カバー本体50の上板部51の上面513と、レール55Aの上面551とは実質的に同一面内にあるから、本体係合溝311とレール係合溝32Aの上端は、上下方向において実質的に同一の位置にある。
レール係合溝32Aは、前後方向において、本体係合溝311のうち、スピンドル25の後方にある部分と前後方向に対向している。レール係合溝32Aは、径方向において、本体係合溝311の底面(溝の奥側の面)とレール係合溝32Aの底面との間の距離が、上板部51の内縁511とレール55Aの外縁555との間の距離より僅かに大きくなるように構成されている。よって、上述のように、使用者が、上板部51の内縁部512が本体係合溝311に嵌め込まれた状態でカバー5Aを回動させると、レール55Aの外縁部556がレール係合溝32Aに嵌り込む。使用者は、この状態で、所望の位置までカバー5Aを回動させることができる。カバー5Aは、上板部51の内縁部512とレール55Aの外縁部556とが、夫々、本体係合溝311とレール係合溝32Aとに摺動しつつ回動する。
図1、図5、図6に示すように、レバー35Aは、ハウジング10Aにおいて、カバー5Aの径方向外側に設けられている。本実施形態では、レバー35Aは、駆動機構収容部11の左後端部に配置されている。また、レバー35Aは、直線状に移動可能に支持されている。レバー35Aの一部はハウジング10Aの外部に露出し、別の一部はハウジング10A内に配置されている。
より詳細には、図1、図5~図7に示すように、レバー35Aは、使用者によって手動操作されるように構成された操作部351Aと、レール55Aに係合可能な係合部353Aと、操作部351Aと係合部353Aとを繋ぐ連結部355Aとを含む。本実施形態では、操作部351Aと、連結部355Aと、係合部353Aとは、単一(継ぎ目のない)の金属製部材として構成されている。但し、レバー35Aは複数の部材が互いに連結固定されることで形成されてもよい。
連結部355Aは、直線状に延びる板状部であって、上下方向に延在する。操作部351Aは、連結部355Aの長手方向の一端(上端)から、連結部355Aと交差する方向(前方)に突出している。係合部353Aは、連結部355Aの長手方向の他端(下端)から、連結部355Aと交差する方向(前方)に突出している。係合部353Aの先端(前端)には、操作部351Aの方へ(上方へ)突出する係合突起354Aが設けられている。係合突起354Aは、カバー5Aのレール55Aの係合孔56Aに係合可能に構成されている。なお、係合突起354Aの先端の左右方向の幅は、係合孔56Aの径より僅かに小さく設定されている。
レバー35Aは、操作部351Aがハウジング10Aの上方に露出し、連結部355Aが少なくとも部分的にハウジング10A内に配置され、係合部353Aがハウジング10Aの下方に露出し、係合突起354Aが上方に突出する状態で支持されている。
より詳細には、図6、図7に示すように、連結部355Aの一部は、駆動機構収容部11の後端部に形成された保持溝101A内に、駆動軸DXに実質的に平行に(つまり、実質的に上下方向に)摺動可能に配置されている。保持溝101Aは、ハウジング10A(駆動機構収容部11)の左側面から右方に凹んでおり、上端と下端は開放されている。連結部355Aの上端及び下端は、保持溝101Aの上方及び下方に夫々突出している。操作部351Aは、保持溝101Aの上方で連結部355Aから前方に突出し、係合部353Aは、保持溝101Aの下方で連結部355Aから前方に突出している。また、保持溝101Aは、左側からカバー部102Aによって覆われている。このように、保持溝101Aとカバー部102Aとを用いてレバー35Aの一部(連結部355A)をハウジング10A内に配置することで、組立が容易化される。また、レバー35Aが不測の外力の影響を受ける可能性を低減することができる。
本実施形態では、レバー35Aは、付勢部材357Aによって、上方に付勢されている。より詳細には、レバー35Aの連結部355Aには、バネ受け突起356Aが設けられている。バネ受け突起356Aは、連結部355Aから後方に突出している。一方、ハウジング10Aの保持溝101Aの後側には、保持溝101Aに連通するバネ受け凹部103Aが設けられている。バネ受け突起356Aは、バネ受け凹部103A内に配置されている。付勢部材357Aは、圧縮コイルバネであって、バネ受け凹部103A内でバネ受け突起356Aの下側に配置されている。よって、レバー35Aは、付勢部材357Aの付勢力に抗する外力が付与されない初期状態では、バネ受け突起356Aがバネ受け凹部103Aの上端を規定する面に当接する最上方位置で保持されている。
レバー35Aが最上方位置にあるとき、レバー35Aの操作部351Aは、保持溝101Aの上端から上方に離間した位置にある。また、係合部353Aの係合突起354Aは、カバー5Aのレール55Aの係合孔56Aに係合可能な位置にある。より詳細には、駆動軸DX周りの周方向において、係合突起354Aがレール55Aの係合孔56Aの何れか1つと対応する位置に配置され、レバー35Aが最上方位置に配置されているときには、図8に示すように、係合突起354Aは、係合孔56Aに下方から挿入され、係合孔56Aと係合する。また、付勢部材357Aの付勢力によって、係合突起354Aと係合孔56Aとの係合状態が安定して維持される。以下では、レバー35Aがレール55Aに係合可能な位置(詳細には、係合突起354Aが係合孔56Aに係合可能な位置)を、レバー35Aの係合位置ともいう。
上述の構成を有する係合突起354Aと係合孔56Aにより、レバー35Aが係合位置にあり、係合突起354Aと係合孔56Aとが係合しているときには、ハウジング10Aに対するカバー5Aの回動が確実に規制される。また、上述の構成を有するレール55A(外縁部556)とレール係合溝32Aとの嵌合により、ハウジング10Aに対するカバー本体50の上下方向の移動が規制される。また、同様に、カバー5Aのうち、カバー本体50の上板部51(内縁部512)も本体係合溝311に嵌合しているため、カバー5Aの上下方向の移動が前後方向に離間した2つの位置で規制される。これにより、ハウジング10Aに対するカバー本体50の上下方向の移動が効果的に規制される。また、前後方向の移動も効果的に規制される。
レバー35Aは、使用者の手動操作に応じて、係合位置から下方に移動されうる。具体的には、使用者が操作部351Aを下方に押圧すると、図9、図10に示すように、レバー35Aは付勢部材357Aの付勢力に抗して下方へ移動し、係合部353Aの係合突起354Aがレール55Aの係合孔56Aから外れる。つまり、係合突起354Aと係合孔56Aの係合が解除される。以下、レバー35Aがレール55Aに係合不能な位置(詳細には、係合突起354Aと係合孔56Aとが係合不能な位置)を、レバー35Aの解除位置ともいう。使用者は、レバー35Aが解除位置にある状態で、カバー5Aをハウジング10Aに対して駆動軸DX周りに回動させ、所望の位置に配置したり、ハウジング10Aから取り外したりすることができる。
本実施形態では、レバー35Aの操作部351Aは、ハウジング10Aの上方に露出しているため、使用者は、レバー35Aを係合位置から解除位置へ容易に移動させることができる。また、レバー35Aは操作部351Aの下方への押圧に応じて直線状に移動する構成であるため、操作部351Aが引き操作される構成に比べ、操作が容易である。
以上に説明したように、本実施形態のグラインダ1Aによれば、カバー本体50に設けられたレール55Aは、ハウジング10Aのレール係合部30A(レール係合溝32A及びレバー35A)と協働して、ハウジング10Aに対するカバー本体50の周方向の移動(駆動軸DX周りの回動)と、周方向以外の他方向(具体的には、上下方向及び前後方向)の移動を規制することができる。つまり、レール55Aは、ハウジング10Aに対するカバー本体50の周方向の適切な位置決め、及び、他方向のガタ(遊び、緩み)の抑制という2種類の機能を発揮することができる。よって、これら2つの機能を別個の構造で実現する場合に比べ、必要なスペースを減らし、構造も簡素化することが可能となる。なお、本実施形態では、レール55Aの上面551と上板部51の上面513とが同一面内にあるため、上面551、513を一体的に、カバー本体50の上方向の移動規制(上下方向のガタの抑制)に利用することもできる。
また、レール55Aは、カバー本体50から径方向外側に突出する突出部であり、カバー本体50の上方や下方に突出していない。更に、レール係合部30Aのレール係合溝32Aは、カバー本体50の下端よりも上方にあり、レバー35Aの下端は、係合位置においても、解除位置においても、カバー本体50の下端よりも上方にある。このため、グラインダ1A全体(特に、グラインダ1Aの前端部)の上下方向の大型化が抑制される。また、加工作業時に、レール55A及びレール係合部30Aが邪魔にならない。このように、本実施形態では、比較的狭い場所での加工作業でも操作しやすいグラインダ1Aが実現されている。
<第2実施形態>
以下、図11を参照して、第2実施形態に係るグラインダ1Bについて説明する。なお、第2実施形態のグラインダ1Bのうち、ハウジング10B以外の構成は、第1実施形態のグラインダ1Aと実質的に同一である(若干形状が異なる場合を含む)。また、ハウジング10Bの大部分は、第1実施形態のハウジング10Aと実質的に同一の構成を有する。よって、以下では、グラインダ1Bのうち、グラインダ1Aと実質的に同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略又は簡略化し、異なる構成について、主に説明する。この点は、後に続く実施形態でも同様である。
図11に示すように、第2実施形態のハウジング10Bは、第1実施形態と同一の本体係合部31Aと、第1実施形態とは異なるレール係合部30Bとを備えている。ハウジング10Bのそれ以外の構成は、第1実施形態のハウジング10Aと実質的に同一である。レール係合部30Bは、第1実施形態と同一のレール係合溝32A(図3参照)と、第1実施形態のレバー35A(図7参照)とは異なるレバー35Bとを含む。
レバー35Bは、その操作方向がレバー35Aとは逆になるように構成されている。より詳細には、レバー35Bは、使用者によって手動操作されるように構成された操作部351Aと、レール55Aの係合孔56Aに係合可能な係合部353Bと、操作部351Aと係合部353Bとを繋ぐ連結部355Aとを含む。連結部355Aの一部は、第1実施形態と同様、保持溝101A内に上下方向に摺動可能に保持されている。操作部351Aは、保持溝101Aの上方で、連結部355Aの上端から前方へ突出している。係合部353Bは、連結部355Aの下端から、前方に突出している。係合部353Bの先端には、下方へ突出する係合突起354Bが設けられている。つまり、係合突起354Bは、第1実施形態の係合突起354Aとは反対方向に突出している。係合突起354Bの先端の左右方向の幅は、係合孔56Aの径より僅かに小さく設定されている。
また、本実施形態では、付勢部材357Aは、バネ受け凹部103A内で、バネ受け突起356Aの上側に配置されている。このため、レバー35Bは、付勢部材357Aによって下方へ付勢されている。レバー35Bは、初期状態では、バネ受け突起356Aがバネ受け凹部103Aの下端を規定する面に当接する最下方位置で保持されている。レバー35Bが最下方位置にあるとき、係合突起354Bは、レール55Aの係合孔56Aに係合可能である。つまり、本実施形態では、レバー35Bの最下方位置が、レバー35Bの係合位置に対応し、レバー35Bの解除位置は、係合位置の上方に設定されている。図示は省略するが、使用者は、付勢部材357Aの付勢力に抗して操作部351Aを上方へ引き上げることで、レバー35Bを解除位置まで上方へ移動させることができる。
本実施形態においても、レール55A及びレール係合部30Bは、協働して、ハウジング10Bに対するカバー本体50の周方向の適切な位置決め、及び、他方向のガタの抑制という2種類の機能を発揮することができる。よって、これら2つの機能を別個の構造で実現する場合に比べ、必要なスペースを減らし、構造も簡素化することが可能となる。
また、レール55Aは、カバー本体50から径方向外側に突出する突出部であり、カバー本体50の上方や下方に突出していない。更に、レバー35Bは、係合位置においても、解除位置においても、カバー本体50の下端よりも上方にある。よって、本実施形態でも、グラインダ1B全体(特に、グラインダ1Aの前端部)の上下方向の大型化が抑制され比較的狭い場所での加工作業でも操作しやすいグラインダ1Bが実現されている。
<第3実施形態>
以下、図12~図16を参照して、第3実施形態に係るグラインダ1Cについて説明する。グラインダ1Cは、第1実施形態とは部分的に構成が異なるカバー5Cとハウジング10Cとを備えている。
図12、図13に示すように、カバー5Cは、カバー本体50と、レール55Cとを備えている。レール55Cは、第1実施形態のレール55A(図4参照)と実質的に同一の構成を有する。つまり、レール55Cは、カバー本体50から径方向外側に突出する円弧状の突出部であって、複数の係合孔56Aを有する。但し、レール55Cは、第1実施形態とは異なり、外周部53の上下方向における略中央部から突出している。
図12、図14、図15に示すように、ハウジング10Cは、第1実施形態と同一の本体係合部31A(本体係合溝311)と、第1実施形態とは異なるレール係合部30Cを備えている。ハウジング10Cのそれ以外の構成は、第1実施形態のハウジング10Aと実質的に同一である。
レール係合部30Cは、カバー5Cの後方に設けられており、第1実施形態とは異なるレバー35Cを含む。レバー35Cは、ハウジング10Cの下部に部分的に収容されている。また、レバー35Cは、使用者によって下方から操作されるように構成されている。より詳細には、レバー35Cは、使用者によって手動操作されるように構成された操作部351Cと、レール55Cの係合孔56Aに係合可能な係合部353Cと、操作部351Aと係合部353Bとを繋ぐ連結部355Cとを含む。
連結部355Cは、直線状に延びる板状部である。連結部355Cは、ハウジング10Cの下端部に形成された保持溝101C内に、上下方向に摺動可能に配置されている。なお、保持溝101Cは、ハウジング10Cの左右方向における略中央部に設けられている。操作部351Cは、保持溝101Cの下方で、連結部355CとT字をなすように、連結部355Cの下端に連結されている。係合部353Cは、連結部355Cの上端から、保持溝101Cの前方に突出している。係合部353Cの先端には、下方へ突出する係合突起354Cが設けられている。係合突起354Cの先端の左右方向の幅は、係合孔56Aの径より僅かに小さく設定されている。
レバー35Cは、付勢部材357Cによって、下方に付勢されている。付勢部材357Cは、ハウジング10Cに設けられたバネ受け凹部103Cに配置されている。バネ受け凹部103Cは、保持溝101Cの前側で保持溝101Cに連通しており、上方に凹むように構成されている。レバー35Cの係合部353Cは、バネ受け凹部103C内に配置されている。バネ受け凹部103Cは、下側からカバー部102Cによって覆われている。このように、バネ受け凹部103Cとカバー部102Cとを用いてレバー35Cの一部をハウジング10C内に配置することで、組立が容易化される。また、レバー35Cが不測の外力の影響を受ける可能性を低減することができる。
付勢部材357Cは、圧縮コイルバネであって、バネ受け凹部103C内で、係合部353Cの上側に配置されている。よって、図12に示すように、レバー35Cは、初期状態では、係合部353Cがカバー部102Cの上面に当接する最下方位置で保持されている。レバー35Cが最下方位置にあるとき、係合突起354Cは、レール55Cの係合孔56Aに係合可能である。つまり、本実施形態では、レバー35Cの最下方位置が、レバー35Cの係合位置に対応し、レバー35Cの解除位置は、係合位置の上方に設定されている。一方、図16に示すように、使用者は、付勢部材357Cの付勢力に抗して操作部351Cを上方へ押圧することで、レバー35Cを解除位置まで上方へ移動させることができる。
以上に説明したように、本実施形態のグラインダ1Cでは、カバー本体50に設けられたレール55Cとハウジング10Cに設けられたレバー35Cとの係合により、ハウジング10Cに対するカバー本体50の回動が規制される。なお、本実施形態でも、レバー35Cの係合突起354Cとレール55Cの係合孔56Aとの係合により、ハウジング10Cに対するカバー本体50の回動が確実に規制される。
レール55Cは、カバー本体50から径方向外側に突出する突出部であり、カバー本体50の上方や下方に突出していない。また、本実施形態では、レバー35Cは、係合位置においても、解除位置においても、カバー本体50の上端と下端との間に位置する。このため、グラインダ1A全体(特に、グラインダ1Aの前端部)の上下方向の大型化が抑制される。また、加工作業時に、レール55C及びレバー35Cが邪魔にならない。このように、本実施形態でも、比較的狭い場所での加工作業でも操作しやすいグラインダ1Cが実現されている。
<第4実施形態>
以下、図17~図21を参照して、第4実施形態に係るグラインダ1Dについて説明する。グラインダ1Dは、第1実施形態とは部分的に構成が異なるカバー5Dとハウジング10Dとを備えている。
図17、図18に示すように、カバー5Dは、カバー本体50と、レール55Dとを備えている。レール55Dは、第1実施形態のレール55A(図4参照)と同様、径方向外側に突出する円弧状の突出部として構成されている。一方、レール55Dは、レール55Aとは異なり、外周部53の上下方向における略中央部から突出している。また、レール55Dは、外縁に形成された複数の係合凹部56Dを有する。係合凹部56Dは、レール55Dの外縁から径方向内側に凹む矩形状の凹部(切り欠き)である。なお、本実施形態では、すべての係合凹部56Dが等間隔で配置されているが、隣接する係合凹部56Dの間隔は異なっていてもよい。
図17、図19、図20に示すように、ハウジング10Dは、第1実施形態と同一の本体係合部31A(本体係合溝311)と、第1実施形態とは異なるレール係合部30Dとを備えている。ハウジング10Dのそれ以外の構成は、第1実施形態のハウジング10Aと実質的に同一である。
レール係合部30Dは、カバー5Dの後方に設けられており、第1実施形態とは異なるレバー35Dを含む。レバー35Dは、回動式のレバーであって、カバー5Dの後方で、ハウジング10Dの下端部に支持されている。また、レバー35Dは、使用者によって、ハウジング10Dの側方で操作されるように構成されている。より詳細には、レバー35Dは、使用者によって手動操作されるように構成された操作部351Dと、レール55Dの係合凹部56Dに係合可能な係合部353Dと、操作部351Dと係合部353Dとを繋ぐ連結部355Dとを含む。
連結部355Dは、直線状に延びる板状部である。連結部355Dは、ハウジング10Dの下端部に設けられた円筒部105に、ネジ358Dを介して回動可能に取り付けられ、概ね左右方向に延在している。操作部351Dは、ハウジング10Dの左方で、連結部355Dの左端に連結されている。操作部351Dは、L字状に形成されており、左方に突出するタブを含む。係合部353Dは、連結部355Dの右端から、下方へ突出する係合突起354Dを含む。なお、係合突起354Dは、左右方向において、ハウジング10Dの概ね中央部に配置されている。係合突起354Dの先端の左右方向の幅は、係合凹部56Dの周方向の幅より僅かに小さく設定されている。
本実施形態では、レバー35Dは、付勢部材357Dによって、係合突起354Dが前方に移動する(つまり、カバー5Dに近づく)方向に、回動付勢されている。より詳細には、付勢部材357Dは、捩りコイルバネである。付勢部材357Dのコイル部は、ネジ358Dが螺合された円筒部105の周囲に配置されている。レバー35Dの連結部355Dのうち、ネジ358Dと係合突起354Dとの間の部分には、上方に突出するバネ受け突起356Dが設けられている。付勢部材357Dの一端はハウジング10Dに係止され、他端はバネ受け突起356Dに係止されている。これにより、レバー35Dは、上下方向に延びる軸周りに、係合突起354Dが前方へ向かう方向に回動付勢されている。
周方向において、係合突起354Dが係合凹部56Dの何れか1つと対応する位置に配置され、レバー35Dが最前方位置にされているときには、図19に示すように、係合突起354Dは、係合凹部56Dに径方向外側から挿入される。つまり、本実施形態では、係合突起354Dが最前方位置にあるときのレバー35Dの位置が、レバー35Dの係合位置に対応する。一方、図21に示すように、使用者が操作部351D(タブ)を前方に押圧すると、レバー35Dは、付勢部材357Dの付勢力に抗して、上下方向に延びる軸周りに、係合突起354Dが後方へ移動する(つまり、カバー5Dから離れる)方向に回動する。これにより、レバー35Dは、係合突起354Dがレール55Dの係合凹部56Dから外れた解除位置へ移動する。
以上に説明したように、本実施形態のグラインダ1Dでは、カバー本体50に設けられたレール55Dとハウジング10Dに設けられたレバー35Dとの係合により、ハウジング10Dに対するカバー本体50の回動が規制される。なお、本実施形態でも、レバー35Dの係合突起354Dとレール55Dの係合凹部(切り欠き)56Dとの係合により、ハウジング10Dに対するカバー本体50の回動が確実に規制される。
レール55Dは、カバー本体50から径方向外側に突出する突出部であり、カバー本体50の上方や下方に突出していない。また、本実施形態では、レバー35Dは、駆動軸DXに実質的に直交する面内を移動する回動式のレバーであり、係合位置においても、解除位置においても、カバー本体50の上端と下端との間に位置する。このため、グラインダ1A全体(特に、グラインダ1Aの前端部)の上下方向の大型化が抑制される。また、加工作業時に、レール55D及びレバー35Dが邪魔にならない。このように、本実施形態でも、比較的狭い場所での加工作業でも操作しやすいグラインダ1Dが実現されている。
<第5実施形態>
以下、図22~図28を参照して、第5実施形態に係るグラインダ1Eについて説明する。グラインダ1Eは、第1実施形態とは部分的に構成が異なるカバー5Eとハウジング10Eとを備えている。
図22、図23に示すように、カバー5Eは、カバー本体50と、レール55Eとを備えている。レール55Eは、第1実施形態のレール55Aと同様、径方向外側に突出する円弧状の突出部として構成されている。また、レール55Eの上面551は、上板部51の上面513と実質的に同一面内にある。一方、レール55Eは、第1実施形態とは異なり、上面551に形成された複数の係合凹部56Eを有する。係合凹部56Eは、上面551から下方に凹む半球状の凹部である。なお、本実施形態では、すべての係合凹部56Eが等間隔で配置されているが、隣接する係合凹部56Eの間隔は異なっていてもよい。
図22、図24~図26に示すように、ハウジング10Eは、第1実施形態と同一の本体係合部31A(本体係合溝311)と、第1実施形態とは異なるレール係合部30Eとを備えている。ハウジング10Eのそれ以外の構成は、第1実施形態のハウジング10Aと実質的に同一である。
レール係合部30Eは、カバー5Eの後方に設けられており、係合突起32E(図24、図26参照)と、規制壁33と、レバー35Eとを含む。
係合突起32Eは、ハウジング10Eの左右方向の中央部の下面104のうち、カバー5Eのレール55Eの真上に配置される部分から下方に突出している。係合突起32Eは、レール55Eの係合凹部56Eに概ね整合するように構成されている。つまり、係合突起32Eは、半球状の突起である。
規制壁33は、係合突起32Eよりも後方で、上下方向に延びる壁部である。規制壁33の前面は、レール55Eの外縁555に対応するように、緩やかに湾曲している。規制壁33は、径方向において、本体係合溝311の底面(溝の奥側の面)と規制壁33の前面との間の距離が、上板部51の内縁511とレール55Eの外縁555との間の距離より僅かに大きくなるように構成されている。
レバー35Eは、回動式のレバーであって、カバー5Eの後方で、ハウジング10Eの下端部に支持されている。また、レバー35Eは、使用者によって、ハウジング10Eの下方で操作されるように構成されている。より詳細には、レバー35Eは、側方から見て概ねL字状に形成されている。レバー35Eは、使用者によって手動操作されるように構成された操作部351Eと、レール55Eに係合(当接)するように構成された係合部353Eと、操作部351Eと係合部353Eとを繋ぐ連結部355Eとを含む。
連結部355Eからは、左右一対のアーム部356Eが突出している。連結部355Eは、支持ピン358Eを介して、ハウジング10Eの下端部に回動可能に取り付けられている。支持ピン358Eは、アーム部356Eに挿通された状態で、ハウジング10Eに設けられた左右一対の支持部107に支持され、左右方向に延びている。よって、レバー35Eは、左右方向に延在する軸周りに回動可能である。操作部351Eは、ハウジング10Eの下方で、連結部355Eの一端から概ね後方に延びている。係合部353Eは、連結部355Eの他端から、概ね上方に延びている。本実施形態の係合部353Eは、レール55Eに係合(当接)してレール55Eをハウジング10E(下面104)に押し付けるように構成されている。
本実施形態では、レバー35Eは、付勢部材357Eによって、係合部353Eが概ね上方に移動する(つまり、レール55Eに下側から近づく)方向に回動付勢されている。より詳細には、付勢部材357Eは、捩りコイルバネである。付勢部材357Eのコイル部は、支持ピン358Eの周囲に配置されている。付勢部材357Eの一端はハウジング10Eに係止され、他端は連結部355Eに係止されている。これにより、レバー35Eは、左右方向に延びる軸周りに、係合部353Eが概ね上方へ向かう方向に回動付勢されている。
図22に示すように、係合部353Eが最上方位置にあるとき、係合部353Eの先端は、カバー5Eのレール55Eの下面552に当接し、レール55Eをハウジング10Eの下面104に押し付ける。周方向において、ハウジング10Eの下面の係合突起32Eが係合凹部56Eの何れか1つと対応する位置に配置されているときには、図24に示すように、係合突起32Eは、係合凹部56Eに嵌合する。以下、係合部353Eがレール55Eに係合(当接)してハウジング10Eに押し付け、係合突起32Eと係合凹部56Eとを係合させるときのレバー35Eの位置を、レバー35Eの係合位置ともいう。レバー35Eが係合位置にあるときには、操作部351Dは、後方に向かうにつれて斜め下方に延びる。
図27、図28に示すように、使用者が操作部351Eを上方に、つまり、ハウジング10Eに近づく方向に押圧すると、レバー35Eは、付勢部材357Eの付勢力に抗して、係合部353Eが下方に移動する(つまり、レール55Eから離れる)方向に回動する。これにより、係合突起32Eと係合凹部56Eの係合が解除される。以下、係合突起32Eと係合凹部56Eとが係合不能であるときのレバー35Eの位置を、レバー35Eの解除位置ともいう。使用者は、レバー35Eが解除位置にある状態で、カバー5Eをハウジング10Eに対して駆動軸DX周りに回動させ、所望の位置に配置したり、ハウジング10Eから取り外したりすることができる。
なお、図22、図27に示すように、本実施形態では、レバー35Eが係合位置にあるときにも、解除位置にあるときにも、操作部351Eの後端(レバー35Eの先端)は、前後方向において、少なくとも、ハンドル部15(図1参照)より前方に配置される。本実施形態では、操作部351Eの後端は、モータ収容部13に支持されたスイッチノブ271よりも前方に配置される。更に詳細には、操作部351Eの後端は、モータ収容部13の前端部の真下(より詳細には、ファン22の真下)に位置する。このような配置により、使用者がハンドル部15を把持してスイッチノブ271を操作するときに、レバー35Eが邪魔になりにくい。
以上に説明したように、本実施形態のグラインダ1Eでは、レール55E及びレール係合部30Eは、協働して、ハウジング10Eに対するカバー本体50の周方向の適切な位置決め、及び、他方向のガタの抑制という2種類の機能を発揮することができる。よって、これら2つの機能を別個の構造で実現する場合に比べ、必要なスペースを減らし、構造も簡素化することが可能となる。
具体的には、付勢部材357Eによって付勢されたレバー35Eが、レール55Eをハウジング10Eの下面104に押し付けることで、ハウジング10Eに対するレール55Eの上下方向の移動が効果的に規制される。本実施形態では、レール55Eの上面551と上板部51の上面513とが同一面内にあるため、上面551、513が一体的にハウジング10Eの下面104に押し付けられ、カバー5Eの上下方向の移動がより確実に規制される。
更に、本実施形態では、レバー35Eは、ハウジング10Eの半球状の係合突起32Eと、レール55Eの係合凹部56Eとが係合した状態で、レバー35Eがレール55Eをハウジング10Eの下面104に押し付ける。これにより、ハウジング10Eに対するカバー5Eの全方向の移動(例えば、周方向、前後方向、上下方向の移動)が効率的に抑制される。なお、係合突起32Eは省略されてもよい。この場合でも、レバー35Eがレール55Eをハウジング10Eの下面104に押し付けることで、ハウジング10Eに対するカバー5Eの上下方向の移動のみならず、他の方向の移動(例えば、周方向、前後方向の移動)も規制することができる。また、規制壁33が、カバー5Eの前後方向の移動を効果的に規制することができる。
<第6実施形態>
以下、図29~図34を参照して、第6実施形態に係るグラインダ1Fについて説明する。グラインダ1Fは、第1実施形態とは部分的に構成が異なるカバー5Fとハウジング10Fとを備えている。
図29、図30に示すように、カバー5Fは、カバー本体50と、レール55Fとを備えている。レール55Fは、第1実施形態のレール55A(図4参照)と同様、径方向外側に突出する円弧状の突出部として構成されている。但し、第1実施形態とは異なり、レール55Fの上面551は、カバー本体50の上板部51の上面513よりも下方に位置する。また、レール55Fは、第1実施形態と同様の複数の係合孔56Fを有する。なお、本実施形態では、すべての係合孔56Fが等間隔で配置されているが、隣接する係合孔56Fの間隔は異なっていてもよい。
図29~図32に示すように、ハウジング10Fは、第1実施形態と同一の本体係合部31A(本体係合溝311)と、レール係合部30Fとを備えている。ハウジング10Fのそれ以外の構成は、第1実施形態のハウジング10Aと実質的に同一である。
レール係合部30Fは、カバー5Fの後方に設けられており、レール係合溝32Fと、レバー35Fとを含む。
レール係合溝32Fは、本体係合溝311の後方において、ハウジング10Fの左右方向の略中央部に設けられている。レール係合溝32Fは、レール55Fが上板部51よりも下方にあるのに対応して、本体係合溝311よりも下方に設けられている。レール係合溝32Fは、第1実施形態のレール係合溝32A(図3参照)と実質的に同一の構成を有する。つまり、レール係合溝32Fは、前方に開放され、後方に凹むと共に、円弧状に延びる溝であって、レール55Fの外縁部556の一部を受け入れるように構成されている。レール係合溝32F及び外縁部556は、夫々の断面形状が互いに概ね整合するように構成されている。
レバー35Fは、第5実施形態のレバー35E(図26参照)の係合部353Eに代えて、係合部353Fを有する点のみがレバー35Eとは異なっており、他の部分はレバー35Eと実質的に同一の構成を有する。つまり、レバー35Fは、側方から見て概ねL字状に形成されており、操作部351Eと、係合部353Fと、操作部351Eと係合部353Fとを繋ぐ連結部355Eとを含む。
レバー35Fは、レバー35Eと同様、カバー5Fの後方で、ハウジング10Fの下端部に、支持ピン358Eを介して支持されており、左右方向に延びる軸周りに回動可能である。なお、本実施形態では、レバー35Fは、レール係合溝32Fの右側に配置されている。係合部353Fは、その先端に、係合突起354Fを有する。係合突起354Fは、レール55Fの係合孔56Fに係合するように構成されている。係合突起354Fの先端の左右方向の幅は、係合孔56Fの径より僅かに小さく設定されている。第5実施形態と同様、レバー35Fは、付勢部材357Eによって、係合部353Fの係合突起354Fが概ね上方に移動する(つまり、レール55Fに下側から近づく)方向に回動付勢されている。
図30、図32に示すように、周方向において、係合突起354Fが係合孔56Fの何れか1つと対応する位置に配置され、係合突起354Fが最上方位置に配置されているときには、係合突起354Fは、係合孔56Fに下側から挿入され、係合孔56Fに係合する。つまり、本実施形態では、係合突起354Fが最上方位置にあるときのレバー35Fの位置が、レバー35Fの係合位置に対応する。
図33、図34に示すように、使用者が操作部351Eを上方に、つまり、ハウジング10Fに近づく方向に押圧すると、レバー35Fは、付勢部材357Eの付勢力に抗して、左右方向に延びる軸周りに、係合突起354Fが下方へ移動するように回動し、解除位置へ配置される。なお、本実施形態では、レバー35Fの回動に伴って係合突起354Fが係合孔56F内で円弧状に移動するため、係合孔56Fの径は、第1実施形態の係合孔56Aよりも大きく設定されている。
本実施形態のグラインダ1Fでは、第1実施形態と同様に、レール55F及びレール係合部30F(レール係合溝32F及びレバー35F)は、協働して、ハウジング10Fに対するカバー本体50の周方向の適切な位置決め、及び、他方向のガタの抑制という2種類の機能を発揮することができる。よって、これら2つの機能を別個の構造で実現する場合に比べ、必要なスペースを減らし、構造も簡素化することが可能となる。
<第7実施形態>
以下、図35~図37を参照して、第7実施形態に係るグラインダ1Gについて説明する。グラインダ1Gは、第1実施形態とは部分的に構成が異なるカバー5Gとハウジング10Gとを備えている。カバー5Gは、カバー本体50のみを備えている。つまり、カバー5Gは、レールを備えていない。ハウジング10Gは、第1実施形態と同一の本体係合部31A(本体係合溝311)と、第1実施形態にはない外周係合部30Gとを備えている。なお、図35では、便宜上、グラインダ1Gのハウジング10G及びハウジング10Gの内部に配置される機構の一部が簡易に図示されている、又は図示が省略されているが、外周係合部30G以外のグラインダ1Gの構成は、第1実施形態のグラインダ1A(図3参照)と実質的に同一である。
図35~図37に示すように、外周係合部30Gは、ハウジング10Gの下方に配置されたラッチ35Gを含む。ラッチ35Gは、張力を利用した留め具であって、ドローラッチ(draw latch)、トグルラッチ(toggle latch)等とも称されうる。ラッチ35Gは、金属製の矩形板状の係合部353Gと、金属製のU字状のアーム355Gとを含む。係合部353Gの長手方向の一端部は、屈曲されて、フック354Gを構成している。アーム355Gの両端は、係合部353Gの長手方向の他端部の両側に、回動可能に連結されている。アーム355Gの中央部は、ハウジング10Gの下端部に、左右方向に延びる軸周りに回動可能に支持されている。
以上のような構成により、ラッチ35Gは、図35、図36に示すように、フック354Gがリップ部54に係合する係合位置と、図37に示すように、フック354Gがリップ部54に係合不能な解除位置との間で移動可能である。ラッチ35Gが係合位置にあるときには、係合部353Gを介してカバー5Gに張力が作用し、ハウジング10Gに対するカバー5Gの周方向の移動(駆動軸DX周りの回動)が規制される。ラッチ35Gは、係合位置にあるときの上下方向のサイズを最小限とできるため、グラインダ1Gの上下方向(駆動軸DXの延在方向)の小型化に寄与することができる。
以下、図38、図39を参照して、ラッチ35Gに効果的に対応可能なカバーの別の2つの例を示す。
図38に示すカバー5Hは、リップ部54から径方向内側に突出する複数の突起541を有する。突起541は、周方向に等間隔で配置されている。隣接する突起541の間隔は、ラッチ35Gの係合部353Gの左右方向の幅よりも僅かに大きく設定されている。このような構成により、ラッチ35Gが係合位置にあるとき、フック354G(図35参照)が突起541の間でリップ部54に係合することで、より確実にハウジング10Gに対するカバー5Hの回動を規制することができる。
図39に示すカバー5Jは、外周部53がリップ部54を備えない代わりに、外周部53(周壁部)に、径方向内側に突出する複数の凸部535が形成されている。凸部535は、周方向に等間隔で配置されている。隣接する凸部535の間隔は、ラッチ35Gの係合部353Gの左右方向の幅よりも僅かに大きく設定されている。このような構成により、図38の例と同様、ラッチ35Gが係合位置にあるとき、フック354Gが凸部535の間で外周部53の下端に係合することで、より確実にハウジング10Gに対するカバー5Jの回動を規制することができる。
上記実施形態の各構成要素(特徴)と本開示又は発明の各構成要素(特徴)の対応関係を以下に示す。但し、実施形態の各構成要素は、単なる一例であって、本開示又は本発明の各構成要素を限定するものではない。
グラインダ1A、1B、1C、1D、1E、1Fの各々は、「電動工具」の一例である。スピンドル25は、「スピンドル」の一例である。ハウジング10A、10B、10C、10D、10E、10Fの各々は、「ハウジング」の一例である。カバー本体50は、「カバー本体」の一例である。上板部51、外周部53は、夫々、「上板部」、「外周部」の一例である。レール55A、55C、55D、55E、55Fの各々は、「第1係合部」の一例であり、且つ、「突出部」の一例である。レバー35A、35B、35C、35D、35E、35Fの各々は、「第2係合部」の一例である。
レバー35A、35B、35Cの各々は、「直線状に移動可能なレバー」の一例である。係合孔56A、56Fの各々は、「突出部の孔」の一例である。レバー35Dは、駆動軸に実質的に直交する面内を移動可能な「回動式のレバー」の一例である。係合凹部56Dは、「突出部の凹部」の一例である。係合突起354A、354B、354C、354D、354Fの各々は、「第2係合部の突起」の一例である。付勢部材357A、357C、357D、357Eの各々は、「付勢部材」の一例である。
なお、上記実施形態は単なる例示であり、本開示に係る電動工具は、例示されたグラインダ1A、1B、1C、1D、1E、1Fに限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。また、これらの変更のうち少なくとも1つが、実施形態に例示されるグラインダ1A、1B、1C、1D、1E、1F、及び各請求項に記載された特徴の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
例えば、本開示は、スピンドルに装着された先端工具を部分的に覆うカバーを着脱可能な別の種類の電動工具(例えば、カッタ、丸鋸、マルチツール)に適用されてもよい。電動工具の種類に応じて、ハウジングの構成や、ハウジングに収容される要素(機構)及びその配置は、適宜変更されうる。
本開示に係るカバー本体は、上記実施形態で例示されたカバー本体50に限られない。例えば、カバー本体50の形状(例えば、上板部51の周方向の長さ、径方向の長さ)は、適宜変更されうる。
本開示に係る第1係合部は、上記実施形態で例示されたレール55A、55C、55D、55E、55Fに限られない。例えば、レール55A、55C、55D、55E、55Fの形状(例えば、周方向の長さ、径方向の幅、上下方向の厚み等)及び/又はカバー本体50に対するレール55A、55C、55D、55E、55Fの位置も、適宜変更されうる。また、係合孔56A、56F、係合凹部56Eの断面形状、大きさ、配置も適宜変更されてよい。また、本開示に係る第1係合部は、係合位置と解除位置との間で移動可能にハウジングに設けられた第2係合部(例えば、レバー)と係合可能である限り、必ずしも円弧状のレールでなくてよい。例えば、第1係合部は、カバー本体の外周部に設けられた突起、凹部、又は孔として構成されてもよい。また、本開示に係る第1係合部は、外周部ではなく上板部から突出していてもよい。
本開示に係る第2係合部は、上記実施形態で例示されたレバー35A、35B、35C、35D、35E、35Fに限られない。例えば、レバー35A、35B、35C、35D、35E、35Fの構成(例えば、形状、配置、支持態様)は、第1係合部の構成(例えば、レール55A、55C、55D、55E、55Fに設けられる凹部又は孔)との関係で、適宜変更されうる。例えば、第2係合部には、係合位置と解除位置との間で駆動軸DXに直交する面内を直線状に移動可能なレバーが採用されてもよい。また、第2係合部は、付勢部材によって係合位置に付勢されていることが好ましいが、例えば、係合位置と解除位置の夫々においてハウジングに対して係止可能であってもよい。上記実施形態の付勢部材357A、357C、357D、357Eに採用されているバネは、あくまでも例示であり、別の種類のバネや、バネ以外の弾性体に変更されてもよい。
また、例えば、レール係合溝32A、32Fの断面形状や配置は、第1係合部(例えば、レール)の変更に応じて適宜変更されうる。レール係合溝32A、32Fは、省略されてもよい。あるいは、ハウジングには、第1係合部(例えば、レール)ではなくカバー本体と係合することで、ハウジングに対するカバー本体の周方向以外の方向の移動を規制する構成が設けられてもよい。
本発明及び上記実施形態の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち少なくとも1つが、実施形態及びその変形例の特徴、あるいは各請求項に記載された特徴の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記第1係合部は、円弧状のレールである。
[態様2]
前記ハウジングは、前記レールの外縁部が嵌合可能なレール係合溝を有する。
[態様3]
前記第2係合部は、少なくとも部分的に前記ハウジングに収容されている。
[態様4]
前記レバーは、
使用者によって外部操作されるように構成された操作部と、
前記レバーが前記係合位置にあるときには前記第1係合部に係合し、前記レバーが前記解除位置にあるときには前記第2係合部と係合不能に構成された係合部と、
前記操作部と前記係合部とを繋ぐ連結部とを含む。
[態様5]
前記操作部は、前記ハウジングの上方で外部操作されるように構成されている。
[態様6]
前記操作部は、前記ハウジングの側方で外部操作されるように構成されている。
[態様7]
前記上板部は、扇状又は円弧状であって、
前記外周部は、円弧状に湾曲した板状部である。
[態様8]
前記ハウジングは、前記カバー本体の前記上板部の内縁部が嵌合可能な本体係合溝を有する。
1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G:グラインダ、10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G:ハウジング、101A、101C:保持溝、102A、102C:カバー部、103A、103C:バネ受け凹部、104:下面、105:円筒部、107:支持部、11:駆動機構収容部、13:モータ収容部、15:ハンドル部、17:コントローラ収容部、18:バッテリ装着部、21:モータ、211:ステータ、215:出力シャフト、22:ファン、23:中間シャフト、230:駆動ギヤ、25:スピンドル、250:被動ギヤ、253:工具装着部、254:ロックナット、27:スイッチ、271:スイッチノブ、272:連結部材、29:コントローラ、30A、30B、30C、30D、30E、30F、30G:外周係合部、31A:本体係合部、311:本体係合溝、32A、32F:レール係合溝、32E:係合突起、33:規制壁、35A、35B、35C、35D、35E、35F:レバー、351A、351C、351D、351E:操作部、353A、353B、353C、353D、353E、353F、353G:係合部、354A、354B、354C、354D、354F:係合突起、354G:フック、355A、355C、355D、355E:連結部、355G:アーム、356A、356D:バネ受け突起、356E:アーム部、357A、357C、357D、357E:付勢部材、358D:ネジ、358E:支持ピン、35G:ラッチ、5A、5C、5D、5E、5F、5G、5H、5J:カバー、50:カバー本体、51:上板部、511:内縁、512:内縁部、513:上面、515:外縁、53:外周部、535:凸部、54:リップ部、541:突起、55A、55C、55D、55E、55F:レール、551:上面、552:下面、555:外縁、556:外縁部、56A、56F:係合孔、56D、56E:係合凹部、91:先端工具、93:バッテリ

Claims (11)

  1. 電動工具であって、
    前記電動工具の上下方向を規定する駆動軸に沿って延在するスピンドルであって、先端工具を着脱可能な下端部を有するスピンドルと、
    前記下端部が外部に露出した状態で、前記スピンドルを収容するハウジングと、
    前記ハウジングに取り外し可能に取り付けられ、前記スピンドルの前記下端部に装着された前記先端工具を部分的に覆うように構成されたカバー本体であって、前記先端工具の上方に配置される上板部と、前記上板部の外縁に沿って、前記外縁から下方に突出する外周部とを含むカバー本体と、
    前記カバー本体に設けられた第1係合部と、
    前記ハウジングに設けられ、前記第1係合部に係合する係合位置と、前記第1係合部に係合不能な解除位置との間で移動可能な第2係合部とを備え、
    前記第1係合部及び前記第2係合部は、互いに係合することによって、前記ハウジングに対する前記カバー本体の前記駆動軸周りの回動を規制するように構成されており、
    前記第1係合部は、前記駆動軸に直交する径方向において、前記外周部と同じ位置又は前記外周部よりも径方向外側にあり、且つ、前記上下方向において前記カバー本体の上端と下端の間にあることを特徴とする電動工具。
  2. 請求項1に記載の電動工具であって、
    前記第1係合部は、前記カバー本体の前記上板部又は前記外周部から径方向外側に突出する突出部として構成されていることを特徴とする電動工具。
  3. 請求項2に記載の電動工具であって、
    前記第2係合部は、前記駆動軸に実質的に平行に、直線状に移動可能なレバーであることを特徴とする電動工具。
  4. 請求項2又は3に記載の電動工具であって、
    前記突出部は、前記上下方向に延在する凹部又は孔を少なくとも1つ有し、
    前記第2係合部は、前記係合位置にあるときに、前記凹部又は前記孔に係合するように構成された突起を有することを特徴とする電動工具。
  5. 請求項2に記載の電動工具であって、
    前記第2係合部は、前記駆動軸に実質的に直交する面内を移動可能であることを特徴とする電動工具。
  6. 請求項5に記載の電動工具であって、
    前記突出部は、前記突出部の外縁から径方向内側に凹む凹部を少なくとも1つ有し、
    前記第2係合部は、前記係合位置にあるときに、前記凹部に係合するように構成された突起を有することを特徴とする電動工具。
  7. 請求項5又は6に記載の電動工具であって、
    前記第2係合部は、使用者による外部操作が可能な回動式のレバーであることを特徴とする電動工具。
  8. 請求項1~7の何れか1つに記載の電動工具であって、
    前記第2係合部を前記係合位置に向けて付勢するように構成された付勢部材を更に備えることを特徴とする電動工具。
  9. 請求項1~8の何れか1つに記載の電動工具であって、
    前記第1係合部は、前記カバー本体とは別個に形成され、前記カバー本体に固定されていることを特徴とする電動工具。
  10. 請求項1~9の何れか1つに記載の電動工具であって、
    第2係合部の下端は、前記第2係合部が前記係合位置にあるときも、前記解除位置にあるときも、前記上下方向において前記カバー本体の下端と同じ位置、又は、前記カバー本体の前記下端よりも上方にあることを特徴とする電動工具。
  11. 請求項10に記載の電動工具であって、
    前記第2係合部は、前記第2係合部が前記係合位置にあるときも、前記解除位置にあるときも、前記上下方向において前記カバー本体の上端と前記下端との間にあることを特徴とする電動工具。
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