JP2024075859A - 衣類処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より適切な回転制御を行うことができる衣類処理装置を提供することである。【解決手段】実施形態の衣類処理装置は、電動機により回転可能な回転槽と、水槽における1つの位置に設けられ、第1方向の物理量、および前記第1方向の物理量と異なる第2方向の第2物理量を検出可能な検出部と、脱水処理において、前記電動機の第1回転数における前記第1物理量が第1しきい値以上の振動を示す第1条件と、少なくとも、前記第1回転数よりも低い第2回転数における前記第1物理量が第2しきい値以下の振動を示す、前記第2物理量が第3しきい値以下の振動を示す、または前記電動機のq軸電流が第4しきい値以下の振動を示す第2条件との両方が満たされる場合に、前記電動機の回転を停止させる停止部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、衣類処理装置に関する。
水槽の前端部に設けられた第1加速度センサの検出結果と、水槽の後端部に設けられた第2加速度センサの検出結果とに基づき、回転槽の回転制御を行う洗濯機が知られている。ところで洗濯機などの衣類処理装置は、低コスト化を進める場合、振動状況に応じた回転制御が難しくなる場合がある。
特開2012-170686号公報
本発明が解決しようとする課題は、より適した回転制御を行うことができる衣類処理装置を提供することである。
実施形態の衣類処理装置は、水槽と、前記水槽に収容され、電動機により回転可能な回転槽と、前記水槽における1つの位置に設けられ、第1方向の振動に関連する第1物理量、および前記第1方向と異なる第2方向の振動に関連する第2物理量を検出可能な検出部と、脱水処理において、前記電動機の第1回転数における前記第1物理量が第1しきい値以上の振動を示す第1条件と、少なくとも、前記第1回転数よりも低い前記電動機の第2回転数における前記第1物理量が第2しきい値以下の振動を示す、前記第2回転数における前記第2物理量が第3しきい値以下の振動を示す、または前記第2回転数における前記電動機のq軸電流が第4しきい値以下の振動を示す第2条件との両方が満たされる場合に、前記電動機の回転を停止させる停止部と、を備える。
一実施形態の洗濯乾燥機の構成の一例を示す図。 一実施形態の加速度センサの設置位置および加速度の検出方向の一例を示す図。 一実施形態の洗濯乾燥機のドラムモータを駆動する電気回路の構成の一例を示す図。 一実施形態の制御装置の構成の一例を示す図。 一実施形態の洗濯運転および乾燥運転の流れの一例を示す図。 一実施形態のプリヒート最終脱水行程の立ち上げ動作を説明するための図。 一実施形態のしきい値情報の内容の一例を示す図。 一実施形態におけるしきい値の設定の一例を説明するための図。 一実施形態のデータテーブルTBL4の一例を示す図。 一実施形態において回転数R4までに共振点における振動の大小の判定対象とする領域Rs1-3の一例を示す図。 一実施形態における領域Rs1、Rs2の一例を示す図。 一実施形態の洗濯乾燥機の処理フローの一例を示す図。 一実施形態における停止させる領域を説明するための図。 一実施形態の洗濯乾燥機の利点を説明するための第1の図。 一実施形態の洗濯乾燥機の利点を説明するための第2の図。 一実施形態の第1変形例における領域Rs300の一例を示す図。 一実施形態の第1変形例における領域Rs400の一例を示す図。 一実施形態の第1変形例における領域Rs400および領域Rs1-3の一例を示す図。 一実施形態の第1変形例における領域Rs500の一例を示す図。 一実施形態の第1変形例における領域Rs600の一例を示す図。 一実施形態の第1変形例における領域Rs600および領域Rs1-3の一例を示す図。
以下、実施形態の洗濯機(衣類処理装置の一例)を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」および「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。本出願で「洗濯機」とは、乾燥機能を有する洗濯乾燥機も含み得る。本出願で「回転数」とは、単位時間当たりの回転数を意味する。すなわち「回転数」とは「回転速度」に相当する意味で用いられる。
(実施形態)
一実施形態として、脱水処理において、第1判定から第9判定を行う洗濯乾燥機1について説明する。一実施形態の洗濯乾燥機1は、1つの加速度センサから得た加速度に基づいて、共振点における筐体の振動を判定し、判定結果に応じて回転槽の回転を停止させる。
(洗濯乾燥機の全体構成)
図1は、一実施形態の洗濯乾燥機1の構成の一例を示す図である。洗濯乾燥機1は、「洗濯機」の一例である。また、洗濯機は、「衣類処理装置」の一例である。洗濯乾燥機1は、例えば、ドラム式の洗濯乾燥機である。洗濯乾燥機1は、図1に示すように、筐体(外箱)11、扉12、操作部PU、水槽13、ドラム14(回転槽の一例)、ベローズ15、ドラムモータ16(電動機の一例)、減衰装置19(支持部の一例)、給水弁21、注水ケース22、注水管23、排水管24、温風供給機構30、および制御装置50(図3参照)を備える。
筐体11は、前板、後板、左側板、右側板、底板、および天板を有し、中空状に形成されている。筐体11の前板には、貫通孔である出入口11aが設けられている。扉12は、筐体11の前板に装着されている。扉12は、出入口11aを開閉可能に閉じている。
操作部PUは、例えば、筐体11の前上端部に設けられている。操作部PUは、複数のボタンまたはタッチパネルを含み、ユーザによる運転コースの選択を受け付ける。運転コースとしては、例えば、標準コース、時短コース(お急ぎコース)、おしゃれ着コース(丁寧洗いコース)、静音コースなどが挙げられる。時短コースは、標準コースと比べて短い運転時間で洗濯運転を完了するコースである。静音コースは、標準コースと比べて騒音を抑制する(すなわち水槽13またはドラム14の振動を抑制する)コースである。
水槽13は、筐体11の内部に設けられている。水槽13は、後面が閉塞された円筒状に形成されている。水槽13は、後下がりに傾斜した状態で配置されている。水槽13の前面は、開口を有する。出入口11aに対する扉12の閉塞状態では、扉12が水槽13の前面の開口を気密状態に閉塞する。
水槽13は、ドラムモータ16の軸方向の両端部として、後端部13e1と、前端部13e2とを備える。後端部13e1は、軸方向の両端部のうちドラムモータ16に近い端部である。一方で、前端部13e2は、後端部13e1とは反対側に位置した端部であり、軸方向の両端部のうちドラムモータ16から遠い端部である。「軸方向」(第2方向の一例)は、水槽13の「径方向」および「周方向」(第1方向の一例)と交差する方向である。「軸方向」は、「回転軸方向」と称されてもよい。以下、軸方向に符号を付与して軸方向Daと記載する。軸方向Daは、「ドラム式洗濯乾燥機の前後方向」の一例である。本出願でいう「洗濯乾燥機の前後方向」は、水平方向に沿う前後方向に限定されず、洗濯乾燥機1の筐体11の前板の一部から筐体11の後板の一部に向かう方向を広く意味する。すなわち「洗濯乾燥機の前後方向」とは、水平方向に対して傾斜した方向でもよい。また、周方向に符号を付与して周方向Dcと記載する。
ドラム14は、水槽13内に配置される。ドラム14は、衣類(洗濯物)が収容される収容室である。ドラム14は、円筒状であり、水槽13内で回転可能に支持される。ドラム14は、前後方向に延び且つ水平からやや後下がりに傾斜した傾斜軸(中心軸CL)を中心に回転するように構成される。ドラム14は、「洗濯槽」と称されてもよい。
ドラム14の周壁部および後壁部には、通水および通気用の多数の孔14aが設けられる。ドラム14の周壁部の内面には、洗濯物攪拌用の複数のバッフル14bが設けられる。ドラム14内の洗濯物は、各バッフル14bに引っ掛かりながら円周方向へ移動した後に重力で落下することで撹拌される。ドラム14の前面部には、洗濯物が出し入れされる円形の開口部が設けられる。水槽13の前面部には、ドラム14の開口部に連なる投入口13aが設けられる。水槽13の投入口13aと筐体11の出入口11aとはベローズ15を介して連通する。
ドラムモータ16は、水槽13の後方に設けられる。ドラムモータ16は、洗濯乾燥機1の駆動機構を構成する。ドラムモータ16は、例えば、三相交流モータである。ただし、ドラムモータ16は、速度制御可能な直流モータなどでもよい。ドラムモータ16の回転軸16aの先端は、水槽13の背面を貫通して水槽13内に突出し、ドラム14の後端部14e1の中心部に連結固定される。これにより、ドラム14は、ドラムモータ16によって直接的に回転駆動される。ドラム14は、脱水動作において、正転方向(例えば正面から見て時計回り方向)に連続回転される。ドラム14は、洗い動作、すすぎ動作、および乾燥動作において、正転と反転が繰り返される。
第1弾性支持部18は、例えば、ばねを含み、弾性を有する。例えば、第1弾性支持部18は、水槽13の重心の下側に配置される。なお、第1弾性支持部18は、水槽13の重心の下側の減衰装置19の周囲に配置され、第1弾性支持部18と減衰装置19とにより、懸架装置が構成されてもよい。第1弾性支持部18の下端部は、筐体11の底板に接続される。第1弾性支持部18の上端部は、水槽13の下端部に接続される。第1弾性支持部18は、水槽13を下側から弾性支持する。
また、洗濯乾燥機1は、第1弾性支持部18に代わって、第2弾性支持部17を備えるものであってもよい。第2弾性支持部17は、例えば、ばねを含み、弾性を有する。例えば、第2弾性支持部17は、水槽13の重心の上側に配置される。第2弾性支持部17の上端部は、筐体11の天板に接続される。第2弾性支持部17の下端部は、水槽13の上端部に接続される。第2弾性支持部17は、水槽13を上側から弾性支持する。なお、第1弾性支持部18および第2弾性支持部17は、水槽13の主となる支持部である。
減衰装置19は、例えば油圧ダンパまたは空圧ダンパを含み、振動に対して減衰力を作用させる。例えば、減衰装置19は、水槽13の下側に接続され、配置される。減衰装置19の下端部は、筐体11の底板に接続される。減衰装置19の上端部は、水槽13の下端部に接続される。減衰装置19は、水槽13の振動を減衰させる。
水槽13は、ドラム14の振動に伴って振動する。水槽13には、水槽13の振動を検出する加速度センサ61(検出部の一例)が設けられる。加速度センサ61は、水槽13に関連して配置される。本出願で「水槽に関連して配置」とは、水槽13の振動を検出可能な配置態様を広く意味する。「水槽に関連して配置」とは、水槽13に設けられる場合に限らず、水槽13と接続された別部材に設けられる場合も含み得る。一実施形態では、水槽13には、加速度センサ61が1つのみ設けられる。例えば、加速度センサ61は、第1弾性支持部18または第2弾性支持部17が接続される水槽13の位置から距離を長くとることのできる位置を有する領域に備えられる。このような領域に加速度センサ61を備えることにより、第1弾性支持部18または第2弾性支持部17を支点として振動する水槽13の振動の大きな箇所で加速度センサ61が加速度を検出することになる。その結果、加速度センサ61は加速度を検出しやすくなる。
加速度センサ61は、例えば、X軸、Y軸、およびZ軸の加速度を検出可能な3軸加速度センサである。加速度センサ61は、水槽13に取り付けられ、水槽13の軸方向Daの振動に関する第1検出値(第1センサ値)と、水槽13の周方向Dcに関する第2検出値(第2センサ値)とを検出可能である。加速度センサ61は、検出した第1検出値および第2検出値を制御装置50に出力する。加速度センサ61は、「センサ」の一例である。軸方向Daは、「第1方向」の一例である。周方向Dcは、「第2方向」の一例である。
加速度センサ61は、例えば、水槽13の前端部13e2に設けられ、水槽13の前端部13e2の加速度(後述する軸方向Daの加速度(第1物理量の一例)、および後述する周方向Dcの加速度(第2物理量の一例))を検出する。なお、加速度センサ61が水槽13の前端部13e2に設けられる理由は、脱水運転時に、ドラム軸受け部16aから距離が遠いドラム14内の前方にアンバランスが発生した場合、後方に発生したアンバランスと比べて振動が大きくなりやすく、ベローズ15を介して筐体11に振動が伝わりやすくなるため、前方の振動を精度よく検知するために、加速度センサ61をドラム14内の前方に設けている。
図2は、一実施形態の加速度センサ61の設置位置および加速度の検出方向の一例を示す図である。ドラム14内の衣類のアンバランスを精度よく検出するには、図2の(a)の部分に示すように、水槽13の後端部13e1に加速度センサ61Aを設け、水槽13の前端部13e2に加速度センサ61Bを設け、水槽13の後端部13e1および前端部13e2それぞれの加速度を検出することが望ましい。このような構成によれば、加速度センサ61Bで検出した加速度から前部アンバランスを算出し、加速度センサ61Aで検出した加速度から後部アンバランスを算出することができる。
ここで、例えばコストを削減するために、洗濯乾燥機1内に設置する加速度センサの数を少なくすることが求められる。そのため、一実施形態では、図2の(b)の部分に示すように、水槽13には、加速度センサ61が1つのみ設けられる。一実施形態では、加速度センサ61の第1検出値(径方向Drの振動に関する検出値)を用いて前部アンバランスの大きさを検出し、加速度センサ61の第2検出値(軸方向Daの振動に関する検出値)を用いて後部アンバランスを検出する。すなわち、後部アンバランスについては、軸方向Daの振動を用いて検出する。このように、水槽13の前端部13e2に設けられた1つの加速度センサ61により径方向Drと軸方向Daとの2方向の振動を検出することで、ドラム14内の衣類のアンバランスを検出することができる。なお、「アンバランス」とは、ドラム14内の衣類の偏りによる偏荷重状態を意味する。よって、前アンバランスは、ドラム14内の前部における衣類の偏りによる偏荷重状態を意味する。また、後アンバランスは、ドラム14内の後部における衣類の偏りによる偏荷重状態を意味する。
しかしながら、図2の(b)の部分に示すような水槽13の前端部13e2に設けられた1つの加速度センサ61では、図2の(a)の部分に示すような、加速度センサ61Aおよび61Bと同様の検出値は得られない。そのため、例えば、加速度センサ61による検出値を用いて作成した後述するデータテーブルTBL7と、加速度センサ61Aおよび61Bが検出した検出値を用いて作成したデータテーブルTBL7とは異なる。具体的には、加速度センサ61Aおよび61Bが検出した検出値を用いて作成したデータテーブルTBL7に比べて、加速度センサ61による検出値を用いて作成した後述するデータテーブルTBL7では、前アンバランスが大きく後アンバランスが小さい場合の振動と、前アンバランスが小さく後アンバランスが大きい場合の振動との区別がし辛くなる。
給水弁21は、筐体11の内部に固定される。給水弁21の入口は、不図示のホースを介して水道の蛇口に接続される。給水弁21の出口は、給水弁モータ71(図3参照)により開放状態と閉鎖状態とに切り換えられる。給水弁21の出口は、注水ケース22に接続される。注水ケース22は、筒状の注水管23を介して、水槽13の内部に接続される。給水弁21が開放動作されると、水道から供給される水が、水槽13内に給水される。
水槽13の底部には、排水口13bが設けられる。排水口13bには、排水管24の上端部が接続される。排水管24には不図示の排水弁が設けられる。排水弁は、排水弁モータ72(図3参照)により開放状態と閉鎖状態とに切り換えられる。排水弁が開放動作されると、水槽13内の洗濯水が、排水管24から排出される。
水槽13の前部の上部には、水槽13内の空気を排出する排気口13cが設けられる。水槽13の背面部の上部には、水槽13内に乾燥風を供給するための給気口13dが設けられる。筐体11の内部には、ドラム14内に乾燥風(温風)を循環供給して洗濯物の乾燥運転を実行するための温風供給機構30が設けられる。
温風供給機構30は、例えば、循環風路31と、ヒートポンプ32と、送風ファン33とを備える。ヒートポンプ32は、圧縮機41、凝縮器42、不図示の絞り装置、および蒸発器43を配管によりサイクル接続した冷凍サイクルの一部を構成する。凝縮器42および蒸発器43は、循環風路31に配置される。ヒートポンプ32は、循環風路31を通る空気の除湿および加熱を行って乾燥風を生成する。送風ファン33は、排気口13cから排出された空気を、循環風路31内を循環させ、ヒートポンプ32で除湿および加熱された空気を給気口13dから水槽13を介してドラム14内に供給する。ヒートポンプ32は、循環風路31を通る空気を加熱する「加熱装置」の一例である。なお、加熱装置は、ヒートポンプ32に代えて、ヒーター(電熱器など)であってもよい。
(モータ駆動系の電気回路構成)
図3は、一実施形態の洗濯乾燥機1のドラムモータ16を駆動する電気回路の構成の一例を示す図である。図3は、ドラムモータ16の駆動系(モータ制御部111)を概略的に示している。インバータ回路132は、6個のIGBT(半導体スイッチング素子)133a~133fを三相ブリッジ接続して構成されており、各IGBT133a~133fのコレクタ-エミッタ間には、フライホイールダイオード134a~134fが接続される。下アーム側のIGBT133d、133e、133fのエミッタは、シャント抵抗135u、135v、135wを介してグラウンドに接続される。IGBT133d、133e、133fのエミッタとシャント抵抗135u、135v、135wとの各接続点は、それぞれレベルシフト回路136を介して制御回路111cに接続される。一実施形態では、シャント抵抗135u、135v、135wとレベルシフト回路136との組み合わせにより、電流センサ62(図4参照)を流れる電流の一例が構成される。
レベルシフト回路136は、オペアンプなどを含み、シャント抵抗135u、135v、135wの端子電圧を増幅することにより信号を生成し、生成した信号の出力範囲が正側に収まるようにバイアスを与える。過電流比較回路138は、インバータ回路132の上下アームが短絡した場合、過電流を検出する。
インバータ回路132の入力側には、駆動用電源回路139が接続される。駆動用電源回路139は、交流電源140(例えば、100ボルト)を、ダイオードブリッジで構成される全波整流回路141および直列接続された2個のコンデンサ142a、142bにより倍電圧全波整流し、直流電圧(例えば、約280ボルト)をインバータ回路132に供給する。インバータ回路132の各相出力端子は、ドラムモータ16の各相巻線16u、16v、16wに接続される。
制御回路111cは、電源145(例えば、3.3ボルト)を電源として動作し、駆動回路144と高圧ドライバ回路146を介して、6個のIGBT133a~133fをPWM(Pulse Wide Modulation)制御する。駆動回路144は、電源143(例えば、15ボルト)を電源として動作し、制御回路111cが出力した駆動信号を、電圧を高めた駆動信号に変換して下アーム側のIGBT133d、133e、133fのゲートに印加する。高圧ドライバ回路146は、駆動回路144の出力を倍電圧全波整流電圧よりも高い電圧に変換し、上アーム側のIGBT133a、133b、133cのゲートに印加する。制御回路111cには、ドラムモータ16に設けられたロータ位置センサ161の出力信号が入力される。制御回路111cは、ロータ位置センサ161の出力信号を基準としてドラムモータ16を駆動する駆動信号を生成する。
制御回路111cは、レベルシフト回路136を介して得られるドラムモータ16の巻線16u~16wに流れる三相電流Iau~Iawを検出し、検出した電流値に基づいて2次側の回転磁界の位相θおよび回転角速度ωを推定するとともに、三相電流Iau~Iawを直交座標変換およびdq(direct-quadrature)座標変換して励磁電流成分Id、トルク電流成分Iq(以下「q軸電流」と称する)を算出する。q軸電流は、ドラムモータ16に作用するモータトルクに比例して大きくなる電流成分である。q軸電流は、「トルク電流」の一例である。ただし、本明細書でいう「トルク電流」とは、q軸電流に限定されず、モータの負荷に応じて大きくなる電流であればよい。
(制御装置の構成)
次に、制御装置50について説明する。制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などからなるコンピュータを主体として構成される。制御装置50は、洗濯乾燥機1の全体を統括的に制御し、洗濯乾燥機1による洗い動作、すすぎ動作、および脱水動作を含む洗濯運転と、その後に続く乾燥運転(乾燥動作)とを実行する。
図4は、一実施形態の制御装置50の構成の一例を示す図である。制御装置50には、上述した操作部PU、加速度センサ61、および電流センサ62が接続される。電流センサ62は、ドラムモータ16に流れる電流を測定する。図4では説明の便宜上、電流センサ62とモータ制御部111とを分けて記載する。ただし、電流センサ62は、モータ制御部111に含まれてもよい。
制御装置50は、例えば、重量検出部(布量検出部)51、布質検出部52、しきい値調整部53、脱水動作判定部54、制御部55(停止部の一例)、モータ制御部111、および記憶部59を備える。これら機能部の全部または一部は、CPUのようなハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。ただし、これら機能部の全部または一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)、ディスクリート回路などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。モータ制御部111は、制御部55の一部として設けられてもよい。記憶部59は、RAM、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のうち1つまたは複数の組み合わせにより実現される。
重量検出部51は、例えば、衣類の重量によってドラムモータ16の負荷量が変化することを利用して衣類の重量(布量)を判定する。重量検出部51は、例えば、水槽13への給水前において衣類がドラム14に収容された状態でドラムモータ16によりドラム14を回転させ、ドラムモータ16に流れるトルク電流の大きさ(例えばq軸電流の電流値)に基づき衣類の重量を検出する。
布質検出部52は、例えば、布質による吸水性の差異によってドラムモータ16の負荷量が変化することを利用して布質を判定する。布質検出部52は、例えば、綿系の洗濯物が主であるか、化学繊維系の洗濯物が主であるかを判定することで布質を判定する。布質検出部52は、例えば、(1)洗い動作中においてドラム14が一定速度で回転中のq軸電流の平均値(または積分値)と、(2)洗い動作中においてドラム14が1回転する間のq軸電流の最大値と最小値の差の平均値とである2つの指標の組み合わせにより布質を検出する。
脱水動作判定部54は、加速度センサ61の検出結果(第1検出値の検出結果および第2検出値の検出結果)と、しきい値とに基づき、ドラム14の回転制御に関する判定を行う。例えば、脱水動作判定部54は、ドラム14の回転制御に関する判定として、脱水動作の進め方に関する判定を行う。
一実施形態では、脱水動作判定部54は、脱水動作の進め方として、脱水動作のやり直しまたは脱水動作におけるドラム14の到達回転数(許容される最高回転数)を判定する。なお、本出願でいう「センサの検出結果」とは、センサの検出値(例えば加速度センサ61の第1検出値または第2検出値)そのものに限らず、センサの検出値に対して演算が行われることにより得られる指標値などでもよい。脱水動作判定部54の処理については、詳しく後述する。
制御部55は、洗濯乾燥機1の全体を制御する。例えば、制御部55は、脱水動作判定部54の判定結果に基づき、洗濯乾燥機1の脱水動作を制御する。例えば、制御部55は、ドラムモータ16の駆動を制御することで、ドラム14の回転を制御する。
記憶部59は、しきい値情報59aを記憶する。しきい値情報59aは、後述するしきい値T1~T9を含む。
(洗濯運転および乾燥運転の流れ)
図5は、一実施形態の洗濯運転および乾燥運転の流れの一例を示す図である。洗濯運転は、例えば、「洗い行程」、「脱水行程1」、「シャワーすすぎ行程」、「脱水行程2」、「ためすすぎ工程」、「プリヒート予備脱水行程」、および「プリヒート最終脱水行程」をこの順に含む。
「洗い行程」は、洗剤投入、給水、ドラム14の回転(洗い)、および排水を含む。「脱水行程1」は、「洗い行程」の後であって「シャワーすすぎ工程」の前にドラム14を回転させて衣類からある程度の脱水を行う行程である。「シャワーすすぎ行程」は、給水および排水を同時に行いながら(すなわち、水をかけ流しながら)ドラム14を回転させるすすぎ行程である。「脱水行程2」は、「シャワーすすぎ行程」の後であって「ためすすぎ行程」の前にドラム14を回転させて衣類からある程度の脱水を行う行程である。「ためすすぎ工程」は、水槽13内に水を貯めた状態でドラム14を回転させるすすぎ行程である。一実施形態では、脱水行程1でのドラム14の最高回転数と、脱水行程2でのドラム14の最高回転数は、ほぼ同じである。脱水行程1および脱水行程2の各々は、一連の洗濯運転の途中で行われる脱水行程である。
「プリヒート予備脱水行程」は、「ためすすぎ行程」の後であって「プリヒート最終脱水行程」の前に、温風供給機構30により循環風路31に温風を供給しながらドラム14を回転させて衣類から予備的な脱水を行う行程である。プリヒート予備脱水行程でのドラム14の最高回転数は、脱水行程1または脱水行程2でのドラム14の最高回転数よりも低い。
「プリヒート最終脱水行程」は、一連の洗濯運転の最後に行われる脱水行程である。プリヒート最終脱水行程は、乾燥運転の直前に行われる脱水行程である。プリヒート最終脱水行程は、温風供給機構30により循環風路31に温風を供給しながらドラム14を回転させて衣類からできるだけ多くの水分を取り除く脱水行程である。プリヒート最終脱水行程でのドラム14の最高回転数は、脱水行程1または脱水行程2でのドラム14の最高回転数よりも高い。プリヒート最終脱水行程の実施時間は、脱水行程1または脱水行程2の実施時間よりも長い。
次に、脱水行程と、加速度センサ61の検出結果に関する判定との関係について説明する。ここでは、後述する第1判定から第9判定までを含むプリヒート最終脱水行程に関する動作を例に説明する。なお、脱水行程1、脱水行程2およびプリヒート予備脱水行程に関する動作は、後述する第1判定から第7判定までの脱水行程に関する動作と基本的に同じである。
図6は、一実施形態のプリヒート最終脱水行程の立ち上げ動作を説明するための図である。図6の縦軸は回転数である。また、図6の横軸は時間である。なお、図6は、時間と回転数の関係の一例を示す概念図である。そのため、縦軸および横軸について挙げる具体的な数値例と図6の見た目の長さとは、必ずしも一致しない。図6において、S1は、電流センサ62によるq軸電流の検出を表している。また、図6において、M2a、M3a、M4a、M5a、M6aのそれぞれは、加速度センサ61による軸方向Daの加速度の検出を表している。また、図6において、M2b、M3b、M5b、M6bのそれぞれは、加速度センサ61による周方向Dcの加速度の検出を表している。プリヒート最終脱水行程の立ち上げでは、図6に示すように、ドラム14の回転数が増加されるとともに、複数の回転数(複数の速度)においてしきい値を用いた判定動作が行われる。例えば、次に示すような判定動作が行われる。
制御部55は、まずドラム14の回転数を回転数R1まで増加させ、その後、一定時間に亘り(例えば、図6におけるt1からt2までの間)、ドラム14の回転数を回転数R1に固定する。そしてその間における洗濯乾燥機1が安定した状態で、脱水動作判定部54は、回転数R1に対して得られた電流センサ62の検出結果(すなわち、q軸電流)と、その検出結果に対して予め用意したしきい値T1とに基づき、脱水動作の進め方に関する判定(すなわち、ドラム14の回転数を上げて脱水処理を進める、またはドラム14の回転を停止させるための第1判定)を行う。第1判定の具体例については後述する。しきい値T1は、例えばしきい値情報I1として記憶部59に記憶される。図7は、一実施形態のしきい値情報I1の内容の一例を示す図である。しきい値情報I1は、記憶部59に記憶される。図7に示すように、しきい値情報I1において、しきい値T1および後述するしきい値T2~T5のそれぞれは、回転数R1、R2~R5にそれぞれ関連付けられており、水槽13の振動が大きいと判定するために用いられる。ここでの水槽13の振動が大きいとは、回転数R1~R5における水槽13の振動が、筐体(外箱)11の共振点(共振周波数の一例)における振動が所定の振動以上となることが予測される程度に大きいことである。なお、しきい値T1~T5を決定する方法の詳細については、後述する。
次に、制御部55は、(例えば、図6におけるt2からt3までの間で)ドラム14の回転数を回転数R1から回転数R2まで増加させる。制御部55は、(例えば、図6におけるt3からt4までの間)ドラム14の回転数を回転数R2(第2回転数の一例)に固定する。そしてその間における洗濯乾燥機1が安定した状態で、脱水動作判定部54は、回転数R2に対して得られた加速度センサ61の検出結果(すなわち、軸方向Daの加速度、および周方向Dcの加速度)と、それらの検出結果に対して予め用意したしきい値T2(すなわち、軸方向Daの加速度に対応するしきい値T2-1、周方向Dcの加速度に対応するしきい値T2-2)とに基づき、脱水動作の進め方に関する判定(すなわち、ドラム14の回転数を上げて脱水処理を進める、またはドラム14の回転を停止させるための第2判定)を行う。第2判定の具体例については後述する。
また、制御部55は、(例えば、図6におけるt4からt5までの間で)ドラム14の回転数を回転数R2から回転数R3まで増加させる。制御部55は、(例えば、図6におけるt5からt6までの間)ドラム14の回転数を回転数R3(第2回転数の一例)に固定する。そしてその間における洗濯乾燥機1が安定した状態で、脱水動作判定部54は、回転数R3に対して得られた加速度センサ61の検出結果(すなわち、軸方向Daの加速度、および周方向Dcの加速度)と、それらの検出結果に対して予め用意したしきい値T3(すなわち、軸方向Daの加速度に対応するしきい値T3-1、周方向Dcの加速度に対応するしきい値3-2)とに基づき、脱水動作の進め方に関する判定(すなわち、ドラム14の回転数を上げて脱水処理を進める、またはドラム14の回転を停止させるための第3判定)を行う。第3判定の具体例については後述する。
また、制御部55は、(例えば、図6におけるt6からt7までの間で)ドラム14の回転数を回転数R3から回転数R4まで増加させる。そして、制御部55は、さらに、(例えば、図6におけるt7からt8までの間で)ドラム14の回転数を回転数R4から回転数R5まで増加させる。脱水動作判定部54は、回転数R4から回転数R5までの回転数に対して得られた加速度センサ61の検出結果(すなわち、軸方向Daの加速度)と、その検出結果に対して予め用意したしきい値T4とに基づき、脱水動作の進め方に関する判定(すなわち、ドラム14の回転数を上げて脱水処理を進める、またはドラム14の回転を停止させるための第4判定)を行う。第4判定の具体例については後述する。
脱水動作判定部54は、プリヒート最終脱水行程において、第4判定の後、回転数R5よりも速い回転数R6においてしきい値T5(すなわち、軸方向Daの加速度に対応するしきい値T5-1、周方向Dcの加速度に対応するしきい値T5-2)を用いた第5判定が行われる。第5判定において回転数R6で得られる加速度センサ61の検出結果がしきい値T5以下である場合、次に回転数R6よりも速い回転数R7においてしきい値T6(すなわち、軸方向Daの加速度に対応するしきい値T6-1、周方向Dcの加速度に対応するしきい値T6-2)を用いた第6判定が行われる。
実施形態では、第5判定および第6判定は、実施中の脱水動作(すなわち、プリヒート最終脱水行程)での到達回転数を決めるための判定である。すなわち回転数R6または回転数R7において水槽13の振動がしきい値以上であると脱水動作判定部54が判定した場合、制御部55は、ドラム14の回転数を増加させることを止め、プリヒート最終脱水行程でのドラム14の最高回転数を回転数R6または回転数R7で固定する。一方で、回転数R6および回転数R7において水槽13の振動がしきい値未満であると脱水動作判定部54が判定した場合、制御部55は、回転数R7を超えてドラム14の回転数を目標回転数RM2まで増加させる。この場合、目標回転数RM2がプリヒート最終脱水行程での最高回転数となる。なお、第5判定および第6判定は、脱水動作での到達回転数を決めるための判定に代えて、リトライ動作の要否の判定であってもよい。
図8は、一実施形態におけるしきい値の設定の一例を説明するための図である。ここで、しきい値T1~T6を決定する方法の詳細について説明する。まず、しきい値T1~T4を決定する方法について説明する。
(しきい値T1~T4の決定)
図8は、データテーブルTBLallを示している。図8における前アンバランスの大小は、ドラム14の前部における偏荷重の大小を示す。また、図8における後アンバランスの大小は、ドラム14の後部における偏荷重の大小を示す。データテーブルTBLallは、前アンバランスの大きさと後アンバランスの大きさとの組み合わせを示すデータテーブルである。まず、図8に示すように、前アンバランスと後アンバランスとの組み合わせに対して、回転数が共振点に至るまでに加速度センサ61の検出結果に基づいて、共振点における振動の大小の判定対象としなければならない領域Rsall(すなわち、所定の回転数ごとにしきい値以上の振動を検出した場合に停止させる領域)を決定する。この領域Rsallの決定は、例えば、過去の実績、お客様によるアンケートにより振動が大きい判断された前アンバランスと後アンバランスとの組み合わせ、実機による振動実験などに基づいて行われる。そして、しきい値T1~T4は、共振点以下の1つ以上の回転数(第1回転数の一例、第2回転数の一例)により、回転数が共振点に至るまでに、その領域Rsallが、共振点における振動の大小の判定対象となるように決定される。
具体的には、例えば、回転数がR1(第2回転数の一例、例えば、150rpm)のときの加速度センサ61による実測値に所定の演算を実施し振動の大きさを求めることにより、前アンバランスと後アンバランスとの組み合わせそれぞれと、それぞれに対応する振動の大きさとを関連付けたデータテーブルTBL1を予め作成する。すなわち、データテーブルTBL1では、前アンバランスと後アンバランスとのそれぞれの組み合わせに対して水槽13の振動の大きさが定められている。そして、データテーブルTBL1に対して、しきい値T1以上の領域Rs1が領域Rsallの内部であり、可能な限り領域Rsallの外部とならないようにしきい値T1を決定する。
また、回転数R1よりも高い回転数R2(第2回転数の一例、例えば、300rpm)のときの加速度センサ61による実測値に所定の演算を実施し振動の大きさを求めることにより、前アンバランスと後アンバランスとの組み合わせそれぞれと、それぞれに対応する振動の大きさとを関連付けたデータテーブルTBL2を予め作成する。そして、データテーブルTBL2に対して、しきい値T2以上の領域Rs2が少なくとも領域Rsallから領域Rs1を除外した領域の内部の一部の領域を含み、可能な限り領域Rsallの外部とならないようにしきい値T2を決定する。
同様に、回転数R2よりも高い回転数R3(第2回転数の一例、例えば、400rpm)のときの加速度センサ61による実測値に所定の演算を実施し振動の大きさを求めることにより、前アンバランスと後アンバランスとの組み合わせそれぞれと、それぞれに対応する振動の大きさとを関連付けたデータテーブルTBL3を予め作成する。そして、データテーブルTBL3に対して、しきい値T3以上の領域Rs3が少なくとも領域Rsallから領域Rs1および領域Rs2を除外した領域の内部の一部の領域を含み、可能な限り領域Rsallの外部とならないようにしきい値T3を決定する。
また、同様に、回転数R3よりも高い回転数R4~R5(第1回転数の一例、例えば、450~460rpm)のときの加速度センサ61による実測値に所定の演算を実施し振動の大きさを求めることにより、前アンバランスと後アンバランスとの組み合わせそれぞれと、それぞれに対応する振動の大きさとを関連付けたデータテーブルTBL4を予め作成する。そして、データテーブルTBL4に対して、しきい値T4以上の領域Rs4が少なくとも領域Rsallから領域Rs1、領域Rs2、および領域Rs3を除外した領域の内部の一部の領域を含み、可能な限り領域Rsallの外部とならないようにしきい値T4を決定する。
(しきい値T5~T6の決定)
しきい値T5の決定については、回転数R6のときの加速度センサ61による実測値に所定の演算を実施し振動の大きさを求めることにより、前アンバランスと後アンバランスとの組み合わせそれぞれと、それぞれに対応する振動の大きさとを関連付けたデータテーブルTBL5を予め作成する。そして、データテーブルTBL5に対して、しきい値T5以上の領域Rs5を単独で決定する。
また、しきい値T6の決定については、しきい値T5の決定と同様に、回転数R7のときの加速度センサ61による実測値に所定の演算を実施し振動の大きさを求めることにより、前アンバランスと後アンバランスとの組み合わせそれぞれと、それぞれに対応する振動の大きさとを関連付けたデータテーブルTBL6を予め作成する。そして、データテーブルTBL6に対して、しきい値T6以上の領域Rs6を単独で決定する。
なお、上述のように、回転数が低い順にしきい値を決定するが、回転数が共振点に至るまでに領域Rsallのすべてを共振点における振動の大小の判定対象とすることができない場合もある。その場合には、データテーブルに対するしきい値を変更する、共振点における振動の大小の判定対象とする回転数を追加する、同一回転数に対して別のしきい値を追加するなどして、領域Rsallのすべてが共振点における振動の大小の判定対象となるようにデータテーブルやしきい値を見直す。
なお、上述のしきい値T1~T6の決定において、加速度センサ61が検出する加速度は1回の測定値に限らず、複数回の測定における最大値、平均値などの統計値が共振点における振動の大小の判定に用いられてもよい。また、上述のしきい値T1~T6の決定において、加速度センサ61が検出する加速度は1回の測定値に限らず、複数回の測定における最大値が所定のしきい値以上となった回数が共振点における振動の大小の判定に用いられてもよい。また、前アンバランスと後アンバランスとの組み合わせの可能性の低い領域が予めわかっている場合には、その領域を共振点における振動の大小の判定対象とし、それ以降の共振点における振動の大小の判定の領域から除外するものであってもよい。こうすることにより、停止させたくない領域を狭くすることができる。
図9は、一実施形態のデータテーブルTBL4の一例を示す図である。図9において、前アンバランスの大きさと後アンバランスの大きさとの組み合わせのうち符号Rs4によって示される領域(すなわち、領域Rs4)は、回転数R4からR5の間の加速度センサ61による軸方向Daの加速度の検出M4aに基づいて、共振点において筐体(外箱)11の振動が所定の大きさ以上の振動と判定される領域である。ただし、回転数R4よりも低い回転数における第1判定から第3判定において振動がしきい値未満であると判定された領域は、実際には第4判定における停止対象領域から除外される。所定の大きさ以上の振動の例としては、過去の実績、お客様によるアンケートにより振動が大きい判断された前アンバランスと後アンバランスとの組み合わせ、実機による振動実験などに基づいて決定される振動であり、洗濯乾燥機1が置かれた床面が揺れる程の振動、ユーザが大きいと感じる程度に大きい音を洗濯乾燥機1が発生させる程の振動などが挙げられる。
図10は、一実施形態において回転数R4までに共振点における振動の大小の判定対象とする領域Rs1-3の一例を示す図である。図11は、一実施形態における領域Rs1、Rs2の一例を示す図である。例えば、領域Rsallが図8に示す領域Rsallであり、領域Rs4が図9に示す領域Rs4である場合、図9の右下における領域Rs4の外部の四角い領域を回転数R4(上述の具体例の場合回転数R3)までに少なくとも共振点における振動の大小の判定対象の領域としなければならない。以下の説明では、回転数R4(上述の具体例の場合回転数R3)までに図10に示すRs1-3を共振点における振動の大小の判定対象の領域とする。また、以下の説明では、回転数R1における共振点における振動の大小の判定対象の領域Rs1、および回転数R2における共振点における振動の大小の判定対象の領域Rs2は、それぞれ図11に示す領域Rs1、および領域Rs2とする。
なお、洗濯乾燥機1が行う処理は、上述した各処理に限定するものではない。上述した各処理は、洗濯乾燥機1が行う処理の主なものであり、洗濯乾燥機1は、上述していない処理を行うものであってもよい。
(洗濯乾燥機が行う脱水処理)
次に、洗濯乾燥機1が行う脱水処理について説明する。図12は、一実施形態の洗濯乾燥機1の処理フローの一例を示す図である。ここでは、洗濯乾燥機1の脱水処理のうち制御装置50が行う第1判定~第6判定を含むプリヒート最終脱水行程について図12を参照して説明する。
制御部55は、ドラム14の回転数を回転数R1まで増加させ、その後、一定時間に亘り(例えば、図6におけるt1からt2までの間)、ドラム14の回転数を回転数R1に固定する。そしてその間における洗濯乾燥機1が安定した状態で、脱水動作判定部54は、回転数R1に対して得られた電流センサ62の検出結果(すなわち、q軸電流)と、その検出結果に対して予め用意したしきい値T1とに基づき、脱水動作の進め方に関する判定(すなわち、ドラム14の回転数を上げて脱水処理を進める、またはドラム14の回転を停止させるための第1判定)を行う。
具体的には、例えば、脱水動作判定部54は、回転数R1に対して得られた電流センサ62の検出結果(すなわち、q軸電流)に対して所定の演算を行うことによりその検出結果に対応する水槽13の振動1を算出する。脱水動作判定部54は、水槽13の振動1としきい値T1とを比較する。そして、脱水動作判定部54は、水槽13の振動1がしきい値T1以上であるか否かを判定する(ステップS1)。この判定が第1判定である。
水槽13の振動1がしきい値T1以上であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS1においてYES)、制御部55は、ドラムモータ16の回転を停止させる(すなわち、ドラム14の回転を停止させる)(ステップS2)。そして、制御部55は、ステップS1の処理に戻す。また、水槽13の振動1がしきい値T1未満であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS1においてNO)、制御部55は、(例えば、図6におけるt2からt3までの間で)ドラム14の回転数を回転数R1から回転数R2まで増加させる。
制御部55は、(例えば、図6におけるt3からt4までの間)ドラム14の回転数を回転数R2に固定する。そしてその間における洗濯乾燥機1が安定した状態で、脱水動作判定部54は、回転数R2に対して得られた加速度センサ61の検出結果(すなわち、軸方向Daの加速度、および周方向Dcの加速度)と、それらの検出結果に対して予め用意したしきい値T2(すなわち、軸方向Daの加速度に対応するしきい値T2-1、周方向Dcの加速度に対応するしきい値T2-2)とに基づき、脱水動作の進め方に関する判定(すなわち、ドラム14の回転数を上げて脱水処理を進める、またはドラム14の回転を停止させるための第2判定)を行う。
具体的には、例えば、脱水動作判定部54は、回転数R2に対して得られた加速度センサ61の検出結果(すなわち、軸方向Daの加速度、および周方向Dcの加速度)のそれぞれに対して所定の演算を行うことによりそれぞれの検出結果に対応する水槽13の振動2-1、2-2を算出する。脱水動作判定部54は、水槽13の振動2-1としきい値T2-1とを比較する。また、脱水動作判定部54は、水槽13の振動2-2としきい値T2-2とを比較する。そして、脱水動作判定部54は、それらの比較において、少なくとも1つの水槽13の振動がしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS3)。この判定が第2判定である。
少なくとも1つの水槽13の振動がしきい値以上であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS3においてYES)、制御部55は、ステップS2の処理に進める。そして、制御部55は、ステップS1の処理に戻す。また、水槽13の振動のすべてがしきい値未満であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS3においてNO)、制御部55は、(例えば、図6におけるt4からt5までの間で)ドラム14の回転数を回転数R2から回転数R3まで増加させる。
制御部55は、(例えば、図6におけるt5からt6までの間)ドラム14の回転数を回転数R3(第2回転数の一例)に固定する。そしてその間における洗濯乾燥機1が安定した状態で、脱水動作判定部54は、回転数R3に対して得られた加速度センサ61の検出結果(すなわち、軸方向Daの加速度、および周方向Dcの加速度)と、それらの検出結果に対して予め用意したしきい値T3(すなわち、軸方向Daの加速度に対応するしきい値T3-1、周方向Dcの加速度に対応するしきい値3-2)とに基づき、脱水動作の進め方に関する判定(すなわち、ドラム14の回転数を上げて脱水処理を進める、またはドラム14の回転を停止させるための第3判定)を行う。
具体的には、例えば、脱水動作判定部54は、回転数R3に対して得られた加速度センサ61の検出結果(すなわち、軸方向Daの加速度、および周方向Dcの加速度)のそれぞれに対して所定の演算を行うことによりそれぞれの検出結果に対応する水槽13の振動3-1、3-2を算出する。脱水動作判定部54は、水槽13の振動3-1としきい値T3-1とを比較する。また、脱水動作判定部54は、水槽13の振動3-2としきい値T3-2とを比較する。そして、脱水動作判定部54は、それらの比較において、少なくとも1つの水槽13の振動がしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS4)。この判定が第3判定である。
少なくとも1つの水槽13の振動がしきい値以上であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS4においてYES)、制御部55は、ステップS2の処理に進める。そして、制御部55は、ステップS1の処理に戻す。また、水槽13の振動のすべてがしきい値未満であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS4においてNO)、制御部55は、(例えば、図6におけるt6からt7までの間で)ドラム14の回転数を回転数R3から回転数R4まで増加させる。
そして、制御部55は、さらに、(例えば、図6におけるt7からt8までの間で)ドラム14の回転数を回転数R4から回転数R5まで増加させる。脱水動作判定部54は、回転数R4から回転数R5までの回転数に対して得られた加速度センサ61の検出結果(すなわち、軸方向Daの加速度)と、その検出結果に対して予め用意したしきい値T4とに基づき、脱水動作の進め方に関する判定(すなわち、ドラム14の回転数を上げて脱水処理を進める、またはドラム14の回転を停止させるための第4判定)を行う。
具体的には、例えば、脱水動作判定部54は、回転数R4から回転数R5までの回転数に対して得られた加速度センサ61の検出結果(すなわち、軸方向Daの加速度)に対して所定の演算を行うことによりその検出結果に対応する水槽13の振動4を算出する。脱水動作判定部54は、水槽13の振動4としきい値T4とを比較する。そして、脱水動作判定部54は、水槽13の振動4がしきい値T4以上であるか否かを判定する(ステップS5)。この判定が第4判定である。
水槽13の振動7がしきい値T4以上であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS5においてYES)、制御部55は、ステップS2の処理に進める。そして、制御部55は、ステップS1の処理に戻す。また、水槽13の振動4がしきい値T4未満であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS5においてNO)、制御部55は、(例えば、図6におけるt8からt9までの間で)ドラム14の回転数を回転数R5から回転数R6まで増加させる。そして、制御部55は、(例えば、図6におけるt9からt10までの間)ドラム14の回転数を回転数R6に固定する。
脱水動作判定部54は、第5判定を行う。具体的には、例えば、脱水動作判定部54は、回転数R6に対して得られた加速度センサ61の検出結果(すなわち、軸方向Daの加速度、および周方向Dcの加速度)のそれぞれに対して所定の演算を行うことによりそれぞれの検出結果に対応する水槽13の振動5―1、5-2を算出する。脱水動作判定部54は、水槽13の振動5-1としきい値T5-1とを比較する。また、脱水動作判定部54は、水槽13の振動5-2としきい値T5-2とを比較する。そして、脱水動作判定部54は、それらの比較において、少なくとも1つの水槽13の振動がしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS6)。
少なくとも1つの水槽13の振動がしきい値以上であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS6においてYES)、制御部55は、ドラム14の回転数を回転数R6のまま固定する(ステップS7)。そして、制御部55は、処理を終了する。また、水槽13の振動のすべてがしきい値未満であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS6においてNO)、制御部55は、(例えば、図6におけるt10からt11までの間で)ドラム14の回転数を回転数R6から回転数R7まで増加させる。
脱水動作判定部54は、第6判定を行う。具体的には、例えば、脱水動作判定部54は、回転数R7に対して得られた加速度センサ61の検出結果(すなわち、軸方向Daの加速度、および周方向Dcの加速度)のそれぞれに対して所定の演算を行うことによりそれぞれの検出結果に対応する水槽13の振動6―1、6-2を算出する。脱水動作判定部54は、水槽13の振動6-1としきい値T6-1とを比較する。また、脱水動作判定部54は、水槽13の振動6-2としきい値T6-2とを比較する。そして、脱水動作判定部54は、それらの比較において、少なくとも1つの水槽13の振動がしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS8)。
少なくとも1つの水槽13の振動がしきい値以上であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS8においてYES)、制御部55は、ステップS7の処理により、ドラム14の回転数を回転数R7のまま固定する。そして、制御部55は、処理を終了する。また、水槽13の振動のすべてがしきい値未満であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS8においてNO)、制御部55は、(例えば、図6におけるt12以降)ドラム14の回転数を回転数R7から目標回転数RM2まで増加させる(ステップS9)。そして、制御部55は、処理を終了する。
図13は、一実施形態における停止させる領域を説明するための図である。ここで示した例の場合、停止させたい所望の領域Rsallに対して、図9に示す領域Rs4、および図10に示す領域Rs1-3により示される領域が停止させる領域となる。その結果、図13に示すように、所望の領域Rsallに対して、領域Rs200が停止対象の領域として広くなる。なお、上述したように、領域Rs200が、前アンバランスと後アンバランスとの組み合わせの可能性の低い領域であると予めわかっている場合には、その領域Rs200を例えば回転数R1、R2、およびR3における共振点における振動の大小の判定対象の領域とすることにより、停止させたくない領域Rs200を狭くすることができる。また、データテーブルやしきい値を変更することにより、停止させたくない領域Rs200を狭くできる可能性がある。
(利点)
洗濯乾燥機1(衣類処理装置の一例)は、水槽13と、前記水槽13に収容され、ドラムモータ16(電動機の一例)により回転可能なドラム14(回転槽の一例)と、前記水槽13における1つの位置に設けられ、軸方向Da(第1方向の一例)の振動に関連する加速度(第1物理量の一例)、および前記軸方向Daと異なる周方向Dc(第2方向の一例)の振動に関連する加速度(第2物理量の一例)を検出可能な加速度センサ61(検出部の一例)と、脱水処理において、前記ドラムモータ16の回転数R6から回転数R7(第1回転数の一例)における前記軸方向Daの振動に関連する加速度がしきい値T7(第1しきい値の一例)以上の振動を示す第1条件と、少なくとも、前記回転数R6から前記回転数R7の回転数よりも低い前記ドラムモータ16の回転数R1から回転数R6(第2回転数の一例)における前記軸方向Daの振動に関連する加速度がしきい値T2-2(第2しきい値の一例)以下の振動を示す、前記回転数R1から前記回転数R6における前記周方向Dcの振動に関連する加速度がしきい値T2-3(第3しきい値の一例)以下の振動を示す、または前記回転数R1から前記回転数R6における前記ドラムモータ16のq軸電流がしきい値T2-1(第4しきい値の一例)以下の振動を示す第2条件との両方が満たされる場合に、前記ドラムモータ16の回転を停止させる制御部55(停止部の一例)と、を備える。
このような洗濯乾燥機1により、より適した回転制御を行うことができる。ここで、図2の(a)の部分に示した加速度センサ61Aおよび61Bを備える比較対象の洗濯乾燥機と、一実施形態の洗濯乾燥機1との比較により、一実施形態の洗濯乾燥機1の利点を示す。
図14は、一実施形態の洗濯乾燥機1の利点を説明するための第1の図である。また、図15は、一実施形態の洗濯乾燥機1の利点を説明するための第2の図である。比較対象の洗濯乾燥機は、加速度センサ61Aおよび61Bを備える。そのため、適切なしきい値を設定することにより、比較対象の洗濯乾燥機による第7判定に相当する判定において用いるデータテーブルにおいて、図14に示す領域Rs100を、水槽の振動がしきい値以上となった場合に回転槽の回転を停止される領域に設定することができる。なお、比較対象の洗濯乾燥機による第1判定から第3判定に相当する判定では、水槽の振動がしきい値以上となった場合、図10に示した領域Rs1-3と同等の領域について回転槽の回転を停止させることができる。そのため、比較対象の洗濯乾燥機による第1判定から第4判定に相当する判定により、図15に示す領域Rs100に領域Rs1-3を加えた領域について回転槽の回転を停止させることができることになる。一実施形態の洗濯乾燥機1による第1判定から第4判定により回転槽の回転を停止させることができる領域は、図13により示した領域である。そのため、図13と図15との比較から、図13に示す領域Rs200のみが比較対象の洗濯乾燥機に比べてドラム14の回転を停止させる可能性が高くなるだけで、加速度センサの数を2つから1つに変更した場合であっても、ドラム14の振動が大きい場合に停止させたい領域Rsallを適切に設定することができる。つまり、一実施形態の洗濯乾燥機1は、より適した回転制御を行うことができる。
なお、一実施形態の洗濯乾燥機1は、第1判定から第3判定のすべてを行うものとして説明した。しかしながら、しきい値の設定によっては、第1判定から第3判定における処理の一部を省くことができる可能性がある。また、前アンバランスの大小と後アンバランスの大小との組み合わせの可能性が低い場合、判定を省くことが考えられる。つまり、何らかの理由により第1判定から第3判定の一部の処理を行わない可能性がある。そのため、下記の実施形態の第1変形例から第4変形例が考えられる。また、実施形態および実施形態の第1変形例から第4変形例のそれぞれに対して、実施形態の第5変形例が考えられる。
(実施形態の第1変形例)
一実施形態の第1変形例の洗濯乾燥機1では、第2判定として、脱水動作判定部54は、ステップS3において、加速度センサ61が検出する軸方向Daの加速度に対して所定の演算を行うことによりその検出結果に対応する水槽13の振動2-1を算出するものであってよい。また、脱水動作判定部54は、水槽13の振動2-1としきい値T2-1とを比較するものであってよい。そして、脱水動作判定部54は、その比較において、水槽13の振動2-1がしきい値T2-1以上であるか否かを判定するものであってよい。
そして、水槽13の振動2-1がしきい値T2-1以上であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS3においてYES)、制御部55は、ステップS2の処理に進めるものであってよい。そして、制御部55は、ステップS1の処理に戻すものであってよい。また、水槽13の振動2-1のすべてがしきい値T2-1未満であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS3においてNO)、制御部55は、(例えば、図6におけるt3からt4までの間)ドラム14の回転数を回転数R2に固定するものであってよい。
図16は、一実施形態の第1変形例における領域Rs300の一例を示す図である。図16は、第2判定に用いるしきい値T2-1に対応するデータテーブルTBL2-1において振動がしきい値T2-1未満である領域Rs300の一例を示す図である。また、図17は、一実施形態の第1変形例における領域Rs400の一例を示す図である。図17は、領域Rs300と領域Rs4とが重なる領域Rs400の一例を示す図である。また、図18は、一実施形態の第1変形例における領域Rs4および領域Rs1-3の一例を示す図である。脱水動作判定部54が第4判定を行う段階では、第2判定を行った時点で、図16に示すRs300がしきい値T2-1未満であることがわかっている。そして、脱水動作判定部54が第4判定を行い、振動4がしきい値T4以上であると判定した場合、振動4がしきい値T4以上である領域は、図9に示した領域Rs4となる。領域Rs4と領域Rs300とが重なる領域Rs400が図15に示す領域Rs1000を少なくとも含むようにしきい値T4が設定されている。そのため、脱水動作判定部54は、第4判定を実行することにより、領域Rs400を特定することができる。また、脱水動作判定部54は、第1判定から第3判定を行うことにより、領域Rs1-3をドラム14の回転を停止させる領域と特定することができる。そのため、脱水動作判定部54は、特定した領域Rs400と領域Rs1-3とをドラム14の回転を停止させる領域とすることにより、回転数R4からR5における第4判定において、水槽13の振動がしきい値以上となった場合にドラム14の回転を停止させた領域として、領域Rs1000を含むことができる。この一実施形態の第1変形例の洗濯乾燥機1により、加速度センサ61が検出する軸方向Daの加速度に基づいて、ドラム14の回転の停止の判定を行うことができる。
(実施形態の第2変形例)
一実施形態の第2変形例の洗濯乾燥機1では、第2判定として、脱水動作判定部54は、ステップS3において、加速度センサ61が検出する軸方向Dcの加速度に対して所定の演算を行うことによりその検出結果に対応する水槽13の振動2-2を算出するものであってよい。また、脱水動作判定部54は、水槽13の振動2-2としきい値T2-2とを比較するものであってよい。そして、脱水動作判定部54は、その比較において、水槽13の振動2-2がしきい値T2-2以上であるか否かを判定するものであってよい。
そして、水槽13の振動1-3がしきい値T1-3以上であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS1においてYES)、制御部55は、ステップS1の処理に進めるものであってよい。そして、制御部55は、ステップS1の処理に戻すものであってよい。また、水槽13の振動1-3のすべてがしきい値T1-3未満であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS1においてNO)、制御部55は、(例えば、図6におけるt3からt4までの間)ドラム14の回転数を回転数R2に固定するものであってよい。
図19は、一実施形態の第1変形例における領域Rs500の一例を示す図である。図19は、第2判定に用いるデータテーブルTBL2-2における振動がしきい値T2-2未満である領域Rs500の一例を示す図である。また、図20は、一実施形態の第1変形例における領域Rs600の一例を示す図である。図20は、領域Rs500と領域Rs4とが重なる領域Rs600の一例を示す図である。また、図21は、一実施形態の第1変形例における領域Rs600および領域Rs1-3の一例を示す図である。脱水動作判定部54が第4判定を行う段階では、第2判定を行った時点で、図19に示すRs500がしきい値T2-2未満であることがわかっている。そして、脱水動作判定部54が第4判定を行い、振動4がしきい値T4以上であると判定した場合、振動4がしきい値T4以上である領域は、図9に示した領域Rs4となる。領域Rs4と領域Rs500とが重なる領域Rs600が図20に示す領域Rs100内となるようにしきい値T4が設定されている。そのため、脱水動作判定部54は、第4判定を実行することにより、領域Rs600を特定することができる。また、脱水動作判定部54は、第1判定から第3判定を行うことにより、領域Rs1-3をドラム14の回転を停止させる領域と特定することができる。そのため、脱水動作判定部54は、特定した領域Rs600と領域Rs1-3とをドラム14の回転を停止させる領域とすることにより、水槽13の振動がしきい値以上となった場合にドラム14の回転を停止させた領域を、領域Rs100とすることができる。この一実施形態の第2変形例の洗濯乾燥機1により、加速度センサ61が検出する軸方向Dcの加速度に基づいて、ドラム14の回転の停止の判定を行うことができる。
(実施形態の第3変形例)
一実施形態の第3変形例の洗濯乾燥機1では、第2判定として、脱水動作判定部54は、ステップS3において、電流センサ62が検出するq軸電流の検出結果に対応する水槽13の振動2を算出するものであってよい。また、脱水動作判定部54は、水槽13の振動2としきい値T2とを比較するものであってよい。そして、脱水動作判定部54は、その比較において、水槽13の振動2がしきい値T2以上であるか否かを判定するものであってよい。
そして、水槽13の振動2がしきい値T2以上であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS3においてYES)、制御部55は、ステップS2の処理に進めるものであってよい。そして、制御部55は、ステップS1の処理に戻すものであってよい。また、水槽13の振動2のすべてがしきい値T2未満であると脱水動作判定部54が判定した場合(ステップS3においてNO)、制御部55は、(例えば、図6におけるt3からt4までの間)ドラム14の回転数を回転数R2に固定するものであってよい。
実施形態の第3変形例における第2判定に用いるデータテーブルTBL2における振動がしきい値T2未満である領域は、図16に示したRs300とほぼ同様である。よって、脱水動作判定部54は、実施形態の第1変形例と同様に、水槽13の振動がしきい値以上となった場合にドラム14の回転を停止させた領域を、領域Rs100とすることができる。この一実施形態の第3変形例の洗濯乾燥機1により、電流センサ62が検出するq軸電流に基づいて、ドラム14の回転の停止の判定を行うことができる。
(実施形態の第4変形例)
実施形態の第4変形例の洗濯乾燥機1では、脱水動作判定部54は、ステップS3において、実施形態の第1変形例の脱水動作判定部54が行った処理、および実施形態の第2変形例の脱水動作判定部54が行った処理の両方を行うものであってもよい。この一実施形態の第1変形例の洗濯乾燥機1により、加速度センサ61が検出する軸方向Dcの加速度に基づいて、ドラム14の回転の停止の判定を行うことができる。この一実施形態の第4変形例の洗濯乾燥機1により、加速度センサ61が検出する2つの加速度に基づいて、ドラム14の回転の停止の判定を行うことができる。その結果、判定精度を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…洗濯乾燥機、11…筐体(外箱)、12…扉、13…水槽、14…ドラム(回転槽)、15…ベローズ、16…ドラムモータ(モータ)、19…減衰装置、21…給水弁、22…注水ケース、23…注水管、24…排水管、30…温風供給機構、32…ヒートポンプ、33…送風ファン、50…制御装置、51…重量検出部、52…布質検出部、54…脱水動作判定部、55…制御部、59…記憶部、61…加速度センサ、62…電流センサ、71…給水弁モータ、72…排水弁モータ、111…モータ制御部。

Claims (9)

  1. 水槽と、
    前記水槽に収容され、電動機により回転可能な回転槽と、
    前記水槽における1つの位置に設けられ、第1方向の振動に関連する第1物理量、および前記第1方向と異なる第2方向の振動に関連する第2物理量を検出可能な検出部と、
    脱水処理において、前記電動機の第1回転数における前記第1物理量が第1しきい値以上の振動を示す第1条件と、少なくとも、前記第1回転数よりも低い前記電動機の第2回転数における前記第1物理量が第2しきい値以下の振動を示す、前記第2回転数における前記第2物理量が第3しきい値以下の振動を示す、または前記第2回転数における前記電動機のq軸電流が第4しきい値以下の振動を示す第2条件との両方が満たされる場合に、前記電動機の回転を停止させる停止部と、
    を備える衣類処理装置。
  2. 前記第1方向は、前記水槽の周方向である、
    請求項1に記載の衣類処理装置。
  3. 前記第2方向は、前記水槽の径方向および周方向と交差する方向である、
    請求項1に記載の衣類処理装置。
  4. 前記水槽を収容した外箱をさらに備え、
    前記第1回転数は、
    前記第2回転数と前記外箱の共振周波数との間の回転数である、
    請求項1に記載の衣類処理装置。
  5. 前記第2条件は、
    前記第2回転数における前記第1物理量が前記第2しきい値以下の振動を示すことである、
    請求項1に記載の衣類処理装置。
  6. 前記第2条件は、
    前記第2回転数における前記第2物理量が前記第3しきい値以下の振動を示すことである、
    請求項1に記載の衣類処理装置。
  7. 前記第2条件は、
    前記第2回転数における前記第1物理量が前記第2しきい値以下の振動を示す、または前記第2回転数における前記第2物理量が前記第3しきい値以下の振動を示すことである、
    請求項1に記載の衣類処理装置。
  8. 前記第2条件は、
    前記第2回転数における前記電動機のq軸電流が前記第4しきい値以下の振動を示すことである、
    請求項1に記載の衣類処理装置。
  9. 前記水槽を支持する支持部、
    を備え、
    前記検出部は、
    前記支持部が接続される前記水槽の位置から相対的に距離を長くとることのできる前記水槽の位置を有する領域に備えられる、
    請求項1に記載の衣類処理装置。
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