JP4816718B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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本発明は、振動検知手段にて水槽の振動を検知し、衣類のアンバランス分布状態の検知を行うドラム式洗濯機に関するものである。
従来、この種のドラム式洗濯機は、水槽に固定した振動検知手段にて検知した2軸以上の出力信号より回転ドラム内の前後方向の洗濯物のアンバランス位置を検知する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
図6は、特許文献1に記載された従来のドラム式洗濯機の要部構成を示す断面図でありは、図7は、同ドラム式洗濯機のアンバランスと振動成分の位相差との関連を示すグラフである。
筐体106内にサスペンション構造としての防振ダンパ105によって弾性支持された水槽103内に、多数の孔102が形成された回転ドラム101が開口する正面側の蓋体108から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平方向から下向き傾斜となるようにして配設される。
回転ドラム101は、水槽103の背部に固定したモータ109によって回転駆動するようにした水槽ユニット110をなし、筐体106の正面側出し入れ口に開閉自在に設けられた蓋体108を開くことにより水槽103の正面開口部及び回転ドラム101の正面開口部を通して洗濯物を出し入れできるように構成されている。
水槽103の開口部と、水槽ユニット110を収容した筐体106の出し入れ口に設けた蓋体108との間に、双方間をシールするゴムなどの弾性シール部材111を介した圧接部がある。よって、水槽ユニット110は、防振ダンパ105にて筐体106底部から防振支持された揺動自在の振動体の構成である。
このようなドラム式洗濯機は、回転ドラムが前記のように水平または傾斜しているため、回転ドラム内に洗濯物を収納して回転させると、洗濯物や水が下方に偏りがちになるため振動が発生しやすくなる。特に、回転ドラムを高速回転させて洗濯物の脱水を行う脱水工程を実施するとき、洗いまたはすすぎ行程の終了後は、水を含んだ洗濯物が回転ドラム内に収納されており、洗濯物の種類や生地あるいは形状によっては脱水工程の回転時に回転ドラムの偏った位置に集まりやすい状態がある。洗濯物に偏りが生じると回転ドラムを収容する水槽に大きな振動が生じ、洗濯機に異常振動や異常騒音を発生させる。
筐体106上方前方には、操作部112とその内方に洗い、すすぎ、脱水等の各工程を制御する制御手段113を配置する。
この種のドラム式洗濯機においては、脱水工程で回転ドラムの回転数が低速から高速までの広い回転数の範囲にわたって運転させ、その際に回転軸に沿った前後方向に洗濯物のアンバランスが生じると、回転数によっては回転ドラムに大きな振れ回りが生じて、水槽に衝突して騒音を発生するなどの不具合が生じることがあり、特に、回転軸に沿って前側である蓋体108側に大きなアンバランスが分布すると、後側にアンバランスがある場合よりも振れ回りが生じやすい傾向にある。これは、後方にはモータ109などの重量のある慣性の高い構成物が配置されている為である。
これに対応する技術として従来例の特許文献1は、水槽103の上部外壁に固定した水槽の複数方向の振動成分を検知可能な振動検知手段104が出力する複数方向の振動成分の出力信号に基づいて、洗濯物のアンバランス位置を検知し前側のアンバランス異常による振幅異常に対応できるようにしている。
図7は、その関連を示す一例で、振動検知手段104が検知した水槽ユニット110の、互いに直交する平面のX方向における振動と、Y方向における振動との位相角の差(度)とアンバランスの発生位置との関連を示し、位相角の差が大きければ、アンバランスの発生位置は前方になると判定し、制御手段113の制御にて、衣類ほぐし工程や、脱水回転数の低減により異常振動による機器への損傷防止や、騒音対応を行っていた。
特開2006−311884号公報
しかしながら、前記従来の構成では、開示しているような回転ドラムの振動源に対し、水槽ユニットは共振対象となるので、回転ドラムの後部に発生した小さなアンバランスでも、水槽ユニットが第1、第2共振点で共振すると、水槽ユニット全体の異常振動となり、異常騒音を発生したり、弾性シール部材111を介して蓋体108から筐体106の異常振動を生じることがある。これには、特許文献1に記載の技術のように、回転ドラムの前部に発生したアンバランスを優先判定して、対応するだけでは問題が残り、後部に発生するアンバランスにも対応することが重要となる。
特に、アンバランス時の回転ドラムの振動挙動は、アンバランスの発生場所が前部、後部の別に関係なく、従来例が開示しているように背部(後部)よりは前部が、より大きく振れ回るいわゆる擂粉木運動になる場合や、回転ドラムの背部(後部)側の振れは小さくとも、水槽ユニットが共振を生じた場合に水槽の前部側を大きく振動させるのはもとより、水槽と回転ドラム、モータ等の構造物との結合部でのダメージとなったりすることがある。
また、衣類のアンバランス発生は、回転ドラムの前、中、後方といった場所が確定されるようには分布せず、例えば、前方に70%で後方に30%というような前方に大きな比重のアンバランスがドラム全体に偏った状態、特に前方、後方で対角状態に分布しているような状況にも対応しなければならない。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、振動検知手段から出力する水槽の前部における3つの方向の振動成分から、少なくとも水槽の前部での3方向のうち複数の振動を検知し、水槽の後部での少なくとも1方向の振幅を推定し、その前部、後部の振幅から衣類のアンバランス状態を簡単かつ迅速に検知して、前部、後部の振幅の異常の判定に供せるドラム式洗濯機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るドラム式洗濯機は、回転ドラム、水槽、モータ等の振動系の水槽ユニットを防振ダンパにて洗濯機筐体内に揺動自在に弾性支持し、モータの回転や、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を制御する制御手段と、水槽の上面前部に3次元方向の振動成分を検知する振動検知手段とを備え、制御手段は、洗い、すすぎ工程後の脱水動作における所定の回転数時点または所定の回転数域で、振動検知手段から出力される水槽の前部での3方向のうち複数方向の振動成分と、振動検知手段が出力する信号から推定した水槽の後部での左右および上下2方向の少なくとも1方向の振動成分との相関性から、水槽ユニットの前部および後部の振幅の異常の有無を判定したものである。
これによって、振動検知手段は水槽の前部にあって水槽の前部左右方向、前後方向、上下方向の3次元方向に係る振動に対応した信号を出力するが、これら検出される3方向の振動成分は、水槽ユニットの所定の防振構成により後部左右方向、前後方向、上下方向の振動成分の影響を受け、後部前後方向と前部前後方向とは等価であるが、後部左右方向、後部上下方向の振動成分と種々な関係で相関性を有しているので、水槽の前後振幅の判定に必要な少なくとも前部3方向の直接検知できる振動成分に加え、これら前部3方向の振動成分との後部1方向の振動成分の相関性から前部、後部の振幅を判定し、あらゆる場所に発生する衣類のアンバランスによる異常振動に対応することができる。
また、前部および後部の振幅異常は、それぞれに直接または間接に対応した方向での出力信号の振幅につき判定すればよいが、その判定をそれぞれに対応した所定の許容値以上かどうかで行うことにより、前部および後部の振幅異常の特性の違い、例えば、後部振幅は前部振幅よりも許容度を高められるといった違いにも応じた適正な判定ができる。
本発明によれば、振動検知手段が水槽の前部で検出する3方向に係る振動に対応した信号は、後部での振動成分との相関性から、後部1方向の振動成分を簡単かつ迅速に推定して、前部、後部の振幅異常の判定を行い、異常振動を回避することができる。
第1の発明は、有底円筒形に形成された衣類撹拌用の回転ドラムと、前記回転ドラムを回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして回転自在に収容した水槽と、前記水槽の背部に固定され前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記回転ドラム、水槽、モータ等の振動系の水槽ユニットを防振ダンパにて揺動自在に弾性支持した洗濯機筐体と、前記モータの回転や、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を制御する制御手段と、前記水槽の上面前部に3次元方向の振動成分を検知する振動検知手段とを備え、前記制御手段は、洗い、すすぎ工程後の脱水動作における所定の回転数時点または所定の回転数域で、前記振動検知手段から出力される前記水槽の前部での3次元方向のうち複数方向の振動成分と、前記振動検知手段が出力する信号から推定した前記水槽の後部での左右および上下2方向の少なくとも1方向の振動成分との相関性から、前記水槽ユニットの前部および後部の振幅の異常の有無を判定したことにより、水槽の前部および後部の振幅の判定に必要な少なくとも前部3方向の直接検知できる振動成分に加え、これら前部3方向の振動成分と後部1方向の振動成分の相関性から前部、後部の振幅を判定し、あらゆる場所に発生する衣類のアンバランスによる異常振動に対応することができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、水槽の前部で検知する振動成分の3次元方向は、前部左右方向と、前部前後方向と、前部上下方向とであり、前記水槽の後部での振動成分の2方向は、後部左右方向と、後部上下方向としたことにより、水槽の前部での前後方向と等価である後部前後方向の振動成分を除外して判定したので、的確な検知が可能となる。
第3の発明は、特に第1の発明または第2の発明において、水槽の前部および前記水槽の後部での振幅の異常の判定は、前記水槽の前部の前後方向および前記水槽の前部の左右方向または前記水槽の前部の上下方向の出力信号の振幅またはそれと相関する信号値に応じ、水槽ユニットの左右方向振幅、または、上下方向振幅の前位置と後位置との差分値と前記水槽ユニットの各方向の所定の回転数時点または所定の回転数域における前後の許容振幅値とで判定したことにより、前部および後部の振幅異常の特性の違い、例えば、後部の振幅は前部の振幅よりも許容度を高められるといった違いにも応じた適正な判定ができる。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲の記載の内容を限定するものではない。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態におけるドラム式洗濯機の要部構成を示す断面図を示し、図2は、同ドラム式洗濯機の制御回路のブロック図であり、図3は、同ドラム式洗濯機の水槽の前後方向振幅に対する、前部の左右方向振幅から後部の左右方向振幅を減じた値(差分値)との相互関係を示し、図4は、同ドラム式洗濯機の水槽前部の左右方向振幅に対する水槽前部の前後方向振幅に対応する値との相互関係を示すグラフであり、図5は、水槽の振幅と水槽前部、後部における振幅異常の判定を行なう手順を示す説明図である。
図1において、ドラム式洗濯機1は、洗濯機筐体6内に水槽ユニット7を揺動自在に収容し、水槽ユニット7は水槽3内に回転ドラム2を収容し、回転ドラム2の回転軸2aは水槽3の背面に設けられた軸受68で支持すると共に回転軸2aにドラム駆動用のモータ5を軸受68上で連結している。
回転ドラム2は水槽3と共に、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸2aの方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして配置している。水槽ユニット7はその背面側に軸受68やモータ5などの重量の大きな構成要素が取り付けられているため、重心Gの位置は背面寄り(モータ5側)になる。
そこで、水槽ユニット7は防振ダンパ70により重心Gの位置より正面側寄りの下方で支持した上で、水槽3の上部に固定された上部支持金具75と洗濯機筐体6の上面との間に架設した第1のコイルバネ71により水槽ユニット7を正面側に向けて付勢し、更に防振ダンパ70による支持高さ位置より下方の背面と、洗濯機筐体6の背面との間に第2のコイルバネ72を架設することにより、重心Gの位置より正面側寄りで防振ダンパ70により支持された水槽ユニット7が図で反時計回りに付勢されるので、背面側に倒れる状態になることを補正し、制振効果の高い支持構造に構成されている。
特に、回転ドラム2の回転軸2aと直交する方向の中央位置Sに対し、防振ダンパ70による支持位置Qおよび重心G共に後部側にあり、しかも、中央位置Sと支持位置Qとの間の距離L1が中央位置Sと重心Gとの距離L2よりも大きく(L1>L2)、重力方向で見て支持位置Qが重心Gの後方でないにしろ、前部近くに位置する条件を持って水槽ユニット7の背部側、後部側の振動を抑えやすくしている。
水槽3の上面前部には3次元加速度センサ等である振動検知手段40を取付け、脱水時などに水槽3の前部の振動挙動を加速度から振幅を検知する。
また、水槽3前方と洗濯機筐体6前面部との間には、洗い、すすぎ、脱水中の水や飛沫を通さないシール性を有し、かつ水槽3の揺動を防振吸収するゴムなどの材質の弾性シール部材41を構成する。
本実施の形態のドラム式洗濯機1は、洗い、すすぎ、脱水、乾燥にわたる一連の運転動作を使用者からの指示入力と各部の動作状態監視に基づいて制御するため、図2に示すような制御手段20が設けられている。
図2において、制御手段20は、交流電力31を整流器32により整流し、チョークコイル33及び平滑コンデンサ34からなる平滑回路により平滑化された直流電力を駆動電力として、インバータ回路26によりモータ5を回転駆動すると共に、入力設定手段21から入力される運転指示及び各検知手段により検知される運転状態の監視情報に基づいて
ドラム駆動用のモータ5の回転を制御し、負荷駆動手段37により給水弁14、排水弁13、などの必要負荷の動作を制御する。
モータ5は、3相巻線5a、5b、5cを有するステータと、2極の永久磁石を有するロータとを備え、3つの位置検出素子24a、24b、24cを設けた直流ブラシレスモータとして構成され、スイッチング素子26a〜26fにより構成されたPWM制御インバータ回路26により回転制御される。
位置検出素子24a、24b、24cが検出するロータ位置検出信号は制御手段20に入力され、このロータ位置検出信号に基づいて駆動回路25によりスイッチング素子26a〜26fのオン、オフ状態をPWM制御することにより、ステータの3相巻線5a、5b、5cに対する通電を制御してロータを所要回転数で回転させる。
なお、制御手段20は、3つの位置検出手段24a、24b、24cのいずれかの信号の状態が変わるたびにその周期を検出し、その周期よりロータの回転数を内部機能としての回転速度検知手段24によって算出する。
上記のように弾性支持された水槽ユニット7の回転ドラム2は、既述したように、回転軸2aの方向が水平か傾斜していて、洗濯物を収納して回転するとき洗濯物や水が下方に偏りがちになるため振動が発生しやすく、回転ドラム2を目標回転数1000〜1600rpmといった高速で回転させて洗濯物の脱水を行う脱水工程では、特に、洗いまたはすすぎ行程の終了後で水を含んだ洗濯物が、その種類や生地あるいは形状によっては回転ドラム2の偏った位置に集まりやすい。
洗濯物に偏りが生じると回転ドラムを収容する水槽3に大きな振動が生じ、洗濯機に異常振動や異常騒音を発生させる。また、洗濯機筐体6と水槽ユニット7との弾性シール部材41による圧接部は、洗い、すすぎ、脱水中の水や飛沫を通さないだけの十分なシール圧を確保するため、比較的硬目の弾性シール部材41を用いるので、防振ダンパ70による弾性支持構造に比して高い振動伝達部ともなるので、水槽3の振動は洗濯機筐体6にも伝達されやすく洗濯機筐体6が共振対象にもなる。
水槽ユニット7は、回転ドラム2からの振動の共振対象構造となるため、回転ドラム2の回転数が、120rpm付近での第1共振点、250rpm付近での第2共振点、さらに1000rpm以上での第3の共振点を有し、これらの各共振点による水槽ユニット7全体の異常振動を防止するため、回転ドラム2の内部に分布する衣類のアンバランスの発生位置が前部、後部の別に関係なく対応する必要がある。
そこで、本実施の形態では、水槽3の回転軸2a方向の中央位置Sに対し、揺動自在に防振支持された水槽ユニット7の重心Gおよび水槽3の支持位置Qが、回転軸2aと直交する方向で見て寸法L2、L1だけ背部側に位置させる。
かつ、支持位置Qが前後方向で見て重心Gの前部近傍に位置する水槽ユニット7の背部、つまり後部の振動が水槽3の前部の振動に信頼性の高い相関性を有しているのを利用して、制御手段20は、洗い、すすぎ工程後の脱水動作における所定の回転数時点または所定の回転数域で、水槽3の上面前部に設けた3次元加速度センサ等である振動検知手段40から出力する水槽の前部の3方向の複数方向の振動成分と、これらと水槽の後部の3方向の少なくとも1方向の振動成分の相関性から、前部および後部の振幅異常の判定を行うものである。
振動検知手段40が出力する回転ドラム2の回転時の、水槽3の前部の前後方向振幅(
図3横軸)に対する、前部の左右方向から後部の左右方向を減じた振幅に対応する値(差分値、図3縦軸)との相互関係は、実験例から、図3に示すような相互関係になる。
また、水槽前部の左右方向振幅(横軸)に対する前部の前後方向振幅(縦軸)に対応する値との相互関係は、図4に示すような相互関係になる。
水槽3の前部側に洗濯物のアンバランスが分布した「前アンバランス」の場合、図3のA、図4のJに示すような相互関係になり、水槽3の後部に洗濯物のアンバランスが分布した「後アンバランス」の場合、図3のE、図4のFに示すような相互関係になり、水槽3の中央部に洗濯物のアンバランスが分布した場合の「中アンバランス」の場合、図3のC、図4のHに示すような相互関係になる。
また、洗濯物のアンバランス分布が、水槽3の前部側が大きく、かつ対角位置の後ろ側が小さい、いわゆる「前部が大きい対角アンバランス」の場合、図3のB、図4のIに示すような相互関係になる。
また、洗濯物のアンバランス分布が、水槽3の前部側が小さく、かつ対角位置の後ろ側が大きい、いわゆる「後部が大きい対角アンバランス」の場合、図3のD、図4のGに示すような相互関係になる。
ここで、水槽3の前部の前後方向の信号による振幅に対応する値が増大(図3で横軸右方向)すると、同様に増大する正の係数を持つ挙動を示すのは、図3のAで示す「前アンバランス」時と、Bで示す「前部が大きい対角アンバランス」時があり、前者Aが後者Bよりプラス側への勾配(即ち変化)が大きくなっている。
また、前部の前後方向の信号による振幅に対応する値が増大すると、逆に減少する負の係数を持つ挙動を示すのは、Eで示す「後アンバランス時」と、Dで示す「後が大きい対角アンバランス」時があり、前者Eが後者Dよりマイナス側への勾配(即ち変化)が大きくなっている。
Cで示す「中アンバランス」時の前部左右方向の信号から後部左右方向の信号を引いた振幅に対応する値(図3で縦軸)は、前部前後方向による振幅の大きさに関係なくほぼ一定で、且つ、0に近くなっている。これは、衣類の分布が中央になり、水槽3の振動が前部と後部で同じとなる円筒形状の振動軌跡を示すことを示唆している。
図3からわかるように、前部左右方向の振幅値から後部左右方向の振幅値を引いた値(差分値、図3で縦軸)の負の最大は、Eで示す「後アンバランス」時であり、前部前後方向の信号による振幅に対応する値がc1のとき、差分値はb1となっており、その関係式は数式1で表される。このとき、係数α1は所定の構成条件により定まる。
上式は、水槽前部左右方向の振動と水槽後部左右方向の振動との差は、水槽前部での前後方向の振動に比例することを示す。
次に差分値、(図3で縦軸)の負に変化するのは、Dで示す「後が大きい対角アンバランス」時であり、前部前後方向の信号による振幅に対応する値c2のとき差分値はb2となっており、その関係式は数式2で表される。このとき、係数α2は所定の構成条件によ
り定まる。
ここで、Eで示す「後アンバランス」と、Dで示す「後が大きい対角アンバランス」の場合は、差分値がマイナスを示すことは、即ち、ともに水槽前部の左右振動に較べ、水槽後方の左右振動が大きいことを示し、かつEの「後アンバランス」が、Dで示す「後が大きい対角アンバランス」よりその影響は大きい。
図4は、水槽の前部前後方向の信号による振幅に対応する値(縦軸)と、前部左右方向の信号の振幅に対応する値(横軸)との関係を示しており、図4で明らかなように、すべての衣類のアンバランス状態において前部左右方向の信号による振幅に対応する値(横軸)が増大すると、水槽の前部前後方向の信号による振幅に対応する値(縦軸)も同様に増大する正の係数となる特性を示している。
これは、水槽3の前部での左右方向に振動が増大すれば、前後方向の振幅も増大することを示しているが、Jで示す「前アンバランス」時がその変化が最小で、Iで示す「前が大きい対角アンバランス」時、Hで示す「中アンバランス」時、Gで示す「後が大きい対角アンバランス」時、Fで示す「後アンバランス」時、の順で変化が大きくなっている。
すなわち、衣類のアンバランスがドラム後方に分布すると、水槽前部の左右方向の振動が前後方向の振動に与える影響が大きい相関関係にあることを示している。
図4で、水槽の前部左右方向の信号による振幅(横軸)に対応する値がaのとき、前部前後方向の信号による振幅に対応する値(縦軸)を、cとした場合、アンバランス状態に応じて幅を持っており、Fで示す「後アンバランス」時がc1とした時、Gで示す「後が大きい対角アンバランス」時をc2、とすれば、c1−c2=Δcとなり、図3で示したEに示す「後アンバランス」差分値(縦軸)b1のときの水槽前部の前後方向の振幅c1と、Dに示した「後が大きい対角アンバランス」の差分値(縦軸)b2のときの水槽前部の前後方向の振幅c2との差Δcに同じとなる。
つまり、水槽前部における左右方向の振幅は、水槽前部における前後方向の振幅に加え、衣類のアンバランスが「後アンバランス」あるいは「後部が大きい対角アンバランス」時にその値が増大することを示している。
これらの、水槽3の前部での左右方向に振動が増大すれば、前後方向の振幅が増大する相関関係にあることは、前部左右方向を前部上下方向に置き換えても、或いは、前部左右方向と前部上下方向の大きい方を選定しても、左右と上下振動の挙動は位相が90度ずれる以外は、絶対値はほぼ同等であると考えられるので、水槽3の前部で振動検知手段40が検出する3方向の前部左右方向の信号、前部前後方向の信号、前部上下方向の信号が持つそれぞれの振幅は、「前アンバランス」状態はもとより、「中アンバランス」状態、「後アンバランス」状態、「対角アンバランス」状態とも相関性を持っていることを示している。
このように、振動検知手段40は水槽3の上方前部にあって水槽3の前部左右方向、前後方向、上下方向の3方向に係る振動に対応した信号を出力するが、これら検出される3方向の振動成分は、水槽3の所定の構成条件では、水槽3の後部左右方向、前後方向、上下方向の振動成分の影響を受け、後部前後方向と前部前後方向とは等価であるので、後部
左右方向、後部上下方向の振動成分と種々な関係で相関性を有しているといえる。
これによって、水槽3の前部及び後部の振幅異常の判定に必要な、少なくとも前部3方向の直接検知できる振動成分に加え、前部3方向の振動成分との相関性から後方で1方向の振動成分を推定して、前部、後部の振幅異常の判定に供し、振幅異常に対応するものである。
水槽3の前部、後部振幅異常は、それぞれに直接または間接に対応した方向での出力信号の振幅につき判定すればよいが、その判定をそれぞれに対応した所定の振幅許容値以上かどうかで行うことにより、前部、後部振幅異常の特性の違い、例えば、後部振幅は前部振幅よりも許容度を高められるといった違いにも応じた適正な判定ができる。
以下に、水槽の前部左右方向と前部前後方向の振動成分の出力信号の振幅に対応する値と、前部左右方向の振幅値から後部左右方向の振幅値を引いた値(差分値)とのそれぞれの相関性を利用して、水槽3の前部および後部の振幅許容値に対する判定を行なう場合の具体例につき説明する。
図5の、水槽の振幅と水槽3の前部および後部における振幅異常の判定を行なう手順を示す説明図において、水槽3の後方の振幅許容値は振幅許容値X、水槽3の前方の振幅許容値は第2の振幅許容値Yであり、これは水槽3とに回転ドラム2の隙間、水槽3と洗濯機筐体6との配置関係、回転軸2aと回転ドラム2の片持ち支持構造強度等から設定されるものである。
図5に示すように、水槽3の前部左右方向の振動成分に係る出力信号の振幅aが、図3のEおよび図4のFで示す「後アンバランス」状態と仮定して、水槽3の前部前後方向の振動成分の出力信号の振幅に対応する値c1の時の、水槽3の前部左右方向の振幅値から後部左右方向の振幅値を引いた値(差分値)b1を前左右方向の振動成分に係る出力信号の振幅aに加算して、水槽3の後位置の第1の振幅許容値X以下かどうか判定する。
図5の判定パターン(I)の場合のように、振幅a+b1が第1の振幅許容値X以下であれば、異常振幅ではないと判定し運転を継続する。
図5の判定パターン(II)の場合のように、振幅a+b1が第1の振幅許容値Xを超えた状態であれば、図4で示したように前左右方向の信号による振幅aに対応する値と前前後方向の信号の振幅cはアンバランスの状態で幅を持っているため、アンバランスの状態を図3のDおよび図4のGで示す「後部が大きい対角アンバランス」と仮定して、前部前後方向の振動成分の出力信号の振幅に対応する値c2の時の前部左右方向の振幅値から後部左右方向の振幅値を引いた値(差分値)b2を、前部左右方向の振動成分に係る出力信号の振幅aに加算して水槽3の後位置の第1の振幅許容値X以下かどうか判定する。
即ち、図5の判定パターン(III)の場合のように、振幅a+b2が第1の振幅許容値X以下であれば、異常振幅ではないと判定し運転を継続する。
一方、図5の判定パターン(IV)の場合のように、振幅a+b2が第1の振幅許容値Xを超えた状態であれば、「後部が大きい対角アンバランス」状態ではなく、図3のAおよび図4のJで示す「前アンバランス」状態と仮定して、前部左右方向の振動成分に係る出力信号の振幅aをそのまま水槽3の前方位置の第2の振幅許容値Y以下かどうか判定する。
そして、図5の判定パターン(V)の場合のように、振幅aが第2の振幅許容値Y以下
であれば、異常振幅ではないと判定し運転を継続する。
また、図5の判定パターン(VI)の場合のように、振幅aが第2の振幅許容値Yを超えていれば、異常振幅と判定し運転を中断したり、回転数を低下したり、衣類のアンバランスをほぐす工程などの防振対応制御に移行する。
上記振幅aは、水槽3の前部左右方向として説明したが、上下方向、或いは、左右方向と上下方向の大きいほうとしても同様の結果が得られるのは、言うまでもない。
上記のように、本願によれば、振動検知手段40は水槽3上にあって水槽3の前左右方向、前前後方向を含む複数の方向に係る振動に対応した信号を出力するが、水槽3の前部の左右方向あるいは、前部の上下方向の振動成分に係る出力信号と、前部の前後方向の振動成分に係る出力信号とが、後ろの振動成分の1方向と相関があるため、これによって、水槽3の前後振幅異常の判定に必要な少なくとも前部の3方向の直接検知できる振動成分に加え、前部の3方向の振動成分との相関性から後部1方向の振動成分を推定して、前部および、後部の振幅異常の判定に供するので、あらゆる位置に発生する衣類のアンバランスによる振動異常発生時に対応できるものである。
本発明のドラム式洗濯機は、振動検知手段にて水槽の振動を検知し、衣類のアンバランス分布状態の検知を行う洗濯機として有用である。
本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯機の要部構成を示す断面図 同ドラム式洗濯機の制御回路のブロック図 同ドラム式洗濯機の水槽の前後方向の振幅対する前部の左右方向の振動値から後部の左右方向の振動値を減じた値(差分値)との相互関係を示す図 同ドラム式洗濯機の水槽前部の左右方向振幅に対する水槽前部の前後方向振幅に対応する値との相関関係を示す図 同ドラム式洗濯機の水槽の前部および後部における振幅異常の判定を行なう手順を示す説明図 従来のドラム式洗濯機の要部構成を示す断面図 同ドラム式洗濯機のアンバランス状態と振動成分の位相差との関連を示すグラフ
符号の説明
1 ドラム式洗濯機
2 回転ドラム
2a 回転軸
3 水槽
5 モータ
6 洗濯機筐体
7 水槽ユニット
9 扉
20 制御手段
24 回転数検知手段
30 布量検知手段
40 振動検知手段
70 防振ダンパ

Claims (3)

  1. 有底円筒形に形成された衣類撹拌用の回転ドラムと、前記回転ドラムを回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして回転自在に収容した水槽と、前記水槽の背部に固定され前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記回転ドラム、水槽、モータ等の振動系の水槽ユニットを防振ダンパにて揺動自在に弾性支持した洗濯機筐体と、前記モータの回転や、洗い、すすぎ、脱水等の各工程を制御する制御手段と、前記水槽の上面前部に3次元方向の振動成分を検知する振動検知手段とを備え、前記制御手段は、洗い、すすぎ工程後の脱水動作における所定の回転数時点または所定の回転数域で、前記振動検知手段から出力される前記水槽の前部での3方向のうち複数方向の振動成分と、前記振動検知手段が出力する信号から推定した前記水槽の後部での左右および上下2方向の少なくとも1方向の振動成分との相関性から、前記水槽ユニットの前部および後部の振幅の異常の有無を判定したドラム式洗濯機。
  2. 水槽の前部で検知する振動成分の3次元方向は、前部左右方向と、前部前後方向と、前部上下方向とであり、前記水槽の後部での振動成分の2方向は、後部左右方向と、後部上下方向とである請求項1に記載のドラム式洗濯機。
  3. 水槽の前部および前記水槽の後部での振幅の異常の判定は、前記水槽の前部の前後方向および前記水槽の前部の左右方向または前記水槽の前部の上下方向の出力信号の振幅またはそれと相関する信号値に応じ、水槽ユニットの左右方向振幅、または、上下方向振幅の前位置と後位置との差分値と前記水槽ユニットの各方向の所定の回転数時点または所定の回転数域における前後の許容振幅値とで判定した請求項1または2に記載のドラム式洗濯機。
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