JP2024074445A - 車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御システム - Google Patents

車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】回避経路への追従精度を向上させることができる、車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御システムを提供する。【解決手段】本発明に係る車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御システムは、その1つの態様において、車両の向きと、前記車両の進行方向と、がなす角度である第1角度を取得し、前記車両の前方に位置する物体を回避するための回避経路を取得し、前記車両を前記回避経路に追従して走行させる経路追従制御を実行するときに、前記第1角度を所定の基準角度に近づける第1角度制御を実行し、前記第1角度制御の制御対象を、前記車両のタイヤ力に起因する物理量に基づいて、操舵アクチュエータ、または、制駆動アクチュエータと前記操舵アクチュエータの両方、のうちいずれか一方に選択的に切り替える。【選択図】図1

Description

本発明は、車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御システムに関する。
特許文献1の車両制御装置は、車両の目標走行経路を更新する走行経路制御部と、障害物との衝突回避のために所定の制御システムを自動的に作動させるための自動緊急回避制御処理を実行する自動緊急回避制御部を備える。
そして、前記走行経路制御部は、目標走行経路を補正して障害物を回避する複数の補正走行経路を算出し、所定の評価関数によって評価し1つの補正走行経路を選択し、補正走行経路を車両が走行するように、第1の要求信号を生成する。一方、前記自動緊急回避制御部は、第2の要求信号を生成する。
特許第6525402号公報
ところで、車両制御装置が、車両の前方に位置する物体を回避するための回避経路に追従して車両を走行させる経路追従制御を実施するときに、車両の向きと車両の進行方向とがなす角度が大きいと、回避経路への追従精度が低下する場合があった。
本発明は、従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回避経路への追従精度を向上させることができる、車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御システムを提供することにある。
本発明に係る車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御システムによれば、その1つの態様において、車両の向きと、前記車両の進行方向と、がなす角度である第1角度を取得し、前記車両の前方に位置する物体を回避するための回避経路を取得し、前記車両を前記回避経路に追従して走行させる経路追従制御を実行するときに、前記第1角度を所定の基準角度に近づける第1角度制御を実行し、前記第1角度制御の制御対象を、前記車両のタイヤ力に起因する物理量に基づいて、操舵アクチュエータ、または、制駆動アクチュエータと前記操舵アクチュエータの両方、のうちいずれか一方に選択的に切り替える。
本発明によれば、回避経路への追従精度を向上させることができる。
第1実施形態の車両制御システムを示すブロック図である。 AEBとESSとの組み合わせによる衝突回避支援の動作を示す図である。 第1実施形態の操舵支援要求値算出部を示すブロック図である。 第1実施形態のβ角最小化要求値算出部を示すブロック図である。 第1実施形態の制御信号算出部を示すブロック図である。 第1実施形態の制御デバイスの選択処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の制御デバイスの選択処理を示すフローチャートである。 第1実施形態の制御デバイスの選択処理を示すフローチャートである。 車両スリップ角により横ずれ量の認識誤差が発生することを説明する図である。 車両スリップ角を小さくすることで目標経路への追従誤差が小さくなることを示す図である。 前輪の横力、各車輪の前後力の制御によるヨーモーメントの発生を示す図である。 第2実施形態の車両制御システムを示すブロック図である。 第2実施形態の制御信号算出部を示すブロック図である。 第2実施形態の制御デバイスの選択処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の制御デバイスの選択処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の制御デバイスの選択処理を示すフローチャートである。 第3実施形態の車両制御システムを示すブロック図である。 第3実施形態の制御信号算出部を示すブロック図である。 第3実施形態の制御デバイスの選択処理を示すフローチャートである。 第3実施形態の制御デバイスの選択処理を示すフローチャートである。 第4実施形態の車両制御システムを示すブロック図である。 第4実施形態の制御デバイスの選択処理を示すフローチャートである。 第4実施形態の制御デバイスの選択処理を示すフローチャートである。 第4実施形態の制御デバイスの選択処理を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御システムの実施形態を、図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、4輪自動車などの車両100に搭載される車両制御システム200の一態様を示すブロック図である。
車両制御システム200は、後で詳細に説明するように、衝突回避支援を実施するシステムである。
車両制御システム200は、車両100の各車輪(一対の前輪及び一対の後輪)に制動力を与える制動装置300、車両100の前輪を操舵する前輪操舵装置400、車両100に設けられた車両制御装置500を備える。
上記の制動装置300は、各車輪に与える制動力を電気信号によって個別に制御することが可能なアクチュエータを備える。
また、前輪操舵装置400は、前輪の舵角を、電気信号によって制御することが可能なアクチュエータを備える。
ここで、制動装置300は、車両100の各車輪それぞれに制駆動力を与える制駆動アクチュエータのうち、各車輪に制動力を与える制動アクチュエータである。
つまり、本願において、制駆動アクチュエータは、制動アクチュータと駆動アクチュエータとを含み、制動装置300は、制駆動アクチュエータのうちの制動アクチュータに相当する。
また、前輪操舵装置400は、車両100の車輪を操舵する操舵アクチュエータのうち、前輪を操舵する前輪操舵アクチュエータである。
車両制御装置500は、入力した情報に基づいて演算を行って演算結果を出力するコントロール部としてのマイクロコンピュータ510を備える。
マイクロコンピュータ510は、図示を省略したMPU(Microprocessor Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備える。
なお、マイクロコンピュータ510は、MCU(Micro Controller Unit)、プロセッサ、処理装置、演算装置などと言い換えることができる。
車両100は、車両状態を検出するための各種のセンサを有し、マイクロコンピュータ510は、前記各種センサが出力する信号を取得する。
車両100は、各種センサとして、加速度センサ101、ジャイロセンサ102、操舵角センサ103、自己位置認識センサ104、外界認識センサ105、車輪速センサ106を有する。
加速度センサ101は、車両100の挙動における加速度を検出するセンサであって、車両100の前後方向加速度、横方向加速度(換言すれば、左右方向の加速度)、及び、上下方向加速度を検出する。
ジャイロセンサ102は、車両100の挙動における角速度を検出するセンサであって、車両100のヨーレート、ロールレート、及び、ピッチレートを検出する。
操舵角センサ103は、車両100の運転者の操作による操舵角θを検出する。
自己位置認識センサ104は、たとえば、GPS衛星から信号を受信することにより、車両100の位置の緯度及び経度を測定するGPS受信部を備え、車両100の位置を検出する。
外界認識センサ105は、車両100の外界情報、換言すれば、車両100が走行する走行路の走行環境に関する情報を取得するデバイスであり、たとえば、カメラ、レーダ、LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)などを備える。
車輪速センサ106は、車両100の各車輪それぞれの回転速度を検出するセンサである。
マイクロコンピュータ510は、車両100が前方の進行方向上に位置する物体(以下、障害物と称する)との衝突を回避若しくは衝突被害を軽減するための衝突回避支援を実施する機能を有する。
マイクロコンピュータ510は、衝突回避支援として、衝突リスクに基づいて自動的に制動装置300を動作させるAEB(Autonomous Emergency Braking)と、車両100の運転者の回避操舵をトリガとして自動生成した回避経路に車両100を追従させるESS(Emergency Steering Support)を実行する。
図2は、AEBとESSとの組み合わせによる衝突回避支援における支援動作の遷移を例示する。
マイクロコンピュータ510は、AEBとESSとの組み合わせによる衝突回避支援において、外界認識センサ105が認識した障害物との衝突リスクが増大するに応じ、「運転者への警報」→「AEBによる1次制動(予備制動)」→「AEBによる2次制動(本制動)」&「ESSによる操舵支援」、と段階的に衝突回避支援を強化する。
尚、以下の実施形態では、「ESSによる操舵支援」の介入タイミングと、「AEBによる2次制動(本制動)」の介入タイミングと、が同じ介入タイミングであるとして説明しているが、「ESSによる操舵支援」の介入タイミングは、「AEBによる2次制動(本制動)」の介入タイミングと異なっていても良い。
言い換えると、「ESSによる操舵支援」の介入タイミングは、上述の「AEBによる1次制動(予備制動)」、「AEBによる2次制動(本制動)」の介入タイミングとは独立して設定しても良い。
図1には、上記の衝突回避支援のための機能ブロックを示してある。
マイクロコンピュータ510は、ESSの機能を担う操舵支援要求値算出部520、AEBの機能を担う制動支援要求値算出部530、制御信号算出部540、車両スリップ角算出部550、制御デバイス選択部560の各機能部を有する。
制御信号算出部540は、操舵支援要求値算出部520が出力する操舵支援要求値、及び、制動支援要求値算出部530が出力する制動支援要求値を取得し、これらに基づいて各車輪の制動制御信号、及び、前輪操舵制御信号を算出する。
そして、制御信号算出部540は、制動装置300に制動制御信号を出力し、前輪操舵装置400に前輪操舵制御信号を出力する。
なお、制動装置300が制御電流に応じて制動力を発生する場合、制御信号算出部540は、制動制御信号として制動制御電流を出力することができる。
同様に、前輪操舵装置400が制御電流に応じて操舵力を発生する場合、制御信号算出部540は、前輪操舵制御信号として前輪操舵制御電流を出力することができる。
車両スリップ角算出部550は、車両100の向きと車両100の進行方向とがなす角度である第1角度(以下、車両スリップ角βと称する。)を算出する。
車両スリップ角算出部550は、加速度センサ101が検出した前後方向加速度及び横方向加速度の情報、ジャイロセンサ102が検出したヨーレートの情報を取得し、これらの情報に基づいて車両スリップ角βを推定する演算処理を実施する。
操舵支援要求値算出部520は、障害物を回避するための回避経路を運転者の操舵操作をトリガとして生成し、回避経路に車両100を追従させるための操舵要求値を算出する機能である経路追従制御機能(換言すれば、ESS機能)を有する。
さらに、操舵支援要求値算出部520は、回避経路に車両100を追従させるときに、車両スリップ角βを所定の基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを得るための操舵要求値、制動要求値を算出する車両スリップ角制御の機能を備える。
制御デバイス選択部560は、車両スリップ角算出部550から車両スリップ角βの信号を取得し、操舵支援要求値算出部520に、車両スリップ角制御における制御対象を指示するための信号である制御デバイス選択信号を出力する。
ここで、制御デバイス選択部560は、車両スリップ角制御機能における制御対象を、車両スリップ角βに基づいて、前輪操舵装置400、または、制動装置300と前輪操舵装置400両方のうちいずれか一方に選択的に切り替える。
換言すれば、制御デバイス選択部560は、車両スリップ角制御における制御対象を、タイヤ力に起因する物理量である車両スリップ角βに基づいて、操舵アクチュエータ、または、制駆動アクチュエータと操舵アクチュエータの両方、のうちいずれか一方に選択的に切り替える機能を有する。
経路追従制御の手法として、たとえば、前方注視点位置での自車予測位置と目標経路との横位置偏差をフィードバックする制御手法がある。
衝突回避の場合は車両スリップ角βが大きくなることで、前方注視点位置での自車予測位置の誤差が大きくなり、目標経路に対する追従誤差が大きくなる。
そこで、操舵支援要求値算出部520は、回避経路に車両100を追従させる経路追従制御を実行するときに、車両スリップ角βを小さくする車体スリップ角制御を実行することで、回避経路への追従精度を向上させる。
さらに、制御デバイス選択部560が備える、車両スリップ角制御における制御対象を車両スリップ角βに応じて選択的に切り替える機能により、車両スリップ角βを小さくするために必要なヨーモーメントを得るための各車輪のタイヤ力及び各車輪のタイヤ力の限界を考慮した制御対象の選択が可能になり、各状況において車体スリップ角βの最小化を安定して達成することができる。
したがって、マイクロコンピュータ510は、各状況において車両100を回避経路に高精度に追従させることができ、衝突回避のための操舵支援機能を高次元に達成できる。
以下では、図1に示した機能ブロックを詳細に説明する。
図3は、操舵支援要求値算出部520の詳細を示す機能ブロック図である。
操舵支援要求値算出部520は、β角最小化要求値算出部521、回避経路追従要求値算出部522、加算部523を備える。
回避経路追従要求値算出部522は、操舵角センサ103が検出する操舵角θの情報、外界認識センサ105による外界の認識状態(詳細には、障害物の位置や大きさに関する情報)、自己位置認識センサ104による車両100の位置情報、車輪速センサ106が検出する車輪速の情報(換言すれば、車速の情報)を取得する。
また、回避経路追従要求値算出部522は、制動支援要求値算出部530からAEBの作動状態を示す制動支援フラグの信号を取得し、制動支援要求値算出部530に向けて回避経路の生成状態(換言すれば、ESSの作動状態)を示す回避経路生成フラグの信号を出力する。
そして、回避経路追従要求値算出部522は、AEBが2次制動の状態になると、自車と障害物との位置関係、車両100の速度、及び操舵角θ(換言すれば、運転者による回避操舵情報)に基づいて障害物を回避するための回避経路を生成する。
なお、前述したように、操舵支援要求値算出部520は、制動支援要求値算出部530によるAEBの作動とは独立に、操舵支援の介入タイミングを設定することができる。
この場合、回避経路追従要求値算出部522は、衝突リスクなどを指標に独自に介入タイミングを判断して、回避経路を生成することになり、回避経路追従要求値算出部522と制動支援要求値算出部530との間での、制動支援フラグの信号、及び、回避経路生成フラグの信号の受け渡しを省略することができる。
回避経路追従要求値算出部522は、回避経路を生成すると、前方注視点位置での自車予測位置と回避経路との横位置偏差Δy(換言すれば、回避経路の追従誤差)を算出する。
次いで、回避経路追従要求値算出部522は、横位置偏差Δyに基づいて、車両100を回避経路に追従させるために要求される前輪の要求横力(換言すれば、操舵支援分の要求横力、若しくは、ESS分の要求横力)を算出して出力する。
β角最小化要求値算出部521は、車両スリップ角制御を実行する機能部である。
β角最小化要求値算出部521は、車両スリップ角β及び制御デバイス選択信号を取得し、車両スリップ角βを所定の基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを得るための前輪の要求横力及び各車輪の要求前後力を操舵支援分として出力する。
加算部523は、回避経路追従要求値算出部522が出力する前輪の要求横力と、β角最小化要求値算出部521が出力する前輪の要求横力とを取得し、これらの加算値を、操舵支援における前輪の要求横力として、制御信号算出部540に出力する。
一方、β角最小化要求値算出部521が出力する各車輪の要求前後力は、そのまま操舵支援における各車輪の要求前後力として、制御信号算出部540に出力される。
図4は、β角最小化要求値算出部521の詳細を示す機能ブロック図である。
β角最小化要求値算出部521は、比較部521A、第1変換部521B、第2変換部521C、前後力出力切り替え部521Dを備える。
比較部521Aは、車両スリップ角算出部550が算出した車体スリップ角β[deg]の情報と、基準角度βTH[deg]の情報とを取得して、車体スリップ角βと基準角度βTHとの偏差Δβ[deg]を演算し、求めた偏差Δβの情報を出力する。
第1変換部521Bは、偏差Δβの情報を取得し、偏差Δβを各車輪の要求前後力に変換する。
つまり、第1変換部521Bが求める各車輪の要求前後力は、車体スリップ角βを基準角度βTHとするために必要なヨーモーメントを得るために、各車輪に要求される前後力である。
第2変換部521Cは、偏差Δβの情報を取得し、偏差Δβを前輪の要求横力に変換する。
つまり、第2変換部521Cが求める前輪の要求横力は、車体スリップ角βを基準角度βTHとするために必要なヨーモーメントを得るために、前輪に要求される横力である。
なお、比較部521Aが取得する基準角度βTHは、零乃至零近傍の値に設定される。
そして、基準角度βTHが零である場合、比較部521Aは、車両スリップ角算出部550が算出した車体スリップ角βをそのまま出力することになる。
したがって、基準角度βTHが零である場合、第1変換部521B、第2変換部521Cは、車体スリップ角βを零にするために必要なヨーモーメントを得るための各車輪の前後力及び前輪の横力を算出することになる。
前後力出力切り替え部521Dは、第1変換部521Bが求めた各車輪の要求前後力の情報、及び、制御デバイス選択部560が出力する制御デバイス選択信号を取得する。
ここで、制御デバイス選択信号は、2値の信号に設定される。
そして、制御デバイス選択信号が1であるときは、車両スリップ角制御における制御対象として制動装置300と前輪操舵装置400の両方が選択されていることを示す。
一方、制御デバイス選択信号が0であるときは、車両スリップ角制御における制御対象として前輪操舵装置400のみが選択されていることを示す。
前後力出力切り替え部521Dは、制御デバイス選択信号が1であって車両スリップ角制御における制御対象に制動装置300が含まれるときは、第1変換部521Bが求めた各車輪の要求前後力の情報を、車両スリップ角制御分の各車輪の要求前後力(詳細には、制動要求値)として出力する。
前後力出力切り替え部521Dは、制御デバイス選択信号が0であって車両スリップ角制御における制御対象に制動装置300が含まれないときは、車両スリップ角制御分の各車輪の要求前後力を0として出力する。
換言すれば、前後力出力切り替え部521Dは、制御デバイス選択信号に応じて、第1変換部521Bが求めた各車輪の要求前後力をそのまま出力するか、各車輪の要求前後力を零として出力するかを切り替えることで、車両スリップ角制御における制御対象に制動装置300を付加するか否かを切り替える。
そして、前後力出力切り替え部521Dが出力する車両スリップ角制御分の各車輪の要求前後力は、そのまま、操舵支援分の各車輪の要求前後力として、操舵支援要求値算出部520から出力される。
一方、第2変換部521Cが求めた、車両スリップ角制御分の前輪の要求横力は、加算部523に出力され、回避経路追従要求値算出部522が求めた前輪の要求横力に加算される。
加算部523は、加算結果を、操舵支援分の要求横力として制御信号算出部540に出力する。
図1に示した制動支援要求値算出部530は、外界認識センサ105の出力(換言すれば、外界認識情報)、車輪速センサの出力(換言すれば、車両100の速度の情報)、さらに、操舵支援要求値算出部520が出力する回避経路生成フラグの信号を取得する。
そして、制動支援要求値算出部530は、衝突回避若しくは衝突被害軽減のために要求される各車輪の要求前後力(換言すれば、制動支援分の要求前後力、若しくは、AEB分の要求前後力)を算出して出力する。
つまり、制動支援要求値算出部530は、カメラやレーダなどの外界認識センサ105により前方の自動車や物体などの障害物を検知することで、衝突回避若しくは衝突被害軽減のため、自動的に制動力を発生させる。
また、制動支援要求値算出部530は、AEBの作動状態を示す制動支援フラグの信号を、操舵支援要求値算出部520に出力する。
なお、操舵支援要求値算出部520が、操舵支援の介入タイミングを独自に設定する場合、制動支援要求値算出部530から操舵支援要求値算出部520に向けての制動支援フラグの出力を省略できる。
制御信号算出部540は、操舵支援要求値算出部520から操舵支援分の要求前後力及び操舵支援分の要求横力の信号を取得し、さらに、制動支援要求値算出部530から制動支援分の要求前後力の信号を取得する。
また、制御信号算出部540は、車輪速センサの出力(換言すれば、車両100の速度の情報)を取得する。
そして、制御信号算出部540は、制動装置300に各車輪の制動制御信号を出力し、前輪操舵装置400に前輪の操舵制御信号を出力する。
図5は、制御信号算出部540の詳細を示すブロック図である。
加算部541は、操舵支援分の要求前後力の信号と制動支援分の要求前後力の信号とを取得し、これらの加算値を最終的な衝突回避支援分の要求前後力の信号として出力する。
第1変換部542は、加算部541が出力する衝突回避支援分の要求前後力の信号を、各車輪の制動制御信号に変換する。
第2変換部543は、操舵支援分の前輪の要求横力の信号を取得し、操舵支援分の前輪の要求横力の信号を前輪の操舵制御信号に変換する。
比較部544は、車輪速センサ106の出力に基づく車速の信号を取得して、取得した車速の信号と閾値とを比較し、衝突回避支援分の要求値の出力、停止を切り替えるための切り替え信号を出力する。
切り替え部545は、第1変換部542が出力する各車輪の制動制御信号、第2変換部543が出力する前輪の操舵制御信号、及び比較部544が出力する切り替え信号を取得する。
そして、切り替え部545は、切り替え信号に基づき、第1変換部542が出力する各車輪の制動制御信号及び第2変換部543が出力する前輪の操舵制御信号の後段(制動装置300、前輪操舵装置400)への出力、停止を切り替える。
ここで、切り替え部545は、車速が閾値以下である低速状態では、制動装置300に出力する制動制御信号及び前輪操舵装置400に出力する操舵制御信号を零とすることで、第1変換部542が出力する各車輪の制動制御信号及び第2変換部543が出力する前輪の操舵制御信号の後段への出力を停止する。
一方、切り替え部545は、車速が閾値を超える状態では、第1変換部542が出力する各車輪の制動制御信号及び第2変換部543が出力する前輪の操舵制御信号をそのまま制動装置300、前輪操舵装置400に出力する。
つまり、制御信号算出部540は、車速が十分に低い状態では衝突回避支援の実効性が低くなるので、衝突回避支援のための制動制御、操舵制御を停止する。
図6-図8のフローチャートは、制御デバイス選択部560による制御対象の選択処理、及び、β角最小化要求値算出部521による車両スリップ角制御の処理を示す。
マイクロコンピュータ510は、ステップS601で、外界認識センサ105の出力に基づき衝突リスクが高いと判断して、AEBによる制動支援を作動させているか否かを判断する。
そして、マイクロコンピュータ510は、AEBの作動状態であれば、運転者の操舵操作をトリガとしてESSが作動する可能性があるので、ステップS602以降に進む。
一方、マイクロコンピュータ510は、AEBの作動状態でない場合は、ESSを作動させる前提条件が不成立となるため、そのまま本ルーチンを終了させる。
なお、操舵支援要求値算出部520が、操舵支援の介入タイミングを独自に設定する場合、マイクロコンピュータ510は、ステップS601において、衝突リスクなどを指標に基づき、ESSを作動させる前提条件を独自に判断することになる。
マイクロコンピュータ510は、ステップS602で、加速度センサ101の出力、及び、ジャイロセンサ102の出力に基づき、車両100における前後方向の速度及び横方向の速度[km/h]を算出する。
次いで、マイクロコンピュータ510は、ステップS603で、ステップS602で求めた前後方向の速度が閾値よりも大きいか否かを判断する。
ここで、マイクロコンピュータ510は、前後方向の速度が閾値以下である場合、車両スリップ角βの推定条件を満たさない、換言すれば、車両スリップ角βの推定精度を確保できない条件であって車両スリップ角制御を実施できないと判断し、そのまま本ルーチンを終了させる。
一方、マイクロコンピュータ510は、前後方向の速度が閾値より大きい場合、ステップS604に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS604で、車両スリップ角βを、車速、ヨーレート、横加速度などの検出値に基づき求め、さらに、求めた車両スリップ角βを時間微分して車両スリップ角速度αを求める。
つまり、マイクロコンピュータ510は、前後方向の速度が閾値より大きい場合に、車両100のタイヤ力に起因する物理量である車両スリップ角β及び車両スリップ角速度αを取得する。
なお、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角β及び車両スリップ角速度αを、左右方向を区別する符号付きで求める。
次いで、マイクロコンピュータ510は、ステップS605で、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1(βTH1>0)よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1(αTH1>0)よりも小さいか否かを判断する。
換言すれば、マイクロコンピュータ510は、ステップS605で、車両スリップ角βが閾値を下回る十分に小さい状態であって、かつ、減少傾向を示しているか否かを判断する。
マイクロコンピュータ510は、ステップS605で、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも小さいと判断すると、ステップS607に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS607で、車両スリップ角βと基準角度βTH(たとえば、βTH=0[deg])との偏差Δβに基づき、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを得るための前輪の要求横力を算出する。
つまり、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも小さい状態は、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを、前輪の操舵制御のみで発生させ得る状態である。
そこで、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも小さい状態では、車両スリップ角制御の制御対象として前輪操舵装置400のみを選択する。
次いで、マイクロコンピュータ510は、ステップS608に進んで、運転者による操舵角θの絶対値が閾値θTHよりも大きく、かつ、操舵角θを時間微分して求めた操舵角速度ωの絶対値が閾値ωTHよりも大きいか否かを判断する。
ここで、ステップS608での処理は、ESSの作動を開始させるトリガとしての運転者の操舵操作が実施されているか否かの判断処理である。
マイクロコンピュータ510は、操舵角θの絶対値が閾値θTHよりも大きく、かつ、操舵角速度ωの絶対値が閾値ωTHよりも大きい場合、ESSの作動条件が成立していると判断して、ステップS609に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS609において、ステップS607で求めた車両スリップ角制御分の前輪の要求横力に基づき、前輪の操舵制御信号を出力する。
一方、マイクロコンピュータ510は、ステップS608で、操舵角θの絶対値が閾値θTHよりも大きく、かつ、操舵角速度ωが閾値ωTHよりも大きいという条件を満たさないと判断した場合、ESSの作動条件を満たしていないと判断し、車両スリップ角制御を実行することなく本ルーチンを終了させる。
マイクロコンピュータ510は、ステップS605で、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも小さいという条件が成立しないと判断すると、ステップS606に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS606で、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2(βTH2>βTH1>0)よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいか否かを判断する。
換言すれば、マイクロコンピュータ510は、ステップS606で、車両スリップ角βが、零を含まない所定範囲内の角度であって、かつ、増大傾向を示しているか否かを判断する。
そして、マイクロコンピュータ510は、ステップS606で、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいと判断すると、ステップS610に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS610で、車両スリップ角βと基準角度βTHとの偏差Δβに基づき、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを得るための前輪の要求横力及び各車輪の要求前後力(要求制動力)を算出する。
つまり、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きい状態は、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを発生させるためには、前輪の操舵制御に加え、各車輪の前後力を制御することが要求される状態である。
そこで、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きい状態では、車両スリップ角制御の制御対象として前輪操舵装置400と制動装置300の両方を選択する。
次いで、マイクロコンピュータ510は、ステップS611に進み、ステップS608と同様に、操舵角θが閾値θTHよりも大きく、かつ、操舵角速度ωが閾値ωTHよりも大きいか否かを判断する。
そして、マイクロコンピュータ510は、操舵角θが閾値θTHよりも大きく、かつ、操舵角速度ωが閾値ωTHよりも大きい場合、ステップS612に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS612で、車両スリップ角制御分の前輪の要求横力に基づき前輪の操舵制御信号を出力し、また、車両スリップ角制御分の各車輪の要求前後力に基づき各車輪の制動制御信号を出力する。
一方、マイクロコンピュータ510は、ステップS611で、操舵角θが閾値θTHよりも大きく、かつ、操舵角速度ωが閾値ωTHよりも大きいという条件を満たさないと判断した場合、車両スリップ角制御を実行することなく本ルーチンを終了させる。
また、マイクロコンピュータ510は、ステップS606で、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件を満たしていないと判断した場合、ステップS613に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS613で、車両スリップ角βと基準角度βTHとの偏差Δβに基づき、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを得るための前輪の要求横力及び各後輪の要求前後力(要求制動力)を算出する。
マイクロコンピュータ510が、ステップS606で、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件を満たしていないと判断したときは、前輪タイヤの横力が飽和し、タイヤ前後力を発生させる余裕がないと推定される状況である。
そこで、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角制御における前後力制御の対象から前輪を外し、車両スリップ角制御において各後輪の前後力を制御する。
係る制御対象の切り替えによって、不安定な制御状態になることを抑止できる。
つまり、マイクロコンピュータ510は、ステップS606で、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件を満たさないと判断すると、車両スリップ角制御の制御対象として、前輪操舵装置400(前輪操舵アクチュエータ)及び後輪の制動装置300(後輪制動アクチュエータ)を選択する。
次いで、マイクロコンピュータ510は、ステップS614に進み、ステップS608と同様に、運転者に操舵角θが閾値θTHよりも大きく、かつ、操舵角θを時間微分して求められた操舵角速度ωが閾値ωTHよりも大きいか否かを判断する。
そして、マイクロコンピュータ510は、操舵角θが閾値θTHよりも大きく、かつ、操舵角速度ωが閾値ωTHよりも大きい場合、ステップS615に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS615で、車両スリップ角制御分の前輪の要求横力に基づき前輪の操舵制御信号を出力し、また、車両スリップ角制御分の各後輪の要求前後力に基づき各後輪の制動制御信号を出力する。
一方、マイクロコンピュータ510は、ステップS614で、操舵角θが閾値θTHよりも大きく、かつ、操舵角速度ωが閾値ωTHよりも大きいという条件を満たさないと判断した場合、車両スリップ角制御を実行することなく本ルーチンを終了させる。
マイクロコンピュータ510は、ステップS609、ステップS612、ステップS615の処理を実施すると、次いでステップS616に進み、車輪速センサ106の出力に基づき求められた車速VSと閾値VSTHとを比較する。
ここで、閾値VSTHは、ESSの終了条件として車速VSである。
マイクロコンピュータ510は、車速VSが閾値VSTHを下回っている場合、車両スリップ角制御を終了させる。
一方、マイクロコンピュータ510は、車速VSが閾値VSTH以上であってESSが継続される場合、ステップS617に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS617で、車両100から前方の障害物までの距離Dが閾値DTHよりも大きいか否かを判断する。
ここで、障害物までの距離Dが閾値DTHよりも大きい場合は、衝突回避制御の余裕度が大きく、回避経路への追従精度の要求が比較的低いことになる。
そこで、マイクロコンピュータ510は、ステップS617で障害物までの距離Dが閾値DTHよりも大きいと判断すると、ステップS607に進み、前輪操舵装置400の制御のみで車両スリップ角βを基準角度βTHに近づける。
換言すれば、マイクロコンピュータ510は、障害物までの距離Dが閾値DTHよりも大きい場合、車両スリップ角β及び車両スリップ角速度αの条件に関わらずに、車両スリップ角制御の制御対象として、前輪操舵装置400のみを選択する。
一方、障害物までの距離Dが閾値DTH以下である場合は、衝突回避制御の余裕度が小さいことになり、車両スリップ角βを基準角度βTHに速やかに近づけて、回避経路への追従性を改善する必要がある。
そこで、マイクロコンピュータ510は、ステップS617で障害物までの距離Dが閾値DTH以下であると判断すると、ステップS605に進み、車両スリップ角β及び車両スリップ角速度αに基づく制御対象の選択を実施する。
なお、マイクロコンピュータ510が制御対象の選択処理において用いる、車両スリップ角βの第1閾値βTH1,第2閾値βTH2、及び、車両スリップ角速度αの閾値αTH1は、以下のようにして設定される。
車両スリップ角βの第1閾値βTH1、及び、車両スリップ角速度αの閾値αTH1は、経路追従制御ロジックに依存し、たとえば、前方注視制御の場合、前方注視距離(前方注視時間/車速)に影響を受ける。
そこで、車両スリップ角βの第1閾値βTH1、及び、車両スリップ角速度αの閾値αTH1は、経路追従制御ロジック、たとえば、前方注視距離の設定値に応じて適合される。
また、車両スリップ角βの第2閾値βTH2は、タイヤ摩擦円(タイヤのグリップ力限界)に影響を与える因子の影響を受ける。
そこで、車両スリップ角βの第2閾値βTH2は、タイヤ摩擦円に影響を与える因子に応じて適合される。
タイヤ摩擦円に影響を与える因子としては、たとえば、接地荷重、夏タイヤや冬タイヤなどのタイヤのタイプ、タイヤの空気圧や温度、タイヤ摩耗量、路面の摩擦係数などがある。
マイクロコンピュータ510は、接地荷重に応じて第2閾値βTH2を変更する場合、接地荷重の情報を、たとえば、加速度センサ101の出力及びジャイロセンサ102の出力から推定し、接地荷重が大きくなるほど第2閾値βTH2を大きくすることができる。
また、マイクロコンピュータ510は、タイヤのタイプに応じて第2閾値βTH2を変更する場合、たとえば、車両100の使用者からタイヤタイプの情報を取得し、車両100に夏タイヤ(換言すれば、標準タイヤ)が装着されている場合、冬タイヤ(たとえば、スタッドレスタイヤ)が装着されている場合に比べて第2閾値βTH2を大きくすることができる。
また、マイクロコンピュータ510は、タイヤの空気圧や温度に応じて第2閾値βTH2を変更する場合、たとえば、タイヤの空気圧や温度の情報をセンサから取得し、空気圧が高いほど第2閾値βTH2を大きくし、温度が高いほど第2閾値βTH2を大きくすることができる。
また、マイクロコンピュータ510は、タイヤ摩耗量に応じて第2閾値βTH2を変更する場合、たとえば、加速度センサ101の出力及びジャイロセンサ102の出力からタイヤのスリップ比を推定し、スリップ比からタイヤ摩耗量を推定し、タイヤ摩耗量が大きくなるほど第2閾値βTH2を大きくすることができる。
さらに、マイクロコンピュータ510は、路面の摩擦係数に応じて第2閾値βTH2を変更する場合、たとえば、加速度センサ101の出力及びジャイロセンサ102の出力からタイヤのスリップ比を推定し、スリップ比から路面の摩擦係数を推定し、路面の摩擦係数が大きくなるほど第2閾値βTH2を大きくすることができる。
上記第1実施形態の衝突回避支援によれば、回避経路に車両100を追従させるESSが実行されるときに、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βを小さくするための操舵制御、制動制御を実施するので、回避経路への追従性が向上し、衝突回避、被害軽減の性能が向上する。
さらに、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βを小さくする車両スリップ角制御において、車両スリップ角β及び車両スリップ角速度αの情報に基づき制御対象を選択する。
このため、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βを小さくするのに必要なヨーモーメントを得るための各車輪のタイヤ力、タイヤ力の限界を考慮した制御対象の切り替えを行なうことができる。
したがって、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βを効果的に小さくして、回避経路への追従精度を安定して高めることができ、また、制動制御を状況に応じて選択的に介入させることで、ブレーキパッドの摩耗を抑えて機能安全を長期的に担保することができる。
図9は車両スリップ角βの有無による横ずれ量の認識の違いを示す状態図であり、図9の上段は、車両スリップ角βの発生によって横ずれ量の認識に誤差が生じた状態を示し、図9の下段は、車両スリップ角βを小さくする制御を行なった結果、横ずれ量の認識誤差が解消された状態を示す。
車両100の前後方向を基準として回避経路に対する横ずれ量を求める場合、車両スリップ角βが発生していて車両100の前後方向と車速ベクトルとが一致しない状態では横ずれ量の認識に誤差が生じ、図9の上段に示す場合、横ずれ量を過小に判断することで、回避経路への追従性が低下する。
このとき、図9において反時計回りのヨーモーメントを車両100に与えることで、図9の下段に示すように車両スリップ角βを零に近づければ、車両100の前後方向と車速ベクトルとが一致するようになって横ずれ量の認識誤差を小さくできる。
そして、回避経路に対する横ずれ量が正しく認識されることで、回避経路への追従性が向上し、衝突回避、被害軽減の性能が向上する。
図10は、車両スリップ角βと、回避経路などの目標経路に対する追従誤差との相関を示すタイムチャートである。
そして、図10の上段は、車両スリップ角βを小さくする制御の実施によって車両スリップ角βが小さくなる様子を示し、図10の下段は、車両スリップ角βが小さくなることで、目標経路に対する追従誤差が縮小することを示す。
つまり、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βを小さくする車両スリップ角制御を実施することで、回避経路に対する横ずれ量を正しく認識できるようになり、回避経路に対する追従性を向上させることができる。
図11は、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを得るため横力、前後力の設定例を示す。
図11は、反時計回りのヨーモーメント、換言すれば、車両100を左側に向けるヨーモーメントを車両100に与えることで、車両スリップ角βが零に近づく場合における車両スリップ角制御を示す。
この場合、前輪を左側に操舵する操舵制御によって発生する横力で、車両100を左側に向けるヨーモーメントを車両100に与えることができ、また、車両100の左右輪のうち左側の前後輪に制動力を与えることでも車両100を左側に向けるヨーモーメントを車両100に与えることができる。
そこで、マイクロコンピュータ510は、前述したステップS607、ステップS612、ステップS615において、車両スリップ角βが発生している方向によって操舵方向及び制動力を与える車輪を設定し、車両スリップ角βの大きさに応じて操舵角、前後力(制動力)を設定する。
なお、図11に示すように、左右輪のうち制動力を与える側とは逆側、たとえば、車両100を左側に向けるヨーモーメントを車両100に与える場合は右側の車輪に駆動力を与えることによっても、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを車両100に与えることができる。
つまり、マイクロコンピュータ510は、各車輪の制動力の制御に加え、各車輪の駆動力を制御することで、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけることができる。
[第2実施形態]
以下に、マイクロコンピュータ510が、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づける車両スリップ角制御における制御対象を、操舵アクチュエータ、または、制動アクチュエータ、駆動アクチュエータ、及び操舵アクチュエータの3つ、のうちいずれか一方に選択的に切り替える、第2実施形態を説明する。
図12は、第2実施形態において、衝突回避支援(AEB&ESS)を実施する車両制御システム200を示すブロック図である。
なお、図12に示す車両制御システム200において、図1に示した第1実施形態の車両制御システム200と同一要素には同一符号を付してあり、同一の作用機能を奏するブロックについての詳細な説明は省略する。
図12に示す車両制御システム200は、図1に示した第1実施形態の車両制御システム200に対し、制御対象としての4輪それぞれに駆動力を与える駆動装置310が付加され、制御信号算出部540が駆動装置310にも制御信号を出力する点が異なる。
駆動装置310は、各車輪の駆動力を電気信号によって個別に電子制御することが可能なアクチュエータを備える。
なお、駆動装置310は、各車輪の制駆動アクチュータのうち各車輪に駆動力を与える駆動アクチュエータであり、駆動装置310を備える車両100は、所謂4輪駆動車である。
また、操舵支援要求値算出部520は、第1実施形態(図3参照)と同様の構成であるが、操舵支援要求値算出部520を構成するβ角最小化要求値算出部521は、車両スリップ角制御における要求前後力として、各車輪の制動力及び各車輪の駆動力を算出する。
β角最小化要求値算出部521は、車両スリップ角βを小さくする方向のヨーモーメントを得るための各車輪の要求前後力を求める場合、たとえば、図11に示したように、左右輪のうち一方の前後輪に制動力を与え、他方の前後輪に駆動力を与えるように、各車輪の要求前後力を算出する。
図13は、第2実施形態における制御信号算出部540の機能ブロック図である。
なお、図13において、第1実施形態の制御信号算出部540の詳細を示す図5と同一要素には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図13に示した第2実施形態の制御信号算出部540は、操舵支援要求値算出部520から、操舵支援分(ESS分)の各車輪の要求前後力の信号及び操舵支援分の前輪の要求横力の信号を取得し、制動支援要求値算出部530から、制動支援分(AEB分)の各車輪の要求前後力の信号を取得する。
なお、操舵支援要求値算出部520が出力する操舵支援分の要求前後力は、正の値であるときに要求駆動力を表し、負の値であるときに要求制動力を表すものとする。
加算部541は、操舵支援分の各車輪の要求前後力の信号と、制動支援分の各車輪の要求前後力の信号とを取得し、これらの加算値を衝突回避支援分の各車輪の要求前後力の信号として出力する。
第1変換部542は、加算部541が出力する衝突回避支援分の各車輪の要求前後力の信号を、各車輪の制駆動制御信号に変換する。
符号判別部546は、加算部541が出力する衝突回避支援分の各車輪の要求前後力の符合を判別することで、要求前後力が制動要求であるか駆動要求であるかを車輪毎に判別する。
制動信号切り替え部547は、第1変換部542から各車輪の制駆動制御信号を取得するとともに、符号判別部546から符号判別の結果を示す信号を取得する。
そして、制動信号切り替え部547は、加算部541が出力する衝突回避支援分の各車輪の要求前後力の符合が正であって、衝突回避支援分の要求前後力が要求駆動力である場合、制動制御信号を零、つまり、衝突回避支援分の制動要求無しとして出力する。
一方、制動信号切り替え部547は、加算部541が出力する衝突回避支援分の各車輪の要求前後力の符合が負であって、衝突回避支援分の要求前後力が要求制動力である場合、第1変換部542が出力する制駆動制御信号を制動制御信号として出力する。
また、駆動信号切り替え部548は、第1変換部542から各車輪の制駆動制御信号を取得するとともに、符号判別部546から符号判別の結果を示す信号を取得する。
そして、駆動信号切り替え部548は、加算部541が出力する衝突回避支援分の各車輪の要求前後力の符合が負であって、衝突回避支援分の要求前後力が要求制動力である場合、駆動制御信号を零、つまり、衝突回避支援分の駆動要求無しとして出力する。
一方、駆動信号切り替え部548は、加算部541が出力する衝突回避支援分の各車輪の要求前後力の符合が正であって、衝突回避支援分の要求前後力が要求駆動力である場合、第1変換部542が出力する制駆動制御信号を駆動制御信号として出力する。
つまり、符号判別部546、制動信号切り替え部547、及び駆動信号切り替え部548は、操舵支援分の要求前後力と制動支援分の要求前後力とを加算して求めた衝突回避支援分の要求前後力が、要求制動力であるか要求駆動力であるかに応じて、車輪毎に制動制御信号または駆動制御信号を出力する。
第2変換部543は、操舵支援分の前輪の要求横力の信号を取得し、操舵支援分の前輪の要求横力の信号を前輪の操舵制御信号に変換する。
また、比較部544は、車輪速センサ106の出力に基づく車速の信号を取得して、取得した車速の信号と閾値とを比較し、衝突回避支援分の要求値の出力、停止を切り替えるための切り替え信号を出力する。
切り替え部545-2は、制動信号切り替え部547が出力する各車輪の制動制御信号、駆動信号切り替え部548が出力する各車輪の駆動制御信号、第2変換部543が出力する前輪の操舵制御信号、及び比較部544が出力する切り替え信号を取得する。
そして、切り替え部545-2は、比較部544が出力する切り替え信号に基づき、制動制御信号、駆動制御信号、操舵制御信号の後段(制動装置300、駆動装置310、前輪操舵装置400)への出力、停止を切り替える。
ここで、車速が閾値以下である低速状態では、制動制御信号、駆動制御信号、操舵制御信号の後段への出力が停止され、車速が閾値を超える状態では、制動制御信号、駆動制御信号、操舵制御信号が後段へ出力されるよう構成されている。
つまり、制御信号算出部540は、車速が十分に低い状態では衝突回避支援は実効性が低くなるので、衝突回避支援のための制動制御、駆動制御、及び操舵制御を停止する。
図14-図16のフローチャートは、第2実施形態における、制御デバイス選択部560による制御対象の選択処理、及び、β角最小化要求値算出部521による車両スリップ角制御の処理を示す。
第2実施形態において、β角最小化要求値算出部521は、車体スリップ角βを基準角度βTHとするために必要なヨーモーメントを得るための要求前後力として、車輪毎に要求制動力または要求駆動力を求める。
一方、第2実施形態における制御デバイス選択部560による制御対象の選択処理などは第1実施形態と同様である。
このため、図14-図16のフローチャートは、ステップS612-2及びステップS615-2での処理内容のみが、第1実施形態の処理内容を示す図6-図8のフローチャートと異なる。
そこで、ステップS612-2及びステップS615-2以外の各ステップについては、図6-図8のフローチャートと同じステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
マイクロコンピュータ510は、ステップS606で、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件が成立すると判断すると、ステップS610に進む。
そして、マイクロコンピュータ510は、ステップS610で、車両スリップ角βと基準角度βTHとの偏差Δβに基づき、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを得るための前輪の要求横力及び各車輪の要求前後力(要求制動力、要求駆動力)を算出する。
次いで、マイクロコンピュータ510は、ステップS611で、ESSの作動を開始させるトリガとしての運転者の操舵操作が実施されていると判断すると、ステップS612-2に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS612-2において、ステップS610で求めた前輪の要求横力に基づき前輪の操舵制御信号を前輪操舵装置400に出力し、また、ステップS610で求めた各車輪の要求前後力(要求制動力、要求駆動力)に基づき、各車輪の制動制御信号を制動装置300に出力し、各車輪の駆動制御信号を駆動装置310に出力する。
また、マイクロコンピュータ510は、ステップS606で、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件が成立しないと判断すると、ステップS613に進む。
そして、マイクロコンピュータ510は、ステップS613で、車両スリップ角βと基準角度βTHとの偏差Δβに基づき、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを得るための前輪の要求横力及び各後輪の要求前後力(要求制動力、要求駆動力)を算出する。
次いで、マイクロコンピュータ510は、ステップS614で、ESSの作動を開始させるトリガとしての運転者の操舵操作が実施されていると判断すると、ステップS615-2に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS615-2において、ステップS613で求めた前輪の要求横力に基づき前輪の操舵制御信号を前輪操舵装置400に出力し、また、ステップS613で求めた各後輪の要求前後力(要求制動力、要求駆動力)に基づき、各後輪の制動制御信号を制動装置300に出力し、各後輪の駆動制御信号を駆動装置310に出力する。
上記第2実施形態によれば、車両スリップ角制御の制御対象として、操舵アクチュエータと制駆動アクチュエータの両方が選択されるとき、制駆動アクチュエータのうち制動アクチュータと駆動アクチュエータの双方が選択される。
したがって、制駆動アクチュエータのうち制動アクチュータのみが選択対象である第1実施形態に比べて、車両スリップ角βを所定の基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントの確保が容易となり、回避経路への追従精度を安定して維持できる。
[第3実施形態]
ところで、車両100が前輪操舵装置400とともに後輪操舵装置を備える場合、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを得るための車両スリップ角制御における制御対象に、後輪操舵装置を含めることができる。
以下に、車両スリップ角制御の制御対象に後輪操舵装置が含まれる第3実施形態を説明する。
図17は、第3実施形態において、衝突回避支援(AEB&ESS)を実施する車両制御システム200を示すブロック図である。
なお、図17に示す車両制御システム200において、図12に示した車両制御システム200と同一要素には同一符号を付してあり、同一の作用機能を奏するブロックについての詳細な説明は省略する。
図17に示す車両制御システム200は、図12に示した第2実施形態の車両制御システム200に対し、制御対象としての後輪操舵装置410が付加され、制御信号算出部540が後輪操舵装置410にも制御信号を出力する点が異なる。
後輪操舵装置410は、後輪の操舵角を電気信号によって電子制御することが可能なアクチュエータを備える。
本願において、操舵アクチュエータは、前輪操舵アクチュータと後輪操舵アクチュエータとを含み、前輪操舵装置400は、操舵アクチュエータのうちの前輪操舵アクチュータに相当し、後輪操舵装置410は、操舵アクチュエータのうちの後輪操舵アクチュータに相当する。
そして、第3実施形態の車両100は、前輪操舵アクチュータとしての前輪操舵装置400と、後輪操舵アクチュエータとしての後輪操舵装置410の両方を備える。
図18は、第3実施形態における制御信号算出部540の機能ブロック図である。
なお、図18において、第2実施形態の制御信号算出部540の詳細を示す図13と同一要素には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図18に示した第3実施形態の制御信号算出部540は、操舵支援要求値算出部520から、操舵支援分の各車輪の要求前後力(各車輪の要求制動力及び要求駆動力)の信号及び操舵支援分の各車輪の要求横力(前輪の要求横力及び後輪の要求横力)の信号を取得し、制動支援要求値算出部530から、制動支援分の各車輪の要求前後力(要求制動力)の信号を取得する。
そして、第2変換部543-3は、操舵支援分の各車輪(前後輪)の要求横力の信号を、前輪の操舵制御信号及び後輪の操舵制御信号に変換する。
切り替え部545-3は、車速が閾値以下である低速状態では、各車輪の制駆動制御信号及び前後輪の操舵制御信号を零として出力することで、AEB及びESSのための制駆動制御、操舵制御を停止させる。
また、切り替え部545-3は、車速が閾値を超える状態では、各車輪の制駆動制御信号及び前後輪の操舵制御信号をそのまま後段へ出力することで、AEB及びESSを作動させる。
そして、制御信号算出部540は、各車輪の制動制御信号を制動装置300に出力し、各車輪の駆動制御信号を駆動装置310に出力し、前輪の操舵制御信号を前輪操舵装置400に出力し、さらに、後輪の操舵制御信号を後輪操舵装置410に出力する。
図19-図20のフローチャートは、第3実施形態における、制御デバイス選択部560による制御対象の選択処理、及び、β角最小化要求値算出部521による車両スリップ角制御の処理を示す。
第3実施形態において、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2(βTH2>βTH1>0)よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件を、車両スリップ角制御における制御対象の選択条件とする。
そして、マイクロコンピュータ510は、前記選択条件が成立しているか否かに基づき、車両スリップ角制御における制御対象を、前輪操舵装置400と後輪操舵装置410の両方(換言すれば、操舵アクチュエータのみ)、または、前輪操舵装置400、後輪操舵装置410、制動装置300及び駆動装置310の4つ(換言すれば、操舵アクチュエータと制駆動アクチュータの両方)のうちいずれか一方に選択的に切り替える。
マイクロコンピュータ510は、図19-図20のフローチャートのステップS701-ステップS704で、前述したステップS601-ステップS604と同様な処理を実施する。
そして、マイクロコンピュータ510は、ステップS705で、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件が成立しているか否かを判断する。
マイクロコンピュータ510は、ステップS705で、前記条件の非成立を判断すると、ステップS706に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS706で、車両スリップ角βと基準角度βTHとの偏差Δβに基づき、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを得るための前輪の要求横力及び後輪の要求横力を算出する。
次いで、マイクロコンピュータ510は、ステップS707で、運転者による前輪の操舵角θが閾値θTHよりも大きく、かつ、操舵角速度ωが閾値ωTHよりも大きいか否かを判断する。
そして、マイクロコンピュータ510は、操舵角θが閾値θTHよりも大きく、かつ、操舵角速度ωが閾値ωTHよりも大きいというESSの作動条件が成立している場合、ステップS708に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS708で、前輪の要求横力に基づき前輪の操舵制御信号を前輪操舵装置400に出力し、また、後輪の要求横力に基づき後輪の操舵制御信号を後輪操舵装置410に出力する。
つまり、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件が非成立の場合、車両スリップ角制御の制御対象として、前輪操舵装置400及び後輪操舵装置410(換言すれば、前輪操舵アクチュエータ及び後輪操舵アクチュータを含む操舵アクチュエータ)を選択する。
車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件が成立しない場合は、車両スリップ角βを所定の基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを、前輪操舵制御及び後輪操舵制御による各車輪のタイヤ横力のみで発生させ得るか、若しくは、タイヤの横力が飽和し、タイヤ前後力を発生させる余裕がないと推定される状態である。
そこで、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件が成立しない場合、車両スリップ角制御における制御対象として、前輪操舵装置400及び後輪操舵装置410を含む操舵アクチュエータのみを選択する。
一方、マイクロコンピュータ510は、ステップS705で、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件の成立を判断すると、ステップS709に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS709で、車両スリップ角βと基準角度βTHとの偏差Δβに基づき、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけるのに必要なヨーモーメントを得るための前輪の要求横力、後輪の要求横力、及び各車輪の要求前後力(要求制動力、要求駆動力)を算出する。
次いで、マイクロコンピュータ510は、ステップS710に進み、ステップS707と同様に、操舵角θが閾値θTHよりも大きく、かつ、操舵角速度ωが閾値ωTHよりも大きいという条件が成立するか否かを判断する。
そして、マイクロコンピュータ510は、操舵角θが閾値θTHよりも大きく、かつ、操舵角速度ωが閾値ωTHよりも大きいというESSの作動条件が成立している場合、ステップS711に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS711で、前輪の要求横力に基づき前輪の操舵制御信号を前輪操舵装置400に出力し、後輪の要求横力に基づき後輪の操舵制御信号を後輪操舵装置410に出力し、さらに、各車輪の要求制動力に基づき各車輪の制動制御信号を制動装置300に出力し、各車輪の要求駆動力に基づき各車輪の駆動制御信号を駆動装置310に出力する。
また、マイクロコンピュータ510は、ステップS708またはステップS711での処理後にステップS712に進み、車速VSと閾値VSTHとを比較する。
そして、マイクロコンピュータ510は、車速VSが閾値VSTHを下回っている場合、車両スリップ角制御を終了させ、車速VSが閾値VSTH以上である場合、ステップS713に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS713で、車両100から前方の障害物までの距離Dが閾値DTHよりも大きいか否かを判断する。
マイクロコンピュータ510は、ステップS713で障害物までの距離Dが閾値DTHよりも大きいと判断すると、ステップS706に進み、前輪操舵装置400及び後輪操舵装置410の操舵制御で車両スリップ角βを基準角度βTHに近づける。
一方、障害物までの距離Dが閾値DTH以下である場合、マイクロコンピュータ510は、ステップS705に進み、車両スリップ角β及び車両スリップ角速度αに基づく制御対象の選択を実施する。
上記第3実施形態において、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角制御における制御対象を、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件が成立しているか否かに応じて、前輪操舵装置400及び後輪操舵装置410を含む操舵アクチュエータのみとするか、操舵アクチュエータと、制動装置300及び駆動装置310を含む制駆動アクチュエータの両方とするかを選択する。
そして、係る第3実施形態によると、車両スリップ角制御における操舵制御の対象を、前輪操舵装置400と後輪操舵装置410の両方とするから、操舵制御のみで車両スリップ角制御を実施できる範囲が拡大し、車両100の挙動が不安定になることを抑止できる。
[第4実施形態]
ところで、マイクロコンピュータ510は、将来の車両スリップ角βを予測し、予測車両スリップ角βesに基づいて車両スリップ角制御の制御対象を選択することができる。
以下に、予測車両スリップ角βesに基づいて車両スリップ角制御の制御対象が選択される第4実施形態を説明する。
なお、第4実施形態は、第1実施形態における車両スリップ角制御の制御対象の選択処理を、車両スリップ角βに代えて予測車両スリップ角βesに基づいて実施させる点が、第1実施形態と異なる。
図21は、第4実施形態において、衝突回避支援(AEB&ESS)を実施する車両制御システム200を示すブロック図である。
なお、図21に示す車両制御システム200において、図1に示した第1実施形態の車両制御システム200と同一要素には同一符号を付してあり、同一の作用機能を奏するブロックについての詳細な説明は省略する。
図21に示す車両制御システム200は、車両スリップ角予測部570を備える点が、図1に示した第1実施形態の車両制御システム200と異なる。
車両スリップ角予測部570は、操舵支援要求値算出部520から回避経路の方位角の情報を取得し、制御デバイス選択部560に予測車両スリップ角βesの情報を出力する。
ここで、車両スリップ角予測部570は、回避経路の方位角の時間変化率に基づき、将来の車両スリップ角βである予測車両スリップ角βesを求める。
図22-図24のフローチャートは、第4実施形態における、制御デバイス選択部560による制御対象の選択処理、及び、β角最小化要求値算出部521による車両スリップ角制御の処理を示す。
図22-図24のフローチャートは、第1実施形態を示す図6-図8のフローチャートに対し、予測車両スリップ角βes及び予測車両スリップ角速度αesを求めるステップS604-4が付加される点が異なり、さらに、ステップS605-4、ステップS606-4において、第1閾値βTH1、第2閾値βTH2と予測車両スリップ角βesとが比較され、また、閾値αTH1と予測車両スリップ角速度αesとが比較される点が異なる。
マイクロコンピュータ510は、ステップS604で、現時点での車両スリップ角β及び車両スリップ角速度αを求めた後、ステップS604-2に進む。
マイクロコンピュータ510は、ステップS604-2で、回避経路の方位角の時間変化率を求め、回避経路の方位角の時間変換率に基づいて将来の車両スリップ角βである予測車両スリップ角βesを求め、さらに、予測車両スリップ角βesを時間微分して予測車両スリップ角速度αesを求める。
そして、マイクロコンピュータ510は、ステップS605-4で、予測車両スリップ角βesの絶対値が第1閾値βTH1よりも小さく、かつ、予測車両スリップ角速度αesの絶対値が閾値αTH1よりも小さいか否かを判断する。
また、マイクロコンピュータ510は、ステップS606-4で、予測車両スリップ角βesの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、予測車両スリップ角速度αesの絶対値が閾値αTH1よりも大きいか否かを判断する。
つまり、第4実施形態において、マイクロコンピュータ510は、現時点での車両スリップ角β、車両スリップ角速度αに代えて、将来の車両スリップ角βes、車両スリップ角速度αesに基づいて、車両スリップ角制御の制御対象を選択的に切り替える。
係る第4実施形態によれば、将来的に発生すると予測される予測車両スリップ角βesに基づいて、車両スリップ角制御の制御対象を切り替えるので、車両スリップ角βの変化を先取りして適切な制御対象に予め切り替えることができ、車両スリップ角制御の応答遅れを抑制できる。
上記実施形態で説明した各技術的思想は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合わせて使用することができる。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
上記実施形態は、AEBとESSとの組み合わせによる衝突回避支援において、運転者の操舵操作をトリガとして生成される回避経路への追従性を向上させるための制御として、車両スリップ角βを小さくする制御を適用するが、衝突回避支援は、AEBとESSとの組み合わせに限定されない。
たとえば、マイクロコンピュータ510は、外界認識センサ105の情報に基づいて自動的に生成される回避経路に車両100を追従させる制御が実施されるときに、車両スリップ角βを小さくする車両スリップ角制御を実施することができる。
また、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけるための車両スリップ角制御における制御対象を操舵アクチュエータのみとする設定から切り替えることができる。
たとえば、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βが第1閾値βTH1よりも小さいときに制御対象を操舵アクチュエータのみとし、車両スリップ角βが第1閾値βTH1以上で第2閾値βTH2以上であるときに制御対象を操舵アクチュエータと制駆動アクチュエータの両方とし、車両スリップ角βが第2閾値βTH2よりも大きいときに制御対象を操舵アクチュエータのみまたは操舵アクチュエータと後輪の制駆動アクチュータの両方とすることができる。
つまり、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βの増大に応じて制御対象を段階的に切り替えることができる。
また、マイクロコンピュータ510は、第3実施形態のように、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件に基づき、車両スリップ角制御の制御対象を2通りに切り替えるときに、制御対象を、第3実施形態とは異なるアクチュエータとすることができる。
たとえば、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件が非成立のときに前輪操舵装置400のみを制御対象とすることができる。
また、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βの絶対値が第1閾値βTH1よりも大きくかつ第2閾値βTH2よりも小さく、かつ、車両スリップ角速度αの絶対値が閾値αTH1よりも大きいという条件が成立するときに、前輪操舵装置400と制動装置300の両方とするか、前輪操舵装置400と後輪の制駆動装置とすることができる。
また、マイクロコンピュータ510は、図14-図16のフローチャートに示す第2実施形態の制御対象の切り替え処理、図19-図20のフローチャートに示す第3実施形態の制御対象の切り替え処理においても、第4実施形態のように、車両スリップ角βに代えて予測車両スリップ角βesを第1閾値βTH1、第2閾値βTH2と比較し、また、車両スリップ角速度αに代えて予測車両スリップ角速度αesを閾値αTH1と比較することができる。
また、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βが設定値を下回るときに、車両スリップ角制御を停止させることができる。
また、マイクロコンピュータ510は、車両スリップ角βを基準角度βTHに近づけるための車両スリップ角制御における制御対象を、タイヤスリップ角やヨーレートなどの車両100のタイヤ力に起因する物理量に基づき選択的に切り替えることができる。
また、第2実施形態において、車両100が後輪駆動車であって、駆動装置310が後輪のみに駆動力を与える場合、マイクロコンピュータ510は、図15のステップS612-2で、後輪の駆動制御信号を出力することができる。
また、第2実施形態において、車両100が前輪駆動車であって、駆動装置310が前輪のみに駆動力を与える場合、マイクロコンピュータ510は、図15のステップS612-2及び図16のステップS615-2で各車輪の駆動力制御を行なわない構成とすることができる。
100…車両、200…車両制御システム、300…制動装置(制駆動アクチュエータ、制動アクチュエータ)、400…前輪操舵装置(操舵アクチュエータ)、500…車両制御装置、510…マイクロコンピュータ(コントロールユニット、コントロール部)、520…操舵支援要求値算出部、530…制動支援要求値算出部、540…制御信号算出部、550…車両スリップ角算出部、560…制御デバイス選択部、β…車両スリップ角(第1角度)


Claims (12)

  1. 車輪に制駆動力を与える制駆動アクチュエータと、前記車輪を操舵する操舵アクチュエータと、を有する車両に備えられた車両制御装置であって、
    前記車両制御装置が備えるコントロール部は、
    前記車両の向きと、前記車両の進行方向と、がなす角度である第1角度を取得し、
    前記車両の前方に位置する物体を回避するための回避経路を取得し、
    前記車両を前記回避経路に追従して走行させる経路追従制御を実行するときに、前記第1角度を所定の基準角度に近づける第1角度制御を実行し、
    前記第1角度制御の制御対象を、前記車両のタイヤ力に起因する物理量に基づいて、前記操舵アクチュエータ、または、前記制駆動アクチュエータと前記操舵アクチュエータの両方、のうちいずれか一方に選択的に切り替える、
    車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    前記コントロール部は、
    前記車両のタイヤ力に起因する物理量として、前記第1角度に関する物理量を取得する、
    車両制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両制御装置であって、
    前記コントロール部は、
    前記第1角度に関する物理量として、前記第1角度、または、前記第1角度の角速度のうちの少なくとも一方を取得する、
    車両制御装置。
  4. 請求項3に記載の車両制御装置であって、
    前記コントロール部は、
    前記第1角度が所定の第1角度閾値より大きく、かつ、前記第1角度が前記第1角度閾値よりも大きい所定の第2角度閾値より小さく、かつ、前記第1角度の角速度が所定の角度閾値より小さいことを、前記第1角度制御の制御対象を選択するための選択条件とし、
    前記選択条件を満たす場合に、前記第1角度制御の制御対象として、前記制駆動アクチュエータと前記操舵アクチュエータの両方を選択し、
    前記選択条件を満たさない場合に、前記第1角度制御の制御対象として、前記操舵アクチュエータを選択する、
    車両制御装置。
  5. 請求項4記載の車両制御装置であって、
    前記コントロール部は、
    前記車両の前後方向の速度が所定の前後速度閾値より大きい場合に、前記第1角度、及び、前記第1角度の角速度を取得する、
    車両制御装置。
  6. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    前記コントロール部は、
    前記車両の運転者の操作による操舵角が所定の操舵角閾値より大きく、かつ、前記操舵角の角速度が所定の操舵角速度閾値より大きいときに、前記第1角度制御を実行する、
    車両制御装置。
  7. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    前記コントロール部は、
    前記第1角度制御を開始した後、前記車両の速度が所定の車速閾値より小さくなったときに、前記第1角度制御を終了させる、
    車両制御装置。
  8. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    前記コントロール部は、
    前記第1角度制御の制御対象を、前記車両のタイヤ力に起因する物理量に基づいて、前記操舵アクチュエータ、または、前記制駆動アクチュエータのうち前記車輪に制動力を与える制動アクチュエータと前記操舵アクチュエータの両方、のうちいずれか一方に選択的に切り替える、
    車両制御装置。
  9. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    前記コントロール部は、
    前記第1角度制御の制御対象を、前記車両のタイヤ力に起因する物理量に基づいて、前記操舵アクチュエータ、または、前記制駆動アクチュエータのうち前記車輪に制動力を与える制動アクチュエータ及び前記車輪に駆動力を与える駆動アクチュエータと前記操舵アクチュエータの3つ、のうちいずれか一方に選択的に切り替える、
    車両制御装置。
  10. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    前記基準角度は零である、
    車両制御装置。
  11. 車輪に制駆動力を与える制駆動アクチュエータと、前記車輪を操舵する操舵アクチュエータと、を有する車両に設けられたコントロールユニットが実行する車両制御方法であって、
    前記車両の向きと、前記車両の進行方向と、がなす角度である第1角度を取得し、
    前記車両の前方に位置する物体を回避するための回避経路を取得し、
    前記車両を前記回避経路に追従して走行させる経路追従制御を実行するときに、前記第1角度を所定の基準角度に近づけるための第1角度制御を実行し、
    前記第1角度制御の制御対象を、前記車両のタイヤ力に起因する物理量に基づいて、前記操舵アクチュエータ、または、前記制駆動アクチュエータと前記操舵アクチュエータの両方、のうちいずれか一方に選択的に切り替える、
    車両制御方法。
  12. 車両の車輪に制駆動力を与える制駆動アクチュエータと、
    前記車輪を操舵する操舵アクチュエータと、
    前記車両に設けられたコントロールユニットであって、
    前記車両の向きと、前記車両の進行方向と、がなす角度である第1角度を取得し、
    前記車両の前方に位置する物体を回避するための回避経路を取得し、
    前記車両を前記回避経路に追従して走行させる経路追従制御を実行するときに、前記第1角度を所定の基準角度に近づけるための第1角度制御を実行し、
    前記第1角度制御の制御対象を、前記車両のタイヤ力に起因する物理量に基づいて、前記操舵アクチュエータ、または、前記制駆動アクチュエータと前記操舵アクチュエータの両方、のうちいずれか一方に選択的に切り替える、
    前記コントロールユニットと、
    を備える、車両制御システム。
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