JP5256908B2 - 車線変更警戒制御装置、及び車線変更警戒制御方法 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、自車両の車線変更などの横移動を抑制するタイミングを最適化することである。
《一実施形態》
《構成》
図1は、本発明の概略構成である。マスターシリンダ1と各ホイールシリンダ2i(i=FL、FR、RL、RR)との間には、アンチスキッド制御(ABS)やトラクション制御(TCS)、またスタビリティ制御(VDC:Vehicle Dynamics Control)等に用いられるブレーキアクチュエータ3が介装されている。このブレーキアクチュエータ3は、ソレノイドバルブやポンプ等の油圧機器を備え、これらをコントローラ4によって駆動制御することにより、運転者のブレーキ操作に関らず各ホイールシリンダ2iの液圧を個別に制御することができる。
φ=tan-1(dY/dX)
=tan-1(V/dX′)
また、曲率ρの算出は、後述するナビゲーションユニット14から取得してもよい。
また、警報装置20を備え、コントローラ4から出力される警報信号に応じて、警報音を発したり、警告灯を点灯したりする。
次に、コントローラ4で所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込みとして実行される車線変更警戒制御処理を、図2のフローチャートに従って説明する。
続くステップS2では、下記のように、非駆動輪(従動輪)の平均車輪速を車速Vとして算出する。なお、アンチスキッド制御やナビゲーション情報から取得可能であれば、それを用いればよい。
前輪駆動の場合:V=(VwRL+VwRR)/2
後輪駆動の場合:V=(VwFL+VwFR)/2
続くステップS3では、レーダ装置6L・6Rの検出結果に基づいて、側方物体の有無を判定する。
Ψp=ρ×V
続くステップS5では、下記1又は2の方法で、車頭時間Tt(例えば1sec程度)経過後に自車両が到達する後刻横位置Xfを算出する。
ここでは、下記に示すように、ヨー角φ、目標ヨーレートΨm、及び目標ヨー角加速度Ψm′に重み付けして夫々を加算する。K1〜K3はゲインであり、K1は車頭時間Ttに車速Vを乗じた値、K2は所定値に車速Vを乗じた値、K3は所定値に車速Vを乗じた値である。
Xf=K1×φ+K2×Ψm+K3×Ψm′
Ψ=Ψh×Tt
Ψ′=Ψ′×Tt2
ここでは、下記に示すように、目標ヨーレートΨm、及び目標ヨー角加速度Ψm′に重み付けして、セレクトハイによって算出する。
Xf=max[K2×Ψm,K3×Ψm′]
続くステップS6では、下記1〜3の何れかの方法で、白線に対する自車両の現在横位置Xeを算出する。なお、自車両が白線の内側にあるときは、現在横位置Xeが正値となり、自車両が白線を越えると、現在横位置Xeが負値になるものとする。
2.操舵角δに基づいて算出する。
先ず、下記に示すように、中立舵角δ0からの操舵変化量Δδを算出する。この中立舵角δ0は、操舵角δに対して時定数の大きなフィルタ処理を行った値としてもよい。
Δδ=δ0−δ
そして、下記に示すように、ヨーレートΨに対して時間積分を行い、ヨー角φを算出する。
φ=∫Ψdt
そして、下記に示すように、車速Vとヨー角φとに応じて、横速度Vxを算出する。
Vx=φ×V
そして、下記に示すように、横速度Vxに対して時間積分を行い、白線に対する自車両の現在横位置Xeを算出する。
Xe=∫Vxdt
例えば、平均値を算出したり、セレクトローしたり、重み付けして加算したりする。
続くステップS7では、下記1〜4の何れかの方法で、補正ゲインαを算出する。
ここでは、図4のマップを参照し、現在横位置Xeに応じて補正ゲインαを算出する。このマップは、横軸を現在横位置Xeとし、縦軸を補正ゲインαとし、現在横変位Xeが正の所定値X1より大きいときには補正ゲインαが1を維持し、現在横変位Xeが所定値X1から減少すると補正ゲインαが1から増加し、現在横変位Xeが負の所定値X2より小さいときには補正ゲインαが1より大きい最大値αMAXを維持するように設定されている。所定値X2は、白線から側方物体までの距離に相当する。
この方法は、側方物体との横方向の相対距離Xdを検出できている場合に限り実行可能である。ここでは、図5のマップを参照し、相対距離Xdに応じて補正ゲインαを算出する。このマップは、横軸を相対距離Xdに、縦軸を補正ゲインαとし、相対距離Xdが所定値X3より大きいときには補正ゲインαが1を維持し、相対距離Xdが所定値X3から減少すると補正ゲインαが1から増加し、相対距離Xdが0より小さいときには補正ゲインαが1より大きな最大値αMAXを維持するように設定されている。なお、側方物体と前後方向に離間している場合に限り、相対距離Xdが負値になり得る。
自車両に走行車線からの逸脱傾向がなく、車線逸脱防止制御が非作動(OFF)のときには、補正ゲインαを1とし、一方、逸脱傾向があり、車線逸脱防止制御が作動(ON)のときには、補正ゲインαを1よりも大きな所定値αcに設定する。
例えば、平均値を算出したり、セレクトハイしたり、重み付けして加算したりする。
続くステップS8では、下記に示すように、補正ゲインαで、後刻横位置Xfを補正する。
Xf ← Xf×α
続くステップS9では、車線変更を抑制する所定横位置XLを設定する。
Xe+Xo → XL
続くステップS11では、目標ヨーモーメントMsを算出し、算出した目標ヨーモーメントMsに応じてブレーキアクチュエータ3を駆動制御する。
一方、抑制フラグがF=1であるときには、下記に示すように、自車両の車線変更を抑制する目標ヨーモーメントMsを算出する。Kr1は車両諸元から定まるゲインである。Kr2は車速Vに応じて定まるゲインであり、図7に示すように、車速Vが高いほど大きくなる。
Ms=Kr1×Kr2×(Km1×φ+Km2×Ψm)
上記の式によれば、ヨー角φや目標ヨーレートΨが大きくなるほど、自車両の車線変更を抑制する目標ヨーモーメントMsが大きくなる。
先ず、抑制フラグがF=0であれば、自車両の車線変更を抑制する必要はないと判断して、ブレーキアクチュエータ3の駆動を停止し、下記のように、各ホイールシリンダにはマスターシリンダ圧を供給する。ここで、Pmrは前後の制動力理想配分に基づく後輪マスターシリンダ圧である。
PRL=PRR=Pmr
一方、抑制フラグがF=1であれば、下記に示すように、車線変更の抑制を目的とした左右輪の制動力差ΔPf及びΔPrを算出する。Tはトレッドで、便宜上、前後同一とする。Kf及びKRは制動力を液圧に換算するための前輪側及び後輪側の係数で、ブレーキ諸元により定まる。Rは前後輪の制動力配分である。
ΔPr=2×Kr×{Ms×(1−R)}/T
したがって、車線変更する方向が左の場合は、右方向へのヨーモーメントを付与するために、下記のように、各ホイールシリンダの目標液圧PFL〜PRRを算出する。
PFL=Pm
PFR=Pm+ΔPf
PRL=Pmr
PRR=Pmr+ΔPr
PFL=Pm+ΔPf
PFR=Pm
PRL=Pmr+ΔPr
PRR=Pmr
そして、ブレーキアクチュエータ3を駆動制御して、各ホイールシリンダに目標液圧PFL〜PRRを発生させると共に、警報装置20を駆動して、車線変更を抑制する旨を運転者に報知してから、所定のメインプログラムに復帰する。
今、運転者が右方向に向けて方向指示スイッチ13を操作し、図6に示すように、右の隣接車線へ車線変更しようとしており、運転者にとって死角エリアとなる自車両の右側のやや後方には、側方車両が並走しているとする。このとき、車線変更する運転者の意志は明らかなので、車線逸脱防止制御は非作動状態となるが、車線変更警戒制御は継続して実行される。
上記の車線変更警戒制御は、車線逸脱防止制御とは個別に実行される。すなわち、自車両が走行車線に対して逸脱傾向になくとも、側方物体が検出されると、この側方物体と接触するリスクを考慮し、側方物体の側への横移動を抑制する。
なお、本実施形態では、ステップS5で算出された後刻横位置Xfに対して、ステップS8で後から補正ゲインαによる補正を行っているが、これに限定されるものではなく、ステップS5で後刻横位置Xfを算出する時点で、補正ゲインαを加味し、補正後の後刻横位置Xfを算出してもよい。
例えば、K1〜K3を補正ゲインαで補正すればよい。
この場合、ステップS5で方法1を採用するときには、下記に示すように、K1〜K3の夫々に異なる重み付けをしてもよい。例えば、α1=α、α2=α×k2、α3=α×k3とし、α1>α2>α3の関係を満たすように設定する。
K1 ← K1×α1
K2 ← K2×α2
K3 ← K3×α3
K2 ← K2×α2
K3 ← K3×α3
一方、車頭時間Ttを補正ゲインαで補正してもよい。
すなわち、下記に示すように、車頭時間Ttに補正ゲインαを乗じて補正すればよい。
Tt ← Tt×α
すなわち、本実施形態では、白線から所定量Xoだけ車線外側の所定位置に側方物体があると仮定した相対距離Xdを所定横位置XLに設定しているので、下記に示すように、所定横位置XLに1/αを乗じて補正すればよい。
XL ← XL×(1/α)
以上より、レーダ装置6L・6Rが「側方物体検出手段」に対応し、ステップS5の処理が「後刻位置推定手段」に対応し、ステップS6の処理が「現在位置検出手段」に対応し、ステップS7、S8の処理が「補正手段」に対応し、ステップS9の処理が「横位置設定手段」に対応し、ステップS10、S11の処理が「走行制御手段」に対応する。
(1)自車両の側方に存在する側方物体を検出する側方物体検出手段と、走行車線に対して自車両が所定時間後に到達する後刻横位置を推定する後刻位置推定手段と、側方物体検出手段が側方物体を検出している状態で、後刻位置推定手段の推定した後刻横位置が所定の横位置に達したときに、側方物体の側への自車両の横移動を抑制する走行制御手段と、走行車線に対する自車両の現在横位置を検出する現在位置検出手段と、現在位置検出手段の検出した現在横位置が前記側方物体に近いほど、後刻位置推定手段の推定する後刻横位置が前記所定の横位置に達しやすくなるように、後刻横位置及び所定の横位置の少なくとも一方を補正する補正手段と、を備える。
これにより、自車両の横移動を抑制するタイミングが遅れるといった事態を回避し、そのタイミングを最適化することができる。
これにより、後刻横位置が所定の横位置に達しているか否かを判定するだけで、自車両が側方物体と接触する可能性があるか否かを判断することができる。
(3)補正手段は、所定時間を補正することにより、後刻横位置を補正する。
これにより、走行車線に対する自車両の現在横位置が側方物体に近いほど、後刻横位置が所定の横位置に達しやすくなる。
これにより、自車両の横移動を抑制するタイミングが遅れるといった事態を回避し、そのタイミングを最適化することができる。
これにより、自車両の横移動を抑制するタイミングが遅れるといった事態を回避し、そのタイミングを最適化することができる。
3 ブレーキアクチュエータ
4 コントローラ
5 カメラ
6L・6R レーダ装置
10 圧力センサ
11 舵角センサ
12 車輪速センサ
13 方向指示スイッチ
14 ナビゲーションユニット
20 警報装置
Claims (5)
- 自車両の側方に存在する側方物体を検出する側方物体検出手段と、走行車線に対して自車両が所定時間後に到達する後刻横位置を推定する後刻位置推定手段と、前記側方物体検出手段が側方物体を検出している状態で、前記後刻位置推定手段の推定した後刻横位置が所定の横位置に達したときに、前記側方物体の側への自車両の横移動を抑制する車線変更警戒制御手段と、
走行車線に対する自車両の現在横位置を検出する現在位置検出手段と、該現在位置検出手段の検出した現在横位置が前記側方物体に近いほど、前記後刻位置推定手段の推定する後刻横位置が前記所定の横位置に達しやすくなるように、前記後刻横位置及び前記所定の横位置の少なくとも一方を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする車線変更警戒制御装置。 - 前記側方物体の現在の横位置を前記所定の横位置として設定する横位置設定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の車線変更警戒制御装置。
- 前記補正手段は、前記所定時間を補正することにより、前記後刻横位置を補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の車線変更警戒制御装置。
- 前記補正手段は、前記後刻位置推定手段の推定した後刻横位置が前記側方物体に近いほど、前記後刻横位置が前記所定の横位置に達しやすくなるように、前記後刻横位置及び前記所定の横位置の少なくとも一方を補正することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車線変更警戒制御装置。
- 自車両の側方に存在する側方物体を検出し、走行車線に対して自車両が所定時間後に到達する後刻横位置を推定し、前記側方物体を検出している状態で、前記後刻横位置が所定の横位置に達したときに、前記側方物体の側への自車両の横移動を抑制し、
走行車線に対する自車両の現在横位置を検出し、当該現在横位置が前記側方物体に近いほど、前記後刻横位置が前記所定の横位置に達しやすくなるように、前記後刻横位置及び前記所定の横位置の少なくとも一方を補正することを特徴とする車線変更警戒制御方法。
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