JP2024074338A - 垂直共振器型発光素子及びその製造方法 - Google Patents

垂直共振器型発光素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長寿命かつ高効率な垂直共振器型発光素子及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の垂直共振器型発光素子は、p型のドーパントとしてMgを含み、SIMSによる層厚方向のAl組成曲線において規定したp型AlGaN層を、活性層19側から1/10、2/5、1/2の層厚を有する第1領域、第2領域及び第3領域、に順に区分したとき、Al組成の大小関係は第1領域<第3領域<第2領域である。Mg濃度曲線によって示されるMg濃度は、p型AlGaN層の層厚の全体に亘って1.2×1019atoms/cm3未満であり、かつ、第1領域において最も小さく、第2領域内のMg濃度が最大のピーク位置の位置から第3領域内のMg濃度が最大のピーク位置までの領域において、Mg濃度が3×1018atoms/cm3以上であり、Mg濃度の最大値と最小値との差が1.5×1018atoms/cm3以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体多層膜反射鏡を用いた垂直共振器型発光素子、特に垂直共振器型面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser;VCSEL)などの垂直共振器型半導体発光素子に関する。また、当該垂直共振器型発光素子の製造方法に関する。
活性層の上下に分布ブラッグ反射鏡(Distributed Bragg Reflector;DBR)を配置した垂直共振器型発光素子が知られている。また、半導体発光素子において、電子キャリアのオーバーフローを防止するために、活性層よりもバンドギャップエネルギーの高い電子ブロック層を設けることが知られている。
例えば、特許文献1には、GaN系半導体から構成される、活性層とp型半導体のメサ状構造体との間に、電子ブロック層としてAlGaN層を有する垂直共振器型発光素子が開示されている。また、特許文献1において、電子ブロック層のAl組成を増大させてバンドギャップエネルギーを増大させることが開示されている。
特許第6966843号
例えば、上記のような垂直共振器型発光素子において、電子ブロック層としてのp型AlGaN層中のp型ドーパント濃度を高くすると、正孔キャリア濃度が高まりキャリアの注入効率が高くなる効果が得られる。しかし、当該p型ドーパント濃度を高くし過ぎると、p型ドーパントの活性層への拡散や、p型ドーパント濃度が高いことに起因する欠陥が活性層に拡がることによる素子寿命の低下が生じ易くなるという問題があった。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、高いキャリアの注入効率を確保しつつ素子の寿命の低下を抑制することができ、長寿命かつ高効率な垂直共振器型発光素子及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明による垂直共振器型発光素子は、基板と、前記基板上に、屈折率が互いに異なる2つの半導体層が交互に複数回繰り返し積層された半導体多層膜である第1の多層膜反射鏡と、前記第1の多層膜反射鏡上に形成され、n型のドーパントを含む窒化物半導体からなるn型窒化物半導体層と、前記n型窒化物半導体層上に形成された活性層と、前記活性層上に形成され、p型のドーパントとしてMgを含み、Al組成の異なる3つ以上のAlGaN層が積層された構成を有するp型AlGaN層と、前記p型AlGaN層上に形成され、p型のドーパントを含む窒化物半導体からなる半導体層であるp型窒化物半導体層と、前記p型窒化物半導体層上に形成され、前記第1の多層膜反射鏡に対向する位置に設けられた第2の多層膜反射鏡と、を含み、前記p型AlGaN層の二次イオン質量分析法(SIMS)による分析によって、前記p型AlGaN層中のAl組成の層厚方向における変化を示すAl組成曲線及び前記p型AlGaN層中のMg濃度の層厚方向の変化を示すMg濃度曲線のうち、前記Al組成曲線のピーク値の50%における幅の範囲を前記p型AlGaN層と規定し、前記p型AlGaN層をその層厚方向に、前記活性層側から前記p型AlGaN層の1/10の層厚を有する第1領域、前記p型AlGaN層の2/5の層厚を有する第2領域及び前記p型AlGaN層の1/2の層厚を有する第3領域、に順に区分したとき、前記Al組成曲線によって示されるAl組成の各領域間の大小関係は、前記第1領域<前記第3領域<前記第2領域であり、前記Mg濃度曲線によって示されるMg濃度は前記p型AlGaN層の層厚の全体に亘って1.2×1019atoms/cm未満であり、かつ、前記Mg濃度は前記第1乃至第3領域のうち前記第1領域において最も小さく、前記第2領域内のMg濃度のピーク位置のうち濃度が最大であるピーク位置から前記第3領域内のMg濃度のピーク位置のうち濃度が最大であるピーク位置までの領域を第4領域とし、前記第4領域において、前記Mg濃度が、3×1018atoms/cm以上であり、且つ、前記第4領域における前記Mg濃度の最大値と最小値との差が1.5×1018atoms/cm以下であることを特徴とする。
また、本発明による垂直共振器型発光素子は、基板と、前記基板上に、屈折率が互いに異なる2つの半導体層が交互に複数回繰り返し積層された半導体多層膜である第1の多層膜反射鏡と、前記第1の多層膜反射鏡上に形成され、n型のドーパントを含む窒化物半導体からなるn型窒化物半導体層と、前記n型窒化物半導体層上に形成された活性層と、前記活性層上に形成され、p型のドーパントとしてMgを含み、Al組成の異なる3つ以上のAlGaN層が積層された構成を有するp型AlGaN層と、前記p型AlGaN層上に形成され、p型のドーパントを含む窒化物半導体からなる半導体層であるp型窒化物半導体層と、前記p型窒化物半導体層上に形成され、前記第1の多層膜反射鏡に対向する位置に設けられた第2の多層膜反射鏡と、を含み、前記p型AlGaN層の二次イオン質量分析法(SIMS)による分析によって、前記p型AlGaN層中のAl組成の層厚方向における変化を示すAl組成曲線及び前記p型AlGaN層中のMg濃度の層厚方向の変化を示すMg濃度曲線のうち、前記Al組成曲線のピーク値の50%における幅の範囲を前記p型AlGaN層と規定し、前記p型AlGaN層をその層厚方向に、前記活性層側から前記p型AlGaN層の1/10の層厚を有する第1領域、前記p型AlGaN層の2/5の層厚を有する第2領域及び前記p型AlGaN層の1/2の層厚を有する第3領域、に順に区分したとき、前記Al組成曲線によって示されるAl組成の各領域間の大小関係は、前記第1領域<前記第3領域<前記第2領域であり、前記Mg濃度曲線によって示されるMg濃度は前記p型AlGaN層の層厚の全体に亘って1.2×1019atoms/cm未満であり、かつ、前記Mg濃度は前記第1乃至第3領域のうち前記第1領域において最も小さく、前記第2領域内のMg濃度のピーク位置のうち濃度が最大であるピーク位置から前記第3領域内のMg濃度のピーク位置のうち濃度が最大であるピーク位置までの領域を第4領域とし、前記第4領域において、前記Mg濃度が、3×1018atoms/cm以上8×1018atoms/cm未満であることを特徴とする。
本発明による垂直共振器型発光素子の製造方法は、有機金属気相成長法(MOCVD)により、基板上に、屈折率が互いに異なる2つの半導体層を交互に成長させて第1の多層膜反射鏡を形成するステップと、n型ドーパントの材料ガスを供給しつつ前記第1の多層膜反射鏡上にn型窒化物半導体層を成長させるn型窒化物半導体層成長ステップと、前記n型窒化物半導体層上に活性層を形成するステップと、p型ドーパントとしてMgの材料ガスを供給しつつ前記活性層上に、p型の導電型を有するAlGaN層であるp型AlGaN層を成長させるp型AlGaN層成長ステップと、前記p型AlGaN層上にp型窒化物半導体層を成長させるp型窒化物半導体層成長ステップと、前記p型窒化物半導体層上に前記第1の多層膜反射鏡に対向する第2の多層膜反射鏡を形成するステップと、を含み、前記p型AlGaN層成長ステップは、第1の温度から第2の温度まで昇温しつつ、窒素源ガス及びGaの材料ガスを所定の供給量で供給し、Alの材料ガスを第1の供給量で供給し、前記Mgの材料ガスを第2の供給量で供給して第1のp型AlGaN層を成長する第1の成長ステップと、前記第1の成長ステップの後、前記第1の成長ステップにおける前記窒素源ガス、前記Gaの材料ガス及び前記Alの材料ガスの供給量を維持しつつ、前記Mgの材料ガスの供給量を前記第2の供給量のまま第1の成長時間維持する維持ステップと、その後、前記Mgの材料ガスの供給量を前記第2の供給量よりも低い第3の供給量に変更して第2の成長時間維持するMg低供給ステップとによって第2のp型AlGaN層を成長する第2の成長ステップと、前記第2の成長ステップの後、前記Alの材料ガスを前記第1の供給量よりも低い第4の供給量で供給し、かつ、前記Mgの材料ガスを前記第2の供給量よりも低い第5の供給量で供給しつつ第3のp型AlGaN層を成長する第3の成長ステップと、を含むことを特徴とする。
実施例に係る面発光レーザの構成を示す斜視図である。 実施例に係る面発光レーザの構成を示す上面図である。 実施例に係る面発光レーザの構成を示す断面図である。 実施例に係る面発光レーザのp型AlGaN層のSIMS分析結果を示す図である。 実施例に係る面発光レーザの製造工程の概要を示すフローチャートである。 実施例に係る面発光レーザのp型AlGaN層の成長シーケンスを模式的に示す図である。 比較例1の面発光レーザのp型AlGaN層のSIMS分析結果を示す図である。 比較例2の面発光レーザのp型AlGaN層のSIMS分析結果を示す図である。
以下においては、本発明の好適な実施例について説明するが、これらを適宜改変し、組合せてもよい。また、以下の説明及び添付図面において、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符を付して説明する。
添付図面を参照しつつ、本発明の実施例に係る垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser、以下、単に面発光レーザとも称する)10の構成について説明する。実施例の面発光レーザ10は、窒化物系半導体層によって構成されている。
図1は、面発光レーザ10の構成の概要を示す斜視図である。基板11は、面発光レーザ10を構成する窒化物半導体層の成長用基板である。基板11は、例えば、矩形の上面形状を有している。本実施例において、基板11は、GaN基板である。基板11の上面、すなわち窒化物半導体層が成長される面は、C面又はC面から1°以内にオフした面であることが好ましい。なお、基板11として、GaN基板の他に、サファイア基板、AlN基板等の基板を用いることができる。
下地層13は、基板11上に形成されている。下地層13は、アンドープGaN層である。下地層13は、下地層13上に成長される窒化物半導体層の結晶性を高めるためのバッファ層として機能する。
第1の多層膜反射鏡15は、下地層13上に形成されている。第1の多層膜反射鏡15は、AlInNの組成を有する低屈折率半導体膜と、GaN組成を有し低屈折率半導体膜よりも屈折率が高い高屈折率半導体膜とが交互に積層された半導体多層膜反射鏡である。第1の多層膜反射鏡15は、窒化物半導体材料からなる分布ブラッグ反射器(DBR:Distributed Bragg Reflector)である。言い換えれば、第1の多層膜反射鏡15は、窒化物半導体多層膜反射鏡である。
n型半導体層17は、第1の多層膜反射鏡15上に形成されたn型GaN層である。n型半導体層17には、n型不純物としてSiがドープされている。
n型半導体層17は、角柱状の下部17Aと、下部17A上に配された円柱状の上部17Bとを有する。言い換えれば、n型半導体層17は、角柱状の下部17Aの上面から突出した円柱状の上部17Bを有している。言い換えれば、n型半導体層17は、上部17Bを含むメサ形状の構造を有する。n型半導体層17は、下部17Aの上面が部分的に露出した露出部17Eを有している。
活性層19は、n型半導体層17の上部17B上に形成されている。活性層19は、例えば多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造をなす複数の半導体層からなる発光構造層である。具体的には、活性層19は、InGaN組成を有する井戸層及びGaN組成を有する障壁層を含む量子井戸構造を有する層である。面発光レーザ10に電流が注入されると、活性層19において光が発生する。
中間層21は、活性層19上に形成されたアンドープのGaN層である。中間層21は、中間層21上に形成されるp型半導体層23から活性層19に不純物が拡散することを防止すべく、活性層19と、中間層21上に形成されるp型半導体層23との間の距離を離す緩衝層の機能を有する。
p型半導体層23は、上述のように中間層21上に形成され、p型不純物がドープされた複数の半導体層を含む層である。p型半導体層23には、p型不純物として、Mgがドープされている。
n電極25は、n型半導体層17の露出部17E上に設けられた金属電極である。n電極25は、n型半導体層17に電気的に接続されている。例えば、n電極25は、n型半導体層17の上部17Bを囲むように環状に形成されている。n電極25の形状はこれに限られず、例えば露出部17Eの全面に層状に形成された電極層であってもよい。
絶縁層27は、p型半導体層23上に形成されている絶縁体又はp型半導体層23よりも導電性の低い材料からなる層である。絶縁層27は、例えばSiO等のp型半導体層23を構成する材料よりも低い屈折率を有する物質によって構成されている。絶縁層27は、p型半導体層23上に環状に形成されており、中央部分にp型半導体層23を露出する開口部(図示せず)を有している。
透光性電極29は、絶縁層27上に形成されている。また、透光性電極29は、絶縁層27の開口部を介してp型半導体層23上に形成されており、p型半導体層23に電気的に接続されている。透光性電極29は、例えば、ITO又はIZO等の活性層19からの出射光に対して透光性を有する金属酸化物によって形成されている。
第2の多層膜反射鏡31は、絶縁層27の開口部上の透光性電極29上に設けられた誘電体多層膜である。第2の多層膜反射鏡31は、例えば酸化ニオブ(Nb)と酸化ケイ素(SiO)等の、屈折率の異なる2種の誘電体膜が交互に積層されてなる誘電体多層膜ミラーである。
p電極33は、透光性電極29上に設けられた金属電極である。p電極33は、透光性電極29に電気的に接続されている。p電極33は、第2の多層膜反射鏡31を囲むように環状に形成されている。
図2は、面発光レーザ10の上面図である。上述したように、面発光レーザ10は、矩形の上面形状を有する基板11上に形成され、メサ形状の構造を有するn型半導体層17を有している。
n型半導体層17のメサ形状の部分から露出している露出部17E上に、当該メサ形状の部分を囲むように環状のn電極25が形成されている。
また、上述したように、面発光レーザ10は、n型半導体層17のメサ形状の部分である上部17B上に順に形成されて円形の上面形状を有する活性層19、中間層21、p型半導体層23、及び環状の絶縁層27(図2では図示せず)を有している。絶縁層27は、開口部OPを有している。
透光性電極29は、絶縁層27の開口部OPを覆うように、絶縁層27上に形成されている。透光性電極29上の透光性電極29の中心CAを含む領域に、第2の多層膜反射鏡31が設けられている。
第2の多層膜反射鏡31は、上面視において開口部OPを覆うように形成されている。なお、第2の多層膜反射鏡31は、上面視において開口部OPと重なるように形成されていてもよい。また、透光性電極29の外周部に環状のp電極33が設けられている。
図3は、面発光レーザ10の図2の3-3線に沿った断面図である。上述したように、p型半導体層23は、p型不純物を含む複数の半導体層を含んで構成されている。以下、図3を参照しつつ、p型半導体層23及びその上層側の構成について説明する。
p型AlGaN層35は、中間層21上に形成されており、p型不純物としてMgがドープされているp型AlGaN層である。p型AlGaN層35は、電子ブロック層として機能する。
p型窒化物半導体層37は、p型AlGaN層35上に形成され、p型不純物がドープされた窒化物半導体層である。p型窒化物半導体層37は、例えば、p型不純物としてMgがドープされたGaN層である。
面発光レーザ10において、p型窒化物半導体層37、n型半導体層17及び活性層19によるダブルヘテロ構造が形成されている。このような構造により、面発光レーザ10に順方向に電圧が印加されると、n型半導体層17から活性層19に電子が注入され、p型窒化物半導体層37から活性層19に正孔が注入される。活性層19内では、電子と正孔が再結合して光を発生する。
面発光レーザ10において、効率の良い発光を実現するためには、電子キャリアと正孔キャリアを効率良く活性層19に注入して活性層19に留まらせること、それによってレーザ発振に必要な単位面積当たりの電流である閾値電流密度を低く抑えることが重要である。n型半導体層17から注入された電子キャリアが活性層19を通過してp型窒化物半導体層37側へ移動する電子キャリアのオーバーフローが起こると、閾値電流密度が上昇し、電流の利用効率が低下する。それに加えて、発光に寄与しないキャリアによって放出される熱の影響等によって素子が劣化するので、素子寿命が低下する。
p型窒化物半導体層37と活性層19との間に設けられたp型AlGaN層35は、Alを組成に含むことでGaNからなるp型窒化物半導体層37よりもバンドギャップエネルギーが高く、それによって電子キャリアのオーバーフローを抑制する電子ブロック層として機能する。
電子ブロック層としてのp型AlGaN層35にMgをドープすることによって、p型AlGaN層35の正孔キャリア濃度が高まりかつフェルミ準位が下がる。これにより、キャリアオーバーフローを抑制してキャリアの注入効率を高めることができ、面発光レーザ10の閾値電流密度の上昇を抑制することができる。
一方、p型AlGaN層35中のMg濃度を高くし過ぎると、Mgが活性層まで拡散することや、Mgに起因する欠陥が活性層まで拡がることによって、素子寿命が低下する場合がある。
本願の発明者らは、上記のようなp型AlGaN層35中のMgに起因する素子寿命の低下を抑制しつつ、キャリアの注入効率を高くするためには、p型AlGaN層35中のMgの層厚方向における濃度分布をAl組成とともに精密に制御することが重要であることを見出した。
そこで、本発明においては、p型AlGaN層35は、互いにMg濃度の分布とAl組成の分布が異なる3層のp型AlGaN層によって構成されている。図3において、p型AlGaN層35を構成する3層について、第1のp型AlGaN層39、第2のp型AlGaN層41、及び第3のp型AlGaN層43として示している。
最も活性層19に近い第1のp型AlGaN層39においては、Mg濃度が高くなり過ぎないように制御している。第1のp型AlGaN層39に隣接する第2のp型AlGaN層41及び最も活性層から遠い第3のp型AlGaN層43においては、キャリアの注入効率を高めるために適したMg濃度及びMg濃度分布となるように、Mg濃度及びAl組成を制御している。
なお、上記したように、活性層19とp型半導体層23との間に、中間層21が設けられている。中間層21は、p型半導体層23と、活性層19との間の距離を長くし、p型不純物が活性層19に拡散することやp型不純物に起因する欠陥の影響が及ぶことを抑制する機能を有する。例えば、中間層21は、30~145nmの層厚で形成されている。なお、例えば、面発光レーザ10において、中間層21を設けない構成としてもよい。
p型コンタクト層45は、p型窒化物半導体層37上に形成され、p型窒化物半導体層37よりも高濃度でp型不純物がドープされた窒化物半導体層である。p型コンタクト層45は、例えば、p型不純物としてMgがp型窒化物半導体層37よりも高濃度でドープされたGaN層である。
このように、p型半導体層23は、p型AlGaN層35、p型窒化物半導体層37、及びp型コンタクト層45がこの順に積層されて構成されている。
絶縁層27は、p型コンタクト層45上に形成されている。上述したように、透光性電極29は、絶縁層27上に絶縁層27の開口部OPを覆うように形成されており、透光性電極29は、開口部OPを介してp型コンタクト層45に接している。
p電極33は、透光性電極29と電気的に接触している。従って、p電極33は、透光性電極29を介してp型半導体層23と電気的に接続されている。
面発光レーザ10において、p型半導体層23には、絶縁層27の開口部OPによって露出している部分のみから、電流が注入される。従って、開口部OPは、活性層19への電流の供給範囲を制限する電流狭窄構造となっている。
面発光レーザ10において、第1の多層膜反射鏡15と第2の多層膜反射鏡31とが対向して配置されている。第1の多層膜反射鏡15は、第2の多層膜反射鏡31よりもわずかに低い反射率を有する。従って、活性層19から出射し、第1の多層膜反射鏡15と第2の多層膜反射鏡31との間で共振した光は、その一部が第1の多層膜反射鏡15及び基板11を透過し、外部に取り出される。
図4を参照しつつ、p型AlGaN層35中のAl組成及びMg濃度について説明する。上述したように、p型AlGaN層35の電子ブロック層としての機能を高めるためには、p型AlGaN層35中のMgの層厚方向における濃度分布をAl組成とともに精密に制御することが重要であるが、層厚方向におけるAl組成及びMg濃度の分布は、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)分析によってのみ評価が可能である。
しかし、Al組成及びMg濃度の層厚方向のSIMS分析結果は、設計値と一致しない。これは、SIMS分析の性質に加えて、本発明のp型AlGaN層35は、層厚が7~15nm程度と非常に薄いことにより、設計上p型AlGaN層35を構成する3つの層を明瞭に区別することができないからである。
具体的には、SIMS分析では、試料表面に一次イオンを衝突させ、スパッタリングによって放出される二次イオンを検出することで、当該試料中の元素の深さ方向の濃度分布が得られる。
深さ方向の分析を進める際に、試料表面に照射された一次イオンが試料を構成する原子を混合することで本来の分布を乱していくイオンビームミキシングが生じる。それによって、検出される元素の試料中の濃度は、混ぜ合わされた深さまでの平均化した情報となる。
また、試料表面や下層との界面などの、元々試料が有する凹凸、SIMS分析中のスパッタリングによって発生する凹凸によって、試料の深さ方向の濃度分布のゆらぎが生ずる(ラフネスの影響)。
イオンビームミキシングやラフネスの影響により、SIMS分析によって積層構造の境界を明瞭に区別することは困難である。このようなイオンビームミキシングやラフネスの影響を、測定条件の最適化等により低減したとしても、積層構造の境界を明瞭に区別することは困難であり、本発明のように7nm~15nm程度の薄膜ではさらに困難である。
そこで、本発明においては、SIMS分析結果に基づいて、p型AlGaN層35の層厚方向におけるAl組成及びMg濃度の変化を制御し、高効率かつ長寿命の面発光レーザ10を得るために適したSIMSプロファイルを見出した。
図4は、実施例に係る面発光レーザ10のp型AlGaN層35のSIMS分析結果を示す図である。図4は、p型AlGaN層35の上層であるp型窒化物半導体層37から、p型AlGaN層35の下層である中間層21に向かって(すなわち、表面側から活性層側(基板11側)に向かって)、深さ方向、すなわち層厚方向のAl組成及びMg濃度のプロファイルを示している。
図4において、横軸は、表面側から活性層側に向かっての層厚すなわち深さ(nm)、主軸はMg濃度、第2軸はAl組成を示している。図4において、Al組成の深さ方向の変化を示すAl組成曲線を破線で示している。また、図4において、Mg濃度の深さ方向の変化を示すMg濃度曲線を実線で示している。
図4に示すAl組成曲線について、Al組成のピーク値、すなわち最大値の50%における幅である半値幅の範囲を、p型AlGaN層35と規定する。また、本実施例において、Al組成曲線上において規定したp型AlGaN層を層厚方向に3つの領域に区分する。具体的には、p型AlGaN層35を、その層厚方向に、活性層側から表面側に向かって、10分の1(10%)の層厚を有する領域を第1領域AR1、5分の2(40%)の層厚を有する領域を第2領域AR2、2分の1(50%)の層厚を有する領域を第3領域AR3として順に区分して、Al組成及びMg濃度について説明する。
従って、図4に示すグラフにおいて層厚を示す横軸に着目すると、上述した半値幅はp型AlGaN層35の全層厚に相当し、当該横軸上において第1領域AR1はp型AlGaN層35の10分の1の層厚部分に相当し、第2領域AR2は5分の2の層厚部分に相当し、第3領域AR3は2分の1の層厚部分に相当する。
[Mg濃度曲線]
Mg濃度曲線によって示されるMg濃度及びMg濃度の層厚方向のプロファイル制御について説明する。
[p型AlGaN層全体のMg濃度]
まず、p型AlGaN層全体のMg濃度制御について説明する。p型AlGaN層35中のMgのピーク濃度が高くなると、Mgが多く存在することによってキャリアの注入効率が向上する一方で、Mgが活性層に拡散しやすくなり、また、Mgに起因する欠陥が活性層まで拡がりやすくなるため、素子寿命が低下し易くなる。
発明者らは、p型AlGaN層35中のMgのピーク濃度を1.2×1019atoms/cm未満、より好ましくは1×1019atoms/cm未満とすることで、上記のような高濃度のMgの拡散又はMgに起因する欠陥の活性層への拡がりによる素子寿命の低下を抑制することができ、面発光レーザ10の寿命が従来よりも大きく向上することを見出した。特に、p型AlGaN層35中のMgのピーク濃度を1×1019atoms/cm未満とすることで、高濃度のMgをドープしたことに起因する欠陥が活性層にまで拡がって素子寿命を低下させることを顕著に抑制することができる。
図4に示す例においては、Mg濃度曲線によって示されるMg濃度の最大値は約6.9×1018atoms/cmであり、p型AlGaN層35の層厚の全体に亘って1×1019atoms/cm未満となるように制御されている。Mg濃度を1×1019atoms/cm未満とすることで、Mgの活性層への拡散及びMgに起因する欠陥の活性層への拡がりを防止している。これによって、高濃度のMgに起因する素子寿命の低下を防止している。
続いて、第1領域~第3領域の各領域におけるMg濃度制御について説明する。
[第1領域のMg濃度]
p型AlGaN層35の層厚方向の領域のうち、活性層19までの距離が近い領域ほど、Mgが活性層19に拡散しやすくなり、また、Mgに起因する欠陥が活性層まで拡がりやすくなる。これらのことを考慮すると、最も活性層19に近い第1領域AR1のMg濃度が最も低いことが好ましい。具体的には、第1領域のMg濃度としては、2×1018atoms/cm未満とすることが好ましい。活性層に最も近い第1領域のMg濃度を2×1018atoms/cm未満にすることで、活性層へのMgの拡散やMgに起因する欠陥の拡がりを防止する効果が高まるので素子寿命が向上する。
図4に示すように、本実施例においては、Mg濃度曲線によって示されるMg濃度の各領域内の平均値を各領域間で比較すると、第1領域AR1が最も小さくなっている。このように、最も活性層19に近い第1領域AR1のMg濃度を最も低くすることで、Mgの活性層への拡散及びMgに起因する欠陥の活性層への拡がりを防止し、高濃度のMgに起因する素子寿命の低下を防止している。
[第2領域及び第3領域のMg濃度]
発明者らは、第2領域のAl組成を最も高くし、かつ、第2領域及び第3領域のMg濃度プロファイルを適切に制御すると、Mg濃度を抑制しつつもキャリアオーバーフロー抑制効果が十分に得られ、それによって閾値電流密度が小さくなり、素子寿命が向上することを見出した。
具体的には、第2領域から第3領域にかけて、Mg濃度曲線が示すMg濃度が、適切な濃度でほぼ一定であり、略平坦なプロファイルとなっている領域(以下、単に平坦な領域とも称する)ができるように制御すると、Mg濃度を抑制しつつもキャリアオーバーフロー抑制効果が十分に得られ、それによって閾値電流密度が小さくなり、素子寿命が向上することが見出せた。
当該平坦な領域における適切なMg濃度とは、Mgに起因して素子寿命の低下を抑制する濃度である。具体的には、平坦な領域におけるMg濃度は、1.2×1019atoms/cm未満であり、より好ましくは、1×1019atoms/cm未満であり、さらに好ましくは8×1018atoms/cm未満である。
また、当該平坦な領域における適切なMg濃度とは、キャリアオーバーフロー抑制効果が十分に得られる濃度である。具体的には、平坦な領域におけるMg濃度は、3×1018atoms/cm以上とすることが好ましい。
従って、上記の平坦な領域において、Mg濃度曲線が示すMg濃度は、3×1018atoms/cm以上かつ1.2×1019atoms/cm未満であることが好ましく、1.0×1019atoms/cm未満であることがさらに好ましい。さらに、平坦な領域において、Mg濃度は、3×1018atoms/cm以上かつ8×1018atoms/cm未満であることが好ましい。
さらに、キャリアオーバーフロー抑制効果を十分に得る観点から、平坦な領域のMg濃度は、3×1018atoms/cm以上かつ8×1018atoms/cm未満の範囲で高い程好ましい。
上記のような、第2領域から第3領域にかけてMg濃度が適切な濃度でありかつ平坦なプロファイルになっている領域を有するものとは、一例として、Mg濃度曲線が、第2領域から第3領域にかけて、Mg濃度が、3×1018atoms/cm以上8×1018atoms/cm未満である領域を有するものであるといえる。
また、第2領域から第3領域にかけてMg濃度が適切な濃度でありかつ平坦なプロファイルとなっている領域を有するものとは、一例として、Mg濃度曲線が、第2領域のピーク位置のうち濃度が最大のピーク位置(図中、P1)から、第3領域のピーク位置のうち濃度が最大のピーク位置(図中、P2)までの領域を第4領域AR4と定義し、第4領域AR4内のMg濃度が最小のピーク位置を図中、B1としたとき、当該第4領域AR4において、Mg濃度が、3×1018atoms/cm以上であり、且つ、第4領域AR4におけるMg濃度の最大値と最小値との差が1.5×1018atoms/cm以下であるものであるといえる。
ここでいうピーク位置とは、Mg濃度が極大値又は極小値をとる部分であり、Mg濃度曲線は、複数のピーク位置を有し得る。また、ピークP1は、第2領域のピークのうち最も第2領域と第3領域の境界に近い極大値であるピークであり、P2は第3領域のピークのうち最も第2領域と第3領域の境界に近い極大値であるピークである。また、ピークB1は、第4領域においてMg濃度が極小値をとり、かつ、Mg濃度が第4領域において最小であるピークである。
なお、上記の第4領域を規定するP1及びP2に関して、P1は第2領域において第2領域と第3領域との境界に最も近いピークでなくともよく、P2は第3領域において第2領域と第3領域との境界に最も近いピークでなくともよい。その他のピークを用いて第4領域を規定してもよい。例えば、第2領域及び第3領域の各々のピークのうち、Mg濃度が最大のピーク位置をP1及びP2としてもよい。なお、上記した例においては、第4領域におけるMg濃度の最小値がピークB1の値すなわち極小値であったが、第4領域におけるMg濃度の最小値は極小値とならない場合もあり得る。例えば、第4領域AR4におけるMg濃度の最大値と最小値との差を求める際には、極小値であるか否かにかかわらず、第4領域AR4におけるMg濃度の最小値を用いて最大値との差を求めればよい。
なお、第2領域から第3領域にかけての、平坦なプロファイルとなっている領域としては、例えば、活性層側から第2領域の半分から第3領域までの領域、言い換えれば、p型AlGaN層35の活性層側から約3nm相当の位置から10nm相当の位置までの領域であるともいえる。また、当該平坦な領域は、少なくとも第2領域と第3領域との境界を含む領域であるともいえる。
図4に示す例においては、第4領域におけるMg濃度の最大値(図中、V1)は約6.9×1018atoms/cmであり、最小値(図中、V2)は約6.4×1018atoms/cmであり、その差は約0.5×1018atoms/cmであった。ここで、V1はピークP1の値を指し、V2はピークB1の値を指す。このように、第4領域でMg濃度が狭い範囲に分布している略平坦なプロファイルが得られた。
なお、図4に示す例においては、Mg濃度曲線のp型AlGaN層35の活性層側から約3nm相当の位置から約10nm相当の位置までの領域で平坦であることによって、p型AlGaN層35のMg濃度曲線の形状が、全体として矩形に近い形状となった。
このようなp型AlGaN層35を含む面発光レーザ10の素子寿命は5400時間であった。ここで、素子寿命は、初期の光出力(100%)から、半分の光出力(50%)に達するまでの時間を指している。
[Al組成曲線]
図4に示すAl組成曲線は、第2領域AR2にピークを有している。より詳細には、Al組成曲線によって示されるAl組成の各領域内の平均値を各領域間で比較すると、第2領域AR2が最も大きく、第3領域AR3が次に大きく、第1領域AR1が最も小さくなっている(第1領域AR1<第3領域AR3<第2領域AR2)。
Mg濃度が低い領域でAl組成を大きくすると、動作電圧が高くなるので、Mg濃度が低い第1領域AR1では、Al組成も低くして、動作電圧の上昇を抑制している。
また、第2領域AR2のAl組成を最も高くすることで、障壁電位を高め、電子キャリアのオーバーフローを抑制することができる。
さらに、p型AlGaN層全体のAl組成を高くするのではなく、第2領域AR2のAl組成のみを最も高くすることで、Al組成の高い層と、隣接するGaN層との間の格子不整合によるクラックの発生も抑制することができる。
以上、説明したように、本実施例の面発光レーザ10は、基板上に積層された第1の多層膜反射鏡と、第1の多層膜反射鏡上に形成されたn型窒化物半導体層と、n型窒化物半導体層上に形成された活性層と、活性層上に形成され、p型のドーパントとしてMgを含み、Al組成の異なる3つのAlGaN層が積層された構成を有するp型AlGaN層と、p型AlGaN層上に形成されたp型窒化物半導体層と、p型半導体層上に形成され、第1の多層膜反射鏡に対向する位置に設けられた第2の多層膜反射鏡と、を含んで構成されている。
上記説明したように、本願発明の面発光レーザにおけるp型AlGaN層は、Al組成曲線によって示されるAl組成の上記説明した各領域間の大小関係が、第1領域<第3領域<第2領域であり、Mg濃度曲線によって示されるMg濃度がp型AlGaN層の層厚の全体に亘って1.2×1019atoms/cm未満であり、かつ、Mg濃度が第1乃至第3領域のうち第1領域において最も小さく、第2領域内のMg濃度のピーク位置のうち濃度が最大であるピーク位置から第3領域内のMg濃度のピーク位置のうち濃度が最大であるピーク位置までの領域を第4領域とし、第4領域において、Mg濃度が3×1018atoms/cm以上であり、且つ、第4領域におけるMg濃度の最大値と最小値との差が1.5×1018atoms/cm以下であるという特徴を有している。
異なった観点から見れば、本願発明の面発光レーザにおけるp型AlGaN層は、Al組成曲線によって示されるAl組成の各領域間の大小関係が、第1領域<第3領域<第2領域であり、Mg濃度曲線によって示されるMg濃度は前記p型AlGaN層の層厚の全体に亘って1.2×1019atoms/cm未満であり、かつ、前記Mg濃度は前記第1乃至第3領域のうち前記第1領域において最も小さく、第2領域から第3領域にかけて、前記Mg濃度が、3×1018atoms/cm以上8×1018atoms/cm未満である領域を有するという特徴を有している。
上記のような構成により、本願発明の面発光レーザにおけるp型AlGaN層は、層厚方向における適切な領域に適切な量のMgが含有されている。具体的には、本実施例のp型AlGaN層は、SIMSプロファイルにおいて、活性層に近い第1領域においては最も低いMg濃度を示し、第2領域から第3領域にかけての領域、例えば上記の第4領域においては3×1018atoms/cm以上の必要十分な量のMg濃度を示す。それによって、p型AlGaN層における充分な正孔キャリア濃度を確保しつつも、過剰なMgに起因する素子寿命の低下を抑制することができる。
従って、本実施例の面発光レーザ10によれば、高いキャリアの注入効率を確保しつつ素子の寿命の低下を抑制することができ、長寿命かつ高効率な垂直共振器型発光素子を提供することができる。
図5及び図6を参照しつつ、面発光レーザ10の製造方法の一例について説明する。図5は、面発光レーザ10の製造工程の概要を示すフローチャートである。各半導体層の形成は、有機金属気相成長法(MOCVD:metal organic chemical vapor deposition)によって行った。
まず、基板11上に、下地層13を形成し、下地層13上に、第1の多層膜反射鏡15を形成した(ステップS11)。
成長基板である基板11にはC面GaN基板を用いた。なお、図示しないが、半導体層の成長装置において、基板11はサセプタ上に配置されている。そして、サセプタの下に熱電対が配置されており、その熱電対の温度を本願明細書における「基板温度」としている。また、本明細書において、「成長温度」とは、基板温度を指す。
ステップS11において、まず、基板11の温度を1200℃まで上昇させ、水素キャリアガス(雰囲気ガス)内で、トリメチルガリウム(以下、TMGと称する)、アンモニア(NH)ガスを供給してアンドープGaNからなる下地層13を100nm成長した。なお、ホモエピタキシャル成長の場合、必ずしも下地層13を積層する必要はなく任意である。
続いて第1の多層膜反射鏡15の形成を行った。下地層13上にInAlN/GaNの積層体からなる半導体DBR(Distributed Bragg reflectors:分布ブラッグ反射器)を成長した。
まず、下地層13上にInAlN層を成長した。基板温度を950℃、キャリアガスを窒素(N)ガスとし、インジウムの材料ガスであるトリメチルインジウム(以下、TMIと称する)、アルミニウムの材料ガスであるトリメチルアルミニウム(以下、TMAと称する)及びアンモニアガスを供給し、InAlN層を成長した。
続いて、InAlN層上にGaN層を成長した。基板温度を1100℃まで上昇させ、キャリアガスを水素ガスに変更し、ガリウムの材料ガスであるトリメチルガリウム(以下、TMGと称する)とアンモニアガスを供給し、InAlN層上にGaN層を形成した。
その後、上記のInAlN層を成長する工程及びGaN層を成長する工程をさらに40回繰り返し、InAlN層とGaN層とのペアを合計で41ペア積層した。AlInN及びGaNは、基板11の結晶面の(0001)面上に層状に形成され、各々の層厚が所望の波長に対する光学的層厚の1/4になるように形成した。
その後、第1の多層膜反射鏡15上にn型半導体層17を形成した(ステップS12)。ステップS12において、基板温度1200℃、キャリアガスを水素ガスとして、ガリウムの材料ガスとしてのTMG、窒素源ガスとしてのアンモニアガス及びn型ドーパントの材料ガスでありシリコン含有ガスとしてのジシラン(Si)を供給し、第1の多層膜反射鏡15上に、Siを3×1018atoms/cmドープしたn型GaN層を1500nm形成した。
n型半導体層17の形成後、n型半導体層17上に、活性層19を積層した(ステップS13)。ステップS13において、n型半導体層17上に、多重量子井戸層(以下、MQW:Multi Quantum Well)を形成した。障壁層及び井戸層はInAlGa1-x-yNからなる。本実施例では、井戸層として3nmのノンドープInGaN(y=0)、障壁層として4nmのノンドープGaN(x=y=0)、を5回繰り返して積層し、5ペアから成るMQWを形成した。ここで、Inの組成比xは、発振波長によって適宜調整することができる。
活性層19の形成後、活性層19上にp型半導体層23を形成した(ステップS14)。なお、ステップ14において、活性層19上に、中間層21として130nmの層厚でGaN層を形成し、中間層21上にp型半導体層23を形成した。
ステップS14において、p型半導体層23として、p型AlGaN層35、p型窒化物半導体層37及びp型コンタクト層45をこの順に形成した。ここで、図6を参照し、p型AlGaN層35の成長方法について詳細に説明する。
図6は、面発光レーザ10のp型AlGaN層35の成長シーケンス(p型AlGaN層成長ステップ)を模式的に示す図である。図6において、横軸は時間Tを示している。また、図6中の縦軸は基板温度Tsを示している。図6中、基板温度Tsの経時変化とともに、供給ガス種毎に、供給されているか否かを表すON状態又はOFF状態が示されている。また、供給ガス種のうち、Alの材料ガス(TMA)及びMgの材料ガス(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(以下、Cp2Mg))については、ON状態のうち、大きい供給量で供給されている場合についてON(High)、小さい供給量で供給されている場合についてON(Low)と示している。
図6に示すように、第1~第3の成長ステップ(図中、STEP1~3)の3つのステップによってp型AlGaN層35を成長した。p型AlGaN層35の層厚の設計値は10nmである。
まず、第1の成長ステップ(図中、STEP1)では、基板温度をTP1(950℃、第1の温度)からTP2(1000℃、第2の温度)まで30秒かけて(T1~T2)上昇させつつ、キャリアガスを窒素ガス及びアンモニアガスとして、Alの材料ガスであるTMAを9.4sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute)(第1の供給量、図中、ON(high))、Gaの材料ガスであるTMGを1.6sccmで供給し、さらにMgの材料ガス(Cp2Mg)を37.2sccm(第2の供給量、図中、ON(high))で供給して第1のp型AlGaN層39を成長した。なお、アンモニアガスは、p型AlGaN層35の窒素源となる。第1のp型AlGaN層の層厚の設計値は、0.8nmである。また、第1のp型AlGaN層のAl組成の設計値は、25%である。
第2の成長ステップ(図中、STEP2)では、ステップ2-1及びステップ2-2の2つのステップに分けて、第2のp型AlGaN層41を成長した。第2のp型AlGaN層の層厚の設計値は、5.2nmである。また、第2のp型AlGaN層41のAl組成の設計値は、42%である。なお、ステップ2-1は、1000℃に達した時点(T2)から開始するものと規定する。
維持ステップとしてのステップ2-1において、基板温度をTP2(1000℃)に維持し、TMA、TMG、アンモニアガス、窒素ガス及びCp2Mgを、第1の成長ステップにおける供給量を維持して継続して供給し、第2のp型AlGaN層を設計値で2.6nm成長した(T2~T3(第1の成長時間)118秒)。第2の成長ステップにおいて、TMAは第1の供給量、Cp2Mgは第2の供給量を維持して供給した。
続いて、時間T3になると、ステップ2-2を開始した。Mg低供給ステップとしてのステップ2-2において、基板温度をTP2に維持し、TMA、TMG、アンモニアガス及び窒素ガスについてはステップ2-1の供給量を維持しつつ、Cp2Mgを第2の供給量よりも小さい2.5sccm(第3の供給量、図中、ON(Low))で供給して第2のp型AlGaN層を設計値で2.6nm成長した(T3~T4(第2の成長時間)118秒)。
つまり、第2の成長ステップは、Mgの材料ガスの供給量を途中で変更するステップであり、具体的には、ステップ2-1とステップ2-2との間でMgの材料ガスの供給量を下げるステップである。本実施例においては、ステップ2-2の最初にMgの材料ガスであるCp2Mgの供給量を37.2sccmから2.5sccmに変更した。
Cp2Mgの供給量はこれに限られないが、ステップ2-2における供給量をステップ2-1における供給量の10分の1以下とすることが好ましい。
時間T4になると、第3の成長ステップ(図中、STEP3)を開始した。第3の成長ステップでは、基板温度をTP2に維持し、TMG、窒素ガス及びアンモニアガスの供給量を維持しつつ、TMAを第1の供給量よりも小さい4.9sccm(第4の供給量、図中、ON(Low))、Cp2Mgを第2の供給量よりも小さい2.5sccm(第5の供給量、図中、ON(Low))で供給して第3のp型AlGaN層43を成長した(T4~T5、194秒)。第3のp型AlGaN層の層厚の設計値は、4nmである。また、第3のp型AlGaN層43のAl組成の設計値は、28%である。
本実施例においては、第3の成長ステップにおけるMgの材料ガス(Cp2Mg)の供給量を第2の成長ステップのステップ2-2における供給量(第3の供給量)と同じ2.5sccmとしたが、これに限られない。第3の成長ステップにおけるMgの材料ガスの供給量は、ステップ2-1の供給量(第2の供給量)よりも小さければよく、10分の1以下であることが好ましい。
以上のようにして、設計値10nmのp型AlGaN層35を形成した。上記したように、p型AlGaN層35の形成過程において、Mgの材料ガスの供給量は、第1の成長ステップ(設計値0.8nm)及び第2の成長ステップのステップ2-1(設計値2.6nm)の後、すなわち、設計値で3.4nmまで成長後、それまでの供給量の十分の1以下まで低くなり、その後はp型AlGaN層35の成長終了まで低いままである。
しかし、図4に示したMg濃度曲線のp型AlGaN層の領域では、第1領域から第3領域にかけて、すなわち成長方向において、大きく低下する傾向はみられず、Mgの材料ガスの供給シーケンスに対応していない。
これは、Mgのメモリー効果によるものである。MOCVD法では、Mgドーパントの固相熱拡散やチャンバ内等に残存するMg原料が意図せず膜中に混入するメモリー効果と呼ばれる現象が起こることが知られている。
例えば第3の成長ステップにおいて形成された膜中のMg量は、第3の成長ステップにおいて供給されるCp2Mgの供給量に応じた量よりも多くなる。これは、メモリー効果により、第2の成長ステップまでに形成された下層から熱拡散してくるMgや、チャンバ内に残存していたMgが膜中に混入したものが加わった量になるからであると考えられる。
上記の成長シーケンスは、このようなMgの特性を考慮して、所望のSIMSプロファイルが得られるようにMgの原料ガスの供給量を調整したものである。具体的には、第2の成長ステップのステップ2-2におけるCp2Mgの供給量(第3の供給量)及び第3の成長ステップにおけるCp2Mgの供給量(第5の供給量)を第2の成長ステップのステップ2-1におけるCp2Mgの供給量(第2の供給量)の10分の1以下にすることで、メモリー効果によってMg濃度が高くなりすぎないようにしている。具体的には、例えば、p型AlGaN層35の全体に亘って1.2×1019atoms/cmを越えないようにしている。
このような制御によって、上記した第2領域AR2から第3領域AR3にかけて、Mg濃度が3×1018atoms/cm以上であり、且つ、平坦なMg濃度曲線が得られた。具体的には、上記した第4領域におけるMg濃度の最大値と最小値との差が1.5×1018atoms/cm以下であるMg濃度曲線が得られた。当該Mg濃度曲線は、例えば、第4領域におけるMg濃度の最大値と最小値との差が1.5×1018atoms/cm以下であるか否かにかかわらず、第2領域から第3領域にかけてて、Mg濃度が、3×1018atoms/cm以上8×1018atoms/cm未満である領域を有するものであってもよい。
なお、第1の成長ステップと第2の成長ステップ(STEP2-1)とでMg材料ガスの供給量は変わっていないが、成長温度は第2の成長ステップの方が高くなっている。基板温度が高いほどCPMgの分解効率が高くなりMgが成長層内に取り込まれ易いことにより、Mg濃度曲線においては第1領域のMg濃度が低く抑えられ、第2領域でMg濃度が上昇している。さらに、第1領域から第2領域にかけてMg濃度が上昇していることには、基板温度の影響に加えて、上述のメモリー効果も関係していると考えられる。
なお、ステップ2-1の成長時間はステップ2-2の成長時間以下とすることが好ましい。それによって、メモリー効果によるMg濃度の上昇を抑制できるからである。
また、p型AlGaN層を成長する際のキャリアガスとして水素ガスを用いることも考えられるが、水素雰囲気と比較して、窒素雰囲気では、Mg材料のウェハへの原料輸送が低下するため、Mg材料ガスの供給量が同じであっても、膜中へのMgの混入が抑制される。
例えば、上述したように、第1のp型AlGaN層では、Mg濃度を特に低く抑えることが好ましいため、第1の成長ステップのキャリアガスに窒素ガスを用いることが好ましい。また、Mg濃度曲線を第2領域及び第3領域において略平坦な形状(全体として矩形形状)に近づけるためのMg濃度の層厚方向における分布の制御性の観点から、第2の成長ステップ及び第3の背成長ステップにおいて、キャリアガスに窒素ガスを用いることが好ましい。
本実施例において、上記のような成長方法の工夫をすることで、図4に示したようなSIMSプロファイルとなるp型AlGaN層35を形成することができる。それによって、面発光レーザ10の閾値電流密度の上昇を抑制し、寿命の低下も抑制できる。
p型AlGaN層35の形成後、p型窒化物半導体層37としてMgを5×1018atoms/cmドープしたp型GaN層を形成した。その後、p型窒化物半導体層37上に、p型コンタクト層45としてMgを5×1020atoms/cm以上ドープしたp型GaNコンタクト層を形成し、p型半導体層23の形成を終了した。
[素子化工程]
p型半導体層の形成後、急速熱処理(以下、RTA:Rapid Thermal Annealing)装置にて熱処理によるMgの活性化を行った。その後、フォトレジストによりメサパターンを形成し、ドライエッチングにて、メサ構造を形成しつつ、このメサ構造の周りにn型半導体層17が部分的に露出した露出部17E(図1参照)を形成した。その後、フォトレジストを除去した。
スパッタにて絶縁層27として酸化シリコン(SiO)をメサ構造及び露出部17E上に150nm形成した。フォトレジストにてパターンを形成し、バッファードフッ酸(以下、BHF)にてエッチング処理し、メサ構造上の絶縁層27に光の出射開口部として開口部OPを形成した。その後、フォトレジストを除去した。
スパッタにて透光性電極29として酸化インジウムスズ(以下、ITO:Indium Tin Oxide)を約17nm形成した。フォトレジストにてパターンを形成し、混酸にてITOをエッチング処理し、メサ構造上の絶縁層27上及び絶縁層27の開口部OPによって露出したp型コンタクト層45上に透光性電極29を形成した。その後、フォトレジストを除去し、RTAにて熱処理を行い、ITOの透明化と導電性向上を図った。
電子ビーム(以下、EB)蒸着にて、透光性電極29上に開口部を覆わないp側メタル層(p電極33)を約300nm形成した。p側メタル層には白金(Pt)、金(Au)、チタン(Ti)の積層体を用いた。次に薬品にてリフトオフした後、フォトレジストを除去した。
フォトレジストにてパターンを形成後、EB蒸着にて、n型半導体層17の露出部17Eに電気的に接続されたn電極25を約700nm形成した。n電極にはTi、Al、Pt、Auの積層体を用いた。薬品にてリフトオフし、フォトレジストを除去した。
EB蒸着にて、透光性電極29上に第2の多層膜反射鏡31としての誘電体多層膜(誘電体多層膜ミラー、誘電体DBR)10.5ペア(約1300nm)を形成した。誘電体DBRには酸化ニオブ(以下、Nb5、膜厚約45nm)とSiO(膜厚約76nm)の積層体を用いた。次にフォトレジストにて誘電体DBRパターンを形成し、ドライエッチング装置にて誘電体DBRの不要部分(p電極上、n電極上)をエッチング除去した。最後に薬品にてフォトレジストを除去した。
フォトレジストにてパターンを形成し、EB蒸着にて、p電極に電気的に接続された更なるp側メタル層(図示せず)を約2200nm形成した。p電極(pパッド層)にはTi、Pt、Auの積層体を用いた。次に薬品にてリフトオフし、フォトレジストを除去した。このようにして、素子化を行った(ステップS15)。
以上の工程により、面発光レーザ10を製造した。なお、上記した製造工程は例示に過ぎず、半導体にドープする元素や各々の部材の寸法等は適宜変更可能である。
図7を参照しつつ、比較例1の従来の面発光レーザのp型AlGaN層について説明する。比較例1の面発光レーザは、p型AlGaN層35に代えて、Alの材料ガス(TMA)の供給量を4.9sccmで一定とし、かつ、Mgの材料ガス(CpMg)供給量を37.2sccmで一定とし、層厚の設計値10nm、Al組成の設計値30%で成長したp型AlGaN層を有する点において実施例と異なり、その他の点においては実施例と同様に構成されている。つまり、比較例1のp型AlGaN層は、1つのステップで成長したものであり、3つのステップを含む実施例の成長方法とは異なる方法で成長したものである。
図7は、比較例1の面発光レーザのp型AlGaN層のSIMS分析結果を示す図である。図4に示したグラフと同様に、図7においても、Al組成の深さ方向の変化を示すAl組成曲線を破線で示し、Mg濃度の深さ方向の変化を示すMg濃度曲線を実線で示している。また、図4に示した実施例の場合と同様に、Al組成の最大値の50%における幅を、p型AlGaN層と規定し、p型AlGaN層35の活性層側から表面側に向かって、10%の層厚を有する第1領域AR1、40%の層厚を有する第2領域AR2、50%の層厚を有する第3領域AR3に順に区分している。
図7に示すように、Mg濃度曲線は、第2領域AR2においてピークを有しており、第2領域AR2及び第3領域AR3の大部分において、3×1019atoms/cmを超えている。このように、第2領域においてMg濃度が3×1019atoms/cmを超える高濃度である場合、キャリアの注入効率は高くなるが、Mgの活性層への拡散やMgに起因する欠陥の活性層への拡がりも発生し易くなり、それによって素子寿命が低下する。
図8を参照しつつ、比較例2の従来の面発光レーザのp型AlGaN層について説明する。比較例2の面発光レーザは、実施例のp型AlGaN層35及び比較例1のp型AlGaN層とは異なる方法で成長したp型AlGaN層を有している点において実施例及び比較例1と異なり、その他の点においては実施例と同様に構成されている。
比較例2のp型AlGaN層は、層厚の全体にわたってMg濃度が3×1019atoms/cm未満となるように成長されたものである。比較例2において、Mgの最大濃度がそれぞれ0.9×1019atoms/cm、2.0×1019atoms/cm、2.6×1019atoms/cmである3つのサンプルを作製した。
Mg最大濃度0.9×1019atoms/cmのサンプル(以下、サンプル1と称する)は、Alの材料ガス(TMA)の供給量を6.0sccmで一定とし、かつ、Mgの材料ガス(CpMg)供給量を4.1sccmで一定とし、層厚の設計値10nm、Al組成の設計値32%で成長した。
Mg最大濃度2.0×1019atoms/cmのサンプル(以下、サンプル2と称する)は、Alの材料ガス(TMA)の供給量を6.2sccmで一定とし、かつ、Mgの材料ガス(CpMg)供給量を5nmの成長までは37.2sccm、その後5nmの成長時は2.5sccmで供給し、層厚の設計値10nm、Al組成の設計値33%で成長した。
Mg最大濃度2.6×1019atoms/cmのサンプル(以下、サンプル3と称する)は、Alの材料ガス(TMA)の供給量を4.9sccmで一定とし、かつ、Mgの材料ガス(CpMg)供給量を5nmの成長までは37.2sccm、その後5nmの成長時は2.5sccmで供給し、層厚の設計値10nm、Al組成の設計値30%で成長した。
図8は、比較例2の面発光レーザのp型AlGaN層のSIMS分析結果を示す図である。図8において、Al組成の深さ方向の変化を示すAl組成曲線を破線で示している。また、Mg濃度の深さ方向の変化を示すMg濃度曲線を、サンプル1については二点鎖線、サンプル2については一点鎖線、サンプル3については実線で示している。
図8に示すように、サンプル1~3のMg濃度曲線は、活性層19から遠い第3領域AR3にピークを有する傾向があった。活性層から遠い領域にピークが存在することから、Mgの活性層への拡散やMg起因の欠陥の活性層への影響は生じにくい点では好ましい。しかし、サンプル1~3では、第2領域AR2のMg濃度が不足する傾向があった。それによって、サンプル1~3を用いた面発光レーザでは、Mgによるキャリアオーバーフローの抑制効果が低く、閾値電流密度が高くなる傾向があった。
サンプル3のMg濃度曲線では、Mgの最大濃度が2.5×1019atoms/cm超えている。比較例1よりは低いが、Mgの活性層への拡散やMg起因の欠陥の活性層への影響を防止する観点では、上述した1.2×1019atoms/cm未満という指標よりも高い。
また、サンプル3のMg濃度曲線は、第2領域AR2において、活性層に向かって単調減少している。このような場合、第2領域AR2の殆ど全体において、十分な正孔キャリア濃度を得るための指標の1つとなる3×1018atoms/cmを超えているにも関わらず、正孔キャリア濃度が不足し、電子キャリアのオーバーフローが抑制されにくく、キャリア注入効率が下がり、閾値電流密度が上昇することがわかっている。
サンプル2のMg濃度曲線では、Mgの最大濃度が約2×1019atoms/cmである。サンプル3よりは低いが、上述した1.2×1019atoms/cm未満という指標よりも高い。
また、サンプル2のMg濃度曲線についても、第2領域AR2において、活性層に向かってMg濃度が減少しており、3×1018atoms/cmを超えていても正孔キャリア濃度が不足し、電子キャリアのオーバーフローが抑制されにくく、キャリア注入効率が下がり、閾値電流密度が上昇する。
サンプル1のMg濃度曲線では、Mg最大濃度が低く1×1019atoms/cm未満であるため、Mgの活性層への拡散やMg起因の欠陥の活性層への影響は生じにくい点で好ましい。しかし、サンプル1は、第2領域AR2におけるMg濃度はサンプル2の場合よりもさらに低く、3×1018atoms/cm未満である。従って、サンプル1においても、正孔キャリア濃度が不足し、電子キャリアのオーバーフローが抑制されにくく、キャリア注入効率が下がり、閾値電流密度が上昇する。
図7及び図8を参照して説明したように、比較例1ではMgのピーク濃度が3×1019atoms/cm以上、比較例2ではMgのピーク濃度が3×1019atoms/cm未満のサンプルを作製した。いずれの場合もMgによるキャリアオーバーフロー抑制の効果を適切に得られず、素子寿命は数百時間程度であった。
具体的には、比較例1において、Mgのピーク濃度を3×1019atoms/cm以上とすると、活性層19に近い第2領域AR2にMg濃度が高いピークが現れた。このような場合、Mgの活性層への拡散、Mg起因の欠陥による活性層への影響が大きくなり、それによって素子寿命が低下する。
また、比較例2において、Mgのピーク濃度を3×1019atoms/cm以下とすると、Mg濃度曲線のピークが現れる位置が第3領域AR3となり、第2領域におけるMg濃度が活性層に向かって単調減少した。このような場合、第2領域におけるMg濃度が不足し、正孔キャリアの減少によってキャリア注入効率が低下し、閾値電流密度の上昇につながる。閾値電流密度の上昇も、素子寿命を低下させる。
これに対して、本願発明の面発光レーザにおけるp型AlGaN層は、Mg濃度曲線によって示されるMg濃度が、p型AlGaN層35の層厚の全体に亘って1×1019atoms/cm未満であり、第1領域において最も小さく、第2領域内のMg濃度のピーク位置のうち濃度が最大であるピーク位置から第3領域内のMg濃度のピーク位置のうち濃度が最大であるピーク位置までの領域を第4領域とし、当該第4領域において、Mg濃度が、3×1018atoms/cm以上であり、且つ、第4領域におけるMg濃度の最大値と最小値との差が1.5×1018atoms/cm以下である。
また、本願発明の面発光レーザにおけるp型AlGaN層は、Mg濃度曲線によって示されるMg濃度が、p型AlGaN層35の層厚の全体に亘って1×1019atoms/cm未満であり、第1領域において最も小さく、第2領域から第3領域にかけて、Mg濃度が、3×1018atoms/cm以上8×1018atoms/cm未満である領域を有する。
このようなMgプロファイルを示すp型AlGaN層35は、p型AlGaN層における充分な正孔キャリア濃度を提供しつつも、過剰なMgに起因する素子寿命の低下を抑制することができる。このようなMgプロファイルを示すp型AlGaN層35は、図6に示したような3つのステップを含む方法によって成長することで実現できた。
上記の比較例2に示したしたように、従来は、Mgのピーク濃度が3×1019atoms/cm以下で第2領域よりも第3領域のMg濃度が高くなる傾向及び第2領域のMgが不足する傾向があり、第2領域のMg濃度を高くすると、第3領域のMgがさらに高くなってしまい、第3領域のMg濃度が過剰となる傾向があった。本実施例においては、Mgのメモリー効果を考慮して、Mgの材料ガスの供給量をコントロールすることによって第2領域のMg濃度を高めかつ第3領域のMg濃度が過剰にならないようにすることができた。
その結果、第2領域から第3領域にかけて、平坦に近い(略平坦な)プロファイルが得られた。そのようなp型AlGaN層35を含む面発光レーザ10の素子寿命は従来のものよりも大きく向上することがわかった。具体的には、上述したように、従来の面発光レーザの素子寿命は数百時間程度であったのに対して、本実施例の面発光レーザ10の素子寿命は5400時間であった。
なお、上記の実施例において、p型AlGaN層の層厚が10nmである例について説明したが、これに限られない。p型AlGaN層の層厚は、7nm以上15nm以下であることが好ましい。層厚が8nm未満では電子キャリアのオーバーフローが生じ易くなり、閾値電流密度が上昇し易くなる。層厚が15nmを越えると、クラックの発生や動作電圧の上昇を招くおそれがある。
なお、本実施例において、第1のp型AlGaN層の層厚は、0.4nm以上1nm以下とすることが好ましい。0.4nm未満ではMgの活性層への拡散やMgに起因する欠陥の活性層への拡がりを防止する効果が乏しく、1nmを越えると素子電圧の上昇を招くおそれがある。
本実施例において、第1のp型AlGaN層のAl組成の設計値は、25%以下とすることが好ましい。Al組成が25%を超えると、素子電圧が上昇するおそれがあるからである。
また、本実施例において、第2のp型AlGaN層のAl組成の設計値は、23%以上50%以下とすることが好ましい。Al組成が23%未満では電子キャリアのオーバーフローが生じ易くなり、閾値電流密度が上昇し易くなる。Al組成が50%を超えると、p型AlGaN層の結晶性の低下、クラックの発生、動作電圧の上昇等の影響が大きくなる。
また、本実施例において、第2のp型AlGaN層の層厚は、3nm以上7nm以下とすることが好ましい。3nm未満では第2領域のMg濃度を3×1018atoms/cm以上とすることが困難であり、6nmを越えると素子電圧が顕著に上昇する場合がある。
また、本実施例において、第3のp型AlGaN層のAl組成の設計値は、12%以上30%以下とすることが好ましい。第3のp型AlGaN層のAl組成をこの範囲にすることで、第2のp型AlGaN層とともに電子キャリアのオーバーフローを抑制しつつ、クラックの発生や動作電圧の上昇も抑制することができる。
なお、上記の実施例において、Al組成曲線によって示される第2領域におけるAl組成の平均値と第3領域におけるAl組成の平均値との差は、3%以上18%以下であることが好ましい。
第2領域と第3領域との間でAl組成の平均値の差が3%以上になると、第2領域のMg濃度の最大ピーク位置と第3領域のMg濃度の最大ピーク位置との間の第4領域において、Mg濃度の最大値と最小値との差が1.5×1018/cm以下を満足しやすくなる。すなわち、Mg濃度が第3領域と第2領域近の境界付近で略平坦な形状(略同量)になりやすく、閾値電流密度の上昇を抑制するため好ましい。さらにAl組成の平均値の差が8%以上になると、第4領域において、Mg濃度が5×1018/cm以上を保ちやすくなるため好ましい。一方、前記Al組成の平均値の差が18%を超えると、結晶性の悪化が生じ始めるため好ましくない。
なお、上記の実施例において、窒化物半導体多層膜を下部の反射鏡として用いている。AlInNを含む窒化物半導体多層膜は熱伝導率が低いので、共振器長を長くしている関係で、窒化物半導体多層膜を反射鏡とする面発光レーザでは特に閾値電流密度が高くなりやすく、それによってキャリアオーバーフローが起きやすい傾向がある。従って、AlInNを含む窒化物半導体を反射鏡に用いた垂直共振器型発光素子に本発明を適用することは有効である。
上述した実施例及び製造方法における構成は例示に過ぎず、用途等に応じて適宜変更可能である。
10 面発光レーザ
11 基板
15 第1の多層膜反射鏡
17 n型半導体層
19 活性層
21 中間層
23 p型半導体層
25 n電極
27 絶縁層
29 透光性電極
31 第2の多層膜反射鏡
33 p電極
35 p型AlGaN層
37 p型窒化物半導体層
45 p型コンタクト層

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板上に、屈折率が互いに異なる2つの半導体層が交互に複数回繰り返し積層された半導体多層膜である第1の多層膜反射鏡と、
    前記第1の多層膜反射鏡上に形成され、n型のドーパントを含む窒化物半導体からなるn型窒化物半導体層と、
    前記n型窒化物半導体層上に形成された活性層と、
    前記活性層上に形成され、p型のドーパントとしてMgを含み、Al組成の異なる3つ以上のAlGaN層が積層された構成を有するp型AlGaN層と、
    前記p型AlGaN層上に形成され、p型のドーパントを含む窒化物半導体からなる半導体層であるp型窒化物半導体層と、
    前記p型窒化物半導体層上に形成され、前記第1の多層膜反射鏡に対向する位置に設けられた第2の多層膜反射鏡と、を含み、
    前記p型AlGaN層の二次イオン質量分析法(SIMS)による分析によって、前記p型AlGaN層中のAl組成の層厚方向における変化を示すAl組成曲線及び前記p型AlGaN層中のMg濃度の層厚方向の変化を示すMg濃度曲線のうち、
    前記Al組成曲線のピーク値の50%における幅の範囲を前記p型AlGaN層と規定し、前記p型AlGaN層をその層厚方向に、前記活性層側から前記p型AlGaN層の1/10の層厚を有する第1領域、前記p型AlGaN層の2/5の層厚を有する第2領域及び前記p型AlGaN層の1/2の層厚を有する第3領域、に順に区分したとき、
    前記Al組成曲線によって示されるAl組成の各領域間の大小関係は、前記第1領域<前記第3領域<前記第2領域であり、
    前記Mg濃度曲線によって示されるMg濃度は前記p型AlGaN層の層厚の全体に亘って1.2×1019atoms/cm未満であり、かつ、前記Mg濃度は前記第1乃至第3領域のうち前記第1領域において最も小さく、
    前記第2領域内のMg濃度のピーク位置のうち濃度が最大であるピーク位置から前記第3領域内のMg濃度のピーク位置のうち濃度が最大であるピーク位置までの領域を第4領域とし、前記第4領域において、前記Mg濃度が、3×1018atoms/cm以上であり、且つ、前記第4領域における前記Mg濃度の最大値と最小値との差が1.5×1018atoms/cm以下であることを特徴とする垂直共振器型発光素子。
  2. 基板と、
    前記基板上に、屈折率が互いに異なる2つの半導体層が交互に複数回繰り返し積層された半導体多層膜である第1の多層膜反射鏡と、
    前記第1の多層膜反射鏡上に形成され、n型のドーパントを含む窒化物半導体からなるn型窒化物半導体層と、
    前記n型窒化物半導体層上に形成された活性層と、
    前記活性層上に形成され、p型のドーパントとしてMgを含み、Al組成の異なる3つ以上のAlGaN層が積層された構成を有するp型AlGaN層と、
    前記p型AlGaN層上に形成され、p型のドーパントを含む窒化物半導体からなる半導体層であるp型窒化物半導体層と、
    前記p型窒化物半導体層上に形成され、前記第1の多層膜反射鏡に対向する位置に設けられた第2の多層膜反射鏡と、を含み、
    前記p型AlGaN層の二次イオン質量分析法(SIMS)による分析によって、前記p型AlGaN層中のAl組成の層厚方向における変化を示すAl組成曲線及び前記p型AlGaN層中のMg濃度の層厚方向の変化を示すMg濃度曲線のうち、
    前記Al組成曲線のピーク値の50%における幅の範囲を前記p型AlGaN層と規定し、前記p型AlGaN層をその層厚方向に、前記活性層側から前記p型AlGaN層の1/10の層厚を有する第1領域、前記p型AlGaN層の2/5の層厚を有する第2領域及び前記p型AlGaN層の1/2の層厚を有する第3領域、に順に区分したとき、
    前記Al組成曲線によって示されるAl組成の各領域間の大小関係は、前記第1領域<前記第3領域<前記第2領域であり、
    前記Mg濃度曲線によって示されるMg濃度は前記p型AlGaN層の層厚の全体に亘って1.2×1019atoms/cm未満であり、かつ、前記Mg濃度は前記第1乃至第3領域のうち前記第1領域において最も小さく、
    前記第2領域から前記第3領域にかけて、前記Mg濃度が、3×1018atoms/cm以上8×1018atoms/cm未満である領域を有することを特徴とする垂直共振器型発光素子。
  3. 前記第4領域において、前記Mg濃度が8×1018atoms/cm未満であることを特徴とする請求項1に記載の垂直共振器型発光素子。
  4. 前記第4領域におけるMg濃度の最大値と最小値との差が1.5×1018atoms/cm以下であることを特徴とする請求項2に記載の垂直共振器型発光素子。
  5. 前記Mg濃度曲線によって示される前記p型AlGaN層中のMg濃度は前記層厚の全体に亘って1×1019atoms/cm未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直共振器型発光素子。
  6. 前記Mg濃度曲線によって示される前記第1領域におけるMg濃度が2×1018atoms/cm未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直共振器型発光素子。
  7. 前記Al組成曲線によって示される、前記第2領域におけるAl組成と前記第3領域におけるAl組成との差は、3%以上18%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直共振器型発光素子。
  8. 垂直共振器型発光素子を製造する方法であって、
    有機金属気相成長法(MOCVD)により、
    基板上に、屈折率が互いに異なる2つの半導体層を交互に成長させて第1の多層膜反射鏡を形成するステップと、
    n型ドーパントの材料ガスを供給しつつ前記第1の多層膜反射鏡上にn型窒化物半導体層を成長させるn型窒化物半導体層成長ステップと、
    前記n型窒化物半導体層上に活性層を形成するステップと、
    p型ドーパントとしてMgの材料ガスを供給しつつ前記活性層上に、p型の導電型を有するAlGaN層であるp型AlGaN層を成長させるp型AlGaN層成長ステップと、
    前記p型AlGaN層上にp型窒化物半導体層を成長させるp型窒化物半導体層成長ステップと、
    前記p型窒化物半導体層上に前記第1の多層膜反射鏡に対向する第2の多層膜反射鏡を形成するステップと、を含み、
    前記p型AlGaN層成長ステップは、
    第1の温度から第2の温度まで昇温しつつ、窒素源ガス及びGaの材料ガスを所定の供給量で供給し、Alの材料ガスを第1の供給量で供給し、前記Mgの材料ガスを第2の供給量で供給して第1のp型AlGaN層を成長する第1の成長ステップと、
    前記第1の成長ステップの後、
    前記第1の成長ステップにおける前記窒素源ガス、前記Gaの材料ガス及び前記Alの材料ガスの供給量を維持しつつ、前記Mgの材料ガスの供給量を前記第2の供給量のまま第1の成長時間維持する維持ステップと、その後、前記Mgの材料ガスの供給量を前記第2の供給量よりも低い第3の供給量に変更して第2の成長時間維持するMg低供給ステップとによって第2のp型AlGaN層を成長する第2の成長ステップと、
    前記第2の成長ステップの後、前記Alの材料ガスを前記第1の供給量よりも低い第4の供給量で供給し、かつ、前記Mgの材料ガスを前記第2の供給量よりも低い第5の供給量で供給しつつ第3のp型AlGaN層を成長する第3の成長ステップと、
    を含むことを特徴とする製造方法。
  9. 前記第3の供給量は、前記第2の供給量の10分の1以下であることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記第1の成長時間は、前記第2の成長時間以下であることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  11. 前記第5の供給量は、前記第2の供給量の10分の1以下であることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  12. 前記p型AlGaN層成長ステップにおいて、雰囲気ガスが窒素ガスであることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  13. 請求項9に記載の製造方法によって製造された垂直共振器型発光素子。
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