JP2024073884A - 熱変色性筆記具 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024073884000001
【課題】筆記具本体またはキャップ本体の、摩擦体の取り付け側の外面にヒケ等の成形不良が発生することを回避し、摩擦体の材料コストを低減することができる熱変色性筆記具を提供する。
【解決手段】筆記具本体2が、合成樹脂製の筒状の外部材3と、該外部材3の内面に嵌着される内部材4とを備える。内部材4が棒状部42を備える。棒状部42の外面に下向きの係止部42bが形成される。摩擦体5の内孔の内面に上向きの係止部56が形成される。摩擦体5の下部が外部材3の上端開口部内部に挿着され、摩擦体5の外面と外部材3の上端部の当接壁部31とが上下に係止される。摩擦体5の内孔に棒状部42が挿着され、摩擦体5の上向きの係止部56と棒状部42の下向きの係止部42bとが上下に係止される。摩擦体5が、外部材3と内部材4の棒状部42とにより上下に挟持される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱変色性筆記具に関する。詳細には、熱変色性インキが内蔵され且つ該インキが吐出可能なペン先を備える筆記具本体または前記筆記具本体のペン先側に着脱自在に装着されるキャップ本体を備え、前記筆記具本体または前記キャップ本体に取り付けられ、前記熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で前記筆跡を熱変色可能な摩擦体を備えた熱変色性筆記具に関する。
特許文献1には、筆記具本体の後端開口部に、弾性材料よりなる摩擦変色部材が嵌着され、前記筆記具本体の内面に有底円筒体からなる栓体が圧入固着された構造が記載されている。
特許文献2には、キャップ本体の後端部に弾性材料よりなる摩擦変色部材が嵌合固定され、キャップ本体の内面にペン先を密封する内キャップが嵌合固定された構造が記載されている。
特開2010-006055号公報 特開2009-286065号公報
前記特許文献1は、筆記具本体の内面に内向突起が一体に形成され、該内向突起と摩擦変色部材(本願の摩擦体に相当)の外向突起とが抜け止め係止される構造である。同様に、前記特許文献2は、キャップ本体の内面に内向突起が一体に形成され、該内向突起と摩擦変色部材(本願の摩擦体に相当)の外向突起とが抜け止め係止される構造である。
そのため、前記特許文献1の筆記具本体及び特許文献2のキャップ本体は、合成樹脂の射出成形により得る場合、何れも、その内面に、摩擦変色部材を嵌合用の大きな内向突起(アンダーカット部)を設ける必要があり、内向突起が位置する筆記具本体外面またはキャップ本体外面にヒケ等の成形不良が発生するおそれがある。また、前記特許文献1の筆記具本体及び特許文献2のキャップ本体は、何れも、摩擦変色部材の、筆記具本体またはキャップ本体に挿入する部分が比較的長く設定されるため、摩擦変色部材の材料コストが増加する。
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、筆記具本体またはキャップ本体を合成樹脂の射出成形により得る場合に筆記具本体またはキャップ本体の、摩擦体の取り付け側の外面にヒケ等の成形不良が発生することを回避し、さらに、摩擦体の材料コストを低減することができる熱変色性筆記具を提供しようとするものである。
本発明で、「上」とは、外部材において摩擦体の取り付け側を指し、摩擦体において摩擦部側を指し、「下」とはその反対側を指す。
本願の第1の発明は、熱変色性インキが内蔵され且つ該インキが吐出可能なペン先を備える筆記具本体または前記筆記具本体のペン先側に着脱自在に装着されるキャップ本体を備え、前記筆記具本体または前記キャップ本体に取り付けられ、前記熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で前記筆跡を熱変色可能な摩擦体を備えた熱変色性筆記具であって、前記筆記具本体または前記キャップ本体が、合成樹脂製の筒状の外部材と、該外部材の内面に嵌着される内部材とを備え、前記内部材が上方に一体に延びる棒状部を備え、前記外部材の上端部または前記外部材の内面に、前記摩擦体の外面と上下に係止可能な当接壁部が形成され、前記棒状部の外面に下向きの係止部が形成され、前記摩擦体が下方に開口する内孔を備え、前記内孔の内面に上向きの係止部が形成され、前記摩擦体の下部が前記外部材の上端開口部の内部に挿着され、前記摩擦体の外面と前記外部材の当接壁部とが上下に係止され、前記摩擦体の内孔に前記棒状部が挿着され、前記摩擦体の内孔内面の上向きの係止部と前記棒状部の下向きの係止部とが上下に係止され、前記摩擦体が、前記外部材と前記内部材の棒状部とにより上下に挟持されることを要件とする。
前記第1の発明の熱変色性筆記具は、前記構成により、筆記具本体またはキャップ本体を構成する外部材を合成樹脂の射出成形により得る場合、外部材の上端開口部内面に大きなアンダーカット部を設ける必要がなくなり、外部材の、摩擦体の取り付け側の外面にヒケ等の成形不良が発生することを回避できる。さらに、前記第1の発明の熱変色性筆記具は、前記構成により、摩擦体の、外部材の上端開口部に挿入する部分の長手方向の長さを比較的短く設定でき、摩擦体の材料コストを低減することができる。
本願の第2の発明は、前記第1の発明の熱変色性筆記具において、前記棒状部が前記外部材の上端開口部を貫通して前記外筒部の上端より上方に突出され、前記下向きの係止部が前記外部材の上端より上方に位置されることを要件とする。
前記第2の発明の熱変色性筆記具は、前記構成により、摩擦使用時において、前記摩擦体を、外部材の当接壁部と棒状部の下向きの係止部とにより上下に安定して挟持することができ、安定した摩擦作業が可能となる。
本願の第3の発明は、前記第1の発明または第2の発明の熱変色性筆記具において、前記外部材の内面に、前記内部材の外面と当接し且つ前記内部材の上方移動を規制する規制壁部が一体に形成され、前記外部材の当接壁部から前記規制壁部までの前記外部材の内面領域の内径が、前記規制壁部において最小に設定されることを要件とする。
前記第3の発明の熱変色性筆記具は、前記構成により、外部材の規制壁部より上方の内面に大きなアンダーカット部を設けることがなくなり、摩擦体の取り付け側の外面にヒケ等の成形不良が発生することを十分に回避できる。
本発明の熱変色性筆記具は、筆記具本体またはキャップ本体を合成樹脂の射出成形により得る場合、筆記具本体またはキャップ本体の、摩擦体の取り付け側の外面にヒケ等の成形不良が発生することを回避し、さらに、摩擦体の材料コストを低減することができる。
本発明の第1の実施の形態の要部縦断面図である。 図1のA-A線断面図である。 図1のB-B線断面図である。 図1の外部材の要部縦断面図である。 図1の内部材の縦断面図である。 図1の摩擦体の縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態の縦断面図である。 図7のC-C線断面図である。 図7の外部材の縦断面図である。 図7の内部材の縦断面図である。 図7の摩擦体の縦断面図である。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を図1乃至図6に示す。
本実施の形態の形態の熱変色性筆記具1は、下端にペン先(図示せず)が取り付けられ且つ上端部に摩擦体5が取り付けられた筆記具本体2を備える。筆記具本体2は、外部材3と、外部材3の内面に嵌着される内部材4とを備える。筆記具本体2内には、熱変色性インキが含浸されたインキ吸蔵体21が収容される。インキ吸蔵体21とペン先とが接続され、ペン先から熱変色性インキが吐出される。インキ吸蔵体21は繊維加工体からなる。
・外部材
外部材3は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)の射出成形により得られる円筒体である。外部材3は、内部に孔が軸方向に貫通され、それにより、上端開口部及び下端開口部より外部に連通される。外部材3の上端開口部内面には、摩擦体5が取り付けられる。外部材3の下端開口部内面には、ペン先が取り付けられる。
外部材3の上端部(即ち外部材3の上端または上端部内面)には、摩擦体の外面と上下に係止可能な当接壁部31が形成される。これ以外に、当接壁部31は、外部材3の内面に形成してもよい。外部材3の上部の内面には、環状の内側嵌合部32が一体に形成される。内側嵌合部32は環状平滑面または環状突起からなる。内側嵌合部32の上方の外部材3の内面には、規制壁部33が一体に形成される。規制壁部33は複数本(例えば4本)の軸方向に延びるリブからなるが、環状の段部でもよい。規制壁部33の下端は、軸線に対して垂直に形成される。規制壁部33の内径(各リブの頂点に接する仮想内接円の直径)は、内側嵌合部32の内径より小さく形成される。
規制壁部33より上方の内面には、小径孔部34と、該小径孔部34より上方に形成され且つ該小径孔部34より大きい内径を有する大径孔部35と、を備える。大径孔部35が外部材3の上端より上方に開口される。小径孔部34の内径は、規制壁部33の内径以上に(即ち、規制壁部33の内径と同じか、または規制壁部33の内径より大きく)設定される。即ち、外部材3の上端から規制壁部33までの外部材3の内面領域の内径が、規制壁部33において最小に設定される。それにより、規制壁部33から上方の外部材3の内面の全領域(即ち外部材3の上端から規制壁部33下端までの外部材3の内面)に、大きなアンダーカット部を設けることがなくなり、外部材3の、摩擦体5の取り付け側の外面にヒケ等の成形不良が発生することを十分に回避できる。
・内部材
内部材4は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)の射出成形により得られる。内部材4は、下端が開口され且つ上端が閉鎖された有底の円筒部41と、該円筒部41の底壁より軸方向上方に一体に延びる棒状部42とを備える。内部材4の円筒部41は、円筒形状以外にも、円柱形状であってもよい。
・円筒部
円筒部41の外面は、上部の大外径部41dと、下部の小外径部41eとを備える。円筒部41の下端面には、下方に開口し且つ径方向に貫通する切り欠き41cが形成される。円筒部41の下端面は、インキ吸蔵体21の上端面が当接される。切り欠き41cにより、インキ吸蔵体21の上端面と外気との通気が可能となる。
円筒部41の外面(大外径部41dの外面)には、内側嵌合部31と嵌合可能な環状の外側嵌合部41aが一体に形成される。外側嵌合部41aは、環状突起または環状平滑面よりなる。外側嵌合部41aは、外部材3の内側嵌合部32と気密嵌合され、それにより、外部材3の上端開口部における外気との通気が遮断される。円筒部41の上端(底壁上端)の周縁部(肩部41b)は、外部材3内面の規制壁部32と上下に当接される。円筒部41の上端の周縁部は、軸線に対して垂直面となっている。
・棒状部
棒状部42は、円筒部41の上端面(円板状の底壁)の中央より上方に一体に形成される。棒状部42は、横断面円形状を有する軸方向に延びる柱状に形成される。棒状部42の上端部には、径方向外方に突出する外向突起42aが一体に形成される。外向突起42aの下面に下向きの係止部42bが形成される。外向突起42aの下面(下向きの係止部42b)は、軸線に対して垂直面となっている。外向突起42aの上面または外向突起42aより上方の棒状部42の外面には、上方に向かうに従い外径が小さくなるテーパ面が形成される。
棒状部42の上端部は、外部材3の上端より上方に突出される。即ち、棒状部42の上端は外部材3の上端より上方に位置される。また、棒状部42の上端は摩擦体5の上端より下方に位置され、それにより、摩擦体5の使用時に棒状部42の上端が紙面と接触することを回避できる。内部材4の肩部41bから棒状部42の下向きの係止部42bまでの上下方向の長さは、外部材3の上端部の当接壁部31から規制壁部32下端までの上下方向の長さより長く設定される。
・摩擦体
摩擦体5は、合成ゴムまたはエラストマー等のゴム弾性材料により一体に形成される円筒体からなる。摩擦体5は、上部51と、上部51の下方に一体に連設され且つ上部51の下端より小さい外径を有する下部52と、上部51と下部52との間に形成される下向きの段部53とを備える。上部51が外部材3の上端より上方に突出される。上部51の上端部外周面は、凸曲面状を有し、熱変色性インキの筆跡を摩擦する摩擦部となる。下部52が外部材3の上端開口部(大径孔部34)に挿入される。下向きの段部53が外部材3の上端部の当接壁部31に当接される。
摩擦体5は、軸方向に内孔が貫設される。摩擦体5の内孔は、大内径部54と、大内径部54より下方に連設される小内径部55と、大内径部54と小内径部55との間に形成される上向きの係止部56(上向きの段部)とを備える。大内径部54が上方に開口され、小内径部55が下方に開口される。上向きの係止部56と、棒状部42の下向きの係止部42bとが上下に係止される。上向きの係止部56は軸線に対して垂直な面により形成される。上向きの係止部56は、下向きの段部53より上方に形成される。上向きの係止部56は、上部51の内部に形成される。
・摩擦体の取り付け
ペン先を取り付ける前の外部材3の下端開口部から外部材3の内部に内部材4を挿入し、内部材4を外部材3の内面に嵌合させる(即ち外側嵌合部41aと内側嵌合部31とを嵌合させる)と同時に、内部材4の円筒部41の上端面(肩部41b)を規制壁部32下端に上下に当接させる。その後、摩擦体5の下部52を外部材3の上端開口部内に挿入すると同時に、摩擦体5の内孔にその下端開口部より棒状部42を挿入する。その後、外部材3の上端部の当接壁部31と摩擦体5の外面の下向きの段部53とを上下に係止させると同時に、棒状部42の外向突起42aの下面(下向きの係止部42b)と摩擦体5の上向きの係止部56とを上下に係止させる。それにより、摩擦体5の外部に突出する部分が、上部51内面の上向きの係止部56と上部51外面の下端(下向きの段部53)との間において、外部材3の当接壁部31と内部材4の棒状部42の外向突起42aとにより上下に挟持される。即ち、摩擦体5の外部に突出する部分が、外部材3の当接壁部31と内部材4の棒状部42の外向突起42aとにより上下に挟持される。
外向突起42aの外径は、小内径部55の内径より大きく設定され、且つ、大内径部54の内径より小さく設定される。外向突起42aを摩擦体5の内孔の下端開口部より挿入し、外向突起42aの下面(下向きの係止部42b)と摩擦体5の上向きの係止部56とを上下に係止させる過程で、小内径部55が一時的に径方向外方に弾性変形される。
本実施の形態(第1の実施の形態)の熱変色性筆記具は、熱変色性インキが内蔵され且つ該インキが吐出可能なペン先を備える筆記具本体2を備え、前記筆記具本体2に取り付けられ、前記熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で前記筆跡を熱変色可能な摩擦体5を備えた熱変色性筆記具であって、前記筆記具本体2が、合成樹脂製の筒状の外部材3と、該外部材3の内面に嵌着される内部材4とを備え、前記内部材4が上方に一体に延びる棒状部42を備え、前記外部材3の上端部に、前記摩擦体5の外面と上下に係止可能な当接壁部31が形成され、前記棒状部42の外面に下向きの係止部42bが形成され、前記摩擦体5が下方に開口する内孔を備え、前記内孔の内面に上向きの係止部56が形成され、前記摩擦体5の下部が前記外部材3の上端開口部の内部に挿着され、前記摩擦体5の外面と前記外部材3の当接壁部31とが上下に係止され、前記摩擦体5の内孔に前記棒状部42が挿着され、前記摩擦体5の内孔内面の上向きの係止部56と前記棒状部42の下向きの係止部42bとが上下に係止され、前記摩擦体5が、前記外部材3と前記内部材4の棒状部42とにより上下に挟持される構成である。
本実施の形態(第1の実施の形態)の熱変色性筆記具は、前記構成により、筆記具本体2を構成する外部材3を合成樹脂の射出成形により得る場合、外部材3の上端開口部内面に大きなアンダーカット部を設ける必要がなくなり、外部材3の、摩擦体5の取り付け側の外面にヒケ等の成形不良が発生することを回避できる。さらに、本実施の形態(第1の実施の形態)の熱変色性筆記具は、前記構成により、摩擦体5の、外部材3の上端開口部に挿入する部分の長手方向の長さを比較的短く設定でき、摩擦体5の材料コストを低減することができる。また、本実施の形態(第1の実施の形態)の熱変色性筆記具は、前記構成により、摩擦体5を取り付けるための新たな部品が不要であるため、部品点数の増加を抑えることができる。
本実施の形態(第1の実施の形態)の熱変色性筆記具は、前記構成に加えて、前記棒状部42が前記外部材3の上端開口部を貫通して前記外筒部3の上端より上方に突出され、前記下向きの係止部42bが前記外部材3の上端より上方に位置される構成である。
本実施の形態(第1の実施の形態)の熱変色性筆記具は、前記構成により、摩擦体5の使用時において、摩擦体5の外部に突出する部分を、外部材3と棒状部42の下向きの係止部42bとにより上下に安定して挟持することができ、安定した摩擦作業が可能となる。
本実施の形態(第1の実施の形態)の熱変色性筆記具は、前記構成に加えて、
前記外部材3の内面に、前記内部材4の外面と当接し且つ前記内部材4の上方移動を規制する規制壁部33が一体に形成され、前記外部材3の当接壁部31から前記規制壁部33までの前記外部材3の内面領域の内径が、前記規制壁部33において最小に設定される構成である。
本実施の形態(第1の実施の形態)の熱変色性筆記具は、前記構成により、外部材3の規制壁部32より上方の内面に大きなアンダーカット部を設けることがなくなり、摩擦体5の取り付け側の外面にヒケ等の成形不良が発生することを十分に回避できる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図7乃至図11に示す。
本実施の形態の形態の熱変色性筆記具1は、内部に熱変色性インキが収容され且つ該熱変色性インキが吐出可能なペン先を有する筆記具本体2(図7の二点鎖線で示す)と、該筆記具本体2のペン先側に着脱自在に装着されるキャップ本体6とを備える。キャップ本体6は、外部材7と、外部材7の内面に嵌着される内部材8とを備える。
・外部材
外部材7は、合成樹脂(例えばポリプロピレン)の射出成形により得られる円筒体である。外部材7は、内部に孔が軸方向に貫通され、それにより、上端開口部及び下端開口部より外部に連通される。外部材7の上端開口部内面には、摩擦体9が取り付けられる。外部材7の下端開口部内面には、筆記具本体2のペン側外周面と着脱自在に嵌合可能である。
外部材7の上端部(即ち外部材7の上端または上端部内面)には、摩擦体9の外面と上下に係止可能な当接壁部71が形成される。これ以外に、当接壁部71は、外部材7の内面に形成してもよい。外部材7の内面には、環状の内側嵌合部72が一体に形成される。内側嵌合部72は環状平滑面からなる。内側嵌合部72の下方の外部材7の内面には、抜け止め用の内向突起76が一体に形成される。内側嵌合部72の上方の外部材7の内面には、規制壁部73が一体に形成される。規制壁部73は複数本(例えば8本)の軸方向に延びるリブからなるが、環状の段部でもよい。規制壁部73の下端は、軸線に対して垂直に形成される。規制壁部73の内径(各リブの頂点に接する仮想内接円の直径)は、内側嵌合部72の内径より小さく形成される。
規制壁部73より上方の内面には、小径孔部74と、該小径孔部74より上方に形成され且つ該小径孔部74より大きい内径を有する大径孔部75と、を備える。大径孔部75が外部材7の上端より上方に開口される。小径孔部74の内径は、規制壁部73の内径以上に(即ち、規制壁部73の内径と同じか、または規制壁部73の内径より大きく)設定される。即ち、外部材7の上端から規制壁部73までの外部材7の内面領域の内径が、規制壁部73において最小に設定される。それにより、規制壁部73から上方の外部材7の内面の全領域(即ち外部材7の上端から規制壁部73の下端までの外部材7の内面)に、大きなアンダーカット部を設けることがなくなり、外部材7の、摩擦体9の取り付け側の外面にヒケ等の成形不良が発生することを十分に回避できる。
・内部材
内部材8は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)の射出成形により得られる円筒体である。内部材8は、下端が開口され且つ上端が閉鎖された有底の円筒部81と、円筒部81の底壁より軸方向上方に一体に延びる棒状部82と、円筒部81の外面に一体に形成された環状凸部81bとを備える。
・円筒部
円筒部81の下端開口部内面には、環状の平滑面または環状の突起よりなる気密嵌合部81cが形成される。内部材8の気密嵌合部81cと筆記具本体2のペン先側外面とが気密嵌合され、ペン先が密封される。
・棒状部
棒状部82は、円筒部81の上端面(円板状の底壁)の中央より上方に一体に形成される。棒状部82は、上端が開口され且つ下端が閉鎖された円筒状に形成される。棒状部82の上端部には、径方向外方に突出する外向突起82aが一体に形成される。外向突起82aの下面に下向きの係止部82bが形成される。外向突起82aの下面(下向きの係止部82b)は、軸線に対して垂直面となっている。外向突起82aの上面または外向突起82aより上方の棒状部82の外面は、上方に向かうに従い外径が小さくなるテーパ面が形成される。
棒状部82の上端部は、外部材7の上端7aより上方に突出される。即ち、棒状部82の上端は外部材7の上端より上方に位置される。棒状部82の上端は摩擦体9の上端より下方に位置され、それにより、摩擦体9の使用時に棒状部82の上端が紙面と接触することを回避できる。内部材8の環状凸部81bの上端から棒状部82の下向きの係止部82bまでの上下方向の長さは、外部材7の当接壁部71から規制壁部72の下端までの上下方向の長さより長く設定される。
・摩擦体
摩擦体9は、合成ゴムまたはエラストマー等のゴム弾性材料により一体に形成される円筒体からなる。摩擦体9は、上部91と、上部91の下方に一体に連設され且つ上部91の下端より小さい外径を有する下部92と、上部91と下部92との間に形成される下向きの段部93とを備える。上部91が外部材7の上端より上方に突出される。上部91の上部外周面は、凸曲面状を有し、熱変色性インキの筆跡を摩擦する摩擦部となる。下部92が外部材7の上端開口部(大径孔部74)に挿入される。下向きの段部93が外部材7の当接壁部71に当接される。
摩擦体9は、軸方向に内孔が貫設される。摩擦体9の内孔の内面に環状突起94が一体に形成され、環状突起94の上面に上向きの係止部95(上向きの段部)が形成される。上向きの係止部95は軸線に対して垂直な面により形成される。上向きの係止部95と、棒状部82の下向きの係止部82bとが上下に係止される。上向きの係止部95は、下向きの段部93より上方に形成される。上向きの係止部95は、上部91の内部に形成される。
・摩擦体の取り付け
外部材7の下端開口部から外部材7の内部に内部材8を挿入し、内部材8の環状凸部81bの外面と外部材7の内面とを嵌合させる(即ち外側嵌合部81aと内側嵌合部71とを嵌合させる)と同時に、内部材8の環状凸部81bの下面と外部材7の内面の抜け止め用の内向突起76とを上下に抜け止め係止させ、さらに、それと同時に、内部材8の環状凸部81bの上面を規制壁部72の下端に上下に当接させる。その後、摩擦体9の下部92を外部材7の上端開口部内に挿入すると同時に、摩擦体9の内孔にその下端開口部より棒状部82を挿入する。その後、棒状部82の外向突起82aの圧接により摩擦体9の内孔の環状突起94が径方向外方に一時的に弾性変形された後、外部材7の当接壁部71と摩擦体9の下向きの段部93とを上下に係止させると同時に、棒状部82の外向突起82aの下面(下向きの係止部82b)と摩擦体9の上向きの係止部95とを上下に係止させる。それにより、摩擦体9が、上部91内面の上向きの係止部95と上部91外面の下端(下向きの段部93)との間において、外部材7の当接壁部71と内部材8の棒状部82とにより上下に挟持される。即ち、摩擦体9の外部に突出する部分が、外部材7の当接壁部71と内部材8の棒状部82とにより上下に挟持される。
外向突起82aの外径は、環状突起94の内径より大きく設定され、且つ、環状突起94を除く摩擦体9の内孔の内径より小さく設定される。外向突起82aを摩擦体5の内孔の下端開口部より挿入し、外向突起82aの下面(下向きの係止部82b)と摩擦体5の上向きの係止部95とを上下に係止させる過程で、環状突起94が一時的に径方向外方に弾性変形される。
本実施の形態(第2の実施の形態)の熱変色性筆記具は、熱変色性インキが内蔵され且つ該インキが吐出可能なペン先を備える筆記具本体2と前記筆記具本体2のペン先側に着脱自在に装着されるキャップ本体6とを備え、前記キャップ本体6に取り付けられ、前記熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で前記筆跡を熱変色可能な摩擦体9を備えた熱変色性筆記具であって、前記キャップ本体6が、合成樹脂製の筒状の外部材7と、該外部材7の内面に嵌着される内部材8とを備え、前記内部材8が上方に一体に延びる棒状部82を備え、前記外部材7の上端部または前記外部材7の内面に、前記摩擦体9の外面と上下に係止可能な当接壁部91が形成され、前記棒状部82の外面に下向きの係止部82bが形成され、前記摩擦体9が下方に開口する内孔を備え、前記内孔の内面に上向きの係止部95が形成され、前記摩擦体9の下部が前記外部材7の上端開口部の内部に挿着され、前記摩擦体9の外面と前記外部材7の当接壁部71とが上下に係止され、前記摩擦体9の内孔に前記棒状部82が挿着され、前記摩擦体9の内孔内面の上向きの係止部95と前記棒状部82の下向きの係止部82bとが上下に係止され、前記摩擦体9が、前記外部材7と前記内部材8の棒状部82とにより上下に挟持される構成である。
本実施の形態(第2の実施の形態)の熱変色性筆記具は、前記構成により、キャップ本体6を構成する外部材7を合成樹脂の射出成形により得る場合、外部材7の上端開口部内面に大きなアンダーカット部を設ける必要がなくなり、外部材7の、摩擦体9の取り付け側の外面にヒケ等の成形不良が発生することを回避できる。さらに、本実施の形態(第2の実施の形態)の熱変色性筆記具は、前記構成により、摩擦体9の、外部材7の上端開口部に挿入する部分の長手方向の長さを比較的短く設定でき、摩擦体9の材料コストを低減することができる。また、本実施の形態(第2の実施の形態)の熱変色性筆記具は、前記構成により、摩擦体9を取り付けるための新たな部品が不要であるため、部品点数の増加を抑えることができる。
本実施の形態(第2の実施の形態)の熱変色性筆記具は、前記構成に加えて、前記棒状部82が前記外部材7の上端開口部を貫通して前記外筒部7の上端より上方に突出され、前記下向きの係止部82bが前記外部材3の上端より上方に位置される構成である。
本実施の形態(第2の実施の形態)の熱変色性筆記具は、前記構成により、摩擦体9使用時において、摩擦体9を、外部材7と棒状部82の下向きの係止部82bとにより上下に安定して挟持することができ、安定した摩擦作業が可能となる。
本実施の形態(第2の実施の形態)の熱変色性筆記具は、前記構成に加えて、前記外部材7の内面に、前記内部材8の外面と当接し且つ前記内部材8の上方移動を規制する規制壁部73が一体に形成され、前記外部材7の当接壁部71から前記規制壁部73までの前記外部材7の内面領域の内径が、前記規制壁部73において最小に設定される構成である。
本実施の形態(第2の実施の形態)の熱変色性筆記具は、前記構成により、外部材7の規制壁部73より上方の内面に大きなアンダーカット部を設けることがなくなり、摩擦体9の取り付け側の外面にヒケ等の成形不良が発生することを十分に回避できる。
これ以外に、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の各々の構成要素を適宜組合せ、筆記具本体やキャップ本体を構成することもできる。
1 熱変色性筆記具
2 筆記具本体
21 インキ吸蔵体
3 外部材
31 当接壁部
32 内側嵌合部
33 規制壁部
34 小径孔部
35 大径孔部
4 内部材
41 円筒部
41a 外側嵌合部
41b 肩部
41c 切り欠き
41d 大外径部
41e 小外径部
42 棒状部
42a 外向突起
42b 下向きの係止部
5 摩擦体
51 上部(摩擦部)
52 下部
53 下向きの段部
54 大内径部
55 小内径部
56 上向きの係止部(上向きの段部)
6 キャップ本体
7 外部材
71 当接壁部
72 内側嵌合部
73 規制壁部
74 小径孔部
75 大径孔部
76 抜け止め用の内向突起
8 内部材
81 円筒部
81a 外側嵌合部
81b 環状凸部
81c 気密嵌合部
82 棒状部
82a 外向突起
82b 下向きの係止部
9 摩擦体
91 上部(摩擦部)
92 下部
93 下向きの段部
94 環状突起
95 上向きの係止部(上向きの段部)

Claims (3)

  1. 熱変色性インキが内蔵され且つ該インキが吐出可能なペン先を備える筆記具本体または前記筆記具本体のペン先側に着脱自在に装着されるキャップ本体を備え、前記筆記具本体または前記キャップ本体に取り付けられ、前記熱変色性インキの筆跡を摩擦しその際に生じる摩擦熱で前記筆跡を熱変色可能な摩擦体を備えた熱変色性筆記具であって、
    前記筆記具本体または前記キャップ本体が、合成樹脂製の外筒体と、該外筒体の内面に嵌着される合成樹脂製の内筒体とを備え、前記内筒体が上方に一体に延びる棒状部を備え、
    前記外筒体の上端部または前記外筒体の内面に、前記摩擦体の外面と上下に係止可能な当接壁部が形成され、
    前記棒状部の外面に下向きの係止部が形成され、
    前記摩擦体が下方に開口する内孔を備え、前記内孔の内面に上向きの係止部が形成され、
    前記摩擦体の下部が前記外筒体の上端開口部の内部に挿着され、前記摩擦体の外面と前記外筒体の当接壁部とが上下に係止され、
    前記摩擦体の内孔に前記棒状部が挿着され、前記摩擦体の内孔内面の上向きの係止部と前記棒状部の下向きの係止部とが上下に係止され、
    前記摩擦体が、前記外筒体と前記内筒体の棒状部とにより上下に挟持されること特徴とする熱変色性筆記具。
  2. 前記棒状部が前記外筒体の上端開口部を貫通して前記外筒部の上端より上方に突出され、
    前記下向きの係止部が前記外筒体の上端より上方に位置される請求項1に記載の熱変色性筆記具。
  3. 前記外筒体の内面に、前記内筒体の外面と当接し且つ前記内筒体の上方移動を規制する規制壁部が一体に形成され、前記外筒体の当接壁部から前記規制壁部までの前記外筒体の内面領域の内径が、前記規制壁部において最小に設定される請求項1または2に記載の熱変色性筆記具。
JP2022184848A 2022-11-18 熱変色性筆記具 Pending JP2024073884A (ja)

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