JP2024071972A - 非接触給電用コイルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非接触給電用コイルの製造を省力化する製造方法を提供する。【解決手段】非接触給電用コイルの製造方法は、共通絶縁が施された通電線の一端部から第1の所定の長さの箇所で、通電線の周方向に、共通絶縁に切り込み部を形成し、切り込み部から他端部へ第2の所定の長さにわたって共通絶縁を剥ぎ取る操作と、共通絶縁が剥ぎ取られた通電線をコイルが配置される予定の領域に配置する操作と、を順次繰り返すことにより共通絶縁が剥ぎ取られた通電線でコイルを形成する。【選択図】図3

Description

本発明の一実施形態は、非接触給電用コイルの製造方法に関する。
近年、電気自動車(EV)及びプライグインハイブリッド自動車(PHV)の給電は、ケーブルを用いる接触式から無線電力伝送技術を利用した非接触式への適用の検討が進められている。非接触給電の技術は、給電所の路面に埋め込むようにして設けた送電用(1次側)の平面コイルと電気自動車の底部に設けた受電用(2次側)の平面コイルとを数十cm程度の間隔で対向させることで電力を無線送電することで電気自動車に給電する技術である。
例えば、非接触給電等に用いられるコイルには、損失を低減するためにリッツ線が用いられている。また、コイルを収納するコイルユニットには高周波を供給するケーブルが接続されている。当該ケーブルの導体には、損失を低減するためのリッツ線が用いられている。コイルのリード線端末及びケーブル端末には接続のために丸端子等のコネクタが必要となる。しかしながら、リッツ線の端末処理は、素線絶縁の除去が必要であることや、コネクタ接続による損失が発生するため、コイルのリード線とケーブルを兼用する構造が採用されている。
特開2019-23983号公報 特表2013-524419号公報 特開2019-118183号公報 特開2010-282914号公報
ケーブルには絶縁強化の観点から共通絶縁が必要である。また、コイル用線材は、外形寸法や巻線加工等の制約から共通絶縁が施されていることは望ましくない。そのため、ケーブル相当部分にはコイル加工後に熱収縮チューブ等を被せ、絶縁を強化する必要がある。ケーブルが、数10mを超える場合には、導体に熱収縮チューブを被せて絶縁を強化する作業を繰り返す必要がある。当該作業を繰り返すことで、非接触給電用コイル10の製造に係る手間と時間が増加してしまう。
本発明の一実施形態は、非接触給電用コイルの製造を省力化する製造方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の一実施形態に係る非接触給電用コイルの製造方法は、共通絶縁が施された通電線の一端部から第1の所定の長さの箇所で、通電線の周方向に、共通絶縁に切り込み部を形成し、切り込み部から他端部へ第2の所定の長さにわたって共通絶縁を剥ぎ取る操作と、共通絶縁が剥ぎ取られた通電線をコイルが配置される予定の領域に配置する操作と、を順次繰り返すことにより共通絶縁が剥ぎ取られた通電線でコイルを形成する。
上記構成において、第1の所定の長さは、第2の所定の長さよりも長くてもよい。
上記構成において、共通絶縁の材料は、耐熱性ポリオレフィン、ポリエチレン、塩化ビニル、フッ素系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、又はポリアミド樹脂であってもよい。
上記構成において、コイルを形成した後に、共通絶縁が施された通電線の一端部に端子を加締める工程を含んでいてもよい。
上記構成において、通電線と、共通絶縁との間に糸状繊維又は繊維層が設けられていてもよい。
上記構成において、通電線は、外周面に絶縁被膜が施された複数の導体素線を撚り合わせてなるリッツ線であってもよい。
本発明の一実施形態は、非接触給電用コイルの製造を省力化する製造方法を提供することができる。
非接触給電用コイルの構造を示す平面図である。 (A)は、リッツ線の側面図であり、(B)は、(A)の線分A-A’におけるリッツ線の断面端図である。 本発明の一実施形態に係る非接触給電用コイルの製造方法を説明するフロー図である。 (A)は、本発明の一実施形態に係る非接触給電用コイルの製造方法のステップS201を説明する図である。(B)は、本発明の一実施形態に係る非接触給電用コイルの製造方法のステップS202を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る非接触給電用コイルの製造方法のステップS203を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る非接触給電用コイルの製造方法のステップS204を説明する図である。 (A)は、リッツ線の側面図であり、(B)は、(A)の線分B-B’におけるリッツ線の断面端図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号(数字の後にA、Bなどを付しただけの符号)を付す。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数は、説明を簡潔にするためだけに用いられており、限定的に解釈されるべきではない。
(第1実施形態)
非接触給電装置は、1次側の非接触送電装置と2次側の非接触受電装置とを対向配置して構成される。電力を供給する側である1次側の非接触送電装置と電力を受ける側の2次側の非接触受電装置は、コイルの部分の要素はほぼ同じ要素で構成されており、ここでは、一方の側について説明するが、他方の側も同様であることは言うまでもない。
<非接触給電用コイルの構造>
図1は、非接触給電用コイル10の構造を示す平面図である。図1に示すように、非接触給電用コイル10は、コイル12と、コイル12の両端に設けられたケーブル14、16と、ケーブル14、16の端部に接続された端子22、24と、を有する。コイル12は、渦巻き状に配置されている。
コイル12に用いる通電線として、導体(銅やアルミニウムを材料とする線状の導体)又はリッツ線を用いることができる。また、通電線として、導体(銅やアルミニウムを材料とする線状の導体)に絶縁層が被覆された電線を用いてもよい。さらに、通電線として、絶縁層が被覆された導体の最外層に自己融着層を設けた自己融着線を用いてもよい。ケーブル14、16として、通電線に共通絶縁が直接施されたものを用いてもよい。また、ケーブル14、16として、リッツ線101に糸状繊維を巻くことで形状を維持しつつ糸状繊維の上から共通絶縁が施されたものを用いてもよい。本実施形態では、通電線として、共通絶縁が直接施されたリッツ線を用いる場合について説明する。以降、共通絶縁が直接施されたリッツ線の構成について、図2を参照して説明する。
図2は、リッツ線101の模式図である。図2(A)は、リッツ線101の側面図である。図2(A)では、リッツ線101において、ケーブル14として機能させる領域と、コイル12として機能させる領域の境界部分を示している。リッツ線101において、ケーブル14として機能させる領域には、共通絶縁103が施されている。以降の説明において、共通絶縁103が施されたリッツ線を、リッツ線101Aと記載する。リッツ線101において、共通絶縁103が施されていない領域を、コイル12として機能させる。
図2(B)は、図2(A)の線分A-A’におけるリッツ線101Aの断面端図である。
図2(B)に示すように、リッツ線101Aは、リッツ線101に共通絶縁103が施された構成を有する。リッツ線101は、導体107aの外周面に絶縁被膜107bが施された複数の素線107を有する。素線107は、いわゆるエナメル線であってもよい。エナメル線の導体107aは、銅又は銅合金であることが好ましく、アルミニウム、アルミニウム合金、又は銅とアルミニウムのクラッド材等を適用してもよい。また、エナメル線の絶縁被膜107bには、ポリウレタン、ポリビニルホルマール、ポリウレタンナイロン、ポリエステル、ポリエステルナイロン、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド/ポリアミドイミド、ポリイミド等を用いてもよい。なお、絶縁被膜107bとしては、リッツ線101の両端部を端子22、24に半田付けする際に高温の半田により溶融する樹脂材料が好適である。
リッツ線101は、複数の素線107で構成される束109で構成される。また、一実施形態において、リッツ線101は、複数の束109がよじれた撚り線の構造を有してもよい。さらに、リッツ線101の複数の束109は、共通絶縁103で被覆される。共通絶縁103として、例えば、耐熱性ポリオレフィン、ポリエチレン(PE)、塩化ビニル(PVC)、フッ素系樹脂(PTFE)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、及びポリアミド樹脂等を用いる。共通絶縁103を被覆する押出被覆時の押出温度は、例えば、120℃~300℃程度である。リッツ線101の複数の束109に共通絶縁103を施す場合、複数の束109に共通絶縁103を被覆する。リッツ線101A及びリッツ線101の線径は、例えば、4mm~5mm程度である。
本実施形態において、ケーブル14、16及びコイル12は、予め共通絶縁103が施されたリッツ線101Aを用いて製造される。つまり、ケーブル14、16は、予め共通絶縁103が施されたリッツ線101Aをそのまま用い、コイル12は、共通絶縁103が剥ぎ取られたリッツ線101を用いる。
コイル12は、支持基板30の上に、リッツ線101を平面的に並べて、内周側から外周側へ巻回して渦巻き状に製造したものである。リッツ線101の巻回は、外周側から内周側へ巻回して渦巻状に製造してもよい。平面的に並べるとは、コイルを巻回する軸に対して交差(直交する)面の上に並べる状態をいう。コイル12における最内周の位置を位置A0とし、巻回方向Bにn回巻いたあとの、コイル12における最外周の位置を位置Anとする。言い換えると、位置A0から位置Anまでの長さのリッツ線101がコイル12に相当する。コイル12の外形は、ほぼ四角形(コーナー部に丸みをつけている)である。図1では、コイル12の外形は、正方形であるが、長方形であってもよい。正方形又は長方形のいずれの場合も、コーナー部に丸みがついていればよい。コイル12は、例えば、1次側(送電側または給電側)、例えば、EVの充電スタンドの路面に設置される。
コイル12は、リッツ線101として複数の束109の部分を用いて構成されているため、平面的に渦巻き状に巻回してしただけのコイル12は、搬送時に複数の束109がばらばらになってしまう。そのため、コイル12の巻幅に合わせて複数の箇所に粘着テープなどを巻き付けて複数の束109を固定して、形状が崩れることを抑制してもよい。
支持基板30は、合成樹脂材料により形成される。支持基板30の材料は、一方のコイル12から他方のコイルへの無線の給電により形成される電界および磁界への影響が少なく、かつ、温度変化による形状変化が少ないことが望ましい。好ましくは、支持基板30の材料は、例えば-30℃から120℃までの間で熱膨張が少ないものである。支持基板30の材料として、例えば、ポリカーボネート樹脂が用いられる。また、支持基板30の材料として、ポリプロピレン樹脂が用いられてもよい。また、コイル12の位置を固定するために、支持基板30に、コイル12の形状を維持するための溝を設けてもよい。例えば、コイル12の形態として、巻線間に隙間を設けて巻き回すことが好ましい。巻線間に隙間を設けるために、隙間が設けられた溝が形成された支持基板30を用いてもよい。隙間が設けられた溝が形成された支持基板30をボビンともいう。
コイル12の外径及び内径は、非接触給電装置の用途に合わせて適宜設定される。EV向けの非接触給電用コイルの条件は、コイルの外径が250mm~600mm、コイルの内径が100mm~200mm程度の範囲である。また、伝送周波数が85kHzと定められているため、コイル12は、この周波数に共振するインダクタンスとする必要がある。コイル12として、リッツ線を用いる場合には、コイル12の巻き数nは、8~22巻き程度であればよい。
ケーブル14及びケーブル16は、それぞれ所定の長さを有する。ケーブル14、16として機能する所定の長さに特に限定はないが、例えば、数m~数10mである。ケーブル14の長さと、ケーブル16の長さは、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。
端子22、24は、ケーブル14、16の端部と電気的に接続されるものである。端子22、24は、圧着部22a、24aと固定用の孔が設けられた固定部22b、24bとにより構成されている。圧着部22a、24aは、筒形状の金属部材によって構成されている。ケーブル14の端部は、圧着部22aの筒状の金属部材に挿入されることで、加締め加工されている。これにより、ケーブル14は、端子22と電気的に接続される。同様に、ケーブル16は、端子24と電気的に接続される。ケーブル14、16の端部において、リッツ線101Aの端部における共通絶縁103は部分的に剥ぎ取られていてもよい。
<非接触給電用コイルの製造方法>
本発明の一実施形態に係る非接触給電用コイル10の製造方法について、図3~図6を参照して説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る非接触給電用コイル10の製造方法の工程を説明するフロー図である。コイル用線材は、外形寸法や巻線加工等の制約から共通絶縁が施されていることは望ましくない。そのため、コイル12として機能させる領域においては、通電線に施された共通絶縁103を剥ぎ取る操作が必要となる。本実施形態では、予め共通絶縁103施されたリッツ線101Aを用いてコイル12を形成する場合について説明する。詳細な説明は省略するが、予め共通絶縁が施された導体、電線、又は自己融着線を用いてコイル12を形成する場合も、リッツ線101Aと同様にしてコイル12を形成することができる。
まず、共通絶縁103が施されたリッツ線101Aの一端部から所定の長さL1の箇所で、リッツ線101Aの周方向に、共通絶縁103に切り込み部112を形成する(図3に示すステップS201を参照)。図4(A)は、ステップS201を説明する図である。図4(A)に示すように、リッツ線101Aの一端部から所定の長さL1の箇所に、切り込み部112が形成される。ここで、リッツ線101Aの一端部から所定の長さL1とは、ケーブルとして機能する長さに相当する。リッツ線101の部分には切り込み部112は形成されず、共通絶縁103のみに切り込み部112が形成される。
次に、切り込み部112から他端部に向かって所定の長さL2にわたって共通絶縁103を剥ぎ取る(図3に示すステップS202を参照)。図4(B)は、ステップS202を説明する図である。図4(B)に示すように、切り込み部112から他端部に向かって所定の長さL2にわたって共通絶縁103が剥ぎ取られる。これにより、共通絶縁103からリッツ線101が露出する。共通絶縁103を剥ぎ取る操作は、公知の導体の絶縁被膜剥離装置を用いてもよい。ここで、切り込み部112から他端部に向かう所定の長さL2は、特に限定されないが、所定の長さL2は、ケーブル14の相当の長さL1よりも短いことが好ましい。これにより、リッツ線101を、所定の位置に配置しやすくなる。
次に、共通絶縁103が剥ぎ取られたリッツ線101をコイル12が配置される予定の領域32に配置する(図3に示すステップS203を参照)。図5は、ステップS203を説明する図である。コイル12は、例えば、支持基板30に配置される。支持基板30には、コイル12が配置される予定の領域32が設けられる。リッツ線101の所定の長さL2に相当する領域が、コイル12として領域32に配置される。リッツ線101は、内周側から外周側に向かって配置される。図5では、最内周の位置A0から、巻回方向Bへ巻き始める。リッツ線101の所定の長さL2とコイル12の内径に応じて、一度の操作でリッツ線101が巻回される回数が決定される。したがって、一度の操作でリッツ線101が巻回される回数は限定されない。図5では、一度の操作でコイル12として、リッツ線101が2回巻回されている様子を示す。また、リッツ線101の巻き終わりの位置は、位置A1である。このとき、隣接するリッツ線101は、一定の間隔を空けて配置される。
その後、リッツ線101の巻回が終了していない場合(図3に示すステップS204;Noを参照)、切り込み部112から他端部に向かって所定の長さL2にわたって共通絶縁103を剥ぎ取る操作(ステップS202)と、共通絶縁103が剥ぎ取られたリッツ線101をコイルが配置される予定の領域32に配置する操作(ステップS203)と、を繰り返す。図6では、ステップS202に示す操作とステップS203に示す操作とを複数回繰り返した後の様子を示す。また、リッツ線101の巻き終わりの位置は、位置A2である。なお、リッツ線101の共通絶縁103を剥ぎ取る操作は複数回行われるが、操作ごとに、共通絶縁103を剥ぎ取る所定の長さが異なっていてもよい。
リッツ線101の巻回が終了した場合(図3に示すステップS204;Yesを参照)、コイル12が完成する(ステップS205)。本実施形態では、リッツ線101を8回巻くことで、コイル12が完成する。なお、図1に示すように、コイル12の巻き終わりの位置Anから所定の長さを、ケーブル16として機能させる。そのため、コイル12の位置Anから所定の長さで、リッツ線101Aを切断すればよい。
次に、ケーブル14の端部に端子22を加締め、ケーブル16の端部に端子24を加締める(ステップS206)。また、ケーブル14の端部と端子22とを加締めることにより、ケーブル14と端子22とが一体化する。ケーブル16の端部と端子24とを加締めることにより、ケーブル16と端子24とが一体化する。これにより、ケーブル14の端部と端子22とが電気的に接続され、ケーブル16の端部と端子24とが電気的に接続される。以上の工程により、非接触給電用コイル10を製造することができる。
なお、本実施形態では、コイル12の形成後に、ケーブル14の端部に端子22を加締める例について説明したが、コイル12の形成前に、ケーブル14の端部に端子24を加締めてもよい。
従来、共通絶縁が施されていない通電線を用いてコイルを形成する場合、コイルを形成した後、ケーブル相当部分に熱収縮チューブを被せて絶縁を強化する必要がある。ケーブルが、数10mを超える場合には、通電線に熱収縮チューブを被せて絶縁を強化する作業を繰り返す必要がある。当該作業を繰り返すことで、非接触給電用コイル10の製造に係る手間と時間が増加してしまう。
これに対し、本発明の一実施形態に係る非接触給電用コイル10の製造方法では、予め共通絶縁103が施された通電線を用いてコイル12を製造する。このとき、共通絶縁103が施された通電線の一端部から所定の長さを、ケーブル14又はケーブル16として機能させる。これにより、ケーブル14、16が数m~数10mと長い場合にケーブル14、16として機能させるために、通電線に熱収縮チューブを被せて絶縁を強化する作業を繰り返して共通絶縁103を形成するという手間と時間を省略することができる。つまり、非接触給電用コイル10の製造において省力化を図ることができる。
また、一度の操作で予めコイルとして必要な長さの共通絶縁103を剥ぎ取った後、コイルの巻回を行う場合、コイルとして必要な長さが長い(巻き数が多い)と、コイルを巻回するうちに誤差が生じ、コイルの巻き終わりの位置(例えば、図1の位置An)がずれてしまうおそれがある。例えば、コイルとしてリッツ線を用いる場合、一度の操作で予め必要な長さの共通絶縁103を剥ぎ取ってしまうと、リッツ線自体が扁平してしまい、巻回することが困難となる。また、リッツ線の撚りがほどけてしまうことで、巻回することがより困難となる。
本願発明の一実施形態に係る非接触給電用コイル10の製造方法のように、リッツ線101の共通絶縁103を剥ぎ取る操作と、リッツ線101をコイルが配置される予定の領域に配置する操作とを繰り返し行うことで、リッツ線101自体が扁平したり、リッツ線101の撚りがほどけたりすることを抑制することができる。つまり、共通絶縁103によってリッツ線101の形状を維持しつつ、共通絶縁103が剥ぎ取られたリッツ線101を巻回することができる。これにより、非接触給電用コイルの製造を省力化することが可能となる。
また、リッツ線101に共通絶縁103が直接施されたものを使用する場合には、共通絶縁103が糸状繊維の代わりになる。そのため、コイルを巻回する途中で、リッツ線101がばらけることを抑制することができる。また、リッツ線101に糸を巻く必要がないため、製造コストを低減することができる。なお、糸が巻かれたリッツ線に共通絶縁103が施される場合、共通絶縁103を被覆する際の押出温度により、糸が溶融する場合がある。これにより、溶融した糸と共通絶縁103とが接着してしまうと、共通絶縁103を剥ぎ取る操作の際に、リッツ線101から共通絶縁103を剥ぎ取ることが困難となる場合がある。本実施形態では、リッツ線101に共通絶縁103が直接施されるため、共通絶縁103の材料として上述した材料を適宜選択して用いることができる。なお、通電線として、導体、電線、又は自己融着線を用いる場合も、共通絶縁103の材料として上述した材料を適宜選択して用いればよい。
なお、本実施形態では、コイル12を1本の通電線を用いて構成する例について説明したが本発明はこれに限定されない。コイル12は、2本の通電線を用いた、いわゆる二重巻きであってもよい。
通電線としてリッツ線を用いたコイル12である場合には、例えば、1本目の予め共通絶縁が施されたリッツ線に対して、図3で示したフロー図のステップS201~S205にしたがって、リッツ線をコイルが配置される予定の領域に配置する。この操作を、リッツ線がn回巻かれて、コイル12が形成されるまで行う。次に、2本目の予め共通絶縁が施されたリッツ線に対して、図3で示したフロー図のステップS201~S205にしたがって、リッツ線をコイルが配置される予定の領域に配置する。この操作を、リッツ線がn回巻かれて、コイル12が形成されるまで行う。最後に、2本の共通絶縁が施されたリッツ線を合わせてケーブルとして、ケーブルの端部に端子を加締めてもよい。
または、1本目の予め共通絶縁が施されたリッツ線に対して、図3で示したフロー図のステップS201~S203にしたがって、リッツ線を、コイルが配置される予定の領域に配置する。次に、2本目の予め共通絶縁が施されたリッツ線に対して、図3で示したフロー図のステップS201~S203にしたがって、リッツ線101をコイルが配置される予定の領域に配置する。このように、1本目の共通絶縁が施されたリッツ線と、2本目の共通絶縁が施されたリッツ線に対して交互に、リッツ線の共通絶縁を剥ぎ取る操作と、リッツ線をコイルが配置される予定の領域に配置する操作とを繰り返し行ってもよい。1本目のリッツ線のリッツ線及び2本目のリッツ線のリッツ線のそれぞれが、n回巻かれてコイル12が形成された後、最後に、2本のリッツ線を合わせてケーブルとして、ケーブルの端部に端子を加締めてもよい。
(第2実施形態)
第1実施形態では、リッツ線101に接して共通絶縁103が施されている例について説明した。本実施形態では、糸状繊維が施された上で共通絶縁が施されているリッツ線101を用いてコイルを形成する方法について図7を参照して説明する。
図7は、リッツ線101の模式図である。図7(A)は、リッツ線101の側面図である。図7(A)では、リッツ線101において、ケーブル14として機能させる領域と、コイル12として機能させる領域の境界部分を示している。リッツ線101において、ケーブル14として機能させる領域には、リッツ線101に糸状繊維108が巻きつけられており、糸状繊維108の上から共通絶縁103が施されている。以降の説明において、糸状繊維108及び共通絶縁103が施されたリッツ線を、リッツ線101Bと記載する。また、リッツ線101において、共通絶縁103が施されていない領域をコイル12Aとして機能させる。
図7(B)は、図7(A)の線分B-B’におけるリッツ線101Bの断面端図である。
図7(B)において、リッツ線101Bは、リッツ線101に糸状繊維108及び共通絶縁103が施された構成を有する。リッツ線101の構成は、図2(B)に示すリッツ線101の構成と同様である。図2(B)では、複数の素線107で構成される束109に、糸状繊維108が施されている。
第1実施形態で説明した通り、リッツ線101に糸状繊維108が巻かれた上で、共通絶縁103が施される場合、共通絶縁103を被覆する際の温度により糸状繊維108が溶融する場合がある。しかしながら、共通絶縁103の材料及び糸状繊維108の材料を選択することにより、糸状繊維108が溶融することなく共通絶縁103を被覆することも可能である。または、共通絶縁103を被覆する際に糸状繊維108が溶融しても、糸状繊維108と共通絶縁103とが接着することを抑制することも可能である。
糸状繊維108の材料として、ポリエステル系合成繊維のテトロン糸、アセチルセルロース等の繊維のアセテート糸、及び熱融着ナイロン繊維の少なくとも一つを用いる。テトロン糸は、融点が例えば250℃~255℃のポリエステル系合成樹脂を材料とする絶縁繊維の糸であり、引っ張りや摩耗に強く、伸縮も極めて僅かであり、吸湿性は特に低く、絶縁性も良好である。アセテート糸は、アセチルセルロースを主材とする溶解接着用の繊維の糸であり、アセトンなどの溶剤を噴霧することで溶けて周囲と融合し溶剤の気化に伴い固化する。そのため、アセテート糸が溶融した場合には、コイルの形態全体としての形状保持力が向上するという効果も得られる。また、熱融着ナイロン繊維の融点は、テトロン糸の融点よりも低く、例えば、120℃程度である。そのため、糸状繊維108として、例えば、熱融着ナイロン繊維とテトロン糸とを組み合わせて用いる場合、熱が加わると熱融着ナイロン繊維はテトロン糸よりも先に溶けるので、溶剤と同等の効果が得られる。
また、糸状繊維108として、テトロン糸及びアセテート糸の双方を用いた合糸を用いてもよい。合糸とは、2本または3本以上の糸を合わせたものいい、複数の糸が撚ったように混在しているもの、または混在させずに並べてリボン状にしたものもいう。また、合糸の割合は、高分子系絶縁糸としてのテトロン糸と溶解接着用のアセテート糸とが、例えば、3:1であればよい。3:1の割合とは、本数の他、合糸の合計の太さとしてもよい。また、糸状繊維108の巻きピッチは、例えば1.5mm以上3.5mm以下の範囲とすることが好ましい。糸状繊維108が溶融する材料である場合、巻きピッチが広すぎると、リッツ線の当接部の接着性が低下し、離間部においての形状保持力低下につながる。そのため、糸状繊維108の巻きピッチは、上記の範囲とすることが好ましい。
テトロン糸の融点は、例えば、250℃~255℃であり、アセテート糸の融点は、例えば、230℃程度である。そのため、これらの糸状繊維108を溶融させずに用いる場合には、糸状繊維108よりも融点が低い共通絶縁103を用いることが好ましい。これにより、共通絶縁103を被覆する際に、糸状繊維108が溶融することを抑制することができる。共通絶縁103の材料として、例えば、ポリエチレン、又は塩化ビニル等を用いることが好ましい。これにより、共通絶縁103をリッツ線101から剥がした後でも、糸状繊維108が保たれることで、リッツ線101の形状を維持することが可能である。そのため、コイル12を形成する際に、リッツ線101が扁平となることや、ばらけてしまうことを抑制することができる。
なお、共通絶縁103の熱処理により糸状繊維108が溶融しても、共通絶縁103と溶融した糸状繊維108が接着していなければ、共通絶縁103を剥ぎ取ることが可能である。共通絶縁103の熱処理により糸状繊維108が溶融した場合、リッツ線101の表面に繊維層が形成される。したがって、共通絶縁103を剥ぎ取った後のリッツ線101には繊維層が固着された状態となる。リッツ線101に繊維層が固着されることで、共通絶縁103を剥ぎ取った後のコイル12は、剛性が得られる。そのため、コイル12を単体で取り扱う際(ハンドリングの際)にコイル形状が保持されるようになる。したがって、支持基板30として、隙間が設けられた溝が形成された基板を用いなくてもよい。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態の非接触給電用コイルの製造方法を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
10:非接触給電用コイル、12:コイル、14:ケーブル、16:ケーブル、22:端子、22a:圧着部、22b:固定部、24:端子、24a:圧着部、24b:固定部、30:支持基板、32:領域、101、101A:リッツ線、103:共通絶縁、107:素線、107a:導体、107b:絶縁被膜、108:糸状繊維、109:束、112:切り込み部

Claims (6)

  1. 共通絶縁が施された通電線の一端部から第1の所定の長さの箇所で、前記通電線の周方向に、前記共通絶縁に切り込み部を形成し、
    前記切り込み部から他端部へ第2の所定の長さにわたって前記共通絶縁を剥ぎ取る操作と、前記共通絶縁が剥ぎ取られた前記通電線をコイルが配置される予定の領域に配置する操作と、を順次繰り返すことにより前記共通絶縁が剥ぎ取られた前記通電線でコイルを形成する、非接触給電用コイルの製造方法。
  2. 前記第1の所定の長さは、前記第2の所定の長さよりも長い、請求項1に記載の非接触給電用コイルの製造方法。
  3. 前記共通絶縁の材料は、耐熱性ポリオレフィン、ポリエチレン、塩化ビニル、フッ素系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、又はポリアミド樹脂である、請求項1に記載の非接触給電用コイルの製造方法。
  4. 前記コイルを形成した後に、前記共通絶縁が施された通電線の一端部に端子を加締める工程を含む、請求項1に記載の非接触給電用コイルの製造方法。
  5. 前記通電線と、前記共通絶縁との間に糸状繊維又は繊維層が設けられる、請求項1に記載の非接触給電用コイルの製造方法。
  6. 前記通電線は、外周面に絶縁被膜が施された複数の導体素線を撚り合わせてなるリッツ線である、請求項1に記載の非接触給電用コイルの製造方法。
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