JP2024068563A - 油脂含有乾燥品 - Google Patents

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Takeshi Miwa
貴大 中尾
Takahiro Nakao
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浩一 白藤
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Abstract

【課題】 製造が容易で、オイルオフが少なく乾燥スープ成分と混在させることが可能であると共に、適当な温度の水を注いだときに表面に油滴を形成することで好ましい香りを生ずると共に、製造が容易で、オイルオフが少なく乾燥スープ成分と混在させることが可能な油脂含有乾燥品を提供すること。【解決手段】 20質量%~45質量%の油脂と、5質量%~45質量%のアラビアガムと、14質量%~55質量%の賦形剤とを含有し、前記賦形剤が、(A)デキストリン及び/または糖アルコールと(B)でん粉とをA:B=45~100:0~55の範囲で含むものであって、全体として10mm以下の顆粒状組成物であり、当該顆粒状組成物の容量に対して20倍量以上の90℃以上の水を注ぐことにより5分以内にアラビアガムと賦形剤が溶解し、湯面で油滴になることを特徴とする油脂含有乾燥品によって達成される。【選択図】 なし

Description

本発明は、油脂含有乾燥品に関する。
粉末スープやカップ麺などの乾燥食品を飲食する際に、コク味と香りを付与するために油脂が添加されることがある。このとき、油脂を添加する方法として、油脂を別包装にする方法、粉末スープなどに少量の油脂を添加する方法、粉末化基材に油脂を吸着する方法などがある。これらの方法を用いた乾燥食品に湯を注いで溶解すると、スープ表面に油滴が浮遊して好ましい香りを生ずる。
このように乾燥食品に油脂を添加する技術として、(1)水に溶解した際には、速やかに油脂成分が水層の表面に浮いて濁りが生じず、表面に油にじみがなく、サラサラで流動性に優れ、保存時にブロッキングすることがなく、保存安定性の点でも優れた粉末油脂組成物(特許文献1)や、(2)畜肉エキスを粉末化剤とし、同時に食塩を用いた粉末状乳化油脂を用いることで、湯に溶解した際に油脂を分離させる方法(特許文献2)が提供されている。
特許第3934409号公報 特許第5301924号公報
しかしながら、上記技術に用いた場合であっても、市販されている乾燥食品では、油脂は、乾燥スープ成分とは別に包装されたものが用いられていた。SDGsの観点からは、ゴミを減少させて地球に優しいことから、乾燥スープ成分と油脂とを同一包装とすることが好ましい。また、上記技術では、スープ表面に油滴が浮遊することなく、乳化して白濁した状態となってしまい、飲食店で提供されるような適度な大きさの油滴が浮遊した状態のスープを提供できていない。
これらの工夫については、未だに満足できるものが提供されておらず、更なる研究の余地が残されていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、製造が容易で、オイルオフが少なく乾燥スープ成分と混在させることが可能であると共に、適当な温度の水を注いだときに表面に油滴を形成することで、飲食店にて提供されるような適度な大きさの油滴が浮遊した状態のスープを提供できる油脂含有乾燥品を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、適当量の油脂とアラビアガムと特定成分の賦形剤を含有させることで所定の油脂含有乾燥品を得られることを見出し、基本的には本発明を完成するに至った。
こうして、本発明に係る油脂含有乾燥品は、20質量%~45質量%の油脂と、5質量%~45質量%のアラビアガムと、14質量%~55質量%の賦形剤とを含有し、前記賦形剤が、(A)デキストリン及び/または糖アルコールと(B)でん粉とをA:B=45~100:0~55の範囲で含むものであって、全体として10mm以下の顆粒状組成物であり、当該顆粒状組成物の容量に対して20倍量以上の90℃以上の水を注ぐことにより5分以内にアラビアガムと賦形剤が溶解し、湯面で油滴になることを特徴とする。
本発明において、前記油脂の融点が-20℃~50℃であることが好ましい。このような油脂として、例えば、米油(-10℃~-5℃)、やし油(20℃~28℃)、パーム油(20℃~40℃)、パーム系油脂(パーム油の分別油およびそれらの加工油)、亜麻仁油(-17~-18℃)、コーン油(-18℃~-10℃)、ごま油(-6℃~-3℃)、オリーブ油(0℃~6℃)、えごま油(-11℃)、菜種油(-12℃~0℃)、大豆油(-8℃~0℃)、MCT(-5℃~0℃)、スーパーオレイン油(10℃~15℃)、ココナッツ油(24℃)、パームカーネル油(25℃~30℃)、チー油(30℃)、ラード(38℃以下)、牛脂(39℃程度)などが挙げられる(各油名の後ろの数値は融点である)。パーム系油脂とは、パーム油、パーム油の分別油およびそれらの加工油(硬化、エステル交換反応のうち1以上の処理がなされたもの)であればよく、具体的には、1段分別油であるパームオレイン、パームステアリン;パームオレインの2段分別油であるパームオレイン(パームスーパーオレイン)およびパームミッドフラクション;パームステアリンの2段分別油であるパームステアリン(ソフトステアリン)およびパームステアリン(スーパーステアリン)等が挙げられる。
また、これらの油脂を利用した香味油を用いることができる。香味油とは、油脂としての物性の他、食品に好ましい香味を有している油性物質を指し、油脂に香味を人工的に付与したものである。特に限定するものではないが、例えば、[タマネギ、ネギ、ニンニク、ショウガ、ニラ、トウガラシ、トマト等の野菜類;ローズマリー、タイム、ローレル、バジル、オレガノ、タラゴン、ディル、フェンネル、サボリー、チャービル、ミント、レモングラス、マジョラム、アニス、オールスパイス、カホクザンショウ、カルダモン、クミン、グリーンペッパー、クローブ、コショウ、コリアンダー、サフラン、サンショウ、花椒(ホンジャオ)、シソ、シナモン、スターアニス、セージ、ターメリック、タラゴン、ナツメグ、バニラ、パプリカ、フェンネル、ホースラディッシュ、ラディッシュ、ワサビ、マスタード、チンピなどのハーブ・香辛料類;しょうゆ、みそ、カレー、鰹節、鯖節、昆布などの調味料類加工食品類;カツオ、サバ、貝柱、エビ、イカ、タコなどの魚介類やその加工品;タマゴ、鶏肉、牛肉、豚肉、チーズなどの動物性タンパク質などの素材類]をそのままあるいは乾燥、焙煎して、油脂に浸漬して香りを付与した、あるいは固体状態で分散させたものを香味油として例示できる。
油脂に対し、メントールや果物系等の香料、バター、チーズ、バニラ等のフレーバーを直接に付与したものであってもよい。これらの油脂については、単独または2種類以上のものを混合して使用することができる。
本発明におけるアラビアガムとは、マメ科アカシア属の植物の樹から出る樹液の粘質物であり、高分子多糖類であり、その構造は、ガラクトース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸や少量のタンパクから構成される。
本発明における賦形剤のでん粉とは、とうもろこし、馬鈴薯、さつまいも、キャッサバ、タピオカ、小麦、蓮根、緑豆、さご、うるち米、モチ米、ワキシーコーン、高粱、くず、ワラビ、小豆、インゲン、ヒヨコマメ、豌豆等の植物性原料から得られるものである。
本発明における賦形剤のデキストリンとは、でん粉を酸分解して得られるデキストリンや、α-アミラーゼなどの酵素で処理することにより得られるデキストリンのいずれでもよい。デキストリンの原料となるでん粉は、いずれの由来でもよいが、タピオカ、とうもろこし、馬鈴薯、甘藷、ワキシーコーン、ワキシーライスなどの澱粉が利用でき、これらの中から1種類ないし、2種類の組合せでもよい。ここで、デキストリンのDEとは、Dextrose Equivalentの略称で、デキストリンの加水分解の程度を意味し、次の式1で表される。
DE=直接還元糖(グルコース換算)/固形分×100(式1)
デキストリンのDEを求める方法は、当該技術分野における慣用技術ならびに知識がそのまま、もしくは適宜変更を加えた形で適用され、代表にはソモジ法が挙げられる。
デキストリンのDEは特に限定されるものではないが、好ましくは6~18、より好ましくは10~13がよい。
本発明における賦形剤の糖アルコールとは、デキストリンに更に水素添加等によって得られる糖アルコールであり、特に限定されるものではないが、例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース等単体で構成されるものやこれらが混在する還元デキストリンや還元水飴等が挙げられる。この糖アルコールは粉末でも液体でも良い。
また、別の発明に関わる上記油脂含有乾燥品の製造方法は、(1)20質量%~45質量%の油脂と、5質量~45質量%のアラビアガムを加え混合することで混合物を得る混合工程、(2)前記混合物と、14質量%~55質量%の賦形剤(但し、(A)デキストリン及び/又は糖アルコールと(B)でん粉とをA:B=45~100:0~55の範囲で含む)とを含有する原料100質量部に対し、加水し生地の応力度が0.25N/cm~1.5N/cmの値を示す生地を調製する生地製造工程、(3)前記生地を乾燥させる乾燥工程を有し、前記乾燥工程では、マイクロ波乾燥法、減圧乾燥法、減圧マイクロ波加熱乾燥法、及び凍結乾燥法からなる群から選択される一つを用いることを特徴とする。生地の応力度は、0.25N/cm~1.5N/cmが好ましく、さらに好ましくは0.30N/cm~1.4N/cmである。また、顆粒状組成物の大きさは、10mm以下であり、10mmを超えるものは5分以内に湯戻りができず、一般的な即席麺の湯戻り時間である5分以内を満たせず、好ましくない。
本発明によれば、製造が容易で、オイルオフが少なく乾燥スープ成分と混在させることが可能な油脂含有乾燥品を提供できる。
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ説明する。本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施できる。
<油脂含有乾燥品の配合と製造方法>
表1には、実施例1~10の油脂含有乾燥品の成分配合比率を、表2には、実施例11~25の油脂含有乾燥品の成分配合比率を、表3には、実施例26~32の油脂含有乾燥品の成分配合比率を、表4には、比較例1~9の油脂含有乾燥品の成分配合比率を、表5には、実施例33の凍結乾燥法による油脂含有乾燥品の成分配合比率と乾燥法の違いによる影響を調べ、それぞれ示した。
表1に示すように、実施例1~3では、油脂含量を変化させ、その影響を調べた。実施例4~10では、増粘多糖類(アラビアガム)含量を変化させ、その影響を調べた。その際、増粘多糖類含量、油脂含量を固定し賦形剤含量(デキストリンとでん粉とを45~100:0~55の範囲)にて調製した。
表2に示すように、実施例11~25では、油脂の種類を変化させ、その影響を調べた。実施例17、25のラー油のベース油脂はゴマ油、実施例19のネギ油のベース油脂はラード、実施例20の豆板醤オイルのベース油脂は大豆油、実施例21の花椒油のべース油脂は菜種油のものを用いた。
表3に示すように、実施例26~32では、賦形剤の種類を変化させ、その影響を調べた。
表4に示すように、比較例1~9では、油脂含量(比較例1、2)、油脂の種類(比較例3)、増粘多糖類含量(比較例4~7)及び賦形剤の種類(比較例8、9)を変化させた。
表5に示すように、実施例33では、マイクロ波乾燥法以外の乾燥方法の一例として、凍結乾燥法にて油脂含有乾燥品を調製し、その影響を調べた。なお、実施例33の横には、比較を行いやすいように、実施例1(マイクロ波乾燥法)の評価結果を再掲した。
表1~表4の各例について、油脂と酸化防止剤と増粘多糖類(アラビアガム)を加え、フードプロセッサーにて撹拌・混合することで混合物を得た(混合工程)。この混合物に、賦形剤を添加し、水を加えてフードプロセッサーにて3分間撹拌し、均一な生地を調製した(生地製造工程)。
生地の応力は、φ50mmの100ml容器に生地製造工程で調製した生地を満量充填し、φ15mmプランジャーで、プランジャー速度25mm/sにて、25mm押し込んだ際の最大応力(N)を測定し、プランジャー面積にて除した値を応力度(N/cm)で表した。
次に、生地をφ10mmの太さで100g押出成形し、マイクロ波出力3kw、加熱時間60秒で乾燥させた(乾燥工程)。その後、適度な大きさにカットして目開き9.5mmのメッシュを通篩したものを回収し、顆粒状の油脂含有乾燥品とした。
表5の実施例33については、乾燥工程を凍結乾燥法とした以外は同じ方法で顆粒状の油脂含有乾燥品を得た。
<試験方法>
上記実施例及び比較例について、次に示す方法により、製造適正、注湯油滴化時間及びオイルオフを評価した。
1.製造適性の評価
表1-表4の実施例及び比較例の製造適正の評価については、次の通りとした。生地製造工程にて製造した生地をテフロンシート上に10mmの円筒状で100g押出し成形し、マイクロ波出力3kw、60秒間の加熱条件で乾燥した後、油脂含有乾燥品を取り除き、予め重量を測定しておいたテフロンシート(登録商標)の重量を差し引き、乾燥工程時のオイルオフ量を算出した。以下のオイルオフ量の基準にて、製造適性を評価した。
◎:オイルオフ量が0.1g以下、○:オイルオフ量が0.1-0.5g、△:オイルオフ量が0.5-1.0g、×:オイルオフ量が1.0g以上とした。
また、表5の実施例33の製造適正の評価については、次の通りとした。生地製造工程にて製造した生地をテフロンシート上に10mmの円筒状で100g押出し成形し、-40℃にて瞬間冷却し12時間の凍結乾燥を実施した後、油脂含有乾燥品を取り除き、予め重量を測定しておいたテフロンシートの重量を差し引き、乾燥工程時のオイルオフ量を算出した。以下のオイルオフ量の基準にて、製造適性を評価した。
◎:オイルオフ量が0.1g以下、○:オイルオフ量が0.1-0.5g、△:オイルオフ量が0.5-1.0g、×:オイルオフ量が1.0g以上とした。
2.注湯油滴化時間の評価
注湯油滴化時間については、次の通りとした。500mlビーカーに5gの油脂含有乾燥品を入れ、90℃以上の300gの水を注ぐことによりアラビアガムと賦形剤が溶解し、顆粒が見えなくなり、湯面で油滴になるまでの時間(注湯油滴化時間)を計測した。時間が5分以内を〇、5分より長い場合を×として評価した。
3.オイルオフの評価
オイルオフ量の評価については、次の通りとした。ろ紙(ADVANTEC製:No.2のφ125mm)に2gの試料を載せ、25℃、密封状態での環境下で24時間放置した。ろ紙上の試料を取り除き、ろ紙の重量を測定した。予め重量を測定しておいたろ紙の重量を差し引きオイルオフ量を算出した。オイルオフ量の評価基準は、<製造適性の評価>と同じとした。
<試験結果>
表1~表5において、各最下段の5行分には、生地応力度、製造適正、注湯油滴化時間及びオイルオフの結果を示した。
製造適正については、実施例1~9,11~26、30~32では◎、実施例10,27~29、33では○であった。比較例1、3~5、7では○であったものの、比較例2、6、8、9では s゜であった。
注湯油滴化時間については、全ての実施例で○(2.5分~5分)であった。比較例5、6では、○(それぞれ3.5分、4分)であったものの、その他の比較例では s゜(5.5分以上または油滴化せず)であった。
オイルオフについては、実施例1、3、11~19、24~27では◎、実施例2、4~10、20~23、28~33では○であった。比較例1、3では○、比較例4、9では△であったものの、比較例2、5~8では s゜であった。
このように各実施例については、製造適正、注湯油滴化時間及びオイルオフのいずれも良好な結果を示した。
なお、実施例について、油滴化後の香りを確認したところ、いずれも原料となる油脂の香りを良好に確認できた。
(油脂)
油脂含量としては、表1の実施例1~3と表4の比較例1~2の結果から油脂含量が20%以下であると注湯してから油滴化するまでの時間が長くなり、また油脂含量が45%であると乾燥工程後のオイルオフ量が多くなるため、油脂含量としては20質量%~45質量%が好ましかった。
また、油脂の種類としては食用植物性油脂であればよく、これらの油脂を利用した香味油も用いられることが分かった。ただし、油脂の融点に関しては、表2の実施例11~25、比較例3の結果から、融点が高いパーム油極度硬化油(70℃)であると注湯してから油滴化するまでの時間が長くなること、及びハンドリングの悪さのため、融点は-18℃~50℃が好ましいかった。
(増粘多糖類)
増粘多糖類としては、表1の実施例4~10と表4の比較例4~7の結果から増粘多糖類はアラビアガムを用いたほうがよく、5質量%以下であると保存時のオイルオフ量が多くなり、45質量%以上であると注湯してから油滴化するまでの時間が長くなるため、増粘多糖類含量としては5質量%~45質量%が好ましいことが分かった。
(賦形剤)
賦形剤としては、表3の実施例26~32と表4の比較例8、9の結果から、A)デキストリン及び/または糖アルコールと(B)でん粉とをA:B=45~100:0~55の範囲で含むものが好ましい。特にデキストリンのDE値に関してはDE値が大きいと油滴化するのに時間が短縮され、DE値が小さいと保存時のオイルオフが少なくなるという傾向が得られた。
(製法)
マイクロ波乾燥法以外の乾燥方法として、表5の凍結乾燥法を用いて油脂含有乾燥品を調製したが、マイクロ波乾燥法と同様に製造適正があり、注湯より4分で油滴化し、保存時のオイルオフも少ないことがわかり、この乾燥方法でも油滴化顆粒の調整が可能であることがわかった。
(応用例)
以下には、本実施形態の油脂含有乾燥品を応用した例を示した。
・即席スープ
即席スープの応用例として、市販のカップスープに2gの油脂が含有される油滴化顆粒(例えば実施例17)を5g、乾燥スープ成分と混在させた後、カップに油滴化顆粒をブレンドした粉末スープをいれ90℃以上の水を150g程度注湯した。
注湯後、かき混ぜ、スープ表面を確認すると、1~5mm程度の油滴がスープ表面に浮かんでいることが確認できた。喫食時、香味油の風味、油脂感やおいしさを付与できる結果となった。
・即席麺
即席麺の応用例として、おわん型の即席麺に対し、粉末スープ9gと油滴化顆粒(例えば実施例17)10g(4gの油脂(ラー油)が含有される)を粉末スープ部分として混在させ19gの粉末スープ混在品とした。即席麺の上部に粉末スープ混在品を載せ、90℃以上の水を350ml程度注湯し、ふたをして3分間静置した。ふたを開け、かき混ぜ、スープ表面を確認すると、1~5mm程度の油滴がスープ表面に浮かんでいることが確認でき、ラー油の風味と油脂感を付与できる結果となった。同量の液体状のラー油(4g)を添加しかき混ぜた即席麺との官能評価を比べたが、同様の風味、油脂感であることが分かった。
・ハンバーグ風プラントベースフード
粒状大豆蛋白13部を水で復元し、水を絞り39部にした(以下、「粒状大豆蛋白復元品」と言う)。カードラン1部、メチルセルロース2部、冷水32部を攪拌混合した(以下、「調製結着剤」と言う)。
粒状大豆蛋白復元品39部、調整結着剤35部、にんにく1部、食塩1部、胡椒0.1部、ナツメグ0.1部をボールにいれ手で混合した(以下、「タネ」という)。
最後にタネに油滴化顆粒(例えば実施例1)を5部、軽く混合し、楕円形に形成し、熱したフライパンにコーン油10部を入れ、片面5分間ずつ、両面焼成した。
調理の間、油滴化顆粒はハンバーグ内に留まっており、染み出てくる事がなかった。これを喫食すると油脂感がありジューシーなハンバーグとして美味しく食べられた。
また、これを急速凍結し、電子レンジで解凍しても、油滴化顆粒の食感に変化は見られず、調理直後のものと変わりのない官能評価結果であった。
このように本実施形態によれば、製造が容易で、オイルオフが少なく乾燥スープ成分と混在させることが可能であると共に、適当な温度の水を注いだときに表面に油滴を形成することで、飲食店にて提供されるような適度な大きさの油滴が浮遊した状態のスープを提供できる油脂含有乾燥品を提供できた。

Claims (3)

  1. 20質量%~45質量%の油脂と、5質量%~45質量%のアラビアガムと、14質量%~55質量%の賦形剤とを含有し、前記賦形剤が、(A)デキストリン及び/または糖アルコールと(B)でん粉とをA:B=45~100:0~55の範囲で含むものであって、全体として10mm以下の顆粒状組成物であり、当該顆粒状組成物の容量に対して20倍量以上の90℃以上の水を注ぐことにより5分以内にアラビアガムと賦形剤が溶解し、湯面で油滴になることを特徴とする油脂含有乾燥品。
  2. 前記油脂の融点が-20℃~50℃である請求項1に記載の油脂含有乾燥品。
  3. (1)20質量%~45質量%の油脂と、5質量~45質量%のアラビアガムを加え混合することで混合物を得る混合工程、
    (2)前記混合物と、14質量%~55質量%の賦形剤(但し、(A)デキストリン及び/又は糖アルコールと(B)でん粉とをA:B=45~100:0~55の範囲で含む)とを含有する原料100質量部に対し、加水し生地の応力度が0.25N/cm~1.5N/cmの値を示す生地を調製する生地製造工程、
    (3)前記生地を乾燥させる乾燥工程を有し、
    前記乾燥工程では、マイクロ波乾燥法、減圧乾燥法、減圧マイクロ波加熱乾燥法、及び凍結乾燥法からなる群から選択される一つを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の油脂含有乾燥品の製造方法。
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