JP2024068446A - ガスバリア性包装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】水蒸気バリア性に優れる、紙基材を用いたガスバリア性包装材を提供すること。【解決手段】紙基材と、水分散性樹脂及びシリカ粒子を含む組成物から形成されたシーラント層と、を備えるガスバリア性包装材。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性包装材に関する。
食品、飲料、医薬品、化学品等の多くの分野では、それぞれの内容物に応じた包装材が使用されている。包装材は、内容物の変質の原因となる酸素、水蒸気等の透過防止性(ガスバリア性)が求められる。
従来、このような包装材には、ガスバリア性に優れるプラスチック材料が多く用いられてきた。しかしながら、海洋プラスチックごみの問題等に端を発する近年の環境意識の高まりから、包装材においても脱プラスチックの機運が高まっている。例えば、下記特許文献1では、紙を使用することでプラスチック材料の使用量削減が検討されており、具体的には紙基材上にアイオノマーを含むヒートシール層を有する包装用紙が開示されている。
国際公開第2022/152753号
特許文献1における包装用紙は、ヒートシール層にアイオノマーを用いることでプラスチックの使用量を低減することができるとされているものの、水蒸気バリア性の観点において改善の余地があることが分かった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、水蒸気バリア性に優れる、紙基材を用いたガスバリア性包装材を提供することを目的とする。
本開示の一側面は、紙基材と、水分散性樹脂及びシリカ粒子を含む組成物から形成されたシーラント層と、を備えるガスバリア性包装材を提供する。
一態様において、シリカ粒子のシラノール基密度が10~70μmol/mであってよい。
一態様において、シリカ粒子のアスペクト比が10~100であってよい。
一態様において、水分散性樹脂が、オレフィン-不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン-酢酸ビニル共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含んでよい。
一態様において、ガスバリア性包装材の水蒸気透過度(温度40℃、相対湿度90%)が、20g/m・day以下であってよい。
本発明によれば、水蒸気バリア性に優れる、紙基材を用いたガスバリア性包装材が提供される。
図1は、一実施形態に係るガスバリア性包装材を示す模式断面図である。
以下、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されない。
<ガスバリア性包装材>
図1は、一実施形態に係るガスバリア性包装材を示す模式断面図である。ガスバリア性包装材10は、紙基材1と、水分散性樹脂及びシリカ粒子を含む組成物から形成されたシーラント層2と、を備える。
ガスバリア性包装材は、紙基材と、水分散性樹脂及びシリカ粒子を含む組成物から形成されたシーラント層とを備える、ヒートシール性を有するガスバリア性積層体であると言うことができる。
水分散性樹脂及びシリカ粒子を含む組成物から形成されたシーラント層は、ヒートシール性を有しながらも主に水蒸気の透過を抑制することに優れていることから、水蒸気バリア性を有するシーラント層と言うことができる。
ガスバリア性包装材10は、紙基材1及びシーラント層2間に、バリア性向上の観点からさらに他の機能層を備えていてもよい。そのような機能層としては、金属箔、蒸着層、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層等が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂を含む層は、ガスバリア性包装材のガス(酸素)の透過をより抑制し易くなるため、特にガスバリア層と言うことができる。
ガスバリア性包装材10は、シーラント層2上に、バリア性及びヒートシール性向上の観点からさらに他の機能層を備えていてもよい。そのような機能層としては、水分散性樹脂を含みかつシリカ粒子を含まない組成物から形成された層(シーラント補助層)が挙げられる。
ガスバリア性包装材10の水蒸気透過度(WVTR)は、20g/m・day以下とすることができ、15g/m・day以下であってもよい。水蒸気透過度は、水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、商品名:PERMATRAN)を用いて、温度40℃、相対湿度90%の条件で、JIS K-7126-2に準拠して測定される。水蒸気透過度の下限は特に限定されないが、例えば0.1g/m・dayとすることができる。
[紙基材]
紙基材としては、特に限定されるものではなく、ガスバリア性包装材の用途に応じて適宜選択すればよい。植物由来のパルプを主成分としている紙であれば特に制限なく紙基材として用いることができる。
紙基材の具体例として、上質紙、特殊上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、模造紙及びクラフト紙、グラシン紙が挙げられる。
紙基材の厚さは、例えば、30~100μmとすることができ、30~70μmであってもよい。
紙基材の厚さ(坪量)は、例えば20~500g/mとすることができ、30~100g/mであってもよい。
紙基材の厚さは、ガスバリア性包装材全体の厚さの70%以上であってよい。紙基材の厚さが、ガスバリア性包装材全体の厚さの70%以上であれば、環境適性に優れているといえる。
紙基材の重量は、ガスバリア性包装材全体を基準として、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。紙基材の重量がガスバリア性包装材全体を基準として、50質量%以上であれば、プラスチック材料の使用量を十分に削減することができ、ガスバリア性包装材全体として紙製であるということができる。このようなガスバリア性性包装材はリサイクル性に優れる。
紙基材は、少なくともシーラント層(場合により他の機能層)と接する側にコート層を有していてもよい。コート層により、紙基材にシーラント層の成分が染み込むことを防ぐことができるほか、紙の凹凸を埋める目止めの役割を果たすこともでき、シーラント層を欠陥なく均一に形成し易くなる。コート層には、バインダー樹脂として例えば、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、などの各種共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂等が含まれていてよく、填料として例えば、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等が含まれていてもよい。
コート層の厚さは、特に制限されるものではないが、例えば、1~10μm、又は3~8μmであってよい。
[シーラント層]
シーラント層は、紙基材上(場合により他の機能層上)にシーラント層を形成する組成物(水分散性樹脂及びシリカ粒子を含む組成物)を含む塗液を塗布し、50~150℃程度で乾燥させることで得ることができる。シーラント層は、当該塗液の加熱乾燥物(硬化物)であるということができる。塗液に含まれる溶媒(液状媒体)は、臭気抑制の観点から水系溶媒である。水系溶媒は水を含むが、少量のアルコールを含んでいてもよい。アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール等が挙げられる。
水系溶媒は水を50質量%超含むものであり、100質量%含んでいてもよい。
シーラント層を形成する組成物は、水分散性樹脂及びシリカ粒子の他に、必要に応じて界面活性剤、防腐剤、保存安定剤、シランカップリング剤、金属アルコキシド(及びその加水分解物)等の添加剤を含むことができる。例えば金属アルコキシドとしてはテトラエトキシシランが挙げられる。組成物中に金属アルコキシドを含めることで層がより緻密化し易くなり、水蒸気バリア性がより向上し易い。
シーラント層の厚さは、1~30μmとすることができ、2~20μmであってもよい。厚さが1μm以上であることで、充分な水蒸気バリア性及びヒートシール性を発現させ易く、30μm以下であることで、コストを抑えつつ紙基材の凹凸を効率的に埋めることができる。
水分散性樹脂の含有量は、組成物の全量を基準として、5~50質量%とすることができ、10~30質量%であってもよい。含有量が5質量%以上であることで、塗液が乾燥し易くなり生産効率が向上する傾向があり、含有量が50質量%以下であることで、塗液粘度の上昇が抑制され塗工性が向上する傾向がある。
水分散性樹脂の含有量は、シーラント層の全量を基準として70~99質量%とすることができ、80~99質量%であってもよく、90~95質量%であってもよい。
(水分散性樹脂)
水分散性樹脂は、水系溶媒中に分散する樹脂である。シーラント層は、水分散性樹脂及びシリカ粒子を含む組成物から形成された層、又は水分散性樹脂及びシリカ粒子を含む層であるということもできる。
水分散性樹脂の軟化点は例えば、40~150℃である。水分散性樹脂は樹脂が水中に分散しているため、水系溶媒を揮発させただけでは分散された樹脂同士が結合せず一体膜になりにくい。軟化点が150℃以下であることで、塗布乾燥時の加熱により樹脂の融着を進行しやすく一様な膜を得ることができる。軟化点が高すぎる場合は相応の高温が必要となるため、紙基材に変形等の支障が生じたり、生産性が低下したりする虞がある。一方軟化点が40度以上あることで室温域での粘性が高くなりすぎず、ブロッキングの発生が抑制される。水分散性樹脂の軟化点は60~120℃であることがより好ましい。
水分散性樹脂としては、極性基を有するポリオレフィンが挙げられる。極性基を有するポリオレフィンは、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有していてもよい。
極性基を有するポリオレフィンとして、エチレンやプロピレン等のオレフィンと、不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸等カルボキシル基を有する不飽和化合物)や、不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;当該共重合体が有するカルボン酸(カルボキシ基)をアンモニア等の塩基性化合物で中和した塩;エチレンやプロピレン等のオレフィンと、酢酸ビニル、エポキシ系化合物、塩素系化合物、ウレタン系化合物、ポリアミド系化合物等との共重合体、などが挙げられる。
極性基を有するポリオレフィンとして、具体的には、オレフィン-不飽和カルボン酸共重合体(エチレン-不飽和カルボン酸共重合体)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体等が挙げられる。これらのうち、ヒートシール性の観点からは、水分散性樹脂が、オレフィン-不飽和カルボン酸共重合体又はエチレン-酢酸ビニル共重合体であることが好ましい。オレフィン-不飽和カルボン酸共重合体はアニオン性樹脂ということができる。
このような水分散性樹脂から形成されたシーラント層は、柔軟性に優れており、紙基材との密着性に優れる。特に、上述したポリオレフィンを含むことで、ポリオレフィンの結晶性による緻密な膜の形成が可能であり、優れた水蒸気バリア性が得られ易い。また、ポリオレフィンが極性基を有することで紙基材との密着性が向上する。
(シリカ粒子)
シーラント層を、水分散性樹脂及びシリカ粒子を含む組成物から形成すると、水蒸気バリア性が向上する。この理由につき発明者らは、層形成過程においてシリカ粒子が有する末端シラノール基同士の脱水縮合が生じ、層が緻密になるためであると推察している。使用する水分散性樹脂の性質により組成物の液性が中性、塩基性(pH>7)又は酸性(pH<7)に傾き得るが、シリカ粒子を用いることで液性に依らずこの効果を享受することができる。なお、上記水分散性樹脂を含む塗液の液性は塩基性(アニオン性)になり易い傾向がある。
シリカ粒子を用いることによる効果は、マイカ、ベントナイト、カオリン等の天然鉱物粒子を用いた場合には充分に得られない。天然鉱物粒子の場合、液性が塩基性である場合、粒子末端にシラノール基は存在し難く、アルミノール基が存在し易くなる。アルミノール基では脱水縮合が生じ難いため層の緻密化が起こり難い。一方、液性が中性又は酸性である場合、粒子末端にシラノール基が存在し易くなるものの、そもそも天然鉱物粒子のシラノール基密度が低いため、やはり層の緻密化が起こり難い。
シリカ粒子の形状は特に制限されず、球状、棒状、板状、鱗片状等の形状が挙げられる。
シリカ粒子は、一次粒子としての極薄片形状の二酸化珪素(SiO)微粒子が平行的に重なった鱗片状の二次粒子、また当該二次粒子が更に三次元的に凝集した三次粒子の形態を有していてもよい。そのようなシリカ粒子としては、例えばサンラブリー(AGCエスアイテック株式会社製)が挙げられる。
シリカ粒子の形状が、棒状、板状、鱗片状等のように高アスペクト比を有する形状である場合、シーラント層内において層の主面に平行に配向し易くなる。これによりシリカ粒子による迷路効果が生じ易くなり、水蒸気や酸素が透過し難くなる。
シリカ粒子のアスペクト比は10~100とすることができる。アスペクト比が10以上であることで、迷路効果がより生じ易くなり、100以下であることで折り曲げ後のバリア性の低下を抑制し易くなる。
アスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて30個の粒子の長軸と短軸の比率の平均を求めることにより測定される。
シリカ粒子の平均粒子径D50は、0.1~3.0μmとすることができ、0.5~1.5μmであってもよい。
平均粒子径D50は、レーザー回折・散乱法を用いた粒度分布測定により得ることができる。
シリカ粒子のシラノール基密度は10~70μmol/mとすることができ、20~70μmol/mであってもよい。シラノール基密度が10μmol/m以上であることで、シーラント層の緻密化が生じ易くなり、70μmol/m以下であることで、シラノール基の縮合によるゲル化が起こり難い。
シラノール基密度は、イオンクロマトグラフ法(IC)により測定される。
シリカ粒子の含有量は、水分散性樹脂100質量部(固形分)に対して、0.1~50質量部とすることができ、1~30質量部であってもよく、5~20質量部であってもよく、7.5~20質量部であってもよく、15~20質量部であってもよい。含有量が0.1質量部以上であることで、シラノール基の縮合によるバリア性向上が生じ易くなり、50質量部以下であることで、シラノール基の縮合によるゲル化が起こり難い。また、特に20質量部未満であることで、塗液の粘度が低く維持され、優れた塗工性が得易い。
シリカ粒子の含有量は、シーラント層の全量を基準として、1~30質量%とすることができ、1~20質量%であってよく、5~10質量%であってもよい。
[ガスバリア層]
(ポリビニルアルコール系樹脂)
ポリビニルアルコール系樹脂とは、例えば、完全けん化のポリビニルアルコール樹脂、部分けん化のポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂等である。ポリビニルアルコール系樹脂を用いて形成されたガスバリア層は柔軟性に優れる。
ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、300~1500以下とすることができる。重合度が300以上であれば、ガスバリア性包装材のバリア性や屈曲耐性が良好になり、重合度が1500以下であれば、後述するポリビニルアルコール系樹脂の塗液の粘度が低くなり、塗布性が良好になる。
ガスバリア層を設ける方法としては、紙基材上に上述したポリビニルアルコール系樹脂及び溶媒を含む塗液を塗布し、50~150℃程度で乾燥させることで得ることができる。
塗液に含まれる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられ、特に水と、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコールとの混合溶媒が好ましい。また塗液は、界面活性剤や防腐剤、保存安定剤、シランカップリング剤、有機チタネート等の添加剤を含んでいても構わない。
ガスバリア層の厚さは、例えば0.1~30μmとすることができ、1~10μmであってもよい。厚さが0.1μm以上であれば、充分なガスバリア性を発現させ易く、厚さが30μm以下であれば、コストを抑え易い。
[金属箔及び蒸着層]
金属箔としては、アルミニウム、ステンレス鋼等からなる各種金属箔を用いることができ、防湿性、延展性等の加工性及びコスト等の観点から、アルミニウム箔であってもよい。アルミニウム箔としては、軟質アルミニウム箔を用いることができる。アルミニウム箔は、耐ピンホール性及び成型時の延展性が優れる観点から、鉄を含んでもよい。
金属箔の厚さは、バリア性、耐ピンホール性、加工性等の観点から、5~50μm、又は5~15μmであってもよい。
金属箔は、アクリルポリオールとイソシアネート硬化剤を用いた2液硬化型接着剤等の接着剤を介して紙基材に貼り合わせることができる。
蒸着層は、金属又は無機化合物を蒸着した層である。蒸着層としては、アルミニウム(Al)、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ケイ素(SiO)等を含むものであってもよい。
蒸着層の厚さは、30~100nmとすることができ、50~80nmであってもよい。蒸着層の厚さを30nm以上とすることで蒸着層が均一に形成され易く、100nm以下とすることでカールやクラックの発生を十分に抑制でき、ガスバリア性能及び可撓性を得易い。
蒸着層は、真空成膜手段によって成膜することが、酸素バリア性や膜均一性の観点から好ましい。成膜手段には、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)等の公知の方法があるが、成膜速度が速く生産性が高いことから真空蒸着法が好ましい。また真空蒸着法の中でも、特に電子ビーム加熱による成膜手段は、成膜速度を照射面積や電子ビーム電流等で制御し易いこと、蒸着材料への昇温降温が短時間で行えることなどから有効である。
蒸着層を設ける場合、紙基材上にポリウレタン系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、エポキシ-アミン硬化型樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等を含むアンカーコート層を予め設けてもよい。
[シーラント補助層]
シーラント補助層は、シーラント補助層を形成する組成物(上述の水分散性樹脂を含みかつシリカ粒子を含まない組成物)を用いること以外は、ヒートシール層と同様にしてヒートシール層上に形成することができる。
<包装袋>
上記のガスバリア性包装材を製袋することで包装袋を得ることができる。包装袋は、1枚の包装材を、シーラント層が対向するように二つ折りにした後、ヒートシールすることによって袋形状としたものであってもよく、2枚の包装材をシーラント層が対向するように重ねた後、ヒートシールすることによって袋形状としたものであってもよい。
包装袋には、食品、医薬品等の内容物を収容することができる。包装袋の形状としては、例えばガゼット袋、ピロー袋、三方シール袋、スタンディングパウチ等が挙げられる。
<本実施形態の概要>
[発明1]
紙基材と、水分散性樹脂及びシリカ粒子を含む組成物から形成されたシーラント層と、を備えるガスバリア性包装材。
[発明2]
前記シリカ粒子のシラノール基密度が10~70μmol/mである、発明1に記載のガスバリア性包装材。
[発明3]
前記シリカ粒子のアスペクト比が10~100である、発明1又は2に記載のガスバリア性包装材。
[発明4]
前記水分散性樹脂が、オレフィン-不飽和カルボン酸系樹脂及びエチレン-酢酸ビニル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、発明1~3のいずれか一に記載のガスバリア性包装材。
[発明5]
水蒸気透過度(温度40℃、相対湿度90%)が、20g/m・day以下である、発明1~4のいずれか一に記載のガスバリア性包装材。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
<ガスバリア性包装材の作製>
(使用材料)
紙基材:晒クラフト紙(坪量52g/m、厚さ68μm)。
シーラント層形成用樹脂液1:エチレン-アクリル酸共重合体アンモニウム塩の水性分散液(ザイクセンAC、住友精化株式会社製、pH7-10)。
シーラント層形成用樹脂液2:エチレン-酢酸ビニル共重合体の水性分散液(ケミパールV、三井化学株式会社製、pH8)。
シーラント層形成用樹脂液3:エチレン-不飽和カルボン酸共重合体の金属塩の水性分散液(アイオノマー)(ケミパールS100、三井化学株式会社製、pH8)。
シリカ粒子:鱗片状シリカ粒子(サンラブリーLFS-Cタイプ、AGCエスアイテック株式会社製、アスペクト比10~100、平均粒子径(D50)0.5μm、シラノール基密度20~70μmol/m)。
カオリン粒子:鱗片状カオリン粒子(バリサーフHX、イメリス社製)。
モンモリロナイト粒子:鱗片状モンモリロナイト粒子(クニピアF、クニミネ工業株式会社製)。
(実施例1)
シーラント層形成用樹脂液1とシリカ粒子とを、樹脂とシリカ粒子との固形分比が、質量比で100:10となるように混合して塗液を得た。
この塗液を、紙基材上にバーコーターを用いて乾燥後重量が3g/mとなるように塗工した。塗膜を120℃で1分間乾燥させることで、厚さ7μmのシーラント層を形成した。
以上によりガスバリア性包装材を得た。
(実施例2,3)
樹脂とシリカ粒子との固形分比を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性包装材を得た。実施例3では、粒子の含有量比の関係から塗液の粘度が向上したため、シーラント層を形成する際の塗工性は他の実施例よりも幾分劣っていた。
(実施例4)
シーラント層形成用樹脂液1に代えてシーラント層形成用樹脂液2を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性包装材を得た。
(比較例1,2)
シリカ粒子に代えてカオリン粒子又はモンモリロナイト粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性包装材を得た。
(比較例3)
シーラント層形成用樹脂液1に代えてシーラント層形成用樹脂液3を用いたことと、シリカ粒子を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性包装材を得た。
<バリア性評価>
(水蒸気透過度測定)
各例で得られたガスバリア性包装材の水蒸気透過度(WVTR)を、水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、商品名:PERMATRAN-W 3/34G)を用いて、温度40℃、相対湿度90%の条件で、JIS K-7126-2に準拠して測定した。
(ヒートシール強度)
各例で得られたガスバリア性包装材のヒートシール強度を測定した。具体的には、2枚のガスバリア性包装材のシーラント層同士を対向させた状態で、120℃、0.2MPa、1秒の条件にてヒートシールバーで熱圧着させた。熱圧着部を15mm巾に切り出し、引張試験機でT字剥離したときのヒートシール強度(N/15mm)を記録した。剥離速度は、300mm/分とした。
<リサイクル性>
実施例における紙基材の重量は、ガスバリア性包装材全体を基準として80~94質量%であり、リサイクル性に優れていた。
1…紙基材、2…シーラント層、10…ガスバリア性包装材。

Claims (5)

  1. 紙基材と、水分散性樹脂及びシリカ粒子を含む組成物から形成されたシーラント層と、を備えるガスバリア性包装材。
  2. 前記シリカ粒子のシラノール基密度が10~70μmol/mである、請求項1に記載のガスバリア性包装材。
  3. 前記シリカ粒子のアスペクト比が10~100である、請求項1又は2に記載のガスバリア性包装材。
  4. 前記水分散性樹脂が、オレフィン-不飽和カルボン酸共重合体及びエチレン-酢酸ビニル共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載のガスバリア性包装材。
  5. 水蒸気透過度(温度40℃、相対湿度90%)が、20g/m・day以下である、請求項1又は2に記載のガスバリア性包装材。
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