JP2024067030A - ミラベグロン含有放出制御医薬組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ミラベグロンまたはその製薬学的に許容される塩、親水性基剤としてトレハロース、イソマルト、エリスリトール、グルコノ-δ-ラクトン、結晶セルロース、ステアリン酸ポリオキシル40、及びショ糖脂肪酸エステルから成る群より選択される1種以上の添加剤、及びハイドロゲルを形成する高分子としてポリエチレンオキサイドを含有してなる、放出制御医薬組成物を提供することを目的とする。【解決手段】 ミラベグロンまたはその製薬学的に許容される塩、親水性基剤としてトレハロース、イソマルト、エリスリトール、グルコノ-δ-ラクトン、結晶セルロース、ステアリン酸ポリオキシル40、及びショ糖脂肪酸エステルから成る群より選択される1種以上の添加剤、及びハイドロゲルを形成する高分子としてポリエチレンオキサイドを含有してなる、放出制御医薬組成物を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、ミラベグロンを含有する放出制御医薬組成物に関する。
ミラベグロンは、化学名(R)-2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-4’-[2-[(2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)アミノ]エチル]酢酸アニリドであり、ミラベグロンを有効成分とする錠剤は、過活動膀胱治療薬であることが知られており、ベタニス(登録商標)錠25mg/50mgとして販売されている(非特許文献1)。
効能・効果は「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁」であり、用法・用量は、通常、成人にはミラベグロンとして50mgを1日1回食後に経口投与する、という薬剤である。
特許文献1には、通常製剤と有効性は同等以上であり、食餌摂取の制限が無いミラベグロンまたはその製薬学的に許容される塩を含有する放出制御医薬組成物、並びに該組成物の製造方法に関する発明が記載されている。
特許4688089号公報
添付文書「ベタニス錠25mg/50mg」、2021年8月改訂(第2版)
本発明の目的は、ミラベグロンを含有する放出制御医薬組成物を提供することにある。
本発明の発明者らは、ミラベグロンまたはその製薬学的に許容される塩及びハイドロゲルを形成する高分子としてポリエチレンオキサイドを含有するミラベグロン含有医薬組成物において、親水性基剤としてトレハロース、イソマルト、エリスリトール、グルコノ-δ-ラクトン、結晶セルロース、ステアリン酸ポリオキシル40、及びショ糖脂肪酸エステルから成る群より選択される1種以上の添加剤を含有することで、ミラベグロンを含有する放出制御医薬組成物を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ミラベグロンまたはその製薬学的に許容される塩、親水性基剤としてトレハロース、イソマルト、エリスリトール、グルコノ-δ-ラクトン、結晶セルロース、ステアリン酸ポリオキシル40、及びショ糖脂肪酸エステルから成る群より選択される1種以上の添加剤、及びハイドロゲルを形成する高分子としてポリエチレンオキサイドを含有してなる、放出制御医薬組成物、
(2)親水性基剤がトレハロース、エリスリトール、グルコノ-δ-ラクトン、及びステアリン酸ポリオキシル40から成る群より選択される1種以上の添加剤である、前記(1)に記載の放出制御医薬組成物、
(3)ポリエチレンオキサイドの平均分子量が200万、または2%水溶液25℃の粘度が2000mPa・s以上4000mPa・s以下である、前記(1)に記載の放出制御医薬組成物、
(4)親水性基剤がイソマルトであり、ポリエチレンオキサイドの平均分子量が200万、または2%水溶液25℃の粘度が2000mPa・s以上4000mPa・s以下である、前記(1)に記載の放出制御医薬組成物、
(5)1単位組成物あたりのミラベグロンの配合量を1とするとき、イソマルトの配合量が0.5~20である、前記(4)に記載の放出制御医薬組成物、
(6)さらにショ糖脂肪酸エステルを含む、前記(4)に記載の放出制御医薬組成物、
(7)フィルムコーティング錠である、前記(1)~(6)に記載の放出制御医薬組成物、
に関するものである。
本発明によれば、ミラベグロンを含有する放出制御医薬組成物を提供することができる。
実施例1、実施例2、実施例3、実施例5、実施例7、実施例8及び比較例1の錠剤における溶出挙動の測定結果である。 実施例4、実施例5、実施例6及び実施例2の錠剤における溶出挙動の測定結果である。 実施例8及び実施例9の錠剤における溶出挙動の測定結果である。
本明細書における「徐放性」とは、医薬組成物の平均溶出率が30分時点で85%以下であることを示す。
本明細書における「放出制御医薬組成物」とは、経口投与用である。
本明細書における「ゲル化率」とは、錠剤中のゲルを形成した部分の割合を示し、高いゲル化率とは、ある態様として、70%以上100%未満である。
ゲル化率を算出する方法は、特に限定しないが、例えば、円形錠の質量(Wini)を測定後、200mLのガラスビーカーに投入し、pH6.8緩衝液(溶出試験第2液)を200mL加え、37±0.5℃にて2時間静置後、ゲル化した錠剤を取り出し、ゲル層を剥離後、ゲル化していない部分の質量(Wobs)を測定し、以下の数式1を用いて算出する方法が挙げられる。
Figure 2024067030000002
本発明のミラベグロン含有放出制御医薬組成物は、4時間以上の持続的薬物放出が可能な製剤である。その溶出挙動は、例えば、日本薬局方溶出試験法のパドル法(回転数50rpm)で測定した際に、ある態様として、360分時点で80%以下かつ720分時点で40%以上であり、ある態様として、360分時点で75%以下かつ720分時点で85%以上である。
本明細書におけるD90とは、レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径をいう。原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その90%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。
本明細書におけるD50とは、レーザー回折法により測定した体積基準の粒子径をいう。原理的には、一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その50%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。
以下に、本発明のミラベグロンを含有する放出制御医薬組成物に関して説明する。
本発明に用いられるミラベグロンは、例えば、国際公開第99/20267号の実施例41に記載された方法に従って製造され得る。ミラベグロンの形態は、結晶状態、非晶質状態のいずれでも使用することができる。
本発明に用いられるミラベグロンの配合量は、医薬品製剤としての用量を構成する製剤中のミラベグロン量であれば、特に制限されない。例えば、単位組成物全量あたり、ある態様として2~50重量%であり、ある態様として3~40重量%であり、ある態様として4~20重量%である。
本発明に用いられるミラベグロンのD90は、製造適性の観点から、ある態様として2μm以上200μm以下であり、ある態様として4μm以上100μm以下であり、ある態様として6μm以上50μm以下である。
本発明に用いられるミラベグロンのD50は、製造適性の観点から、ある態様として0.2μm以上150μm以下であり、ある態様として0.5μm以上80μm以下であり、ある態様として1μm以上30μm以下である。
本発明に用いられるハイドロゲルを形成する高分子としてのポリエチレンオキサイドは、平均分子量として、例えば、ある態様として50万~400万、ある態様として100万~300万、ある態様として200万である。あるいは、ポリエチレンオキサイドの粘度は、ある態様として2%水溶液とした際の25℃における測定において、400mPa・s以上4000mPa・s以下であり、ある態様として2%水溶液25℃の粘度が2000mPa・s以上4000mPa・s以下であり、ある態様として1%水溶液とした際の25℃における測定において、1650mPa・s以上5500mPa・s以下であり、ある態様として0.5%水溶液とした際の25℃における測定において、20mPa・s以上250mPa・s以下である。
本発明に用いられるハイドロゲルを形成する高分子の配合量は、徐放性の観点から、1錠剤あたりの全重量に対し、ある態様として3~80重量%であり、ある態様として5~70重量%であり、ある態様として10~60重量%である。
本発明に用いられるハイドロゲルを形成する高分子の配合量は、徐放性の観点から、1単位組成物あたりのミラベグロンの配合量を1とすると、ある態様として0.5~20であり、ある態様として0.75~15であり、ある態様として1~10である。
本発明に用いられる親水性基剤とは、錠剤内部に水を侵入させるための添加剤を意味する。親水性基剤としては、製薬学的に許容されるものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、トレハロース、イソマルト、エリスリトール、グルコノ-δ-ラクトン、結晶セルロース、ステアリン酸ポリオキシル40、ショ糖脂肪酸エステル、ポリビニルピロリドン、D-ソルビトール、キシリトール、乳糖、白糖、無水マルトース、D-フルクトース、デキストラン、ブドウ糖、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、クエン酸、酒石酸、グリシン、β-アラニン、塩酸リジン、及びメグルミンからなる群から選択される1種または2種以上の添加剤を包含する。ある態様として、トレハロース、イソマルト、エリスリトール、グルコノ-δ-ラクトン、結晶セルロース、ステアリン酸ポリオキシル40、ショ糖脂肪酸エステルである。
本発明に用いられる親水性基剤の配合量は、徐放性の観点から、1単位組成物あたりの全重量に対し、ある態様として5~95重量%であり、ある態様として10~90重量%であり、ある態様として15~85重量%である。
本発明に用いられる親水性基剤の配合量は、徐放性の観点から、1単位組成物あたりのミラベグロンの配合量を1とするとき、ある態様として0.5~20であり、ある態様として1~15であり、ある態様として2~10である。
本発明の錠剤には、必要に応じて、更に医薬品添加物を配合することができる。具体的には、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、流動化剤、コーティング剤、酸味料、発泡剤、甘味剤、香料、着色剤、緩衝剤、抗酸化剤等が挙げられる。
賦形剤としては、例えば、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、トレハロース、無水リン酸水素カルシウム、D-ソルビトール、乳糖、白糖、デンプン、アルファ化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アラビアゴム、デキストリン、プルラン等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、結晶セルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルスターチ、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、アルファ化デンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、タルク等が挙げられる。
コーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、酸化チタン、タルク等が挙げられる。
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
発泡剤としては、例えば、重曹等が挙げられる。
甘味剤としては、例えば、スクラロース、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。
香料としては、例えば、レモン、レモンライム、オレンジ、メントール等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、食用黄色4号、食用黄色5号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用青色3号等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、クエン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸又はその塩類、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン又はその塩類、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸、ホウ酸又はその塩類等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル等が挙げられる。
本発明の放出制御医薬組成物には、本発明の所望の効果が達成される範囲で更なる各種医薬品添加物が適宜使用される。
本発明の錠剤に配合される上記更なる各種医薬品添加物は、適宜組合せることができる。
配合量は、本発明の所望の効果の達成に影響を与えない量であれば特に制限されない。
本発明のミラベグロン含有放出制御医薬組成物には、具体的には、散剤、顆粒、錠剤が含まれる。また、錠剤には口腔内崩壊錠も含まれ、素錠、フィルムコーティング錠であってもよい。
本発明の放出制御医薬組成物は、通常の錠剤製造方法により製造することが可能である。より具体的には、例えば、ミラベグロン、ハイドロゲルを形成する高分子及び親水性基剤を混合し、滑沢剤を添加してさらに混合し、打錠用末を得る。
またある態様では、ミラベグロン、ハイドロゲルを形成する高分子、親水性基剤、賦形剤、崩壊剤及び流動化剤を混合し、滑沢剤を添加して混合し、打錠用末を得る。
またある態様では、ミラベグロン、ハイドロゲルを形成する高分子、親水性基剤、賦形剤、崩壊剤及び流動化剤を混合し、乾式造粒機により圧縮し、得られた造粒品を整粒する。得られる整粒品に、崩壊剤、滑沢剤を添加し、混合することで打錠用末が得られる。
またある態様では、ミラベグロン、ハイドロゲルを形成する高分子、親水性基剤、賦形剤を流動層造粒機に投入して、精製水に結合剤を溶解させ、必要に応じて色素を分散させた結合剤溶液を噴霧し、造粒・乾燥する。ミラベグロン、賦形剤及び結合剤を流動層造粒機に投入して、精製水を噴霧し、造粒・乾燥することもできる。乾燥終了後、整粒機を用いて整粒し、得られる整粒品に、崩壊剤、滑沢剤を添加し、混合することで打錠用末が得られる。
またある態様では、ミラベグロン、ハイドロゲルを形成する高分子、親水性基剤、賦形剤を撹拌造粒機に投入して、精製水に結合剤を溶解させ、必要に応じて色素を分散させた結合剤溶液を噴霧し、造粒・乾燥する。ミラベグロン、賦形剤及び結合剤を撹拌造粒機に投入して、精製水を噴霧し、造粒・乾燥することもできる。乾燥終了後、整粒機を用いて整粒し、得られる整粒品に、崩壊剤、滑沢剤を添加し、混合することで打錠用末が得られる。
得られた打錠用末を打錠機で製錠し、素錠を得る。製錠の際に、外部滑沢装置を用いて滑沢剤を噴霧しながら打錠してもよい。必要に応じて、素錠にフィルムコーティング液を噴霧し、フィルムコーティングを行う。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
≪試験例1:ゲル形成試験≫
ポリエチレンオキサイド(ダウ・ケミカル社製;POLYOX WSR N60K)2g及び表1に示した親水性基剤2gを量り取り、乳鉢で混合した。得られた混合物を、ハンドプレス(島津製作所製;SSP-10A)を用いて、打錠圧10kN、加圧時間1秒、質量200mgの直径8mmの円形錠を製錠した。得られた円形錠の質量(Wini)を測定後、200mLのガラスビーカーに投入し、pH6.8緩衝液(溶出試験第2液)を200mL加え、37±0.5℃にて2時間静置した。その後、ゲル化した錠剤を取り出し、ゲル層を剥離後、ゲル化していない部分の質量(Wobs)を測定した。Wobsより、以下の数式1を用いてゲル化率を算出した。また、形成したゲルの性状を表2に定めた基準で外観検査を行った。
Figure 2024067030000003
Figure 2024067030000004
Figure 2024067030000005
ゲル形成試験の結果及び性状の結果を表3に示す。結晶セルロースを除き、いずれも高いゲル化率を示した。ゲルの性状は、ポリエチレンオキサイドのみ、マクロゴール6000、トレハロース、イソマルト、グルコノ-δ-ラクトン、ステアリン酸ポリオキシル40が良好なゲルの外観を示した。
Figure 2024067030000006
≪試験例2:放出制御医薬組成物の製造及び溶出評価≫
実施例1~9、比較例1の医薬組成物(錠剤)を以下の通り製造した。各検体における製剤処方を表4に示す。
<比較例1>
ミラベグロン原薬2gとポリエチレンオキサイド(ダウ・ケミカル社製;POLYOXWSR N60K)6g、D-マンニトール(ロケットジャパン製;ペアリトール25C)12gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.2gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量252.5mg、11.9mm×5.9mmの楕円形の素錠を得た。
ミラベグロン原薬2gとポリエチレンオキサイド(ダウ・ケミカル社製;POLYOXWSR N60K)6g、トレハロース(林原製;トレハロースP)12gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.2gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量252.5mg、11.9mm×5.9mmの楕円形の素錠を得た。
ミラベグロン原薬2gとポリエチレンオキサイド(ダウ・ケミカル社製;POLYOXWSR N60K)6g、イソマルト(Beneo製;galenIQ 801)12gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.2gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量252.5mg、11.9mm×5.9mmの楕円形の素錠を得た。
ミラベグロン原薬2gとポリエチレンオキサイド(ダウ・ケミカル社製;POLYOXWSR N60K)6g、グルコノ-δ-ラクトン(扶桑化学工業製;フジグルコン)12gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.2gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量252.5mg、11.9mm×5.9mmの楕円形の素錠を得た。
ミラベグロン原薬2gとポリエチレンオキサイド(ダウ・ケミカル社製;POLYOXWSR N60K)6g、ショ糖脂肪酸エステル(三菱ケミカルフーズ製;S-1670)12gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.2gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量252.5mg、11.9mm×5.9mmの楕円形の素錠を得た。
ミラベグロン原薬2gとポリエチレンオキサイド(ダウ・ケミカル社製;POLYOXWSR N60K)6g、ショ糖脂肪酸エステル(三菱ケミカルフーズ製;S-1670)4g、イソマルト(Beneo製;galenIQ 801)8gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.2gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量252.5mg、11.9mm×5.9mmの楕円形の素錠を得た。
ミラベグロン原薬2gとポリエチレンオキサイド(ダウ・ケミカル社製;POLYOXWSR N60K)6g、ショ糖脂肪酸エステル(三菱ケミカルフーズ製;S-1670)2g、イソマルト(Beneo製;galenIQ 801)10gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.2gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量252.5mg、11.9mm×5.9mmの楕円形の素錠を得た。
ミラベグロン原薬2gとポリエチレンオキサイド(ダウ・ケミカル社製;POLYOXWSR N60K)6g、エリスリトール(マイクロフーズジャパン製;エリスリトール顆粒 100)12gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.2gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量252.5mg、11.9mm×5.9mmの楕円形の素錠を得た。
ミラベグロン原薬2gとポリエチレンオキサイド(ダウ・ケミカル社製;POLYOXWSR N60K)6g、ステアリン酸ポリオキシル40(日光ケミカルズ製;MYS-40MV)4g、イソマルト(Beneo製;galenIQ 801)8gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.2gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量252.5mg、11.9mm×5.9mmの楕円形の素錠を得た。
ミラベグロン原薬2gとポリエチレンオキサイド(ダウ・ケミカル社製;POLYOXWSR N60K)6g、ステアリン酸ポリオキシル40(日光ケミカルズ製;MYS-40MV)2g、イソマルト(Beneo製;galenIQ 801)10gを混合し、混合品を得た。混合品にさらにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製;ステアリン酸マグネシウム(植物性))0.2gを混合し、調製した打錠用末を、ロータリー式打錠機(菊水製作所製;VEL5)にて打錠し、錠剤質量252.5mg、11.9mm×5.9mmの楕円形の素錠を得た。
Figure 2024067030000007
<溶出試験>
比較例1、実施例1~9の錠剤について、第十八改正日本薬局方溶出試験法に準じて、溶出試験を行った。錠剤の溶解は溶出試験器(富山産業製)においてパドル法にて試験液はpH6.8緩衝液(溶出試験第2液)900mL中で行った。パドル回転数は試験開始から720分までは50rpm、720分から780分までは200rpmとした。試験開始から780分後まで経時的にサンプルを20mL抜き取り、孔径0.8μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液について液体クロマトグラフィーにより溶出率を算出した。ミラベグロンの紫外吸光度は250nmにて測定した。
親水性基剤の検討として、実施例1、実施例2、実施例3、実施例5、実施例7、実施例8及び比較例1の錠剤における溶出挙動の測定結果を表5及び図1に示した。実施例7では、溶出試験開始直後にハイドロゲルの部分的剥離を認めたため、溶出試験初期の平均溶出率が高値を示したが、徐放性を示した。したがって、いずれの検体においても、薬物の放出は制御されていた。
ショ糖脂肪酸エステルの添加量の検討として、実施例4、実施例5、実施例6及び実施例2の錠剤における溶出挙動の測定結果を表6及び図2に示した。なお、実施例4、実施例5、実施例6及び実施例2のショ糖脂肪酸エステルの素錠中に占める割合はそれぞれ約59.4%、約19.8%、約9.9%、0%である。ショ糖脂肪酸エステルの添加量の増加に伴い、溶出率の低下が認められた。いずれの検体においても徐放性を示し、薬物の放出は制御されていた。
ステアリン酸ポリオキシル40の添加量の検討として、実施例8及び実施例9の錠剤における溶出挙動の測定結果を表7及び図3に示した。なお、実施例8及び実施例9のステアリン酸ポリオキシル40の素錠中に占める割合はそれぞれ約19.8%、約9.9%である。ステアリン酸ポリオキシル40の添加量が約9.9~約19.8%の範囲では、徐放性を示し、いずれの検体においても薬物の放出は制御されていた。
Figure 2024067030000008
Figure 2024067030000009
Figure 2024067030000010
≪試験例3:配合変化試験≫
ミラベグロン原薬約0.45g及び表8に示した添加剤約Xgを量り取り、メノウ乳鉢で混合した。得られた混合物を、約Ygずつ褐色スクリュー管瓶に量り取った。なお、光苛酷試験検体は透明スクリュー管瓶とした。各検体を熱苛酷条件下として60℃14日(密栓)、熱湿度苛酷条件下として60℃75%RH14日(開放)、光苛酷条件下として120万Lux・hrまで保存した。なお、対照としてミラベグロン原薬約0.025gをスクリュー管瓶に量り取り、同様の条件で保存した。
保存した検体について、総類縁物質の量を液体クロマトグラフィーにより、性状を目視により確認した。
Figure 2024067030000011
<性状の評価>
各検体について保存開始時及び保存後の性状を目視にて評価した。性状の判定基準を表9に示す。
Figure 2024067030000012
<においの評価>
各検体について保存開始時及び保存後のにおいを目視にて評価した。においの判定基準を表10に示す。
Figure 2024067030000013
各種保存検体について、性状及びにおいの結果を表11及び表12に示す。
Figure 2024067030000014
Figure 2024067030000015
光苛酷条件下において、イソマルト、結晶セルロース、ステアリン酸ポリオキシル40のうち、イソマルトが結晶セルロース、ステアリン酸ポリオキシル40より性状変化を抑制していることを確認した。
<純度試験(類縁物質)>
有効成分約25mgに相当する量の粉末を精密に量り、メタノールを5mL加え、超音波処理した後、10分間遠心分離する。上澄み液2mLを正確に量り、水/アセトニトリル混液(7:3)を加えて正確に10mLとする。この液を孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過する。初めのろ液3mLを除き、次のろ液を試料溶液とする。この液1mLを正確に量り、水/アセトニトリル混液(7:3)を加えて正確に100mLとし、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行う。それぞれの液の各々のピーク面積を自動積分法により測定する。
類縁物質の量(%)=AT1/A
類縁物質の合計量(%)=AT2/A
T1:試料溶液から得た各類縁物質のピーク面積
T2:試料溶液から得たミラベグロン以外の各々のピークの合計面積
:標準溶液から得たミラベグロンのピーク面積
試験条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:250nm)
カラム:Waters製 XBrigde BEH(充填剤:C18)(内径4.6mm×長さ150mm、3.5μm)
カラム温度:40℃付近の一定温度
サンプル温度:5℃
水酸化ナトリウム試液:水酸化ナトリウム4.3gを水に溶かし、100mLとする。
移動相A:リン酸二水素カリウム6.4g及びリン酸水素二ナトリウム十二水和物18.9gを水750mLに溶かし、水酸化ナトリウム試液を加えてpH6.8に調整する。
移動相B:アセトニトリルを使用する。
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。
Figure 2024067030000016
流量:1.2mL/min
面積測定範囲:注入後28分まで
システム適合性
検出の確認:標準溶液1mLを正確に量り、水/アセトニトリル混液(7:3)を加えて正確に10mLとする。この液10μLから得たエルトロンボパグのピーク面積が、標準溶液のエルトロンボパグのピーク面積の7~13%になることを確認する。
システムの性能:標準溶液10μLにつき、上記の条件で操作するとき、エルトロンボパグのピークの理論段数及びシンメトリー係数は、それぞれ2000段以上、2.5以下である。
システムの再現性:標準溶液20μLにつき、上記の条件で試験を6回繰り返すとき、エルトロンボパグのピーク面積の相対標準偏差は2.0%以下である。
純度試験(類縁物質量)の結果を表13に示す。
Figure 2024067030000017
各種保存検体について、類縁物質の測定結果より、光苛酷条件下において、イソマルトが結晶セルロース、ステアリン酸ポリオキシル40よりも類縁物質の増加を抑制した。

Claims (7)

  1. ミラベグロンまたはその製薬学的に許容される塩、親水性基剤としてトレハロース、イソマルト、エリスリトール、グルコノ-δ-ラクトン、結晶セルロース、ステアリン酸ポリオキシル40、及びショ糖脂肪酸エステルから成る群より選択される1種以上の添加剤、及びハイドロゲルを形成する高分子としてポリエチレンオキサイドを含有してなる、放出制御医薬組成物。
  2. 親水性基剤がトレハロース、エリスリトール、グルコノ-δ-ラクトン、及びステアリン酸ポリオキシル40から成る群より選択される1種以上の添加剤である、請求項1に記載の放出制御医薬組成物。
  3. ポリエチレンオキサイドの平均分子量が200万、または2%水溶液25℃の粘度が2000mPa・s以上4000mPa・s以下である、請求項1に記載の放出制御医薬組成物。
  4. 親水性基剤がイソマルトであり、ポリエチレンオキサイドの平均分子量が200万、または2%水溶液25℃の粘度が2000mPa・s以上4000mPa・s以下である、請求項1に記載の放出制御医薬組成物。
  5. 1単位組成物あたりのミラベグロンの配合量を1とするとき、イソマルトの配合量が0.5~20である、請求項4に記載の放出制御医薬組成物。
  6. さらにショ糖脂肪酸エステルを含む、請求項4に記載の放出制御医薬組成物。
  7. フィルムコーティング錠である、請求項1~6のいずれか一項に記載の放出制御医薬組成物。
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