JP2024065012A - 成膜方法及び成膜装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024065012000001
【課題】第1膜の表面に対して第2膜の表面に選択的に自己組織化単分子膜を形成する、技術を提供する。
【解決手段】成膜方法は、第1膜と、前記第1膜とは異なる材料で形成される第2膜とを表面の異なる領域に有する基板を準備することと、前記基板の表面に対して、前記基板の表面の汚染物を除去する第1洗浄ガスを供給することと、前記基板の表面に対して、前記基板の表面に付着する前記第1洗浄ガスの残留物を除去するプラズマ化した第2洗浄ガスを供給することと、前記第2洗浄ガスの供給後に、前記第1膜の表面に対して前記第2膜の表面に選択的に自己組織化単分子膜を形成することと、を有する。前記第1洗浄ガスは、カルボン酸系化合物、ホスホン酸系化合物、ニトロ系化合物、およびチオール系化合物から選ばれる少なくとも1つを含む。
【選択図】図1

Description

本開示は、成膜方法及び成膜装置に関する。
特許文献1には、自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer:SAM)を用いて基板表面の一部における対象膜の形成を阻害しつつ、基板表面の別の一部に対象膜を形成する成膜方法が記載されている。特許文献1に記載の成膜方法は、SAMを第1材料層の表面に形成する前に、第1材料層の表面に形成された自然酸化膜を還元することと、第1材料層の表面を酸化することと、を含む。
特開2021-57563号公報
本開示の一態様は、SAMを所望の領域に選択的に形成する、技術を提供する。
本開示の一態様の成膜方法は、第1膜と、前記第1膜とは異なる材料で形成される第2膜とを表面の異なる領域に有する基板を準備することと、前記基板の表面に対して、前記基板の表面の汚染物を除去する第1洗浄ガスを供給することと、前記基板の表面に対して、前記基板の表面に付着する前記第1洗浄ガスの残留物を除去するプラズマ化した第2洗浄ガスを供給することと、前記第2洗浄ガスの供給後に、前記第1膜の表面に対して前記第2膜の表面に選択的に自己組織化単分子膜を形成することと、を有する。前記第1洗浄ガスは、カルボン酸系化合物、ホスホン酸系化合物、ニトロ系化合物、およびチオール系化合物から選ばれる少なくとも1つを含む。
本開示の一態様によれば、SAMを所望の領域に選択的に形成することができる。
図1は、一実施形態に係る成膜方法を示すフローチャートである。 図2は、S107のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。 図3は、S108のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。 図4(A)はS101の一例を示す断面図であり、図4(B)はS102の一例を示す断面図であり、図4(C)はS103の一例を示す断面図であり、図4(D)はS104の一例を示す断面図である。 図5(A)はS105の一例を示す断面図であり、図5(B)はS106の一例を示す断面図であり、図5(C)はS107の一例を示す断面図であり、図5(D)はS108の一例を示す断面図である。 図6(A)はS101の第1変形例を示す断面図であり、図6(B)はS101の第2変形例を示す断面図であり、図6(C)はS101の第3変形例を示す断面図である。 図7は、一実施形態に係る成膜装置を示す平面図である。 図8は、図7の第1処理部の一例を示す断面図である。 図9は、図1の変形例を示すフローチャートである。 図10は、図9のS102、S103、S103A及びS104の経過の一例を示す断面図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。
主に図1~図5を参照して、一実施形態に係る成膜方法について説明する。成膜方法は、例えば図1に示すステップS101~S109を有する。なお、成膜方法は、少なくともステップS101、S103、S104及びS106を有すれば良く、例えばステップS102、S105及びS107~S109を有しなくてもよい。また、成膜方法は、図1に示すステップS101~S109以外のステップを有してもよい。
ステップS101は、図4(A)に示すように、基板1を準備することを含む。基板1は、下地基板10を有する。下地基板10は、例えば、シリコンウェハ、化合物半導体ウェハ、又はガラス基板である。基板1は、基板表面1aの異なる領域に、絶縁膜11と導電膜12を有する。基板表面1aは、例えば基板1の上面である。絶縁膜11と導電膜12は、下地基板10の上に形成される。下地基板10と絶縁膜11との間、または下地基板10と導電膜12との間には、別の機能膜が形成されてもよい。絶縁膜11は第1膜の一例であり、導電膜12は第2膜の一例である。なお、第1膜の材質と第2膜の材質は、特に限定されない。
絶縁膜11は、例えば層間絶縁膜である。層間絶縁膜は、好ましくは低誘電率(Low-k)膜である。絶縁膜11は、特に限定されないが、例えばSiO膜、SiN膜、SiOC膜、SiON膜、又はSiOCN膜である。ここで、SiO膜とは、シリコン(Si)と酸素(O)を含む膜という意味である。SiO膜におけるSiとOの原子比は通常1:2であるが、本願におけるSiO膜のSiとOの原子比は1:2には限定されない。SiN膜、SiOC膜、SiON膜、及びSiOCN膜についても同様に各元素を含むという意味であり、化学量論比には限定されない。絶縁膜11は、基板表面1aに、凹部を有する。凹部は、トレンチ、コンタクトホール又はビアホールである。
導電膜12は、例えば絶縁膜11の凹部に充填される。導電膜12は、例えば金属膜である。金属膜は、例えば、Cu膜、Co膜、Ru膜、W膜、又はMo膜である。なお、導電膜12は、キャップ膜であってもよい。つまり、図6(C)に示すように、絶縁膜11の凹部には第2導電膜15が埋め込まれ、第2導電膜15を導電膜12が覆ってもよい。第2導電膜15は導電膜12とは異なる金属で形成される。例えば第2導電膜15がCu膜であって導電膜12(キャップ膜)がCo膜又はRu膜である。
基板1は、基板表面1aに第3膜をさらに有してもよい。第3膜は、例えばバリア膜13である(図6(A)、図6(B)、図6(C)参照)。バリア膜13は、絶縁膜11と導電膜12の間に形成され、導電膜12から絶縁膜11への金属拡散を抑制する。バリア膜13は、特に限定されないが、例えば、TaN膜、又はTiN膜である。ここで、TiN膜とは、チタン(Ti)と窒素(N)を含む膜という意味である。TiN膜におけるTiとNの原子比は、通常1:1であるが、1:1には限定されない。TaN膜についても同様に各元素を含むという意味であり、化学量論比には限定されない。
基板1は、基板表面1aに第4膜をさらに有してもよい。第4膜は、例えばライナー膜14である(図6(B)、図6(C)参照)。ライナー膜14は、導電膜12とバリア膜13の間に形成される。ライナー膜14は、バリア膜13の上に形成され、導電膜12の形成を支援する。導電膜12は、ライナー膜14の上に形成される。例えば導電膜12がCu膜であってライナー膜14がCo膜又はRu膜である。
図4(A)に示すように、絶縁膜11の表面には、汚染物21が存在しうる。汚染物21は、例えば導電膜12の形成時に絶縁膜11に付着した金属、またはその金属と大気の反応によって形成される金属酸化物である。また、導電膜12の表面には、汚染物22が存在しうる。汚染物22は、例えば導電膜12と大気との反応によって形成される金属酸化物であり、いわゆる自然酸化膜である。さらにまた、基板表面1aには、汚染物23が存在しうる。汚染物23は、有機物である。有機物は、例えば炭素を含む堆積物であり、基板1の処理過程で付着する。有機物は、層状であってもよい。
ステップS102は、基板表面1aに対して第3洗浄ガスを供給する。第3洗浄ガスは、図4(B)に示すように、汚染物23(例えば層状の有機物)を除去する。汚染物23を除去することで、別の汚染物21、22を露出できる。なお、基板表面1aに層状の有機物が存在しないか、存在しても薄い場合、第3洗浄ガスの供給(ステップS102)は不要である。第3洗浄ガスは、有機物に加えて、金属または金属酸化物を除去することも可能である。但し、金属または金属酸化物の除去効率は、後述する第1洗浄ガスに比べて低い。
第3洗浄ガスは、例えば、少なくともHガスなどの還元性ガスを含み、還元性ガスに加えてNガスなどの窒素含有ガスを含んでもよい。還元性ガスは、プラズマ化したうえで基板表面1aに対して供給してもよい。プラズマ化した還元性ガスと、酸素含有ガスとをこの順番で基板表面1aに対して供給してもよい。酸素含有ガスは、Oガス、Oガス、HOガス、NOガス、NOガス及びNOガスから選ばれる少なくとも1つを含む。
ステップS102の処理条件の一例を下記に示す。
ガスの流量:50sccm~5000sccm
ガスの流量:50sccm~10000sccm
Arガスの流量:20sccm~10000sccm
第3洗浄ガスに占めるHガスの割合:10体積%~60体積%
第3洗浄ガスに占めるNガスの割合:10体積%~80体積%
プラズマ生成用の電源周波数:10MHz~40MHz
プラズマ生成用の電力:100W~400W
処理時間:5秒~120秒
処理温度(基板温度):80℃~350℃
処理圧力:50Pa~2000Pa。
ステップS103は、基板表面1aに対して第1洗浄ガスを供給する。第1洗浄ガスは、図4(C)に示すように、汚染物21、22(例えば金属または金属酸化物)を除去する。汚染物21、22の除去は、ドライ処理である。ドライ処理は、ウェット処理とは異なり、基板1の酸化を防止しやすい。ウェット処理は大気雰囲気中で基板1に対して処理液(例えばクエン酸水溶液)を供給するので、処理時に基板1が酸化されやすい。また、ドライ処理は、ウェット処理とは異なり、真空雰囲気を破ることなく前処理または後処理を実施できる。第1洗浄ガスは、金属または金属酸化物に加えて、有機物を除去することも可能である。但し、有機物の除去効率は、第3洗浄ガスに比べて低い。
第1洗浄ガスは、例えば、カルボン酸系化合物、ホスホン酸系化合物、ニトロ系化合物、およびチオール系化合物から選ばれる少なくとも1つを含む。カルボン酸系化合物は、一般式「R-COOH」で表される。ホスホン酸系化合物は、一般式「R-P(=O)(OH)」で表される。ニトロ系化合物は、一般式「R-NO」で表される。チオール系化合物は、一般式「R-SH」で表される。
これらの一般式において、Rは、例えば、炭化水素基、又は炭化水素基の水素の少なくとも一部をフッ素に置換したものである。具体的には例えば、Rは、「CF-(CF-」、「CF-(CF-CH-CH-」または「CH-(CH-」である。Xは1~17の整数である。カルボン酸系化合物の具体例として、PFBA(CF(CFCOOH)、ギ酸(HCOOH),酢酸(CHCOOH),プロピオン酸(CHCHCOOH)、オクタン酸(CH(CHCOOH)が挙げられる。ニトロ系化合物の具体例として、PFNO(CF(CFCHCHNO)が挙げられる。
ステップS103の処理条件の一例を下記に示す。
PFBAガスの流量:10sccm~100sccm
処理時間:30秒~10分
処理温度(基板温度):80℃~350℃
処理圧力:100Pa~300Pa。
ステップS104は、基板表面1aに対してプラズマ化した第2洗浄ガスを供給する。プラズマ化した第2洗浄ガスは、図4(D)に示すように、第1洗浄ガスの残留物24(図4(C)参照)を除去する。残留物24は、主に導電膜12の表面に残る。残留物24は、有機物である。第2洗浄ガスは、少なくともHガスなどの還元性ガスを含み、還元性ガスに加えてNガスなどの窒素含有ガスを含んでもよい。ステップS104の処理条件は、ステップS102の処理条件と同様であるので、省略する。
ステップS105は、基板表面1aに対して酸素含有ガスを供給する。酸素含有ガスは、Oガス、Oガス、HOガス、NOガス、NOガスおよびNOガスから選ばれる少なくとも1つを含む。ステップS105によって所望の膜厚および所望の膜質を有する酸化膜32が得られる(図5(A)参照)。酸化膜32は、自然酸化膜とは異なり、原料ガスおよび成膜条件によって膜厚および膜質を制御可能である。所望の膜厚および所望の膜質を有する酸化膜32を形成することで、後述のステップS106において導電膜12の表面に緻密な自己組織化単分子膜(SAM)を形成できる。
ステップS105の処理条件の一例を下記に示す。
ガスの流量:50sccm~4000sccm
処理時間:1秒~300秒
処理温度:80℃~350℃
処理圧力:50Pa~2000Pa。
ステップS106は、絶縁膜11の表面に対して導電膜12の表面に選択的に自己組織化単分子膜17を形成することを含む(図5(B)参照)。以下、自己組織化単分子膜17をSAM17と記載することがある。SAM17は、基板表面1aに対して有機化合物ガスを供給することで形成される。有機化合物ガスは、SAM17の原料ガスである。
SAM17の原料ガスは、特に限定されないが、例えばチオール系化合物を含む。チオール系化合物の具体例として、CF(CFCHCHSH(1H,1H,2H,2H-パーフルオロオクタンチオール:PFOT)、及びCH(CHSH(ヘキサンチオール:HT)が挙げられる。チオール系化合物は、絶縁膜11の表面に比べて、導電膜12の表面に化学吸着しやすい。それゆえ、SAM17は、絶縁膜11の表面に対して、導電膜12の表面に選択的に形成される。SAM17は、絶縁膜11の表面にはほとんど形成されない。
SAM17の形成(ステップS106)の前に、酸化膜32の形成(ステップS105)が行われる場合、酸化膜32の形成(ステップS105)が行われない場合に比べて、SAM17の密度を向上でき、後述する第2絶縁膜18の形成(ステップS107)においてSAM17のブロック性能を向上できる。チオール系化合物は酸化膜32を還元しながら化学吸着するので、ステップS106の後に酸化膜32は残っていなくてもよい。
ステップS106は、基板表面1aに対してチオール系化合物ガスと酸素含有ガスとを交互に供給することを含んでもよい。SAM17の形成の途中で、酸化膜32を形成できる。酸化膜32の形成を分散して実施でき、酸化膜32の形成による表面荒れを抑制できる。
SAM17の原料ガスは、チオール系化合物には限定されない。SAM17の原料ガスは、ホスホン酸系化合物、カルボン酸系化合物、またはニトロ系化合物を含んでもよい。第1洗浄ガスと、SAM17の原料ガスとは、同じ有機化合物を含んでもよいし異なる有機化合物を含んでもよいが、好ましくは同じ有機化合物を含む。同じ有機化合物を使用することで、使用するチャンバ数を少なくできるなど、コストを低下できる。
表1に、導電膜12と第1洗浄ガスとSAM17の原料ガスとの好適な組み合わせを記載する。なお、これらの組み合わせは、表1に示す組み合わせには限定されない。
Figure 2024065012000002
なお、SAM17の原料ガスは、オレフィン系化合物または有機シラン系化合物を含んでもよい。オレフィン系化合物は、一般式「R-CH=CH」で表される。有機シラン系化合物は、例えばトリクロロシラン系、メトキシシラン系、またはエトキシシラン系である。トリクロロシラン系の有機化合物は、一般式「R-SiCl」で表される。メトキシシラン系の有機化合物は、一般式「R-Si(OCH」で表される。エトキシシラン系の有機化合物は、一般式「R-Si(OCHCH」で表される。
ステップS106の処理条件の一例を下記に示す。
PFOTガスの流量:50sccm~200sccm
処理時間:3秒~120秒
処理温度:80℃~350℃
処理圧力:50Pa~4000Pa。
本実施形態によれば、SAM17の形成前に絶縁膜11の表面を清浄化する。具体的には、絶縁膜11の表面に付着した汚染物21(例えば金属または金属酸化物)を第1洗浄ガスによって除去する。これにより、絶縁膜11の表面にSAM17が形成されるのを抑制できる。
また、本実施形態によれば、SAM17の形成前に導電膜12の表面を清浄化する。具体的には、導電膜12の表面に付着した汚染物22(例えば自然酸化膜)を第1洗浄ガスによって除去し、続いて第1洗浄ガスの残留物24を第2洗浄ガスによって除去する。これにより、導電膜12の表面に均一で緻密なSAM17を形成できる。
SAM17の原料ガスがニトロ系化合物を含む場合、第2洗浄ガスは還元性ガスに加えて窒素含有ガスを含むことが好ましい。窒素含有ガスによって導電膜12の表面をわずかに窒化しておくことで、導電膜12の表面にニトロ系化合物が吸着しやすい。それゆえ、SAM17の密度を向上できる。
上記の通り、本実施形態によれば、絶縁膜11の表面にSAM17が形成されるのを抑制でき、且つ導電膜12の表面に均一で緻密なSAM17を形成できる。つまり、SAM17を所望の領域(例えば導電膜12の表面)に選択的に形成できる。その結果、後述するステップS107において、第2絶縁膜18を選択的に形成できる。
ステップS107は、SAM17を用いて導電膜12の表面における第2絶縁膜18の形成を阻害しつつ、絶縁膜11の表面に第2絶縁膜18を形成することを含む(図5(C)参照)。第2絶縁膜18は、対象膜の一例である。第2絶縁膜18は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、又はALD(Atomic Layer Deposition)法で形成される。
本実施形態によれば、上記の通り、絶縁膜11の表面にSAM17が形成されるのを抑制できる。それゆえ、絶縁膜11の表面に第2絶縁膜18を効率良く形成でき、具体的には1サイクル当たりの第2絶縁膜18の膜厚を向上できる。また、本実施形態によれば、絶縁膜11と第2絶縁膜18の間に汚染物21(例えば金属)が残らないので、リーク電流の発生を抑制できる。さらに、本実施形態によれば、導電膜12の表面に汚染物22(例えば自然酸化膜)が残らないので、配線抵抗を低下できる。
第2絶縁膜18は、特に限定されないが、例えばAlO膜、SiO膜、SiN膜、ZrO膜、又はHfO膜等である。ここで、AlO膜とは、アルミニウム(Al)と酸素(O)を含む膜という意味である。AlO膜におけるAlとOの原子比は通常2:3であるが、本願におけるAlO膜のAlとOの原子比は2:3には限定されない。SiO膜、SiN膜、ZrO膜、及びHfO膜についても同様に各元素を含むという意味であり、化学量論比には限定されない。
図2に示すように、第2絶縁膜18の成膜方法は、例えば、AlO膜の形成(ステップS107A)とSiO膜の形成(ステップS107B)とを有してもよい。予めAlO膜を形成しておくことで、シラノール基の脱水縮合反応を利用したSiO膜の形成を促進できる。SiO膜の形成前にAlO膜の形成を実施することは、絶縁膜11がLow-k膜である場合に特に有効である。
ステップS107Aは、Al含有ガスの供給(ステップS201)と、酸化ガスの供給(ステップS202)とを交互にK(Kは1以上の整数)回実施することを含む。Al含有ガスの具体例として、TMA(トリメチルアルミニウム)ガスが挙げられる。酸化ガスの具体例として、水蒸気(HOガス)が挙げられる。
Kは2以上の整数であってもよく、上記ステップS201~S202が繰り返し実施されてもよい。実施回数がK回未満である場合(ステップS203、NO)、AlO膜の膜厚が目標値未満であるので、上記ステップS201~S202を再度実施する。一方、実施回数がK回に達した場合(ステップS203、YES)、AlO膜の膜厚が目標値に達しているので、今回のステップS107Aが終了する。
ステップS107Aの処理条件の一例を下記に示す。
・ステップS201
TMAガスの流量:10sccm~100sccm
処理時間:0.05秒~10秒
処理温度:80℃~350℃
処理圧力:133Pa~1200Pa
・ステップS202
Oガスの流量:50sccm~500sccm
処理時間:0.1秒~10秒
処理温度:80℃~350℃
処理圧力:133Pa~1200Pa
・ステップS203
設定回数(K回):2回~20回。
ステップS107Bは、金属触媒含有ガスの供給(ステップS204)と、シラノール基含有ガスの供給(ステップS205)とを交互にL(Lは1以上の整数)回実施することを含む。金属触媒含有ガスは、シラノール基含有ガスに含まれるシラノール基の脱水縮合反応を促進する金属触媒(例えばAl)を含有する。金属触媒含有ガスの具体例として、TMA(トリメチルアルミニウム)ガスが挙げられる。シラノール基の脱水縮合反応によってSiO膜が形成される。シラノール基含有ガスの具体例として、トリス(tert-ペントキシ)シラノール(TPSOL:Tris(tert-pentoxy)silanol)が挙げられる。
Lは2以上の整数であってもよく、上記ステップS204~S205が繰り返し実施されてもよい。実施回数がL回未満である場合(ステップS206、NO)、SiO膜の膜厚が目標値未満であるので、上記ステップS204~S205を再度実施する。一方、実施回数がL回に達した場合(ステップS206、YES)、SiO膜の膜厚が目標値に達しているので、今回のステップS107Bが終了する。
ステップS107Bの処理条件の一例を下記に示す。なお、TPSOLガスは、TPSOLの液体を気化して供給する。
・ステップS204
TMAガスの流量:10sccm~100sccm
処理時間:0.05秒~100秒
処理温度:80℃~350℃
処理圧力:133Pa~1200Pa
・ステップS205
TPSOLガスの流量:0.1g/min~0.5g/min
処理時間:3秒~120秒
処理温度:80℃~350℃
処理圧力:133Pa~1200Pa
・ステップS203
設定回数(K回):1回~5回。
ところで、図5(C)に示すように、SAM17は第2絶縁膜18の形成を阻害するが、SAM17のブロック性能は完全ではなく、第2絶縁膜18は絶縁膜11の表面から横にはみ出してしまう。
ステップS108は、第2絶縁膜18の不要な部位をエッチングすることを含む(図5(D)参照)。第2絶縁膜18の開口幅を拡大でき、基板1の配線抵抗を低減できる。SAM17の原料である有機化合物がフッ素を含む場合、ステップS108は基板表面1aに対してHO含有ガスを供給することを含む。HOを含むガスと、SAM17との反応によって、フッ酸が生成する。生成したフッ酸によって、第2絶縁膜18の不要な部位をエッチングできる。エッチングにより生じる生成物は、揮発性であり、気化し、排気される。第2絶縁膜18は、上記の通り、例えばAlO膜、SiO膜、SiN膜、ZrO膜、又はHfO膜等である。これらの膜は、いずれも、フッ酸によってエッチング可能である。
フッ酸は、上記の通り、HOを含むガスと、SAM17との反応によって生成する。従って、SAM17の近傍のみにフッ酸が生成する。それゆえ、第2絶縁膜18の不要な部位はエッチングされるのに対し、第2絶縁膜18の必要な部位(絶縁膜11の表面に堆積する部位)はエッチングされない。第2絶縁膜18の不要な部位を選択的に除去できる。
ステップS108は、例えば図3に示すステップS301~S303を含む。ステップS301は、基板表面1aに対してHO含有ガスを供給することを含む。HO含有ガスは、HOガスのみを含んでもよいし、HOガスとキャリアガスを含んでもよい。
ステップS302は、基板表面1aに対してプラズマ化ガスを供給する。プラズマ化ガスは、例えばHガス、Arガス、Nガス、及びNHガスから選ばれる少なくとも1つをプラズマ化したものである。プラズマ化ガスの供給によってSAM17を分解でき、フッ酸の生成を促進できる。
SAM17が分解された後に露出した導電膜12が酸化されないように、プラズマ化ガスは還元性ガス又は不活性ガスをプラズマ化したものであることが好ましい。特にプラズマ化したHガスを使用すれば、第2絶縁膜18を改質でき、リーク電流の発生を抑制できる。
ステップS303は、ステップS301~S302をM(Mは1以上の整数)回実施したか否かをチェックすることを含む。Mは2以上の整数であってもよい。実施回数がM回未満の場合(ステップS303、NO)、ステップS301~S302を再度実施する。一方、実施回数がM回に達している場合(ステップS303、YES)、今回の処理を終了する。
図3では、HO含有ガスと、プラズマ化ガスとを順番に供給し、同時に供給しないが、同時に供給してもよい。いずれにしろ、プラズマ化ガスの供給によってSAM17を分解でき、フッ酸の生成を促進できる。但し、HO含有ガスとプラズマ化ガスを順番に供給すれば、HO含有ガスのプラズマ化を防止でき、酸素プラズマの発生を防止でき、基板表面1aの酸化を防止できる。
ステップS303の設定回数(M回)は、1回でもよいが、複数回であることが好ましい。プラズマ化ガスの供給を複数回に分けることにより、SAM17の分解を徐々に進めることができ、フッ酸を長時間に亘って生成できる。その結果、第2絶縁膜18の開口幅を拡大でき、基板1の配線抵抗を低減できる。
ステップS108の処理条件の一例を下記に示す。
・ステップS301
Oガスの流量:10sccm~500sccm
処理時間:0.1sec~120sec
処理温度:80℃~350℃
処理圧力:50Pa~1200Pa
・ステップS302
ガスの流量:200sccm~3000sccm
Arガスの流量:100sccm~6000sccm
ガスとArガスの混合ガスに占めるHガスの割合:20体積%~90体積%
プラズマ生成用の電源周波数:10MHz~60MHz
プラズマ生成用の電力:50W~600W
処理時間:2sec~120sec
処理温度:80℃~350℃
処理圧力:50Pa~1200Pa
・ステップS303
設定回数(M回):1回~50回。
ステップS109は、ステップS105~S108をN(Nは1以上の整数)回実施したか否かをチェックすることを含む。Nは2以上の整数であってもよい。実施回数がN回未満の場合(ステップS109、NO)、ステップS105~S108を再度実施する。一方、実施回数がN回に達している場合(ステップS109、YES)、今回の処理を終了する。
ステップS109の設定回数(N回)が複数回である場合、1回目のステップS107はステップS107AとS107Bをこの順番で含むのに対し、2回目以降のステップS107はステップS107Aを含まずにステップS107Bのみを含むことが好ましい。2回目以降のステップS107では、予めAlO膜を形成しなくても、SiO膜を効率良く形成できる。また、予めAlO膜を形成しないことで、誘電率の上昇を抑制できる。
次に、図7を参照して、上記の成膜方法を実施する成膜装置100について説明する。図7に示すように、成膜装置100は、第1処理部200Aと、第2処理部200Bと、第3処理部200Cと、第4処理部200Dと、搬送部400と、制御部500とを有する。第1処理部200Aは、図1のステップS102~S103を実施する。第2処理部200Bは、図1のステップS104~S105を実施する。第3処理部200Cは、図1のステップS106を実施する。第4処理部200Dは、図1のステップS107~S108を実施する。第1処理部200Aと、第2処理部200Bと、第3処理部200Cと、第4処理部200Dとは、同様の構造を有してもよいし、異なる構造を有してもよい。第1処理部200Aのみで、図1のステップS102~S108の全てを実施することも可能である。搬送部400は、第1処理部200Aと第2処理部200Bと第3処理部200Cと第4処理部200Dに対して、基板1を搬送する。制御部500は、第1処理部200Aと第2処理部200Bと第3処理部200Cと第4処理部200Dと搬送部400を制御する。
搬送部400は、第1搬送室401と、第1搬送機構402とを有する。第1搬送室401の内部雰囲気は、大気雰囲気である。第1搬送室401の内部に、第1搬送機構402が設けられる。第1搬送機構402は、基板1を保持するアーム403を含み、レール404に沿って走行する。レール404は、キャリアCの配列方向に延びている。
また、搬送部400は、第2搬送室411と、第2搬送機構412とを有する。第2搬送室411の内部雰囲気は、真空雰囲気である。第2搬送室411の内部に、第2搬送機構412が設けられる。第2搬送機構412は、基板1を保持するアーム413を含み、アーム413は、鉛直方向及び水平方向に移動可能に、且つ鉛直軸周りに回転可能に配置される。第2搬送室411には、異なるゲートバルブGを介して第1処理部200Aと第2処理部200Bと第3処理部200Cと第4処理部200Dが接続される。
更に、搬送部400は、第1搬送室401と第2搬送室411の間に、ロードロック室421を有する。ロードロック室421の内部雰囲気は、図示しない調圧機構により真空雰囲気と大気雰囲気との間で切り換えられる。これにより、第2搬送室411の内部を常に真空雰囲気に維持できる。また、第1搬送室401から第2搬送室411にガスが流れ込むのを抑制できる。第1搬送室401とロードロック室421の間、及び第2搬送室411とロードロック室421の間には、ゲートバルブGが設けられる。
制御部500は、例えばコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)501と、メモリ等の記憶媒体502とを有する。記憶媒体502には、成膜装置100において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部500は、記憶媒体502に記憶されたプログラムをCPU501に実行させることにより、成膜装置100の動作を制御する。制御部500は、第1処理部200Aと第2処理部200Bと第3処理部200Cと第4処理部200Dと搬送部400とを制御し、上記の成膜方法を実施する。
次に、成膜装置100の動作について説明する。先ず、第1搬送機構402が、キャリアCから基板1を取り出し、取り出した基板1をロードロック室421に搬送し、ロードロック室421から退出する。次に、ロードロック室421の内部雰囲気が大気雰囲気から真空雰囲気に切り換えられる。その後、第2搬送機構412が、ロードロック室421から基板1を取り出し、取り出した基板1を第1処理部200Aに搬送する。
次に、第1処理部200Aが、ステップS102~S103を実施する。その後、第2搬送機構412が、第1処理部200Aから基板1を取り出し、取り出した基板1を第2処理部200Bに搬送する。この間、基板1の周辺雰囲気を真空雰囲気に維持でき、基板1の意図しない酸化を抑制できる。
次に、第2処理部200Bが、ステップS104~S105を実施する。その後、第2搬送機構412が、第2処理部200Bから基板1を取り出し、取り出した基板1を第3処理部200Cに搬送する。この間、基板1の周辺雰囲気を真空雰囲気に維持でき、基板1の意図しない酸化を抑制できる。
次に、第3処理部200Cが、ステップS106を実施する。その後、第2搬送機構412が、第3処理部200Cから基板1を取り出し、取り出した基板1を第4処理部200Dに搬送する。この間、基板1の周辺雰囲気を真空雰囲気に維持でき、SAM17のブロック性能の低下を抑制できる。
次に、第4処理部200Dが、ステップS107~S108を実施する。続いて、制御部500は、ステップS105~S108を設定回数(N回)実施したか否かをチェックする。実施回数が設定回数に達していない場合、第2搬送機構412は、第4処理部200Dから基板1を取り出し、取り出した基板1を第2処理部200Bに搬送する。その後、制御部500は、第2処理部200Bと第3処理部200Cと第4処理部200Dと搬送部400とを制御し、ステップS105~S108を実施する。
一方、実施回数が設定回数に達している場合、第2搬送機構412が、第4処理部200Dから基板1を取り出し、取り出した基板1をロードロック室421に搬送し、ロードロック室421から退出する。続いて、ロードロック室421の内部雰囲気が真空雰囲気から大気雰囲気に切り換えられる。その後、第1搬送機構402が、ロードロック室421から基板1を取り出し、取り出した基板1をキャリアCに収容する。そして、基板1の処理が終了する。
次に、図8を参照して、第1処理部200Aについて説明する。なお、第2処理部200Bと第3処理部200Cと第4処理部200Dは、第1処理部200Aと同様に構成されるので、図示及び説明を省略する。
第1処理部200Aは、略円筒状の気密な処理容器210を備える。処理容器210の底壁の中央部には、排気室211が設けられている。排気室211は、下方に向けて突出する例えば略円筒状の形状を備える。排気室211には、例えば排気室211の側面において、排気配管212が接続されている。
排気配管212には、圧力制御器271を介して排気源272が接続されている。圧力制御器271は、例えばバタフライバルブ等の圧力調整バルブを備える。排気配管212は、排気源272によって処理容器210内を減圧できるように構成されている。圧力制御器271と、排気源272とで、処理容器210内のガスを排出するガス排出機構270が構成される。
処理容器210の側面には、搬送口215が設けられている。搬送口215は、ゲートバルブGによって開閉される。処理容器210内と第2搬送室411(図7参照)との間における基板1の搬入出は、搬送口215を介して行われる。
処理容器210内には、基板1を保持する保持部であるステージ220が設けられている。ステージ220は、基板表面1aを上に向けて、基板1を水平に保持する。ステージ220は、平面視で略円形状に形成されており、支持部材221によって支持されている。ステージ220の表面には、例えば直径が300mmの基板1を載置するための略円形状の凹部222が形成されている。凹部222は、基板1の直径よりも僅かに大きい内径を有する。凹部222の深さは、例えば基板1の厚さと略同一に構成される。ステージ220は、例えば窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス材料により形成されている。また、ステージ220は、ニッケル(Ni)等の金属材料により形成されていてもよい。なお、凹部222の代わりにステージ220の表面の周縁部に基板1をガイドするガイドリングを設けてもよい。
ステージ220には、例えば接地された下部電極223が埋設される。下部電極223の下方には、加熱機構224が埋設される。加熱機構224は、制御部500(図7参照)からの制御信号に基づいて電源部(図示せず)から給電されることによって、ステージ220に載置された基板1を設定温度に加熱する。ステージ220の全体が金属によって構成されている場合には、ステージ220の全体が下部電極として機能するので、下部電極223をステージ220に埋設しなくてよい。ステージ220には、ステージ220に載置された基板1を保持して昇降するための複数本(例えば3本)の昇降ピン231が設けられている。昇降ピン231の材料は、例えばアルミナ(Al)等のセラミックスや石英等であってよい。昇降ピン231の下端は、支持板232に取り付けられている。支持板232は、昇降軸233を介して処理容器210の外部に設けられた昇降機構234に接続されている。
昇降機構234は、例えば排気室211の下部に設置されている。ベローズ235は、排気室211の下面に形成された昇降軸233用の開口部219と昇降機構234との間に設けられている。支持板232の形状は、ステージ220の支持部材221と干渉せずに昇降できる形状であってもよい。昇降ピン231は、昇降機構234によって、ステージ220の表面の上方と、ステージ220の表面の下方との間で、昇降自在に構成される。
処理容器210の天壁217には、絶縁部材218を介してガス供給部240が設けられている。ガス供給部240は、上部電極を成しており、下部電極223に対向している。ガス供給部240には、整合器251を介して高周波電源252が接続されている。高周波電源252から上部電極(ガス供給部240)に450kHz~100MHzの高周波電力を供給することによって、上部電極(ガス供給部240)と下部電極223との間に高周波電界が生成され、容量結合プラズマが生成する。プラズマを生成するプラズマ生成部250は、整合器251と、高周波電源252と、を含む。なお、プラズマ生成部250は、容量結合プラズマに限らず、誘導結合プラズマなど他のプラズマを生成するものであってもよい。なお、プラズマを生成しない工程(例えばステップS103、S105~S107)では、ガス供給部240が上部電極を成すことは不要であり、下部電極223も不要である。
ガス供給部240は、中空状のガス供給室241を備える。ガス供給室241の下面には、処理容器210内へ処理ガスを分散供給するための多数の孔242が例えば均等に配置されている。ガス供給部240における例えばガス供給室241の上方には、加熱機構243が埋設されている。加熱機構243は、制御部500からの制御信号に基づいて電源部(図示せず)から給電されることによって、設定温度に加熱される。
ガス供給室241には、ガス供給路261を介して、ガス供給機構260が接続される。ガス供給機構260は、ガス供給路261を介してガス供給室241に、図1のステップS102~S108の少なくとも1つで用いられるガスを供給する。ガス供給機構260は、図示しないが、ガスの種類毎に、個別配管と、個別配管の途中に設けられる開閉バルブと、個別配管の途中に設けられる流量制御器とを含む。開閉バルブが個別配管を開くと、供給源からガス供給路261にガスが供給される。その供給量は流量制御器によって制御される。一方、開閉バルブが個別配管を閉じると、供給源からガス供給路261へのガスの供給が停止される。
[実施例]
次に、実施例などについて説明する。下記の例1~例3が実施例であり、例4が比較例である。
例1では、基板表面の異なる領域にLow-k膜とCu膜を有する基板を準備し、基板を150℃に加熱した状態でステップS103~S108を実施した。ステップS103では、PFBAガスを2分間供給した。ステップS104では、HガスとNガスの混合ガスをArガスで希釈し且つプラズマ化した状態(電源周波数:40MHz、電力:200W、処理圧力:266Pa)で15秒間供給した。ステップS105では、Oガスを100秒間供給した(処理圧力:665Pa)。ステップS106では、PFOTガスの供給とOガスの供給を交互に5回繰り返し実施した。ステップS107Aでは、TMAガスの供給とHOガスの供給を交互に10回繰り返し実施した。ステップS107Bでは、TMAガスの供給(処理圧力:665Pa、処理時間:10秒)とTPSOLガスの供給(処理圧力:133Pa、処理時間:30秒)を交互に2回繰り返し実施した。ステップS108では、HOガスの供給(処理時間:10秒)とプラズマ化したHガスの供給(処理時間:30秒)とを交互に6回繰り返し実施した。その後、ステップS105~S108を1回だけ再実施した。2回目のステップS107では、ステップS107Aを実施することなくステップS107Bを実施した。また、2回目のステップS107Bでは、TMAガスの供給(処理圧力:665Pa、処理時間:10秒)とTPSOLガスの供給(処理圧力:133Pa、処理時間:30秒)を交互に1回ずつ実施した。このようにして、Cu膜の表面に対してLow-k膜の表面にSiO膜を選択的に形成した。SiO膜の膜厚は6.2nmであった。また、SiO膜のLow-k膜からCu膜へのはみ出し量は1.8nmであった。
例2では、基板表面の異なる領域にLow-k膜とCu膜を有する基板を準備し、基板を150℃に加熱した状態でステップS102~S104及びS106~S107を実施し、続いて基板を85℃に加熱した状態でステップS108を実施した。ステップS102では、HガスとNガスの混合ガスをArガスで希釈し且つプラズマ化した状態(電源周波数:40MHz、電力:200W、処理圧力:266Pa)で15秒間供給した後、Oガスを30秒間供給した(処理圧力:665Pa)。ステップS103では、PFBAガスを2分間供給した。ステップS104では、HガスをArガスで希釈し且つプラズマ化した状態(電源周波数:40MHz、電力:200W、処理圧力:266Pa)で30秒間供給した。ステップS106では、PFHT(CF(CFCHCHSH)ガスを5分間供給した。ステップS107Aでは、TMAガスの供給とHOガスの供給を交互に10回繰り返し実施した。ステップS107Bでは、TMAガスの供給(処理圧力:665Pa、処理時間:10秒)とTPSOLガスの供給(処理圧力:133Pa、処理時間:15秒)を交互に1回ずつ実施した。ステップS108では、HOガスの供給(処理時間:10秒)とプラズマ化したHガスの供給(処理時間:30秒)とを交互に5回繰り返し実施した。その後、ステップS105~S108を1回だけ再実施した。2回目のステップS107では、ステップS107Aを実施することなくステップS107Bを実施した。また、2回目のステップS107Bでは、TMAガスの供給(処理圧力:665Pa、処理時間:10秒)とTPSOLガスの供給(処理圧力:133Pa、処理時間:15秒)を交互に1回ずつ実施した。このようにして、Cu膜の表面に対してLow-k膜の表面にSiO膜を選択的に形成した。SiO膜の膜厚は5.7nmであった。また、SiO膜のLow-k膜からCu膜へのはみ出し量は2.3nmであった。
例3では、基板表面の異なる領域にLow-k膜とキャップ膜(具体的にはCu膜を覆うCo膜)を有する基板を準備し、基板を150℃に加熱した状態でステップS102~S104及びS106~S107を実施し、続いて基板を85℃に加熱した状態でステップS108を実施した。ステップS102では、HガスとNガスの混合ガスをArガスで希釈し且つプラズマ化した状態(電源周波数:40MHz、電力:200W、処理圧力:266Pa)で15秒間供給した後、Oガスを30秒間供給した(処理圧力:665Pa)。ステップS103では、PFNOガスを2分間供給した。ステップS104では、HガスとNガスの混合ガスをArガスで希釈し且つプラズマ化した状態(電源周波数:40MHz、電力:200W、処理圧力:266Pa)で15秒間供給した。ステップS106では、PFNOガスを5分間供給した。ステップS107Aでは、TMAガスの供給とHOガスの供給を交互に10回繰り返し実施した。ステップS107Bでは、TMAガスの供給(処理圧力:665Pa、処理時間:10秒)とTPSOLガスの供給(処理圧力:133Pa、処理時間:7.5秒)を交互に1回ずつ実施した。ステップS108では、HOガスの供給(処理時間:10秒)とプラズマ化したHガスの供給(処理時間:30秒)とを交互に3回繰り返し実施した。その後、ステップS105~S108を1回だけ再実施した。2回目のステップS107では、ステップS107Aを実施することなくステップS107Bを実施した。また、2回目のステップS107Bでは、TMAガスの供給(処理圧力:665Pa、処理時間:10秒)とTPSOLガスの供給(処理圧力:133Pa、処理時間:7.5秒)を交互に1回ずつ実施した。このようにして、キャップ膜の表面に対してLow-k膜の表面にSiO膜を選択的に形成した。SiO膜の膜厚は5.2nmであった。また、SiO膜のLow-k膜からキャップ膜へのはみ出し量は1.2nmであった。
例4では、ステップS103を実施しなかった点を除き、例1と同様に基板表面の異なる領域にLow-k膜とCu膜を有する基板を準備し、基板を150℃に加熱した状態でステップS104~S108を実施した。なお、例4では、例1とは異なり、ステップS107Bにおいて、TMAガスの供給(処理圧力:665Pa、処理時間:10秒)とTPSOLガスの供給(処理圧力:133Pa、処理時間:30秒)を交互に4回繰り返し実施した。また、例4では、例1とは異なり、ステップS105~S108の再実施は行わなかった。このようにして、Cu膜の表面に対してLow-k膜の表面にSiO膜を選択的に形成した。SiO膜の膜厚は3.6nmであった。また、SiO膜のLow-k膜からCu膜へのはみ出し量は2.7nmであった。
TMAガスの供給とTPSOLガスの供給からなるサイクルの実施回数は、例1では合計3回(2回+1回)であったのに対し、例4では4回であった。それにもかかわらず、最終的に得られたSiO膜の膜厚は、例1では6.2nmであったのに対し、例4では3.6nmであった。このことから、ステップS103を実施することで、Low-k膜の表面にSiO膜を効率良く形成できることがわかる。
次に、図9及び図10を参照して、図1の変形例について説明する。図9に示すように、成膜方法は、ステップS103の後、ステップS104の前に、ステップS103Aを有してもよい。ステップS103Aは、基板表面1aに対してプラズマ化しない第4洗浄ガスを供給する。第4洗浄ガスは、還元性ガス又は不活性ガスを含む。還元性ガスは、例えば水素ガスを含む。不活性ガスは、例えば窒素ガス又は希ガスを含む。第4洗浄ガスは、酸素ガスなどの酸化性ガスを含まない。
プラズマ化しない第4洗浄ガスは、図10に示すように、ステップS103で除去しきれなかった汚染物21、22を除去する。汚染物21、22は、ステップS103で第1洗浄ガスとの反応によって揮発性物質に変質しており、ステップS103Aで除去可能である。なお、ステップS103Aで第4洗浄ガスをプラズマ化しないのは、プラズマによる基板表面1aの劣化を抑制するためである。同じ理由で、ステップS103でも第1洗浄ガスをプラズマ化しないことが好ましい。
ステップS103で汚染物21、22を除去しきれない場合としては、例えば第1洗浄ガスが環境負荷の観点からフッ素を含有しない場合が挙げられる。フッ素を含有しない反応物は、フッ素を含有する反応物に比べて、揮発性が低い。そのため、第1洗浄ガスがフッ素を含有しない場合、ステップS103で汚染物21、22を除去しきれないことがある。フッ素を含有しないカルボン酸の例として、酢酸(CHCOOH)が挙げられる。
第1洗浄ガスがフッ素を含有しない場合、ステップS103Aが行われることが好ましい。なお、第1洗浄ガスがフッ素を含有する場合でもあっても、第1洗浄ガスがトリフルオロメチル(CF)基を含有しない場合、汚染物21、22と第1洗浄ガスの反応物の揮発性が低い。従って、第1洗浄ガスがトリフルオロメチル(CF)基を含有しない場合に、ステップS103Aが行われてもよい。但し、第1洗浄ガスがトリフルオロメチル(CF)基を含有する場合にステップS103Aが行われても、問題はない。
ステップS103Aは、ステップS104の前に行われる。ステップS103AがステップS104の後に行われる場合、ステップS104で汚染物21、22と第1洗浄ガスの反応物である揮発性物質がさらに変質し、ステップS103Aで汚染物21、22が除去され難くなる。本変形例によれば、ステップS103AがステップS104の前に行われるので、ステップS103Aで汚染物21、22を除去可能である。
ステップS103Aの処理条件の一例を下記に示す。
ガスの流量:50sccm~5000sccm
Arガスの流量:20sccm~10000sccm
第4洗浄ガスに占めるHガスの割合:10体積%~60体積%
処理時間:5秒~600秒
処理温度(基板温度):80℃~350℃
処理圧力:50Pa~300Pa。
以上、本開示に係る成膜方法及び成膜装置の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組み合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
1 基板
1a 基板表面
11 絶縁膜(第1膜)
12 導電膜(第2膜)
21 汚染物
22 汚染物
17 SAM(自己組織化単分子膜)

Claims (10)

  1. 第1膜と、前記第1膜とは異なる材料で形成される第2膜とを表面の異なる領域に有する基板を準備することと、
    前記基板の表面に対して、前記基板の表面の汚染物を除去する第1洗浄ガスを供給することと、
    前記基板の表面に対して、前記基板の表面に付着する前記第1洗浄ガスの残留物を除去するプラズマ化した第2洗浄ガスを供給することと、
    前記第2洗浄ガスの供給後に、前記第1膜の表面に対して前記第2膜の表面に選択的に自己組織化単分子膜を形成することと、
    を有し、
    前記第1洗浄ガスは、カルボン酸系化合物、ホスホン酸系化合物、ニトロ系化合物、およびチオール系化合物から選ばれる少なくとも1つを含む、成膜方法。
  2. 前記第1洗浄ガスと、前記自己組織化単分子膜の原料ガスとは、同じ有機化合物を含む、請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記第1洗浄ガスは、前記基板の表面の汚染物である金属または金属酸化物を除去し、
    前記成膜方法は、前記第1洗浄ガスの供給前に、前記基板の表面に対して、前記基板の表面の汚染物である有機物を除去する第3洗浄ガスを供給することを有する、請求項1または2に記載の成膜方法。
  4. 前記第2洗浄ガスは、還元性ガスを含む、請求項1または2に記載の成膜方法。
  5. 前記自己組織化単分子膜の原料ガスは、ニトロ系化合物を含み、
    前記第2洗浄ガスは、還元性ガスと窒素含有ガスとを含む、請求項4に記載の成膜方法。
  6. 前記第1膜は絶縁膜であり、前記第2膜は導電膜である、請求項1または2に記載の成膜方法。
  7. 前記導電膜は、Cu膜、Co膜、Ru膜、W膜またはMo膜である、請求項6に記載の成膜方法。
  8. 前記自己組織化単分子膜を用いて前記第2膜の表面における対象膜の形成を阻害しつつ、前記第1膜の表面に前記対象膜を形成することを有する、請求項1または2に記載の成膜方法。
  9. 前記第1洗浄ガスは、フッ素を含有せず、
    前記成膜方法は、前記第1洗浄ガスの供給後、前記第2洗浄ガスの供給前に、前記基板の表面に対してプラズマ化しない第4洗浄ガスを供給することを有し、
    前記第4洗浄ガスは、還元性ガス又は不活性ガスを含む、請求項1または2に記載の成膜方法。
  10. 処理容器と、
    前記処理容器の内部で前記基板を保持する保持部と、
    前記処理容器の内部にガスを供給するガス供給機構と、
    前記処理容器の内部からガスを排出するガス排出機構と、
    前記処理容器に対して前記基板を搬入出する搬送機構と、
    前記ガス供給機構、前記ガス排出機構及び前記搬送機構を制御し、請求項1または2に記載の成膜方法を実施する制御部と、
    を備える、成膜装置。
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