JP2024064628A - 光ファイバ用ガラス母材の製造方法 - Google Patents

光ファイバ用ガラス母材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な焼結パラメータの調整で、不透明なガラス部位や伸びの発生を抑制可能な光ファイバ用ガラス母材の製造方法を提供する【解決手段】コアロッドの外周に多孔質ガラス層が形成された光ファイバ用多孔質母材を準備する光ファイバ用多孔質母材準備ステップと、光ファイバ用多孔質母材を焼結装置の炉心管内に垂下する焼結準備ステップと、ハロゲン系ガスと不活性ガスとの混合ガスを炉心管内に流入させながら、ヒータをコアロッドの一端の側から他端の側に相対的に移動させながら光ファイバ用多孔質母材を加熱することで透明ガラス化して光ファイバ用ガラス母材を得る焼結ステップと、を実行し、焼結ステップにおいて、ヒータを光ファイバ用多孔質母材に対して相対的に移動させる過程で、混合ガス中のハロゲン系ガスの濃度を低下させる。【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ用多孔質母材を脱水及び焼結して光ファイバ用ガラス母材とする光ファイバ用ガラス母材の製造方法に関する。
光ファイバ用ガラス母材は、ガラス微粒子を種棒などに堆積することにより製造される光ファイバ用多孔質母材を、脱水及び焼結して透明ガラス化することにより製造される。光ファイバ用多孔質母材の代表的な製造方法としては、VAD法、MCVD法、OVD法などが挙げられる。これらの製造方法は、それぞれの利点を踏まえ複合的に採用することができる。例えば、VAD法によりコアとクラッドの一部を含む種棒を製造し、製造された種棒の外周にOVD法でクラッドの残余部を形成することで光ファイバ用多孔質母材を製造してもよい。
特許文献1には、コアを含む種棒の外周に、OVD法でクラッド部分となるガラス微粒子を堆積することで光ファイバ用多孔質母材を製造し、製造された光ファイバ用多孔質母材を焼結装置内に垂下し加熱することで脱水及び焼結して光ファイバ用ガラス母材を製造する方法が記載されている。
このように製造された光ファイバ用ガラス母材には、内部に透明ガラス化が不十分な部分が残存することがある。そこで、透明ガラス化を促進すべく焼結装置での加熱温度を上げることが考えられるが、加熱温度を上げ過ぎると、加熱により生じる軟化の影響で、透明ガラス化が進行している部分が当該部分より下方の部分の重量による荷重で引き伸ばされる。その結果、製造される光ファイバ用ガラス母材が、焼結前の光ファイバ用多孔質母材より長くなったり、母材の上端側と下端側とで直径が異なったりするおそれがあり、これにより、母材を焼結装置から取り出せない、焼結装置が破損する、又は所望の特性が得られないといった問題が生じうる。
特許文献1では、このような問題の解決方法として、加熱位置が母材の下端側から上端側に移動するにしたがい、(1)ガラス化温度を低下させる、(2)加熱位置の移動速度を低下させる、(3)ヘリウムガスの流量を減少させる、といった複数の手法を組み合わせる方法を開示している。
特開2003-81657号公報
特許文献1の問題解決方法は、ガラス化温度、加熱位置の移動速度及びガスの流量という3つのパラメータを組み合わせて最適化を図る複雑なものであり、これらのパラメータを工場内に多数設置される焼結装置ごとに、装置の特徴に合わせて最適化し管理することは困難である。
本発明の目的は、簡便な焼結パラメータの調整で、不透明なガラス部位や伸びの発生を抑制可能な光ファイバ用ガラス母材の製造方法を提供することにある。
本発明の光ファイバ用ガラス母材の製造方法は、コアロッドの外周に多孔質ガラス層が形成された光ファイバ用多孔質母材を準備する光ファイバ用多孔質母材準備ステップと、光ファイバ用多孔質母材を炉心管内に垂下する焼結準備ステップと、ハロゲン系ガスと不活性ガスとの混合ガスを炉心管内に常時流入させ、ヒータをコアロッドの一端の側から他端の側に相対的に移動させながら光ファイバ用多孔質母材を加熱することで透明ガラス化して光ファイバ用ガラス母材を得る焼結ステップと、を実行し、焼結ステップにおいてヒータを光ファイバ用多孔質母材に対して相対的に移動させる過程で、混合ガス中のハロゲン系ガスの濃度を低下させる。
焼結ステップの実行開始時のハロゲン系ガスの濃度をC、コアロッドの他端がヒータの鉛直方向の中点を通過する時点でのハロゲン系ガスの濃度をCとしたとき、0.25×C≦C≦0.5×Cとしてもよい。
コアロッドの長さをL、ハロゲン系ガスの濃度の低下を開始するコアロッドにおける位置の、他端からの距離をHとしたとき、0.05×L≦H≦0.30Lとしてもよい。
光ファイバ用多孔質母材の垂下時において、光ファイバ用多孔質母材の一端を下側にある端部とし、他端を上側にある端部としてもよい。
ヒータによる加熱温度を1400~1650℃としてもよい。
ハロゲン系ガスを塩素又は四塩化ケイ素としてもよい。
不活性ガスをヘリウム、窒素又はアルゴンとしてもよい。
本発明の光ファイバ用ガラス母材の製造方法によれば、簡便な焼結パラメータの調整で、不透明なガラス部位や伸びの発生を抑制可能となる。
本発明の光ファイバ用ガラス母材の製造方法のフローを示す図である。 OVD法を用いて光ファイバ用多孔質母材100を準備する方法の一例を示す図である。 光ファイバ用多孔質母材100を焼結する方法の一例を示す図である。 光ファイバ用ガラス母材200内に不透明なガラス部位201が残存する様子を示す図である。 光ファイバ用ガラス母材200内の塩素含有量の分布を示す図である。 本発明で適用する光ファイバ用多孔質母材100の焼結の方法を説明する図である。 ハロゲン系ガスの体積流量を相対的に減少させる手法を説明する図である。 実施例における実施結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明及び図面では、同一の部位には同一の符号を付し、一度説明した部位については説明を省略又は必要に応じた程度の説明にとどめることとする。
図1は、本発明の光ファイバ用ガラス母材の製造方法のフローを示す図である。
まず、コアロッドの外周に多孔質ガラス層が形成された光ファイバ用多孔質母材を準備する(多孔質母材準備ステップS1)。
OVD法を用いて光ファイバ用多孔質母材100を準備する方法の一例を、図2(a)を用いて説明する。
まず、光ファイバのコアとなるコアロッド110を準備する。コアロッド110は、コア部材のほかクラッド部材の一部を含んでいてもよい。
コアロッド110の両端には、ガラスのハンドル120が溶接され、ターゲット棒130としてその両端部が回転チャック11に把持される。なお、製造上問題がなければ、コアロッド110の片端にのみハンドル120を溶接してターゲット棒130とし、当該片端のみが回転チャック11により把持される形態をとってもよい。
バーナー12は、ターゲット棒130の延伸方向及びターゲット棒130に向かって前後方向に駆動するバーナー台13に固定される。バーナー12には、四塩化ケイ素、トリクロロ(メチル)シラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどのガラス原料、及び酸素・水素が供給され、火炎14中で火炎加水分解反応を生じさせることで、クラッド部材であるガラス微粒子が生成される。
このように生成され、バーナー12から放出されるガラス微粒子を、回転チャック11の回転に伴い軸中心に回転するターゲット棒130の外周に、バーナー台13をターゲット棒130に沿って往復させつつ堆積させ、多孔質ガラス層を形成する。ガラス微粒子の堆積により多孔質ガラス層が厚くなるに従い、バーナー台13を後退させ、所望の厚さが得られたところで、バーナー12へのガラス原料及び酸素・水素の供給を停止する。これにより、コアロッド110の外周に所望の厚さの多孔質ガラス層が形成された、図2(b)に示すような光ファイバ用多孔質母材100を製造することができる。なお、ガラス微粒子は、コアロッド110の外周だけでなく、ハンドル120のコアロッド110近傍部分の外周にも堆積させることで、より多くの光ファイバを得ることができる。
続いて、準備された光ファイバ用多孔質母材100を焼結装置20の炉心管24内に垂下する(焼結準備ステップS2)。
図3(a)に示すように、焼結装置20は、一端においてキャリッジ機構22に懸垂されるシャフト21、シャフト21を軸中心に回転させながら鉛直上下に駆動するキャリッジ機構22、シャフト21の他端に光ファイバ用多孔質母材100のいずれか一方の端部を接続する接続部材23、反応容器として作用する石英製の炉心管24、及び炉心管24の外周に固定された加熱炉30を備える。また、加熱炉30は、発熱し光ファイバ用多孔質母材100を加熱するヒータ31、ヒータ31が発する熱の外部への漏れを防ぐ断熱材32及び筐体であるチャンバー33を備える。
光ファイバ用多孔質母材100は、キャリッジ機構22の駆動により炉心管24内に上方から挿入され、加熱を開始する前の位置に垂下される。光ファイバ用多孔質母材100の挿入後、炉心管24の上側の開口部は蓋などで密閉される。
なお、コアロッド110の片端のみにハンドル120を溶接した場合には、光ファイバ用多孔質母材100の当該片端を接続部材23に接続する。
続いて、ハロゲン系ガスと不活性ガスとの混合ガスを、炉心管24の下方にある気体導入ポート25から炉心管24内に常時流入させ、ヒータ31をコアロッド110の一端の側から他端の側に相対的に移動させながら光ファイバ用多孔質母材100を加熱して透明ガラス化することにより、コアロッド110の外周にクラッド領域が形成された光ファイバ用ガラス母材200を製造する(焼結ステップS3)。
ハロゲン系ガスとしては、塩素又は四塩化ケイ素が好適であり、不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン又はヘリウムが好適である。炉心管24内は一定の圧力に保持され、圧力が過大になった場合は、気体排出ポート26から余剰のガスが排出される。
炉心管24内に垂下された光ファイバ用多孔質母材100を、キャリッジ機構22により回転させながら降下させつつ、ヒータ31により、コアロッド110の一端である下端の側から他端である上端の側、すなわち光ファイバ用多孔質母材100の下端から上端に向かって、順次1400~1650℃に加熱して脱水と焼結を同時に行い、透明ガラス化する(図3(b))。これにより、光ファイバ用ガラス母材200を得ることができる(図3(c))。
脱水と焼結は分けて行ってもよい。例えば、まず、光ファイバ用多孔質母材100を、キャリッジ機構22により回転させながら降下させつつ、ヒータ31により、下端から上端に向けて順次1000~1200℃に加熱して脱水処理のみを行う。続いて、光ファイバ用多孔質母材100をキャリッジ機構22により引き上げた後、再び回転させながら降下させつつ、ヒータ31により、下端から上端に向けて順次1400~1650℃に加熱することにより焼結を行い透明ガラス化する。
なお、光ファイバ用多孔質母材100を加熱炉30の下方にセットした上で、キャリッジ機構22により回転させながら上昇させつつ、ヒータ31により、コアロッド110の一端である上端の側から他端である下端の側、すなわち光ファイバ用多孔質母材100の上端から下端に向けて順次加熱することにより脱水及び焼結を行って透明ガラス化してもよい。
また、固定された光ファイバ用多孔質母材100に対して、ヒータ31を移動させることでヒータ31の相対的移動を実現してもよい。
単純に以上の方法により製造された光ファイバ用ガラス母材200の内部には、透明ガラス化が最後に完了する側のコアロッド110の先端近傍に、不透明なガラス部位201が残存することがある。光ファイバ用多孔質母材100の下端から上端に向けて透明ガラス化を行う場合、図4に示すように、光ファイバ用ガラス母材200内のコアロッド110の上端近傍に、不透明なガラス部位201が残存することになる。不透明なガラス部位201は、特にコアロッド110とクラッド領域との境界に残存しやすい。
不透明なガラス部位201は、光ファイバ用ガラス母材200を紡糸して光ファイバを形成する際、予期せぬ断線や外径変動などを誘発する可能性がある。
同一の光ファイバ用ガラス母材200から、不透明なガラス部位201が残存するコアロッド110の上端近傍の部分と、コアロッド110の鉛直方向中点近傍の部分を、それぞれ円柱状に切り出して、円の中心(規格化半径位置=0)から外縁(規格化半径位置=1)にかけてガラス中の塩素含有量を測定した結果を図5に示す。実線が上端近傍部分の測定結果であり、破線が鉛直方向中点近傍部分の測定結果である。この測定結果から、コアロッド110である中心領域では、塩素含有量に大きな差異が見られないのに対し、OVD法によりコアロッド110の周囲に形成されたクラッド領域では、鉛直方向中点近傍部分の塩素含有量より上端近傍部分の塩素含有量の方が多いことがわかる。
この測定結果に基づき鋭意研究の結果、ガラス中に含まれる塩素含有量が少ないほど、不透明なガラス部位201が形成されにくいことが確認された。これは、ガラス中の塩素含有量が多くなると、塩素ガス分子が塩素原子としてガラス中へ固溶しきれずに、ガス分子としてガラス中に残存することで不透明なガラス部位201が形成されるためであると考えられる。
一方で、ガラス中に塩素など二酸化ケイ素以外のドーパントを添加すると粘度が低下する傾向がある。ヒータ31を光ファイバ用多孔質母材100の下端から上端に向けて相対的に移動させつつ透明ガラス化を進める場合、加熱位置が移動するにつれ、加熱部分の下方にある透明ガラス化済の部分がより多くなる。これにより、加熱部分にかかる荷重は、加熱位置が上端側に移動するほど大きくなり、加熱部分が引き伸ばされる程度も大きくなる。その結果、光ファイバ用ガラス母材200の外径は、図3に示すように下端側に比べ上端側の方が小さくなる。
そのため、この問題点に関しても、ガラス中の塩素含有量を少なくすることで、ガラスの粘度の低下を抑制して透明ガラス化時に伸びにくくし、光ファイバ用ガラス母材200の上端側と下端側との外径の差異を小さくすることができる。
そこで、本発明では焼結ステップS3において、以下の方法により光ファイバ用ガラス母材200における塩素含有量を低減して、不透明なガラス部位201の発生及び上端側と下端側との外径の差異の発生を抑制する。
図6は、光ファイバ用多孔質母材100を降下させつつ、光ファイバ用多孔質母材100の下端側から上端側に順次ヒータ31を移動させて透明ガラス化を進めている様子を示したものである。図6においては、ヒータ31の下方は透明ガラス化済みである一方、上方は透明ガラス化前の光ファイバ用多孔質母材の状態である。
光ファイバ用多孔質母材100が焼結装置20の炉心管24内に垂下された状態において、コアロッド110の上端の位置をO点、O点から鉛直下方に距離Hだけ離れた位置をP点、ヒータ31の鉛直方向の中点をQ点とする。すなわち、Q点はヒータ31が固定されているため移動しない一方、P点とO点は光ファイバ用多孔質母材100の降下に伴い鉛直下方に移動し、先にP点が、続いてO点がQ点を通過することになる。
本発明では、光ファイバ用ガラス母材200における塩素含有量を低減するため、ヒータ31を光ファイバ用多孔質母材100に対して相対的に移動させる過程で、混合ガス中のハロゲン系ガスの濃度を低下させる。
例えば、光ファイバ用多孔質母材100が降下してP点がQ点を通過した時点で、炉心管24内のハロゲン系ガスの体積流量を不活性ガスの体積流量に対して相対的に減少させることで、混合カス中のハロゲン系ガスの濃度を低下させることができる。ハロゲン系ガスの体積流量を相対的に減少させる2つの手法を、図7を用いて説明する。図7では、不活性ガスの体積流量の焼結開始からの時間変化を実線で示しており、ハロゲン系ガスの体積流量の焼結開始からの時間変化を鎖線で示している。図7(a)は第1の手法を説明する図であり、この手法ではP点がQ点を通過した時間Tの直後にハロゲン系ガスの体積流量を0とする。ハロゲン系ガスの体積流量は必ずしも0とする必要はなく、時間に対する勾配を持って減少させても良い。図7(b)は第2の手法を説明する図であり、この手法ではP点がQ点を通過した時間Tの直後に不活性ガスの体積流量を上昇させる。不活性ガスの体積流量は図7(b)のように階段状で増加させる必要はなく、時間に対する勾配を持って増加させてもよい。いずれの手法を採用しても同様な効果を得られるが、不活性ガスの体積流量の増加はコストアップの要因となるため、ハロゲン系ガスの体積流量を不活性ガスの体積流量に対して減少させる手法の方が好ましい。
ハロゲン系ガスの濃度は、具体的には例えば、P点がQ点を通過する以前のハロゲン系ガスの濃度をC、O点がQ点を通過する時点でのハロゲン系ガスの濃度をCとしたとき、CとCとの関係が、0.25×C≦C≦0.5×Cを満たすように濃度を減少させるとよい。
また例えば、コアロッド110の長さをLとしたとき、長さLとP点からO点までの距離Hとの関係が、0.05×L≦H≦0.30Lを満たすように距離Hを決定するとよい。
なお、ハロゲン系ガスの濃度C及びP点からO点までの距離Hは、本発明の光ファイバ用ガラス母材の製造方法で製造された光ファイバ用ガラス母材のO点近傍を紡糸して得られる光ファイバにおいて、波長1383nmにおける伝送損失が0.31dB/km以下となるように決定するのが望ましい。
以上説明した本発明の光ファイバ用ガラス母材の製造方法によれば、例えば、P点がQ点を通過した直後に塩素ガスの体積流量0に減少させるといった焼結パラメータの簡便な調整で、光ファイバ用ガラス母材における塩素含有量を低減することができるため、不透明なガラス部位の発生及び上端側の伸びによる上端側と下端側との外径の差異の発生を容易に抑制することができる。
以下、本発明の実施例と比較例を示す。それぞれについて、ハロゲン系ガスとして塩素ガス、不活性ガスとしてヘリウムガスを使用し、コアロッド110の長さをL、P点がQ点に到達する前の炉心管24中の塩素濃度をCとして実施結果を得た。図8は実施結果をまとめたものである。
<実施例1>
O点からの距離Hを0.08LとしてP点を決定し、P点がQ点を通過した直後に塩素ガスの体積流量を0へと減少させて光ファイバ用ガラス母材200を得た。O点がQ点を通過した直後の炉心管24中の塩素濃度は0.48Cであった。O点近傍には不透明なガラス部位201は形成されず、当該部位を紡糸して得られた光ファイバの波長1383nmにおける伝送損失は0.28dB/kmであった。また、この部位の外径は153mmであった。
<実施例2>
O点からの距離Hを0.17LとしてP点を決定し、P点がQ点を通過した直後に塩素ガスの体積流量を0へと減少させて光ファイバ用ガラス母材200を得た。O点がQ点を通過した直後の炉心管24中の塩素濃度は0.43Cであった。O点近傍には不透明なガラス部位201は形成されず、当該部位を紡糸して得られた光ファイバの波長1383nmにおける伝送損失は0.28dB/kmであった。また、この部位の外径は156mmであった。
<実施例3>
O点からの距離Hを0.20LとしてP点を決定し、P点がQ点を通過した直後に塩素ガスの体積流量を0へと減少させて光ファイバ用ガラス母材200を得た。O点がQ点を通過した直後の炉心管24中の塩素濃度は0.37Cであった。O点近傍には不透明なガラス部位201は形成されず、当該部位を紡糸して得られた光ファイバの波長1383nmにおける伝送損失は0.29dB/kmであった。また、この部位の外径は161mmであった。
<実施例4>
O点からの距離Hを0.26LとしてP点を決定し、P点がQ点を通過した直後に塩素ガスの体積流量を0へと減少させて光ファイバ用ガラス母材200を得た。O点がQ点を通過した直後の炉心管24中の塩素濃度は0.26Cであった。O点近傍には不透明なガラス部位201は形成されず、当該部位を紡糸して得られた光ファイバの波長1383nmにおける伝送損失は0.30dB/kmであった。また、この部位の外径は163mmであった。
<比較例1>
塩素ガスの体積流量を減少させずに焼結を完了させて光ファイバ用ガラス母材200を得た。O点近傍には不透明なガラス部位201が形成された。当該部位を紡糸して得られた光ファイバの波長1383nmにおける伝送損失は0.28dB/kmであった。また、この部位の外径は145mmであった。
<比較例2>
O点からの距離Hを0.03LとしてP点を決定し、P点がQ点を通過した直後に塩素ガスの体積流量を0へと減少させて光ファイバ用ガラス母材200を得た。O点がQ点を通過した直後の炉心管24中の塩素濃度は0.87Cであった。O点近傍には不透明なガラス部位201が形成された。当該部位を紡糸して得られた光ファイバの波長1383nmにおける伝送損失は0.28dB/kmであった。また、この部位の外径は147mmであった。
<比較例3>
O点からの距離Hを0.39LとしてP点を決定し、P点がQ点を通過した直後に塩素ガスの体積流量を0へと減少させて光ファイバ用ガラス母材200を得た。O点がQ点を通過した直後の炉心管24中の塩素濃度は0.15Cであった。O点近傍には不透明なガラス部位201が形成された。当該部位を紡糸して得られた光ファイバの波長1383nmにおける伝送損失は0.34dB/kmであった。また、この部位の外径は167mmであった。
以上の各実施結果から、次のことが確認された。
O点からの距離Hが0.05Lより短くなると、O点近傍のガラス中に含まれる塩素量が低下せず、不透明なガラス部位が形成される。また、当該部位は伸びやすく、外径も細くなる。
また、O点からの距離Hが0.30Lより長くなると、O点近傍のガラス中に含まれる塩素量が低下して透明なガラスが形成され、かつ外径も伸びにくくなる。しかし、塩素濃度の低下の程度が大きいことで、O点近傍を十分に脱水することができなくなるため、波長1383nmの伝送損失が0.31dB/kmより高くなってしまう。
一方、O点からの距離Hを、0.05×L≦H≦0.30Lを満たすように決定し、Cを0.25×C≦C≦0.5×Cを満たす条件で光ファイバ用ガラス母材200を製造すると、O点近傍の部位を紡糸して得られる光ファイバは、波長1383nmにおける伝送損失が0.31dB/km以下となり、製品として必要とされる特性を得ることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。すなわち、本発明において表現されている技術的思想の範囲内で適宜変更が可能であり、その様な変更や改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含む。
11 回転チャック
12 バーナー
13 バーナー台
14 火炎
20 焼結装置
21 シャフト
22 キャリッジ機構
23 接続部材
24 炉心管
25 気体導入ポート
26 気体排出ポート
30 加熱炉
31 ヒータ
32 断熱材
33 チャンバー
100 光ファイバ用多孔質母材
110 コアロッド
120 ハンドル
130 ターゲット棒
200 光ファイバ用ガラス母材
201 不透明なガラス部位
H 距離
L 長さ

Claims (7)

  1. コアロッドの外周に多孔質ガラス層が形成された光ファイバ用多孔質母材を準備する光ファイバ用多孔質母材準備ステップと、
    前記光ファイバ用多孔質母材を焼結装置の炉心管内に垂下する焼結準備ステップと、
    ハロゲン系ガスと不活性ガスとの混合ガスを前記炉心管内に常時流入させ、ヒータを前記コアロッドの一端の側から他端の側に相対的に移動させながら前記光ファイバ用多孔質母材を加熱することで透明ガラス化して光ファイバ用ガラス母材を得る焼結ステップと、
    を実行し、
    前記焼結ステップにおいて、前記ヒータを前記光ファイバ用多孔質母材に対して相対的に移動させる過程で、前記混合ガス中の前記ハロゲン系ガスの濃度を低下させる光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  2. 前記焼結ステップの実行開始時の前記ハロゲン系ガスの濃度をC、前記コアロッドの前記他端が前記ヒータの鉛直方向の中点を通過する時点での前記ハロゲン系ガスの濃度をCとしたとき、0.25×C≦C≦0.5×Cである請求項1に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  3. 前記コアロッドの長さをL、前記ハロゲン系ガスの濃度の低下を開始する、前記コアロッドの前記他端からの距離をHとしたとき、0.05×L≦H≦0.30Lである請求項2に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  4. 前記光ファイバ用多孔質母材の垂下時において、前記コアロッドの前記一端が前記コアロッドの下端であり、前記他端が前記コアロッドの上端である請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  5. 前記ヒータによる加熱温度が1400~1650℃である請求項1に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  6. 前記ハロゲン系ガスが塩素又は四塩化ケイ素である請求項1に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。
  7. 前記不活性ガスがヘリウム、窒素又はアルゴンである請求項1に記載の光ファイバ用ガラス母材の製造方法。

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