JP2024064542A - 電動アシスト自転車 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザーが意図しない自転車の後退を迅速に抑制する。【解決手段】実施形態の一例である電動アシスト自転車1は、所定の制動条件が成立する場合に車体の後退を抑制する制動力を付与する制動装置12と、制御装置20と、押し歩き操作部41とを備える。制動装置12が作動する制動条件は、例えば、押し歩き操作部41の操作終了後において、上り坂であることが検出されること、および自転車の後退が検出されることから選択される少なくとも1つが含まれる。【選択図】図8
Description
本発明は、電動アシスト自転車に関する。
従来、ペダルをこぐ人力駆動力をモータの動力によりアシストする電動アシスト自転車が広く知られている。また、自転車の押し歩きをアシストする機能を備えた電動アシスト自転車も提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された電動アシスト自転車は、モータが車輪にトルクを付与しない第一モードと、モータが車輪にステイ補助トルクを付与する第二モードと、モータが車輪に押し歩き補助トルクを付与する第三モードとを実行可能な制御装置を備える。そして、この電動アシスト自転車は、ユーザーの操作に基づいて各モードを選択可能に構成されている。
特許文献1に開示された電動アシスト自転車によれば、自転車の押し歩き時において、操作部を操作して上記第二モードを選択することにより、自転車を容易にその場に留めることができる。一方、この電動アシスト自転車では、ユーザーが意図しない自転車の後退が発生した場合には当該後退を迅速に抑制できない場合がある。例えば、上り坂での自転車の押し歩き時において、押し歩きの補助動力を発生させるための操作部から誤って指が離れてしまった場合には、自転車の後退を迅速に抑制することが困難である。
本発明の目的は、ユーザーが意図しない自転車の後退を迅速に抑制することである。
本発明の一態様である電動アシスト自転車は、乗車装置と、電動モータと、ペダルへの踏力に基づく人力駆動力に前記電動モータによる第一補助駆動力を付加して走行する第一モードと、電動モータによる第二補助駆動力を車体への押力に付加して押し歩く、又は第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する制御部と、乗車装置に乗車可能な第一状態と、乗車装置に乗車できない状態となる第二状態とを含む乗車装置の状態を検出する乗車装置状態検出部と、第二モードを実行するための信号を制御部に送信する第二モード操作部と、制動条件が成立する場合に電動アシスト自転車の後退を抑制する制動力を付与する制動装置とを備え、制御部は、第二状態において第二モード操作部が操作された場合に第二モードを実行し、制動条件は、第二状態において上り坂であることが検出される第一制動条件、又は第二状態において電動アシスト自転車の後退が検出される第二制動条件の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
本発明の他の一態様である電動アシスト自転車は、電動モータと、ペダルへの踏力に基づく人力駆動力に電動モータによる第一補助駆動力を付加して走行する第一モードと、電動モータによる第二補助駆動力を車体への押力に付加して押し歩く、又は第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する制御部と、第二モードを実行するための信号を制御部に送信する第二モード操作部と、制動条件が成立する場合に電動アシスト自転車の後退を抑制する制動力を付与する制動装置とを備え、制動条件は、第二モード操作部の操作終了後において上り坂であることが検出される第一制動条件、又は第二モード操作部の操作終了後において電動アシスト自転車の後退が検出される第二制動条件の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
本発明の他の一態様である電動アシスト自転車は、電動モータと、ペダルへの踏力に基づく人力駆動力に電動モータによる補助駆動力を付加して走行する電動アシストモードを実行する制御部と、制動条件が成立する場合に電動アシスト自転車の後退を抑制する制動力を付与する制動装置とを備え、制動条件は、所定速度以上で走行後に停車した場合において上り坂であることが検出される第一制動条件、又は所定速度以上で走行後に停車した場合において所定時間内に電動アシスト自転車の後退が検出される第二制動条件の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
本発明に係る電動アシスト自転車によれば、ユーザーが意図しない自転車の後退を迅速に抑制できる。本発明に係る電動アシスト自転車によれば、例えば、自転車の後退が検出された場合に制動装置が自動的に作動し、自転車の後退を抑制する制動力が付与される。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る電動アシスト自転車の実施形態について詳細に説明する。以下で説明する実施形態はあくまでも一例であって、本発明は以下の実施形態に限定されない。また、以下で説明する複数の実施形態、変形例を選択的に組み合わせてなる形態は本発明に含まれている。
図1および図2は、実施形態の一例である電動アシスト自転車1の側面図である。図1は自転車に乗車可能な第一状態を示し、図2は自転車に乗車できない第二状態を示す。以下では、説明の便宜上、前後および上下左右の方向を示す用語を使用するが、電動アシスト自転車1および各構成要素の前後および上下左右は、通常の使用状態における前後および上下左右を意味する。前方とは、電動アシスト自転車1の走行時の進行方向である。
図1および図2に示すように、電動アシスト自転車1は、電動モータ17を含むモータユニット16を備える。電動アシスト自転車1はバッテリ10を備え、電動モータ17は、バッテリ10から供給される電力で駆動する。電動アシスト自転車1は、さらに、制動装置12と、制御装置20とを備える。制動装置12は、制動条件が成立する場合に車体の後退を抑制する制動力を付与する。制御装置20は、ペダル7への踏力に基づく人力駆動力に電動モータ17による第一補助駆動力を付加して走行する第一モードと、電動モータ17による第二補助駆動力を車体への押力に付加して押し歩く、又は第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する制御部である。
上記第一モードは、ペダル7への踏力に基づく人力駆動力に電動モータ17による第一補助駆動力を付加して走行するモードであり、一般的に、アシスト走行モードとも呼ばれる。上記第二モードは、電動モータ17による第二補助駆動力を車体への押力に付加して押し歩く、又は第二補助駆動力を付加して自走させるモードである。第二モードには、押し歩きモードおよび自走モードが含まれる。押し歩きモードでは、ユーザーが電動アシスト自転車1を押して歩くときに、ユーザーによる車体を前へ押す力に基づいて第二補助駆動力を付加し、車体の前進を補助する。自走モードでは、第二補助駆動力を付加して、車体を支えながら前進するときに当該前進を補助する。
以下、第一モードを「アシスト走行モード」、第二モードを「押し歩きモード」という場合がある。詳しくは後述するが、本実施形態の押し歩きモードには、車体の押し歩きを補助する動力を車輪に付与する押し歩き駆動モードと、制動装置12の機能により車輪に制動力を付与する押し歩きステイモードと、押し歩きの補助動力および制動力を付与しないフリーモードとが含まれる。電動アシスト自転車1では、フリーモードから押し歩きステイモードへの移行が、ユーザーの操作に基づくことなく自動で実行される。このため、自転車の押し歩き時において、ユーザーが意図しない自転車の後退を迅速に抑制できる。
電動アシスト自転車1は、一般的な自転車と同様に、フレーム2、車輪(前輪3aおよび後輪3b)、ハンドル4、サドル5、クランクアーム6、ペダル7、チェーン8、および前照灯9などを備える。クランクアーム6およびその一端部に取り付けられたペダル7は、電動アシスト自転車1の左右に1つずつ設けられ、一対のクランクアーム6の他端部同士はクランク軸で連結されている。
電動アシスト自転車1は、ペダル7の回転に伴って回転するフロントスプロケットと、後輪3bに設けられた後輪スプロケットとを備え、フロントスプロケットと後輪スプロケットがチェーン8を介して連結されている。本実施形態では、ペダル7の踏力および電動モータ17の補助動力が、チェーン8を介して後輪3bに伝達される。なお、モータユニット16は、電動モータ17の回転力が減速歯車等を介してフロントスプロケットに伝達される一軸式であってもよく、電動モータ17の回転力が減速歯車等を介して、チェーン8がかけられた補助動力出力用のスプロケットに伝達される二軸式であってもよい。
フレーム2は、前輪3a、後輪3b、ハンドル4、サドル5などを連結する骨組みである。フレーム2は、複数のパイプで構成され、バッテリ10およびモータユニット16を支持する。本実施形態では、複数のパイプとして、ヘッドパイプ2a、フロントフォーク2b、ダウンパイプ2c、シートパイプ2d、チェーンステー2e、シートステー2f、およびボトムブラケットが設けられている。ボトムブラケットは、ダウンパイプ2c、シートパイプ2d、およびチェーンステー2eを繋ぐパイプである。
ヘッドパイプ2aは、フロントフォーク2bおよびハンドル4を、当該パイプの中心軸の回りに回転可能な状態で支持する。フロントフォーク2bは、前輪3aを回転可能に支持する一対のレッグと、レッグの上端部から上方に延びてヘッドパイプ2aの筒内に挿し込まれるステアリングコラム4d(図5参照)とを有する。そして、ステアリングコラム4dの上端部にハンドル4が取り付けられている。ダウンパイプ2cは、ヘッドパイプ2aとシートパイプ2dを繋ぐパイプである。シートパイプ2dは、サドル5を支持するパイプである。
チェーンステー2eは、シートステー2fとボトムブラケットを繋ぐパイプであって、ボトムブラケットの後方端部から自転車の後方に延び、後輪3bを両側から挟むように左右に1本ずつ設けられている。また、シートステー2fは、チェーンステー2eと同様に、後輪3bを両側から挟むように左右に1本ずつ設けられている。左右のシートステー2fは、シートパイプ2dの上部から後輪3bの径方向中央部まで延び、当該中央部で左右のチェーンステー2eと一対一で連結されている。チェーンステー2eの後方端部には、後輪3bが回転可能に固定されている。
電動アシスト自転車1は、乗車装置を備える。本実施形態において、乗車装置は、サドル5と、サドル5を支持する切替部152とで構成されている。サドル5は、切替部152を介してシートパイプ2dに固定されている。切替部152は、サドル5の座面が上方を向いた正規の位置にあって自転車に乗車可能な第一状態(図1参照)と、サドル5の座面が前方を向いた非正規の位置にある第二状態(図2参照)との間で、サドル5の状態を切り替える。第二状態のサドル5は、サドル5の後端が前端よりも大きく持ち上げられ、ユーザーが座ることができない状態、即ち自転車に乗車できない状態となっている。
切替部152には、乗車装置の状態を検出する乗車装置状態検出部13(後述の図6および図7参照)が設けられている。詳しくは後述するが、制動装置12が作動する制動条件には、乗車装置が自転車に乗車できない第二状態である場合に上り坂であることが検出される第一制動条件、又は当該第二状態において自転車の後退が検出される第二制動条件の少なくとも1つが含まれる。また、制御装置20は、第二状態において押し歩き操作部41(後述の図5参照)の操作が終了した場合に、自転車が上り坂に位置すること、又は自転車が後退したことの少なくとも1つを条件として制動装置12を作動させてもよい。
また、電動アシスト自転車1が所定速度以上で走行後停車した場合において、上り坂であることが検出されることを上記第一制動条件としてもよい。例えば、電動アシスト自転車1がアシスト走行モードで走行後、上り坂で停車した場合は、ユーザーが意図しない自転車の後退が発生し易いことから、このような場合に制動装置12を作動させることで当該後退を迅速に抑制できる。この場合、制御装置20は、ユーザーが自転車に乗車しているか否かに関わらず、また自転車の後退の有無に関わらず、制動装置12を作動させてもよい。自転車が上り坂に位置することは、例えば、後述する傾斜検知装置により検出できる。制御装置20は、傾斜検知装置により所定以上の上り斜度が検知された場合に制動装置12を作動させてもよい。
また、電動アシスト自転車1が所定速度以上で走行後停車した場合において、所定時間内に自転車の後退が検出されることを上記第二制動条件としてもよい。所定時間は、例えば、1秒以内の時間に設定される。例えば、電動アシスト自転車1がアシスト走行モードで走行後、所定時間内に後退が検出された場合は、ユーザーが意図しない後退の可能性がある。なお、この場合、自転車は上り坂に位置している可能性が高い。制御装置20は、自転車が上り坂に位置するか否かに関わらず、自転車の後退が検出された場合に制動装置12を作動させてもよい。或いは、自転車が上り坂に位置し、かつ自転車が後退した場合に、制動装置12を作動させてもよい。
図3は、サドル5が第一状態である場合の切替部152を示す斜視図である。図4は、サドル5が第二状態である場合の切替部152を示す斜視図である。
図3および図4に示すように、切替部152は、台座部153と、レバー部154と、付勢部155とを備える。台座部153は、サドル5を可動自在に支持する部分であって、基台部157と、可動台158とを含む。基台部157は、可動台158を回転自在に指示する本体部1571と、本体部1571の下部から突出してシートパイプ2d内に挿入された軸部(図示せず)とを一体的に備えた金属部材である。可動台158は、本体部1571の前端側において、左右方向に平行な軸体を中心に回転自在に軸支されている。可動台158にはサドル5が固定されており、可動台158の動作に追従してサドル5が動作するようになっている。
本体部1571の前端側には、第一支柱1579が設けられている。第一支柱1579には、付勢部155の一端部が連結されている。本体部1571の後端側には、後方に向けて張り出した張り出し部1574が設けられている。張り出し部1574には、レバー部154をガイドするスリット1578が前後方向に沿って形成されている。レバー部154は、このスリット1578内に配置された状態で、本体部1571に対して回転自在に軸支されている。また、可動台158の前端側には、第一支柱1579が貫通するスリット1581が形成されている。可動台158が回転すると、第一支柱1579がスリット1581内で相対的に移動し、可動台158の前端が本体部1571の前端に当接することで可動台158の回転が規制される。
可動台158の後端側には、上方に向けて立設した第二支柱1589が設けられている。第二支柱1589の先端部には、付勢部155の他端部が連結されている。付勢部155は、例えば、コイルバネなどのバネである。付勢部155は、第一支柱1579と第二支柱1589とが近づく方向の付勢力を、第一支柱1579および第二支柱1589に対して付与している。即ち、付勢部155は、サドル5が第二状態となる方向への付勢力を付与している。
レバー部154は、本体部1571に対して回転自在に軸支されている。レバー部154の一端側が把握部1541であり、本体部1571のスリット1578から後方に向けて突出している。レバー部154の他端側には、上方に向けて延びた爪部1542が形成されている。爪部1542は、可動台158に引っかかることで可動台158の回転を規制する。つまり、サドル5が第一状態で維持される。把握部1541がユーザーによって操作されると、レバー部154が回転することで爪部1542が可動台158から外れる。これにより、付勢部155の付勢力によって可動台158が回転し、サドル5が第二状態となる。
切替部152には、サドル5の状態を検出する乗車装置状態検出部13が設けられている。乗車装置状態検出部13は、本体部1571に形成された凹部(図示せず)内に固定されている。凹部は、本体部1571の上部から上下方向に延びた溝状に形成される。可動台158は、当該凹部内に延びるアーム部(図示せず)を有する。アーム部の先端部には、マグネットが固定されている。アーム部は、可動台158の動作に連動するので、マグネットと乗車装置状態検出部13との相対的な位置関係が変動する。
乗車装置状態検出部13は、例えば、磁気型近接センサであり、アーム部のマグネットが基準位置(サドル5が第一状態であるときの位置)にある場合には検出信号を出力しない。一方、サドル5が第二状態である場合には検出信号を出力する。このように、乗車装置状態検出部13は、可動台158の動きに連動するアーム部のマグネットの位置を検出することにより、サドル5の第二状態を検出する。
図5は、ハンドル4およびその近傍の拡大図である。
図5に示すように、ハンドル4の両端部には、グリップ4aおよびブレーキレバー4bが取り付けられている。また、ハンドル4の中央部には、ステム4cを介してステアリングコラム4dが連結されている。ハンドル4は、グリップ4aがステム4cよりも上方に位置するアップ型ハンドルである。ハンドル4は、上から見たときに略U字形状を有し、左右両端部が自転車の後方に延びると共に、左右両端に近づくほど自転車の外側に位置するように両端部の間隔が広がっている。
グリップ4aは、電動アシスト自転車1の走行時および押し歩き時にユーザーが把持する部分である。ブレーキレバー4bは、車輪に取り付けられたブレーキを作動させるための操作部である。一般的に、左側のブレーキレバー4bが後輪3bのブレーキの操作部であり、右側のブレーキレバー4bが前輪3aのブレーキの操作部である。押し歩き時にユーザーが意図しない自転車の後退が発生した場合には、ブレーキレバー4bを操作することで後退を防止できるが、迅速なレバー操作が困難な場合がある。電動アシスト自転車1によれば、上記押し歩きステイモードに自動的に移行し、制動装置12の機能により車輪に制動力が付与されるため、このような場合の車体の後退を迅速に抑制できる。
ハンドル4には、スイッチユニット40および押し歩き操作部41が取り付けられている。スイッチユニット40は、一般的に、手元スイッチとも呼ばれ、ハンドル4の左側グリップ4aの近傍に取り付けられる。本実施形態では、スイッチユニット40とグリップ4aとの間に押し歩き操作部41が設けられている。押し歩き操作部41は、スイッチユニット40とケーブルで接続されているが、スイッチユニット40に接続されていなくてもよく、或いはスイッチユニット40と一体化されていてもよい。なお、ハンドル4に対するスイッチユニット40と押し歩き操作部41の取り付け構造は特に限定されない。
スイッチユニット40は、例えば、電源スイッチ、アシスト切り替えスイッチ、前照灯スイッチ、および表示部などを含む。電源スイッチは、制御装置20を起動させるための操作部である。電源スイッチがオンされることにより、アシスト走行モードおよび押し歩きモードが実行される。アシスト切り替えスイッチは、例えば、人力駆動力に対する電動モータ17の補助動力の割合を調整するためのUPボタンおよびDOWNボタンを含む。表示部の一例は、液晶モニターである。表示部には、バッテリ残量、自転車の動作モード、時間などが表示されてもよい。
押し歩き操作部41は、押し歩きモード(第二モード)を実行するための第二モード操作部であって、ユーザーにより操作される。このため、押し歩き操作部41は、押し歩き時に操作し易いようにグリップ4aの近傍に配置されている。押し歩き操作部41は、ユーザーの操作に基づき、第二モードを実行するための信号を制御装置20に送信する。押し歩き操作部41の形態は特に限定されないが、本実施形態では、押し歩き操作部41として押しボタン式のスイッチを用いている。押し歩き操作部41は、例えば、ユーザーにより押圧されている間、操作信号を出力するモーメンタリスイッチである。押し歩き操作部41が押圧操作されていないときには信号は出力されず、第二モードは実行されない。
図6は、押し歩きモード(第二モード)に関する電動アシスト自転車1の基本的な構成を示すブロック図である。
図6に示すように、電動アシスト自転車1は、駆動装置11と、制動装置12と、乗車装置状態検出部13と、自転車状態検出部14と、押し歩き操作部41とを備える。また、電動アシスト自転車1は、駆動装置11および制動装置12を制御する制御装置20を備える。制御装置20は、各検出部の検出情報を取得し、当該検出情報に基づいて駆動装置11および制動装置12を制御する。制御装置20は、押し歩き操作部41から操作信号を受信した場合に、駆動装置11から第二補助駆動力を出力させる押し歩きモードを実行する。本実施形態では、押し歩き操作部41のボタンが指で押圧されている間、押し歩き操作部41を構成するスイッチ素子の接点がつながり操作信号が出力される。
駆動装置11は、押し歩きの補助動力を出力する電動式のモータであって、アシスト走行モードで使用されるモータと別のモータであってもよいが、好ましくはアシスト走行モードおよび押し歩きモードのいずれにおいても同じ電動モータ17が使用される。電動モータ17(駆動装置11)は、バッテリ10から供給される電力で駆動して電動アシスト自転車1を走行させることが可能な電動機であればよいが、好適な一例は3相ブラシレスDCモータである。
制動装置12は、車輪に制動力を付与する装置であって、制御装置20の制御の下、所定の制動条件が成立した場合に自動的に作動する。制動装置12は、電子制御式ブレーキ、電磁ブレーキなどであってもよいが、コストの削減、車両の軽量化などの観点から、制動装置12として電動モータ17を利用することが好ましい。この場合の制動方法としては、例えば、回生ブレーキ又はショートブレーキが挙げられる。本実施形態では、後輪3bに制動力が付与される。
乗車装置状態検出部13は、サドル5が座れる状態であるか否かを検出可能に構成されている。本実施形態では、サドル5が座ることができない第二状態である場合に乗車装置状態検出部13から検出信号が出力される。押し歩きモードへの移行は、第二状態に限定して許可される。この場合、制御装置20は、乗車装置状態検出部13により第二状態であることが検出され、かつ押し歩き操作部41が操作された場合に、自転車の動作モードを押し歩きモードに移行させる。一方、サドル5が第一状態である場合には、押し歩き操作部41の操作は無効とされる。
本実施形態では、押し歩き操作部41が押圧操作されたときに、フリーモードから押し歩き駆動モードに移行し、押圧操作がなされている間、即ち操作信号が出力されている間は押し歩き駆動モードが継続される。押し歩き操作部41の押圧操作が停止すると、自転車の動作モードは押し歩き駆動モードからフリーモードに移行し、さらに、制動装置12が作動する所定の制動条件が成立する場合には押し歩きステイモードに移行する。
自転車状態検出部14は、電動アシスト自転車1の状態を検出可能に構成されている。自転車状態検出部14の機能により、例えば、電動アシスト自転車1の状態が、所定の制動条件を満たす状態であるか否かが検出される。詳しくは後述するが、自転車状態検出部14には、従来公知の電動アシスト自転車に搭載されている既存のセンサを適用することができる。
本実施形態において、制動条件は、押し歩き操作部41の操作終了後において、上り坂であることが検出される第一制動条件、又は自転車の後退が検出される第二制動条件の少なくとも1つを含む。押し歩き操作部41の操作終了後において、自転車が上り坂に位置し、かつ自転車の後退が検出されることを制動条件としてもよい。制動条件が成立すると押し歩きステイモードに移行するが、本実施形態では、押し歩きモードへの移行が第二状態に限定して許可されるため、乗車装置が第二状態であることが制動条件の1つであると言える。
図7は、電動アシスト自転車1の構成の具体例を示すブロック図である。以下、上記各検出部の具体例を挙げながら、特に押し歩きモードに関する電動アシスト自転車1の構成の具体例について、さらに詳説する。
図7に示すように、制御装置20には、各種センサ、操作部、および電動モータ17の駆動回路18などが接続されている。制御装置20は、例えば、プロセッサ21、メモリ22、および入出力インターフェイスなどを備えるマイコンで構成される。制御装置20は、アシスト走行モードを実行する第一処理部23と、押し歩き駆動モードを実行する第二処理部24と、押し歩きステイモードを実行する第三処理部25とを含む。
本実施形態の押し歩きモードには、押し歩き駆動モード、押し歩きステイモード、および押し歩きフリーモードが含まれ(後述の図8参照)、制御装置20は、当該3つの動作モードを実行するように構成されている。自転車の動作モードは、押し歩き駆動モードから押し歩きフリーモードを経て押し歩きステイモードに移行する。
プロセッサ21は、制御プログラムを読み出して実行することにより上記各処理部の機能を実現する。メモリ22は、制御プログラム、種々の設定情報等を記憶する、ROM、HDD、SSD等の不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを含む。制御装置20は、一般的に、モータユニット16に内蔵されている。なお、モータユニット16は、電動モータ17、制御装置20の他に、減速機構、ワンウェイクラッチ、各種センサ、駆動回路18などを内蔵している。
制御装置20は、スイッチユニット40および押し歩き操作部41が接続されており、ユーザーの操作に基づいて押し歩き操作部41から出力される操作信号を受信可能に構成されている。制御装置20は、押し歩き操作部41の操作に基づいて電動モータ17を制御する。そして、自転車の押し歩きを補助する第二補助駆動力を出力させる。この機能は、第二処理部24により実行される。一方、制御装置20は、押し歩き操作部41から操作信号を受信した場合であっても、乗車装置状態検出部13から検出情報を受信していない場合には、押し歩き駆動モードを実行せず第二補助駆動力を出力させない。即ち、制御装置20は、第二状態において押し歩き操作部41が操作された場合に押し歩きモードを実行する。
電動アシスト自転車1は、トルクセンサ31および車速センサ32を備える。トルクセンサ31は、例えば、モータユニット16に内蔵され、クランク軸に作用する踏力負荷を検出する。車速センサ32は、車輪の回転数から車速を検出する。制御装置20は、アシスト走行モードにおいて、クランク軸に作用するトルク(踏力負荷)と車速に基づき電動モータ17の出力を制御するように構成されている。この機能は、第一処理部23により実行される。本実施形態では、制御装置20から駆動回路18に制御信号が出力され、当該制御信号に基づいて駆動回路18がスイッチング動作することで電動モータ17に供給される電流量が変化する。これにより、電動モータ17の出力(モータトルク)が制御される。
電動アシスト自転車1は、回転センサ33、傾斜センサ34、電流センサ35、加速度センサ36、および温度センサ37から選択される少なくとも1つを備えていてもよい。また、電動アシスト自転車1は、自転車の位置情報を取得するための位置情報受信器38を備えていてもよい。これらのセンサおよび位置情報受信器38は、押し歩きステイモードへの移行判定に使用される自転車状態検出部14として機能する。また、自転車状態検出部14として、トルクセンサ31、車速センサ32を用いてもよい。
回転センサ33は、電動モータ17の回転数を検出する。電動アシスト自転車1が後退すると、前進する場合と逆の方向に電動モータ17が回転するため、回転センサ33を用いて自転車の後退を検出できる。傾斜センサ34は、自転車の前後が水平な状態からどの程度傾いているかを検出する傾斜検知装置である。傾斜センサ34の検出情報から、電動アシスト自転車1が上り坂、平地、および下り坂のいずれに位置しているかを判定できる。電流センサ35は、電動モータ17に供給される電流量を検出する。電流センサ35の検出情報から、電動モータ17の出力レベルを判定できる。
加速度センサ36は、例えば、電動アシスト自転車1の前後方向の加速度を検出する。加速度センサ36は、自転車が前進するときの加速度がプラスの値、後退するときの加速度がマイナスの値となるように設定される。加速度センサ36の検出情報から、自転車の前後方向の動きを判定でき、加速度センサ36の検出値がマイナスであれば、自転車が後退していると判定できる。温度センサ37は、例えば、電動モータ17の温度を検出する。電動モータ17の温度は、制動装置12による制動力の付与を停止する制動解除条件として使用できる。温度センサ37により、駆動回路18又はバッテリ10の温度が検出され、これらの温度が制動解除条件として使用されてもよい。
なお、回転センサ33、傾斜センサ34、電流センサ35、加速度センサ36、および温度センサ37には従来公知のセンサを適用できる。また、傾斜センサ34として加速度センサ36を用いることもできる。
位置情報受信器38は、位置情報の提供先、例えば、位置情報を提供する外部サーバーから電動アシスト自転車1の位置情報を取得する。位置情報受信器38は、LTEモジュール等の無線通信モジュールであってもよく、ユーザーが所持するスマートフォン等の通信端末と通信する近距離通信モジュールであってもよい。位置情報受信器38により取得される自転車の位置情報から、例えば、自転車が上り坂、平地、および下り坂のいずれに位置しているかを判定できる。電動アシスト自転車1は、GPSによる位置情報を取得可能に構成されていてもよい。位置情報受信器38は、外部サーバーから自転車が位置する地点の勾配情報を取得可能であってもよい。また、自転車が走行する道路の勾配情報は、メモリ22等の記憶装置に記憶されていてもよい。
電動アシスト自転車1は、制動装置12が作動し、制動力が付与されていることを報知するための報知装置を備えることが好ましい。報知装置は、制御装置20の制御の下、ユーザーに対して車輪に制動力が付与されていることを報知する。これにより、ユーザーは制動力が付与されている間は待機する、或いは制動力を解除する操作を行うことが可能となり、ユーザビリティが向上する。なお、報知装置は、周囲に対して制動力が付与されていることを報知してもよい。
報知装置は、ユーザーへの報知が可能な装置であればよく、その構成は特に限定されないが、スイッチユニット40を報知装置として用いることが好ましい。例えば、スイッチユニット40のモニターに、押し歩きステイモードの持続時間が表示されてもよく、当該時間がカウントダウン表示されてもよい。また、報知装置(スイッチユニット40)は、音又は光を用いて、制動力が付与されていることを報知してもよい。具体的には、制動力の付与とその持続時間の情報を音声出力すること、制動力が付与されている間、ランプを点滅させることなどが挙げられる。
制御装置20は、上記のように、自転車状態検出部14の検出情報から押し歩き時における自転車の後退が確認された場合に、制動装置12を作動させて当該後退を抑制するように構成されている。この機能は、第三処理部25により実行される。本実施形態では、制動装置12として電動モータ17を使用し、回生ブレーキ又はショートブレーキにより後輪3bに制動力を付与する。回生ブレーキにより制動力を発生させる場合、発電された電力をバッテリ10に充電する必要がある。このため、バッテリ10の充電率に応じて、回生ブレーキとショートブレーキを使い分けてもよい。
図8は、電動アシスト自転車1の状態遷移(動作モード遷移)の一例を示す図である。
図8に示すように、電源スイッチがオンされると制御装置20が起動した際に、自転車の動作モードは、サドル5が第一状態であればアシスト走行フリーモードとなり、サドル5が第二状態であればエラーを検知し、電動モータ17による駆動力を発生させない。当該エラー検知後、サドル5が第一状態となれば、動作モードはアシスト走行フリーモードとなる。なお、サドル5の状態に関わらず電源スイッチがオンされ制御装置20が起動されれば、自転車の動作モードはアシスト走行フリーモードとなってもよい。また、乗車装置であるサドル5の状態によって電源スイッチがオンされ制御装置20が起動した際の移行先が異ならせてもよい。この場合、制御装置20は、サドル5の状態に基づいて、自転車の動作モードをアシスト走行フリーモード又は押し歩きフリーモードに移行させる。アシスト走行モードは、電動モータ17が停止して補助動力が発生しないアシスト走行フリーモードと、電動モータ17が駆動して補助動力が発生するアシスト走行駆動モードとを含む。制御装置20は、乗車装置状態検出部13の検出情報に基づいて、サドル5が第一状態であるか、第二状態であるかを判断できる。
電動アシスト自転車1の動作モードは、ペダリングが検出されると、アシスト走行フリーモードからアシスト走行駆動モードに移行する。具体的には、ペダリングにより発生する人力駆動力(踏力負荷)がトルクセンサ31により検出されたときに、アシスト走行駆動モードに移行する。また、ペダリングが停止すると、アシスト走行駆動モードからアシスト走行フリーモードに移行する。なお、アシスト走行モードにおいて、制動装置12の制動力が発生することはない。
図8に示す例では、サドル5が第一状態であれば、自転車の動作モードはアシスト走行モードから押し歩きモードに移行しない。また、サドル5が第二状態であれば、押し歩きモードからアシスト走行モードには移行しない。
制御装置20は、押し歩き操作部41の操作信号を受信している間、駆動装置11である電動モータ17を駆動させて押し歩きの補助動力である第二補助駆動力を発生させる。この場合、電動アシスト自転車1の動作モードは押し歩き駆動モードとなる。電動モータ17の動力が後輪3bに付与されて押し歩きがアシストされるので、上り坂であっても押し歩きが容易になる。制御装置20は、押し歩き操作部41の操作信号が停止すると、電動モータ17は停止し、動作モードは押し歩き駆動モードから押し歩きフリーモードに移行する。
制御装置20は、押し歩きモードにおいて、押し歩き操作部41の操作終了後に自転車が上り坂に位置する場合、又は押し歩き操作部41の操作終了後に自転車の後退が検出された場合に、制動装置12を自動的に作動させる。この場合、電動アシスト自転車1の動作モードは押し歩きステイモードとなる。制動装置12を自動的に作動させるとは、ユーザーの操作に基づくことなく、制御装置20の判断により制動装置12を作動させて制動力を付与することを意味する。本実施形態では、上記の通り、電動モータ17を使用して回生ブレーキ又はショートブレーキ(以下、両者を区別する必要が無い場合は、単に「ブレーキ」とする)を作動させる。
制御装置20は、例えば、自転車状態検出部14の検出情報に基づいて自転車の後退の有無を判定し、制動力を付与すべき後退が発生した場合にブレーキを作動させる。本実施形態では、制動条件が成立すると、押し歩き駆動モードから押し歩きフリーモードを経て押し歩きステイモードに移行する。即ち、押し歩き操作部41の操作中に自転車の後退が発生したとしても、押し歩きステイモードには移行しない。このため、制御装置20は、押し歩きフリーモードにおける後退の有無を判定するといえる。
制御装置20は、傾斜センサ34により所定以上の上り斜度が検知された場合にブレーキを作動させてもよい。即ち、押し歩き操作部41の操作終了後に、自転車が所定以上の斜度の上り坂に位置する場合、後退の有無に関わらず、ブレーキを作動させてもよい。所定以上の上り斜度は、例えば、6度以上に設定される。
制御装置20は、電動モータ17の逆回転が検出された場合に、制動条件が成立したと判定して、ブレーキを作動させてもよい。電動モータ17の逆回転は、回転センサ33により検出できる。制御装置20は、例えば、回転センサ33により電動モータ17の逆回転を示す検出信号を受信した場合に、自転車の後退が発生したものとしてブレーキを作動させる。制御装置20は、電動モータ17の逆回転に加えて、所定の追加条件が成立した場合にブレーキを作動させてもよい。
制御装置20は、ユーザーが意図しない自転車の後退が発生した場合にのみ、ブレーキを作動させることが好ましい。即ち、ユーザーが意図して自転車を後退させた場合にもブレーキが作動すると、スムーズな後退が妨げられる、或いは後退が困難になるため、ユーザーが意図して後退させる場合には制動力を付与しないことが好ましい。この機能を実現するために、制御装置20は、ブレーキを作動させる際に、電動モータ17の逆回転などの自転車の後退を示す情報に加えて、上記所定の追加条件の成立の有無を判断する。
制御装置20は、例えば、電動モータ17の逆回転が検出された場合であって、かつ(1)押し歩き操作部41の操作信号が停止してから所定時間以内であること、(2)自転車が登坂中であること、(3)直前の電動モータ17の出力が所定値以上であること、(4)直前の車速が所定値以下であること、および(5)直前の加速度が所定値以下であることから選択される少なくとも1つの条件を満たす場合に、制動条件(第二制動条件)が成立したと判定して、ブレーキを作動させる。この場合、自転車の後退を電動モータ17の逆回転により確認し、さらに(1)~(5)の条件の成立の有無を判定することにより、ユーザーが意図しない自転車の後退だけを選択的に抑制できる。
制動装置12による制動力は、自転車の傾斜などに応じて変動可能としてもよく、上り坂の傾斜が大きいほど制動力を大きくしてもよい。また、自転車の後退が検出された場合に、直前の電動モータ17の出力が大きいほど、或いは直前の車速が遅いほど、上り坂が急勾配であると想定されるため、制動力を大きくしてもよい。また、後退発生の直前の加速度(絶対値)が大きいほど、制動力を大きくしてもよい。制動装置12は、例えば、自転車の傾斜、後退発生の直前のモータ出力、直前の車速、および直前の加速度から選択される少なくとも1つの値に基づいて制動力を変動させる。
制御装置20は、上記(1)~(5)の条件の2つ以上を考慮してもよいが、いずれか1つの条件が成立する場合にブレーキを作動させてもよい。また、自転車の後退の有無の判定において、電動モータ17の回転方向と共に、又はこれの代わりに、例えば、加速度を使用してもよい。電動アシスト自転車1が加速度センサ36を備え、自転車の前進時にプラスの値が出力され、後退時にマイナスの値が出力されるようにセンサの設定を行った場合、マイナス成分の検出により自転車の後退を判定できる。
制御装置20は、例えば、押し歩きフリーモードにおいて電動モータ17の逆回転が検出された場合に、(1)押し歩き操作部41の操作信号が停止してから所定時間以内であることを条件としてブレーキを作動させる。所定時間は特に限定されないが、一例としては1秒である。制御装置20は、押し歩き操作部41の操作終了後、所定時間内に制動条件(第二制動条件)が成立した場合、即ち自転車の後退が発生したときに直前の動作モードが押し歩き駆動モードであった場合にブレーキを作動させる。
上記(1)の条件を考慮することにより、例えば、押し歩き操作部41から誤って指が離れたときに発生し得る自転車の後退を迅速に抑制できる。他方、ユーザーが意図して自転車を後退させる際には、直前の動作モードが押し歩き駆動モードでなければ、直ぐに自転車を後退させることができる。また、直前の動作モードが押し歩き駆動モードであった場合も、押し歩き操作部41の操作を終了してから所定時間経過後であればブレーキは作動しないため、自転車を容易に後退させることができる。
制御装置20は、押し歩きフリーモードにおいて電動モータ17の逆回転が検出された場合に、(2)自転車が登坂中であることを条件としてブレーキを作動させてもよい。換言すると、電動アシスト自転車1が平地又は下り坂に位置する場合は、ブレーキを作動させない。制御装置20は、例えば、傾斜センサ34の検出情報から自転車が登坂中であるか否か、また上り坂の斜度を判定できる。或いは、位置情報受信器38により取得される自転車の位置情報から自転車が登坂中であるか否かを判定できる。
登坂中における自転車の後退はユーザーが意図しない後退である可能性が高いため、電動モータ17の逆回転が検出された場合に上記(2)の条件が成立すると、制御装置20はブレーキを作動させて押し歩きステイモードに移行させる。なお、制御装置20は、自転車の後退が発生した場合に、その直前の自転車の状態に基づいて登坂中であることを認識してもよい。直前の自転車の状態は、自転車状態検出部14の1つの情報から判定してもよく、2つ以上の情報から複合的に判定してもよい。
制御装置20は、押し歩きフリーモードにおいて電動モータ17の逆回転が検出された場合に、(3)直前の電動モータ17の出力レベルが所定値以上であることを条件としてブレーキを作動させてもよい。制御装置20は、例えば、電流センサ35により計測される電流値から電動モータ17の出力レベルを算出し、電動モータ17の逆回転が発生する直前の出力レベルと予め定められた所定値(閾値)とを比較する。電動モータ17の出力レベルは電動モータ17に供給される電流量に依存するので、電流センサ35により計測される電流値をそのまま出力レベルとして用い、所定値として設定した電流値と比較してもよい。
電動アシスト自転車1の後退が発生する直前の電動モータ17の出力レベルが高い場合、直前の動作モードが押し歩き駆動モードであった可能性が高い。このため、上記(3)の条件を考慮することにより、例えば、押し歩き操作部41から誤って指が離れた場合に発生する自転車の後退を迅速に抑制できる。ここで、直前とは、自転車の後退が発生する所定時間前を意味する。例えば、(3)および(4)の場合は、押し歩き操作部41から指が離れる直前、即ち押し歩き操作部41の操作信号が停止する直前(押し歩き駆動モードから押し歩きフリーモードに遷移する直前)を意味し、(5)の場合は、押し歩きフリーモードにおいて自転車の後退(電動モータ17の逆回転)が検出される直前を意味する。
制御装置20は、押し歩きフリーモードにおいて電動モータ17の逆回転が検出された場合に、(4)直前の車速が所定値(所定の車速)であることを条件としてブレーキを作動させてもよい。制御装置20は、例えば、車速センサ32により計測される車速を取得し、予め定められた所定値と比較する。なお、この条件において、自転車の後退が発生する直前の車速は0km/hを含まず、車速が検出されている場合において所定値以下であることを要する。この場合、後退の直前に自転車の押し歩きがなされている可能性が高い。即ち、自転車の後退が発生する直前に押し歩きがなされていることをブレーキ作動の条件としている。
制御装置20は、押し歩きフリーモードにおいて電動モータ17の逆回転が検出された場合に、(5)直前の加速度が所定値(所定の加速度)であることを条件としてブレーキを作動させてもよい。制御装置20は、例えば、加速度センサ36により計測される加速度を取得し、予め定められた所定値と比較する。この条件において、自転車の後退が発生する直前の加速度は、プラスの値であってもよく、マイナスの値であってもよい。例えば、所定値を0km/h2に設定し、加速度がマイナスである場合にブレーキを作動させてもよい。
制御装置20は、制動力の付与を所定時間以上継続してもよい。即ち、押し歩きステイモードが一旦実行されると、ステイモードが所定時間以上維持される。当該所定時間は、自転車の後退抑制効果が得られる範囲で短い時間に設定されることが好ましい。このとき、報知装置は、押し歩きステイモードを継続する所定時間を報知する。具体例としては、押し歩きステイモードの残り時間をスイッチユニット40のモニターに表示させることが挙げられる。
制御装置20は、押し歩きステイモードにおいて、所定の制動解除条件が成立した場合に、制動力の付与を停止する。制動力の付与から所定時間が経過したことを制動解除条件としてもよい。制御装置20は、例えば、押し歩きステイモードを継続する上記所定時間が経過した場合に、制動力の付与を停止する。この場合、押し歩きステイモードが自動的に解除されるので、ユーザーの解除操作が不要である。
また、制御装置20は、(i)制動装置12(電動モータ17)が所定時間停止していること、(ii)車速が所定値を超えたこと、(iii)加速度が所定値を超えたこと、および(iv)自転車が平地又は下り坂に位置することから選択される少なくとも1つの条件を満たす場合に、自転車の動作モードを押し歩きステイモードから押し歩きフリーモードに移行させてもよい。制御装置20は、上記(i)~(iv)の条件の2つ以上を考慮してもよいが、いずれか1つの条件が成立した場合にブレーキを解除してもよい。
制御装置20は、(i)電動モータ17が所定時間停止している場合に解除条件が成立したと判定して、ブレーキを解除してもよい。制御装置20は、回転センサ33により計測される電動モータ17の回転数から電動モータ17の状態を判定できる。押し歩きステイモードにおいて電動モータ17の停止状態が所定時間継続する場合、もはや後退を抑制する制動力を付与する必要が無いため、押し歩きステイモードを解除することが好ましい。当該所定時間は特に限定されないが、上記(1)の場合の所定時間より長い時間に設定されてもよい。
制御装置20は、(ii)車速が所定値を超えた場合に解除条件が成立したと判定して、ブレーキを解除してもよい。或いは、制御装置20は、押し歩きステイモードにおいて、(iii)加速度が所定値を超えたことを条件としてブレーキを解除してもよい。いずれの場合も、ブレーキの制動力に対抗して自転車が前進したとき、即ちユーザーが押し歩きを行ったときに、押し歩きステイモードから押し歩きフリーモードに移行させる。ユーザーが自転車を前進させる力を加えたときには、後退を抑制する制動力を維持する必要が無いため、ブレーキを解除してスムーズな押し歩きを実現することが好ましい。
制御装置20は、電動アシスト自転車1が平地又は下り坂に位置する場合に解除条件が成立したと判定して、ブレーキを解除してもよい。制御装置20は、例えば、位置情報受信器38により取得される自転車の位置情報から自転車の位置を判定できる。電動アシスト自転車1が、例えば、ブレーキの作動時には上り坂に位置していたが、その後、平地又は下り坂に移動することが想定される。この場合、後退を抑制する制動力を維持する必要が無いため、ブレーキを解除することが好ましい。
制御装置20は、押し歩き操作部41が操作された場合に解除条件が成立したと判定して、ブレーキを解除し、自転車の動作モードを押し歩きステイモードから押し歩き駆動モードに移行させてもよい。即ち、制御装置20は、押し歩きステイモードにおいて押し歩き操作部41の操作信号を受信した場合に、押し歩きフリーモードを経由することなく電動モータ17の補助動力を発生させて押し歩き駆動モードに移行する。この場合、押し歩き時に押し歩き操作部41から誤って指が離れて自転車が後退したときに、再び押し歩き操作部41を操作することで、スムーズに押し歩き駆動モードに復帰できる。
制御装置20は、温度センサ37により検出される電動モータ17の温度が所定の閾値を超えた場合に、制動力の付与を停止してもよい。即ち、制動解除条件として、電動モータ17の温度が考慮される。電動モータ17を利用して制動力を発生させると、モータが過熱状態となることが想定され、このような場合には、装置保護等の観点から制動力の付与を停止することが好ましい。なお、電動モータ17の温度の代わりに、又は当該温度に加えて、駆動回路18の温度、バッテリ10の温度、或いはこれらの温度を間接的に示す温度などが考慮されてもよい。
また、電動アシスト自転車1は、一般的に、バッテリ10の状態を検出するバッテリ状態検出部を備える。バッテリ状態検出部の一例は、バッテリ10の電圧を検出する電圧センサである。制御装置20は、例えば、電圧センサにより計測されるバッテリ10の電圧に基づいてバッテリ10の充電率(残量)を算出する。制御装置20は、上記のように、バッテリ10の充電率に応じて、回生ブレーキを使用するか否かを選択する構成されていてもよい。具体的には、押し歩きステイモードにおいて、バッテリ10の充電率が所定の閾値を超える場合はショートブレーキを使用し、充電率が閾値以下である場合は回生ブレーキを使用して発電された電力をバッテリ10に充電する。
図9は、状態遷移(動作モード遷移)の変形例を示す図である。
図9に示すように、制御装置20は、乗車/非乗車を判定することなく、自転車の動作モードを押し歩きモードに移行させてもよい。図9に示す例では、駆動装置11および制動装置12が駆動しないフリーモードから、押し歩き操作部41の操作信号に基づいて押し歩き駆動モードに移行し、ペダリングが検出された場合にはアシスト走行駆動モードに移行する。また、電動アシスト自転車1の後退が発生した場合には、押し歩きステイモードに移行し、押し歩きステイモードにおいてペダリングが検出された場合にはアシスト走行駆動モードに直接移行する。
図9に示す例では、乗車状態(第一状態)においても、押し歩き操作部41の操作により補助動力を出力させることが可能であり、またユーザーの意図しない後退が発生すると、制動装置12が自動的に作動する。この場合、電動アシスト自転車1は、乗車装置を構成する切替部および乗車装置状態検出部13を有していなくてもよい。
図10は、押し歩きモードに関する基本的な制御手順の一例を示すフローチャートである。図11は、制御手順の具体例を示すフローチャートである。
図10に示すように、電源スイッチがオンされて制御装置20が起動状態にある場合(ステップS10のYes)、サドル5が第二状態(非乗車状態)であることを条件として(ステップS11のYes)、電動アシスト自転車1の動作モードは押し歩きモードとなる。サドル5の状態は、乗車装置状態検出部13の検出情報に基づいて判定される。サドル5の座面が前方に向いた第二状態である場合、乗車装置状態検出部13から検出信号が出力され、制御装置20がこの信号を受信したときに非乗車状態と判定される。なお、サドル5が第一状態である場合は、押し歩きモードには移行せず、動作モードはアシスト走行モードとなる。
押し歩きモードにおいて、所定の制動条件が成立した場合に(ステップS12のYes)、制動装置12が作動し、車輪に制動力が付与される(ステップS13)。制御装置20は、制動条件が成立した場合に、ブレーキを作動させ、動作モードを押し歩きステイモードに移行させる。制御装置20は、押し歩きステイモードにおいて、所定の制動解除条件が成立した場合に(ステップS14のYes)、ブレーキを解除して、制動力の付与を停止する(ステップS15)。なお、解除条件が成立するまで押し歩きステイモードが継続される。制動条件および解除条件の詳細は、上述の通りである。
図11に示す例では、制動条件の一例として、押し歩き操作部41の操作後、所定時間内における自転車の後退を挙げている。また、解除条件の一例として、制動力の付与から所定時間が経過することを挙げている。図11では、図10に示す手順と同じ手順には同じ符号を用いている。
図11に示すように、押し歩きモードにおいて、押し歩き操作部41が操作された場合(ステップS20のYes)、制御装置20は、電動モータ17を作動させて第二補助駆動力を発生させる(ステップS21)。これにより、押し歩きフリーモードから押し歩き駆動モードに移行する。そして、押し歩き操作部41の操作が継続され、操作信号を受信している間、押し歩き駆動モードを継続する。
制御装置20は、押し歩き操作部41の操作が停止すると(ステップS22のYes)、操作信号が受信されなくなってから所定時間が経過していないこと(ステップS23のYes)、および自転車の後退が発生したこと(ステップS24のYes)を条件として、ブレーキを作動させ、動作モードを押し歩きステイモードに移行させる(ステップS13)。即ち、制御装置20は、押し歩き操作部41の操作終了から所定時間内に自転車の後退が発生した場合に制動力を付与する。
制御装置20は、押し歩きステイモードの開始から所定時間が経過した場合に(ステップS25のYes)、ブレーキを解除して、動作モードを押し歩きフリーモードに移行させる(ステップS15)。押し歩きステイモードでは、例えば、制動力が付与される残り時間をスイッチユニット40のモニターにカウントダウン表示させる。そして、残り時間がゼロになったときにブレーキが解除される。つまり、制動力が所定時間維持され、残り時間が報知されるので、ユーザーはブレーキが解除されるまでの間にブレーキレバー4bを握る、或いは押し歩き操作部41を押すなどの対応が容易になる。
以上のように、上記構成を備えた電動アシスト自転車1によれば、例えば、上り坂での自転車の押し歩き時において押し歩き操作部41から誤って指が離れてしまった場合に、制動装置12が自動的に作動するため、ユーザーが意図しない自転車の後退を迅速に抑制できる。制御装置20は、例えば、回転センサ33により電動モータ17の逆回転が検出された場合に、後退が発生したものと判定し、制動装置12を作動させて自転車の後退を抑制する。なお、電動アシスト自転車1の後退は、自転車状態検出部14として機能する他のセンサを用いて検出することもできる。
また、制御装置20は、電動アシスト自転車1の後退が発生する直前の状態から、押し歩きステイモードに移行して制動力を付与すべきか否かを判定できる。これにより、ユーザーが意図して行う後退は許容し、ユーザーが意図しない後退だけを選択的に抑制することが可能である。例えば、押し歩き操作部41の操作信号が停止してから所定時間以内である場合に限定して押し歩きステイモードに移行することとすれば、駐輪場などで自転車を後退させる際には制動力は付与されない。これにより、ユーザビリティが向上する。
なお、上記実施形態は、上記変形例の他にも、本発明の目的を損なわない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、本発明の電動アシスト自転車は、スロットル等の操作部を有し、その操作に基づいてモータの出力が制御される自走モードを備えていてもよい。また、自転車の押し歩きを検出可能なセンサが設けられていてもよい。当該センサは、例えば、ハンドルのグリップに設置され、押し歩き時にグリップに作用する荷重又はその分布を計測する。この場合、グリップに作用する荷重又はその分布に基づいて押し歩きを検出する。また、切替部152の代わりに、サドルに作用する荷重を検出するセンサを用いて、乗車/非乗車を判定してもよい。また、上記実施形態では、サドル5の状態を乗車可能な第一状態と乗車できない第二状態との間で切り替えるものとして説明したが、ペダル、ハンドルなど、サドル5以外の乗車装置の状態を第一状態と第二状態との間で切り替えることも可能である。
1 電動アシスト自転車、2 フレーム、2a ヘッドパイプ、2b フロントフォーク、2c ダウンパイプ、2d シートパイプ、2e チェーンステー、2f シートステー、3a 前輪、3b 後輪、4 ハンドル、4a グリップ、4b ブレーキレバー、4c ステム、4d ステアリングコラム、5 サドル、6 クランクアーム、7 ペダル、8 チェーン、9 前照灯、10 バッテリ、11 駆動装置、12 制動装置、13 乗車装置状態検出部、14 自転車状態検出部、16 モータユニット、17 モータ、18 駆動回路、20 制御装置、21 プロセッサ、22 メモリ、23 第一処理部、24 第二処理部、25 第三処理部、31 トルクセンサ、32 車速センサ、33 回転センサ、34 傾斜センサ、35 電流センサ、36 加速度センサ、37 温度センサ、38 位置情報受信器、40 スイッチユニット、41 押し歩き操作部、152 切替部、153 台座部、154 レバー部、155 付勢部、157 基台部、158 可動台、1541 把持部、1542 爪部、1571 本体部、1574 張り出し部、1578,1581 スリット、1579 第一支柱、1589 第二支柱
Claims (16)
- 乗車装置と電動モータとを備える電動アシスト自転車であって、
ペダルへの踏力に基づく人力駆動力に前記電動モータによる第一補助駆動力を付加して走行する第一モードと、前記電動モータによる第二補助駆動力を車体への押力に付加して押し歩く、又は前記第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する制御部と、
前記乗車装置に乗車可能な第一状態と、前記乗車装置に乗車できない状態となる第二状態とを含む前記乗車装置の状態を検出する乗車装置状態検出部と、
前記第二モードを実行するための信号を前記制御部に送信する第二モード操作部と、
制動条件が成立する場合に前記電動アシスト自転車の後退を抑制する制動力を付与する制動装置と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記第二状態において前記第二モード操作部が操作された場合に前記第二モードを実行し、
前記制動条件は、前記第二状態において上り坂であることが検出される第一制動条件、又は前記第二状態において前記電動アシスト自転車の後退が検出される第二制動条件の少なくとも1つを含む、
電動アシスト自転車。 - 電動モータを備えた電動アシスト自転車において、
ペダルへの踏力に基づく人力駆動力に前記電動モータによる第一補助駆動力を付加して走行する第一モードと、前記電動モータによる第二補助駆動力を車体への押力に付加して押し歩く、又は前記第二補助駆動力を付加して自走させる第二モードとを切り替えて実行する制御部と、
前記第二モードを実行するための信号を前記制御部に送信する第二モード操作部と、
制動条件が成立する場合に前記電動アシスト自転車の後退を抑制する制動力を付与する制動装置と、
をさらに備え、
前記制動条件は、前記第二モード操作部の操作終了後において上り坂であることが検出される第一制動条件、又は前記第二モード操作部の操作終了後において前記電動アシスト自転車の後退が検出される第二制動条件の少なくとも1つを含む、
電動アシスト自転車。 - 電動モータを備えた電動アシスト自転車において、
ペダルへの踏力に基づく人力駆動力に前記電動モータによる補助駆動力を付加して走行する電動アシストモードを実行する制御部と、
制動条件が成立する場合に前記電動アシスト自転車の後退を抑制する制動力を付与する制動装置と、
をさらに備え、
前記制動条件は、所定速度以上で走行後に停車した場合において上り坂であることが検出される第一制動条件、又は所定速度以上で走行後に停車した場合において所定時間内に前記電動アシスト自転車の後退が検出される第二制動条件の少なくとも1つを含む、
電動アシスト自転車。 - 前記制動装置は、前記第二モード操作部の操作終了後において、前記制動条件が成立した場合に前記制動力を付与する、
請求項1に記載の電動アシスト自転車。 - 前記制動装置は、前記第二モード操作部の操作終了後、所定時間内に前記第二制動条件が成立した場合に前記制動力を付与する、
請求項1又は2に記載の電動アシスト自転車。 - 前記制動装置は、前記第二モードにおいて所定値で走行後、前記制動条件が成立した場合に制動力を付与する、
請求項1又は2に記載の電動アシスト自転車。 - 傾斜検知装置をさらに備え、
前記制動装置は、前記傾斜検知装置により所定以上の上り斜度が検知された場合に前記制動力を付与する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の電動アシスト自転車。 - 前記制動装置は、前記制動力の付与を所定時間以上継続する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の電動アシスト自転車。 - 報知装置をさらに備え、
前記報知装置は、前記制動力が付与されていることを報知する、
請求項8に記載の電動アシスト自転車。 - 前記報知装置は、前記所定時間を報知する、
請求項9に記載の電動アシスト自転車。 - 前記制御部は、前記電動モータの逆回転が検出された場合に、前記制動条件が成立したと判定する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の電動アシスト自転車。 - 前記制御部は、前記電動モータの逆回転が検出された場合であって、かつ前記第二モード操作部の操作が終了してから所定時間以内であること、前記電動アシスト自転車が登坂中であること、直前の前記電動モータの出力レベルが所定値以上であること、直前の車速が所定値以下であること、および直前の加速度が所定値以下であることから選択される少なくとも1つの条件が満たされる場合に、前記第二制動条件が成立したと判定する、
請求項1又は2に記載の電動アシスト自転車。 - 前記第二モードは、前記第二補助駆動力を付与する駆動モードと、前記制動装置による前記制動力を付与するステイモードと、前記第二補助駆動力および前記制動力を付与しないフリーモードとを含み、
前記制御部は、前記駆動モードから前記フリーモードを経て前記ステイモードに移行させる、
請求項1又は2に記載の電動アシスト自転車。 - 前記制御部は、前記乗車装置が前記第二状態であることを条件として前記フリーモードから前記駆動モードおよび前記ステイモードに移行させる、
請求項13に記載の電動アシスト自転車。 - 前記制御部は、前記ステイモードにおいて前記第二モード操作部が操作された場合に、前記ステイモードから前記駆動モードに移行させる、
請求項13に記載の電動アシスト自転車。 - 前記制動装置は、前記電動モータが所定時間停止していること、車速が所定値を超えたこと、加速度が所定値を超えたこと、および前記電動アシスト自転車が平地又は下り坂に位置することから選択される少なくとも1つの条件が成立する場合に、前記制動力の付与を停止する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の電動アシスト自転車。
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