JP2024064278A - 客室管理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の客室を管理する技術の有用性を向上させることにある。【解決手段】本開示に係る客室管理装置は、車両の客室を管理するように構成された客室管理装置であって、通信部と、出力部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記通信部により、前記車両の緊急停車情報を受信し、前記通信部により、前記車両のドアの自動制御可能度合いを受信し、前記緊急停車情報に基づいて、前記出力部により、前記ドアの自動制御可能度合いに応じて異なる報知を実施するように構成されている。【選択図】図4
Description
本開示は、客室管理装置に関する。
近年、車両をオペレータが遠隔制御する技術が知られている。例えば特許文献1には、オペレータと通信する通信インタフェースを備える自動運転車両が開示されている。
車両を遠隔制御する技術の実用化に伴い、車両の客室を管理する技術の有用性の更なる向上が求められている。例えば、オペレータが車両を遠隔制御することによって、車掌又は運転手等の、車両の客室を管理可能な人間が車両に乗車しなくなることに伴う、客室内の乗客の不安を軽減することが求めれている。
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、車両の客室を管理する技術の有用性を向上させることにある。
本開示の一実施形態に係る客室管理装置は、車両の客室を管理するように構成された客室管理装置であって、通信部と、出力部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記通信部により、前記車両の緊急停車情報を受信し、前記通信部により、前記車両のドアの自動制御可能度合いを受信し、前記緊急停車情報に基づいて、前記出力部により、前記ドアの自動制御可能度合いに応じて異なる報知を実施するように構成されている。
本開示の一実施形態によれば、車両の客室を管理する技術の有用性が向上する。
以下、本開示の実施形態について説明する。
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の一実施形態に係る客室管理システム1の概要について説明する。図1は、客室管理システム1の概略構成を示すブロック図である。客室管理システム1は、車両10と、サーバ20と、端末装置30と、を含む。
図1を参照して、本開示の一実施形態に係る客室管理システム1の概要について説明する。図1は、客室管理システム1の概略構成を示すブロック図である。客室管理システム1は、車両10と、サーバ20と、端末装置30と、を含む。
車両10は、例えば、バスである。ただし、車両10は、バスに限られず、乗用車、バイク、トラック等の、任意の車両であってもよい。車両10は、客室管理装置10A、自動運転装置10B、及びドア制御装置10Cを備える。すなわち、客室管理装置10A、自動運転装置10B、及びドア制御装置10Cは、車両10に設置されている。
客室管理装置10Aは、車両10の客室(キャビン)を管理するように構成されている。客室管理装置10Aは、例えば、ECU(Electronic Control Unit)等のコンピュータであってもよい。客室は、車両10に乗車中の人間が滞在する車両10内の空間である。以降において、車両10に乗車中の人間を、車両10の乗客とも称する。
自動運転装置10Bは、車両10の自動運転に関する制御を実施するように構成されている。自動運転装置10Bは、例えば、ADS(Autonomous Driving System)、ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)、又は、ECU等のコンピュータであってもよい。自動運転装置10Bにより、車両10は、自動運転により走行することができる。車両10の自動運転のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル3からレベル4相当であってもよい。
より具体的には、本実施形態では、車両10は、必要に応じて遠隔地にいるオペレータによる遠隔制御を受けながら、自動運転により走行するように構成されていてもよい。車両10は、例えば、運転手及び車掌なしで、乗客の乗車地点又は降車地点を巡回して走行するバスであってもよい。ただし、車両10の自動運転のレベルは、上述したレベルに限られない。また、車両10は、自動運転装置10Bの支援を受けて、或いは自動運転装置10Bの支援を受けずに、人間により運転される車両10であってもよい。
ドア制御装置10Cは、車両10のドアの開閉等の制御を行うように構成されている。ドア制御装置10Cは、例えば、ECU等のコンピュータであってもよい。本実施形態では、ドア制御装置10Cは、自動運転装置10Bとの通信を実現するための通信機能と、ドアの開閉を制御するためのドア制御機能とを備える。通信機能は、例えば、通信モジュールにより実現され、ドア制御機能は、プロセッサ等を含むコントローラにより実現され得る。これにより、ドア制御装置10Cは、自動運転装置10Bから制御命令を受信した場合に、当該制御命令に基づいて、ドアの開閉を行うことができる。ただし、ドア制御装置10Cは、客室管理装置10A又はサーバ20等の、自動運転装置10B以外のコンピュータから制御命令を受信してもよい。本開示において、「ドアの開閉」とは、ドアを開くこと、閉めること、或いはその両方を指す。また、「ドアの開閉」は、ドアを完全に開閉することに加え、ドアを部分的に開閉することを含み得る。
サーバ20は、1つ以上のコンピュータで構成されている。本実施形態では、サーバ20は、1つのコンピュータで構成されていてもよく、クラウドコンピューティングシステム等、互いに通信可能な複数のコンピュータによって構成されていてもよい。
サーバ20は、車両10の走行を支援する。以下の説明において、サーバ20は、走行支援装置とも称される。例えば、サーバ20は、端末装置30を介したオペレータによる車両10の遠隔制御を実現する。
端末装置30は、例えばパーソナルコンピュータであるが、これに限られず、スマートフォン、タブレット端末等、任意のコンピュータであってもよい。本実施形態では、端末装置30は、車両10の遠隔制御を行うオペレータによって使用される。車両10の遠隔制御には、例えば、車両10の加速、減速、又は操舵など、車両10の走行に関する制御を含み得る。また、車両10の遠隔制御は、ドアの開閉、乗客の着席確認、又は、車内アナウンスなど、車両10の走行以外に関する制御を含み得る。
図1には、説明の簡便のため、それぞれ1つの車両10、サーバ20及び端末装置30が示されている。しかしながら、客室管理システム1は、任意の数の車両10、サーバ20及び端末装置30を含んでいてもよい。車両10(客室管理装置10A、自動運転装置10B、及びドア制御装置10C)、サーバ20及び端末装置30は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク40と通信可能に接続されている。
詳細については後述するが、上述した客室管理システム1において、客室管理装置10Aは、車両10に設置され、車両10の客室を管理し、車両10に乗車中の乗客を支援するために用いられる。具体的には、客室管理装置10Aは、車両10の緊急停車情報を、例えばサーバ20又は自動運転装置10Bから受信する。そして、客室管理装置10Aは、車両10のドアの自動制御可能度合いを、例えばサーバ20又は自動運転装置10Bから受信する。客室管理装置10Aは、緊急停車情報に基づいて、ドアの自動制御可能度合いに応じて異なる報知を実施する。
このように、本実施形態によれば、車両10の走行中に発生し得る緊急停車の情報を受信した場合に、車両10のドアの自動制御可能度合いに応じて、適切な報知を実施することができる。これにより、車両10の客室を管理可能な人間が車両10に乗車していない場合であっても、客室内の乗客の不安を軽減することができる。したがって、本実施形態によれば、車両10の客室を管理する技術の有用性を向上させることができる。
次に、図2及び図3を参照して、客室管理システム1の各構成について詳細に説明する。図2は、車両10の客室管理装置10Aの概略構成を示すブロック図である。図3は、サーバ20の概略構成を示すブロック図である。
(車両の客室管理装置の構成)
図2に示されるように、車両10の客室管理装置10Aは、通信部11と、測位部12と、取得部13と、出力部14と、入力部15と、記憶部16と、制御部17と、を備える。通信部11、測位部12、取得部13、出力部14、入力部15、記憶部16、及び制御部17は、例えば、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク又は専用線を介して、互いに通信可能に接続されている。
図2に示されるように、車両10の客室管理装置10Aは、通信部11と、測位部12と、取得部13と、出力部14と、入力部15と、記憶部16と、制御部17と、を備える。通信部11、測位部12、取得部13、出力部14、入力部15、記憶部16、及び制御部17は、例えば、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク又は専用線を介して、互いに通信可能に接続されている。
通信部11は、ネットワーク40に接続するための通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば有線LAN(Local Area Network)又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。通信モジュールは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は赤外線通信等の近距離無線通信規格に対応した通信モジュールであってもよい。本実施形態において、客室管理装置10Aは、通信部11を介してネットワーク40に接続される。これによって、客室管理装置10Aは、サーバ20等と通信することができる。また、客室管理装置10Aの通信部11は、CAN等の車載ネットワークを介して、自動運転装置10B及びドア制御装置10Cと通信可能に接続されていてもよい。これによって、客室管理装置10Aは、通信部11を介して、自動運転装置10B及びドア制御装置10C等と通信することができる。
測位部12は、車両10の位置情報を生成することが可能な1つ以上の測位装置を含む。車両10の位置情報は、例えば、車両10が存在する場所の、2次元座標又は3次元座標等の座標である。測位部12は、衛星測位システムを用いた航法、自律航法、又はそれらの組み合わせにより、車両10の位置情報を生成する。測位部12は、衛星測位システムを用いた航法により車両10の位置情報を生成するために、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムに対応する受信機を含んでいてもよい。測位部12は、自律航法により車両10の位置情報を生成するために、加速度センサ又はジャイロセンサ等のセンサを含んでいてもよい。
取得部13は、1つ以上のセンサを含む。取得部13に含まれる1つ以上のセンサは、車両10の客室内の情報を取得可能な位置に設置されている。例えば、センサは、車両10の客室内の画像を撮影可能な位置に設置されたカメラである。ただし、センサは、カメラに限られず、人感センサ、接触センサ、赤外線センサ、ドアの開閉センサ、又はICカードリーダ等、任意のセンサであってもよい。
出力部14は、1つ以上の出力装置を含む。出力装置は、例えばディスプレイ、デジタルサイネージ、スピーカ、又はランプ等である。出力部14は、画像、音又は光等を出力する。出力装置は、車両10の客室内に向けて設置されている。ただし、出力部14には、車両10の車外に向けて設置された出力装置が含まれていてもよい。
入力部15は、1つ以上の入力装置を含む。入力装置は、例えばタッチパネル、カメラ、又はマイク等である。入力部15は、利用者からの入力操作を受け付ける。
記憶部16は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部16は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部16は、客室管理装置10Aの動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部16は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、又は組み込みソフトウェア等を記憶する。記憶部16に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
制御部17は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部17は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよい。制御部17は、上述した、通信部11、測位部12、取得部13、出力部14、入力部15、及び記憶部16等の構成要素の機能を含む、客室管理装置10Aの機能を実現させるために、それぞれの構成要素を制御する。
(サーバの構成)
次に、図3を参照して、サーバ20の各構成について詳細に説明する。図3は、サーバ20の概略構成を示すブロック図である。
次に、図3を参照して、サーバ20の各構成について詳細に説明する。図3は、サーバ20の概略構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、サーバ20は、通信部21と、出力部22と、入力部23と、記憶部24と、制御部25と、を備える。通信部21、出力部22、入力部23、記憶部24、及び制御部25は、有線又は無線で互いに通信可能に接続されている。
通信部21は、ネットワーク40に接続するための通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば4G又は5G等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば有線LAN又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。通信モジュールは、Wi-Fi、Bluetooth、又は赤外線通信等の近距離無線通信規格に対応した通信モジュールであってもよい。本実施形態において、サーバ20は、通信部21を介してネットワーク40に接続される。これによって、サーバ20は、車両10の客室管理装置10A及び自動運転装置10B、並びに端末装置30等と通信することができる。
出力部22は、1つ以上の出力装置を含む。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ又はランプ等である。出力部22は、画像、音又は光等を出力する。
入力部23は、1つ入力装置を含む。入力装置は、例えばタッチパネル、カメラ又はマイク等である。入力部23は、利用者からの入力操作を受け付ける。
記憶部24は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部24は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部24は、サーバ20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部24は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、又は組み込みソフトウェア等を記憶する。記憶部24に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
制御部25は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU等の汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部25は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA又はASICであってもよい。制御部25は、上述した、通信部21、出力部22、入力部23、及び記憶部24等の構成要素の機能を含む、サーバ20の機能を実現させるために、それぞれの構成要素を制御する。
(客室管理システムの動作)
図4を参照して、客室管理システム1における、車両10の客室を管理する動作を説明する。図4は、客室管理システム1の動作を示すフローチャートである。図4に示されるフローチャートには、客室管理システム1に含まれる車両10の客室管理装置10A及び自動運転装置10B、並びに、サーバ20の動作が示されている。そのため、本動作の説明は、客室管理システム1の制御方法に相当するとともに、客室管理システム1に含まれる車両10の客室管理装置10A及び自動運転装置10B、並びに、サーバ20の各々の制御方法に相当する。
図4を参照して、客室管理システム1における、車両10の客室を管理する動作を説明する。図4は、客室管理システム1の動作を示すフローチャートである。図4に示されるフローチャートには、客室管理システム1に含まれる車両10の客室管理装置10A及び自動運転装置10B、並びに、サーバ20の動作が示されている。そのため、本動作の説明は、客室管理システム1の制御方法に相当するとともに、客室管理システム1に含まれる車両10の客室管理装置10A及び自動運転装置10B、並びに、サーバ20の各々の制御方法に相当する。
ステップS101において、客室管理装置10Aの制御部17は、通信部11により、車両10の緊急停車情報を受信する。
車両10の緊急停車情報は、例えば、車両10の緊急停車に関する情報である。緊急停車情報は、例えば、緊急停車の発生予定時刻及び停車予定地点を含み得る。例えば、緊急停車は、自動運転装置10Bによる処理又はオペレータによる遠隔操作の結果として発生が予見されたイベントであってもよい。或いは、緊急停車は、サーバ20により、車両10の走行経路における、道路の混雑状況、或いは、事故又は工事の発生状況等に基づいて発生する可能性があると判定されたイベントであってもよい。
車両10の緊急停車情報は、車両10のドアの開閉が必要か否かの情報を含んでいてもよい。例えば、車両10のエンジントラブルによる緊急停車情報には、車両10のドアの開閉が必要であるとの情報が含まれてもよい。また例えば、一時的な集中豪雨による緊急停車情報には、車両10のドアの開閉が不要であるとの情報が含まれてもよい。客室管理装置10Aの制御部17は、車両10の緊急停車情報に車両10のドアの開閉が必要であるとの情報が含まれている場合にのみ、ステップS102以降の処理を実施してもよい。これにより、客室管理装置10Aによる電力消費を抑制することができる。
客室管理装置10Aの制御部17は、通信部11により、車両10の緊急停車情報を、サーバ20又は自動運転装置10Bから受信してもよい。例えば、自動運転装置10Bが、30m先に停車する事故車両をセンサにより検知した場合に、車両10の緊急停車情報を生成してもよい。かかる場合、当該緊急停車情報が、自動運転装置10Bから客室管理装置10Aに送信される。或いは、端末装置30が、オペレータによる緊急停車の入力操作を受け付け、当該入力操作が端末装置30からサーバ20に送信された場合に、サーバ20が車両10の緊急停車情報を生成してもよい。かかる場合、当該緊急停車情報が、サーバ20から客室管理装置10Aに送信される。制御部17は、受信した車両10の緊急停車情報を記憶部16に記憶してもよい。ただし、客室管理装置10Aは、サーバ20又は自動運転装置10B以外のコンピュータから、緊急停車情報を取得してもよい。
なお、客室管理装置10Aの制御部17は、車両10の緊急停車情報を受信するまでは、所定のタイミングでステップS101を繰り返し、車両10の緊急停車情報を受信した場合にステップS102以降の処理を実施してもよい。
ステップS102において、客室管理装置10Aの制御部17は、通信部11により、車両10のドアの自動制御可能度合いを受信する。
車両10のドアの自動制御可能度合いは、車両10のドアがドア制御装置10Cにより制御可能か否かを示す情報である。例えば、本実施形態では、ドアの自動制御可能度合いには、(1)完全自動状態、(2)半自動状態、及び(3)完全手動状態の3つが含まれていてもよい。完全自動状態は、ドア制御装置10Cが、自動運転装置10Bからの制御命令に基づいて、ドアの開閉を行うことができる状態である。半自動状態は、ドア制御装置10Cのドアの開閉機能は動作可能であるが、自動運転装置10Bとの通信障害等により、自動運転装置10Bによるドア制御装置10Cの制御が正常に実施できない状態である。なお、半自動状態は、例えば、車両10のドアの横に設けられた「開閉ボタン」の押下等により、乗客が、直接、ドア制御装置10Cを操作することで、ドア制御装置10Cがドアを開閉可能な状態である。完全手動状態は、ドア制御装置10Cのドアの開閉機能が動作しない状態である。完全手動状態では、乗客が手動でドアを開閉する必要がある状態である。
車両10のドアの自動制御可能度合いの受信には、任意の手法が採用可能である。例えば、サーバ20が、自動運転装置10B及びドア制御装置10Cの死活監視を行うことで、ドアの自動制御可能度合いを判定してもよい。かかる場合、客室管理装置10Aの制御部17は、サーバ20から、車両10のドアの自動制御可能度合いを受信することができる。或いは、自動運転装置10B又はドア制御装置10Cが、ドアの自動制御可能度合いを判定してもよい。かかる場合、制御部17は、通信部11を介して、自動運転装置10B又はドア制御装置10Cから、ドアの自動制御可能度合いを受信してもよい。制御部17は、受信した車両10のドアの自動制御可能度合いを記憶部16に記憶してもよい。
ステップS103において、客室管理装置10Aの制御部17は、取得部13により、車両10の客室内の乗客に関する乗客情報を取得する。
車両10の乗客情報には、例えば、体格、年齢、又は性別等の、車両10の客室内の乗客の特徴が含まれていてもよい。車両10の乗客情報には、乗客の特徴以外にも、乗客の人数、客室内における乗車位置等、乗客に関する任意の情報が含まれていてもよい。
車両10の乗客情報の取得には、任意の手法が採用可能である。例えば、客室管理装置10Aの取得部13がカメラを含む場合、制御部17は、カメラで車両10の客室内の画像を撮像してもよい。制御部17は、解析アルゴリズムにより、車両10の客室内の画像に写る乗客を特定し、特定した乗客の特徴を判定してもよい。或いは、客室管理装置10Aの取得部13がICカードリーダを含む場合、制御部17は、ICカードリーダにより、ICカードに登録された乗客情報を取得してもよい。制御部17は、取得した車両10の乗客情報を記憶部16に記憶してもよい。
解析アルゴリズムは、機械学習又はディープラーニング等の統計的手法により構築されてもよい。例えば、解析アルゴリズムは、過去に生成された乗客情報の履歴と、乗客情報を人間が評価した結果とに基づいて、統計的手法によりチューニングされてもよい。これにより、乗客情報の履歴が蓄積されていくことで、乗客情報の取得精度を向上させることができる。ただし、解析アルゴリズムは、統計的手法によらない、所定の関係式により表わされていてもよい。
なお、客室管理装置10Aの制御部17は、車両10の乗客情報に基づいて、車両10の客室内に乗客がいると判定した場合に、ステップS104以降の処理を実施してもよい。
ステップS104において、客室管理装置10Aの制御部17は、ステップS103で取得した乗客情報に基づいて、乗客の中に、手動によるドアの開閉を見込める乗客の有無を判定する。
例えば、客室管理装置10Aの制御部17は、手動によるドアの開閉を見込める乗客の条件を記憶部16に予め記憶していてもよい。制御部17は、ステップS103で取得した乗客情報と、上述した乗客の条件を比較して、乗客の中に、手動によるドアの開閉を見込める乗客の有無を判定することができる。
ステップS105において、客室管理装置10Aの制御部17は、手動によるドアの開閉を見込める乗客の有無の判定結果をサーバ20に送信する。サーバ20は、判定結果を端末装置30に表示させることができる。これにより、オペレータは、車両10の客室内にドアの開閉を見込める乗客がいない場合には、遠隔制御により、ドアの開閉又はアナウンスの実施、或いは、臨時車両又は救助作業員の手配等を行うことができる。
ステップS106において、客室管理装置10Aの制御部17は、緊急停車情報に基づいて、出力部14により、ドアの自動制御可能度合いに応じて異なる報知を実施する。
車両10の客室内での報知の実施には、任意の手法が採用可能である。例えば、客室管理装置10Aの出力部14がデジタルサイネージを含む場合、制御部17は、緊急停車情報に関する情報をデジタルサイネージに表示してもよい。また例えば、客室管理装置10Aの出力部14がスピーカを含む場合、制御部17は、緊急停車情報に関する情報をスピーカから出力してもよい。
このとき、客室管理装置10Aの制御部17は、乗客情報に応じて、出力部14による報知を変更することができる。
第1の例として、ステップS106において、客室管理装置10Aの制御部17は、ドアの自動制御可能度合いに基づいて、ドアの開閉のために客室内の乗客による作業が必要か否かを判定してもよい。制御部17は、乗客による作業が必要か否かに応じて異なる報知を実施してもよい。
例えば、制御部17は、ドアの自動制御可能度合いが(1)完全自動状態の場合には、乗客による作業が不要と判定する。かかる場合、制御部は、出力部14により、自動でドアが開くまで待機するよう報知してもよい。一方で、制御部17は、ドアの自動制御可能度合いが(2)半自動状態又は(3)完全手動状態の場合には、乗客による作業が必要と判定する。かかる場合、制御部17は、出力部14により、乗客に協力を求める報知を実施してもよい。これにより、客室内の乗客は、今後どのような行動をとればよいか知ることができる。
第2の例として、ステップS106において、客室管理装置10Aの制御部17は、ステップS104で判定した手動によるドアの開閉を見込める乗客の有無に応じて異なる報知を実施してもよい。
例えば、客室管理装置10Aの制御部17は、車両10の乗客の中にドアの開閉を見込める乗客がいる場合には、出力部14により、乗客に協力を求める報知を実施してもよい。一方で、客室管理装置10Aの制御部17は、車両10の乗客の中にドアの開閉を見込める乗客がいない場合には、出力部14により、客室内に向けて、救助が来るまで乗客に待機を求める報知を実施してもよい。これにより、客室管理装置10Aは、客室内の乗客に応じて、適切な指示を行うことができる。なお、制御部17は、第1の例と第2の例と組み合わせて、乗客による作業が必要か否か及び手動によるドアの開閉を見込める乗客の有無に応じて異なる報知を実施してもよい。
ステップS107において、客室管理装置10Aの制御部17は、車両10の乗客の中にドアの開閉を見込める乗客がいないと判定した場合に、通信部11により、自動運転装置10B又はサーバ20に、車両10のドアを開閉しやすい地点まで車両10を移動させる要求を送信する。車両10のドアを開閉しやすい地点は、例えば、坂道である。坂道では車両10が傾斜することで、ドアの自重により乗客がドアを開きやすくなる。
以上述べたように、本実施形態に係る、客室管理装置10Aは、通信部11により、車両10の緊急停車情報を受信し、そして、車両10のドアの自動制御可能度合いを受信する。客室管理装置10Aは、緊急停車情報に基づいて、出力部14により、ドアの自動制御可能度合いに応じて異なる報知を実施する。
かかる構成によれば、車両10の走行中に発生し得る緊急停車の情報を受信した場合に、車両10のドアの自動制御可能度合いに応じて、適切な報知を実施することができる。これにより、車両10の客室を管理可能な人間が車両10に乗車していない場合であっても、客室内の乗客の不安を軽減することができる。したがって、本実施形態によれば、車両10の客室を管理する技術の有用性を向上させることができる。
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る客室管理装置10Aとして機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る客室管理装置10Aの各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ読取可能な媒体としても実現可能である。非一時的なコンピュータ読取可能な媒体には、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリ等が含まれる。
また例えば、上述した実施形態において、客室管理装置10A、自動運転装置10B、及びドア制御装置10Cが車両10に設置されているものとして説明したが、この限りではない。客室管理装置10A、自動運転装置10B又はドア制御装置10Cが実行する動作及び処理の一部又は全部を、サーバ20が実行する構成であってもよい。同様に、サーバ20が実行する動作及び処理の一部が、客室管理装置10A、自動運転装置10B又はドア制御装置10C等、車両10に設置された装置が実行する構成であってもよい。
また例えば、上述した実施形態において、客室管理装置10A、自動運転装置10B、及びドア制御装置10Cは、別々に車両10に設置されているものとして説明したが、一体として車両10に設置されていてもよい。
1:客室管理システム、 10:車両、 10A:客室管理装置、 10B:自動運転装置、 10C:ドア制御装置、 11:通信部、 12:測位部、 13:取得部、 14:出力部、 15:入力部、 16:記憶部、 17:制御部、 20:サーバ、 21:通信部、 22:出力部、 23:入力部、 24:記憶部、 25:制御部、 30:端末装置、 40:ネットワーク
Claims (5)
- 車両の客室を管理するように構成された客室管理装置であって、
通信部と、出力部と、制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部により、前記車両の緊急停車情報を受信し、
前記通信部により、前記車両のドアの自動制御可能度合いを受信し、
前記緊急停車情報に基づいて、前記出力部により、前記ドアの自動制御可能度合いに応じて異なる報知を実施するように構成されている、客室管理装置。 - 前記緊急停車情報は、前記車両の前記ドアの開閉が必要か否かの情報を含む、請求項1に記載の客室管理装置。
- 前記制御部は、
前記ドアの自動制御可能度合いに基づいて、前記ドアの開閉のために前記客室内の乗客による作業が必要か否かを判定し、
前記乗客による前記作業が必要か否かに応じて異なる報知を実施するように構成されている、請求項1又は2に記載の客室管理装置。 - 取得部を更に備え、
前記制御部は、
前記取得部を介して、前記客室内の乗客に関する乗客情報を取得し、
前記乗客情報に基づいて、前記乗客の中に、手動によるドアの開閉を見込める乗客の有無を判定し、
前記手動によるドアの開閉を見込める乗客の有無に応じて異なる報知を実施するように構成されている、請求項1又は2に記載の客室管理装置。 - 前記制御部は、前記手動によるドアの開閉を見込める乗客がいないと判定した場合に、前記通信部により、前記車両のドアを開閉しやすい地点まで車両を移動させる要求を送信するように構成されている、請求項4に記載の客室管理装置。
Priority Applications (3)
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Publication Number | Publication Date |
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