JP2024063883A - 車載中継装置、スリープ制御方法およびスリープ制御プログラム - Google Patents

車載中継装置、スリープ制御方法およびスリープ制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】新たな構成の車載ネットワークにおける安定した動作を実現する。【解決手段】車載中継装置は、複数の車載機能部にそれぞれ接続可能な複数の通信ポートと、前記複数の通信ポートにそれぞれ対応して設けられ、対応する前記通信ポートを介して前記車載機能部と通信可能な複数の通信回路と、1または複数の前記車載機能部である既存機能部を含む車載ネットワークへの前記車載機能部の追加が検知された場合、追加を検知された前記車載機能部である新規機能部の機能部情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記新規機能部の機能部情報に基づいて、前記新規機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路と前記既存機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路とにそれぞれ適用するスリープモードの種類を複数の種類のスリープモードの中から選択する選択処理を行うスリープ制御部とを備える。【選択図】図2

Description

本開示は、車載中継装置、スリープ制御方法およびスリープ制御プログラムに関する。
車載中継装置において、通信ポートに対応して設けられた通信回路をスリープ制御することにより、消費電力の低減を図る技術が開発されている。たとえば、特許文献1(特開2018-074243号公報)には、以下のような技術が開示されている。すなわち、中継装置(11)は、フレームが送受信される複数のポート(P1~P5)と、前記複数のポートの何れかを介して受信したフレームである受信フレームの宛先に基づき、前記複数のポートの何れかを前記受信フレームの中継先として選択し、選択された前記ポートから、前記受信フレームを送信する中継処理を実行する中継実行部を有し、前記中継実行部が前記中継処理を実行可能な状態である第一起動状態と前記中継実行部が前記中継処理を実行不可能な状態である第一休止状態とで切り替え可能なスイッチ部(31)と、前記ポートから入力される通信信号を受信データに変換して前記スイッチ部に出力する受信機能と前記スイッチ部から送信されたデータを通信線上で伝送される通信信号に変換して前記ポートへ出力する送信機能とを実行する通信実行部を有し、前記通信実行部が前記受信機能と前記送信機能とを実行可能な状態である第二起動状態と前記通信実行部が前記受信機能と前記送信機能とを実行不可能な状態である第二休止状態とで切り替え可能なPHY部であって、前記複数のポートのそれぞれに対応して設定される複数のPHY部(Y1~Y5)と、前記スイッチ部が前記第一休止状態にあり且つ前記複数のPHY部のそれぞれが前記第二休止状態にある場合に、前記フレームが検出された前記ポートに対応する前記PHY部を前記第二休止状態から前記第二起動状態へ移行させる第一制御部(37)と、前記スイッチ部が前記第一休止状態にあり且つ前記複数のPHY部のそれぞれが前記第二休止状態にある場合に、前記複数のPHY部の何れかが前記第二休止状態から前記第二起動状態に移行すると、前記スイッチ部を前記第一休止状態から前記第一起動状態に移行させる第二制御部(38)と、を備える。
特開2018-074243号公報
車載ネットワークにおいて、ユーザのニーズに応じてECU等の車載機能部を追加する場合がある。ここで、たとえば、新規の車載機能部が接続された車載中継装置の通信ポートに対応する通信回路がスリープモードからウェイクアップモードへ遷移するまでに要する時間が、新規の車載機能部に搭載されたアプリケーションが起動するまでの許容時間を超えた場合、新たな構成の車載ネットワークにおける動作が不安定になる可能性がある。
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、新たな構成の車載ネットワークにおける安定した動作を実現することが可能な車載中継装置、スリープ制御方法およびスリープ制御プログラムを提供することである。
本開示の車載中継装置は、複数の車載機能部にそれぞれ接続可能な複数の通信ポートと、前記複数の通信ポートにそれぞれ対応して設けられ、対応する前記通信ポートを介して前記車載機能部と通信可能な複数の通信回路と、1または複数の前記車載機能部である既存機能部を含む車載ネットワークへの前記車載機能部の追加が検知された場合、追加を検知された前記車載機能部である新規機能部の機能部情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記新規機能部の機能部情報に基づいて、前記新規機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路と前記既存機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路とにそれぞれ適用するスリープモードの種類を複数の種類のスリープモードの中から選択する選択処理を行うスリープ制御部とを備える。
本開示の一態様は、このような特徴的な処理部を備える車載中継装置として実現され得るだけでなく、車載中継装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、車載中継装置を含むシステムとして実現され得る。
本開示によれば、新たな構成の車載ネットワークにおける安定した動作を実現することができる。
図1は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムの構成の一例を示す図である。 図2は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置の構成の一例を示す図である。 図3は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおけるスリープ処理のシーケンスの一例を示す図である。 図4は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置が保存する通信回路テーブルの一例を示す図である。 図5は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける各アプリケーションのウェイクアップ許容時間の一例を示す図である。 図6は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置による更新処理後の通信回路テーブルの一例を示す図である。 図7は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置が保存する条件テーブルの一例を示す図である。 図8は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置による選択処理の動作手順を定めたフローチャートである。 図9は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置におけるスリープ制御の動作手順を定めたフローチャートである。 図10は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおけるスリープ制御のシーケンスの一例を示す図である。 図11は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムの変形例の構成を示す図である。 図12は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置の変形例が保存する通信回路テーブルを示す図である。 図13は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置の変形例による更新処理後の通信回路テーブルを示す図である。
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本開示の実施の形態に係る車載中継装置は、複数の車載機能部にそれぞれ接続可能な複数の通信ポートと、前記複数の通信ポートにそれぞれ対応して設けられ、対応する前記通信ポートを介して前記車載機能部と通信可能な複数の通信回路と、1または複数の前記車載機能部である既存機能部を含む車載ネットワークへの前記車載機能部の追加が検知された場合、追加を検知された前記車載機能部である新規機能部の機能部情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記新規機能部の機能部情報に基づいて、前記新規機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路と前記既存機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路とにそれぞれ適用するスリープモードの種類を複数の種類のスリープモードの中から選択する選択処理を行うスリープ制御部とを備える。
このように、新規機能部の機能部情報に基づいて、新規機能部および既存機能部に対応する通信回路にそれぞれ適用するスリープモードの種類を選択する構成により、車載中継装置のスリープ条件が成立した場合、新規機能部および既存機能部に対応する通信回路をそれぞれ、新規機能部の機能部情報に応じた適切なスリープモードへ遷移させることができる。そのため、車載中継装置のウェイクアップ条件が成立した場合、新規機能部および既存機能部に対応する通信回路のウェイクアップモードへの遷移の遅れを抑制することができる。したがって、新たな構成の車載ネットワークにおける安定した動作を実現することができる。
(2)上記(1)において、前記機能部情報は、前記新規機能部に搭載されたアプリケーションに関するアプリケーション情報を含んでもよく、前記スリープ制御部は、前記取得部によって取得された前記新規機能部のアプリケーション情報に基づいて、前記選択処理を行ってもよい。
このような構成により、新規機能部および既存機能部に対応する通信回路にそれぞれ適用するスリープモードの種類として、新規機能部のアプリケーション情報に応じたスリープモードを選択することができる。
(3)上記(2)において、前記アプリケーション情報は、前記アプリケーションの種類に関する情報を含んでもよい。
このような構成により、新規機能部のアプリケーションの種類に応じた適切なスリープモードを使用することができる。
(4)上記(2)または(3)において、前記アプリケーション情報は、前記アプリケーションが起動するまでの許容時間に関する情報を含んでもよい。
このような構成により、新規機能部に搭載されたアプリケーションが起動するまでの許容時間に応じた適切なスリープモードを使用することができる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記取得部は、さらに、前記既存機能部の機能部情報を取得してもよく、前記スリープ制御部は、前記取得部によって取得された前記新規機能部の機能部情報および前記既存機能部の機能部情報に基づいて、前記選択処理を行ってもよい。
このような構成により、選択処理において、新規機能部の機能部情報に加えて既存機能部の機能部情報の内容を反映したより適切なスリープモードを選択することができる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記車載中継装置は、さらに、前記既存機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路と前記既存機能部の機能部情報との対応関係を示す機能対応情報を記憶する記憶部を備えてもよく、前記取得部は、前記新規機能部の機能部情報を取得した場合、前記記憶部における前記機能対応情報に、前記新規機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路と前記新規機能部の機能部情報との対応関係を登録する更新処理を行ってもよく、前記スリープ制御部は、前記更新処理後の前記機能対応情報に基づいて、前記選択処理を行ってもよい。
このような構成により、たとえば、更新処理後の機能対応情報を用いて、簡易な処理で選択処理を行うことができる。
(7)上記(1)から(6)のいずれかにおいて、前記車載中継装置は、さらに、前記複数の通信回路にそれぞれ適用する前記スリープモードを示すスリープモード対応情報を記憶する記憶部を備えてもよく、前記取得部は、前記車載ネットワークに他の前記新規機能部が追加された場合、前記他の新規機能部の機能部情報を取得してもよく、前記スリープ制御部は、前記取得部によって取得された前記他の新規機能部の機能部情報および前記記憶部における前記スリープモード対応情報に基づいて、前記選択処理を行ってもよい。
このような構成により、他の新規機能部の機能部情報を用いて選択処理を行うにあたって、記憶部におけるスリープモード対応情報を参照し、直近の選択処理において各通信回路に適用されたスリープモードを簡単に確認することができる。
(8)上記(1)から(7)のいずれかにおいて、前記複数の種類のスリープモードは、第1のスリープモードと、前記第1のスリープモードよりも前記通信回路における消費電力が小さい第2のスリープモードとを含んでもよく、前記スリープ制御部は、所定の複数の前記通信回路に適用する前記スリープモードとして前記第2のスリープモードを選択している状態において、前記所定の複数の通信回路のうちの少なくともいずれか1つの前記通信回路に対応する前記通信ポートに前記新規機能部が接続され、かつ前記新規機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路に適用する前記スリープモードとして前記第1のスリープモードを選択した場合、前記所定の複数の通信回路のうちの残りのすべての前記通信回路に適用する前記スリープモードを前記第2のスリープモードから前記第1のスリープモードに変更してもよい。
このような構成により、たとえば車載中継装置のハードウェア等の仕様の制約によって複数の通信回路を個別にスリープ制御できない場合、当該複数の通信回路に適用するスリープモードの種類を正しく選択し、スリープ制御をより安定させることができる。
(9)本開示の実施の形態に係るスリープ制御方法は、複数の車載機能部にそれぞれ接続可能な複数の通信ポートと、前記複数の通信ポートにそれぞれ対応して設けられ、対応する前記通信ポートを介して前記車載機能部と通信可能な複数の通信回路とを備える車載中継装置において用いられるスリープ制御方法であって、1または複数の前記車載機能部である既存機能部を含む車載ネットワークへの前記車載機能部の追加が検知された場合、追加を検知された前記車載機能部である新規機能部の機能部情報を取得するステップと、取得した前記新規機能部の機能部情報に基づいて、前記新規機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路と前記既存機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路とにそれぞれ適用するスリープモードの種類を複数の種類のスリープモードの中から選択する選択処理を行うステップとを含む。
このように、新規機能部の機能部情報に基づいて、新規機能部および既存機能部に対応する通信回路にそれぞれ適用するスリープモードの種類を選択する構成により、車載中継装置のスリープ条件が成立した場合、新規機能部および既存機能部に対応する通信回路をそれぞれ、新規機能部の機能部情報に応じた適切なスリープモードへ遷移させることができる。そのため、車載中継装置のウェイクアップ条件が成立した場合、新規機能部および既存機能部に対応する通信回路のウェイクアップモードへの遷移の遅れを抑制することができる。したがって、新たな構成の車載ネットワークにおける安定した動作を実現することができる。
(10)本開示の実施の形態に係るスリープ制御プログラムは、複数の車載機能部にそれぞれ接続可能な複数の通信ポートと、前記複数の通信ポートにそれぞれ対応して設けられ、対応する前記通信ポートを介して前記車載機能部と通信可能な複数の通信回路とを備える車載中継装置において用いられるスリープ制御プログラムであって、コンピュータを、1または複数の前記車載機能部である既存機能部を含む車載ネットワークへの前記車載機能部の追加が検知された場合、追加を検知された前記車載機能部である新規機能部の機能部情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記新規機能部の機能部情報に基づいて、前記新規機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路と前記既存機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路とにそれぞれ適用するスリープモードの種類を複数の種類のスリープモードの中から選択する選択処理を行うスリープ制御部、として機能させるためのプログラムである。
このように、新規機能部の機能部情報に基づいて、新規機能部および既存機能部に対応する通信回路にそれぞれ適用するスリープモードの種類を選択する構成により、車載中継装置のスリープ条件が成立した場合、新規機能部および既存機能部に対応する通信回路をそれぞれ、新規機能部の機能部情報に応じた適切なスリープモードへ遷移させることができる。そのため、車載中継装置のウェイクアップ条件が成立した場合、新規機能部および既存機能部に対応する通信回路のウェイクアップモードへの遷移の遅れを抑制することができる。したがって、新たな構成の車載ネットワークにおける安定した動作を実現することができる。
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[車載通信システム]
図1は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムの構成の一例を示す図である。図1を参照して、車載通信システム301は、車載中継装置101と、複数の車載ECU(Electronic Control Unit)201とを備える。車載通信システム301は、車両501に搭載される。車載ECU201は、車両501に搭載される車載機能部の一例である。
車載ECU201は、たとえば、自動運転ECU、エンジンECU、ドアロック用ECU、およびTCU(Telematics Communication Unit)等である。なお、車載機能部は、車載ECU201に限らず、センサ、ナビゲーション装置、ヒューマンマシンインターフェース、およびカメラ等であってもよい。
図1に示す例では、車載通信システム301は、複数の車載ECU201として、車載ECU201A,201B,201Cを備える。
なお、車載通信システム301は、3つの車載ECU201を備える構成に限らず、2つ以上の車載ECU201を備える構成であればよい。
車載中継装置101および複数の車載ECU201は、車載ネットワーク401を構成する。
以下、車載ネットワーク401に新たに追加される車載機能部を新規機能部とも称する。また、新規機能部を含む車載ネットワーク401を新規ネットワークとも称し、新規機能部が追加される前の車載ネットワーク401を既存ネットワークとも称する。また、既存ネットワークに含まれる車載機能部を既存機能部とも称する。
図1に示す例では、車載ECU201Bは新規機能部の一例であり、車載ECU201A,201Cは既存機能部の一例である。また、図1において、破線の両端矢印は、車載ECU201Bと車載中継装置101とが接続されていない状態であることを示す。
車載ECU201A,201B,201Cには、アプリケーション202が搭載されている。より詳細には、アプリケーション202として、車載ECU201Aにはアプリケーション202Aが搭載され、車載ECU201Bにはアプリケーション202A,202Bが搭載され、車載ECU201Cにはアプリケーション202Cが搭載されている。
車載ネットワーク401において、車載ECU201は、たとえばイーサネット(登録商標)ケーブル11を介して車載中継装置101に接続される。各車載ECU201は、イーサネットケーブル11および車載中継装置101を介して他の車載ECU201に接続される。
車載中継装置101は、たとえばスイッチ装置であり、自己に接続される複数の車載ECU201間のデータを中継する中継処理を行う。
より詳細には、車載中継装置101は、たとえばイーサネットの通信規格に従って、イーサネットケーブル11を介して接続された車載ECU201間でやり取りされるイーサネットフレーム(以下、単に「フレーム」とも称する。)の中継処理を行う。
なお、車載通信システム301では、イーサネットの通信規格に従ってフレームの中継処理が行われる構成に限らず、たとえば、CAN(Controller Area Network)(登録商標)、CAN FD(CAN with Flexible Data Rate)、FlexRay(登録商標)、MOST(Media Oritend System Transport)(登録商標)およびLIN(Local Interconnect Network)等の通信規格に従ってフレームの中継が行われる構成であってもよい。
[車載中継装置]
図2は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置の構成の一例を示す図である。図1および図2を参照して、車載中継装置101は、複数の通信ポート51と、複数の通信回路52と、スイッチIC(Integrated Circuit)53と、処理部54と、記憶部55とを備える。
処理部54は、判断部71と、スリープ制御部72と、検知部73と、取得部74とを含む。処理部54は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。記憶部55は、たとえば上記処理回路に含まれる不揮発性メモリである。
複数の通信ポート51は、複数の車載ECU201をそれぞれ接続可能である。通信ポート51は、たとえば、イーサネットケーブル11を接続可能な端子である。
より詳細には、車載中継装置101は、複数の通信ポート51として、4つの通信ポート51A,51B,51C,51Dを備える。車載中継装置101において、通信ポート51A,51B,51Cには、車載ECU201A,201B,201Cがイーサネットケーブル11を介してそれぞれ接続される。
複数の通信回路52は、複数の通信ポート51にそれぞれ対応して設けられる。より詳細には、車載中継装置101は、複数の通信回路52として、4つの通信回路52A,52B,52C,52Dを備える。通信回路52A,52B,52C,52Dは、通信ポート51A,51B,51C,51Dにそれぞれ対応して設けられる。
通信回路52は、対応する通信ポート51を介して車載ECU201と通信可能である。より詳細には、通信回路52Aは、通信ポート51Aを介して車載ECU201Aと通信可能であり、通信回路52Bは、通信ポート51Bを介して車載ECU201Bと通信可能であり、通信回路52Cは、通信ポート51Cを介して車載ECU201Cと通信可能である。
図2に示す例では、車載中継装置101は、スイッチIC53を備える。スイッチIC53は、通信回路52A,52Bと、スイッチ部61とを含む。
このように、通信回路52A,52Bは、スイッチIC53の内部に設けられている。すなわち、通信回路52A,52Bは、スイッチIC53に内蔵されている。一方、通信回路52Cは、スイッチIC53の外部に設けられている。すなわち、通信回路52Cは、スイッチIC53に外付けされている。
なお、通信回路52A,52Bは、スイッチIC53に内蔵される構成に限らず、スイッチIC53に外付けされてもよい。また、通信回路52C,52Dは、スイッチIC53に外付けされる構成に限らず、スイッチIC53に内蔵されてもよい。
また、スイッチIC53に内蔵される通信回路52は、2つの通信回路52A,52Bである構成に限らず、1つまたは3つ以上の通信回路52がスイッチIC53に内蔵されてもよい。また、スイッチIC53に外付けされる通信回路52は、2つの通信回路52C,52Dである構成に限らず、1つまたは3つ以上の通信回路52がスイッチIC53に外付けされてもよい。
スイッチIC53は、たとえばL2スイッチとして動作する。スイッチIC53におけるスイッチ部61は、車載ECU201間で送受信されるフレームを中継する。
より詳細には、通信回路52は、対応する通信ポート51に接続された車載ECU201から他の車載ECU201を宛先とするフレームを受信すると、受信したフレームをスイッチ部61へ出力する。
記憶部55には、宛先MAC(Media Access Control)アドレスと通信ポート51との対応関係を示すアドレステーブルが保存されている。
スイッチ部61は、通信回路52から車載ECU201を宛先とするフレームを受けると、記憶部55におけるアドレステーブルを参照し、当該フレームに含まれる宛先MACアドレスに対応する通信ポート51を特定する。そして、スイッチ部61は、通信回路52から受けたフレームを、特定した通信ポート51に対応する通信回路52および当該通信ポート51経由で宛先の車載ECU201へ送信する。
通信回路52は、対応する通信ポート51を介して接続された車載ECU201から、車載中継装置101を宛先とするフレームを受信すると、受信したフレームをスイッチ部61へ出力する。スイッチ部61は、通信回路52から受けたフレームを処理部54へ出力する。
処理部54は、車載ECU201を宛先とするフレームを作成し、作成したフレームをスイッチ部61へ出力する。スイッチ部61は、処理部54からフレームを受けると、記憶部55に保存されているアドレステーブルを参照し、当該フレームに含まれる宛先MACアドレスに対応する通信ポート51を特定する。そして、スイッチ部61は、処理部54から受けたフレームを、特定した通信ポート51に対応する通信回路52および当該通信ポート51経由で宛先の車載ECU201へ送信する。
スイッチ部61は、たとえば、複数の通信回路52にそれぞれ接続される図示しない複数の端子を含む。各端子には、固有のポート番号が割り当てられている。
(スリープモードおよびウェイクアップモード)
車載中継装置101および車載ECU201は、ウェイクアップモードからスリープモードへ遷移し、また、スリープモードからウェイクアップモードへ遷移する。車載中継装置101および車載ECU201は、ウェイクアップモードにおいて、車載通信システム301における他の装置と通信を行い、スリープモードにおいて、車載通信システム301における他の装置との通信を停止する。ここで、スリープモードとは、装置の一部の機能の停止、装置への電力供給の停止、または装置におけるクロック周波数の低下等により、ウェイクアップモードよりも消費電力が小さいモードである。
たとえば、車載中継装置101および車載ECU201の各々において、スリープモードへ遷移するための条件であるスリープ条件と、ウェイクアップモードへ遷移するための条件であるウェイクアップ条件とが予め設定されている。
たとえば、スリープ条件は、車両501がイグニッションオフになること、および車両501が駐停車すること等である。また、たとえば、ウェイクアップ条件は、車両501がイグニッションオンになること、および車両501が走行を開始すること等である。
図3は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおけるスリープ処理のシーケンスの一例を示す図である。図3に示す「装置A」および「装置B」は、車載中継装置101または車載ECU201である。
図3を参照して、まず、装置Aおよび装置Bは、ウェイクアップモードにおいて(ステップS11およびS12)、たとえば、AUTOSAR(AUTomotive Open System ARchitecture)(登録商標)に従うNM(Network Management)メッセージが格納されたフレームを車載通信システム301における各装置へ送信する。具体的には、装置Aおよび装置Bは、死活監視のために、NMメッセージが格納されたフレームを各装置へブロードキャストする(ステップS13およびS14)。
次に、装置Aは、ウェイクアップモードにおいて自己のスリープ条件が成立した場合(ステップS15)、NMメッセージの送信を停止する(ステップS16)。
また、装置Bは、ウェイクアップモードにおいて自己のスリープ条件が成立した場合(ステップS17)、NMメッセージの送信を停止する(ステップS18)。
次に、装置Aおよび装置Bは、NMメッセージの送信を停止してから所定時間が経過するまでの間に車載通信システム301における他の装置からNMメッセージを受信しなかった場合、スリープモードへ遷移する(ステップS19)。
このように、NMメッセージを用いて装置Aおよび装置Bの状態をウェイクアップモードからスリープモードへ切り替えることにより、装置Aおよび装置Bの消費電力を低減することができる。
なお、装置Aおよび装置Bは、スリープモードにおいて(ステップS19)、自己のウェイクアップ条件が成立した場合、ウェイクアップモードへ遷移し、NMメッセージの定期的な送信を開始する。また、装置Aおよび装置Bは、スリープモードにおいて(ステップS19)、車載通信システム301における他の装置からウェイクアップ要求を受信した場合、ウェイクアップモードへ遷移する。
(判断部)
再び図2を参照して、車載中継装置101における判断部71は、通信回路52のスリープ条件の成否、および通信回路52のウェイクアップ条件の成否を判断する。
より詳細には、判断部71は、車両501の状態を監視し、監視結果に基づいて、通信回路52のスリープ条件の成否、および通信回路52のウェイクアップ条件の成否を判断する判断処理を行う。判断部71は、たとえば定期的に判断処理を行い、判断結果をスリープ制御部72に通知する。
(スリープ制御部)
スリープ制御部72は、通信回路52をスリープモードへ遷移させる。また、スリープ制御部72は、通信回路52をウェイクアップモードへ遷移させる。
より詳細には、スリープ制御部72は、通信回路52の動作モードがウェイクアップモードであり、かつ判断部71からスリープ条件が成立した旨の通知を受けた場合、通信回路52をスリープモードへ遷移させる。
スリープ制御部72は、通信回路52の動作モードがスリープモードであり、かつ判断部71からウェイクアップ条件が成立した旨の通知を受けた場合、通信回路52をウェイクアップモードへ遷移させる。
また、スリープ制御部72は、車載ECU201からウェイクアップ要求を通信ポート51、通信回路52およびスイッチ部61経由で受信した場合、スリープモードで動作する通信回路52をウェイクアップモードへ遷移させる。以下、車載ECU201が車載中継装置101へ送信するウェイクアップ要求を、「ウェイクアップ要求W1」とも称する。
そして、車載中継装置101および車載ECU201は、各種情報を含むフレームをやり取りすることにより、互いの通信接続を確立する。
また、スリープ制御部72は、車載ECU201をウェイクアップモードへ遷移させる制御を行う。より詳細には、たとえば、スリープ制御部72は、スリープモードで動作する車載ECU201がウェイクアップ対象の車載ECU201である場合、ウェイクアップ要求をスイッチIC53および通信ポート51経由で当該車載ECU201へ送信する。以下、車載中継装置101が車載ECU201へ送信するウェイクアップ要求を、「ウェイクアップ要求W2」とも称する。
車載ECU201は、車載中継装置101からウェイクアップ要求W2を受信すると、ウェイクアップモードへ遷移する。
車載ECU201に搭載されているすべてのアプリケーション202は、当該車載ECU201の動作モードがスリープモードである場合、動作を停止している。車載ECU201は、車載通信システム301における他の装置からアプリケーション202の起動要求を受信した場合、自己に搭載されているアプリケーション202のうち、起動要求において指定されているアプリケーション202を起動させる。
(ライトスリープモードおよびディープスリープモード)
スリープ制御部72は、通信回路52をライトスリープモードまたはディープスリープモードに遷移させる。ライトスリープモードは第1のスリープモードの一例であり、ディープスリープモードは第2のスリープモードの一例である。なお、「第1の」および「第2の」の記載は、優先順位を意味するものではない。
より詳細には、車載中継装置101は、通信回路52に電力を供給可能な図示しない複数の電力供給ラインを含む。たとえば、車載中継装置101は、電圧が12Vである電力供給ラインと、電圧が3Vである電力供給ラインとを含む。
たとえば、通信回路52の動作モードがライトスリープモードである場合、複数の電力供給ラインのすべてが通信回路52に接続されており、通信回路52の動作モードがディープスリープモードである場合、複数の電力供給ラインのうちのいずれか1つの電力供給ラインは通信回路52と遮断されている。すなわち、ディープスリープモードは、ライトスリープモードよりも通信回路52における消費電力が小さいスリープモードである。
また、たとえば、通信回路52は、自己の動作モードがライトスリープモードで場合、対応する通信ポート51を介して接続された車載ECU201とのデータの送受信を停止する。あるいは、処理部54は、通信回路52の動作モードがライトスリープモードで場合、通信回路52の図示しないレジスタの値をリードする等の一部の処理を行うことは可能である一方で、通信回路52との間で他の処理を行うことはできない。
ここで、記憶部55は、複数の通信回路52にそれぞれ適用するスリープモードを示すスリープモード対応情報を記憶する。より詳細には、記憶部55は、スリープモード対応情報を含む通信回路テーブルTb1を記憶する。
スリープ制御部72は、通信回路52の動作モードがウェイクアップモードであり、かつ判断部71からスリープ条件が成立した旨の通知を受けた場合、記憶部55における通信回路テーブルTb1を参照し、通信回路52に適用するスリープモードを決定する。そして、スリープ制御部72は、決定したスリープモードへ通信回路52を遷移させる。
図4は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置が保存する通信回路テーブルの一例を示す図である。
図4は、既存ネットワークにおける車載中継装置101の記憶部55に保存されている通信回路テーブルTb1の一例を示している。図4に示す例では、通信回路テーブルTb1において、通信回路52A,52Cに適用するスリープモードの種類として、ディープスリープモードが登録されている。
そのため、既存ネットワークにおいて、スリープ制御部72は、通信回路52A,52Cの動作モードがウェイクアップモードであり、かつ判断部71からスリープ条件が成立した旨の通知を受けた場合、通信回路52A,52Cをディープスリープモードへ遷移させる。
また、図4に示す例では、通信回路テーブルTb1において、車載ECU201が接続されていない通信ポート51B,51Dにそれぞれ対応する通信回路52B,52Dに適用するスリープモードの種類として、ディープスリープモードが初期値として登録されている。なお、図4に示す「車載ECUのID」および「機能部情報」については、後述する。
(検知部)
検知部73は、車載ネットワーク401への新規機能部の追加を検知する。ここでは、検知部73は、ユーザにより通信ポート51Bに接続された車載ECU201Bを検知する。
より詳細には、たとえば、車載ECU201Bは、通信ポート51Bに接続されると、車載ネットワーク401における通信接続を要求するための接続要求情報を車載中継装置101へ送信する。
検知部73は、車載ECU201Bから接続要求情報をスイッチIC53経由で受信すると、当該接続要求情報に含まれるIDおよび認証用パスワードを用いて、当該車載ECU201Bの認証処理を行う。
検知部73は、車載ECU201Bの認証に成功すると、認証が成功した旨を示す認証成功情報を含むフレームをスイッチIC53経由で車載ECU201Bへ送信する。
検知部73は、上記のように新規機能部の認証に成功すると、たとえば新規機能部のIDおよび新規機能部に対応するポート番号等を示す検知情報を取得部74へ出力する。
車載中継装置101および新規機能部は、検知部73による車載ECU201Bの認証処理が成功すると、たとえば定期的にNMメッセージの送受信を行う。
なお、検知部73は、たとえば定期的に、新規機能部を検知するための探索メッセージをスイッチIC53経由でブロードキャストする構成であってもよい。この場合、新規機能部は、当該探索メッセージを受信し、受信した探索メッセージに対する応答として接続要求情報を送信する。
[課題の説明]
ディープスリープモードは、電力供給ラインの遮断を伴うことから、ライトスリープモードと比べてウェイクアップモードへ遷移するまでに要する時間が長い。
車載通信システム301では、各アプリケーション202が起動するまでの許容時間(以下、「ウェイクアップ許容時間」とも称する。)が設定されている。
図5は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおける各アプリケーションのウェイクアップ許容時間の一例を示す図である。
図5に示す例では、アプリケーション202Aのウェイクアップ許容時間は「100ms」であり、アプリケーション202Bのウェイクアップ許容時間は「10ms」であり、アプリケーション202Cのウェイクアップ許容時間は「100ms」である。すなわち、図5に示す例では、アプリケーション202A,202Cのウェイクアップ許容時間は、アプリケーション202Bのウェイクアップ許容時間よりも長い。
ウェイクアップ許容時間の長いアプリケーション202Aが搭載された車載ECU201A,201Bは、通信回路52A,52Bとそれぞれ通信する。また、ウェイクアップ許容時間の長いアプリケーション202Cが搭載された車載ECU201Cは、通信回路52Cと通信する。そのため、通信回路52A,52B,52Cには、ディープスリープモードを適用することが考えられる。
しかしながら、図1および図2に示す例では、車載ECU201Bには、アプリケーション202Bが搭載されている。アプリケーション202Bのウェイクアップ許容時間は、アプリケーション202Aのウェイクアップ許容時間よりも短い。ここで、スリープ制御部72が、ディープスリープモードで動作する通信回路52Bをウェイクアップモードへ遷移させる場合を考える。この場合、通信回路52Bがウェイクアップモードへ遷移するまでに要する時間が、アプリケーション202Aのウェイクアップ許容時間を超えない場合でも、アプリケーション202Bのウェイクアップ許容時間「10ms」を超える場合、新規ネットワークにおける動作が不安定になる。具体的には、車載ECU201Bは、自己に搭載されたアプリケーション202Bの起動要求を送信した他の車載ECU201と車載中継装置101を介して通信できない可能性がある。
また、スリープ制御部72は、たとえば、車載中継装置101のハードウェア等の仕様の制約によって、スイッチIC53に内蔵される通信回路52A,52Bを個別にスリープ制御することができない。すなわち、車載中継装置101において、通信回路52A,52Bに共通のスリープモードを適用する必要がある。
図1に示す例では、既存ネットワークにおいて、通信回路52Aに対応する通信ポート51Aには、ウェイクアップ許容時間の長いアプリケーション202Aが搭載された車載ECU201Aが接続されている一方で、通信回路52Bに対応する通信ポート51Bには、車載ECU201Bが接続されていない。そのため、図4に示す例では、スリープ制御部72は、既存ネットワークにおいて、通信回路52A,52Bに適用する共通のスリープモードとして、ディープスリープモードを選択している。
しかしながら、新規ネットワークにおいて、車載ECU201Bには、アプリケーション202Aに加えて、アプリケーション202Aよりもウェイクアップ許容時間の短いアプリケーション202Bが搭載されている。そのため、スリープ制御部72が、ディープスリープモードで動作する通信回路52Bをウェイクアップモードへ遷移させる場合、上述したように、通信回路52Bがウェイクアップモードへ遷移するまでに要する時間が、アプリケーション202Aのウェイクアップ許容時間を超えない場合でも、アプリケーション202Bのウェイクアップ許容時間を超える場合、新規ネットワークにおける動作が不安定になる。
これに対して、本開示の実施の形態に係る車載中継装置101は、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
(取得部)
再び図1および図2を参照して、取得部74は、既存機能部の識別情報を取得する。以下では、既存機能部の識別情報として、車載ECU201A,201B,201CのIDがそれぞれ「ID1-A」,「ID1-B」,「ID1-C」であるものとする。
より詳細には、取得部74は、たとえば、定期的または不定期に、既存機能部の識別情報を要求するための情報要求通知をスイッチIC53経由で既存機能部へ送信する。既存機能部は、車載中継装置101から受信した情報要求通知に対する応答として、自己のIDを車載中継装置101へ送信する。
取得部74は、既存機能部の識別情報をスイッチIC53経由で受信すると、記憶部55に保存されている通信回路テーブルTb1において、識別情報を受信した通信ポート51に対応する通信回路52に既存機能部の識別情報を対応付けて登録する。
再び図4を参照して、通信回路52Aと通信する車載ECU201のIDは、「ID1-A」であり、通信回路52Cと通信する車載ECU201のIDは、「ID1-C」である。
取得部74は、既存機能部の機能部情報を取得する。より詳細には、たとえば、取得部74は、定期的または不定期に、既存機能部の機能部情報を要求するための情報要求通知をスイッチIC53経由で既存機能部へ送信する。既存機能部は、車載中継装置101から受信した情報要求通知に対する応答として、自己の機能部情報を車載中継装置101へ送信する。
取得部74は、既存機能部の機能部情報をスイッチIC53経由で受信すると、記憶部55に保存されている通信回路テーブルTb1において、既存機能部が接続された通信ポート51に対応する通信回路52に既存機能部の機能部情報を対応付けて登録する。このように、記憶部55は、既存機能部が接続された通信ポート51に対応する通信回路52と既存機能部の機能部情報との対応関係を示す機能対応情報を記憶する。言い換えれば、通信回路テーブルTb1は、機能対応情報を含む。
既存機能部の機能部情報は、既存機能部に搭載されたアプリケーションに関するアプリケーション情報を含む。具体的には、アプリケーション情報は、アプリケーション202の種類に関する情報と、ウェイクアップ許容時間に関する情報とを含む。アプリケーション202の種類に関する情報は、たとえばアプリケーション202のID(以下、「アプリケーションID」とも称する。)を含む。
以下では、アプリケーション202A,202B,202CのIDがそれぞれ「ID2-A」,「ID2-B」,「ID2-C」であるものとする。
図4に示す例では、車載ECU201Aの機能部情報が通信回路52Aに対応付けられている。具体的には、通信回路52Aと通信する車載ECU201のアプリケーションIDが「ID2-A」であり、ウェイクアップ許容時間が「100ms」である。車載ECU201Cの機能部情報が通信回路52Cに対応付けられている。具体的には、通信回路52Cと通信する車載ECU201のアプリケーションIDが「ID2-C」であり、ウェイクアップ許容時間が「100ms」である。
なお、取得部74は、既存機能部の識別情報および機能部情報が記憶部55に予め保存されている場合、記憶部55から既存機能部の識別情報および機能部情報を取得してもよい。
取得部74は、既存機能部を含む車載ネットワーク401、すなわち既存ネットワークへの車載ECU201の追加が検知された場合、追加を検知された新規機能部の機能部情報を取得する。
たとえば、取得部74は、検知部73から検知情報を受けると、検知情報に含まれるポート番号を参照し、新規機能部が接続された通信ポート51を特定する。そして、取得部74は、新規機能部の機能部情報を要求するための情報要求通知をスイッチIC53および特定した通信ポート51経由で新規機能部へ送信する。新規機能部は、車載中継装置101から受信した当該情報要求通知に対する応答として、自己の機能部情報を車載中継装置101へ送信する。
新規機能部の機能部情報は、新規機能部に搭載されたアプリケーションに関するアプリケーション情報を含む。新規機能部は、自己に1つのアプリケーション202が搭載されている場合、アプリケーション情報として、当該アプリケーション202のIDを含む情報とウェイクアップ許容時間に関する情報とを車載中継装置101へ送信する。
一方、新規機能部は、自己に複数のアプリケーション202が搭載されている場合、アプリケーション情報として、各アプリケーション202のIDを含む情報を車載中継装置101へ送信する。また、新規機能部は、自己に複数のアプリケーション202が搭載されている場合、アプリケーション情報として、値が最も小さいウェイクアップ許容時間に関する情報を車載中継装置101へ送信する。
取得部74は、新規機能部の機能部情報を取得した場合、記憶部55における機能対応情報に、新規機能部が接続された通信ポート51に対応する通信回路52と新規機能部の機能部情報との対応関係を登録する更新処理を行う。
より詳細には、取得部74は、車載ECU201Bの機能部情報を取得した場合、記憶部55に保存されている通信回路テーブルTb1において、通信回路52Bに車載ECU201Bの機能部情報を対応付けて登録する。取得部74は、更新処理を完了した場合、更新処理を完了した旨を示す更新完了通知をスリープ制御部72へ出力する。
図6は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置による更新処理後の通信回路テーブルの一例を示す図である。
図6を参照して、通信回路52Bと通信する車載ECU201のアプリケーションIDが「ID2-A,ID2-B」であり、ウェイクアップ許容時間が「10ms」である。
また、取得部74は、検知部73から検知情報を受けると、当該検知情報に含まれる新規機能部のIDを通信回路テーブルTb1に登録する。
より詳細には、取得部74は、検知部73から検知情報を受けると、検知情報に含まれるポート番号を参照し、新規機能部と通信する通信回路52を特定する。そして、取得部74は、記憶部55に保存されている通信回路テーブルTb1において、特定した通信回路52に新規機能部のIDを対応付けて登録する。
図6に示す例では、通信回路52Bと通信する車載ECU201のIDは、「ID1-B」である。
(スリープモードの選択)
再び図1および図2を参照して、スリープ制御部72は、取得部74によって取得された新規機能部の機能部情報に基づいて、新規機能部が接続された通信ポート51に対応する通信回路52と既存機能部が接続された通信ポート51に対応する通信回路52とにそれぞれ適用するスリープモードの種類を複数の種類のスリープモードの中から選択する選択処理を行う。
より詳細には、記憶部55には、条件テーブルTb2が保存されている。条件テーブルTb2は、スリープ制御部72が、通信回路52に適用するスリープモードの種類としてディープスリープモードを選択するか否かを判定するためのテーブルである。
スリープ制御部72は、取得部74から更新完了通知を受けると、記憶部55における更新処理後の通信回路テーブルTb1に基づいて、選択処理を行う。
図7は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置が保存する条件テーブルの一例を示す図である。
図7を参照して、条件テーブルTb2には、たとえば、アプリケーション202の種類および数に関する条件である「条件1」と、ウェイクアップ許容時間に関する条件である「条件2」とが登録されている。条件1は、スイッチIC53に内蔵される通信回路52A,52Bに適用するスリープモードの種類としてディープスリープモードを選択するか否かを判定するための条件である。条件2は、通信回路52A,52B,52C,52Dに適用するスリープモードの種類としてディープスリープモードを選択するか否かを判定するための条件である。
スリープ制御部72は、条件1または条件2を用いて選択処理を行う。以下、スリープ制御部72が選択処理において用いる判定条件を、「ディープスリープ適用条件」とも称する。
たとえば、スリープ制御部72は、条件1を用いた選択処理において、既存機能部に搭載されるアプリケーション202の種類と新規機能部に搭載されるアプリケーション202の種類とが一致し、かつ既存機能部に搭載されるアプリケーション202の数と新規機能部に搭載されるアプリケーション202の数とが一致する場合、通信回路52A,52Bに適用するスリープモードの種類としてディープスリープモードを選択する。
図7に示す例では、条件1として、「対応するアプリケーションIDが同じであれば、ディープスリープモードを選択」が登録されている。スリープ制御部72は、通信回路52Aと通信する車載ECU201AのアプリケーションIDと、通信回路52Bと通信する車載ECU201BのアプリケーションIDとが一致する場合、通信回路52A,52Bに適用するスリープモードの種類としてディープスリープモードを選択する。
一方、スリープ制御部72は、通信回路52Aと通信する車載ECU201AのアプリケーションIDと、通信回路52Bと通信する車載ECU201BのアプリケーションIDとが一致しない場合、通信回路52A,52Bに適用するスリープモードの種類としてライトスリープモードを選択する。
図7に示す例では、通信回路52Aと通信する車載ECU201AのアプリケーションIDは「ID-A」である一方で、通信回路52Bと通信する車載ECU201BのアプリケーションIDは「ID-A,ID-B」である。すなわち、車載ECU201Aに搭載されるアプリケーション202の数と車載ECU201Bに搭載されるアプリケーション202の数とが一致しない。そのため、スリープ制御部72は、通信回路52A,52Bに適用するスリープモードの種類としてライトスリープモードを選択する。
より詳細には、スリープ制御部72は、通信回路テーブルTb1において、「通信回路52A」および「通信回路52B」に適用するスリープモードの種類を「ディープスリープモード」から「ライトスリープモード」に変更する。
スリープ制御部72は、条件2を用いた選択処理において、通信回路52と通信する車載ECU201のウェイクアップ許容時間が所定の閾値以上である場合、当該通信回路に適用するスリープモードの種類としてディープスリープモードを選択する。
図7に示す例では、条件2として、「対応するウェイクアップ許容時間が100ms以上であれば、ディープスリープモードを選択」が登録されている。具体的には、スリープ制御部72は、通信回路52と通信する車載ECU201のウェイクアップ許容時間が100ms以上である場合、通信回路52に適用するスリープモードの種類としてディープスリープモードを選択する。
図7に示す例では、通信回路52Bと通信する車載ECU201Bのウェイクアップ許容時間「10ms」は、100msよりも短い。そのため、スリープ制御部72は、通信回路52Bに適用するスリープモードの種類としてライトスリープモードを選択する。
上述したように、たとえば、スリープ制御部72は、既存ネットワークにおいて、スイッチIC53に内蔵される通信回路52A,52Bに適用するスリープモードの種類として、ディープスリープモードを登録している状態(以下、「モード初期状態」とも称する。)である。
図6および図7に示す例では、上述したように、スリープ制御部72は、モード初期状態において、スイッチIC53に内蔵される複数の通信回路52のうちの少なくともいずれか1つの通信回路52、すなわち通信回路52Bに対応する通信ポート51Bに新規機能部が接続された場合、通信回路52Bに適用するスリープモードの種類としてライトスリープモードを選択する。この場合、スリープ制御部は、スイッチIC53に内蔵される残りのすべての通信回路52、すなわち通信回路52Aに適用するスリープモードの種類をディープスリープモードからライトスリープモードに変更する。
具体的には、スリープ制御部72は、通信回路テーブルTb1において、「通信回路52A」および「通信回路52B」に適用するスリープモードの種類を「ディープスリープモード」から「ライトスリープモード」に変更する。
<動作の流れ>
図8は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置による選択処理の動作手順を定めたフローチャートである。
図8を参照して、まず、車載中継装置101は、既存機能部が複数の通信ポート51のうちの一部に接続されている状態において、スリープモード対応情報を通信回路テーブルTb11に登録する。ここでは、既存機能部は、通信ポート51A,51Cに接続されているものとする。また、通信回路テーブルTb11において、通信回路52A,52B,52C,52Dに適用するスリープモードの種類として、ディープスリープモードが登録されているものとする(ステップS101)。
次に、車載中継装置101は、車載ネットワーク401への新規機能部の追加を待ち受け(ステップS102においてNO)、新規機能部の追加を検知すると(ステップS102においてYES)、検知した新規機能部の機能部情報を取得する(ステップS103)。
次に、車載中継装置101は、機能対応情報を更新する。たとえば、上述したように、車載中継装置101は、新規機能部の機能部情報を取得すると、記憶部55に保存されている通信回路テーブルTb1において、新規機能部が接続された通信ポート51に新規機能部の機能部情報を対応付けて登録する(ステップS104)。
次に、車載中継装置101は、記憶部55における通信回路テーブルTb1および条件テーブルTb2を参照し、ディープスリープ適用条件を満たす場合(ステップS105においてYES)、新規機能部が接続された通信ポート51に対応する通信回路52と既存機能部が接続された通信ポート51に対応する通信回路とにそれぞれ適用するスリープモードの種類としてディープスリープモードを選択する(ステップS106)。
一方、車載中継装置101は、ディープスリープ適用条件を満たさない場合(ステップS105においてNO)、新規機能部が接続された通信ポート51に対応する通信回路52と既存機能部が接続された通信ポート51に対応する通信回路52とにそれぞれ適用するスリープモードの種類としてライトスリープモードを選択する(ステップS107)。
次に、車載中継装置101は、通信回路テーブルTb1に含まれるスリープモード対応情報を変更する。たとえば、上述したように、車載中継装置101は、各通信回路52に適用するスリープモードの種類としてライトスリープモードを選択した場合、通信回路テーブルTb1において、「通信回路52A」および「通信回路52B」に適用するスリープモードの種類を「ディープスリープモード」から「ライトスリープモード」に変更する(ステップS108)。
また、車載中継装置101は、選択処理後において、車載ネットワーク401における他の新規機能部の追加を検知した場合、選択処理を新たに行う。
より詳細には、図1および図2を参照して、取得部74は、車載ネットワーク401に他の新規機能部が追加された場合、他の新規機能部の機能部情報を取得する。スリープ制御部72は、取得部74によって取得された他の新規機能部の機能部情報および記憶部55における通信回路テーブルTb1に含まれるスリープ対応情報に基づいて、選択処理を行う。
具体的には、取得部74は、通信ポート51Dに接続された車載ECU201の検知情報を検知部73から受信すると、当該車載ECU201の機能部情報を取得する。
取得部74は、通信ポート51Dに接続された車載ECU201の機能部情報を取得すると、記憶部55に保存されている通信回路テーブルTb1において、通信ポート51Dに対応する通信回路52に当該車載ECU201の機能部情報を対応付けて登録する。そして、スリープ制御部72は、記憶部55における通信回路テーブルTb1および条件テーブルTb2を用いて選択処理を新たに行う。
図9は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置におけるスリープ制御の動作手順を定めたフローチャートである。
図9を参照して、まず、車載中継装置101は、自己のスリープ条件が成立するまで(ステップS202においてNO)、ウェイクアップモードで動作する(ステップS201)。
次に、車載中継装置101は、自己のスリープ条件が成立すると(ステップS202においてYES)、記憶部55における通信回路テーブルTb1を参照し、各通信回路52に適用するスリープモードを決定する(ステップS203)。
次に、車載中継装置101は、決定したスリープモードへ各通信回路52を遷移させ、自己のウェイクアップ条件が成立するまで(ステップS205においてNO)、スリープモードを維持する(ステップS204)。
次に、車載中継装置101は、自己のウェイクアップ条件が成立すると(ステップS205においてYES)、各通信回路52をウェイクアップモードへ遷移させる(ステップS201)。
図10は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムにおけるスリープ制御のシーケンスの一例を示す図である。以下、車載中継装置101において、既存機能部が通信ポート51A,51Cに接続されている場合におけるスリープ制御の例について説明する。
図10を参照して、まず、車載中継装置101は、既存機能部が通信ポート51A,51Cに接続されている状態において、スリープモード対応情報を通信回路テーブルTb1に登録する。ここでは、通信回路テーブルTb1において、通信回路52A,52B,52C,52Dに適用するスリープモードの種類としてディープスリープモードが登録されているものとする(ステップS301)。
次に、車載ネットワーク401に追加された新規機能部は、接続要求情報を車載中継装置101へ送信する。ここでは、新規機能部は、通信ポート51Bに接続されたものとする(ステップS302)。
次に、車載中継装置101は、新規機能部から接続要求情報を受信すると、新規機能部を検知し、当該新規機能部の認証処理を行う(ステップS303)。
次に、車載中継装置101は、新規機能部の認証に成功すると、認証成功情報を新規機能部へ送信する(ステップS304)。
次に、車載中継装置101は、新規機能部の機能部情報を要求するための情報要求通知を新規機能部へ送信する(ステップS305)。
次に、新規機能部は、情報要求通知に対する応答として、新規機能部の機能部情報を車載中継装置101へ送信する(ステップS306)。
次に、車載中継装置101は、新規機能部の機能部情報を取得すると、機能対応情報を更新する更新処理を行う。たとえば、上述したように、車載中継装置101は、記憶部55における通信回路テーブルTb1において、新規機能部が接続された通信ポート51に対応する通信回路52に新規機能部の機能部情報を対応付けて登録する(ステップS307)。
次に、車載中継装置101は、更新処理後の機能対応情報に基づいて、新規機能部が接続された通信ポート51に対応する通信回路52と既存機能部が接続された通信ポート51に対応する通信回路52とにそれぞれ適用するスリープモードの種類を複数の種類のスリープモードの中から選択する選択処理を行う。ここでは、車載中継装置101は、通信回路52A,52Bに適用するスリープモードの種類をディープスリープモードからライトスリープモードに変更し、通信回路52C,52Dに適用するスリープモードの種類としてディープスリープモードを維持したものとする(ステップS308)。
次に、既存機能部、車載中継装置101および新規機能部のスリープ条件が成立すると(ステップS309)、既存機能部は、スリープモードへ遷移する(ステップS310)。
また、車載中継装置101は、選択処理によって選択したスリープモードへ各通信回路52を遷移させる。より詳細には、車載中継装置101は、通信回路52A,52Bをライトスリープモードへ遷移させ、通信回路52C,52Dをディープモードへ遷移させる(ステップS311)。また、新規機能部は、スリープモードへ遷移する(ステップS312)。
次に、新規機能部は、自己のウェイクアップ条件が成立して、ウェイクアップモードへ遷移すると(ステップS313)、ウェイクアップ要求W1を車載中継装置101へ送信する(ステップS314)。
次に、車載中継装置101は、新規機能部からウェイクアップ要求W1を受信すると、新規機能部に対応する通信回路52をウェイクアップモードへ遷移させる。ここでは、車載中継装置101におけるスリープ制御部72は、通信回路52Bをウェイクアップモードへ遷移させる(ステップS315)。
次に、車載中継装置101は、ウェイクアップ要求W2を既存機能部へ送信する(ステップS316)。
次に、既存機能部は、車載中継装置101からウェイクアップ要求W2を受信すると、ウェイクアップモードへ遷移する(ステップS317)。
次に、新規機能部および既存機能部は、互いに通信を行う。たとえば、車載中継装置101における通信回路52は、対応する通信ポート51を介して新規機能部から既存機能部を宛先とするフレームを受信すると、受信したフレームをスイッチ部61へ出力する。スイッチ部61は、通信回路52から受けたフレームを宛先の既存機能部へ送信する(ステップS318)。
なお、本開示の実施の形態に係る車載中継装置101において、スリープ制御部72は、選択処理において、新規機能部および既存機能部に対応する通信回路52にそれぞれ適用するスリープモードの種類を2つのスリープモードの中から選択する構成であるとしたが、これに限定するものではない。スリープ制御部72は、選択処理において、新規機能部および既存機能部に対応する通信回路52にそれぞれ適用するスリープモードの種類を3つ以上のスリープモードの中から選択する構成であってもよい。
なお、本開示の実施の形態に係る車載中継装置101において、取得部74は、新規機能部の機能部情報として、新規機能部のアプリケーション情報を取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、取得部74は、新規機能部の機能部情報として、新規機能部のハードウェア情報を取得してもよい。
また、本開示の実施の形態に係る車載中継装置101において、取得部74は、アプリケーション情報として、アプリケーション202の種類に関する情報およびウェイクアップ許容時間に関する情報を取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、取得部74は、アプリケーション情報として、アプリケーション202のハードウェア的な制約に関する情報を取得してもよい。
また、本開示の実施の形態に係る車載中継装置101において、取得部74は、既存機能部の機能部情報および新機機能部の機能部情報を取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。取得部74は、たとえば、既存機能部の機能部情報を取得しない構成であってもよい。
また、本開示の実施の形態に係る車載中継装置101において、記憶部55は、機能対応情報とスリープ対応情報とを含む通信回路テーブルTb1を記憶する構成であるとしたが、これに限定するものではない。記憶部55は、たとえば機能対応情報を含むテーブルおよびスリープ対応情報を含むテーブルを別個に記憶してもよい。
[変形例]
本開示の実施の形態に係る車載中継装置101において、スリープ制御部72は、スイッチIC53に内蔵される通信回路52A,52Bに適用するスリープモードの種類を複数の種類のスリープモードの中から選択する構成であるとしたが、これに限定するものではない。スリープ制御部72は、スイッチIC53に外付けされる通信回路52に適用するスリープモードの種類を複数の種類のスリープモードの中から選択する構成であってもよい。
図11は、本開示の実施の形態に係る車載通信システムの変形例の構成を示す図である。
図11を参照して、変形例では、車載ECU201A,201Bが既存機能部の一例であり、車載ECU201Dが新規機能部の一例である。また、図11において、破線の両端矢印は、車載ECU201Dと車載中継装置101とが接続されていない状態であることを示す。
変形例では、車載ECU201Dには、アプリケーション202B,202Cが搭載されている。
図12は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置の変形例が保存する通信回路テーブルを示す図である。
図12は、既存ネットワークにおける車載中継装置101の変形例の記憶部55に保存されている通信回路テーブルTb11の一例を示している。図12に示す例では、通信回路テーブルTb11において、通信回路52A,52Bに適用するスリープモードの種類としてライトスリープモードが登録されている。
また、図12に示す例では、通信回路テーブルTb11において、車載ECU201が接続されていない通信ポート51C,51Dにそれぞれ対応する通信回路52C,52Dに適用するスリープモードの種類として、ディープスリープモードが初期値として登録されている。
取得部74は、既存ネットワークへの車載ECU201Dの追加が検知された場合、車載ECU201Dの機能部情報を要求するための情報要求通知をスイッチIC53経由で車載ECU201Dへ送信する。車載ECU201Dは、車載中継装置101から受信した当該情報要求通知に対する応答として、自己の機能部情報を車載中継装置101へ送信する。ここでは、車載ECU201Dは、ユーザにより通信ポート51Cに接続されたものとする。
取得部74は、車載ECU201Dの機能部情報を取得した場合、記憶部55に保存されている通信回路テーブルTb11において、車載ECU201Dが接続された通信ポート51Cに対応する通信回路52Cに車載ECU201Dの機能部情報を対応付けて登録する。
図13は、本開示の実施の形態に係る車載中継装置の変形例による更新処理後の通信回路テーブルを示す図である。
図13を参照して、通信回路52Cと通信する車載ECU201DのアプリケーションIDが「ID2-B,ID2-C」であり、ウェイクアップ許容時間が「10ms」である。また、通信回路52Cと通信する車載ECU201DのIDは、「ID1-D」である。
変形例では、スリープ制御部72は、取得部74から更新完了通知を受けると、記憶部55における更新処理後の通信回路テーブルTb11および条件テーブルTb2を参照する。そして、スリープ制御部72は、通信回路52Cと通信する車載ECU201Dのウェイクアップ許容時間が100msよりも短いと判断し、通信回路52Cに適用するスリープモードの種類としてライトスリープモードを選択する。
具体的には、スリープ制御部72は、通信回路テーブルTb11において、「通信回路52C」に適用するスリープモードの種類を「ディープスリープモード」から「ライトスリープモード」に変更する。
また、変形例では、新規ネットワークにおいて、スリープ制御部72は、スイッチIC53に内蔵される通信回路52A,52Bに適用するスリープモードの種類を既存ネットワークにおいて適用したスリープモードに維持する。図13に示す例では、スリープ制御部72は、「通信回路52A」および「通信回路52B」にそれぞれ適用するスリープモードの種類を「ライトスリープモード」に維持する。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上述の実施形態の各処理(各機能)は、1または複数のプロセッサを含む処理回路により実現される。上記処理回路は、上記1または複数のプロセッサに加え、1または複数のメモリ、各種アナログ回路、各種デジタル回路が組み合わされた集積回路等で構成されてもよい。上記1または複数のメモリは、上記各処理を上記1または複数のプロセッサに実行させるプログラム(命令)を格納する。上記1または複数のプロセッサは、上記1または複数のメモリから読み出した上記プログラムに従い上記各処理を実行してもよいし、予め上記各処理を実行するように設計された論理回路に従って上記各処理を実行してもよい。上記プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、コンピュータの制御に適合する種々のプロセッサであってよい。なお、物理的に分離した上記複数のプロセッサが互いに協働して上記各処理を実行してもよい。たとえば、物理的に分離した複数のコンピュータのそれぞれに搭載された上記プロセッサがLAN(Local Area Network)、WAN (Wide Area Network)、およびインターネット等のネットワークを介して互いに協働して上記各処理を実行してもよい。上記プログラムは、外部のサーバ装置等から上記ネットワークを介して上記メモリにインストールされても構わないし、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、および半導体メモリ等の記録媒体に格納された状態で流通し、上記記録媒体から上記メモリにインストールされても構わない。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
複数の車載機能部にそれぞれ接続可能な複数の通信ポートと、
前記複数の通信ポートにそれぞれ対応して設けられ、対応する前記通信ポートを介して前記車載機能部と通信可能な複数の通信回路と、
処理回路とを備え、
前記処理回路は、
1または複数の前記車載機能部である既存機能部を含む車載ネットワークへの前記車載機能部の追加が検知された場合、追加を検知された前記車載機能部である新規機能部の機能部情報を取得し、
取得した前記新規機能部の機能部情報に基づいて、前記新規機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路と前記既存機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路とにそれぞれ適用するスリープモードの種類を複数の種類のスリープモードの中から選択する選択処理を行う、車載中継装置。
11 イーサネットケーブル
51,51A,51B,51C,51D 通信ポート
52,52A,52B,52C,52D 通信回路
53 スイッチIC
54 処理部
55 記憶部
61 スイッチ部
71 判断部
72 スリープ制御部
73 検知部
74 取得部
101 車載中継装置
201,201A,201B,201C,201D 車載ECU
202,202A,202B,202C アプリケーション
301 車載通信システム
401 車載ネットワーク
501 車両

Claims (10)

  1. 複数の車載機能部にそれぞれ接続可能な複数の通信ポートと、
    前記複数の通信ポートにそれぞれ対応して設けられ、対応する前記通信ポートを介して前記車載機能部と通信可能な複数の通信回路と、
    1または複数の前記車載機能部である既存機能部を含む車載ネットワークへの前記車載機能部の追加が検知された場合、追加を検知された前記車載機能部である新規機能部の機能部情報を取得する取得部と、
    前記取得部によって取得された前記新規機能部の機能部情報に基づいて、前記新規機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路と前記既存機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路とにそれぞれ適用するスリープモードの種類を複数の種類のスリープモードの中から選択する選択処理を行うスリープ制御部とを備える、車載中継装置。
  2. 前記機能部情報は、前記新規機能部に搭載されたアプリケーションに関するアプリケーション情報を含み、
    前記スリープ制御部は、前記取得部によって取得された前記新規機能部のアプリケーション情報に基づいて、前記選択処理を行う、請求項1に記載の車載中継装置。
  3. 前記アプリケーション情報は、前記アプリケーションの種類に関する情報を含む、請求項2に記載の車載中継装置。
  4. 前記アプリケーション情報は、前記アプリケーションが起動するまでの許容時間に関する情報を含む、請求項2または請求項3に記載の車載中継装置。
  5. 前記取得部は、さらに、前記既存機能部の機能部情報を取得し、
    前記スリープ制御部は、前記取得部によって取得された前記新規機能部の機能部情報および前記既存機能部の機能部情報に基づいて、前記選択処理を行う、請求項1または請求項2に記載の車載中継装置。
  6. 前記車載中継装置は、さらに、
    前記既存機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路と前記既存機能部の機能部情報との対応関係を示す機能対応情報を記憶する記憶部を備え、
    前記取得部は、前記新規機能部の機能部情報を取得した場合、前記記憶部における前記機能対応情報に、前記新規機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路と前記新規機能部の機能部情報との対応関係を登録する更新処理を行い、
    前記スリープ制御部は、前記更新処理後の前記機能対応情報に基づいて、前記選択処理を行う、請求項1または請求項2に記載の車載中継装置。
  7. 前記車載中継装置は、さらに、
    前記複数の通信回路にそれぞれ適用する前記スリープモードを示すスリープモード対応情報を記憶する記憶部を備え、
    前記取得部は、前記車載ネットワークに他の前記新規機能部が追加された場合、前記他の新規機能部の機能部情報を取得し、
    前記スリープ制御部は、前記取得部によって取得された前記他の新規機能部の機能部情報および前記記憶部における前記スリープモード対応情報に基づいて、前記選択処理を行う、請求項1または請求項2に記載の車載中継装置。
  8. 前記複数の種類のスリープモードは、第1のスリープモードと、前記第1のスリープモードよりも前記通信回路における消費電力が小さい第2のスリープモードとを含み、
    前記スリープ制御部は、所定の複数の前記通信回路に適用する前記スリープモードとして前記第2のスリープモードを選択している状態において、前記所定の複数の通信回路のうちの少なくともいずれか1つの前記通信回路に対応する前記通信ポートに前記新規機能部が接続され、かつ前記新規機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路に適用する前記スリープモードとして前記第1のスリープモードを選択した場合、前記所定の複数の通信回路のうちの残りのすべての前記通信回路に適用する前記スリープモードを前記第2のスリープモードから前記第1のスリープモードに変更する、請求項1または請求項2に記載の車載中継装置。
  9. 複数の車載機能部にそれぞれ接続可能な複数の通信ポートと、前記複数の通信ポートにそれぞれ対応して設けられ、対応する前記通信ポートを介して前記車載機能部と通信可能な複数の通信回路とを備える車載中継装置において用いられるスリープ制御方法であって、
    1または複数の前記車載機能部である既存機能部を含む車載ネットワークへの前記車載機能部の追加が検知された場合、追加を検知された前記車載機能部である新規機能部の機能部情報を取得するステップと、
    取得した前記新規機能部の機能部情報に基づいて、前記新規機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路と前記既存機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路とにそれぞれ適用するスリープモードの種類を複数の種類のスリープモードの中から選択する選択処理を行うステップとを含む、スリープ制御方法。
  10. 複数の車載機能部にそれぞれ接続可能な複数の通信ポートと、前記複数の通信ポートにそれぞれ対応して設けられ、対応する前記通信ポートを介して前記車載機能部と通信可能な複数の通信回路とを備える車載中継装置において用いられるスリープ制御プログラムであって、
    コンピュータを、
    1または複数の前記車載機能部である既存機能部を含む車載ネットワークへの前記車載機能部の追加が検知された場合、追加を検知された前記車載機能部である新規機能部の機能部情報を取得する取得部と、
    前記取得部によって取得された前記新規機能部の機能部情報に基づいて、前記新規機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路と前記既存機能部が接続された前記通信ポートに対応する前記通信回路とにそれぞれ適用するスリープモードの種類を複数の種類のスリープモードの中から選択する選択処理を行うスリープ制御部、
    として機能させるための、スリープ制御プログラム。
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