JP2024062959A - 乗物用シート - Google Patents

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智行 栗本
Satoyuki Kurimoto
晃 三好
Akira Miyoshi
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Abstract

【課題】安全性を向上させた乗物用シートを提供する。【解決手段】乗物用シートSは、シートクッション1と、シートクッション1の側部に設けられ、乗物用シートSに着座した乗員Hの大腿部をシート幅方向外側から支持するサイド支持部10と、を備える。乗物用シートSが乗員の大腿部を支持するサイド支持部10を備えることで、乗員Hは下半身を支持することができる。それにより、不整地走行時における身体安定性が高まり、安全性を向上させた乗物用シートSを提供することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、乗物用シートに係り、特に、不整地で走行するオフロード車両等に搭載される乗物用シートに関する。
四輪のオフロード車両等が不整地走行した場合、状況によって激しく揺動する可能性がある。車両が激しく揺動したとき、乗員、特に運転手以外の乗員は、車両に設けられたロールバー又はロールケージを思わず手で掴んでしまう可能性がある。そのため、従来、ロールバー等を直接把持しないように、ロールバー以外の場所にグリップが設けられていた。特許文献1及び2には、シートクッションにグリップが設けられた車両用シートが開示されている。
実開昭60-148138号公報 実開平6-84942号公報
しかしながら、車両が激しく揺動した場合、乗物用シートに設けられたグリップやシートベルトだけでは、乗員の体、特に乗員の脚部を支持することが難しく、更に安全性を向上させる方法・手段が求められていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全性を向上させた乗物用シートを提供することにある。
上記課題は、本発明の乗物用シートによれば、乗物用シートであって、シートクッションと、該シートクッションの側部に設けられ、前記乗物用シートに着座した乗員の大腿部をシート幅方向外側から支持するサイド支持部と、を備えることにより解決される。
乗物用シートが乗員の大腿部をシート幅方向外側から支持するサイド支持部を備えることで、乗員は下半身を支持することができる。そのため、不整地走行時における身体安定性が高まり、安全性を向上させた乗物用シートを提供することができる。
また、上記の構成において、前記サイド支持部は、シート幅方向において内側から外側に向けて窪む凹部を備えるとよい。
サイド支持部が凹部を備えることで、乗員の大腿部をより確実に支持することができる。
また、上記構成において、前記サイド支持部は、シート幅方向において上端部が下端部よりも内側に位置する傾斜部を備えるとよい。
サイド支持部が傾斜部を備えることで、乗員の大腿部をより確実に支持することができる。
また、上記の構成において、前記乗物用シートは、前記乗物用シートの側部前方に位置するグリップ部を備えるとよい。
乗物用シートが側部前方にグリップ部を備えることで、乗員はグリップ部を咄嗟に手で掴むことができる。また、グリップ部がシートクッションの側部前方にあることで、例えばシートクッションの後方にシートベルトの通路を確保することができる。
また、上記の構成において、前記グリップ部は、前記サイド支持部に支持されるとよい。
グリップ部がサイド支持部に支持されることで、例えば乗員がグリップ部を把持することで、乗員は、サイド支持部を用いてより強固に大腿部を支持することができる。
また、上記の構成において、前記グリップ部の延出方向は、前方から後方に向かうに従って下降しているとよい。
グリップ部の延出方向が前方から後方に向かうに従って下降していることで、例えば激しく揺動したとき、乗員はグリップ部を自然な角度で握ることができ、身体を安定して支持することができる。
また、上記の構成において、前記グリップ部は、前記シートクッションの左右の側部それぞれに設けられるとよい。
グリップ部がシートクッションの左右の側部それぞれに設けられることで、乗員は左右両方の腕でグリップ部を掴むことができ、安定して身体を支持することができる。
また、上記の構成において、前記シートクッションの下方に設けられ、前記乗物用シートを床面にスライド可能に取り付けるスライド装置を備え、前記スライド装置は、前記床面に固定されるロアレールと、該ロアレール上をスライドするアッパーレールとを備え、前記サイド支持部は、前記アッパーレールに固定されるとよい。
サイド支持部がアッパーレールに固定されることで、サイド支持部の剛性が向上する。
また、上記の構成において、前記グリップ部は、位置又は延出方向の傾斜角度が変更可能に取り付けられるとよい。
グリップ部が位置又は延出方向の傾斜角度が変更可能に取り付けられることで、乗員が把持しやすい位置にグリップ部を配置することができる。
また、上記の構成において、前記グリップ部の位置又は延出方向の傾斜角度を変更するグリップ位置変更部と、バックルを有するシートベルトと、前記バックルのロックを検知するロックセンサと、該ロックセンサに接続され、前記グリップ位置変更部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ロックセンサが前記バックルのロックを検知したとき、前記グリップ位置変更部を駆動させ前記グリップ部の位置又は角度を変更するとよい。
ロックセンサがバックルのロックを検知したときに、グリップ部の位置又は角度を変更することで、乗員が着座してシートベルトをロックしたときに、グリップ部を適切な位置に配置することができる。
また、上記の構成において、前記乗物用シートの位置又は形状を変更するための入力を受け付けるシート調整用操作部を備え、前記シート調整用操作部は、前記グリップ部の近傍を避けて配置されるとよい。
シート調整用操作部がグリップ部の近傍を避けて配置されることにより、乗員が咄嗟にグリップ部に手を伸ばしたときにシート調整用操作部に触れ、誤操作することが抑制される。
また、上記の構成において、前記シートクッションの下方に設けられ、前記乗物用シートを床面にスライド可能に取り付けるスライド装置を備え、前記シート調整用操作部は、前記スライド装置により、前記乗物用シートの前後位置を調整するための入力を受け付けるシート前後位置調整用操作部であり、前記シート前後位置調整用操作部は、前記シートクッションの前端部の下方に配置されるとよい。
シート前後位置調整用操作部が、シートクッションの前端部の下方に配置されることで、乗員が誤ってシート前後位置調整用操作部に触れ、誤操作することが抑制される。
また、上記の構成において、シートバックと、ヘッドレストと、該シートバックを前記シートクッションに対して前後方向に回動させるリクライニング装置と、前記リクライニング装置により、前記シートクッションに対する前記シートバックの傾斜角度を調整するための入力を受け付けるシートバック角度調整用操作部と、を有し、前記シートバック角度調整用操作部は、前記シートバックの上端部又は前記ヘッドレストの側部に配置されるとよい。
シートバック角度調整用操作部が、シートバックの上端部又はヘッドレストの側部に配置されることで、乗員が誤ってシートバック角度調整用操作部に触れ、誤操作することが抑制される。
本発明によれば、乗物用シートが乗員の大腿部をシート幅方向外側から支持するサイド支持部を備えることで、乗員は下半身を支持することができる。そのため、そのため、不整地走行時における身体安定性が高まり、安全性を向上させた乗物用シートを提供することができる。
また、サイド支持部が凹部を備えることで、乗員の大腿部をより確実に支持することができる。
また、サイド支持部が傾斜部を備えることで、乗員の大腿部をより確実に支持することができる。
また、乗物用シートが側部前方にグリップ部を備えることで、乗員はグリップ部を咄嗟に手で掴むことができる。また、グリップ部がシートクッションの側部前方にあることで、例えばシートクッションの後方にシートベルトの通路を確保することができる。
また、グリップ部がサイド支持部に支持されることで、例えば乗員がグリップ部を把持することで、乗員は、サイド支持部を用いてより強固に大腿部を支持することができる。
また、グリップ部の延出方向が前方から後方に向かうに従って下降していることで、例えば激しく揺動したとき、乗員はグリップ部を自然な角度で握ることができ、身体を安定して支持することができる。
また、グリップ部がシートクッションの左右の側部に設けられることで、乗員は左右両方の腕でグリップ部を掴むことができ、より安定して身体を支持することができる。
また、サイド支持部がアッパーレールに固定されることで、サイド支持部の剛性が向上する。
また、ロックセンサがバックルのロックを検知したときに、グリップ部の位置又は角度を変更することで、乗員が着座してシートベルトをロックしたときに、グリップ部を適切な位置に配置することができる。
また、シート調整用操作部がグリップ部の近傍を避けて配置されることにより、乗員が咄嗟にグリップ部に手を伸ばしたときにシート調整用操作部に触れ、誤操作することが抑制される。
また、シート前後位置調整用操作部が、シートクッションの前端部の下方に配置されることで、乗員が誤ってシート前後位置調整用操作部に触れ、誤操作することが抑制される。
また、シートバック角度調整用操作部が、シートバックの上端部又はヘッドレストの側部に配置されることで、乗員が誤ってシートバック角度調整用操作部に触れ、誤操作することが抑制される。
本実施形態に係る乗物用シートの斜視図である。 乗物用シートを前方から見た正面図である。 乗物用シートを側方から見た側面図である。 図1の矢視Xから見た斜視図であり、ヘッドレスト及びシートバックの一部を示す図である。 乗物用シートの変形例を示す図であり、乗物用シートを前方から見た正面図である。 乗物用シートとロールバーとを有する車両を模式的に示す正面図である。
<第一実施例>
以下、本発明の実施形態に係る防水表皮材及び乗物用シートの構成について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例であり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
なお、以下では、乗物用シートの一例として、主に屋外で使用される四輪のオフロード車両に搭載される乗物用シートを挙げ、その構成例について説明することとする。ただし、本発明は、四輪のオフロード車両に用いられる乗物用シートに限定されるものではなく、自動車・鉄道車両など車輪を有する地上走行用乗物に搭載される車両用シートや、地上以外を移動する航空機や船舶などに搭載されるシートであってもよい。
また、以下の説明において、「前後方向」とは、乗物用シートの前後方向であり、搭載される車両の走行時の進行方向と一致する方向である。また、「シート幅方向」とは、乗物用シートの幅方向であり、シートに着座した乗員から見た左右方向と一致する方向である。また、「上下方向」とは、乗物用シートの上下方向であり、車両が水平面を走行しているときには鉛直方向と一致する方向である。
本実施形態に係る乗物用シート(以下、乗物用シートS)の構成について、図1から図4を参照しながら説明する。図1は、四輪のオフロード車に搭載される乗物用シートSの斜視図であり、図2は乗物用シートSを前方から見た正面図である。図3は、乗物用シートSを側方から見た図で、図4は、図1の矢視Xから見た斜視図であり、ヘッドレスト3及びシートバック2の一部を示す図である。
乗物用シートSは、車体フロア(床面FL)の上に載置され、車両の乗員H(着座者)が着座するシートである。本実施形態において、乗物用シートSは、車両の前席に相当するフロントシートとして利用される。ただし、これに限定されるものではなく、乗物用シートSは、後部座席のシートとしても利用可能であり、また、前後方向に三列のシートを備える車両において二列目のミドルシートや三列目のリアシートとしても利用可能である。
乗物用シートSは、着座する乗員Hの臀部を支持するシートクッション1と、乗員Hの背部を支える背もたれとなるシートバック2と、乗員Hの頭部を支持するヘッドレスト3と、から構成されている。シートクッション1の後端部とシートバック2の下端部とが連結されており、連結する部分には、シートバック2を傾斜させるリクライニング装置7が設けられている。また、シートクッション1の下方には、乗物用シートSを前後方向にスライドさせるスライド装置8が設けられている。スライド装置8は、車両Vの床面FLに取り付けられるロアレール8aと、シートクッション1を支持しロアレール8a上をスライドするアッパーレール8bとから構成されている。
シートクッション1は、骨格となるクッションフレーム(不図示)と、クッションフレームに載置されるクッション材としてのパッドPと、パッドPを被覆する表皮Tとにより構成されている。
シートバック2は、骨格となるバックフレーム(不図示)と、バックフレームを覆うクッション材としてのパッドPと、パッドPを被覆する表皮Tとにより構成されている。
シートバック2の上側部分には、ヘッドレスト3が設けられている。本実施形態においてヘッドレスト3は、シートバック2と一体的に形成されているが、ヘッドレスト3とシートバック2とは別々に形成されてもよい。また、シートバック2の上側部分には、シートベルト15を通すベルト通し穴13が形成されている。
<グリップ部11>
本実施形態では、図1及び図3に示すように、乗員Hが把持するグリップ部11が、乗物用シートSの乗員Hが自然に手を伸ばした位置に設けられている。具体的に述べると、グリップ部11は、乗物用シートSの側部前方に設けられている。より詳しく述べると、グリップ部11は、シートクッション1の側部に設けられたグリップベース10に支持されてシートクッション1の前側に位置するように設けられている。なお、グリップ部11は乗物用シートSの側部前方に位置していればよく、例えば、グリップ部11がシートバック2の側部から延びるアームレスト(不図示)に支持されることにより設けられてもよい。
また、グリップ部11は、その延出方向(図3の矢印A方向)が車両Vの床面FLに対して所定の角度αで傾斜して設けられている。言い換えれば、グリップ部11の延出方向は、乗物用シートSの前方から後方に向かうに従って下降するように傾斜して設けられている。また、グリップ部11は、シートクッション1の左右の側部それぞれに設けられている。
乗員Hが着座したとき、乗物用シートSの側部前方、より具体的に述べるとシートクッション1の側部前方は、自然に手を伸ばした位置にあたり(図3参照)、その位置にグリップ部11を設けることで、乗員Hは自然に手を伸ばしてグリップ部11を掴むことができる。そのため、例えば不整地走行時に車両Vが激しく揺動した場合でも、乗員Hは咄嗟の判断でグリップ部11を掴むことができる。ロールバーやロールケージを直接手で掴んでしまうことが抑制され、安全性が高まる。
また、グリップ部11がシートクッション1の側部前方にあることで、シートベルト15が通る通路をシートクッション1の後方に確保することができ、グリップ部11は乗員Hをシートベルト15で固定する際の邪魔にならない。
また、グリップ部11が所定の角度αで傾斜しているため、グリップ部11を水平方向に、すなわち床面FLに対して平行に延ばした場合と比較して、握りやすく咄嗟に掴むことが容易になる。また、グリップ部11が傾斜していることで、例えば激しく揺動したとき、乗員は体を支えることが容易になる。グリップ部11の傾斜角度αは10度から60度にするのが望ましい。
また、グリップ部11を、シートクッション1の左右側部のそれぞれに配置することで、乗員Hは両腕で身体を支持することができ、悪路走行時の身体安定性が高まる。
グリップ部11には、照明装置22が設けられてもよい。夜間走行時に照明装置22を光らせることで、グリップ部11の位置が明確になり、乗員Hはグリップ部11を確実に掴むことができる。
<グリップベース10>
シートクッション1の側部には、グリップ部11を支持するグリップベース10が設けられている。グリップベース10は、本発明のサイド支持部に相当し、乗員Hの大腿部をシート幅方向外側から支持している。
グリップベース10には、シート内側から外側に向かって窪む凹部12が形成されている。凹部12はシート前後方向に延びる溝部を形成しており、凹部12は、着座した乗員Hの大腿部に沿って延びるように形成される。凹部12の断面は、図2に示すように、大腿部の外形形状に合わせて弓形又は扇形に形成される。このようにグリップベース10に凹部12を形成することで、乗員Hは、悪路走行時、足、特に大腿部をシート外側に開いて、大腿部を凹部12に押し付けることで下半身を安定させることができる。
グリップベース10は、その下端がスライド装置8のアッパーレール8bに直接固定されている。アッパーレール8bに固定されることで剛性が向上し、大腿部が押し付けられても、グリップベース10は乗員Hの下半身を安定して支持することができる。
<シート調整用操作部14>
本実施形態の乗物用シートSには、リクライニング装置7と、スライド装置8が設けられており、乗員Hがそれらの装置を操作するためのシート調整用操作部14が取り付けられている。具体的には、シート調整用操作部14として、リクライニング装置7を操作するためのリクライニング用操作レバー17と、スライド装置8を操作するためのスライド用操作レバー18が設けられている。リクライニング用操作レバー17は、本発明のシートバック角度調整用操作部に相当し、スライド用操作レバー18は、本発明のシート前後位置調整用操作部に相当する。
シート調整用操作部14であるリクライニング用操作レバー17及びスライド用操作レバー18は、グリップ部11の近傍を避けて配置されている。グリップ部11を避けて、シート調整用操作部14を配置することで、乗員Hが、咄嗟にグリップ部11に手を伸ばしたときに、シート調整用操作部14に当たり、リクライニング装置7やスライド装置8を誤操作することを抑制できる。
具体的には、リクライニング用操作レバー17は、図4に示すように、シートバック2と一体に形成されたヘッドレスト3の側部に設けられている。また、ヘッドレスト3とシートバック2が別に作成されている場合、リクライニング用操作レバー17は、シートバック2の上端部に設けられてもよい。
リクライニング用操作レバー17は、シートクッション1の前方端部に設けられたグリップ部11から離れて設けられているため、車両Vが激しく揺動したときに乗員Hが咄嗟にグリップ部11に手を伸ばしてもリクライニング用操作レバー17に触れることがない。そのため、リクライニング装置7の誤操作が抑制される。
また、スライド用操作レバー18は、乗物用シートSの前後位置を変更する際に、スライド装置8のロックを解除し移動可能にするために設けられる。スライド用操作レバー18は、図1に示すように、シートクッション1の前端部の下方に配置されている。スライド用操作レバー18が、シートクッション1の前端部の下方に配置されていることで、グリップ部11に手を伸ばしても、誤ってスライド用操作レバー18に腕や手が当接することがなく、スライド装置8の誤操作が抑制される。
<グリップ部11の位置の変更>
グリップベース10にグリップ位置変更部19を設け、グリップ位置変更部19により、グリップ部11の位置又は延出方向の傾斜角度αが変更可能に構成されてもよい。グリップ部11の位置の変更は、グリップ部11自体を上下方向に移動させたり、図2の点線で示すように、グリップ部11をシート前後方向に延びる軸線を中心に回転させたりすることで実現するとよい。また、グリップ部11の傾斜角度αの変更については、シート幅方向に延びる軸線を中心にグリップ部11が前後方向に回動できるように、グリップ部11をグリップベース10に設けるとよい。グリップ部11の位置又は延出方向の傾斜角度αが変更可能に構成されることで、グリップ部11を乗員Hの体格に合わせた適切な位置に配置することができる。
グリップ位置変更部19にアクチュエータを設け、グリップ部11を電動により自動でその位置や傾斜角度αが変更できるようにしてもよい。この場合、グリップ部11を動かすグリップ位置変更部19は、車内又は乗物用シートSに設けられたECU20と接続して制御される。ECU20は、本発明の制御部に相当する。
乗員Hが乗物用シートSに着座していないときに、グリップ部11を回動させシートクッション1の着座面より下方に位置するように移動させてもよい。グリップ部11の位置が下がることで、乗員Hが乗物用シートSに乗り込みやすくなる。
このとき、シートベルト15のバックル16に設けられたロックセンサ21により、バックル16のロックが検知されたとき、ECU20は、グリップ部11を上昇させ、乗員Hが自然に掴めるような位置にグリップ部11を配置するとよい。このとき、ECU20は、着座センサにより乗員Hの体重や体格を推定し、グリップ部11を適切な位置に配置するようにしてもよい。
<変形例>
図1から図4に示す乗物用シートSでは、グリップベース10に凹部12を設け、大腿部を支持していたが、大腿部を支持する手段はこれに限定されない。例えば、図5に示す乗物用シートSAのグリップベース10Aのように、グリップベース10Aは、凹部12の代わりに、傾斜部23を有してもよい。傾斜部23は、上端部から下端部に向かうにしたがってシート幅方向において外側に位置するように傾斜している。言い換えれば、傾斜部23は、グリップ部11を支持する上端部が、下端部よりもシート幅方向において内側に位置するように形成されている。乗員Hは、内側に傾斜する傾斜部23を大腿部に押し当てることにより下半身を支持することができる。
<第二実施例>
図1から図4に示す乗物用シートSでは、乗員が自然に手を伸ばした位置であるシートクッション1の側部前方にグリップ部11を設けていたが、グリップ部11が設けられる位置はこれに限定されない。
例えば、乗物が四輪のオフロード用の車両Vの場合、図6に示すように、ロールバー30のアッパー部30aの下方にロールバー用グリップ部31を設けてもよい。ロールバー30のアッパー部30aの下側部分は、乗員Hが自然に手伸ばして届く位置であり、その部分にロールバー用グリップ部31を設けることで、乗員Hは咄嗟に掴むことができる。ロールバー用グリップ部31をアッパー部30aの下方に設けることで、乗員Hがロールバー30を直接把持することも抑制される。すなわち、アッパー部30aの下方にロールバー用グリップ部31を設けることにより、車両Vの揺動時における身体安定性を高めることができる。
乗物用シートSに設けられたグリップ部11と同様に、ロールバー用グリップ部31に照明装置33が設けられてもよい。夜間走行時にロールバー用グリップ部31の周辺が明るくなり、乗員Hは確実にロールバー用グリップ部31を把持することができる。
また、ロールバー30に接触しているもの、例えばロールバー支持部32の周りに保護部材34が配置されてもよい。また、ロールバー用グリップ部31と同様に保護部材34に照明装置33が設けられてもよい。
以上、図を用いて本発明の実施形態について説明した。本実施形態では、四輪のオフロード用車両に搭載される乗物用シートとして説明したが、乗物用シートは、不整地走行するオフロード用車両だけでなく、整地された道路を走行するオンロード用車両に搭載されてもよい。
V 車両
S 乗物用シート
P パッド
T 表皮
1 シートクッション
2 シートバック
3 ヘッドレスト
7 リクライニング装置
8 スライド装置
8a ロアレール
8b アッパーレール
10、10A グリップベース(サイド支持部)
11 グリップ部
12 凹部
13 ベルト通し穴
14 シート調整用操作部
15 シートベルト
16 バックル
17 リクライニング用操作レバー(シートバック角度調整用操作部)
18 スライド用操作レバー(シート前後位置調整用操作部)
19 グリップ位置変更部
20 ECU(制御部)
21 ロックセンサ
22 照明装置
23 傾斜部
30 ロールバー
30a アッパー部
31 ロールバー用グリップ部
32 ロールバー支持部
33 照明装置
34 保護部材

Claims (13)

  1. 乗物用シートであって、
    シートクッションと、
    該シートクッションの側部に設けられ、前記乗物用シートに着座した乗員の大腿部をシート幅方向外側から支持するサイド支持部と、を備えることを特徴とする乗物用シート。
  2. 前記サイド支持部は、シート幅方向において内側から外側に向けて窪む凹部を備えることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記サイド支持部は、シート幅方向において上端部が下端部よりも内側に位置する傾斜部を備えることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  4. 前記乗物用シートの側部前方に位置するグリップ部を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の乗物用シート。
  5. 前記グリップ部は、前記サイド支持部に支持されることを特徴とする請求項4に記載の乗物用シート。
  6. 前記グリップ部の延出方向は、前方から後方に向かうに従って下降していることを特徴とする請求項4に記載の乗物用シート。
  7. 前記グリップ部は、前記シートクッションの左右の側部それぞれに設けられることを特徴とする請求項4に記載の乗物用シート。
  8. 前記シートクッションの下方に設けられ、前記乗物用シートを床面にスライド可能に取り付けるスライド装置を備え、
    前記スライド装置は、前記床面に固定されるロアレールと、該ロアレール上をスライドするアッパーレールとを備え、
    前記サイド支持部は、前記アッパーレールに固定されることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
  9. 前記グリップ部は、位置又は延出方向の傾斜角度が変更可能に取り付けられることを特徴とする請求項4に記載の乗物用シート。
  10. 前記グリップ部の位置又は延出方向の傾斜角度を変更するグリップ位置変更部と、
    バックルを有するシートベルトと、
    前記バックルのロックを検知するロックセンサと、
    該ロックセンサに接続され、前記グリップ位置変更部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記ロックセンサが前記バックルのロックを検知したとき、前記グリップ位置変更部を駆動させ前記グリップ部の位置又は角度を変更することを特徴とする請求項9に記載の乗物用シート。
  11. 前記乗物用シートの位置又は形状を変更するための入力を受け付けるシート調整用操作部を備え、
    前記シート調整用操作部は、前記グリップ部の近傍を避けて配置されることを特徴とする請求項4に記載の乗物用シート。
  12. 前記シートクッションの下方に設けられ、前記乗物用シートを床面にスライド可能に取り付けるスライド装置を備え、
    前記シート調整用操作部は、前記スライド装置により、前記乗物用シートの前後位置を調整するための入力を受け付けるシート前後位置調整用操作部であり、
    前記シート前後位置調整用操作部は、前記シートクッションの前端部の下方に配置されてることを特徴とする請求項11に記載の乗物用シート。
  13. シートバックと、
    ヘッドレストと、
    該シートバックを前記シートクッションに対して前後方向に回動させるリクライニング装置と、を備え、
    前記シート調整用操作部は、前記リクライニング装置により、前記シートクッションに対する前記シートバックの傾斜角度を調整するための入力を受け付けるシートバック角度調整用操作部であり、
    前記シートバック角度調整用操作部は、前記シートバックの上端部又は前記ヘッドレストの側部に配置されることを特徴とする請求項11に記載の乗物用シート。
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