JP2024062607A - 紙器箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で、輸送時には蓋フラップを閉位置に保持でき、開放時には作業性が損なわれることを防止でき、開放状態では外観が損なわれることを防止できる紙器箱を提供する。【解決手段】紙器箱10は、底板11、側板13A,13B、天板12、前後方向Yの後側の開口17を塞ぐ後板14、前後方向Yの前側の開口18の上部を塞ぐ前板15、及び開口18の下側部分を塞ぐ蓋フラップ16を備える。蓋フラップ16は、底板11に連なり、開口18の前板15よりも下側を閉鎖した閉位置と、開口18の下側を開放した開位置とに回動可能である。前板15の下端には、開放用折曲線51を介して連なり、閉位置の蓋フラップ16の外面に重なって、蓋フラップ16を閉位置に保持するための保持片50が設けられている。【選択図】図2

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、紙器箱に関する。
特許文献1には、底板、一対の側板、天板、後板、及び前板を備える紙器箱が開示されている。この紙器箱では、前板の底板側に開口が形成され、底板に開口を閉鎖する回動可能な蓋フラップが連設され、閉位置から開位置への蓋フラップの回動による開口の開放によって、収容した物品を取り出せる。
実公昭54-37380号公報
特許文献1の紙器箱では、輸送時、収容した物品の衝突によって蓋フラップに内側から外側へ押圧力が加わると、蓋フラップが閉位置から開位置に回動し、開口が開放する可能性がある。蓋フラップの開回動を防ぐには、前板と蓋フラップをメルトやテープによって貼着すること、破断線を介して前板と蓋フラップを連設することが考えられる。前者の場合、開放時、メルトやテープを剥がす必要があるため、紙器箱の開放作業性が損なわれるうえ、前板又は蓋フラップの表面の一部の印刷が剥がれるため、紙器箱の外観が損なわれる。後者の場合、開放時、破断線に沿って前板と蓋フラップの間を破断する必要があるため、やはり開放作業性が損なわれるうえ、破断部分によって紙器箱の外観が損なわれる。これらの不都合について、特許文献1では何ら考慮されていない。
本発明は、簡素な構成で、輸送時には蓋フラップを閉位置に保持でき、開放時には作業性が損なわれることを防止でき、開放状態では外観が損なわれることを防止できる紙器箱を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、第1方向、及び前記第1方向と交差する第2方向に延びる底板と、前記底板の前記第1方向の両側にそれぞれ連なり、前記第2方向、及び前記第1方向と前記第2方向の双方に交差する第3方向に延びる一対の側板と、前記一対の側板にそれぞれ連なり、前記底板に対して前記第3方向に対向する天板と、前記底板、前記一対の側板、及び前記天板によって画定された前記第2方向の一端側の第1開口を塞ぐ後板と、前記底板、前記一対の側板、及び前記天板によって画定された前記第2方向の他端側の第2開口の上部を塞ぐ前板と、前記底板に連なり、前記第2開口の前記前板よりも下側を閉鎖した閉位置と、前記第2開口の前記下側を開放した開位置とに回動可能な蓋フラップと、前記前板の下端に折曲線を介して連なり、前記閉位置の前記蓋フラップの外面に重なって、前記蓋フラップを前記閉位置に保持するための保持片とを備える、紙器箱を提供する。
紙器箱は、前板の下端に折曲線を介して連なり、蓋フラップを閉位置に保持するための保持片を備える。このように、前板の下端に保持片を突設するという簡素な構成で、蓋フラップを閉位置に確実に保持できる一方、折曲線に沿った保持片の折り曲げによって、蓋フラップを閉位置から開位置に容易に開放できる。これにより、輸送時、収容した物品の移動によって押圧された蓋フラップが、閉位置から開位置に回動して第2開口が開放することを抑制できる。そのため、前板と蓋フラップを、メルトやテープによって貼着する必要はないうえ、破断線を介して連設した構成にする必要もない。よって、開放時には、メルトやテープを剥がす必要はないうえ、破断線に沿って前板と蓋フラップを破断する必要もないため、紙器箱の開放作業性が損なわれることを防止できる。しかも、前板又は蓋フラップの表面の一部の印刷が剥がれることはないうえ、破断部分が露出することもないため、開放状態の紙器箱の外観が損なわれることを防止できる。
本発明では、簡素な構成で、輸送時には蓋フラップを閉位置に保持でき、開放時には作業性が損なわれることを防止でき、開放状態では外観が損なわれることを防止できる。
本発明の実施形態に係る紙器箱の斜視図。 図1のII-II線断面図。 開放状態の紙器箱の斜視図。 図3のIV-IV線断面図。 図1の紙器箱のブランクの平面図。 製函する際の一過程を示す斜視図。 製函する際の他の一過程を示す斜視図。 製函する際の他の一過程を示す斜視図。 製函した紙器箱の背面側の斜視図。 輸送時の紙器箱の姿勢を示す斜視図。 第1変形例の紙器箱の斜視図。 第2変形例における紙器箱のブランクの一部の平面図。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1から図4を参照すると、本発明の実施形態に係る紙器箱10は、転動可能な複数の物品(カプセル)が収容され、開口18から物品を取出可能なストッカーである。開口18は、輸送時には回動可能な蓋フラップ16によって閉鎖され(図1及び図2参照)、使用時には蓋フラップ16の開操作によって開放される(図3及び図4参照)。
添付図面において、X方向は紙器箱10の幅方向(第1方向)である。Y方向は紙器箱10の前後方向(第2方向)であり、矢印で示す向きが後側で、矢印とは逆向きが前側である。Z方向は紙器箱10の高さ(厚さ)方向(第3方向)である。図1及び図2を参照すると、紙器箱10の幅方向Xの寸法は前後方向Yの寸法よりも大きく、高さ方向Zの寸法は幅方向Xの寸法よりも大きい。但し、幅方向X、前後方向Y、及び高さ方向Zそれぞれの寸法は、必要に応じて変更が可能である。
紙器箱10は、図5に示す一枚のブランクを、所定部位を貼着して折り曲げることによって製函されている。ブランクは、周知の紙器打抜装置によって、紙製の段ボールシートを打ち抜いて形成されている。段ボールシートは、表ライナ(紙器箱10の外面側)と裏ライナ(紙器箱10の内面側)の間に波状の中しんを配設した周知の構成である。図5に一点鎖線で記載した部分は、肉厚を圧縮するように裏ライナの方から罫を入れて形成した汎用罫線である。図5に実線で記載した部分は、裏ライナから表ライナにかけて刃を入れて形成した切断線、及び打ち抜きによる形状線(辺)である。
図1及び図2を参照すると、紙器箱10は、底板11、天板12、側板13A,13B、後板14、前板15、及び蓋フラップ16を備える。底板11、天板12、及び側板13A,13Bからなる四角筒状の外周壁のうち、図2において左側(一端側)に位置する後端の開口(第1開口)17は、後板14によって閉鎖されている。図2において右側(他端側)に位置する前端の開口(第2開口)18の上部は、前板15によって閉鎖され、開口18の下部は、蓋フラップ16によって開放可能に閉鎖されている。
以下、底板11、天板12、側板13A,13B、後板14、前板15、及び蓋フラップ16の構成を具体的に説明する。
底板11は、XY平面に沿って延びる四角形状である。天板12は、底板11と同一の四角形状であり、底板11に対して高さ方向Zに対向し、XY平面に沿って延びている。本実施形態の天板12は、天板本体19と付代片20によって構成され、例えば酢酸ビニルエマルジョン系の接着剤によって接着されている。
側板13A,13Bは、いずれもYZ平面に沿って延びる同一の四角形状で、幅方向Xに対向している。側板13A,13Bの下端は、底板11の幅方向Xの両側にそれぞれ折曲部22を介して連なり、側板13A,13Bの上端は、天板12の幅方向Xの両側にそれぞれ折曲部23を介して連なっている。
図5を参照すると、付代片20、側板13A、底板11、側板13B、及び天板本体19は、この順で左側から右側へと連設されている。底板11と側板13Aの間、及び底板11と側板13Bの間には、それぞれ図1に示す折曲部22を構成する折曲線22aが設けられている。側板13Aと付代片20の間、及び側板13Bと天板本体19の間には、図1に示す折曲部23を構成する折曲線23aが設けられている。折曲線22a,23aはいずれも汎用罫線によって構成されている。
図2、図8、及び図9を参照すると、後板14は、YZ平面に沿って延びる四角形状で、折曲部24を介して側板13Aに連なっている。後板14の折曲部24とは反対側の先端には、側板13Bの内側に差し込まれる差込片25が折曲部26を介して連設されている。折曲部26上には、段ボールシートを厚さ方向に貫通したロック溝27が設けられている。側板13Bには、ロック溝27に差し込まれ、差込片25の抜け止めを図るためのロック片28が設けられている。天板12には、後板14の内側に重ねて配置される後側内フラップ29が折曲部30を介して連設されている。
図5を参照すると、後板14は側板13Aの下側に連設され、これらの間には図9に示す折曲部24を構成する折曲線24aが設けられている。差込片25は後板14の下側に連設され、これらの間には、図9に示す折曲部26を構成する折曲線26aと、切断線によって構成されたロック溝27とが設けられている。なお、ロック溝27の形成部分には折曲線26aは形成されていない。ロック片28は側板13Bの下側に設けられ、切断線によって区画されている。後側内フラップ29は天板本体19の下側に連設され、これらの間には図9に示す折曲部30を構成する折曲線30aが設けられている。折曲線24a,26a,30aはいずれも汎用罫線によって構成されている。
図1及び図2を参照すると、前板15は、YZ平面に沿って延びる四角形状で、折曲部32を介して天板12に連なり、後板15に対して前後方向Yに対向している。前板15の全高は、開口18の概ね上半分(上部)を塞ぐ寸法である。図1及び図6を参照すると、側板13Aの前端(前板15側)には、前側内フラップ33が折曲部34を介して連設され、側板13Bの前端には、前側内フラップ35が折曲部36を介して連設されている。前側内フラップ33,35は前板15の内側に重ねて配置され、前側内フラップ33,35の下端は前板15の下端よりも下側に突出している。
図5を参照すると、前板15は天板本体19の上側に連設され、これらの間には図1に示す折曲部32を構成する折曲線32aが設けられている。前側内フラップ33は側板13Aの上側の左寄りに連設され、これらの間には図1に示す折曲部34を構成する折曲線34aと、後に詳述する貫通溝38とが設けられている。前側内フラップ35は側板13Bの上側の右寄りに連設され、これらの間には図1に示す折曲部36を構成する折曲線36aと貫通溝38とが設けられている。折曲線32a,34a,36aは、いずれも汎用罫線によって構成されている。
図2及び図6を参照すると、側板13A,13Bと前側内フラップ33,35の稜部である折曲部34,36と前板15には、側板13A,13Bと前板15を連結するための連結部37が設けられている。連結部37は、前板15の全高の中央領域に設けられ、折曲部34,36にそれぞれ設けられた貫通溝38と、前板15の幅方向Xの両側にそれぞれ設けられた連結片39とで構成されている。貫通溝38は、前側内フラップ33,35側に位置するように折曲部34,36に隣接して設けられ、段ボールシートを厚さ方向に貫通し、高さ方向Zに延びている。連結片39は、折曲部40を介して前板15に連設されており、高さ方向Zの両側へそれぞれ突出する突部39aを備える。一対の突部39aの頂部間の寸法、つまり連結片39の最大幅は、貫通溝38に差込可能な範囲で、貫通溝38の全長よりも大きく設定されている。
図5を参照すると、貫通溝38は、それぞれ切断線によって構成されており、折曲線34a,36aの上側に隣接して設けられている。貫通溝38の形成部分には折曲線34a,36aは形成されていない。連結片39は前板15の両側に連設され、これらの間には図6に示す折曲部40を構成する折曲線40aが設けられている。折曲線40aは汎用罫線によって構成されている。
引き続いて図5を参照すると、図5において左側の連結片39(一対の連結片39のうちの一方)は、フラップ35に隣接して設けられている。前側内フラップ35は連結片39の形成位置まで延設されている。ブランクの状態で前板15の揺動を抑制するために、隣接した前側内フラップ35と連結片39は、切断線41によって区画され、破断可能な全長の連続部41aによって連設されている。ここで、破断可能な全長とは、外力を加えることによって、隣り合う切断線41が比較的容易に繋がることが可能な長さのことを意味する。
図1から図4を参照すると、蓋フラップ16は、底板11の前端に折曲部43を介して連なっている。蓋フラップ16は、折曲部43を中心として、図1及び図2に示す閉位置と図3及び図4に示す開位置とに回動可能であり、閉位置では開口18の前板15よりも下側部分を閉鎖し、開位置では開口18の下側部分を開放する。
図2に最も明瞭に示すように、閉位置にある蓋フラップ16の上端は、前板15の下端よりも下側に位置し、前側内フラップ33,35の下端よりも上側かつ外面側に位置する。図4に最も明瞭に示すように、蓋フラップ16が開位置に回動した状態では、蓋フラップ16は、底板11から離れるに従って上側へ傾斜している。底板11と蓋フラップ16とがなす角θは、定められた開き角度に設定されている。なす角θは、開口18に位置し、他の物品の荷重を受けた転動可能な物品が蓋フラップ16からこぼれ落ちることを抑制でき、蓋フラップ16上に位置する物品の取出性が良好な開き角度(例えば160度)に設定されている。
図2、図3、及び図4を参照すると、蓋フラップ16の幅方向Xの両側には、枠板44が折曲部45を介して連設されている。一対の枠板44は、いずれも折曲部43を中心とする扇形状で、蓋フラップ16に対して折り曲げられ、側板13A,13Bの内側にそれぞれ隣接して配置されている。枠板44の底板11側の端には、蓋フラップ16が図4に示す開位置にあるときに上向きに突出し、前側内フラップ33,35の内面に当接可能な当接部44aが設けられている。この当接部44aの形成位置の変更によって、底板11と蓋フラップ16とがなす角θを変更できる。
図5を参照すると、蓋フラップ16は底板11の上側に連設され、これらの間には図1に示す折曲部43を構成する折曲線43aが設けられている。一対の枠板44は蓋フラップ16の両側にそれぞれ連設され、これらの間には図4に示す折曲部45を構成する折曲線45aが設けられている。また、一対の枠板44は、側板13A,13Bの上側かつ前側内フラップ33,35の横に隣接している。一対の枠板44と側板13A,13Bは、いずれも切断線46によって区画され、破断可能な全長の連続部46aによって連設されている。また、一対の枠板44と前側内フラップ33,35は、いずれも切断線47によって区画されている。
図1から図4を参照すると、このように構成された紙器箱10に対し、本実施形態では、蓋フラップ16を閉位置に保持するための保持片50と、枠板44の倒れ込みを防止する突片53とが設けられている。また、底板11上には、物品を開口18に案内する傾斜板56が設けられている。
以下、保持片50、突片53、及び傾斜板56の構成を具体的に説明する。
図1及び図2を参照すると、保持片50は、前板15の幅方向Xの横幅と同じ横幅を有する四角形状で、前板15の下端から開放用折曲線51を介して下向きに突出している。図5を参照すると、保持片50は前板15の上側に連設されている。開放用折曲線51は、汎用罫線上に破断困難な間隔をあけて複数の切断線を設けたリード罫によって構成されている。破断困難な間隔とは、外力を加えることによって、隣り合う切断線が繋がることが困難な長さのことを意味する。但し、開放用折曲線51は、裏ライナのみを切断したハーフカット線や汎用罫線であってもよく、前板15に対して保持片50を折曲可能で分離不可能な構成であれば、必要に応じて変更が可能である。
保持片50の全高は、蓋フラップ16が図2に示す閉位置にあるとき、蓋フラップ16の外面に重なる寸法で形成されている。蓋フラップ16に対する保持片50の重なり代Osを過度に小さくすると、例えば収容した物品の衝突によって蓋フラップ16に内側から外側へ押圧力が加わると、蓋フラップ16を閉位置に保持できない可能性がある。一方で、重なり代Osを過度に大きくすると、図5に示すブランクが一部だけ過度に大きくなるため、段ボールシートから紙器箱10を打抜可能な数(歩留まり)が低減する。これらの不都合を防ぐために、蓋フラップ16に対する保持片50の重なり代Osは、1mm以上、かつ蓋フラップ16の全高Hに対して1/3以下の範囲に設定することが好ましい。
開放用折曲線51は、閉位置の蓋フラップ16の上端よりも上側、かつ保持片50の下端から上側へ5mmの位置よりも上側(5mmの位置以上)に形成されている。また、開放用折曲線51は、前板15と側板13A,13Bの連結部37の下端よりも下側(連結部37の下端の位置未満)の位置に形成されている。開放用折曲線51の形成位置を過度に低くすると、言い換えれば前板15の高さ方向Zの寸法を過度に長くすると、前板15の下端と蓋フラップ16の上端の間の隙間が狭くなるため、蓋フラップ16を閉位置から開位置に回動させるときの操作性が損なわれる可能性がある。一方で、開放用折曲線51の形成位置を過度に高くすると、他部材との干渉により開放用折曲線51に沿って保持片50が折れ曲がり易くなり、この状態で蓋フラップ16に内側から外側へ押圧力が加わると、蓋フラップ16が開回動する可能性がある。これらの不都合を防ぐために、開放用折曲線51は、上記定められた範囲に形成することが好ましい。
例えば、本実施形態の紙器箱10は、重さ30gの物品を40個(総重量1.2kg)収容した状態で、閉位置から開位置への蓋フラップ16の回動を防ぐために、蓋フラップ16と保持片50の重なり代Os、及び開放用折曲線51の形成位置は、次のように設定される。まず、紙器箱10を構成する段ボールシートの厚みは1mmである。保持片50の重なり代Osは、全高79mmの蓋フラップ16に対して7mmに設定されている。前板15の下端と蓋フラップ16の上端の間の隙間は13mmに設定され、開放用折曲線51の形成位置、つまり保持片50の全高は20mmに設定されている。このようにすれば、総重量1.2の物品を収容したとき、輸送中に物品の衝突によって蓋フラップ16に内側から外側へ押圧力が加わっても、保持片50によって保持した蓋フラップ16が開回動することを抑制できる。
図2、図4、及び図7を参照すると、突片53は、枠板44に対して近傍に位置する側板13A,13Bとは反対側に隣接するように、内フラップ29の下端から下向きに突出して設けられている。突片53は半円形状であり、下端の頂部は蓋フラップ16の上端及び枠板44の外周縁よりも下側に位置している。但し、突片53の形状は、下端が枠板44の外周縁よりも下側に位置していれば、必要に応じて変更が可能である。この突片53によって近傍の側板13A,13Bとの間には、幅方向Xの内側、つまり蓋フラップ16の中央側への枠板44の倒れ込みを防止しつつ、枠板44を案内するガイド溝54が形成されている。図5を参照すると、突片53は、枠板44との間を区画する切断線47の一部を、枠板44側へ突出した形状とすることによって形成されている。
図2から図4を参照すると、傾斜板56は、底板11の後板14側に連設され、底板11上に折り返されて、後板14側から前板15側に向けて下側に傾斜している。より具体的には、傾斜板56は折曲部57を介して背面板58に連設され、この背面板58が折曲部59を介して底板11に連設されている。背面板58は、XZ平面に沿って延びる四角形状で、後板14の内面側に隣接して配置されている。背面板58の全高は、傾斜板56に必要な傾斜角度と底板11の前後方向Yの長さに応じて設定されている。前述の後側内フラップ29の全高は、開口17の背面板58よりも上側を覆う寸法である。
図5及び図8を参照すると、傾斜板56の幅方向Xの寸法は、側板13A,13B間の寸法よりも小さい。傾斜板56の幅方向Xの両側の後板14寄りには、側板13A,13Bの内面に当接する凸部56aがそれぞれ設けられている。一対の凸部56aの先端間の寸法は、側板13A,13Bの内面間の寸法と同等である。収容した物品の数が減って傾斜板56に加わる重量が減ったとき、側板13A,13Bに対する凸部56aの当接による両者間の摩擦抵抗によって、傾斜板56が浮き上がることを抑制している。また、凸部56aによって傾斜板56と側板13A,13Bの間には、枠板44を挿通可能なスペースが確保される。
図5を参照すると、背面板58は底板11の下側に連設され、これらの間に図8に示す折曲部59を構成する折曲線59aが設けられている。傾斜板56は背面板58の下側に連設され、これらの間に図8に示す折曲部57を構成する折曲線57aが設けられている。折曲線57a,59aは、いずれも汎用罫線によって構成されている。傾斜板56と凸部56aの間には、折曲線や切断線は設けられていない。隣接して設けたられた左側の凸部56aと後板14は、切断線によって区画されている。
次に、紙器箱10の製函方法の一例を説明する。但し、紙器箱10の製函方法は、以下の順序に限られず、必要に応じて変更が可能である。
まず、図5に示すブラックのうち、底板11に対して側板13Aを折曲線22aに沿って折り曲げた後、側板13Bに対して天板本体19を折曲線23aに沿って折り曲げる。続いて、重畳した付代片20と天板本体19を接着剤によって接着する。この状態で、紙器箱10は出荷される。
続いて、図6に示すように、四角筒状をなすように底板11、側板13A,13B、及び天板11を広げる。この際、図5に示す前側内フラップ35と連結片39の間の連続部41aを破断するとともに、側板13A,13Bと枠板44の間の連続部46aを破断する。
続いて、図7に示すように、側板13A,13Bに対してそれぞれ前側内フラップ33,35を折り曲げる。また、蓋フラップ16に対して一対の枠板44を折り曲げた後、それぞれの枠板44が側板13A,13Bと突片53の間に配置されるように、底板11に対して蓋フラップ16を折り曲げる。
続いて、前板15に対して連結片39を折り曲げた後、天板12に対して前板15を折り曲げ、連結片39を貫通溝38に差し込む。これにより、図1及び図2に示すように、前板15が前側内フラップ33,35を介して側板13A,13Bに連結される。また、前側内フラップ33,35、蓋フラップ16、及び保持片50が、この順番で前後方向Xの後側(内側)から前側(外側)へ重なり合う。
次に、図8に示すように、背面板58に対して傾斜板56を折り曲げながら、底板11に対して背面板58を折り曲げ、傾斜板56を側板13A,13B間に差し込む。これにより、傾斜板56が、底板11に対して折り返され、底板11上に配置される。この状態で、開口17から紙器箱10内に物品を収容する。
続いて、天板12に対して後側内フラップ29を折り曲げた後、後板14に対して差込片25を折り曲げながら、側板13Aに対して後板14を折り曲げる。最後に、図2及び図9に示すように、差込片25を側板13Bの内側に差し込んだ後、ロック溝27にロック片28を差し込むことによって、紙器箱10が完成する。
図10を参照すると、封緘状態の紙器箱10は、前板15と蓋フラップ16を上側に位置させ、後板14を下側に位置させた姿勢で、所定の販売店に輸送され、そのまま店頭で使用される。この際、まず、図1及び図2に示す前板15に対して保持片50を開放用折曲線51に沿って折り曲げる。続いて、露出した蓋フラップ16の上端に指を引っ掛けて、蓋フラップ16を手前に引っ張る。これにより、図3及び図4に示すように、蓋フラップ16と枠板44が一体に回動し、開口18の下側部分を開放することができる。蓋フラップ16と枠板44の回動は、前側内フラップ33,35の内面への当接部44aの当接によって停止する。
このように構成した紙器箱10は、以下の特徴を有する。
紙器箱10は、前板15の下端に開放用折曲線51を介して連なり、蓋フラップ16を閉位置に保持するための保持片50を備える。このように、前板15の下端に保持片50を突設するという簡素な構成で、蓋フラップ16を閉位置に確実に保持できる一方、開放用折曲線51に沿った保持片50の折り曲げによって、蓋フラップ16を閉位置から開位置に容易に開放できる。よって、輸送時、収容した物品の衝突によって蓋フラップ16に内側から外側へ押圧力が加わっても、蓋フラップ16が閉位置から開位置に回動して開口18が開放することを抑制できる。
以上のように、簡素な構成で蓋フラップ16の開回動を抑制できるため、前板15と蓋フラップ16を、メルトやテープによって貼着する必要はないうえ、破断線を介して連設した構成にする必要もない。よって、開放時には、メルトやテープを剥がす必要はないうえ、破断線に沿って前板15と蓋フラップ16を破断する必要もないため、紙器箱10の開放作業性が損なわれることを防止できる。しかも、前板15又は蓋フラップ16の表面の一部の印刷が剥がれることはないうえ、破断部分が露出することもないため、開放状態の紙器箱10の外観が損なわれることを防止できる。
蓋フラップ16に対する保持片50の重なり代Osは、1mm以上、かつ蓋フラップ16の全高Hに対して1/3以下である。これにより、保持片50によって閉位置の蓋フラップ16を確実に保持できる一方、紙器箱10のブランクが過度に大きくなることを防止できる。
前板15と保持片50の間の開放用折曲線51は、保持片50の下端から上側へ5mmの位置よりも上側、かつ前板15と一対の側板13A,13Bの連結部37の位置よりも下側に位置している。これにより、蓋フラップ16の開放時、開放用折曲線51に沿った保持片50の折り曲げによって、蓋フラップ16の上端を確実に露出させ、蓋フラップ16を閉位置から開位置に容易に回動できるため、蓋フラップ16の操作性を向上できる。
連結部37は、側板13A,13Bと内フラップ29の稜部に設けられた貫通溝38と、前板15に設けられた連結片39とで構成されている。これにより、紙器箱10の開口18の上部を確実に閉塞でき、輸送時には保持片50を介して蓋フラップ16を閉位置に確実に保持できる。
側板13A,13Bに連設された内フラップ29には、枠板44の側板13A,13Bとは反対側に隣接し、下向きに突出する突片53が設けられている。これにより、蓋フラップ16の中央側への枠板44の倒れ込みを防止できる。よって、蓋フラップ16を閉位置から開位置に安定して回動できる。また、突片53は、閉位置の蓋フラップ16の内面に当接するため、内フラップ29よりも内側への蓋フラップ16の回動も防止できる。また、蓋フラップ16は、保持片50と突片53によって挟み込まれるため、閉位置に確実に保持される。
一対の枠板44は、蓋フラップ16が開位置にあるときに上向きに突出し、内フラップ29の内面に当接する当接部44aを有する。これにより、前板15の内側から外側への枠板44の抜けを防止でき、蓋フラップ16を定められた開位置に確実に回動できる。
底板11上に折り返されて後板14側から前板15側に向けて下側に傾斜した傾斜板56を備える。これにより、紙器箱10内に収容された物品が転動可能な形状の場合、開放した開口18の下側に物品を転動させることができる。よって、開放状態で物品の取出性を向上できる。
傾斜板56の幅方向Xの寸法は一対の側板13A,13B間の寸法よりも小さく、傾斜板56の幅方向Xの両側には、側板13A,13Bの内面に当接する凸部56aが設けられている。これにより、凸部56aと側板13A,13Bの当接によって傾斜板56の傾斜状態を確実に維持できる。しかも、凸部56aによって傾斜板56と側板13A,13Bの間に枠板44を配置可能なスペースを確保できるため、枠板44による蓋フラップ16の回動の阻害を防止できる。
以下、本発明の他の実施形態並びに種々の変形例を説明するが、これらの説明において、特に言及しない点は第1実施形態と同様である。以下で言及する図面において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付している。
図11に示す第1変形例のように、保持片50は、前板15の下端の一部のみに設けられてもよい。この場合、図示のように保持片50は円弧状とすることができる。但し、保持片50は円弧状以外の形状であってもよいし、保持片50の数は2以上であってもよい。
図12に示す第2変形例のように、連結片39の突部39aは1個のみであってもよい。また、連結部37は、貫通溝38と連結片39による構成に限られず、前板15を閉鎖状態に維持できる構成であれば、必要に応じて変更可能である。
紙器箱10は、図2及び図4に示す傾斜板56を備えていない構成であってもよい。この場合、後板14は、固着された複数のフラップからなり、四角筒状をなすように底板11、側板13A,13B、及び天板11を広げることによって、開口17を自動閉鎖可能なワンタッチ式としてもよく、後板14の構成は必要に応じて変更が可能である。
紙器箱10の素材は、紙製の段ボールシートに限らず、樹脂製の段ボールシートであってもよい。また、紙器箱10の素材は、段ボールシートに限られず、単層の厚紙や樹脂シートであってもよい。
10 紙器箱
11 底板
12 天板
13A,13B 側板
14 後板
15 前板
16 蓋フラップ
17 開口(第1開口)
18 開口(第2開口)
19 天板本体
20 付代片
22~24 折曲部
22a~24a 折曲線
25 差込片
26 折曲部
26a 折曲線
27 ロック溝
28 ロック片
29 後側内フラップ
30 折曲部
30a 折曲線
32 折曲部
32a 折曲線
33 前側内フラップ(内フラップ)
34 折曲部
34a 折曲線
35 前側内フラップ(内フラップ)
36 折曲部
36a 折曲線
37 連結部
38 貫通溝
39 連結片
39a 突部
40 折曲部
40a 折曲線
41 切断線
41a 連続部
43 折曲部
43a 折曲線
44 枠板
44a 当接部
45 折曲部
45a 折曲線
46 切断線
46a 連続部
47 切断線
50 保持片
51 開放用折曲線
53 突片
54 ガイド溝
56 傾斜板
56a 凸部
57 折曲部
57a 折曲線
58 背面板
59 折曲部
59a 折曲線
Os 重なり代
H 蓋フラップの全高
X 幅方向(第1方向)
Y 前後方向(第2方向)
Z 高さ方向(第3方向)

Claims (7)

  1. 第1方向、及び前記第1方向と交差する第2方向に延びる底板と、
    前記底板の前記第1方向の両側にそれぞれ連なり、前記第2方向、及び前記第1方向と前記第2方向の双方に交差する第3方向に延びる一対の側板と、
    前記一対の側板にそれぞれ連なり、前記底板に対して前記第3方向に対向する天板と、
    前記底板、前記一対の側板、及び前記天板によって画定された前記第2方向の一端側の第1開口を塞ぐ後板と、
    前記底板、前記一対の側板、及び前記天板によって画定された前記第2方向の他端側の第2開口の上部を塞ぐ前板と、
    前記底板に連なり、前記第2開口の前記前板よりも下側を閉鎖した閉位置と、前記第2開口の前記下側を開放した開位置とに回動可能な蓋フラップと、
    前記前板の下端に開放用折曲線を介して連なり、前記閉位置の前記蓋フラップの外面に重なって、前記蓋フラップを前記閉位置に保持するための保持片と
    を備える、紙器箱。
  2. 前記蓋フラップに対する前記保持片の重なり代は、1mm以上、かつ前記蓋フラップの全高に対して1/3以下である、請求項1に記載の紙器箱。
  3. 前記開放用折曲線は、前記保持片の下端から上側へ5mmの位置よりも上側、かつ前記前板と前記一対の側板の連結部の下端よりも下側に位置している、請求項1又は2に記載の紙器箱。
  4. 前記一対の側板の前記前板側にそれぞれ連設され、前記前板の内側に配置される一対の内フラップを備え、
    前記連結部は、前記側板と前記内フラップの稜部に設けられた貫通溝と、前記前板に設けられ、前記貫通溝への差し込みによって連結可能な連結片とで構成されている、
    請求項3に記載の紙器箱。
  5. 前記蓋フラップの前記第1方向の両側にそれぞれ連設され、前記一対の側板の内側にそれぞれ隣接して配置される一対の枠板と、
    前記一対の側板の前記前板側にそれぞれ連設され、前記前板の内側に配置される一対の内フラップと
    を備え、
    前記内フラップには、前記枠板の前記側板とは反対側に隣接し、下向きに突出する突片が設けられている、
    請求項1又は2に記載の紙器箱。
  6. 前記一対の枠板は、前記蓋フラップが前記開位置にあるときに上向きに突出し、前記内フラップの内面に当接する当接部を有する、請求項5に記載の紙器箱。
  7. 前記底板の前記後板側に連設され、前記底板上に折り返されて前記後板側から前記前板側に向けて下側に傾斜した傾斜板を備え、
    前記傾斜板の前記第1方向の寸法は、前記一対の側板間の寸法よりも小さく、
    前記傾斜板の前記第1方向の両側には、前記側板の内面に当接する凸部が設けられている、
    請求項1又は2に記載の紙器箱。
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