JP2024060065A - ロータおよびロータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】洗濯機を提供する。【解決手段】実施形態の洗濯機のロータの製造方法は、未着磁の主マグネットと未着磁の補助マグネットとを樹脂成形型において周方向に交互に配置して円環状または円弧状に並べるマグネット配置工程と、前記樹脂成形型に樹脂を充填して樹脂モールドする樹脂成型工程と、樹脂モールドされた前記主マグネットと前記補助マグネットを着磁する後着磁工程と、を持つ。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、洗濯機のロータおよびロータの製造方法に関する。
洗濯機のモータのトルクは高いことが望ましい。特許文献1には、小型かつ高トルクを実現可能な洗濯機のモータが記載されている。
本発明が解決しようとする課題は、磁力が高く、モータのトルクを向上させることができるロータおよびロータの製造方法を提供することである。
実施形態の洗濯機のロータの製造方法は、未着磁の主マグネットと未着磁の補助マグネットとを樹脂成形型において周方向に交互に配置して円環状または円弧状に並べるマグネット配置工程と、前記樹脂成形型に樹脂を充填して樹脂モールドする樹脂成型工程と、樹脂モールドされた前記主マグネットと前記補助マグネットを着磁する後着磁工程と、を持つ。
実施形態の洗濯機のロータは、主マグネットと、補助マグネットと、を持つ。前記主マグネットと前記補助マグネットとは、周方向に交互に配置されて円環状に形成されている。前記補助マグネットは、前記周方向に着磁され、前記主マグネットは、径方向に着磁されている。
以下、実施形態の洗濯機のロータおよびローラの製造方法を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
本明細書では、洗濯機の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機の下側とし、設置面とは反対側つまり鉛直上側を洗濯機の上側とする。また、洗濯機の正面に立つユーザから洗濯機を見た方向を基準に、左右を定義している。また、洗濯機から見て洗濯機の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書において「横幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。本明細書において「奥行方向」とは、上記定義における前後方向を意味する。図中において、+X方向が右方向、-X方向が左方向、+Y方向が後方向、-Y方向が前方向、+Z方向が上方向、-Z方向が下方向である。
(第1実施形態)
[1.洗濯機の全体構成]
図1から図5を参照し、第1実施形態の洗濯機1のロータ20およびロータ20の製造方法について説明する。まず、洗濯機1の全体構成について説明する。ただし、洗濯機1やロータ20は、以下に説明する構成の全てを有する必要はなく、いくつかの構成が適宜省略されてもよい。
[1.洗濯機の全体構成]
図1から図5を参照し、第1実施形態の洗濯機1のロータ20およびロータ20の製造方法について説明する。まず、洗濯機1の全体構成について説明する。ただし、洗濯機1やロータ20は、以下に説明する構成の全てを有する必要はなく、いくつかの構成が適宜省略されてもよい。
図1は、洗濯機1の前後方向に垂直な断面図である。
洗濯機1は、例えば、筺体11、トップカバー12、水槽13、回転槽14、パルセータ15、およびモータ16を有する。洗濯機1は、回転槽14の回転軸Oが鉛直方向を向いたいわゆる縦軸型の洗濯機である。なお、洗濯機1は、縦軸型に限られず、回転槽の回転軸が水平又は後方へ向かって下降傾斜した横軸型いわゆるドラム式洗濯機であってもよい。
洗濯機1は、例えば、筺体11、トップカバー12、水槽13、回転槽14、パルセータ15、およびモータ16を有する。洗濯機1は、回転槽14の回転軸Oが鉛直方向を向いたいわゆる縦軸型の洗濯機である。なお、洗濯機1は、縦軸型に限られず、回転槽の回転軸が水平又は後方へ向かって下降傾斜した横軸型いわゆるドラム式洗濯機であってもよい。
筺体11は、例えば鋼板によって全体として矩形箱状に構成されている。トップカバー12は、例えば合成樹脂製であって、筺体11の上部に設けられている。水槽13および回転槽14 は、洗濯対象となる衣類を収容する洗濯槽及び脱水槽として機能する。水槽13および回転槽14は、筺体11内に設けられている。水槽13および回転槽14は、上面が開口した容器状に構成されている。水槽13内の水は、排水口131から流出し、排水弁132を介して外部に排水される。
モータ16は、直径が水槽13よりも小さい扁平な円柱状の外観を有し、回転軸Oがその中心を通るように、水槽13の下側に組み付けられている。
[2.モータ16の構成]
図2は、ロータ20の斜視図である。図3は、ロータ20およびステータ30の一部の斜視図である。モータ16は、シャフト17と、ロータ(回転子)20と、ステータ(固定子)30と、を有する。モータ16は、ロータ20がステータ30の外側に備えられたアウターロータ型誘導モータである。ステータ30のステータコイル30cに交流電流を流して回転磁界を発生させることにより、ロータ20が回転する。シャフト17はロータ20に連結されており、ロータ20の回転にあわせて回転する。シャフト17の回転軸は、回転軸Oと一致する。
図2は、ロータ20の斜視図である。図3は、ロータ20およびステータ30の一部の斜視図である。モータ16は、シャフト17と、ロータ(回転子)20と、ステータ(固定子)30と、を有する。モータ16は、ロータ20がステータ30の外側に備えられたアウターロータ型誘導モータである。ステータ30のステータコイル30cに交流電流を流して回転磁界を発生させることにより、ロータ20が回転する。シャフト17はロータ20に連結されており、ロータ20の回転にあわせて回転する。シャフト17の回転軸は、回転軸Oと一致する。
シャフト17は、図示しないクラッチ機構を介して回転槽14およびパルセータ15に接続されている。クラッチ機構は、モータ16の回転を回転槽14およびパルセータ15に選択的に伝達する。モータ16およびクラッチ機構は、洗い時およびすすぎ時には、回転槽14の回転を停止させた状態でモータ16の駆動力をパルセータ15に伝達してパルセータ15を低速で直接正逆回転駆動する。一方、モータ16およびクラッチ機構は、脱水時等にはモータ16の駆動力を回転槽14に伝達して、回転槽14およびパルセータ15を一方向に高速で回転駆動させる。
ロータ(回転子)20は、扁平な有底円筒状の部材であり、中心部分が開口した円板状の底壁部21と、底壁部21の周縁に立設された円筒状の周壁部22と、ロータマグネット24と、を有する。底壁部21および周壁部22は、バックヨークとして機能するように、鉄板をプレス加工して形成されている。底壁部21には、放熱を行う複数のスリット21aが形成されている。
ロータマグネット24は、図2に示すように、複数の矩形板状の永久磁石からなり、周壁部22の内面に固定されている。ロータマグネット24は、主マグネット25と補助マグネット26とを有する。主マグネット25と補助マグネット26とは、周方向Cに交互に配置されている。主マグネット25と補助マグネット26とは、長手軸方向が平行になるように並んで配列されている。
隣り合う主マグネット25と補助マグネット26とは、樹脂モールドされている。隣り合う主マグネット25と補助マグネット26とは、主マグネット25と補助マグネット26とを支えるホルダーを用いることなく、樹脂モールドのみにより固定されている。隣り合う主マグネット25と補助マグネット26とは、少なくとも一部が接触した状態で樹脂モールドされていることが望ましい。
主マグネット25の上面25tと補助マグネット26の上面26tは、略同一平面を形成している。そのため、ロータマグネット24の上面には凹凸が少なく、ロータ20が回転するときに風切り音が発生しにくい。
主マグネット25と補助マグネット26とは、磁気配向が異なる。主マグネット25は、径方向Rに磁気配向された磁石である。補助マグネット26は、周方向Cに磁気配向され、主マグネット25の間に配置された磁石である。ロータマグネット24は、いわゆるハルバッハ配列磁石である。
主マグネット25および補助マグネット26は、フェライト磁石である。ロータマグネット24に対する着磁のしやすさの観点により、ネオジム磁石よりもフェライト磁石の方が主マグネット25および補助マグネット26として好適である。
主マグネット25の周方向Cの長さは、補助マグネット26の周方向Cの長さより長い。
ステータ(固定子)30は、図3に示すように、ロータ20の内径よりも外径が小さい円環状のステータコア30aと、ステータコア30aの外周縁から外側に張り出した磁極歯30bと、磁極歯30bに巻き付けられたステータコイル30cと、を有する。
[3.ロータ20の製造方法]
次に、ロータ20の製造方法について説明する。
次に、ロータ20の製造方法について説明する。
作業者は、未着磁の主マグネット25と、未着磁の補助マグネット26とを樹脂成形型(不図示)に挿入する。作業者は、図2に示すように、主マグネット25と補助マグネット26とを周方向Cに交互に配置し、円環状に並べる(マグネット配置工程)。作業者は、主マグネット25と補助マグネット26とを、長手軸方向が平行になるように並べて配列する。隣り合う主マグネット25と補助マグネット26とは、少なくとも一部が接触していることが望ましい。主マグネット25および補助マグネット26は、どちらも未着磁であるため、互いに接触させた状態を維持できる。
次に、作業者は樹脂成形型に樹脂を充填し、成形されたロータマグネット24を取り出す(樹脂成型工程)。なお、ロータマグネット24は、円弧状に分割して樹脂成形されたものを組み合わせて円環状に形成したものであってもよい。
図4は、ロータマグネット24を着磁する際のロータ20の一部の斜視図である。
次に、作業者はロータマグネット24を着磁装置(不図示)に挿入して、主マグネット25と補助マグネット26を着磁する(後着磁工程)。後着磁工程は、同極着磁工程と異極着磁工程とを有する。主マグネット25と補助マグネット26は、後着磁工程により永久磁石になる。
次に、作業者はロータマグネット24を着磁装置(不図示)に挿入して、主マグネット25と補助マグネット26を着磁する(後着磁工程)。後着磁工程は、同極着磁工程と異極着磁工程とを有する。主マグネット25と補助マグネット26は、後着磁工程により永久磁石になる。
主マグネット25と補助マグネット26はフェライト磁石であるため、ネオジム磁石が使用される場合と比較して、樹脂成型工程の後に行わる後着磁工程においても、好適に着磁を実施することができる。
着磁装置は、図4に示すように、着磁ヨーク40を有している。着磁ヨーク40は、第一着磁ヨーク40Aと、第二着磁ヨーク40Bと、第三着磁ヨーク40Cと、第四着磁ヨーク40Dと、を有している。着磁ヨーク40は、着磁電源(不図示)に接続されている。なお、本実施形態の着磁装置は4個の着磁ヨークを用いているが、着磁装置は、例えば、全ての主マグネット25と全ての補助マグネット26を同時に着磁可能な個数の着磁ヨークを有してもよい。
第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bとは対向して配置され、一個の主マグネット25の板厚方向の両側に配置される。第一着磁ヨーク40Aは径方向Rの外側に配置され、第二着磁ヨーク40Bは径方向Rの内側に配置される。後述する異極着磁工程において、対向する第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bに異極の磁場を発生させることで、挟まれた主マグネット25が一方向に着磁される(対向着磁)。
第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dとは対向して配置されている。第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dとは、第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bが挟み込む主マグネット25の隣の主マグネット25の板厚方向の両側に配置される。第三着磁ヨーク40Cは径方向Rの外側に配置され、第四着磁ヨーク40Dは径方向Rの内側に配置される。後述する異極着磁工程において、対向する第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dに異極の磁場を発生させることで、挟まれた主マグネット25が一方向に着磁される(対向着磁)。
以降の説明において、第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bが挟み込む未着磁の主マグネット25を「主マグネット25A(第一主マグネットともいう)」、第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dが挟み込む未着磁の主マグネット25を「主マグネット25B(第二主マグネットともいう)」とする。周方向Cにいて主マグネット25Aと主マグネット25Bに隣り合う未着磁の補助マグネット26を「補助マグネット26C」とする。
作業者は、まず同極着磁工程を実施する。図5は、同極着磁工程における着磁ヨーク40とロータマグネット24の一部を上方から見た模式図である。図6は、同極着磁工程における4個の着磁ヨーク40A,40B,40C,40Dに入力する電圧値を示すグラフである。作業者は、対向する第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bに同極の磁場を発生させる。また、対向する第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dに同極の磁場を発生させる。ここで、第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dに発生させる磁場は、第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bに発生させる磁場と異極である。図5に示すように、同極着磁工程により、補助マグネット26Cが周方向Cに着磁される。
なお、補助マグネット26Cを周方向Cにおいて反対方向に着磁させる場合、4個の着磁ヨーク40A,40B,40C,40Dに発生させる磁場を上記と反対の極にすればよい。
作業者は、次に異極着磁工程を実施する。図7は、異極着磁工程における着磁ヨーク40とロータマグネット24の一部を上方から見た模式図である。図8は、異極着磁工程における4個の着磁ヨーク40A,40B,40C,40Dに入力する電圧値を示すグラフである。作業者は、対向する第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bに異極の磁場を発生させる。また、対向する第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dに異極の磁場を発生させる。ここで、第四着磁ヨーク40Dに発生させる磁場は、第二着磁ヨーク40Bに発生させる磁場と異極である。異極着磁工程により、主マグネット25Aは、径方向Rに着磁される。また、主マグネット25Bは、径方向Rに着磁される。図7が示すように、同極着磁工程により着磁される主マグネット25Aと主マグネット25Bの磁気配向は径方向Rにおいて反対を向く。
図9は、異極着磁工程後における着磁ヨーク40とロータマグネット24の一部を上方から見た模式図である。同極着磁工程により着磁される主マグネット25Aと主マグネット25Bの磁気配向は径方向Rにおいて反対を向く。また、補助マグネット26Cの磁気配向は周方向Cを向く。
作業者は、同極着磁工程と異極着磁工程とを繰り返して、残りの主マグネット25と補助マグネット26を着磁し、ロータマグネット24を公知のハルバッハ配列磁石にする。作業者は、後着磁工程が完了したロータマグネット24と底壁部21と周壁部22とを組み合わせることでロータ20を組み上げる。
本実施形態に係る洗濯機1のロータ20によれば、隣り合う主マグネット25と補助マグネット26とは一部が接触した状態で樹脂モールドされている。また、ロータマグネット24は樹脂モールドのみにより固定されており、他のホルダー等を必要としない。また、本実施形態においては、主マグネット25と補助マグネット26とが高密度に配置されており、ロータ20の磁力を高めて、モータ16のトルクを向上させることができる。また、主マグネット25の上面25tと補助マグネット26の上面26tは略同一平面を形成されており、ロータ20が回転するときに風切り音が発生しにくい。
本実施形態に係る洗濯機1のロータ20の製造方法によれば、マグネット配置工程において、主マグネット25および補助マグネット26はどちらも未着磁であるため、互いに接触させた状態を維持できる。また、ロータマグネット24は樹脂成型工程において樹脂モールドのみにより固定されており、他のホルダー等を必要としない。また、ロータマグネット24は樹脂成型工程の後に行わる後着磁工程により着磁されるため、着磁された主マグネット25および補助マグネット26が反発して離れてしまうことがない。そのため、主マグネット25と補助マグネット26の配置の自由度が高い。本実施形態においては、主マグネット25と補助マグネット26とが高密度に配置されており、ロータ20の磁力を高めて、モータ16のトルクを向上させることができる。
本実施形態に係る洗濯機1のロータ20の製造方法によれば、後着磁工程は対向着磁により実施されるため、漏れ磁束等の発生を抑制し、着磁率を高めることができる。さらに、同極着磁工程により補助マグネット26を着磁可能であり、ハルバッハ配列のような特殊な配列を容易に実現可能である。また、同極着磁工程の後に異極着磁工程を実施することで、主マグネット25の減磁を抑制できる。異極着磁工程の後に同極着磁工程を実施すると、同極着磁工程において主マグネット25に対して意図する磁力と逆向きの磁力がかかってしまうからである。
(変形例1)
上記実施形態において、異極着磁工程では対向する第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bおよび対向する第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dに電圧を入力していたが、異極着磁工程の態様はこれに限定されない。図10は、異極着磁工程の変形例における着磁ヨーク40とロータマグネット24の一部を上方から見た模式図である。図11は、異極着磁工程の同変形例における4個の着磁ヨーク40A,40B,40C,40Dに入力する電圧値を示すグラフである。作業者は、第一着磁ヨーク40Aと第三着磁ヨーク40Cのみに磁場を発生させる。発生させる磁場は上記実施形態と同様である。異極着磁工程の同変形例によっても、上記実施形態同様、主マグネット25Aと主マグネット25Bは着磁される。異極着磁工程の同変形例において、着磁ヨーク40Bおよび着磁ヨーク40Dが電圧を入力されないため、補助マグネット26Cに対して意図する磁力と逆向きの磁力がかからない。そのため、補助マグネット26Cの減磁を抑制できる。
上記実施形態において、異極着磁工程では対向する第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bおよび対向する第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dに電圧を入力していたが、異極着磁工程の態様はこれに限定されない。図10は、異極着磁工程の変形例における着磁ヨーク40とロータマグネット24の一部を上方から見た模式図である。図11は、異極着磁工程の同変形例における4個の着磁ヨーク40A,40B,40C,40Dに入力する電圧値を示すグラフである。作業者は、第一着磁ヨーク40Aと第三着磁ヨーク40Cのみに磁場を発生させる。発生させる磁場は上記実施形態と同様である。異極着磁工程の同変形例によっても、上記実施形態同様、主マグネット25Aと主マグネット25Bは着磁される。異極着磁工程の同変形例において、着磁ヨーク40Bおよび着磁ヨーク40Dが電圧を入力されないため、補助マグネット26Cに対して意図する磁力と逆向きの磁力がかからない。そのため、補助マグネット26Cの減磁を抑制できる。
(第2実施形態)
図12から図16を参照し、第2実施形態の洗濯機1のロータ20の製造方法について説明する。第2実施形態は、後着磁工程の一部が異なっている。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図12から図16を参照し、第2実施形態の洗濯機1のロータ20の製造方法について説明する。第2実施形態は、後着磁工程の一部が異なっている。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
第2実施形態の洗濯機1のロータ20の製造方法は、マグネット配置工程と、樹脂成型工程と、後着磁工程と、を備えており、マグネット配置工程と樹脂成型工程は第1実施形態と同様である。以降、後着磁工程のみを説明する。
作業者は、まず同極着磁工程を実施する。図12は、同極着磁工程における着磁ヨーク40とロータマグネット24の一部を上方から見た模式図である。図13は、同極着磁工程における4個の着磁ヨーク40A,40B,40C,40Dに入力する電圧値を示すグラフである。第2実施形態においては、図13に示すように、第二着磁ヨーク40Bに入力する電圧値の絶対値は、第一着磁ヨーク40Aに入力する電圧値の絶対値より大きい。また、第四着磁ヨーク40Dに入力する電圧値の絶対値は、第三着磁ヨーク40Cに入力する電圧値の絶対値より大きい。
作業者は、次に異極着磁工程を実施する。異極着磁工程は第1実施形態と同様である。
図14は、異極着磁工程後における着磁ヨーク40A,40B,40C,40Dとロータマグネット24の一部を上方から見た模式図である。同極着磁工程により着磁される主マグネット25Aと主マグネット25Bの磁気配向は径方向Rにおいて反対を向く。一方、補助マグネット26Cの磁気配向は、第二着磁ヨーク40Bと第四着磁ヨーク40Dに入力する電圧値の絶対値が大きいため、周方向Cと同一方向に湾曲したC形状となる。その結果、第1実施形態と比較して、主マグネット25に磁力が流れやすくなり、ロータ20の磁力をより高めて、モータ16のトルクをより向上させることができる。
図15は、第1実施形態の洗濯機1のロータ20の製造方法により着磁された主マグネット25と補助マグネット26の一部を上方から見た模式図である。ステータ30側に出てくる磁気分布は、矩形波状となる。
図16は、第2実施形態の洗濯機1のロータ20の製造方法により着磁された主マグネット25と補助マグネット26の一部を上方から見た模式図である。ステータ30側に出る磁気分布は、補助マグネット26により磁束が曲げられることにより、正弦波状となる。その結果、第2実施形態のロータ20の磁力の方が、第1実施形態のロータ20の磁力よりも強くなる。なお、ステータ30側に出る磁気分布は、主マグネット25と補助マグネット26の磁力等の比率を適宜変更することにより、偏りを調整可能である。偏りの態様は特に限定されない。
(変形例2)
上記実施形態では、対向する着磁ヨークに入力する電圧値の絶対値を変えることで、補助マグネット26Cの磁気配向を湾曲したC形状としていた。ロータの製造方法は、対向する着磁ヨークに対して入力する電圧に時間差を設けることで、補助マグネット26Cの磁気配向を湾曲したC形状としてもよい。図17は、同極着磁工程における4個の着磁ヨーク40A,40B,40C,40Dに入力する電圧値を示すグラフである。変形例1においては、図17に示すように、第二着磁ヨーク40Bおよび第四着磁ヨーク40Dと、第一着磁ヨーク40Aおよび第三着磁ヨーク40Cと、に対して時間差を設けて電圧を入力する。具体的には、第一着磁ヨーク40Aへの着磁を開始した後に、第二着磁ヨーク40Bへの着磁を開始する。また、第三着磁ヨーク40Cへの着磁を開始した後に、第四着磁ヨーク40Dへの着磁を開始する。これにより第2実施形態と同様の効果を得られる。
上記実施形態では、対向する着磁ヨークに入力する電圧値の絶対値を変えることで、補助マグネット26Cの磁気配向を湾曲したC形状としていた。ロータの製造方法は、対向する着磁ヨークに対して入力する電圧に時間差を設けることで、補助マグネット26Cの磁気配向を湾曲したC形状としてもよい。図17は、同極着磁工程における4個の着磁ヨーク40A,40B,40C,40Dに入力する電圧値を示すグラフである。変形例1においては、図17に示すように、第二着磁ヨーク40Bおよび第四着磁ヨーク40Dと、第一着磁ヨーク40Aおよび第三着磁ヨーク40Cと、に対して時間差を設けて電圧を入力する。具体的には、第一着磁ヨーク40Aへの着磁を開始した後に、第二着磁ヨーク40Bへの着磁を開始する。また、第三着磁ヨーク40Cへの着磁を開始した後に、第四着磁ヨーク40Dへの着磁を開始する。これにより第2実施形態と同様の効果を得られる。
(変形例3)
上記実施形態において、ロータ20はアウターロータであったが、ロータはこれに限定されない。ロータはインナーロータであってもよい。
上記実施形態において、ロータ20はアウターロータであったが、ロータはこれに限定されない。ロータはインナーロータであってもよい。
(第3実施形態)
図18から図21を参照し、第3実施形態の洗濯機1Eのロータ20Eおよびロータ20Eの製造方法について説明する。第1実施形態および第2実施形態のロータ20は、SPM(Surface Permanent Magnet)方式である。一方、第3実施形態のロータ20Eは、SPMと比較して高出力高効率が図れるIPM(Interior permanent Magnet)方式である。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図18から図21を参照し、第3実施形態の洗濯機1Eのロータ20Eおよびロータ20Eの製造方法について説明する。第1実施形態および第2実施形態のロータ20は、SPM(Surface Permanent Magnet)方式である。一方、第3実施形態のロータ20Eは、SPMと比較して高出力高効率が図れるIPM(Interior permanent Magnet)方式である。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
洗濯機1Eは、例えば、筺体11、トップカバー12、水槽13、回転槽14、パルセータ15、およびモータ16Eを有する。モータ16Eは、シャフト17と、ロータ(回転子)20Eと、ステータ(固定子)30と、を有する。モータ16Eは、ロータ20Eがステータ30の外側に備えられたアウターロータ型誘導モータである。
図18は、ロータマグネット24Eを着磁する際のロータ20Eの一部の斜視図である。ロータ(回転子)20Eは、円環状に形成されたコア(鉄心)23と、ロータマグネット24Eと、を有する。
ロータマグネット24Eは、図18に示すように、複数の矩形板状の永久磁石からなり、コア23の内部に設けられている。ロータマグネット24Eは、主マグネット25Eと補助マグネット26Eとを有する。主マグネット25Eと補助マグネット26Eとは、周方向Cに交互に配置されている。主マグネット25Eと補助マグネット26Eとは、長手軸方向が平行になるように並んで配列されている。
隣り合う主マグネット25Eと補助マグネット26Eとは、接触しない状態でコア23の内部に固定されている。
主マグネット25Eと補助マグネット26Eとは、磁気配向が異なる。主マグネット25Eは、径方向Rに磁気配向された磁石である。補助マグネット26Eは、周方向Cに磁気配向され、主マグネット25Eの間に配置された磁石である。ロータマグネット24Eは、いわゆるハルバッハ配列磁石である。
主マグネット25Eおよび補助マグネット26Eは、ネオジム磁石である。使用するネオジム磁石は、残留磁束密度Br1.0(T)以上、保持力HCJ800(kA/m)以上であることが望ましい。ネオジム磁石は、フェライト磁石と比較して着磁しにくいが、着磁後はフェライト磁石より高い磁力を有する。
主マグネット25Eの周方向Cの長さは、補助マグネット26Eの周方向Cの長さより長い。
次に、ロータ20Eの製造方法について説明する。
作業者は、未着磁の主マグネット25Eと、未着磁の補助マグネット26Eとをコア23の内部に挿入する。次に、作業者はロータマグネット24Cを着磁装置(不図示)に挿入して、主マグネット25Eと補助マグネット26Eを着磁する(後着磁工程)。後着磁工程は、第1実施形態と同様、同極着磁工程と異極着磁工程とを有する。主マグネット25Eと補助マグネット26Eは、後着磁工程により永久磁石になる。
主マグネット25Eと補助マグネット26Eはフェライト磁石と比較して着磁しにくいネオジム磁石であるが、着磁ヨーク40を用いた後着磁工程により着磁を実施するため、十分な着磁率を実現できる。
着磁装置は、図18に示すように、第1実施形態と同様、着磁ヨーク40(第一着磁ヨーク40A,第二着磁ヨーク40B,第三着磁ヨーク40C,第四着磁ヨーク40D)を有している。
以降の説明において、第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bが挟み込む未着磁の主マグネット25Eを「主マグネット25A(第一主マグネットともいう)」、第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dが挟み込む未着磁の主マグネット25Eを「主マグネット25B(第二主マグネットともいう)」とする。周方向Cにいて主マグネット25Aと主マグネット25Bに隣り合う未着磁の補助マグネット26Eを「補助マグネット26C」とする。
作業者は、まず同極着磁工程を実施する。図19は、同極着磁工程における着磁ヨーク40とロータマグネット24Eの一部を上方から見た模式図である。作業者は、対向する第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bに同極の磁場を発生させる。また、対向する第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dに同極の磁場を発生させる。ここで、第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dに発生させる磁場は、第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bに発生させる磁場と異極である。同極着磁工程により、補助マグネット26Cが周方向Cに着磁される。
作業者は、次に異極着磁工程を実施する。図20は、異極着磁工程における着磁ヨーク40とロータマグネット24Eの一部を上方から見た模式図である。作業者は、対向する第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bに異極の磁場を発生させる。また、対向する第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dに異極の磁場を発生させる。ここで、第四着磁ヨーク40Dに発生させる磁場は、第二着磁ヨーク40Bに発生させる磁場と異極である。異極着磁工程により、主マグネット25Aは、径方向Rに着磁される。また、主マグネット25Bは、径方向Rに着磁される。同極着磁工程により着磁される主マグネット25Aと主マグネット25Bの磁気配向は径方向Rにおいて反対を向く。
図21は、異極着磁工程後における着磁ヨーク40とロータマグネット24Eの一部を上方から見た模式図である。同極着磁工程により着磁される主マグネット25Aと主マグネット25Bの磁気配向は径方向Rにおいて反対を向く。また、補助マグネット26Cの磁気配向は周方向Cを向く。
作業者は、同極着磁工程と異極着磁工程とを繰り返して、残りの主マグネット25Eと補助マグネット26Eを着磁し、ロータマグネット24Eを公知のハルバッハ配列磁石にする。
本実施形態に係る洗濯機1Eのロータ20Eによれば、ロータ20EはIPM方式であり、主マグネット25Eおよび補助マグネット26Eがネオジム磁石である。そのため、ロータ20Eは、第1実施形態のロータ20と比較して高出力高効率を実現でき、モータ16Eのトルクを向上させることができる。
本実施形態に係る洗濯機1Eのロータ20Eの製造方法によれば、第1実施形態同様、後着磁工程は対向着磁により実施されるため、漏れ磁束等の発生を抑制し、着磁率を高めることができる。さらに、同極着磁工程により補助マグネット26Eを着磁可能であり、ハルバッハ配列のような特殊な配列を容易に実現可能である。
本実施形態に係る洗濯機1Eのロータ20Eの製造方法によれば、主マグネット25Eおよび補助マグネット26Eがフェライト磁石と比較して着磁しにくいネオジム磁石であっても、着磁ヨーク40を用いた後着磁工程により、主マグネット25Eおよび補助マグネット26Eを高い着磁率で着磁させることができる。
(第4実施形態)
図22から図25を参照し、第4実施形態の洗濯機1Fのロータ20Fおよびロータ20Fの製造方法について説明する。第4実施形態のロータ20Fは、第3実施形態のロータ20Eと比較して、主マグネット25Eの態様が異なる。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図22から図25を参照し、第4実施形態の洗濯機1Fのロータ20Fおよびロータ20Fの製造方法について説明する。第4実施形態のロータ20Fは、第3実施形態のロータ20Eと比較して、主マグネット25Eの態様が異なる。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
洗濯機1Fは、例えば、筺体11、トップカバー12、水槽13、回転槽14、パルセータ15、およびモータ16Fを有する。モータ16Fは、シャフト17と、ロータ(回転子)20Fと、ステータ(固定子)30と、を有する。モータ16Fは、ロータ20Fがステータ30の外側に備えられたアウターロータ型誘導モータである。
図22は、ロータマグネット24Fを着磁する際のロータFの一部を上方から見た模式図である。ロータ(回転子)20Fは、円環状に形成されたコア(鉄心)23と、ロータマグネット24Fと、を有する。ロータ(回転子)20Fは、第3実施形態のロータ20Eと同様、IPM方式である。
ロータマグネット24Fは、第3実施形態のロータマグネット24Eと同様、複数の矩形板状の永久磁石からなり、コア23の内部に設けられている。ロータマグネット24Fは、主マグネット25Fと補助マグネット26Eとを有する。主マグネット25Fと補助マグネット26Eとは、周方向Cに交互に配置されている。
主マグネット25Fと補助マグネット26Eとは、磁気配向が異なる。主マグネット25Fは、径方向Rに磁気配向された磁石である。補助マグネット26Eは、周方向Cに磁気配向され、主マグネット25Fの間に配置された磁石である。ロータマグネット24Fは、いわゆるハルバッハ配列磁石である。
主マグネット25Fは、第3実施形態の主マグネット25Eと同様に、ネオジム磁石である。主マグネット25Fは、二つに分離した一対のマグネット(25Fa、25Fb)である。主マグネット25Fは、図22に示すように、ロータ20Fの回転軸に平行な方向から見て、V字型(ハの字型)に配置されている。分離した一対のマグネット(25Fa、25Fb)は離間して配置されている。主マグネット25Fは、径方向Rの内側(ステータ30側)に対して広がっている。主マグネット25Fは、第3実施形態の主マグネット25Eと比較して、ステータ30に対する有効面積が広くなり、ステータ30に対する磁力がより高い。
ロータマグネット24Fは、第3実施形態のロータマグネット24Eと同様、後着磁工程によって着磁される。
図23は、非対称な着磁ヨーク40Fを用いた対向着磁を示す模式図である。
ロータマグネット24Fは、非対称な着磁ヨーク40Fを用いて着磁されてもよい。非対称な着磁ヨーク40Fは、第一着磁ヨーク40Aと、第二着磁ヨーク40Bsと、第三着磁ヨーク40Cと、第四着磁ヨーク40Dsと、を有する。第二着磁ヨーク40Bsは、第1実施形態の第二着磁ヨーク40Bと比較して、周方向Cの長さが短い。第四着磁ヨーク40Dsは、第1実施形態の第四着磁ヨーク40Dと比較して、周方向Cの長さが短い。
ロータマグネット24Fは、非対称な着磁ヨーク40Fを用いて着磁されてもよい。非対称な着磁ヨーク40Fは、第一着磁ヨーク40Aと、第二着磁ヨーク40Bsと、第三着磁ヨーク40Cと、第四着磁ヨーク40Dsと、を有する。第二着磁ヨーク40Bsは、第1実施形態の第二着磁ヨーク40Bと比較して、周方向Cの長さが短い。第四着磁ヨーク40Dsは、第1実施形態の第四着磁ヨーク40Dと比較して、周方向Cの長さが短い。
第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bsとは対向して配置され、一個の主マグネット25Fの板厚方向の両側に配置される。第一着磁ヨーク40Aは径方向Rの外側に配置され、第二着磁ヨーク40Bsは径方向Rの内側に配置される。図23に示すように、第二着磁ヨーク40Bsの周方向Cの長さは、第一着磁ヨーク40Aの周方向Cの長さより短い。異極着磁工程において、対向する第一着磁ヨーク40Aと第二着磁ヨーク40Bsに異極の磁場を発生させることで、挟まれた主マグネット25Fが一方向に着磁される(対向着磁)。
第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dsとは対向して配置されている。第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dsとは、第一着磁ヨーク40Aと第四着磁ヨーク40Dsが挟み込む主マグネット25Fの隣の主マグネット25Fの板厚方向の両側に配置される。第三着磁ヨーク40Cは径方向Rの外側に配置され、第四着磁ヨーク40Dsは径方向Rの内側に配置される。図23に示すように、第四着磁ヨーク40Dsの周方向Cの長さは、第三着磁ヨーク40Cの周方向Cの長さより短い。異極着磁工程において、対向する第三着磁ヨーク40Cと第四着磁ヨーク40Dsに異極の磁場を発生させることで、挟まれた主マグネット25Fが一方向に着磁される(対向着磁)。
非対称な着磁ヨーク40Fは、径方向Rの内側(ステータ30側)の磁束を中央に集める。そのため、上方から見た平面視において径方向Rの内側(ステータ30側)に対して広がったV字型(ハの字型)に配置されている主マグネット25Fを効率的に着磁させることができる。主マグネット25Fの一対のマグネット(25Fa、25Fb)がなす角度が小さいほど、第二着磁ヨーク40Bsおよび第四着磁ヨーク40Dsの周方向Cの長さは短いほうがよい。
図24は、第一着磁工程における対向着磁を示す模式図である。
ロータマグネット24Fは、複数回に別けて着磁されてもよい。図24に示すように、ロータマグネット24Fは、第一着磁工程として、第一着磁ヨーク40Asと、第二着磁ヨーク40Bsと、第三着磁ヨーク40Csと、第四着磁ヨーク40Dsと、により着磁される。第一着磁ヨーク40Asは、第1実施形態の第一着磁ヨーク40Aと比較して、周方向Cの長さが短い。第三着磁ヨーク40Csは、第1実施形態の第三着磁ヨーク40Cと比較して、周方向Cの長さが短い。
ロータマグネット24Fは、複数回に別けて着磁されてもよい。図24に示すように、ロータマグネット24Fは、第一着磁工程として、第一着磁ヨーク40Asと、第二着磁ヨーク40Bsと、第三着磁ヨーク40Csと、第四着磁ヨーク40Dsと、により着磁される。第一着磁ヨーク40Asは、第1実施形態の第一着磁ヨーク40Aと比較して、周方向Cの長さが短い。第三着磁ヨーク40Csは、第1実施形態の第三着磁ヨーク40Cと比較して、周方向Cの長さが短い。
ロータマグネット24Fは、第一着磁工程として、周方向Cの長さが短い第一着磁ヨーク40Asと、第二着磁ヨーク40Bsと、第三着磁ヨーク40Csと、第四着磁ヨーク40Dsとを用いることで、それぞれの着磁ヨークから遠い位置(図24において円で囲まれた部分)が効率的に着磁される。
図25は、第二着磁工程における対向着磁を示す模式図である。
ロータマグネット24Fは、第二着磁工程として、着磁ヨーク40(第一着磁ヨーク40A,第二着磁ヨーク40B,第三着磁ヨーク40C,第四着磁ヨーク40D)を用いることで、それぞれの着磁ヨークから近い位置(図25において円で囲まれた部分)が効率的に着磁される。
ロータマグネット24Fは、第二着磁工程として、着磁ヨーク40(第一着磁ヨーク40A,第二着磁ヨーク40B,第三着磁ヨーク40C,第四着磁ヨーク40D)を用いることで、それぞれの着磁ヨークから近い位置(図25において円で囲まれた部分)が効率的に着磁される。
主マグネット25F等を一回の着磁工程のみで対向着磁させる場合、着磁ヨーク40から遠く磁気抵抗が高い位置は高電圧により適切に着磁される。しかしながら、着磁ヨーク40から近い位置においては、飽和により磁束が隣接する着磁ヨーク40に流れたり、異極が生成されたりする場合がある。第一着磁工程と第二着磁工程とにより主マグネット25Fを着磁することで、着磁ヨーク40から遠い位置と近い位置との両方を効率的に着磁することができる。
なお、同じ着磁ヨーク40を用いて複数の着磁工程を実施してもよい。第一着磁工程においては高電圧により着磁工程を行い、第二着磁工程においては第一着磁工程よりも低電圧により着磁を行うことで、上記の同様の効果を得てもよい。
本実施形態に係る洗濯機1Fのロータ20Fによれば、ステータ30に対する有効面積が広くなり、ステータ30に対する磁力がより高く、モータ16Fのトルクを向上させることができる。
本実施形態に係る洗濯機1Fのロータ20Fの製造方法によれば、主マグネット25Fが分離してV字型(ハの字型)に配置されており、また、主マグネット25Fおよび補助マグネット26Eがフェライト磁石と比較して着磁しにくいネオジム磁石であっても、第一着磁工程と第二着磁工程とにより、主マグネット25Fおよび補助マグネット26Eを高い着磁率で着磁させることができる。
(変形例4)
上記実施形態において、コア23は径方向Rにおいてロータマグネット24E,24Fを覆っていたが、コア23の態様はこれに限定されない。図26は、ロータ20Eの変形例であるロータ20Gの模式図である。ロータ20Gは、コア(鉄心)23Gと、ロータマグネット24Eと、を有する。コア23Gは、補助マグネット26Eの径方向Rの内側(ステータ30側)に開口20aを有する。コア23Gに開口20aを設けることで、補助マグネット26Eの磁束が漏れずに主マグネット25Eに流れやすくなる。
上記実施形態において、コア23は径方向Rにおいてロータマグネット24E,24Fを覆っていたが、コア23の態様はこれに限定されない。図26は、ロータ20Eの変形例であるロータ20Gの模式図である。ロータ20Gは、コア(鉄心)23Gと、ロータマグネット24Eと、を有する。コア23Gは、補助マグネット26Eの径方向Rの内側(ステータ30側)に開口20aを有する。コア23Gに開口20aを設けることで、補助マグネット26Eの磁束が漏れずに主マグネット25Eに流れやすくなる。
(変形例5)
上記実施形態において、主マグネット25,25E,25Fと補助マグネット26,26Eは、同じ磁性材料(ネオジム磁石、フェライト磁石)により形成されていた。主マグネット25と補助マグネット26は、異なる磁性材料により形成されてもよい。例えば、主マグネット25は高出力を実現できるネオジム磁石で形成し、補助マグネット26は同極着磁の困難性を考慮して着磁しやすいフェライト磁石で形成してもよい。
上記実施形態において、主マグネット25,25E,25Fと補助マグネット26,26Eは、同じ磁性材料(ネオジム磁石、フェライト磁石)により形成されていた。主マグネット25と補助マグネット26は、異なる磁性材料により形成されてもよい。例えば、主マグネット25は高出力を実現できるネオジム磁石で形成し、補助マグネット26は同極着磁の困難性を考慮して着磁しやすいフェライト磁石で形成してもよい。
(第5実施形態)
図27から図28を参照し、第5実施形態の洗濯機1Gのロータ20Gおよびロータ20Gの製造方法について説明する。ロータ20Gは、第1実施形態および第2実施形態のロータ20と同様に、SPM方式である。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図27から図28を参照し、第5実施形態の洗濯機1Gのロータ20Gおよびロータ20Gの製造方法について説明する。ロータ20Gは、第1実施形態および第2実施形態のロータ20と同様に、SPM方式である。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
洗濯機1Gは、例えば、筺体11、トップカバー12、水槽13、回転槽14、パルセータ15、およびモータ16Gを有する。モータ16Gは、シャフト17と、ロータ(回転子)20Gと、ステータ(固定子)30と、を有する。モータ16Gは、ロータ20Gがステータ30の外側に備えられたアウターロータ型誘導モータである。
ロータ20Gは、底壁部21と、周壁部22と、ロータマグネット24Gと、を有する。ロータマグネット24Gは、複数の矩形板状の永久磁石からなり、周壁部22の内面に固定されている。ロータマグネット24Gは、主マグネット25Gと補助マグネット26Gとを有する。主マグネット25Gと補助マグネット26Gとは、周方向Cに交互に配置されている。
隣り合う主マグネット25Gと補助マグネット26Gとは、第一実施形態の主マグネット25と補助マグネット26と同様に、樹脂モールドされている。
主マグネット25Gと補助マグネット26Gとは、磁気配向が異なる。主マグネット25Gは、径方向Rに磁気配向された磁石である。補助マグネット26Gは、周方向Cに磁気配向され、主マグネット25Gの間に配置された磁石である。ロータマグネット24Gは、いわゆるハルバッハ配列磁石である。
主マグネット25Gおよび補助マグネット26Gは、フェライト磁石である。具体的には、主マグネット25Gおよび補助マグネット26Gは、等方性フェライト磁石である。主マグネット25Gおよび補助マグネット26Gは、等方性フェライト磁石であるため、径方向Rにも周方向Cにも着磁させやすい。
次に、ロータ20Gの製造方法について説明する。
作業者は、未着磁の主マグネット25Gと、未着磁の補助マグネット26Gとを、第1実施形態と同様に、樹脂成形型に挿入し、円環状に並べる(マグネット配置工程)。次に、作業者は樹脂成形型に樹脂を充填し、成形されたロータマグネット24Gを取り出す(樹脂成型工程)。次に、作業者はロータマグネット24Gを着磁装置(不図示)に挿入して、主マグネット25Gと補助マグネット26Gを着磁する(後着磁工程)。
図27は、後着磁工程における着磁ヨーク40とロータマグネット24Gの一部を上方から見た模式図である。図27において、主マグネット25Gおよび補助マグネット26Gの内部の線は、磁性粉の磁化容易軸方向を示している。後着磁工程は、第1実施形態と同様、同極着磁工程と異極着磁工程とを有する。主マグネット25Gと補助マグネット26Gは、後着磁工程により永久磁石になる。
図28は、後着磁工程後における着磁ヨーク40とロータマグネット24Gの一部を上方から見た模式図である。同極着磁工程により着磁される主マグネット25Gの磁気配向は径方向Rを向く。また、補助マグネット26Gの磁気配向は周方向Cを向く。主マグネット25Gおよび補助マグネット26Gは、等方性磁石であるため、径方向Rにも周方向Cにも着磁させやすい。図28において、主マグネット25Gおよび補助マグネット26Gの内部の太線は、着磁された磁性粉の磁化方向を示している。
本実施形態に係る洗濯機1Gのロータ20Gによれば、主マグネット25Gと補助マグネット26Gとが高密度に配置されており、ロータ20Gの磁力を高めて、モータ16Gのトルクを向上させることができる。また、ロータ20Gは、主マグネット25Gおよび補助マグネット26Gが等方性磁石であるため、径方向Rにも周方向Cにも着磁させやすい。
(変形例6)
上記実施形態において、ロータマグネット24Gの主マグネット25Gおよび補助マグネット26Gは等方性磁石であったが、ロータマグネット24Gの態様はこれに限定されない。図29は、ロータマグネット24Gの変形例であるロータマグネット24Hの一部を上方から見た模式図である。ロータマグネット24Hは、主マグネット25Gと補助マグネット26Hとを有する。補助マグネット26Hは、異方性フェライト磁石である。補助マグネット26Hは、磁化容易軸方向が周方向Cに略一致するように配置されている。そのため、補助マグネット26Hは周方向Cに着磁させやすい。補助マグネット26Hは異方性磁石であるため、等方性磁石である補助マグネット26Gと比較して周方向Cへの磁力が強く安定する。
上記実施形態において、ロータマグネット24Gの主マグネット25Gおよび補助マグネット26Gは等方性磁石であったが、ロータマグネット24Gの態様はこれに限定されない。図29は、ロータマグネット24Gの変形例であるロータマグネット24Hの一部を上方から見た模式図である。ロータマグネット24Hは、主マグネット25Gと補助マグネット26Hとを有する。補助マグネット26Hは、異方性フェライト磁石である。補助マグネット26Hは、磁化容易軸方向が周方向Cに略一致するように配置されている。そのため、補助マグネット26Hは周方向Cに着磁させやすい。補助マグネット26Hは異方性磁石であるため、等方性磁石である補助マグネット26Gと比較して周方向Cへの磁力が強く安定する。
(変形例7)
図30は、ロータマグネット24Gの変形例であるロータマグネット24Kの一部を上方から見た模式図である。ロータマグネット24Kは、主マグネット25Kと補助マグネット26Hとを有する。主マグネット25Kは、異方性フェライト磁石である。主マグネット25Kは、磁化容易軸方向が径方向Rに略一致するように配置されている。そのため、主マグネット25Kは径方向Rに着磁させやすい。主マグネット25Kは異方性磁石であるため、等方性磁石である主マグネット25Gと比較して径方向Rへの磁力が強く安定する。
図30は、ロータマグネット24Gの変形例であるロータマグネット24Kの一部を上方から見た模式図である。ロータマグネット24Kは、主マグネット25Kと補助マグネット26Hとを有する。主マグネット25Kは、異方性フェライト磁石である。主マグネット25Kは、磁化容易軸方向が径方向Rに略一致するように配置されている。そのため、主マグネット25Kは径方向Rに着磁させやすい。主マグネット25Kは異方性磁石であるため、等方性磁石である主マグネット25Gと比較して径方向Rへの磁力が強く安定する。
(変形例8)
ロータマグネット24Gの他の変形例は、異方性磁石である主マグネット25Kと、等方性磁石である補助マグネット26Gと、を有してもよい。
ロータマグネット24Gの他の変形例は、異方性磁石である主マグネット25Kと、等方性磁石である補助マグネット26Gと、を有してもよい。
異方性磁石である補助マグネット26Hや主マグネット25Kは、湿式により製造された湿式異方性フェライト磁石であってよく、乾式により製造された乾式異方性フェライト磁石であってよい。磁力の強さの観点では湿式異方性フェライト磁石が好適であり、コストの観点では乾式異方性フェライト磁石が好適である。また、乾式異方性フェライト磁石は寸法精度が高い。そのため、主マグネット25Kと補助マグネット26Hが乾式異方性フェライト磁石であれば、主マグネット25Kと補助マグネット26Hを高密度に配置させやすい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、着磁率を高めることなどにより、ロータ20の磁力を高めて、モータ16のトルクを向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…洗濯機、11…筺体、16…モータ、17…シャフト、20,20E,20F…ロータ(回転子)、23…コア、24…ロータマグネット、25,25E,25F,25G,25K…主マグネット、25A…第一主マグネット、25B…第二主マグネット、25t…上面、26,26E,26G,26H…補助マグネット、26C…補助マグネット、26t…上面、30…ステータ(固定子)、40A…第一着磁ヨーク、40B…第二着磁ヨーク、40C…第三着磁ヨーク、40D…第四着磁ヨーク
Claims (8)
- 主マグネットと、
補助マグネットと、
を備え、
前記主マグネットと前記補助マグネットとは、周方向に交互に配置されて円環状に形成され、
前記補助マグネットは、前記周方向に着磁され、
前記主マグネットは、補助マグットの着磁方向とおよそ直交する方向に着磁され、
隣り合う前記主マグネットと前記補助マグネットとは、少なくとも一部が接触した状態で樹脂モールドされている、
ロータ。 - 主マグネットと、
補助マグネットと、
を備え、
前記主マグネットと前記補助マグネットとは、周方向に交互に配置されて円環状に形成され、
前記補助マグネットは、前記周方向に着磁され、
前記主マグネットは、補助マグットの着磁方向とおよそ直交する方向に着磁され、
主マグネットと補助マグネットとは、樹脂モールドのみにより固定されている、
ロータ。 - 前記主マグネットと前記補助マグネットとは、フェライト磁石を含む、
請求項1または請求項2に記載のロータ。 - 前記主マグネットと前記補助マグネットとは、ハルバッハ配列磁石を形成する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のロータ。 - 前記主マグネットと前記補助マグネットの少なくとも一方は、等方性磁石である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のロータ。 - 前記主マグネットは、異方性磁石であり、磁化容易軸方向が径方向に略一致するように配置されている
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のロータ。 - 前記補助マグネットは、異方性磁石であり、磁化容易軸方向が前記周方向に略一致するように配置されている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のロータ。 - 未着磁の主マグネットと未着磁の補助マグネットとを樹脂成形型において周方向に交互に配置して円環状または円弧状に並べるマグネット配置工程と、
前記樹脂成形型に樹脂を充填して樹脂モールドする樹脂成型工程と、
樹脂モールドされた前記主マグネットと前記補助マグネットを着磁する後着磁工程と、
を備え、
前記樹脂成型工程において、主マグネットと補助マグネットとは、樹脂モールドのみにより固定される、
洗濯機のロータの製造方法。
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