JP2022067419A - ロータ、モータおよびロータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の実施形態は、ロータ、モータおよびロータの製造方法に関する。
ロータのマグネットをハルバッハ配列で並べることで駆動トルクが高められたモータが知られている。近年では、ハルバッハ配列のロータにおいて、さらに高い駆動トルクを出力することが求められている。
本発明が解決しようとする課題は、駆動トルクを高めたロータ、モータおよびロータの製造方法を提供することである。
実施形態のロータは、モータに設けられステータと対向し回転軸を中心として回転するロータである。ロータは、磁石部を備える。磁石部は、回転軸を中心とする環状である。磁石部は、主マグネットと補助マグネットとを有する。主マグネットは、径方向を磁化方向とされる。複数の主マグネットは、周方向に沿って等間隔に並ぶ。補助マグネットは、周方向を磁化方向とされる。補助マグネットは、周方向に並ぶ主マグネット同士の間に配置される。主マグネットおよび補助マグネットのうち少なくとも一方は、希土類磁石である。
以下、実施形態のロータ、モータおよびロータの製造方法を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
図1は、本実施形態のモータを有する洗濯機の断面図である。
以下の説明において、洗濯機の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機の下側とし、設置面とは反対側つまり鉛直上側を洗濯機の上側とする。また、洗濯機の正面に立つユーザから洗濯機を見た方向を基準に、左右を定義している。また、洗濯機から見て洗濯機の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書において「横幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。本明細書において「奥行方向」とは、上記定義における前後方向を意味する。図中において、+X方向が右方向、-X方向が左方向、+Y方向が後方向、-Y方向が前方向、+Z方向が上方向、-Z方向が下方向である。
以下の説明において、洗濯機の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機の下側とし、設置面とは反対側つまり鉛直上側を洗濯機の上側とする。また、洗濯機の正面に立つユーザから洗濯機を見た方向を基準に、左右を定義している。また、洗濯機から見て洗濯機の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書において「横幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。本明細書において「奥行方向」とは、上記定義における前後方向を意味する。図中において、+X方向が右方向、-X方向が左方向、+Y方向が後方向、-Y方向が前方向、+Z方向が上方向、-Z方向が下方向である。
洗濯機1は、例えば、筐体11、トップカバー12、水槽13、回転槽14、パルセータ15、およびモータ16を有する。洗濯機1は、回転槽14の回転軸Oが鉛直方向を向いたいわゆる縦軸型の洗濯機である。なお、洗濯機1は、縦軸型に限られず、回転槽14の回転軸が水平又は後方へ向かって下降傾斜した横軸型いわゆるドラム式洗濯機であってもよい。
筐体11は、例えば鋼板によって全体として矩形箱状に構成されている。トップカバー12は、例えば合成樹脂製であって、筐体11の上部に設けられている。水槽13および回転槽14は、洗濯対象となる衣類を収容する洗濯槽及び脱水槽として機能する。水槽13および回転槽14は、筐体11内に設けられている。水槽13および回転槽14は、上面が開口した容器状に構成されている。水槽13内の水は、排水口131から流出し、排水弁132を介して外部に排水される。
モータ16は、水槽13の下側に配置される。モータ16は、クラッチ機構17を介して、回転槽14およびパルセータ15に接続される。モータ16の回転軸Oは、水槽13の中心と一致する。
本実施形態のモータ16は、アウターロータ型である。モータ16は、回転軸Oを中心として配置される円環状のステータ30と、ステータ30を径方向外側から囲むロータ20と、を有する。すなわち、モータ16には、ステータ30およびロータ20が設けられる。ステータ30は、洗濯機1の筐体11に固定される。また、ロータ20は、回転軸Oを中心として回転する。
ロータ20は、周壁部22と底壁部21とを有する有底筒状である。周壁部22は、回転軸Oを中心とする筒状である。周壁部22は、径方向においてステータ30と対向する。すなわち、ロータ20は径方向においてステータ30と対向する。底壁部21は、周壁部22の下端部から径方向内側に延びる。底壁部21は、回転軸Oと直交する平面に沿う円板状である。ロータ20は、底壁部21においてクラッチ機構17に接続される。
クラッチ機構17は、モータ16の回転を回転槽14およびパルセータ15に選択的に伝達する。クラッチ機構17は、洗い時およびすすぎ時には、モータ16の駆動力をパルセータ15に伝達してパルセータ15を低速で直接正逆回転駆動させる。一方、クラッチ機構17は、脱水時等には、モータ16の駆動力を回転槽14に伝達して、回転槽14を一方向に高速で回転駆動させる。
図2は、ロータ20およびステータ30の断面斜視図である。図2においてマグネットの形状を模式化して図示する。
以下の説明において、ロータ20に対して、ステータ30が配置される方向(本実施形態において径方向内側)をステータ側R1と呼び、径方向においてステータ30の反対側の方向(本実施形態において径方向外側)を反ステータ側R2と呼ぶ場合がある。
以下の説明において、ロータ20に対して、ステータ30が配置される方向(本実施形態において径方向内側)をステータ側R1と呼び、径方向においてステータ30の反対側の方向(本実施形態において径方向外側)を反ステータ側R2と呼ぶ場合がある。
ステータ30は、ステータコア31と、コイル39と、図示略のインシュレータと、を有する。ステータコア31は、回転軸Oを中心とする円環状のコアバック部32と、コアバック部32から径方向外側に延び出る複数のティース部33と、を有する。複数のティース部33は、周方向Cに沿って並ぶ。コイル39は、インシュレータを介してティース部33に導線を巻き付けることで構成される。
ロータ20は、磁石部23と、フレーム60と、これらを互いに固定する保持部70と、を備える。
フレーム60は、円盤部61と筒状部62とを有する。円盤部61は、回転軸Oを中心とする円盤状である。円盤部61は、ロータ20の底壁部21を構成する。筒状部62は、円盤部61の外縁から上側に延びる。筒状部62は、回転軸Oを中心とする円筒状である。
磁石部23は、回転軸Oを中心とする環状である。磁石部23は、複数の主マグネット80と、複数の補助マグネット90と、を有する。主マグネット80および補助マグネット90は、それぞれ一様な断面で回転軸Oの軸方向に沿って延びる柱状に延びる。主マグネット80および補助マグネット90の上面は、略同一平面を形成している。同様に、主マグネット80および補助マグネット90の下面は、略同一平面を形成している。主マグネット80および補助マグネット90の上面および下面は、保持部70によって埋め込まれる。
本実施形態において、主マグネット80および補助マグネット90は、希土類磁石である。より具体的には、本実施形態の主マグネット80および補助マグネット90は、ネオジム磁石である。希土類磁石は、他の種類の磁石(例えば、フェライト磁石)と比較して、磁力が強い。本実施形態のロータ20によれば、ロータ20の回転トルクを高めることができる。また、本実施形態のロータ20によれば、主マグネット80および補助マグネット90の径方向の厚さを小さくしても十分な回転トルクを得ることができる。結果的に、ロータ20の径方向寸法を小型化することができる。
なお、このような効果は、主マグネット80および補助マグネット90のうち何れか一方が希土類磁石である場合に得ることができ、両方が希土類磁石である場合に特に大きな効果を得ることができる。すなわち、主マグネット80および補助マグネット90のうち少なくとも一方が希土類磁石であれば、一定の効果が期待できる。
なお、このような効果は、主マグネット80および補助マグネット90のうち何れか一方が希土類磁石である場合に得ることができ、両方が希土類磁石である場合に特に大きな効果を得ることができる。すなわち、主マグネット80および補助マグネット90のうち少なくとも一方が希土類磁石であれば、一定の効果が期待できる。
後述するように、本実施形態の主マグネット80および補助マグネット90のうち少なくとも一方は、保持部70によって保持させて固定した後に着磁される。すなわち、主マグネット80および補助マグネット90のうち少なくとも一方は、主マグネット80および補助マグネット90を整列させる段階で、着磁されていない。このため、主マグネット80および補助マグネット90として磁力の強い希土類磁石を採用する場合であっても、これらを交互に整列させやすい。
図3は、ロータ20の断面模式図である。
主マグネット80および補助マグネット90は、周方向Cに沿って交互に配置される。複数の主マグネット80は、周方向に沿って等間隔に並ぶ。補助マグネット90は、周方向に並ぶ主マグネット80同士の間に配置される。主マグネット80と補助マグネット90とは、それぞれ径方向Rと周方向Cとに磁化されている。すなわち、主マグネット80および補助マグネット90は、ハルバッハ配列で並ぶ。
主マグネット80および補助マグネット90は、周方向Cに沿って交互に配置される。複数の主マグネット80は、周方向に沿って等間隔に並ぶ。補助マグネット90は、周方向に並ぶ主マグネット80同士の間に配置される。主マグネット80と補助マグネット90とは、それぞれ径方向Rと周方向Cとに磁化されている。すなわち、主マグネット80および補助マグネット90は、ハルバッハ配列で並ぶ。
本実施形態のロータ20は、4つの主マグネット80と、4つの補助マグネット90とを有する。したがって、本実施形態のロータ20の極数は、4極である。しかしながら、ロータ20の極数は、本実施形態に限定されない。
主マグネット80は、径方向Rに磁化された磁石である。すなわち、主マグネット80は、径方向Rを内部磁束の方向とする。周方向Cに並ぶ複数の主マグネット80の磁極の向きは、交互に反転されている。したがって、周方向Cにおいて隣り合う主マグネット80同士の径方向一方側を向く磁極(N極又はS極)は、互いに異なる。
主マグネット80は、ステータ側R1を向きステータ30に対向する第1対向面81と、反ステータ側R2を向く第1背面82と、周方向両側を向くそれぞれ一対の第1周端面83と、を有する。主マグネット80は、一様な径方向の厚さで、周方向に沿って円弧状に延びる。
第1対向面81は、回転軸Oを中心とする円弧状の面である。同様に、第1背面82は、回転軸Oを中心とする円弧状の面であり、第1対向面81と反対側を向く。第1周端面83は、平坦面である。一対の第1周端面83は、それぞれ径方向に沿って延びる。
補助マグネット90は、周方向Cに磁化された磁石である。すなわち、補助マグネット90は、周方向Cを内部磁束の方向とする。周方向Cに並ぶ複数の補助マグネット90の磁極の向きは、交互に反転されている。したがって、周方向Cにおいて隣り合う補助マグネット90同士の周方向一方側を向く磁極(N極又はS極)は、互いに異なる。
補助マグネット90は、ステータ側R1を向きステータ30に対向する第2対向面91と、反ステータ側R2を向く第2背面92と、周方向両側をそれぞれ向く一対の第2周端面93と、を有する。補助マグネット90は、一様な径方向の厚さで、周方向に沿って円弧状に延びる。
第2対向面91は、回転軸Oを中心とする円弧状の面である。第2対向面91は、主マグネット80の第1対向面81に連なる。同様に、第2背面92は、回転軸Oを中心とする円弧状の面であり、第2対向面91と反対側を向く。第2背面92は、主マグネット80の第1背面82に連なる。
第2周端面93は、平坦面である。一対の第2周端面93は、それぞれ径方向に沿って延びる。第2周端面93は、隣接する主マグネット80の第1周端面83と対向する。第2周端面93は、隣接する主マグネット80の第1周端面83と面接触する。磁石部23において、主マグネット80と補助マグネット90とが接触する部分を境界部25と呼ぶ。本実施形態によれば、主マグネット80と補助マグネット90とが境界部25で接触するため、主マグネット80と補助マグネット90との間に流れる磁路の磁気抵抗を低減することができ、ロータ20の磁気特性を高めることができる。
本実施形態の主マグネット80および補助マグネット90において、周方向両側に位置する一対の周端面(第1周端面83又は第2周端面93)は、それぞれ径方向に延びる。しかしながら、主マグネット80および補助マグネット90のうち何れか一方の一対の周端面は、互いに平行な面であってもよい。この場合、他方の周端面は、対向する一方の周端面と面接触する方向に延びることが好ましい。一般的に、マグネットは、最終工程において研磨される。マグネットの一対の周端面を互いに平行とする場合、研磨工程が容易となり、マグネットを安価に製造できる。
本実施形態において、補助マグネット90の周方向Cに沿う寸法は、主マグネット80の周方向Cに沿う寸法より小さい。補助マグネット90の周方向Cに沿う寸法と主マグネット80の周方向Cに沿う寸法との比率は、ロータ20の磁気特性を確保する目的で1:1.8~2.2とすることが好ましい。これにより、高出力のロータ20が構成される。
なお、本実施形態において、主マグネット80および補助マグネット90の径方向Rに沿う厚さは、互いに等しい。しかしながら、主マグネット80および補助マグネット90の径方向Rに沿う厚さは、互いに異なっていてもよい。
保持部70は、樹脂製である。保持部70は、磁石部23(すなわち、複数の主マグネット80および複数の補助マグネット90)を埋め込む。これにより、保持部70は、複数の主マグネット80および複数の補助マグネット90を保持する。なお、図示を省略するが、保持部70には、成型時に金型内で、主マグネット80および補助マグネット90の位置を決める保持ピンの痕跡が残る。
本実施形態において、主マグネット80の第1対向面81は、保持部70からステータ側R1に露出する。主マグネット80は、第1対向面81において保持部70を成形する金型の内側面に接触する。本実施形態のロータ20のように、複数のマグネット(主マグネット80および補助マグネット90)がハルバッハ配列によって並べられる場合、主マグネット80の位置精度がモータ16の出力性能に大きな影響を与える。本実施形態によれば、主マグネット80を、保持部70を成形する金型の内側面に接触させることで、保持部70の成形後の主マグネット80の位置精度を高めることができ、モータ16の出力性能を高めることができる。さらに、本実施形態によれば、第1対向面81とステータ30との間の磁束の流れを保持部70が阻害することを抑制でき、モータ16の出力性能を高めることができる。
同様に、補助マグネット90の第2対向面91は、保持部70からステータ側R1に露出する。これにより、補助マグネット90は、保持部70の成形時に金型の内側面に接触し、成型後の位置精度が高められる。
同様に、補助マグネット90の第2対向面91は、保持部70からステータ側R1に露出する。これにより、補助マグネット90は、保持部70の成形時に金型の内側面に接触し、成型後の位置精度が高められる。
本実施形態によれば、主マグネット80および補助マグネット90は、周方向Cに沿って円弧状に延びる。このため、主マグネット80の第1対向面81および補助マグネット90の第2対向面91を金型の円弧面に接触させて、主マグネット80および補助マグネット90を金型内で安定して保持させることができる。結果的に、主マグネット80および補助マグネット90の位置を安定させ、ロータ20の性能を安定させることができる。
本実施形態のロータ20は、ステータ30を径方向外側から囲むアウターロータ型である。アウターロータ型のロータ20は、インナーロータ型と比較して、磁石部23が径方向外側位置するため、大きなトルクを出力することができる。
なお、本実施形態ではアウターロータ型のロータ20について説明したが、インナーロータ型において上記の構成を採用することもできる。
なお、本実施形態ではアウターロータ型のロータ20について説明したが、インナーロータ型において上記の構成を採用することもできる。
<ロータの製造方法>
次に、ロータ20の製造方法について説明する。
ここでは、ロータ20の製造方法として、第1の製造方法および第2の製造方法を順に説明する。第1の製造方法は、主マグネット80および補助マグネット90を保持部70成型後に着磁する製造方法である。第2の製造方法は、補助マグネット90を予め着磁し、保持部70を成形後に主マグネット80を着磁する製造方法である。製造者は、第1の製造方法および第2の製造方法の何れか一方を採用してロータ20を製造する。
次に、ロータ20の製造方法について説明する。
ここでは、ロータ20の製造方法として、第1の製造方法および第2の製造方法を順に説明する。第1の製造方法は、主マグネット80および補助マグネット90を保持部70成型後に着磁する製造方法である。第2の製造方法は、補助マグネット90を予め着磁し、保持部70を成形後に主マグネット80を着磁する製造方法である。製造者は、第1の製造方法および第2の製造方法の何れか一方を採用してロータ20を製造する。
<第1の製造方法>
ロータ20の第1の製造方法は、樹脂成型工程と着磁工程とを有する。本実施形態において、樹脂成型工程および着磁工程は、この順で行われる。
ロータ20の第1の製造方法は、樹脂成型工程と着磁工程とを有する。本実施形態において、樹脂成型工程および着磁工程は、この順で行われる。
樹脂成型工程は、未着磁の主マグネット80と未着磁の補助マグネット90とを金型内に収容し、金型内に溶融樹脂を充填してこれらを樹脂モールドする工程である。樹脂が固化した後に、ロータ20は金型から取り出される。
着磁工程は、主マグネット80および補助マグネット90に着磁する工程である。
以下の説明において、未着磁の主マグネット80を第1の磁性部材80Aと呼び、未着磁の補助マグネット90を第2の磁性部材90Aと呼ぶ。
以下の説明において、未着磁の主マグネット80を第1の磁性部材80Aと呼び、未着磁の補助マグネット90を第2の磁性部材90Aと呼ぶ。
着磁工程は、同極着磁工程と異極着磁工程とを有する。
図4は、同極着磁工程を示す模式図である。また、図5は、異極着磁工程を示す模式図である。
図4は、同極着磁工程を示す模式図である。また、図5は、異極着磁工程を示す模式図である。
同極着磁工程は、第2の磁性部材90Aに着磁し第2の磁性部材90Aの磁化方向を周方向Cとする工程である。第2の磁性部材90Aは、同極着磁工程によって着磁されて永久磁石(補助マグネット90)となる。
異極着磁工程は、第1の磁性部材80Aに着磁し第1の磁性部材80Aの磁化方向を径方向Rとする工程である。第1の磁性部材80Aは、異極着磁工程によって着磁されて永久磁石(主マグネット80)となる。
同極着磁工程および異極着磁工程は、着磁装置4によって行われる。着磁装置4は、4個の着磁ヨーク(第1着磁ヨーク40A、第2着磁ヨーク40B、第3着磁ヨーク40Cおよび第4着磁ヨーク40D)を有する。4個の着磁ヨークは、着磁電源(不図示)に接続されている。なお、本実施形態の着磁装置4は4個の着磁ヨークを用いている。しかしながら、着磁装置4は、例えば、全ての第1の磁性部材80Aと全ての第2の磁性部材90Aとを同時に着磁可能な個数の着磁ヨークを有してもよい。
第1着磁ヨーク40Aと第2着磁ヨーク40Bとは、径方向Rに対向して配置される。第1着磁ヨーク40Aと第2着磁ヨーク40Bとは、一個の第1の磁性部材80Aの板厚方向の両側に配置される。第1着磁ヨーク40Aは径方向Rの外側に配置され、第2着磁ヨーク40Bは径方向Rの内側に配置される。
第3着磁ヨーク40Cと第4着磁ヨーク40Dとは、径方向Rに対向して配置されている。第3着磁ヨーク40Cと第4着磁ヨーク40Dとは、第1着磁ヨーク40Aと第2着磁ヨーク40Bが挟み込む第1の磁性部材80Aの隣の第1の磁性部材80Aの板厚方向の両側に配置される。第3着磁ヨーク40Cは径方向Rの外側に配置され、第4着磁ヨーク40Dは径方向Rの内側に配置される。
図4に示すように、同極着磁工程において、対向する第1着磁ヨーク40Aと第2着磁ヨーク40Bに同極の磁場を発生させる。さらに、対向する第3着磁ヨーク40Cと第4着磁ヨーク40Dに同極の磁場を発生させる。このとき、第3着磁ヨーク40Cと第4着磁ヨーク40Dに発生させる磁場は、第1着磁ヨーク40Aと第2着磁ヨーク40Bに発生させる磁場と異極である。同極着磁工程により、第2の磁性部材90Aは、周方向Cに着磁される。なお、第2の磁性部材90Aを周方向Cにおいて反対方向に着磁させる場合、4個の着磁ヨーク40A,40B,40C,40Dに発生させる磁場を上記と反対の極にすればよい。
図5に示すように、異極着磁工程において、対向する第1着磁ヨーク40Aと第2着磁ヨーク40Bに異極の磁場を発生させることで、挟まれた第1の磁性部材80Aが一方向に着磁される(対向着磁)。同時に、対向する第3着磁ヨーク40Cと第4着磁ヨーク40Dに異極の磁場を発生させることで、挟まれた第1の磁性部材80Aが他方向に着磁される(対向着磁)。このとき、第3着磁ヨーク40Cと第4着磁ヨーク40Dとの間の磁場の向きは、第1着磁ヨーク40Aと第2着磁ヨーク40Bとの間の磁場の向きと反対である。異極着磁工程では、全ての第1の磁性部材80Aに順次着磁を行う。
着磁工程において、同極着磁工程と異極着磁工程とは、この順で交互に繰り返して行われる。着磁工程を完了させることで、ロータ20が完成する。製造されたロータ20は、別途製造されたステータ30と組み合わされる。
本実施形態のロータ20の第1の製造方法によれば、樹脂成型工程において、第1の磁性部材80Aおよび第2の磁性部材90Aが何れも未着磁である。このため、第1の磁性部材80Aおよび第2の磁性部材90Aを金型内に収容し整列させる手順を円滑に行うことができる。
本実施形態によれば、主マグネット80および補助マグネット90は、樹脂成型工程において樹脂モールドされ保持部70により固定される。保持部70は、主マグネット80および補助マグネット90が互いに反発して離間することを抑制する。そのため、主マグネット80と補助マグネット90の配置の自由度を高めることができる。本実施形態においては、主マグネット80と補助マグネット90とが高密度に配置されている。これにより、ロータ20の磁力が高められ、モータ16のトルクが向上する。
本実施形態のロータ20の製造方法によれば、主マグネット80の着磁は、対向着磁により実施される。このため、主マグネット80の着磁工程(異極着磁工程)における漏れ磁束の発生が抑制され、主マグネット80の着磁率を高めることができる。さらに、本実施形態のロータ20の製造方法によれば、同極着磁工程の後に異極着磁工程が実施される。このため、補助マグネット90の着磁工程における主マグネット80の減磁を抑制できる。
<第2の製造方法>
ロータ20の第2の製造方法は、予備着磁工程と樹脂成型工程と着磁工程とを有する。本実施形態において、樹脂成型工程および着磁工程は、この順で行われる。
ロータ20の第2の製造方法は、予備着磁工程と樹脂成型工程と着磁工程とを有する。本実施形態において、樹脂成型工程および着磁工程は、この順で行われる。
予備着磁工程では、磁性部材に着磁がなされ補助マグネット90が製造される。予備着磁工程では、補助マグネット90のみが着磁され、主マグネット80は未だ着磁されていない。予備着磁工程において、補助マグネット90は、従来公知の方法によって着磁される。
樹脂成型工程は、未着磁の主マグネット80と、着磁された補助マグネット90と、を金型内に収容し、金型内に溶融樹脂を充填してこれらを樹脂モールドする工程である。樹脂が固化した後に、ロータ20は金型から取り出される。
第2の製造方法の着磁工程は、主マグネット80に着磁する工程である。主マグネット80への着磁は、図5を基に説明した異極着磁工程によって行われる。すなわち、着磁工程では、磁性部材80Aに着磁し磁性部材80Aの磁化方向を径方向Rとする。磁性部材80Aは、異極着磁工程によって着磁されて永久磁石(主マグネット80)となる。
本実施形態の第2の製造方法によれば、樹脂成型工程において、主マグネット80が未着磁である。着磁済みの補助マグネット90と未着磁の主マグネット80とは、互いに反発することがない。このため、補助マグネット90と主マグネット80とを金型内に収容し整列させる手順を円滑に行うことができる。
本実施形態の第2の製造方法によれば、樹脂成型工程の前に補助マグネット90が着磁されているため、樹脂成型工程における金型内で補助マグネット90が未着磁の主マグネット80に吸着する。これにより、補助マグネット90と主マグネット80との密着性が高まり、補助マグネット90と主マグネット80との間の磁気抵抗を低減できる。
さらに、ロータがヨーク(後述する変形例)を有し、ヨークと磁石部とが保持部に埋め込まれる場合、金型内で着磁済の補助マグネット90がヨークに吸着するため、補助マグネット90とヨークとの密着性を高めることができる。
さらに、ロータがヨーク(後述する変形例)を有し、ヨークと磁石部とが保持部に埋め込まれる場合、金型内で着磁済の補助マグネット90がヨークに吸着するため、補助マグネット90とヨークとの密着性を高めることができる。
また、第1の製造方法として説明したように、補助マグネット90を着磁する場合、図4に示す同極着磁工程を行う必要がある。同極着磁工程では、反発しあう磁極によって湾曲して形成される磁束を用いて着磁を行う工程であり、着磁対象である補助マグネット90内で磁束が高めがたい。結果的に、同極着磁工程は、異極着磁工程と比較して、安定した着磁を行うことが困難である。本実施形態の第2の製造方法によれば、同極着磁工程を行うことなくハルバッハ配列のロータ20を製造することができる。
<変形例1>
図6は、上述の実施形態に採用可能な変形例1のロータ120の断面模式図である。
本変形例のロータ120は、上述の実施形態と比較して、主に、ヨーク150を有する点が主に異なる。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図6は、上述の実施形態に採用可能な変形例1のロータ120の断面模式図である。
本変形例のロータ120は、上述の実施形態と比較して、主に、ヨーク150を有する点が主に異なる。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
本変形例のロータ120は、磁石部23と、ヨーク150と、を備える。また、図示を省略するが、ロータ120は、磁石部23とヨーク150とを固定する樹脂製の保持部を有する。保持部は、上述の実施形態と同様に、磁石部23の各マグネットの一部を埋め込む。
磁石部23は、回転軸Oを中心とする環状である。磁石部23は、複数の主マグネット80と、複数の補助マグネット90と、を有する。主マグネット80および補助マグネット90は、希土類磁石である。磁石部23は、径方向外側(反ステータ側R2)を向く背面23aを有する。背面23aは、ステータ30の反対側を向く。磁石部23は、背面23aでヨーク150の内側面150aに接触する。
ヨーク150は、回転軸Oを中心とする環状である。ヨーク150は、磁石部23を径方向外側(反ステータ側R2)から囲む。ヨーク150の内側面150aは、主マグネット80の第1背面82および補助マグネット90の第2背面92と接触する。
図7は、図6の部分拡大図である。図7には、磁石部23の磁束の流れを模式的に示す。ヨーク150が磁石部23の背面23aに設けられることで、磁石部23の背面23a側における磁束の流れがスムーズとなる。
本変形例の主マグネット80および補助マグネット90は、希土類磁石であり、径方向に沿う厚さを小さくできる。このため、主マグネット80と補助マグネット90との境界部25において、磁束密度が高まり結果的に磁気抵抗が高まる虞がある。本変形例によれば、ヨーク150が磁石部23の背面23a側でスムーズに流すことができる。結果的に、主マグネット80と補助マグネット90との間の磁路の磁気抵抗を低減することができ、ロータ120の磁気特性を高めることができる。
本変形例において、ヨーク150の径方向に沿う厚さ(以下、単に厚さ)は、磁石部23の厚さより、大きいことが好ましい。これにより、ヨーク150において境界部25の磁束をスムーズに流すことができ、ヨーク150による磁気抵抗低減の効果を十分に得ることができる。
本変形例において、主マグネット80および補助マグネット90の厚さは、ともに周方向に沿って一様であり、互いに一致する。このため、磁石部23の厚さは、周方向に沿って一様である。磁石部23の厚さが一様ではない場合(例えば、主マグネット80と補助マグネット90との厚さが互いに異なる場合)、ヨーク150の厚さは、磁石部23の厚さの最小寸法より大きければよい。
また、本変形例において、ヨーク150の厚さは、周方向に沿って一様であるが、ヨーク150の厚さが一様でない場合について説明する。ヨーク150において最も磁束密度が高まりやすい部分は、磁石部23の境界部25の径方向外側(反ステータ側R2)に位置し、境界部25に接触する部分である。この部分を、境界接触部151と呼ぶこととする。ヨーク150の厚さが一様でない場合、ヨーク150の厚さは、境界接触部151において、磁石部23の径方向に沿う厚さより、大きければよい。
<変形例2>
図8は、上述の実施形態に採用可能な変形例2のロータ220の断面模式図である。
本変形例のロータ220は、変形例1と同様にヨーク250を有するが、ヨーク250に低磁気抵抗領域256と高磁気抵抗領域257とが設けられる点が主に異なる。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図8は、上述の実施形態に採用可能な変形例2のロータ220の断面模式図である。
本変形例のロータ220は、変形例1と同様にヨーク250を有するが、ヨーク250に低磁気抵抗領域256と高磁気抵抗領域257とが設けられる点が主に異なる。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
本変形例のロータ220は、磁石部23と、ヨーク250と、を備える。ヨーク250は、回転軸Oを中心とする環状である。ヨーク250は、磁石部23を径方向外側から囲む。ヨーク250の内側面250aは、主マグネット80の第1背面82および補助マグネット90の第2背面92と接触する。
ヨーク250には、低磁気抵抗領域256および高磁気抵抗領域257が設けられる。低磁気抵抗領域256および高磁気抵抗領域257は、それぞれ周方向に沿って延びる。低磁気抵抗領域256および高磁気抵抗領域257は、周方向に沿って交互に並ぶ。
高磁気抵抗領域257は、低磁気抵抗領域256より磁気抵抗が大きい。各領域における磁気抵抗の差異は、各領域の材質、熱処理、圧延方向などで調整される。また、高磁気抵抗領域257に径方向に貫通するスリットや、開口を設けることで、低磁気抵抗領域256より磁気抵抗が高められていてもよい。さらに、図8に仮想線(二点鎖線)によって図示するように、ヨーク250に凹部254が設けられていてもよい。この場合、ヨーク250の内側面250aと磁石部23との間に空隙が設けられることで、高磁気抵抗領域257の磁気抵抗が高められていてもよい。
高磁気抵抗領域257は、主マグネット80および補助マグネット90の周方向中央部の径方向外側(反ステータ側R2)に位置する。一方で、低磁気抵抗領域256は、主マグネット80と補助マグネット90との境界部25の径方向外側(反ステータ側R2)に位置する。
本変形例のヨーク250は、低磁気抵抗領域256において、主マグネット80と補助マグネット90との境界部25に接触する。ヨーク250は、主マグネット80と補助マグネット90との境界部25において、磁束密度が高まり易い。本変形例によれば、ヨーク250は、低磁気抵抗領域256において、主マグネット80と補助マグネット90との間で磁束を効率的に通過させることができ、ロータ220の磁気特性を高めることができる。
本変形例において、補助マグネット90の周方向中央部の径方向外側には、ヨーク250の高磁気抵抗領域257が配置される。このため、補助マグネット90の周方向中央部からヨーク250側に磁束が流れ難くなり、磁束が周方向に隣接する主マグネット80に向かって流れ易くなる。これによって、磁路が大きく迂回して構成されることが抑制され、結果的にロータ220の磁気特性を高めることができる。
同様に、本変形例において、主マグネット80の周方向中央部の径方向外側には、ヨーク250の高磁気抵抗領域257が配置される。このため、主マグネット80の周方向中央部からヨーク250側に磁束が流れ難くなり、磁束が周方向に隣接する補助マグネット90に向かって流れ易くなる。これによって、磁路が大きく迂回して構成されることが抑制され、結果的にロータ220の磁気特性を高めることができる。
<変形例3>
図9は、上述の実施形態に採用可能な変形例3のロータ320の断面模式図である。
本変形例のロータ320は、変形例1、2と同様にヨーク350を有するが、ヨーク350に肉厚領域356と肉薄領域357とが設けられる点が主に異なる。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図9は、上述の実施形態に採用可能な変形例3のロータ320の断面模式図である。
本変形例のロータ320は、変形例1、2と同様にヨーク350を有するが、ヨーク350に肉厚領域356と肉薄領域357とが設けられる点が主に異なる。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
本変形例のロータ320は、磁石部23と、ヨーク350と、を備える。ヨーク350は、回転軸Oを中心とする環状である。ヨーク350は、磁石部23を径方向外側から囲む。ヨーク350の内側面350aは、主マグネット80の第1背面82および補助マグネット90の第2背面92と接触する。
ヨーク350には、肉厚領域356および肉薄領域357が設けられる。肉薄領域357は、肉厚領域356より径方向に沿う厚さが小さい。肉厚領域356および肉薄領域357は、それぞれ一定の肉厚(周方向に沿う厚さ)で周方向に沿って延びる。肉厚領域356および肉薄領域357は、周方向に沿って交互に並ぶ。
肉薄領域357は、主マグネット80および補助マグネット90の周方向中央部の径方向外側(反ステータ側R2)に位置する。一方で、肉厚領域356は、主マグネット80と補助マグネット90との境界部25の径方向外側(反ステータ側R2)に位置する。
本変形例のヨーク350は、肉厚領域356において、主マグネット80と補助マグネット90との境界部25に接触する。ヨーク350は、主マグネット80と補助マグネット90との境界部25において、磁束密度が高まり易い。本変形例によれば、ヨーク350は、肉厚領域356において、主マグネット80と補助マグネット90との間で磁束を効率的に通過させることができ、ロータ320の磁気特性を高めることができる。
本変形例において、補助マグネット90の周方向中央部の径方向外側には、ヨーク350の肉薄領域357が配置される。このため、補助マグネット90の周方向中央部からヨーク350側に流れる磁束が制限され、磁束が周方向に隣接する主マグネット80に向かって流れ易くなる。これによって、磁路が大きく迂回して構成されることが抑制され、結果的にロータ320の磁気特性を高めることができる。
同様に、本変形例において、主マグネット80の周方向中央部の径方向外側には、ヨーク350の肉薄領域357が配置される。このため、主マグネット80の周方向中央部からヨーク350側に流れる磁束が制限され、磁束が周方向に隣接する補助マグネット90に向かって流れ易くなる。これによって、磁路が大きく迂回して構成されることが抑制され、結果的にロータ320の磁気特性を高めることができる。
<変形例4>
図10は、上述の実施形態に採用可能な変形例4のロータ420の断面模式図である。
本変形例のロータ420は、変形例1~3と同様にヨーク450を有するが、ヨーク450の内側面(対向面)450aに凹部450cが設けられる点が主に異なる。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図10は、上述の実施形態に採用可能な変形例4のロータ420の断面模式図である。
本変形例のロータ420は、変形例1~3と同様にヨーク450を有するが、ヨーク450の内側面(対向面)450aに凹部450cが設けられる点が主に異なる。
なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
本変形例のロータ420は、磁石部423と、ヨーク450と、を備える。磁石部423は、回転軸Oを中心とする環状である。磁石部423は、複数の主マグネット480と、複数の補助マグネット490と、を有する。主マグネット480および補助マグネット490は、希土類磁石である。周方向に隣り合う主マグネット480と補助マグネット490とは、周方向を向く端面において互いに接触する。
ヨーク450は、回転軸Oを中心とする環状である。ヨーク450は、磁石部423を径方向外側から囲む。ヨーク450の内側面450aは、主マグネット480の第1背面482および補助マグネット490の第2背面92と接触する。
ヨーク450の内側面450aには、周方向に沿って並ぶ複数の凹部450cが設けられる。本変形例において、内側面450aには、4つの凹部450cが設けられる。凹部450cは、軸方向(上下方向)に沿って延びる。本変形例において、ヨーク450は、例えば、深絞り加工などによって製造される。このため、ヨーク450の外側面には、それぞれの凹部450cと周方向位置が一致する凸部が設けられる。
凹部450cには、補助マグネット490が嵌る。これにより、補助マグネット490は、ヨーク450に対して周方向に位置決めされる。補助マグネット490の径方向外側(反ステータ側R2)を向く背面は、凹部450cの底面に接触する。
本変形例において、磁石部423は、ハルバッハ配列される。主マグネット480と補助マグネット490とのうち、少なくとも一方が配列時にすでに着磁されている場合、主マグネット480と補助マグネット490の整列が困難となる。本変形例によれば、補助マグネット490が、凹部450cがヨーク450の凹部450cに嵌る。このため、補助マグネット490を仮固定することが可能となり、主マグネット480と補助マグネット490の整列が容易となる。
本変形例では、凹部450cに補助マグネット490が嵌る場合について説明した。しかしながら、凹部450cに主マグネット480が嵌る構成を採用してもよい。すなわち、主マグネット480および補助マグネット490のうち何れか一方が、ヨーク450の凹部450cに嵌れば、上述の効果を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
16…モータ、20,120,220,320,420…ロータ、23,423…磁石部、23a…背面、25…境界部、30…ステータ、70…保持部、80,480…主マグネット、80A、90A…磁性部材、90,490…補助マグネット、150,250,350,450…ヨーク、256…低磁気抵抗領域、257…高磁気抵抗領域、356…肉厚領域、357…肉薄領域、450a…内側面(対向面)、450c…凹部、C…周方向、O…回転軸
Claims (12)
- モータに設けられステータと対向し回転軸を中心として回転するロータであって、
前記回転軸を中心とする環状の磁石部を備え、
前記磁石部は、
径方向を磁化方向とされ、周方向に沿って等間隔に並ぶ複数の主マグネットと、
周方向を磁化方向とされ、周方向に並ぶ前記主マグネット同士の間に配置される補助マグネットと、を有し、
前記主マグネットおよび前記補助マグネットのうち少なくとも一方は、希土類磁石である、
ロータ。 - 前記主マグネットおよび前記補助マグネットは、周方向に沿って円弧状に延びる、
請求項1に記載のロータ。 - 前記ステータを径方向外側から囲むアウターロータ型である、
請求項1又は2に記載のロータ。 - 前記磁石部を埋め込む樹脂製の保持部を備える、
請求項1~3の何れか一項に記載のロータ。 - 前記回転軸を中心とする環状のヨークを備え、
前記磁石部は、前記ステータの反対側を向く背面で前記ヨークに接触する、
請求項1~4の何れか一項に記載のロータ。 - 前記ヨークの径方向に沿う厚さは、前記磁石部の径方向に沿う厚さより、大きい、
請求項5に記載のロータ。 - 前記ヨークには、周方向に沿って交互に並ぶ、低磁気抵抗領域、および前記低磁気抵抗領域より磁気抵抗が大きい高磁気抵抗領域が設けられ、
前記ヨークは、前記低磁気抵抗領域において、前記主マグネットと前記補助マグネットとの境界部に接触する、
請求項5又は6に記載のロータ。 - 前記ヨークには、周方向に沿って交互に並ぶ、肉厚領域、および前記肉厚領域より径方向に沿う厚さが小さい肉薄領域が設けられ、
前記ヨークは、前記肉厚領域において、前記主マグネットと前記補助マグネットとの境界部に接触する、
請求項5~7の何れか一項に記載のロータ。 - 前記ヨークの前記磁石部と接触する対向面には、周方向に沿って並ぶ複数の凹部が設けられ、
前記主マグネットおよび前記補助マグネットのうち何れか一方は、前記凹部に嵌る、
請求項5~8の何れか一項に記載のロータ。 - 請求項1~9の何れか一項に記載のロータと、
前記ステータと、を備える、
モータ。 - 回転軸周りを回転するロータの製造方法であって、
未着磁の第1の磁性部材および第2の磁性部材を周方向において交互に円環状に並べ金型内に収容し、前記金型内に溶融樹脂を充填して前記第1の磁性部材および前記第2の磁性部材を樹脂モールドする樹脂成型工程と、
前記第1の磁性部材および前記第2の磁性部材に着磁し、前記第1の磁性部材の磁化方向を径方向とした主マグネットとし、前記第2の磁性部材の磁化方向を周方向とした補助マグネットとする着磁工程と、を有し、
前記主マグネットおよび前記補助マグネットのうち少なくとも一方は、希土類磁石である、
ロータの製造方法。 - 回転軸周りを回転するロータの製造方法であって、
未着磁の磁性部材と、周方向に磁化された補助マグネットと、を周方向において交互に円環状に並べ金型内に収容し、前記金型内に溶融樹脂を充填して前記磁性部材および前記補助マグネットを樹脂モールドする樹脂成型工程と、
前記磁性部材に着磁し、磁化方向を径方向とした主マグネットとする着磁工程と、を有し、
前記主マグネットおよび前記補助マグネットのうち少なくとも一方は、希土類磁石である、
ロータの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020176114A JP2022067419A (ja) | 2020-10-20 | 2020-10-20 | ロータ、モータおよびロータの製造方法 |
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Family Applications (1)
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