JP2015061364A - 回転子、磁石モータおよび洗濯機 - Google Patents

回転子、磁石モータおよび洗濯機 Download PDF

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博文 成田
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国弘 坂本
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栄治 豊田
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Abstract

【課題】所望の磁束量が得られるとともに、生産性に優れた回転子、磁石モータおよび洗濯機を提供することを目的とする。
【解決手段】固定子に対して回転するように設けられた回転子であって、回転子は、回転子鉄心と着磁対象の磁石要素が交互に配置されて円環を形成し、樹脂材で覆うことにより固定され、回転子鉄心および磁石要素の内径側および外径側から着磁ヨークにて磁化方向が互いに対向するように着磁され、さらに、着磁後に回転子鉄心および磁石要素の内径側に補強部材を介してシャフト連結部材が設けられて構成されているとともに、
磁石の円環方向厚み寸法をT、磁石の内径側寸法をWとした時、寸法比W/Tは0.6以上である。
【選択図】図12

Description

本発明は、埋め込み磁石形回転子を備えたブラシレス電動機の回転子、この回転子を用いた磁石モータおよび磁石モータを備えた洗濯機に関する。
従来、ブラシレス電動機として、永久磁石の磁化方向が互いに対向するよう複数配置して円環状に形成した回転子を有する物が知られている。
ブラシレス電動機は、回転子に複数の永久磁石片が配置されるように設けられる。この
永久磁石片は、回転子の回転子鉄心に設けた磁石保持孔に挿入保持され、回転子鉄心を包むモールド用合成樹脂層内に埋設されるように配置される。
永久磁石片を磁化させる方法としては、永久磁石片を回転子の磁石保持孔へ挿入する前に着磁する方式、また、永久磁石片を回転子の磁石保持孔へ挿入した後、着磁ヨークにて着磁する方式が知られている。着磁ヨークにて着磁する方法では、回転子の外径側から着磁する方式、回転子の内径側および外径側から着磁する方式が知られている。
回転子の外径側から着磁する方式では、着磁ヨークから発生する磁束が永久磁石片の内径側にまで十分届かないことがあり、十分な着磁を得られないことがある。
また回転子の外径側および内径側から着磁する方式では、着磁ヨークから発生する磁束が回転子鉄心および永久磁石片周辺の鉄部により遮断されることがあり、前記と同様に十分な着磁を得られないことがある。
一方ブラシレス電動機の具体的な適用事例製品であるドラム式洗濯乾燥機等の洗濯機においては、洗濯槽の回転軸に磁石モータを直結して駆動する方式(ダイレクトドライブ方式、以下、DD方式という)が主流となってきている。
通常ドラム式洗濯乾燥機においては、洗い工程で洗濯槽を低速高トルクで駆動する必要がある。このため、磁石には、高磁束密度のネオジム磁石などが採用されている。
この磁石の主原料であるネオジムは、9割以上を外国に依存しており、脱ネオジム、すなわちフェライト磁石化が期待されている。しかしながら、ネオジム磁石の残留磁束密度が1.3Tであるのに対し、フェライト磁石の残留磁束密度が0.45Tと小さく(約1/3)、フェライト磁石モータでは大型化するという課題があった。
このような課題を回避するための手法として、磁石からの磁束量が磁石の強磁性面の周長に左右されることに着目し、平板フェライト磁石や円弧状フェライト磁石を放射状に配置する技術が知られている。
また永久磁石から発生する磁束を効率的に利用する方法として、着磁された永久磁石を磁化方向が互いに対向するよう複数配置して回転子鉄心へ挿入して埋設する方式がある。この場合、回転子鉄心の外径側および内径側の鉄部を無くし、空隙を設けることにより永久磁石から発生する磁束をさらに効率的に利用することができる。
特許文献1には、上記した従来における技術内容が記述されている。
特開2012−217269号公報
本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、所望の磁束量が得られるとともに、生産性に優れた回転子、磁石モータおよび洗濯機を提供することを目的とする。
本発明の回転子は、固定子に対して回転するように設けられた回転子であって、
回転子は、回転子鉄心と着磁対象の磁石要素が交互に配置されて円環を形成し、樹脂材で覆うことにより固定され、前記回転子鉄心および前記磁石要素の内径側および外径側から着磁ヨークにて磁化方向が互いに対向するように着磁され、さらに、着磁後に前記回転子鉄心および前記磁石要素の内径側に補強部材を介してシャフト連結部材が設けられて構成されているとともに、
前記磁石の前記円環方向厚み寸法をT、前記磁石の内径側寸法をWとした時、寸法比W/Tは0.6以上であることを特徴。
本発明によれば、所望の磁束量が得られるとともに、生産性に優れた回転子、磁石モータおよび洗濯機が得られる。
本発明が適用される洗濯機の一例を示す模式断面図。 図1の磁石モータの縦断面図。 図2の磁石モータの要部を示す周方向断面図。 回転子の正面と平面を示す図。 回転子鉄心と永久磁石片を交互に配置して円環形状を形成した状態を示す図。 一次モールド体の正面と平面を示す図。 磁化する際の様子を示した模式図。 一次モールド体に鉄心支持基体とボス部とを配置した正面図。 凹部を三角形状とした回転子の拡大断面図。 回転子鉄心の内周面と永久磁石片との間に凹部が配置された回転子の拡大断面図。 永久磁石片が円弧状とされた回転子の拡大断面図。 回転子鉄心と磁石部分を拡大して各部寸法を示した図。 回転子鉄心の内径側空隙部寸法Wと磁石厚さ寸法Tと誘起電圧定数の関係を示す図。 図13の関係を、横軸に寸法比率W/Tをとり縦軸に誘起電圧定数(p.u)をとって示した図。
以下本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明するが、本実施形態は以下の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を損なわない範囲で任意に変更して実施可能である。
以下本発明について詳細に説明する。この説明においては、本発明の前提とする回転子、磁石モータおよび洗濯機の構造並びに製造方法を説明し、そのあとに本発明の実施例を説明することにする。多少長くなるが、前提となる説明を図1から図11で行い、本発明の特徴的な構成を図12から図14で行うことにする。
図1は、本発明が適用される洗濯機の一例を示す模式断面図である。
図1に示すように、洗濯機1は、洗濯物を洗濯する洗濯工程(洗浄工程やすすぎ工程)、脱水工程および乾燥工程の各工程を連続的(必要に応じて選択的)に実行して洗濯物を洗浄乾燥する、いわゆるドラム式の洗濯乾燥機である。なお図1の洗濯機は図示左側が洗濯機全面(前)であり、右側が洗濯機背面(後)を示す側面図を表している。また図示下方が、洗濯機の底部(床部)である。
この図のように、洗濯機1は、図示しない洗濯パンなどの床部と接する脚部1bを有するベース1cに、筐体1aが支持されて、その前面に、洗濯物を出し入れするためのドア1dが備わっている。なお、洗濯機1はドア1dの側を正面とし、正面に対する背面側を後側として説明する。
筐体1aの、例えば、正面上部には、利用者が洗濯機1を操作するための操作ボタンおよび利用者が洗濯機1の状態を確認するための表示部等を備える図示しない操作・表示パネルが設けられている。また、例えば背面上部には、水道などの給水源から水を取り込む図示しない取水口や給水弁、および取水口から取り込まれた水を外槽5まで導水する図示しない給水管等が設けられている。
筐体1aの内部には外槽5が備えられている。外槽5は、上下方向に伸縮可能な複数の防振装置3(図1には1つの防振装置3を図示)で下方を支持されるとともに、筐体1aの上部から、弾性支持体となる吊り下げバネ4a、4bによって弾性支持されている。
また外槽5は、正面側(図示左側)が開口した有底円筒状を呈している。外槽5の内部には、洗濯物が投入される内槽として回転ドラム6が収容されている。回転ドラム6は、有底円筒状外槽5の底部に取り付けられる駆動モータとしての磁石モータ100とシャフト7を介して接続され、磁石モータ100の回転駆動によって外槽5内で回転する。そして洗濯機1は、回転ドラム6の回転によって、洗浄工程、すすぎ工程、脱水工程等を実行する。
外槽5は、洗濯工程(洗浄工程、すすぎ工程)など、水を使用する工程のときには水が溜まるように構成され、排水工程では貯留していた水を排水するように構成される。このため外槽5の底部には排水弁8aを介して排水ホース8bが接続されている。そして、排水弁8aが開弁すると、外槽5に溜まっている水が排水ホース8bを流れて排水される。
図2は、図1の磁石モータ100を示す縦断面図である。
磁石モータ100は、図2に示すように、固定子10と、固定子ベース20と、回転子30と、軸受を有する軸受ボス部21と、軸受に回転自在に支持され、回転子30を固定支持する回転軸22を主たる構成要素として構成されている。この図2によれば、各機器、部品に付与した記号番号が10、20、21の部分で磁石モータ100の固定側を構成しており、その他の22及び30番台の部分で磁石モータ100の回転側を構成している。
また図2において、固定子10と回転子30が対向する部分のうち上部のAは、永久磁石片32を含む断面を表示しており、下部のBは回転子鉄心31を含む断面を表示している。なお、図2の磁石モータ100の回転側における他の構成要素31、32、34から38については、図3、図4を参照して詳細に後述する。
図3は、図2の磁石モータ100の周方向断面を示す図である。この図には固定子10と回転子30の対向する部分が拡大して示されている。
周方向の対向部分を示す図3において、まず固定子10の構成を詳細に説明する。固定子10は、固定子鉄心10aに形成された複数のスロット10b、および集中巻の電機子巻線(固定子コイル)11が施されて固定磁極12を形成するティース10cを備えて構成されている。
これに対し、固定子10の内部に配置された回転子30は、多数の電磁鋼板を積層した回転子鉄心31を有し、回転子鉄心31は固定磁極12の内側面に対向し、固定磁極12に対して相対移動するように回転する。ここでは、磁石モータ100の固定磁極12は、42個、回転子極数は56極として、永久磁石片32には、磁石要素としてフェライトを使用し、薄型、軽量、高トルクの磁石モータ100を構成しているとする。
回転子30は、図3に示すように、多数の回転子鉄心31と永久磁石片32とを、樹脂材(合成樹脂層)33で一体的に固定して円環状の一次モールド体51を形成し、この一次モールド体51とシャフト連結部材(支持円筒部35等)とを樹脂材(合成樹脂層)34で一体的に固定して二次モールド体Dを形成して構成されている。
回転子鉄心31と永久磁石片32とは、回転軸中心から放射状に交互に配置され、円筒形状を形成するように並べられている。ここで、永久磁石片32は、無着磁状態の磁石要素が用いられ、後述するように、回転子30の一次モールド体51を形成した後に、着磁される。すなわち、永久磁石片32の組み付け時には、永久磁石片32は磁化されておらず、これにより永久磁石片32の磁化方向の確認漏れや挿入間違いが生じることがなく、磁化方向を誤ったまま永久磁石片32が組み込まれてしまうおそれがない。
なお回転子鉄心31の中央部には、空孔38aが設けられている。この空孔38aには、一次モールド用の樹脂材33が充填されて融着されるようになっている。
隣り合う回転子鉄心31の間には、永久磁石片32の外径側(固定子側との対向面側)に空隙40が形成され、永久磁石片32の内径側に空隙41が形成されている。つまり、各永久磁石片32は、外径側および内径側の両側面が回転子鉄心31に接触しない構造となっている。これらの空隙40、41は、永久磁石片32の漏れ磁束を低減するように作用し、また、後述する着磁時には、永久磁石片32に磁束が効率的に取り込まれるように作用する。
これらの空隙40、41に対しても、前記の空孔38aと同様に、一次モールド用の樹脂材33が充填されて融着されるようになっている。つまり、永久磁石片32は、回転方向両側から回転子鉄心31で挟持されるとともに、径方向においても、樹脂材33を介して回転子鉄心31、31に支持されている。
回転子鉄心31の内径側となる内側面には、鍵穴形状の凹部39aが形成されている。この凹部39aには、二次モールド用の樹脂材34が充填されて融着されるようになっている。これにより、回転子30の高速回転時においても、回転子鉄心31と永久磁石片32との連結強度を維持することができ、遠心力に抗する強固な固定構造とすることができる。
図4は回転子の正面と平面を示した図である。図4下の平面図において、断面線E−Eに沿って正面図(図4上)が記載されている。図2でも示したように図4上の正面図の左側Aが永久磁石片32を含む断面を表示しており、正面図の右側Bは回転子鉄心31を含む断面を表示している。
この図に示すように、回転子30の内側には、図4上の平面図に示すように、補強部材としての鉄心支持基体36(ロータカップ)を介して、シャフト連結部材としてのボス部37が設けられている。鉄心支持基体36とボス部37とは、二次モールド用の樹脂材34で覆われて回転子30に一体的に固定されている。鉄心支持基体36は、有底円筒状を呈しており、回転子鉄心31の内径側に樹脂材34を介して配置される支持円筒部35を有している。支持円筒部35は、回転子鉄心31の軸方向の長さよりも短く形成されている。
次にこのような回転子30を有する磁石モータ100の製造方法について、図5〜図8を参照して説明する。
図5は、回転子鉄心31と永久磁石片32とを交互に配置して、円環形状を形成した状態を示す図である。
製造工程の最初の段階では図5に示すように、まず、回転子鉄心31と永久磁石片32を放射状に交互に配置して、円環形状を呈する回転子鉄心31と永久磁石片32の組付体50を形成する。
組付体50を形成するにあたり、図示しない治具等を用いてこの組付体50に回転子鉄心31を全て配置した後、回転子鉄心31の間に永久磁石片32を挿入することで、これらが交互に配置された組付体50が得られる。この状態ではまだ永久磁石片32は、磁化されていないので、回転子鉄心31の間にスムーズに挿入することができる。
なお、回転子鉄心31の位置決めの方法としては、回転子鉄心31の内側面に設けた鍵穴形状の凹部39aに係合可能な図示しないピンを治具に設けて、そのピンに凹部39aを係合させることで、位置決め配置することができる。またこのとき、回転子鉄心31の外径部を保持する保持部を治具に設けることによって、回転子鉄心31の周方向への傾きを抑えることが可能である。
図6は一次モールド体の正面と平面を示す図である。
次に、組付体50の状態で、モールド用成形型に組付体50を配置し、一次モールド用の樹脂材33を流し込む。これにより、図6に示すような、樹脂材33で一体的に固定されてなる一次モールド体51が得られる。
図7は磁化する際の様子を示した模式図である。
その後、図7に示すように、円環状の一次モールド体51の外径側に外側着磁ヨーク60を配置し、一次モールド体51の内径側に内側着磁ヨーク61を配置する。なお、図7では、回転子鉄心31および永久磁石片32を透視して図示している。そして、外側着磁ヨーク60および内側着磁ヨーク61を用いて、永久磁石片32をそれぞれ磁化して着磁する。
図8は、一次モールド体に鉄心支持基体とボス部とを配置した正面図である。
着磁後、図8に示すように、着磁された一次モールド体51の内側に、鉄心支持基体36およびボス部37をそれぞれ配置する。そして、二次モールド用の樹脂材34を流し込む。これにより、図3に示すように、二次モールド用の樹脂材34でこれらが一体的に固定されてなる二次モールド体Dが得られ、回転子30が形成される。
その後、図2に示すように、回転子30を、固定子ベース20に固定された固定子10の内径側に配置して回転軸22に固定することで、磁石モータ100が得られる。
上記製造方法により回転子を製造することによる作用効果について説明する。
(1)回転子鉄心31に無着磁状態の磁石要素である永久磁石片32を複数配置して円環形状の組付体50を形成することができるので、永久磁石片32の装着が簡単である。したがって、回転子30および磁石モータ100の生産性に優れる。
(2)永久磁石片32の組み付け時には、永久磁石片32は磁化されていないので、永久磁石片32の磁化方向の確認漏れや挿入間違いを生じることがない。したがって、磁化方向を誤ったまま永久磁石片32が組み込まれてしまうおそれがない。これにより、回転子30および磁石モータ100の生産性に優れる。
(3)回転子鉄心31と永久磁石片32とを樹脂材33で固定した一次モールド体51に、外側着磁ヨーク60および内側着磁ヨーク61を用いて着磁するので、永久磁石片32をダイレクトに磁化することができ、着磁性能に優れる。したがって、所望の磁束量が得られ、回転性能に優れた回転子30および磁石モータ100が得られる。
(4)一次モールド体51を形成した後に、一次モールド体51と鉄心支持基体36およびボス部37とを樹脂材34で一体にモールドして二次モールド体を形成することで回転子30が構成されてなるので、着磁性能に優れ、所望の回転性能を有する回転子30および磁石モータ100が簡単に得られる。
(5)回転子鉄心31には、樹脂材34が充填されて融着される凹部39aが形成されているので、回転子30の高速回転時においても、回転子鉄心31と永久磁石片32との連結強度を維持することができ、遠心力に抗する強固な固定構造とすることができる。また、凹部39aは、回転子鉄心31の内周面に開口形成されており、回転子30の軸方向から見て鍵穴形状を呈するので、回転子鉄心31と永久磁石片32との連結強度を好適に維持することができる。また、凹部39aに樹脂材34が充填されたことを回転子30の軸方向から目視で確認することができる。
(6)隣り合う回転子鉄心31、31の間には、永久磁石片32の外径側に空隙40が形成され、永久磁石片32の内径側に空隙41が形成されているので、永久磁石片32の漏れ磁束が低減され、回転が安定する。また、着磁時においては、永久磁石片32が磁化されやすくなり、所望の磁束量を有する回転子30および磁石モータ100が得られる。
(7)磁石要素がフェライトであるので、レアメタルに比べて入手し易く、回転子30および磁石モータ100の生産性に優れる。
(8)支持円筒部35は、回転子鉄心31の軸方向の長さよりも短く形成されているので、回転子鉄心31周りの強度を確保しつつ、磁束の乱れを抑えることができ、所望の磁束量を有する回転子30および磁石モータ100が得られる。
(9)シャフト連結部材が鉄心支持基体36とボス部37とで構成されているので、回転子30の成形が安定する。また、芯部分の強度が高まり、成形時のヒケを抑えることもできる。また、寸法が安定するとともに回転性能が向上する。
(10)回転子鉄心31と鉄心支持基体36とは、樹脂材34を介して配置されているので、固定が簡単であり、回転子30および磁石モータ100の生産性に優れる。
(11)磁石モータ100を用いることにより安定した回転性を有し、また、生産性に優れた洗濯機1が得られる。
なおこの回転子を実現するに当たり、以下のような変形、代案例を採用することができる。回転子の変形、代案例を図9から図11により説明する。
図9は、凹部を三角形状とした回転子の拡大断面図である。
図3において、凹部39aは、鍵穴形状を呈するものを示したが、これに限られることはなく、図9に示すように、凹部39bは、回転子30の軸方向から見て三角形状(内径側が頂部で外径側が底部とされた三角形状)を呈するものであってもよい。また、その他に、円形状、半円形状、多角形状、湾曲した形状を呈するものであってもよい。
図10は、回転子鉄心の内周面と永久磁石片との間に凹部が配置された回転子の拡大断面図である。
また、図10に示すように、凹部39cは、回転子鉄心31の内周面と永久磁石片32との間に形成されているものであってもよい。この場合においても、回転子鉄心31と永久磁石片32との連結強度を維持することができ、遠心力に抗する強固な固定構造とすることができる。また、回転子鉄心31は、圧粉鉄心にて形成してもよい。このように構成することによって、損失が低減され、モータ特性が向上する。
図11は、永久磁石片が円弧状とされた回転子の拡大断面図である。
図11に示すように、永久磁石片32として円弧状のもの32Aを用いてもよい。このような円弧状の永久磁石片32Aを用いることにより、回転子鉄心31に対する永久磁石片32Aの収まりがよくなり、組付性に優れる。また、回転子30の高速回転時においても、回転子鉄心31と永久磁石片32との連結強度を維持することができ、遠心力に抗する強固な固定構造とすることができる。
その他の代案、変形例として、回転子鉄心31は、圧粉鉄心にて形成してもよい。このように構成することによって、損失が低減され、モータ特性が向上する。
また、図11に示すように、回転子鉄心31の周方向幅が最外周側および最内周側で略等しくなるように、固定子10(図3参照)の磁極数と回転子30の磁極数との組み合わせを選定してもよい。図11では、回転子鉄心31の最外周側の幅L2と、最内周側の幅L1で略等しくなるように、設定してある。ここで、略等しいとは、永久磁石片32Aの幅Lを1.0としたときに、最外周側の幅L2および最内周側の幅L1が0.95〜1.05の範囲にあるものをいう。
本発明は、上記した前提説明において回転子をさらに以下のように工夫改善したものである。
図12は、回転子鉄心と磁石部分を拡大して各部寸法を示した図である。
図12は、図11の円弧状磁石を例にとりその拡大図を示しているが、この磁石は図9あるいは図10の棒状(四角形状)の磁石であってもよい。本発明で重要視しているのは、回転子鉄心に挟まれた磁石の磁石厚さ寸法Tと、磁石の内径側空隙部寸法Wの関係である。つまり磁石の内径側には空隙が形成されているが、この空隙部は両側の鉄心の内径側に形成された突起部101により支持されている。このため、磁石の内径側の空隙部に接する部分の寸法W(内径側空隙部寸法W)は、磁石の磁石厚さ寸法Tよりも狭い幅になっている。この寸法比が本発明の効果を生じる。
なお図12では、円弧状磁石の凸部半径R2と凹部半径R1の中心位置Xと回転子鉄心の内径側空隙部を表している。この円弧状磁石の採用により、回転子鉄心の内径側周方向の磁石抜け止め部を小さくすること、つまり内径側空隙部41の寸法Wが大きく取れるため、漏れ磁束が低減できる。なお、図12に示すように、磁石抜け止め部を小さくしても、磁石の凸部半径R2と凹部半径R1は、非同心であるので、磁石は径方向の移動を拘束され、従来の磁石抜け止め部が減少する影響が少ない。
図13は、回転子鉄心の内径側空隙部寸法Wと磁石厚さ寸法Tと誘起電圧定数の関係を示す図である。
ここでは現行品と改良品1と改良品2について、磁石厚さ寸法T(mm)を5.5(mm)一定としたうえで、回転子鉄心の内径側空隙部寸法W(mm)を変更したときのモータの誘起電圧定数(p.u)を求めてみた。ここでは現行品の寸法の時の誘起電圧定数を単位化して1(p.u)として示している。
なお、この寸法比W/Tから明らかなように、現行品の内径側空隙部寸法W(mm)は3(mm)であり、このことは現行品が磁石内径側の半分程度が両側の鉄心の内径側に形成された突起部101により支持されている形状のものであることが理解できる。
この比較結果によれば、内径側空隙部寸法W(mm)を大きくすると誘起電圧定数が大きいという関係にあることが理解できる。つまり磁石抜け止め部101を小さくし、内径側空隙部41の寸法Wを大きくすれば磁石の漏れ磁束は減少し誘起電圧定数が上昇することが明瞭である。
図14は図13の関係を、横軸に寸法比率W/Tをとり縦軸に誘起電圧定数(p.u)をとって示した図である。
寸法比率W/Tが0.55の現行品に対し、改良品1の寸法比率W/T(0.78)では誘起電圧定数(p.u)が1.11に増加し、改良品2の寸法比率W/T(1.02)では誘起電圧定数(p.u)が1.09に増加している。
この結果からは、磁石抜け止め部101を小さくすると誘起電圧定数(p.u)が上がる傾向を示すが、極大となる点を含むと考えられる。極大点を有することになる理由については、以下のように推定できる。
まず右肩上がりになることについて、磁石抜け止め部101が小さくなるにつれてこの部分からの漏洩磁束量が減り、この結果誘起電圧が増加すると考えられる。またさらに磁石抜け止め部101が小さくなると今度は必要磁束量が減少し、誘起電圧が減少すると考えられる。なお、単に内径側空隙部41の寸法を広げれば良いわけではなく、磁石の厚さTよりも広げると磁石と回転子鉄心の周方向の間に樹脂が入り込みやすくなり、磁石の磁束が有効に引き出せなくなる問題が生じてくる。また構造的に、回転子鉄心の凹部39bを形成できない可能性が出てくる。発明者らの実験結果によれば、磁石厚さTに対する空隙部41の寸法Wの比は0.78が最も誘起電圧が高く適正であることがわかった。
図14の特性が明らかになった本発明によれば、寸法比率W/Tが0.6以上の場合に誘起電圧を高くできるという効果が得られる。誘起電圧が高くできるということは、同一能力のモータで比較したときに電流が小さくてよいことを意味しており省エネに貢献できる。さらにその上で、寸法比率W/Tが0.6以上0.8未満の場合には磁石抜け止め部101による支持効果が期待でき、磁石支持のがたつきが防止できる。また0.8以上の領域ではがたつき防止の効果が薄れる半面、磁石抜け止め部101の製造上の寸法誤差が生じてもそのことによる誘起電圧定数(p.u)の変化が少なくできるので、製造上のばらつきを許容できることになる。
本発明によれば、永久磁石片32Aの漏れ磁束が低減され、また、着磁時には、永久磁石片32が磁化されやすくなる。したがって、所望の磁束量が得られ、より回転性能に優れた回転子30および磁石モータ100が得られる。
本発明の実施例の効果についてさらに詳細に説明する。回転子鉄心に着磁対象の磁石要素を複数配置して円環形状を形成し、その状態のまま全体を樹脂材で覆い、回転子鉄心の内径側および外径側の両側から直列接続された着磁ヨークにて着磁を行うことにより、正常な永久磁石の磁化方向で埋設される電動機の回転子が得られる。
また、正常な磁化方向となるように永久磁石を所定位置に埋設することができ、生産性に優れた回転子が得られる。
また、本発明のは、固定子鉄心に形成された複数のスロット、および集中巻の電機子巻線が施されて磁極を形成するティースからなる固定子と、磁極を形成する永久磁石が配置された回転子と、から構成される磁石モータにおいて、前記回転子は、回転子鉄心と、前記回転子鉄心の両側に配置された着磁対象の磁石要素と、を備え、これらを円環状に複数配置して樹脂材で一体にモールドしてなる一次モールド体を形成し、前記一次モールド体の前記磁石要素を着磁した後、前記一次モールド体とシャフト連結部材とを樹脂材で一体にモールドしてなる二次モールド体を形成してなる。この構成の磁石モータによれば、回転子鉄心と磁石要素とを交互に円環状に複数配置して樹脂材で一体にモールドしてなる一次モールド体を形成した状態で、磁石要素を着磁するので、磁石要素に対して確実な着磁を行うことができる。そして、着磁後に、一次モールド体とシャフト連結部材とを樹脂材で一体にモールドしてなる二次モールド体を形成することで回転子が構成されてなる磁石モータが得られる。
さらに、従来回転子鉄心の磁石挿入部に設けていた、周方向に延びる抜け止め部が小さく内径側空隙部を大きく出来るため、磁気漏洩が少なく所望の磁束量が得られるとともに、生産性に優れた磁石モータが得られる。
また、このような磁石モータを用いることにより安定した回転性を有し、生産性に優れた洗濯機が得られる。
1:洗濯機
1a:筐体
1b:脚部
1c:ベース
1d:ドア
3:防振装置
4a、4b:吊り下げバネ
5:外槽
6:回転ドラム
7:シャフト
8a:排水弁
8b:排水ホース
10:固定子
10a:固定子鉄心
10b:スロット
10c:ティース
11:電機子巻線(固定子コイル)
12:固定磁極
20:固定子ベース
21:軸受ボス部
22:回転軸
30:回転子
31:回転子鉄心
32:永久磁石片
33:樹脂材(合成樹脂層)
34:樹脂材(合成樹脂層)
35:支持円筒部
36:鉄心支持基体
37:ボス部
38a:空孔
39a:鍵穴形状の凹部
40、41:空隙
51:円環状の一次モールド体
60:外側着磁ヨーク
61:内側着磁ヨーク
100:磁石モータ
101:磁石抜け止め部
D:二次モールド体

Claims (8)

  1. 固定子に対して回転するように設けられた回転子であって、
    回転子は、回転子鉄心と着磁対象の磁石要素が交互に配置されて円環を形成し、樹脂材で覆うことにより固定され、前記回転子鉄心および前記磁石要素の内径側および外径側から着磁ヨークにて磁化方向が互いに対向するように着磁され、さらに、着磁後に前記回転子鉄心および前記磁石要素の内径側に補強部材を介してシャフト連結部材が設けられて構成されているとともに、
    前記磁石の前記円環方向厚み寸法をT、前記磁石の内径側寸法をWとした時、寸法比W/Tは0.6以上であることを特徴とする回転子。
  2. 請求項1に記載の回転子であって、
    回転子鉄心と磁石要素が交互に配置された円環は、磁石要素がその内径側において両端の回転子鉄心に形成された磁石抜け止め部により支持されて、前記磁石の内径側寸法が定まるものであることを特徴とする回転子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の回転子であって、
    前記寸法比W/Tが0.6から0.8の範囲にあることを特徴とする回転子。
  4. 請求項1または請求項2に記載の回転子であって、
    前記寸法比W/Tが0.8から1.0の範囲にあることを特徴とする回転子。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転子であって、
    前記磁石要素の形状は円弧状をなし、その凸部側半径と凹部側半径は、非同心であることを特徴とする回転子。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転子であって、
    前記回転子鉄心は、圧粉鉄心にて形成されていることを特徴とする回転子。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の回転子を適用したことを特徴とする磁石モータ。
  8. 請求項7に記載の磁石モータを適用したことを特徴とする洗濯機。
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CN110535263A (zh) * 2019-09-27 2019-12-03 深圳市百盛传动有限公司 同步磁阻电机转子机构
CN113728135A (zh) * 2019-06-26 2021-11-30 纽摩泰科有限公司 用于传递烘干机驱动力的皮带轮组件
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