JP2024058776A - ろ過材洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ろ過槽等の内部に有るろ過材を、その中に入れた回転スクリューで揉み洗い洗浄するろ過材洗浄装置を、低コストでかつ軽量に形成する。【解決手段】ろ過槽106等の内部にろ過材110の層を有し、供給された原水をろ過材110の層を通過させてろ過するろ過装置100用のろ過材洗浄装置200であって、ろ過材110の層内に立てて配置された螺旋状のスクリュー204と、このスクリュー204をスクリュー軸周りに回転させるスクリュー駆動手段206、208とを有し、スクリュー204を回転させてろ過材110を揉み洗い洗浄するろ過材洗浄装置200において、スクリュー204を囲む外筒を省き、複数のスクリュー羽根部を有するスクリュー204の外周縁を直接ろ過材110の層に接触させながら、ろ過材110を上方に移送する。【選択図】図1

Description

本発明は、原水をろ過材に通して浄化するろ過装置において、ろ過材を洗浄する装置に関するものである。
従来、例えば特許文献1や2に示されるように、原水をろ過(ろ過)して浄化するろ過装置が知られている。このろ過装置は基本的に、金属等から形成されたろ過槽の内部にろ過材の層を有し、供給された原水をろ過材の層を通過させてろ過する。この種のろ過装置においては使用を重ねるうちに、捕捉した微細な浮遊物等によってろ過材が汚れるので、適宜ろ過材を廃棄するか、洗浄する必要がある。従来、このろ過材の洗浄としては、ノズルから噴射される水流でろ過材層表面を叩くように洗浄する表面洗浄や、浄水を下方からろ過材層に圧入してろ過材を揉み合わせ洗浄する逆流洗浄が広く適用されていた。
しかし、以上述べたような表面洗浄や逆流洗浄には、洗浄効果が弱いので洗浄に長時間を要する、といった問題が認められていた。そこで本出願人は上述のような問題を解決できるろ過材洗浄装置として先に、例えば上記特許文献1や2に示されているように、スクリューコンベアでろ過材を洗浄する装置を提案、実用化した。このろ過材洗浄装置は基本的に、ろ過材の層内に立てて配置された螺旋状のスクリュー(より詳しく言えばスクリュー羽根部)と、このスクリューをスクリュー軸周りに回転させるスクリュー駆動手段とを有し、スクリューを回転させてろ過材を下から上方に移送させながら揉み洗い洗浄するものである。
ここで、上記スクリューコンベアを用いるろ過材洗浄装置として、特許文献1に示されている装置を例に挙げ、図6を参照して詳しく説明する。まず、このろ過材洗浄装置14が設置されたろ過装置1について説明する。なお同図には、厚みの有る部材の断面形状を1本の直線で示す等、概略的に表示している部分もある。ろ過装置1は同図に概略側面形状を示すように、上下が閉鎖された略円筒形のろ過槽2と、このろ過槽2の内側下部に配置された、多数の微細孔(図示せず)を有するろ床4と、このろ床4の上に積層されたろ過材6とを有する。ろ過槽2には複数の支持脚8(図では1本のみ示す)が取り付けられており、これによって、ろ過槽2が床面10上に設置される。なお、ろ床4には、微細孔を有するセラミック製の複数の短円柱状フィルター12が設置されている。このフィルター12は、浄化された水16のみを、ろ床4の下方に浸透させる。
ろ過槽上壁20の中央部には、円形の取付口22が形成されており、この取付口22にろ過材洗浄装置14が取り付けられている。取付口22の周縁は、取付用のリム24に形成されている。リム24上には、モータ26および減速機構部27を取り付けた台座28が取り付けられる。この台座28には軸受け30を3カ所に有する保持部36が形成されており、この3カ所の軸受け30によりスクリューコンベア32の回転軸34を、ぶれなく回転自在に支持するように構成されている。
ろ過材洗浄装置14において洗浄槽本体を構成する円筒形の筒部材38は、上部に円板状の隔壁29を有する。隔壁29の外周のフランジ31がリム24に取り付けられ、台座28と共にリム24にボルトによって取り付けられている。このようにして、筒部材38の上部がリム24に取り付けられ、筒部材38の略全体が上壁20から垂下している。フランジ31の中央には保持部36に密嵌される孔33が形成されている。これにより、ろ過時にろ過槽2内を密閉した状態に維持することができる。
筒部材38の下部は開放した円形の下部開口40となっており、上部には複数の上部開口42が形成されている。複数の上部開口42は、筒部材38の周方向に所定の間隔で形成され、各々は上下方向に延びている。下部開口40はろ過材6の中に位置するように、ろ過材6との位置関係が決められる。筒部材38の内側には、スクリューコンベア32が配置されている。スクリューコンベア32は、上部と下部とで径が異なる例えば中空のパイプ状の回転軸34と、この回転軸34の下部(比較的大径部分)の外周面に固定された螺旋形のスクリュー羽根部43とから形成されている。スクリュー羽根部43は回転軸34の下端44に至るまで形成されている。
スクリューコンベア32の回転軸34の上端部は、モータ26の減速機構部27に継ぎ手52を介して連結される。このようにして、スクリュー羽根部43が筒部材38内に配置されると、スクリュー羽根部43の上端は上部開口42の下縁42aの近傍に位置する。また、スクリューコンベア32の下端部35は、筒部材38の下部開口40から下方に突出し、回転軸34の下端44は、ろ床4の近傍に位置する。そこで、ろ過材6の洗浄時には、ろ床4近傍のろ過材6も効率良くスクリュー羽根部43で上方に移送され、洗浄される。
ろ過槽2の湾曲した底壁58の中央には、下方に延びる浄水排出管60が取り付けられており、ろ過材6、ろ床4およびフィルター12を通過して浄化された水が、この浄水排出管60を通って排出される。また、ろ過槽2の図中右側には、ろ過時にろ過槽2内に原水即ちろ過前の水16を注入する原水注入口(濁質排出手段)62と、その下方に設置された水位調整口64が配設されている。水位調整口64は、ろ過材6を洗浄する上で最適の水位を調整するために、水16を排出する排出口としても機能する。
ろ過槽2の上壁20の上には点検口68が設けられており、ここからろ過槽2内部の状況、例えばろ過材6の上面66等を確認するのに使用される。ろ過槽2の上壁20の左に位置するのは空気抜弁70である。また、ろ過槽2の側部には、ろ過材6を投入するためのろ過材投入口72が設けられている。
次に、ろ過槽2におけるろ過およびろ過材洗浄について説明する。まず、ろ過対象の原水は、原水注入口62から図示外のポンプにより圧入される。水位74が上昇するにつれ、空気抜弁70からろ過槽2内の空気が排出される。水位74は、本実施形態の場合、原水注入口62を越えてろ過槽2の上部まで達するように、即ちろ過槽2の略全体が水(原水)16で満たされるように設定される。図1に示す水位74は、満水になる前の途中の位置を示す。水16はろ過材6に浸透するとともに、上部開口42からも筒部材38内に進入して筒部材38内のろ過材6に浸透し、筒部材38内においてもろ過ができるようになっている。ろ過材6を浸透し、ろ過された水は、ろ過槽2の下部の浄水排出管60から外部に排出され、使用に供される。
次に、長期間使用してろ過材6に目詰まりが生じた際に、ろ過材6をろ過材洗浄装置14によって洗浄する方法について説明する。モータ26が駆動されて、スクリューコンベア32が回転すると、スクリューコンベア32の羽根部43、特に筒部材38の下方に露出した部分の羽根部43により、ろ過材6が上方の筒部材38内に押し上げられる。押し上げられたろ過材6の粒子同士は、羽根部43の回転により互いに擦れ合って揉み洗いされつつ上昇し、上部開口42からろ過槽2内に排出される。ろ過材6が水16の水面上に落下したときの衝撃で、濁質がろ過材6から剥離することが促進される。落下したろ過材6は、再び羽根部43により筒部材38内に押し上げられて揉み洗いされる。このようにして、ろ過材6は筒部材38内で洗浄が繰り返されて汚濁物質が剥離される。前述した通りスクリューコンベア32の下端44は、ろ床4の近傍に位置しているので、ろ床4に近いろ過材6も押し上げられて、全てのろ過材6が満遍なく洗浄される。
上述したろ過材洗浄装置は、汚れたろ過材を、従来の表面洗浄や逆流洗浄では例えば15分程度要していたのに比べ、7分程度の短時間で効率良く洗浄できるという効果を奏する。以上は、ろ過材洗浄装置をろ過槽に適用した場合について説明したが、例えば特許文献3に示されるようなろ過池も公知となっており、上記ろ過材洗浄装置はそのようなろ過池にも適用可能であり、そうする場合もろ過材を短時間で効率良く洗浄することができる。
特開2004-121885号公報 特開2004-160432号公報 特開2000-350994号公報
ところで、上記のスクリューコンベアを構成する上では、スクリューをその周外方から取り囲むようにしてスクリュー長軸方向に延びる筒部材(外筒)を設ける必要があると従来考えられて来た。この筒部材は、その内周面がスクリューの外周縁と所定の間隔を保つように精密に形成する必要があり、また移送されるろ過材と擦れ合っても破壊しないように頑丈に形成することも求められる。以上の点から、スクリューコンベアを用いる従来のろ過材洗浄装置には、コストおよび軽量化の上で改善の余地がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、低コストでかつ軽量に形成できるろ過材洗浄装置を提供することを目的とする。
本発明によるろ過材洗浄装置は、
ろ過槽またはろ過池の内部にろ過材の層を有し、供給された原水をろ過材の層を通過させてろ過するろ過装置用のろ過材洗浄装置であって、
ろ過材の層内に立てて配置された螺旋状のスクリューと、このスクリューをスクリュー軸周りに回転させるスクリュー駆動手段とを有し、上記スクリューを回転させてろ過材を揉み洗い洗浄するろ過材洗浄装置において、
スクリューとして、該スクリューを構成する螺旋状のスクリュー羽根部が、互いに連続することがなくスクリュー軸方向に互いに離して配された複数のスクリュー羽根部であるスクリューが用いられ、
スクリューの外周縁を直接ろ過材の層に接触させながら、ろ過材を上方に移送する構成とされていることを特徴とするものである。
なお上記の「スクリューの外周縁を直接ろ過材の層に接触させながら」とは、スクリューの周外方に筒部材が存在してその筒部材とスクリューとの間に進入したろ過材がスクリューの外周縁と接触するのではないこと、つまり前述したような筒部材は設けられていないことを意味するものである。この筒部材が設けられない範囲は、スクリューの全長に亘っていることが最も望ましい。しかしそれに限らず、スクリューの全長内の一部範囲のみにおいて筒部材が設けられない状態とされていてもよい。
上記構成を有する本発明のろ過材洗浄装置において、ろ過材の層内に立てて配置されるスクリューは、鉛直方向に立てて配置されるのが最も好ましいが、それに限らず、鉛直方向に対して微小角度傾斜して配置されてもよい。その場合の傾斜角度は最大でも10°(度)程度とするのが望ましい。
また、上記構成を有する本発明のろ過材洗浄装置においては、スクリューとして、コイルばね型の形状を有するスクリューが用いられていることが望ましい。この「コイルばね型の形状」とは、より詳しくは、スクリューを構成する螺旋状のスクリュー羽根部が、スクリュー軸方向(スクリューの回転軸が延びる方向)から見たとき、スクリューの回転軸から周外方に離れた位置において環状をなす形状を示すものである。
本発明者は、回転するスクリューによってろ過材を上方に移送させながらろ過材を揉み洗い洗浄する場合、前述したような筒部材が設けられていなくてもろ過材の移送・洗浄が可能であることを初めて見出した。本発明によるろ過材洗浄装置は、この知見に基づいて筒部材を省いたものであり、それにより、ろ過材洗浄効果は従来装置と同様に確保しながら、筒部材を省いた分、低コストでかつ軽量に形成可能となる。この効果は、筒部材が設けられない範囲が、スクリューの全長に亘っている場合に最も顕著に得られることになる。
また本発明によるろ過材洗浄装置は、スクリューとして、該スクリューを構成する螺旋状のスクリュー羽根部が、互いに連続することがなくスクリュー軸方向に互いに離して配された複数のスクリュー羽根部であるスクリューが用いられているので、スクリュー羽根部が一枚であるスクリューが用いられた場合と比べると、より多く多量のろ過材が移送されるので、ろ過材洗浄効率がより高いものとなる。
本発明の一実施形態によるろ過材洗浄装置を有するろ過装置を示す概略側面図 図1のろ過材洗浄装置の一部を示す平面図 本発明の比較例としてのろ過材洗浄装置を有するろ過装置を示す概略側面図 図1のろ過材洗浄装置により洗浄されたろ過材を示す写真 図3のろ過材洗浄装置により洗浄されたろ過材を示す写真 従来のろ過材洗浄装置を有するろ過装置を示す概略側面図 本発明によるろ過材洗浄装置が用いられたろ過装置の別の例を示す概略側面図
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態によるろ過材洗浄装置を有するろ過装置100の概略側面形状を示すものである。なお同図には、厚みの有る部材の断面形状を1本の直線で示す等、概略的に表示している部分もある。まず、ろ過装置100について説明する。ろ過装置100は同図に概略側面形状を示すように、円形の開口を取り囲む上端部材102、底壁104を有する略円筒形のろ過槽106と、このろ過槽106の内側下部に配置された、多数の微細孔(図示せず)を有するろ床108と、このろ床108の上に積層された、水よりも比重が大きい砂等からなるろ過材110とを有する。なお、ろ床108には、微細孔を有するセラミック等からなる複数の短円柱状ストレーナ112が設置されている。
このろ過装置100は一例として、いわゆる上向流式のろ過装置であり、ろ過槽106の内部においてろ床108と底壁104との間に原水流入室114を有する。この原水流入室114には、その図中左側の周壁に近い位置に開口する原水入口管115と、図中右側の周壁に近い位置に開口する逆洗水入口管116とが接続されている。一方ろ過槽106の上端部材102よりもやや下の位置には、ろ過槽106の内部に連通する処理水出口管118が接続されている。またろ過槽106には、ろ床108のやや上の位置においてろ過槽106の内部に開口するろ過材排出口120が接続されている。ろ過装置100にはその他に、原水流入室114の内部に開口した横向きの清掃口管や、その清掃口管に上方から接続する水位調整出口管等が設けられているが、それらは本発明と直接関連するものではなく、従来装置におけるのと同様に形成すればよいので、図示および詳しい説明を省略する。そしてろ過槽106の中央部には、本発明の一実施形態によるろ過材洗浄装置200が取り付けられている。このろ過材洗浄装置200の詳細は後に説明する。
このろ過装置100において、ろ過対象の原水は原水入口管115から、所定の圧力を掛けて原水流入室114内に送られる。この原水は、複数のストレーナ112を経てから、ろ過材110の層を下から上に通過する。その際に、原水に含まれていた汚濁物質がろ過材に捕捉されて、原水がろ過される。ろ過された後の処理水122は、堰板124を溢流して、処理水出口管118からろ過槽106の外に排出される。
次に、ろ過材洗浄装置200について説明する。ろ過材洗浄装置200は、ろ過槽106の中心部を上下方向に延びる回転軸203、および回転軸203の外周面に固定された螺旋状のスクリュー羽根部204を有する。回転軸203は、比較的小径の軸上部201と比較的大径の軸下部202とから構成されており、上記スクリュー羽根部204は具体的には、軸下部202の外周面に固定されている。これらの回転軸203およびスクリュー羽根部204は、スクリューコンベアを構成している。なお本実施形態におけるスクリュー羽根部204は、互いに連続することがなくスクリュー軸方向に互いに離して配された2枚のスクリュー羽根部から構成されている。
ろ過槽106の上部には、モータ206および、該モータ206の回転を減速する減速機構部208が配設されている。これらのモータ206および減速機構部208はスクリュー駆動手段を構成しており、減速機構部208の出力軸208aには、継ぎ手210を介して回転軸203の軸上部201が連結されている。モータ206および減速機構部208は一体化されて、保持部材212の上に保持されている。保持部材212は、上下方向に延びる複数のサポート214や、ろ過槽106の上部内側に固定されたサポート216を介してろ過槽106に固定されている。以上の構成により、回転軸203およびスクリュー羽根部204からなるスクリューコンベアが、ろ過槽106の中心部において、ろ過材110の中に垂下された状態となっている。
回転軸203の軸上部201は、軸方向に互いに離して配された一例として4個の軸受け218に回転自在に軸支されている。それにより回転軸203は、ぶれることなく回転可能とされている。またろ過槽106の内部には、それらのうちの1組の平断面形状を図2に示すように、スクリュー羽根部204を周外方8箇所から取り囲むろ過材流動防止プレート220が設けられている。これらのろ過材流動防止プレート220は、スクリュー羽根部204の螺旋が繰り返す方向、つまり回転軸203の軸方向に互いに離して、一例として3組設けられている。各ろ過材流動防止プレート220は、上記軸方向に対して傾斜したものとされているが、この傾斜の向きは隣合う組で互いに逆向きとされている。
次に、ろ過材洗浄装置200の作用について説明する。前述したように原水がろ過材110を通過してろ過されると、原水に含まれていた汚濁物質がろ過材110に捕捉される。そこで、ろ過材110を廃棄しないで使用し続けるためには、汚濁物質をろ過材110から取り除くこと、つまりろ過材110の洗浄を適宜実施する必要がある。このろ過材洗浄の一つとして本例のろ過装置100では、いわゆる逆流洗浄(逆洗)がなされる。この逆洗を実施する際には、原水のろ過を休止している期間に、逆洗水入口管116から逆洗水としての浄水が所定の圧力を掛けて原水流入室114内に送られる。この浄水は、ろ過材110を下から上方に通過して、処理水出口管118からろ過槽106の外に排出される。その際、ろ過材110が捕捉していた汚濁物質が浄水によってろ過材110から引き剥がされ、浄水と共に処理水出口管118からろ過槽106の外に排出される。
また、この逆洗の他に、ろ過材洗浄装置200によるろ過材洗浄も適宜実施可能である。このろ過材洗浄装置200によるろ過材洗浄を実施する際には、原水のろ過を休止して上記逆洗もなされている期間にモータ206が駆動され、その回転力が減速機構部208を介してスクリューコンベアの回転軸203に伝達される。こうして回転軸203が回転すると、螺旋状のスクリュー羽根部204が回転して、ろ過材110が該スクリュー羽根部204によって上方に移送される。その際、個々のろ過材110が互いに揉まれることにより、捕捉していた汚濁物質がろ過材110から引き剥がされる。この場合も、その汚濁物質は逆洗水と共に処理水出口管118からろ過槽106の外に排出される。
本実施形態では、ろ過材の揉み洗い洗浄を行う従来のスクリューコンベアとは異なって、スクリュー羽根部204を周外方から取り囲む筒部材(外筒)は配設されていない。したがって本実施形態では、スクリューの外周縁より詳しくはスクリュー羽根部204の外周縁を、直接ろ過材110の層に接触させながら揉み洗い洗浄がなされる。つまり、従来装置におけるように、スクリュー羽根部204の周外方に筒部材が存在してその筒部材とスクリューとの間に進入したろ過材110がスクリュー羽根部204の外周縁と接触するのではない。
本発明者の研究によると、上述したような筒部材が配設されていなくても、スクリュー羽根部204はスクリューコンベアの構成要素として作用し、回転する該スクリュー羽根部204によってろ過材110が上方に移送されつつ揉み洗い洗浄がなされ得る。この作用は、下記の通りにして得られているものと考えられる。
ろ過材110の層の中でスクリュー羽根部204が回転を続けると、その外周縁に接触しているろ過材110の部分が削られて、ろ過材110の層の中には概略円柱状の空間が画成される。つまり、スクリュー羽根部204は、その外周縁がこの空間の周面と向かい合う状態で該空間内において回転する。ろ過材110が主に砂からなるならば、上記空間の周面は“砂壁”とも言えるような壁となって、あたかも従来装置における筒部材(外筒)のように機能する。そこで、スクリュー羽根部204の回転による遠心力でその周外方に飛散するろ過材110も、この“砂壁”で跳ね返ってスクリュー羽根部204の上面に戻るので、該スクリュー羽根部204により上方に移送されながら、揉み洗いされる。
なお上記空間(その中でスクリュー羽根部204が回転する空間)の周面は、上記の通り従来装置における筒部材(外筒)のように機能しても、結局は、砂状のろ過材110から形成されたものであるので、砂状の物質が本来備えている性状も示すことになる。すなわち、上述したようにスクリュー羽根部204の周外方に飛散したろ過材110がこの周面に衝突しても、該周面が多少変形するだけであって、飛散したろ過材110を破砕するようなことはない。それに対して、スクリュー羽根部を周外方から取り囲むように筒部材(外筒)が配設された従来装置においては、スクリュー羽根部から周外方に飛散したろ過材が、金属等からなる筒部材に衝突して破砕されることもある。
従来装置に設けられていた上記筒部材を省いた分、本実施形態のろ過材洗浄装置200は、従来装置よりも低コストでかつ軽量に形成可能である。特に上記筒部材は、通常はステンレス鋼等の金属から形成され、そして、揉み洗い洗浄されているろ過材が該筒部材の内周面とスクリュー羽根部との間に挟まって破壊されることがないように、スクリュー羽根部との間の距離を精密に所定値に設定する必要が有るので、コストが高くなりがちであった。そのような筒部材を省けるのであれば、低コスト化の効果は特に顕著なものとなる。また、ろ過材洗浄装置200を軽量に形成可能であれば、それを備えるろ過装置100も当然軽量化が可能である。
さらに、通常は金属から形成される上記筒部材を省いて軽量化できれば、スクリューコンベアに対して重量制限が有る際には、筒部材と共にスクリューコンベアを構成する回転軸203やスクリュー羽根部204の全長もより大きく設定できるので、ろ過槽106を長く形成する上で有利である。
また本実施形態においては、スクリュー羽根部204を周外方8箇所から取り囲むろ過材流動防止プレート220が3組設けられていることにより、下記の効果も得られている。すなわち、濁質(汚濁物質)を含んで汚れた原水をろ過材層(ろ過材110の層)によってろ過し続けていると、該層の下部から濁質が徐々に詰まり、ろ過中にろ過材層に圧力が加わることになる。こうして目詰まりが進行してろ過圧力が上昇すると、層下部のろ過材110と濁質が一体化した状態で、さらにろ過圧力が上昇する。そして、そのろ過材110と濁質との塊が上昇することで、ろ過材層に空間(水の空間)が生じ、やがて、浮いていたろ過材110と濁質が崩れて流動し、濁質が漏れる現象が生じる。こうなると適切なろ過ができず、ろ過された後の処理水122中に濁質が一気に放出される不都合な事態を招くことになる。それに対して、ろ過材流動防止プレート220を複数組設けておけば、ろ過材110の流動や浮上を防止して、上記不都合な事態の発生を回避することができる。
ここで図3を参照して、本発明の比較例としてのろ過材洗浄装置300について説明する。このろ過材洗浄装置300は、上記実施形態のろ過材洗浄装置200ではスクリュー羽根部204が2枚のクリュー羽根部から構成されているのに対し、ここではスクリュー羽根部304が1枚のクリュー羽根部から構成されている点だけが基本的にろ過材洗浄装置200と異なるものである。このろ過材洗浄装置300は、ろ過装置150内に設けられているが、このろ過装置150も図1のろ過装置100と比べると、ろ過材洗浄装置200に代えてろ過材洗浄装置300が用いられている点だけで相違している。そこで図3では、図1中の要素と同じ要素については図1における番号と同じ番号を付してあり、それらについての説明は、特に必要の無い限り省略する。
この比較例としてのろ過材洗浄装置300においても、ろ過材110の洗浄は、図1に示した実施形態のろ過材洗浄装置200におけるのと同様にしてなされる。ただし、上記実施形態のろ過材洗浄装置200ではスクリュー羽根部204が2枚のクリュー羽根部から構成されていることから、ろ過材110の移送および洗浄が比較的高効率でなされ得るのに対し、本比較例ではスクリュー羽根部304が1枚のクリュー羽根部から構成されているため、ろ過材110の移送および洗浄の効率は上記実施形態よりも低くなっている。これにより、本発明のろ過材洗浄装置において、複数のスクリュー羽根部からなるスクリューを用いていることの有利性が明確になった。ここで図4、図5に示す写真はそれぞれ、上記スクリュー羽根部204、304により移送されたろ過材110の実際の様子を示すものである。
なお上記実施形態のろ過材洗浄装置200では、スクリュー羽根部204が2枚のクリュー羽根部から構成されているが、3枚以上のクリュー羽根部が適用されてもよい。とにかく、そのように複数枚のクリュー羽根部を適用すれば、1枚のクリュー羽根部を適用する場合と比べて、ろ過材110の移送および洗浄の効率を向上させる上で有利となる。
以上、ろ過槽を有するろ過装置に設けられたろ過材洗浄装置の実施形態について説明したが、本発明のろ過材洗浄装置はそのようなろ過装置に限らず、ろ過池において設置することも可能である。また、以上説明したろ過材洗浄装置200や300は、上向流式のろ過装置に適用されたものであるが、本発明のろ過材洗浄装置はそれに限らず、図6に示したような下向流式のろ過装置に適用することも可能である。
次に図7を参照して、本発明のろ過材洗浄装置が用いられるろ過装置の別の例について説明する。なおこの図7において、前述した図1中のものと同等の要素については図1と同じ番号を付してあり、それらについての説明は、特に必要の無い限り省略する。この図7に示すろ過装置400は図1に示したろ過装置100と対比すると、基本的にろ床108Aの形状が異なる点で相違する。すなわち図1のろ過装置100では単純に正円形のろ床108が適用されているのに対し、本例のろ過装置400におけるろ床108Aは。正円形の外周面から中心方向に向かって次第に縮径しつつ下方に凹んだ「漏斗状」あるいは「すりばち状」の形状を有するものとされている。
ろ床108Aをこのような形状とすることにより、ろ過材洗浄装置200の回転するスクリュー羽根部204によって上方に移送されながら揉み洗いされるろ過材110や、そこから引き剥がされて処理水出口管118より排出される汚濁物質がスクリュー羽根部204の下端部近傍に自然に集まり易くなる。そこで、ろ過材110の揉み洗い洗浄や汚濁物質の排出が、より効率的になされるようになる。
またこの場合、ろ過前の原水がろ床108Aを介してろ過材110と接触する面積は、正円形のろ床108を介してろ過材110と接触する場合よりも大きくなるので、ろ過を高速化する上でも有利となる。
また、本発明においては前述した逆流洗浄(逆洗)がなされてもよいことを説明したが、この逆洗と並行して、あるいはこの逆洗に代わるものとして独自に、ろ過材の泡洗浄がなされてもよい。この泡洗浄は、微細な泡を多数含ませた泡洗浄水を、ろ過材110の層の下方からろ過材110に向けて流す処理である。この処理がなされると、ろ過材110とろ過材110との間を泡洗浄水が流れ、各ろ過材110の表面に捕捉されていた汚濁物質が、泡の通過による振動や衝撃、接触により剥離される。こうして剥離された汚濁物質を含む泡洗浄水は、逆洗の場合と同様に、処理水出口管118からろ過槽106の外に排出される。
以上述べた泡洗浄を逆洗と並行して行う場合は、ろ過材110を洗浄する効果がより高いものとなる。また、泡洗浄がなされる分、逆洗水を少なくできることから、逆洗水の消費量を抑える効果も得られる。なお泡洗浄水を得るための水は、逆洗水を一部分岐して利用してもよいし、あるいは逆洗水とは別に用意されてもよい。また、泡洗浄水に微細な泡を多数含ませるためには、ろ過材110に向けて水を圧送するポンプとして羽根車をケーシング内で回転させる非容積式ポンプを適用し、羽根車で水を切って泡を発生させることができる。あるいは、泡としてファインバブルやマイクロバブル等と称されるより微細な泡を希望する場合は、その種の泡を発生させる専用の泡発生器を、水の圧送経路に介設して使用してもよい。
100、150、400 ろ過装置
102 ろ過槽の上端部材
104 ろ過槽の底壁
106 ろ過槽
108、108A ろ床
110 ろ過材
112 ストレーナ
114 原水流入室
115 原水入口管
116 逆洗水入口管
118 処理水出口管
120 ろ過材排出口
122 処理水
124 堰板
200、300 ろ過材洗浄装置
203 回転軸
204、304 スクリュー羽根部
206 モータ
208 減速機構部
210 継ぎ手
212 保持部材
214、216 サポート
218 軸受け
220 ろ過材流動防止プレート

Claims (4)

  1. ろ過槽またはろ過池の内部にろ過材の層を有し、供給された原水を前記ろ過材の層を通過させてろ過するろ過装置用のろ過材洗浄装置であって、
    前記ろ過材の層内に立てて配置された螺旋状のスクリューと、このスクリューをスクリュー軸周りに回転させるスクリュー駆動手段とを有し、前記スクリューを回転させてろ過材を揉み洗い洗浄するろ過材洗浄装置において、
    前記スクリューとして、該スクリューを構成する螺旋状のスクリュー羽根部が、互いに連続することがなくスクリュー軸方向に互いに離して配された複数のスクリュー羽根部であるスクリューが用いられ、
    前記スクリューの外周縁を直接前記ろ過材の層に接触させながら、ろ過材を上方に移送する構成とされていることを特徴とするろ過材洗浄装置。
  2. 前記複数のスクリュー羽根部が2枚のスクリュー羽根部である請求項1に記載のろ過材洗浄装置。
  3. 前記スクリューとして、該スクリューを構成する螺旋状のスクリュー羽根部が、スクリュー軸方向から見たとき、スクリューの回転軸から周外方に離れた位置において環状をなす、コイルばね型の形状を有するスクリューが用いられている請求項1または2に記載のろ過材洗浄装置。
  4. 前記スクリューの外周縁を直接前記ろ過材の層に接触させる範囲が、該スクリューの全長に亘っている請求項1から3のいずれか1項に記載のろ過材洗浄装置。
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