JP2024058653A - 抗ウイルス剤としてのピロリジンメインプロテアーゼ阻害剤 - Google Patents

抗ウイルス剤としてのピロリジンメインプロテアーゼ阻害剤 Download PDF

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Abstract

【課題】メインプロテアーゼ(MPro)タンパク質の阻害による、抗ウイルス化合物として有効な化合物を見出すこと。【解決手段】抗ウイルス化合物として有効な、ピロリジンメインプロテアーゼ阻害剤が記載されている。【選択図】なし

Description

本出願は、2022年10月14日出願の米国仮特許出願第63/416,037号、及び2023年3月9日出願の米国仮特許出願第63/489,389号の利益を主張し、それらの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている。
本発明は、コロナウイルスを含む多数のウイルスにおいて見出されるメインプロテアーゼ(MPro)タンパク質の阻害による、抗ウイルス化合物として有効な化合物に関する。
本発明の背景
コロナウイルス疾患2019(COVID-19)は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)によって引き起こされる。COVID-19及び他のコロナウイルスの感染に伴う症状を軽減することができる低分子化合物が、緊急に必要とされている。
(発明の要旨)
実施形態において、式(III)
Figure 2024058653000001
(式中、Rは、CN又はBrであり、Rは、CF又はシクロプロピルであり、Rは、H又はFであり、Rは、H又はFである)を有する抗ウイルス化合物として有効な化合物が見出された。式(III)を有する化合物の具体例は、化合物(1)及び化合物(2)、又は薬学的に許容されるそれらの塩を含む。
Figure 2024058653000002
実施形態において、式(VI)
Figure 2024058653000003
(式中、Rは、CN又はBrであり、Rは、CF又はシクロプロピルであり、Rは、H又はFである)を有する抗ウイルス化合物として有効な化合物が見出された。
式(VI)を有する化合物の具体例は、化合物(3)又は薬学的に許容されるその塩
Figure 2024058653000004
である。
別の実施形態において、化合物(1)、化合物(2)、化合物(3)
Figure 2024058653000005
の構造、又は薬学的に許容されるそれらの塩を有する、有効な抗ウイルス化合物である化合物が見出された。
別の実施形態において、本発明は、以下の構造
Figure 2024058653000006
によって表される化合物を提供する。
コロナウイルスは、通常、ヒトにおける気道上部の軽度から中度の疾病を引き起こす、ウイルスの大きなファミリーである。しかし、3種のコロナウイルスは、ヒトにおいて、一層深刻な及び致死性の疾患を引き起こす:SARSコロナウイルス(SARS-CoV)は、重症急性呼吸器症候群(SARS)を引き起こし、MERSコロナウイルス(MERS-CoV)は、中東呼吸器症候群(MERS)を引き起こし、SARS-CoV-2は、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)を引き起こす。特定されており、中度の呼吸器系感染の一因となる他のコロナウイルスには、OC43コロナウイルス、HKU1コロナウイルス、229Eコロナウイルス及びNL63コロナウイルスが挙げられる。ワクチンは、COVID-19の蔓延を遅らせ、COVID-19感染に伴う一層重度の症状を改善することに有効であることが証明されている。SARS-CoV-2のバリアントの増加、及び内在時間差のため、これらのバリアントに対して有効な新規ワクチンの開発が必要とされ、COVID-19及び他のコロナウイルスの感染の一層重度の副作用を低減することができる、有効な低分子化合物の必要性が生じている。
これらのウイルス及び他のウイルスの一般的な特徴は、ウイルスに関連するポリタンパク質の開裂を触媒するプロテアーゼが存在することである。これらのポリペプチドの開裂により、成熟した機能性ウイルスが生じる。したがって、これらのプロテアーゼの作用は、ウイルス複製にとって必須である。ウイルスのプロテアーゼは、広域抗ウイルス化合物の開発にとって、魅力的な標的になる。広域抗ウイルス化合物に対する潜在的なプロテアーゼ標的は、コロナウイルスを含む、多数のウイルスにおいて見出されているメインプロテアーゼ(MPro)タンパク質である。
MProのその阻害により、抗ウイルス化合物として有効な化合物が見出された。一実施形態において、抗ウイルス化合物は、式(I)
Figure 2024058653000007
(式中、
は、CN、Cl、Br、F又はC~Cアルキルであり、
は、CF、CHF、OCF、OCHF、Cl又はシクロプロピルであり、
は、H又はFであり、
は、H、F又はClであり、
は、H又はFであり、
は、H又はFであり、
は、H、OCH又はFであり、
Xは、O、CR1011、NR12であり、
10、R11及びR12は、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル、SO-(C~Cアルキル)又はCNであり、
14は、H、C~Cアルキル又は=Oであり、
15は、H、C~Cアルキル又は-OC~Cアルキルである)
の構造を有する。一部の実施形態において、R、R、R、R又はRのうちの少なくとも1つは、Hではない。
用語「アルキル」とは、本明細書において使用する場合、一価の基C2n+1を含む化学置換基を一般に指し、nは、ゼロより大きな整数である。用語「アルキル」は、一価の分岐又は非分岐の無置換炭化水素基を含む。一部の実施形態において、nは、1~6である。例示的なアルキル(alky)基には、以下に限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、2-プロペニル(又はアリル)、n-ブチル、t-ブチル及びi-ブチル(又は2-メチルプロピル)が挙げられる。
一実施形態において、抗ウイルス化合物は、式(II)
Figure 2024058653000008
(式中、
は、CN、Cl、Br、F又はC~Cアルキルであり、
は、CF、CHF、OCF、OCHF、Cl又はシクロプロピルであり、
は、H又はFであり、
は、H、F又はClであり、
は、H又はFであり、
は、H又はFであり、
は、H、OCH又はFである)
の構造を有する。一部の実施形態において、R、R、R、R又はRのうちの少なくとも1つは、Hではない。
一実施形態において、抗ウイルス化合物は、式(III)
Figure 2024058653000009
(式中、
は、CN又はBrであり、
は、CF又はシクロプロピルであり、
は、H又はFであり、
は、H又はFである)
の構造を有する。
式(III)を有する化合物の具体例は、以下に限定されないが、化合物(1)及び(2)
Figure 2024058653000010
を含む。
一実施形態において、抗ウイルス化合物は、式(IV)
Figure 2024058653000011
(式中、
は、CN、Cl、Br、F又はC~Cアルキルであり、
は、CF、CHF、OCF、OCHF、Cl又はシクロプロピルであり、
は、H又はFであり、
は、H、CHF、C~Cアルキル又はOCHであり、
は、H、F又はClであり、
Xは、O、CR1011又はNR12であり、
10、R11及びR12は、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル、SO-(C~Cアルキル)又はCNである)の構造を有する。一部の実施形態において、R、R又はRのうちの少なくとも1つは、Hではない。
一実施形態において、抗ウイルス化合物は、式(V)
Figure 2024058653000012
(式中、
は、CN、Cl、Br、F又はC~Cアルキルであり、
は、CF、CHF、OCF、OCHF、Cl又はシクロプロピルであり、
は、H又はFであり、
は、H、CHF、C~Cアルキル又はOCHであり、
は、H、F又はClである)
の構造を有する。一部の実施形態において、R、R又はRのうちの少なくとも1つは、Hではない。
実施形態において、抗ウイルス化合物は、式(VI)
Figure 2024058653000013
(式中、
は、CN又はBrであり、
は、CF又はシクロプロピルであり、
は、H又はFである)
の構造を有する。
式(VI)を有する化合物の具体例は、化合物(3)
Figure 2024058653000014
である。
一実施形態において、抗ウイルス化合物は、式(VII)
Figure 2024058653000015
(式中、
は、CN、Cl、Br、F又はC~Cアルキルであり、
は、CF、CHF、OCF、OCHF、Cl又はシクロプロピルであり、
は、H又はFであり、
は、H、F又はClであり、
は、H又はFであり、
は、H又はFであり、
は、H、OCH又はFであり、
13は、
Figure 2024058653000016
である)
の構造を有する。一部の実施形態において、R、R、R、R又はRのうちの少なくとも1つは、Hではない。
本発明の1つ以上の化合物は、これ自体、又は医薬組成物中において、ヒト患者に投与され得、この場合、該化合物は、COVID-19及び他のコロナウイルスの感染に伴う症状を処置又は改善する用量で、生物学的に好適な担体又は賦形剤と混合される。これらの化合物の混合物もまた、単純な混合物として、又は好適に製剤化された医薬組成物において、患者に投与され得る。治療有効用量とは、本明細書に記載されている疾患又は状態の予防又は弱化をもたらすのに十分な化合物(単数又は複数)のそのような量を指す。
本明細書に記載されている化合物又はその塩が使用されて、コロナウイルス感染に罹患している対象を処置することができる。本化合物は、Mproの作用を阻害することによって、対象において、コロナウイルスが増殖する能力を低減すると考えられる。Mproの阻害は、ウイルスに関連するポリタンパク質の開裂を撹乱し、ウイルスが、成熟した機能性ウイルスになること、及び/又は複製することを阻止する。実施形態において、コロナウイルス感染(例えば、COVID-19感染)に罹患している対象を処置する方法は、治療有効量の本明細書に記載されている化合物を投与するステップを含む。コロナウイルス感染を処置するために使用され得る化合物は、以下に限定されないが、本明細書に記載されている式(III)を有する化合物及び式(VI)を有する化合物を含む。コロナウイルス感染を処置するために使用され得る具体的な化合物は、以下に限定されないが、本明細書に記載されている化合物(1)、化合物(2)及び化合物(3)を含む。
抗ウイルス化合物の合成
スキーム
Figure 2024058653000017
スキーム1に示されている通り、式(1)の化合物(式中、R及びRは、本明細書において定義されている通りである)を、塩化2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルマグネシウム塩化リチウム、次いで、二酸化炭素ガスにより処理し、式(2)の化合物を得ることができる。この反応は、以下に限定されないが、テトラヒドロフランなどの溶媒中、低温において、通常、行われる。以下に限定されないが、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン又はトリエチルアミンなどの塩基の存在下において、式(2)の化合物と(R)-tert-ブチルピロリジン-3-イルカルバメートの反応により、式(3)の化合物を得ることができる。この反応は、高温において、及び以下に限定されないが、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド又はN-メチルピロリジノンなどの溶媒中において、通常、行われる。式(4)の化合物は、HATU(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート)の存在下において、式(3)の化合物を、モルホリン、次いで、以下に限定されないが、トリエチルアミンなどの塩基と反応させることによって調製され得る。この反応は、以下に限定されないが、N,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、周囲温度付近に反応混合物を維持しながら、通常、行われる。式(5)の化合物を得る、式(4)の化合物のBoc基の除去は、以下に限定されないが、シクロペンチルメチルエーテルなどの溶媒中、以下に限定されないが、塩酸などの酸を使用して行われ得る。
式(6)の化合物(Rは、本明細書において定義されている通りである)は、酢酸中、式(7)の化合物(Rは、本明細書において定義されている通りである)と反応させて、式(8)の化合物を得ることができる。この反応は、高温において、通常行われ、酢酸ナトリウムなどの塩基を含んでもよい。
式(8)の化合物は、以下に限定されないが、N,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、DMTMM(4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド)と反応させて、次いで、式(5)の化合物とN-メチルモルホリンとの混合物を添加すると、式(III)の化合物を得ることができる。この反応は、周囲温度において、通常、行われる。
Figure 2024058653000018
スキーム2は、式(VII)の化合物の合成を示す。式(9)のキノロン酸化合物(R、R、R、R及びRは、本明細書において定義されている通りである)は、N-ヒドロキシスクシンイミド、及び以下に限定されないが、EDC(1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩)などのカップリング試薬により処理することによって、式(10)の活性化エステル種に変換することができる。この反応は、以下に限定されないが、N,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、周囲温度において、通常、行われる。
スキーム1に記載されている通りに調製することができる、式(3)のアミン(R及びRは、本明細書において定義されている通りである)は、以下に限定されないが、ジオキサンなどの溶媒中、塩酸などの酸により処理すると、式(11)の化合物を得ることができる。
式(10)の化合物は、式(11)の化合物とカップリングさせて、式(12)の化合物を得ることができる。この反応は、以下に限定されないが、N,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、周囲温度において、通常、行われる。式(12)の化合物は、トリエチルアミンなどの塩基、及びHATU又はEDCなどのカップリング剤の存在下、式(13)の一級アミン又は二級アミン(R13は、本明細書に記載されている通りである)とのカップリングによって、式(VII)の化合物に変換され得る。この反応は、以下に限定されないが、N,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、周囲温度において、通常、行われる。
Figure 2024058653000019
スキーム3に示されている通り、式(14)の化合物(R、R及びRは、本明細書に記載されている通りである)は、DMTMM(4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド)などのカップリング剤との処理後に、式(13)の化合物(R、R及びXは、本明細書に記載されている通りである)と反応させて、式(15)の化合物を得ることができる。この反応は、以下に限定されないが、N,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、周囲温度において、通常、行われる。式(15)の化合物は、アセトニトリル中、塩化トリメチルシリル及びヨウ化カリウムからインシチュで形成させた、ヨウ化トリメチルシリルなどの試薬により処理し、式(IV)の化合物を得ることができる。この反応は、以下に限定されないが、アセトニトリルなどの溶媒中、高温において、通常、行われる。
[実施例1]
化合物(2)(R)-N-(1-(4-シアノ-2-(モルホリン-4-カルボニル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン-3-イル)-8-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボオキサミドの合成
Figure 2024058653000020
化合物2A- 塩化2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルマグネシウム塩化リチウム錯体のテトラヒドロフラン中溶液の合成
Figure 2024058653000021
この手順は、dos Santosら、Org.Lett.2021年、v23、19、7396-7400ページから適用させた。1.3Mの塩化イソプロピルマグネシウム塩化リチウム錯体のテトラヒドロフラン中溶液(200mL、260mmol)を含有する500mLの丸底一つ口(24/40)フラスコを、窒素雰囲気下、10分間かけてゆっくりと添加した2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(46.3mL、273mmol)により処理した。このフラスコをアルミニウムホイルで蓋をして、この混合物を48時間、撹拌した。塩化2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルマグネシウム塩化リチウム錯体(2A)の得られた溶液は滴定を行わず、テトラヒドロフラン中、1.1Mであると見なした。
化合物2B- 5-シアノ-2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)安息香酸の合成
Figure 2024058653000022
3Lの1つ口丸底フラスコにおいて、4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(50g、264mmol)の無水テトラヒドロフラン(1L)中溶液を、窒素雰囲気下、ドライアイス/アセトン浴中、-40℃まで冷却し、約15分間かけて、1.1Mの塩化2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルマグネシウム塩化リチウム錯体のテトラヒドロフラン中溶液(264mL、291mmol;化合物2A)によりゆっくりと処理し、添加中、内温を-35℃未満に維持した。この混合物を-17℃まで温め、次に、15分間、-17℃~-16℃の間に維持した。この混合物を-78℃まで冷却し、二酸化炭素ガス流により処理した。二酸化炭素流は、ドライアイス(約200g)を含有する1Lの1つ口(24/40)丸底フラスコを使用して発生させた。ドライアイスを含有したフラスコに、カニューレ(約13ゲージの内径、約85mm長)を通したセプタム(24/40)を取り付け、カニューレのもう一方の端部を反応混合物に入れた。最初の5分間、二酸化炭素をゆっくりと添加している間、反応の内温を約-75℃まで温めた。次に、ドライアイスを含む1Lのフラスコを、穏やかに温めて、COの流量を増加し、この反応混合物を10分間かけて、-70℃まで徐々に温めた。二酸化炭素ガスの添加をさらに5分間(合計で20分間)維持した(反応の内温は、この時点で-69℃であった)。次に、この反応混合物をドライアイス浴から取り出し、温めた。反応が-10℃に到達すると、氷浴中で冷却したヘプタン(2.5L)及び1M水性HCl(750mL)を含有する、冷却した(約5℃)かき混ぜた6Lのエルレンマイヤーフラスコに、上記の混合物を小分けにして注ぎ入れた。得られた混合物を5Lの分液漏斗に移送した。最小量の1M水性HCl、次いで酢酸エチルを使用して、フラスコ中の残留物をすすぎ、分液漏斗に入れた。この混合物を数分間、振とうして、存在した物質を溶解させた。有機層を分離し、さらに1M水性HCl(750mL)により洗浄した。次に、有機層を飽和水性炭酸水素ナトリウム(500mL)と水(500mL)との1:1混合物により抽出した。この混合物を数分間、振とうした。この下側の水層を、氷浴中において冷却した、酢酸エチル(1.5L)及び3M水性HCl(350mL)を含有する、かき混ぜた4Lのエルレンマイヤーフラスコに、直ちにゆっくりと(約5分間かけて)加えた。酢酸エチル層を分離し、ブライン(2×50mL)で2回、洗浄し、脱水(硫酸マグネシウム)してろ過した。ろ液を濃縮すると、表題化合物(2B)が得られた。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ ppm 8.55 (dd, J = 6.0, 2.3 Hz, 1H), 8.18 - 8.13 (m, 1H), 7.28 (bs, 1H).。
化合物2C- (R)-2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン-1-イル)-5-シアノ-3-(トリフルオロメチル)安息香酸の合成
Figure 2024058653000023
化合物2B(28.0g、120mmol)、(R)-tert-ブチルピロリジン-3-イルカルバメート(23.9g、128mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(52.3mL、300mmol)の無水アセトニトリル(190mL)中溶液を60℃において一晩、加熱し、室温にして、濃縮し、溶媒の大部分を除去した。残留混合物をメチルtert-ブチルエーテル(200mL)と1M水性クエン酸(200mL)との間に分配し、分離した水相をメチルtert-ブチルエーテル(100mL及び50mL)により2回、抽出した。合わせた有機相を水、次にブラインにより洗浄し、脱水(NaSO)してろ過した。このろ液を濃縮すると、表題化合物(2C)が得られ、これをさらに精製することなく、次の工程に使用した。MS (APCI, M+H+) m/z 400; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.6 (bs, 1H), 8.21 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 4.12 - 4.02 (m, 1H), 3.54 - 3.46 (m, 1H), 3.44 - 3.3 (m, 2H), 3.15 (dd, J = 9.7, 5.5 Hz, 1H), 2.16 - 2.06 (m, 1H), 1.88 - 1.79 (m, 1H), 1.37 (s, 9H).。
化合物2D - tert-ブチル(R)-(1-(4-シアノ-2-(モルホリン-4-カルボニル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン-3-イル)カルバメートの合成
Figure 2024058653000024
化合物2C(≦120mmol)及びモルホリン(14.0mL、160mmol)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(300mL)中溶液を、10分間かけて、HATU(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート)(54.75g、144mmol)により処理し、水浴を利用して内温を28℃未満に維持し、次いで、12分間かけて、最初は一層、ゆっくりとトリエチルアミン(42mL、301mmol)により処理し、内温を30℃未満に維持した。40分後、この反応混合物を水(1500mL)に注ぎ入れて、メチルtert-ブチルエーテル(500、250及び250mL)により3回、抽出した。合わせた抽出物を水(500mL)、次に、ブラインにより洗浄し、脱水(NaSO)してろ過した。このろ液を濃縮して、表題化合物をさらに精製することなく使用した。MS (APCI, M+H+) m/z 469; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.17 - 8.13 (m, 1H), 7.92 - 7.88 (m, 1H), 7.15 - 6.97 (m, 1H), 4.06 - 3.91 (m, 1H), 3.75 - 3.20 (m, 11H), 3.17 - 3.04 (m, 1H), 2.12 - 2.02 (m, 1H), 1.87 - 1.76 (m, 1H), 1.38 (s, 9H).
化合物2E - (R)-4-(3-アミノピロリジン-1-イル)-3-(モルホリン-4-カルボニル)-5-(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル塩酸塩の合成
Figure 2024058653000025
化合物2D(≦120mmol)を無水アセトニトリル(300mL)に溶解し、シクロペンチルメチルエーテル中の3M HCl(120mL、360mmol)により処理し、1時間、撹拌した後、冷蔵庫に一晩、置いた。次に、この反応混合物を濃縮すると、表題化合物(2E)が得られ、これをさらに精製することなく使用した。MS(APCI、M+H)m/z 369。
化合物2F - 8-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボン酸の合成
Figure 2024058653000026
7-フルオロインドリン-2,3-ジオン(55g、333mmol)、マロン酸(41.6g、400mmol)及び酢酸ナトリウム(68.3g、833mmol)の酢酸(500mL)中懸濁液を112℃において一晩、加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、冷0.4M水性HCl(2200mL)に注ぎ入れた。沈殿物をろ過により採集し、氷冷水(約250mL)、次いでメチルtert-ブチルエーテル(約100mL)により徹底的にすすぎ、次に、高真空を用いてアセトニトリルから2回、濃縮した。物質の大部分を1M水性NaOH(370mL)に溶解し、0.1M水性NaOH(50mL)のすすぎ液を用いて、珪藻土に通してろ過した。次に、ろ液をジクロロメタン(3x200mL)により3回、洗浄し、これによって脱色された。この水層を珪藻土に再度、通してろ過した後、濃水性HCl(33mL、約0.4モル)を滴下して添加することによって水層を酸性にした。この物質をろ過により採集した。加熱及び真空下において長期間、乾燥した後、この物質を水(1L)により処理し、この混合物を少量の1M水性HClを添加することによって酸性にした。懸濁液を80℃まで加熱し、次に、室温までゆっくりと冷却した。得られた物質をろ過により採集し、0.01M水性HCl(150mL)により洗浄して、真空下、80℃において乾燥すると、表題化合物(2F)が得られた。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 14.00 (bs, 1H), 12.07 (bs, 1H), 8.00 (dd, J = 8.2, 1.2 Hz, 1H), 7.49 (ddd, J = 11.0, 8.1, 1.2 Hz, 1H), 7.23 (ddd, J = 8.2, 8.1, 5.2 Hz, 1H), 6.95 (s, 1H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6, 90℃) δ ppm 165.75 - 165.73 (m), 160.30, 148.75 (d, J = 246.0 Hz), 140.85 - 140.80 (m), 128.11 (d, J = 13.7 Hz), 123.85, 121.60 - 121.53 (m), 121.53 - 121.43 (m), 117.70 - 117.65 (m), 115.33 (d, J = 17.2 Hz); 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6, 90℃) δ ppm -130.47 (dd, J = 10.9, 5.3 Hz); MS (APCI, M+H+) m/z 208.
化合物2G - (R)-N-(1-(4-シアノ-2-(モルホリン-4-カルボニル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン-3-イル)-8-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボオキサミド(2)の合成
Figure 2024058653000027
無水N,N-ジメチルホルムアミド(360mL)中の化合物2F(29.84g、144mmol)の混合物に、室温において12分間かけて、DMTMM(4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド)(43.17g、156mmol)を加えた。この懸濁液を40分間、撹拌した後、この懸濁液を、化合物2E(≦120mmol)及びN-メチルモルホリン(16mL、146mmol)の、N,N-ジメチルホルムアミド(20mL)すすぎ液を含むN,N-ジメチルホルムアミド(120mL)中懸濁液に、8分間かけて加えた。40分後、この反応混合物を高速に撹拌した0.1M水性KHPO(2.5L)に加え、4:1の酢酸イソプロピル/ヘプタンにより4回、次に、酢酸イソプロピル単独で1回、抽出した。生成物は、合わせた抽出物から沈殿し始め、これをデカンテーション、及びろ過によって分離し、次に、ジクロロメタンにより洗浄した。残留水相を酢酸イソプロピルにより2回、さらに抽出し、すべての有機抽出物を一緒にして、次に、追加の0.1M水性KHPO、次いで水により洗浄し、脱水(NaSO)してろ過した。ろ液を、上で採集した物質のジクロロメタン洗液と共に濃縮した。残留物を濃縮して、アセトニトリル/CHClに溶解し、ろ過してシリカ上のクロマトグラフィー(20~100%アセトニトリル/CHCl)によって精製した。採集したフラクションを少量になるまで濃縮し、酢酸エチル中で一晩、撹拌した。
懸濁液を70℃において20分間、加熱し、次に、室温までゆっくりと冷却した。メチルtert-ブチルエーテルを撹拌して入れ、懸濁液を0℃まで冷却し、精製した生成物を、1:1酢酸エチル/メチルtert-ブチルエーテル、次いでメチルtert-ブチルエーテルのすすぎ液を用いてろ過により採集した後、真空下、加熱して乾燥した。前の抽出から先に得られた物質も酢酸エチル中で撹拌し、70℃において加熱し、次に、室温までゆっくりと冷却した。メチルtert-ブチルエーテルを撹拌して入れ、懸濁液を0℃まで冷却し、精製生物を、1:1酢酸エチル/メチルtert-ブチルエーテルのすすぎ液、次いでメチルtert-ブチルエーテルを用いてろ過することによって採集した。この物質を真空下で一晩、乾燥し、表題化合物(2)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.96 (s, 1H), 9.03 - 8.84 (m, 1H), 8.21 - 8.18 (m, 1H), 7.98 - 7.93 (m, 1H), 7.56 - 7.50 (m, 1H), 7.49 - 7.43 (m, 1H), 7.21 - 7.15 (m, 1H), 6.66 - 6.59 (m, 1H), 4.51 - 4.40 (m, 1H), 3.73 - 3.55 (m, 6H), 3.54 - 3.22 (m, 6H), 2.29 - 2.18 (m, 1H), 2.07 - 1.95 (m, 1H); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, 90℃) δ ppm 11.47 (bs, 1H), 8.77 - 8.47 (m, 1H), 8.09 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 8.1, 1.2 Hz, 1H), 7.39 (ddd, J = 11.0, 8.1, 1.2 Hz, 1H), 7.15 (ddd, J = 8.1, 8.1, 5.1 Hz, 1H), 6.60 (s, 1H), 4.54 - 4.43 (m, 1H), 3.74 - 3.20 (m, 12H), 2.31 - 2.21 (m, 1H), 2.06 - 1.96 (m, 1H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6, 90℃) δ ppm 166.61, 165.97, 161.31, 149.59 (d, J = 246.3 Hz), 148.95, 146.10 - 146.03 (m), 136.00, 135.65, 133.13 (q, J = 6.1 Hz), 128.84 - 128.63 (m), 123.76 (q, J = 273.7 Hz), 122.19, 122.16, 122.12, 121.60, 118.99 - 118.91 (m), 117.75, 116.17 (d, J = 17.3 Hz), 105.57, 66.04, 57.95, 51.06, 50.35, 47.74, 42.35, 31.54; 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6) δ ppm -57.54 - -58.10 (m), -130.02 - -130.15 (m); 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6, 90℃) δ ppm -58.37 - -58.97 (m), -130.96 (dd, J = 11.0, 5.1 Hz). MS (APCI, M+H+) m/z 558.
[実施例2]
- 化合物(1)の合成
Figure 2024058653000028
(R)-N-(1-(4-ブロモ-2-(モルホリン-4-カルボニル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン-3-イル)-8-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボオキサミド(1)
化合物1A - 5-ブロモ-2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)安息香酸の合成
Figure 2024058653000029
3Lの1つ口丸底フラスコにおいて、5-ブロモ-2-フルオロベンゾトリフルオリド(64.2g、264mmol)のテトラヒドロフラン(1L)中溶液を、窒素雰囲気下、-40℃まで冷却し、15分間かけて1.1M塩化2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルマグネシウム塩化リチウム錯体のテトラヒドロフラン中溶液(264mL、290mmol)により処理し、次に、0℃まで温めた。この混合物を0℃において15分間、撹拌し、次に、-78℃まで冷却した。この混合物を二酸化炭素ガス流により処理した。二酸化炭素流は、ドライアイス(約200g)を含有する1Lの1つ口(24/40)丸底フラスコを使用して発生させた。ドライアイスを含有したフラスコに、カニューレ(約13ゲージの内径、約85mm長)を通したセプタム(24/40)を取り付け、カニューレのもう一方の端部を反応混合物に入れた。最初の5分間にCOをゆっくりと添加している間、反応物の内温を約-75℃まで穏やかに温めた。次に、ドライアイスを含む1Lのフラスコを、穏やかに温めて、COの流量を増加させて、この反応混合物を10分間かけて、-70℃まで徐々に温めた。CO添加をさらに5分間(合計で20分間)維持した(反応の内温は、この時点で-69℃であった)。この反応混合物をドライアイス浴から取り出し、温めた。反応が-10℃に到達すると、氷浴中で冷却したヘプタン(2.5L)及び1M水性HCl(750mL)を含有する、冷却した(約5℃)かき混ぜた6Lのエルレンマイヤーフラスコに、上記の混合物を小分けにして注ぎ入れた。得られた混合物を5Lの分液漏斗に移送した。最小量の1M水性HCl、次いで酢酸エチルを使用して、フラスコ中の残留物をすすぎ、分液漏斗に入れた。分液漏斗中のこの混合物を数分間、振とうした。有機層を分離し、さらに1M水性HCl(750mL)により洗浄した。次に、有機層を飽和水性NaHCO(500mL)と水(500mL)との1:1混合物により抽出した。分液漏斗中のこの混合物を数分間、振とうした。次に、この下側の水層を約5分間かけて、氷浴中において冷却した、酢酸エチル(1.5L)及び3M水性HCl(350mL)を含有する、かき混ぜた4Lのエルレンマイヤーフラスコに加えた。酢酸エチル層を分離し、ブライン(2x50mL)で2回、洗浄し、脱水(硫酸マグネシウム)してろ過した。ろ液を濃縮すると、表題化合物(1A)が得られた。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 8.34 (dd, J = 5.8, 2.6 Hz, 1H), 7.97 (dd, J = 5.6, 2.6 Hz, 1H). 1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 14.02 (s, 1H), 8.26 (dd, J = 6.0, 2.6 Hz, 1H), 8.23 (dd, J = 5.7, 2.6 Hz, 1H).
化合物1B - (R)-5-ブロモ-2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)安息香酸
Figure 2024058653000030
選択肢1、KCO
機械式撹拌器を装備した1Lの3つ口丸底フラスコにおいて、ジメチルスルホキシド(400mL)中の化合物1A(40g、139mmol)、(R)-3-(Boc-アミノ)ピロリジン(31.1g、167mmol)及びKCO(77g、557mmol)からなる混合物を、窒素雰囲気下、125℃において20時間、機械的に撹拌した。この混合物を冷却すると、かなり濃厚になった。水浴中に冷却した、1M水性HCl(1L)及びヘプタン(1L)と酢酸エチル(200mL)との混合物を含む、かき混ぜた4Lのエルレンマイヤーフラスコに、上記の混合物を小分けにして加えた。この混合物を分液漏斗に移送し、振とうし、層を分離した。次に、水層をヘプタン(500mL)と酢酸エチル(100mL)との混合物により抽出した。有機層を合わせ、0.01M水性HCl(2x400mL)により2回、洗浄し、ブライン(50mL)により洗浄して脱水(硫酸マグネシウム)し、ろ過した。ろ液を濃縮すると、表題化合物(1B)と5-ブロモ-2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)安息香酸との混合物が得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.78 (s, 1H), 8.05 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.97 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 4.09 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 3.32 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 3.22 - 3.13 (m, 2H), 3.00 - 2.94 (m, 1H), 2.14 - 2.04 (m, 1H), 1.81 (dq, J = 12.0, 8.0 Hz, 1H), 1.38 (s, 9H); LC/MS (ESI+) m/z 453,455 (M+H)+.
化合物1C - 2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イウム(R)-5-ブロモ-2-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)ベンゾエートの合成
Figure 2024058653000031
選択肢2、TMP法
無水1-メチル-2-ピロリジノン(180mL)中の(R)-3-(Boc-アミノ)ピロリジン(43.8g、235mmol)、化合物1A(45g、157mmol)及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(66.4g、470mmol)からなる混合物を窒素雰囲気下、100℃まで一晩、加熱した。反応混合物の少量の一定分量を試験管に移し、水により希釈した。この一定分量/水の混合物を、スパチュラを用いて約45分間、断続的に撹拌し、沈殿物が形成した。次に、この反応混合物を加熱マントルから取り出し、冷却した。内温を34℃まで冷却すると、この混合物を水(90mL)により約9分間かけて、処理した。この混合物を5分間、撹拌し、次に、一定分量からの沈殿物により処理し、この混合物を室温で1時間、撹拌した。次に、この混合物を55℃まで加熱し、さらなる水(270mL)により35分間かけて処理し、次に、室温において4時間、撹拌した。物質をブフナー漏斗中にろ過により採集し、水(3x225mL)により洗浄し、ブフナー漏斗中、1時間、真空流により乾燥し、次に、65℃において真空下、一晩、乾燥すると、表題化合物(1C)が得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.43 (s, 2H), 7.66 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 4.12 - 4.04 (m, 1H), 3.45 - 3.38 (m, 2H), 3.12 - 3.04 (m, 2H), 2.00 - 1.90 (m, 1H), 1.73 - 1.63 (m, 3H), 1.58 - 1.52 (m, 4H), 1.39 (s, 9H), 1.35 (s, 12H); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, 90℃) δ ppm 7.72 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.90 (s, 1H), 4.14 - 4.06 (m, 1H), 3.46 (dd, J = 8.7, 6.6 Hz, 1H), 3.41 (q, J = 7.5 Hz, 1H), 3.15 - 3.09 (m, 2H), 2.01 (dtd, J = 12.0, 7.8, 6.4 Hz, 1H), 1.79 - 1.65 (m, 3H), 1.58 - 1.53 (m, 5H), 1.41 (s, 9H), 1.34 (s, 12H); LC/MS (ESI+) m/z 453,455 (M+H)+.
化合物1D - tert-ブチル(R)-(1-(4-ブロモ-2-(モルホリン-4-カルボニル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン-3-イル)カルバメートの合成
Figure 2024058653000032
選択肢1、化合物1Bから
化合物1B(63.0g、139mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(340mL)中溶液を0℃まで冷却し、モルホリン(14.53mL、167mmol)により処理し(2℃から6℃まで軽度の発熱)、冷却して2℃に戻し、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(68.7g、181mmol)を3分の1ずつの分量で処理(各分量の添加後に4℃までの軽度の発熱)し、反応温度が8℃を超えて発熱しないよう、トリエチルアミン(48.4mL、348mmol)によりゆっくりと処理した。この反応物を室温において45分間、撹拌した。この混合物をヘプタン(500mL)及び酢酸エチル(100mL)の溶液により希釈し、0℃まで冷却した。この混合物を、氷浴において0℃付近の1.6Lの水を含む、かき混ぜた4Lのエルレンマイヤーフラスコに加えた。この混合物を4Lの分液漏斗に移送し、層を分離した。水層をヘプタン(500mL)と酢酸エチル(100mL)との混合物により抽出した。有機層を合わせ、水により2回、洗浄(2x400mL)し、ブライン(50mL)により洗浄して脱水(硫酸マグネシウム)し、ろ過した。ろ液を濃縮し、ほぼ100mLの体積にした。スパチュラを使用して、フラスコの側面から物質を擦り落とした。
この物質をろ過により採集し、40:1のヘプタン:酢酸エチルによって洗浄すると物質が得られ、これを50℃において一晩、真空下で乾燥すると、(5-ブロモ-2-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)(モルホリノ)メタノンが混入した、所望の生成物である(R)-tert-ブチル(1-(4-ブロモ-2-(モルホリン-4-カルボニル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン-3-イル)カルバメートが得られた。この反応からの生成物を別の実施に由来する同一生成物と一緒にし、酢酸エチル(300mL)に溶解した。この溶液をヘプタンにより希釈し、1:1ヘプタン:酢酸エチルにより溶出する、シリカゲル(200gのシリカゲル、24cm×4.5cmカラム)上でクロマトグラフィーによって精製した。生成物を含むフラクションを濃縮した。残留物をヘプタン(350mL)により処理し、フラスコを約15分間、手作業によりかき混ぜて、この物質の大部分を溶解した。この混合物を室温において15分間、静置した。この物質をフラスコの側面から擦り落とした。この物質をろ過により採集し、ヘプタンを用いて洗浄した。この物質を真空下、55℃で約1.5時間、乾燥すると、表題化合物(1D)が得られた。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.86 (m, 1H), 7.81 (d, J = 2.4 Hz, 0.5H), 7.79 (d, J = 2.4 Hz, 0.5H), 6.98 (d, J = 6.7 Hz, 0.5H), 6.82 (d, J = 6.8 Hz, 0.5H), 3.96 (m, 1H), 3.77 - 3.54 (m, 3H), 3.46 (m, 1H), 3.36 - 3.13 (s, 4.5H), 3.10 (q, J = 7.5 Hz, 0.5H), 2.97 (dd, J = 8.9, 5.9 Hz, 0.5H), 2.90 (t, J = 7.4 Hz, 0.5H), 2.08 - 1.99 (m, 1H), 1.82 - 1.67 (m, 1H), 1.38 (s, 4.5H), 1.38 (s, 4.5H); LC/MS (ESI+) m/z 522,524 (M+H)+.
選択肢2、化合物1Cから
化合物1C(60g、101mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(240mL)中溶液を0℃まで冷却し、モルホリン(10.55mL、121mmol)(3℃までの軽度の発熱)によりゆっくりと処理し、25分間かけて小分けにして1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(49.9g、131mmol)により処理(添加の間、2.7~3.3℃の間の軽度の発熱)し、反応温度が4℃を超えて発熱しないよう、トリエチルアミン(35.2mL、252mmol)によりゆっくりと処理した。この反応混合物を冷却浴から取り出し、室温において20分間、撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(45mL)により希釈し、氷浴中で約3Cまで冷却し、冷却(氷浴)してかき混ぜた、酢酸エチル(45mL)、ヘプタン(450mL)及び水(1.2L)を含有する4Lのエルレンマイヤーフラスコに移した。この混合物を分液漏斗に移送した。この混合物を振とう後、層を分離し、水層を5:1のヘプタン:酢酸エチル(500mL)により抽出した。
合わせた有機層を水(2x300mL)により2回、洗浄し、ブラインにより洗浄し、脱水(硫酸マグネシウム)してろ過した。ろ液をほぼ200mLの量になるまで濃縮した。フラスコの側面に付着した物質を、スパチュラを使用して擦り落とした。この物質をろ過によって単離し、冷(約5℃)の40:1のヘプタン:酢酸エチルにより洗浄し、真空流下、30分間、乾燥し、次に、65℃の乾燥オーブン中、真空下、一晩、乾燥すると、表題化合物(1D)が得られた。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.86 (m, 1H), 7.81 (d, J = 2.4 Hz, 0.5H), 7.79 (d, J = 2.4 Hz, 0.5H), 6.98 (d, J = 6.7 Hz, 0.5H), 6.82 (d, J = 6.8 Hz, 0.5H), 3.96 (m, 1H), 3.77 - 3.54 (m, 3H), 3.46 (m, 1H), 3.36 - 3.13 (s, 4.5H), 3.10 (q, J = 7.5 Hz, 0.5H), 2.97 (dd, J = 8.9, 5.9 Hz, 0.5H), 2.90 (t, J = 7.4 Hz, 0.5H), 2.08 - 1.99 (m, 1H), 1.82 - 1.67 (m, 1H), 1.38 (s, 4.5H), 1.38 (s, 4.5H); LC/MS (ESI+) m/z 522,524 (M+H)+.
化合物1E - (R)-(2-(3-アミノピロリジン-1-イル)-5-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)(モルホリノ)メタノン塩酸塩の合成
Figure 2024058653000033
化合物1D(79.2g、152mmol)のアセトニトリル(160mL、無水)中懸濁液を、シクロペンチルメチルエーテル中の3M HCl(152mL、455mmol)により処理した。この混合物を室温において一晩、撹拌した。次に、この混合物を回転式蒸発器で濃縮すると、表題化合物(1E)が得られた。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.51 - 8.39 (m, 3H), 7.89 (見かけd, J = 2.4 Hz, 1H), 7.86 (見かけdd, J = 4.3, 2.4 Hz, 1H), 3.78 - 3.35 (m, 8H), 3.32 - 3.07 (m, 5H), 2.27 - 2.19 (m, 1H), 1.98 - 1.85 (m, 1H); LC/MS (ESI+) m/z 422,424 (M+H)+.
化合物1F - (R)-N-(1-(4-ブロモ-2-(モルホリン-4-カルボニル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン-3-イル)-8-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボオキサミドの合成
Figure 2024058653000034
8-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボン酸(7.66g、37.0mmol;化合物2F)と、先に粉砕したDMTMM(4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド)(11.07g、40.0mmol)との混合物を無水N,N-ジメチルホルムアミド(110mL)に入れて、30分間、撹拌した。次に、N,N-ジメチルホルムアミド(10mL)すすぎ液と共に、化合物1E(約28.7mmol)及びN-メチルモルホリン(4.07mL、37.0mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)中溶液を加えた。40分後、この反応混合物を高速に撹拌した水(750mL)にゆっくりと加えた。得られた懸濁液を7℃まで冷却し、氷冷水のすすぎ液を用いて、この物質をろ過することにより採集した。採集用フラスコを交換し、ジクロロメタンを使用して物質をすすいだ。ろ液中で分離した水相をジクロロメタンにより抽出し、合わせた抽出物を希ブラインにより洗浄して脱水(NaSO)し、濃縮してろ過し、シリカ上でクロマトグラフィー(40~100%の酢酸エチル/ジクロロメタン)にかけた。適切なフラクションを合わせて、濃縮し、次にアセトニトリルにとった。懸濁液を酢酸エチルにより希釈し、酢酸エチルすすぎ液を用いてこの物質をろ過により採集した。
ろ液からかなりの分量のさらなる物質が沈殿し、これらもろ過によって採集したが、1:1酢酸エチル/メチルtert-ブチルエーテルにより洗浄した。この物質を真空下で一晩置き、次に、砕いて、穏やかに加熱しながら、真空下でさらに乾燥すると、表題化合物が得られた。最終的に、追加量の物質が、最初の方のろ液から得られ、100%メチルtert-ブチルエーテルにより洗浄し、次に、穏やかに加熱しながら、真空下で乾燥すると、さらなる表題化合物(1)が得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.95 (s, 1H), 8.98 - 8.78 (m, 1H), 7.91 - 7.87 (m, 1H), 7.86 - 7.82 (m, 1H), 7.56 - 7.50 (m, 1H), 7.50 - 7.43 (m, 1H), 7.22 - 7.15 (m, 1H), 6.66 - 6.59 (m, 1H), 4.48 - 4.37 (m, 1H), 3.74 - 3.42 (m, 7H), 3.32 - 3.06 (m, 5H), 2.28 - 2.14 (m, 1H), 2.01 - 1.85 (m, 1H); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, 120℃) δ ppm 11.24 (bs, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.79 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.59 - 7.52 (m, 1H), 7.39 - 7.31 (m, 1H), 7.17 - 7.10 (m, 1H), 6.59 (s, 1H), 4.52 - 4.41 (m, 1H), 3.70 - 3.20 (m, 11H), 3.19 - 3.12 (m, 1H), 2.28 - 2.18 (m, 1H), 2.01 - 1.91 (m, 1H); 13C NMR (101 MHz, DMSO-d6, 90℃) δ ppm 165.40, 164.92, 160.40, 148.65 (d, J = 246.3 Hz), 145.32 - 145.24 (m), 143.44, 139.57, 134.05, 130.85 (q, J = 29.5 Hz), 130.08 (q, J = 5.8 Hz), 127.91 - 127.69 (m), 122.58 (q, J = 274.1 Hz), 121.30 - 121.22 (m), 121.24 - 121.16 (m), 120.59, 118.10 - 118.02 (m), 116.72, 115.21 (d, J = 17.3 Hz), 65.15, 57.22, 50.36, 49.59, 46.82, 41.35, 30.91; 19F NMR (376 MHz, DMSO-d6, 90℃) δ ppm -60.16 (s), -131.01 (dd, J = 11.0, 5.2 Hz); MS (ESI, M+H+) m/z 611/613.
[実施例3]
- 化合物(3)の合成
Figure 2024058653000035
(R)-N-(1-(4-ブロモ-2-(モルホリン-4-カルボニル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン-3-イル)-3-フルオロ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-カルボオキサミド
化合物3A - (R)-N-(1-(4-ブロモ-2-(モルホリン-4-カルボニル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン-3-イル)-3-フルオロ-2-メトキシ-6-メチルイソニコチンアミドの合成
Figure 2024058653000036
3-フルオロ-2-メトキシ-6-メチルイソニコチン酸(773mg、4.17mmol)及び4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリン-4-イウムクロリド(1.252g、4.52mmol)からなる混合物を無水N,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に入れて、音波処理してより大きな試薬の粒子を砕き、室温において40分間、撹拌した。次に、ガラス製ピペットを用いて、この懸濁液を化合物1E(1.599g、3.48mmol)及びN-メチルモルホリン(420μL、3.82mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中溶液に、N,N-ジメチルホルムアミド(1mL)すすぎ液と共に移した。20分後、この反応混合物を、高速に撹拌した水(70mL)に、アセトニトリルすすぎ液と共に滴下して加えた。得られた懸濁液を、水氷浴を用いて5℃まで冷却し、物質を氷冷水により徹底的に洗浄しながらろ過により採集し、次に、穏やかな加熱及び窒素流と共に真空下で乾燥した。この物質をクロロホルムに溶解した。かなり多い水層が存在した。有機層を分離して、脱水(NaSO)し、シリカゲルに通して最初に70%tert-ブチルメチルエーテルにより溶出し、次に、ヘプタンにより溶出し、次に、100%tert-ブチルメチルエーテルによりさらに溶出してろ過すると、表題化合物が得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, 90℃) δ ppm 8.27 8.16 (m, 1H), 7.82 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 4.46 4.37 (m, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.72 3.43 (m, 7H), 3.34 3.16 (m, 4H), 3.11 3.04 (m, 1H), 2.38 (s, 3H), 2.25 2.15 (m, 1H), 1.95 1.85 (m, 1H). LC/MS (ESI+) m/z 589,591 (M+H)+.
化合物3B - (R)-N-(1-(4-ブロモ-2-(モルホリン-4-カルボニル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル)ピロリジン-3-イル)-3-フルオロ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-カルボオキサミド(3)の合成
Figure 2024058653000037
窒素下、化合物3A(1.883g、3.19mmol)及びヨウ化カリウム(2.65g、16.0mmol)の無水アセトニトリル(15mL)中懸濁液に、クロロトリメチルシラン(2.02mL、15.9mmol)を滴下して加えた。この反応混合物を65℃まで加熱し、4時間、65℃に維持した。次に、この混合物を水氷浴により冷却し、2M水性KCOを用いてクエンチした。水性HClを加えて、pHを7に調節した。この混合物を酢酸エチルにより数回、抽出した。合わせた抽出物を脱水(NaSO)してろ過し、ろ液を濃縮した。残留物をシリカゲルにおいてクロマトグラフィーにかけ、CHCl中の20~100%の酢酸エチルのグラジエントを用いて溶出し、次に、酢酸エチル中の2%メタノールによりさらに溶出すると、表題化合物(3)が得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.22 (s, 1H), 8.70 8.50 (m, 1H), 7.90 7.86 (m, 1H), 7.85 7.81 (m, 1H), 6.00 5.94 (m, 1H), 4.41 4.29 (m, 1H), 3.75 3.38 (m, 7H), 3.31 3.13 (m, 4H), 3.08 2.97 (m, 1H), 2.23 2.10 (m, 4H), 1.93 1.78 (m, 1H). LC/MS (ESI+) m/z 575,577 (M+H)+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, 90℃) δ ppm 11.88 (bs, 1H), 8.19 (bs, 1H), 7.84 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 5.96 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 4.41 (h, J = 6.6 Hz, 1H), 3.76 - 3.04 (m, 12H), 2.26 - 2.15 (m, 4H), 1.95 - 1.84 (m, 1H).
[実施例4]
- ビルディングブロックの合成
3,8-ジフルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボン酸
Figure 2024058653000038
酢酸(390mL)中に2-フルオロマロン酸(50g、410mmol)及び7-フルオロインドリン-2,3-ジオン(45.1g、273mmol)を懸濁させて、この懸濁液を16時間、90℃まで加熱した。この混合物を1時間かけて室温まで冷却し、次に、沈殿物をろ過により採集した。この物質を30mLの酢酸により洗浄し、次に、漏斗中において、空気流下、一定重量になるまで乾燥すると、表題化合物が得られた。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.61 (s, 1H), 7.49 (ddd, J = 11.0, 8.1, 1.2 Hz, 1H), 7.44 (dt, J = 8.2, 0.9 Hz, 1H), 7.30 (td, J = 8.1, 5.0 Hz, 1H); MS (LSI) m/z = 226 (M+H)+.
3-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボン酸
Figure 2024058653000039
4-ブロモ-2-フルオロ-3-オキソ-N-フェニルブタンアミド
Figure 2024058653000040
アセトニトリル(32.8mL)中の4-ブロモ-3-オキソ-N-フェニルブタンアミド(1.5575g、4.93mmol)及び(1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート))(1.920g、5.42mmol)からなる混合物を2時間、60℃に加熱した。この反応物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をジクロロメタンに溶解し、水(2×)により洗浄した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムにより脱水し、ろ過して、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage Selekt、0~25%酢酸エチル/ヘキサン、50g Biotage SFar HCシリカカラム)により精製し、表題化合物が得られた。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 7.98 (s, 1H), 7.52 (dt, J = 7.8, 1.1 Hz, 2H), 7.37 (dd, J = 8.5, 7.5 Hz, 2H), 7.23 - 7.17 (m, 1H), 5.78 (d, J = 48.5 Hz, 1H), 4.43 (dd, J = 13.0, 0.7 Hz, 1H), 4.24 (dd, J = 12.9, 2.7 Hz, 1H); MS (APCI) m/z = 274 (M+H)+.
4-(ブロモメチル)-3-フルオロキノリン-2(1H)-オン
Figure 2024058653000041
硫酸(濃)(2.90mL)中の4-ブロモ-2-フルオロ-3-オキソ-N-フェニルブタンアミド(0.756g、2.76mmol)の混合物を1時間、45℃まで加熱した。次に、この反応物を室温まで冷却し、氷水に注ぎ入れた。得られた物質をろ過し、水、10%水性NaHCOにより洗浄し、再度、水により洗浄すると、表題化合物が得られた。1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ ppm 9.83 (s, 1H), 7.71 (dd, J = 5.7, 3.3 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 5.7, 3.3 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 4.70 (d, J = 2.1 Hz, 2H); MS (LSI) m/z = 256 (M+H)+.
3-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)キノリン-2(1H)-オン
Figure 2024058653000042
1M水性NaOH(4.13mL、4.13mmol)中の4-(ブロモメチル)-3-フルオロキノリン-2(1H)-オン(0.529g、2.064mmol)の混合物を30分間、70℃まで加熱した。反応物を室温まで冷却し、水により希釈した。水層を最初に、tert-ブチルメチルエーテルにより、次に、酢酸エチルにより洗浄した。次に、水層を3M水性HClによりpH約2へと酸性にし、酢酸エチルにより抽出した(×3)。後の3回分の酢酸エチル層を一緒にし、ブラインにより洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより脱水してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、表題化合物が得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 10.99 (s, 1H), 7.96 (tt, J = 16.0, 8.0 Hz, 1H), 7.52 - 7.42 (m, 1H), 7.33 (q, J = 9.4, 8.7 Hz, 2H), 5.16 - 4.95 (m, 2H); MS (LSI) m/z = 194 (M+H)+.
3-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボアルデヒド
Figure 2024058653000043
3-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)キノリン-2(1H)-オン(0.146g、0.755mmol)のジクロロメタン(5.03mL)中溶液に、0℃において、デス-マーチンペルヨージナン(1,1,1-トリス(アセチルオキシ)-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンゾジオキソール-3-(1H)-オン)(0.352g、0.830mmol)を加えた。2時間、撹拌しながら、この反応物を室温までゆっくりと温めた。水(5滴)を加え、この混合物を1時間、撹拌した。次に、この反応物を酢酸エチルにより希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムと飽和チオ硫酸ナトリウムとの1:1混合物を用いて2回洗浄した。次に、有機相をブラインにより洗浄し、無水硫酸ナトリウムにより脱水してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮すると、表題化合物が得られた。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.69 (s, 1H), 10.56 (s, 1H), 8.49 (dt, J = 8.3, 0.9 Hz, 1H), 7.56 (ddd, J = 8.5, 7.2, 1.4 Hz, 1H), 7.40 (ddd, J = 8.2, 1.3, 0.5 Hz, 1H), 7.32 (ddd, J = 8.3, 7.2, 1.3 Hz, 1H); MS (LSI) m/z = 192 (M+H)+.
3-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボン酸
Figure 2024058653000044
テトラヒドロフラン(5.00mL)及びtert-ブタノール(1.25mL)の4:1混合物中の3-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボアルデヒド(0.108g、0.564mmol)及び2-メチル-2-ブテン(0.598mL、5.64mmol)の溶液に、亜塩素酸ナトリウム(0.204g、2.258mmol)及びリン酸二水素ナトリウム(0.542g、4.52mmol)の水(5.00mL)中溶液を加え、この反応物を室温において1時間、撹拌した。次に、この反応物を水及び酢酸エチルにより希釈し、層を分離し、所望の生成物は水層に存在した。濃HClを用いて水層を酸性にしてpH約2にし、酢酸エチルにより抽出した(3×)。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムにより脱水してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮すると、表題化合物が得られた。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.53 (s, 1H), 7.60 (dd, J = 8.1, 1.4 Hz, 1H), 7.57 (ddd, J = 8.5, 7.1, 1.4 Hz, 1H), 7.40 (dd, J = 8.3, 1.2 Hz, 1H), 7.30 (td, J = 7.6, 7.1, 1.1 Hz, 1H); MS (LSI) m/z = 208 (M+H)+.
3,7,8-トリフルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボン酸
Figure 2024058653000045
3,7,8-トリフルオロ-4-(ヒドロキシメチル)キノリン-2(1H)-オン
Figure 2024058653000046
4-(ブロモメチル)-3-フルオロキノリン-2(1H)-オンを4-(ブロモメチル)-3,7,8-トリフルオロキノリン-2(1H)-オンに置き換えて、3-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)キノリン-2(1H)-オンに関する手順に従って合成した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 10.33 - 9.71 (m, 1H), 7.74 (ddd, J = 9.2, 4.8, 2.1 Hz, 1H), 7.15 (td, J = 9.4, 7.5 Hz, 1H), 7.01 - 6.94 (m, 1H), 5.01 (d, J = 2.6 Hz, 2H); MS (LSI) m/z = 230 (M+H)+.
3,7,8-トリフルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボアルデヒド
Figure 2024058653000047
3-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)キノリン-2(1H)-オンを3,7,8-トリフルオロ-4-(ヒドロキシメチル)キノリン-2(1H)-オンに置き代えて、3-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボアルデヒドに関する手順に従って合成した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.70 (s, 1H), 10.51 (s, 1H), 8.33 (ddd, J = 9.4, 5.4, 2.2 Hz, 1H), 7.36 (q, J = 9.0 Hz, 1H); MS (LSI) m/z = 260 (M+CH3OH+H)+.
3,7,8-トリフルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボン酸
Figure 2024058653000048
3-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボアルデヒドを3,7,8-トリフルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボアルデヒドに置き代えて、3-フルオロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボン酸に関する手順に従って合成した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.76 (s, 1H), 7.47 (ddd, J = 9.2, 5.1, 1.9 Hz, 1H), 7.37 (td, J = 9.7, 7.2 Hz, 1H); MS (LSI) m/z = 242 (M-H)-.
5-メトキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボン酸
Figure 2024058653000049
1-アセチル-4-メトキシインドリン-2,3-ジオン
Figure 2024058653000050
無水酢酸(1.39mL、14.71mmol)中の4-メトキシインドリン-2,3-ジオン(1.002g、5.66mmol)の混合物を155℃まで加熱した。3時間、還流した後、反応物を室温まで冷却し、沈殿した物質をろ過により採集し、ジエチルエーテルにより洗浄し、減圧下で乾燥すると、表題化合物が得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.98 (dd, J = 8.2, 0.6 Hz, 1H), 7.65 (dd, J = 8.7, 8.2 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.02 (s, 3H), 2.73 (s, 3H); MS (APCI) m/z = 252 (M+H)+.
5-メトキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボン酸
Figure 2024058653000051
水酸化ナトリウム(0.423g、10.57mmol)の水(6.61mL)中溶液に、1-アセチル-4-メトキシインドリン-2,3-ジオン(1.159g、5.29mmol)を加え、得られた混合物を3時間、加熱して還流した。反応物を0℃まで冷却し、3M水性HClによりpH1にした。沈殿した物質をろ過により採集し、ジエチルエーテルにより洗浄し、減圧下で乾燥すると、表題化合物が得られた。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.27 (s, 1H), 11.90 (s, 1H), 7.49 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 6.95 (dd, J = 8.3, 0.9 Hz, 1H), 6.78 (dd, J = 8.3, 0.9 Hz, 1H), 6.31 (s, 1H), 3.82 (s, 3H); MS (APCI) m/z = 220 (M+H)+.
8-クロロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-4-カルボン酸
Figure 2024058653000052
7-クロロインドリン-2,3-ジオン(970mg、5.34mmol)、マロン酸(667mg、6.41mmol)及び酢酸ナトリウム(1.10g、13.4mmol)の酢酸(7mL)中懸濁液を100℃において一晩、加熱した。この反応混合物を室温にし、3℃において水(35mL)に加えて生成物を沈殿させて、この生成物をろ過により採集して水により洗浄し、真空下で乾燥すると、表題化合物が得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.91 (bs, 1H), 8.10 (dd, J = 8.2, 1.3 Hz, 1H), 7.65 (dd, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 8.2, 7.8 Hz, 1H), 6.64 (s, 1H).
5-フルオロ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-カルボン酸
Figure 2024058653000053
6-ブロモ-3-フルオロ-2-メチルイソニコチン酸
Figure 2024058653000054
6-ブロモ-3-フルオロ-2-メチルピリジン(1.90g、10mmol、Combi-Blocks)のテトラヒドロフラン(40mL)中溶液に、-78℃において、リチウムジイソプロピルアミド溶液(テトラヒドロフラン/ヘプタン/エチルベンゼン中の2M、6.00mL、12.00mmol、Aldrich)を滴下して加えた。1時間、撹拌した後、二酸化炭素を30分間、上記の溶液に通気した。次に、この反応物を水によりクエンチし、酢酸エチルにより洗浄した。次に、有機相を1M NaOH(水性)により2回、抽出した。次に、濃塩酸を用いて合わせた水相を酸性にしてpH1にし、得られた混合物を酢酸エチルにより3回、抽出した。次に、合わせた有機層を硫酸マグネシウムにより脱水してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮すると、表題化合物が得られた。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 14.17 (s, 1H), 7.74 (dd, J = 4.5, 0.8 Hz, 1H), 2.48 (dd, J = 3.3, 0.6 Hz, 3H); MS (ESI+) m/z 234/236 (M+H)+.
5-フルオロ-6-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-4-カルボン酸
Figure 2024058653000055
水(0.4mL)及びジメチルスルホキシド(0.4mL)中の6-ブロモ-3-フルオロ-2-メチルイソニコチン酸(100mg、0.427mmol)、水酸化カリウム(144mg、2.56mmol)、ヨウ化銅(I)(8.1mg、0.043mmol)及び1,10-フェナントロリン(15.4mg、0.085mmol)からなる混合物を100℃に加熱した。18時間後、この反応物を水により希釈し、珪藻土のパッドに通してろ過した。次に、ろ液を1M HCl(水性)により酸性にし、減圧下で濃縮した。残留物を逆相HPLC(Waters Xbridge Prep C18カラム、80mL/分、5~95%MeCN/水中の0.1%TFA)によって精製し、フラクションを含有する生成物を凍結乾燥すると、表題化合物が得られた。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.28 (s, 1H), 6.58 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 2.54 (s, 1H), 2.26 (d, J = 3.1 Hz, 3H); MS (ESI+) m/z 172 (M+H)+.
3-フルオロ-2-メトキシ-6-メチルイソニコチン酸
Figure 2024058653000056
3-フルオロ-2-メトキシ-6-メチルピリジン(300mg、2.13mmol、Combi-Blocks)のテトラヒドロフラン(10.6mL)中溶液に、-78℃において、リチウムジイソプロピルアミド溶液(テトラヒドロフラン/ヘプタン/エチルベンゼン中の2M、1.28mL、2.55mmol、Aldrich)を滴下して加えた。1時間、撹拌した後、二酸化炭素を45分間、上記の溶液に通気した。次に、この反応物を1M NaOH(水性)によりクエンチし、酢酸エチルにより洗浄した。次に、有機相を1M NaOH(水性)により2回、抽出した。次に、合わせた水相を1M HCl(水性)を用いて酸性にしてpH3にし、得られた混合物をジクロロメタンにより3回、抽出した。次に、合わせた有機層を硫酸マグネシウムにより脱水してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮すると、表題化合物が得られた。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.81 (s, 1H), 7.12 (dd, J = 4.0, 0.8 Hz, 1H), 3.94 (s, 3H), 2.44 - 2.34 (m, 3H); MS (ESI+) m/z 186 (M+H)+.
3-クロロ-5-フルオロ-6-メトキシ-2-メチルイソニコチン酸
Figure 2024058653000057
3-フルオロ-2-メトキシ-6-メチルイソニコチン酸(50g、270mmol)の酢酸(250ml)中溶液を20℃まで冷却した。N-クロロスクシンイミド(43.3g、324mmol)を加え、この反応混合物を100℃において16時間、撹拌した。TLCにより、出発原料が消費し、新しいスポットが発見されたことが示された。この反応混合物を水に注ぎ入れて、曇りのある溶液を酢酸エチル(3×20mL)により抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムにより脱水し、ろ過してろ液を減圧下で濃縮すると、表題化合物が得られた。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) d 8.65 (s, 1H), 3.96 (s, 3H), 2.46 (d, J = 1.3 Hz, 3H).
化合物4~85は、必要に応じてビルディングブロックに置き換えて、実施例1~4に記載されている条件によって調製した。
生物学的アッセイ及びデータ
SARS-CoV-2、SARS-CoV-1、MERS、OC43及び229E Mpro生化学プロテアーゼ活性アッセイ
SARS-CoV-2 Mpro生化学的アッセイは、最適化アッセイ用緩衝液(50mM Hepes、pH7.1、800mM クエン酸ナトリウム、1mM エチレンジアミン四酢酸、1mM TCEP((トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン))、0.005%BSA(ウシ血清アルブミン))中、1nMの組換えMpro及び5μMの基質と共に、周囲温度において384ウェルProxi-Plusプレート(PerkinElmer、Waltham、MA 米国)において8μL中で行った。アッセイ緩衝液中、阻害剤をMproと共に10分間、事前インキュベートした後、FRET適合性ペプチド基質(TAMRA)-dPEG2-S-A-V-L-Q-S-G-dPEG2-K(QSY7)-アミドを添加することによって開始した。EnVision(登録商標)(PerkinElmer、Waltham、MA 米国)において、531/579励起/発光フィルターを使用して、蛍光を20分時に測定した。データを酵素のない対照を差し引いたDMSOに対して正規化した。阻害剤のIC50及びKiは、様々な濃度の阻害剤の11点上において、Dotmaticsソフトウェアを使用して解析した。各阻害剤は、別の日に少なくとも2回、試験した。SARS-CoV-1の場合、2nM Mpro及び5μMの基質を、MERSの場合、5nM Mpro及び5μM、OC43の場合、1nMのMpro及び2μMの基質、229Eの場合、3nM Mpro及び2μMの基質を、個々のMpro生化学プロテアーゼ活性アッセイに使用した。
SARS-CoV-2/HeLa-ACE2ハイコンテントスクリーニングアッセイ
化合物を384ウェルμclearボトムプレート(Greiner)に音響的に移送し、HeLa-ACE2細胞を、プレートにおいて、ウェルあたり1.0×10細胞の密度において、2%FBS(ウシ胎児血清)に播種した。プレート培養した細胞をBSL3施設に送り、ここで、アッセイ用培地に希釈したSARS-CoV-2(株 Vero E6細胞において増殖させたUSA-WA1/2020)を加え、約30~50%の感染細胞に到達させた。プレートを34℃、5%COにおいて、24時間インキュベートし、次に、8%ホルムアルデヒドを用いて固定した。固定細胞を、一次抗体としてヒトポリクローナル血清、二次抗体としてヤギ抗ヒトH+LコンジュゲートされているAlexa Fluor(商標)Plus488(Thermo Fisher Scientific)、及びアンチフェード-46-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI;Thermo Fisher Scientific)を用いて染色して、DNAを染色し、固定化とその後の一次抗体による染色及び二次抗体による染色との間にPBS0.05% Tween20(リン酸緩衝生理食塩水)洗浄した。
10×の対物レンズを使用して、ImageXpress(登録商標)Micro Confocal High-Content Imaging System(Molecular Devices)を使用し、プレートを画像化し、ウェルあたり4視野を画像化した。画像は、MetaXpress(登録商標)Multi-Wavelength Cell Scoring Application Module(MetaXpress、Sunnyvale、CA、米国)を使用して解析し、DAPI染色により宿主細胞の核を特定し(画像内の細胞の総数)、SARS-CoV-2免疫蛍光シグナルにより、感染細胞の特定に導いた。
未感染宿主細胞の細胞毒性カウンタースクリーニング
化合物を1,536ウェルプレート(Corning、Glendale、AZ 米国)に音響的に移送した。HeLa-ACE2細胞を感染アッセイに関して記載した通りに維持し、2%FBSを含むDMEM(ダルベッコの改変イーグル培地、ThermoFischer Scientific)中、400細胞/ウェルでアッセイレディプレートに播種した。プレートを37℃、5%COにおいて24時間、インキュベートした。生存細胞を評価するため、2μLの水中に希釈した50%Cell-Titer Glo(Promega(商標)Madison、WI、米国)を細胞に加え、発光をEnVisionプレートリーダー(Perkin Elmer)において測定した。
データ解析
一次インビトロスクリーニング及び宿主細胞の細胞毒性カウンタースクリーニングデータを、Genedata Screener(登録商標)、バージョン16.0にアップロードした。データは、阻害剤対照(抗ウイルス効果の場合、2.5μMレムデシビル、及び感染した宿主細胞毒性の場合、10μMのピューロマイシン)を含まない中性(DMSO)に対して正規化した。非感染宿主細胞の細胞毒性カウンタースクリーニングの場合、40μMのピューロマイシン(MilliporeSigma)をポジティブ対照として使用した。用量応答に関しては、実験化合物を異なるアッセイ用プレートにおいて、技術的に三連で試験し、用量曲線を4パラメータHill式にあてはめた。
OC43抗ウイルス及び細胞毒性アッセイ
Huh-7細胞を、96ウェルプレートにおいて、播種(ウェルあたり10,000細胞)した。翌日、CO43ウイルスのほぼ100フォーカス形成単位を含む接種材料の存在下、又は非存在下、培養培地を2%FBS及び段階的に希釈した化合物を含有する新しい培地と交換した。このプレートを33℃、5%COにおいて48時間、インキュベートした。OC43感染したプレートを固定し、ウイルス核タンパク質に対して免疫染色し、感染細胞を特定した一方、非感染細胞を含むプレートは、製造業者の使用説明書に準拠してCellTiter Gloによって細胞生存率(すなわち、化合物の細胞毒性)に関して評価した。免疫染色に関すると、感染細胞を20分間、核染色Hoechst33341を含む4%ホルマリン溶液中に固定化し、30分間、10%BSA及び0.5%Triton X-100によりブロッッキングし、1:2,000に希釈した抗OC43抗体(MilliporeSigma)により1時間、染色し、PBSにより3回洗浄して、1:1,000に希釈した抗マウス-AlexaFluor488抗体により1時間、染色し、PBSを用いて洗浄した。各ウェル中のOC43病巣の数を、Thermo CellInsight(商標)CX7 LZRプラットフォームを使用するハイコンテント顕微鏡法によって定量した。GraphPad Prism(バージョン5)ソフトウェアを使用する非線形回帰解析によって、EC50及びCC50値を計算した。
229E抗ウイルス及び細胞毒性アッセイ
Huh-7細胞を、96ウェルプレートにおいて、播種(ウェルあたり5,000細胞)した。翌日、229E接種材料(約0.03のMOI)の存在下又は非存在下、培養培地を2%FBS及び段階的に希釈した化合物を含有する新しい培地と交換した。プレートを35℃、5%COにおいて、5日間、インキュベートし、感染細胞において、ウイルスに広範囲の細胞変性作用を誘導させた。229Eウイルスの存在下、又は非存在下、化合物と共にインキュベートした細胞の生存率を、製造業者の使用説明書に準拠して、CellTiter-Glo(登録商標)(Promega(登録商標)Madison、WI 米国)によって求めた。GraphPad Prism(バージョン5)ソフトウェアによって、EC50及びCC50値を計算した。
表1、2及び3は、本明細書に記載されているプロトコルに準拠して試験した例示的な化合物、並びにそれらの個々のスペクトルデータ及び阻害データの一覧表示である。
Figure 2024058653000058
Figure 2024058653000059
Figure 2024058653000060
Figure 2024058653000061
Figure 2024058653000062
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Figure 2024058653000109
Figure 2024058653000110
Figure 2024058653000111
SARS-CoV-2並びに他のヒト及び動物のコロナウイルスに対する、化合物2の抗ウイルス活性
Figure 2024058653000112
化合物2は、ACE2を発現するHeLa細胞(HeLa-ACE2)又は一次HBECを使用すると、SARS-CoV-2Mpro生化学的アッセイ及びSARS CoV-2抗ウイルスアッセイにおいて高いインビトロ効力があることを実証した(表4)。
Figure 2024058653000113
HeLa-ACE2を使用する上記の抗ウイルスアッセイにおいて、化合物2は、CC50>40,000nMを示し、3,500を超える選択性指数(CC50/EC50)を生じた。化合物2の細胞毒性もまた、他の細胞系を用いて評価した。化合物2は、A549及びHuh-7などのヒト細胞系、並びにアフリカミドリザル細胞系のVeroにおいて、CC50値>100,000nMを有した。化合物2のミトコンドリア毒性の可能性を、グルコース及びガラクトースベースの培地において、複数のミトコンドリアに富む細胞タイプ(増殖性及び非増殖性)において評価した。本検討は、両方のタイプの培地において、P-gp阻害剤であるバルスポダールと共に、及びこれを使用しないで、化合物2により処理した、3種の増殖性細胞タイプ(A172、PC3及びHepG2)、及びIPSC誘導性心筋細胞(非増殖性)を含んだ。ポジティブ対照であるロテノンは、ガラクトースベースの培地(ミトコンドリア酸化的リン酸化へのエネルギー生成を制限)において、4種の細胞のすべてに対して細胞毒性の顕著な増大を示し、ミトコンドリア毒性があることを明確に示した。対照的に、化合物2は、最大で300μM(試験した最高用量)の濃度において、いずれの培地でも毒性を示さず、ミトコンドリア毒性がないことが示された。
Mpro触媒部位は、ヒトコロナウイルス全体に高度に保存されており、したがって、化合物2の効力を、ヒト又は動物に感染することが知られている14種のコロナウイルス(ヒトにスピルオーバーするリスクが高い2種のコウモリコロナウイルスを含む)のパネルに対する生化学的Mproアッセイにおいて評価した(表5)。これらの14種のコロナウイルスは、アルファ、ベータ、ガンマ及びデルタ:SARS-CoV-2、SARS-CoV、MERS-CoV、OC43、229E、HKU1、NL63、MHV、WIV1、HKU9、FIPV、PEDV、IBV及びHKU11を含む、4種の属のコロナウイルスの各々に由来するメンバーを包含する。化合物2は、生化学アッセイにおいて、SARS-CoV-2Mproに対して0.15nMのKiを示した。さらに、化合物2は、4種の追加のヒトコロナウイルス(SARS-CoV、MERS-CoV、OC43及び229E)に由来するMproに対して高い効力(SARS-CoV-2のKiに対して≦12倍率変化)を保持している一方、NL63及びHKU1に由来するMproに対して、より弱い効力を示した。化合物2はまた、WIV1、FIPV及びPEDVなどの動物のコロナウイルスに由来するMproに対して、高い生化学的効力があることを実証した。
Figure 2024058653000114
化合物2は、ヒトプロテアーゼ(トロンビン、エラスターゼ、カスパーゼ-2、カテプシンB、カテプシンD、カテプシンF、カテプシンK、カテプシンL、カテプシンS、カテプシンV[カテプシンL2]及びキモトリプシン)、ブタプロテアーゼペプシン及びHIV-1ウイルスプロテアーゼのパネルに対して試験した場合、10μM(カテプシンFの場合、20μM)において、これらのプロテアーゼのいずれに対しても、明らかな阻害がないことを実証し、化合物2は、SARS-CoV-2Mproに対して高い特異性を有することを示している。
Mpro触媒部位は、ヒトコロナウイルス全体に高度に保存されており、したがって、化合物の効力を、ヒト又は動物に感染することが知られている14種のコロナウイルス(ヒトにスピルオーバーするリスクが高い2種のコウモリコロナウイルスを含む)のパネルに対する生化学的Mproアッセイにおいて評価した(表6)。これらの14種のコロナウイルスは、アルファ、ベータ、ガンマ及びデルタ:SARS-CoV-2、SARS-CoV、MERS-CoV、OC43、229E、HKU1、NL63、MHV、WIV1、HKU9、FIPV、PEDV、IBV及びHKU11を含む、4種の属のコロナウイルスの各々に由来するメンバーを包含する。化合物1及び2は、4種の追加のヒトコロナウイルス(SARS-CoV、MERS-CoV、OC43及び229E)に由来するMproに対して高い効力(SARS-CoV-2のKiに対して≦12倍率変化)を保持している一方、NL63及びHKU1に由来するMproに対して、より弱い効力を示す。化合物1及び2はまた、WIV1、FIPV及びPEDVなどの動物のコロナウイルスに由来するMproに対して、高い生化学的効力があることを実証する。
Figure 2024058653000115
化合物1及び2は、ACE2を発現するHeLa細胞(HeLa-ACE2)又は一次ヒト気管支上皮細胞(HBEC)を使用すると、SARS-CoV-2Mpro生化学的アッセイ及びSARS CoV-2抗ウイルスアッセイにおいて高いインビトロ効力があることを実証した(表7)。
Figure 2024058653000116
ALI HBEC培養条件
PneumaCult-ALI Medium(STEMCELL Technologies、パーツ番号05001)を使用し、少なくとも4週間、気液界面(ALI)において、1μmのPETフィルター(MilliporeSigma、パーツ番号PSRP004R5)を備えたMillicell-96細胞培養インサートプレートにおいて、正常な一次ヒト気管支上皮細胞(HBEC)(Lonza、パーツ番号CC-2540、ロット18TL057583)を、37℃、50%CO2において培養した。HBECを最初に細胞培養フラスコにおいて増殖させた後に、ウェルあたり10,000細胞を播種し、PneumaCult Ex-Plus Medium(STEMCELL Technologies、パーツ番号05040)に沈めた。1週間後、細胞をPneumaCult-ALI Mediumに切替え、頂端表面から培地を除去することによってALIを開始した。培地を少なくとも4週間、2~3日ごとに交換し、細胞の分化が可能となるように気液界面を維持する。感染させる1日前に、細胞を96ウェルレシーバープレート(MilliporeSigma、パーツ番号MACAC0RS5)に移送し、BSL-3施設に送り、平衡にする。
SARS-CoV-2/ALI HBECスクリーニングアッセイ
感染の当日、化合物を手作業によりディープ96ウェルプレート中のPneumaCult-ALI mediaに希釈する。感染させる直前に、細胞の頂端表面を37℃の水浴(ThermoFisher Scientific、14040133)中において事前加温したカルシウム及びマグネシウムを含むDPBSを用いて1回、洗浄し、側底培地を培地中の化合物希釈液と交換する。41,450PFU SARS-CoV-2株(USA/WA1/2020)を50μLのDPBS中の頂端表面に加え、34℃、5%CO2において2時間、インキュベートし、この後に、接種材料を取り除き、細胞をDPBSにより1回、洗浄する。化合物及び培地を感染して24時間後及び48時間後に新しくする。頂端表面に150μLのDPBSを15分間、添加することによって、感染して72時間後に、頂端部の洗液を採集する。PureLink Pro96Viral RNA/DNA Purification Kit(ThermoFisher、パーツ番号12280096A)を使用してRNAの分離を行うまで、頂端部の洗液を-80℃において保管し、ウイルスのRNAレベルを、SuperScript III Platinum One-Step qRT-PCR Kit(ThermoFisher、パーツ番号11732088)、並びに2019-nCoV N1 CDC Primers及びProbe Set(Integrated DNA Technologies、パーツ番号10006830、10006831、10006832)を使用するRT-qPCRによって分析する。
細胞毒性スクリーニング
感染して72時間後に、Cytotoxicity Detection kit(LDH)(Sigma、パーツ番号11644793001)を使用して細胞毒性を評価する。側底チャンバから100μLの培地を採集し、96ウェル平底プレート(Corning、パーツ番号3599)に移す。各アッセイに、反応混合物を新しく調製し、100μLをウェルに加える。プレートを室温において30分間、インキュベートし、光から保護した後、吸光度をCLARIOstar Plusマイクロプレートリーダー(BMGLabtech)を使用して490nmにおいて測定する。
データ解析
各試料に対するウイルス負荷(pfu当量/mL)は、ウイルス保存液の段階希釈から分離したRNAを使用して生成した標準曲線に基づいて求める。次に、ウイルス負荷のlog10分の低下を、中性DMSO対照と比較して、各実験化合物に対して求める。用量応答実験に関すると、データをGenedata Screener(バージョン16.0)にアップロードし、阻害剤対照(5μMのナファモスタット)を含まない中性(DMSO)に対してPFU当量/mLを正規化し、曲線を4パラメータHill式にあてはめる。細胞毒性スクリーニングに関しては、実験試料に対して平均値をとり、ポジティブ対照であるピューロマイシン(5μM)の百分率として表す。抗ウイルス性と細胞毒性の読取りの両方に関して、技術的三連複製を行う。
Figure 2024058653000117
Figure 2024058653000118
Figure 2024058653000119
ミクロソーム安定性:NADPHの存在下、pH7.4(KPO緩衝液)、37℃において、アナログ(0.5μM)を、0、5、10、15、20及び30分間、ラット又はヒトミクロソーム(0.25mg/mL)と共にインキュベートした。1:1のCHCN:MeOHを用いて実験を停止し、LC-MS/MSによって分析した。カルブタミドの内部標準を使用した。表8。
標的外結合アッセイのパネルにおいて、化合物2(10μM)は、対照特異的結合又は酵素阻害を>50%、置き換えなかった。化合物2は、ヒトプロテアーゼ(トロンビン、エラスターゼ、カスパーゼ-2、カテプシンB、カテプシンD、カテプシンF、カテプシンK、カテプシンL、カテプシンS、カテプシンV[カテプシンL2]及びキモトリプシン)、ブタプロテアーゼペプシン及びHIV-1ウイルスプロテアーゼのパネルに対して試験した場合、10μM(カテプシンFの場合、20μM)において、これらのプロテアーゼのいずれに対しても、明らかな阻害がないことを実証した。
上記の詳細説明及び添付の実施例は、単に例示に過ぎず、本発明の範囲に関する限定として見なされるべきでなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその等価物によってしか規定されないことが理解される。開示された実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者に明白である。本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、製剤及び/又は使用方法に関するものを非限定的に含む、このような変更及び修正は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくなされ得る。本明細書において引用されている刊行物、特許及び特許出願はすべて、すべての目的のため、それらの全体が参照により組み込まれている。

Claims (8)

  1. 式(III):
    Figure 2024058653000120
    (式中、
    は、CN又はBrであり、
    は、CF又はシクロプロピルであり、
    は、H又はFであり、
    は、H又はFである)
    の化合物又は薬学的に許容されるその塩。
  2. 前記化合物が、以下の構造
    Figure 2024058653000121
    を有する、請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩。
  3. 前記化合物が、以下の構造
    Figure 2024058653000122
    を有する、請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩。
  4. 式(VI)
    Figure 2024058653000123
    (式中、
    は、CN又はBrであり、
    は、CF又はシクロプロピルであり、
    は、H又はFである)
    の化合物又は薬学的に許容されるその塩。
  5. 化合物が、以下の構造
    Figure 2024058653000124
    を有する、請求項4に記載の化合物又は薬学的に許容されるその塩。
  6. 請求項1に記載の化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
  7. COVID-19感染に罹患している対象を処置する方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物を対象に投与し、COVID-19感染を処置するステップを含む、方法。
  8. 以下の構造:
    Figure 2024058653000125
    によって表される化合物。
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