JP2024057126A - スパークプラグ - Google Patents

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雄大 川口
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【課題】母材からのチップの脱落を低減できるスパークプラグを提供する。【解決手段】スパークプラグは、母材と、母材に溶融部を介して接続されたチップと、を備える第1電極と、チップの放電面に対向する第2電極と、を備え、放電面の重心を含む放電面に垂直な断面において、チップと溶融部との第1の界面にある、放電面から最も離れた点を含む放電面に平行な第1の長辺、溶融部と母材との第2の界面にある、放電面に最も近い点を含む放電面に平行な第2の長辺、及び、2つの長辺の長さが最大になるように溶融部の中に位置する2つの短辺をもつ長方形の、短辺に垂直に3等分した真ん中の領域を、長辺に垂直に6つの範囲に等分したとき、チップに含まれる主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲が隣接する。【選択図】図3

Description

本発明は溶融部を介して母材にチップが接続されたスパークプラグに関する。
溶融部を介して母材にチップが接続されたスパークプラグに関する先行技術は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2019-216038号公報
先行技術において溶融部の両端に温度差ができると熱応力が発生する。熱応力により溶融部の界面や溶融部にクラックが発生し、界面に沿ってクラックが進展すると、母材からチップが脱落するおそれがある。クラックが仮に進展してもチップの脱落を低減する技術が求められている。
本発明はこの要求に応えるためになされたものであり、母材からのチップの脱落を低減できるスパークプラグを提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明のスパークプラグは、母材と、母材に溶融部を介して接続されたチップと、を備える第1電極と、チップの放電面に対向する第2電極と、を備え、放電面の重心を含む放電面に垂直な断面において、放電面の両方の端をそれぞれ通る、放電面に垂直な2つの直線によってチップと溶融部との第1の界面が切り取られる部分にある、放電面から最も離れた点を含む放電面に平行な第1の長辺、放電面の両方の端をそれぞれ通る、放電面に垂直な2つの直線によって溶融部と母材との第2の界面が切り取られる部分にある、放電面に最も近い点を含む放電面に平行な第2の長辺、及び、2つの長辺の長さが最大になるように溶融部の中に位置する2つの短辺をもつ長方形の、短辺に垂直に3等分した真ん中の領域を、長辺に垂直に6つの範囲に等分したとき、チップに含まれる主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲が隣接する。
第1の態様によれば、チップの放電面の重心を含む放電面に垂直な断面において、溶融部に含まれる長方形の短辺に垂直に3等分した真ん中の領域を放電面に垂直に6等分したとき、チップに含まれる主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲が隣接する。溶融部は、範囲が隣接した部分を境に線膨張係数が異なるので、範囲が隣接した部分にクラックが発生し易い。発生したクラックは放電面に交わる方向に進展し易い。クラックが進展して溶融部が分割されると、溶融部が分割されない場合に比べて溶融部の線膨張量が小さくなり熱応力が小さくなるので、溶融部の界面に沿ってクラックが進展し難くなる。また、発生したクラックによって溶融部の応力が解放され、クラックが進展し難くなる。従ってチップの脱落を低減できる。
第2の態様によれば、第1の態様において、チップの放電面の重心を含む放電面に垂直な断面において、溶融部と母材との第2の界面と第2面とが交わる点から放電面を含む直線に下した垂線のうち最も長い垂線の長さをY1とし、長さY1の垂線と第2の界面との交点を第1の点とし、第2の界面のうち、放電面の重心を通り放電面に垂直な直線と第2の界面との交点と、第1の点から最も離れた第2の点と、の間にある部分から放電面を含む直線に下した垂線のうち最も長い垂線の長さをY2としたときにY1≧Y2である。これにより第2面に近い部分の溶融部は、熱応力の緩和効果が、第2面から遠い部分の溶融部よりも大きくなる。従って溶融部のうち第2面に近い部分の破損を低減できる。分割された溶融部の各々によってチップを母材に接合できるので、溶融部によるチップの接合強度が低下しないようにできる。
第3の態様によれば、第1又は第2の態様において、チップの放電面の重心を含む放電面に垂直な断面において、溶融部のうち放電面の両方の端をそれぞれ通る、放電面に垂直な2つの直線の間に位置する部分に、チップに含まれる主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲が隣接する境界が存在する。境界の付近に発生したクラックが放電面に交わる方向に進展すると、後述する第4の態様に比べて溶融部が小さく分割されるので、溶融部の線膨張量が小さくなり熱応力が小さくなる。溶融部の界面に沿ってクラックがさらに進展し難くなるので、チップの脱落をさらに低減できる。
第4の態様によれば、第1又は第2の態様において、チップの放電面の重心を含む放電面に垂直な断面において、第2の界面のうち第1の点から最も離れた点を第2の点としたときに、溶融部のうち第2の点を含む部分であって、第2の点に近い方の放電面の端を通り放電面に垂直な直線で区画された部分に、チップに含まれる主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲が隣接する境界が存在する。境界の付近に発生したクラックが放電面に交わる方向に進展しても、クラックが進展する先にチップは無いので、チップにクラックが入り難くなる。
第5の態様によれば、第1又は第2の態様において、放電面は四角形である。四角形の放電面は、同じ面積をもつ円形の放電面と比較して角の部分だけ広がりがあるので、角の分だけ、放電面と第2電極との間の放電による消耗に対して有利になる。
第1実施の形態におけるスパークプラグの片側断面図である。 (a)は接地電極の平面図であり、(b)は図2(a)のIIb-IIb線における接地電極の断面図である。 接地電極の断面図である。 第2実施の形態におけるスパークプラグの接地電極の断面図である。 (a)は第3実施の形態におけるスパークプラグの接地電極の平面図であり、(b)は図5(a)のVb-Vb線における接地電極の断面図である。 接地電極の断面図である。 (a)は第4実施の形態におけるスパークプラグの接地電極の平面図であり、(b)は図7(a)のVIIb-VIIb線における接地電極の断面図である。 接地電極の断面図である。 第5実施の形態におけるスパークプラグの接地電極の断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は一実施の形態におけるスパークプラグ10の軸線Oを境にした片側断面図である。図1では、紙面下側をスパークプラグ10の先端側、紙面上側をスパークプラグ10の後端側という。図1に示すようにスパークプラグ10は、中心電極20及び接地電極40を備えている。
絶縁体11は、軸線Oに沿う軸孔12が形成された略円筒状の部材であり、機械的特性や高温下の絶縁性に優れるアルミナ等のセラミックスにより形成されている。絶縁体11は、軸孔12により形成された内周面の先端側に、後端側を向く円環状の面である後端向き面13が設けられている。後端向き面13は先端側へ向けて縮径している。
中心電極20は、後端向き面13に係止される棒状の部材である。中心電極20の先端は、絶縁体11の先端から先端側に突出している。中心電極20は、銅を主成分とする芯材が有底円筒状の母材21に覆われている。母材21はNiを50wt%以上含む化学組成を有する。芯材を省略することは可能である。
母材21の先端には、溶融部22を介してチップ23が接続されている。チップ23はPt,Rh,Ir,Ru等の貴金属のうちの1種または2種以上を50wt%以上含む化学組成を有する。チップ23の放電面24は接地電極40に対向している。本実施形態では放電面24は円形である。中心電極20は、軸孔12内で端子金具25と電気的に接続されている。
端子金具25は、高圧ケーブル(図示せず)が接続される棒状の部材であり、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成されている。端子金具25は、先端側が軸孔12に挿入された状態で、絶縁体11の後端側で固定されている。
絶縁体11の先端側の外周に主体金具30が固定されている。主体金具30は、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成された略円筒状の部材である。主体金具30は、径方向の外側へ鍔状に張り出す座部31と、座部31よりも先端側の外周面に設けられたねじ部32と、を備えている。主体金具30は、エンジン(シリンダヘッド)のねじ穴(図示せず)にねじ部32を締結して固定される。主体金具30の先端部に接地電極40が接続されている。
接地電極40は、導電性を有する金属材料によって形成された棒状の部材である。接地電極40は、主体金具30に端部が接合され軸線Oに向かって延びる四角柱状の湾曲した母材41と、中心電極20側を向く母材41の上面42に配置され溶融部43を介して接続されたチップ44と、を備えている。母材41はNiを50wt%以上含む化学組成を有する。チップ44はPt,Rh,Ir,Ru等の貴金属のうちの1種または2種以上を50wt%以上含む化学組成を有する。母材41の上面42は、チップ44が接続される側にある面である。チップ44の放電面45は中心電極20に対向している。チップ44の放電面45と中心電極20との間に火花ギャップGが形成されている。
図2(a)は軸線Oの方向から見た接地電極40(第1電極)の平面図である。母材41は、上面42(第1面)の隣に位置する2つの側面46と、上面42の隣に位置し2つの側面46をつなぐ端面47(第2面)と、を含む。接地電極40を第1電極とすれば、中心電極20は第2電極となる。本実施形態では母材41は断面が略矩形の棒状をなし、チップ44は直方体の形状をなす。
放電面45は四角形である。放電面45の面積は、中心電極20の放電面24の面積よりも大きい。四角形の放電面45は、同じ面積をもつ円形の放電面と比較して角の部分だけ広がりがあるので、角の分だけ、放電面45と中心電極20との間の放電による消耗に対して有利である。放電面45の四角形は、長方形、正方形、平行四辺形、ひし形、台形などが含まれる。
図2(b)は図2(a)のIIb-IIb線における接地電極40の断面図である。IIb-IIb線は、チップ44の放電面45の重心48を通り、母材41の延伸方向に沿って延びる直線である。放電面45の重心48は、放電面45を平面図形としたときの、周知の手段で算出される幾何中心である。図2(b)に示す断面は、放電面45の重心48を含む放電面45に垂直な断面であり、上面42(第1面)及び端面47(第2面)に交わっている。
母材41は、上面42の反対側に位置する底面49を含む。底面49は、2つの側面46と端面47とにつながっている。チップ44を母材41に接続する溶融部43は、チップ44と母材41とが溶け合ってなる。溶融部43は、母材41にチップ44を接合して母材41とチップ44との間の線膨張差を緩衝する機能がある。
接地電極40は、溶融部43とチップ44との第1の界面50と、溶融部43と母材41との第2の界面51と、母材41の端面47とチップ44とをつなぐ溶融部43の第1の表面51aと、母材41の上面42とチップ44とをつなぐ溶融部43の第2の表面51bと、を含む。第2の界面51は、第2の界面51の両端の第1の点52と第2の点53とを含む。第2の点53は、第2の界面51において第1の点52から最も離れた点である。第2の界面51は、第1の点52で端面47と交わり、第2の点53で上面42と交わる。溶融部43の第1の表面51aは第1の点52を含み、溶融部43の第2の表面51bは第2の点53を含む。
図3は図2(b)に示す図を拡大した接地電極40の断面図である。断面に現出する接地電極40の溶融部43に長方形58を引く順序を説明する。まず、放電面45の両方の端66,67をそれぞれ通る、放電面45に垂直な2つの直線68,69を引く。次に、2つの直線68,69によって第1の界面50が切り取られる部分のうち放電面45から最も離れた位置にある点を見つけ、その点を通る(含む)第1の長辺54を引く。同様に2つの直線68,69によって第2の界面51が切り取られる部分のうち放電面45に最も近い位置にある点を見つけ、その点を通る(含む)第2の長辺55を引く。第1の長辺54及び第2の長辺55は放電面45に平行な線分である。次いで、2つの長辺54,55の長さが最大になるように、溶融部43の中に位置する2つの短辺56,57を引く。これにより長辺54,55及び短辺56,57をもつ長方形58ができる。
長方形58の4つの頂点59,60,61,62のうち頂点59,61,62は溶融部43の境界に位置し、頂点60は溶融部43の境界の内側に存在する。溶融部43は、短辺56,57に垂直に長方形58を3等分した真ん中の領域63を、長辺54,55に垂直に6つの範囲64に等分したとき、チップ44に含まれる主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲64が隣接している。長方形58を3等分した真ん中の領域63の元素分析を行うのは、界面50,51に近い部分を元素分析の対象から外すためである。界面50,51に近い部分はチップ44や母材41に含まれる元素が多く存在する可能性があるので、界面50,51に近い部分を元素分析の対象から外すことにより定量分析の精度を上げることができる。
チップ44に含まれる主成分の元素は、チップ44を構成する元素のうち含有量が最も多い元素のことをいう。チップ44を構成する主成分の元素や溶融部43の元素の定量分析は、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いた波長分散型X線分析(WDS)により行うことができる。EPMAを用いたWDSにより範囲64毎に元素分析(面分析)が行われ、チップ44の主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲64が隣接する境界65の有無が判定される。境界65が有る場合には、境界65の位置も特定される。本実施形態では、チップ44の主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲64が隣接する境界65が、2つの直線68,69の間に位置する。
6つの範囲64のうち母材41の端面47に接する第1の表面51aに最も近い範囲64は、2つの直線68,69の間に一部が位置する。これはチップ44が、母材41の端面47の近傍に開放された状態で配置されていることを表す。火花ギャップGに生じた火炎の伝播が接地電極40に妨げられ難くなるので、着火性を向上できる。
溶融部43の第2の界面51は、第1の点52から放電面45を含む直線70に下した垂線71の長さをY1とし、第2の界面51のうち、放電面45の重心48を通り放電面45に垂直な直線72と第2の界面51との交点73と、第1の点52から最も離れた第2の点53と、の間にある部分から直線70に下した垂線のうち最も長い垂線74の長さをY2としたときにY1≧Y2である。これは直線70と第2の界面51との間の距離が、第1の点52から第2の点53へ向かって短くなることを意味している。
スパークプラグ10の端子金具25と主体金具30との間に高電圧が印加され、火花ギャップGに放電が発生するとチップ44は加熱される。接地電極40の母材41の端面47は開放されているので、接地電極40のうち端面47に近い部分は、端面47から遠い部分に比べ、放電による加熱の速度および可燃混合気による冷却の速度が速い。これにより溶融部43のうち端面47に近い部分に大きな熱ひずみが生じ、大きな熱応力が発生する。溶融部43はY1≧Y2の関係があるので、端面47に近い部分の溶融部43は、熱応力の緩和効果が、端面47から遠い部分の溶融部43よりも大きくなる。これにより溶融部43のうち端面47に近い部分の破損を低減できる。
溶融部43の第1の表面51aは母材41の端面47とチップ44とをつなぐので、チップ44は、母材41の端面47の近傍に開放された状態で配置されていることになる。火花ギャップGに生じた火炎の伝播が接地電極40に妨げられ難くなるので、着火性を向上できる。
接地電極40の製造方法の一例を説明する。母材41の上面42にチップ44を配置した後、母材41の端面47に対面させた加工ヘッド(図示せず)からレーザービームを照射する。母材41とチップ44とが接する部分に沿ってビームを照射しながら加工ヘッドを移動させて母材41とチップ44とを溶融する。溶融した部分が硬化した後、硬化した部分に沿ってビームを照射しながら加工ヘッドを移動させて再溶融し、溶融部43を形成する。再溶融するまでの時間やレーザービームのパワー密度等を調整して、再溶融する範囲や溶融の程度を設定すると、チップ44の主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲64が隣接する境界65ができる。
溶融部43はチップ44と母材41とが溶け合ってなるので、チップ44の主成分の元素の含有率が異なることは、チップ44と母材41とが溶け合う割合が異なることを意味する。チップ44の線膨張係数は母材41の線膨張係数よりも小さいので、溶融部43においてチップ44の成分の割合が大きい部分は、チップ44の成分の割合が小さい部分に比べて線膨張係数が小さくなる。チップ44の主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲64が隣接する境界65の付近は、線膨張係数の違いにより、接地電極40の温度変化による熱応力でクラックが発生し易い。チップ44の主成分の元素の含有率10%を基準に境界65を設定するのは、クラックの発生し易さから見出された経験則による。
境界65は放電面45に交わる方向に延びているので、境界65の付近にクラックが発生すると、放電面45に交わる方向にクラックが進展し易くなる。放電面45に交わる方向にクラックが進展して溶融部43が分割されると、溶融部43が分割されない場合に比べ、溶融部43の線膨張量が小さくなり熱応力が小さくなる。これにより溶融部43の界面50,51に沿ってクラックが進展し難くなる。また、発生したクラックによって溶融部43の応力が解放され、クラックが進展し難くなる。その結果、界面50,51に沿って溶融部43が破壊し難くなるので、母材41からのチップ44の脱落を低減できる。
溶融部43はY1≧Y2の関係があるので、溶融部43が分割されても、溶融部43のうち端面47に近い部分の破損を低減できる。分割された溶融部43の各々によってチップ44が母材41に接合されるので、溶融部43によるチップ44の接合強度が低下しないようにできる。
溶融部43のうち放電面45の両方の端66,67をそれぞれ通り放電面45に垂直な2つの直線68,69の間に位置する部分に境界65が存在する。境界65の付近に発生したクラックが、境界65が延びる方向に進展すると、溶融部43のうち第2の点53を含む部分であって直線69で区画された部分に境界65が存在する場合に比べ、溶融部43が小さく分割されるので、溶融部43の線膨張量が小さくなり熱応力が小さくなる。これにより溶融部43の界面50,51に沿ってクラックがさらに進展し難くなるので、チップ44の脱落をさらに低減できる。
四角形の放電面45をもつチップ44を母材41に接合する溶融部43の大きさは、それと同じ面積の円形の放電面をもつチップを母材41に接合する溶融部に比べて大きいので、溶融部43の線膨張量も大きくなる。境界65の付近に発生したクラックで溶融部43を分割することにより、分割された個々の溶融部43の線膨張量が小さくなるので、四角形の放電面45をもつチップ44の溶融部43は、応力を緩和する効果が特に大きい。
図4を参照して第2実施の形態について説明する。第2実施の形態は、第1実施の形態と溶融部81の形が異なる。第2実施の形態では、第1実施形態において説明した部分と同一の部分に同一の符号を付して以下の説明を省略する。図4は第2実施の形態におけるスパークプラグの接地電極80の、放電面45の重心48を含む放電面45に垂直な断面図である。接地電極80は、第1実施形態における接地電極40に代えて、スパークプラグ10に設けられる。接地電極80は、チップ44を母材41に接続する溶融部81を含む。
接地電極80は、溶融部81とチップ44との第1の界面82と、溶融部81と母材41との第2の界面83と、母材41の端面47とチップ44とをつなぐ溶融部81の第1の表面83aと、母材41の上面42とチップ44とをつなぐ溶融部81の第2の表面83bと、を含む。第2の界面83は、第2の界面83の両端の第1の点84と第2の点85とを含む。第2の点85は、第2の界面83において第1の点84から最も離れた点である。第2の界面83は、第1の点84で端面47と交わり、第2の点85で上面42と交わる。第1の表面83aは第1の点84を含み、第2の表面83bは第2の点85を含む。
溶融部81の第1の表面83aは母材41の端面47とチップ44とをつなぐので、チップ44は、母材41の端面47の近傍に開放された状態で配置されていることになる。火花ギャップG(図1参照)に生じた火炎の伝播が接地電極81に妨げられ難くなるので着火性を向上できる。
接地電極80の断面の上に、放電面45に平行な第1の長辺86及び第2の長辺87と、放電面45に垂直な2つの短辺88,89と、をもつ長方形90を描き、短辺88,89に垂直に3等分した真ん中の領域95を設ける。長方形90は溶融部81に全体が含まれる。
第1の長辺86は、2つの直線68,69によって第1の界面82が切り取られる部分にある、放電面45から最も離れた点を通る。第2の長辺87は、2つの直線68,69によって第2の界面83が切り取られる部分にある、放電面45に最も近い点を通る。長方形90の4つの頂点91,92,93,94のうち3つの頂点91,92,93が、溶融部81の境界に含まれている。頂点94は溶融部81の境界の内側に存在する。溶融部81は、領域95を長辺86,87に垂直に6つの範囲96に等分したとき、チップ44に含まれる主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲96が隣接する境界97が、溶融部81のうち第2の点85を含む部分であって直線69で区画された部分に存在する。
6つの範囲96のうち母材41の端面47に接する第1の表面83aに最も近い範囲96は、2つの直線68,69の間に全体が位置する。これはチップ44が、母材41の端面47の近傍に開放された状態で配置されていることを表す。火花ギャップGに生じた火炎の伝播が接地電極80に妨げられ難くなるので、着火性を向上できる。
溶融部81の第2の界面83は、第1の点84から放電面45を含む直線70に下した垂線98の長さをY1とし、第2の界面83のうち、放電面45の重心48を通り放電面45に垂直な直線72と第2の界面83との交点99と、第2の点85と、の間にある部分から直線70に下した垂線のうち最も長い垂線99aの長さをY2としたときにY1≧Y2である。端面47に近い部分の溶融部81は、熱応力の緩和効果が、端面47から遠い部分の溶融部81よりも大きくなるので、溶融部81のうち端面47に近い部分の破損を低減できる。
境界97は放電面45に交わる方向に延びているので、境界97の付近にクラックが発生すると、放電面45に交わる方向にクラックが進展し易くなる。放電面45に交わる方向にクラックが進展して溶融部81が分割されると、溶融部81が分割されない場合に比べ、溶融部81の線膨張量が小さくなり熱応力が小さくなる。これにより溶融部81の界面82,83に沿ってクラックが進展し難くなる。また、境界97の付近に発生したクラックによって応力が解放されるので、界面82,83に沿って溶融部81が破壊し難くなる。よって母材41からのチップ44の脱落を低減できる。
溶融部81のうち第2の点85を含む部分であって直線69で区画された部分に境界97が存在するので、境界97の付近に発生したクラックが進展しても、チップ44と溶融部81との界面82にクラックが到達し難くなる。従って境界97の付近に発生したクラックの進展が、チップ44の破壊の起点になり難くなる。
図5及び図6を参照して第3実施の形態について説明する。第1実施形態および第2実施形態では、母材41の上面42にチップ44を配置し母材41とチップ44とを接合する場合について説明した。これに対し第3実施形態では、母材41の上面42に窪んだ溝を設け、溝の中にチップ44を配置し母材41とチップ44とを接合する場合について説明する。第3実施の形態では、第1実施形態において説明した部分と同一の部分に同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図5(a)は第3実施の形態におけるスパークプラグの接地電極100の平面図である。図5(b)は図5(a)のVb-Vb線における接地電極100の断面図である。接地電極100は、第1実施形態における接地電極40に代えて、スパークプラグ10に設けられる。
チップ44は母材41の上面42に設けられた溝に配置されている。溝は母材41の側面46に沿って延び、端面47に開口している。チップ44は、溝の壁面42aによって、端面47から離れる方向の位置が規制される。チップ44は溶融部101を介して母材41に接続されている。接地電極100は、溶融部101とチップ44との第1の界面102と、溶融部101と母材41との第2の界面103と、母材41の端面47とチップ44とをつなぐ溶融部101の第1の表面103aと、を含む。
図6は接地電極100の、放電面45の重心48を含む放電面45に垂直な断面図である。第2の界面103は端面47と交わる第1の点104からチップ44まで連続している。第2の界面103は第2の点105を含む。第2の点105は、第2の界面103において第1の点104から最も離れた点(第1の点104からの直線距離が最も長い点)である。第1の表面103aは第1の点104を含む。第1の表面103aは母材41の端面47とチップ44とをつなぐので、チップ44は、母材41の端面47の近傍に開放された状態で配置されていることになる。火花ギャップG(図1参照)に生じた火炎の伝播が接地電極100に妨げられ難くなるので着火性を向上できる。
接地電極100の断面の上に、放電面45に平行な第1の長辺106及び第2の長辺107と、放電面45に垂直な2つの短辺108,109と、をもつ長方形110を描き、短辺108,109に垂直に3等分した真ん中の領域115を設ける。長方形110は溶融部101に全体が含まれる。
第1の長辺106は、2つの直線68,69によって第1の界面102が切り取られる部分にある、放電面45から最も離れた点(頂点112)を含む。第2の長辺107は、2つの直線68,69によって第2の界面103が切り取られる部分にある、放電面45に最も近い点(頂点113)を含む。長方形110の4つの頂点111,112,113,114のうち3つの頂点111,112,113が、溶融部101の境界に含まれている。頂点114は溶融部101の境界の内側に存在する。溶融部101は、領域115を長辺106,107に垂直に6つの範囲116に等分したとき、チップ44に含まれる主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲116が隣接する境界117が、直線68,69の間に存在する。
6つの範囲116のうち母材41の端面47に接する第1の表面103aに最も近い範囲116は、2つの直線68,69の間に一部が位置する。これはチップ44が、母材41の端面47の近傍に開放された状態で配置されていることを表す。火花ギャップGに生じた火炎の伝播が接地電極100に妨げられ難くなるので、着火性を向上できる。
溶融部101の第2の界面103は、第1の点104から直線70に下した垂線118の長さをY1とし、第2の界面103のうち、直線72と第2の界面103との交点119と、第2の点105と、の間にある部分から直線70に下した垂線のうち最も長い垂線(本実施形態では重心48と交点119とを結ぶ線分)の長さをY2としたときにY1≧Y2である。端面47に近い部分の溶融部101は、熱応力の緩和効果が、端面47から遠い部分の溶融部101よりも大きくなるので、溶融部101のうち端面47に近い部分の破損を低減できる。
境界117は放電面45に交わる方向に延びているので、境界117の付近にクラックが発生すると、放電面45に交わる方向にクラックが進展し易くなる。放電面45に交わる方向にクラックが進展して溶融部101が分割されると、溶融部101が分割されない場合に比べ、溶融部101の線膨張量が小さくなり熱応力が小さくなる。また、境界117の付近に発生したクラックによって応力が解放されるので、溶融部101の界面102,103に沿ってクラックが進展し難くなる。従って母材41からのチップ44の脱落を低減できる。
図7及び図8を参照して第4実施の形態について説明する。第1実施形態から第3実施形態では、母材41の端面47に交わる切断面を用いて断面を表した接地電極40,80,100について説明した。これに対し第4実施形態では、母材41の側面46に交わる切断面を用いて断面を表した接地電極120について説明する。第4実施の形態では、第1実施形態において説明した部分と同一の部分に同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図7(a)は第4実施の形態におけるスパークプラグの接地電極120の平面図である。図7(b)は図7(a)のVIIb-VIIb線における接地電極120の断面図である。VIIb-VIIb線は、チップ44の放電面45の重心48を通り、母材41の延伸方向に交わる直線である。接地電極120は、第1実施形態における接地電極40に代えて、スパークプラグ10に設けられる。
チップ44は母材41の上面42(第1面)に設けられた溝に配置されている。溝は母材41の側面46(第2面)に沿って延び、端面47に開口している。チップ44は、溝の壁面42b,42cによって、母材41の側面46,46間の位置が規制される。チップ44は溶融部121を介して母材41に接続されている。接地電極120は、チップ44と溶融部121との第1の界面122と、溶融部121と母材41との第2の界面123と、母材41の側面46に現れる溶融部121の表面123aと、を含む。
図8は接地電極120の、放電面45の重心48を含む放電面45に垂直な断面図である。第2の界面123は、母材41の側面46(第2面)と第2の界面123とが交わる第1の点124から第2の点125まで延びている。第2の点125は、第2の界面123において第1の点124から最も離れた点(第1の点124からの直線距離が最も長い点)である。表面123aは第1の点124を含む。
接地電極120の断面の上に、放電面45に平行な第1の長辺126及び第2の長辺127と、放電面45に垂直な2つの短辺128,129と、をもつ長方形130を描き、短辺128,129に垂直に3等分した真ん中の領域135を設ける。長方形130は溶融部121に全体が含まれる。
第1の長辺126は、2つの直線68,69によって第1の界面122が切り取られる部分にある、放電面45から最も離れた点(頂点132)を含む。第2の長辺127は、2つの直線68,69によって第2の界面123が切り取られる部分にある、放電面45に最も近い点(頂点133)を含む。長方形110の4つの頂点131,132,133,134は全て溶融部121の境界に含まれている。溶融部121は、領域135を長辺126,127に垂直に6つの範囲136に等分したとき、チップ44に含まれる主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲136が隣接する境界137が、直線68,69の間に存在する。6つの範囲136のうち母材41の側面46に接する表面123aに最も近い範囲136は、2つの直線68,69の間の外に位置する。
溶融部121の界面122,123と母材41の側面46とがそれぞれ交わる点から直線70に下した垂線のうち最も長い垂線138の長さをY1とすると、第1の点124は垂線138と第2の界面123との交点である。第2の界面123のうち、直線72と第2の界面123との交点139と、第2の点125と、の間にある部分から直線70に下した垂線のうち最も長い垂線(本実施形態では重心48と交点139とを結ぶ線分)の長さをY2とするとY1≧Y2である。側面46(図8左側)に近い部分の溶融部101は、熱応力の緩和効果が、側面46(図8左側)から遠い部分の溶融部121よりも大きくなるので、溶融部121のうち側面46(図8左側)に近い部分の破損を低減できる。
境界137は放電面45に交わる方向に延びているので、境界137の付近にクラックが発生すると、放電面45に交わる方向にクラックが進展し易くなる。放電面45に交わる方向にクラックが進展して溶融部121が分割されると、溶融部121が分割されない場合に比べ、溶融部121の線膨張量が小さくなり熱応力が小さくなる。また、境界137の付近に発生したクラックによって応力が解放されるので、溶融部121の界面122,123に沿ってクラックが進展し難くなる。よって母材41からのチップ44の脱落を低減できる。
図9を参照して第5実施の形態について説明する。第1実施形態から第4実施形態では母材41の側面46,46間の距離(母材41の幅)に対してチップ44の幅が半分程度の場合について説明した。これに対し第5実施形態では、母材41の幅とチップ44の幅がほぼ等しい場合について説明する。第5実施の形態では、第1実施形態において説明した部分と同一の部分に同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図9は接地電極140の、放電面45の重心48を含む放電面45に垂直な断面図である。図9の断面図は、母材41の側面46に交わる切断面を用いて表されている。チップ44は溶融部141を介して母材41に接続されている。
接地電極140は、溶融部141とチップ44との第1の界面142と、溶融部141と母材41との第2の界面143と、母材41の片方の側面46とチップ44とをつなぐ溶融部141の第1の表面143aと、母材41のもう片方の側面46とチップ44とをつなぐ溶融部141の第2の表面143bと、を含む。第2の界面143は、側面46と交わる第1の点144から側面46と交わる第2の点145まで連続している。第2の点145は、第2の界面143において第1の点144から最も離れた点である。第1の表面143aは第1の点144を含み、第2の表面143bは第2の点145を含む。第1の表面143aは、第2の表面143bよりも長い。
接地電極140の断面の上に、放電面45に平行な第1の長辺146及び第2の長辺147と、放電面45に垂直な2つの短辺148,149と、をもつ長方形150を描き、短辺148,149に垂直に3等分した真ん中の領域155を設ける。長方形150は溶融部141に全体が含まれる。
第1の長辺146は、2つの直線68,69によって第1の界面142が切り取られる部分にある、放電面45から最も離れた点を通る(含む)。第2の長辺147は、2つの直線68,69によって第2の界面143が切り取られる部分にある、放電面45に最も近い点(頂点153)を含む。長方形150の4つの頂点151,152,153,154のうち頂点151,153は溶融部141の境界に含まれている。頂点152,154は溶融部141の境界の内側に存在する。溶融部141は、領域155を長辺146,147に垂直に6つの範囲156に等分したとき、チップ44に含まれる主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲156が隣接する境界157が、直線68,69の間に存在する。
6つの範囲156のうち母材41の側面46に接する第1の表面143aに最も近い範囲156は、2つの直線68,69の間に一部が位置する。これはチップ44が、母材41の側面46の近傍に開放された状態で配置されていることを表す。火花ギャップGに生じた火炎の伝播が接地電極140に妨げられ難くなるので、着火性を向上できる。
溶融部141の第2の界面143は、第1の点144から直線70に下した垂線158の長さをY1とし、第2の界面143のうち直線72と第2の界面143との交点159と、第2の点145と、の間にある部分から直線70に下した垂線のうち最も長い垂線(本実施形態では重心48と交点159とを結ぶ線分)の長さをY2としたときに、Y1≧Y2である。側面46(図9左側)に近い部分の溶融部141は、熱応力の緩和効果が、側面46(図9左側)から遠い部分の溶融部141よりも大きくなるので、溶融部141のうち側面(図9左側)に近い部分の破損を低減できる。
境界157は放電面45に交わる方向に延びているので、境界157の付近にクラックが発生すると、放電面45に交わる方向にクラックが進展し易くなる。放電面45に交わる方向にクラックが進展して溶融部141が分割されると、溶融部141が分割されない場合に比べ、溶融部141の線膨張量が小さくなり熱応力が小さくなる。また、境界157の付近に発生したクラックによって応力が解放されるので、溶融部141の界面142,143に沿ってクラックが進展し難くなる。従って母材41からのチップ44の脱落を低減できる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
実施形態では母材41の延伸方向に平行な切断面を用いた接地電極40,80,100の断面、又は、母材41の延伸方向に直交する切断面を用いた接地電極120,140の断面について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。切断面が、チップ44の放電面45の重心48を含むものであれば、母材41の延伸方向に対する切断面の角度は適宜設定できる。
第3実施形態および第4実施形態では、母材41に設けた溝の中に配置したチップ44を母材41に接合する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1実施形態、第2実施形態および第5実施形態のように、母材41に溝を設けることなくチップ44を母材41に接合することは当然可能である。また、第1実施形態および第2実施形態を、第3実施形態および第4実施形態のように変更して、母材41に設けた溝の中に配置したチップ44を母材41に接合することは当然可能である。
第4実施形態では、6つの範囲136のうち母材41の側面46に接する表面123aに最も近い範囲136が、2つの直線68,69の間の外に位置する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。溶融部121の表面123aに接する側面46の近くにチップ44が配置されている場合、6つの範囲136のうち表面123aに最も近い範囲136の少なくとも一部が、2つの直線68,69の間に位置することがある。この場合は火花ギャップGに生じた火炎の伝播が接地電極120に妨げられ難くなるので、着火性を向上できる。
第1実施形態から第3実施形態では、母材41の端面47よりもチップ44の先端面がわずかに内側に入り込む場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。母材41の端面47よりもチップ44の先端面をせり出させて、母材41の端面47からチップ44を突出させることは当然可能である。
実施形態では、母材41の上面42に配置したチップ44、又は、上面42に設けた溝に配置したチップ44を母材41に接合する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。中心電極20と接地電極40,80,100,120,140との間に火花ギャップGが設けられるのであれば、母材41のどの面にチップ44を固着しても構わない。例えば母材41の端面47にチップ44を固着することは当然可能である。
実施形態では、接地電極40のチップ44が直方体(四角柱)の形状をなす場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。チップ44の形状は、円柱状、四角柱以外の多角柱状など適宜設定できる。チップ44の形状の変更に伴い、放電面45の形状も円形、四角形以外の多角形など適宜設定できる。
実施形態では、母材41の端部が主体金具30に接続されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。主体金具30に端部が接続される棒状の部材を設け、その部材に中間材(母材)を接合し、母材に溶融部を介してチップを接続することは当然可能である。
実施形態では、接地電極40,80,100,120,140を第1電極とし、中心電極20を第2電極とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。これと反対に、中心電極を第1電極とし、接地電極を第2電極とすることは当然可能である。
10 スパークプラグ
20 中心電極(第2電極)
40,80,100,120,140 接地電極(第1電極)
41 母材
42 上面(第1面)
43,81,101,121,141 溶融部
44 チップ
45 放電面
46 側面(第2面)
47 端面(第2面)
48 重心
50,82,102,122,142 第1の界面
51,83,103,123,143 第2の界面
52,84,104,124,144 第1の点
53,85,105,125,145 第2の点
54,86,106,126,146 第1の長辺
55,87,107,127,147 第2の長辺
56,57,88,89,108,109,128,129,148,149 短辺
58,90,110,130,150 長方形
63,95,115,135,155 領域
64,96,116,136.156 範囲
65,97,117,137,157 境界
66,67 端
68,69 端を通る直線
70 放電面を含む直線
71,98,118,138,158 垂線
72 重心を通る直線
73,99,119,139,159 交点
74,99a 垂線

Claims (5)

  1. 母材と、前記母材に溶融部を介して接続されたチップと、を備える第1電極と、
    前記チップの放電面に対向する第2電極と、を備えるスパークプラグであって、
    前記放電面の重心を含む前記放電面に垂直な断面において、
    前記放電面の両方の端をそれぞれ通る、前記放電面に垂直な2つの直線によって前記チップと前記溶融部との第1の界面が切り取られる部分にある、前記放電面から最も離れた点を含む前記放電面に平行な第1の長辺、
    前記放電面の両方の端をそれぞれ通る、前記放電面に垂直な2つの直線によって前記溶融部と前記母材との第2の界面が切り取られる部分にある、前記放電面に最も近い点を含む前記放電面に平行な第2の長辺、及び、
    2つの前記長辺の長さが最大になるように前記溶融部の中に位置する2つの短辺をもつ長方形の、前記短辺に垂直に3等分した真ん中の領域を、前記長辺に垂直に6つの範囲に等分したとき、前記チップに含まれる主成分の元素の含有率が10%以上異なる範囲が隣接するスパークプラグ。
  2. 前記放電面の重心を含む前記放電面に垂直な断面において、
    前記母材は、前記チップが接続される側にある面である第1面と、前記第1面の隣に位置し前記第2の界面が交わる第2面と、を含み、
    前記第2の界面と前記第2面とが交わる点から前記放電面を含む直線に下した垂線のうち最も長い垂線の長さをY1とし、長さY1の前記垂線と前記第2の界面との交点を第1の点とし、
    前記第2の界面のうち、前記重心を通り前記放電面に垂直な直線と前記第2の界面との交点と、前記第1の点から最も離れた第2の点と、の間にある部分から前記放電面を含む直線に下した垂線のうち最も長い垂線の長さをY2としたときに、Y1≧Y2である請求項1記載のスパークプラグ。
  3. 前記放電面の重心を含む前記放電面に垂直な断面において、
    前記溶融部のうち前記放電面の両方の端をそれぞれ通る、前記放電面に垂直な2つの直線の間に位置する部分に、前記チップに含まれる主成分の元素の含有率が10%以上異なる前記範囲が隣接する境界が存在する請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記放電面の重心を含む前記放電面に垂直な断面において、
    前記母材は、前記チップが接続される側にある面である第1面と、前記第1面の隣に位置し前記第2の界面が交わる第2面と、を含み、
    前記第2の界面と前記第2面とが交わる点から前記放電面を含む直線に下した垂線のうち最も長い垂線の長さをY1とし、長さY1の前記垂線と前記第2の界面との交点を第1の点とし、
    前記第2の界面のうち前記第1の点から最も離れた点を第2の点とし、
    前記溶融部のうち前記第2の点を含む部分であって、前記第2の点に近い方の前記放電面の端を通る、前記放電面に垂直な直線で区画された部分に、前記チップに含まれる主成分の元素の含有率が10%以上異なる前記範囲が隣接する境界が存在する請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  5. 前記放電面は四角形である請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
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