JP2024056493A - ワイヤ式巻取り装置 - Google Patents

ワイヤ式巻取り装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2024056493A
JP2024056493A JP2022163396A JP2022163396A JP2024056493A JP 2024056493 A JP2024056493 A JP 2024056493A JP 2022163396 A JP2022163396 A JP 2022163396A JP 2022163396 A JP2022163396 A JP 2022163396A JP 2024056493 A JP2024056493 A JP 2024056493A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
drum
winding device
rotating shaft
wound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022163396A
Other languages
English (en)
Inventor
義人 梶田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2022163396A priority Critical patent/JP2024056493A/ja
Publication of JP2024056493A publication Critical patent/JP2024056493A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Step Arrangements And Article Storage (AREA)

Abstract

【課題】 引き出されたワイヤが急激に巻き取られず、ワイヤ先端のフックにより周辺部品が傷ついたり、破損したりすることを防止するワイヤ式巻取り装置の提供。【解決手段】 ワイヤ式巻取り装置10は、荷室4を覆うカバー部材5を掛止するフック13が設けられたワイヤ12と、ワイヤ12を胴部44に巻回するドラム41と、ドラム41に装着される回動軸45の外周に設けられたネジ溝46と、ネジ溝46に螺合して、回動するドラム41を長手軸Xに沿った方向に送り移動するための軸受けナット23,26と、ワイヤ12を巻き取る際のドラム41が回動する速度を減衰するドラム減速機構50と、ワイヤ12を巻き取る方向に回動軸45にトルクを発生する動力装置10と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、車両のラゲッジルームに設けられたトノカバーなどのカバー部材をリアゲートのオープン時に吊り上げるワイヤ式巻取り装置に関する。
ワゴン車などに採用されるリアゲート(リアハッチゲート、リハハッチドアなどとも言う)を備えた車両は、ラゲージルームにカバー部材のトノカバー、トノボードなどが設けられるものが周知である。このようなトノカバー、トノボードなどは、ラゲッジルームの荷物などを車外から見えないように覆い隠すものである。
例えば、特許文献1には、リアゲートの開閉操作に連繋してトノカバー本体をワイヤ式巻き取り装置によって自動的にケース内に収容および引き出しを可能にするトノカバー装置の技術が開示されている。
特開2001-063468号公報
ところで、ワゴン車などの車両は、リアゲートを開けたときに、トノカバー、トノボードなどにワイヤを引っ掛けてワイヤ式巻取り装置によって吊り上げるものがある。ワイヤ式巻取り装置のワイヤは、リアゲートの開扉時にワイヤ式巻取り装置から引き出され、閉扉時にワイヤ式巻取り装置に自動的に巻き取られる。
なお、ワイヤの先端には、トノカバー、トノボードなどに引っ掛けるフックが設けられている。ユーザは、ワイヤのフックをトノカバー、トノボードなどに着脱することで、リアゲートの開扉時に、トノカバー、トノボードなどが吊り上げる形態と、そのままラゲッジルームを覆った形態と、を選択的に変更することができる。
ユーザは、リアゲートを開けて、ワイヤ式巻取り装置から引き出されたワイヤのフックをトノカバー、トノボードなどから取り外すとき、または、ワイヤ式巻取り装置からワイヤを引き出してフックをトノカバー、トノボードなどに引っ掛けるときに、フックまたはワイヤから不意に手を離してしまうと、ワイヤがワイヤ式巻取り装置に急激に巻き取られ、ワイヤ先端のフックにより周辺部品が傷ついたり、破損したりする虞があった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、その目的とするところは、引き出されたワイヤが急激に巻き取られず、ワイヤ先端のフックにより周辺部品が傷ついたり、破損したりすることを防止するワイヤ式巻取り装置を提供することである。
本発明の一態様のワイヤ式巻取り装置は、車両のリアゲートの開扉時に荷室を覆うカバー部材を吊り上げるワイヤ式巻取り装置であって、前記カバー部材を掛止するフックが設けられたワイヤと、前記ワイヤを胴部に巻回するドラムと、前記ドラムに装着される回動軸と、前記回動軸の外周に設けられたネジ溝と、前記ネジ溝に螺合して、回動する前記回動軸を前記ドラムと共に長手軸に沿った方向に送り移動するための軸受けナットと、前記ワイヤを巻き取る際の前記ドラムが回動する速度を減衰するドラム減速機構と、前記回動軸に接続され、前記ドラムから繰り出された前記ワイヤを巻き取る方向に前記回動軸にトルクを発生する動力装置と、を備える。
本発明によれば、引き出されたワイヤが急激に巻き取られず、ワイヤ先端のフックにより周辺部品が傷ついたり、破損したりすることを防止するワイヤ式巻取り装置を提供することができる。
リアゲートが閉じられた車両のリア側を示すと共に、ラゲッジルームに設けられるトノカバーを示す平面図 リアゲートが閉じられた車両のリア側を示すと共に、ラゲッジルームに設けられるトノカバーを示す側面図 リアゲートが開けられた車両のリア側を示すと共に、ラゲッジルームに設けられるトノカバーが吊り上げられた状態を示す側面図 ワイヤ式巻取り装置の構成を示す斜視図 ワイヤを最大に巻き取った状態のワイヤ式巻取り装置の構成を示す断面図 回動軸とドラムの構成を示す図 ドラムとドラム減速機構の構成を示す分解斜視図 ワイヤを最大まで引き出した状態のワイヤ式巻取り装置の構成を示す断面図 ワイヤを途中まで引き出した状態のワイヤ式巻取り装置の構成を示す断面図
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1から図3に示すように、ワゴン車などの車両1は、後方に開閉部となるリアゲート2が設置される。車両1の後方には、荷物などを収容する荷室のラゲッジルーム4が設けられる。
車両1は、ラゲッジルーム4の荷物などを出し入れする際に、閉じたリアゲート2が上方に開けられる。なお、ラゲッジルーム4には、荷物などを車外から見えないように覆い隠すカバー部材のトノカバー5が設けられる。
ここでのトノカバー5は、リアゲート2の開扉時に、リアゲート2内に設けられる2つのワイヤ式巻取り装置10のワイヤ12によって、吊り上げられる(図3参照)。このとき、ワイヤ式巻取り装置10のワイヤ12が所定に引き出される。
なお、トノカバー5は、リアゲート2が閉じられたときに、ラゲッジルーム4を覆うように配置される(図2参照)。このとき、ワイヤ12は、ワイヤ式巻取り装置10に巻き取られてリアゲート2内に収容される。
なお、本実施の形態では、ワイヤ式巻取り装置10が吊り上げるカバー部材をトノカバー5として例示しているが、これに限定されることなく、ワイヤ式巻取り装置10が吊り上げるカバー部材がトノボードにも適用される。
ここで、本実施の形態のワイヤ式巻取り装置10の構成について、以下に詳しく説明する。ワイヤ式巻取り装置10は、図4に示すように、巻取り装置本体11と、ワイヤ12と、このワイヤ12の端部に設けられたフック13を有している。
フック13は、トノカバー5の後方の縁辺に設けられた図示しないフック受けと着脱自在である。即ち、フック13は、フック受け(不図示)に引っ掛けることでトノカバー5に接続される。
巻取り装置本体11は、図5に示すように、ワイヤドラム装置20と、動力装置30と、を有する。ワイヤドラム装置20は、ドラムケース本体21と、カバー体25と、を有する。
ドラムケース本体21は、一方の端部および側周部の一部分が開口した略筒状体をしている。ドラムケース本体21には、ワイヤ12を巻回するドラム41が回動自在に設けられる。
ドラムケース本体21は、側周部から延設されたワイヤゲート22を有する。ワイヤゲート22は、ドラム41に巻かれたワイヤ12の繰り出しを案内するワイヤガイド部である。
カバー体25は、略円板状をした蓋体である。カバー体25は、ドラム41が収容されたドラムケース本体21の一方の開口を塞ぐようにビスなどの固定部材によって組付けられる。ドラム41は、図6に示すように、ワイヤ12を巻回する胴部44と、この胴部44の両端に接合された円板状のフランジ部41a,41bと、を有する。
ドラム41には、中央を貫通するように軸ネジの回動軸45が装着される。ドラム41の胴部44には、螺旋状に形成されたワイヤ巻回溝42が設けられる。
ワイヤ巻回溝42には、ワイヤ12が係合する。即ち、ワイヤ12は、ドラム41の胴部44にワイヤ巻回溝42に沿って螺旋状に巻き取られる。
なお、ワイヤ12は、ドラム41の胴部44に一層だけ巻回される。即ち、ワイヤ12は、ワイヤ巻回溝42に係合した一層のみドラム41の胴部44に巻回する。そして、ワイヤ12は、胴部44に重畳して巻き取られないように所定の長さが設定されている。
そのため、ドラム41は、巻取るワイヤ12の所定の長さに応じた胴部44の幅DWおよび直径Ddが所定に設定される。
ワイヤ12は、フック13が取り付けられる一端部と反対側の他端部がドラム41の一方のフランジ部41bに設けられたワイヤ接続部43に接続固定される。そして、ワイヤ12は、一端部側がワイヤゲート22に通されて延出する。
ワイヤ12は、ワイヤゲート22を挿通後、リアゲート2の内張りであるラゲッジルーム4側(車室側)のリアゲートトリム3に取り付けられたワイヤ導出部であるプロテクタ6に挿通される。
プロテクタ6は、ワイヤ12が挿通する孔部であるワイヤ挿通路7を有している。プロテクタ6は、リアゲートトリム3の表面に当接するフランジを有している。このプロテクタ6は、図示しないスナップフィットなどによってリアゲートトリム3に固定される。
なお、ワイヤ式巻取り装置10は、ワイヤゲート22がプロテクタ6に対向するように、リアゲート2内に配置される。このとき、ワイヤ12の繰り出される位置がプロテクタ6のワイヤ挿通路7と一致している。
ところで、ワイヤ12は、プロテクタ6からラゲッジルーム4側に延出する端部に上述したフック13が取り付けられる。このフック13には、ワイヤ12の端部を挟み込んで固定するためのビス13aが設けられる。即ち、フック13は、ビス13aによりネジ込むワイヤ留め機構によってワイヤ12を本体と板体などにより挟持して外れないように固定する。
回動軸45は、外周に雄ネジのネジ溝46が設けられる。回動軸45は、ドラム送り機構を構成するためのネジ軸であるスライドシャフトとなる。回動軸45は、動力装置30側の端部からドラム41に近接した中途部まで軸方向に沿って形成されたスリット状の溝47を有する。
回動軸45は、ドラムケース本体21およびカバー体25の中央に形成された雌ネジのネジ溝が形成された軸受けナット部23,26と螺合する。回動軸45は、ドラムケース本体21およびカバー体25に貫挿して配置される。即ち、ドラム41は、回動軸45の中途に配置される。この回動軸45は、ドラム41に貫通して設けられる構成の他、ドラム41の両側中央において、個々に接続されて突出する構成であってもよい。
ここでは、ドラム41の胴部44に形成されたワイヤ巻回溝42の螺旋ピッチP1と、回動軸45の外周に形成されたネジ溝46のネジピッチP2とが同じ間隔となるように設定される。なお、ワイヤ巻回溝42の螺旋ピッチP1と、ネジ溝46のネジピッチP2と、は、必ずしも同じ間隔でなくともよい。
また、回動軸45は、所定の全長RLを有し、ドラム41の両端から延出する所定の長さRL1,RL2が設定されている。
詳しくは、回動軸45は、ドラム41の動力装置30側の一方のフランジ部41aから所定の長さRL1を有して延設される。また、回動軸45は、ドラム41の他方のフランジ部41bから所定の長さRL2を有して延設される。
回動軸45の所定の全長RLとドラム41の両端からの所定の長さR1,R2は、ドラム41がドラムケース本体21内における移動量に応じて設定される。即ち、回動軸45は、ドラム41が動力装置30側に最も移動するワイヤ最大繰り出し位置と、動力装置30とは反対側に最も移動するワイヤ最大巻取り位置と、に移動しても、ネジ溝46がドラムケース本体21およびカバー体25の軸受けナット部23,26と螺合する長さが設定される。
動力装置30は、バネケース本体31と、カバーケース34と、付勢部材の渦巻バネ(ゼンマイバネ)35と、を有する。バネケース本体31は、バネ収容室32と、バネ押さえ33と、を有する。
バネ収容室32は、渦巻バネ35を収容する円柱状の凹部である。バネ押さえ33は、渦巻バネ35の外周側の端部を挟み込むように係止するスリット状の溝である。なお、渦巻バネ35の外周側の端部は、バネ押さえ33から外れないように折れ目、折り返しなどが付けられる。また、渦巻バネ35の外周側の端部は、バネ押さえ33にビス留めなどにより固定されてもよい。
動力装置30は、渦巻バネ35をバネ収容室32に収容したバネケース本体31にカバーケース34が組み付けられる。このとき、渦巻バネ35は、内周側の端部が回動軸45の溝47に挿入される。
渦巻バネ35の内周側の端部は、回動軸45の溝47に沿ってスライド自在に挿入される。また、渦巻バネ35の内周側の端部も、溝47から抜け落ちないように折れ目、折り返しなどが付けられている。
動力装置30は、ワイヤ12をドラム41から繰り出す際の回動軸45の回動によって渦巻バネ35が内側に巻き取られて弾性エネルギが蓄積される。そして、動力装置30は、弾性エネルギが蓄積された渦巻バネ35が元に戻ろうとする復元力によって、ワイヤ12をドラム41に巻き取る方向に回動するトルクを回動軸45に発生させる。
なお、ドラムケース本体21およびカバー体25は、中央に回動軸45が所定のクリアランスを有して貫通する孔部を有している。また、ワイヤドラム装置20および動力装置30は、ビスなどの固定部材によって連結される。
また、ワイヤドラム装置20には、図7に示す、ドラム41が回動する速度を減衰するドラム減速機構50が設けられている。このドラム減速機構50は、動力装置30側とは反対側のドラム41とカバー体25との間のドラムケース本体21内に配設される。
ドラム減速機構50は、円板状の摩擦材である2つの第1、第2の摩擦パッド48,51と、コイルスプリングのテンションスプリング52と、第2の摩擦パッドに一端が接続された複数、ここでは3つのロッド53と、を有する。
ドラム41側の第1の摩擦パッド48は、動力装置30側とは反対側のフランジ部41bの側面に装着されている。なお、第1の摩擦パッド48は、必ずしも設ける必要はない。
第2の摩擦パッド51は、回動軸45が挿通する孔部54を有する。第2の摩擦パッド51は、孔部54の孔径が回動軸45の直径よりも大きく設定される。即ち、回動軸45は、第2の摩擦パッド51が回動しないように孔部54に遊挿される。
テンションスプリング52は、3つのロッド53の内側に配置され、回動軸45に外挿して装着される。このテンションスプリング52は、第2の摩擦パッド51に一端が当接することにより、第2の摩擦パッド51をドラム41側に付勢する。
3つのロッド53は、ドラム41の他方のフランジ部41bから延出する回動軸45の所定の長さRL2と同等の長さを有する。これら3つのロッド53は、第2の摩擦パッド51の一面において、中心回りの等間隔の位置に接続される。
3つのロッド53は、カバー体25に形成された貫通孔25aに夫々が挿通される。そして、3つのロッド53は、カバー体25に対してスライド自在である。なお、この状態において、3つのロッド53は、回動軸45が回動する軸Xに対して平行に配設される。
即ち、3つのロッド53は、回動軸45の長手軸(X軸)に沿ってスライド移動するように構成される。そして、第2の摩擦パッド51は、3つのロッド53の夫々がカバー体25の貫通孔25aに挿通することによって、その回動が規制される。
なお、本実施の形態では、ドラム減速機構50の弾性部材は、テンションスプリング52を例示したが、これに限定されることなく、スプリングワッシャ、スポンジ、ゴムなどのクッション材を用いてもよい。
以上に説明したワイヤ式巻取り装置10は、図5に示したように、ワイヤドラム装置20のドラム41にワイヤ12が最大に巻回された状態が初期状態となる。この初期状態において、ワイヤ式巻取り装置10の動力装置30は、略0(ゼロ)または若干にワイヤ12を巻き取る方向に回動軸45にトルクが生じるように、渦巻バネ35が弾性エネルギを蓄積した状態となる。
即ち、ワイヤ式巻取り装置10の初期状態において、ワイヤ12は、リアゲート2側へ略0(ゼロ)または若干の張力が生じた状態である。なお、フック13は、リアゲートトリム3のプロテクタ6と当接してストッパとなる。
そして、ワイヤ式巻取り装置10は、フック13がトノカバー5に引っ掛けられている状態で、リアゲート2が開扉されると、トノカバー5を吊り上げるワイヤ12がドラム41から繰り出されて、リアゲート2から引き出される。
このとき、ワイヤ式巻取り装置10は、例えば、図5の初期状態から図8のワイヤ12が最大に引き出された状態となって、ラゲッジルーム4を覆うトノカバー5を吊り上げる。なお、ワイヤ式巻取り装置10は、リアゲート2が閉扉しているときに、図5の初期状態ではなく、ワイヤ12が若干、引き出された状態となっている場合もある。
そして、ワイヤ式巻取り装置10は、リアゲート2の開扉過程において、ワイヤ12が図中の矢印で示すPr方向に引き出される。すると、ドラム41および回動軸45は、軸X回り図中の矢印で示すRr方向に回動される。
このとき、回動軸45は、軸受けナット部23,26との螺合による送りねじ機構によってRr方向に回動しながら動力装置30側に送られてスライド移動する。具体的には、回動軸45は、長手軸(X軸)方向の直線軌道に沿った図中の矢印で示すMr方向にスライド移動する。これに伴い、回動軸45に連動するドラム41も、Rr方向に回動しながら、動力装置30側のMr方向に送られてスライド移動する。
なお、ワイヤ式巻取り装置10は、ここでは、胴部44に形成されたワイヤ巻回溝42の螺旋ピッチP1と、回動軸45のネジ溝46のネジピッチP2と、が同じ間隔に設定されており、ドラム41からのワイヤ12の繰り出し位置が変わることなく、ドラム41が動力装置30側にスライド移動する。
このとき、ワイヤ12は、回動軸45の長手軸Xに沿った方向であるドラム41の幅方向において、常に同じ位置からドラム41から繰り出されて引き出される。即ち、ワイヤ12は、ドラム41が回動軸45の長手軸Xに沿ったRr方向にスライド移動するため、胴部44のワイヤ巻回溝42からの導出位置が変わらず繰り出される。
そして、ワイヤ12は、ドラム41から繰り出される位置が変わることなくプロテクタ6のワイヤ挿通路7に挿通して、リアゲート2から導出する。
なお、動力装置30は、ワイヤ12が引き出されてドラム41および回動軸45がRr方向に回動すると、渦巻バネ35が内側に向けて絞られるように回動軸45に巻き付けられて弾性エネルギが蓄積される。即ち、動力装置30は、ドラム41にワイヤ12を巻き付ける方向(図中Pt方向)に回動軸45にトルクを与える。
そのため、ワイヤ12に所定の張力が与えられる。このとき、ワイヤ12は、トノカバー5を吊り上げており、トノカバー5の重みによって、渦巻バネ35が蓄積する弾性エネルギに抗して、リアゲート2からラゲッジルーム4側に引き出された状態となる。
一方、ワイヤ式巻取り装置10は、開扉されたリアゲート2が閉扉される際、図8のワイヤ12が最大に引き出された状態から、図9のワイヤ12が途中まで引き出された状態を経由して、図5のドラム41にワイヤ12が巻回された初期状態となる。
なお、ここでも、リアゲート2が閉じられると、ワイヤ式巻取り装置10は、図5の初期状態ではなく、ワイヤ12が若干、引き出された状態となっている場合もある。
ワイヤ式巻取り装置10は、ワイヤ12をPr方向と反対のPt方向へリアゲート2内に引き込む際、動力装置30の弾性エネルギが蓄積された渦巻バネ35が元に戻ろうとする復元力によって、回動軸45が軸X回りのRr方向とは反対側のRt方向に回動される。これにより、ドラム41は、回動軸45と共に、軸X回りのRr方向に回動される。
即ち、回動軸45と共にドラム41も、Rr方向に回動しながら、軸受けナット部23,26と螺合する回動軸45による送りねじ機構によって、動力装置30側とは反対側の回動軸45の長手軸Xに沿ったMt方向にスライドして送り移動する。
そのため、トノカバー5を吊り上げているワイヤ12は、胴部44のワイヤ巻回溝42に係合しながらドラム41に巻き取られる。この時においても、ワイヤ式巻取り装置10は、ドラム41の胴部44に形成されたワイヤ巻回溝42の螺旋ピッチP1と、回動軸45のネジ溝46のネジピッチP2と、が同じ間隔に設定されているため、ドラム41がMt方向に送られてスライド移動する。
これにより、ワイヤ12は、ドラム41が回動軸45の長手軸Xに沿ったRt方向にスライド移動することで、胴部44のワイヤ巻回溝42への係合位置が変わらず巻き取られる。即ち、ワイヤ12は、回動軸45の長手軸Xに沿った方向であるドラム41の幅方向において、常に同じ位置からドラム41に巻き取られる。
そして、ワイヤ12は、ドラム41への巻取り位置が変わることなくプロテクタ6のワイヤ挿通路7に挿通して、ラゲッジルーム4側からリアゲート2内に導入される。
なお、リアゲート2が閉扉されると、ワイヤ式巻取り装置10が図5の初期状態となり、ワイヤ12がリアゲート2側へ略0(ゼロ)または若干の張力が生じた状態となる。このとき、フック13は、リアゲートトリム3のプロテクタ6と当接してストッパとなる。
ところで、ワイヤ式巻取り装置10は、ワイヤ12をドラム41に巻き取る際に、ドラム減速機構50によって、ドラム41が巻き取るワイヤ12の巻回量が多くなるに従い、ドラム41の回動速度が小さく(遅く)なる。
具体的には、ドラム減速機構50は、図8のワイヤ12がドラム41から最大に繰り出された状態において、ドラム41側の第1の摩擦パッド48と、この第1の摩擦パッド48に対向し、テンションスプリング52の付勢力Fを受ける第2の摩擦パッド51と、が接触していない状態である。即ち、2つの第1,第2の摩擦パッド48,51が離間した状態である。
このとき、テンションスプリング52は、無荷重の自由長となっている。なお、ワイヤ12がドラム41から最大に繰り出された状態において、2つの第1,第2の摩擦パッド48,51が接触するように、テンションスプリング52が無荷重となる自由長に設定してもよい。
そして、ドラム減速機構50は、動力装置30によって、ドラム41にワイヤ12を巻き取るX軸回りのRt方向に回動されると、第1の摩擦パッド48がドラム41と共にドラム41がMt方向に送られて移動する。そのため、第1の摩擦パッド48が第2の摩擦パッド51に接触する。
すると、テンションスプリング52が撓み(圧縮されて)、第2の摩擦パッド51が第1の摩擦パッド48を押し付ける付勢力Fが発生する。即ち、第1の摩擦パッド48は、テンションスプリング52の付勢力Fによって第2の摩擦パッド51が押し付けられる。
このとき、ドラム41と共に軸X回りのRt方向に回動する第1の摩擦パッド48と第2の摩擦パッド51が接触する面が擦れて、ドラム41の回動を妨げる摩擦力が生じる。これにより、ドラム41の回動速度が減衰する。即ち、ワイヤ12を巻き取るドラム41は、軸X回りのRt方向に回動する速度が遅くなる。
そして、図9に示したドラム41にワイヤ12が途中まで巻き取られた状態を経由して、図5に示したドラム41にワイヤ12が最大に巻き取られる初期状態となる過程では、テンションスプリング52の撓み(縮み)量が徐々に大きくなる。
そのため、テンションスプリング52の付勢力Fが増大し、第1の摩擦パッド48と第2の摩擦パッド51の接触面の摩擦が増大する。これにより、ドラム41が回動する速度が徐々に低下する。
また、第2の摩擦パッド51に接続された3つのロッドは、カバー体25の貫通孔25aに挿通した状態でスライド移動する。そのため、第2の摩擦パッド51が第1の摩擦パッド48に接触しても回動せず、ドラム41の回動を妨げる所定の摩擦力が生じる。
なお、ドラム減速機構50は、動力装置30によるワイヤ12をドラム41に巻き取る方向に回動するトルクによって、図5に示したドラム41にワイヤ12が最大に巻き取られる初期状態となるように、テンションスプリング52の付勢力Fによって発生する第1の摩擦パッド48と第2の摩擦パッド51の所定の摩擦力が設定される。
即ち、ドラム減速機構50は、ワイヤ12を巻き取るドラム41が途中で静止されないように、動力装置30の渦巻バネ35の弾性エネルギによってドラム41を軸X回りのRt方向に回動するトルクに対して、テンションスプリング52の弾性力および第1の摩擦パッド48と第2の摩擦パッド51が接触する表面積が設定される。
以上に記載したように、ワイヤ式巻取り装置10は、ドラム減速機構50によって、ワイヤ12がドラム41に巻き取られる際の速度が減衰するように構成される。
したがって、ワイヤ式巻取り装置10は、ユーザがリアゲート2を開けて、リアゲート2内のワイヤ式巻取り装置10から引き出されたワイヤ12のフック13をトノカバー5から取り外すときに、フック13またはワイヤ12から不意に手を離したとしても、ワイヤ12がワイヤ式巻取り装置10に急激に巻き取られない。
さらに、ワイヤ式巻取り装置10は、ユーザがリアゲート2からワイヤ12を引き出してフック13をトノカバー5に引っ掛けるときにおいて、フック13またはワイヤ12から不意に手を離したとしても、ワイヤ12がリアゲート2内のワイヤ式巻取り装置10に急激に巻き取られない。
そのため、本実施の形態のワイヤ式巻取り装置は、ドラム減速機構50を備えることにより、引き出されたワイヤ12が急激に巻き取られず、ワイヤ12の先端に設けられたフック13によって周辺部品が傷ついたり、破損したりすることを防止することができる構成となる。
なお、ワイヤ式巻取り装置10は、軸部材の回動軸45がドラム41と共に、この回動軸45が軸受けナット部23,26と螺合する送りねじ機構によって、長手軸Xに沿ってスライド移動する構成を例示したが、これに限定されることはない。
例えば、回動軸45を軸部材の固定軸として、この固定軸が挿通するドラム41の孔部に軸受けナットとなるネジ溝を形成した送りねじ機構によって、ドラム41が固定軸に対して長手軸Xに沿った方向にスライド移動する構成としてもよい。
なお、この構成の場合、動力装置30の渦巻バネ35は、ドラム41側に設けられており、ドラム41がワイヤ12を巻き取る方向へ回動するトルクを与える構成となる。
以上の実施の形態に記載した発明は、それらの形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。
例えば、各形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
1・・・車両
2・・・リアゲート
3・・・リアゲートトリム
4・・・ラゲッジルーム
5・・・トノカバー
6・・・プロテクタ
7・・・ワイヤ挿通路
10・・・巻取り装置
11・・・巻取り装置本体
12・・・ワイヤ
13・・・フック
13a・・・ビス
20・・・ワイヤドラム装置
21・・・ドラムケース本体
22・・・ワイヤゲート
23,26・・・軸受けナット部
25・・・カバー体
25a・・・貫通孔
30・・・動力装置
31・・・バネケース本体
32・・・バネ収容室
34・・・カバーケース
35・・・渦巻バネ(ゼンマイバネ)
41・・・ドラム
41a,41b・・・フランジ部
42・・・ワイヤ巻回溝
43・・・ワイヤ接続部
44・・・胴部
45・・・回動軸
46・・・ネジ溝
47・・・溝
48・・・第1の摩擦パッド
50・・・ドラム減速機構
51・・・第2の摩擦パッド
52・・・テンションスプリング
53・・・ロッド
54・・・孔部
DW・・・幅
Dd・・・直径
F・・・付勢力
P1・・・螺旋ピッチ
P2・・・ネジピッチ
RL・・・全長
X・・・軸(長手軸)

Claims (5)

  1. 車両のリアゲートの開扉時に荷室を覆うカバー部材を吊り上げるワイヤ式巻取り装置であって、
    前記カバー部材を掛止するフックが設けられたワイヤと、
    前記ワイヤを胴部に巻回するドラムと、
    前記ドラムに装着される回動軸と、
    前記回動軸の外周に設けられたネジ溝と、
    前記ネジ溝に螺合して、回動する前記回動軸を前記ドラムと共に長手軸に沿った方向に送り移動するための軸受けナットと、
    前記ワイヤを巻き取る際の前記ドラムが回動する速度を減衰するドラム減速機構と、
    前記回動軸に接続され、前記ドラムから繰り出された前記ワイヤを巻き取る方向に前記回動軸にトルクを発生する動力装置と、
    を備えたことを特徴とするワイヤ式巻取り装置。
  2. 前記ドラム減速機構は、前記ワイヤを巻き取る方向に回動する前記ドラムに接触する摩擦材と、前記摩擦材を前記ドラム側に付勢する弾性部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載のワイヤ式巻取り装置。
  3. 前記トルクによって前記ドラムが前記ワイヤを最大に巻き取る状態となるように、前記弾性部材の弾性力および前記摩擦材の表面積が設定されることを特徴とする請求項2に記載のワイヤ式巻取り装置。
  4. 前記動力装置は、前記ワイヤが引き出された状態において、前記回動軸に弾性エネルギを蓄積して前記トルクを与える渦巻バネを有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤ式巻取り装置。
  5. 前記ワイヤは、前記ワイヤ巻回溝に係合する一層のみ前記胴部に巻回される長さが設定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワイヤ式巻取り装置。
JP2022163396A 2022-10-11 2022-10-11 ワイヤ式巻取り装置 Pending JP2024056493A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022163396A JP2024056493A (ja) 2022-10-11 2022-10-11 ワイヤ式巻取り装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022163396A JP2024056493A (ja) 2022-10-11 2022-10-11 ワイヤ式巻取り装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024056493A true JP2024056493A (ja) 2024-04-23

Family

ID=90749217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022163396A Pending JP2024056493A (ja) 2022-10-11 2022-10-11 ワイヤ式巻取り装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024056493A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10483699B2 (en) Retractable cable and cable rewind spool configuration
JP2004175151A (ja) ダンパユニット及びこのダンパユニットを用いたクローブボックス装置
US7077488B2 (en) Drawer closing mechanism
WO2010001978A1 (ja) 給電装置とそれを用いたハーネス配索構造
JP2007108106A (ja) 巻尺
JP5173449B2 (ja) 車両用自動開閉装置
JP2017160696A (ja) 開閉体駆動装置
TWM478627U (zh) 汽車捲簾裝置
JP2024056493A (ja) ワイヤ式巻取り装置
JP4741450B2 (ja) 室内物干具
JP2024056492A (ja) ワイヤ式巻取り装置
KR101826902B1 (ko) 소화전함용 호스 릴
US3815845A (en) Center unwinding spool
JP3314681B2 (ja) 跳ね上げ式車両ドアの自動閉鎖装置
JP4878560B2 (ja) 車両用自動開閉装置
JP3599611B2 (ja) ドアクローザ
JP3467464B2 (ja) ワイヤーハーネス巻取り装置の巻取り案内構造
US5328119A (en) Tension reducer
JPH0446595Y2 (ja)
JP3802364B2 (ja) ウインドレギュレータ
JP6196459B2 (ja) 引き込み装置
JP4755493B2 (ja) 巻尺
JP2011245930A (ja) リトラクタ
JP2002234395A (ja) 車両用カバー巻き取り装置
JP2009293218A (ja) 車両用自動開閉装置