JP2024053803A - 保護部材形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラステーブルの清掃を良好に実施できる保護部材形成装置を提供する。【解決手段】樹脂供給ノズル(183)によってガラステーブル(16)の載置面(161)に液状樹脂(M)を供給させ、昇降機構(21)によってウェーハ保持部(20)を降下させ、ガラステーブルの載置面全面に液状樹脂を広げる。その後、紫外線照射ユニット(23)によって液状樹脂を硬化させ、搬出機構(27)によって液状樹脂が硬化した硬化済樹脂(M1)をガラステーブルの載置面から離間させ搬出する制御を行う。ガラステーブルから搬出する硬化済樹脂には、ガラステーブルの載置面に付着していたゴミ(D)が取り込まれ、硬化済樹脂の搬出によってガラステーブルの載置面を清掃する。【選択図】図8
Description
本発明は、保護部材形成装置に関する。
ウェーハに研削加工等を行う際に、ウェーハの一方の面全面を保護する保護部材を形成する。かかる保護部材を形成する装置として、特許文献1に開示される装置が知られている。
特許文献1、2に開示される保護部材形成装置は、まず、ガラステーブルの上にシートを配置し、そのシートの上面中央に紫外線硬化型の液状樹脂を所定量供給する。次いで、液状樹脂を上からウェーハで押し込み、ウェーハの一方の面(下面)全面に液状樹脂を押し広げる。その後、ガラステーブルの下方に配置される紫外線照射ユニットによって、液状樹脂に紫外線を照射して硬化させ、ウェーハの一方の面全面を保護する保護部材を形成している。保護部材形成装置においては、ウェーハに対して保護部材の形成を実施する前に、部品交換等のメンテナンス作業が行われる。
上記保護部材形成装置では、ウェーハに対して保護部材を形成する際、メンテナンス作業等に起因してガラステーブルの上面にゴミが残る場合がある。このゴミによってガラステーブル上のシートが部分的に浮き上がり、ゴミがある部分の保護部材の厚みが薄くなる、という問題がある。ここで、ガラステーブルをエアブローしてゴミを除去する方法が考えられるが、この方法ではゴミが浮遊してからガラステーブル上にゴミが再度載ってしまったり、ガラステーブル以外の構造物にゴミが付着する、という問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ガラステーブルの清掃を良好に実施できる保護部材形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の保護部材形成装置は、ウェーハの一方の面全面を保護する保護部材形成装置であって、ウェーハを保持する保持面を下面に有する保持部と、保持部を昇降させる昇降機構と、保持面に対向配置したガラステーブルと、ガラステーブルの上面に紫外線硬化型の液状樹脂を供給する樹脂供給ノズルと、ガラステーブルの下方に配置し液状樹脂に紫外線を照射する紫外線照射ユニットと、ガラステーブルから硬化した樹脂を搬出する搬出機構と、制御部と、を備え、制御部は、樹脂供給ノズルによってガラステーブルの上面に所定量の液状樹脂を供給させることと、昇降機構によって保持部を降下させ保持面とガラステーブルの上面との間でガラステーブルの上面全面に液状樹脂を広げることと、紫外線照射ユニットによって液状樹脂を硬化させることと、搬出機構によって液状樹脂が硬化した樹脂をガラステーブルの上面から離間させ搬出することと、を制御し、ガラステーブルから搬出する樹脂には、少なくともガラステーブルの上面に付着していたゴミが取り込まれており、樹脂の搬出によってガラステーブルの上面を清掃する。
本発明の一態様にて、ガラステーブルの上面にシートを搬送するシート搬送機構を備え、制御部は、シート搬送機構によって液状樹脂の上にガラステーブルを覆う面積のシートを搬送することと、樹脂供給ノズルによってガラステーブルの上面に所定量の液状樹脂を供給させることと、昇降機構によって保持部を降下させ保持面でシートの上面を押しシートを介してガラステーブルの上面全面に液状樹脂を押し広げることと、紫外線照射ユニットによって液状樹脂が硬化した樹脂とシートとを一体化させることと、搬出機構によってシートと樹脂とを一体にガラステーブルの上面から離間させ搬出するとよい。
本発明の一態様にて、搬出機構は、樹脂の端を把持する把持部と、把持部を水平方向に移動させる移動機構とを備え、ガラステーブルの上面から硬化した樹脂を搬出するとよい。
本発明の一態様にて、搬出機構は、樹脂を巻いて、ガラステーブルの上面から樹脂を離間させる巻き取り部を備え、ガラステーブルの上面から硬化した樹脂を搬出するとよい。
本発明の一態様にて、搬出機構は、シートの端を把持する把持部と、把持部を水平方向に移動させる移動機構とを備え、ガラステーブルの上面から硬化した樹脂とシートとを一体的に搬出するとよい。
本発明の一態様にて、搬出機構は、シートを巻いて、ガラステーブルの上面から樹脂とシートとを一体に離間させる巻き取り部を備え、ガラステーブルの上面から硬化した樹脂とシートとを一体的に搬出するとよい。
本発明によれば、ガラステーブルの上面に液状樹脂を供給して硬化した樹脂を搬出機構で搬出するので、硬化した樹脂にガラステーブルの上面に付着していたゴミを取り込んでガラステーブルの清掃を良好に実施することができる。
以下、添付図面を参照して、実施の形態に係る保護部材形成装置について説明する。図1は、実施の形態に係る保護部材形成装置の概略斜視図である。
各図に示すX軸方向、Y軸方向、Z軸方向は互いに垂直な関係にある。X軸方向とY軸方向は略水平な方向であり、Z軸方向は上下方向(鉛直方向)である。各図において、X軸方向を示す両矢線のうち、Xの文字が付されている側を装置の左方(紙面前方)とし、Xの文字が付されていない側を装置の右方(紙面後方)とする。Y軸方向を示す両矢線のうち、Yの文字が付されている側を装置の前方(紙面左方)とし、Yの文字が付されていない側を装置の後方(紙面右方)とする。Z軸方向を示す両矢線のうち、Zの文字が付されている側を上方とし、Zの文字が付されていない側を下方とする。
図1に示す保護部材形成装置1は、ウェーハWの一方の面の全面に押し広げられた液状樹脂に外的刺激を付与して硬化させることによって樹脂層となる保護部材H(図6参照)を形成する装置の一例である。図1においては、保護部材形成装置1の外部筐体10を破線で示し、外部筐体10の内側の構成要素を透視した状態で表している。ウェーハWのうち、保護部材形成装置1での処理時に上側を向く面を上面Waとし、下側を向く面を下面Wbとする。
ウェーハWは、例えば、円柱状のシリコン等のインゴットから切り出した円板状のアズスライスウェーハである。なお、ウェーハWは、デバイス形成前のアズスライスウェーハに限らず、デバイス形成後のデバイスウェーハ等でもよい。
保護部材形成装置1は、外部筐体10のY軸方向の一端側(前方側の端部)に、カセット収容部11を備えている。カセット収容部11の内部には、複数枚のウェーハWを収容可能なカセットCが載置される。
カセット収容部11のY軸方向の後方側の位置には、シートカットテーブル14が設けられている。シートカットテーブル14には、ウェーハWに貼着される後述するシートSをウェーハWの外形に沿って切断するシートカッター141が設けられている。
シートカットテーブル14に対してX軸方向の左側に、カセットCに対してウェーハWの搬入及び搬出を行う第1搬送機構12が設けられている。第1搬送機構12は、台座121上に支持されるロボットハンド122を備え、X軸方向への台座121の移動と、ロボットハンド122の動作とによって、カセット収容部11に収容されたカセットCと仮置きテーブル13との間でのウェーハWの搬送を行う。また、シートカットテーブル14とカセット収容部11に収容されたカセットCとの間でのウェーハWの搬送を行う。
保護部材形成装置1は、シートカットテーブル14に対してY軸方向の後方側に基台15を備えている。基台15には、石英ガラス等の透光性材料からなるガラステーブル16が設けられている。ガラステーブル16は、円板状に形成されている。ガラステーブル16の上面は、シートSを載置するための平坦な載置面161になっている。そして、ガラステーブル16を支持する支持テーブル162が設けられている。この支持テーブル162の上面には、吸引源(図示略)に接続されてシートSを吸引する吸引孔163を4つ備えている。
ガラステーブル16の載置面161上および支持テーブル162の上面にシートSを搬送して載置するシート搬送機構17を備える。シート搬送機構17は、ロール状に巻かれたシートSが支持されるシート供給部171と、Y軸方向に移動可能なアーム172と、アーム172の側面に取り付けられたクランプ部173と、を備えている。シート搬送機構17では、シート供給部171に支持されたロール状のシートSをクランプ部173によって保持し、アーム172をY軸方向に移動させてシートSを引っ張ることによって、ガラステーブル16の載置面161上および支持テーブル162の上面にシートSを載置する。そして、吸引源の動作によって4つの吸引孔163に吸引力を作用させ、支持テーブル162は、シートSを保持する。
シートSは透光性材料からなる。シートSとして、例えば、ポリエチレンテレフタレート等で形成されたフィルム等を用いることができる。なお、これ以外の材質からなるシートSを用いてもよい。
ガラステーブル16の外周と支持テーブル162の内周との境には、吸引源(図示略)に接続される円環状の吸引孔164が形成されている。吸引源の動作によって吸引孔164に吸引力を作用させることにより、載置面161上に載置されたシートSが載置面161に吸引保持される。
ガラステーブル16の近傍には、載置面161上のシートSの上面に所定量の液状樹脂M(図2参照)を供給する樹脂供給機構18が設けられている。樹脂供給機構18は、基台15内に設けられたタンク184に接続するディスペンサ181と、ディスペンサ181から延びる接続管182が接続する樹脂供給ノズル183とを備える。
樹脂供給ノズル183は、アーム172の下部に設けられ、シート搬送機構17によるアーム172のY軸方向の移動に応じて移動可能とされる。かかる移動によって、ガラステーブル16と後述する保持テーブル201との間に樹脂供給ノズル183を位置付けた状態と、それらの間から樹脂供給ノズル183退避した状態とにセットすることができる。
タンク184に貯留された液状樹脂Mがディスペンサ181によって接続管182を経由して送られ、樹脂供給ノズル183から下方に向けて液状樹脂Mが供給(滴下)される。樹脂供給ノズル183からの液状樹脂Mの供給量は、ディスペンサ181によって調整可能である。
液状樹脂Mは、外的刺激によって硬化する性質を有する。本実施の形態では、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型の液状樹脂Mを用いている。液状樹脂Mは、熱硬化型であってもよい。
保護部材形成装置1は、ガラステーブル16の上方に配置されるウェーハ保持部(保持部)20を備えている。ウェーハ保持部20はコラム19に支持され、コラム19は、ガラステーブル16に対してY軸方向の前方側の位置にて基台15から上方へ突出して設けられている。コラム19には、ウェーハ保持部20をZ軸方向へ移動(昇降)させて、ガラステーブル16に対して接近及び離間させる昇降機構21が設けられている。
昇降機構21は、Z軸方向に延びる一対のガイドレール211及びボールねじ212と、一対のガイドレール211に対してZ軸方向に移動可能に支持された昇降テーブル213とを備えている。昇降機構21は、モータ214の駆動力によってボールねじ212を回転させると、一対のガイドレール211に沿って昇降テーブル213がZ軸方向に移動する。
ウェーハ保持部20は昇降テーブル213により支持されており、昇降テーブル213に伴ってウェーハ保持部20がZ軸方向へ移動される。ウェーハ保持部20は円板状の保持テーブル201を備えている。保持テーブル201の下面側には、円板状の多孔質部材202(図3参照)が設けられている。多孔質部材202の下面は、ガラステーブル16の上方に位置するウェーハ保持面(保持面)203とされる。ウェーハ保持面203は、ガラステーブル16の載置面161と略並行な面である。言い換えると、ガラステーブル16は保持テーブル201のウェーハ保持面203に対向配置される。
多孔質部材202は、吸引路を介して吸引源(何れも図示略)に連通している。吸引源の動作によって多孔質部材202に吸引力が付与され、ウェーハ保持面203でウェーハWの上面Waが吸引保持される。
ウェーハ保持部20は、荷重検知部22を備えている。荷重検知部22は、ウェーハWの下面Wbに加わる垂直方向(Z軸方向)の荷重を検知することができる。
ガラステーブル16の下方には、載置面161上のシートSに滴下された液状樹脂Mに外的刺激を付与して硬化させる紫外線照射ユニット23が配置されている。紫外線照射ユニット23は、紫外線UVを発することが可能な複数の紫外線照射部231(何れも図6参照)を備えており、透光性を有するガラステーブル16及びシートSを通じて液状樹脂Mに紫外線UVを照射して硬化させる。紫外線照射部231に用いる光源はLEDを用いてもよい。
基台15に対してX軸方向の左側に、第2搬送機構25が設けられている。第2搬送機構25は、台座251上に支持されるロボットハンド252を備え、Y軸方向への台座251の移動と、ロボットハンド252の動作とによって、仮置きテーブル13とウェーハ保持部20との間でのウェーハWの搬送を行う。また、ガラステーブル16とシートカットテーブル14との間でのウェーハWの搬送を行う。
保護部材形成装置1は、基台15に対してX軸方向の後方側に設けられる搬出機構27を更に備えている。搬出機構27の構成については、ガラステーブル16の清掃要領の説明と共に後述する。
保護部材形成装置1は、制御部40によって統括的に制御される。制御部40は、各種処理を実行するプロセッサと、各種パラメータやプログラム等を記憶する記憶部(メモリ)と、によって構成されている。制御部40の記憶部には、制御プログラムの一部として、例えば、各種条件に基づき、搬出機構27等の動作を制御するためのプログラムが記憶されている。
制御部40は、機能ブロックとして、供給制御部41、拡張制御部42、硬化制御部43、シート搬送制御部44及び搬出制御部45を備えている。これらの機能ブロックは、制御部40における記憶部に記憶されたプログラムが実行されることによって実現される。なお、図1に示す制御部40の機能ブロックは、本発明に関連する構成のみを示しており、それ以外の構成については省略している。
供給制御部41は、樹脂供給機構18におけるディスペンサ181の駆動量を制御し、樹脂供給ノズル183によってガラステーブル16の上面やシートSに対し所定量の液状樹脂Mを供給させる。
拡張制御部42は、昇降機構21によるウェーハ保持部20の動作量、動作方向等を制御する。これにより、後述するようにウェーハ保持部20の下降で液状樹脂Mを広げた状態(図5、図7C参照)にすることができる。
硬化制御部43は、紫外線照射ユニット23による紫外線UVの照射を制御し、液状樹脂Mを硬化させる。
シート搬送制御部44は、シート搬送機構17におけるアーム172やクランプ部173の駆動を制御し、ガラステーブル16の上面やウェーハ保持部20のウェーハ保持面203にシートSを搬送させる。
搬出制御部45は、搬出機構27等の駆動を制御し、液状樹脂Mが硬化した後述する硬化済樹脂M1やシートSをガラステーブル16の上面から離間して搬出させる。
なお、上述した各制御部41~45の機能は、制御部40を構成するプロセッサやメモリ等の動作によって実現されるものであり、各制御部41~45が独立した電子部品で構成されていることを意味しているのではない。また、図1では、制御部40と搬出機構27との間の接続関係のみを模式的に示しているが、制御部40は、搬出機構27以外の保護部材形成装置1の各部に対しても、信号の送受が可能に接続されている。
続いて、本実施の形態の保護部材形成装置1による保護部材の形成について説明する。
図2は、保護部材の形成におけるシート搬入工程を示している。シート搬入工程では、シート搬送制御部44を介してシート搬送機構17が制御され、クランプ部173でシートSの端部をクランプしてアーム172をY軸方向へ移動させ、シート供給部171からシートSが引き出されてガラステーブル16側へ搬送される。引き出されたシートSは所定の長さでカットされる。シートSはガラステーブル16の載置面161上に載置され、吸引源の動作によって支持テーブル162の吸引孔163、164に吸引力を作用させてシートSが吸引保持される。これにより、シートSが載置面161に密着される。この段階での載置面161上のシートSの面積は、ウェーハWの下面Wbの面積よりも大きい。なお、載置面161は、下面Wbと同一面積である。
図3は、保護部材の形成における液状樹脂供給工程を示している。液状樹脂供給工程では、先のシート搬入工程によって載置面161上に載置されたシートSの上方に、樹脂供給機構18の樹脂供給ノズル183が位置付けられる。かかる位置付けは、アーム172をY軸方向に移動するシート搬送機構17にて実施される。
樹脂供給ノズル183の位置付け後、供給制御部41を介してディスペンサ181が制御され、樹脂供給ノズル183に液状樹脂Mを送出して樹脂供給ノズル183からシートSに向けて液状樹脂Mを滴下させる。樹脂供給ノズル183はガラステーブル16の中央付近の上方に位置付けられ、樹脂供給ノズル183から滴下された液状樹脂Mは、ウェーハWの面積よりも狭い範囲でシートSの上面の中央付近に溜まった状態になる。
供給制御部41は、ウェーハWの大きさ等の情報に基づいてディスペンサ181を制御し、ウェーハWの下面Wbの全面に行き渡る量(所定量)の液状樹脂MをシートSへ供給させる。所定量の液状樹脂Mの供給が完了したら、アーム172を移動させてガラステーブル16の上方から樹脂供給ノズル183を退避させ、液状樹脂供給工程を完了する。
図4は、保護部材の形成におけるウェーハ保持工程を示している。図4は、ウェーハ保持工程にて、保持テーブル201にウェーハWを保持させた状態を示している。ウェーハ保持工程では、第1搬送機構12によって、保護部材H(図6参照)を形成する前のウェーハWが、収容スペース111内のカセットCから取り出される。その後、第2搬送機構25にウェーハWが受け渡され、ウェーハWが保持テーブル201まで搬送される。保持テーブル201では、吸引源を動作させて多孔質部材202に吸引力を作用させ、ウェーハ保持面203にウェーハWの上面Waを吸引して保持する。
なお、ウェーハ保持工程の少なくとも一部を、シート搬入工程及び液状樹脂供給工程と並行して(同時に)行ってもよい。
図5は、保護部材の形成における押し広げ工程を示している。保持テーブル201に保持されたウェーハWが、シートS上の液状樹脂Mの上方に対向して位置する状態(図4参照)になったら、図5に示す押し広げ工程に進む。押し広げ工程では、拡張制御部42を介して昇降機構21のモータ214が制御され、昇降テーブル213及び保持テーブル201を所定の送り速度で下降させる。
保持テーブル201の下降によって、ウェーハWの下面Wbがガラステーブル16に接近して液状樹脂Mに接触する。そして、ウェーハWの下面Wbによって液状樹脂Mが押圧されて、液状樹脂MがウェーハWの径方向に押し広げられる。ウェーハWの下面Wbが接触する前の液状樹脂MはシートSの中央付近にまとまって位置しており(図4参照)、ウェーハWから押圧されることにより、液状樹脂MはウェーハWの外縁側に向けて広がる(図5参照)。
液状樹脂Mの広がり状態に応じて保持テーブル201の下降量を調整する場合、荷重検知部22の検知結果に基づき拡張制御部42にてモータ214を制御してもよい。
押し広げ工程が完了して、ウェーハWの下面Wbの全体を液状樹脂Mが覆う状態になったら、硬化工程に進む。図6は、保護部材の形成における硬化工程を示している。硬化工程では、硬化制御部43を介して紫外線照射ユニット23による紫外線UVの照射が制御され、液状樹脂Mを硬化させる強度(波長)の紫外線UVが、紫外線照射部231から載置面161に向けて照射される。紫外線照射部231から発した紫外線UVは、ガラステーブル16及びシートSを透過して液状樹脂Mに達し、紫外線硬化樹脂である液状樹脂Mを硬化させる。液状樹脂Mが十分に硬化した状態になったら、紫外線照射ユニット23からの紫外線UVの照射を終了する。かかる液状樹脂Mの硬化によって、ウェーハWの下面Wbの全体を覆う保護部材Hが形成され、保護部材HによってウェーハWの下面Wbが保護される。
続いて、本実施の形態におけるガラステーブル16の清掃要領について説明する。図7及び図8は、ガラステーブルの清掃における各工程を示している。図7Aは、液状樹脂供給工程を示す説明図、図7B及び図7Cは、押し広げ工程を示す説明図、図7Dは、硬化工程を示す説明図である。図8A及び図8Bは、搬出工程を示す説明図である。ここでは、清掃の前において、ガラステーブル16の載置面161に微小な粒状或いは粉状のゴミDが付着された状態とする。
ガラステーブル16の清掃においては、保護部材Hの形成におけるシート搬入工程(図2参照)が省略され、図7Aに示す液状樹脂供給工程が実施される。かかる液状樹脂供給工程は、ガラステーブル16の載置面161上に樹脂供給機構18の樹脂供給ノズル183が位置付けられ、載置面161上にシートSが載置されていない状態で、樹脂供給ノズル183から載置面161上に液状樹脂Mを滴下(供給)させる。滴下させる液状樹脂Mは、供給制御部41によるディスペンサ181の制御により、載置面161全面に行き渡る所定量とされる。
図7Aの液状樹脂供給工程の実施後、保護部材Hの形成におけるウェーハ保持工程(図4参照)が行われずに、図7B及び図7Cに示す押し広げ工程が実施される。押し広げ工程では、拡張制御部42を介して昇降機構21のモータ214が制御され、昇降テーブル213及び保持テーブル201を所定の送り速度で降下させる。また、ウェーハ保持部20の多孔質部材202に連通するエア源206から、少量のエアを供給してウェーハ保持面203からエアを吹き出す状態が維持されるようにしてもよい。なお、ウェーハ保持部20は、緻密体であってもよい。緻密体のウェーハ保持部20は、ウェーハ保持面203に複数の吸引口と、内部に吸引口を吸引源に連通する吸引路とを形成する。
保持テーブル201の降下によって、ウェーハ保持面203をガラステーブル16に接近させて液状樹脂Mに接触させつつ、ウェーハ保持面203によって液状樹脂Mが押圧される。これにより、ウェーハ保持面203とガラステーブル16における載置面161との間で、液状樹脂Mがガラステーブル16の径方向に沿って載置面161全面に押し広げられる。ウェーハ保持面203が接触する前の液状樹脂Mはガラステーブル16における載置面161の中央付近にまとまって位置しており(図7B参照)、保持テーブル201により押圧されることで液状樹脂Mが載置面161の外縁側に向けて広がる(図7C参照)。液状樹脂Mの広がりによって、載置面161に付着したゴミDが液状樹脂Mの下面側にて取り込まれるように一体化される。
液状樹脂Mの広がり状態に応じて保持テーブル201の下降量を調整する場合、荷重検知部22の検知結果に基づき拡張制御部42にてモータ214を制御してもよい。ウェーハ保持面203による液状樹脂Mの押圧中、ウェーハ保持面203からエアを吹き出されるので、多孔質部材202の内部に液状樹脂Mが進入することが抑制される。また、上記の吸引口からエアを噴出させ液状樹脂Mが進入すること防止するようにしてもよい。また、エアではなく、N2ガスを噴出するようにしてもよい。また、特開2014-078550に開示のように、保持テーブル201は、円環状の蛇腹筒を備え、ウェーハ保持面203による液状樹脂Mの押圧中に、蛇腹筒の内側に載置面161を収容させ、N2雰囲気内で液状樹脂Mを確実に硬化させるようにしてもよい。
図7B及び図7Cの押し広げ工程の実施後、図7Dに示す硬化工程が実施される。硬化工程では、硬化制御部43を介して紫外線照射ユニット23による紫外線UVの照射が制御され、液状樹脂Mを硬化させる強度(波長)の紫外線UVが紫外線照射部231から載置面161に向けて照射される。紫外線照射部231から発した紫外線UVは、ガラステーブル16を透過して液状樹脂Mに達し、紫外線硬化樹脂である液状樹脂Mが硬化して硬化済樹脂(樹脂)M1とされる。液状樹脂Mが十分に硬化して硬化済樹脂M1が形成された後、紫外線照射ユニット23からの紫外線UVの照射を終了する。硬化済樹脂M1が形成された後においても、硬化済樹脂M1にゴミDが取り込まれた状態が保たれる。
その後、モータ214の駆動によって昇降テーブル213及びウェーハ保持部20を上昇させる。これと同時に、多孔質部材202に連通するエア源206から押し広げ工程より相対的に多量となるエアを供給してウェーハ保持面203からエアが吹き出される。これにより、硬化済樹脂M1からウェーハ保持面203が離れつつ、硬化済樹脂M1がガラステーブル16の載置面161に載った状態が維持される。
図7Dの硬化工程の実施後、図8A及び図8Bに示す搬出工程が実施される。搬出工程には、搬出機構27が用いられる。搬出機構27は、硬化済樹脂M1の端を把持する把持部271と、把持部271を回転可能に支持しつつ鉛直方向に移動させる鉛直移動機構272と、把持部271及び鉛直移動機構272を水平方向に移動させる水平移動機構(移動機構)273とを備えている。各移動機構272、273は、詳細な図示説明は省略するが、シリンダやモータ、スライダ、ボールねじ等を用いた適宜な構造が採用される。
搬出工程は、搬出制御部45を介して搬出機構27が制御され、把持部271で硬化済樹脂M1の端部を把持させる(図8A参照)。その後、鉛直移動機構272で把持部271を上昇させつつ、水平移動機構273により把持部271を水平方向に移動させる。これにより、図8Bに示すように、硬化済樹脂M1が端部から捲り上げられ、反転しながらガラステーブル16の載置面161から離間して搬出される。かかる硬化済樹脂M1の搬出によって、載置面161に付着したゴミDが硬化済樹脂M1に取り込まれた状態で除去され、載置面161を清掃することが可能となる。搬出後の硬化済樹脂M1は適宜な回収容器等に廃棄される。
上記実施の形態によれば、保護部材Hの形成で利用されるシートSを用いずに載置面161に液状樹脂Mを供給して押し広げることで、載置面161に付着したゴミDを硬化済樹脂M1に取り込んで除去することができる。これにより、エアブローのようにゴミDが浮遊してからガラステーブル16に再付着したり、ガラステーブル16以外の構造物にゴミDが付着したりすることを防止してガラステーブル16の清掃を良好に実施することができる。
このように清掃できることで、保護部材Hの形成にて、ガラステーブル16上のシートSがゴミDの付着位置にて部分的に浮き上がり、かかる付着位置にて保護部材Hの厚みが薄くなることを回避できる。その結果、保護部材Hを均一な厚みに形成可能となり、ウェーハWの上面Waを研削するときに、保護部材Hの厚みが薄い部分でウェーハWが撓み変形することを防止できる。そして、かかる変形を防止しつつウェーハWを研削することで、研削後のウェーハWを精度良く均一な厚みにすることができる。
なお、シート搬送機構17のアーム172に樹脂供給機構18の樹脂供給ノズル183を設けた構成としたが、これに限られるものでない。例えば、樹脂供給ノズル183は、液状樹脂Mの吐出、供給だけに用いられるアーム等に設けてもよい。
また、上記実施の形態における搬出機構27の構成は、ガラステーブル16の載置面161から硬化済樹脂M1を搬出できる限りにおいて、種々の変更が可能であり、例えば、図9A及び図9Bに示す構成に変更してもよい。図9A及び図9Bは、第1変形例に係る搬出機構及び搬出工程を示す説明図である。
図9Aの第1変形例における搬出機構50は、ローラ状の巻き取り部501と、巻き取り部501を回転可能に支持しつつ水平方向に移動させる水平移動機構502とを備えている。巻き取り部501には、径方向の少なくとも1箇所に吸引口503が形成され、吸引口503は、吸引路504を介して吸引源505に接続されている。搬出機構50は、吸引源505の動作によって吸引口503に吸引力を作用させて硬化済樹脂M1の端部を吸引して保持可能となる。
第1変形例での搬出工程は、巻き取り部501における吸引口503の形成位置と硬化済樹脂M1の端部とを位置合わせする。そして、吸引口503での吸引力を作用させて硬化済樹脂M1の端部を吸引保持しつつ、水平移動機構502により巻き取り部501を水平方向に移動して転動させる。これにより、図9Bに示すように、巻き取り部501により硬化済樹脂M1を巻くことができ、硬化済樹脂M1をガラステーブル16の載置面161から離間して搬出可能となる。よって、図9の第1変形例によっても載置面161に付着したゴミDが硬化済樹脂M1に取り込まれた状態で除去され、載置面161を清掃することが可能となる。
また、上記実施の形態における押し広げ工程では、保持テーブル201のウェーハ保持面203が液状樹脂Mに直接接触して押し広げたが、これに限られるものでない。例えば、押し広げ工程は、図10A及び図10Bに示す第2変形例のように行ってもよい。図10A及び図10Bは、第2変形例に係る押し広げ工程を示す説明図である。
図10Aの第2変形例におけるシート搬送機構17は、実施の形態の構成に加え、シートSを上面側から吸引保持するシート保持機構51を更に備えている。シート保持機構51は、シートSの上面に接触するシート保持部511と、シート保持部511を水平方向に移動させる水平移動機構512とを備えている。シート保持部511の下面には、吸引孔(不図示)が形成され、かかる吸引孔は吸引路514を介して吸引源515に接続されている。シート保持機構51は、吸引源515の動作によって吸引孔に吸引力を作用させてシートSの上面を吸引して保持可能となる。
第2変形例では、上記実施の形態と同様に、樹脂供給ノズル183によってガラステーブル16の載置面161に所定量の液状樹脂Mを供給させた状態とする(図7A参照)。その後、押し広げ工程として、制御部40によってシート搬送機構17が制御され、シート保持部511によりシートSが保持された状態で水平移動機構512が駆動される。これにより、液状樹脂Mの上にガラステーブル16を覆う面積のシートSが搬送される。
次いで、拡張制御部42を介して昇降機構21が制御され、図10Bに示すように、保持テーブル201が降下することでウェーハ保持面203によりシートSの上面が下方に押し込まれる。これにより、シートSを介してガラステーブル16の載置面161全面に液状樹脂Mが押し広げられる。かかる液状樹脂Mの広がりによって、載置面161に付着したゴミDが上記実施の形態と同様に液状樹脂Mに取り込まれる。
続いて、硬化工程として、硬化制御部43を介して紫外線照射ユニット23が制御され、紫外線照射部231から載置面161に向けて紫外線UVが照射されて液状樹脂Mが硬化し、硬化済樹脂M1とシートSとが一体化される。
その後、搬出工程として、搬出制御部45を介して上記実施の形態の搬出機構27が制御され、実施の形態では硬化済樹脂M1だけを搬出したが、本変形例ではシートSと硬化済樹脂M1とが一体的にガラステーブル16の載置面161から離間されて搬出される。また、第1変形例の搬出機構50も用いることができ、かかる搬出機構50では、シートSと硬化済樹脂M1とが一体的に巻き取り部501により巻き取られ、ガラステーブル16の載置面161から離間して搬出可能となる。
なお、本発明の実施の形態は上記の実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
以上説明したように、本発明の保護部材形成装置は、保護部材を形成するために利用されるガラステーブルの清掃を良好に実施することができる。
1 :保護部材形成装置
16 :ガラステーブル
161 :載置面
17 :シート搬送機構
183 :樹脂供給ノズル
20 :ウェーハ保持部(保持部)
203 :ウェーハ保持面(保持面)
21 :昇降機構
23 :紫外線照射ユニット
27 :搬出機構
271 :把持部
273 :水平移動機構(移動機構)
40 :制御部
50 :搬出機構
501 :巻き取り部
D :ゴミ
H :保護部材
M :液状樹脂
M1 :硬化済樹脂(樹脂)
S :シート
UV :紫外線
W :ウェーハ
16 :ガラステーブル
161 :載置面
17 :シート搬送機構
183 :樹脂供給ノズル
20 :ウェーハ保持部(保持部)
203 :ウェーハ保持面(保持面)
21 :昇降機構
23 :紫外線照射ユニット
27 :搬出機構
271 :把持部
273 :水平移動機構(移動機構)
40 :制御部
50 :搬出機構
501 :巻き取り部
D :ゴミ
H :保護部材
M :液状樹脂
M1 :硬化済樹脂(樹脂)
S :シート
UV :紫外線
W :ウェーハ
Claims (6)
- ウェーハの一方の面全面を保護する保護部材形成装置であって、
ウェーハを保持する保持面を下面に有する保持部と、該保持部を昇降させる昇降機構と、該保持面に対向配置したガラステーブルと、該ガラステーブルの上面に紫外線硬化型の液状樹脂を供給する樹脂供給ノズルと、該ガラステーブルの下方に配置し該液状樹脂に紫外線を照射する紫外線照射ユニットと、該ガラステーブルから硬化した樹脂を搬出する搬出機構と、制御部と、を備え、
該制御部は、
該樹脂供給ノズルによって該ガラステーブルの上面に所定量の該液状樹脂を供給させることと、該昇降機構によって該保持部を降下させ該保持面と該ガラステーブルの上面との間で該ガラステーブルの上面全面に該液状樹脂を広げることと、該紫外線照射ユニットによって該液状樹脂を硬化させることと、該搬出機構によって該液状樹脂が硬化した該樹脂を該ガラステーブルの上面から離間させ搬出することと、を制御し、
該ガラステーブルから搬出する該樹脂には、少なくとも該ガラステーブルの上面に付着していたゴミが取り込まれており、該樹脂の搬出によって該ガラステーブルの上面を清掃する、保護部材形成装置。 - 該ガラステーブルの上面にシートを搬送するシート搬送機構を備え、
該制御部は、該シート搬送機構によって該液状樹脂の上に該ガラステーブルを覆う面積の該シートを搬送することと、該樹脂供給ノズルによって該ガラステーブルの上面に所定量の該液状樹脂を供給させることと、該昇降機構によって該保持部を降下させ該保持面で該シートの上面を押し該シートを介して該ガラステーブルの上面全面に該液状樹脂を押し広げることと、該紫外線照射ユニットによって該液状樹脂が硬化した該樹脂と該シートとを一体化させることと、該搬出機構によって該シートと該樹脂とを一体に該ガラステーブルの上面から離間させ搬出することと、を制御する請求項1記載の保護部材形成装置。 - 該搬出機構は、該樹脂の端を把持する把持部と、該把持部を水平方向に移動させる移動機構とを備え、該ガラステーブルの上面から硬化した該樹脂を搬出する、請求項1記載の保護部材形成装置。
- 該搬出機構は、該樹脂を巻いて、該ガラステーブルの上面から該樹脂を離間させる巻き取り部を備え、該ガラステーブルの上面から硬化した該樹脂を搬出する、請求項1記載の保護部材形成装置。
- 該搬出機構は、該シートの端を把持する把持部と、該把持部を水平方向に移動させる移動機構とを備え、該ガラステーブルの上面から硬化した該樹脂と該シートとを一体的に搬出する、請求項2記載の保護部材形成装置。
- 該搬出機構は、該シートを巻いて、該ガラステーブルの上面から該樹脂と該シートとを一体に離間させる巻き取り部を備え、該ガラステーブルの上面から硬化した該樹脂と該シートとを一体的に搬出する、請求項2記載の保護部材形成装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022160231A JP2024053803A (ja) | 2022-10-04 | 2022-10-04 | 保護部材形成装置 |
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JP2022160231A Pending JP2024053803A (ja) | 2022-10-04 | 2022-10-04 | 保護部材形成装置 |
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-
2022
- 2022-10-04 JP JP2022160231A patent/JP2024053803A/ja active Pending
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