JP2024053135A - 吸音材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、自動車のホイルハウスやボディーアンダーカバー等に配設される騒音低減部材に関し、特に、車室内に入るロードノイズの低減に効果的な吸音材を提供することを課題とする。【解決手段】 基材層の上面に発泡層が積層され、該発泡層の上面に表面層が積層されてなる積層体であり、前記発泡層を構成する熱膨張性マイクロカプセルは、前記基材層の上面全体に塗布されてニードルパンチで接合後、熱処理により融着され、前記熱膨張性マイクロカプセルが膨張し、プレス成型により前記発泡層に相互に接触した多数の気泡が形成されている。前記吸音材の厚さは、1.0~5.0mmであり、目付が500g/m2~1500g/m2である吸音材。【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車のホイルハウスやボディーアンダーカバー等に配設される騒音低減部材に関し、特に、室内に入るロードノイズの低減に効果的な吸音材に関する。
従来のフェンダーライナーは不織布等が用いられており、該不織布に加えて発泡層が用いられた積層体である。発泡層は不織布に比べて、吸音性及び保形性等に優れる反面、強度に劣る。そこで、発泡層を含むフェンダーライナーの強度向上を図るために、車両のタイヤの外周に沿って湾曲状に配置されている。例えば、前記フェンダーライナーは、第1発泡層と混合層とを備えており、前記第1発泡層は第1発泡体で形成される。前記混合層は、第1不織布と前記第1不織布の内部で発泡した第2発泡体とを含む。前記第1発泡層を形成する前記第1発泡体は、前記混合層に含まれる前記第2発泡体につながる。この態様にすれば、フェンダーライナーの発泡層を混合層で補強でき、フェンダーライナーの強度を向上できるとするものが開示されている。(特許文献1参照。)。
また、従来の積層吸音材は、低周波領域における吸音性能が低いという問題があった。近年、需要と生産量が増加している電気自動車(EV)は、電気をエネルギー源とし、電動機(モーター)を動力源として走行することから、内燃機関の騒音は発生せず静かに走行する半面、従来、その騒音に隠れて気にならなかったタイヤと地面との摩擦音であるロードノイズが顕在化するという問題が起きている。このロードノイズの周波数は、500Hz以下と言われている。そこで、前記ロードノイズに対応できる500Hz以下の低周波領域における吸音性能が高い積層吸音材として、高密度層と低密度層の少なくとも2層を含み、周波数500Hzにおける垂直入射吸音率が30%以上とする吸音材が開示されている(特許文献2参照。)。
また、高分子フィルムからなる遮水層の上面に表皮材層が接合され、前記遮水層の下面に吸音層が接合されてなり、前記高分子フィルムの中に多数の気泡が形成されていることを特徴とする吸音遮水マットが開示されている。前記高分子フィルムの中の多数の気泡は熱膨張性マイクロカプセルにより形成されており、これにより優れた吸音性能と十分な遮水性能を兼ね備えたマットを提供でき、自動車用フロア―マットとして特に好適に用いられる。(特許文献3参照。)
しかしながら、特許文献1に記載のフェンダーライナー及びその製造方法、並びに車両は、吸音性能や強度に優れている反面、目付が重く車両の燃費低下につながっている。また、厚みがあることで高い吸音性能を有するが、省スペース性に劣っている。
特許文献2に記載の積層吸音材は、フェンダーライナー、アンダーカバーなどの車両用外装部品で使用するには耐チッピング性に劣り、また、厚みがあることで高い吸音性能を有するが、省スペース性に劣る。
特許文献3に記載の吸音遮水マットは、1000Hzでの垂直入射吸音率が40%未満と、ロードノイズ等の走行音を低減するには不十分であり、また各層の接合行程についても、表皮材層と遮水層とを熱可塑性樹脂パウダーを用いて接合し複合層とする工程と、吸音層と前記複合層とを熱可塑性樹脂パウダーを用いて接合し、吸音遮水マットとする工程を必要とするため、工程数が多く高コストとなる。
WO2022-102410号公報 WO2022-018921号公報 WO2003-053675号公報
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、表皮層と基材層の間に発泡層が接合された積層体であり、前記発泡層は熱膨張性マイクロカプセルで形成された吸音材、を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明者は鋭意研究の結果、多数の気泡が形成された熱膨張性マイクロカプセルを発泡層として用い、該発泡層を挟んで、上面に表皮層を、下面に基材層を形成することにより、薄厚かつ軽量でありながら、特に周波数500Hzから1000Hzにおける平均垂直入射吸音率が、従来品と比べて優れた吸音材を提供することを目的としている。
第1の発明は、基材層の上面に発泡層が積層され、該発泡層の上面に表面層が積層されてなる積層体であり、前記発泡層を構成する熱膨張性マイクロカプセルは、前記基材層の上面全体に塗布されてニードルパンチで接合後、熱処理により融着され、前記熱膨張性マイクロカプセルが膨張し、プレス成型により前記発泡層に相互に接触した多数の気泡が形成されている吸音材である。
第2の発明は、吸音材の厚さが、1.0~5.0mmであり、目付が500g/m~1500g/mである吸音材である。
第3の発明は、吸音材の表皮層がポリオレフィン樹脂の短繊維と低融点ポリエステル樹脂の短繊維を混合した不織布であり、基材層がポリオレフィン樹脂と低融点ポリエステル樹脂及びポリエステル樹脂の短繊維を混合した不織布である吸音材である。
第4の発明は、表皮層のポリオレフィン樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~17dtex、低融点ポリエステル樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~11dtex、前記表皮層全体の目付が195~350/mであり、前記基材層のポリオレフィン樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~33dtex、低融点ポリエステル樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~11dtex、ポリエステル樹脂の短繊維の繊度2.2dtex~17dtex、前記基材層全体の目付が300~1120g/mであり、前記発泡層の目付が5~30g/mの吸音材である。
第5の発明は、吸音材の垂直入射吸音率は、周波数500Hzでは20%以上であり、周波数1000Hzでは55%以上であり、周波数500Hz~1000Hzにおける平均垂直入射吸音率が55%以上の吸音材である。
第1の発明によれば、表皮層と基材層との間に熱膨張性マイクロカプセルを有する構造体としているので、熱膨張性マイクロカプセルの膨張により軽量でありながらも板厚を増すことができ、これを成型時に加圧する事で融点の低い表皮層が高密度化し、またマイクロカプセルが相互に接触する事で通気度が抑えられて遮音性が向上し、軽量でありながらロードノイズ等の低周波数帯の吸音効果を高めることができる。
第2の発明によれば、吸音材の板厚及び重量を低減できるので、自動車の燃費を向上させることができる。
第3の発明によれば、吸音材の表皮層がポリオレフィン樹脂の短繊維と低融点ポリエステル樹脂の短繊維を混合したニードルパンチ不織布であり、基材層がポリオレフィン樹脂と低融点ポリエステル樹脂及びポリエステル樹脂の短繊維を混合したニードルパンチ不織布であるため、表面層は加熱、成型後に高密度で被膜化できるので、通気度が押さえられて、吸音率が向上する。
第4の発明によれば、表皮層のポリオレフィン樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~17dtex、低融点ポリエステル樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~11dtex、前記表皮層全体の目付が195~350/mであり、前記基材層のポリオレフィン樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~33dtex、低融点ポリエステル樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~11dtex、ポリエステル樹脂の短繊維の繊度2.2dtex~17dtex、前記基材層全体の目付が300~1120g/mであり、前記発泡層の目付が5~30g/mである。これにより、表面層は加熱、成型後に高密度で被膜化できるので、通気度が押さえられて、吸音率が向上する。
第5の発明は、吸音材の垂直入射吸音率は、周波数500Hzでは20%以上であり、周波数1000Hzでは55%以上であり、周波数500Hz~1000Hzにおける平均垂直入射吸音率が55%以上である。これにより、従来品に比べてロードノイズを大幅に低下させることができる。
本発明の第1実施形態の吸音材の模式的断面図である。 本発明の実施例1と従来品の垂直入射吸音率グラフである。 本発明の実施例1~4と従来品の垂直入射吸音率グラフである。 本発明の実施例1、3、5~7と従来品の垂直入射吸音率グラフである。 本発明の実施例5と従来品の垂直入射吸音率グラフである。 本発明の実施例と従来品の成型工程を示す比較図である。
本発明の自動車用ホイルハウスライナーやボディ-アンダーカバー用不織布は、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)を用いることができる。なお、繊維廃棄物を原料としてリサイクルした反毛を、前記ポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂に混合して使用できる。
また、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、ニトリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など、公知の有機樹脂を用いて構成できる。
本発明の不織布の構成繊維は、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
構成繊維は、一種類の有機樹脂から構成されてなるものでも、複数種類の有機樹脂から構成されてなるものでも構わない。複数種類の有機樹脂から構成されてなる繊維として、一般的に複合繊維と称される、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、バイメタル型などの態様であることができる。
また、構成繊維は、略円形の繊維や楕円形の繊維以外にも異形断面繊維を含んでいてもよい。なお、異形断面繊維として、中空形状、三角形形状などの多角形形状、Y字形状などのアルファベット文字型形状、不定形形状、多葉形状、アスタリスク形状などの記号型形状、あるいはこれらの形状が複数結合した形状などの繊維断面を有する繊維であってもよい。
本発明の表皮層は、ポリオレフィン樹脂の短繊維と低融点ポリエステル樹脂の短繊維で構成され、基材層は前記表皮層よりも少ない混率でポリオレフィン系樹脂の短繊維と低融点ポリエステル樹脂の短繊維を含み、ポリエステル系樹脂の短繊維とで構成される繊維層である事が望ましい。
表皮層のポリオレフィン樹脂の短繊維は車両用外装部品に必要な着氷性と耐チッピング性を向上させる為、50%以上である事が望ましく、これを加熱成型することで表皮層は高密度化し、着氷性能や耐チッピング性に優れた材料を得る。
前記表皮層のポリオレフィン樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~17dtex、低融点ポリエステル樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~11dtexである事が望ましい。
繊度が2.2dtex未満になるとカード工程での生産性が低下し、ポリオレフィン樹脂の短繊維が17dtex、低融ポリエステル樹脂の短繊維が11dtexよりも大きいと加熱した際に表皮層の繊維が溶融し難く、高密度層を形成し難い。
前記表皮層全体の目付は195g/m~350g/mである事が望ましい。目付が195g/m未満であると生地スケや強度低下につながる。また、目付が350g/mを超えると加熱収縮した際に吸音材は表皮側に大きく反り生産時の取り扱いが困難となる。
基材層は前記表皮層よりも少ない混率でポリオレフィン樹脂の短繊維と低融点ポリエステル樹脂の短繊維を含み、ポリエステル樹脂の短繊維とで構成され、前記表皮層よりも低密度層を形成することで吸音性能を高め、また、ポリオレフィン樹脂の短繊維と低融点ポリエステル樹脂の短繊維など融点が低く加熱により樹脂化する繊維の混率を減らし、ポリエステル樹脂の短繊維を含むことで引裂強度にも優れる。
前記基材層のポリオレフィン樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~33dtex、低融点ポリエステル樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~11dtex、ポリエステル樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~17dtexである事が望ましい。
繊度が2.2dtex未満になるとカード工程での生産性が低下し、ポリオレフィン樹脂の短繊維が33dtex、低融ポリエステル系樹脂の短繊維が11dtex、ポリエステル樹脂の短繊維が17dtexよりも大きいと基材層の細孔の数が減り吸音性能の低下につながる。
前記基材層全体の目付は300g/m~1120g/mである事が望ましい。
目付が300g/m未満であると車両用外装部品に用いるには強度が不十分となる。また目付が1120g/mを超えると材料重量が重い為、車両の燃費低下につながる。
熱膨張性マイクロカプセルで形成される発泡層の目付は5g/m~30g/mが望ましい。
目付が5g/m未満であると成型前板厚が薄く成型後に表層が高密度化せず、またマイクロカプセルが相互に接触しない為、通気度が抑えられずロードノイズに有効な1000Hz以下の周波数帯の吸音性に劣る。
また、目付が30g/mを超えると成型前板厚を厚くする事は出来るが車両用外装部品に用いるには材料コストが掛かる。
次に、本発明の不織布及び自動車吸音材の製造方法について説明する。
表皮層と基材層は各短繊維を所定の混率でブレンドした後、カード機にて繊維配列を整えたウェブを形成し、クロスラッパーにてウェブを積層する。
積層したウェブはニードルパンチにて繊維を絡合させ繊維層を形成する。
発泡層の熱膨張性マイクロカプセルは水で希釈し前記基材層を形成後に表皮層を接合する面にスプレー装置などで塗布する。
また、発泡層の熱膨張性マイクロカプセルは水で希釈し前記基材層のウェブにスプレーなどで塗布し、クロスラッパーにてウェブを積層し、ニードルパンチにて繊維を絡合させ繊維層を形成しても良い。
表皮層と熱膨張性マイクロカプセルを塗布した前記基材層の接合はニードルパンチにて接合する。表皮層はポリオレフィン樹脂の短繊維や低融点ポリエステル樹脂の短繊維など融点の低い繊維で構成する事が望ましい為、二―ドルパンチは表皮層側から行い、基材層の短繊維が表皮層へ移行しないように接合し積層体を得る。
前記積層体は170℃~220℃に温度調節された乾燥機にて熱処理し、繊維層の短繊維を溶融し、また発泡層のマイクロカプセルを熱膨張させる。また、好ましくは表皮層を毛焼き加工し、表面を平滑とする事で着氷性能を高める事が望ましい
本発明の吸音材は、図6に示す各工程を含む成型方法により製造することができる。なお、従来の吸音材は、シンサレートを貼り合わせる為に接着剤塗布工程、貼付け工程を経て、吸音材としての部材が完成するが、本願発明の吸音材は、前記接着剤塗布工程、貼付け工程が不要となる。これにより、本発明の吸音材は、製造コストが低減されるとともに、シンサレートを不要とするため、吸音材全体としての板厚及び重量を低減できる。
(不織布準備工程)
パレット積みされた不織布を機台入口にセットする。
(不織布加熱工程)
不織布の両サイドチャッキングし、材料上下からヒーターで加熱する。
(プレス成型工程)
加熱された不織布をチャッキングしたまま冷却水が循環している成形金型まで運搬し、プレス成型する。
(トリミング工程)
成型後、吸音材の不要部分は裁断刃若しくはウォータージェットにて切り除く。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
測定方法は下記のとおりである。
<垂直入射吸音率>
垂直入射吸音率測定装置「Bruel&Kjear社製 マイクロホンインピーダンス測定器-4206型 大管Φ100mm、細管Φ29mm」を用い、ASTM E 1050に準拠し、周波数50~2000Hzの範囲の垂直入射吸音率を測定した。
通気度測定は、株式会社安田精機製作所、フラジール形通気度試験機にて、JIS L1096に準拠して測定した。
<厚み>
ダイヤルシックネスゲージ(ピーコック 型式J-B)を用いて測定した。
<その他>
JIS又は業界の規定する測定方法に従って測定した。
以下の実施例において、表皮層は高密度層、基材層は低密度層、発泡層は熱膨張性マイクロカプセルとした。
(実施例1)
表皮層:高密度層としてポリプロピレン短繊維(株式会社トーア紡コーポレーション製、ACクロE)6.6dtexを60%と低融点ポリエチレンテレフタレート短繊維(株式会社ヒュービス製、低融950D)4.4dtexを40%混繊してニードルパンチ不織布としたものを使用した。目付重量は300g/m、厚さは0.4mmであった。
基材層:低密度層としてポリプロピレン短繊維(株式会社トーア紡コーポレーション製、ACクロE)6.6dtexを10%と低融点ポリエチレンテレフタレート短繊維(株式会社ヒュービス製、低融950A)4.4dtexを45%、ポリエチレンテレフタレート短繊維(株式会社高木化学研究所製、JG06D)6.6dtexを45%混繊してニードルパンチ不織布としたものを使用した。目付重量は500g/m、厚さは1.3mmであった。
発泡層:発泡層として熱膨張性マイクロカプセル(日本フィライト株式会社製、エクスパンセル 920DU120)を使用した。目付重量は10g/mであった。熱膨張性マイクロカプセルは、基材層の上面全体にスプレーで塗布した。
(実施例2)
実施例1の基材層を細繊度化して作製した。
基材層:低密度層としてポリプロピレン短繊維(株式会社トーア紡コーポレーション製、ACクロE)6.6dtexを10%と低融点ポリエチレンテレフタレート短繊維(株式会社ヒュービス製、低融950A)4.4dtexを30%、ポリエチレンテレフタレート短繊維(大島産業株式会社製、BK-10)3.3dtexを60%混繊してニードルパンチ不織布としたものを使用した。目付重量は500g/m、厚さは1.3mmであった。上記以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例3)
実施例2よりもさらに細繊度化して作製した。
基材層:低密度層としてポリプロピレン短繊維(株式会社トーア紡コーポレーション製、ACクロE)6.6dtexを10%と低融点ポリエチレンテレフタレート短繊維(株式会社ヒュービス製、低融950A)4.4dtexを20%、ポリエチレンテレフタレート短繊維(大島産業株式会社製、BK-10)3.3dtexを70%混繊してニードルパンチ不織布としたものを使用した。目付重量は500g/m、厚さは1.3mmであった。上記以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例4)
実施例3よりもさらに細繊度化して作製した。
基材層:低密度層としてポリプロピレン短繊維(株式会社トーア紡コーポレーション製、ACクロE)6.6dtexを10%と低融点ポリエチレンテレフタレート短繊維(株式会社ヒュービス製、低融950A)4.4dtexを10%、ポリエチレンテレフタレート短繊維(大島産業株式会社製、BK-10)3.3dtexを80%混繊してニードルパンチ不織布としたものを使用した。目付重量は500g/m、厚さは1.3mmであった。上記以外は実施例1と同様に実施した。
(実施例5)
実施例3の高密度層と低密度層の重量配分を変更して作製した。
表皮層:高密度層の目付重量は200g/m、厚さは0.3mmであった。
基材層:低密度層の目付重量は600g/m、厚さは1.5mmであった。
それ以外は実施例3と同様に実施した。
(実施例6)
実施例3の中間層に接合した発泡層の熱膨張性マイクロカプセルを基材層内に含侵させて混合層とした。
発泡層:発泡層として熱膨張性マイクロカプセル(日本フィライト株式会社製、エクスパンセル 920DU120)を使用した。目付重量は10g/mであった。熱膨張性マイクロカプセルは、基材層のカードウェブ全体にスプレーで塗布し、ニードルパンチにより基材層を形成することで基材層と発泡層との混合層とした。
それ以外は実施例3と同様に実施した。
(実施例7)
実施例3の発泡層の目付重量を増やし作製した。
発泡層:発泡層として熱膨張性マイクロカプセル(日本フィライト株式会社製、エクスパンセル 920DU120)を使用した。目付重量は20g/mであった。熱膨張性マイクロカプセルは、基材層の上面全体にスプレーで塗布した。
それ以外は実施例3と同様に実施した。
(比較例1)
従来の車両用外装部品の吸音層貼り合せ前の状態のものを使用した。
発泡層:無し
それ以外は実施例1と同様に実施した。
(比較例2)
従来の車両用外装部品に接着層を用いて吸音層を貼り合せた状態のものを使用した。
接着層:目付重量41g/mを基材層の下面に塗布し、吸音層(スリーエムジャパン株式会社製 シンサレート TC3303) 目付重量360g/m、厚さ13.5mmを接合した。
それ以外は比較例1と同様に実施した。
実施例1~7及び比較例1~2の条件と結果を表1に示す。また、図2~図5に実施例と比較例の50Hz~2000Hzにおける垂直入射吸音率グラフを示した。
Figure 2024053135000002
実施例1~7及び比較例1~3の不織布シートを、以下の方法により評価した。
1.500Hz、750Hz、1000Hzでの吸音率の比較。
2.ロードノイズ等の周波数帯500~1000Hzの吸音率を平均化し比較。
3.平均化する測定値は周波数0.5Hz刻みでの測定値。
発泡層を接合していない比較例1の吸音率は500Hzで10.3%、750Hzで18.1%、1000Hzで28.8%、且つ500~1000Hzの平均吸音率17.9%に対し、比較例1に発泡層を接合した実施例1の吸音率は500Hzで13.3%、750Hzで65.1%、1000Hzで66.7%であり、平均吸音率は49.4%であった。実施例1は、比較例1とは目付、厚み差が殆ど無いにも関わらず吸音性能が大きく向上した。また、実施例1は、比較例1に吸音層を貼り合せた比較例2に対しても、750Hz、1000Hzでの吸音率は上回った。
実施例1に対して基材層を細繊度化し多孔質化した実施例3は、750Hzでの吸音率は比較例2を上回り、1000Hzでの吸音率は比較例2と同等であったが、500~1000Hz間での平均吸音率は実施例1を上回り、比較例2に迫る性能であった。
実施例3に対して表皮層、基材層の重量配分を変えた実施例5は、500Hzでの吸音率は実施例1、3を上回り、比較例2とは同等であったが、750Hzでの吸音率は実施例1、実施例3、比較例2を上回り、1000Hzでの吸音率は実施例3、比較例2と同等であり、さらに比較例2の平均吸音率54.8%に対し、実施例5の平均吸音率は58.2%であり、比較例2よりも目付が低く、厚みが薄いにもかかわらず、比較例2を上回る性能であった。
本発明の吸音材は、自動車のロードノイズ用吸音材として有用であり、自動車のフロント及びリアのホイルハウスライナー、ボディーアンダー、ダッシュボード又は内装面等に組み込むことができる。
1 吸音材
2 表皮層
3 基材層
4 発泡層

Claims (5)

  1. 基材層の上面に発泡層が積層され、該発泡層の上面に表面層が積層されてなる積層体であり、前記発泡層を構成する熱膨張性マイクロカプセルは、前記基材層の上面全体に塗布されてニードルパンチで接合後、熱処理により融着され、前記熱膨張性マイクロカプセルが膨張し、プレス成型により前記発泡層に相互に接触した多数の気泡が形成されている、ことを特徴とする吸音材。
  2. 前記吸音材の厚さが、1.0~5.0mmであり、目付が500g/m~1500g/mである、ことを特徴とする請求項1に記載の吸音材。
  3. 前記吸音材は、表皮層がポリオレフィン樹脂の短繊維と低融点ポリエステル樹脂の短繊維を混合した不織布であり、基材層がポリオレフィン樹脂と低融点ポリエステル樹脂及びポリエステル樹脂の短繊維を混合した不織布である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の吸音材。
  4. 前記表皮層のポリオレフィン樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~17dtex、低融点ポリエステル樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~11dtex、前記表皮層全体の目付が195~350/mであり、前記基材層のポリオレフィン樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~33dtex、低融点ポリエステル樹脂の短繊維の繊度が2.2dtex~11dtex、ポリエステル樹脂の短繊維の繊度2.2dtex~17dtex、前記基材層全体の目付が300~1120g/mであり、前記発泡層の目付が5~30g/mである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の吸音材。
  5. 前記吸音材の垂直入射吸音率は、周波数500Hzでは20%以上であり、周波数1000Hzでは55%以上であり、周波数500Hz~1000Hzにおける平均垂直入射吸音率が55%以上である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の吸音材。
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