JP2024051592A - 止血器具 - Google Patents

止血器具 Download PDF

Info

Publication number
JP2024051592A
JP2024051592A JP2022157837A JP2022157837A JP2024051592A JP 2024051592 A JP2024051592 A JP 2024051592A JP 2022157837 A JP2022157837 A JP 2022157837A JP 2022157837 A JP2022157837 A JP 2022157837A JP 2024051592 A JP2024051592 A JP 2024051592A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve body
expansion
body portion
inner cavity
hemostatic device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022157837A
Other languages
English (en)
Inventor
敦哉 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2022157837A priority Critical patent/JP2024051592A/ja
Publication of JP2024051592A publication Critical patent/JP2024051592A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)

Abstract

【課題】左右両方の手に兼用することができ、かつ流体注入部材の誤接続の発生を防止できる優れたユーザビリティを備えるとともに、穿刺部位に拡張部材を配置する際、穿刺部位に対する拡張部材の位置決めがコネクタ部によって妨げられることを防止できる止血器具を提供する。【解決手段】止血器具10が備えるコネクタ部300は、内腔311を有する筒状部材310と、筒状部材の内腔に位置する第1弁体部320と、筒状部材の内腔に位置し、筒状部材の延在方向において第1弁体部と異なる位置に配置された第2弁体部330と、を有し、筒状部材は、第1弁体部と第2弁体部との間に位置し、第1拡張部材210と筒状部材の内腔とを連通する第1開口部312と、第2弁体部330と筒状部材の底部316との間に位置し、第2拡張部材220と筒状部材の内腔とを連通する第2開口部313と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、止血器具に関する。
カテーテル手技の1つとして、患者の腕や手の血管を穿刺して形成された穿刺部位を介して各種の医療用長尺体を血管内に導入し、病変部位に対する診断や治療を行う手技が知られている。例えば、特許文献1には、手を走行する血管(遠位橈骨動脈を含む)へのアクセスを可能にするために形成された穿刺部位を止血する止血器具が開示されている。
特許文献1の止血器具は、患者の手に形成された穿刺部位に圧迫力を付与する拡張部材と、拡張部材を患者の身体に固定する複数の帯体と、拡張部材が接続された支持部材と、を備える。特許文献1の止血器具は、拡張部材が空気等の流体の注入・排出に伴って拡張及び収縮可能なバルーンで構成されている。医師や看護師(以下、「術者」とする)は、拡張部材を拡張及び収縮させる際、止血器具に取り付けられたコネクタ部(空気注入口)にシリンジ等の流体注入部材を接続する。術者は、コネクタ部に接続した流体注入部材を操作することにより拡張部材への流体の注入及び拡張部材からの流体の排出を行う。
米国特許出願公開第2019/0133602号明細書
例えば、カテーテル手技では、患者の左右両方の手のうちの一方の手を温存するなどの理由より、患者の右手に穿刺部位を形成したり、患者の左手に穿刺部位を形成したりすることがある。術者は、特許文献1に記載された止血器具を使用した止血を開始するに際し、拡張部材が接続された支持部材を左右いずれかの手に形成された穿刺部位に重ねるように配置した上で、複数の帯体を接続し、拡張部材を手に対して固定する。特許文献1に記載された止血器具では、拡張部材は支持部材上における接続位置を変更することができない。そのため、止血器具を患者の右手に形成された穿刺部位の止血と患者の左手に形成された穿刺部位の止血に兼用する場合、各穿刺部位に対して拡張部材を適切に配置することが難しい。
例えば、上記のような課題の対策として、支持部材の異なる位置に配置された複数の拡張部材を備えるように止血器具を構成することが考えられる。止血器具に複数の拡張部材が備えられている場合、術者は、患者の右手に形成した穿刺部位を止血する際には一方の拡張部材を位置合わせして配置し、患者の左手に形成した穿刺部位を止血する際には他方の拡張部材を位置合わせして配置することができる。そのため、止血器具は左右両方の手に兼用できる。
しかしながら、上記のように止血器具に複数の拡張部材を備えるように構成した場合、拡張部材の各々を個別に拡張させることができるようにするために、拡張部材の個数と同数のコネクタ部を止血器具に取り付ける必要がある。一つの止血器具に複数のコネクタ部を取り付けると、術者が複数の拡張部材のうちのいずれかの拡張部材を選択的に拡張させようとした際、コネクタ部に流体注入部材を誤接続してしまう可能性がある。また、複数のコネクタ部が支持部材に配置されていると、止血器具による止血を実施している最中に、患者の手指や周囲の物品等がコネクタ部と不用意に接触してしまう可能性も高まるため、ユーザビリティの低下を招く。
また、止血器具は、各拡張部材を左右いずれかの手に形成された穿刺部位に配置する際に複数のコネクタ部が穿刺部位と重なるような位置にレイアウトされていると、各拡張部材を穿刺部位に適切に位置決めすることが難しくなる。そのため、止血器具は、複数の拡張部材を備えるように構成されている場合において、各拡張部材にコネクタ部が個別に配置されているようなレイアウトを採用することは好ましくない。
また、止血器具は、複数の拡張部材の各々に対する流体連通を切り替え可能な一つのコネクタ部を備えるように構成することも可能ではある。ただし、流体連通を切り替えるための弁構造を十分に検討しないと、一つのコネクタ部に複数の弁構造を集約することに伴うコネクタ部の大型化を招く可能性がある。止血器具は、過剰に大型化されたコネクタ部を備える場合、コネクタ部が穿刺部位と重なるように配置され得るため、各拡張部材にコネクタ部が個別に配置されている場合と同様に、拡張部材を穿刺部位に適切に位置決めすることが難しくなる。
本発明は、左右両方の手に兼用することができ、かつ流体注入部材の誤接続の発生を防止できる優れたユーザビリティを備えるとともに、穿刺部位に拡張部材を配置する際、穿刺部位に対する拡張部材の位置決めがコネクタ部によって妨げられることを防止できる止血器具を提供することを目的とする。
(1)患者の手に形成された穿刺部位を覆うように構成された支持部材と、前記支持部材に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第1拡張部材と、前記第1拡張部材と異なる位置で前記支持部材に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第2拡張部材と、前記支持部材上に位置し、前記第1拡張部材及び前記第2拡張部材の一方に選択的に前記流体を注入可能に構成されたコネクタ部と、前記支持部材を前記手に固定するように構成された固定部材と、を有し、前記コネクタ部は、内腔を有する筒状部材と、前記筒状部材の前記内腔に位置する第1弁体部と、前記筒状部材の前記内腔に位置し、前記筒状部材の延在方向において前記第1弁体部と異なる位置に配置された第2弁体部と、を有し、前記筒状部材は、前記第1弁体部と前記第2弁体部との間に位置し、前記第1拡張部材と前記筒状部材の前記内腔とを連通する第1開口部と、前記第2弁体部と前記筒状部材の底部との間に位置し、前記第2拡張部材と前記筒状部材の前記内腔とを連通する第2開口部と、を備える、止血器具。
(2)前記コネクタ部は、前記第1弁体部と前記第2弁体部の間に、前記第1弁体部から前記筒状部材の前記内腔に挿入された流体注入部材が前記第2弁体部を挿通することを防止可能に構成されたストッパー部を有する、上記(1)に記載の止血器具。
(3)前記ストッパー部は、前記筒状部材の延在方向において前記第1弁体部と前記第2弁体部との間に位置するように前記筒状部材の前記内腔に挿入されており、前記ストッパー部は、前記流体注入部材が前記第2弁体部を挿通することを防止する第1位置と前記流体注入部材が前記第2弁体部を挿通することを許容する第2位置との間を移動可能に構成されている、上記(2)に記載の止血器具。
(4)前記筒状部材は、前記筒状部材の前記内腔に前記ストッパー部を挿入するための挿入孔を有し、前記ストッパー部は、前記ストッパー部と前記挿入孔の間から前記流体が漏洩することを防止するシール部材を有する、上記(3)に記載の止血器具。
(5)ストッパー部は、前記ストッパー部が前記第1位置又は前記第2位置のいずれに配置された状態にあるかを示す位置マーカー部を有する、上記(3)又は上記(4)に記載の止血器具。
(6)前記第1弁体部は、第1挿通部と、前記第1挿通部と異なる位置に位置する第2挿通部と、を有し、前記第2弁体部は、流体注入部材が挿通可能な第1領域と、前記第1領域よりも硬質な材料で構成され、前記第1弁体部から挿入された前記流体注入部材の前記第2弁体部への挿入を防止可能に構成された第2領域と、を有し、前記コネクタ部は、前記第1弁体部を前記第2弁体部に投影した際、前記第1挿通部が前記第2領域に位置し、前記第2挿通部が前記第1領域に位置するように構成されている、上記(2)~上記(5)のいずれかに記載の止血器具。
(7)前記コネクタ部は、前記筒状部材の前記内腔に配置され、前記第1挿通部から前記筒状部材の前記内腔に挿入された前記流体注入部材が前記第1領域に移動することを防止する仕切り部を有する、上記(6)に記載の止血器具。
(8)患者の手に形成された穿刺部位を覆うように構成された支持部材と、前記支持部材に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第1拡張部材と、前記第1拡張部材と異なる位置で前記支持部材に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第2拡張部材と、前記第1拡張部材及び前記第2拡張部材の一方に選択的に前記流体を注入可能に構成されたコネクタ部と、前記支持部材を前記手に固定するように構成された固定部材と、を有し、前記コネクタ部は、内腔を有する第1部材と、前記第1部材の前記内腔に位置し、流体注入部材と接続可能に構成された第2部材と、前記第1部材と前記第2部材の間に位置する弾性部材と、前記第1部材の外表面に位置するストッパー部と、を備え、前記第1部材は、前記第1拡張部材と前記第1部材の前記内腔とを連通する第1開口部と、前記第1部材の延在方向において前記第1開口部とは異なる位置に位置し、前記第2拡張部材と前記第1部材の前記内腔とを連通する第2開口部と、を有し、前記第2部材は、前記第1開口部及び前記第2開口部の一方に選択的に位置合わせ可能に構成された孔部を有し、前記ストッパー部は、第1位置と、前記第1部材の基端面よりも突出する第2位置と、の間で移動可能に構成され、前記ストッパー部が前記第1位置に位置する際、前記孔部と前記第2開口部とを前記第1部材の延在方向に位置合わせすることができ、前記ストッパー部が前記第2位置に位置する際、前記孔部と前記第2開口部とを前記第1部材の延在方向に位置合わせすることができず、前記孔部と前記第1開口部とを前記第1部材の延在方向に位置合わせすることができる、止血器具。
(9)前記ストッパー部を前記第1位置及び前記第2位置において保持可能なロック部を有し、前記ロック部は、前記第1部材の外表面に形成され、前記第1部材の延在方向に沿って延びる第1溝部と、前記第1部材の外表面に形成され、前記第1部材の周方向に沿って延びる第2溝部と、前記ストッパー部の内面に形成され、前記第1溝部及び前記第2溝部に沿って移動可能に構成された凸部と、を有する、上記(8)に記載の止血器具。
上記(1)の止血器具は、流体を注入するための流体注入部材を第1弁体部と第2弁体部の間に配置した状態において、上記の流体注入部材から流体を注入させることにより、第1開口部を介して第1拡張部材へ流体を注入することができる。また、上記の止血器具は、流体を注入するための流体注入部材を第2弁体部と筒状部材の底部との間に配置した状態において、上記の流体注入部材から流体を注入させることにより、第2開口部を介して第2拡張部材へ流体を注入することができる。そのため、上記の止血器具は、流体注入部材の位置を筒状部材の延在方向において第1開口部及び第2開口部の一方に位置合わせした状態で流体を注入することにより、第1拡張部材又は第2拡張部材の一方を選択的に拡張させることができる。そのため、上記の止血器具は、第1拡張部材を拡張させるための専用のコネクタ部と第2拡張部材を拡張させるための専用のコネクタ部を備える必要がない。そのため、上記の止血器具は、当該止血器具に複数のコネクタ部が設けられているような場合に術者が流体注入部材を誤接続してしまうといった課題や、複数のコネクタ部が支持部材に配置されることにより患者の手指や周囲の物品等が意図せずにコネクタ部と接触してしまうことに伴うユーザビリティの低下が生じることを防止できる。また、上記の止血器具は、第1拡張部材又は第2拡張部材が右手に形成された穿刺部位や左手に形成された穿刺部位に選択的に配置された状態で、第1拡張部材又は第2拡張部材を拡張させることにより、左右両方の手に兼用することができる。さらに、上記の止血器具は、第1拡張部材と連通する第1開口部と第2拡張部材と連通する第2開口部が筒状部材の延在方向の異なる位置に配置されている。そのため、上記の止血器具は、コネクタ部が支持部材の延在方向(平面視において広がる方向)において不必要に大きく形成されていないコンパクトな構造を採用することができる。それにより、上記の止血器具は、コネクタ部が各拡張部材と面方向において重なるように配置されることを防止できる。したがって、上記の止血器具は、コネクタ部によって妨げられることなく、右手又は左手に形成された穿刺部位に第1拡張部材又は第2拡張部材を適切に位置決めして配置することができる。さらに、上記の止血器具は、コネクタ部に上記のようなコンパクトな構造が採用されることにより、術者が第1拡張部材又は第2拡張部材への流体の注入量の調節する際、穿刺部位からの出血状況を目視で確認しながら流体の注入量を調節することができる。
実施形態に係る止血器具を示す図であって、支持部材の外面側から見た平面図である。 実施形態に係る止血器具を示す図であって、支持部材の内面側から見た平面図である。 支持部材の外面側から見た止血器具の一部を拡大して示す平面図である。 支持部材の内面側から見た止血器具の一部を拡大して示す平面図である。 図3に示す矢印5A方向から見た図である。 第1拡張部材を拡張させる際の止血器具の平面図である。 図6に示す矢印7A方向から見た図である。 図6に示す矢印8A-8Aに沿う部分断面図である。 図6に示す矢印9A-9Aに沿う部分断面図である。 第2拡張部材を拡張させる際の止血器具の平面図である。 図10に示す矢印11A方向から見た図である。 図10に示す矢印12A-12Aに沿う部分断面図である。 図10に示す矢印13A-13Aに沿う部分断面図である。 実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 図15に示す矢印16A-16Aに沿う部分断面図であって、第1拡張部材を拡張させた際の様子を示す図である。 実施形態に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 図17に示す矢印18A-18Aに沿う部分断面図であって、第2拡張部材を拡張させた際の様子を示す図である。 第1実施形態の変形例1に係るコネクタ部を示す断面図である。 第1実施形態の変形例2に係るコネクタ部を示す断面図である。 第1実施形態の変形例2に係るコネクタ部を示す断面図である。 第1実施形態の変形例3に係るコネクタ部を説明するための図であって、第2拡張部材を拡張させる際の止血器具の平面図である。 図22に示す矢印23A-23Aに沿う部分断面図である。 図22に示す矢印24A-24Aに沿う部分断面図である。 第2実施形態に係るコネクタ部を示す平面図である。 図25に示す矢印26A-26Aに沿う部分断面図であって、第1拡張部材を拡張させる際の様子を示す図である。 図25に示す矢印26A-26Aに沿う部分断面図であって、第2拡張部材を拡張させる際の様子を示す図である。 第3実施形態に係るコネクタ部を示す部分断面図である。 図28に示す矢印29A方向から見た図である。 図29に示す矢印30A-30Aに沿う部分断面図である。 第3実施形態に係るコネクタ部を示す部分断面図である。 図31に示す矢印32A方向から見た図である。 図32に示す矢印33A-33Aに沿う部分断面図である。 第3実施形態に係るコネクタ部を示す部分断面図である。 図34に示す矢印35A方向から見た図である。 図35に示す矢印36A-36Aに沿う部分断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1~図13は本実施形態に係る止血器具10を説明するための図である。図14~図18は止血器具10の使用例を説明するための図である。
止血器具10は、例えば、図15、図16、図17、図18に示すように、患者の前腕部Aよりも遠位側(手指側)に位置する手Hに形成された穿刺部位p(以下、「穿刺部位p」とも称する。)に留置していたイントロデューサー700のシースチューブ710を抜去する際、その穿刺部位pを止血するために使用することができる。
本実施形態では、穿刺部位pとして、第1穿刺部位p1と第2穿刺部位p2を例示する。第1穿刺部位p1は、患者の前腕部Aよりも遠位側に位置する右手HRの甲側を走行する手掌動脈のスナッフボックスに位置する動脈B1(以下、「血管B1」とも称する。図16を参照。)に形成された穿刺部位である。第2穿刺部位p2は、患者の前腕部Aよりも遠位側に位置する左手HLの甲側を走行する手掌動脈のスナッフボックスに位置する動脈B2(以下、「血管B2」とも称する。図18を参照。)に形成された穿刺部位である。なお、スナッフボックスは患者が手Hの親指を広げた際に橈骨付近に位置する手の空洞である。
<止血器具10>
止血器具10は、概説すると、図1、図2、図15、図16、図17、図18に示すように、穿刺部位pを覆うように構成された支持部材100と、支持部材100に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第1拡張部材210と、第1拡張部材210と異なる位置で支持部材100に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第2拡張部材220と、支持部材100上に位置し、第1拡張部材210及び第2拡張部材220の一方に選択的に流体を注入可能に構成されたコネクタ部300と、支持部材100を手Hに固定するように構成された固定部材400と、を有する。
<支持部材100>
図5、図7、図11に示すように、支持部材100は、第1拡張部材210及び第2拡張部材220が接続された板状の部材で構成している。
第1拡張部材210及び第2拡張部材220は、支持部材100の内面100aに接続されている。支持部材100の内面100aは、止血器具10を患者の手Hに装着した際に患者の手Hの体表面側に配置される面である(図16、図18を参照)。
図5、図7、図11に示すように、コネクタ部300は、コネクタ部300の上端部側の一部が支持部材100の外面100b側に配置されており、コネクタ部300の下端部側(底部316側)の一部が支持部材100の内面100a側に配置されている。支持部材100の外面100bは、内面100aと反対側に位置する面である。
図3、図4に示すように、支持部材100の平面形状は、例えば、角部が丸みを帯びた略台形形状に形成することができる。図5、図7、図11に示すように、支持部材100の幅方向(図3、図4、図5の左右方向)に沿う側面形状(断面形状)は、例えば、支持部材100の幅方向の略中心位置c1に向けて緩やかに凸状に湾曲した形状に形成することができる。なお、支持部材100の平面形状及び断面形状は、止血器具10を患者の手Hに装着した状態(図15、図17を参照)において、穿刺部位pを覆うように配置することが可能な限り、特に限定されない。
支持部材100は、例えば、所定の硬さを有する材料で構成することができる。支持部材100の構成材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(特に硬質ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ-(4-メチルペンテン-1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を用いることができる。
<第1拡張部材210>
第1拡張部材210は、例えば、空気等の流体が注入可能な内部空間215を備える樹脂製のバルーンで構成することができる。図5には未拡張の状態の第1拡張部材210を示し、図7には拡張した状態の第1拡張部材210を示す。
図5、図6に示すように、第1拡張部材210は、膜状の部材の縁部を支持部材100に固定することで、支持部材100の内面100aとの間に流体が注入可能な内部空間215が区画されたバルーンで構成することができる。ただし、第1拡張部材210の具体的な構造について特に制限はない。第1拡張部材210は、例えば、2枚の膜状の部材同士を接合し、当該2枚の膜状の部材の間に内部空間215が区画された構造のものや、内側に内部空間215が区画された一つの袋状の部材で構成することもできる。
図5に示すように、第1拡張部材210とコネクタ部300は、内腔511を備える第1チューブ510で連結されている。第1チューブ510の一端部は、第1拡張部材210の内部空間215と常時連通している。第1チューブ510の他端部は、コネクタ部300の筒状部材310の第1開口部312と常時連通している(図8、図12を参照)。
第1拡張部材210を構成する膜状の部材は、例えば、融着や接着により支持部材100の内面100aに固定することができる。
図3、図4に示すように、第1拡張部材210は、平面視において、略台形形状を有するように構成することができる。なお、第1拡張部材210の平面形状は、穿刺部位pに対して所定の圧迫力を付与することが可能な限り、特に限定されない。また、第1拡張部材210の拡張前後における断面形状や支持部材100において第1拡張部材210を配置する位置等についても特に制限はない。
図3、図4、図5、図14、図15に示すように、第1拡張部材210は、第1拡張部材210を穿刺部位pに位置合わせするためのマーカー部218を有する。マーカー部218は、例えば、第1拡張部材210の下面(手Hの体表面に向かい合わせて配置される面)に所定の形状及び色を印刷したり、マーカー部218をなすシールを貼り付けたりすることで構成できる。
第1拡張部材210においてマーカー部218が形成された位置と平面視において重なる位置は、透明又は半透明に形成することができる。また、支持部材100においてマーカー部218が形成された位置と平面視で重なる位置は、透明又は半透明に形成することができる。上記のように第1拡張部材210の所定位置及び支持部材100の所定位置を透明又は半透明に形成することにより、図14に示すように術者が第1拡張部材210を穿刺部位pに配置する際、支持部材100の外面100b側からマーカー部218の位置を目視で容易に確認することが可能できる。
<第2拡張部材220>
第2拡張部材220は、例えば、空気等の流体が注入可能な内部空間225を備える樹脂製のバルーンで構成することができる。図5には未拡張の状態の第2拡張部材220を示し、図11には拡張した状態の第2拡張部材220を示す。
図5、図11に示すように、第2拡張部材220は、膜状の部材の縁部を支持部材100に固定することで、支持部材100の内面100aとの間に流体が注入可能な内部空間225が区画されたバルーンで構成することができる。ただし、第2拡張部材220の具体的な構造について特に制限はない。第2拡張部材220は、例えば、2枚の膜状の部材同士を接合し、当該2枚の膜状の部材の間に内部空間225が区画された構造のものや、内側に内部空間225が区画された一つの袋状の部材で構成することもできる。また、第2拡張部材220は、第1拡張部材210と同一の構成を有していてもよいし、第1拡張部材210とは異なる構造を有していてもよい。
図5に示すように、第2拡張部材220とコネクタ部300は、内腔521を備える第2チューブ520で連結されている。第2チューブ520の一端部は、第2拡張部材220の内部空間225と常時連通している。第2チューブ520の他端部は、コネクタ部300の筒状部材310の第2開口部313と常時連通している(図8、図12を参照)。
図3、図4、図5、図6に示すように、第2拡張部材220は、支持部材100の幅方向の略中心位置c1を間に挟んで第1拡張部材210と対向する位置に配置することができる。
第2拡張部材220を構成する膜状の部材は、例えば、融着や接着により支持部材100の内面100aに固定することができる。
図3、図4に示すように、第2拡張部材220は、平面視において、略台形形状を有するように構成することができる。なお、第2拡張部材220の平面形状は、穿刺部位pに対して所定の圧迫力を付与することが可能な限り、特に限定されない。また、第2拡張部材220の拡張前後における断面形状支や支持部材100において第2拡張部材220を配置する位置等についても特に制限はない。例えば、第2拡張部材220は、第1拡張部材210と異なる平面形状及び/又は断面形状を有していてもよい。
図3、図4、図5、図14、図15に示すように、第2拡張部材220は、第2拡張部材220を穿刺部位pに位置合わせするためのマーカー部228を有する。マーカー部228は、例えば、第2拡張部材220の下面(手Hの体表面に向かい合わせて配置される面)に所定の形状及び色を印刷したり、マーカー部228をなすシールを貼り付けたりすることで構成できる。
なお、前述した第1拡張部材210のマーカー部218について説明した理由と同様の理由より、第2拡張部材220においてマーカー部228が形成された位置と平面視において重なる位置、及び支持部材100においてマーカー部228が形成された位置と平面視で重なる位置は、透明又は半透明に形成することができる。
第1拡張部材210及び第2拡張部材220を構成する膜状の部材の構成材料は特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、ナイロン、ナイロンエラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)を使用することができる。
<コネクタ部300>
図6~図13には、コネクタ部300の構造を説明するための概略的な図面を示す。図6、図7、図8、図9は第1拡張部材210を拡張する際のコネクタ部300の操作例を示す図であり、図10、図11、図12、図13は第2拡張部材220を拡張する際のコネクタ部300の操作例を示す図である。なお、図6及び図10では、流体注入部材600の図示を省略している。
図5、図8、図9、図12、図13に示すように、コネクタ部300は、内腔311を有する筒状部材310と、筒状部材310の内腔311に位置する第1弁体部320と、筒状部材310の内腔311に位置し、筒状部材310の延在方向において第1弁体部320と異なる位置に配置された第2弁体部330と、を有する。
筒状部材310の延在方向は、図8、図9、図12、図13の上下方向であり、筒状部材310の高さ方向と同方向を意味する。
止血器具10は、コネクタ部300の平面視の中心位置が支持部材100の幅方向の中心位置c1と重なるように、コネクタ部300が支持部材100に取り付けられている。
図3、図4に示すように、コネクタ部300は、支持部材100の平面視において第1拡張部材210と第2拡張部材220との間に配置されている。
図8、図9、図12、図13に示すように、筒状部材310は、第1弁体部320と第2弁体部330との間に位置し、第1拡張部材210と筒状部材310の内腔311とを連通する第1開口部312と、第2弁体部330と筒状部材310の底部316との間に位置し、第2拡張部材220と筒状部材310の内腔311とを連通する第2開口部313と、を備える。
筒状部材310の内腔311は、筒状部材310の内腔311に配置された第2弁体部330によって上部領域311aと下部領域311bの2つの空間に仕切られている。第1開口部312は上部領域311aと連通するように配置されている。第2開口部313は下部領域311bと連通するように配置されている。
図8、図9、図12、図13に示すように、筒状部材310は、例えば、底部316側から上端部側に向けて断面積が徐々に小さくなる略台形の断面形状を有するように構成することができる。なお、筒状部材310の断面形状について特に制限はない。
図8、図9、図12、図13に示すように、第1弁体部320は、筒状部材310の上端部に配置されている。
第1弁体部320は、シリンジ等の流体注入部材600を挿通可能な挿通部321を有する。第1弁体部320は、例えば、流体注入部材600が挿通部321を挿通するのに伴って閉鎖した状態から開放した状態へ切り替え可能に構成された逆止弁で構成することができる。
第2弁体部330は、シリンジ等の流体注入部材600を挿通可能な挿通部331を有する。第2弁体部330は、例えば、流体注入部材600が挿通部331を挿通するのに伴って閉鎖した状態から開放した状態へ切り替え可能に構成された逆止弁で構成することができる。
図8、図9、図12、図13に示すように、第1弁体部320の挿通部321と第2弁体部330の挿通部331は、コネクタ部300の面方向(図5の平面図の面方向)において互いに重なる位置に配置することができる。
図8、図9、図12、図13に示すように、コネクタ部300は、第1弁体部320から筒状部材310の内腔311に挿入された流体注入部材600が第2弁体部330を挿通することを防止可能に構成されたストッパー部340を有する。
ストッパー部340は、ストッパー部840の一部が筒状部材310の延在方向において第1弁体部320と第2弁体部330との間に位置するように筒状部材310の内腔311に挿入されている。
図9、図13に示すように、筒状部材310は、ストッパー部340の一部を筒状部材310の内腔311に挿入するための第1挿入孔315a及び第2挿入孔315bを有する。
第1挿入孔315a及び第2挿入孔315bは、ストッパー部340の移動方向において第1弁体部320の挿通部321を間に挟んで対向するように配置されている。
ストッパー部340は、第1挿入孔315a及び第2挿入孔315bを介して筒状部材310を貫通するように配置されている。
ストッパー部340は、流体注入部材600が第2弁体部330を挿通することを防止する第1位置P1(図8、図9を参照)と流体注入部材600が第2弁体部330を挿通することを許容する第2位置P2(図12、図13)との間を移動可能に構成されている。
ストッパー部340は、第1挿入孔315a、第2挿入孔315b、及び内腔311を介して筒状部材310に対してスライド可能に保持されている。ストッパー部340は、所定の位置に流体注入部材600を挿通可能な挿通孔343が形成された板状の部材で構成している。
ストッパー部340は、例えば、支持部材100と同程度の硬度を有する樹脂材料や金属材料で構成することができる。なお、ストッパー部340には、ストッパー部340を移動させる際に筒状部材310との間で生じる摺動抵抗を低減させるためのコーティングを設けることが可能である。
図6、図8、図9に示すように、ストッパー部340は、ストッパー部340が第1位置P1に位置する状態において、挿通孔343が筒状部材310の内腔311の外部に配置される。
ストッパー部340が第1位置P1に位置する状態において、筒状部材310の内腔311にはストッパー部340において挿通孔343が形成されていない部分が配置される。
ストッパー部340において挿通孔343が形成されていない部分は、図8、図9に示すように、第2弁体部330よりも筒状部材310の上端部側の位置で筒状部材310の流体注入部材600が第2弁体部330を挿通することを防止する。そのため、コネクタ部300は、流体注入部材600を内腔311の上部領域311a内で保持することができる。
術者は、流体注入部材600を内腔311の上部領域311a内で保持した状態で空気等の流体を筒状部材310の内腔311に注入することにより、第1開口部312及び第1チューブ510を介して第1拡張部材210に流体を注入することができる。第1弁体部320は、筒状部材310の内腔311の上部領域311aに注入された流体が筒状部材310の外部へ漏れ出すことを防止する。第2弁体部330は、内腔311の上部領域311aに注入された流体が筒状部材310の内腔311の下部領域311bへ移動することを防止する。したがって、術者は、筒状部材310の内腔311の上部領域311aに注入した流体を第1拡張部材210に適切に注入することができる。
図10、図12、図13に示すように、ストッパー部340は、ストッパー部340が第2位置P2に位置する状態において、挿通孔343が筒状部材310の内腔311に配置される。
ストッパー部340が第2位置P2に位置する状態において、第1弁体部320の挿通部321と、第2弁体部330の挿通部331と、ストッパー部340の挿通孔343は、互いに重なる位置に配置される。ストッパー部340の挿通孔343は、図12、図13に示すように、流体注入部材600が第2弁体部330を挿通して内腔311の下部領域311b内に配置されることを許容する。
術者は、流体注入部材600を内腔311の下部領域311b内に配置した状態で空気等の流体を筒状部材310の内腔311に注入することにより、第2開口部313及び第2チューブ520を介して第2拡張部材220に流体を注入することができる。第2弁体部330は、筒状部材310の内腔311の下部領域311bに注入された流体が筒状部材310の内腔311の上部領域311aへ移動することを防止する。したがって、術者は、筒状部材310の内腔311の下部領域311bに注入した流体を第2拡張部材220に適切に注入することができる。
図9及び図12に示すように、ストッパー部340の長手方向の一端部341には、筒状部材310の第1挿入孔315aに対するストッパー部340の挿入が解除されることを防止する抜け防止用の突起部347aを設けることができる。また、ストッパー部340の長手方向の他端部342には、筒状部材310の第2挿入孔315bに対するストッパー部340の挿入が解除されることを防止する抜け防止用の突起部347bを設けることができる。
図6、図10に示すように、ストッパー部340は、ストッパー部340が第1位置P1又は第2位置P2のいずれに配置された状態にあるかを示す位置マーカー部346a及び346bを有する。
図6に示すように、位置マーカー部346aは、ストッパー部340の一端部341付近に配置されている。位置マーカー部346aは、第1拡張部材210側に向けて先細る三角形の形状を有する。
図6に示すように、ストッパー部340が第1位置P1に配置された状態において、位置マーカー部346aは一端部341とともに筒状部材310の外部に配置される。術者は、位置マーカー部346aを目視で確認することにより、止血器具10が第1拡張部材210を拡張することが可能な状態であること、つまりストッパー部340によって流体注入部材600の位置が筒状部材310の内腔311の上部領域311aに保持された状態(図8、図9を参照)であることを容易に把握することができる。
図10に示すように、位置マーカー部346bは、ストッパー部340の他端部342付近に配置されている。位置マーカー部346bは、第2拡張部材220側に向けて先細る三角の形状を有する。
図10に示すように、ストッパー部340が第2位置P2に配置された状態において、位置マーカー部346bは他端部342とともに筒状部材310の外部に配置される。術者は、位置マーカー部346bを目視で確認することにより、止血器具10が第2拡張部材220を拡張することが可能な状態であること、つまり流体注入部材600がストッパー部340の挿通孔343及び第2弁体部330の挿通部331を挿通して筒状部材310の内腔311の下部領域311bに位置する状態(図12、図13を参照)であることを容易に把握することができる。
各位置マーカー部346a、346bは、例えば、各位置マーカー部346a、346bをストッパー部340に印刷したり、各位置マーカー部346a、346bをなすシールをストッパー部340に貼り付けたりすることで構成できる。なお、各位置マーカー部346a、346bの形状や大きさ、配置等について特に制限はない。
<固定部材400>
図1、図2に示すように、固定部材400は、支持部材100に接続された第1帯体410と、第2帯体420と、第3帯体430と、を有する。
第1帯体410は、支持部材100側に配置された一端部が支持部材100の外面100bに接続されている。図2に示すように、第1帯体410の内面には、第1固定部位441を配置している。
図14、図15に示すように、第1帯体410は、止血器具10を患者の右手HRに装着する場合、右手HRの親指と人差し指の間の指間部fb1に配置することができる。また、図17に示すように、第1帯体410は、止血器具10を患者の左手HLに装着する場合、左手HLの親指と人差し指の間の指間部fb2に配置することができる。
第2帯体420は、支持部材100側に配置された一端部が支持部材100の外面100bに接続されている。第2帯体420は、支持部材100から第1帯体410が延在する方向と異なる方向に延在している。図1に示すように、第2帯体420の外面には、第2固定部位442を配置している。図2に示すように、第2帯体420の内面には、第3固定部位443を配置している。
第3帯体430は、支持部材100側に配置された一端部が支持部材100の外面100bに接続されている。第3帯体430は、支持部材100から第1帯体410及び第2帯体420の各々が延在する方向と異なる方向に延在している。図1に示すように、第3帯体430の外面には、第4固定部位444を配置している。
図14、図15に示すように、第2帯体420と第3帯体430は、止血器具10を患者の右手HRに装着する場合、患者の右手HRの外周に巻き付けるように配置することができる。また、図17に示すように、第2帯体420と第3帯体430は、止血器具10を患者の左手HLに装着する場合、患者の左手HLの外周に巻き付けるように配置することができる。
第2帯体420の内面に配置された第3固定部位443は、第3帯体430の外面に配置された第4固定部位444と接続可能である。図15、図17に示すように、術者は、第2帯体420と第3帯体430を患者の右手HR又は左手HLに巻き付けた状態で、第3固定部位443と第4固定部位444を接続することにより、第2帯体420と第3帯体430を患者の右手HR又は左手HLに固定することができる。
第1帯体410の内面に配置された第1固定部位441は、第2帯体420の外面に配置された第2固定部位442と接続可能である。図15、図17に示すように、術者は、右手HRの指間部fb1又は左手HLの指間部fb2に配置した第1帯体410の内面に配置された第1固定部位441を第2帯体420の外面に配置された第2固定部位442に接続することにより、第2帯体420及び第3帯体430とともに第1帯体410を患者の右手HR又は左手HLに固定することができる。
各帯体410、420、430の構成材料は特に限定されないが、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等で構成することができる。
各固定部位441、442、443、444は、例えば、面ファスナーの雄側又は雄側で構成することができる。ここでいう面ファスナーは、面的に着脱可能なファスナーであり、例えば、Magic Tape(登録商標)やVelcro(登録商標)である。なお、各固定部位441、442、443、444は、止血器具10を患者の手Hに配置した状態で各帯体410、420、430同士を接続することにより、支持部材100を穿刺部位pに重ねて配置した状態で固定することが可能な限り、具体的な構造は限定されない。
<止血器具10の使用例>
次に、図14~図18を参照して、止血器具10の使用例を説明する。
使用例では、図14、図15、図16に示すように患者の右手HRに形成した第1穿刺部位p1を第1拡張部材210によって止血する際の止血器具10の使用手順と、図17、図18に示すように患者の左手HLに形成した第2穿刺部位p2を第2拡張部材220によって止血する際の止血器具10の使用手順を例示する。
図14には、患者の右手HRに形成された第1穿刺部位p1にイントロデューサー700のシースチューブ710を挿入して各種の手技を実施し終えた状態を示している。
術者は、第1穿刺部位p1の止血を開始するに際し、第1穿刺部位p1を覆うように支持部材100を配置する。術者は、第1拡張部材210に配置されたマーカー部218の位置を目視で確認しつつ、マーカー部218を第1穿刺部位p1に配置することにより、第1拡張部材210を第1穿刺部位p1に適切に配置することができる。
術者は、図15に示すように、第1帯体410、第2帯体420、第3帯体430を患者の右手HRに固定する。
術者は、各帯体410、420、430を患者の右手HRに固定した状態で、ストッパー部340を第1位置P1に配置する。図16に示すように、術者は、ストッパー部340を第1位置P1に配置した状態で、筒状部材310の内腔311に流体注入部材600を挿入する。術者は、流体注入部材600を筒状部材310の内腔311に挿入する際、位置マーカー部346aを目視で確認することにより、ストッパー部340が第1位置P1に配置されていることを容易に把握することができる。なお、図15では流体注入部材600の図示を省略している。
止血器具10は、ストッパー部340が第1位置P1に配置されていることにより、流体注入部材600が第2弁体部330を挿通することを防止できる(図8、図9を参照)。そのため、術者は、筒状部材310の内腔311に挿入した流体注入部材600を筒状部材310の内腔311の上部領域311aに保持することができる。術者は、流体注入部材600を筒状部材310の内腔311の上部領域311aに保持した状態で、流体注入部材600を操作して流体を筒状部材310の内腔311に注入することにより、第1開口部312及び第1チューブ510を介して第1拡張部材210に流体を注入することができる。それにより、術者は、第1拡張部材210のみを選択的に拡張させることができる。
図16に示すように、止血器具10は、第1拡張部材210が拡張すると、第1拡張部材210が第1穿刺部位p1に対して圧迫力を付与する。
術者は、第1拡張部材210が第1穿刺部位p1に対して付与する圧迫力を小さくする場合、流体注入部材600を操作して、第1拡張部材210に注入された流体を第1チューブ510、第1開口部312を介してコネクタ部300の外部へ排出することができる。
以上の手順により、術者は、第1拡張部材210を使用して患者の右手HRに形成された第1穿刺部位p1を止血することができる。
図17、図18に示すように、術者は、第2拡張部材220を使用して患者の左手HLに形成された第2穿刺部位p2を止血する場合、第2拡張部材220を第2穿刺部位p2に配置する。また、術者は、第1帯体410、第2帯体420、第3帯体430を患者の左手HLに固定する。
術者は、ストッパー部340を移動させることにより、ストッパー部340を第2位置P2に配置する。術者は、位置マーカー部346bを目視で確認することにより、ストッパー部340が第2位置P2に配置されていることを容易に把握することができる。
術者は、ストッパー部340を第2位置P2に配置した状態で、筒状部材310の内腔311に流体注入部材600を挿入する。なお、図17では流体注入部材600の図示を省略している。
止血器具10は、ストッパー部340が第2位置P2に配置されていることにより、流体注入部材600が第2弁体部330を挿通することを許容する(図12、図13を参照)。そのため、術者は、筒状部材310の内腔311に挿入した流体注入部材600を筒状部材310の内腔311の下部領域311bに配置することができる。術者は、流体注入部材600を筒状部材310の内腔311の下部領域311bに配置した状態で、流体注入部材600を操作して流体を筒状部材310の内腔311に注入することにより、第2開口部313及び第2チューブ520を介して第2拡張部材220に流体を注入することができる。それにより、術者は、第2拡張部材220のみを選択的に拡張させることができる。
止血器具10は、第2拡張部材220が拡張すると、第2拡張部材220が第2穿刺部位p2に対して圧迫力を付与する。
術者は、第2拡張部材220が第2穿刺部位p2に対して付与する圧迫力を小さくする場合、流体注入部材600を操作して、第2拡張部材220に注入された流体を第2チューブ520、第2開口部313を介してコネクタ部300の外部へ排出することができる。
以上の手順により、術者は、第2拡張部材220を使用して患者の左手HLに形成された第2穿刺部位p2を止血することができる。
止血器具10は、支持部材100の幅方向の異なる位置に配置された複数の拡張部材210、220を備える。そのため、患者の右手HRに形成された第1穿刺部位p1を止血する場合、第1拡張部材210を使用して適切に止血を行うことができる。また、止血器具10は、患者の左手HLに形成された第2穿刺部位p2を止血する場合、第2拡張部材220を使用して適切に止血を行うことができる。
止血器具10は、各拡張部材210、220の拡張及び収縮を操作するための機構として一つのコネクタ部300を備える。そのため、止血器具10を患者の右手HRに形成した第1穿刺部位p1及び患者の左手HLに形成した第2穿刺部位p2の止血に使用する場合においても、一つのコネクタ部300に対して流体注入部材600を適切かつ簡単に接続することができる。そのため、止血器具10は、流体注入部材600を誤ったコネクタ部に接続してしまう誤接続が生じることを未然に防止できる。また、止血器具10は、コネクタ部300が一つだけ取り付けられた構造を有するため、止血器具10を患者の右手HRや左手HLに装着した状態において、コネクタ部300が患者の手指に不用意に触れたり、周囲の物品と接触したりすることを防止できる。
以上、本実形態に係る止血器具10は、患者の手Hに形成された穿刺部位pを覆うように構成された支持部材100と、支持部材100に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第1拡張部材210と、第1拡張部材210と異なる位置で支持部材100に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第2拡張部材220と、支持部材100上に位置し、第1拡張部材210及び第2拡張部材220の一方に選択的に流体を注入可能に構成されたコネクタ部300と、支持部材100を手Hに固定するように構成された固定部材400と、を有する。コネクタ部300は、内腔311を有する筒状部材310と、筒状部材310の内腔311に位置する第1弁体部320と、筒状部材310の内腔311に位置し、筒状部材310の延在方向において第1弁体部320と異なる位置に配置された第2弁体部330と、を有する。筒状部材310は、第1弁体部320と第2弁体部330との間に位置し、第1拡張部材210と筒状部材310の内腔311とを連通する第1開口部312と、第2弁体部330と筒状部材310の底部316との間に位置し、第2拡張部材220と筒状部材310の内腔311とを連通する第2開口部313と、を備える。
上記のように構成された止血器具10は、流体を注入するための流体注入部材600を第1弁体部320と第2弁体部330の間に配置した状態において、流体注入部材600から流体を注入させることにより、第1開口部312を介して第1拡張部材210へ流体を注入することができる。また、止血器具10は、流体注入部材600を第2弁体部330と筒状部材310の底部316との間に配置した状態において、流体注入部材600から流体を注入させることにより、第2開口部313を介して第2拡張部材220へ流体を注入することができる。そのため、止血器具10は、流体注入部材600の位置を筒状部材310の延在方向において第1開口部312及び第2開口部313の一方に位置合わせした状態で流体を注入することにより、第1拡張部材210及び第2拡張部材220の一方を選択的に拡張させることができる。そのため、止血器具10は、第1拡張部材210を拡張させるための専用のコネクタ部と第2拡張部材220を拡張させるための専用のコネクタ部を備える必要がない。そのため、止血器具10は、当該止血器具10に複数のコネクタ部が設けられているような場合に術者が流体注入部材600を誤接続してしまうといった課題や、複数のコネクタ部が支持部材100に配置されることにより患者の手指や周囲の物品等が意図せずにコネクタ部と接触してしまうことに伴うユーザビリティの低下が生じることを防止できる。また、止血器具10は、第1拡張部材210又は第2拡張部材220が右手HRに形成された第1穿刺部位p1や左手HLに形成された第2穿刺部位p2に選択的に配置された状態で、第1拡張部材210又は第2拡張部材220を拡張させることにより、左右両方の手Hに兼用することができる。さらに、止血器具10は、第1拡張部材210と連通する第1開口部312と第2拡張部材220と連通する第2開口部313が筒状部材310の延在方向の異なる位置に配置されている。そのため、止血器具10は、コネクタ部300が支持部材100の延在方向(平面視において広がる方向)において不必要に大きく形成されていないコンパクトな構造を採用することができる。それにより、止血器具10は、コネクタ部300が各拡張部材210、220と面方向において重なるように配置されることを防止できる。したがって、止血器具10は、コネクタ部300によって妨げられることなく、右手HR又は左手HLに形成された各穿刺部位p1、p2に第1拡張部材210又は第2拡張部材220を適切に位置決めして配置することができる。さらに、止血器具10は、コネクタ部300に上記のようなコンパクトな構造が採用されることにより、術者が第1拡張部材210又は第2拡張部材220への流体の注入量の調節する際、穿刺部位pからの出血状況を目視で確認しながら流体の注入量を調節することができる。
また、コネクタ部300は、第1弁体部320と第2弁体部330の間に、第1弁体部320から筒状部材310の内腔311に挿入された流体注入部材600が第2弁体部330を挿通することを防止可能に構成されたストッパー部340を有する。
止血器具10は、上記のように構成されたストッパー部340を備えることにより、第1弁体部320から筒状部材310の内腔311に挿入された流体注入部材600が誤って第2弁体部330を挿通することを防止できる。そのため、止血器具10は、第1拡張部材210及び第2拡張部材220の一方のみをより確実に拡張させることができる。
また、ストッパー部340は、筒状部材310の延在方向において第1弁体部320と第2弁体部330との間に位置するように筒状部材310の内腔311に挿入されている。ストッパー部340は、流体注入部材600が第2弁体部330を挿通することを防止する第1位置P1と流体注入部材600が第2弁体部330を挿通することを許容する第2位置P2との間を移動可能に構成されている。
止血器具10は、上記のように構成されたストッパー部340を備えることにより、ストッパー部340の位置を第1位置P1と第2位置P2の間で容易に切り替えることができる。止血器具10は、ストッパー部340の位置が第1位置P1と第2位置P2の間で切り替えられることにより、第1拡張部材210及び第2拡張部材220の一方のみをより確実に拡張させることができる。
また、ストッパー部340は、ストッパー部340が第1位置P1又は第2位置P2のいずれに配置された状態にあるかを示す位置マーカー部346a、346bを有する。
止血器具10は、上記のように構成された位置マーカー部346a、346bを備えることにより、各拡張部材210、220を拡張させる際、ストッパー部340の位置を術者が目視で簡単に把握することができる。術者は、ストッパー部340の位置を目視で確認することにより、第1拡張部材210及び第2拡張部材220のうち拡張させたい方の拡張部材のみを確実に拡張させることができる。
次に、前述した第1実施形態の変形例に係る止血器具及び他の実施形態に係る止血器具を説明する。変形例及び他の実施形態の説明では第1実施形態の説明において既に説明した部材や止血器具の使用手順等についての説明は適宜省略する。また、各変形例及び他の実施形態において特に説明の無い内容は、前述した実施形態と同一のものとすることができる。
(変形例1)
図19は変形例1に係る止血器具のコネクタ部300の断面図を示す。図19は前述した第1実施形態の図8に対応した図である。
変形例1に係るコネクタ部300は、ストッパー部340と筒状部材310の挿入孔315a、315b(図9、図13を参照)の間から流体が漏洩することを防止するシール部材348を備える。
図19に示すように、シール部材348は、ストッパー部340の表面に固定されている。シール部材348は、例えば、樹脂製の部材で構成することができる。シール部材348は、ストッパー部340が挿入された各挿入孔315a、315bの内壁と密着することで、各挿入孔315a、315bから流体が漏れ出ることを防止する。そのため、止血器具10は、筒状部材310の内腔311の上部領域311a又は下部領域311bに注入した流体が各挿入孔315a、315bを介して筒状部材310の外部へ漏れ出ることを防止できる。それにより、止血器具10は、筒状部材310の内腔311に注入された流体を各拡張部材210、220へ適切に注入することができる。
なお、止血器具は、ストッパー部340自体が各挿入孔315a、315bの内壁と密着し得る材料で構成されていてもよい。このようにストッパー部340が構成されている場合、ストッパー部340は、シール部材348を備える場合と同様の効果を発揮することができる。
(変形例2)
図20及び図21は変形例2に係る止血器具のコネクタ部300の断面図を示す。図20は前述した第1実施形態の図8に対応した図である。図21は前述した第1実施形態の図12に対応した図である。
変形例2に係るコネクタ部300は、第1弁体部320とストッパー部340の間に配置された第3弁体部350を備える。
第3弁体部350は、他の弁体部320、330と同様に、流体注入部材600を挿通可能な挿通部351を備える。そのため、図21に示すように、術者は、ストッパー部340が第2位置P2に配置された状態において、流体注入部材600を筒状部材310の内腔311に挿入することで、第3弁体部350の挿通部351、ストッパー部340の挿通孔343、第2弁体部330の挿通部331を介して流体注入部材600を筒状部材310の内腔311の下部領域311bに配置することができる。
止血器具10は、第1弁体部320とストッパー部340の間に配置された第3弁体部350を備えるため、各挿入孔315a、315b(図9、図13を参照)に挿入されたストッパー部340を第1位置P1と第2位置P2の間で移動させる際、各挿入孔315a、315bを介して流体がコネクタ部300の外部へ漏れ出ることを効果的に防止することができる。
(変形例3)
図22、図23、図24は変形例3に係る止血器具を示す。図22は前述した第1実施形態の図10に対応した平面図である。図22では、ストッパー部340Aが第2位置P2に配置された状態を示している。図23は図22に示す矢印23A-23Aに対応した断面図であり、図24は図22に示す矢印24A-24Aに対応した断面図である。なお、図22では流体注入部材600の図示を省略している。
図24に示すように、変形例3に係るコネクタ部300が備える筒状部材310には、ストッパー部340Aを挿入するための一つの挿入孔315が形成されている。ストッパー部340Aは、ストッパー部340Aが第2位置P2に配置された状態において、ストッパー部340Aの他端部342が筒状部材310の内腔311内に位置するように構成されている。つまり、ストッパー部340Aは、コネクタ部300を貫通するようには配置されていない。
ストッパー部340Aの他端部342には、挿入孔315からのストッパー部340Aの抜けを防止するための抜け防止用の突起部347cを設けている。
ストッパー部340Aには、前述した第1実施形態のストッパー部340が備える挿通孔343が形成されていない。
図23、図24に示すように、ストッパー部340Aは、ストッパー部340Aが第2位置P2に配置された状態において、ストッパー部340Aの他端部342が各弁体部320、330の各挿通部321、331と重ならない位置に退避される。そのため、ストッパー部340Aは、ストッパー部340Aが第2位置P2に配置された状態において、流体注入部材600が第2弁体部330の挿通部331を挿通することを許容する。また、ストッパー部340Aは、ストッパー部340Aが第1位置P1に配置された状態(図示省略)において、ストッパー部340Aの一部が第2弁体部330の挿通部331と重なる位置に配置される。そのため、ストッパー部340Aは、ストッパー部340Aが第1位置P1に配置された状態において、流体注入部材600が第2弁体部330の挿通部331を挿通することを防止できる。
なお、図22に示すように、ストッパー部340Aの一端部341付近には、ストッパー部340Aが第2位置P2に配置された状態を示す位置マーカー部346cを配置することができる。
(第2実施形態)
図25、図26、図27は第2実施形態に係る止血器具が備えるコネクタ部300Aを示す。図25は第2実施形態に係るコネクタ部300Aを簡略化して示す平面図である。図26は図25に示す矢印26A-26Aに沿う断面図であり、筒状部材310の内腔311の上部領域311aに流体注入部材600を配置した状態を示す図である。図27は図25に示す矢印26A-26Aに沿う断面図であり、筒状部材310の内腔311の下部領域311bに流体注入部材600を配置した状態を示す図である。なお、図25では流体注入部材600の図示を省略している。
図25、図26、図27に示すように、第2実施形態に係る止血器具が備える第1弁体部320Aは、第1挿通部321aと、第1挿通部321aと異なる位置に位置する第2挿通部321bと、を有する。本実施形態では、第1挿通部321aと第2挿通部321bは、支持部材100の幅方向と直交する方向(図25の上下方向)に所定の間隔を空けて配置されている。
図26、図27に示すように、第2弁体部330Aは、流体注入部材600が挿通可能な第1領域335aと、第1領域335aよりも硬質な材料で構成され、第1弁体部320Aから挿入された流体注入部材600の第2弁体部330Aへの挿入を防止可能に構成された第2領域335bと、を有する。
第2弁体部330Aの第2領域335bには、流体注入部材600が第2弁体部330Aを挿通することを可能にする挿通部が形成されていない。
図25に示すように、コネクタ部300Aは、第1弁体部320Aを第2弁体部330Aに投影した際、第1挿通部321aが第2領域335bに位置し、第2挿通部321bが第1領域335aに位置するように構成されている。
図26に示すように、第2実施形態に係る止血器具は、第1弁体部320Aの第1挿通部321aを挿通して筒状部材310の内腔311に挿入された流体注入部材600が第1領域335aよりも硬質な材料で構成された第2領域335bを挿通することを防止できる。つまり、第2弁体部330Aの第2領域335bは、第1挿通部321aを挿通した流体注入部材600が下部領域311bまで移動することを防止するストッパーとしての機能を持つ。また、第2実施形態に係る止血器具は、図27に示すように、第1弁体部320Aの第2挿通部321bを挿通して筒状部材310の内腔311に挿入された流体注入部材600が第1領域335aの挿通部331を挿通することを許容する。そのため、第2実施形態に係る止血器具は、第1弁体部320Aの第1挿通部321a及び第1弁体部320Aの第2挿通部321bの一方に流体注入部材600を挿通させることにより、前述した第1実施形態に係る止血器具10と同様に、第1拡張部材210及び第2拡張部材220を選択的に拡張させることができる。
図26、図27に示すように、コネクタ部300Aは、筒状部材310の内腔311に配置され、第1挿通部321aから筒状部材310の内腔311に挿入された流体注入部材600が第1領域335aに移動することを防止する仕切り部360を有する。
仕切り部360は、例えば、第2領域335bと同程度の硬さを持つ材料で構成することができる。また、図26、図27に示すように、仕切り部360は、第1弁体部320Aと第2弁体部330Aの間に略垂直に延在するように配置することができる。
第2実施形態に係る止血器具は、コネクタ部300Aが仕切り部360を備えるため、第1挿通部321aから筒状部材310の内腔311に挿入した流体注入部材600が第1領域335aに誤って移動することを防止できる。そのため、術者は、第1挿通部321aから筒状部材310の内腔311に挿入した流体注入部材600によって第1拡張部材210を選択的に拡張させることができる一方で、第2拡張部材220を誤って拡張させてしまうことを未然に防止することができる。
図25に示すように、第1弁体部320Aの第1挿通部321a付近には、流体注入部材600を第1挿通部321aに挿通させることで第1拡張部材210を選択的に拡張させることが可能なことを示す位置マーカー部346aを配置することができる。また、第1弁体部320Aの第2挿通部321b付近には、流体注入部材600を第2挿通部321bに挿通させることで第2拡張部材220を選択的に拡張させることが可能なことを示す位置マーカー部346bを配置することができる。
(第3実施形態)
図28~図36は第3実施形態に係る止血器具が備えるコネクタ部800を示す。本実施形態では、止血器具に備えられるコネクタ部800以外の構造(支持部材、第1拡張部材、第2拡張部材、固定部材等)は図示を省略する。なお、コネクタ部800以外の構造は、前述した第1実施形態に係る止血器具10と略同一に構成することができる。
図28はコネクタ部800の部分断面図を示し、図29は図28に示す矢印29Aから見たコネクタ部800を示し、図30は図29に示す矢印30A-30Aに沿うコネクタ部800の断面図を示す。図31は流体注入部材600Aを挿入した状態のコネクタ部800の部分断面図を示し、図32は図31に示す矢印32Aから見たコネクタ部800を示し、図33は図32に示す矢印33A-33Aに沿うコネクタ部800の断面図を示す。図34は流体注入部材600Aを挿入した状態のコネクタ部800の部分断面図を示し、図35は図34に示す矢印35Aから見たコネクタ部800を示し、図36は図35に示す矢印36A-36Aに沿うコネクタ部800の断面図を示す。なお、図28~図33はストッパー部840が第2位置P2に位置する状態を示しており、図34~図36はストッパー部840が第1位置P1に位置する状態を示している。
図28、図29、図31、図32、図34、図35に示すように、第3実施形態に係る止血器具は、穿刺部位pを覆うように構成された支持部材100と、支持部材100に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第1拡張部材210と、第1拡張部材210と異なる位置で支持部材100に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第2拡張部材220と、第1拡張部材210及び第2拡張部材220の一方に選択的に流体を注入可能に構成されたコネクタ部800と、支持部材100を手Hに固定するように構成された固定部材400と、を有する(支持部材100、第1拡張部材210、第2拡張部材220、及び固定部材400については、図1~5を参照)。
コネクタ部800は、内腔811を有する第1部材810と、第1部材810の内腔811に位置し、流体注入部材600Aと接続可能に構成された第2部材820と、第1部材810と第2部材820の間に位置する弾性部材830と、第1部材810の外表面に位置するストッパー部840と、を備える。
図28、図29に示すように、第1部材810は、上端部が外部に開口した筒状の部材で構成している。第2部材820は、第1部材810の上端部から一部が露出した状態で第1部材810の内腔811に配置されている。第2部材820は、第2部材820の底面と第1部材810の底部の内面との間に配置された弾性部材830によって支持されている。弾性部材830は、例えば、公知のバネ部材で構成することができる。
図28、図29に示すように、第1部材810は、第1拡張部材210と第1部材810の内腔811とを連通する第1開口部812と、第1部材810の延在方向(図28、図29の上下方向)において第1開口部812とは異なる位置に位置し、第2拡張部材220と第1部材810の内腔811とを連通する第2開口部813と、を有する。
図28、図29に示すように、第2部材820は、第1開口部812及び第2開口部813の一方に選択的に位置合わせ可能に構成された孔部821を有する。また、図31、図32に示すように、第2部材820は、流体注入部材600Aの先筒部611を挿入及び接続可能な基端開口部824と、基端開口部824と孔部821の間に延びる流路822と、を有する。流路822には、基端開口部824に流体注入部材600Aの先筒部611を挿入した状態において、先筒部611の先端面が突き当てられる段差部823が形成されている。
図28、図29、図31、図32、図34、図35に示すように、ストッパー部840は、第1位置P1と、第1部材810の基端面(上端面)810aよりも突出する第2位置P2と、の間で移動可能に構成されている。
図34、図35に示すように、コネクタ部800は、ストッパー部840が第1位置P1に位置する際、孔部821と第2開口部813とを第1部材810の延在方向に位置合わせすることができる。
図31、図32に示すように、コネクタ部800は、ストッパー部840が第2位置P2に位置する際、孔部821と第2開口部813とを第1部材810の延在方向に位置合わせすることができず、孔部821と第1開口部812とを第1部材810の延在方向に位置合わせすることができる。
ストッパー部840は、第1部材810の延在方向に沿って延びる本体部841と、本体部841の下端部に配置されたリング部842と、を有する。リング部842は、第1部材810の外表面の周方向に沿って配置されている。ストッパー部840は、第1部材810の外表面に配置された状態において、第1部材810の延在方向に沿って移動可能に構成されている。
図32、図33、図35、図36に示すように、コネクタ部800は、ストッパー部840を第1位置P1及び第2位置P2において保持可能なロック部850を有する。
ロック部850は、第1部材810の外表面に形成され、第1部材810の延在方向に沿って延びる第1溝部815と、第1部材810の外表面に形成され、第1部材810の周方向に沿って延びる第2溝部816a、816bと、ストッパー部840の内面に形成され、第1溝部815及び第2溝部816a、816bに沿って移動可能に構成された凸部843と、を有する。
図29、図30に示すように、ストッパー部840は、凸部843が第1溝部815に位置する状態において、第1部材810の延在方向に沿って移動することができる。ただし、ストッパー部840は、凸部843が第1溝部815に位置する状態では、第1部材810の周方向に沿う回転が制限される。そのため、ストッパー部840は、凸部843が第1溝部815に位置する状態では、第1部材810の延在方向のみに移動することができる。
図35、図36に示すように、ストッパー部840は、凸部843が第2溝部816aに位置する状態において、第1部材810の周方向に沿って移動可能である。ただし、ストッパー部840は、凸部843が第2溝部816aに位置する状態では、第1部材810の延在方向に沿う移動が制限される。つまり、ストッパー部840は、凸部843が第2溝部816aに位置する状態において、第1部材810の延在方向の位置が固定される。
図32、図33に示すように、ストッパー部840は、凸部843が第2溝部816bに位置する状態において、第1部材810の周方向に沿って移動可能である。ただし、ストッパー部840は、凸部843が第2溝部816bに位置する状態では、第1部材810の延在方向に沿う移動が制限される。つまり、ストッパー部840は、凸部843が第2溝部816bに位置する状態において、第1部材810の延在方向の位置が固定される。
コネクタ部800の動作例を説明する。
図28、図29には、第2部材820に流体注入部材600Aを接続していない状態を示す。この状態において、ストッパー部840は、ストッパー部840の基端面840aが第1部材810の基端面810aよりも突出した状態に保持される。
図31、図32に示すように、術者は、孔部821を第1開口部812に位置合わせするに際し、ストッパー部840を第2位置P2に配置する。術者は、ストッパー部840を第1部材810に対して押し下げることにより、ストッパー部840を第2位置P2に配置することができる。術者は、ロック部850を使用することにより、ストッパー部840を第2位置P2に保持することができる。術者は、ストッパー部840を第2位置P2に保持した状態で、第2部材820の基端開口部824に流体注入部材600Aを接続する。なお、本実施形態では、流体注入部材600Aとして、基端開口部824に挿入及び接続可能な先筒部611と、先筒部611の基端側に位置する大径部612と、を有する専用の流体注入部材を使用することができる。
術者は、流体注入部材600Aの先筒部611の先端面が第2部材820の段差部823に突き当たるまで流体注入部材600Aを第2部材820の内部に挿入する。術者は、流体注入部材600Aの先筒部611の先端面が第2部材820の段差部823に突き当たった状態で流体注入部材600Aを押し下げることにより、流体注入部材600Aの大径部612がストッパー部840の基端面840aに突き当たる位置まで第2部材820を下降させることができる。術者は、流体注入部材600Aの大径部612がストッパー部840の基端面840aに突き当たる位置まで第2部材820を移動させることにより、孔部821を第1開口部812に位置合わせすることができる。術者は、孔部821を第1開口部812に位置合わせした状態で流体注入部材600Aを操作して流体を注入することにより、第1開口部812に連通された第1拡張部材210を選択的に拡張させることができる。なお、図31、図32に示すように、ストッパー部840が第2位置P2に配置された状態で、ストッパー部840は、ストッパー部840の基端面840aが第1部材810の基端面810aよりも突出した状態に保持される。
図34、図35に示すように、術者は、孔部821と第2開口部813を位置合わせするに際し、ストッパー部840を第1位置P1に配置する。術者は、ストッパー部840を第1部材810に対して押し下げることにより、ストッパー部840を第1位置P1に配置することができる。術者は、ロック部850を使用することにより、ストッパー部840を第1位置P1に保持することができる。術者は、ストッパー部840を第1位置P1に保持した状態で、第2部材820の基端開口部824に挿入及び接続された流体注入部材600Aを押し下げることにより、流体注入部材600Aの大径部612が第1部材810の基端面810aに突き当たる位置まで第2部材820を下降させることができる。術者は、流体注入部材600Aの大径部612が第1部材810の基端面810aに突き当たる位置まで第2部材820を移動させることにより、孔部821を第2開口部813に位置合わせすることができる。術者は、孔部821を第2開口部813に位置合わせした状態で流体注入部材600Aを操作して流体を注入することにより、第2開口部813に連通された第2拡張部材220を選択的に拡張させることができる。なお、図34、図35に示すように、ストッパー部840が第1位置P1に配置された状態で、ストッパー部840は、ストッパー部840の基端面840aが第1部材810の基端面810aから突出していない状態に保持される。
なお、ストッパー部840は、第1位置P1に保持された状態で、第2部材820の基端開口部824に挿入及び接続された流体注入部材600Aが押し下げられることにより、孔部821を第2開口部813に位置合わせすることができるように構成されていればよい。そのため、ストッパー部840は、第1位置P1に配置された状態で、ストッパー部840の基端面840aが第1部材810の基端面810aよりも突出した状態に保持されるように構成してもよい。この際、ストッパー部840を第1位置P1に保持した状態でストッパー部840の基端面840aが第1部材810の基端面810aから突出する突出量は、ストッパー部840を第2位置P2に保持した状態でストッパー部840が基端面840aの第1部材810の基端面810aから突出する突出量よりも小さい。
以上、本実形態に係る止血器具10は、患者の手Hに形成された穿刺部位pを覆うように構成された支持部材100と、支持部材100に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第1拡張部材210と、第1拡張部材210と異なる位置で支持部材100に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第2拡張部材220と、支持部材100上に位置し、第1拡張部材210及び第2拡張部材220の一方に選択的に流体を注入可能に構成されたコネクタ部800と、支持部材100を手Hに固定するように構成された固定部材400と、を有する。コネクタ部800は、内腔811を有する第1部材810と、第1部材810の内腔811に位置し、流体注入部材600Aと接続可能に構成された第2部材820と、第1部材810と第2部材820の間に位置する弾性部材830と、第1部材810の外表面に位置するストッパー部840と、を備える。第1部材810は、第1拡張部材210と第1部材810の内腔811とを連通する第1開口部812と、第1部材810の延在方向において第1開口部812とは異なる位置に位置し、第2拡張部材220と第1部材810の内腔811とを連通する第2開口部813と、を有する。第2部材820は、第1開口部812及び第2開口部813の一方に選択的に位置合わせ可能に構成された孔部821を有する。ストッパー部840は、第1位置P1と、第1部材810の基端面810aよりも突出する第2位置P2と、の間で移動可能に構成され、ストッパー部840が第1位置P1に位置する際、孔部821と第2開口部813とを第1部材810の延在方向に位置合わせすることができ、ストッパー部840が第2位置P2に位置する際、孔部821と第2開口部813とを第1部材810の延在方向に位置合わせすることができず、孔部821と第1開口部812とを第1部材810の延在方向に位置合わせすることができる。
第3実施形態に係る止血器具は、孔部821と第1開口部812又は第2開口部813を選択的に位置合わせすることにより、第1拡張部材210及び第2拡張部材220の一方を選択的に拡張させることができる。そのため、上記の止血器具は、当該止血器具に複数のコネクタ部が設けられているような場合に術者が流体注入部材600Aを誤接続してしまうといった課題や、複数のコネクタ部が支持部材100に配置されることにより患者の手指や周囲の物品等が意図せずにコネクタ部と接触してしまうことに伴うユーザビリティの低下が生じることを防止できる。また、上記の止血器具は、第1拡張部材210又は第2拡張部材220が右手HRに形成された第1穿刺部位p1や左手HLに形成された第2穿刺部位p2に選択的に配置された状態で、第1拡張部材210又は第2拡張部材220を拡張させることにより、左右両方の手Hに兼用することができる。さらに、上記の止血器具は、第1拡張部材210と連通する第1開口部812と第2拡張部材220と連通する第2開口部813とが第1部材810の延在方向の異なる位置に配置されている。そのため、上記の止血器具は、コネクタ部800が支持部材100の延在方向(平面視において広がる方向)において不必要に大きく形成されていないコンパクトな構造を採用することができる。それにより、上記の止血器具は、コネクタ部800が各拡張部材210、220と面方向において重なるように配置されることを防止できる。したがって、上記の止血器具は、コネクタ部800によって妨げられることなく、右手HR又は左手HLに形成された各穿刺部位p1、p2に第1拡張部材210又は第2拡張部材220を適切に位置決めして配置することができる。加えて、上記の止血器具は、コネクタ部800に上記のようなコンパクトな構造が採用されることにより、術者が第1拡張部材210又は第2拡張部材220への流体の注入量の調節する際、穿刺部位pからの出血状況を目視で確認しながら流体の注入量を調節することができる。さらに、上記の止血器具は、ストッパー部840の位置を第1位置P1又は第2位置P2に配置することにより、孔部821と各開口部812、813とを確実に位置合わせすることができる。そのため、上記の止血器具は、第1拡張部材210及び第2拡張部材220の一方のみをより確実に拡張させることができる。
また、上記の止血器具において、コネクタ部800は、ストッパー部840を第1位置P1及び第2位置P2において保持可能なロック部850を有する。ロック部850は、第1部材810の外表面に形成され、第1部材810の延在方向に沿って延びる第1溝部815と、第1部材810の外表面に形成され、第1部材810の周方向に沿って延びる第2溝部816a、816bと、ストッパー部840の内面に形成され、第1溝部815及び第2溝部816a、816bに沿って移動可能に構成された凸部843と、を有する。
上記のように構成された止血器具は、ロック部850を備えることにより、ストッパー部840の位置を第1位置P1又は第2位置P2において保持することができる。そのため、術者は、第1拡張部材210及び第2拡張部材220の一方のみをより確実に拡張させることができる。
以上、複数の実施形態及び複数の変形例を通じて本発明に係る止血器具を説明したが、本発明は明細書において説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
10 止血器具
100 支持部材
210 第1拡張部材
220 第2拡張部材
300 コネクタ部
300A コネクタ部
310 筒状部材
311 筒状部材の内腔
311a 上部領域
311b 下部領域
312 第1開口部
313 第2開口部
315 挿入孔
315a 第1挿入孔
315b 第2挿入孔
316 筒状部材の底部
320 第1弁体部
320A 第1弁体部
321 第1弁体部の挿通部
321a 第1弁体部の第1挿通部
321b 第1弁体部の第2挿通部
330 第2弁体部
330A 第2弁体部
331 第2弁体部の挿通部
335a 第2弁体部の第1領域
335b 第2弁体部の第2領域
340 ストッパー部
340A ストッパー部
343 挿通孔
346a 位置マーカー部
346b 位置マーカー部
346c 位置マーカー部
348 シール部材
350 第3弁体部
351 第3弁体部の挿通部
360 仕切り部
400 固定部材
410 第1帯体
420 第2帯体
430 第3帯体
510 第1チューブ
520 第2チューブ
600 流体注入部材
600A 流体注入部材
611 先筒部
612 大径部
700 イントロデューサー
800 コネクタ部
810 第1部材
810a 第1部材の基端面
811 第1部材の内腔
812 第1開口部
813 第2開口部
815 第1溝部
816a 第2溝部
816b 第2溝部
820 第2部材
821 孔部
822 流路
823 段差部
824 第2部材の基端開口部
830 弾性部材
840 ストッパー部
840a ストッパー部の基端面
843 凸部
850 ロック部
P1 第1位置
P2 第2位置
A 前腕部
B1 血管(動脈)
B2 血管(動脈)
H 手
HL 左手
HR 右手
p 穿刺部位
p1 第1穿刺部位
p2 第2穿刺部位

Claims (9)

  1. 患者の手に形成された穿刺部位を覆うように構成された支持部材と、
    前記支持部材に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第1拡張部材と、
    前記第1拡張部材と異なる位置で前記支持部材に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第2拡張部材と、
    前記支持部材上に位置し、前記第1拡張部材及び前記第2拡張部材の一方に選択的に前記流体を注入可能に構成されたコネクタ部と、
    前記支持部材を前記手に固定するように構成された固定部材と、を有し、
    前記コネクタ部は、内腔を有する筒状部材と、前記筒状部材の前記内腔に位置する第1弁体部と、前記筒状部材の前記内腔に位置し、前記筒状部材の延在方向において前記第1弁体部と異なる位置に配置された第2弁体部と、を有し、
    前記筒状部材は、前記第1弁体部と前記第2弁体部との間に位置し、前記第1拡張部材と前記筒状部材の前記内腔とを連通する第1開口部と、前記第2弁体部と前記筒状部材の底部との間に位置し、前記第2拡張部材と前記筒状部材の前記内腔とを連通する第2開口部と、を備える、止血器具。
  2. 前記コネクタ部は、前記第1弁体部と前記第2弁体部の間に、前記第1弁体部から前記筒状部材の前記内腔に挿入された流体注入部材が前記第2弁体部を挿通することを防止可能に構成されたストッパー部を有する、請求項1に記載の止血器具。
  3. 前記ストッパー部は、前記筒状部材の延在方向において前記第1弁体部と前記第2弁体部との間に位置するように前記筒状部材の前記内腔に挿入されており、
    前記ストッパー部は、前記流体注入部材が前記第2弁体部を挿通することを防止する第1位置と前記流体注入部材が前記第2弁体部を挿通することを許容する第2位置との間を移動可能に構成されている、請求項2に記載の止血器具。
  4. 前記筒状部材は、前記筒状部材の前記内腔に前記ストッパー部を挿入するための挿入孔を有し、
    前記ストッパー部は、前記ストッパー部と前記挿入孔の間から前記流体が漏洩することを防止するシール部材を有する、請求項3に記載の止血器具。
  5. 前記ストッパー部は、前記ストッパー部が前記第1位置又は前記第2位置のいずれに配置された状態にあるかを示す位置マーカー部を有する、請求項3に記載の止血器具。
  6. 前記第1弁体部は、第1挿通部と、前記第1挿通部と異なる位置に位置する第2挿通部と、を有し、
    前記第2弁体部は、流体注入部材が挿通可能な第1領域と、前記第1領域よりも硬質な材料で構成され、前記第1弁体部から挿入された前記流体注入部材の前記第2弁体部への挿入を防止可能に構成された第2領域と、を有し、
    前記コネクタ部は、前記第1弁体部を前記第2弁体部に投影した際、前記第1挿通部が前記第2領域に位置し、前記第2挿通部が前記第1領域に位置するように構成されている、請求項1に記載の止血器具。
  7. 前記コネクタ部は、前記筒状部材の前記内腔に配置され、前記第1挿通部から前記筒状部材の前記内腔に挿入された前記流体注入部材が前記第1領域に移動することを防止する仕切り部を有する、請求項6に記載の止血器具。
  8. 患者の手に形成された穿刺部位を覆うように構成された支持部材と、
    前記支持部材に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第1拡張部材と、
    前記第1拡張部材と異なる位置で前記支持部材に接続され、流体の注入により拡張可能に構成された第2拡張部材と、
    前記第1拡張部材及び前記第2拡張部材の一方に選択的に前記流体を注入可能に構成されたコネクタ部と、
    前記支持部材を前記手に固定するように構成された固定部材と、を有し、
    前記コネクタ部は、内腔を有する第1部材と、前記第1部材の前記内腔に位置し、流体注入部材と接続可能に構成された第2部材と、前記第1部材と前記第2部材の間に位置する弾性部材と、前記第1部材の外表面に位置するストッパー部と、を備え、
    前記第1部材は、前記第1拡張部材と前記第1部材の前記内腔とを連通する第1開口部と、前記第1部材の延在方向において前記第1開口部とは異なる位置に位置し、前記第2拡張部材と前記第1部材の前記内腔とを連通する第2開口部と、を有し、
    前記第2部材は、前記第1開口部及び前記第2開口部の一方に選択的に位置合わせ可能に構成された孔部を有し、
    前記ストッパー部は、第1位置と、前記第1部材の基端面よりも突出する第2位置と、の間で移動可能に構成され、前記ストッパー部が前記第1位置に位置する際、前記孔部と前記第2開口部とを前記第1部材の延在方向に位置合わせすることができ、前記ストッパー部が前記第2位置に位置する際、前記孔部と前記第2開口部とを前記第1部材の延在方向に位置合わせすることができず、前記孔部と前記第1開口部とを前記第1部材の延在方向に位置合わせすることができる、止血器具。
  9. 前記ストッパー部を前記第1位置及び前記第2位置において保持可能なロック部を有し、
    前記ロック部は、前記第1部材の外表面に形成され、前記第1部材の延在方向に沿って延びる第1溝部と、前記第1部材の外表面に形成され、前記第1部材の周方向に沿って延びる第2溝部と、前記ストッパー部の内面に形成され、前記第1溝部及び前記第2溝部に沿って移動可能に構成された凸部と、を有する、請求項8に記載の止血器具。
JP2022157837A 2022-09-30 2022-09-30 止血器具 Pending JP2024051592A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022157837A JP2024051592A (ja) 2022-09-30 2022-09-30 止血器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022157837A JP2024051592A (ja) 2022-09-30 2022-09-30 止血器具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024051592A true JP2024051592A (ja) 2024-04-11

Family

ID=90622509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022157837A Pending JP2024051592A (ja) 2022-09-30 2022-09-30 止血器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024051592A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6655752B1 (ja) 止血器具
US10980546B2 (en) Hemostatic device
JP6959219B2 (ja) 止血器具
US20100280455A1 (en) Needle-stent device
US11083467B2 (en) Hemostatic device
JP6725343B2 (ja) 止血器具
JP7181280B2 (ja) 止血器具
JP2011045544A (ja) 留置針組立体
JP6667234B2 (ja) 止血器具
WO2020111184A1 (ja) 止血器具
JP6573310B2 (ja) 止血器具
JP7267995B2 (ja) 止血器具
JP6859345B2 (ja) 止血器具
JP2012010823A (ja) マーカ付止血器具
US20210145452A1 (en) Hemostatic device
JP2020018686A (ja) 止血器具
JP2020022679A (ja) 止血器具
WO2022039272A1 (ja) 止血器具
JP2024051592A (ja) 止血器具
JP7236440B2 (ja) 止血器具
JPWO2020050367A1 (ja) 止血器具
JP2024051588A (ja) 止血器具
US20240081832A1 (en) Hemostatic device
WO2023176664A1 (ja) 止血器具
WO2023140265A1 (ja) 止血器具