JP2024050144A - 既設管更生方法及び構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐用年数経過する等して再度の更生が必要とされたときに撤去しやすい既設管更生工法及び更生構造を提供する。【解決手段】老朽化した既設管2の内面にコーティング材又はシートからなる剥離用被覆材5を設ける。そのうえで、合成樹脂を主材とする第1更生材3を既設管2の内面に沿う管状になるように設ける。既設管2の内面の剥離用被覆材5と第1更生材3との間には、充填性の第2更生材4を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、老朽化した下水道管等の既設管を更生する方法及び構造に関し、特に、既設管の内面に沿って更生材を設ける既設管更生方法及び構造に関する。
地下に埋設された下水道管等の既設管が老朽化した場合、管状に形成した更生材(以下適宜「更生管」)を既設管の内面に設けることによって、既設管を更生することが行われている(特許文献1等参照)。この種の更生工法には、既設管と更生管とが裏込めのモルタルを介して一体になって互いに強度を担う複合管工法と、更生管が単独で強度を担う自立管工法とがある。
複合管工法では、既設管と更生管とモルタルの3つの構成要素の強度により強度設計を行っており、強度発現のためには、モルタルと既設管との界面の付着が強度発現のポイントとなっている。既設管の強度が極端に低下している場合などは、既設管の強度を加味せずに、更生管とモルタルだけの強度によって強度計算を行なうこともある。
自立管工法においても、複合管工法と同様に、モルタルを既設管と更生管との間に裏込めすることがあるが、この場合のモルタルは、空隙をなくすための間詰めを目的としたものである。よって、モルタルの強度は、地山の強度(土の強度)程度あればよい。
特開2020-192798号公報([0033])
現在、更生工法が大きく飛躍し施工実績を伸ばしている。しかし、更生後の管路自体にも耐用年数があり、現在の技術では50年とされている。耐用年数経過後は再度の管路更生が必要とされる。再度の管路更生の方法として、例えば
(1)古い更生管の内側に新たな更生管及びモルタルを施工する方法
(2)古い更生管及びモルタルを撤去して新たな更生管及びモルタルを施工する方法
が考えられる。
(1)の方法では、新たな更生管の内径が小さくなるため、流下性能が低下してしまう。(2)の方法では、古いモルタルをブレーカーなどを使用して粉砕し撤去することになるが、通常、既設管とモルタルが強固に付着しているため、更生管及びモルタルを既設管との界面で分離して撤去するのは難しい。
本発明は、かかる事情に鑑み、耐用年数経過する等して再度の更生が必要とされたときに撤去しやすい既設管更生工法及び更生構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明方法は、合成樹脂を主材とする第1更生材を既設管の内面に沿う管状になるように設け、かつ前記既設管の内面と前記第1更生材との間に充填性の第2更生材を設ける既設管更生方法において、
前記第1更生材及び第2更生材を設ける前に、前記既設管の内面にコーティング材又はシートからなる剥離用被覆材を設けることを特徴とする。
本発明構造は、既設管の内面に沿って合成樹脂を主材とする管状の第1更生材が設けられ、かつ前記既設管の内面と前記第1更生材との間に第2更生材が充填された既設管更生構造において、
前記既設管の内面と前記第2更生材との間に、コーティング材又はシートからなる剥離用被覆材が設けられていることを特徴とする。
第1更生材及び第2更生材の施工前に、既設管の内面(既設管と第2更生材との界面)に剥離用被覆材を設置しておくことにより、第2更生材と既設管との付着(一体化)を防ぐことができる。したがって、耐用年数経過後、再度の管路更生の際、第1更生材及び第2更生材の撤去を容易に行うことができる。特に、既設管の強度を期待しない設計の更生工法に対して、耐用年数経過後の撤去を容易に行うための有効な手段となる。
既設管の形状としては、円形管、矩形管、馬蹄形管などがある。
前記主材は、前記第1更生材の断面の好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上の断面積を占める。
前記第1更生材としては、合成樹脂を主材とする帯状部材(プロファイル)、樹脂又は樹脂含浸繊維からなるチューブ、繊維強化樹脂等からなるさや管、セグメント、板状材等が挙げられる。
既設管の内面に沿う管状の第1更生材は、帯状部材を螺旋状に巻回して製管した螺旋管でもよく、樹脂チューブ又は樹脂含浸繊維チューブを反転工法や形成工法によって既設管の内面に沿うように設置したものでもよく、1又は複数のさや管を管軸方向に一列に連ねたものでもよく、複数のセグメントや板状材を管周方向及び管軸方向に組み合わせて管状にしたものでもよい。
管状に形成された第1更生材の断面形状は、円形に限らず、矩形、馬蹄形などであってもよく、断面形状は問わない。
第2更生材の充填性とは、第2更生材が、既設管の内面と、管状に形成された第1更生材との間の空隙に注入されて充填(間詰め)可能であることを言う。第2更生材は、少なくとも注入施工に流動性を有していればよく、注入後硬化してもよい。好ましくは、硬化後の第2更生材は、地山強度(圧縮強度で約0.5MPa)程度ないしはそれ以上の強度を有する。第2更生材の材質は、コストの観点からはモルタルが好適であるが、これに限らず樹脂系の材料、発泡性材料などであってもよい。
好ましくは、前記既設管更生構造において、前記剥離用被覆材が、前記既設管及び前記第2更生材の一方に対して易剥離性を有している。
易剥離性とは、被覆材が既設管又は第2更生材に対して剥がれ易いことを言う。好ましくは、前記既設管及び前記第2更生材の一方と前記剥離用被覆材との付着強度が、前記既設管及び前記第2更生材の一方自体の引張強度より低い。例えば、既設管がコンクリートによって構成されている場合、一般的なコンクリートの圧縮強度は18MPa~36MPa程度であり、引張強度は前記圧縮強度の10分の1程度すなわち1.8MPa~3.6MPa程度であるから、コンクリート製の既設管と剥離用被覆材との付着強度は1.8MPa~3.6MPa程度以下であることが好ましい。ただし、既設管の老朽化が進んでいて圧縮強度及び引張強度が低下している場合を考慮すると、既設管と剥離用被覆材との付着強度は1.8MPa~3.6MPa程度より低いことが好ましい。
また、この種の既設管更生構造における第2更生材として用いられる裏込め用モルタルの圧縮強度は1.0MPa~2.0MPa程度であり、引張強度は前記圧縮強度の10分の1程度すなわち0.1MPa~0.2MPa程度であるから、モルタルからなる第2更生材と剥離用被覆材との付着強度は0.1MPa~0.2MPa程度以下であることが好ましい。
既設管と剥離用被覆材との付着強度が既設管自体の引張強度より低いか、又は第2更生材と剥離用被覆材との付着強度が第2更生材自体の引張強度より低いかの何れかであればよい。
コーティング材からなる剥離用被覆材としては、好ましくはシリコンやフッ素を主原料とする塗膜が挙げられるが、主原料はこれに限られず、既設管の材質(コンクリート、鉄、又は樹脂(ポリ塩化ビニル(PVC)など)に対して剥離性があるか、第2更生材の材質(硬化したモルタル、樹脂など)に対して剥離性があればよい。
剥離用被覆材としてコーティング材を用いた場合の施工方法は、既設管の内面にあらかじめ前記コーティング材を塗布しておく。塗膜形成後に第1更生材及び第2更生材の施工を行う。したがって、特殊な技術・施工方法を要求されない。コーティング材の塗布方法は、噴霧器による噴霧、ローラーによる手塗などが挙げられる。塗布範囲としては、既設管の内面の全周が好ましいが、既設管の内面に沿う螺旋パターンや格子パターンになるよう塗布することで塗り残しが出来るようにしてもよい。塗り残し部分では、第2更生材が既設管の内面と直接に接して付着されるが、コーティング材の塗布部分を引き剥がすと、それにつられて引き剥がすことができる。
シートからなる剥離用被覆材としては、例えばポリエチレン(PE)、PVCシート、その他の樹脂系シートが用いられる、好ましくはコストの安い汎用樹脂シートが用いられるが、必ずしもこれに限らない。剥離用被覆材として、メッシュなどの網目構造を有するシートを用いてもよい。網目構造を有するシートの場合、網目孔を通して第2更生材が既設管の内面と直接に接して付着され得るが、シートを引き剥がすと、それにつられて網目孔の付着部分をも引き剥がすことができる。
好ましくは、シートからなる剥離用被覆材は、第2更生材に対して易剥離性を有し、第2更生材が付着されにくい。
シートの厚みは、好ましくは0.1mm~2mm程度であるが、必ずしもこれに限らない。シートの大きさは、人力で設置できる大きさであることが好ましく、例えば1辺1~2m程度の四角形が好ましいが、必ずしもこれに限らず、幅1~数m程度の長尺シート等でもよい。
剥離用被覆材としてシートを用いた場合の施工方法は、既設管の内面にあらかじめシートを、コンクリートビス、アンカー等の固定手段を用いて固定しておく。好ましくは、既設管の内面の全周にわたってシートを設置する。シート設置後に第1更生材及び第2更生材の施工を行う。したがって、特殊な技術・施工方法を要求されない。
好ましくは、前記第1更生材が、金属製の補強材を含む。
これによって、第1更生材の強度が高まり、自立管としての強度を確保することができる。複合管としての設計をする必要が無く、既設管と第2更生材との間に剥離用被覆材を介在させても問題が無い。
金属製の補強材の材質としては、施工時に既設管内面に沿うように変形が生じることを考慮して、延性に優れたスチールが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。
本発明によれば、耐用年数経過する等して再度の更生が必要とされたときに、第1更生材及び第2更生材を既設管の内面から容易に剥離して撤去することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る既設管更生構造の断面図である。 図2(a)は、前記既設管更生構造における第1更生材を構成する帯状部材を帯長方向と直交する断面で示す断面図である。図2(b)は、前記帯状部材から製管された螺旋管状の第1更生材における前記帯状部材の一周違いの隣接する縁部分の接合部の断面図である。 図3は、本発明の第2実施形態に係る既設管更生構造の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
<第1実施形態(図1~図2)>
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る既設管更生構造1は、既設管2と、第1更生材3と、第2更生材4と、剥離用被覆材5とを備えている。既設管2は、地中に埋設された下水道管であり、例えば鉄筋コンクリートからなるヒューム管によって構成されている。なお、既設管2は、下水道管に限らず、上水道管、ガス管、農業用水管、水力発電導水管、トンネル等であってもよい。既設管2の材質は、鉄筋コンクリートに限らず、無鉄筋のコンクリートでもよく、合成樹脂、繊維強化樹脂等でもよく、鉄等の金属であってもよい。既設管2の断面形状は、例えば円形であるが、これに限定されず、矩形、馬蹄形等でもよい。
図1に示すように、既設管2の内部に第1更生材3が設けられている。図2(a)に示すように、第1更生材3は、例えば帯状部材10(プロファイル)によって構成されている。帯状部材10は、主材である帯本体11と、補強材20を含み、一定の断面形状に形成されている。帯本体11は、ポリ塩化ビニル(PVC)等の合成樹脂によって形成されている。帯本体11の平坦な平帯部12の幅方向の両縁部分には雌雄をなす嵌合部13,14が設けられ、幅方向の中間部にはリブ15が設けられている。なお、帯本体11ひいては帯状部材10の断面形状は、図示した形状に限られない。
帯本体11に補強材20が付加されている。補強材20は、金属によって構成され、好ましくは高延性のスチールによって構成されている。補強材20は、平帯部12へ向かって開放された箱状ないしはU字状断面の胴部21と、該胴部21の両端部に連なる一対の腕部22とを含む。腕部22がリブ15に係止されている。なお、補強材20の断面形状は、図示した形状には限られない。補強材20が平板状に形成されて、帯本体11のリブ15の内部等に埋め込まれていてもよい。
図1及び図2(b)に示すように、帯状部材10が既設管2の内面に沿って螺旋状に巻回されるとともに、該帯状部材10の一周ずれて隣接する縁部分の嵌合部13,14どうしが凹凸嵌合にて接合されている。これによって、図1に示すように、第1更生材3が、既設管2の内面に沿う螺旋管状(管状)になっている。第1更生材3の断面形状は、既設管2の断面に合わせた円形である。
なお、既設管2の断面が矩形であるときは第1更生材3の断面も矩形とし、既設管2の断面が馬蹄形であるときは第1更生材の断面も馬蹄形とすることが好ましい。
図1に示すように、既設管2の内面と第1更生材3との間に第2更生材4が充填されている。第2更生材4は、モルタルによって構成されている。モルタルは、既設管更生施工における注入時には流動性(充填性)を有しており、その後、硬化する。モルタルの硬化後圧縮強度は、好ましくは地山強度(約0.5MPa)程度ないしはそれ以上であり、引張強度は圧縮強度の例えば10分の1程度である。より好ましくは、モルタルの硬化後圧縮強度は1.0MPa~2.0MPa程度、引張強度は0.1MPa~0.2MPa程度である。
図1に示すように、既設管2の内面と第2更生材4との間に、剥離用被覆材5が介在されている。したがって、既設管2の内面の全域又は少なくとも一部分が、直接には剥離用被覆材5と接し、第2更生材4とは直接接していない。
剥離用被覆材5は、コーティング材からなる。コーティング材としては、シリコンやフッ素を主原料とする塗料が挙げられるが、所要の剥離性を有するものであれば、これに限らない。
剥離用被覆材5は、既設管2の内面を構成するコンクリートに対して易剥離性を有しているか、又は第2更生材4を構成する硬化したモルタルに対して易剥離性を有している。好ましくは、既設管2と剥離用被覆材5との付着強度が、老朽化した既設管2自体の引張強度より低い。好ましくは、コンクリートからなる既設管2と剥離用被覆材5との付着強度は1.8MPa~3.6MPa程度以下であり、既設管2の老朽化が進んだ場合を考慮すると、既設管2と剥離用被覆材5との付着強度は1.8MPa~3.6MPa程度より低いことが、より好ましい。
または、第2更生材4と剥離用被覆材5との付着強度が、第2更生材4自体の引張強度より低い。好ましくは、第2更生材4と剥離用被覆材5の付着強度は、0.1MPa~0.2MPa程度以下である。
老朽化した既設管2が次のように更生施工される。
第1更生材3及び第2更生材4を設ける前に、既設管2の内面にコーティング材からなる剥離用被覆材5を設ける。すなわち、既設管1の内面にコーティング材を塗布する。塗布方法は、噴霧器による噴霧でもよく、ローラーによる手塗でもよい。塗布範囲は、好ましくは既設管2の内面の全周であるが、既設管2の内面に沿う螺旋パターンや格子パターンになるよう塗布してもよく、それによって、既設管2の内面の一部にコーティング材が塗布されていない塗り残し部分が形成されてもよい。
次に、第1更生材3を施工する。ここでは、既設管2の内面に沿って帯状部材10を螺旋状に巻回することによって、螺旋管状の第1更生材3を製管する。
次に、既設管2の内面と管状の第1更生材3との間の空隙に、モルタルからなる第2更生材4を注入、充填する。
既設管2の内面と第2更生材4との間には剥離用被覆材5が介在される。
やがて、第2更生材4が硬化されることによって、既設管更生構造1が構築される。
既設管更生構造1によれば、第1更生材3を構成する帯状部材10が補強材20を含むことで剛性が高められているから、第1更生材3が自立管としての強度を発現できる。したがって、既設管2と第2更生材4との間に剥離用被覆材5が介在されていても、あるいは既設管2の強度が期待されない場合であっても、既設管更生構造1としての所要強度を確保することができる。
既設管更生構造1の耐用年数が経過して再度の更生が必要となったときは、第1更生材3及び第2更生材4を破砕して撤去する。このとき、第2更生材4と既設管2とは、これらの間の剥離用被覆材5の易剥離性によって確実かつ容易に分離させることができる。したがって、第1更生材3及び第2更生材4と共に既設管2までもが崩されるのを防止できる。
第1更生材3及び第2更生材4の破砕、撤去時には、既設管2と剥離用被覆材5との界面が剥離されてもよく、第2更生材4と剥離用被覆材5との界面が剥離されてもよい。
前記塗り残し部分が有ったとしても、剥離用被覆材5が介在された部分において既設管2の内面と剥離用被覆材5、又は第2更生材4と剥離用被覆材5とを引き剥がすと、それにつられることで、前記塗り残し部分における既設管2の内面と第2更生材4とを容易に引き剥がすことができる。
これによって、第1更生材3及び第2更生材4の撤去作業を短時間で効率的かつ安全に行なうことができる。
第1更生材3及び第2更生材4の撤去後、既設管2の内面に再度、新たな更生材を設置する。前記撤去工程を行なっておくことで、新たな更生材内の管路断面積が小さくなるのを回避でき、流下性能の低下を防止できる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態(図3)>
図3に示すように、本発明の第2実施形態に係る既設管更生構造1Bにおいては、既設管2の内面と第2更生材4との間に、シートからなる剥離用被覆材6が設けられている。シートからなる剥離用被覆材6は、コンクリートビス、アンカー等の固定手段7を介して既設管2に固定される一方、既設管2の内面に付着力を持って付着されてはいない。言い換えると、剥離用被覆材6は、既設管2の内面に対して高い易剥離性を有している。
モルタルからなる第2更生材4は、シートからなる剥離用被覆材6と付着されている。好ましくは、第2更生材4と剥離用被覆材6との付着強度は、第2更生材4自体の引張強度より低く、剥離用被覆材6が第2更生材4に対して易剥離性を有している。
剥離用被覆材6としては、例えばポリエチレン(PE)、PVCシート、その他の樹脂系シートが用いられ、好ましくはコストの安い汎用樹脂シートが用いられている。剥離用被覆材6が、メッシュなどの網目構造を有するシートであってもよい。
シートの厚みは、好ましくは0.1mm~2mm程度であるが、必ずしもこれに限らない。シートの大きさは、人力で設置できる大きさであることが好ましく、例えば1辺1~2m程度の四角形が好ましいが、必ずしもこれに限らず、幅1~数m程度の長尺シート等でもよい。
老朽化した既設管2の更生施工の際は、第1更生材3及び第2更生材4の設置前に、シートからなる剥離用被覆材6を既設管2の内面に張り渡し、該剥離用被覆材6を固定手段7によって既設管2に固定する。好ましくは、既設管2の内面の全域に剥離用被覆材6を設けるが、部分的に剥離用被覆材6が設けられていない箇所が有ってもよい。
その後、第1実施形態と同様にして、第1更生材3及び第2更生材4の施工を行う。このようにして、既設管更生構造1Bが構築される。更生施工に際し、特殊な技術・施工方法は要求されない。
既設管更生構造1Bの耐用年数が経過して再度の更生が必要となったときは、第1更生材3及び第2更生材4を破砕して撤去する。このとき、剥離用被覆材6の易剥離性によって、第2更生材4と既設管2と容易に分離できる。特に、シートからなる剥離用被覆材6と既設管2の内面とは互いに付着されていないから、剥離用被覆材6と既設管2とを簡単に分離でき、ひいては第2更生材4及び第1更生材3と既設管2とを容易に分離できる。したがって、既設管2が第1更生材3及び第2更生材4と共に崩れるのを確実に防止できる。
さらに、固定手段7を除去することによって、剥離用被覆材6を既設管1から分離して撤去してもよい。
剥離用被覆材6が網目構造を有するシートである場合、網目孔を通して第2更生材4が既設管2の内面と直接付着され得るが、剥離用被覆材6を引き剥がすと、それにつられて網目孔の付着部分をも容易に引き剥がすことができる。
これによって、第1更生材3及び第2更生材4の撤去作業を短時間で効率的かつ安全に行なうことができる。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、第1更生材3は、帯状部材10に限らず、樹脂又は樹脂含浸繊維のチューブ、さや管、セグメント、板状材等で構成されていてもよい。
管状に形成された第1更生材3は、帯状部材10からなる螺旋管に限らず、樹脂チューブ又は樹脂含浸繊維チューブを反転工法や形成工法によって既設管2の内面に沿わせたものでもよく、複繊維強化樹脂等からなる1又は複数のさや管を管軸方向に一列に連ねたものでもよく、複数のセグメントや板状材を管周方向及び管軸方向に組み合わせて管状にしたものでもよい。
第2更生材4の材質は、モルタルに限らず、樹脂系の材料、発泡性材料などであってもよい。
本発明は、例えば老朽化した下水道管の更生施工技術に適用できる。
1 既設管更生構造
2 既設管
3 第1更生材
4 第2更生材
5 コーティング材からなる剥離用被覆材
6 シートからなる剥離用被覆材
7 固定手段
10 帯状部材(プロファイル)
11 帯本体
12 平帯部
13 雌嵌合部
14 雄嵌合部
15 リブ
20 補強材
21 胴部
22 腕部

Claims (5)

  1. 合成樹脂を主材とする第1更生材を既設管の内面に沿う管状になるように設け、かつ前記既設管の内面と前記第1更生材との間に充填性の第2更生材を設ける既設管更生方法において、
    前記第1更生材及び第2更生材を設ける前に、前記既設管の内面にコーティング材又はシートからなる剥離用被覆材を設けることを特徴とする既設管更生方法。
  2. 前記剥離用被覆材が、前記既設管及び前記第2更生材の一方に対して易剥離性を有している請求項1に記載の既設管更生方法。
  3. 既設管の内面に沿って合成樹脂を主材とする管状の第1更生材が設けられ、かつ前記既設管の内面と前記第1更生材との間に第2更生材が充填された既設管更生構造において、
    前記既設管の内面と前記第2更生材との間に、コーティング材又はシートからなる剥離用被覆材が設けられていることを特徴とする既設管更生構造。
  4. 前記既設管及び前記第2更生材の一方と前記剥離用被覆材との付着強度が、前記既設管及び前記第2更生材の一方自体の引張強度より低い請求項3に記載の既設管更生構造。
  5. 前記第1更生材が、金属製の補強材を含む請求項3又は4に記載の既設管更生構造。
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