JP2024050000A - 二次電池の検査プログラム、検査方法及び検査装置 - Google Patents

二次電池の検査プログラム、検査方法及び検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の検査方法では、二次電池で生じる自己放電量の検査の効率が低い問題があった。【解決手段】本発明の検査プログラムは、材料データ取得処理S1と、源泉工程データ取得処理S3と、材料データと源泉工程データを用いて予測式を生成する予測式生成処理S10と、第1の開回路電圧取得処理S6と、第2の開回路電圧取得処理S8と、自己放電処理後の二次電池の開回路電圧の予測値である放電後予測電圧を算出する放電後予測電圧算出処理S11と、第1の開回路電圧V1と放電後予測電圧との差を電圧変動予測値として算出する予測値算出処理S12と、第1の開回路電圧V1と第2の開回路電圧V2との差を電圧変動実測値として算出する実測値算出処理S9と、電圧変動実測値と電圧変動予測値との差が予め設定した閾値以上となった前記二次電池を不良品として判定する判定処理S13~S16と、を演算部に実行させる。【選択図】図6

Description

本発明は、例えば、二次電池において生じる自己放電の大きさを検知する二次電池の検査プログラム、検査方法及び検査装置に関する。
二次電池では、充電量が自然と減少する自己放電現象がある。この自己放電現象における放電量(以下、自己放電量)は製品毎に規定されており、自己放電量が既定値より大きな二次電池は不良品となる。そこで、出荷前検査ではこの自己放電量の検査がある。そこで、自己放電の検査を行う技術が特許文献1に示されている。
特許文献1に記載の二次電池の検査方法は、自己放電による電圧変化量に基づいて二次電池の検査を行う方法であって、二次電池を所定量充電し、充電後所定期間放置した後の二次電池の電圧変化量を求め、この電圧変化量と予め定められた閾値とを比較して二次電池の良否判定を行う。そして、特許文献1に記載の検査方法では、二次電池の良否判定を行う際、予め測定された二次電池の容量に応じて予め定められた閾値を変更し、変更された閾値と電圧変化量とを比較して二次電池の良否判定を行う。
特開2015-125901号公報
しかしながら、特許文献1では、良否判定に用いる閾値を変更するために検査対象の二次電池の容量を測定しなければならず、二次電池の容量を検査する工程が追加されるため工程に要する時間が延びる問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、二次電池で生じる自己放電量の検査の効率を高めることを目的とするものである。
本発明にかかる検査プログラムの一態様は、組立後の二次電池内で発生する微小短絡を検知する検査装置の演算部で実行される検査プログラムであって、前記二次電池の材料の特性を示す材料データを取得する材料データ取得処理と、前記二次電池の電極箔に活物質を含む合材を塗工して電極板を形成する源泉工程における前記電極板の測定値を含む源泉工程データを取得する源泉工程データ取得処理と、前記材料データと前記源泉工程データを用いて検査対象の前記二次電池の充電率と開回路電圧との関係を示す予測式を生成する予測式生成処理と、ケース内に電極体を封入する組立工程、及び、組立後の前記二次電池内の活物質を活性化させる活性化工程を終えた前記二次電池の開回路電圧を第1の開回路電圧として取得する第1の開回路電圧取得処理と、前記第1の開回路電圧を計測した後に予め決定された自己放電期間の間放電させる自己放電処理を行った後に前記二次電池の開回路電圧を第2の開回路電圧として取得する第2の開回路電圧取得処理と、前記予測式に前記第1の開回路電圧を適用して前記自己放電処理後の前記二次電池の開回路電圧の予測値である放電後予測電圧を算出する放電後予測電圧算出処理と、前記第1の開回路電圧と前記放電後予測電圧との差を電圧変動予測値として算出する予測値算出処理と、前記第1の開回路電圧と前記第2の開回路電圧との差を電圧変動実測値として算出する実測値算出処理と、前記電圧変動実測値と電圧変動予測値との差が予め設定した閾値以上となった前記二次電池を不良品として判定する判定処理と、を前記演算部に実行させる検査プログラム。
本発明にかかる検査方法の一態様は、組立後の二次電池内で発生する微小短絡を検知する検査方法であって、前記二次電池の材料の特性を示す材料データを取得する材料データ取得処理と、前記二次電池の電極箔に活物質を含む合材を塗工して電極板を形成する源泉工程における前記電極板の測定値を含む源泉工程データを取得する源泉工程データ取得処理と、前記材料データと前記源泉工程データを用いて検査対象の前記二次電池の充電率と開回路電圧との関係を示す予測式を生成する予測式生成処理と、ケース内に電極体を封入する組立工程、及び、組立後の前記二次電池内の活物質を活性化させる活性化工程を終えた前記二次電池の開回路電圧を第1の開回路電圧として取得する第1の開回路電圧取得処理と、前記第1の開回路電圧を計測した後に予め決定された自己放電期間の間放電させる自己放電処理を行った後に前記二次電池の開回路電圧を第2の開回路電圧として取得する第2の開回路電圧取得処理と、前記予測式に前記第1の開回路電圧を適用して前記自己放電処理後の前記二次電池の開回路電圧の予測値である放電後予測電圧を算出する放電後予測電圧算出処理と、前記第1の開回路電圧と前記放電後予測電圧との差を電圧変動予測値として算出する予測値算出処理と、前記第1の開回路電圧と前記第2の開回路電圧との差を電圧変動実測値として算出する実測値算出処理と、前記電圧変動実測値と電圧変動予測値との差が予め設定した閾値以上となった前記二次電池を不良品として判定する判定処理と、をコンピュータに実行させる検査方法。
本発明にかかる検査装置の一態様は、組立後の二次電池内で発生する微小短絡を検知する検査装置であって、前記二次電池の材料の特性を示す材料データを取得する材料データ取得処理部と、前記二次電池の電極箔に活物質を含む合材を塗工して電極板を形成する源泉工程における前記電極板の測定値を含む源泉工程データを取得する源泉工程データ取得処理部と、前記材料データと前記源泉工程データを用いて検査対象の前記二次電池の充電率と開回路電圧との関係を示す予測式を生成する予測式生成処理部と、ケース内に電極体を封入する組立工程、及び、組立後の前記二次電池内の活物質を活性化させる活性化工程を終えた前記二次電池の開回路電圧を第1の開回路電圧として取得する第1の開回路電圧取得処理と、前記第1の開回路電圧を計測した後に予め決定された自己放電期間の間放電させる自己放電処理を行った後に前記二次電池の開回路電圧を第2の開回路電圧として取得する第2の開回路電圧取得処理と、を行う電圧取得部と、前記予測式に前記第1の開回路電圧を適用して前記自己放電処理後の前記二次電池の開回路電圧の予測値である放電後予測電圧を算出する放電後電圧算出処理部と、前記第1の開回路電圧と前記放電後予測電圧との差を電圧変動予測値として算出する予測値算出処理部と、前記第1の開回路電圧と前記第2の開回路電圧との差を電圧変動実測値として算出する実測値算出処理と、前記電圧変動実測値と電圧変動予測値との差が予め設定した閾値以上となった前記二次電池を不良品として判定する判定処理と、を有する検査装置。
本発明の二次電池の検査プログラム、検査方法及び検査装置によれば、二次電池で生じる自己放電量の検査の効率を高めることができる。
二次電池の充電率と開回路電圧の関係を説明するグラフである。 正極比容量が充電率と開回路電圧の関係に与える影響を説明するグラフである。 負極BETが充電率と開回路電圧の関係に与える影響を説明するグラフである。 正極目付が充電率と開回路電圧の関係に与える影響を説明するグラフである。 負極目付が充電率と開回路電圧の関係に与える影響を説明するグラフである。 実施の形態1にかかる検査方法の手順を説明するフローチャートである。 実施の形態1にかかる検査方法による良否判定閾値と、比較例にかかる検査方法による良否判定閾値との違いを説明する図である。 実施の形態1にかかる検査装置のブロック図である。
説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、様々な処理を行う機能ブロックとして図面に記載される各要素は、ハードウェア的には、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、その他の回路で構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
また、上述したプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
実施の形態1
まず、実施の形態1にかかる検査方法において検査対象とする自己放電について説明する。二次電池では、端子に何も接続しない開回路状態であっても蓄積した電力が減少する自己放電現象がある。また、二次電池では、充電率(State Of Charge:SOC)の違いによって二次電池の正極端子と負極端子との間に生じる電圧である開回路電圧(Open Circuit Voltage:OCV)が変動する。
そこで、図1に二次電池の充電率と開回路電圧の関係を説明するグラフを示す。図1に示すグラフは、横軸を充電率、縦軸を開回路電圧とし、充電率に対する開回路電圧の関係を示す曲線(以下、SOC-OCVカーブと称す)が示されている。また、図1に示すグラフでは、二次電池の設計値から算出される基準電池のSOC-OCVカーブと、実際の二次電池から取得したSOC-OCVカーブとを示した。
そして、図1に示すSOC-OCVカーブから、自己放電により充電率が低下した場合、開回路電圧が低下することがわかる。自己放電量の検査では、自己放電処理の前後の開回路電圧の差に基づき自己放電量の大きさを判断する。
また、図1に示すように、実際の二次電池のSOC-OCVカーブは、基準電池のSOC-OCVカーブとズレを持つ。このズレは、例えば、材料のばらつき、工程の製造条件のばらつき等に起因して生じる。図1では、充電率が60%の前後の領域のSOC-OCVカーブの拡大図を示した。この拡大図からは、同じ開回路電圧であっても、充電率に2%程度の差が生じていることがわかる。このようなSOC-OCVカーブのズレを以下では、SOC-OCV誤差と称す。
ここで、SOC-OCV誤差の要因として考えられるパラメータについて説明する。以下で説明するパラメータは、SOC-OCV誤差の要因となる一部のパラメータであり、他のパラメータのばらつきでもSOC-OCV誤差は生じる。以下で説明するパラメータは、SOC-OCV誤差への影響が比較的大きなものを選んだものである。また、以下で説明するSOC-OCV誤差は、充電率が60%近傍で生じる誤差を選択したものである。
まず、図2に正極比容量が充電率と開回路電圧の関係に与える影響を説明するグラフを示す。正極比容量は、正極に塗工される活物質から取り出せるエネルギー量を意味するパラメータであり、1gの活物質中に含まれる材料から論理的に計算されるものである。正極比容量は、材料データに含まれるパラメータである。図2に示すように、正極比容量が大きくなるほどSOC-OCVカーブのズレが負の方向(例えば、同一の開回路電圧に対して充電率が高くなる方向)に大きくなる。また、図2に示す例では、複数の測定結果をプロットし、このプロットした測定結果の二乗平均から得られる直線の関数を示した。正極比容量のSOC-OCVカーブへの影響度を示す関数は、ズレ量(%)をy、正極比容量の大きさをxとした場合、y=-0.33x+48.89となる。以下の説明では、正極比容量のSOC-OCVカーブへの影響度を示す関数の傾きをα1とする。図2に示す例では、α1=-0.33となる。
次いで、図3に負極BETが充電率と開回路電圧の関係に与える影響を説明するグラフを示す。正極目付は、負極活物質に関してBET法で測定した比表面積である。負極BETは、材料データに含まれるパラメータである。図3に示すように、負極BETが大きくなるほどSOC-OCVカーブのズレが小さくなる。また、図3に示す例では、複数の測定結果をプロットし、このプロットした測定結果の二乗平均から得られる直線の関数を示した。負極BETのSOC-OCVカーブへの影響度を示す関数は、ズレ量(%)をy、負極BETの大きさをxとした場合、y=0.36x-2.13となる。以下の説明では、負極BETのSOC-OCVカーブへの影響度を示す関数の傾きをα2とする。図3に示す例では、α3=0.36となる。
次いで、図4に正極目付が充電率と開回路電圧の関係に与える影響を説明するグラフを示す。正極目付は、正極箔に塗工される正極活物質の目付量である。正極目付は、源泉工程データに含まれるパラメータである。図4に示すように、正極目付が大きくなるほどSOC-OCVカーブのズレが負の方向に大きくなる。また、図4に示す例では、複数の測定結果をプロットし、このプロットした測定結果の二乗平均から得られる直線の関数を示した。正極目付のSOC-OCVカーブへの影響度を示す関数は、ズレ量(%)をy、正極目付の大きさをxとした場合、y=-4.47x+48.89となる。以下の説明では、正極目付のSOC-OCVカーブへの影響度を示す関数の傾きをα3とする。図4に示す例では、α3=-4.47となる。
次いで、図5に負極目付が充電率と開回路電圧の関係に与える影響を説明するグラフを示す。負極目付は、負極箔に塗工される負極活物質の目付量である。負極目付は、源泉工程データに含まれるパラメータである。図5に示すように、負極目付が大きくなるほどSOC-OCVカーブのズレが小さくなる。また、図5に示す例では、複数の測定結果をプロットし、このプロットした測定結果の二乗平均から得られる直線の関数を示した。負極目付のSOC-OCVカーブへの影響度を示す関数は、ズレ量(%)をy、負極目付の大きさをxとした場合、y=0.18x-2.13となる。以下の説明では、負極目付のSOC-OCVカーブへの影響度を示す関数の傾きをα4とする。図4に示す例では、α4=0.18となる。
実施の形態1にかかる検査方法では、例えば、図2~図4で示した傾きα1~α4を用いて(1)式で示す予測式を生成し、SOC-OCVカーブのズレ量であるΔSOC-OCVを算出する。なお、(1)式における各項のΔの項は、設計時に設定したセンター値からのズレ量が適用される。
ΔSOC-OCV=α1*Δ正極比容量+α2*Δ負極BET
+α3*Δ正極目付+α4*Δ負極目付 ・・・ (1)
実施の形態1にかかる検査方法では、この(1)式を用いて、自己放電処理前の開回路電圧(例えば、第1の開回路電圧V1)に対応する自己放電処理後の開回路電圧(例えば、第2の開回路電圧V2)の予測値である放電後予測電圧V2iを算出する。また、実施の形態1にかかる検査方法では、第1の開回路電圧V1と放電後予測電圧V2iとの差分を電圧変動予測値とし、第1の開回路電圧V1と第2の開回路電圧V2との差分を電圧変動実測値とする。そして、実施の形態1にかかる検査方法では、電圧変動予測値と電圧変動実測値との差分として算出される判定対象値が予め設定した閾値以上となった二次電池を不良品として排除し、判定対象値が閾値未満の二次電池を後工程へ送る。
そこで、図6に実施の形態1にかかる検査方法の手順を説明するフローチャートを示し、図6を参照して実施の形態1にかかる検査方法について詳細に説明する。なお、二次電池の製造工程には複数の検査工程が含まれるが、図6では、二次電池の製造工程に含まれる検査のうち自己放電検査のみを示した。
図6に示すように、実施の形態1にかかる検査方法では、まず、二次電池の製造に使われる材料の特性を示す材料データを取得する材料データ取得処理を行う(ステップS1)。その後、二次電池の電極箔に活物質を含む合材を塗工して電極板を形成する源泉工程を実施し(ステップS2)、この源泉工程で形成される電極板の測定値を含む源泉工程データを取得する源泉工程データ取得処理を行う(ステップS3)。
次いで、二次電池の製造では、源泉工程で形成された電極板を用いて二次電池を組み立てる組立工程(ステップS4)と、組み立てた後の二次電池を活性化する活性化工程が実施される(ステップS5)。この活性化工程では、二次電池に対する初充電、エージング、及び、冷却が行われる。また、この活性化工程においては、予め設定した充電率となるように充電率が調整される。
そして、活性化工程が完了した後の二次電池の開回路電圧を第1の開回路電圧V1として測定する第1の開回路電圧取得処理を行う(ステップS6)。その後、予め決定された自己放電期間の間放電させる自己放電処理を行い(ステップS7)、自己放電処理後の二次電池の開回路電圧を第2の開回路電圧V2として取得する第2の開回路電圧取得処理を行う(ステップS8)。そして、実施の形態1にかかる検査方法では、ステップS6で取得した第1の開回路電圧V1とステップS8で取得した第2の開回路電圧V2との差を電圧変動実測値(例えば、ΔV実測値)として算出する実測値算出処理を行う(ステップS9)。
さらに、ステップS6~S9と並行した処理として、実施の形態1にかかる検査方法では、ステップS10~S12を実施する。ステップS10では、ステップS1で取得した材料データとステップS3で取得した源泉工程データを用いて検査対象の二次電池の充電率と開回路電圧との関係を示す予測式を生成する予測式生成処理を行う(ステップS10)。なお、ステップS10の予測式は、例えば、上記した(1)式である。そして、ステップS10で生成した予測式に第1の開回路電圧V1を適用して自己放電処理後の二次電池の開回路電圧の放電後予測電圧を算出する放電後予測電圧算出処理を行う(ステップS11)。その後、ステップS6で取得した第1の開回路電圧V1とステップS11で算出した放電後予測電圧V2iとの差分を電圧変動予測値(例えば、ΔV予測値)として算出する予測値算出処理を行う(ステップS12)。
次いで、実施の形態1にかかる検査方法では、ステップS9で算出したΔV実測値とステップS12で算出したΔV予測値との差を判定対象値として算出し(ステップS13)、判定対象値が予め設定した閾値とを比較する(ステップS14)。このステップS14において判定対象値が閾値未満であれば検査対象の二次電池を良品と判定し(ステップS15)、探偵低床値が閾値以上であれば検査対象の二次電池を不良品として判定する(ステップS16)。このステップS15で良品として判定された二次電池は、後続の工程に送られ、ステップS16で不良品と判定された二次電池は廃棄される。
ここで、実施の形態1にかかる検査方法による良否判定閾値について説明する。そこで、図7に実施の形態1にかかる検査方法による良否判定閾値と、比較例にかかる検査方法による良否判定閾値との違いを説明する図を示す。ここで、比較例にかかる検査方法では、ΔV予測値を用いずにΔV実測値のみを用いた自己放電量の良否判定を行うものである。図7に示すように、ΔV実測値のみで自己放電量の良否判定を行う場合、材料ばらつき及び製造工程のばらつきを考慮して、良品として判定できる良否判定閾値の範囲を狭く設定する必要がある。一方、実施の形態1にかかる検査方法では、材料ばらつきと製造ばらつきを考慮したΔV予測値と、ΔV実測値と、の差分と予め設定した閾値とを比較することで、材料ばらつきと製造ばらつきを考慮したマージンを狭く設定するこができるため、良否判定閾値の範囲を広く取ることができる。
ここで、実施の形態1にかかる検査方法は、コンピュータの演算部で検査プログラムを実行する、或いは、上記した各処理を実施可能なハードウェアを備えた検査装置として実装することで実現することができる。そこで、図8に実施の形態1にかかる検査装置1のブロック図を示す。なお、検査プログラムは、図8に示した各ブロックの処理をコンピュータの演算部に実施させるものである。
図8に示すように、実施の形態1にかかる検査装置1は、材料データ取得処理部11、源泉工程データ取得処理部12、予測式生成処理部13、電圧取得部14、放電後予測電圧算出処理部15、予測値算出処理部16、実測値算出処理部17、判定処理部18を有する。
材料データ取得処理部11は、二次電池の材料の特性を示す材料データを取得する。源泉工程データ取得処理部12は、二次電池の電極箔に活物質を含む合材を塗工して電極板を形成する源泉工程における電極板の測定値を含む源泉工程データを取得する。予測式生成処理部13は、材料データと源泉工程データを用いて検査対象の二次電池の充電率と開回路電圧との関係を示す予測式を生成する。予測式生成処理部13が生成する予測式の一例は(1)式で示した式である。
電圧取得部14は、ケース内に電極体を封入する組立工程、及び、組立後の二次電池内の活物質を活性化させる活性化工程を終えた二次電池の開回路電圧を第1の開回路電圧VV1として取得する第1の開回路電圧取得処理と、第1の開回路電圧V1を計測した後に予め決定された自己放電期間の間放電させる自己放電処理を行った後に二次電池の開回路電圧を第2の開回路電圧V2として取得する第2の開回路電圧取得処理と、を行う。
放電後予測電圧算出処理部15は、予測式に第1の開回路電圧V1を適用して自己放電処理後の二次電池の開回路電圧の予測値である放電後予測電圧V2iを算出する。予測値算出処理部16は、第1の開回路電圧V1と放電後予測電圧V2iとの差を電圧変動予測値(例えば、ΔV予測値)として算出する。実測値算出処理部17は、第1の開回路電圧V1と第2の開回路電圧V2との差を電圧変動実測値(例えば、ΔV実測値)として算出する。判定処理部18は、電圧変動実測値(例えば、ΔV実測値)と電圧変動予測値(例えば、ΔV予測値)との差が予め設定した閾値以上となった二次電池を不良品として判定する。
上記説明より、実施の形態1にかかる検査方法を適用することで、材料データ及び源泉工程データを適用した予測式を用いてΔV予測値を生成して、ΔV実測値からΔV予測値を引くことで、判定対象値から材料ばらつきと製造ばらつきに関する成分が低減されるため、良否判定閾値を広く設定することができる。つまり、実施の形態1にかかる検査方法では、良否判定精度を高くすることができる。これにより、実施の形態1にかかる検査方法では、本来良品とすべき製品を精度良く良品と判定することができるため、製造歩留まりを向上させることができる。
また、実施の形態1にかかる検査方法では、予め電池容量を計測する等の判定精度を高めるための処理を必要としないため、工程に要する時間が長くなることはない。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 検査装置
11 材料データ取得処理部
12 源泉工程データ取得処理部
13 予測式生成処理部
14 電圧取得部
15 放電後予測電圧算出処理部
16 予測値算出処理部
17 実測値算出処理部
18 判定処理部

Claims (6)

  1. 組立後の二次電池内で発生する微小短絡を検知する検査装置の演算部で実行される検査プログラムであって、
    前記二次電池の材料の特性を示す材料データを取得する材料データ取得処理と、
    前記二次電池の電極箔に活物質を含む合材を塗工して電極板を形成する源泉工程における前記電極板の測定値を含む源泉工程データを取得する源泉工程データ取得処理と、
    前記材料データと前記源泉工程データを用いて検査対象の前記二次電池の充電率と開回路電圧との関係を示す予測式を生成する予測式生成処理と、
    ケース内に電極体を封入する組立工程、及び、組立後の前記二次電池内の活物質を活性化させる活性化工程を終えた前記二次電池の開回路電圧を第1の開回路電圧として取得する第1の開回路電圧取得処理と、
    前記第1の開回路電圧を計測した後に予め決定された自己放電期間の間放電させる自己放電処理を行った後に前記二次電池の開回路電圧を第2の開回路電圧として取得する第2の開回路電圧取得処理と、
    前記予測式に前記第1の開回路電圧を適用して前記自己放電処理後の前記二次電池の開回路電圧の予測値である放電後予測電圧を算出する放電後予測電圧算出処理と、
    前記第1の開回路電圧と前記放電後予測電圧との差を電圧変動予測値として算出する予測値算出処理と、
    前記第1の開回路電圧と前記第2の開回路電圧との差を電圧変動実測値として算出する実測値算出処理と、
    前記電圧変動実測値と電圧変動予測値との差が予め設定した閾値以上となった前記二次電池を不良品として判定する判定処理と、
    を前記演算部に実行させる検査プログラム。
  2. 前記材料データは、正極比容量、及び、負極活物質のBET法で測定した比表面積の少なくとも1つが含まれる請求項1に記載の検査プログラム。
  3. 前記源泉工程データは、正極目付、及び、負極目付の少なくとも1つが含まれる請求項2に記載の検査プログラム。
  4. 前記源泉工程データは、正極比容量、正極目付、及び、負極目付の少なくとも1つが含まれる請求項1に記載の検査プログラム。
  5. 組立後の二次電池内で発生する微小短絡を検知する検査方法であって、
    前記二次電池の材料の特性を示す材料データを取得する材料データ取得処理と、
    前記二次電池の電極箔に活物質を含む合材を塗工して電極板を形成する源泉工程における前記電極板の測定値を含む源泉工程データを取得する源泉工程データ取得処理と、
    前記材料データと前記源泉工程データを用いて検査対象の前記二次電池の充電率と開回路電圧との関係を示す予測式を生成する予測式生成処理と、
    ケース内に電極体を封入する組立工程、及び、組立後の前記二次電池内の活物質を活性化させる活性化工程を終えた前記二次電池の開回路電圧を第1の開回路電圧として取得する第1の開回路電圧取得処理と、
    前記第1の開回路電圧を計測した後に予め決定された自己放電期間の間放電させる自己放電処理を行った後に前記二次電池の開回路電圧を第2の開回路電圧として取得する第2の開回路電圧取得処理と、
    前記予測式に前記第1の開回路電圧を適用して前記自己放電処理後の前記二次電池の開回路電圧の予測値である放電後予測電圧を算出する放電後予測電圧算出処理と、
    前記第1の開回路電圧と前記放電後予測電圧との差を電圧変動予測値として算出する予測値算出処理と、
    前記第1の開回路電圧と前記第2の開回路電圧との差を電圧変動実測値として算出する実測値算出処理と、
    前記電圧変動実測値と電圧変動予測値との差が予め設定した閾値以上となった前記二次電池を不良品として判定する判定処理と、
    をコンピュータに実行させる検査方法。
  6. 組立後の二次電池内で発生する微小短絡を検知する検査装置であって、
    前記二次電池の材料の特性を示す材料データを取得する材料データ取得処理部と、
    前記二次電池の電極箔に活物質を含む合材を塗工して電極板を形成する源泉工程における前記電極板の測定値を含む源泉工程データを取得する源泉工程データ取得処理部と、
    前記材料データと前記源泉工程データを用いて検査対象の前記二次電池の充電率と開回路電圧との関係を示す予測式を生成する予測式生成処理部と、
    ケース内に電極体を封入する組立工程、及び、組立後の前記二次電池内の活物質を活性化させる活性化工程を終えた前記二次電池の開回路電圧を第1の開回路電圧として取得する第1の開回路電圧取得処理と、前記第1の開回路電圧を計測した後に予め決定された自己放電期間の間放電させる自己放電処理を行った後に前記二次電池の開回路電圧を第2の開回路電圧として取得する第2の開回路電圧取得処理と、を行う電圧取得部と、
    前記予測式に前記第1の開回路電圧を適用して前記自己放電処理後の前記二次電池の開回路電圧の予測値である放電後予測電圧を算出する放電後電圧算出処理部と、
    前記第1の開回路電圧と前記放電後予測電圧との差を電圧変動予測値として算出する予測値算出処理部と、
    前記第1の開回路電圧と前記第2の開回路電圧との差を電圧変動実測値として算出する実測値算出処理と、
    前記電圧変動実測値と電圧変動予測値との差が予め設定した閾値以上となった前記二次電池を不良品として判定する判定処理と、
    を有する検査装置。
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