JP2024049450A - 汚泥処理水のリン除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、汚泥脱水処理後の汚泥処理水のリン除去方法に関し、詳しくは汚泥に水溶性高分子を使用する薬品処方により凝集処理と共に汚泥処理水のリンを除去する方法を提供すること。【解決手段】pH8.0以上の汚泥に、有機凝結剤を添加、混合攪拌後、高分子凝集剤を添加、汚泥脱水処理することで汚泥処理水のリン除去することが可能となる。有機凝結剤のpH7におけるカチオン当量値が、3.0~22.0meq/gであることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、汚泥を脱水処理した後の汚泥処理水のリン除去方法に関する。詳しくは、水溶性高分子を用いて汚泥の脱水処理を行なうと共に汚泥中にリンを取り込み汚泥から分離した処理水に放出されるリンを除去する方法に関する。
主に生活由来のリンが下水道に流入し集約される結果、汚泥に含まれるリンが増加している。汚泥を処理する際にリンが汚泥の処理水に放出されると処理水水質の悪化の原因となるばかりか、放流先水域に流出すると、富栄養化が進行するため除去する必要がある。一方、リンの原料となるリン鉱石で採掘可能なものは今後数十年で枯渇すると予測されている。そこで、再利用が可能なリンの回収が要望され、汚泥からリンを回収する技術が検討されており、そのためにもリンを汚泥から放出することなく汚泥中に取り込む必要がある。
一般的に、下水から沈降させた初沈生汚泥、活性汚泥槽からの流出水から沈降させた余剰汚泥あるいは混合生汚泥、嫌気消化処理した消化汚泥あるいは畜産汚泥等の汚泥の脱水処理として高分子凝集剤が使用されている。
特許文献1では、有機性汚泥にポリ硫酸鉄を添加混合後、pH調整剤でpHを酸性側に調整し、次に有機性高分子凝集剤を添加し機械脱水機で脱水処理する汚泥の脱水処理法が開示されており、汎用技術の一つである。
しかし、ポリ硫酸鉄の様な無機凝集剤と高分子凝集剤を使用すると汚泥中にリンを取り込む一定の効果は認められるものの無機凝集剤によるスケールの発生やスラッジボリュームが増加する等の問題点がある。更には、無機汚泥は有効利用が出来ずに、焼却処分や埋め立て処分されるケースが殆どであった。
又、特許文献2の様に無機凝集剤を使用せず有機凝結剤と高分子凝集剤を使用する汚泥脱水処方が開示されている。しかし、有機凝結剤の使用に関して無機凝集剤の様なリン除去についての報告はなされていない。
そこで、汚泥脱水処方において、汚泥の脱水処理と共に汚泥中にリンを取り込み処理水へのリン放出を防ぐことができる汚泥脱水処方が要望されている。
特開昭58-51998号公報 特開2018-034083号公報
本発明の課題は、汚泥脱水処理後の処理水中のリン除去方法に関し、詳しくは汚泥に水溶性高分子を使用する薬品処方により凝集処理と共に汚泥中にリンを取り込み、汚泥処理水中に放出されるリンを除去する方法に関することである。
上記課題を解決するため本発明者は鋭意検討を重ねた結果、特定の条件下で特定の水溶性高分子二種以上を汚泥に添加することで、汚泥中のリン捕捉効果が高まり、処理水に放出されるリンを除去する効果が優れ、前記課題を解決できることを発明し本発明に至った。
本発明における特定の条件下で特定の水溶性高分子を使用する処方は、汚泥に対する凝集処理効果と同時に、汚泥処理水の優れたリン除去効果を達成することができる。
本発明における汚泥処理水のリン除去方法は、特定の水溶性高分子として有機凝結剤と高分子凝集剤を使用する。一般的に有機凝結剤の機能は、マイナスに帯電して分散している懸濁粒子の表面電荷を中和して凝結させる作用を有するものであり、この作用機能を発揮させるために、比較的カチオン密度(カチオン当量値)が高く、低い分子量の高分子が有機凝結剤として適用される。
一方、高分子凝集剤は、懸濁粒子に対する架橋吸着作用によって微細粒子を凝集させて粗大なフロックを形成させる作用を有するため、有機凝結剤に比べて分子量が高いものが使用される。本発明においても、それぞれ単独でこれら作用を有するものを使用する。有機凝結剤としては、一般的に使用されているものが使用可能であり、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート系高分子、ジアリルアミン系高分子、縮合系アミン系高分子、エチレンイミン系高分子、ビニルアミン系高分子、ジシアンジアミド系高分子等が挙げられる。これらの中でもジアリルアミン系高分子、縮合系アミン系高分子、エチレンイミン系高分子が好ましい。これら有機凝結剤を二種以上組み合わせて使用することも可能である。
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート系高分子として、製造する際に使用する、カチオン性単量体のうち三級アミノ基含有カチオン性単量体の例としてはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びこれらの塩等が挙げられ、四級アンモニウム塩基含有カチオン性単量体の例として、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシ2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。これらカチオン性単量体単独での重合体、カチオン性単量体二種以上の重合体、カチオン性単量体と非イオン性単量体との共重合体でも良い。非イオン性単量体として、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等が挙げられ、これらの中で一種以上のものとカチオン性単量体との共重合体を使用できる。
更にこれらのジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート系高分子は、カチオン性構成単位の効果を阻害しない範囲でアニオン性単量体を使用しても良い。アニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、2-アクリルアミド-2-メチルスルフォン酸、マレイン酸、及びこれらの塩が挙げられる。
これら、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート系高分子の重量平均分子量は、1万~200万の範囲が好ましい。
ジアリルアミン系高分子として使用する単量体は、アリルアミン、ジアリルメチルアミンおよびこれらの塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。これら単独で重合したもの、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート系高分子を製造する際に使用されるカチオン性単量体、非イオン性単量体あるいはアニオン性単量体から選択される一種以上と任意に共重合したものも適用できる。重量平均分子量は、1万~300万の範囲が好ましく、1万~200万がより好ましい。
縮合系アミン系高分子としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどとエピクロロヒドリンとの縮合物、あるいは、上記脂肪族アミン/エピクロロヒドリン縮合物をさらにエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンあるいはヘキサメチレンジアミンと縮合させたものなどが挙げられる。重量平均分子量は、1000~10万の範囲が好ましい。
エチレンイミン系高分子としては、ポリエチレンイミンあるいはポリエチレンイミン変生物等が挙げられる。重量平均分子量は、1万~200万の範囲が好ましい。
ビニルアミン系高分子としては、N-ビニルカルボン酸アミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド等を必須モノマーとする重合体の酸またはアルカリ変性物からなるポリビニルアミンやビニルアミン単位と前記ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート系高分子を製造する際に使用されるカチオン性単量体、アニオン性単量体、非イオン性単量体から選択される一種以上との共重合体が挙げられる。重量平均分子量は、1万~200万の範囲が好ましい。
ジシアンジアミド系高分子としては、水溶性のジシアンジアミド・ホルムアルデヒド縮合物あるいはジシアンジアミド・ホルムアルデヒド・塩化アンモニウム縮合物が挙げられる。基本的には、酸あるいはそのアンモニウム塩の存在下で、ジシアンジアミドにホルムアルデヒドを加え、縮合させた生成物である。重量平均分子量は、1万~50万の範囲が好ましい。
これら有機凝結剤のpH7におけるカチオン当量値は3.0meq/g以上が好ましい。3.0~22.0meq/gが好ましい範囲である。5.0~22.0meq/gが特に好ましい。これは汚泥のpH8.0以上の場合にも有効なカチオン当量が残存し本発明における効果を発現するためである。
本発明においては、有機凝結剤の高分子濃度が0.5質量%になるように完全溶解したときの25℃において回転粘度計にて測定した4質量%食塩水溶液粘度(SLV)が、分子量の指標とすることができる。本発明における有機凝結剤は、SLVが1~50mPa・sが好ましい範囲である。B型粘度計としては東京計器製B8M等が使用される。
本発明においては、有機凝結剤添加後に高分子凝集剤を添加する。高分子凝集剤として、下記一般式(1)で表されるカチオン性単量体0~100モル%、下記一般式(2)で表されるアニオン性単量体0~100モル%、非イオン性単量体0~100モル%を構成単位とする高分子からなる高分子凝集剤を使用することができる。
一般式(1)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1~3のアルキルあるいはアルコキシ基、Rは炭素数1~3のアルキルあるいはアルコキシ基、7~20のアルキル基あるいはアリール基、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2~4のアルキレン基を表わす、X は陰イオンをそれぞれ表わす。
一般式(2)
は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、QはSO 、CSO 、CONHC(CHCHSO 、CCOOあるいはCOO、Rは水素またはCOO 、YあるいはYは水素または陽イオンをそれぞれ表わす。
一般式(1)で表されるカチオン性単量体として、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートあるいはジメチルアミノプロピルアクリルアミドの塩化メチルや塩化エチルなど低級アルキル基のハロゲン化物による四級化物である。例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等である。これらを二種以上、組み合わせても差し支えない。
又、一般式(2)で表されるアニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸あるいはそのナトリウム塩等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、マレイン酸あるいはそのアルカリ金属塩、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアルカンスルホン酸あるいはそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩等が挙げられる。これらを二種以上、組み合わせても差し支えない。
非イオン性単量体として、(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。これらを二種以上、組み合わせても差し支えない。
一般式(1)の重合あるいは非イオン性単量体との共重合により製造されたカチオン性高分子、一般式(2)の重合あるいは非イオン性単量体との共重合により製造されたアニオン性高分子、一般式(1)と一般式(2)あるいは一般式(1)と一般式(2)と非イオン性単量体との共重合により製造された両性高分子、非イオン性単量体の重合により製造された非イオン性高分子の何れの組合せでの高分子凝集剤が適用できる。この中でも非イオン性単量体としてアクリルアミドを重合あるいはアクリルアミドと一般式(1)及び/又は一般式(2)と共重合により製造されたアクリルアミド系高分子凝集剤が好ましい。中でもカチオン性あるいはアニオン性のアクリルアミド系高分子凝集剤が好ましく、アニオン性のアクリルアミド系高分子凝集剤がより好ましい。これら高分子凝集剤の重量平均分子量は、300万~2000万が好ましい。
又、高分子凝集剤としてアミジン系高分子凝集剤を使用することができる。アミジン系高分子凝集剤としては、公知のものが使用でき、例えば、特開平5-192513号公報等で開示されている方法で製造されたものが挙げられる。重量平均分子量としては、100万~500万が好ましく、200万~500万が更に好ましい。
本発明における有機凝結剤及び高分子凝集剤の製品形態は特に制限はなく、公知の方法により製造することができる。例えば、水溶液重合、油中水型エマルジョン重合、油中水型分散重合、塩水中分散重合等によって重合した後、水溶液、塩水中分散液、油中水型エマルジョンあるいは粉末等、任意の製品形態にすることができる。
本発明における有機凝結剤及び高分子凝集剤を製造する際の重合時あるいは重合後、構造変性剤として架橋性単量体を使用しても良い。使用する場合は、架橋性単量体を単量体総量に対し、0.00005~0.050質量%の範囲内で存在させる。単量体組成や重合条件により異なるが、0.050質量%を超えると架橋が進行しすぎて水不溶性となるため本発明の用途としては好ましくはない。架橋性単量体の例としては、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリアリルアミン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸-1,3-ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、N-ビニル(メタ)アクリルアミド、N-メチルアリルアクリルアミド、アクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アクロレイン、グリオキザール、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられ、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミドが好ましく適用されている。
本発明におけるリン除去方法では、汚泥のpHが8.0以上である必要がある。pHが8.0より低い場合は8.0以上に調整する。pHの調整は有機凝結剤を添加する前でも良く、有機凝結剤と同時でも良い。又、有機凝結剤添加後、高分子凝集剤を添加するまでに調整しても良いが、有機凝結剤の添加前あるいは同時が好ましい。より大きな効果を発揮するにはpH8.5以上が好ましく、pH9.0以上が更に好ましい。pH13.0を超えてもそれ以上の大きな処理効果は得られ難く、又、汚泥によっては処理効果が低下する場合があるためpH13.0以下が好ましく、pH12.0以下がより好ましく、pH11.0以下が更に好ましい。pH調整により汚泥中のリンがリン酸イオンとなり、有機凝結剤がリン酸イオンと作用すると共に汚泥中の懸濁物質の電荷を中和、その後、高分子凝集剤の架橋吸着作用によりフロックが形成、形成フロック中にリンが捕捉され、汚泥処理水へのリンの除去効果が得られるという機構が考えられる。pH調整剤としてアルカリ剤を使用する。アルカリ剤は、消石灰(水酸化カルシウム)、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、炭酸カリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらの中から一種あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明におけるリン除去方法が適用可能な汚泥種は、製紙排水、化学工業排水、食品工業排水等の生物処理したときに発生する余剰汚泥、あるいは都市下水、し尿、産業排水の処理で生じる有機性汚泥(いわゆる生汚泥、余剰汚泥、混合生汚泥、消化汚泥、凝沈・浮上汚泥及びこれらの混合物)、畜産汚泥等、多種多様の汚泥に適用できる。汚泥脱水処理後は、ベルトプレス、遠心脱水機、スクリュープレス、多重円板型脱水機、ロータリープレス、フィルタープレス等の脱水機が任意に適用できる。本発明における有機凝結剤及び高分子凝集剤は、製品のままの状態で添加しても良いし、任意の濃度に水で溶解、希釈して汚泥に添加しても良い。溶解する場合は、一般的に溶解濃度0.05~0.3質量%を適用する。又、汚泥に対する添加率は、有機凝結剤は通常10~5000ppm、好ましくは50~2000ppmである。高分子凝集剤は通常1~1000ppm、好ましくは3~500ppmである。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
本発明における、有機凝結剤試料1~7を調製し準備した。これらの組成、物性を表1に示す。又、市販の高分子凝集剤試料A~Eを試験に用いた。
(表1)
Figure 2024049450000003
形態;AQ:水溶液重合体、P:粉末
0.5質量%塩水溶液粘度;高分子濃度が0.5質量%になるように完全溶解したときの25℃において回転粘度計にて測定した4質量%食塩水溶液粘度。
(実施例1-1~2)
下水消化汚泥(pH7.6、SS分13800mg/L、VSS77.5%/SS、VTS75.0%/SS、アニオン量9.25meq/g、濁度>1000NTU、全リン902mg/L)について凝集処理試験を実施した。汚泥100mLをビーカーに採取しジャーテスターにセット、苛性ソーダを所定量添加、pH9.0に調整、表1の有機凝結剤試料1の0.2質量%溶解液を対汚泥液量500ppm添加(高分子純分)、150rpm180秒撹拌後、高分子凝集剤試料A[アクリルアミド/アクリル酸(60/40モル%)共重合体、粉末品、重量平均分子量1200万)]の0.2質量%溶解液を対汚泥液量30ppm添加(高分子純分)、150rpm30秒、80rpm30秒、40rpm30秒攪拌した。撹拌停止3分後、上澄み液の濁度をJIS K 0102法に則り測定、全リンをJIS K 0102法に記載のモリブデン青吸光光度法に準じて測定した。
又、同じ汚泥を対象に有機凝結剤試料を替えて同様な試験を実施した。
更に汚泥のpH11.0に調整し、同様な試験を実施した。これらの結果を表2に示す。
(比較例1-1~3)
実施例1と同じ汚泥を対象に硫酸によりpH5.0あるいはpH7.0に調整し、実施例1と同様な試験を実施した。又、有機凝結剤に替えて無機凝集剤のポリ硫酸第二鉄、高分子凝集剤として高分子凝集剤試料B[アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド(20/80モル%)共重合体、粉末品、重量平均分子量600万)]を用いpH調整せずに実施例1と同様な試験を実施した。尚、ポリ硫酸第二鉄と高分子凝集剤試料Bの汚泥脱水処方は、当汚泥の処理が行われている下水処理場における現行処方である。これらの結果を表2に示す。
(表2)
Figure 2024049450000004
(実施例2-1~2)
下水余剰濃縮汚泥(pH6.4、SS分2735mg/L、VSS90.7%/SS、VTS87.7%/SS、アニオン量1.0meq/g、濁度>1000NTU、全リン55mg/L)について凝集処理試験を実施した。汚泥100mLをビーカーに採取しジャーテスターにセット、苛性ソーダを所定量添加、pH9.0に調整、表1の有機凝結剤試料1の0.2質量%溶解液を対汚泥液量250ppm添加(高分子純分)、150rpm180秒撹拌後、高分子凝集剤試料C[アクリルアミド/アクリル酸(80/20モル%)共重合体、粉末品、重量平均分子量1200万)]の0.2質量%溶解液を対汚泥液量8ppm添加(高分子純分)、150rpm30秒、80rpm30秒、40rpm30秒攪拌した。撹拌停止3分後、上澄み液の濁度をJIS K 0102法に則り測定、全リンをJIS K 0102法に記載のモリブデン青吸光光度法に準じて測定した。又、汚泥のpH11.0に調整し、同様な試験を実施した。これらの結果を表3に示す。
(比較例2-1~2)
実施例2と同じ汚泥を対象に硫酸あるいは苛性ソーダによりpH5.0あるいは7.0に調整し、実施例2と同様な試験を実施した。これらの結果を表3に示す。
(表3)
Figure 2024049450000005
(実施例3-1~2)
畜産余剰汚泥(pH6.9、SS分19250mg/L、VSS74.0%/SS、VTS67.9%/SS、アニオン量9.63meq/g、濁度>1000NTU、全リン690mg/L)について凝集処理試験を実施した。汚泥100mLをビーカーに採取しジャーテスターにセット、苛性ソーダを所定量添加、pH9.0に調整、表1の有機凝結剤試料1の0.2質量%溶解液を対汚泥液量1000ppm添加(高分子純分)、150rpm180秒撹拌後、高分子凝集剤試料D[アクリルアミド/アクリル酸(70/30モル%)共重合体、粉末品、重量平均分子量1200万)]の0.2質量%溶解液を対汚泥液量20ppm添加(高分子純分)、150rpm30秒、80rpm30秒、40rpm30秒攪拌した。撹拌停止3分後、上澄み液の濁度をJIS K 0102法に則り測定、全リンをJIS K 0102法に記載のモリブデン青吸光光度法に準じて測定した。又、汚泥のpH11.0に調整し、同様な試験を実施した。これらの結果を表4に示す。
(比較例3-1~2)
実施例3と同じ汚泥を対象に硫酸あるいは苛性ソーダによりpH5.0あるいは7.0に調整し、実施例3と同様な試験を実施した。又、有機凝結剤に替えて無機凝集剤のポリ硫酸第二鉄を用いてpH調整せずに実施例3と同様な試験を実施した。これらの結果を表4に示す。
(表4)
Figure 2024049450000006
(実施例4-1~2)
化学系余剰汚泥(pH7.3、SS分5030mg/L、VSS79.0%/SS、VTS53.9%/SS、アニオン量2.56meq/g、濁度>1000NTU、全リン220mg/L)について凝集処理試験を実施した。汚泥100mLをビーカーに採取しジャーテスターにセット、苛性ソーダを所定量添加、pH9.0に調整、表1の有機凝結剤試料1の0.2質量%溶解液を対汚泥液量500ppm添加(高分子純分)、150rpm180秒撹拌後、高分子凝集剤試料C[アクリルアミド/アクリル酸(80/20モル%)共重合体、市販粉末品、重量平均分子量1200万)]の0.2質量%溶解液を対汚泥液量20ppm添加(高分子純分)、150rpm30秒、80rpm30秒、40rpm30秒攪拌した。撹拌停止3分後、上澄み液の濁度をJIS K 0102法に則り測定、全リンをJIS K 0102法に記載のモリブデン青吸光光度法に準じて測定した。又、汚泥のpH11.0に調整し、同様な試験を実施した。これらの結果を表5に示す。
(比較例4-1~2)
実施例4と同じ汚泥を対象に硫酸によりpH5.0に調整あるいはpH調整せずに実施例4と同様な試験を実施した。これらの結果を表5に示す。
(表5)
Figure 2024049450000007
(実施例5-1)
畜産生汚泥(pH7.8、SS分17000mg/L、VSS79.4%/SS、VTS63.8%/SS、アニオン量8.50meq/g、全リン135mg/L)について脱水試験を実施した。汚泥200mLをポリビーカーに採取し、苛性ソーダを所定量添加、pH9.0に調整、実施例1の有機凝結剤試料1の0.2質量%水溶液を対汚泥液量100ppm添加(高分子純分)、スパチュラを使用し50回かき混ぜ撹拌後、高分子凝集剤試料D[アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド共重合体(80/20モル%)共重合体、エマルジョン品、重量平均分子量800万)]を対汚泥液量125ppm(高分子純分)添加、ビーカー移し替え30回撹拌後、40メッシュにて濾過し、60秒後の濾液量を測定した。その後、ナイロン製濾布(#202)を用いて汚泥をプレス圧3Kg/cmで60秒間脱水し、ケーキ含水率(105℃で20時間乾燥)を測定した。これらの結果を表6に示す。
(比較例5-1~2)
実施例5と同じ汚泥を対象にpH調整せずに、高分子凝集剤として試料Dあるいは高分子凝集剤試料E[アクリルアミド/アクリロイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロライド(80/20モル%)共重合体、エマルジョン品、重量平均分子量600万)]を用い実施例5と同様な試験を実施した。又、有機凝結剤に替えて無機凝集剤をポリ硫酸第二鉄、高分子凝集剤として試料Eを用い同様な試験を実施した。これらの結果を表6に示す。
(表6)
Figure 2024049450000008
本発明における汚泥pHを8.0以上に調整し、有機凝結剤添加後、高分子凝集剤を添加し試験した凝集処理試験あるいは脱水試験の何れの実施例においても、凝集処理効果並びに汚泥脱水効果が比較例に比べて同等以上を示した。本発明の方法では、汚泥処理水の水質が優れ、全リン回収率が高く汚泥に取り込まれるリンの捕捉効果が高く、無機凝集剤を使用しなくても汚泥処理水からのリン除去効果が高いことが確認できた。本発明の方法を適用することで、汚泥処理水へ放出されるリンが除去でき水質を改善でき、汚泥に捕捉されたリンの回収が期待できる。



Claims (4)

  1. pH8.0以上の汚泥に有機凝結剤を添加、混合攪拌後、高分子凝集剤を添加し汚泥脱水処理することを特徴とする汚泥処理水のリン除去方法。
  2. 前記汚泥にアルカリ剤を添加してpH8.0以上に調整することを特徴とする請求項1に記載の汚泥処理水のリン除去方法。
  3. 前記有機凝結剤のpH7におけるカチオン当量値が、3.0~22.0meq/gであることを特徴とする請求項1に記載の汚泥処理水のリン除去方法。
  4. 前記高分子凝集剤がアクリルアミド系高分子凝集剤及びアミジン系高分子凝集剤から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の汚泥処理水のリン除去方法。

























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