JP2007038177A - 廃水処理剤及び廃水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】難処理性の廃水において、確実に廃水中に含有される物質を除去し、かつ大きなフロックを形成することにより、固液分離を容易にすることができる廃水処理剤及び廃水処理方法を提供する。
【解決手段】スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩、20質量%水溶液の25℃における粘度が1〜300mPa・sであるカチオン性重合物及び高分子凝集剤を組み合わせてなることを特徴とする廃水処理剤、及び、廃水に、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩を添加し、次いで20質量%水溶液の25℃における粘度が1〜300mPa・sであるカチオン性重合物を添加し、さらに高分子凝集剤を添加して、凝集沈殿することを特徴とする廃水処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、廃水処理剤及び廃水処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、各種製造業やクリーニング業から排出される酢酸ビニル樹脂系エマルジョン廃水、アクリル樹脂系エマルジョン廃水、ワックス系エマルジョン廃水や、鉄鋼、金属、機械、自動車などの分野における切削液廃水、バレル研磨廃水などの金属加工廃水、さらに製紙工程や繊維加工工程からの廃水などの廃水処理に有用な廃水処理剤及び廃水処理方法に関する。
酢酸ビニル樹脂系エマルジョン廃水やアクリル樹脂系エマルジョン廃水などは、各樹脂と数パーセントの界面活性剤を水で混合したものであるために、未処理のまま放流した場合には、放流先が下水道であっても、樹脂の付着による配管の閉塞などが発生するおそれがある。これらの樹脂は非水溶性であり、エマルジョンの状態で水に分散していることから、従来、硫酸バンドやポリ塩化アルミニウムなどの無機系凝集剤と有機高分子凝集剤での処理が試みられているが、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂などを凝集沈殿させて確実に除去することは困難であった。このために、無機凝集剤と高分子凝集剤に加えて他の薬剤を使用する廃水の処理方法が検討されている。
例えば、高分子エマルジョンを含む廃水を凝集処理し、凝集物のフロック強度が強く、微細化することがなく、極めて清澄度の高い処理水が得られ、凝集物を容易に速やかに水より分離できる廃水の処理方法として、高分子エマルジョンを含む廃水に、無機凝集剤及び中和剤を添加し、一次凝集物を生成したのち、水溶性高分子カルボン酸塩、多価金属塩をそれぞれ廃水に順次添加して二次凝集物を生成したのち、有機高分子凝集剤を添加し、三次凝集物を生成させる高分子エマルジョン含有廃水の処理方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この処理方法は工程数が多く、凝集させたフロックが微細化しやすく、分離された水に色や濁りが残り、清澄度が低くなりやすいという問題がある。
機械工業などにおける切削工程やバレル研磨工程においては、切削油を混入させた大量の冷却水からなるクーラントが使用され、このとき金属の切削くず、水、油が混在する廃棄物が多量に排出される。この種の廃水はCODや油分濃度が高く、しかも油分がエマルジョン状態で含有されているために、廃水処理が非常に困難である。
切削加工や研削加工に用いられる水溶性クーラントの廃液の処理方法として、例えば、廃液に酸を加えてエマルジョンを破壊したのち、硫酸バンドと酸化マグネシウムとの中の少なくとも酸化マグネシウムを加えるとともに塩基を加えて凝集反応を起こさせ、しかる後に高分子凝集剤を加えて凝集フロックを肥大化させる水溶性クーラント廃液の処理方法が提案されている(特許文献2)。しかし、エマルジョン破壊のためにpH3〜5という強酸性側での酸処理が必要なために、処理装置の腐食を引き起こしたり、凝集処理を行う際に中和処理を行うために、破壊したエマルジョンの一部が再び乳化して、凝集沈殿ができなくなるという問題がある。
製紙工業においては、上質紙、コート紙、その他塗工紙などは、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタンなどの無機鉱物質粉末が充填又は塗工され、これらの抄紙時に発生する排水にも、上記の無機鉱物質粉末が含まれる。従来、硫酸バンドやポリ塩化アルミニウムなどの無機凝集剤とポリアクリルアミドなどのアニオン性高分子凝集剤とを併用して凝集沈殿し、脱水処理が試みられているが、無機凝集剤によって排水のpHが低下し、良好な凝集を行うために、多量のアルカリによって排水のpHを中性に調整する必要があり、経済的に好ましくない。さらに、上記の無機鉱物質粉末の多くは、極めて微細な粒子からなるために、高分子凝集剤による凝集や脱水が容易でなく、特に抄紙中にデンプンその他の天然あるいは合成高分子化合物を紙力増強剤として添加した場合には、これらが保護コロイド作用を呈し、無機鉱物質粉末の凝集や脱水を一層困難にしており、凝集沈殿処理の処理水や脱水処理の濾過水が白濁する。
無機鉱物質粉末を多量に含んだ塗工排水をpH調整を必要とせず、凝集状態や処理水水質が良好で、優れた脱水処理が可能な塗工排水の処理方法として、塗工排水にスルホン化芳香族化合物のホルマリン縮合物を添加し、次いで高分子凝集剤を添加したのち、機械脱水する塗工排水の処理方法が提案されている(特許文献3)。しかし、この方法では、凝集させたフロックが微細化しやすく、分離された水に色や濁りが残り、清澄度が低くなるなどの問題がある。
特開平11−57741号公報(第2頁) 特開昭63−256106号公報(第1頁) 特開2004−16963号公報(第2頁)
本発明は、難処理性の廃水において、確実に廃水中に含有される物質を除去し、かつ大きなフロックを形成することにより、固液分離を容易にすることができる廃水処理剤及び廃水処理方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩と、低重合度のカチオン性重合物と、高分子凝集剤を組み合わせて用いることにより、廃水処理剤として、確実に廃水中に含有される物質を除去し、かつ大きなフロックを形成して容易に固液分離することが可能となることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩、20質量%水溶液の25℃における粘度が1〜300mPa・sであるカチオン性重合物及び高分子凝集剤を組み合わせてなることを特徴とする廃水処理剤、
(2)カチオン性重合物に、無機凝集剤が添加された(1)記載の廃水処理剤、
(3)廃水に、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩を添加し、次いで20質量%水溶液の25℃における粘度が1〜300mPa・sであるカチオン性重合物を添加し、さらに高分子凝集剤を添加して、凝集沈殿することを特徴とする廃水処理方法、及び、
(4)廃水に、20質量%水溶液の25℃における粘度が1〜300mPa・sであるカチオン性重合物を添加し、次いでスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩を添加し、さらに高分子凝集剤を添加して、凝集沈殿することを特徴とする廃水処理方法、
を提供するものである。
本発明の廃水処理剤及び廃水処理方法によれば、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン廃水、アクリル樹脂系エマルジョン廃水、切削液廃水やバレル研磨廃水などをはじめ、一般的な無機系凝集剤や高分子凝集剤では凝集沈殿処理が困難な種々の廃水について、効果的かつ容易に凝集沈殿処理を行うことが可能となる。
本発明の廃水処理剤は、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩、20質量%水溶液の25℃における粘度が1〜300mPa・sであるカチオン性重合物及び高分子凝集剤を組み合わせてなる。
本発明に用いるスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩としては、例えば、ベンゼンスルホン酸若しくはその誘導体、ナフタレンスルホン酸若しくはその誘導体、フェノールスルホン酸若しくはその誘導体、ビスフェノールスルホン酸若しくはその誘導体などのスルホン化芳香族化合物を単独で、若しくは、これらの2種以上の混合物をホルムアルデヒド縮合した化合物又はこれらの塩、ベンゼン若しくはその誘導体、ナフタレン若しくはその誘導体、フェノール若しくはその誘導体、ビスフェノール若しくはその誘導体などを単独で、若しくは、これらの2種以上の混合物をホルムアルデヒド縮合した化合物をスルホン化した化合物又はこれらの塩などを挙げることができる。
ベンゼンスルホン酸若しくはその誘導体としては、例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などを挙げることができる。ナフタレンスルホン酸若しくはその誘導体としては、例えば、ナフタレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、ジメチルナフタレンスルホン酸などを挙げることができる。フェノールスルホン酸若しくはその誘導体としては、例えば、フェノールスルホン酸、クレゾールスルホン酸、ジメチルフェノールスルホン酸、ノニルフェノールスルホン酸などを挙げることができる。ビスフェノールスルホン酸若しくはその誘導体としては、例えば、ビスフェノールSスルホン酸、ビスフェノールAスルホン酸、ビフェノールスルホン酸などの無置換ビスフェノールスルホン酸、メチルビスフェノールSスルホン酸、ジメチルビスフェノールSスルホン酸、アリルビスフェノールSスルホン酸、ジアリルビスフェノールSスルホン酸、メチルビスフェノールAスルホン酸、ジメチルビスフェノールAスルホン酸、アリルビスフェノールAスルホン酸、ジアリルビスフェノールAスルホン酸、メチルビフェノールスルホン酸、ジメチルビフェノールスルホン酸などの置換ビフェノールスルホン酸などを挙げることができる。
ベンゼン若しくはその誘導体としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ドデシルベンゼンなどを挙げることができる。ナフタレン若しくはその誘導体としては、例えば、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレンなどを挙げることができる。フェノール若しくはその誘導体としては、フェノール、クレゾール、ジメチルフェノール、ノニルフェノールなどを挙げることができる。ビスフェノール若しくはその誘導体としては、例えば、ビスフェノールS、ビスフェノールA、ビフェノールなどの無置換ビスフェノール、メチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、アリルビスフェノールS、ジアリルビスフェノールS、メチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、アリルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールA、メチルビフェノール、ジメチルビフェノールなどの置換ビフェノールなどを挙げることができる。
これらの中で、ナフタレンスルホン酸誘導体若しくはビスフェノールスルホン酸誘導体のホルムアルデヒド縮合物又はこれらの塩は、廃水中の物質の除去性及び固液分離しやすいフロックの形成性が良好なので、特に好適に用いることができる。
スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物の塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、炭素数1〜20のアルキルアミン塩、炭素数2〜12のアルカノールアミン塩などを挙げることができる。アルカリ金属としては、例えば、リチウム、カリウム、ナトリウムなどを挙げることができる。アルカリ土類金属としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、バリウムなどを挙げることができる。炭素数1〜20のアルキルアミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどを挙げることができる。炭素数2〜12のアルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを挙げることができる。これらの塩の中で、アルカリ金属塩は、廃水処理効率が良好なので、特に好適に用いることができる。
本発明に用いるスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩の製造方法に特に制限はなく、例えば、スルホン化芳香族化合物とホルムアルデヒドとを、酸触媒又はアルカリ触媒の存在下で縮合反応させることができる。酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、蓚酸、トルエンスルホン酸などを挙げることができる。アルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることができる。アルカリ触媒を使用する場合には、反応系に存在するスルホン酸基に対する中和当量分とスルホン化芳香族化合物に対する0.1〜3当量分の総和となる量を使用することが好ましい。スルホン化芳香族化合物とホルムアルデヒドとを縮合反応させるに際して、溶媒として、水、アルコールなどを使用することができる。反応温度は、60〜120℃であることが好ましい。
本発明に用いる20質量%水溶液の25℃における粘度が1〜300mPa・sのカチオン性重合物としては、例えば、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの重合物、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレートなどとの共重合物、これらの重合物の4級化物、酸塩、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの重合物、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリルアミドなどとの共重合物、これらの重合物の4級化物、酸塩、ポリビニルアミンの酸塩、ポリアリルアミンの4級化物、酸塩、ジシアンジアミド縮合物、アミンとエピハロヒドリンの縮合物、アミンとジハライドの縮合物、ポリアルキレンイミンの酸塩、ポリアミドポリアミンの4級化物、酸塩などを挙げることができる。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの重合物、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレートなどとの共重合物、これらの重合物の4級化物、酸塩などに用いられるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。4級化に用いる4級化剤としては、例えば、メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、エチルブロマイド、プロピルクロライド、プロピルブロマイドなどのアルキルハライド、ベンジルクロライド、ベンジルブロマイド、メチルベンジルクロライド、メチルベンジルブロマイドなどのアラルキルハライド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などのジアルキル硫酸などを挙げることができる。酸塩を形成する酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸などを挙げることができる。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの重合物、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレートなどとの共重合物、これらの重合物の4級化物、酸塩などの製造方法に特に制限はなく、例えば、4級化剤によって4級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、酸によって酸塩とされたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを単独で、あるいは、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレートなどとを、開始剤の存在下で、必要に応じて溶剤を用いて重合反応させることができる。開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパージカーボネート、tert−ブチルパーベンゾエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、キュメンヒドロキシバーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩などのアゾ化合物などを挙げることができる。使用する溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。重合反応温度は、40〜120℃であることが好ましい。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの重合物、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリルアミドなどとの共重合物、これらの重合物の4級化物、酸塩などの製造に用いるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができる。4級化に用いる4級化剤としては、例えば、メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、エチルブロマイド、プロピルクロライド、プロピルブロマイドなどのアルキルハライド、ベンジルクロライド、ベンジルブロマイド、メチルベンジルクロライド、メチルベンジルブロマイドなどのアラルキルハライド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などジアルキル硫酸などを挙げることができる。酸塩を形成する酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸などを挙げることができる。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの重合物、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリルアミドなどとの共重合物の4級化物、酸塩などの製造方法に特に制限はなく、例えば、4級化剤によって4級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、酸によって酸塩としたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドを単独で、あるいは、これらと(メタ)アクリルアミドとを、開始剤の存在下で、必要に応じて溶剤を用いて重合反応させることができる。開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパージカーボネート、tert−ブチルパーベンゾエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、キュメンヒドロキシパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩などのアゾ化合物などを挙げることができる。使用する溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。重合反応温度は、40〜120℃であることが好ましい。
ポリビニルアミンの酸塩の形成に用いる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸などを挙げることができる。
ポリビニルアミンの酸塩の製造方法に特に制限はなく、例えば、N−ビニルホルムアミドを開始剤の存在下で、必要に応じて溶剤を用いて重合反応させ、酸又は塩基により加水分解することができる。開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパージカーボネート、tert−ブチルパーベンゾエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、キュメンヒドロキシパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩などのアゾ化合物などを挙げることができる。使用する溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコールなどを挙げることができる。重合反応温度は、40〜120℃であることが好ましい。
加水分解に用いる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸などの有機酸などを挙げることができる。加水分解に用いる塩基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどを挙げることができる。塩基を用いて加水分解した場合は、加水分解後に酸により酸塩とすることができる。加水分解の際、不純物によって起こるゲル化を防止する目的で任意に、例えば、塩酸ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミンなどのゲル化防止剤を加えて加水分解を行ってもよい。また、一般的に加水分解にこのゲル化防止剤で処理を行った後、加水分解を行うことが特に好ましい。加水分解反応温度は、40〜120℃であることが好ましい。
ポリアリルアミンの酸塩の製造に用いるアリルアミンとしては、例えば、アリルアミン、ジアリルアミン、N−メチルジアリルアミンなどのアリルアミン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、N−メチルトリアリルアンモニウムクロライドなどの4級化アリルアミンなどを挙げることができる。酸塩を形成する酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸などを挙げることができる。
ポリアリルアミンの酸塩の製造方法に特に制限はなく、例えば、4級化されたアリルアミン、酸によって酸塩としたアリルアミンなどを、開始剤の存在下で、必要に応じて溶剤を用いて重合反応させることができる。開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパージカーボネート、tert−ブチルパーベンゾエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、tert−ブチルキュミルパーオキサイド、キュメンヒドロキシパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩などのアゾ化合物などを挙げることができる。使用する溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコールなどを挙げることができる。重合反応温度は、40〜120℃であることが好ましい。
ジシアンジアミド縮合物としては、例えば、ジシアンジアミドと塩化アンモニウムとホルムアルデヒドの縮合物、ジシアンジアミドと塩化アンモニウムとポリアルキレンポリアミンの縮合物、ジシアンジアミドと塩化アンモニウムとポリアルキレンポリアミンとホルムアルデヒドの縮合物などを挙げることができる。ジシアンジアミドと塩化アンモニウムとポリアルキレンポリアミンの縮合物、ジシアンジアミドと塩化アンモニウムとポリアルキレンポリアミンとホルムアルデヒドの縮合物の製造に用いるポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミンなどを挙げることができる。酸塩を形成する酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸などを挙げることができる。
ジシアンジアミドと塩化アンモニウムとホルムアルデヒドの縮合物、ジシアンジアミドと塩化アンモニウムとポリアルキレンポリアミンの縮合物、ジシアンジアミドと塩化アンモニウムとポリアルキレンポリアミンとホルムアルデヒドの縮合物などの製造方法に特に制限はなく、例えば、ジシアンジアミドと塩化アンモニウムとホルムアルデヒドの縮合物の場合は、ジシアンジアミドと塩化アンモニウムとホルムアルデヒドを、必要に応じて溶剤を用いて、40〜100℃で反応させることができる。ジシアンジアミドと塩化アンモニウムとポリアルキレンポリアミンの縮合物の場合は、塩化アンモニウムとポリアルキレンポリアミンを、必要に応じて溶剤を用いて、100〜150℃で反応させ、次にジシアンジアミドと150〜300℃で反応させることができる。ジシアンジアミドと塩化アンモニウムとポリアルキレンポリアミンとホルムアルデヒドの縮合物の場合は、塩化アンモニウムとポリアルキレンポリアミンを、必要に応じて溶剤を用いて、50〜100℃で反応させ、次にジシアンジアミドと50〜150℃で反応させ、さらにホルムアルデヒドと40〜100℃で反応させることができる。使用する溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。
アミンとエピハロヒドリン縮合物としては、例えば、エピハロヒドリンとアルキレンジアミンの縮合物、エピハロヒドリンとジアルキルアミンの結合物などを挙げることができる。エピハロヒドリンとアルキレンジアミンの縮合物の製造に用いるアルキレンジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどを挙げることができる。エピハロヒドリンとジアルキルアミンの縮合物の製造に用いるジアルキルアミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミンなどを挙げることができる。エピハロヒドリンとアルキレンジアミンの縮合物、エピハロヒドリンとジアルキルアミンの縮合物などの製造に用いるエピハロヒドリンとしては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどを挙げることができる。
エピハロヒドリンとアルキレンジアミンの縮合物、エピハロヒドリンとジアルキルアミンの縮合物などの製造方法に特に制限はなく、例えば、エピハロヒドリンとアルキレンジアミン、ジアルキルアミンなどとを、必要に応じて溶剤を用いて、40〜100℃で反応させることができる。使用する溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。
アミンとジハライドの縮合物としては、例えば、アルキレンジアミンとアルキレンジハライドの縮合物、ジアルキルアミンとアルキレンジハライドの縮合物などを挙げることができる。アルキレンジアミンとアルキレンジハライドの縮合物の製造に用いるアルキレンジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジンなどを挙げることができる。ジアルキルアミンとアルキレンジハライドの縮合物の製造に用いるジアルキルアミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミンなどを挙げることができる。アルキレンジアミンとアルキレンジハライドの縮合物、ジアルキルアミンとアルキレンジハライドの縮合物などの製造に用いるアルキレンジハライドとしては、例えば、ジクロロエタン、ジブロモエタン、ビスクロロメチルシクロヘキサン、ビスクロロメチルベンゼン、ビスブロモメチルシクロヘキサン、ビスブロモメチルベンゼンなどを挙げることができる。
アルキレンジアミンとアルキレンジハライドの縮合物、ジアルキルアミンとアルキレンジハライドの縮合物などの製造方法に特に制限はなく、例えば、アルキレンジハライドとアルキレンジアミン、ジアルキルアミンなどとを、必要に応じて溶剤を用いて、40〜100℃で反応させることができる。使用する溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。
ポリアルキレンイミンとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、少なくとも1個のアミド化し得るアミノ基を残してエチレンオキサイドを付加したポリエチレンイミンのエチレンオキサイド付加物などを挙げることができる。ポリアルキレンイミンの酸塩の形成に用いる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸などを挙げることができる。ポリアルキレンイミンの製造方法に特に制限はなく、例えば、エチレンイミンなどのアルキレンイミンを、酸触媒の存在下で、必要に応じて溶媒を用いて重合反応させることができる。使用する酸触媒としては、例えば、臭化水素、フッ化ホウ素−酢酸、パラトルエンスルホン酸、スルファニル酸などを挙げることができる。
ポリアミドポリアミンの4級化物、酸塩などとしては、例えば、脂肪酸、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物などのカルボン酸とポリアミンのアミド化物の4級化物、酸塩などを挙げることができる。ポリアミドポリアミンの製造に用いる脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、2−ブチルカプリル酸、2−ヘキシルカプリル酸、2−オクチルラウリン酸、2−デシルミリスチン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、不飽和脂肪酸を二量化したダイマー酸、トール油脂肪酸、牛脂脂肪酸、ヤシ脂肪酸、パーム油脂肪酸、大豆油脂肪酸、菜種油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、ひまし油脂肪酸などの混合脂肪酸やそれらの硬化脂肪酸などの炭素数12〜36の脂肪酸を挙げることができる。多価カルボン酸及び多価カルボン酸無水物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット醸、アルケニル無水コハク酸、α一オレフィン/無水マレイン酸共重合物、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などオキシカルボン酸、これらの酸無水物、マレイン酸、アクリル酸などの単独重合物、共重合物などを挙げることができる。
ポリアミンは、2個以上のアミノ基を有する化合物であり、例えば、アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン、ポリアルキレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、メラミン、メラミン樹脂、これらの誘導体などを挙げることができる。アルキレンジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどを挙げることができる。ポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、少なくとも1個のアミド化し得るアミノ基を残してエチレンオキサイドを付加したエチレンジアミンのエチレンオキサイド付加物、ジエチレントリアミンのエチレンオキサイド付加物などを挙げることができる。ポリアルキレンイミンとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、少なくとも1個のアミド化し得るアミノ基を残してエチレンオキサイドを付加したポリエチレンイミンのエチレンオキサイド付加物などを挙げることができる。4級化に用いる4級化剤としては、例えば、メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、エチルブロマイド、プロピルクロライド、プロピルブロマイドなどのアルキルハライド、ベンジルクロライド、ベンジルブロマイド、メチルベンジルクロライド、メチルベンジルブロマイドなどのアラルキルハライド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどのエピハロヒドリン、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などジアルキル硫酸などを挙げることができる。酸塩を形成する酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸などを挙げることができる。
ポリアミドポリアミンの製造方法に特に制限はなく、例えば、ポリアミンと多価カルボン酸とを、120〜250℃で脱水反応したのち、さらに脂肪酸と120〜250℃で反応させることができ、あるいは、ポリアミンと多価カルボン酸と脂肪酸とを、一度に120〜250℃で脱水反応させることもできる。脂肪酸と二塩基酸とポリエチレンポリアミンとの反応により、イミダゾリン環構造が形成される場合も含まれる。4級化する場合は、必要に応じて溶剤を用いて、4級化剤と40〜120℃で反応させることができる。使用する溶剤としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。酸塩とする場合は、必要に応じて溶剤を用いて、酸の添加、又は、酸溶液へのポリアミドポリアミンの添加により酸塩を形成することができる。
上記のカチオン性重合物の中で、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの重合物、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリルアミド若しくはアルキル(メタ)アクリレートとの共重合物の4級化物又は酸塩、ポリアリルアミンの4級化物又は酸塩、ジシアンジアミド縮合物、アミンとエピハロヒドリン縮合物は、廃水中の物質の除去性及び固液分離しやすいフロックの形成性が良好なので特に好適に用いることができる。
本発明に用いるカチオン性重合物は、20質量%水溶液の25℃における粘度が1〜300mPa・sであり、より好ましくは2〜200mPa・sである。20質量%水溶液の25℃における粘度が1mPa・s未満であると、廃水中に含有される物質の除去性及びフロックの形成性が不良になるおそれがある。20質量%水溶液の25℃における粘度が300mPa・sを超えると、フロックが微細化して固液分離しやすいフロックの形成性が不良になるおそれがある。カチオン性重合物の20質量%水溶液の25℃における粘度は、例えば、BL形回転粘度計を用いて測定することができる。すなわち、20質量%に調整したカチオン性重合物の水溶液を、口内径46mm×胴径62mm×全高109mmのガラス瓶に200mL入れて25℃とし、BL形回転粘度計を用いて、ローターNo.1若しくはNo.2又はBLアダプタで、回転数30rpm、12rpm又は6rpmにて粘度を測定することができる。
本発明に用いるカチオン性重合物には、さらに無機凝集剤を添加することができる。無機凝集剤としては、例えば、硫酸バンド、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムなどのアルミニウム化合物、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄などの鉄化合物、石灰などのカルシウム化合物、マグネシウム化合物などを挙げることができる。これらの中で、硫酸バンドとポリ塩化アルミニウムは、凝集力が強く、強固なフロックを形成するので、特に好適に用いることができる。無機凝集剤の添加量は、カチオン性重合物100質量部に対して、1〜90質量部であることが好ましく、10〜70質量部であることがより好ましい。カチオン性重合物に無機凝集剤を添加することにより、廃水処理剤の凝集力を強化して、廃水中に含有される物質の除去効果を高めることができる。
本発明に用いる高分子凝集剤としては、例えば、アニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤、これらの高分子凝集剤の混合物などを挙げることができる。アニオン性高分子凝集剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミドの部分加水分解物、アクリルアミドとアクリル酸ナトリウムとの共重合物、アクリルアミドとビニルスルホン酸ナトリウムとの共重合物、アクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムとの共重合物、アクリルアミドとアクリル酸ナトリウムと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムとの三元共重合物などを挙げることができる。カチオン性高分子凝集剤としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物又はその塩の重合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物又はその塩とアクリルアミドとの共重合物、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物又は4級化物などを挙げることができる。ノニオン性高分子凝集剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイドなどを挙げることができる。両性高分子凝集剤としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級化物又はその塩とアクリル酸又はその塩とアクリルアミドとの共重合物などを挙げることができる。これらの高分子凝集剤を用いることにより、凝集沈殿したフロックの微細化を防止し、フロックと液との分離を容易にすることができる。本発明に用いる高分子凝集剤は、0.5質量%水溶液の25℃における粘度が、50〜3,000mPa・sであることが好ましい。本発明に用いる高分子凝集剤は、通常は水溶液の粘度がずり速度依存性を示し、20質量%水溶液は高粘稠状となってBL形回転粘度計では粘度の測定ができない。
本発明の廃水処理方法の第一の態様においては、廃水に、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩を添加し、次いで20質量%水溶液の25℃における粘度が1〜300mPa・sであるカチオン性重合物を添加し、さらに高分子凝集剤を添加して凝集沈殿する。本発明の廃水処理方法の第二の態様においては、廃水に、20質量%水溶液の25℃における粘度が1〜300mPa・sであるカチオン性重合物を添加し、次いでスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩を添加し、さらに高分子凝集剤を添加して凝集沈殿する。
本発明方法において、凝集沈殿したフロックは、固液分離後、脱水して最終的に廃棄物として処分することができる。固液分離する方法としては、例えば、濾過、重力沈降、遠心濃縮、膜分離などを挙げることができる。脱水方法としては、例えば、遠心脱水機、ベルトプレス脱水機、スクリュープレス脱水機、フィルタープレス脱水機などを用いる脱水を挙げることができる。
本発明方法において、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩の廃水に対する添加量は、100〜30,000ppm(質量比)であることが好ましく、500〜10,000ppm(質量比)であることがより好ましい。カチオン性重合物の廃水に対する添加量は、100〜30,000ppm(質量比)であることが好ましく、300〜10,000ppm(質量比)であることがより好ましい。本発明において、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩とカチオン性重合物の添加量の質量比は、10:90〜70:30であることが好ましく、25:75〜60:40であることがより好ましい。スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩とカチオン性重合物の添加量の質量比を10:90〜70:30することにより、廃水中に含有される物質を効果的に除去し、固液分離しやすいフロックを形成することができる。本発明方法において、高分子凝集剤の廃水に対する添加量は、0.5〜500ppm(質量比)であることが好ましく、3〜200ppm(質量比)であることがより好ましい。
本発明の廃水処理方法によれば、廃水に、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物若しくはその塩、又は、カチオン性重合物を添加することにより、廃水中に含有される物質に吸着又は付着して、負又は正の電荷を付与し、続いて添加するカチオン性重合物、又は、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物若しくはその塩の添加により、小さなフロックを形成させ、さらに続いて添加する高分子凝集剤により、より大きなフロックを形成させて、凝集沈殿したフロックと液との分離を容易にすることができると推定される。
本発明の廃水処理剤及び廃水処理方法は、有機性物質を主体とする廃水及び無機性物質を主体とする廃水のいずれにも適用することができる。特に、有機性物質を主体とする廃水に対して、本発明の廃水処理剤及び廃水処理方法を適用することにより、確実に廃水中に含有される物質を除去し、かつ大きなフロックを形成して容易に固液分離することが可能となる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例においては、下記の4種の高分子凝集剤を用いた。高分子凝集剤の粘度は、0.5質量%水溶液について、25℃において、BL形回転粘度計とNo.2ローターを用い、回転数12rpmと6rpmで測定した。高分子凝集剤の25質量%水溶液は粘稠で、BL形回転粘度計では粘度を測定することができなかった。
高分子凝集剤C1:カチオン性高分子凝集剤、ハイモ(株)、ハイモロックMP−384、ポリジメチルアミノエチルアクリレート系、回転数12rpmのとき粘度1,150mPa・s、回転数6rpmのとき粘度2,005mPa・s。
高分子凝集剤C2:アニオン性高分子凝集剤、東亞合成(株)、アロンフロックA101、ポリアクリルアミド系、回転数12rpmのとき粘度1,510mPa・s、回転数6rpmのとき粘度2,640mPa・s。
高分子凝集剤C3:ノニオン性高分子凝集剤、東亞合成(株)、アロンフロックN107、ポリアクリルアミド系、回転数12rpmのとき粘度500mPa・s、回転数6rpmのとき粘度890mPa・s。
高分子凝集剤C4:カチオン性高分子凝集剤、ハイモ(株)、ハイモロックMS−884、ポリジメチルアミノエチルアクリレート/アクリルアミド/アクリレート系、回転数12rpmのとき粘度1,370mPa・s、回転数6rpmのとき粘度2,275mPa・s。
合成例1(スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物の合成)
反応容器に、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン250g(1.0モル)及び無水酢酸118g(1.16モル)を仕込み、98質量%硫酸65g(0.65モル)を添加して、120℃で5時間反応させた。反応後、冷却して水78gを加え、80℃にて37質量%ホルムアルデヒド水溶液78g(0.96モル)を滴下し、100℃にて6時間反応させた。反応終了後、冷却して48質量%水酸化ナトリウム水溶液58g(0.70モル)を添加し、濃度が30質量%となるように水を添加して、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A1の水溶液を得た。
合成例2(スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物の合成)
反応容器に、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン250g(1.0モル)、p−フェノールスルホン酸43g(0.25モル)及び水415gを仕込み、48質量%水酸化ナトリウム水溶液87.5g(1.05モル)を滴下した。次いで、80℃で、37質量%ホルムアルデヒド水溶液152g(1.87モル)を滴下し、100℃で10時間反応させた。反応終了後、冷却して濃度が30質量%となるように水を添加して、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A2の水溶液を得た。
合成例3(スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物の合成)
反応容器に、ナフタレン128g(1.0モル)及び98質量%硫酸128g(1.28モル)を仕込み、160℃で3時間反応させた。反応後、冷却して、水260gを添加し、80℃にて37質量%ホルムアルデヒド79g(0.97モル)を添加し、100℃で12時間反応させた。反応終了後、冷却して48質量%水酸化ナトリウム水溶液107g(1.28モル)を添加し、濃度が30質量%となるように水を添加して、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A3の水溶液を得た。
合成例4(カチオン性重合物の合成)
反応容器に、ジメチルアミノエチルメタクリレート78.6g(0.5モル)、イソプロパノール52.5g及び水139gを仕込み、35質量%塩酸52.1g(0.5モル)を、50℃で徐々に添加した。次に、過硫酸カリウム1.2gを水12gに溶解させた溶液を、窒素雰囲気下、70℃で一気に添加し、さらに85℃にて3時間反応させた。反応終了後、水220gを添加して減圧にてイソプロパノールを留去し、冷却して濃度が20質量%となるように水を添加して、カチオン性重合物B1の水溶液を得た。得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液の25℃における粘度を、BL形回転粘度計とローターNo.1を用いて、回転数30rpmと回転数12rpmで測定した。粘度はいずれも53mPa・sであり、この水溶液は、粘度がずり速度に依存しない流体であった。
合成例5(カチオン性重合物の合成)
反応容器に、ジメチルアミノエチルメタクリレート78.6g(0.5モル)とイソプロパノール52.5gを仕込み、ジメチル硫酸63.1g(0.5モル)を60℃で3時間かけて滴下し、滴下終了後、60℃で1時間反応させた。次に、水278gを添加し、過硫酸カリウム1.2gを水12gに溶解させた溶液を、窒素雰囲気下、70℃で一気に添加し、さらに85℃にて3時間反応させた。反応終了後、水295gを添加して減圧にてイソプロパノールを留去し、冷却して濃度が20質量%となるように水を添加して、カチオン性重合物B2の水溶液を得た。得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液の25℃における粘度を、BL形回転粘度計とローターNo.1を用いて、回転数30rpmと回転数12rpmで測定した。粘度はいずれも172mPa・sであり、この水溶液は、粘度がずり速度に依存しない流体であった。
合成例6(カチオン性重合物の合成)
反応容器に、ジメチルアミノエチルアクリレート71.6g(0.5モル)とイソプロパノール64.5gを仕込み、メチルクロライド25.3g(0.5モル)を40℃で2時間かけて滴下し、滴下終了後、40℃で2時間反応させた。次に、アクリルアミド10.7g(0.15モル)と水161gを添加して、過硫酸カリウム1.2gを水12gに溶解させた溶液を、窒素雰囲気下、70℃で1時間かけて滴下し、さらに85℃にて3時間反応させた。反応終了後、水238gを添加して減圧にてイソプロパノールを留去し、冷却して濃度が20質量%となるように水を添加して、カチオン性重合物B3の水溶液を得た。得られたカチオン性重合物B3の20質量%水溶液の25℃における粘度を、BL形回転粘度計とローターNo.1を用いて、回転数30rpmと回転数12rpmで測定した。粘度はいずれも41mPa・sであり、この水溶液は、粘度がずり速度に依存しない流体であった。
合成例7(カチオン性重合物の合成)
反応容器に、ジメチルアミノエチルメタクリレート78.6g(0.5モル)、ラウリルメタクリレート73.5g(0.3モル)及びイソプロパノール226gを仕込み、アゾビスイソブチロニトリル0.3gをイソプロパノール3gに溶解させた溶液を、窒素雰囲気下、75℃で1時間かけて滴下し、さらに75℃にて5時間反応させた。反応終了後、ジメチル硫酸63.1g(0.5モル)を、75℃で1時間かけて滴下し、さらに75℃で2時間反応させた。反応終了後、水700gを添加して減圧にてイソプロパノールを留去し、冷却して濃度が20質量%となるように水を添加して、カチオン性重合物B4の水溶液を得た。得られたカチオン性重合物B4の20質量%水溶液の25℃における粘度を、BL形回転粘度計とローターNo.1を用いて、回転数30rpmと回転数12rpmで測定した。粘度はいずれも38mPa・sであり、この水溶液は、粘度がずり速度に依存しない流体であった。
合成例8(カチオン性重合物の合成)
反応容器に、アリルアミン塩酸塩(水分含有率9質量%)102.7g(1.0モル)を仕込み、アミノビス(アミジノプロパン)二塩酸塩2.3gを水23gに溶解させた溶液を、窒素雰囲気下、85℃で2時間かけて滴下し、さらに85℃にて4時間反応させた。反応終了後、冷却して濃度が20質量%となるように水を添加して、カチオン性重合物B5の水溶液を得た。得られたカチオン性重合物B5の20質量%水溶液の25℃における粘度を、BL形回転粘度計とローターBLアダプタを用いて、回転数30rpmと回転数12rpmで測定した。粘度はいずれも3mPa・sであり、この水溶液は、粘度がずり速度に依存しない流体であった。
合成例9(カチオン性重合物の合成)
反応容器に、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド80.8g(0.5モル)を仕込み、過硫酸カリウム0.7gを水7gに溶解させた溶液を、窒素雰囲気下、50℃で1時間かけて滴下し、さらに50℃にて2時間反応させた。反応終了後、冷却して濃度が20質量%となるように水を添加して、カチオン性重合物B6の水溶液を得た。得られたカチオン性重合物B6の20質量%水溶液の25℃における粘度を、BL形回転粘度計とローターBLアダプタを用いて、回転数30rpmと回転数3rpmで測定した。粘度はいずれも8mPa・sであり、この水溶液は、粘度がずり速度に依存しない流体であった。
合成例10(カチオン性重合物の合成)
反応容器に、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド80.8g(0.5モル)、ジアリルアミン14.6(0.15モル)及び水141gを仕込み、35質量%塩酸15.6g(0.15モル)を、50℃で徐々に添加した。次に、過硫酸カリウム0.9gを水9gに溶解させた溶液を、窒素雰囲気下、75℃で1時間かけて滴下し、さらに75℃にて5時間反応させた。反応終了後、冷却して濃度が20質量%となるように水を添加して、カチオン性重合物B7の水溶液を得た。得られたカチオン性重合物B7の20質量%水溶液の25℃における粘度を、BL形回転粘度計とローターNo.1を用いて、回転数30rpmと回転数12rpmで測定した。粘度はいずれも44mPa・sであり、この水溶液は、粘度がずり速度に依存しない流体であった。
合成例11(カチオン性重合物の合成)
反応容器に、塩化アンモニウム53.5g(1.0モル)、37質量%ホルムアルデヒド105.4g(1.3モル)及び水337gを仕込み、40℃で0.5時間混合した。次に、ジシアンジアミド42.1g(0.5モル)を、40℃で徐々に添加し、さらに95℃にて2時間反応させた。反応終了後、冷却して濃度が20質量%となるように水を添加して、カチオン性重合物B8の水溶液を得た。得られたカチオン性重合物B8の20質量%水溶液の25℃における粘度を、BL形回転粘度計とローターBLアダプタを用いて、回転数30rpmと回転数12rpmで測定した。粘度はいずれも3mPa・sであり、この水溶液は、粘度がずり速度に依存しない流体であった。
合成例12(カチオン性重合物の合成)
反応容器に、ジエチレントリミン51.5g(0.5モル)を仕込み、塩化アンモニウム32.1g(0.6モル)を100℃で徐々に添加し、さらに140℃にて1時間反応させた。次に、ジシアンジアミド54.7g(0.65モル)を、180℃で徐々に添加し、さらに260℃にて2時間反応させた。反応終了後、冷却して濃度が20質量%となるように水を添加して、カチオン性重合物B9の水溶液を得た。得られたカチオン性重合物B9の20質量%水溶液の25℃における粘度を、BL形回転粘度計とローターBLアダプタを用いて、回転数30rpmと回転数3rpmで測定した。粘度はいずれも2mPa・sであり、この水溶液は、粘度がずり速度に依存しない流体であった。
合成例13(カチオン性重合物の合成)
反応容器に、エピクロロヒドリン106.4g(1.15モル)を仕込み、50質量%ジメチルアミン水溶液90g(1.0モル)を10℃で1時間かけて添加し、さらに40℃にて8時間、次いで70℃で2時間反応させた。反応終了後、冷却して濃度が20質量%となるように水を添加して、カチオン性重合物B10の水溶液を得た。得られたカチオン性重合物B10の20質量%水溶液の25℃における粘度を、BL形回転粘度計とローターBLアダプタを用いて、回転数30rpmと回転数12rpmで測定した。粘度はいずれも3mPa・sであり、この水溶液は、粘度がずり速度に依存しない流体であった。
合成例14(カチオン性重合物への無機凝集剤の添加)
合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液80gに、硫酸バンド19.8gと水6.9gを加えて均一に混合し、カチオン性重合物B11の20質量%水溶液を得た。得られたカチオン性重合物B11の25℃における粘度を、BL形回転粘度計とローターNo.1を用いて、回転数30rpmと回転数12rpmで測定した。粘度はいずれも85mPa・sであり、この水溶液は、粘度がずり速度に依存しない流体であった。
合成例15(カチオン性重合物への無機凝集剤の添加)
合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液80gに、ポリ塩化アルミニウム22.2gと水4.4gを加えて均一に混合し、カチオン性重合物B12の20質量%水溶液を得た。得られたカチオン性重合物B12の20質量%水溶液の25℃における粘度を、BL形回転粘度計とローターNo.1を用いて、回転数30rpmと回転数12rpmで測定した。粘度はいずれも191mPa・sであり、この水溶液は、粘度がずり速度に依存しない流体であった。
合成例16(カチオン性重合物の合成)
反応容器に、ジメチルアミノエチルメタクリレート78.6g(0.5モル)とイソプロパノール52.5gを仕込み、ジメチル硫酸63.1g(0.5モル)を60℃で3時間かけて滴下し、滴下終了後、60℃で1時間反応させた。次に、水278gを添加して、過硫酸カリウム1.2gを水12gに溶解させた溶液を、窒素雰囲気下、70℃で1時間かけて滴下し、さらに85℃にて3時間反応させた。反応終了後、水295gを添加して減圧にてイソプロパノールを留去し、冷却して濃度が20質量%となるように水を添加してカチオン性重合物B13の水溶液を得た。得られたカチオン性重合物B13の20質量%水溶液の25℃における粘度を、BL形回転粘度計とローターNo.1を用いて、回転数12rpmと回転数6rpmで測定した。粘度はいずれも284mPa・sであり、この水溶液は、粘度がずり速度に依存しない流体であった。
合成例17(カチオン性重合物の合成)
反応容器に、ジメチルアミノエチルメタクリレート78.6g(0.5モル)、イソプロパノール52.5gを仕込み、ジメチル硫酸63.1g(0.5モル)を60℃で3時間かけて滴下し、滴下終了後、60℃で1時間反応させた。次に、水210gを添加して、過硫酸カリウム0.7gを水7gに溶解させた溶液を、窒素雰囲気下、70℃で1時間かけて滴下し、さらに85℃にて3時間反応させた。反応終了後、水360gを添加して減圧にてイソプロパノールを留去し、冷却して濃度が20質量%となるように水を添加して、比較用カチオン性重合物B14の水溶液を得た。得られた比較用カチオン性重合物B14の20質量%水溶液の25℃における粘度を、BL形回転粘度計とローターNo.1を用いて、回転数12rpmと回転数6rpmで測定した。粘度はいずれも335mPa・sであり、この水溶液は、粘度がずり速度に依存しない流体であった。
実施例1
試験廃水として酢酸ビニル樹脂系エマルジョン廃水(pH6.7、不揮発分1.5質量%)を用いて、廃水処理方法の評価を行った。
試験廃水200mLを300mLビーカーにとり、ジャーテスターで回転数120rpmにて撹拌しながら、合成例1で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A1の30質量%水溶液1.33gを添加して1分間撹拌し、次いで合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液1.0gを添加して1分間撹拌し、さらにアニオン性高分子凝集剤[東亞合成(株)、アロンフロックA101、ポリアクリルアミド系]の0.5質量%水溶液0.6gを添加して1分間撹拌した。
直ちに、得られた処理廃水のフロック径を、物差しを用いて目視測定した。フロック径は、3〜5mmであった。処理廃水を10分間静置し、液面から1cmの所の液を採取して、濁度をJIS K 0101(1998)9.2に従い、カオリン標準液を用いて測定した。濁度は、41度であった。
実施例2
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液の代わりに、合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液を用いた以外は、実施例1と同じ操作を行った。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は15度であった。
実施例3
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液1.0gの代わりに、合成例6で得られたカチオン性重合物B3の20質量%水溶液1.2gを添加した以外は、実施例1と同じ操作を行った。フロック径は3〜8mmであり、上澄み液の濁度は36度であった。
実施例4
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液1.0gの代わりに、合成例7で得られたカチオン性重合物B4の20質量%水溶液1.9gを添加した以外は、実施例1と同じ操作を行った。フロック径は3〜5mmであり、上澄み液の濁度は29度であった。
実施例5
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液1.0gの代わりに、合成例8で得られたカチオン性重合物B5の20質量%水溶液0.8gを添加した以外は、実施例1と同じ操作を行った。フロック径は3〜15mmであり、上澄み液の濁度は47度であった。
実施例6
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液の代わりに、合成例9で得られたカチオン性重合物B5の20質量%水溶液を用いた以外は、実施例1と同じ操作を行った。フロック径は1〜3mmであり、上澄み液の濁度は28度であった。
実施例7
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液1.0gの代わりに、合成例10で得られたカチオン性重合物B7の20質量%水溶液1.2gを添加した以外は、実施例1と同じ操作を行った。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は54度であった。
実施例8
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液1.0gの代わりに、合成例11で得られたカチオン性重合物B8の20質量%水溶液1.2gを添加した以外は、実施例1と同じ操作を行った。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は22度であった。
実施例9
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液1.0gの代わりに、合成例12で得られたカチオン性重合物B9の20質量%水溶液1.7gを添加した以外は、実施例1と同じ操作を行った。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は48度であった。
実施例10
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液の代わりに、合成例13で得られたカチオン性重合物B10の20質量%水溶液を用いた以外は、実施例1と同じ操作を行った。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は37度であった。
実施例11
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液1.0gの代わりに、合成例14で得られた硫酸バンドが添加されたカチオン性重合物B11の20質量%水溶液0.8gを添加した以外は、実施例1と同じ操作を行った。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は4度であった。
実施例12
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液の代わりに、合成例15で得られたポリ塩化アルミニウムが添加されたカチオン性重合物B12の20質量%水溶液を用いた以外は、実施例1と同じ操作を行った。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は21度であった。
実施例13
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液1.0gの代わりに、合成例16で得られたカチオン性重合物B13の20質量%水溶液1.6gを添加した以外は、実施例1と同じ操作を行った。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は67度であった。
実施例14
試験廃水として、実施例1と同じ酢酸ビニル樹脂系エマルジョン廃水を用いて、廃水処理方法の評価を行った。
試験廃水200mLを300mLビーカーにとり、ジャーテスターで回転数120rpmにて撹拌しながら、合成例2で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A2の30質量%水溶液1.33gを添加して1分間撹拌し、次いで合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液1.2gを添加して1分間撹拌し、さらにノニオン性高分子凝集剤[東亞合成(株)、アロンフロックN107、ポリアクリルアミド系]の0.5質量%水溶液0.6gを添加して1分間撹拌した。
実施例1と同様にして、フロック径と上澄み液の濁度を測定した。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は29度であった。
実施例15
合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液1.2gの代わりに、合成例11で得られたカチオン性重合物B8の20質量%水溶液1.0gを添加した以外は、実施例14と同じ操作を行った。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は25度であった。
実施例16
合成例2で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A2の30質量%水溶液の代わりに、合成例3で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A3の30質量%水溶液を用い、合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液の添加量を1.0gとした以外は、実施例14と同じ操作を行った。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は23度であった。
実施例17
合成例2で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A2の30質量%水溶液の代わりに、合成例3で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A3の30質量%水溶液を用い、合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液の代わりに、合成例11で得られたカチオン性重合物B8の20質量%水溶液を用いた以外は、実施例14と同じ操作を行った。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は26度であった。
実施例18
試験廃水として、実施例1と同じ酢酸ビニル樹脂系エマルジョン廃水を用いて、廃水処理方法の評価を行った。
試験廃水200mLを300mLビーカーにとり、ジャーテスターで回転数120rpmにて撹拌しながら、合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液1.0gを添加して1分間撹拌し、次いで合成例1で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A1の30質量%水溶液1.33gを添加して1分間撹拌し、さらにノニオン性高分子凝集剤[東亞合成(株)、アロンフロックN107、ポリアクリルアミド系]の0.5質量%水溶液0.6gを添加して1分間撹拌した。
実施例1と同様にして、処理廃水のフロック径と上澄み液の濁度を測定した。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は31度であった。
比較例1
試験廃水として、実施例1と同じ酢酸ビニル樹脂系エマルジョン廃水を用いて、廃水処理方法の評価を行った。
試験廃水200mLを300mLビーカーにとり、ジャーテスターで回転数120rpmにて撹拌しながら、合成例1で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A1の30質量%水溶液1.33gを添加して1分間撹拌し、次いで合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液1.6gを添加して1分間撹拌した。
実施例1と同様にして、処理廃水のフロック径と上澄み液の濁度を測定した。フロック径は1mmであり、上澄み液の濁度は157度であった。
比較例2
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液を添加しないこと以外は、実施例1と同じ操作を行った。処理廃水にフロックは形成されず、濁度は1,000度を超えていた。
比較例3
試験廃水として、実施例1と同じ酢酸ビニル樹脂系エマルジョン廃水を用いて、廃水処理方法の評価を行った。
試験廃水200mLを300mLビーカーにとり、ジャーテスターで回転数120rpmにて撹拌しながら、合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液1.6gを添加して1分間撹拌し、次いでアニオン性高分子凝集剤[東亞合成(株)、アロンフロックA101、ポリアクリルアミド系]の0.5質量%水溶液0.6gを添加して1分間撹拌した。処理廃水にフロックは形成されず、濁度は1,000度を超えていた。
比較例4
試験廃水として、実施例1と同じ酢酸ビニル樹脂系エマルジョン廃水を用いて、廃水処理方法の評価を行った。
試験廃水200mLを300mLビーカーにとり、ジャーテスターで回転数120rpmにて撹拌しながら、合成例1で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A1の30質量%水溶液1.33gを添加して1分間撹拌した。処理廃水にフロックは形成されず、濁度は1,000度を超えていた。
比較例5
合成例1で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A1の30質量%水溶液1.33gの代わりに、合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液1.6gを添加した以外は、比較例4と同じ操作を行った。処理廃水にフロックは形成されず、濁度は1,000度を超えていた。
比較例6
合成例1で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A1の30質量%水溶液1.33gの代わりに、アニオン性高分子凝集剤[東亞合成(株)、アロンフロックA101、ポリアクリルアミド系]の0.5質量%水溶液0.6gを添加した以外は、比較例4と同じ操作を行った。処理廃水にフロックは形成されず、濁度は1,000度を超えていた。
比較例7
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液1.0gの代わりに、合成例17で得られた比較用カチオン性重合物B14の20質量%水溶液1.5gを添加した以外は、実施例1と同じ操作を行った。フロック径は1mm未満であり、上澄み液の濁度は146度であった。
実施例1〜18及び比較例1〜7の結果を、第1表に示す。
Figure 2007038177
Figure 2007038177
第1表に見られるように、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン廃水に、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩を添加し、次いで20質量%水溶液の25℃における粘度が2〜284mPa・sであるカチオン性重合物を添加し、さらに高分子凝集剤を添加した実施例1〜17では、フロック径の大きい凝集物が形成され、上澄み液の濁度が低い。スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩とカチオン性重合物の添加順序を入れ替えて、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン廃水に、20質量%水溶液の25℃における粘度が172mPa・sであるカチオン性重合物を添加し、次いでスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩を添加し、さらに高分子凝集剤を添加した実施例18でも、フロック径の大きい凝集物が形成され、上澄み液の濁度が低い。
これに対して、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩とカチオン性重合物を添加し、高分子凝集剤を添加しない比較例1では、凝集物のフロック径が小さく、上澄み液の濁度が高い。スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩と高分子凝集剤のみを添加した比較例2、カチオン性重合物と高分子凝集剤のみを添加した比較例3、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩のみを添加した比較例4、カチオン性重合物のみを添加した比較例5、高分子凝集剤のみを添加した比較例6では、フロックが形成されず、濁度が極めて高い。スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩、カチオン性重合物及び高分子凝集剤をこの順に添加しても、カチオン性重合物の20質量%水溶液の25℃における粘度が335mPa・sである比較例7では、凝集物のフロック径が小さく、上澄み液の濁度が高い。
実施例19
試験廃水として、バレル研磨廃水(pH8.7、不揮発分0.7質量%)を用いて、廃水処理方法の評価を行った。
試験廃水200mLを300mLビーカーにとり、ジャーテスターで回転数120rpmにて撹拌しながら、合成例1で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A1の30質量%水溶液2.0gを添加して1分間撹拌し、次いで合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液2.8gを添加して1分間撹拌し、さらにカチオン性高分子凝集剤[ハイモ(株)、ハイモロックMP−384、ポリジメチルアミノエチルアクリレート系]の0.5質量%水溶液0.6gを添加して1分間撹拌した。
実施例1と同様にして、処理廃水のフロック径と上澄み液の濁度を評価した。フロック径は3〜5mmであり、上澄み液の濁度は28度であった。
実施例20
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液2.8gの代わりに、合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液2.7gを添加した以外は、実施例19と同じ操作を行った。フロック径は3〜5mmであり、上澄み液の濁度は5度であった。
実施例21
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液2.8gの代わりに、合成例6で得られたカチオン性重合物B3の20質量%水溶液2.5gを添加した以外は、実施例19と同じ操作を行った。フロック径は3〜5mmであり、上澄み液の濁度は17度であった。
実施例22
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液2.8gの代わりに、合成例7で得られたカチオン性重合物B4の20質量%水溶液3.5gを添加した以外は、実施例19と同じ操作を行った。フロック径は3〜5mmであり、上澄み液の濁度は18度であった。
実施例23
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液2.8gの代わりに、合成例8で得られたカチオン性重合物B5の20質量%水溶液2.2gを添加した以外は、実施例19と同じ操作を行った。フロック径は1〜3mmであり、上澄み液の濁度は21度であった。
実施例24
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液2.8gの代わりに、合成例9で得られたカチオン性重合物B6の20質量%水溶液2.2gを添加した以外は、実施例19と同じ操作を行った。フロック径は3〜5mmであり、上澄み液の濁度は18度であった。
実施例25
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液2.8gの代わりに、合成例10で得られたカチオン性重合物B7の20質量%水溶液2.7gを添加した以外は、実施例19と同じ操作を行った。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は22度であった。
実施例26
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液2.8gの代わりに、合成例11で得られたカチオン性重合物B8の20質量%水溶液2.8gを添加した以外は、実施例19と同じ操作を行った。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は6度であった。
実施例27
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液2.8gの代わりに、合成例12で得られたカチオン性重合物B9の20質量%水溶液3.5gを添加した以外は、実施例19と同じ操作を行った。フロック径は3〜5mmであり、上澄み液の濁度は17度であった。
実施例28
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液2.8gの代わりに、合成例13で得られたカチオン性重合物B10の20質量%水溶液2.8gを添加した以外は、実施例19と同じ操作を行った。フロック径は3〜7mmであり、上澄み液の濁度は18度であった。
実施例29
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液2.8gの代わりに、合成例14で得られたカチオン性重合物B11の20質量%水溶液1.6gを添加した以外は、実施例19と同じ操作を行った。フロック径は1〜3mmであり、上澄み液の濁度は9度であった。
実施例30
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液2.8gの代わりに、合成例15で得られたカチオン性重合物B12の20質量%水溶液2.1gを添加した以外は、実施例19と同じ操作を行った。フロック径は3〜5mmであり、上澄み液の濁度は15度であった。
実施例31
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液2.8gの代わりに、合成例16で得られたカチオン性重合物B13の20質量%水溶液2.5gを添加した以外は、実施例19と同じ操作を行った。フロック径は3〜5mmであり、上澄み液の濁度は32度であった。
実施例32
試験廃水として、実施例19と同じバレル研磨廃水を用いて、廃水処理方法の評価を行った。
試験廃水200mLを300mLビーカーにとり、ジャーテスターで回転数120rpmにて撹拌しながら、合成例2で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A2の30質量%水溶液2.0gを添加して1分間撹拌し、次いで合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液2.2gを添加して1分間撹拌し、さらにカチオン性高分子凝集剤[ハイモ(株)、ハイモロックMS−884、ポリジメチルアミノエチルアクリレート/アクリルアミド/アクリレート系]の0.5質量%水溶液0.6gを添加して1分間撹拌した。
実施例1と同様にして、処理廃水のフロック径と上澄み液の濁度を測定した。フロック径は3〜5mmであり、上澄み液の濁度は14度であった。
実施例33
合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液2.2gの代わりに、合成例11で得られたカチオン性重合物B8の20質量%水溶液2.7gを添加した以外は、実施例32と同じ操作を行った。フロック径は3〜5mmであり、上澄み液の濁度は10度であった。
実施例34
合成例2で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A2の30質量%水溶液の代わりに、合成例3で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A3の30質量%水溶液を用い、合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液の添加量を2.7gとした以外は、実施例32と同じ操作を行った。フロック径は3〜5mmであり、上澄み液の濁度は15度であった。
実施例35
合成例2で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A2の30質量%水溶液の代わりに、合成例3で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A3の30質量%水溶液を用い、合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液2.2gの代わりに、合成例11で得られたカチオン性重合物B8の20質量%水溶液2.7gを添加した以外は、実施例32と同じ操作を行った。フロック径は3〜5mmであり、上澄み液の濁度は14度であった。
実施例36
試験廃水として、実施例19と同じバレル研磨廃水を用いて、廃水処理方法の評価を行った。
試験廃水200mLを300mLビーカーにとり、ジャーテスターで回転数120rpmにて撹拌しながら、合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液2.7gを添加して1分間撹拌し、次いで合成例1で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A1の30質量%水溶液2.0gを添加して1分間撹拌し、さらにカチオン性高分子凝集剤[ハイモ(株)、ハイモロックMS−884、ポリジメチルアミノエチルアクリレート/アクリルアミド/アクリレート系]の0.5質量%水溶液0.6gを添加して1分間撹拌した。
実施例1と同様にして、処理廃水のフロック径と上澄み液の濁度を測定した。フロック径は3〜5mmであり、上澄み液の濁度は14度であった。
比較例8
試験廃水として、実施例19と同じバレル研磨廃水を用いて、廃水処理方法の評価を行った。
試験廃水200mLを300mLビーカーにとり、ジャーテスターで回転数120rpmにて撹拌しながら、合成例1で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A1の30質量%水溶液2.0gを添加して1分間撹拌し、次いで合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液3.2gを添加して1分間撹拌した。
実施例1と同様にして、処理廃水のフロック径と上澄み液の濁度を測定した。フロック径は1mmであり、上澄み液の濁度は245度であった。
比較例9
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液を添加しないこと以外は、実施例19と同じ操作を行った。処理廃水にフロックは形成されず、上澄み液の濁度は699度であった。
比較例10
試験廃水として、実施例19と同じバレル研磨廃水を用いて、廃水処理方法の評価を行った。
試験廃水200mLを300mLビーカーにとり、ジャーテスターで回転数120rpmにて撹拌しながら、合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液3.2gを添加して1分間撹拌し、次いでカチオン性高分子凝集剤[ハイモ(株)、ハイモロックMP−384、ポリジメチルアミノエチルアクリレート系]の0.5質量%水溶液0.6gを添加して1分間撹拌した。処理廃水にフロックは形成されず、濁度は1,000度を超えていた。
比較例11
試験廃水として、実施例19と同じバレル研磨廃水を用いて、廃水処理方法の評価を行った。
試験廃水200mLを300mLビーカーにとり、ジャーテスターで回転数120rpmにて撹拌しながら、合成例1で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A1の30質量%水溶液2.0gを添加して1分間撹拌した。処理廃水にフロックは形成されず、上澄み液の濁度は769度であった。
比較例12
合成例1で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A1の30質量%水溶液2.0gの代わりに、合成例5で得られたカチオン性重合物B2の20質量%水溶液3.2gを添加した以外は、比較例11と同じ操作を行った。処理廃水にフロックは形成されず、濁度は1,000度を超えていた。
比較例13
合成例1で得られたスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩A1の30質量%水溶液2.0gの代わりに、カチオン性高分子凝集剤[ハイモ(株)、ハイモロックMP−384、ポリジメチルアミノエチルアクリレート系]の0.5質量%水溶液0.6gを添加した以外は、比較例11と同じ操作を行った。処理廃水にフロックは形成されず、上澄み液の濁度は813度を超えていた。
比較例14
合成例4で得られたカチオン性重合物B1の20質量%水溶液2.8gの代わりに、合成例17で得られた比較用カチオン性重合物B14の20質量%水溶液3.0gを添加した以外は、実施例19と同じ操作を行った。フロック径は1mm未満であり、上澄み液の濁度は194度であった。
実施例19〜36及び比較例8〜14の結果を、第2表に示す。
Figure 2007038177
Figure 2007038177
第2表に見られるように、バレル研磨廃水に、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩を添加し、次いで20質量%水溶液の25℃における粘度が2〜284mPa・sであるカチオン性重合物を添加し、さらに高分子凝集剤を添加した実施例19〜35では、フロック径の大きい凝集物が形成され、上澄み液の濁度が低い。スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩とカチオン性重合物の添加順序を入れ替えて、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン廃水に、20質量%水溶液の25℃における粘度が172mPa・sであるカチオン性重合物を添加し、次いでスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩を添加し、さらに高分子凝集剤を添加した実施例36でも、フロック径の大きい凝集物が形成され、上澄み液の濁度が低い。
これに対して、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩とカチオン性重合物を添加し、高分子凝集剤を添加しない比較例8では、凝集物のフロック径が小さく、上澄み液の濁度が高い。スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩と高分子凝集剤のみを添加した比較例9、カチオン性重合物と高分子凝集剤のみを添加した比較例10、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩のみを添加した比較例11、カチオン性重合物のみを添加した比較例12、高分子凝集剤のみを添加した比較例13では、フロックが形成されず、濁度が極めて高い。スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩、カチオン性重合物及び高分子凝集剤をこの順に添加しても、カチオン性重合物の20質量%水溶液の25℃における粘度が335mPa・sである比較例14では、凝集物のフロック径が小さく、上澄み液の濁度が高い。
本発明の廃水処理剤及び廃水処理方法によれば、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン廃水、アクリル樹脂系エマルジョン廃水、切削液廃水やバレル研磨廃水などをはじめ、一般的な無機系凝集剤や高分子凝集剤では凝集沈殿処理が困難な種々の廃水について、効果的かつ容易に凝集沈殿処理を行うことが可能となる。

Claims (4)

  1. スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩、20質量%水溶液の25℃における粘度が1〜300mPa・sであるカチオン性重合物及び高分子凝集剤を組み合わせてなることを特徴とする廃水処理剤。
  2. カチオン性重合物に、無機凝集剤が添加された請求項1記載の廃水処理剤。
  3. 廃水に、スルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩を添加し、次いで20質量%水溶液の25℃における粘度が1〜300mPa・sであるカチオン性重合物を添加し、さらに高分子凝集剤を添加して、凝集沈殿することを特徴とする廃水処理方法。
  4. 廃水に、20質量%水溶液の25℃における粘度が1〜300mPa・sであるカチオン性重合物を添加し、次いでスルホン化芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合物又はその塩を添加し、さらに高分子凝集剤を添加して、凝集沈殿することを特徴とする廃水処理方法。
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