JP2024048367A - 糸継装置及び糸継方法 - Google Patents

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    • B65H2701/31Textiles threads or artificial strands of filaments

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Abstract

【課題】糸を継ぎ合わせるときにテール部分が生じることを抑制する。【解決手段】糸継装置6は、スリット61aを有する交絡手段61と、糸Y(Y1)を切断及び把持する第1クランプカッター64と、糸Y(Y2)を切断及び把持する第2クランプカッター65と、を含む。第1クランプカッター64は、機台長手方向におけるスリット61aの延長線を挟むようにして第1切断部64aと第1把持部64bとが開いた開放状態と、第1切断部64aと第1把持部64bとが閉じた閉鎖状態との間で切り替え可能である。第2クランプカッター65は、機台長手方向におけるスリット61aの延長線を挟むようにして第2切断部65aと第2把持部65bとが開いた開放状態と、第2切断部65aと第2把持部65bとが閉じた閉鎖状態との間で切り替え可能である。【選択図】図4

Description

本発明は、2つの糸を継ぎ合わせる糸継装置及び糸継方法に関する。
2つのパッケージの糸の端同士を継ぎ合わせるための糸継装置(スプライサー)が知られている。例えば、特許文献1には、エアノズルを有する交絡手段と、交絡手段の両側に配置され糸を把持する一対の糸把持手段(特許文献1のクランパ)と、交絡手段と糸把持手段との間に配置された切断手段と、を有する糸継装置(特許文献1の結合装置)が開示されている。
特許文献1の糸継装置は、一対の糸把持手段に把持された2本の糸に対してエアノズルから圧縮空気を噴射させて交絡を付与することで、2本の糸を継ぎ合わせる。2本の糸のうち交絡が付与された交絡部分からはみ出している部分をテール部分と呼ぶ。このような糸のテール部分は、例えば、織物や編物としたときに染色ムラが生じるなどの原因となるため、次の工程に進む前に取り除く必要があり、切断手段によって切断される。
特開2000-16704号公報
しかしながら、特許文献1のような糸継装置では、交絡手段と切断手段との間の距離が長いため、切断手段による切断後も交絡手段と切断手段との間のテール部分がなお残ってしまうことがある。残ってしまったテール部分は、従来、作業員が手作業でテール部分を切断することで対応していた。しかし、作業員による手作業での切断は手間となる上、糸のテール部分以外の箇所を傷付けてしまうおそれがある。
テール部分が生じないように作業員が交絡手段への糸入れ長さを調整することも考えられるが、糸入れ具合は作業員の技量に左右され、テール部分が残ることもしばしばあった。
本発明の目的は、糸を継ぎ合わせるときにテール部分が生じることを抑制することである。
本発明の糸継装置は、所定方向に延びたスリットを有し、前記スリットを通る2本の糸を交絡させる交絡手段と、前記所定方向における前記交絡手段の一方側に配置され、前記糸を切断及び把持する第1糸切断把持手段と、前記所定方向における前記交絡手段の他方側に配置され、前記糸を切断及び把持する第2糸切断把持手段と、を備え、前記第1糸切断把持手段は、相互に開閉可能な2つの刃を有し、前記2つの刃が前記糸を挟むことにより前記糸を切断する第1切断部と、前記第1切断部と前記交絡手段との間に配置され、相互に開閉可能な2つの把持部材を有し、前記2つの把持部材が前記糸を挟むことにより前記糸を把持する第1把持部と、を有し、前記所定方向における前記スリットの延長線を挟むようにして前記第1切断部と前記第1把持部が開いた開放状態と、前記第1切断部と前記第1把持部が閉じた閉鎖状態との間で切り替え可能であって、前記第2糸切断把持手段は、相互に開閉可能な2つの刃を有し、前記2つの刃が前記糸を挟むことにより前記糸を切断する第2切断部と、前記第2切断部と前記交絡手段との間に配置され、相互に開閉可能な2つの把持部材を有し、前記2つの把持部材が前記糸を挟むことにより前記糸を把持する第2把持部と、を有し、前記所定方向における前記スリットの延長線を挟むようにして前記第2切断部と前記第2把持部が開いた開放状態と、前記第2切断部と前記第2把持部が閉じた閉鎖状態との間で切り替え可能である。
このような糸継装置では、交絡手段の一方側にはみ出た一方の糸の部分を第1糸切断把持手段によって切断及び把持し、交絡手段の他方側にはみ出た他方の糸の部分を第2糸切断把持手段によって切断及び把持する。そして、各糸切断把持手段によって切断された2本の糸に対して、交絡手段によって交絡が付与される。したがって、第1糸切断把持手段及び第2糸切断把持手段が交絡手段に近ければ近いほど、2本の糸のうちの各糸切断把持手段によって切断される箇所と交絡手段との間の距離が短くなり、テール部分を減らすことができる。ここで、第1糸切断部把持部及び第2糸切断把持部と交絡手段の位置関係は、第1糸切断把持手段及び第2糸切断把持手段と交絡手段に2本の糸を通すことができればよいので、どのような位置関係であっても構わない。しかし、開放状態の第1切断部及び第1把持部並びに第2切断部及び第2把持部がスリットの延長線を挟むようには配置されていない場合、すなわち、開放状態の第1切断部及び第1把持部並びに第2切断部及び第2把持部が所定方向におけるスリットの延長線から外れた位置にある場合、スリットから両側にはみ出した各糸を曲げて、スリットの延長線上から外れた位置にある各切断部及び各把持部の間まで持って行く必要がある。このため、交絡手段と各糸切断把持手段との間の距離が短くなると、各切断部及び各把持部の間に糸を通すためにスリットの両側で糸を大きく曲げる必要が生じ、スリットへの糸入れが行いづらくなる。したがって、交絡手段と各糸切断把持手段とを近づけるのにも限界がある。本発明によれば、第1切断部及び第1把持部並びに第2切断部及び第2把持部は、所定方向におけるスリットの延長線を挟むようにして開く。このため、スリットに入れる糸をそのままスリットの延長線に沿わせるようにすれば、糸を容易にスリット並びに各切断部及び各把持部の間に通すことができる。これにより、各糸切断把持手段を交絡手段に近づけても、スリット及び各糸切断把持手段への糸入れに支障が生じることがない。よって、各糸切断把持手段を交絡手段に極力近づけることが可能となり、糸を継ぎ合わせるときにテール部分が生じることを抑制することができる。
本発明の糸継装置において、前記第1糸切断把持手段が前記閉鎖状態のとき、前記第1切断部と前記第1把持部は、前記所定方向における前記スリットの延長線上から外れた位置にあり、前記第2糸切断把持手段が前記閉鎖状態のとき、前記第2切断部と前記第2把持部は、前記所定方向における前記スリットの延長線上から外れた位置にあることが好ましい。
2本の糸を継ぎ合わせる際に、一方の糸をスリットに入れて第1糸切断把持手段によって切断及び把持させた後に、他方の糸をスリットに入れて第2糸切断把持手段によって切断及び把持させる、という手順をとることがある。この場合、一方の糸をスリットに入れる際は、第1糸切断把持手段を開放状態とし、第2糸切断把持手段を閉鎖状態とする必要がある。これは、一方の糸を、第1切断部によって切断可能であって第1把持部によって把持可能な状態とし且つ第2切断部によって切断されず第2把持部によって把持されないようにするためである。逆に、他方の糸をスリットに入れる際は、第2糸切断把持手段を開放状態とし、第1糸切断把持手段を閉鎖状態とする必要がある。これは、他方の糸を、第2切断部によって切断可能であって第2把持部によって把持可能な状態とし且つ第1切断部によって切断されず第1把持部によって把持されないようにするためである。本発明によれば、第1糸切断把持手段が閉鎖状態のときの第1切断部及び第1把持部と、第2糸切断把持手段が閉鎖状態のときの第2切断部及び第2把持部とは、所定方向におけるスリットの延長線上から外れた位置にある。このため、一方の糸をスリットに入れる際に、閉じた閉鎖状態の第2切断部及び第2把持部が糸入れの邪魔とならない。同様に、他方の糸をスリットに入れる際に、閉じた閉鎖状態の第1切断部及び第1把持部が糸入れの邪魔とならない。これにより、スリットへの糸入れを容易に行うことができる。
本発明の糸継装置において、前記所定方向における前記第1糸切断把持手段の一方側に配置され、糸を把持する第1糸把持手段と、前記所定方向における前記第2糸切断把持手段の他方側に配置され、糸を把持する第2糸把持手段と、前記第1糸把持手段を移動させて、前記第1糸把持手段と前記第2糸切断把持手段によって把持された前記糸を伸張及び弛緩させることが可能な第1移動機構と、前記第2糸把持手段を移動させて、前記第2糸把持手段と前記第1糸切断把持手段によって把持された前記糸を伸張及び弛緩させることが可能な第2移動機構と、をさらに備えることが好ましい。
本発明によれば、糸を伸張及び弛緩させることで、糸の嵩高性を減らすとともに、糸を適度にほぐすことができる。これにより、2本の糸に交絡が入り易くなる。
本発明の糸継装置において、前記交絡手段と、前記第1移動機構と、前記第2移動機構と、を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記交絡手段によって前記2本の糸に交絡を付与させる前に、前記第1糸把持手段と前記第2糸切断把持手段によって把持された前記糸を伸張及び弛緩させるように前記第1移動機構を制御し、前記交絡手段によって前記2本の糸に交絡を付与させる前に、前記第2糸把持手段と前記第1糸切断把持手段によって把持された前記糸を伸張及び弛緩させるように前記第2移動機構を制御することが好ましい。
本発明によれば、2本の糸に交絡を付与する前に糸を伸張及び弛緩させることで、糸の嵩高性を減らすとともに、糸を適度にほぐすことができる。これにより、2本の糸に交絡がより確実に入り易くなる。
本発明の糸継装置において、前記交絡手段と、前記第1糸切断把持手段及び前記第2糸切断把持手段の状態の切り替えとを制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記第1糸切断把持手段を前記開放状態に切り替えることによって前記糸の把持が解放された後であって、且つ、前記第2糸切断把持手段を前記開放状態に切り替えることによって前記糸の把持が解放された後に、前記スリットを通る前記2本の糸に交絡を付与させるように前記交絡手段を制御することが好ましい。
本発明によれば、交絡手段による2本の糸への交絡付与時に、各糸切断把持手段による糸の把持が解放されている。このため、交絡が付与されるときの糸の動きによって、交絡手段から各糸切断把持手段までの間にある糸がスリットに引き込まれる。これにより、テール部分が生じることをさらに抑制することができる。
本発明の糸継装置において、前記2本の糸のうちの一方の糸を保持する第1糸保持部を有し、前記第1糸保持部に保持された前記一方の糸を前記スリットに通すための第1ロボットアームと、前記2本の糸のうちの他方の糸を保持する第2糸保持部を有し、前記第2糸保持部に保持された前記他方の糸を前記スリットに通すための第2ロボットアームと、前記第1糸切断把持手段及び前記第2糸切断把持手段の状態の切り替えと、前記第1ロボットアーム及び前記第2ロボットアームと、を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記一方の糸を、前記スリットと、前記開放状態とした前記第1糸切断把持手段の前記2つの刃の間及び前記2つの把持部材の間と、に通すように前記第1ロボットアームを制御し、前記他方の糸を、前記スリットと、前記開放状態とした前記第2糸切断把持手段の前記2つの刃の間及び前記2つの把持部材の間と、に通すように前記第2ロボットアームを制御することが好ましい。
本発明によれば、ロボットアームでスリットに糸を通す構成において、スリットの延長線を挟むようにして各切断部及び各把持部が開いている。このため、糸をスリットに通す際に、ロボットアームによって保持させた糸をスリットの延長線に沿わせるように移動させる、すなわち直線に沿って移動させればよい。したがって、糸をスリットに通す際に、ロボットアームの複雑な制御が不要となる。
本発明の糸継装置において、前記制御装置は、前記第2糸切断把持手段を前記閉鎖状態として、前記一方の糸を、前記スリットと、前記開放状態とした前記第1糸切断把持手段の前記2つの刃の間及び前記2つの把持部材の間と、に通すように前記第1ロボットアームを制御する第1ロボットアーム制御と、前記第1ロボットアーム制御の後に、前記第1糸切断把持手段を前記閉鎖状態に切り替えることによって、前記一方の糸を切断及び把持させる糸切断把持制御と、前記糸切断把持制御の後に、前記第2糸切断把持手段を前記開放状態に切り替え、前記他方の糸を、前記スリットと、前記開放状態とした前記第2糸切断把持手段の前記2つの刃の間及び前記2つの把持部材の間と、に通すように前記第2ロボットアームを制御する第2ロボットアーム制御と、を実行し、前記第2糸切断把持手段が前記閉鎖状態から前記開放状態に切り替わるとき、前記第2切断部及び前記第2把持部が、前記第1糸切断把持手段によって把持された前記一方の糸を前記所定方向における前記スリットの延長線上から外れた位置まで押すように構成されていることが好ましい。
一方の糸をスリットに入れて第1糸切断把持手段によって切断及び把持させた後に、他方の糸をスリットに入れて第2糸切断把持手段によって切断及び把持させる、という手順をとる場合、先にスリットに入れた一方の糸が、他方の糸のスリットへの糸入れの邪魔となることがある。本発明によれば、他方の糸をスリットに入れる前に、第2糸切断把持手段を閉鎖状態から開放状態に切り替えることによって、第2切断部及び第2把持部が、先にスリットに入れられて第1糸切断把持手段に把持された一方の糸を、所定方向におけるスリットの延長線上から外れた位置まで押す。このため、他方の糸をスリットに入れる際に、第1糸切断把持手段に把持された一方の糸が邪魔とならない。これにより、スリットへの糸入れをさらに容易に行うことができる。
本発明の糸継方法は、所定方向に延びたスリットを有し、前記スリットを通る2本の糸を交絡させる交絡手段と、前記所定方向における前記交絡手段の一方側に配置され、前記糸を切断及び把持する第1糸切断把持手段と、前記所定方向における前記交絡手段の他方側に配置され、前記糸を切断及び把持する第2糸切断把持手段と、を備え、前記第1糸切断把持手段は、相互に開閉可能な2つの刃を有し、前記2つの刃が前記糸を挟むことにより前記糸を切断する第1切断部と、前記第1切断部と前記交絡手段との間に配置され、相互に開閉可能な2つの把持部材を有し、前記2つの把持部材が前記糸を挟むことにより前記糸を把持する第1把持部と、を有し、前記所定方向における前記スリットの延長線を挟むようにして前記第1切断部と前記第1把持部が開いた開放状態と、前記第1切断部と前記第1把持部が閉じた閉鎖状態との間で切り替え可能であって、前記第2糸切断把持手段は、相互に開閉可能な2つの刃を有し、前記2つの刃が前記糸を挟むことにより前記糸を切断する第2切断部と、前記第2切断部と前記交絡手段との間に配置され、相互に開閉可能な2つの把持部材を有し、前記2つの把持部材が前記糸を挟むことにより前記糸を把持する第2把持部と、を有し、前記所定方向における前記スリットの延長線を挟むようにして前記第2切断部と前記第2把持部が開いた開放状態と、前記第2切断部と前記第2把持部が閉じた閉鎖状態との間で切り替え可能であって、前記第1糸切断把持手段が前記閉鎖状態のとき、前記第1切断部と前記第1把持部は、前記所定方向における前記スリットの延長線上から外れた位置にあり、前記第2糸切断把持手段が前記閉鎖状態のとき、前記第2切断部と前記第2把持部は、前記所定方向における前記スリットの延長線上から外れた位置にあり、前記第2糸切断把持手段が前記閉鎖状態から前記開放状態に切り替わるとき、前記第2切断部及び前記第2把持部が、前記第1糸切断把持手段によって把持された前記一方の糸を前記所定方向における前記スリットの延長線上から外れた位置まで押すように構成された糸継装置によって、2本の糸を継ぎ合わせる糸継方法であって、前記第1糸切断把持手段を前記開放状態とし且つ前記第2糸切断把持手段を前記閉鎖状態として、前記一方の糸を、前記所定方向の前記他方側から前記一方側に向かって、前記スリットと、前記第1糸切断把持手段の前記2つの刃の間及び前記2つの把持部材の間と、に通す第1糸挿入工程と、前記第1糸切断把持手段を前記開放状態から前記閉鎖状態に切り替えることによって、前記一方の糸を切断及び把持させる第1糸切断把持工程と、前記第2糸切断把持手段を前記閉鎖状態から前記開放状態に切り替え、前記他方の糸を、前記所定方向の前記一方側から前記他方側に向かって、前記スリットと、前記第2糸切断把持手段の前記2つの刃の間及び前記2つの把持部材の間と、に通す第2糸挿入工程と、前記第2糸切断把持手段を前記開放状態から前記閉鎖状態に切り替えることによって、前記他方の糸を切断及び把持させる第2糸切断把持工程と、前記第1糸切断把持手段を前記閉鎖状態から前記開放状態に切り替えることによって前記一方の糸の把持が解放され、且つ、前記第2糸切断把持手段を前記閉鎖状態から前記開放状態に切り替えることによって前記他方の糸の把持が解放された後に、前記交絡手段によって前記スリットに通された前記2本の糸を交絡させる交絡付与工程と、を実行する。
このような糸継装置では、交絡手段の一方側にはみ出た一方の糸の部分を第1糸切断把持手段によって切断及び把持し、交絡手段の他方側にはみ出た他方の糸の部分を第2糸切断把持手段によって切断及び把持する。そして、各糸切断把持手段によって切断された2本の糸に対して、交絡手段によって交絡が付与される。したがって、第1糸切断把持手段及び第2糸切断把持手段が交絡手段に近ければ近いほど、2本の糸のうちの各糸切断把持手段によって切断される箇所と交絡手段との間の距離が短くなり、テール部分を減らすことができる。ここで、第1糸切断部把持部及び第2糸切断把持部と交絡手段の位置関係は、第1糸切断把持手段及び第2糸切断把持手段と交絡手段に2本の糸を通すことができればよいので、どのような位置関係であっても構わない。しかし、開放状態の第1切断部及び第1把持部並びに第2切断部及び第2把持部がスリットの延長線を挟むようには配置されていない場合、すなわち、開放状態の第1切断部及び第1把持部並びに第2切断部及び第2把持部が所定方向におけるスリットの延長線から外れた位置にある場合、スリットから両側にはみ出した各糸を曲げて、スリットの延長線上から外れた位置にある各切断部及び各把持部の間まで持って行く必要がある。このため、交絡手段と各糸切断把持手段との間の距離が短くなると、各切断部及び各把持部の間に糸を通すためにスリットの両側で糸を大きく曲げる必要が生じ、スリットへの糸入れが行いづらくなる。したがって、交絡手段と各糸切断把持手段とを近づけるのにも限界がある。本発明によれば、第1切断部及び第1把持部並びに第2切断部及び第2把持部は、所定方向におけるスリットの延長線を挟むようにして開く。このため、スリットに入れる糸をそのままスリットの延長線に沿わせるようにすれば、糸を容易にスリット並びに各切断部及び各把持部の間に通すことができる。これにより、各糸切断把持手段を交絡手段に近づけても、スリット及び各糸切断把持手段への糸入れに支障が生じることがない。よって、各糸切断把持手段を交絡手段に極力近づけることが可能となり、糸を継ぎ合わせるときにテール部分が生じることを抑制することができる。
また、本発明の糸継方法では以下のような効果が得られる。具体的に説明すると、2本の糸を継ぎ合わせる際に、一方の糸をスリットに入れて第1糸切断把持手段によって切断及び把持させた後に、他方の糸をスリットに入れて第2糸切断把持手段によって切断及び把持させる、という手順をとることがある。この場合、一方の糸をスリットに入れる際は、第1糸切断把持手段を開放状態とし、第2糸切断把持手段を閉鎖状態とする必要がある。これは、一方の糸を、第1切断部によって切断可能であって第1把持部によって把持可能な状態とし且つ第2切断部によって切断されず第2把持部によって把持されないようにするためである。逆に、他方の糸をスリットに入れる際は、第2糸切断把持手段を開放状態とし、第1糸切断把持手段を閉鎖状態とする必要がある。これは、他方の糸を、第2切断部によって切断可能であって第2把持部によって把持可能な状態とし且つ第1切断部によって切断されず第1把持部によって把持されないようにするためである。本発明の糸継方法によれば、第1糸切断把持手段が閉鎖状態のときの第1切断部及び第1把持部と、第2糸切断把持手段が閉鎖状態のときの第2切断部及び第2把持部は、所定方向におけるスリットの延長線上から外れた位置にある。このため、一方の糸をスリットに入れる際に、閉じた閉鎖状態の第2切断部及び第2把持部が糸入れの邪魔とならない。同様に、他方の糸をスリットに入れる際に、閉じた閉鎖状態の第1切断部及び第1把持部が糸入れの邪魔とならない。これにより、スリットへの糸入れを容易に行うことができる。
また、本発明の糸継方法では以下のような効果が得られる。具体的に説明すると、一方の糸をスリットに入れて第1糸切断把持手段によって切断及び把持させた後に、他方の糸をスリットに入れて第2糸切断把持手段によって切断及び把持させる、という手順をとる場合、先にスリットに入れた一方の糸が、他方の糸のスリットへの糸入れの邪魔となることがある。本発明の糸継方法によれば、他方の糸をスリットに入れる前に、第2糸切断把持手段を閉鎖状態から開放状態に切り替えることによって、第2切断部及び第2把持が、先にスリットに入れられて第1糸切断把持手段に把持された一方の糸を、所定方向におけるスリットの延長線上から外れた位置まで押す。このため、他方の糸をスリットに入れる際に、第1糸切断把持手段に把持された一方の糸が邪魔とならない。これにより、スリットへの糸入れをさらに容易に行うことができる。
さらに、本発明の糸継方法によれば、交絡手段による2本の糸への交絡付与時に、各糸切断把持手段による糸の把持が解放されている。このため、交絡が付与されるときの糸の動きによって、交絡手段から各糸切断把持手段までの間にある糸がスリットに引き込まれる。これにより、テール部分が生じることをさらに抑制することができる。
本実施形態に係る仮撚加工機の概略側面図である。 図1に示すクリールスタンドの正面図である。 糸継装置を示す側面図である。 図3に示す糸継装置の上面図である。 糸継装置による糸継作業の手順を示す図であって、一方の給糸パッケージの糸をスリットに通した状態を示す図である。 糸継装置による糸継作業の手順を示す図であって、第1クランプカッターで一方の給糸パッケージの糸を切断及び把持した状態を示す図である。 糸継装置による糸継作業の手順を示す図であって、第2クランプカッターを閉鎖状態から開放状態に切り替えたときの状態を示す図である。 糸継装置による糸継作業の手順を示す図であって、他方の給糸パッケージの糸をスリットに通した状態を示す図である。 糸継装置による糸継作業の手順を示す図であって、第2クランプカッターで他方の給糸パッケージの糸を切断及び把持した状態を示す図である。 糸継装置による糸継作業の手順を示す図であって、第1クランプカッター及び第2クランパーで一方の給糸パッケージの糸を把持し、第2クランプカッター及び第1クランパーで他方の給糸パッケージの糸を把持した状態を示す図である。 糸継装置による糸継作業の手順を示す図であって、交絡手段によって2本の糸への交絡付与を開始した状態を示す図である。 糸継装置による糸継作業の手順を示す図であって、交絡手段によって2本の糸への交絡付与中の状態を示す図である。 変形例に係る糸継作業の手順を示す図であって、2本の糸をスリットに通したときの状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態において糸継装置6は、仮撚加工機1に適用され、2つの給糸パッケージPsの2本の糸を継ぎ合わせるために用いられる。
(仮撚加工機1)
まず、図1を参照しつつ、仮撚加工機1の概略構成について説明する。以下、図1の紙面上下方向を上下方向、紙面左右方向を機台幅方向とする。上下方向は、重力が作用する鉛直方向である。また、図1の紙面に垂直な方向を機台幅方向とする。以下、上記の方向語を適宜使用して説明する。
仮撚加工機1は、例えばナイロン(ポリアミド系繊維)等の合成繊維からなる糸Yを仮撚加工可能に構成されている。仮撚加工機1は、糸Yを供給するための給糸部2と、給糸部2から供給された糸Yを仮撚加工する加工部3と、加工部3によって加工された糸Yを巻取ボビンBwに巻き取る巻取部4とを備える。給糸部2、加工部3及び巻取部4が有する各構成要素は、給糸部2から加工部3を通って巻取部4に至る糸道が配置される糸の走行面(図1の紙面)と直交する機台長手方向において、複数配列されている。
給糸部2は、複数の給糸パッケージPsを保持するクリールスタンド5を有し、加工部3に複数の糸Yを供給する。加工部3は、糸走行方向の上流側から順に、第1フィードローラ11、撚止ガイド12、第1加熱装置13、冷却装置14、仮撚装置15、第2フィードローラ16、交絡装置17、第3フィードローラ18、第2加熱装置19、第4フィードローラ20が配置された構成となっている。巻取部4は、加工部3で仮撚加工された糸Yを巻取装置21でボビンBwに巻き取って巻取パッケージPwを形成する。
給糸部2から加工部3に供給された糸Yは、第1フィードローラ11と第2フィードローラ16との間で延伸され、加撚装置15によって撚りが付与される。加撚装置15によって形成される撚りは、撚止ガイド12までは伝播されるが、撚止ガイド12よりも糸走行方向上流側には伝播しない。こうして延伸されつつ撚りが付与された糸Yは、第1加熱装置13で加熱された後、冷却装置14で冷却されて熱固定される。加撚装置15を通過した糸Yは、第2フィードローラ16に至るまでに撚りが解かれる。しかし、糸Yの撚りは上述のように熱固定されているため、各フィラメントが波状の仮撚状態を維持する。その後、交絡装置17で交絡が付与され、第2加熱装置19で熱固定された糸Yは、巻取装置21によって巻き取られる。
また、図1に示すように、仮撚加工機1は、機台幅方向に間隔を置いて配置された主機台8及び巻取台9を有する。主機台8及び巻取台9は、機台長手方向に略同じ長さに延設されており、互いに対向するように配置されている。主機台8の上部と巻取台9の上部とは、支持フレーム10によって連結されている。加工部3を構成する各装置は、主に主機台8や支持フレーム10に取り付けられている。巻取部4を構成する巻取装置21は、巻取台9に取り付けられている。
クリールスタンド5は、機台幅方向に関して巻取台9を挟んで主機台8とは反対側に配置されている。クリールスタンド5は、機台幅方向に関して背中合わせで一対配置されている。クリールスタンド5は、機台長手方向において複数配列されている。クリールスタンド5の機台長手方向に関する配列長さは、主機台8及び巻取台9機台長手方向に関する長さと略同じである。
背中合わせで一対配置されているクリールスタンド5の機台幅方向に関する両側の床面には、機台長手方向に延びるレールRがそれぞれ敷設されている。後述する糸継装置6(図3及び図4参照)を支持する走行台車(図示せず)は、レールRに沿って走行する。
仮撚加工機1は、主機台8を中心に機台幅方向に関して左右対称に構成されている。すなわち、機台幅方向に関して主機台8の両側にそれぞれ巻取台9及びクリールスタンド5が配置されている。図1は、左側の巻取台9及びクリールスタンド5については図示を省略している。
(クリールスタンド)
ここで、図2を参照しつつ、クリールスタンド5の構成について説明する。図2に示すように、クリールスタンド5は、クリール基台部51と、支柱52a、52bと、複数の仕切板53と、複数のペッグ54と、を主に有している。クリール基台部51は、枠状のフレーム体である。支柱52a、52bは、クリール基台部51に垂直に立設されている。支柱52a、52bは、上下方向に沿って延在している。支柱52a、52bは、機台長手方向に関して所定の間隔をあけて配置されている。複数の仕切板53は、支柱52a、52bに設けられている。複数の仕切板53は、支柱52a、52bの上下方向において、所定の間隔をあけて配置されている。
ペッグ54は、給糸パッケージPsを支持する。ペッグ54は、支柱52a、52bにそれぞれ設けられている。以降の説明において、支柱52aに設けられたペッグ54に支持される給糸パッケージPsを「給糸パッケージPs1」と称し、支柱52bに設けられたペッグ54に支持される給糸パッケージPsを「給糸パッケージPs2」と称することがある。
ペッグ54は、支柱52a、52bの上下方向において、所定の間隔をあけて複数(例えば、8個)配置されている。ペッグ54は、一対の仕切板53の間に配置されている。支柱52aに設けられているペッグ54と、支柱52bに設けられているペッグ54とは、同じ高さ位置に並んで配置されている。すなわち、クリールスタンド5においては、複数の給糸パッケージPsが、上下方向及び機台長手方向に関してマトリクス状に配置された状態でペッグ54に支持される。
クリールスタンド5において同じ高さに並んで配置される2つのペッグ54にそれぞれ支持される2つの給糸パッケージPsのうち、一方の給糸パッケージPs1の内層側の糸Y1と、他方の給糸パッケージPs2の外層側の糸Y2とは、後述する糸継装置6によって繋がれる。これにより、クリールスタンド5では、一方の給糸パッケージPsの糸Yが無くなったとしても、他の給糸パッケージPsから糸Yが供給されるため、糸Yを連続的に供給することができる。
(糸継装置6)
次に、糸継装置6について、図3及び図4を参照しつつ、以下に説明する。糸継装置6は、基台22に支持されている。基台22は、レールR(図1参照)に沿って走行する走行台車(不図示)に垂直に立設された支柱23に沿って昇降自在に設けられている。糸継装置6は、スプライサ60と、ロボットアーム25と、制御装置69と、を含む。
糸継装置6は、走行台車がレールRに沿って走行することで、機台長手方向において複数配列されるクリールスタンド5のそれぞれと対向する位置に移動可能である。また、糸継装置6は、基台22が支柱23に沿って昇降することで、クリールスタンド5に支持されている複数の給糸パッケージPsのそれぞれと対向する位置に移動可能である。
スプライサ60は、交絡手段61と、第1クランパー62(本発明の第1糸把持手段)と、第2クランパー63(本発明の第2糸把持手段)と、第1クランプカッター64(本発明の第1糸切断把持手段)と、第2クランプカッター65(本発明の第2糸切断把持手段)と、2つのガイド66、67と、本体部68と、を含む。交絡手段61、第1クランパー62、第2クランパー63、第1クランプカッター64、第2クランプカッター65、2つのガイド66、67は、本体部68に取り付けられている。本体部68は、基台22に取り付けられている。
交絡手段61は、図3に示すように、スリット61aと、ノズル(不図示)と、ノズル蓋(不図示)と、を有する。スリット61aは、機台長手方向に貫通しており、スリット61aを糸Yが走行可能である。機台長手方向が、本発明の所定方向に相当する。ノズルは、機台幅方向に圧縮空気を噴射可能に構成されている。ノズル蓋は、スリット61aの上面を覆う部材であって、開閉可能に構成されている。ノズル蓋は、スリット61aに糸Yが通される前はスリット61aの上面を開放するように開いた状態となっており、スリット61aに糸Yが通された後にスリット61aの上面を覆うように閉じた状態となる。交絡手段61は、スリット61aを通る2本の糸Yに対して、ノズルから圧縮空気を噴射することで交絡を付与し、糸継ぎを行う。
第1クランパー62は、スリット61aに通された糸Yを把持するものである。第1クランパー62は、機台長手方向における交絡手段61の一方側に配置されている。第1クランパー62は、固定部62aと、可動部62bと、を有している。固定部62a及び可動部62bは、機台幅方向に沿う一直線上に並んでいる。可動部62bは、例えば、不図示のエアシリンダによって機台幅方向に沿って移動可能である。可動部62bは、固定部62aとの間で糸Yを挟持可能な挟持位置(図10~図12参照)と、挟持位置よりも固定部62aから離れた解除位置(図4~図9参照)とを取り得る。また、第1クランパー62の可動部62bが設けられている側の端部には、上下方向に沿った回転軸62cが形成されている。第1クランパー62は、回転軸62cを中心に回転することで、回転移動することが可能である。第1クランパー62は、可動部62bが解除位置にあるときには回転軸62cを中心とした回転移動が規制され、可動部62bが挟持位置にあるときに回転軸62cを中心とした回転移動が可能である。第1クランパー62の回転移動は、例えば、カム機構90によって駆動される。なお、カム機構90が、本発明の第1移動機構に相当する。
第2クランパー63は、スリット61aに通された糸Yを把持するものである。第2クランパー63は、機台長手方向における交絡手段61の他方側に配置されている。第2クランパー63は、固定部63aと、可動部63bと、を有している。固定部63a及び可動部63bは、機台幅方向に沿う一直線上に並んでいる。可動部63bは、例えば、不図示のエアシリンダによって機台幅方向に沿って移動可能である。可動部63bは、固定部63aとの間で糸Yを挟持可能な挟持位置(図10~図12参照)と、挟持位置よりも固定部63aから離れた解除位置(図4~図9参照)とを取り得る。また、第2クランパー63の可動部63bが設けられている側の端部には、上下方向に沿った回転軸63cが形成されている。第2クランパー63は、回転軸63cを中心に回転することで、回転移動することが可能である。第2クランパー63は、可動部63bが解除位置にあるときには回転軸63cを中心とした回転移動が規制され、可動部63bが挟持位置にあるときに回転軸63cを中心とした回転移動が可能である。第2クランパー63の回転移動は、例えば、カム機構90によって駆動される。なお、カム機構90が、本発明の第2移動機構に相当する。本実施形態では、第1移動機構と第2移動機構は、共通のカム機構90である。
第1クランプカッター64は、スリット61aに通される2本の糸Yのうちの一方の糸Yを切断及び把持するものである。第1クランプカッター64は、機台長手方向において、交絡手段61の一方側であって、第1クランパー62の他方側に配置されている。すなわち、第1クランプカッター64は、機台長手方向において交絡手段61と第1クランパー62との間に配置されている。図4に示すように、第1クランプカッター64は、固定刃64a1と可動刃64a2とを有する第1切断部64aと、固定把持部材64b1と可動把持部材64b2とを有する第1把持部64bと、を含む。固定刃64a1及び可動刃64a2が、本発明の2つの刃に相当する。固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2が、本発明の2つの把持部材に相当する。
固定刃64a1及び可動刃64a2は、機台幅方向に沿う一直線上に並んでいる。固定刃64a1及び可動刃64a2は、相互に開閉可能である。具体的には、可動刃64a2は、例えば、不図示のエアシリンダによって機台幅方向に沿って移動可能である。これにより、固定刃64a1及び可動刃64a2は、開いた開放状態(図4、図5、図11参照)と閉じた閉鎖状態(図6~図10、図12参照)とを取り得る。固定刃64a1及び可動刃64a2は、開いた開放状態のとき、機台長手方向におけるスリット61aの延長線を挟む位置にある。なお、ここでいう機台長手方向におけるスリット61aの延長線とは、機台幅方向におけるスリット61aの中心位置を通る、機台長手方向に延びた直線である。固定刃64a1及び可動刃64a2は、閉じた閉鎖状態のとき、固定刃64a1と可動刃64a2との間にある糸Yを切断する。固定刃64a1及び可動刃64a2は、閉じた閉鎖状態のとき、機台長手方向におけるスリット61aの延長線上から外れた位置にある。
固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2は、機台幅方向に沿う一直線上に並んでいる。また、固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2は、機台長手方向において、固定刃64a1及び可動刃64a2よりも他方側に配置されている。言い換えれば、固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2は、機台長手方向において、交絡手段61と、固定刃64a1及び可動刃64a2との間に配置されている。固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2は、相互に開閉可能である。具体的には、可動把持部材64b2は、可動刃64a2と一体的に移動可能である。これにより、固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2は、開いた開放状態(図4、図5、図11参照)と閉じた閉鎖状態(図6~図10、図12参照)とを取り得る。固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2は、開いた開放状態のとき、機台長手方向におけるスリット61aの延長線を挟む位置にある。固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2は、閉じた閉鎖状態のとき、固定把持部材64b1と可動把持部材64b2との間にある糸Yを把持する。固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2は、閉じた閉鎖状態のとき、機台長手方向におけるスリット61aの延長線上から外れた位置にある。
第2クランプカッター65は、スリット61aに通される2本の糸Yのうちの他方の糸Yを切断及び把持するものである。第2クランプカッター65は、機台長手方向において、交絡手段61の他方側であって、第2クランパー63の一方側に配置されている。すなわち、第2クランプカッター65は、機台長手方向において交絡手段61と第2クランパー63との間に配置されている。図4に示すように、第2クランプカッター65は、固定刃65a1と可動刃65a2とを有する第2切断部65aと、固定把持部材65b1と可動把持部材65b2とを有する第2把持部65bと、を含む。固定刃65a1及び可動刃65a2が、本発明の2つの刃に相当する。固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2が、本発明の2つの把持部材に相当する。
固定刃65a1及び可動刃65a2は、機台幅方向に沿う一直線上に並んでいる。固定刃65a1及び可動刃65a2は、相互に開閉可能である。具体的には、可動刃65a2は、例えば、不図示のエアシリンダによって機台幅方向に沿って移動可能である。これにより、固定刃65a1及び可動刃65a2は、開いた開放状態(図4、図7、図8、図11参照)と閉じた閉鎖状態(図5、図6、図9、図10、図12参照)とを取り得る。固定刃65a1及び可動刃65a2は、開いた開放状態のとき、機台長手方向におけるスリット61aの延長線を挟む位置にある。固定刃65a1及び可動刃65a2は、閉じた閉鎖状態のとき、固定刃65a1と可動刃65a2との間にある糸Yを切断する。固定刃65a1及び可動刃65a2は、閉じた閉鎖状態のとき、機台長手方向におけるスリット61aの延長線上から外れた位置にある。
固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2は、機台幅方向に沿う一直線上に並んでいる。また、固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2は、機台長手方向において、固定刃65a1及び可動刃65a2よりも一方側に配置されている。言い換えれば、固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2は、機台長手方向において、交絡手段61と、固定刃65a1及び可動刃65a2との間に配置されている。固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2は、相互に開閉可能である。具体的には、可動把持部材65b2は、可動刃65a2と一体的に移動可能である。これにより、固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2は、開いた開放状態(図4、図7、図8、図11参照)と閉じた閉鎖状態(図5、図6、図9、図10、図12参照)とを取り得る。固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2は、開いた開放状態のとき、機台長手方向におけるスリット61aの延長線を挟む位置にある。固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2は、閉じた閉鎖状態のとき、固定把持部材65b1と可動把持部材65b2との間にある糸Yを把持する。固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2は、閉じた閉鎖状態のとき、機台長手方向におけるスリット61aの延長線上から外れた位置にある。
2つのガイド66、67は、後述する糸ハンドリング装置70によって捕捉された糸Yを交絡手段61に案内するためのガイドである。図3に示すように、ガイド67は、機台長手方向から見たときに、両端部が略中央部分よりも上方にあり、両端部から略中央部分に向かって傾斜するように構成されている。ガイド66についても同様である。これにより、糸Yは、傾斜に沿ってガイド66、67の略中央部分に案内される。図4に示すように、ガイド66は、機台長手方向において第1クランパー62の一方側に配置されている。ガイド67は、機台長手方向において第2クランパー63の他方側に配置されている。
ロボットアーム25は、糸Yを保持する糸ハンドリング装置70を有し、糸ハンドリング装置70に保持された糸Yをスリット61aに通すためのものである。糸ハンドリング装置70は、糸Yを吸引して保持可能な装置である。図3に示すように、糸ハンドリング装置70は、ロボットアーム25の先端部に取り付けられた状態で、基台22に支持されている。なお、本実施形態では、ロボットアーム25は、本発明の第1ロボットアーム及び第2ロボットアームに相当する。また、糸ハンドリング装置70は、本発明の第1糸保持部及び第2糸保持部に相当する。さらに、ロボットアーム25は、回転台25a、3本のアーム25b、25c、25d及び2つの関節部25e、25fを有している。回転台25aは、基台22の上面に配置されている。回転台25aは、不図示のモータの駆動力により水平面内で回転可能である。アーム25bは、回転台25aに立設されている。アーム25cは、関節部25eを介してアーム25bの先端部に取り付けされている。アーム25cは、不図示のモータの駆動力により関節部25eを中心に揺動可能である。アーム25dは、関節部25fを介してアーム25cの関節部25e側とは反対側の端部に取り付けられている。アーム25dは、不図示のモータの駆動力により関節部25fを中心に揺動可能である。糸ハンドリング装置70は、アーム25dの関節部25f側とは反対側に取り付けられている。
制御装置69は、交絡手段61、第1クランパー62、第2クランパー63、第1クランプカッター64、第2クランプカッター65、ロボットアーム25及びカム機構90を制御する。具体的には、制御装置69は、交絡手段61を制御して、不図示のノズルからスリット61a内に圧縮空気を噴射させる。また、制御装置69は、第1クランパー62を制御して、可動部62bを挟持位置と解除位置とで切り換えさせる。また、制御装置69は、第2クランパー63を制御して、可動部63bを挟持位置と解除位置とで切り換えさせる。さらに、制御装置69は、第1クランプカッター64の第1切断部64aと第1把持部64bとが開いた開放状態と、第1切断部64aと第1把持部64bとが閉じた閉鎖状態との間の切り替えを制御する。また、制御装置69は、第2クランプカッター65の第2切断部65aと第2把持部65bとが開いた開放状態と、第2切断部65aと第2把持部65bとが閉じた閉鎖状態との間の切り替えを制御する。さらに、制御装置69は、ロボットアーム25の動作を制御する。また、制御装置69は、カム機構90を制御して、第1クランパー62を回転軸62cを中心に回転移動させ、第2クランパー63を回転軸63cを中心に回転移動させる。制御装置69は、交絡手段61、第1クランパー62、第2クランパー63、第1クランプカッター64、第2クランプカッター65、ロボットアーム25及びカム機構90と電気的に接続されている。
(糸継作業)
次に、図5~図12を参照しつつ、糸継装置6によって2本の糸を継ぎ合わせる糸継方法が実行される糸継作業の手順の一例を説明する。糸継作業においては、クリールスタンド5において同じ高さ位置に配置される2つの給糸パッケージPs1、Ps2のうちの一方の内層側の糸Y1と、他方の外層側の糸Y2とを継ぎ合わせる。なお、図4に示すように、本実施形態では、機台長手方向において、給糸パッケージPs1が糸継装置6よりも他方側に配置されており、給糸パッケージPs2が糸継装置6よりも一方側に配置されている。
糸継作業を開始する際に、図5に示すように、第1クランパー62の可動部62bを解除位置とし、第2クランパー63の可動部63bを解除位置とする。また、第1クランプカッター64を、第1切断部64aの固定刃64a1及び可動刃64a2と、第1把持部64bの固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2とが開いた開放状態とする。さらに、第2クランプカッター65を、第2切断部65aの固定刃65a1及び可動刃65a2と、第2把持部65bの固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2とが閉じた閉鎖状態とする。
糸継作業においては、まず、制御装置69は、ロボットアーム25を制御して、糸ハンドリング装置70によって、一方の給糸パッケージPs1の内層側の糸Y1を捕捉する。その後、繰り出し機構(不図示)によって、給糸パッケージPs1から所定の長さ分だけ糸Y1を繰り出す。
そして、制御装置69は、糸ハンドリング装置70によって保持させた糸Y1をガイド67からガイド66に掛けるように、ロボットアーム25を制御する。このとき、図5に示すように、制御装置69は、糸Y1を、スリット61aと、第1クランパー62の固定部62a及び可動部62bの間と、第2クランパー63の固定部63a及び可動部63bの間と、第1クランプカッター64の固定刃64a1及び可動刃64a2の間と、固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2の間と、に通すようにロボットアーム25を制御する第1ロボットアーム制御を実行する。なお、第1クランプカッター64を開放状態とし且つ第2クランプカッター65を閉鎖状態として、一方の糸Y1を、機台長手方向の他方側から一方側に向かってスリット61aと、固定刃64a1及び可動刃64a2の間と、固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2の間と、に通す工程が、本発明の第1糸挿入工程に相当する。
次に、制御装置69は、第1クランプカッター64を、第1切断部64aと第1把持部64bとが閉じた閉鎖状態に切り替えることによって、糸Y1を切断及び把持させる第1糸切断把持制御(本発明の糸切断把持制御に相当)を実行する。具体的には、図6に示すように、不図示のエアシリンダによって、可動刃64a2と可動把持部材64b2とを移動させて、第1クランプカッター64を、固定刃64a1及び可動刃64a2と固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2とが閉じた閉鎖状態とする。これによって、糸Y1は、固定刃64a1と可動刃64a2とによって切断される。このとき、糸Y1のうちの、機台長手方向において、固定刃64a1及び可動刃64a2よりも一方側の部分は糸ハンドリング装置70に吸引され、固定刃64a1及び可動刃64a2よりも他方側の部分は固定把持部材64b1と可動把持部材64b2とによって把持される。別の言い方をすると、糸Y1のうちの固定刃64a1及び可動刃64a2によって切断された部分よりも機台長手方向の他方側の部分が、固定把持部材64b1と可動把持部材64b2とによって把持される。なお、第1クランプカッター64を開放状態から閉鎖状態に切り替えることによって、一方の糸Y1を切断及び把持させる工程が、本発明の第1糸切断把持工程に相当する。
続いて、図7に示すように、制御装置69は、第1クランプカッター64に糸Y1を把持させた状態で、第2クランプカッター65を閉鎖状態から開放状態に切り替える。具体的には、不図示のエアシリンダによって、可動刃65a2と可動把持部材65b2とを移動させて、第2クランプカッター65を、固定刃65a1及び可動刃65a2と固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2とが開いた開放状態とする。このとき、第1クランプカッター64に把持された糸Y1は、可動刃65a2及び可動把持部材65b2によって機台幅方向に押されて、機台長手方向におけるスリット61aの延長線上から外れた位置まで移動する。これにより、開放状態となった第2クランプカッター65の、固定刃65a1と可動刃65a2との間、及び、固定把持部材65b1と可動把持部材65b2との間には、糸Y1が存在しない状態となる。
次に、制御装置69は、ロボットアーム25を制御して、糸ハンドリング装置70によって、他方の給糸パッケージPs2の外層側の糸Y2を捕捉する。その後、繰り出し機構(不図示)によって、給糸パッケージPs2から所定の長さ分だけ糸Y2を繰り出す。
そして、制御装置69は、糸ハンドリング装置70によって保持させた糸Y2をガイド66からガイド67に掛けるように、ロボットアーム25を制御する。このとき、図8に示すように、制御装置69は、糸Y2を、スリット61aと、第1クランパー62の固定部62a及び可動部62bの間と、第2クランパー63の固定部63a及び可動部63bの間と、第2クランプカッター65の固定刃65a1及び可動刃65a2の間と、固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2の間と、に通すようにロボットアーム25を制御する第2ロボットアーム制御を実行する。なお、第2クランプカッター65を閉鎖状態から開放状態に切り替え、他方の糸Y2を、機台長手方向の一方側から他方側に向かってスリット61aと、固定刃65a1及び可動刃65a2と、固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2の間と、に通す工程が、本発明の第2糸挿入工程に相当する。
次に、制御装置69は、第2クランプカッター64を、第2切断部65aと第2把持部65bとが閉じた閉鎖状態に切り替えることによって、糸Y2を切断及び把持させる第2糸切断把持制御を実行する。具体的には、図9に示すように、不図示のエアシリンダによって、可動刃65a2と可動把持部材65b2とを移動させて、第2クランプカッター65を、固定刃65a1及び可動刃65a2と固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2とが閉じた閉鎖状態とする。これによって、糸Y2は、固定刃65a1と可動刃65a2とによって切断される。このとき、糸Y2のうちの、機台長手方向において、固定刃65a1及び可動刃65a2よりも他方側の部分は糸ハンドリング装置70に吸引され、固定刃65a1及び可動刃65a2よりも一方側の部分は固定把持部材65b1と可動把持部材65b2とによって把持される。別の言い方をすると、糸Y2のうちの固定刃65a1及び可動刃65a2によって切断された部分よりも機台長手方向の一方側の部分が、固定把持部材65b1と可動把持部材65b2とによって把持される。なお、第2クランプカッター65を開放状態から閉鎖状態に切り替えることによって、他方の糸Y2を切断及び把持させる工程が、本発明の第2糸切断把持工程に相当する。
続いて、図10に示すように、制御装置69は、不図示のエアシリンダによって、第1クランパー62の可動部62bを挟持位置に移動させ、第2クランパー63の可動部63bを挟持位置に移動させる。これにより、糸Y1は第2クランパー63の固定部63aと可動部63bとの間で挟持され、糸Y2は第1クランパー62の固定部62aと可動部62bとの間で挟持される。
次に、制御装置69は、カム機構90を制御して、第1クランパー62を、回転軸62cを中心に回転移動させる。具体的には、上下方向から見たときに、第1クランパー62を、回転軸62cを中心に時計回りに回転移動させる。これにより、第1クランパー62と第2クランプカッター65に把持された糸Y2は、機台長手方向において、第1クランパー62と第2クランプカッター65との間で伸張される。その後、上下方向から見たときに、第1クランパー62を、回転軸62cを中心に反時計回りに回転移動させる(図10の実線両矢印を参照)。これにより、第1クランパー62と第2クランプカッター65に把持された糸Y2は、機台長手方向において、第1クランパー62と第2クランプカッター65との間で弛緩される。
また、カム機構90によって、第2クランパー63を、回転軸63cを中心に回転移動させる。具体的には、上下方向から見たときに、第2クランパー63を、回転軸63cを中心に反時計回りに回転移動させる。これにより、第2クランパー63と第1クランプカッター64に把持された糸Y1は、機台長手方向において、第2クランパー63と第1クランプカッター64との間で伸張される。その後、上下方向から見たときに、第2クランパー63を、回転軸63cを中心に時計回りに回転移動させる(図10の実線両矢印を参照)。これにより、第2クランパー63と第1クランプカッター64に把持された糸Y1は、機台長手方向において、第2クランパー63と第1クランプカッター64との間で弛緩される。
本実施形態においては、第1クランパー62の回転移動と第2クランパー63の回転移動は連動して行われる。具体的には、上下方向から見たときに、第1クランパー62の回転軸62cを中心とした時計回りの回転移動と、第2クランパー63の回転軸63cを中心とした反時計回りの回転移動が連動している。また、上下方向から見たときに、第1クランパー62の回転軸62cを中心とした反時計回りの回転移動と、第2クランパー63の回転軸63cを中心とした時計回りの回転移動が連動している。
続いて、図11に示すように、制御装置69は、不図示のエアシリンダによって、可動刃64a2と可動把持部材64b2とを移動させて、第1クランプカッター64を、固定刃64a1及び可動刃64a2と固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2とが開いた開放状態とする。これにより、第1クランプカッター64による糸Y1の把持が解放される。このとき、第1クランパー62に把持されている糸Y2は、移動する可動刃64a2及び可動把持部材64b2によって機台幅方向に押されて屈曲した状態となる。また、制御装置69は、不図示のエアシリンダによって、可動刃65a2と可動把持部材65b2とを移動させて、第2クランプカッター65を、固定刃65a1及び可動刃65a2と固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2とが開いた開放状態とする。これにより、第2クランプカッター65による糸Y2の把持が解放される。このとき、第2クランパー63に把持されている糸Y1は、移動する可動刃65a2及び可動把持部材65b2によって機台幅方向に押されて屈曲した状態となる。第1クランプカッター64の閉鎖状態から開放状態への切り替えと、第2クランプカッター65の閉鎖状態から開放状態への切り替えは、連動して略同時に行われる。
続いて、制御装置69は、スリット61aに挿入された2本の糸Y1及びY2を交絡させるように交絡手段61を制御する交絡付与制御を実行する。具体的には、第1クランプカッター64による糸Y1の把持が解放され、第2クランプカッター65による糸Y2の把持が解放されるのと略同時に、交絡手段61によってスリット61aを通る糸Y1及び糸Y2に対する交絡付与を開始する。第1クランプカッター64が糸Y1を解放し、第2クランプカッター65が糸Y2を解放してから、交絡手段61が糸Y1及び糸Y2への交絡付与を開始するまでの時間は、例えば0.05~1.00秒である。これにより、糸Y1と糸Y2が継ぎ合わされて1本の糸となる。なお、第1クランプカッター64を閉鎖状態から開放状態に切り替えることによって一方の糸Y1の把持が解放され、且つ、第2クランプカッター65を閉鎖状態から開放状態に切り替えることによって他方の糸Y2の把持が解放された後に、交絡手段61によってスリット61aに通された2本の糸Y1及びY2を交絡させる工程が、本発明の交絡付与工程に相当する。
また、図12に示すように、交絡手段61によってスリット61aを通る糸Y1及びY2に交絡を付与している最中において、不図示のエアシリンダによって可動刃64a2及び可動把持部材64b2を移動させて、第1クランプカッター64を、固定刃64a1及び可動刃64a2と固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2とが閉じた閉鎖状態とする。これにより第1クランプカッター64によって機台幅方向に押されて屈曲した状態となっていた糸Y2は、屈折が解放された状態となる。また、不図示のエアシリンダによって、可動刃65a2と可動把持部材65b2とを移動させて、第2クランプカッター65を、固定刃65a1及び可動刃65a2と固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2とが閉じた閉鎖状態とする。これにより第2クランプカッター65によって機台幅方向に押されて屈曲した状態となっていた糸Y1は、屈折が解放された状態となる。第1クランプカッター64の開放状態から閉鎖状態への切り替えと、第2クランプカッター65の開放状態から閉鎖状態への切り替えは、連動して同時に行われる。また、これらの動作は、交絡手段61による交絡付与動作の終了後に行われてもよい。
最後に、不図示のエアシリンダによって、可動部62bを解除位置に移動させ、可動部63bを解除位置に移動させる。これにより、糸Y1と糸Y2とが継ぎ合わされた1本の糸は、第1クランパー62及び第2クランパー63による把持から解放される。以上により、糸継装置6による2本の糸Y1、Y2の糸継作業が完了する。
(効果)
以上のように、本実施形態の糸継装置6は、スリット61aを有する交絡手段61と、糸Y(糸Y1)を切断及び把持する第1クランプカッター64と、糸Y(糸Y2)を切断及び把持する第2クランプカッター65と、を含む。第1クランプカッター64は、固定刃64a1と可動刃64a2とを有する第1切断部64aと、固定把持部材64b1と可動把持部材64b2とを有する第1把持部64bと、を含む。第1クランプカッター64は、機台長手方向におけるスリット61aの延長線を挟むようにして第1切断部64aと第1把持部64bとが開いた開放状態と、第1切断部64aと第1把持部64bとが閉じた閉鎖状態との間で切り替え可能である。第2クランプカッター65は、固定刃65a1と可動刃65a2とを有する第2切断部65aと、固定把持部材65b1と可動把持部材65b2とを有する第2把持部65bと、を含む。第2クランプカッター65は、機台長手方向におけるスリット61aの延長線を挟むようにして第2切断部65aと第2把持部65bとが開いた開放状態と、第2切断部65aと第2把持部65bとが閉じた閉鎖状態との間で切り替え可能である。
本実施形態のような糸継装置6では、交絡手段61の一方側にはみ出た一方の糸Y(糸Y1)の部分を第1クランプカッター64によって切断及び把持し、交絡手段61の他方側にはみ出た他方の糸Y(糸Y2)の部分を第2クランプカッター65によって切断及び把持する。そして、各クランプカッターによって切断された2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)に対して、交絡手段61によって交絡が付与される。したがって、第1クランプカッター64及び第2クランプカッター65が交絡手段61に近ければ近いほど、2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)のうちの各クランプカッターによって切断される箇所と交絡手段61との間の距離が短くなり、テール部分を減らすことができる。ここで、第1クランプカッター64及び第2クランプカッター65と交絡手段61の位置関係は、第1クランプカッター64及び第2クランプカッター65と交絡手段61に2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)を通すことができればよいので、どのような位置関係であっても構わない。しかし、開放状態の第1切断部64a及び第1把持部64b並びに第2切断部65a及び第2把持部65bがスリット61aの延長線を挟むようには配置されていない場合、すなわち、開放状態の第1切断部64a及び第1把持部64b並びに第2切断部65a及び第2把持部65bが所定方向におけるスリット61aの延長線から外れた位置にある場合、スリット61aから両側にはみ出した各糸Yを曲げて、スリット61aの延長線上から外れた位置にある各切断部及び各把持部の間まで持って行く必要がある。このため、交絡手段61と各クランプカッターとの間の距離が近くなると、各切断部及び各把持部の間に糸Yを通すためにスリット61aの両側で糸Yを大きく曲げる必要が生じ、スリット61aへの糸入れが行いづらくなる。したがって、交絡手段61と各クランプカッターとを近づけるのにも限界がある。本実施形態によれば、第1切断部64a及び第1把持部64b並びに第2切断部65a及び第2把持部65bは、機台長手方向におけるスリット61aの延長線を挟むようにして開く。このため、スリット61aに入れる糸Yをそのままスリット61aの延長線に沿わせるようにすれば、糸Yを容易にスリット61a並びに各切断部及び各把持部の間に通すことができる。これにより、各クランプカッターを交絡手段61に近づけても、スリット61a及び各クランプカッターへの糸入れに支障が生じることがない。よって、各クランプカッターを交絡手段61に極力近づけることが可能となり、2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)を継ぎ合わせるときにテール部分が生じることを抑制することができる。
また、本実施形態では、第1クランプカッター64が閉鎖状態のとき、第1切断部64aと第1把持部64bは機台長手方向におけるスリット61aの延長線上から外れた位置にあり、第2クランプカッター65が閉鎖状態のとき、第2切断部65aと第2把持部65bは機台長手方向におけるスリット61aの延長線上から外れた位置にある。2本の糸Yを継ぎ合わせる際に、一方の糸Y(糸Y1)をスリット61aに入れて第1クランプカッター64によって切断及び把持させた後に、他方の糸Y(糸Y2)をスリット61aに入れて第2クランプカッター65によって切断及び把持させる、という手順をとることがある。この場合、一方の糸Y(糸Y1)をスリット61aに入れる際は、第1クランプカッター64を開放状態とし、第2クランプカッター65を閉鎖状態とする必要がある。これは、一方の糸Y(糸Y1)を、第1切断部64aによって切断可能であって第1把持部64bによって把持可能な状態とし且つ第2切断部65aによって切断されず第2把持部65bによって把持されないようにするためである。逆に、他方の糸Y(糸Y2)をスリットに入れる際は、第2クランプカッター65を開放状態とし、第1クランプカッター64を閉鎖状態とする必要がある。これは、他方の糸Y(糸Y2)を、第2切断部65aによって切断可能であって第2把持部65bによって把持可能な状態とし且つ第1切断部64aによって切断されず第1把持部64bによって把持されないようにするためである。本実施形態によれば、第1クランプカッター64が閉鎖状態のときの第1切断部64a及び第1把持部64bと、第2クランプカッター65が閉鎖状態のときの第2切断部65a及び第2把持部65bとは、機台長手方向におけるスリット61aの延長線上から外れた位置にある。このため、一方の糸Y(糸Y1)をスリット61aに入れる際に、閉じた閉鎖状態の第2切断部65a及び第2把持部65bが糸入れの邪魔とならない。同様に、他方の糸Y(糸Y2)をスリット61aに入れる際に、閉じた閉鎖状態の第1切断部64a及び第1把持部64bが糸入れの邪魔とならない。これにより、スリット61aへの糸入れを容易に行うことができる。
さらに、本実施形態の糸継装置6は、第1クランパー62と、第2クランパー63と、カム機構90とを含む。カム機構90は、第1クランパー62を移動させて、第1クランパー62と第2クランプカッター65によって把持された糸Y2を伸張及び弛緩させる。また、カム機構90は、第2クランパー63と第1クランプカッター64によって把持された糸Y1を伸張及び弛緩させる。本実施形態によれば、糸Y1及び糸Y2を伸張及び弛緩させることで、糸Yの嵩高性を減らすとともに、糸Yを適度にほぐすことができる。これにより、2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)に交絡が入り易くなる。
また、本実施形態の糸継装置6は、交絡手段61と、カム機構90とを制御する制御装置69を含む。制御装置69は、交絡手段61によって2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)に交絡を付与させる前に、第1クランパー62と第2クランプカッター65によって把持された糸Y2を伸張及び弛緩させるようにカム機構90を制御する。また、制御装置69は、交絡手段61によって2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)に交絡を付与させる前に、第2クランパー63と第1クランプカッター64によって把持された糸Y1を伸張及び弛緩させるようにカム機構90を制御する。本実施形態によれば、2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)に交絡を付与する前に糸Y1及び糸Y2を伸張及び弛緩させることで、糸Yの嵩高性を減らすとともに、糸Yを適度にほぐすことができる。これにより、2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)に交絡がより確実に入り易くなる。
また、本実施形態において、制御装置69は、第1クランプカッター64及び第2クランプカッター65の状態の切り替えを制御する。制御装置69は、第1クランプカッター64を開放状態に切り替えることによって糸Y1の把持が解放された後であって、且つ、第2クランプカッター65を開放状態に切り替えることによって糸Y2の把持が解放された後に、スリット61aを通る2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)に交絡を付与させるように交絡手段61を制御する。本実施形態によれば、交絡手段61による2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)への交絡付与時に、各クランプカッターによる2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)の把持が解放されている。このため、交絡が付与されるときの糸Yの動きによって、交絡手段61から各クランプカッターまでの間にある糸Yがスリットに引き込まれる。これにより、テール部分が生じることをさらに抑制することができる。
また、本実施形態の糸継装置6は、糸Yを保持する糸ハンドリング装置70を有するロボットアーム25を含む。制御装置69は、糸Y1を、スリット61aと、第1クランプカッター64の固定刃64a1及び可動刃64a2の間と、固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2の間と、に通すようにロボットアーム25を制御する第1ロボットアーム制御を実行する。また、制御装置69は、糸Y2を、スリット61aと、第2クランプカッター65の固定刃65a1及び可動刃65a2の間と、固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2の間と、に通すようにロボットアーム25を制御する第2ロボットアーム制御を実行する。本実施形態によれば、ロボットアーム25でスリット61aに糸Yを通す構成において、スリット61aの延長線を挟むようにして各切断部及び各把持部が開いている。このため、糸Yをスリット61aに通す際に、ロボットアーム25によって保持させた糸Yをスリット61aの延長線に沿わせるように移動させる、すなわち直線に沿って移動させればよい。したがって、糸Yをスリット61aに通す際に、ロボットアーム25の複雑な制御が不要となる。
さらに、本実施形態において、制御装置69は、第2クランプカッター65を閉鎖状態として第1ロボットアーム制御を実行した後に、第1クランプカッター64を、第1切断部64aと第1把持部64bとが閉じた閉鎖状態に切り替えることによって、糸Y1を切断及び把持させる第1糸切断把持制御を実行する。そして、制御装置69は、第1糸切断把持の後に、第2クランプカッター65を閉鎖状態から開放状態に切り替え、第2ロボットアーム制御を実行する。第2クランプカッター65が閉鎖状態から開放状態に切り替わるとき、第2切断部65a及び第2把持部65bが、第1クランプカッター64によって把持された前記一方の糸Y1を機台長手方向におけるスリット61aの延長線上から外れた位置まで押すように構成されている。一方の糸Y1をスリット61aに入れて第1クランプカッター64によって切断及び把持させた後に、他方の糸Y2をスリット61aに入れて第2クランプカッター65によって切断及び把持させる、という手順をとる場合、先にスリット61aに入れた一方の糸Y1が、他方の糸Y2のスリット61aへの糸入れの邪魔となることがある。本実施形態によれば、他方の糸Y2をスリット61aに入れる前に、第2クランプカッター65を閉鎖状態から開放状態に切り替えることによって、第2切断部65a及び第2把持部65bが、先にスリット61aに入れられて第1クランプカッター65に把持された一方の糸Y1を、機台長手方向におけるスリット61aの延長線上から外れた位置まで押す。このため、他方の糸Y2をスリット61aに入れる際に、第1クランプカッター64に把持された一方の糸Y1が邪魔とならない。これにより、スリット61aへの糸入れをさらに容易に行うことができる。
また、本実施形態では、スリット61aに通された糸Y1と糸Y2は、スリット61a内において、略同じ糸道上に配置される。このため、スリット61a内で2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)が重なり合う部分が長くなり、交絡手段61によって2本の糸(糸Y1及び糸Y2)に交絡を付与したときに、交絡がきれいに付与される。
(変形例)
以下に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
上記実施形態では、第1クランプカッター64が閉鎖状態のとき、第1切断部64a及び第1把持部64bは機台長手方向におけるスリット61aの延長線上から外れた位置にあり、第2クランプカッター65が閉鎖状態のとき、第2切断部65a及び第2把持部65bは機台長手方向におけるスリット61aの延長線上から外れた位置にある。しかしながら、第1クランプカッター64が閉鎖状態のとき、第1切断部64a及び第1把持部64bは機台長手方向におけるスリット61aの延長線上の位置にあってもよい。また、第2クランプカッター65が閉鎖状態のとき、第2切断部65a及び第2把持部65bは機台長手方向におけるスリット61aの延長線上の位置にあってもよい。例えば、第1クランプカッター64が閉鎖状態のとき、第1切断部64a及び第1把持部64bが機台長手方向におけるスリット61aの延長線上の位置にある場合、糸Y2は、閉鎖状態の第1クランプカッター64の第1切断部64a及び第1把持部64bの間を通らないようにしつつ、機台長手方向におけるスリット61aの延長線に沿ってスリット61aに入れられる。
上記実施形態では、第2クランプカッター65が閉鎖状態から開放状態に切り替わるとき、可動刃65a2及び可動把持部材65b2は、第1クランプカッター64によって把持された一方の糸Y(糸Y1)を機台長手方向におけるスリット61aの延長線上から外れた位置まで押す構成である。しかしながら、第2クランプカッター65閉鎖状態から開放状態に切り替わるとき、可動刃65a2及び可動把持部材65b2は、糸Y1を機台長手方向におけるスリット61aの延長線上から外れた位置まで押さない構成でもよい。この場合、糸Y2は、先にスリット61aに入れられて第1クランプカッター64によって把持された糸Y1を避けつつ、スリット61aに入れられる。
上記実施形態では、スリット61aに通した糸Y1を第1クランプカッター64で切断及び把持した後に、スリット61aに糸Y2を通し、第2クランプカッター65によって糸Y2を切断及び把持している。しかしながら、スリット61aに糸Y1と糸Y2の両方を通した後に、第1クランプカッター64によって糸Y1を切断及び把持し、第2クランプカッター65によって糸Y2を切断及び把持してもよい。具体的に説明すると、まず、糸継作業を開始する際に、図13に示すように、第1クランプカッター64を開放状態とし、第2クランプカッター65も開放状態とする。そして、糸Y1は、スリット61aに挿入されるとともに、第1クランパー62の固定部62a及び可動部62bの間と、第2クランパー63の固定部63a及び可動部63bの間と、第1クランプカッター64の固定刃64a1及び可動刃64a2の間と、固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2の間と、に通される。また、このとき、糸Y1は、第2クランプカッター65の固定刃65a1及び可動刃65a2の間と、固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2の間には通されない。また、糸Y2は、スリット61aに挿入されるとともに、第1クランパー62の固定部62a及び可動部62bの間と、第2クランパー63の固定部63a及び可動部63bの間と、第2クランプカッター65の固定刃65a1及び可動刃65a2の間と、固定把持部材65b1及び可動把持部材65b2の間と、に通される。また、このとき、糸Y2は、第1クランプカッター64の固定刃64a1及び可動刃64a2の間と、固定把持部材64b1及び可動把持部材64b2の間には通されない。以上によって、第1クランプカッター64はスリット61aに通された糸Y1及び糸Y2のうちの糸Y1のみを切断可能となり、第2クランプカッター65は糸Y2のみを切断可能となる。第1クランプカッター64によって糸Y1が切断及び把持され、第2クランプカッター65によって糸Y2が切断及び把持された後の手順は、上記実施形態と同様である。
上記実施形態では、第1クランプカッター64が糸Y1を解放し、第2クランプカッター65が糸Y2を解放した後に、交絡手段61によって糸Y1及び糸Y2に交絡が付与される。しかしながら、交絡手段61によって糸Y1及び糸Y2に交絡が付与されてから、第1クランプカッター64が糸Y1を解放し、第2クランプカッター65が糸Y2を解放してもよい。また、交絡手段61による糸Y1及び糸Y2への交絡の付与と、第1クランプカッター64の糸Y1の解放、第2クランプカッター65の糸Y2の解放は、同時に行われてもよい。
上記実施形態では、第1クランパー62は、回転軸62cを中心に回転移動し、第2クランパー63は、回転軸63cを中心に回転移動する構成である。しかしながら、各クランパーの移動方式は、回転移動に限られない。例えば、第1クランパー62及び第2クランパー63は、機台長手方向に延びたレールなどに沿って直線的に移動することによって、糸Y1及び糸Y2を伸張及び弛緩させるものでもよい。
上記実施形態では、交絡手段61によって2本の糸Yに交絡が付与される前に、第1クランパー62及び第2クランパー63を移動させて、第1クランパー62及び第2クランパー63によって把持された2本の糸Yを伸張及び弛緩させる。しかしながら、第1クランパー62及び第2クランパー63を移動させて、2本の糸Yを伸張及び弛緩させる工程は行われなくてもよい。
上記実施形態では、第1クランパー62及び第2クランパー63が配置されているが、本発明の糸継装置6において、これらは配置されていなくてもよい。
上記実施形態では、第1クランパー62及び第2クランパー63に共通の1つの移動機構としてカム機構90が設けられている。しかしながら、第1クランパー62を移動させる移動機構と、第2クランパー63を移動させる移動機構とが、それぞれ別に設けられていてもよい。
上記実施形態では、糸ハンドリング装置70を有するロボットアーム25によって交絡手段61のスリット61aに2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)が入れられている。しかしながら、作業員が、糸Yを吸引保持するサクションガンを用いて、スリット61aに手作業で2本の糸Y(糸Y1及び糸Y2)を入れてもよい。
上述の実施形態においては、複数の給糸パッケージPsを上下方向及び機台長手方向に関してマトリクス状に支持可能なクリールスタンド5が、機台幅方向に関して背中合わせで一対配置されている場合について説明した。しかしながら、クリールスタンド5の配置はこれに限定されるものではなく、例えば機台長手方向に沿って一列に配列されていてもよい。また、クリールスタンド5は、上下方向に平行な軸の周囲に複数の給糸パッケージPsを保持可能であり、軸が回転することで各給糸パッケージPsが軸周りに回転するロータリークリールスタンドであってもよい。ロータリークリールスタンドを採用することによって、上述の実施形態のクリールスタンド5を機台長手方向に沿って一列に配列する場合に比べて、同数の給糸パッケージPsあたりのクリールスタンドの高さを抑えることができる。また、上述の実施形態においては、背中合わせで一対配置されているクリールスタンド5の両側にレールRが敷設されている場合について説明したが、レールRの配置は、クリールスタンド5の配置に応じて適宜変更されるものである。
上述の実施形態においては、仮撚加工機1において、給糸部2のクリールスタンド5に保持された2つの給糸パッケージPs1、Ps2の一方の内層側の糸Y1と他方の外層側の糸Y2とを繋ぐ糸継作業時の糸のハンドリングに適用される場合について説明した。しかしながら、本発明の糸ハンドリング装置70の適用範囲はこれに限定されるものではなく、繊維機械における糸のハンドリング全般に適用可能である。
上記実施形態では、糸Y1をスリット61aに通すためのロボットアームと、糸Y2をスリット61aに通すためのロボットアームとは、共通のロボットアーム25である。しかしながら、糸Y1をスリット61aに通すためのロボットアームと、糸Y2をスリット61aに通すためのロボットアームとは、それぞれ別に設けられていてもよい。この場合、それぞれのロボットアームは、糸ハンドリング装置70を有する。
上記実施形態では、制御装置69は、本願発明の第1移動機構及び第2移動機構に相当するカム機構90と、第1クランプカッター64及び第2クランプカッター65の状態の切り替えと、ロボットアーム25と、を制御する。言い換えれば、上記実施形態の制御装置69は、本願請求項4、請求項5及び請求項6に係る制御装置に相当する。しかしながら、本願請求項4に係る制御装置と、本願請求項5に係る制御装置と、本願請求項6に係る制御装置とは、共通する制御装置でもよく、互いに別の制御装置でもよい。具体的には、例えば、カム機構90を制御する制御装置と、第1クランプカッター64及び第2クランプカッター65の状態の切り替えを制御する制御装置とは、共通する制御装置でもよく、互いに別の制御装置でもよい。また、カム機構90を制御する制御装置と、第1クランプカッター64及び第2クランプカッター65の状態の切り替えとロボットアーム25とを制御する制御装置とは、共通する制御装置でもよく、互いに別の制御装置でもよい。
1 仮撚加工機
6 糸継装置
25 ロボットアーム(第1ロボットアーム及び第2ロボットアーム)
60 スプライサ
61 交絡手段
61a スリット
62 第1クランパー(第1糸把持手段)
63 第2クランパー(第2糸把持手段)
64 第1クランプカッター(第1糸切断把持手段)
64a 第1切断部
64a1 固定刃(刃)
64a2 可動刃(刃)
64b 第1把持部
64b1 固定把持部材(把持部材)
64b2 可動把持部材(把持部材)
65 第2クランプカッター(第2糸切断把持手段)
65a 第2切断部
65a1 固定刃(刃)
65a2 可動刃(刃)
65b 第2把持部
65b1 固定把持部材(把持部材)
65b2 可動把持部材(把持部材)
69 制御装置
70 糸ハンドリング装置(第1糸保持部及び第2糸保持部)
90 カム機構(第1移動機構及び第2移動機構)
Ps 給糸パッケージ
Y 糸
Y1 糸
Y2 糸

Claims (8)

  1. 所定方向に延びたスリットを有し、前記スリットを通る2本の糸を交絡させる交絡手段と、
    前記所定方向における前記交絡手段の一方側に配置され、前記糸を切断及び把持する第1糸切断把持手段と、
    前記所定方向における前記交絡手段の他方側に配置され、前記糸を切断及び把持する第2糸切断把持手段と、を備え、
    前記第1糸切断把持手段は、
    相互に開閉可能な2つの刃を有し、前記2つの刃が前記糸を挟むことにより前記糸を切断する第1切断部と、
    前記第1切断部と前記交絡手段との間に配置され、相互に開閉可能な2つの把持部材を有し、前記2つの把持部材が前記糸を挟むことにより前記糸を把持する第1把持部と、を有し、
    前記所定方向における前記スリットの延長線を挟むようにして前記第1切断部と前記第1把持部が開いた開放状態と、前記第1切断部と前記第1把持部が閉じた閉鎖状態との間で切り替え可能であって、
    前記第2糸切断把持手段は、
    相互に開閉可能な2つの刃を有し、前記2つの刃が前記糸を挟むことにより前記糸を切断する第2切断部と、
    前記第2切断部と前記交絡手段との間に配置され、相互に開閉可能な2つの把持部材を有し、前記2つの把持部材が前記糸を挟むことにより前記糸を把持する第2把持部と、を有し、
    前記所定方向における前記スリットの延長線を挟むようにして前記第2切断部と前記第2把持部が開いた開放状態と、前記第2切断部と前記第2把持部が閉じた閉鎖状態との間で切り替え可能である糸継装置。
  2. 前記第1糸切断把持手段が前記閉鎖状態のとき、前記第1切断部と前記第1把持部は、前記所定方向における前記スリットの延長線上から外れた位置にあり、
    前記第2糸切断把持手段が前記閉鎖状態のとき、前記第2切断部と前記第2把持部は、前記所定方向における前記スリットの延長線上から外れた位置にある請求項1に記載の糸継装置。
  3. 前記所定方向における前記第1糸切断把持手段の一方側に配置され、糸を把持する第1糸把持手段と、
    前記所定方向における前記第2糸切断把持手段の他方側に配置され、糸を把持する第2糸把持手段と、
    前記第1糸把持手段を移動させて、前記第1糸把持手段と前記第2糸切断把持手段によって把持された前記糸を伸張及び弛緩させることが可能な第1移動機構と、
    前記第2糸把持手段を移動させて、前記第2糸把持手段と前記第1糸切断把持手段によって把持された前記糸を伸張及び弛緩させることが可能な第2移動機構と、
    をさらに備える請求項1又は2に記載の糸継装置。
  4. 前記交絡手段と、前記第1移動機構と、前記第2移動機構と、を制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、
    前記交絡手段によって前記2本の糸に交絡を付与させる前に、前記第1糸把持手段と前記第2糸切断把持手段によって把持された前記糸を伸張及び弛緩させるように前記第1移動機構を制御し、
    前記交絡手段によって前記2本の糸に交絡を付与させる前に、前記第2糸把持手段と前記第1糸切断把持手段によって把持された前記糸を伸張及び弛緩させるように前記第2移動機構を制御する請求項3に記載の糸継装置。
  5. 前記交絡手段と、前記第1糸切断把持手段及び前記第2糸切断把持手段の状態の切り替えとを制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1糸切断把持手段を前記開放状態に切り替えることによって前記糸の把持が解放された後であって、且つ、前記第2糸切断把持手段を前記開放状態に切り替えることによって前記糸の把持が解放された後に、前記スリットを通る前記2本の糸に交絡を付与させるように前記交絡手段を制御する請求項1~4の何れか1項に記載の糸継装置。
  6. 前記2本の糸のうちの一方の糸を保持する第1糸保持部を有し、前記第1糸保持部に保持された前記一方の糸を前記スリットに通すための第1ロボットアームと、
    前記2本の糸のうちの他方の糸を保持する第2糸保持部を有し、前記第2糸保持部に保持された前記他方の糸を前記スリットに通すための第2ロボットアームと、
    前記第1糸切断把持手段及び前記第2糸切断把持手段の状態の切り替えと、前記第1ロボットアーム及び前記第2ロボットアームと、を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記一方の糸を、前記スリットと、前記開放状態とした前記第1糸切断把持手段の前記2つの刃の間及び前記2つの把持部材の間と、に通すように前記第1ロボットアームを制御し、
    前記他方の糸を、前記スリットと、前記開放状態とした前記第2糸切断把持手段の前記2つの刃の間及び前記2つの把持部材の間と、に通すように前記第2ロボットアームを制御する請求項1~5の何れか1項に記載の糸継装置。
  7. 前記制御装置は、
    前記第2糸切断把持手段を前記閉鎖状態として、前記一方の糸を、前記スリットと、前記開放状態とした前記第1糸切断把持手段の前記2つの刃の間及び前記2つの把持部材の間と、に通すように前記第1ロボットアームを制御する第1ロボットアーム制御と、
    前記第1ロボットアーム制御の後に、前記第1糸切断把持手段を前記閉鎖状態に切り替えることによって、前記一方の糸を切断及び把持させる糸切断把持制御と、
    前記糸切断把持制御の後に、前記第2糸切断把持手段を前記開放状態に切り替え、前記他方の糸を、前記スリットと、前記開放状態とした前記第2糸切断把持手段の前記2つの刃の間及び前記2つの把持部材の間と、に通すように前記第2ロボットアームを制御する第2ロボットアーム制御と、
    を実行し、
    前記第2糸切断把持手段が前記閉鎖状態から前記開放状態に切り替わるとき、前記第2切断部及び前記第2把持部が、前記第1糸切断把持手段によって把持された前記一方の糸を前記所定方向における前記スリットの延長線上から外れた位置まで押すように構成された請求項6に記載の糸継装置。
  8. 所定方向に延びたスリットを有し、前記スリットを通る2本の糸を交絡させる交絡手段と、
    前記所定方向における前記交絡手段の一方側に配置され、前記糸を切断及び把持する第1糸切断把持手段と、
    前記所定方向における前記交絡手段の他方側に配置され、前記糸を切断及び把持する第2糸切断把持手段と、を備え、
    前記第1糸切断把持手段は、
    相互に開閉可能な2つの刃を有し、前記2つの刃が前記糸を挟むことにより前記糸を切断する第1切断部と、
    前記第1切断部と前記交絡手段との間に配置され、相互に開閉可能な2つの把持部材を有し、前記2つの把持部材が前記糸を挟むことにより前記糸を把持する第1把持部と、を有し、
    前記所定方向における前記スリットの延長線を挟むようにして前記第1切断部と前記第1把持部が開いた開放状態と、前記第1切断部と前記第1把持部が閉じた閉鎖状態との間で切り替え可能であって、
    前記第2糸切断把持手段は、
    相互に開閉可能な2つの刃を有し、前記2つの刃が前記糸を挟むことにより前記糸を切断する第2切断部と、
    前記第2切断部と前記交絡手段との間に配置され、相互に開閉可能な2つの把持部材を有し、前記2つの把持部材が前記糸を挟むことにより前記糸を把持する第2把持部と、を有し、
    前記所定方向における前記スリットの延長線を挟むようにして前記第2切断部と前記第2把持部が開いた開放状態と、前記第2切断部と前記第2把持部が閉じた閉鎖状態との間で切り替え可能であって、
    前記第1糸切断把持手段が前記閉鎖状態のとき、前記第1切断部と前記第1把持部は、前記所定方向における前記スリットの延長線上から外れた位置にあり、
    前記第2糸切断把持手段が前記閉鎖状態のとき、前記第2切断部と前記第2把持部は、前記所定方向における前記スリットの延長線上から外れた位置にあり、
    前記第2糸切断把持手段が前記閉鎖状態から前記開放状態に切り替わるとき、前記第2切断部及び前記第2把持部が、前記第1糸切断把持手段によって把持された前記一方の糸を前記所定方向における前記スリットの延長線上から外れた位置まで押すように構成された糸継装置によって、2本の糸を継ぎ合わせる糸継方法であって、
    前記第1糸切断把持手段を前記開放状態とし且つ前記第2糸切断把持手段を前記閉鎖状態として、前記一方の糸を、前記所定方向の前記他方側から前記一方側に向かって、前記スリットと、前記第1糸切断把持手段の前記2つの刃の間及び前記2つの把持部材の間と、に通す第1糸挿入工程と、
    前記第1糸切断把持手段を前記開放状態から前記閉鎖状態に切り替えることによって、前記一方の糸を切断及び把持させる第1糸切断把持工程と、
    前記第2糸切断把持手段を前記閉鎖状態から前記開放状態に切り替え、前記他方の糸を、前記所定方向の前記一方側から前記他方側に向かって、前記スリットと、前記第2糸切断把持手段の前記2つの刃の間及び前記2つの把持部材の間と、に通す第2糸挿入工程と、
    前記第2糸切断把持手段を前記開放状態から前記閉鎖状態に切り替えることによって、前記他方の糸を切断及び把持させる第2糸切断把持工程と、
    前記第1糸切断把持手段を前記閉鎖状態から前記開放状態に切り替えることによって前記一方の糸の把持が解放され、且つ、前記第2糸切断把持手段を前記閉鎖状態から前記開放状態に切り替えることによって前記他方の糸の把持が解放された後に、前記交絡手段によって前記スリットに通された前記2本の糸を交絡させる交絡付与工程と、
    を実行する糸継方法。
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