JP2024047753A - 高調波抑制装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】起動時の交流系統への悪影響を防ぐ信頼性にすぐれた高調波抑制装置を提供する。【解決手段】高調波抑制装置10において、電力変換器20は、上側スイッチ素子と下側スイッチ素子を直列接続した複数の直列回路を互いに並列接続したスイッチング回路21、スイッチング回路の各直列回路に並列接続された1つの直流コンデンサC、直列回路毎に設けられ上側スイッチ素子及び下側スイッチ素子を駆動する複数の駆動回路を含む。駆動回路は、上側スイッチ素子を駆動する第1ゲートドライバ、下側スイッチ素子を駆動する第2ゲートドライバ、これらゲートドライバの動作に要する電圧を直流コンデンサの電圧から生成する自己給電回路、自己給電回路で生成される電圧を各ゲートドライバに振り分けるブートストラップ回路を含む。制御部30は、電力変換器の起動に際し、所定時間にわたり電力変換器を低出力動作させ、その後、高調波抑制制御を実行する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、高調波を抑制する高調波抑制装置に関する。
ダイオード整流器など非線形な特性を持つ負荷を交流系統に接続した場合、負荷に流れる電流(負荷電流)に高調波成分が生じる。この高調波電流は交流系統を通して他の負荷へ悪影響を与えるため、それをいかに抑制するかが重要な課題となっている。
対策として、負荷電流に含まれる高調波成分を抑制する高調波抑制装置いわゆるアクティブフィルタが使用される。このようなアクティブフィルタには、複数の電圧出力を可能としたモジューラーマルチコンバータ(MMC)を用いたものが知られている。MMCでは、上側スイッチ素子(上アームスイッチ素子ともいう)と下側スイッチ素子(下アームスイッチ素子ともいう)を直列接続しその両スイッチ素子の相互接続点が出力端となる複数の直列回路を互いに並列接続して構成されるスイッチング回路、このスイッチング回路の各直列回路に並列接続された1つの直流コンデンサ、上記直列回路ごとに設けられ直流コンデンサの電圧により動作して上側スイッチ素子および下側スイッチ素子を駆動する複数の駆動回路を含み、直流コンデンサの電圧により高調波抑制用の補償電流を生成し、それを交流電源と負荷との間の系統ラインに供給することで、負荷電流に含まれる高調波成分を抑制する。
上記複数の駆動回路は、上側スイッチ素子を駆動するゲートドライバ、下側スイッチ素子を駆動するゲートドライバ、これらゲートドライバの動作に要する電圧を上記直流コンデンサの電圧を各ゲートドライバに振り分けるブートストラップ回路を含む。ブートストラップ回路は、上記振り分けた電圧を各ゲートドライバの動作用電圧として保持する複数のコンデンサを含む。
特開2020-182366号公報
アクティブフィルタは後段に負荷の接続がないので、ブートストラップ回路のコンデンサを一般的なPWM整流器のように自然転流によって充電させることが困難である。このため、アクティブフィルタの起動時はブートストラップ回路のコンデンサ電圧がまだ十分に上昇しておらず、スイッチング回路のスイッチ素子を適切に駆動できない。ひいては、所望の補償電流を得ることができず、かえって交流系統に悪影響を及ぼす可能性がある。
本発明の実施形態の目的は、起動時の交流系統への悪影響を防ぐ信頼性にすぐれた高調波抑制装置を提供することである。
本実施形態の高調波抑制装置は、交流系統と負荷との間の系統ラインに接続され、交流電圧を生成しそれを前記系統ラインへ出力する電力変換器と、前記系統ラインに流れる負荷電流に含まれる高調波成分を抑制するために前記負荷電流に加えるべき補償電流を求め、求めた補償電流を前記電力変換器から出力させる高調波抑制制御を実行する制御部とを備える。前記電力変換器は、上側スイッチ素子と下側スイッチ素子を直列接続しその両スイッチ素子の相互接続点が出力端となる複数の直列回路を互いに並列接続して構成されるスイッチング回路、このスイッチング回路の各直列回路に並列接続された1つの直流コンデンサ、前記直列回路ごとに設けられ前記直流コンデンサの電圧により動作し前記制御部の指令に応じて前記上側スイッチ素子および前記下側スイッチ素子を駆動する複数の駆動回路を含む。これら駆動回路は、前記制御部の指令に応じて前記上側スイッチ素子を駆動する第1ゲートドライバ、前記制御部の指令に応じて前記下側スイッチ素子を駆動する第2ゲートドライバ、この第1ゲートドライバおよび第2ゲートドライバの動作に要する電圧を前記直流コンデンサの電圧から生成する自己給電回路、この自己給電回路で生成される電圧を前記第1ゲートドライバと前記第2ゲートドライバに振り分けるブートストラップ回路を含む。前記ブートストラップ回路は、前記自己給電回路で生成される電圧が印加される入力側コンデンサ、この入力側コンデンサの電圧が逆流防止用の第1ダイオードおよび前記下側スイッチ素子を通して印加されその印加電圧を前記第1ゲートドライバの動作用電圧として保持する第1コンデンサ、前記入力側コンデンサの電圧が逆流防止用の第2ダイオードを通して印加されその印加電圧を前記第2ゲートドライバの動作用電圧として保持する第2コンデンサを含む。前記制御部は、前記電力変換器の起動に際し、所定時間にわたり前記電力変換器を低出力動作させ、その後、前記高調波抑制制御を実行する。
図1は第1実施形態の構成を示すブロック図。 図2は同実施形態におけるスイッチング回路の構成を示す図。 図3は同実施形態における駆動回路の構成を示す図。 図4は同実施形態における系統電圧の波形と下側スイッチ素子の動作との関係を示す図。 図5は同実施形態における制御部の要部の構成を示すブロック図。 図6は同実施形態における系統電圧、負荷電流、補償電流、指令値の関係を示す図。 図7は図6における指令値の一部を拡大して示す図。 図8は同実施形態における制御部の駆動信号とブートストラップ回路の動作との関係を示す図。 図9は同実施形態における直流コンデンサの電圧、ブートストラップ回路のコンデンサ電圧、指令値の関係を示す図。 図10は第2実施形態の構成を示すブロック図。 図11は同実施形態におけるスイッチング回路の構成を示す図。
[1]本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、3相交流系統(3相交流電源、電力系統、配電系統などを含む)1の系統ライン(電源ライン)Lr,Ls,Ltに負荷たとえば空気調和機2が接続されている。
空気調和機2は、非線形な特性を持つ負荷である6個のダイオード3a~3fのブリッジ接続により構成され3相交流系統1の系統電圧(交流電圧)Vr,Vs,Vtを全波整流する全波相整流回路3、この全波整流回路3の出力端に直流リアクトル4を介して接続された直流コンデンサ5、この直流コンデンサ5の両端に接続されたインバータ6、このインバータ6の出力により動作する圧縮機モータ7を含む。インバータ6は、直流コンデンサ5の直流電圧をスイッチングにより所定周波数の交流電圧に変換し、その交流電圧を圧縮機モータ7の駆動電力として出力する。
3相交流系統1と空気調和機2との間の系統ラインLr,Ls,Ltに、本実施形態の高調波抑制装置10が接続されている。高調波抑制装置10のことをアクティブフィルタ10ともいう。
アクティブフィルタ10は、連系リアクトル11r,11s,11tを介して系統ラインLr,Ls,Ltに接続される電力変換器20、系統ラインLr,Ls,Ltにおける連系リアクトル11r,11s,11tの接続位置と空気調和機2との間に配置され3相交流系統1から空気調和機2の全波整流回路3に流れる電流(負荷電流という)Ir,Is,Itを検出する検出器)12、系統ラインLr,Ls,Ltに接続され3相交流系統1の電圧(系統電圧という)Vr,Vs,Vtを検出する検出器13、連系リアクトル11r,11s,11tと電力変換器20との接続間に配置され電力変換器20から系統ラインLr,Ls,Ltに流れる補償電流(出力電流ともいう)Icr,Ics,Ictを検出する検出器14、これら検出器12,13,14の検出結果に応じて電力変換器20を制御する制御部30を含む。
電力変換器20は、例えば3相2レベル変換器であり、複数のスイッチ素子を有するスイッチング回路21、このスイッチング回路21を通して通電路が形成される1つの直流コンデンサC、この直流コンデンサCの電圧を検出する電圧検出器22を含み、スイッチング回路21の各スイッチ素子のオン,オフの繰り返しにより、負荷電流Ir,Is,Itに含まれる高調波成分を抑制するための補償電流Icr,Ics,Ictを系統ラインLr,Ls,Ltへ供給する。
スイッチング回路21は、図2に示すように、上側スイッチ素子S1と下側スイッチ素子S2を直列接続しその両スイッチ素子S1,S2の相互接続点が出力端となる第1直列回路、上側スイッチ素子S3と下側スイッチ素子S4を直列接続しその両スイッチ素子S3,S4の相互接続点が出力端となる第2直列回路、上側スイッチ素子S5と下側スイッチ素子S6を直列接続しその両スイッチ素子S5,S6の相互接続点が出力端となる第3直列回路を互いに並列接続して構成される。スイッチ素子S1~S6は、半導体スイッチ素子たとえばMOSFETである。このスイッチング回路21の各直列回路に直流コンデンサCが並列接続されている。
さらに、スイッチング回路21は、スイッチ素子S1,S2用の駆動部40、スイッチ素子S3,S4用の駆動部40、スイッチ素子S5,S6用の駆動部40を含む。これら駆動部40は、直流コンデンサCの両端に接続されている。
スイッチ素子S1,S2用の駆動部40は、直流コンデンサCの電圧Vcにより動作し、後述する制御部30の指令である駆動信号Q1,Q2に応じてスイッチ素子S1,S2を駆動する。スイッチ素子S3,S4用の駆動部40は、直流コンデンサCの電圧Vcにより動作し、制御部30の指令である駆動信号Q3,Q4に応じてスイッチ素子S3,S4を駆動する。スイッチ素子S5,S6用の駆動部40は、直流コンデンサCの電圧Vcにより動作し、後述する制御部30の指令である駆動信号Q5,Q6に応じてスイッチ素子S5,S6を駆動する。
駆動信号Q1,Q2は、相互間にデッドタイムを確保した相補信号である。駆動信号Q3,Q4は、相互間にデッドタイムを確保した相補信号である。駆動信号Q5,Q6は、相互間にデッドタイムを確保した相補信号である。
各駆動部40は、互いに同じ構成を有する。スイッチ素子S1,S2用の駆動部40の構成を代表として図3に示す。
スイッチ素子S1,S2を駆動する駆動部40は、制御部30からの駆動信号Q1に応じて上側スイッチ素子S1を駆動する第1ゲートドライバ43、制御部30からの駆動信号Q2に応じて下側スイッチ素子S2を駆動する第2ゲートドライバ44、この第1および第2ゲートドライバ43,44の動作に要する電圧Voを直流コンデンサCの電圧Vcから生成する自己給電回路41、この自己給電回路41で生成される電圧Voを第1ゲートドライバ43と第2ゲートドライバ44とに振り分けるブートストラップ回路42を含む。
ブートストラップ回路42は、自己給電回路41で生成される電圧Voが印加される入力側コンデンサ50、この入力側コンデンサ50の電圧が抵抗器51、逆流防止用の第1ダイオード52、および下側スイッチ素子S2を通して印加されその印加電圧を第1ゲートドライバ43の動作用電圧Vb1として保持する第1コンデンサ53、入力側コンデンサ50の電圧が抵抗器54および逆流防止用の第2ダイオード55を通して印加されその印加電圧を第2ゲートドライバ44の動作用電圧Vb2として保持する第2コンデンサ56を含む。
第1ゲートドライバ43は、動作用電圧Vb1により動作し、駆動信号Q1が論理“1”レベルのときに高レベルの駆動信号Vg1を出力し、駆動信号Q1が論理“0”レベルのときに低レベルの駆動信号Vg1を出力する。この駆動信号Vg1が抵抗器45を介してスイッチ素子S1のゲート・ソース間に印加される。スイッチ素子S1は、駆動信号Vg1が高レベルのときにオンし、駆動信号Vg1が低レベルのときにオフする。
第2ゲートドライバ44は、動作用電圧Vb2により動作し、駆動信号Q2が論理“1”レベルのときに高レベルの駆動信号Vg2を出力し、駆動信号Q2が論理“0”レベルのときに低レベルの駆動信号Vg2を出力する。この駆動信号Vg2が抵抗器46を介してスイッチ素子S2のゲート・ソース間に印加される。スイッチ素子S2は、駆動信号Vg2が高レベルのときにオンし、駆動信号Vg2が低レベルのときにオフする。
図4に、系統電圧Vr,Vs,Vtの波形と下側スイッチ素子S2,S4,S6の動作との関係を示している。下側スイッチ素子S2,S4,S6は、系統電圧Vr,Vs,Vtが負側レベルの所定期間においてそれぞれオンし、その他の期間においてそれぞれオフする。
下側スイッチ素子S2がオンしているとき、スイッチ素子S1,S2用の駆動部40のブートストラップ回路42において、入力側コンデンサ50の電圧が抵抗器51、第1ダイオード52、および下側スイッチ素子S2を通して第1コンデンサ53に印加される。同様に、下側スイッチ素子S4がオンしているとき、スイッチ素子S3,S4用の駆動部40のブートストラップ回路42において、入力側コンデンサ50の電圧が抵抗器51、第1ダイオード52、および下側スイッチ素子S4を通して第1コンデンサ53に印加される。下側スイッチ素子S6がオンしているとき、スイッチ素子S5,S6用の駆動部40のブートストラップ回路42において、入力側コンデンサ50の電圧が抵抗器51、第1ダイオード52、および下側スイッチ素子S6を通して第1コンデンサ53に印加される。
制御部30は、検出器15で検出される負荷電流Ir,Is,Itに含まれる高調波成分を検出し、検出した高調波成分を抑制するために負荷電流Ir,Is,Itに加えるべき補償電流Icr,Ics,Ictの目標値を求め、その目標値の補償電流Icr,Ics,Ictを系統ラインLr,Ls,Ltに供給するために必要な補償電圧Vcr,Vcs,Vctを電力変換器20で生成し出力させる高調波抑制制御を実行する。
とくに、制御部30は、電力変換器20の起動に際し、所定時間tにわたり、電力変換器20を低出力動作させ、その後、通常の高調波抑制制御を実行する。所定時間tは、各駆動部40のブートストラップ回路42における第1コンデンサ53の電圧Vb1が所定値以上に上昇するまでの時間と同じまたはそれより長い。
制御部30の要部の構成を図5に示す。
コンデンサ電圧制御部60は、通常の高調波抑制制御において電圧検出器22で検出される直流コンデンサCの電圧(コンデンサ電圧という)Vcに対する所定の調整用電圧値を出力するとともに、電力変換器20の起動から所定時間tにおいて電力変換器20を上記低出力動作させるための電圧調整用電流指令値を出力する。
回転座標変換部61は、検出器12で検出される負荷電流Ir,Is,Itの値を検出器13で検出される系統電圧Vr,Vs,Vtの位相θに基づいて回転座標変換することにより、負荷電流Ir,Is,Itに対応する回転座標軸上のd軸負荷電流Idを求める。ローパスフィルタ(LPF)62は、回転座標変換部61で得られるd軸負荷電流Idの低周波成分を抽出する。演算部63は、ローパスフィルタ32で抽出された低周波数成分を回転座標変換部31で得られるd軸負荷電流Idから減算することにより、d軸負荷電流Idの高調波成分Idhを検出する。
演算部64は、演算部63で検出された高調波成分Idhを抑制するためにd軸負荷電流Idに加えるべきd軸補償電流の指令値(目標値)Idrefを算出するとともに、算出したd軸補償電流の指令値Idrefに対しコンデンサ電圧制御部60から供給される調整用電圧値または電圧調整用電流指令値を加える。
d軸補償電流の指令値Idrefは、高調波成分Idhを抑制するために負荷電流Ir,Is,Itに加えるべき補償電流Icr,Ics,Ictの目標値に相当する。補償電流Icr,Ics,Ictとは、負荷電流Ir,Is,Itをできるだけ系統電圧Vr,Vs,Vtと同期する正弦波に近づけるために、その負荷電流Ir,Is,Itに足し合わせるべき電流のことである。
回転座標変換部66は、検出器14で検出される補償電流Icr,Ics,Ictを検出部13で検出される電源電圧Er,Es,Etの位相θに基づいて回転座標変換することにより、現時点で出力されている補償電流Icr,Ics,Ictに対応する回転座標軸上のd軸補償電流Icdを求める。演算部65は、演算部64で算出されるd軸補償電流の指令値Idrefと回転座標変換部66で得られるd軸補償電流Icdとの偏差を求める。
電流制御部67は、演算部65で求められる偏差に対応する補償電流Icr,Ics,Ictを系統ラインLr,Ls,Ltに供給するためにスイッチング回路21から出力させるべき補償電圧Vcr,Vcs,Vctを算出し、その補償電圧Vcr,Vcs,Vctが得られるようにスイッチング回路21のスイッチ素子S1~S6のオン,オフ動作をパルス幅変調制御(PWM制御)する。
図6は、系統電圧Vr、負荷電流Ir、補償電流Icr、補償電圧Vcrの関係を示している。負荷電流Irに補償電流Icrを加えることで、負荷電流Irが系統電圧Vrの正弦波形に近い波形となる。図7は、図6における補償電圧Vcrの一部(破線で囲んだ部分)を拡大して示している。
電流制御部67の上記パルス幅変調制御において、補償電圧Vcrの上昇による過変調(破線で囲んだ部分)が生じる期間は0.5ms程度である。この0.5ms程度の期間においてブートストラップ回路42の第1コンデンサ53の電圧Vb1および第2コンデンサ56の電圧Vb2を低下させないためには、抵抗器51と第1コンデンサ53とによる放電時定数および抵抗器54と第2コンデンサ56とによる放電時定数をそれぞれ0.5msよりも十分に大きく設定する必要がある。放電時定数を0.5msの例えば10倍の5msに設定した場合、第1コンデンサ53および第2コンデンサ56の充電が完了するまでには放電時定数の5倍以上の25msの時間がかかる。この時間は、系統電圧Vr,Vs,Vtの電圧の50Hz時の一周期T(=20ms)とほぼ等しい。
この点を考慮し、電力変換器20の起動に際し、電力変換器20の低出力動作を維持する所定時間tとして、つまり各駆動部40のブートストラップ回路42における第1コンデンサ53の電圧Vb1が上側スイッチ素子S1,S3,S5の駆動に必要な所定値以上に上昇するまでの十分な時間として、系統電圧Vr,Vs,Vtの一周期T以上が設定される。
図8は、制御部30の駆動信号Q1,Q2とブートストラップ回路42における第1コンデンサ53の電圧Vb1、第2コンデンサ56の電圧Vb2、第1ゲートドライバ43の駆動信号Vg1、第2ゲートドライバ44の駆動信号Vg2の関係を示している。
下側スイッチ素子S2の駆動に要する第2コンデンサ56の電圧Vb2は、電力変換器20の起動前から下側スイッチ素子S2の駆動に必要な所定値以上に上昇している。よって、下側スイッチ素子S2については、電力変換器20の起動と同時に適切にオン,オフ駆動することができる。
これに対し、上側スイッチ素子S1の駆動に要する第1コンデンサ53の電圧Vb1は、下側スイッチ素子S2がオンしているときのみ第1コンデンサ53が充電されることから、電力変換器20の起動後に徐々に上昇していく。第1コンデンサ53の電圧Vb1が低い間は、第1ゲートドライバ43から駆動信号Vg1が出力されない。つまり、上側スイッチ素子S1を電力変換器20の起動と同時に適切にオン,オフ駆動することができない。ひいては、所望の補償電流Icr,Ics,Ictを系統ラインLr,Ls,Ltに供給することができず、かえって交流系統1に悪影響を及ぼす可能性がある。
図9は、直流コンデンサCの電圧Vc、第1コンデンサ53の電圧Vb1、制御部30におけるd軸補償電流の指令値Idreの関係を示している。
制御部30は、電力変換器20の起動に際し、所定時間tにわたり、電力変換器20を低出力動作させる。この低出力動作は、コンデンサ電圧制御部60の電圧調整用電流指令値のみに基づき、すなわち図5中に示す本来補償すべき電流であるd軸負荷電流Idの高調波成分Idhを0として、各スイッチ素子S1~S6をオン,オフ動作させる。このときの電力変換器20の出力はブートストラップ回路42の第1コンデンサ53の充電を進めるためだけのものであり、d軸負荷電流Idの高調波成分Idh を0としているため、系統ラインLr,Ls,Ltに流れる系統電流への影響はない。そして、制御部30は、所定時間tの経過後、高調波成分Idh に実際の検出値を用いて通常の高調波抑制制御に移行する。なお、高調波成分Idh を完全に0にしなくとも、実質的に0となる値であれば、それでもよい。
以上のように、電力変換器20の起動時、各駆動部40のブートストラップ回路42における第1コンデンサ53の電圧Vb1が所定値以上に上昇するまでの時間と同じまたはそれより長い所定時間tにわたって電力変換器20を低出力動作させることにより、高調波抑制とは無関係の不要な電流が電力変換器20から系統ラインLr,Ls,Ltに流れ出てしまう不具合を回避することができる。すなわち、電力変換器20の起動時の3相交流系統1への悪影響を防ぐことができ、アクティブフィルタ10の信頼性が向上する。
起動から所定時間tにわたる電力変換器20の低出力動作は、電力変換器20の各コンデンサをチャージアップする初期充電動作に匹敵するので、その初期充電動作そのものが不要となる。
[2]本発明の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。
図10に示すように、アクティブフィルタ10は、電力変換器20に代えて電力変換器70を備える。電力変換器70は、いわゆるマルチレベル変換器(MMC)であり、系統ラインLr,Ls,Ltの各相に対応する3つのクラスタ71,72,73を含む。
クラスタ(第1クラスタ)71は、それぞれが複数レベル(マルチレベル)の直流電圧をスイッチングにより選択的に生成し出力する複数の単位変換器(セル)80を直列接続(カスケード接続)してなるいわゆる多直列変換器クラスタであり、各単位変換器80の出力電圧(セル出力電圧)Vcr1,Vcr2,Vcr3を足し合わせることにより高調波を低減するための正弦波に近い波形の交流電圧Vcr0(=Vcr1+Vcr2+Vcr3)を生成し出力する。
クラスタ(第2クラスタ)72は、それぞれが複数レベルの直流電圧をスイッチングにより選択的に生成し出力する複数の単位変換器80を直列接続してなるいわゆる多直列変換器クラスタであり、各単位変換器80の出力電圧Vcs1,Vcs2,Vcs3を足し合わせることにより高調波を低減するための正弦波に近い波形の交流電圧Vcs0(=Vcs1+Vcs2+Vcs3)を生成し出力する。
クラスタ(第3クラスタ)73は、それぞれが複数レベルの直流電圧をスイッチングにより選択的に生成し出力する複数の単位変換器80を直列接続してなるいわゆる多直列変換器クラスタであり、各単位変換器80の出力電圧Vct1,Vct2,Vct3を足し合わせることにより高調波を低減するための正弦波に近い波形の交流電圧Vct0(=Vct1+Vct2+Vct3)を生成し出力する。
クラスタ71,72,73の一端が連系リアクトル11r,11s,11tを介して系統ラインLr,Ls,Ltにそれぞれ接続され、クラスタ71,72,73の他端が相互接続(星形結線)されている。
各単位変換器80の具体的な構成を図11に示す。
単位変換器80は、複数のスイッチ素子を有するスイッチング回路81、このスイッチング回路81を通して通電路が形成される1つの直流コンデンサCを含み、スイッチング回路81の各スイッチ素子のオン,オフの繰り返しにより、負荷電流Ir,Is,Itに含まれる高調波成分を抑制するための補償電流Icr,Ics,Ictを系統ラインLr,Ls,Ltへ供給する。
スイッチング回路81は、上側スイッチ素子S1と下側スイッチ素子S2を直列接続しその両スイッチ素子S1,S2の相互接続点が出力端となる第1直列回路、および上側スイッチ素子S3と下側スイッチ素子S4を直列接続しその両スイッチ素子S3,S4の相互接続点が出力端となる第2直列回路を互いに並列接続して構成される。スイッチ素子S1~S4は、半導体スイッチ素子たとえばMOSFETである。このスイッチング回路81の各直列回路に直流コンデンサCが並列接続されている。
さらに、スイッチング回路81は、スイッチ素子S1,S2用の駆動部40、スイッチ素子S3,S4用の駆動部40を含む。これら駆動部40は、直流コンデンサCの両端に接続されている。
スイッチ素子S1,S2用の駆動部40は、直流コンデンサCの電圧Vcにより動作し、後述する制御部30の指令である駆動信号Q1,Q2に応じてスイッチ素子S1,S2を駆動する。スイッチ素子S3,S4用の駆動部40は、直流コンデンサCの電圧Vcにより動作し、制御部30の指令である駆動信号Q3,Q4に応じてスイッチ素子S3,S4を駆動する。
電力変換器70を3相2レベル変換器として機能させる場合、駆動信号Q1,Q4が同期信号となり、駆動信号Q2,Q3が同期信号となる。
制御部30は、検出器15で検出される負荷電流Ir,Is,Itに含まれる高調波成分を検出し、検出した高調波成分を抑制するために負荷電流Ir,Is,Itに加えるべき補償電流Icr,Ics,Ictの目標値を求め、その目標値の補償電流Icr,Ics,Ictを系統ラインLr,Ls,Ltに供給するために必要な補償電圧Vcr,Vcs,Vctを電力変換器20で生成し出力させる高調波抑制制御を実行する。
とくに、制御部30は、電力変換器70の起動に際し、所定時間tにわたり、電力変換器70を低出力動作させ、その後、通常の高調波抑制制御を実行する。所定時間tは、各駆動部40のブートストラップ回路42における第1コンデンサ53の電圧Vb1が所定値以上に上昇するまでの時間と同じまたはそれより長い時間であり、系統電圧Vr,Vs,Vtの一周期T以上が設定される。
他の構成および効果は第1実施形態と同じである。
[3]変形例
上記各実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態および変形例は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…交流系統(3相交流電源)、2…負荷、Lr,Ls,Lt…系統ライン、10…高調波抑制装置、12…電流検出部、13…電圧検出部、14…電流検出部、20…電力変換器、21…スイッチング回路、S1~S6…スイッチ素子、C…直流コンデンサ、30…制御部、40…駆動部、41…自己給電回路、42…ブートストラップ回路、50…入力側コンデンサ、43…第1ゲートドライバ、44…第2ゲートドライバ、53…第1コンデンサ、56…第2コンデンサ、70…電力変換器、80…単位変換器、81…スイッチング回路。

Claims (7)

  1. 交流系統と負荷との間の系統ラインに接続され、交流電圧を生成しそれを前記系統ラインへ出力する電力変換器と、
    前記系統ラインに流れる負荷電流に含まれる高調波成分を抑制するために前記負荷電流に加えるべき補償電流を求め、求めた補償電流を前記電力変換器から出力させる高調波抑制制御を実行する制御部と、
    を備え、
    前記電力変換器は、上側スイッチ素子と下側スイッチ素子を直列接続しその両スイッチ素子の相互接続点が出力端となる複数の直列回路を互いに並列接続して構成されるスイッチング回路、このスイッチング回路の各直列回路に並列接続された1つの直流コンデンサ、前記直列回路ごとに設けられ前記直流コンデンサの電圧により動作し前記制御部の指令に応じて前記上側スイッチ素子および前記下側スイッチ素子を駆動する複数の駆動回路を含み、
    前記各駆動回路は、前記制御部の指令に応じて前記上側スイッチ素子を駆動する第1ゲートドライバ、前記制御部の指令に応じて前記下側スイッチ素子を駆動する第2ゲートドライバ、この第1ゲートドライバおよび第2ゲートドライバの動作に要する電圧を前記直流コンデンサの電圧から生成する自己給電回路、この自己給電回路で生成される電圧を前記第1ゲートドライバと前記第2ゲートドライバに振り分けるブートストラップ回路を含み、
    前記ブートストラップ回路は、前記自己給電回路で生成される電圧が印加される入力側コンデンサ、この入力側コンデンサの電圧が逆流防止用の第1ダイオードおよび前記下側スイッチ素子を通して印加されその印加電圧を前記第1ゲートドライバの動作用電圧として保持する第1コンデンサ、前記入力側コンデンサの電圧が逆流防止用の第2ダイオードを通して印加されその印加電圧を前記第2ゲートドライバの動作用電圧として保持する第2コンデンサを含み、
    前記制御部は、前記電力変換器の起動に際し、所定時間にわたり前記電力変換器を低出力動作させ、その後、前記高調波抑制制御を実行する、
    高調波抑制装置。
  2. 前記交流系統は、3相交流電源および第1系統ライン,第2系統ライン,第3系統ラインを含み、
    前記電力変換器は、複数の単位変換器を直列接続してなり一端が前記第1系統ラインに接続される第1クラスタ、複数の単位変換器を直列接続してなり一端が前記第2系統ラインに接続される第2クラスタ、複数の単位変換器を直列接続してなり一端が前記第3系統ラインに接続される第3クラスタを含むマルチレベル変換器であり、
    前記各単位変換器は、上側スイッチ素子と下側スイッチ素子を直列接続しその両スイッチ素子の相互接続点が出力端となる複数の直列回路を互いに並列接続して構成されるスイッチング回路、このスイッチング回路の各直列回路に並列接続された1つの直流コンデンサ、前記直列回路ごとに設けられ前記直流コンデンサの電圧により動作し前記制御部の指令に応じて前記上側スイッチ素子および前記下側スイッチ素子を駆動する複数の駆動回路を含む、
    請求項1に記載の高調波抑制装置。
  3. 前記所定時間は、前記第1コンデンサの電圧が所定値以上に上昇するまでの時間と同じまたはそれより長い、
    請求項1または請求項2に記載の高調波抑制装置。
  4. 前記所定時間は、前記交流系統の電圧の一周期以上である、
    請求項1または請求項2に記載の高調波抑制装置。
  5. 前記制御部によって実行される前記電力変換器の低出力動作は、負荷電流におけるd軸負荷電流の高調波成分を実質的に0とした出力である、
    請求項1に記載の高調波抑制装置。
  6. 前記制御部によって実行される前記電力変換器の低出力動作は、前記直流コンデンサの電圧を所定値に保つための電圧調整用電流指令値のみに基づく出力である、
    請求項1に記載の高調波抑制装置。
  7. 前記負荷は、空気調和機であり、前記交流系統の電圧を全波整流する全波整流回路、この全波整流回路の出力端に直流リアクトルを介して接続された直流コンデンサ、およびこの直流コンデンサの電圧を所定周波数の交流電圧に変換するインバータ、このインバータの出力により動作する圧縮機モータを含む、
    請求項1または請求項2に記載の高調波抑制装置。
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