JP2024047603A - 水処理装置 - Google Patents

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Hiroshi Fujita
弘樹 奈良
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Abstract

【課題】被処理水からフミン質を効率的に除去することが可能な水処理装置を提供する。【解決手段】水処理装置1は、有機物20を含む原水2に酸化剤5を添加する酸化剤添加部6と、原水2に凝集剤7を添加する凝集剤添加部8と、酸化剤5及び凝集剤7が添加された原水2である薬剤添加水4を濾過する濾過部9と、を備える。濾過部9は、有機物20の分解を促進する反応物質21を少なくとも表面に有し薬剤添加水4中の被処理物22を濾過するための反応濾材10を複数備える。凝集剤7は、薬剤添加水4と反応物質21との反応により生じる崩壊粒子24に作用して粗大化させ粗大粒子25を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、水処理装置に関する。
従来から、井戸、河川、又は池などの水源の水を、飲料水や生活用水として利用するために浄化する水浄化方法が開示されている。浄化により水から除去する物質は、例えば、濁りの原因である無機懸濁物、あるいは色や濁り、臭気の原因である有機物である。有機物に関しては、例えば、インドネシアのカリマンタン島及びスマトラ島に代表される泥炭地域の水源の水において、フミン質という有機物が高濃度で含まれることが知られている。フミン質が高濃度で含まれる水を生活水用途に用いる場合、洗濯物が着色される等の問題がある。こうした水中の有機物を部分的、或いは完全に分解し、無色透明、無臭の処理後水を得る方法として、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤とβ型の二酸化マンガン等の触媒を組み合わせて有機物を酸化分解する触媒酸化法による水処理方法(特許文献1参照)が知られている。
特許第6128964号公報
生活水を得るための水浄化装置は、一般的に原水を濾材に通水させて有機物を濾過する濾過装置を備える。しかし、この装置に触媒酸化法を適用して原水中の有機物を処理しようとする場合、酸化剤や有機物が触媒表面に化学吸着し周辺の結晶構造が歪むことによる応力、或いは、原水の水流によるせん断応力により、触媒の表面の一部が剥離してしまう。そして、この剥離物が1μm以下の微細な崩壊粒子となって処理後水中に流出し、処理後水を高濁度化させてしまう課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、従来の触媒酸化法において流出を阻止する事が困難であった崩壊粒子の処理後水中への流出を抑制可能とする水処理装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る水処理装置は、有機物を含む原水に酸化剤を添加する酸化剤添加部と、原水に凝集剤を添加する凝集剤添加部と、凝集剤及び酸化剤が添加された原水である薬剤添加水を濾過する濾過部と、を備え、濾過部は、有機物の分解を促進する反応物質を少なくとも表面に有し薬剤添加水中の被処理物を濾過するための反応濾材を複数備え、凝集剤は、薬剤添加水と反応物質との反応により生じる崩壊粒子に作用して粗大化させ粗大粒子を形成する。
本発明によれば、原水中に含まれる着色や濁りや臭気の原因となる物質が処理後水中に残留することを抑制可能な水処理装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る実施の形態の水処理装置1の浄化処理時における模式図である。 図2は、本発明に係る実施の形態1の薬剤添加水4と反応濾材10との作用を示した図である。 図3は、本発明に係る実施の形態1の処理後水の色度を示した図である。 図4は、本発明に係る実施の形態1の濾過部内部の模式図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、実施の形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
本発明の実施の形態を具体的に説明する前に、従来技術の課題を改めて説明するとともに、実施の形態の概要を説明する。
上述のように、泥炭地域の原水には、フミン質のような有機物が含まれており、色度が高い場合がある。例えば、インドネシアのスマトラ島では、原水の色度が100TCU~500TCU(TCU(色度):true color units)であり、あたかも紅茶の様な色を呈している。原水に含まれるフミン質は、植物などが微生物により分解され結果として生成された生成物である。
フミン質は、大きく分けてヒュームス質、フミン酸、及びフルボ酸から構成されており、分子の大きさは、ヒュームス質、フミン酸、及びフルボ酸の順に小さくなる。フミン質において、アルカリ水溶液で沈殿するものをヒュームス質といい、アルカリ水溶液に可溶であるが酸水溶液で沈殿するものをフミン酸といい、アルカリ水溶液にも酸水溶液にも可溶なものをフルボ酸という。しかしながら、これらのフミン質はいずれもその分子構造に分解の難しいベンゼン環を含む難分解性物質であり、塩素剤等による一般的な酸化法では分解することは困難である。
そこで、フミン質をはじめとする難分解性の有機物の分解には、複数の酸化手段を組み合わせてラジカルと呼ばれる強力な酸化活性種を発生させる促進酸化法が用いられる。促進酸化法の具体例として、有機物を含む原水に塩素剤等の酸化剤を添加し、触媒を充填した濾過部に原水を通水し、触媒の表面で酸化剤と有機物とを化学反応させ、有機物を分解する触媒酸化法が知られている。触媒酸化法に用いられる触媒は、β型の二酸化マンガンが一般的であり、原料をそのまま、或いはバインダ等と混錬した後、セラミック等の基材の少なくとも表面に反応物質として固定し、反応濾材として水槽に充填して用いられる。しかし、反応物質を構成するβ型の二酸化マンガンは、機械的強度や化学的強度が弱い。そのため、酸化剤や有機物が化学吸着することに起因する周辺の結晶構造の歪みや、水流や濾材同士の接触に伴う摩耗によって、β型の二酸化マンガン及び反応物質の一部が容易に剥離してしまう。この剥離物は、1μm以下の微細な崩壊粒子として流出し、濁度成分となって処理後水中に残留してしまう問題があった。
そこで本発明者は基礎検討を重ね、有機凝集剤と酸化剤を濾過部よりも上流側で添加することで、有機物の分解性能の高効率化及び分解性能の長期維持を可能とした。さらには、触媒の表面の一部が剥離する等して崩壊粒子が発生した場合も凝集剤の効果により処理後水への流出を抑制する方法を見出した。具体的には、濾過部よりも前段で凝集剤を添加することで、有機物のうち、ヒュームス質のような比較的サイズが大きく、触媒反応による分解が容易でない分子を凝集させる。そして、この凝集物を反応濾材による濾過で分離することで、反応物質で分解される有機物の量を低減し、少ない反応物質量で浄化することができる。また、反応濾材の一部が剥離して崩壊粒子が発生した場合においても、凝集剤は崩壊粒子を凝集、及び粗大化させ、反応濾材による濾過で分離することができる。本実施形態の水処理装置は、この凝集剤の効果を用いて処理後水に崩壊粒子の流出を抑制しながら、原水から有機物を除去することが可能な装置である。
(実施の形態1)
図1を参照して、本実施の形態1に係る水処理装置1について説明する。図1は、本発明に係る実施の形態1の水処理装置1の浄化処理時における模式図である。
本実施の形態1の水処理装置1は、図1に示すように、原水2を浄化して無色透明、或いは無臭の処理後水3として供給するための装置である。原水2は、例えば井戸から汲み上げられた井戸水であり、色度や濁度の原因となるフミン酸、或いは臭気の原因であるフルボ酸等の有機物を含有する水である。なお、無色透明とは人間が肉眼で水中の濁りや着色を確認することができない状態であり、例えば色度15TCU以下、かつ濁度5NTU(NTU(濁度):nephelometric turbidity unit)以下の状態である。また、無臭とは水から揮発する成分のうち人間の嗅覚で検知可能な成分が、検知できない程度に十分低い濃度であり、例えば、水処理装置1の管理者が鼻を水面から10cm以下の距離に近づけていかなる臭いも感じられない状態をいう。
水処理装置1は、流入管11と、酸化剤添加部6と、接続管14と、凝集剤添加部8と、送水管12と、濾過部9と、排出管13とを有して構成される。
流入管11は、水処理装置1の外部から送水されてきた原水2を酸化剤添加部6に導入する管である。流入管11は、酸化剤添加部6に連通接続されており、井戸、河川、又は池などの水源から、原水2が酸化剤添加部6に導入される。
酸化剤添加部6は、酸化剤5を原水2に溶解させる装置である。酸化剤添加部6は、原水2に酸化剤5を添加する。
酸化剤5は、活性酸素の前駆物質であり、原水2内に溶解し、触媒表面で酸化力の強い活性酸素に化学変化する。酸化剤5に由来する活性酸素は、原水中の有機物を分解する。酸化剤5は、固体・液体・気体の状態は問わないが、固形であることが望ましい。酸化剤5が固形である場合、酸化剤5を酸化剤添加部6内で原水2の水流中に配置することにより原水2に溶出させることが可能であり、送液ポンプ等を用いない簡便な構成とすることができる。酸化剤5が液体又は気体である場合、酸化剤5は送液ポンプ等で原水2に添加される。酸化剤5は、成分として、例えばトリクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸塩、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過酸化カルシウム、オゾンのうち少なくともいずれか1つを含む。
酸化剤添加部6は接続管14と連通接続しており、酸化剤添加部6で酸化剤5を取り込んだ原水2は、接続管14に流入する。
接続管14は、酸化剤添加部6と凝集剤添加部8を接続する管である。接続管14は、酸化剤添加部6で酸化剤5を取り込んだ原水2を凝集剤添加部8へ送水する。
凝集剤添加部8は、凝集剤7を原水2に溶解する装置である。凝集剤添加部8は接続管14と連通接続しており、原水2は接続管14から凝集剤添加部8に流入する。凝集剤添加部8は、原水2に凝集剤7を添加する。
凝集剤7は、1μm以下の微細な粒子を凝集させ、数μm以上の粗大な粒子にする化学物質である。凝集剤7は、固体・液体・気体の状態は問わないが、固形であることが望ましい。凝集剤7が固形である場合、凝集剤7を凝集剤添加部8内で原水2の水流中に配置することにより原水2に溶出させることが可能であり、送液ポンプ等を用いない簡便な構成とすることができる。なお、溶媒に溶解され液体となった状態の凝集剤7を原水2に送液ポンプ等で添加するようにしてもよい。凝集剤7は、成分として、例えばポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミン、ポリDADMAC、ポリペプチド、乳糖、セルロース、デンプン、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガムのうち少なくともいずれか1つを含む。
酸化剤添加部6で酸化剤5が添加され、凝集剤添加部8で凝集剤7が添加された原水2は、薬剤添加水4となる。凝集剤添加部8は送水管12と連通接続しており、薬剤添加水4は凝集剤添加部8から送水管12に流入する。
送水管12は、凝集剤添加部8と濾過部9を接続する管である。送水管12は、薬剤添加水4を濾過部9へ送水する。
なお、酸化剤添加部6と凝集剤添加部8のどちらを上流に設けるかは、適宜選択することができ、凝集剤添加部8を上流に設けた場合には、流入管11は凝集剤添加部8に接続され、送水管12は酸化剤添加部6と濾過部9を接続する。
濾過部9は、原水2中の有機物の分解を促進する濾材を格納する容器又は槽であり、濾過部9内にて有機物(後述の有機物20)の分解及び濾過が行われる。濾過部9は、流入口15及び排出口16という2ケ所の開口を有する。流入口15は送水管12と、排出口16は排出管13とそれぞれ連通接続している。薬剤添加水4は送水管12から流入口15を介して、濾過部9の内部に流入する。
濾過部9の内部には複数の反応濾材10が配置されている。反応濾材10は、触媒を含む反応物質21を少なくとも表面に持つ粒径0.1μm~10mmの粒子であり、有機物を分解可能な活性酸素を酸化剤5から発生させる。触媒の成分は例えば、β型の二酸化マンガン、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化チタン、酸化クロム、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化銀、銀、銅、亜鉛、ゼオライトのいずれかを含む。なお、反応物質21は、反応濾材10の表面にあってもよいし、反応濾材10自体が反応物質21であってもよい。例えば、反応濾材10は、濾材の基礎部分である基材26の外表面を反応物質21が覆う構造でもよい。
流入口15を介して送水管12から濾過部9に流入した薬剤添加水4は、反応濾材10の表面に接触し、さらに反応濾材10によって濾過され、溶存した有機物が浄化され、処理後水3となって排出口16から排出管13に流入する。
排出管13は、処理後水3を水処理装置1の外部に取り出す管である。
原水2が流入管11に取り込まれる流量と、薬剤添加水4が送水管12を流れる流量、薬剤添加水4が濾過部9に流入・流出する流量、処理後水が排出管13から取り出される流量はそれぞれ同じである。つまり、水処理装置1に流入した原水2は、全量が浄化され、処理後水3として装置外に送出される。
ここで図2を参照して、濾過部9において有機物が浄化されるメカニズムについて詳細に説明する。図2は、本発明に係る実施の形態1の薬剤添加水4と反応濾材10との作用を示した図である。
図2に示す通り、薬剤添加水4は、酸化剤5と、凝集剤7と、有機物20とを、溶存または分散した状態で含む。有機物20は、具体的には、フミン質やヒュームス質、フミン酸、及びフルボ酸、トリハロメタン、染料、アルデヒド類、フェノール類、タンパク質、界面活性剤、細菌、真菌、ウイルス、藻類等であり、色度や濁りの原因である他、臭気を有している場合もある。
まず、有機物20が分解されるメカニズムについて説明する。
酸化剤5は、薬剤添加水の水流27に乗って反応濾材10表面の反応物質21に吸着する。吸着した酸化剤5は、反応物質21の触媒作用によって酸化力の強い活性酸素であるラジカル28を発生させる。ラジカル28は、具体的にはヒドロキシルラジカル、スーパーオキシド、ヒドロペルオキシラジカルなどである。ラジカル28は強い酸化力を有しており、付近の有機物20を分解する。分解された有機物20は、有機物分解物23となる。
酸化剤5は酸化力を有している限りその成分は特に限定されないが、酸化力が強いほど反応物質21を崩壊させるため、酸化力の強い酸素系酸化剤よりも比較的弱い塩素系酸化剤を用いることが望ましい。塩素系酸化剤は、具体的には、トリクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸塩、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素等である。
ラジカル28は、半減期が70ナノ秒~200マイクロ秒と非常に短く、容易に消滅するため、有機物20と接触し反応することが容易でない。そのため、有機物20の高い分解効率を得るには、有機物20とラジカル28の接触確率を向上することが有効である。
具体的には、例えば、薬剤添加水4中の有機物20を、複数の反応濾材10の個々の表面を長時間かけて通過させることで、有機物20と反応濾材10の表面に発生したラジカル28との接触頻度を向上させることができる。言い換えると、反応濾材10に対する薬剤添加水4の線速度を下げると有機物20の高い分解効率を得ることができる。なお、ここでの「長時間」とは、例えば、後述する図3に示す線速度3.8m/hr以下の速度で通水した場合の時間を示す。
或いは、例えば、複数の反応濾材10をできるだけ多数設け、ラジカル28の発生量を絶対的に増やすことにより、有機物20とラジカル28との接触頻度を向上させることができる。言い換えると、反応濾材10に対する薬剤添加水4の空間速度を下げると有機物20の高い分解効率を得ることができる。
ここで図3を参照して、水処理装置1による有機物の浄化試験の実験結果を示す。図3は、本発明に係る実施の形態の水処理装置1の処理後水3の色度を示した図である。水道水に有機物20としてフミン質を溶解させた水を原水2として用いた。この時の原水2の色度は250TCUであった。処理後水3の色度は、線速度が0.95m/hr、空間速度が60/hrの場合、線速度が2.26m/hr、空間速度が60/hrの場合、線速度が3.80m/hr、空間速度が60/hrの場合には、いずれも色度が15TCU以下となり、良好にフミン質を分解できている。一方、空間速度が60/hrであっても線速度が15.3m/hrの場合や線速度が3.80m/hrであっても空間速度が60/hrの場合には、色度が15TCUを超過してしまった。これらの結果から、良好な浄化性能を得るためには、濾材に対する線速度が15.3m/hr未満(望ましくは3.8m/hr以下)、かつ、空間速度が240/hr未満(望ましくは60/hr以下)とすることが好ましい。
次に、図4を用いて、反応濾材10から濁りの原因となる粒子が発生しても、処理後水3への流出を抑制可能とするメカニズムについて説明する。図4は、本発明に係る実施の形態1の濾過部9内部の模式図である。
反応濾材10は、その表面に存在する反応物質21の表面が酸化剤5による酸化、有機物20による還元、薬剤添加水4の水流、或いは反応濾材10同士の接触に伴う摩耗によって剥離し、1μm以下の微細な崩壊粒子24となる。崩壊粒子24が処理後水3に流入した場合に、処理後水3の高濁度化の原因となる。しかし、図2に示すように、薬剤添加水4に含まれる凝集剤7は、崩壊粒子24を凝集・粗大化させ、粒子のサイズが数μm以上で容易に濾過可能な粗大粒子25とする。より具体的には、凝集剤7にカチオン性の凝集剤を用いる事により、表面がマイナスに帯電した崩壊粒子24を電気的に中和し、凝集・粗大化させることができる。
粗大化されて発生した粗大粒子25は、図4に示すように、複数の反応濾材10間の空隙で濾過される。また、同時に、色度や濁度、臭気の原因となる、崩壊粒子24、有機物20、有機物分解物23についても反応濾材10で少なくとも一部が濾過され、色度や濁度、臭気を含まない処理後水3となる。
なお、薬剤添加水4が濾過部9を通水する際に、薬剤添加水4を上下左右いずれの向きに流しても浄化性能を得ることはできる。しかし、濾過部9内において下降流とすることで、反応濾材10にかかる重力の方向と水流の方向が一致し、反応濾材10には主に下方向にのみ力が加わるようになる。これにより、反応濾材10の流動を抑えることができる。したがって、反応濾材10の空隙に捉えた粗大粒子25が、反応濾材10の流動及び空隙の形状変化によって抜け落ち、濾過部9の下流に流出してしまうことを抑制できる。
また、一般的に、凝集剤が直接反応物質21の表面に吸着し、反応物質21を被覆してしまうことにより、酸化剤5が反応物質21の表面に吸着できず、ラジカル28の生成効率が落ちることがある。しかし、凝集剤7として有機系凝集剤を用いることより、ラジカル28の生成効率の低下を回避することができる。
具体的には、反応物質21の表面に吸着した凝集剤7が、ラジカル28に酸化され、凝集剤分解物29となる。凝集剤7を有機凝集剤とすることで、凝集剤分解物29は、ラジカル28の酸化作用によりカルボン酸等の低分子の有機酸に分解される。この分解物は、ラジカル28によりさらに酸化が進み、二酸化炭素や硝酸イオン等に分解される。このような反応により、凝集剤を反応物質21の表面から除去することができ、酸化剤5の反応物質21の表面への吸着が阻害されることによるラジカル28の生成効率の低下を回避することができる。以上のようなカチオン性の有機凝集剤は具体的には、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミン、ポリDADMAC、ポリペプチド等である。
以上のように、水処理装置1では、処理後水3中への濁度成分の流出を抑制しながら、原水2の浄化を行うことができる。
以上、本実施の形態1に係る水処理装置1によれば、以下の効果を享受することができる。
(1)水処理装置1は、有機物20を含む原水2に酸化剤5を添加する酸化剤添加部6と、原水2に凝集剤7を添加する凝集剤添加部8と、酸化剤5及び凝集剤7が添加された原水2である薬剤添加水4を濾過する濾過部9と、を備える。濾過部9は、有機物20の分解を促進する反応物質21を少なくとも表面に有し薬剤添加水4中の被処理物22を濾過するための反応濾材10を複数備える。凝集剤7は、薬剤添加水4と反応物質21との反応により生じる崩壊粒子24に作用して粗大化させ粗大粒子25を形成する。こうした構成によれば、崩壊粒子24を含む粗大粒子25を、反応濾材10で捕捉することができる。したがって、崩壊粒子24を処理後水3に流出を抑制しながら、原水2中の有機物20を分解することが可能となる。
(2)水処理装置1は、濾過部9が、薬剤添加水4を内部に流入させる流入口15と、内部にて濾材により濾過された薬剤添加水4を排出する排出口16と、を備える。流入口15及び排出口16は、流入口15から排出口16への水流が下降流となるように設けられる。薬剤添加水4は、15.3m/hrより小さい線速度で濾過部9を流通する。こうした構成によれば、大流量でも確実に崩壊粒子24を含む粗大粒子25を、反応濾材10で捕捉することができる。したがって、崩壊粒子24の処理後水3への流出を抑制しながら、原水2中の有機物20を高効率に分解することが可能となる。
(3)水処理装置1は、反応物質21が、少なくとも二酸化マンガンを含んでいる。こうした構成によれば、反応物質21が高い触媒活性を有することができる。しがって、原水中の有機物20を高効率に分解することが可能となる。
(4)水処理装置1は、凝集剤7が、有機凝集剤である。こうした構成によれば、反応物質21の表面に付着した凝集剤7を反応物質21の触媒効果により分解することができる。したがって、反応物質21は、その表面が凝集剤7で被覆されることなく、高い触媒活性を維持することが可能である。
(5)水処理装置1は、酸化剤5が、トリクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸塩、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素の少なくとも1種を含む塩素剤である。こうした構成によれば、反応物質21が酸化剤5で酸化されることによるダメージを最小限に抑える事ができる。したがって、反応物質21の剥離で発生する崩壊粒子24を処理後水3に流出を抑制しながら、原水2中の有機物20を分解することが可能となる。
(6)水処理装置1は、有機物20が、少なくともフミン質を含んでいる。こうした構成によれば、水処理装置1の使用者は有機物20の分解を視認できる。したがって、原水2中の有機物20を確実な分解を容易に確認することができる。
(7)水処理装置1は、被処理物22が、有機物20、反応物質21との反応により分解された有機物20の分解物、薬剤添加水4との反応により崩壊した反応物質21、及び粗大粒子25のうち少なくとも1種を含んでいる。こうした構成によれば、高色度や高濁度や臭気の原因となる物質を濾過部で除去することができる。したがって、無色透明あるいは無臭の処理後水3を得ることが可能となる。
以上、本発明に関して実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されているところである。
本実施の形態1に係る水処理装置1において、例えば、酸化剤添加部6と凝集剤添加部8が一体であってもよい。これにより、酸化剤5及び凝集剤7を同一の添加部に内蔵できる。したがって、酸化剤添加部6と凝集剤添加部8のメンテナンスの手間を簡素化できる。
また、本実施の形態1に係る水処理装置1において、例えば、濾過部9の内部または下流に、反応物質21を持たない非反応濾材を有する第二の濾過部があっても良い。具体的には、水処理装置1は、濾過部9が、反応物質21を有する反応濾材10と、反応濾材10とは異なり反応物質21を有さずに粗大粒子25を捕捉し濾過する非反応濾材と、を備え、非反応濾材は、反応濾材10の下流側に設けられる。非反応濾材は、例えば、砂、マンガン砂、砂利、ガーネット、活性炭、アンスラサイト、セラミック、精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜、糸巻きフィルタ―、不織布等である。これにより、反応濾材10で濾過しきれなかった被処理物22を濾過することができる。したがって、処理後水3の色度や濁度、または臭気をより低減することができる。また、こうした構成によれば、粗大粒子25をより確実に捕捉することができる。したがって、崩壊粒子24を処理後水3に流出を抑制しながら、原水2中の有機物20を分解することが可能となる。
また、流入管11への原水2の送水は、流入管11の上流に設置したポンプによる圧送でもよい。これにより、流入管11に高い圧力で原水2を送水することができる。したがって、水処理装置1内いずれかの箇所において詰まり等による圧損上昇が発生した場合においても、高い圧力で送水されることにより十分な処理流量を得ることができる。
また、流入管11への原水2の送水は、排出管13よりも下流に設置したポンプで水処理装置1内を負圧にし、吸引することで行っても良い。これにより、濾過部9内部の圧力を下げることができる。したがって、濾過部9が圧力によって破裂することを防ぐことができる。
(発明の概要)
本発明に係る水処理装置は、有機物を含む原水に酸化剤を添加する酸化剤添加部と、原水に凝集剤を添加する凝集剤添加部と、凝集剤及び酸化剤が添加された原水である薬剤添加水を濾過する濾過部と、を備え、濾過部は、有機物の分解を促進する反応物質を少なくとも表面に有し薬剤添加水中の被処理物を濾過するための反応濾材を複数備え、凝集剤は、薬剤添加水と反応物質との反応により生じる崩壊粒子に作用して粗大化させ粗大粒子を形成するように配置されている。こうした構成によれば、反応物質の触媒反応により、酸化剤からより酸化力の強いラジカルを発生させ、発生したラジカルによって有機物を分解することができ、さらに、崩壊粒子を含む粗大粒子を、反応濾材で捕捉することができる。したがって、崩壊粒子の処理後水への流出を抑制しながら、原水中の有機物を分解することが可能となる。
また、本発明に係る水処理装置は、濾過部が、薬剤添加水を内部に流入させる流入口と、内部にて濾材により濾過された薬剤添加水を排出する排出口と、を備え、流入口及び排出口は、流入口から排出口への水流が下降流となるように設けられ、薬剤添加水は、15.3m/hrより小さい線速度で濾過部を流通してもよい。こうした構成によれば、薬剤添加水中の有機物が反応物質の表面を通過する時間を十分確保することができ、有機物を確実に分解することができる。したがって、原水中の有機物を高効率に分解することが可能となる。
また、本発明に係る水処理装置は、濾過部が、反応物質を有する前記反応濾材と、反応濾材とは異なり反応物質を有さずに粗大粒子を捕捉し濾過する非反応濾材と、を備え、非反応濾材は、反応濾材の下流側に設けられてもよい。こうした構成によれば、粗大粒子をより確実に捕捉することができる。したがって、崩壊粒子の処理後水への流出を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る水処理装置は、反応物質が、少なくとも二酸化マンガンを含んでいてもよい。こうした構成によれば、反応物質が高い触媒活性を有することができる。しがって、原水中の有機物を高効率に分解することが可能となる。
また、本発明に係る水処理装置は、凝集剤が、有機凝集剤でもよい。こうした構成によれば、反応物質の表面に付着した凝集剤を反応物質の触媒効果により分解することができる。したがって、反応物質の表面が凝集剤で被覆されることを抑制し、高い触媒活性を維持することが可能である。
また、本発明に係る水処理装置は、酸化剤が、トリクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸塩、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素の少なくとも1種を含む塩素剤であってもよい。こうした構成によれば、反応物質が酸化剤で酸化されることによるダメージを最小限に抑える事ができる。したがって、反応物質の剥離で発生する崩壊粒子の処理後水への流出を抑制しながら、原水中の有機物を分解することが可能となる。
また、本発明に係る水処理装置は、有機物が、少なくともフミン質を含んでいてもよい。こうした構成によれば、水処理装置の使用者は有機物の分解を視認できる。したがって、原水中の有機物を確実な分解を容易に確認することができる。
また、本発明に係る水処理装置は、被処理物が、有機物、反応物質との反応により分解された有機物の分解物、薬剤添加水との反応により崩壊した反応物質、及び粗大粒子のうち少なくとも1種を含んでいてもよい。こうした構成によれば、高色度や高濁度や臭気の原因となる物質を濾過部で除去することができる。したがって、原水中に含まれる着色や濁りや臭気の原因となる物質が処理後水中に残留することを抑制することが可能となる。
本発明に係る水処理装置は、フミン質を含んだ水源の水からフミンを除去し、色度を低減した生活用水を得る上で有用である。
1 水処理装置
2 原水
3 処理後水
4 薬剤添加水
5 酸化剤
6 酸化剤添加部
7 凝集剤
8 凝集剤添加部
9 濾過部
10 反応濾材
11 流入管
12 送水管
13 排出管
14 接続管
15 流入口
16 排出口
20 有機物
21 反応物質
22 被処理物
23 有機物分解物
24 崩壊粒子
25 粗大粒子
26 基材
27 薬剤添加水の水流
28 ラジカル
29 凝集剤分解物

Claims (9)

  1. 有機物を含む原水に酸化剤を添加する酸化剤添加部と、
    前記原水に凝集剤を添加する凝集剤添加部と、
    前記凝集剤及び前記酸化剤が添加された原水である薬剤添加水を濾過する濾過部と、を備え、
    前記濾過部は、
    前記有機物の分解を促進する反応物質を少なくとも表面に有し前記薬剤添加水中の被処理物を濾過するための反応濾材を複数備え、
    前記凝集剤は、
    前記薬剤添加水と前記反応物質との反応により生じる崩壊粒子に作用して粗大化させ粗大粒子を形成する水処理装置。
  2. 前記濾過部は、
    前記薬剤添加水を内部に流入させる流入口と、
    前記内部にて前記濾材により濾過された薬剤添加水を排出する排出口と、を備え、
    前記流入口及び前記排出口は、前記流入口から前記排出口への水流が下降流となるように設けられ、
    前記薬剤添加水は、
    15.3m/hrより小さい線速度で前記濾過部を流通する請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記濾過部は、
    前記反応物質を有する前記反応濾材と、
    前記反応濾材とは異なり前記反応物質を有さずに前記粗大粒子を捕捉し濾過する非反応濾材と、を備え、
    前記非反応濾材は、前記反応濾材の下流側に設けられる請求項1に記載の水処理装置。
  4. 前記反応物質は、少なくとも二酸化マンガンを含む請求項1に記載の水処理装置。
  5. 前記凝集剤は、有機凝集剤である請求項1に記載の水処理装置。
  6. 前記凝集剤は、カチオン性の有機凝集剤である請求項1に記載の水処理装置。
  7. 前記酸化剤は、トリクロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸塩、ジクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素の少なくとも1種を含む塩素剤である請求項1に記載の水処理装置。
  8. 前記有機物は、少なくともフミン質を含む請求項1に記載の水処理装置。
  9. 前記被処理物は、前記有機物、前記反応物質との反応により分解された前記有機物の分解物、前記薬剤添加水との反応により崩壊した前記反応物質、及び前記粗大粒子のうち少なくとも1種を含む請求項1に記載の水処理装置。
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