JP2024046143A - 車両用変速機 - Google Patents

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Yasuto Kobayashi
陽一 伊藤
Yoichi Ito
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【課題】レイアウト上の制約を受けることなくシフトフィーリングの悪化を抑制できる車両用変速機を提供する。【解決手段】車両用変速機は、軸方向の変位に応じて変速段を切り替えるシフター部材と、外周面にカム溝が形成され、変速操作に応じて回動するシフトドラムと、シフトフォークシャフト45と、カム溝に係合した係合部55、およびシフター部材に連結された先端部を有し、シフトフォークシャフト45に軸方向に相対変位可能に支持され、シフトドラムの回動により係合部55をカム溝に沿って移動させることで軸方向に変位するシフトフォーク50と、を備える。シフトフォーク50は、シフトフォークシャフト45が挿通される挿通孔58を画成するとともに、シフトフォークシャフト45の外周面に沿って延びる内周面57を有する。内周面57における軸方向の端部には、径方向の外側に窪むとともに軸方向の外側に開放された凹部60が形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、車両用変速機に関するものである。
従来、車両用変速機として、変速操作に応じて回動するシフトドラムと、変速機ケースに支持されたシフトフォークシャフトと、シフトドラムの回動により、シフトフォークシャフトに軸方向移動可能に支持されたシフトフォークと、を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、シフトドラムの外周面にカム溝が形成され、フォーク軸に摺動自在に軸支されたシフトフォークのフォークピンがカム溝に係合され、シフトフォークの先端部がシフターと係合された車両用変速機が開示されている。この種の車両用変速機では、シフトドラムの回動に伴ってフォークピンがカム溝に案内されることにより、シフトフォークがフォーク軸上を移動してギヤまたはシフターを移動させ、変速段を切り替える。
さらに特許文献1に開示された車両用変速機では、シフトドラムの外周面に溝を形成し、シフトフォークにより動かされないギヤの歯部を溝内に入り込むことで、大径のギヤとシフトドラムとの干渉が回避されている。これにより、ギヤが設けられたメインシャフトおよびカウンタシャフトに対してシフトドラムをできるだけ近づけて配置することができ、フォークピンを力点としてシフトフォークを摺動させるときにシフトフォークがフォーク軸の軸心方向に対して傾くことがなく、シフトフォークとフォーク軸との間でこじりが起きることがないとされている。なお、シフトフォークにこじりが発生すると、シフトフィーリングが悪化する場合がある。
特許第3272128号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、レイアウト上の制約が生じる場合がある。したがって、レイアウト上の制約を受けることなく、シフトフォークのこじりによるシフトフィーリングの悪化を抑制できる技術の開発が望まれている。
そこで本発明は、レイアウト上の制約を受けることなくシフトフィーリングの悪化を抑制できる車両用変速機を提供するものである。
本発明の第1の態様に係る車両用変速機は、軸方向に延び、変速ギヤを支持する伝動軸(23,25)と、前記伝動軸(23,25)に前記軸方向に変位可能に支持され、前記軸方向の変位に応じて前記伝動軸(23,25)に特定の変速ギヤ(34)を結合することで変速段を切り替えるシフター部材(35)と、外周面にカム溝(42)が形成され、変速操作に応じて回動するシフトドラム(41)と、変速機ケース(21)に支持されたシフトフォークシャフト(45)と、前記カム溝(42)に係合した係合部(55)、および前記シフター部材(35)に連結された連結部(53)を有し、前記シフトフォークシャフト(45)に前記軸方向に相対変位可能に支持され、前記シフトドラム(41)の回動により前記係合部(55)を前記カム溝(42)に沿って移動させることで前記軸方向に変位するシフトフォーク(50)と、を備え、前記シフトフォーク(50)は、前記シフトフォークシャフト(45)が挿通される挿通孔(58)を画成するとともに、前記シフトフォークシャフト(45)の外周面に沿って延びる内周面(57)を有し、前記内周面(57)における前記軸方向の端部には、径方向の外側に窪むとともに前記軸方向の外側に開放された凹部(60,60A,60B)が形成されている。
第1の態様によれば、変速操作に応じてシフトフォークがシフトフォークシャフトに対して傾いた際に、シフトフォークシャフトを凹部の開口縁に2点接触あるいは面接触させることができる。このため、シフトフォークの内周面に凹部が形成されていない場合にシフトフォークシャフトが挿通孔の開口縁に1点接触する構成と比較して、シフトフォークシャフトとシフトフォークとの接触面積を増やすことができ、接触点における圧力を下げ、シフトフォークシャフトとシフトフォークとの摺動抵抗を低下させることができる。これにより、レイアウト上の制約を受けることなくシフトフォークシャフトおよびシフトフォークの摺動抵抗を低下させることができ、変速操作がなされた際にシフトフォークをスムーズに変位させることが可能となる。したがって、シフトフィーリングの悪化を抑制できる。
本発明の第2の態様に係る車両用変速機は、上記第1の態様に係る車両用変速機において、前記凹部(60,60A,60B)は、前記内周面(57)における前記軸方向の両端部に形成されていてもよい。
第2の態様によれば、シフトフォークがシフトフォークシャフトに対して軸方向に平行な2方向のいずれに変位する際にも、上述した作用を奏することができる。したがって、より多くの状況でシフトフィーリングの悪化を抑制できる。
本発明の第3の態様に係る車両用変速機は、上記第1の態様または第2の態様に係る車両用変速機において、前記軸方向から見て前記シフトドラム(41)の中心軸線(Q)および前記シフトフォークシャフト(45)の中心軸線(C)を通る第1仮想直線(L1)を定義し、前記凹部(60,60A,60B)は、前記軸方向から見て前記第1仮想直線(L1)に対して前記伝動軸(23,25)の中心軸線(O,P)とは反対側に形成されていてもよい。
第3の態様によれば、シフトフォークを変位させるにあたり、シフトフォークおよび伝動軸の接触部を支点とし、かつ係合部を力点とするようにシフトフォークに力が加わった際に、シフトフォークのうちシフトフォークシャフトに接触して圧力が発生しやすい箇所に凹部を設けることができる。このため、シフトフォークシャフトおよびシフトフォークの摺動抵抗を効果的に低下させて、シフトフィーリングの悪化を確実に抑制できる。
本発明の第4の態様に係る車両用変速機は、上記第1の態様から第3の態様のいずれかの態様に係る車両用変速機において、前記軸方向から見て前記シフトフォークシャフト(45)の中心軸線(Q)および前記伝動軸(23,25)の中心軸線(O,P)を通る第2仮想直線(L2)を定義し、前記凹部(60,60A,60B)は、前記軸方向から見て前記第2仮想直線(L2)に対して前記係合部(55)とは反対側に形成されていてもよい。
第4の態様によれば、シフトフォークを変位させる際のシフトドラムの回転初期に、シフトフォークのうちシフトフォークシャフトに接触して圧力が発生しやすい箇所に凹部を設けることができる。このため、シフトフォークシャフトおよびシフトフォークの摺動抵抗を効果的に低下させて、シフトフィーリングの悪化を確実に抑制できる。
本発明の第5の態様に係る車両用変速機は、上記第1の態様から第4の態様のいずれかの態様に係る車両用変速機において、前記シフトフォーク(50)は、ニュートラルから変速操作される場合に前記軸方向に変位してもよい。
第5の態様によれば、ニュートラルへ変速操作される際のシフトフォークシャフトおよびシフトフォークの摺動抵抗を低下させることができるので、運転者が変速操作に力を入れすぎてニュートラルを跨ぐように変速されることを抑制できる。
本発明の第6の態様に係る車両用変速機は、上記第1の態様から第5の態様のいずれかの態様に係る車両用変速機において、前記凹部(60,60A,60B)における前記軸方向の外側の開口縁(61,61A)は、前記シフトフォークシャフト(45)の前記外周面の曲率よりも大きい曲率で湾曲していてもよい。
第6の態様によれば、シフトフォークがシフトフォークシャフトに対して傾いた場合に、シフトフォークシャフトが凹部に深く入り込んで凹部の開口縁に1点接触することを抑制できる。すなわち、シフトフォークシャフトを凹部の開口縁に2点接触あるいは面接触させるなど、接触面積を増大させることができる。したがって、上述した作用効果をより確実に奏することができる。
本発明の第7の態様に係る車両用変速機は、上記第1の態様から第6の態様のいずれかの態様に係る車両用変速機において、前記凹部(60)は、前記内周面(57)における前記軸方向の全長にわたって延びていてもよい。
第7の態様によれば、凹部を給油溝として好適に作用させることができる。
本発明の第8の態様に係る車両用変速機は、上記第1の態様から第7の態様のいずれかの態様に係る車両用変速機において、前記凹部(60B)は、前記シフトフォーク(50)を径方向に貫通していてもよい。
第8の態様によれば、シフトフォークがシフトフォークシャフトに対して傾いた場合に、シフトフォークシャフトが凹部に深く入り込んで凹部の開口縁に1点接触することを容易に抑制できる。したがって、上述した作用効果をより確実に奏することができる。
本発明によれば、レイアウト上の制約を受けることなくシフトフィーリングの悪化を抑制できることができる。
実施形態のパワーユニットの左側面図である。 実施形態のパワーユニットの一部を示す断面図である。 シフトフォークシャフト、およびそのシフトフォークシャフトに支持されたシフトフォークの一例を示す斜視図である。 図3に示すシフトフォークの基端部周辺を軸方向から見た拡大図である。 図3に示すシフトフォークの断面図である。 実施形態のチェンジ機構を軸方向から見た図である。 図6に示すチェンジ機構のうち第1フォークに関わる部材のみを示した図である。 図6に示すチェンジ機構のうち第2フォークに関わる部材のみを示した図である。 実施形態の第1変形例に係るシフトフォークの断面図である。 実施形態の第2変形例に係るシフトフォークの断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明における前後上下左右等の方向は、以下に説明する車両における方向と同一とする。すなわち、上下方向は鉛直方向と一致し、左右方向は車幅方向と一致する。また、以下の説明に用いる図中において、矢印UPは上方、矢印FRは前方、矢印LHは左方をそれぞれ示している。
図1は、実施形態のパワーユニットの左側面図である。なお図1ではクランクケース12の内部構造を示しているとともに、シリンダ13の外観を示している。
本実施形態のパワーユニット1は、自動二輪車等の鞍乗り型車両に搭載されている。図1に示すように、パワーユニット1は、エンジン3、変速機7およびクラッチ装置5(図2参照)を一体に備える。エンジン3は、パワーユニット1の前部に設けられている。変速機7は、パワーユニット1の後部に設けられている。本実施形態の変速機7は、運転者が図示しないチェンジペダルを操作して変速段を選択するマニュアルトランスミッションである。
エンジン3は、車幅方向に延在するクランクシャフト11と、クランクシャフト11を収容するクランクケース12と、クランクケース12から前方に突出するシリンダ13と、を備える。シリンダ13内には、ピストンが嵌装されている。ピストンの往復動は、コンロッド14を介してクランクシャフト11の回転動に変換される。
図2は、実施形態のパワーユニットの一部を示す断面図である。なお図2は、後述する中心軸線Q,Cを折れ線として複数の切断面を組み合わせた断面図である。
図2に示すように、変速機7は、変速機ケース21に収容されている。変速機ケース21は、クランクケース12の後部である。変速機7は、変速機ケース21に回転自在に支持されたメインシャフト23およびカウンタシャフト25と、メインシャフト23およびカウンタシャフト25に跨る変速ギヤ群27と、変速ギヤ群27におけるメインシャフト23およびカウンタシャフト25間の動力伝達に用いる変速ギヤ対を切り替えるチェンジ機構40と、を有する有段式のトランスミッションである。メインシャフト23は、車幅方向に延びる中心軸線Oを有する。カウンタシャフト25は、車幅方向に延びる中心軸線Pを有する。なお以下の各構成部材の説明で用いる軸方向および径方向の用語は、当該構成部材の中心軸線に対応する方向であり、軸方向は車幅方向に一致している。
メインシャフト23の右端部には、クラッチ装置5が結合している。クラッチ装置5は、エンジン3のクランクシャフト11(図1参照)と変速機7のメインシャフト23との間の動力伝達を断接させる多板式摩擦クラッチである。クラッチ装置5は、運転者によるクラッチ操作子の操作またはアクチュエータの駆動により断接作動する。クランクシャフト11の回転動力は、クラッチ装置5を介してメインシャフト23に伝達され、メインシャフト23から変速ギヤ群27の任意の変速ギヤ対を介してカウンタシャフト25に伝達される。
カウンタシャフト25は、パワーユニット1の出力軸を構成している。カウンタシャフト25は、変速機ケース21の左方に突出し、ドライブスプロケット9に結合している。カウンタシャフト25の回転は、変速機ケース21の左側からチェーンドライブ式の動力伝達機構を介して後輪に伝達される。
変速ギヤ群27は、メインシャフト23に支持された駆動ギヤ31A~31Eと、カウンタシャフト25に支持された従動ギヤ32A~32Eと、を備える。駆動ギヤ31A~31Eおよび従動ギヤ32A~32Eは、変速段数分の変速ギヤ対をなしている。変速ギヤ対は、変速段毎に常時噛み合い状態で設けられている。メインシャフト23およびカウンタシャフト25のそれぞれに支持された各ギヤは、対応するシャフトに対して回転不能、かつ軸方向に変位不能な固定ギヤ33と、対応するシャフトに対して回転可能、かつ軸方向に変位不能なフリーギヤ34と、対応するシャフトに対して回転不能、かつ軸方向に変位可能に設けられたスライドギヤ35と、に分類される。スライドギヤ35は、対応するシャフトにスプライン嵌合している。フリーギヤ34およびスライドギヤ35の一方には、軸方向に突出するドグ36が設けられている。フリーギヤ34およびスライドギヤ35の他方には、軸方向に窪むスロット37が設けられる。スライドギヤ35の外周面には、径方向の内側に窪むとともに全周にわたって延びる環状溝38が形成されている。
軸方向で向かい合うドグ36およびスロット37は、互いに係合可能とされている。軸方向で隣り合うフリーギヤ34およびスライドギヤ35は、互いに接近することでドグ36およびスロット37を係合させ、一体回転可能な状態となる。軸方向で隣り合うフリーギヤ34およびスライドギヤ35は、互いに離間することでドグ36およびスロット37を係合状態から離脱させて、相対回転可能な状態となる。いずれのドグ36およびスロット37が互いに係合または離脱するかによって、メインシャフト23およびカウンタシャフト25の間の動力伝達に用いられる変速ギヤ対が切り替わる。全てのドグ36およびスロット37の係合が解除された状態は、メインシャフト23およびカウンタシャフト25の間の動力伝達が不能なニュートラル状態である。
駆動ギヤ31A~31Eは、5速分設けられている。メインシャフト23には、右側から1速段用の駆動ギヤ31A、4速段用の駆動ギヤ31D、3速段用の駆動ギヤ31C、5速段用の駆動ギヤ31E、2速段用の駆動ギヤ31Bが順に支持されている。1速段用の駆動ギヤ31Aおよび2速段用の駆動ギヤ31Bは、固定ギヤ33である。3速段用の駆動ギヤ31Cは、スライドギヤ35である。4速段用の駆動ギヤ31Dおよび5速段用の駆動ギヤ31Eは、フリーギヤ34である。なお図示の例では、1速段用の駆動ギヤ31Aは、メインシャフト23と一体に形成されている。
従動ギヤ32A~32Eは、駆動ギヤ31A~31Eと同様に5速分設けられ、変速段毎に駆動ギヤ31A~31Eと噛み合うように配置されている。すなわちカウンタシャフト25には、右側から1速段用の従動ギヤ32A、4速段用の従動ギヤ32D、3速段用の従動ギヤ32C、5速段用の従動ギヤ32E、2速段用の従動ギヤ32Bが順に支持されている。互いに噛み合う駆動ギヤ31A~31Eおよび従動ギヤ32A~32Eは、変速ギヤ対を構成している。1速段用の従動ギヤ32A、3速段用の従動ギヤ32C、および2速段用の従動ギヤ32Bは、フリーギヤ34である。4速段用の従動ギヤ32Dおよび5速段用の従動ギヤ32Eは、スライドギヤ35である。
チェンジ機構40は、変速操作に応じて回動するシフトドラム41と、変速機ケース21に支持されたシフトフォークシャフト45と、シフトフォークシャフト45に支持されたシフトフォーク50と、を備える。
シフトドラム41は、メインシャフト23およびカウンタシャフト25と平行に配置されている。シフトドラム41は、メインシャフト23およびカウンタシャフト25よりも上方に配置されている。シフトドラム41は、車幅方向に延びる中心軸線Qを有する。シフトドラム41の両端部は、変速機ケース21に回転可能に支持されている。シフトドラム41は、チェンジペダルに連係され、チェンジペダルに入力された操作力を受けて回転する。シフトドラム41の外周面には、カム溝42が形成されている。カム溝42は、シフトドラム41の回転に伴ってシフトフォーク50を車幅方向に変位させる。
シフトフォークシャフト45は、車幅方向に延びる中心軸線Cを有する円柱状に形成されている。シフトフォークシャフト45のうちシフトフォーク50を支持する箇所の外周面は、一定の曲率で軸方向に延びている。
シフトフォーク50は、スライドギヤ35毎に1つずつ設けられる。シフトフォーク50は、シフトフォークシャフト45に軸方向に相対変位可能に支持されている。以下、3速段用の駆動ギヤ31Cに対応するシフトフォーク50を第1フォーク50A、4速段用の従動ギヤ32Dに対応するシフトフォーク50を第2フォーク50B、5速段用の従動ギヤ32Eに対応するシフトフォーク50を第3フォーク50Cと称する場合がある。
図3は、シフトフォークシャフト、およびそのシフトフォークシャフトに支持されたシフトフォークの一例を示す斜視図である。
図2および図3に示すように、シフトフォーク50は、シフトフォークシャフト45を挿通する円筒状の基端部51と、基端部51から対応するスライドギヤ35を支持するシャフト側に延出してスライドギヤ35に連結された先端部53と、基端部51に突設された係合部55と、を一体に備える。なお以下のシフトフォーク50に関する説明では、特に記載のない限り基端部51がシフトフォークシャフト45と同軸に配置された状態にあるものとする。
先端部53は、軸方向に略一定の厚さを有する平板状に形成され、基端部51からその径方向外側に張り出している。先端部53は、二股状に分岐しており、スライドギヤ35を挟むように環状溝38に係合している。先端部53は、環状溝38の両側面によってスライドギヤ35に対する軸方向の変位を規制されている。
図4は、図3に示すシフトフォークの基端部周辺を軸方向から見た拡大図である。なお図4では、シフトフォークシャフト45を仮想線で示している。
図4に示すように、基端部51は、シフトフォークシャフト45の外周面に沿って延びる内周面57を有する。内周面57は、シフトフォークシャフト45が挿通される挿通孔58を画成している。内周面57は、一定の曲率半径で軸方向に延びている。内周面57の曲率半径は、シフトフォークシャフト45の外周面の曲率半径よりも大きい。基端部51の軸方向端面の内周縁は、全周にわたって面取りされている。
図2および図3に示すように、係合部55は、軸方向から見て基端部51からシフトドラム41の中心軸線Qに向けて突出している。係合部55は、円柱状に形成されており、シフトドラム41のカム溝42に係合している。係合部55は、回転するシフトドラム41のカム溝42に案内されて軸方向に変位する。
図5は、図3に示すシフトフォークの断面図であって、基端部の中心軸線を含む切断面を示す図である。なお図5では、基端部51が仮想線で示すシフトフォークシャフト45に対して傾いた状態を示している。
ここで、図4および図5に示すように、基端部51の内周面57には、径方向の外側に窪む凹部60が形成されている。凹部60は、内周面57における軸方向の全長にわたって延びた溝状である。換言すると、内周面57における軸方向の両端部に形成された凹部60が互いに接続して1つの溝状に形成されている。本実施形態では、凹部60は、軸方向に沿って一様に延在している。これにより、内周面57における凹部60の開口縁は、一定の幅で軸方向に延びている。
内周面57における軸方向の各端部には、2つの凹部60が設けられている。ここで、内周面57の各端部に設けられた2つの凹部60を、便宜上第1凹部601および第2凹部602と称する。第1凹部601は、2つの凹部60のうち係合部55から離れた位置にある凹部60である。内周面57の第1端部に設けられた第1凹部601と、内周面57の第2端部に設けられた第2凹部602とは、軸方向から見てシフトフォークシャフト45の中心軸線C(内周面57の中心軸線)に対して線対称の位置に設けられている。また、内周面57の第2端部に設けられた第1凹部601と、内周面57の第1端部に設けられた第2凹部602とは、軸方向から見てシフトフォークシャフト45の中心軸線C(内周面57の中心軸線)に対して線対称の位置に設けられている。本実施形態では、内周面57の各端部において、第1凹部601および第2凹部602は、軸方向から見てシフトフォークシャフト45の中心軸線Cに対して線対称の位置に設けられている。なお図3から図5に示す凹部60の形成位置はその一例であり、より望ましい凹部60の形成位置については後述する。
凹部60は、軸方向の外側に開放されており、基端部51の軸方向端面に外側開口縁61を有する。外側開口縁61は、軸方向から見てシフトフォークシャフト45の外周面の曲率よりも大きい一定の曲率で湾曲している。これにより、シフトフォーク50がシフトフォークシャフト45に対して傾いた状態で、シフトフォーク50が凹部60の内面に接触することを規制している。ただし、凹部は、軸方向から見てシフトフォークシャフト45と同じ外径を有する仮想円が外側開口縁に1点で内接しなければよい。例えば凹部の外側開口縁は、軸方向から見て曲率を変化させながら湾曲していてもよいし、軸方向から見て直線および曲線を組み合わせて延びていてもよい。
凹部60の形成位置について、図6から図8を参照して説明する。
図6は、実施形態のチェンジ機構を軸方向から見た図である。
図6に示すように、任意のシフトフォーク50に関し、第1仮想直線L1および第2仮想直線L2を以下のように定義する。第1仮想直線L1は、軸方向から見てシフトドラム41の中心軸線Qおよびシフトフォークシャフト45の中心軸線Cを通る直線として定義される。第2仮想直線L2は、軸方向から見てシフトフォークシャフト45の中心軸線C、並びにメインシャフト23およびカウンタシャフト25のうち対応するシャフトの中心軸線を通る直線として定義される。メインシャフト23およびカウンタシャフト25のうち対応するシャフトは、任意のシフトフォーク50に連結されたスライドギヤ35を支持するシャフトである。任意のシフトフォーク50において、第1凹部601は、軸方向から見て第1仮想直線L1に対してメインシャフト23およびカウンタシャフト25のうち対応するシャフトの中心軸線とは反対側の領域、または軸方向から見て第2仮想直線L2に対して係合部55とは反対側の領域に形成されている。第2凹部602の形成位置は、第1凹部601の形成位置に応じて一義的に定まる。
図7は、図6に示すチェンジ機構のうち第1フォークに関わる部材のみを示した図である。
図6および図7に示す例では、第1フォーク50Aの内周面57のうち、軸方向から見て第1仮想直線L1に対してメインシャフト23の中心軸線Oとは反対側の領域A1、または軸方向から見て中心軸線Oを通る第2仮想直線L2に対して係合部55とは反対側の領域A2に第1凹部601が形成される。
図8は、図6に示すチェンジ機構のうち第2フォークに関わる部材のみを示した図である。
図6および図8に示す例では、第2フォーク50Bおよび第3フォーク50Cそれぞれの内周面57のうち、軸方向から見て第1仮想直線L1に対してカウンタシャフト25の中心軸線Pとは反対側の領域B1、または軸方向から見て中心軸線Pを通る第2仮想直線L2に対して係合部55とは反対側の領域B2に第1凹部601が形成される。
図6に示すように、第1凹部601の位置は、第1仮想直線L1と第2仮想直線L2とのなす角度が大きくなるに従い、中心軸線Cを中心にして第1仮想直線L1との間の中心角が大きくなるように設定される。なお第1仮想直線L1と第2仮想直線L2とのなす角度は、軸方向から見て第1仮想直線L1のうち中心軸線Cから中心軸線Qとは反対側に延びる部分と、第2仮想直線L2のうち中心軸線Cから中心軸線O(または中心軸線P)側に延びる部分と、のなす角度である。
図2に示すように、各シフトフォーク50は、シフトドラム41の回転によって、各カム溝42のパターンに沿って軸方向で移動し、スライドギヤ35を軸方向に移動させる。シフトフォーク50は、シフトドラム41の位相角に応じて任意のスライドギヤ35をフリーギヤ34に係合させ、シャフト間(メインシャフト23とカウンタシャフト25との間)の動力伝達に用いる変速ギヤ対を選択する。また、シフトフォーク50は、全てのスライドギヤ35をフリーギヤ34から離間させることで、ニュートラル状態とする。
具体的に、変速機7は、変速操作に応じて以下のように動作する。
ニュートラルから1速へ変速操作がなされると、シフトドラム41の回転によって第2フォーク50Bが軸方向に移動し、スライドギヤ35である4速段用の従動ギヤ32Dが1速段用の従動ギヤ32Aに係合する。これにより、フリーギヤ34である1速段用の従動ギヤ32Aがカウンタシャフト25と一体回転可能となるので、1速段用の駆動ギヤ31Aおよび1速段用の従動ギヤ32Aからなる変速ギヤ対を介して、シャフト間の動力伝達が可能となる。したがって、1速段が確立される。
1速からニュートラルへ変速操作がなされると、シフトドラム41の回転によって第2フォーク50Bが軸方向に移動し、スライドギヤ35である4速段用の従動ギヤ32Dが1速段用の従動ギヤ32Aから離間する。これにより、フリーギヤ34である1速段用の従動ギヤ32Aがカウンタシャフト25と相対回転可能となるので、シャフト間の動力伝達が不能となる。したがって、ニュートラル状態が確立される。
ニュートラルから2速へ変速操作がなされると、シフトドラム41の回転によって第3フォーク50Cが軸方向に移動し、スライドギヤ35である5速段用の従動ギヤ32Eが2速段用の従動ギヤ32Bに係合する。これにより、フリーギヤ34である2速段用の従動ギヤ32Bがカウンタシャフト25と一体回転可能となるので、2速段用の駆動ギヤ31Bおよび2速段用の従動ギヤ32Bからなる変速ギヤ対を介して、シャフト間の動力伝達が可能となる。したがって、2速段が確立される。
2速からニュートラルへ変速操作がなされると、シフトドラム41の回転によって第3フォーク50Cが軸方向に移動し、スライドギヤ35である5速段用の従動ギヤ32Eが2速段用の従動ギヤ32Bから離間する。これにより、フリーギヤ34である2速段用の従動ギヤ32Bがカウンタシャフト25と相対回転可能となるので、シャフト間の動力伝達が不能となる。したがって、ニュートラル状態が確立される。
2速から3速へ変速操作がなされると、シフトドラム41の回転によって第3フォーク50Cおよび第2フォーク50Bが軸方向に移動する。第3フォーク50Cの移動により、スライドギヤ35である5速段用の従動ギヤ32Eが2速段用の従動ギヤ32Bから離間して、2速段用の変速ギヤ対を介したシャフト間の動力伝達が不能となる。一方で、第2フォーク50Bの移動により、スライドギヤ35である4速段用の従動ギヤ32Dが3速段用の従動ギヤ32Cに係合する。これにより、フリーギヤ34である3速段用の従動ギヤ32Cがカウンタシャフト25と一体回転可能となるので、3速段用の駆動ギヤ31Cおよび3速段用の従動ギヤ32Cからなる変速ギヤ対を介して、シャフト間の動力伝達が可能となる。したがって、3速段が確立される。なお3速から2速へ変速操作がなされた場合の動作は、2速から3速へ変速操作がなされた場合とは逆の動作である。
3速から4速へ変速操作がなされると、シフトドラム41の回転によって第2フォーク50Bおよび第1フォーク50Aが軸方向に移動する。第2フォーク50Bの移動により、スライドギヤ35である4速段用の従動ギヤ32Dが3速段用の従動ギヤ32Cから離間して、3速段用の変速ギヤ対を介したシャフト間の動力伝達が不能となる。一方で、第1フォーク50Aの移動により、スライドギヤ35である3速段用の駆動ギヤ31Cが4速段用の駆動ギヤ31Dに係合する。これにより、フリーギヤ34である4速段用の駆動ギヤ31Dがメインシャフト23と一体回転可能となるので、4速段用の駆動ギヤ31Dおよび4速段用の従動ギヤ32Dからなる変速ギヤ対を介して、シャフト間の動力伝達が可能となる。したがって、4速段が確立される。なお4速から3速へ変速操作がなされた場合の動作は、3速から4速へ変速操作がなされた場合とは逆の動作である。
4速から5速へ変速操作がなされると、シフトドラム41の回転によって第1フォーク50Aが軸方向に移動する。第1フォーク50Aの移動により、スライドギヤ35である3速段用の駆動ギヤ31Cが4速段用の駆動ギヤ31Dから離間するとともに、5速段用の駆動ギヤ31Eに接近する。これにより、4速段用の変速ギヤ対を介したシャフト間の動力伝達が不能となる一方で、3速段用の駆動ギヤ31Cが5速段用の駆動ギヤ31Eに係合する。その結果、フリーギヤ34である5速段用の駆動ギヤ31Eがメインシャフト23と一体回転可能となるので、5速段用の駆動ギヤ31Eおよび5速段用の従動ギヤ32Eからなる変速ギヤ対を介して、シャフト間の動力伝達が可能となる。したがって、5速段が確立される。なお5速から4速へ変速操作がなされた場合の動作は、4速から5速へ変速操作がなされた場合とは逆の動作である。
ところで、シフトフォーク50の係合部55がカム溝42によって軸方向に案内されると、先端部53に作用する軸方向の抵抗を受けて、係合部55が軸方向に沿って先行するように基端部51がシフトフォークシャフト45に対して傾く場合がある(図5参照)。先端部53に作用する軸方向の抵抗としては、先端部53に連結されたスライドギヤ35とそのスライドギヤ35を支持するシャフトとの摺動摩擦や、ドグ36がスロット37に挿入される際のドグ36およびスロット37の摺動摩擦などが挙げられる。基端部51がシフトフォークシャフト45に対して傾く場合には、シフトフォークシャフト45が基端部51の挿通孔58の開口縁に1点接触することによる摺動抵抗の増大によりシフトフォーク50の変位が妨げられる可能性がある。
本実施形態では、基端部51の内周面57における軸方向の端部に、径方向の外側に窪むとともに軸方向の外側に開放された凹部60が形成されている。この構成によれば、変速操作に応じてシフトフォーク50がシフトフォークシャフト45に対して傾いた際に、シフトフォークシャフト45を凹部60の外側開口縁61に2点接触あるいは面接触させることができる。このため、基端部51の内周面57に凹部60が形成されていない場合にシフトフォークシャフト45が挿通孔58の開口縁に1点接触する構成と比較して、シフトフォークシャフト45とシフトフォーク50との接触面積を増やすことができ、接触点における圧力を下げることができる。これにより、レイアウト上の制約を受けることなくシフトフォークシャフト45およびシフトフォーク50の摺動抵抗を低下させることができるので、変速操作がなされた際にシフトフォーク50をスムーズに変位させることが可能となる。したがって、シフトフィーリングの悪化を抑制できる。
また、凹部60は基端部51の内周面57における軸方向の両端部に形成されている。この構成によれば、シフトフォーク50がシフトフォークシャフト45に対して軸方向に平行な2方向のいずれに変位する際にも、上述した作用を奏することができる。したがって、より多くの状況でシフトフィーリングの悪化を抑制できる。
また、凹部60は、内周面57の一端部に設けられた第1凹部601と、内周面57の他端部に設けられた第2凹部602と、を有する。この構成によれば、シフトフォーク50がシフトフォークシャフト45に対して傾いた際に、シフトフォークシャフト45を基端部51の両端側で凹部60の外側開口縁61に2点接触あるいは面接触させることができる。したがって、シフトフォークシャフト45およびシフトフォーク50の摺動抵抗をより効果的に低下させることができる
凹部60は、軸方向から見てシフトドラム41の中心軸線Qおよびシフトフォークシャフト45の中心軸線Cを通る第1仮想直線L1に対して、メインシャフト23およびカウンタシャフト25のうち対応するシャフトの中心軸線とは反対側に形成されている。この構成によれば、シフトフォーク50を変位させるにあたり、シフトフォーク50および対応するシャフトの接触部を支点とし、かつ係合部55を力点とするようにシフトフォーク50に力が加わった際に、シフトフォーク50のうちシフトフォークシャフト45に接触して圧力が発生しやすい箇所に凹部60を設けることができる。このため、シフトフォークシャフト45およびシフトフォーク50の摺動抵抗を効果的に低下させて、シフトフィーリングの悪化を確実に抑制できる。
凹部60は、軸方向から見てシフトフォークシャフト45の中心軸線Cと、メインシャフト23およびカウンタシャフト25のうち対応するシャフトの中心軸線と、を通る第2仮想直線L2に対して係合部55とは反対側に形成されている。この構成によれば、当該シフトフォーク50を変位させる際のシフトドラム41の回転初期に、シフトフォーク50のうちシフトフォークシャフト45に接触して圧力が発生しやすい箇所に凹部60を設けることができる。このため、シフトフォークシャフト45およびシフトフォーク50の摺動抵抗を効果的に低下させて、シフトフィーリングの悪化を確実に抑制できる。
凹部60は、ニュートラルから変速操作される場合に軸方向に変位する第2フォーク50Bおよび第3フォーク50Cに形成されている。ここで、ニュートラルへの変速操作は、各変速段への変速操作と異なり、チェンジペダルをその可動範囲の中途部で止める必要がある。本実施形態によれば、ニュートラルへ変速操作される際のシフトフォークシャフト45およびシフトフォーク50の摺動抵抗を低下させることができるので、運転者が変速操作に力を入れすぎてニュートラルを跨ぐように変速されることを抑制できる。
凹部60の外側開口縁61は、シフトフォークシャフト45の外周面の曲率よりも大きい曲率で湾曲している。この構成によれば、シフトフォーク50の基端部51がシフトフォークシャフト45に対して傾いた場合に、シフトフォークシャフト45が凹部60に深く入り込んで凹部60の外側開口縁61に1点接触することを抑制できる。すなわち、シフトフォークシャフト45を凹部60の外側開口縁61に2点接触あるいは面接触させるなど、接触面積を増大させることができる。したがって、上述した作用効果をより確実に奏することができる。
凹部60は、基端部51の内周面57における軸方向の全長にわたって延びている。この構成によれば、凹部60を給油溝として好適に作用させることができる。
実施形態の第1変形例について図9を参照して説明する。
図9は、実施形態の第1変形例に係るシフトフォークの断面図であって、基端部の中心軸線を含む切断面を示す図である。
上記実施形態では、凹部60がシフトフォーク50の基端部51の内周面57における軸方向の全長にわたって延びている。これに対して図9に示す第1変形例では、凹部60Aが基端部51の内周面57における軸方向の端部のみに形成されている。
凹部60Aは、基端部51の軸方向端面における外側開口縁61Aから、径方向の深さを漸次小さくしながら軸方向の内側に延びている。この構成によれば、凹部60Aの形成範囲が基端部51の軸方向端面を基準にして狭くなるので、凹部が基端部の内周面における軸方向の全長にわたって延びる構成と比較して、凹部60Aが設けられたシフトフォーク50を容易に形成することができる。
なお、本変形例においても、内周面57における軸方向の各端部には、2つの凹部60Aが設けられている。ここで、内周面57の各端部に設けられた2つの凹部60Aを、便宜上第1凹部601Aおよび第2凹部602Aと称する。第1凹部601Aは、2つの凹部60Aのうち係合部55から離れた位置にある凹部60Aである。第1凹部601Aおよび第2凹部602Aの位置関係は、実施形態の第1凹部601および第2凹部602の位置関係と同様である。これにより、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
なお凹部60Aの軸方向の大きさは特に限定されないが、基端部51がシフトフォークシャフト45に対して最大限に傾いた状態で基端部51における応力が発生する範囲よりも軸方向の内側まで凹部60Aが形成されていることが望ましい。
実施形態の第2変形例について図10を参照して説明する。
図10は、実施形態の第2変形例に係るシフトフォークの断面図であって、基端部の中心軸線を含む切断面を示す図である。
図10に示す第2変形例は、凹部60Bがシフトフォーク50の基端部51を径方向に貫通している点で、第1変形例とは異なる。この構成によれば、基端部51がシフトフォークシャフト45に対して傾いた場合に、シフトフォークシャフト45が凹部60Bに深く入り込んで凹部60Bの外側開口縁61Bに1点接触することを容易に抑制できる。したがって、上述した作用効果をより確実に奏することができる。
なお、本変形例においても、内周面57における軸方向の各端部には、2つの凹部60Bが設けられている。ここで、内周面57の各端部に設けられた2つの凹部60Bを、便宜上第1凹部601Bおよび第2凹部602Bと称する。第1凹部601Bは、2つの凹部60Bのうち係合部55から離れた位置にある凹部60Bである。第1凹部601Bおよび第2凹部602Bの位置関係は、実施形態の第1凹部601および第2凹部602の位置関係と同様である。これにより、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、本発明を自動二輪車に適用した例を示したが、本発明の適用範囲は自動二輪車に限定されない。すわなち、本発明は自動二輪車だけでなく自動三輪車、またはバギーやATV(All Terrain Vehicle)等の自動四輪車に適用可能である。また、原動機としてモータを備える車両に本発明を適用してもよい。
上記実施形態では、変速機7が5速の変速段を有するように構成されているが、変速段数は特に限定されない。また、上記実施形態では、本発明をマニュアルトランスミッションに適用した例を示したが、チェンジペダルを操作して変速段を選択可能なセミオートマチックトランスミッションに本発明を適用してもよい。
上記実施形態では全てのシフトフォーク50の内周面57に凹部が形成されているが、一部のフォークシャフトの内周面のみに凹部を形成してもよい。ただし、複数のフォークシャフトのうち、ニュートラルの変速操作に関わるフォークシャフトに凹部を形成することが望ましく、これにより上述したようにニュートラルを跨ぐように変速されることを抑制できる。
上記実施形態では、凹部60,60A,60Bがシフトフォーク50の基端部51の内周面57の端部に2つの凹部が形成されているが、この構成に限定されない。凹部は、シフトフォークの基端部の内周面の端部に1つのみ形成されていてもよい。この場合、上記実施形態の第1凹部601,601A,601Bに相当する凹部を設けることが望ましい。これにより、シフトフォークの基端部の内周面のうち、変速操作時に最も大きな応力が発生しやすい箇所の近傍に凹部が位置するので、凹部を設けたことによる作用効果を効果的に奏することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した実施形態および各変形例を適宜組み合わせてもよい。
7…変速機(車両用変速機) 21…変速機ケース 23…メインシャフト(伝動軸) 25…カウンタシャフト(伝動軸) 34…フリーギヤ(特定の変速ギヤ) 35…スライドギヤ(シフター部材) 41…シフトドラム 42…カム溝 45…シフトフォークシャフト 50…シフトフォーク 51…基端部 53…先端部(連結部) 55…係合部 57…内周面 58…挿通孔 60,60A,60B…凹部 61,61A…外側開口縁(開口縁) L1…第1仮想直線 L2…第2仮想直線

Claims (8)

  1. 軸方向に延び、変速ギヤを支持する伝動軸(23,25)と、
    前記伝動軸(23,25)に前記軸方向に変位可能に支持され、前記軸方向の変位に応じて前記伝動軸(23,25)に特定の変速ギヤ(34)を結合することで変速段を切り替えるシフター部材(35)と、
    外周面にカム溝(42)が形成され、変速操作に応じて回動するシフトドラム(41)と、
    変速機ケース(21)に支持されたシフトフォークシャフト(45)と、
    前記カム溝(42)に係合した係合部(55)、および前記シフター部材(35)に連結された連結部(53)を有し、前記シフトフォークシャフト(45)に前記軸方向に相対変位可能に支持され、前記シフトドラム(41)の回動により前記係合部(55)を前記カム溝(42)に沿って移動させることで前記軸方向に変位するシフトフォーク(50)と、
    を備え、
    前記シフトフォーク(50)は、前記シフトフォークシャフト(45)が挿通される挿通孔(58)を画成するとともに、前記シフトフォークシャフト(45)の外周面に沿って延びる内周面(57)を有し、
    前記内周面(57)における前記軸方向の端部には、径方向の外側に窪むとともに前記軸方向の外側に開放された凹部(60,60A,60B)が形成されている、
    車両用変速機。
  2. 前記凹部(60,60A,60B)は、前記内周面(57)における前記軸方向の両端部に形成されている、
    請求項1に記載の車両用変速機。
  3. 前記軸方向から見て前記シフトドラム(41)の中心軸線(Q)および前記シフトフォークシャフト(45)の中心軸線(C)を通る第1仮想直線(L1)を定義し、
    前記凹部(60,60A,60B)は、前記軸方向から見て前記第1仮想直線(L1)に対して前記伝動軸(23,25)の中心軸線(O,P)とは反対側に形成されている、
    請求項1に記載の車両用変速機。
  4. 前記軸方向から見て前記シフトフォークシャフト(45)の中心軸線(Q)および前記伝動軸(23,25)の中心軸線(O,P)を通る第2仮想直線(L2)を定義し、
    前記凹部(60,60A,60B)は、前記軸方向から見て前記第2仮想直線(L2)に対して前記係合部(55)とは反対側に形成されている、
    請求項1または請求項3に記載の車両用変速機。
  5. 前記シフトフォーク(50)は、ニュートラルから変速操作される場合に前記軸方向に変位する、
    請求項1または請求項2に記載の車両用変速機。
  6. 前記凹部(60,60A,60B)における前記軸方向の外側の開口縁(61,61A)は、前記シフトフォークシャフト(45)の前記外周面の曲率よりも大きい曲率で湾曲している、
    請求項1または請求項2に記載の車両用変速機。
  7. 前記凹部(60)は、前記内周面(57)における前記軸方向の全長にわたって延びている、
    請求項2に記載の車両用変速機。
  8. 前記凹部(60B)は、前記シフトフォーク(50)を径方向に貫通している、
    請求項1または請求項2に記載の車両用変速機。
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