JP2024044757A - タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents

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あゆみ 多田
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Abstract

【課題】タイヤリサイクルのために再生カーボンブラック(再生CB)をスチールコード被覆用ゴムに使用した場合は、実用上十分なスチールコードとの接着性、耐久性および低転がり抵抗性が得られないという問題点がある。【解決手段】ジエン系ゴム、カーボンブラック(CB)、再生CBおよび有機酸コバルトを含み、前記再生CBのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、前記再生CBの窒素吸着比表面積N2SA(単位m2/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるN2SA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあり、前記CBおよび前記再生CBの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、30~80質量部であるタイヤ用ゴム組成物によって上記課題を解決した。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびタイヤに関するものであり、詳しくは再生カーボンブラックを配合しても、実用上十分なスチールコードとの接着性、耐久性および低転がり抵抗性を有するタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関するものである。
自動車用タイヤには強い衝撃や大きな荷重がかかるため、補強材としてスチールコードが用いられている。このようなスチールコードを被覆するゴムは、スチールコードとの良好な接着性、高い耐久性および低転がり抵抗性が求められている。
一方、近年、資源の保全や環境保護が注目される中、タイヤにおいてもリサイクル率の向上が求められている。そこで廃タイヤなど使用済みのゴム製品を熱分解して得られる再生カーボンブラックや(例えば下記特許文献1~3参照)、非石油原料由来の再生カーボンブラックの使用が提案されている。
しかし再生カーボンブラックにはタイヤの原材料である補強材、タイヤコード等由来の不純物が含まれ、および/または、製造時の熱分解工程由来の不純物が含まれるため、ゴムの強度や発熱性並びにスチールコードに対する接着性が大幅に悪化するという問題点がある。
特許6553959号公報 特開2012-1682号公報 特許6856781号公報
したがって本発明の目的は、再生カーボンブラックを配合しても、実用上十分なスチールコードとの接着性、耐久性および低転がり抵抗性を有するタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴム、カーボンブラック、再生カーボンブラックおよび有機酸コバルトを含むタイヤ用ゴム組成物において、再生カーボンブラックのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)並びに窒素吸着比表面積NSA(単位m/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるNSA/IAを適切な範囲に定め、かつカーボンブラック、再生カーボンブラックおよび有機酸コバルトの配合量を特定の範囲に定めるとともに、ジエン系ゴムの組成を特定化することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は、ジエン系ゴム、カーボンブラック、再生カーボンブラックおよび有機酸コバルトを含むタイヤ用ゴム組成物であって、
前記再生カーボンブラックのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、
前記再生カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSA(単位m/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるNSA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあり、
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSAが50~130m/gであり、かつDBP吸油量が60~100ml/100gであり、
前記ジエン系ゴム100質量部中、天然ゴムを90質量部以上含み、
前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記有機酸コバルトをコバルト量として0.05~0.3質量部含み、
前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、30~80質量部である
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物を提供するものである。
また本発明は、前記タイヤ用ゴム組成物を用いたタイヤを提供するものである。
上述のように、再生カーボンブラックにはタイヤの原材料である補強材、タイヤコード等由来の不純物が含まれ、および/または、製造時の熱分解工程由来の不純物が含まれるため、十分なスチールコードとの接着性、耐久性および低転がり抵抗性が得られないという問題点があった。本発明者は鋭意検討を重ねた結果、再生カーボンブラックに不純物(例えば灰分)が存在する場合でも、特定範囲の前記ΔDBPおよび前記NSA/IAを満たす再生カーボンブラックを採用することにより、前記問題点の発現を極力抑制できることを見出した。
これにより本発明によれば、再生カーボンブラックを配合しても、実用上十分なスチールコードとの接着性、耐久性および低転がり抵抗性を有するタイヤ用ゴム組成物およびタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、ジエン系ゴム100質量部中、天然ゴム(NR)を90質量部以上含有することが必要である。NRの配合量が上記要件を満たさない場合、本発明の効果を得ることができない。なお、イソプレンゴム(IR)は本発明で言うNRに含まれるものとする。
また本発明においてジエン系ゴムは、NR以外の他のゴムを使用することができ、例えばおよびブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
(カーボンブラック)
本発明で使用するカーボンブラック(以下、CBと言うことがある)は、窒素吸着比表面積NSAが50~130m/gであり、好ましくは70~120m/gであり、かつDBP吸油量が60~100ml/100gであり、好ましくは60~85ml/100gである。
前記カーボンブラックのNSAおよびDBP吸油量が前記範囲であることにより、本発明の前記効果がさらに向上する。
(再生カーボンブラック)
本発明で使用する再生カーボンブラック(以下、再生CBと言うことがある)は、DBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、かつ窒素吸着比表面積NSA(単位m/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるNSA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあることが必要である。前記ΔDBP並びにNSA/IAが前記範囲を外れると、本発明の効果を奏することができない。
前記ΔDBPは、本発明の効果がさらに高まるという観点から、19ml/100g以下が好ましく、18ml/100g以下がさらに好ましい。
前記NSA/IAは、本発明の効果がさらに高まるという観点から、0.8~1.9が好ましく、0.8~1.7がさらに好ましい。
なお本発明において、DBP吸油量はASTM D2414に準拠して測定され、圧縮DBP(24M4DBP)はJIS K6217-4(圧縮試料)に基づいた24M4-DBP吸油量として測定され、NSAはJIS K6217-2に準拠して測定され、IAはJIS K6217-1に準拠して測定される。
前記圧縮DBP吸油量は、再生カーボンブラックのアグリゲーションを崩して測定されるものであり、該アグリゲーションを維持したDBP吸油量との差を測定することにより、ストラクチャーの崩れやすさを把握することができる。
ΔDBPが小さいほどストラクチャーが崩れにくく、つまりカーボンブラックとしての補強性能が低下していないと考えられる。
また、再生カーボンブラックの場合、その素原料となるタイヤの製造時に配合された複数種類のカーボンブラックは熱分解により破壊されずにその分布を保っていると推測される。よって、NSA/IAを最適な範囲にすることにより再生カーボンブラックであっても必要上十分な補強性を示すことができる。
再生カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSAは、好ましくは65~105m/gである。好ましいDBP吸油量は70~105ml/100gである。
本発明で使用する再生カーボンブラックは、例えば次のような再生カーボンブラックであることができる。
(1)天然資源から誘導された再生カーボンブラック。天然資源としては各種製品の製造過程で生じた副産物等を挙げることができ、再生可能な原料と言える。前記副産物としてはとくに制限されないが、動植物油等が挙げられる。動植物油とは、動物油または植物油を意味し、動物油としては、魚油、タラ、サメなどの魚類肝臓から得られる脂肪油(肝油)、クジラから採取可能な海獣油のような水産動物油、並びに牛脂、豚脂等の陸産動物油等が挙げられる。植物油とは、植物の種子、果実、核等から採取される脂肪酸グリセリドを成分とする油脂が挙げられ、乾性油、半乾性油、不乾性油などのいずれでもよい。
天然資源から誘導された再生カーボンブラックは市販されているものを利用することができ、例えばOrion Engineered Carbons S.A.社製商品名ECORAX NATURE 200等が挙げられる。
(2)廃タイヤを加熱分解し、得られた熱分解油を原料として製造した再生カーボンブラック。このような再生カーボンブラックは市販されているものを利用することができる。
(3)廃タイヤを熱分解して生じた残渣カーボンブラックからなる再生カーボンブラック。廃タイヤの熱分解は公知の方法にしたがって行うことができ、例えば、300℃以上、より具体的には600℃以上の温度の熱分解法が挙げられる。このような再生カーボンブラックは市販されているものを利用することができ、例えばEnrestec社製商品名PB365、Birla Carbon社製CONTINUA8000、山東開元社製LN607等が挙げられる。
上述のように、再生カーボンブラックに不純物が存在する。不純物の一例としては灰分が挙げられ、例えば前記(1)および(2)の再生カーボンブラックは、灰分を具体的には0.5質量%以下、さらに具体的には0.4質量%以下含んでいる。
また前記(3)の再生カーボンブラックは、灰分を具体的には1~30質量%、さらに具体的には3~25質量%含んでいる。
このように灰分を含む再生カーボンブラックを使用する場合でも、本発明では特定範囲の前記ΔDBPおよび前記NSA/IAを満たす再生カーボンブラックを使用するため、スチールコードとの接着性、耐久性および転がり抵抗性の悪化を大幅に抑制することができる。
なお灰分は、公知のICP法により測定される。
(有機酸コバルト)
本発明で使用する有機酸コバルト塩としては、例えばナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト、ホウ酸ネオデカン酸コバルト、アセチルアセトナートコバルト等を例示することができる。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、前記ジエン系ゴム、前記カーボンブラック、前記再生カーボンブラックおよび前記有機酸コバルトを含み、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記有機酸コバルトをコバルト量として0.05~0.3質量部含み、前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、30~80質量部であることを特徴とする。
前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し30質量部未満または80質量部を超えると実用上十分なスチールコードとの接着性、耐久性および低転がり抵抗性を維持することができない。
前記有機酸コバルトの配合量が前記ジエン系ゴム100質量部に対し、コバルト量として0.05質量部未満であるとスチールコードに対する接着性が発現せず、0.3質量部を超えるとベルトエッジセパレーションを起こしたり、耐老化性が低下する。
また、本発明の効果が向上するという観点から、下記の配合条件を満たすことが好ましい。
(i)前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量に対し、前記再生カーボンブラックの割合が0.5~50質量%であるのが好ましく、1~40質量%であるのがさらに好ましい。
(ii)前記有機酸コバルトの配合量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対しコバルト量として0.05~0.3質量部であるのが好ましく、0.1~0.25質量部であるのがさらに好ましい。
(iii)前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し30~80質量部であるのが好ましく、40~70質量部であるのがさらに好ましい。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;充填剤;老化防止剤;可塑剤;樹脂;硬化剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
(フェノール系樹脂)
本発明のゴム組成物は、その効果向上のために、フェノール系樹脂を配合するのが好ましい。
フェノール系樹脂としては、例えばクレゾール樹脂、レゾルシン樹脂、アルキルフェノール樹脂、変性フェノール樹脂を挙げることができる。変性フェノール樹脂としてはカシュー変性フェノール樹脂、オイル変性フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂、アニリン変性フェノール樹脂、メラミン変性フェノール樹脂等が例示される。
フェノール系樹脂の配合量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、0.1~3質量部であるのが好ましい。フェノール系樹脂の前記配合量が0.1質量部以上であることにより、とくにスチールコードに対する接着性が向上する。また3質量部以下であることにより、耐久性が向上し、優れた低転がり抵抗性を付与できる。
(硬化剤)
本発明のゴム組成物は、前記フェノール系樹脂の硬化剤を配合するのが好ましい。
硬化剤としては、例えばヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン(HMMM)、ヘキサメトキシメチロールメラミン、ペンタメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、パラ-ホルムアルデヒドのポリマー、メラミンのN-メチロール誘導体等が挙げられる。これらのメチレン供与体は、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
硬化剤の配合量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、0.3~10質量部であるのが好ましい。フェノール系樹脂の前記配合量が0.3質量部以上であることにより、とくにスチールコードに対する接着性が向上する。また10質量部以下であることにより、耐久性が向上する。
本発明のゴム組成物は、再生カーボンブラックを使用しても実用上十分なスチールコードとの接着性、耐久性および低転がり抵抗性を有することから、タイヤのスチールコード被覆用ゴムとして好適に用いられ得る。また本発明のタイヤは、空気入りタイヤであることが好ましく、空気、窒素等の不活性ガス及びその他の気体を充填することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
標準例1、実施例1~13および比較例1~8
サンプルの調製
表1~2に示す配合(質量部)において、加硫系(加硫促進剤、硫黄)を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで90℃で5分間混練した後、ミキサー外に放出させて室温冷却した。続いて、該組成物を同バンバリーミキサーに再度入れ、加硫系を加えて混練し、ゴム組成物を得た。得られたゴム組成物について以下に示す試験法で物性を測定した。
低転がり抵抗性
前記各種ゴム組成物によって被覆されたスチールコードを有する試験タイヤ(タイヤサイズ=245/45ZR18)を18×7Jのホイールに組み付けて、室内ドラム試験機(ドラム径:1707mm)を用いて、ISO28580に準拠し、空気圧210kPa、荷重4.82kN、速度80km/hの条件で転がり抵抗を測定した。結果は、標準例1の測定値を100とする指数で示した。この指数値が小さいほど転がり抵抗が低く、低転がり抵抗性に優れることを意味する。
スチールコードに対する接着性
12.7mm間隔で平行に並べたブラスめっきスチールコードを前記ゴム組成物で被覆すると共に、埋め込み長さ12.7mmで埋め込み、170℃、10分間の加硫条件で加硫接着してサンプルを作製した。ASTM D-2229に準拠して前記サンプルからスチールコードを引き抜き、その表面を被覆する指数ゴム付着量(%)により評価した。結果は、標準例1の測定値を100とする指数で示した。この指数値が大きいほどスチールコードに対する接着性に優れることを意味する。
ベルトエッジセパレーション耐久性
前記試験タイヤをリムサイズリムサイズ18×7Jのホイールに組み付け、内圧350kPaで酸素を封入した状態で温度80℃の条件下で5日間保管した。このように前処理が行われた試験タイヤを、室内ドラム試験機(ドラム径:1707mm)に取り付けて、周辺温度を38±3℃、荷重をJATMA最大荷重の88%とし、走行速度を120km/hから24時間毎に10km/hずつ加速し、タイヤに故障(ベルトエッジセパレーション)が生じるまでの走行速度を計測した。結果は、走行距離の測定値を用い、標準例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど故障が生じるまでの走行距離が大きく、ベルトエッジセパレーション耐久性が優れていることを意味する。
結果を表1~2に示す。
Figure 2024044757000001
Figure 2024044757000002
*1:NR(RSS#3)
*2:カーボンブラック1(東海カーボン株式会社製シースト300、窒素吸着比表面積(NSA)=84m/g、DBP吸油量=75ml/100g)
*3:カーボンブラック2(東海カーボン株式会社製シースト5H、窒素吸着比表面積(NSA)=106m/g、DBP吸油量=75ml/100g)
*4:カーボンブラック3(東海カーボン株式会社製シーストSO、窒素吸着比表面積(NSA)=42m/g、DBP吸油量=115ml/100g)
*5:カーボンブラック4(東海カーボン株式会社製シースト7HM、窒素吸着比表面積(NSA)=126m/g、DBP吸油量=125ml/100g)
*6:再生カーボンブラック1(Enrestec社製商品名PB365、DBP吸油量=88ml/100g、圧縮DBP吸油量(24M4DBP)=77ml/100g、ΔDBP=11ml/100g、NSA=76m/g、IA=95mg/g、NSA/IA=0.8)
*7:再生カーボンブラック2(Birla Carbon社製商品名、CONTINUA8000、DBP吸油量=104ml/100g、圧縮DBP吸油量(24M4DBP)=85ml/100g、ΔDBP=19ml/100g、NSA=86m/g、IA=107mg/g、NSA/IA=0.8)
*8:再生カーボンブラック3(山東開元社製商品名LN607、DBP吸油量=89ml/100g、圧縮DBP吸油量(24M4DBP)=70ml/100g、ΔDBP=19ml/100g、NSA=69m/g、IA=41mg/g、NSA/IA=1.7)
*9:再生カーボンブラック4(メーカーサンプル品、DBP吸油量=98ml/100g、圧縮DBP吸油量(24M4DBP)=96ml/100g、ΔDBP=2ml/100g、NSA=102m/g、IA=86mg/g、NSA/IA=1.2)
*10:再生カーボンブラック5(OEC社製商品名ECORAX NATURE200、DBP吸油量=72ml/100g、圧縮DBP吸油量(24M4DBP)=69ml/100g、ΔDBP=3ml/100g、NSA=82m/g、IA=86mg/g、NSA/IA=1.0)
*11:再生カーボンブラック6(LDC社製商品名GCB774G、DBP吸油量=97ml/100g、圧縮DBP吸油量(24M4DBP)=77ml/100g、ΔDBP=22ml/100g、NSA=70m/g、IA=109mg/g、NSA/IA=0.6)
*12:再生カーボンブラック7(EcoStar社製商品名FN331、DBP吸油量=78ml/100g、圧縮DBP吸油量(24M4DBP)=62ml/100g、ΔDBP=16ml/100g、NSA=62m/g、IA=29mg/g、NSA/IA=2.1)
*13:酸化亜鉛(正同化学工業株式会社製酸化亜鉛3種)
*14:老化防止剤(NOCIL LIMITED製PILFLEX13)
*15:レゾルシン樹脂(住友化学株式会社製PENACOLITE RESIN B-16-S)
*16:硬化剤HMMM(Allnex社製CYREZ964RPC)
*17:ネオデカン酸ホウ素酸コバルト(TAEKWANG FINE CHEMICAL社製Corebond CB-22P)
*18:硫黄(四国化成工業株式会社製ミュークロンOT-20)
*19:加硫促進剤DZ(川口化学工業株式会社製アクセルDZ-G)
表1~2の結果から、各実施例のゴム組成物は、ジエン系ゴム、カーボンブラック、再生カーボンブラックおよび有機酸コバルトを含み、前記再生カーボンブラックのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、前記再生カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSA(単位m/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるNSA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあり、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSAが50~130m/gであり、かつDBP吸油量が60~100ml/100gであり、前記ジエン系ゴム100質量部中、天然ゴムを90質量部以上含み、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記有機酸コバルトをコバルト量として0.05~0.3質量部含み、前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、30~80質量部であるので、標準例1のゴム組成物に比べ、実用上十分なスチールコードとの接着性、耐久性および低転がり抵抗性を有することが分かる。
一方、比較例1は、再生カーボンブラックのΔDBPが本発明で規定した上限を超え、NSA/IAが本発明で規定した下限未満であるので、スチールコードに対する接着性およびベルトエッジセパレーション耐久性が悪化した。
比較例2は、再生カーボンブラックのNSA/IAが本発明で規定した上限を超えているので、スチールコードに対する接着性およびベルトエッジセパレーション耐久性が悪化した。
比較例3は、カーボンブラックのDBP吸油量が本発明で規定する上限を超えているので、転がり抵抗性およびスチールコードに対する接着性が悪化した。
比較例4は、カーボンブラックのNSAが本発明で規定した下限未満であり、またDBP吸油量が本発明で規定する上限を超えているので、スチールコードに対する接着性およびベルトエッジセパレーション耐久性が悪化した。
比較例5は、有機酸コバルトの配合量が本発明で規定した下限未満であるので、転がり抵抗性、スチールコードとの接着性および耐久性がいずれも悪化した。
比較例6は、有機酸コバルトの配合量が本発明で規定した上限を超えているので、スチールコードとの接着性および耐久性が悪化した。
比較例7は、カーボンブラックおよび再生カーボンブラックの合計の総量が本発明で規定した下限未満であるので、スチールコードとの接着性および耐久性が悪化した。
比較例8は、カーボンブラックおよび再生カーボンブラックの合計の総量が本発明で規定した上限を超えているので、転がり抵抗性およびスチールコードとの接着性が悪化した。
本発明は、下記実施形態を包含する。
実施形態1:
ジエン系ゴム、カーボンブラック、再生カーボンブラックおよび有機酸コバルトを含むタイヤ用ゴム組成物であって、
前記再生カーボンブラックのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、
前記再生カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSA(単位m/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるNSA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあり、
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSAが50~130m/gであり、かつDBP吸油量が60~100ml/100gであり、
前記ジエン系ゴム100質量部中、天然ゴムを90質量部以上含み、
前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記有機酸コバルトをコバルト量として0.05~0.3質量部含み、
前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、30~80質量部である
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
実施形態2:
前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量に対し、前記再生カーボンブラックの割合が0.5~50質量%であることを特徴とする実施形態1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
実施形態3:
前記ジエン系ゴム100質量部に対し、さらに、フェノール系樹脂0.1~3質量部および硬化剤を0.3~10質量部配合してなることを特徴とする実施形態1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
実施形態4:
実施形態1~3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いたタイヤ。
実施形態5:
実施形態1~3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を、スチールコード被覆用ゴムに用いたタイヤ。

Claims (5)

  1. ジエン系ゴム、カーボンブラック、再生カーボンブラックおよび有機酸コバルトを含むタイヤ用ゴム組成物であって、
    前記再生カーボンブラックのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、
    前記再生カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSA(単位m/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるNSA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあり、
    前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSAが50~130m/gであり、かつDBP吸油量が60~100ml/100gであり、
    前記ジエン系ゴム100質量部中、天然ゴムを90質量部以上含み、
    前記ジエン系ゴム100質量部に対し、前記有機酸コバルトをコバルト量として0.05~0.3質量部含み、
    前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、30~80質量部である
    ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量に対し、前記再生カーボンブラックの割合が0.5~50質量%であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ジエン系ゴム100質量部に対し、さらに、フェノール系樹脂0.1~3質量部および硬化剤を0.3~10質量部配合してなることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いたタイヤ。
  5. 請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物を、スチールコード被覆用ゴムに用いたタイヤ。
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