JP2024044709A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】ハウジングの損傷、防水性の低下を抑制する。【解決手段】ボルトにより相手側部材1に取り付けられ、相手側部材1との間にシールリング5が配されるコネクタ10であって、ハウジングと、挿通孔31が形成された金属製のカラー30と、を備え、ハウジングは、フランジ部20を備え、フランジ部20には、貫通孔23が形成され、フランジ部20は、第1面21と、第2面22と、突出部25と、を備え、第1面21と第2面22との間の距離は、フランジ部20の第1厚さL1とされ、相手側部材1に取り付けられる前の状態における第1面21と突出部25の突出端との間の距離は、フランジ部20の第2厚さL2とされ、カラー30は、相手側部材1に接触する第3面32と、ボルトの座面に接触する第4面33と、を備え、第3面32と第4面33との間の距離は、カラー30の長さL3とされ、L1はL3よりも小さく、L2はL3よりも大きい。【選択図】図6
Description
本開示は、コネクタに関する。
機器ケースに取り付けられるコネクタとして、従来、特開2008-41600号公報(下記特許文献1)に記載のシールドコネクタが知られている。このシールドコネクタはハウジングを備え、ハウジングはフード部と、フード部の後端から突設されるフランジと、を備えている。フランジにはボルトの挿通孔が形成されており、挿通孔には金属カラーが嵌着されている。挿通孔内の金属カラーにボルトを挿通し、機器ケースのねじ孔に螺合することにより、ハウジングが機器ケースに取り付けられる。フランジの機器ケースに対向する面(後面)には、シールリングが装着される装着溝が設けられている。装着溝に装着されたシールリングは、フランジと機器ケースとの間で圧縮され、機器ケースとの取付面を介して外部からシールドコネクタ内に水が浸入することを防止する。
上記の構成では、ハウジングが機器ケースに取り付けられた状態において、ボルトの座面とフランジの前面との間にはクリアランスが設けられている。一般に、合成樹脂製のハウジングの熱膨張率は金属カラーの熱膨張率よりも大きいため、シールドコネクタの使用環境で急激な温度変化が繰り返されることにより、金属カラーとフランジとの固着が緩くなることがありうる。金属カラーとフランジとの固着が緩くなり、上記のクリアランスの分だけフランジが前方にずれた場合、フランジ及び機器ケースによるシールリングの圧縮が不十分となり、シールドコネクタの防水性が低下することがありうる。
一方で、ボルトの座面とフランジの前面との間にクリアランスが設けられない場合には、機器ケースにハウジングを取り付ける際、フランジがボルトから応力を受けて損傷することがありうる。また、上記したハウジングと金属カラーとの熱膨張率の差により、温度上昇に伴ってフランジがボルトの頭部に押し付けられ、ハウジングが損傷することがありうる。
本開示のコネクタは、ボルトを締結することにより第1方向から相手側部材に取り付けられ、前記相手側部材との間にシールリングが配されるコネクタであって、ハウジングと、前記ボルトが挿通される挿通孔が形成された金属製のカラーと、を備え、前記ハウジングは、前記相手側部材と前記第1方向に対向するフランジ部を備え、前記フランジ部には、前記カラーが挿通される貫通孔が形成され、前記フランジ部は、前記相手側部材に対向する第1面と、前記第1面と表裏関係にある第2面と、前記貫通孔の孔縁部に配され、前記第2面から前記第1方向に突出する突出部と、を備え、前記第1面と前記第2面との間の距離は、前記フランジ部の第1厚さとされ、前記相手側部材に取り付けられる前の状態における前記第1面と前記突出部の突出端との間の距離は、前記フランジ部の第2厚さとされ、前記カラーは、前記相手側部材に接触する第3面と、前記ボルトの座面に接触する第4面と、を備え、前記第3面と前記第4面との間の距離は、前記カラーの長さとされ、前記フランジ部の第1厚さは、前記カラーの長さよりも小さく、前記フランジ部の第2厚さは、前記カラーの長さよりも大きくなっている、コネクタである。
本開示によれば、コネクタにおいてハウジングの損傷及び防水性の低下を抑制することができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
(1)本開示のコネクタは、ボルトを締結することにより第1方向から相手側部材に取り付けられ、前記相手側部材との間にシールリングが配されるコネクタであって、ハウジングと、前記ボルトが挿通される挿通孔が形成された金属製のカラーと、を備え、前記ハウジングは、前記相手側部材と前記第1方向に対向するフランジ部を備え、前記フランジ部には、前記カラーが挿通される貫通孔が形成され、前記フランジ部は、前記相手側部材に対向する第1面と、前記第1面と表裏関係にある第2面と、前記貫通孔の孔縁部に配され、前記第2面から前記第1方向に突出する突出部と、を備え、前記第1面と前記第2面との間の距離は、前記フランジ部の第1厚さとされ、前記相手側部材に取り付けられる前の状態における前記第1面と前記突出部の突出端との間の距離は、前記フランジ部の第2厚さとされ、前記カラーは、前記相手側部材に接触する第3面と、前記ボルトの座面に接触する第4面と、を備え、前記第3面と前記第4面との間の距離は、前記カラーの長さとされ、前記フランジ部の第1厚さは、前記カラーの長さよりも小さく、前記フランジ部の第2厚さは、前記カラーの長さよりも大きくなっている、コネクタである。
このような構成によると、フランジ部の第2厚さはカラーの長さよりも大きいから、ボルト締結完了後、突出部がボルトの座面に押圧され、接触した状態となる。これにより、ボルトとハウジングとの間にクリアランスが生じないため、ハウジングが第1方向に移動することが抑制される。よって、シールリングによる防水性が低下しにくくなっている。また、フランジ部の第1厚さはカラーの長さよりも小さいから、ボルト締結の際、ボルトの座面がフランジ部の第2面に当たらないようになっており、ハウジングの損傷を抑制することができる。
(2)本開示のコネクタは、ボルトを締結することにより第1方向から相手側部材に取り付けられ、前記相手側部材との間にシールリングが配されるコネクタであって、ハウジングと、前記ボルトが挿通される挿通孔が形成された金属製のカラーと、を備え、前記ハウジングは、前記相手側部材と前記第1方向に対向するフランジ部を備え、前記フランジ部には、前記カラーが挿通される貫通孔が形成され、前記フランジ部は、前記相手側部材に対向する第1面と、前記第1面と表裏関係にある第2面と、前記貫通孔の孔縁部に配され、前記第2面から前記第1方向に突出する突出部と、を備え、前記カラーは、前記相手側部材に接触する第3面と、前記ボルトの座面に接触する第4面と、を備え、前記相手側部材に取り付けられる際、前記突出部は、前記ボルトの座面に接触し、前記第2面は、前記ボルトの座面と接触しないようになっている、コネクタである。
このような構成によると、コネクタが相手側部材に取り付けられる際、突出部はボルトの座面に接触しているから、ボルトとハウジングとの間にクリアランスが生じない。よって、ハウジングが第1方向に移動することが抑制されるため、シールリングによる防水性が低下しにくくなっている。また、コネクタが相手側部材に取り付けられる際、第2面はボルトの座面に接触しないようになっているから、ハウジングの損傷を抑制することができる。
(3)(1)または(2)に記載のコネクタにおいて、前記突出部は、各前記貫通孔について複数のリブを備え、前記複数のリブは、各前記貫通孔の孔縁部において互いに隙間を空けて配されていることが好ましい。
このような構成によると、突出部は複数のリブを備え、複数のリブは隙間を空けて配されているから、ボルトの座面によって突出部が押圧される際に、リブは隙間へと進入することができる。よって、ボルトとカラーとの間に突出部が挟み込まれることが抑制される。
(4)(1)または(2)に記載のコネクタにおいて、前記カラーは、前記第4面側の外周面に傾斜部を備え、前記傾斜部は、前記第4面に近づくほど前記挿通孔の径方向の内側に傾斜していることが好ましい。
このような構成によると、ボルトの座面によって突出部が押圧される際に、突出部は傾斜部と貫通孔の内周面との間の空間へと進入することができる。よって、ボルトとカラーとの間に突出部が挟み込まれることが抑制される。
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
<実施形態>
本開示の実施形態について、図1から図9を参照しつつ説明する。以下の説明においては、矢線Zの示す方向を上方、矢線Xの示す方向を前方、矢線Yの示す方向を左方として説明する。本実施形態では前方は第1方向の一例である。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
本開示の実施形態について、図1から図9を参照しつつ説明する。以下の説明においては、矢線Zの示す方向を上方、矢線Xの示す方向を前方、矢線Yの示す方向を左方として説明する。本実施形態では前方は第1方向の一例である。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
[相手側部材]
図1及び図2に示すように、本実施形態のコネクタ10は、ボルト締結によって前方から相手側部材1に取り付けられるようになっている。本実施形態では、相手側部材1は、電気自動車やハイブリッド自動車などの車両用のバッテリーの外側に設けられるバッテリー筐体である。バッテリー筐体は金属製とされている。バッテリー筐体は、車両の使用状況等により急激に温度変化する場合がある。なお、図面においては、簡単のため、相手側部材1のうちコネクタ10が取り付けられる部分のみを示している。
図1及び図2に示すように、本実施形態のコネクタ10は、ボルト締結によって前方から相手側部材1に取り付けられるようになっている。本実施形態では、相手側部材1は、電気自動車やハイブリッド自動車などの車両用のバッテリーの外側に設けられるバッテリー筐体である。バッテリー筐体は金属製とされている。バッテリー筐体は、車両の使用状況等により急激に温度変化する場合がある。なお、図面においては、簡単のため、相手側部材1のうちコネクタ10が取り付けられる部分のみを示している。
図1に示すように、相手側部材1には、取付孔2と、取付孔2の周囲に配される4つのボルト締結孔3と、が形成されている。取付孔2には、後述するコネクタ10のハウジング11の本体部12が挿通されるようになっている。ボルト締結孔3の内周面には、ボルト4を締結可能な雌ねじが形成されている。ボルト締結孔3は、コネクタ10をボルト締結により相手側部材1に取り付けるために設けられている。
[コネクタ、ハウジング]
コネクタ10は、ハウジング11と、金属製のカラー30と、を備えている。ハウジング11は絶縁性の合成樹脂から構成されている。ハウジング11は、本体部12と、本体部12の前方に連なるフード部13と、フード部13の後端から外側に広がるフランジ部20と、を備えている。本体部12には端子14が保持されている。図3及び図4に示すように、端子14の前側部分には、相手側端子と接続されるタブ部14Aが設けられている。端子14の後側部分は、バッテリー筐体内の出力バスバーとボルト締結によって接続される接続部14Bとされている。フード部13は、前方に開口しており、フード部13内にはタブ部14Aが配されている。フード部13は相手側コネクタに嵌合するようになっている。
コネクタ10は、ハウジング11と、金属製のカラー30と、を備えている。ハウジング11は絶縁性の合成樹脂から構成されている。ハウジング11は、本体部12と、本体部12の前方に連なるフード部13と、フード部13の後端から外側に広がるフランジ部20と、を備えている。本体部12には端子14が保持されている。図3及び図4に示すように、端子14の前側部分には、相手側端子と接続されるタブ部14Aが設けられている。端子14の後側部分は、バッテリー筐体内の出力バスバーとボルト締結によって接続される接続部14Bとされている。フード部13は、前方に開口しており、フード部13内にはタブ部14Aが配されている。フード部13は相手側コネクタに嵌合するようになっている。
[フランジ部、フランジ部の第1厚さ]
フランジ部20は、前後方向に厚さ方向を有する板状の部材である。コネクタ10が相手側部材1に取り付けられた状態では、フランジ部20は取付孔2よりも外側まで延び、相手側部材1と前後方向に対向している。図6に示すように、フランジ部20の相手側部材1に対向する面は第1面21とされている。フランジ部20の第1面21と反対側に配される面は第2面22とされている。第1面21と第2面22との間の距離は、フランジ部20の第1厚さL1とされている。図7に示すように、正面視略方形状のフランジ部20の四隅には、貫通孔23が形成されている。貫通孔23は円形状をなしている。
フランジ部20は、前後方向に厚さ方向を有する板状の部材である。コネクタ10が相手側部材1に取り付けられた状態では、フランジ部20は取付孔2よりも外側まで延び、相手側部材1と前後方向に対向している。図6に示すように、フランジ部20の相手側部材1に対向する面は第1面21とされている。フランジ部20の第1面21と反対側に配される面は第2面22とされている。第1面21と第2面22との間の距離は、フランジ部20の第1厚さL1とされている。図7に示すように、正面視略方形状のフランジ部20の四隅には、貫通孔23が形成されている。貫通孔23は円形状をなしている。
図3に示すように、フランジ部20には、第1面21から後方に凹む装着溝24が設けられている。装着溝24は環状をなし、シールリング5が装着されるようになっている。コネクタ10が相手側部材1に取り付けられた状態では、装着溝24内のシールリング5がフランジ部20と相手側部材1との間で圧縮されるようになっている。これにより、フランジ部20と相手側部材1との間を通って外部からコネクタ10の内部へと水が浸入することを防ぐことができる。
[突出部、フランジ部の第2厚さ]
図6に示すように、フランジ部20は、各貫通孔23の孔縁部に配され、第2面22から前方に突出する突出部25を備えている。相手側部材1に取り付けられる前の状態における第1面21と突出部25の突出端との間の距離は、フランジ部20の第2厚さL2とされている。図5に示すように、貫通孔23の径方向における突出部25の間の距離は、ボルト4の座面4Aの径方向の寸法よりも小さくなっている。
図6に示すように、フランジ部20は、各貫通孔23の孔縁部に配され、第2面22から前方に突出する突出部25を備えている。相手側部材1に取り付けられる前の状態における第1面21と突出部25の突出端との間の距離は、フランジ部20の第2厚さL2とされている。図5に示すように、貫通孔23の径方向における突出部25の間の距離は、ボルト4の座面4Aの径方向の寸法よりも小さくなっている。
[複数のリブ、隙間]
図7及び図8に示すように、突出部25は各貫通孔23について4つのリブ26を備えている。リブ26は貫通孔23の孔縁部に沿って延びている。貫通孔23の周方向について隣接する2つのリブ26の間には、隙間27が設けられている。図6に示すように、リブ26の先端部の断面形状は丸みを帯びた形状とされている。
図7及び図8に示すように、突出部25は各貫通孔23について4つのリブ26を備えている。リブ26は貫通孔23の孔縁部に沿って延びている。貫通孔23の周方向について隣接する2つのリブ26の間には、隙間27が設けられている。図6に示すように、リブ26の先端部の断面形状は丸みを帯びた形状とされている。
[カラー、挿通孔、カラーの長さ]
図9に示すように、カラー30は金属製の筒状の部材である。図5に示すように、カラー30は、ボルト4が挿通可能な挿通孔31を有している。本実施形態では、カラー30の挿通孔31の径方向における寸法は、フランジ部20の貫通孔23の孔径よりやや大きく設定されている。これにより、カラー30は貫通孔23内に圧入されるようになっている。コネクタ10が相手側部材1に取り付けられた状態では、カラー30は相手側部材1とボルト4の座面4Aとに接触している。詳細には、カラー30は相手側部材1に接触する第3面32と、ボルト4の座面4Aに接触する第4面33と、を有している。図6に示すように、第3面32と第4面33との間の距離は、カラー30の長さL3とされている。
図9に示すように、カラー30は金属製の筒状の部材である。図5に示すように、カラー30は、ボルト4が挿通可能な挿通孔31を有している。本実施形態では、カラー30の挿通孔31の径方向における寸法は、フランジ部20の貫通孔23の孔径よりやや大きく設定されている。これにより、カラー30は貫通孔23内に圧入されるようになっている。コネクタ10が相手側部材1に取り付けられた状態では、カラー30は相手側部材1とボルト4の座面4Aとに接触している。詳細には、カラー30は相手側部材1に接触する第3面32と、ボルト4の座面4Aに接触する第4面33と、を有している。図6に示すように、第3面32と第4面33との間の距離は、カラー30の長さL3とされている。
[第1傾斜部]
カラー30は、挿通孔31の径方向の外側に配されるカラー30の外周面34に、第1傾斜部35(傾斜部の一例)を備えている。第1傾斜部35は、カラー30の外周面34における前側部分に位置している。第1傾斜部35は、第4面33側(前側)に向かうほど挿通孔31の径方向の内側に位置して傾斜している。また、カラー30の外周面34における後側部分には、第2傾斜部36が設けられている。図6に示すように、第2傾斜部36は、第3面32側(後側)に向かうほど挿通孔31の径方向の内側に位置して傾斜している。
カラー30は、挿通孔31の径方向の外側に配されるカラー30の外周面34に、第1傾斜部35(傾斜部の一例)を備えている。第1傾斜部35は、カラー30の外周面34における前側部分に位置している。第1傾斜部35は、第4面33側(前側)に向かうほど挿通孔31の径方向の内側に位置して傾斜している。また、カラー30の外周面34における後側部分には、第2傾斜部36が設けられている。図6に示すように、第2傾斜部36は、第3面32側(後側)に向かうほど挿通孔31の径方向の内側に位置して傾斜している。
[相手側部材に対するコネクタの取り付けについて]
以下、相手側部材1へのコネクタ10の取り付けについて説明する。
フランジ部20の貫通孔23内にカラー30が第2面22側から圧入される。この際、カラー30の外周面34に設けられる第2傾斜部36により、カラー30の貫通孔23内への圧入が案内される。
以下、相手側部材1へのコネクタ10の取り付けについて説明する。
フランジ部20の貫通孔23内にカラー30が第2面22側から圧入される。この際、カラー30の外周面34に設けられる第2傾斜部36により、カラー30の貫通孔23内への圧入が案内される。
フランジ部20の装着溝24内にシールリング5を装着した状態で、本体部12が取付孔2内に挿入される。相手側部材1のボルト締結孔3とカラー30の挿通孔31とが前後方向に連通して配される。
図6に示すように、本実施形態では、コネクタ10が相手側部材1に取り付けられる前においては、フランジ部20の第2厚さL2は、カラー30の長さL3よりも大きく設定されている。また、フランジ部20の第1厚さL1は、カラー30の長さL3よりも小さく設定されている。このため、ボルト締結前、フランジ部20の第1面21及びカラー30の第3面32を相手側部材1の前面にあてがった状態では、突出部25はカラー30の第4面33よりも前方に突出している。また、フランジ部20の第2面22はカラー30の第4面33よりも後方に配されている。
ボルト4を挿通孔31に挿通し、ボルト締結孔3の内周面に設けられた雌ねじに螺合させる。ボルト4を締結していくと、まずボルト4の座面4Aは、突出部25の突出端に接触する。さらにボルト4の締結が進むと、突出部25は座面4Aにより押圧され、潰されていく。ここで、本実施形態の突出部25は複数のリブ26を備え、隣接するリブ26の間には隙間27が設けられているから、押圧されたリブ26は隙間27へと進入することができる。よって、座面4Aとカラー30の第4面33との間にリブ26(突出部25)が挟み込まれることが抑制される。
また、本実施形態では、図5に示すように、カラー30の外周面34には第1傾斜部35が設けられ、貫通孔23の内周面と第1傾斜部35との間には空間23Aが形成されている。よって、座面4Aに押圧された突出部25はこの空間23Aにも進入することができる。したがって、座面4Aとカラー30の第4面33との間に突出部25が挟み込まれることが抑制される。
さらにボルト4の締結が進むと、座面4Aがカラー30の第4面33に接触する。これにより、ボルト4の締結が完了する。続いて、端子14とバッテリーの出力バスバーの接続が行われる。以上により、コネクタ10の相手側部材1への取り付けが完了する。
コネクタ10の取り付け(ボルト締結)が完了した状態では、突出部25は座面4Aに接触している。すなわち、フランジ部20と座面4Aとの間にはクリアランスが形成されていない。よって、仮に、温度変化等により貫通孔23に対するカラー30の圧入状態が緩くなってしまっても、フランジ部20は座面4Aと相手側部材1との間で挟まれており、前後方向に移動することができない。したがって、フランジ部20は、相手側部材1との間でシールリング5を適切に圧縮した状態を維持することができるから、コネクタ10の防水性が損なわれにくくなっている。
本実施形態では、フランジ部20の第2面22は、カラー30の第4面33よりも後方に配されているから、ボルト4を締結する工程において、座面4Aが第2面22に直接接触しないようになっている。また、突出部25は貫通孔23の孔縁部に配され、座面4Aに接触する部分が小さくなっているから、座面4Aからの応力は突出部25に集中し、ほぼ突出部25のみを変形させる。すなわち、座面4Aからの応力が、突出部25を介して、フランジ部20やハウジング11の他の部分を損傷することが抑制されている。
[実施形態の作用効果]
実施形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態のコネクタ10は、ボルト4を締結することにより第1方向(前方)から相手側部材1に取り付けられ、相手側部材1との間にシールリング5が配されるコネクタ10であって、ハウジング11と、ボルト4が挿通される挿通孔31が形成された金属製のカラー30と、を備え、ハウジング11は、相手側部材1と第1方向に対向するフランジ部20を備え、フランジ部20には、カラー30が挿通される貫通孔23が形成され、フランジ部20は、相手側部材1に対向する第1面21と、第1面21と表裏関係にある第2面22と、貫通孔23の孔縁部に配され、第2面22から第1方向に突出する突出部25と、を備え、第1面21と第2面22との間の距離は、フランジ部20の第1厚さL1とされ、相手側部材1に取り付けられる前の状態における第1面21と突出部25の突出端との間の距離は、フランジ部20の第2厚さL2とされ、カラー30は、相手側部材1に接触する第3面32と、ボルト4の座面4Aに接触する第4面33と、を備え、第3面32と第4面33との間の距離は、カラー30の長さL3とされ、フランジ部20の第1厚さL1は、カラー30の長さL3よりも小さく、フランジ部20の第2厚さL2は、カラー30の長さL3よりも大きくなっている、コネクタ10である。
実施形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態のコネクタ10は、ボルト4を締結することにより第1方向(前方)から相手側部材1に取り付けられ、相手側部材1との間にシールリング5が配されるコネクタ10であって、ハウジング11と、ボルト4が挿通される挿通孔31が形成された金属製のカラー30と、を備え、ハウジング11は、相手側部材1と第1方向に対向するフランジ部20を備え、フランジ部20には、カラー30が挿通される貫通孔23が形成され、フランジ部20は、相手側部材1に対向する第1面21と、第1面21と表裏関係にある第2面22と、貫通孔23の孔縁部に配され、第2面22から第1方向に突出する突出部25と、を備え、第1面21と第2面22との間の距離は、フランジ部20の第1厚さL1とされ、相手側部材1に取り付けられる前の状態における第1面21と突出部25の突出端との間の距離は、フランジ部20の第2厚さL2とされ、カラー30は、相手側部材1に接触する第3面32と、ボルト4の座面4Aに接触する第4面33と、を備え、第3面32と第4面33との間の距離は、カラー30の長さL3とされ、フランジ部20の第1厚さL1は、カラー30の長さL3よりも小さく、フランジ部20の第2厚さL2は、カラー30の長さL3よりも大きくなっている、コネクタ10である。
このような構成によると、フランジ部20の第2厚さL2はカラー30の長さL3よりも大きいから、ボルト締結完了後、突出部25がボルト4の座面4Aに押圧され、接触した状態となる。これにより、ボルト4とハウジング11との間にクリアランスが生じないため、ハウジング11が第1方向に移動することが抑制される。よって、シールリング5による防水性が低下しにくくなっている。また、フランジ部20の第1厚さL1はカラー30の長さL3よりも小さいから、ボルト締結の際、ボルト4の座面4Aがフランジ部20の第2面22に当たらないようになっており、ハウジング11の損傷を抑制することができる。
実施形態のコネクタ10は、ボルト4を締結することにより第1方向から相手側部材1に取り付けられ、相手側部材1との間にシールリング5が配されるコネクタ10であって、ハウジング11と、ボルト4が挿通される挿通孔31が形成された金属製のカラー30と、を備え、ハウジング11は、相手側部材1と第1方向に対向するフランジ部20を備え、フランジ部20には、カラー30が挿通される貫通孔23が形成され、フランジ部20は、相手側部材1に対向する第1面21と、第1面21と表裏関係にある第2面22と、貫通孔23の孔縁部に配され、第2面22から第1方向に突出する突出部25と、を備え、カラー30は、相手側部材1に接触する第3面32と、ボルト4の座面4Aに接触する第4面33と、を備え、相手側部材1に取り付けられる際、突出部25は、ボルト4の座面4Aに接触し、第2面22は、ボルト4の座面4Aと接触しないようになっている、コネクタ10である。
このような構成によると、コネクタ10が相手側部材1に取り付けられる際、突出部25はボルト4の座面4Aに接触しているから、ボルト4とハウジング11との間にクリアランスが生じない。よって、ハウジング11が第1方向に移動することが抑制されるため、シールリング5による防水性が低下しにくくなっている。また、コネクタ10が相手側部材1に取り付けられる際、第2面22はボルト4の座面4Aに接触しないようになっているから、ハウジング11の損傷を抑制することができる。
実施形態では、突出部25は、各貫通孔23について複数のリブ26を備え、複数のリブ26は、各貫通孔23の孔縁部において互いに隙間27を空けて配されている。
このような構成によると、突出部25は複数のリブ26を備え、複数のリブ26は隙間27を空けて配されているから、ボルト4の座面4Aによって突出部25が押圧される際に、リブ26は隙間27へと進入することができる。よって、ボルト4とカラー30との間に突出部25が挟み込まれることが抑制される。
実施形態では、カラー30は、第4面33側の外周面34に傾斜部(第1傾斜部35)を備え、傾斜部は、第4面33に近づくほど挿通孔31の径方向の内側に傾斜している。
このような構成によると、ボルト4の座面4Aによって突出部25が押圧される際に、突出部25は傾斜部と貫通孔23の内周面との間の空間23Aへと進入することができる。よって、ボルト4とカラー30との間に突出部25が挟み込まれることが抑制される。
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、各貫通孔23について突出部25は4つのリブ26を備えていたが、これに限られることはなく、各貫通孔に設けられるリブの個数は適宜変更してもよい。
(2)上記実施形態では、リブ26は貫通孔23の孔縁部に沿って延びる形態であったが、リブの形状はこれに限られない。例えばリブは半球状であってもよい。
(1)上記実施形態では、各貫通孔23について突出部25は4つのリブ26を備えていたが、これに限られることはなく、各貫通孔に設けられるリブの個数は適宜変更してもよい。
(2)上記実施形態では、リブ26は貫通孔23の孔縁部に沿って延びる形態であったが、リブの形状はこれに限られない。例えばリブは半球状であってもよい。
(3)上記実施形態では、カラー30は貫通孔23に圧入される構成としたが、これに限られることはない。例えば、カラーはフランジ部にインサート成形されていてもよい。
(4)上記実施形態では、カラー30は第1傾斜部35と第2傾斜部36とを備えていたが、これに限られることはなく、第1傾斜部及び第2傾斜部の一方または双方を省略してもよい。
(5)上記実施形態では、相手側部材1はバッテリー筐体であったが、これに限られることはない。例えば、相手側部材は電気機器でもよい。
(4)上記実施形態では、カラー30は第1傾斜部35と第2傾斜部36とを備えていたが、これに限られることはなく、第1傾斜部及び第2傾斜部の一方または双方を省略してもよい。
(5)上記実施形態では、相手側部材1はバッテリー筐体であったが、これに限られることはない。例えば、相手側部材は電気機器でもよい。
1: 相手側部材
2: 取付孔
3: ボルト締結孔
4: ボルト
4A: 座面
5: シールリング
10: コネクタ
11: ハウジング
12: 本体部
13: フード部
14: 端子
14A: タブ部
14B: 接続部
20: フランジ部
21: 第1面
22: 第2面
23: 貫通孔
23A: 空間
24: 装着溝
25: 突出部
26: リブ
27: 隙間
30: カラー
31: 挿通孔
32: 第3面
33: 第4面
34: 外周面
35: 第1傾斜部
36: 第2傾斜部
L1: フランジ部の第1厚さ
L2: フランジ部の第2厚さ
L3: カラーの長さ
2: 取付孔
3: ボルト締結孔
4: ボルト
4A: 座面
5: シールリング
10: コネクタ
11: ハウジング
12: 本体部
13: フード部
14: 端子
14A: タブ部
14B: 接続部
20: フランジ部
21: 第1面
22: 第2面
23: 貫通孔
23A: 空間
24: 装着溝
25: 突出部
26: リブ
27: 隙間
30: カラー
31: 挿通孔
32: 第3面
33: 第4面
34: 外周面
35: 第1傾斜部
36: 第2傾斜部
L1: フランジ部の第1厚さ
L2: フランジ部の第2厚さ
L3: カラーの長さ
Claims (4)
- ボルトを締結することにより第1方向から相手側部材に取り付けられ、前記相手側部材との間にシールリングが配されるコネクタであって、
ハウジングと、
前記ボルトが挿通される挿通孔が形成された金属製のカラーと、を備え、
前記ハウジングは、前記相手側部材と前記第1方向に対向するフランジ部を備え、
前記フランジ部には、前記カラーが挿通される貫通孔が形成され、
前記フランジ部は、前記相手側部材に対向する第1面と、前記第1面と表裏関係にある第2面と、前記貫通孔の孔縁部に配され、前記第2面から前記第1方向に突出する突出部と、を備え、
前記第1面と前記第2面との間の距離は、前記フランジ部の第1厚さとされ、
前記相手側部材に取り付けられる前の状態における前記第1面と前記突出部の突出端との間の距離は、前記フランジ部の第2厚さとされ、
前記カラーは、前記相手側部材に接触する第3面と、前記ボルトの座面に接触する第4面と、を備え、
前記第3面と前記第4面との間の距離は、前記カラーの長さとされ、
前記フランジ部の第1厚さは、前記カラーの長さよりも小さく、
前記フランジ部の第2厚さは、前記カラーの長さよりも大きくなっている、コネクタ。 - ボルトを締結することにより第1方向から相手側部材に取り付けられ、前記相手側部材との間にシールリングが配されるコネクタであって、
ハウジングと、
前記ボルトが挿通される挿通孔が形成された金属製のカラーと、を備え、
前記ハウジングは、前記相手側部材と前記第1方向に対向するフランジ部を備え、
前記フランジ部には、前記カラーが挿通される貫通孔が形成され、
前記フランジ部は、前記相手側部材に対向する第1面と、前記第1面と表裏関係にある第2面と、前記貫通孔の孔縁部に配され、前記第2面から前記第1方向に突出する突出部と、を備え、
前記カラーは、前記相手側部材に接触する第3面と、前記ボルトの座面に接触する第4面と、を備え、
前記相手側部材に取り付けられる際、
前記突出部は、前記ボルトの座面に接触し、
前記第2面は、前記ボルトの座面と接触しないようになっている、コネクタ。 - 前記突出部は、各前記貫通孔について複数のリブを備え、
前記複数のリブは、各前記貫通孔の孔縁部において互いに隙間を空けて配されている、請求項1または請求項2に記載のコネクタ。 - 前記カラーは、前記第4面側の外周面に傾斜部を備え、
前記傾斜部は、前記第4面に近づくほど前記挿通孔の径方向の内側に傾斜している、請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022150415A JP2024044709A (ja) | 2022-09-21 | 2022-09-21 | コネクタ |
PCT/JP2023/032078 WO2024062906A1 (ja) | 2022-09-21 | 2023-09-01 | コネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022150415A JP2024044709A (ja) | 2022-09-21 | 2022-09-21 | コネクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2024044709A true JP2024044709A (ja) | 2024-04-02 |
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ID=90454182
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022150415A Pending JP2024044709A (ja) | 2022-09-21 | 2022-09-21 | コネクタ |
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JP (1) | JP2024044709A (ja) |
WO (1) | WO2024062906A1 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2806193B2 (ja) * | 1993-01-11 | 1998-09-30 | トヨタ自動車株式会社 | 樹脂カバーの締着構造 |
JP2007263300A (ja) * | 2006-03-29 | 2007-10-11 | Toyota Motor Corp | 樹脂部材の締結構造、ならびに樹脂部材の製造方法 |
JP2015125973A (ja) * | 2013-12-27 | 2015-07-06 | 住友電装株式会社 | コネクタ |
JP6766764B2 (ja) * | 2017-07-04 | 2020-10-14 | 住友電装株式会社 | 端子台 |
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2022
- 2022-09-21 JP JP2022150415A patent/JP2024044709A/ja active Pending
-
2023
- 2023-09-01 WO PCT/JP2023/032078 patent/WO2024062906A1/ja unknown
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Publication number | Publication date |
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