JP2024041773A - 画像処理装置、眼科装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、眼科装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2024041773A
JP2024041773A JP2023214958A JP2023214958A JP2024041773A JP 2024041773 A JP2024041773 A JP 2024041773A JP 2023214958 A JP2023214958 A JP 2023214958A JP 2023214958 A JP2023214958 A JP 2023214958A JP 2024041773 A JP2024041773 A JP 2024041773A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength
image
light
fundus
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023214958A
Other languages
English (en)
Inventor
俊輔 古谷
朋春 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2023214958A priority Critical patent/JP2024041773A/ja
Publication of JP2024041773A publication Critical patent/JP2024041773A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/12Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for looking at the eye fundus, e.g. ophthalmoscopes

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】脈絡膜の層内に存在する脈絡膜血管網の画像データを選択的に抽出する。【解決手段】画像処理装置は、第1波長の第1光で撮影された第1眼底画像と、前記第1波長が示す色相と近似した色相を示す所定の波長域に含まれ、前記第1波長と異なる第2波長の第2光で撮影された第2眼底画像と、を取得する取得部と、前記第1眼底画像と前記第2眼底画像とを画像処理することにより眼底構造物を強調した強調眼底画像を生成する画像処理部と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、画像処理装置、眼科装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムに関する。
米国特許第10136812号明細書には、脈絡膜の血管網を選択的に可視化する光干渉断層計装置及びその画像処理プログラムが開示されており、脈絡膜の層内に存在する脈絡膜血管網の画像データを選択的に抽出するために好適な画像処理方法が望まれている。
本開示の技術の第1の態様の画像処理装置は、眼底の膜構造である網膜および脈絡膜のうち、脈絡膜で反射する第1波長の第1光で撮影された第1眼底画像と、前記脈絡膜で反射する波長域に含まれ、前記第1波長と異なる第2波長の第2光で撮影された第2眼底画像と、を取得する取得部と、前記第1眼底画像の各々の画素の輝度値から前記第2眼底画像の前記第1眼底画像に対応する各々の画素の輝度値を減算することにより眼底構造を強調した強調眼底画像を生成する画像処理部と、を備え、前記取得部は、前記脈絡膜に存在する前記眼底構造に対して第1の反射率で反射する前記第1光で撮像された前記第1眼底画像と、前記脈絡膜に存在する前記眼底構造に対して前記第1の反射率と異なる第2の反射率で反射する前記第2光で撮像された前記第2眼底画像とを取得する。
本開示の技術の第2の態様の画像処理方法は、眼底の膜構造である網膜および脈絡膜のうち、脈絡膜で反射する第1波長の第1光で撮影された第1眼底画像と、前記脈絡膜で反射する波長域に含まれ、前記第1波長と異なる第2波長の第2光で撮影された第2眼底画像と、を取得することと、前記第1眼底画像の各々の画素の輝度値から前記第2眼底画像の前記第1眼底画像に対応する各々の画素の輝度値を減算することにより眼底構造を強調した強調眼底画像を生成することと、を含み、前記取得することは、前記脈絡膜に存在する前記眼底構造に対して第1の反射率で反射する前記第1光で撮像された前記第1眼底画像と、前記脈絡膜に存在する前記眼底構造に対して前記第1の反射率と異なる第2の反射率で反射する前記第2光で撮像された前記第2眼底画像とを取得すること、を含む。
本開示の技術の第3の態様の画像処理プログラムは、コンピュータを、眼底の膜構造である網膜および脈絡膜のうち、脈絡膜で反射する第1波長の第1光で撮影された第1眼底画像と、前記脈絡膜で反射する波長域に含まれ、前記第1波長と異なる第2波長の第2光で撮影された第2眼底画像と、を取得する取得部、及び前記第1眼底画像の各々の画素の輝度値から前記第2眼底画像の前記第1眼底画像に対応する各々の画素の輝度値を減算することにより眼底構造を強調した強調眼底画像を生成する画像処理部として機能させるプログラムであり、前記取得部は、前記脈絡膜に存在する前記眼底構造に対して第1の反射率で反射する前記第1光で撮像された前記第1眼底画像と、前記脈絡膜に存在する前記眼底構造に対して前記第1の反射率と異なる第2の反射率で反射する前記第2光で撮像された前記第2眼底画像とを取得する。
第1の実施の形態に係る眼科システム100のブロック図である。 第1の実施の形態に係る眼科装置110の全体構成を示す概略構成図である。 第1の実施の形態に係る眼科装置110のCPU22の機能のブロック図である。 眼底に対する光の波長毎の深達度を例示した説明図である。 各波長に対する血液(ヘモグロビン)及びメラニンの各々の相対反射特性率を例示した説明図である。 第1の実施の形態に係る眼科装置110における画像処理を例示したフローチャートである。 第1の実施の形態における第2波長画像を例示した概略図である。 第1の実施の形態における第1波長画像を例示した概略図である。 第1の実施の形態における第1波長画像と第2波長画像との差分画像の作成の概念を例示した説明図である。 第1の実施形態においてビューワ150の表示部に表示される表示画面500を例示した概略図である。 第2の実施の形態に係る眼科装置610を例示した概略図である。 各波長に対するクロロフィルa、クロロフィルb、βカロテン及びルテインの各々の吸収スペクトルを例示した説明図である。 第2の実施の形態に係る眼科装置610における画像処理を例示したフローチャートである。 第2の実施の形態における第1波長画像と第2波長画像との差分画像の作成の概念を例示した説明図である。 第2の実施の形態においてビューワ150の表示部に表示される表示画面600を例示した概略図である。 酸素化ヘモグロビン(HbO2)と脱酸素化ヘモグロビン(Hb)の各々の吸収スペクトルを例示した説明図である。 第3の実施の形態に係る眼科装置110における画像処理を例示したフローチャートである。 第3の実施の形態における第1波長画像と第2波長画像との除算画像の作成の概念を例示した説明図である。 第3の実施の形態においてビューワ150の表示部に表示される表示画面700を例示した概略図である。 眼科装置のSLOユニット40Cのブロック図である。
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。
図1を参照して、眼科システム100の構成を説明する。図1に示すように、眼科システム100は、眼科装置110と、サーバ装置(以下、「サーバ」という)140と、表示装置(以下、「ビューワ」という)150と、を備えている。眼科装置110は、眼底画像を取得する。サーバ140は、眼科装置110によって複数の患者の眼底が撮影されることにより得られた複数の眼底画像及び眼軸長を、患者のIDに対応して記憶する。ビューワ150は、サーバ140により取得した眼底画像や解析結果を表示する。
眼科装置110、サーバ140、ビューワ150は、ネットワーク130を介して、相互に接続されている。ビューワ150は、クライアントサーバシステムにおけるクライアントであり、ネットワークを介して複数台が接続される。また、サーバ140も、システムの冗長性を担保するために、ネットワークを介して複数台が接続されていてもよい。又は、眼科装置110が画像処理機能及びビューワ150の画像閲覧機能を備えるのであれば、眼科装置110がスタンドアロン状態で、眼底画像の取得、画像処理及び画像閲覧が可能となる。また、サーバ140がビューワ150の画像閲覧機能を備えるのであれば、眼科装置110とサーバ140との構成で、眼底画像の取得、画像処理及び画像閲覧が可能となる。
なお、他の眼科機器(視野測定、眼圧測定などの検査機器)やAI(Artificial Intelligence)を用いた画像解析を行う診断支援装置がネットワーク130を介して、眼科装置110、サーバ140、及びビューワ150に接続されていてもよい。
次に、図2を参照して、眼科装置110の構成を説明する。図2に示すように、眼科装置110は、制御ユニット20、表示/操作ユニット30、及びSLOユニット40Aを備え、被検眼12の後眼部(眼底)を撮影する。さらに、眼底のOCTデータを取得する図示せぬOCTユニットを備えていてもよい。ここで、「SLO」とは、走査型レーザ検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope)である。「OCT」とは、光干渉断層計(Optical Coherence Tomography)である。
制御ユニット20は、CPU22、メモリ24、及び通信インターフェース(I/F)26等を有するコンピュータを備えている。表示/操作ユニット30は、撮影されて得られた画像を表示したり、撮影の指示を含む各種指示を受け付けたりするグラフィックユーザインターフェースであり、ディスプレイ32及び入力/指示デバイス34を備えている。
CPU22が撮影処理プログラムを実行することで、図3に示すように、SLO制御機部180(SLO光源制御部1804、スキャナ制御部1806を含む)、画像処理部182、表示制御部184、及び出力部186として、CPU22が機能する。なお、画像処理は、サーバ140又はビューワ150で行ってもよい。サーバ140又はビューワ150のCPUは、図3に示したSLO制御部180を有せず、画像処理部182、表示制御部184、及び出力部186を備える。画像処理部182は、本開示の技術の「画像処理部」に相当する。
メモリ24には、後述する被検眼12の眼底の撮影処理の撮影処理プログラム及び画像処理プログラムが記憶されている。撮影処理プログラム及び画像処理プログラムは、本開示の技術の「画像処理プログラム」に相当する。
SLOユニット40Aは、G光(緑色光:波長532nm)の光源42、第1R光(赤色光:波長575nmから800nm)の光源44A、第1R光と波長が異なる第2R光(赤色光:波長575nmから800nm)の光源44B、IR光(赤外線(近赤外光):波長802nm以上)の光源46を備えている。光源42、44A、44B、46は、制御ユニット20により命令されて、各光を発する。なお、光源42、44A、44B、46としては、LED光源や、レーザ光源を用いることができる。なお、以下には、レーザ光源を用いた例を説明する。光源42、44A、44B、46のオンオフは、CPU22のSLO制御部180のSLO光源制御部1804によって制御される。
SLOユニット40Aは、光源42、44A、44B、46からの光を、反射又は透過して1つの光路に導く光学系50、52A、52B、54、56を備えている。光学系50、56は、ミラーである。光学系52A、52B、54は、ビームスプリッタであり、具体的には、光源の波長に合わせて反射率と透過率が調整されたダイクロイックミラー、ハーフミラー等である。
G光は、光学系50で反射された後、光学系52Aを透過し、さらに光学系54で反射し、第1R光は、光学系52Aで反射した後、光学系54で反射し、第2R光は、光学系52B、54を透過し、IR光は、光学系52B、56で反射して、それぞれ1つの光路に導かれる。
SLOユニット40Aは、光源42、44A、44B、46からの光を、被検眼12の後眼部(眼底)に渡って、2次元状に走査する広角光学系80を備えている。SLOユニット40Aは、被検眼12の後眼部(眼底)からの光の内、G光を反射し且つG光以外を透過するビームスプリッタ58を備えている。SLOユニット40Aは、ビームスプリッタ58を透過した光の内、第1R光を反射し且つ第1R光以外を透過するビームスプリッタ60Aを備えている。SLOユニット40Aは、ビームスプリッタ60Aを透過した光の内、第2R光を反射し且つ第2R光以外を透過するビームスプリッタ60Bを備えている。SLOユニット40Aは、ビームスプリッタ60Bを透過した光の内、IR光を反射するビームスプリッタ62を備えている。ビームスプリッタ58、60A、60B、62として、ダイクロイックミラー、ハーフミラー等を用いることができる。広角光学系80による2次元状の走査は、CPU22のSLO制御部180のスキャナ制御部1806によって制御される。
SLOユニット40Aは、ビームスプリッタ58により反射したG光を検出するG光検出素子72、ビームスプリッタ60Aにより反射した第1R光を検出するR1光検出素子74A、ビームスプリッタ60Bにより反射した第2R光を検出するR2光検出素子74B、及びビームスプリッタ62により反射したIR光を検出するIR光検出素子76を備えている。光検出素子72、74A、74B、76として、例えば、PD(photodiode)及びAPD(avalanche photodiode:アバランシェ・フォトダイオード)が挙げられる。光検出素子72、74A、74B、76は、本開示の技術の「取得部」に相当する。SLOユニット40Aでは、対象物である眼底で反射(散乱)して戻ってきた光は後述するX方向走査装置82及びY方向走査装置84を通って光検出素子に届くので、常に同じ位置、すなわち光検出素子72、74A、74B、76が存在する位置に戻ってくる。従って、光検出素子をエリアセンサのように平面状(2次元)に構成する必要はなく、PD又はAPD等のような点状(0次元)の検出器が本実施の形態では最適である。しかしながら、PD又はAPD等に限らず、ラインセンサ(1次元)又はエリアセンサ(2次元)を用いることも可能である。
広角光学系80は、光源42、44A、44B、46からの光を、X方向に走査するポリゴンミラーで構成されたX方向走査装置82、Y方向に走査するガルバノミラーで構成されたY方向走査装置84、走査された光を、超広角(UWF:Ultra WideField)で照射できる楕円鏡などの凹面鏡や複数のレンズからなるレンズ系で構成された光学系86を備えている。X方向走査装置82及びY方向走査装置84の各走査装置はMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラーを用いてもよい。また、X方向とY方向でそれぞれスキャナを設けることなく1つのMEMSミラーで2次元走査を行うようにしてもよい。なお、眼科装置110が水平面に設置された場合の水平方向を「X方向」、水平面に対する垂直方向を「Y方向」とし、被検眼12の前眼部の瞳孔の中心と眼球の中心とを結ぶ方向を「Z方向」とする。従って、X方向、Y方向、およびZ方向は互いに垂直である。
広角光学系80により、眼底の視野角(FOV:Field of View)を超広角な角度とし、眼球中心を起点として内部照射角200度の眼底の範囲を撮影することができる。つまり、被検眼12の眼底の後極部から赤道部を超える領域を撮影することができる。
図4は、眼底構造物に対する光の波長毎の深達度を例示した説明図である。波長488nmの青波長λ1Aは、網膜上部で散乱又は反射され、波長532nmの緑波長λ2Aは、網膜表面を起点として0.2mm以内の網膜下部で散乱又は反射され、波長633nmの赤一波長λ1B及び波長670nmの赤二波長λ2Bは、網膜表面を起点として0.2mmから0.8mmの範囲に存在する脈絡膜で散乱又は反射される。また、脈絡膜の血管は、血液に含まれるヘモグロビンにより、赤色光を顕著に散乱/反射する。従って、脈絡膜の血管を観察するには、赤色光が適している。
しかしながら、脈絡膜にはヘモグロビンと同様に赤色光の第1反射率が高いメラニンが存在する。メラニンは、血管を含む脈絡膜全域に含まれるので、赤色光で眼底を観察した際に、脈絡膜の血管部分と、血管以外の間質部分との識別が困難になるおそれがあった。
図5は、各波長に対する血液(ヘモグロビン)及びメラニンの各々の相対反射特性率を例示した説明図である。メラニンは、波長が長くなるほど相対反射特性率が単調増加するが、血液は、多少の増減を繰り返しながらも、全体の傾向として、波長が長くなるほど相対反射特性率が大きくなっている。
しかしながら、波長575nmから650nmの第1波長域Z1Aでは、血液の相対反射特性率が急激に増大するが、メラニンの相対反射特性率は血液の相対反射特性率ほどには増大しない。従って、第1波長域Z1Aに含まれる互いに異なる2つの波長の各々で眼底を撮影した画像を比較すると、血液由来の部分、すなわち血管に係る画素の輝度値が異なることが図5から判断できる。メラニン由来の部分、すなわち血管以外の脈絡膜の部分(間質)は、第1波長域Z1Aに含まれる互いに異なる2つの波長の各々で眼底を撮影した画像を比較すると、メラニン由来の部分を示す画素の輝度値が異なるが、血液の場合ほど顕著な変化は示さないことが図5から判断できる。
赤色の可視光の波長帯域で発光する市販のレーザ光源には、例えば、589nm、633nm、638nm、650nm、658nm、670nm、685nm、690nm、705nm、730nm、780nm、785nmなどの波長を出射する製品が存在するので、第1波長及び第2波長は、589nm、633nm、638nm、650nm、658nm、670nm、685nm、690nm、705nm、730nm、780nm、785nmのいずれかから選択することができる。また、上記の波長の製品だけでなく波長575nmから800nmの範囲の製品を光源として選択してもよい。さらに、680±10nmの波長のレーザを出射可能な広帯域波長光源も選択できる。
本実施の形態では、第1波長域Z1Aに含まれる第1波長の第1R光で撮影された第1波長画像と、同じく第1波長域Z1Aに含まれ、第1波長と異なる第2波長の第2R光で撮影された第2波長画像と、を各々取得する。そして、第1波長画像の各々の画素の輝度値から第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値を減算して脈絡膜の血管(以下、「脈絡膜血管」と略記)を強調した差分画像を得る。
第1波長及び第2波長は、波長650nmから800nmの第2波長域Z2Aから選択してもよい。第2波長域Z2Aでは、メラニンの相対反射特性率が単調増加するが、血液の相対反射特性率は略横ばいになっている。従って、第2波長域Z2Aに含まれる互いに異なる第1波長及び第2波長の各々で眼底を撮影した画像を比較すると、メラニン由来の部分、すなわち血管以外の脈絡膜の部分(間質)に係る画素の輝度値が異なることが図5から判断できる。血液由来の部分、すなわち脈絡膜血管の部分は、第2波長域Z2Aに含まれる第1波長及び第2波長の各々で眼底を撮影した画像を比較すると、脈絡膜血管を示す画素の輝度値にほとんど変化がないことが図5から判断できる。
図6は、本実施の形態に係る眼科装置110における画像処理を示したフローチャートである。図6に示した処理は、例えば、メモリ24に記憶された撮影処理プログラム及び画像処理プログラムに基づいて、眼科装置110の制御ユニットで行われる。
ステップ200では、SLO光源制御部1804及びスキャナ制御部1806の制御により、光源44Aから第1波長を示す第1R光を、光源44Bから第2波長を示す第2R光を、各々眼底に照射して第1波長画像と第2波長画像とを取得する。SLOユニット40Aが図2に示したような構成であれば、光源44Aから第1R光を、光源44Bから第2R光を、各々同時に出射して、R1光検出素子74Aで第1波長画像を、R2光検出素子74Bで第2波長画像を、各々取得することができる。
図7Aは、第2波長画像を示し、図7Bは、第1波長画像を示している。第1波長は第1波長域Z1Aの下限である略575nmであり、第2波長は第1波長域Z1Aの上限の略650nmである場合、脈絡膜血管である渦静脈12V1B、12V2B、12V3B、12V4B及び網膜血管の分岐点VBU2を示す画素は、図7Bに示したように第1波長画像では他の部分に比して暗くなる。しかしながら、渦静脈12V1A、12V2A、12V3A、12V4A及び網膜血管の分岐点VBU1を示す画素は、図7Aに示したように第2波長画像では、他の部分に比して明るくなる。図7A、図7Bの中心近くには、視神経乳頭ONHU1、ONHU2が高輝度で(図面では白く)撮影されているが、視神経乳頭ONHU1、ONHU2は、第1波長は第1波長域Z1Aでは、相対反射特性率が高いので、図7A、図7Bのいずれの場合も明るくなっている。
第1波長及び第2波長の各々が波長650nmから800nmの第2波長域Z2Aに含まれる場合、脈絡膜血管を示す画素は、図7A及び図7Bとは異なり、第1波長画像と第2波長画像とで輝度にほとんど変化がない。前述のように、第2波長域Z2Aでは、血液(ヘモグロビン)の相対反射特性率がほとんど変化しないからである。しかしながら、前述のように、第2波長域Z2Aでは、メラニンの相対反射特性率は、単調増加するので、第1波長が第2波長域Z2Aの下限である略650nmであり、第2波長が第2波長域Z2Aの上限の略800nmである場合、メラニンを多く含む脈絡膜血管以外の間質部分を示す画素は、第1波長画像では暗くなり、第2波長画像では明るくなる。
ステップ202では、画像処理部182が、第1波長画像と第2波長画像との位置合わせを行う。第1波長画像と第2波長画像とを同時に取得可能な本実施の形態では、ステップ202の手順は必ずしも必要ではないが、第1波長画像及び第2波長画像の各々を別個のタイミングで取得した場合は、位置合わせが必要になる。第1波長画像と第2波長画像との位置合わせは、図7A、図7Bの各々に示した脈絡膜血管や網膜血管の分岐点や特徴的な血管構造あるいは視神経乳頭等の眼底の構造物から複数の特徴的なパターンを特徴点として複数抽出し、抽出した各々の特徴点の画素が一致するように、第1波長画像と第2波長画像との位置合わせを行う。
ステップ204では、画像処理部182が、第1波長画像の各々の画素の輝度値から第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値を減算して差分画像を作成する。この差分画像は脈絡膜血管を強調した脈絡膜血管強調画像でもある。
図8は、第1波長画像と第2波長画像との差分画像の作成の概念を示した説明図である。図8に示したように、第1波長画像の各々の画素の輝度値から第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値を減算することにより、差分画像を生成する。第1波長画像の各々の画素の輝度値から第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値を減算した結果が、マイナスとなる場合も考えられるが、かかる場合には、当該結果の絶対値を差分画像の輝度値とする。
第1波長及び第2波長の各々が波長575nmから650nmの第1波長域Z1Aに含まれる場合、図7A、図7Bに示したように、第1波長画像と第2波長画像とでは、血液由来の部分、すなわち血管(渦静脈12V1A、12V1B、12V2A、12V2B、12V3A、12V3B、12V4A、12V4B及び網膜血管の分岐点VBU1、VBU2)に係る画素の輝度値が異なる。その結果、第1波長画像と第2波長画像とでの血管に係る画素の輝度差は大きくなり、差分画像において、渦静脈12V1C、12V2C、12V3C、12V4C及び網膜血管の分岐点VBU3係る画素は明るく(白っぽく)表現される。
なお、前述のように、第1波長及び第2波長の各々が波長575nmから650nmの第1波長域Z1Aに含まれる場合、視神経乳頭ONHU1、ONHU2は第1波長画像及び第2波長画像の各々で白く写り、第1波長画像及び第2波長画像の各々での視神経乳頭ONHU1、ONHU2に係る画素の輝度値は略同じなので、差分画像における視神経乳頭ONHU3に係る画素の輝度値は、略0となる。従って、差分画像において、視神経乳頭ONHU3に係る画素は、図8に示したように黒色となる。
第1波長及び第2波長の各々が波長575nmから650nmの第1波長域Z1Aに含まれる場合、図7A、図7Bに示したように、第1波長画像と第2波長画像とでは、メラニンを多く含む血管以外の脈絡膜の部分を示す画素の輝度値はさほど変化しない。その結果、第1波長画像と第2波長画像とでの血管以外の脈絡膜の部分(間質)に係る画素の輝度差は小さくなり、差分画像で血管以外の脈絡膜の部分に係る画素は暗く(黒っぽく)表現される。
また、第1波長及び第2波長の各々が波長650nmから800nmの第2波長域Z2Aに含まれる場合、第1波長画像と第2波長画像とでは、血液由来の部分、すなわち血管に係る画素の輝度値はさほど変化しない。その結果、第1波長画像と第2波長画像とでの血管に係る画素の輝度差は小さくなり、差分画像で血管に係る画素は暗く(黒っぽく)表現される。
第1波長及び第2波長の各々が波長650nmから800nmの第2波長域Z2Aに含まれる場合、第1波長画像と第2波長画像とでは、メラニンを多く含む血管以外の脈絡膜の部分(間質)を示す画素の輝度値が変化する。その結果、第1波長画像と第2波長画像とでの血管以外の脈絡膜の部分に係る画素の輝度差は大きくなり、差分画像で血管以外の脈絡膜の部分(間質)に係る画素は明るく(白っぽく)表現される。
図6のステップ206では、画像処理部182が、差分画像を二値化処理することにより脈絡膜血管画像を生成する。前述のように、差分画像において、脈絡膜血管を示す画素は、脈絡膜血管以外の部分(間質)を示す画素に対して輝度値が異なる。従って、差分画像を適切な閾値で二値化処理することにより、脈絡膜血管画像を生成できる。なお、本実施の形態では、ステップ204で作成した差分画像では、脈絡膜血管が他の部分と明瞭に区別できるので、差分画像を脈絡膜血管画像としてもよい。
ステップ208では、脈絡膜血管画像を出力して処理を終了する。ステップ208で、表示制御部184は、脈絡膜血管画像とともに、患者IDに対応した患者属性情報(患者名、年齢、各眼底画像が右眼か左眼からの情報、眼軸長、視力および撮影日時など)を反映させた、後述する表示画面500を生成する。そして、眼科装置110のディスプレイ32に表示画面500を表示する。
出力部186は、表示画面500を、サーバ140の記億装置に出力する。表示画面500は、サーバ140の記億装置に記憶される。サーバ140の記億装置に記憶された表示画面500は、ビューワ150からの操作に応じてビューワ150に送信され、ビューワ150の表示部に閲覧可能な状態で出力される。
図6に示した処理は、サーバ140が備えるCPUで実行してもよい。サーバ140のCPUで当該処理を実行した場合は、サーバ140のディスプレイに表示画像500を表示すると共に、表示画像500をサーバ140の記憶装置に記憶する。
また、図6に示した処理は、ビューワ150が備えるCPUで実行してもよい。ビューワ150のCPUで当該処理を実行した場合は、ビューワ150のディスプレイに表示画像500を表示すると共に、表示画像500をビューワ150の記憶装置とサーバ140の記憶装置とに各々記憶する。
図9は、眼科機器110のディスプレイ32に表示される表示画面500を示した概略図である。
表示画面500は、図9に示すように、情報表示領域502と、画像表示領域504とを有する。情報表示領域502には、患者ID表示領域512、患者名表示領域514、年齢表示領域516、右眼/左眼表示領域518、眼軸長表示領域520、視力表示領域522、及び撮影日時表示領域524を有する。ビューワ150は、受信した情報に基づいて、患者ID表示領域512から撮影日時表示領域524の各表示領域に各々の情報を表示する。
情報表示領域502には、画像選択アイコン530と表示切替アイコン540とが設けられている。
画像表示領域504は、脈絡膜血管画像表示領域550と、関連画像表示領域560とを有する。脈絡膜血管画像表示領域550には脈絡膜血管画像が表示される。脈絡膜血管画像表示領域550は、表示される脈絡膜血管画像の下方に画像のコントラストを変化させるスライドバー580が設けられている。スライドバー580を左右に操作することにより、脈絡膜血管の画素の明瞭度を任意に調整できる。
画像選択アイコン530がオンされると、プルダウンメニュー570が表示される。画像選択アイコン530がオンされて表示されるプルダウンメニュー570は、関連画像表示領域560に表示する関連画像を選択するためのメニューを有する。例えば、プルダウンメニュー570には、既に取得されている被検眼12の眼底の疑似カラー(RGB3色)画像、RGカラー画像、青単色画像、緑単色画像、赤(第1R光)単色画像、赤(第2R光)単色画像、及び脈絡膜血管画像である差分画像等が表示される。図9は、関連画像表示領域560に、疑似カラー画像が表示されている様子が示されている。なお、プルダウンメニュー570で脈絡膜血管画像である差分画像を選択した場合は、脈絡膜血管画像表示領域550と、関連画像表示領域560とに、脈絡膜血管画像が各々表示される。
表示切替アイコン540がオンされると、例えば、脈絡膜血管画像表示領域550と、関連画像表示領域560との左右の位置関係が反転する。デフォルト表示では、画像表示領域504の左側に脈絡膜血管画像表示領域550が、画像表示領域504の右側に関連画像表示領域560が各々表示されるが、表示切替アイコン540がオンされると、画像表示領域504の右側に脈絡膜血管画像表示領域550が、画像表示領域504の左側に関連画像表示領域560が各々表示される
以上説明したように、本実施の形態では、第1波長の第1R光で撮影された第1波長画像の各々の画素の輝度値から、第1波長と異なる第2波長の第2R光で撮影された第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値を減算して脈絡膜血管を強調した差分画像を得ることができる。この差分画像をさらに二値化処理をすることにより脈絡膜の層内に存在する脈絡膜血管画像を生成できる。脈絡膜血管画像を処理することにより、脈絡膜血管の太さや長さからなる脈絡膜血管網のデータを得ることができたり、脈絡膜に存在する渦静脈の位置を特定したりする画像処理を行うことが可能になる。
脈絡膜には、血液由来のヘモグロビンと相対反射特性率が類似したメラニンが存在するので、単一の波長の光で撮影した画像ではメラニンによるノイズが含まれる。しかしながら、本実施の形態では、赤色を示す波長域の互いに波長が異なる2つの光に対する血液(ヘモグロビン)とメラニンとの相対反射特性率の差異に着目し、かかる2つの光で撮影した眼底画像の各々の画素の輝度値の差分を各々の画素の輝度値とする差分画像を生成することにより、メラニンによるノイズの影響を除去することができる。そして、脈絡膜の層内に存在する脈絡膜血管を可視化できる。
本実施の形態によるメラニンの影響を除去した脈絡膜血管画像を生成することにより、眼底疾患の予兆と考えられる脈絡膜血管のうっ血(うっ血すると脈絡膜血管が太くなる)や渦静脈位置の非対称性等を画像解析により可視化できる。これにより、眼科医は、眼底部の病変の予兆を脈絡膜血管の太さや渦静脈の位置から容易に推定することができる。
[第2の実施の形態]
続いて第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では、眼底構造物のうち、黄斑の画像データを選択的に抽出する。
図10は、本実施の形態に係る眼科装置610を示した概略図である。本実施の形態に係る眼科装置610は、上述の構成以外は第1の実施の形態に係る眼科装置110と同一なので、第1の実施の形態に係る眼科装置110と同一の構成には眼科装置110と同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係る眼科装置610のSLOユニット40Bは、第1G光(緑色光:波長 440nmから560nm)の光源42A、第1G光と波長が異なる第2G光(緑色光:波長440nmから560nm)の光源42B、R光(赤色光:波長650nm)の光源44、IR光(赤外線(近赤外光):波長800nm)の光源46を備えている。光源42A、42B、44、46のオンオフは、CPU22のSLO制御部180のSLO光源制御部1804によって制御される。
また、本実施の形態に係る眼科装置610のSLOユニット40Bは、光源42A、42B、44、46からの光を、反射又は透過して1つの光路に導く光学系50A、50B、52、54、56を備えている。光学系50A、56は、ミラーである。光学系50B、52、54は、ビームスプリッタであり、具体的には、光源の波長に合わせて反射率と透過率が調整されたダイクロイックミラー、ハーフミラー等である。
第1G光は、光学系50Aで反射された後、光学系50Bを透過し、さらに光学系54で反射し、第2G光は、光学系50Bで反射した後、光学系54で反射し、R光は、光学系52、54を透過し、IR光は、光学系52、56で反射して、それぞれ1つの光路に導かれる。
SLOユニット40Bは、被検眼12の後眼部(眼底)からの光の内、第1G光を反射し且つ第1G光以外を透過するビームスプリッタ58Aを備えている。SLOユニット40Bは、ビームスプリッタ58Aを透過した光の内、第2G光を反射し且つ第2G光以外を透過するビームスプリッタ58Bを備えている。SLOユニット40Bは、ビームスプリッタ58Bを透過した光の内、R光を反射し且つR光以外を透過するビームスプリッタ60を備えている。SLOユニット40Bは、ビームスプリッタ60を透過した光の内、IR光を反射するビームスプリッタ62を備えている。ビームスプリッタ58A、58B、60、62として、ダイクロイックミラー、ハーフミラー等を用いることができる。
SLOユニット40Bは、ビームスプリッタ58Aにより反射した第1G光を検出するG1光検出素子72A、ビームスプリッタ58Bにより反射した第2G光を検出するG2光検出素子72B、ビームスプリッタ60により反射したR光を検出するR光検出素子74、及びビームスプリッタ62により反射したIR光を検出するIR光検出素子76を備えている。光検出素子72A、72B、74、76として、例えば、APDが挙げられる。光検出素子72A、72B、74、76は、本開示の技術の「取得部」に相当する。
図11は、各波長に対するクロロフィルa、クロロフィルb、βカロテン及びルテインの各々の吸収スペクトルを例示した説明図である。眼底構造物である黄斑は、主にルテインを含むので、本実施の形態では、ルテインの吸収スペクトルに差異が生じる2波長を選択する。図11に示したように、ルテインは、波長440nmから520nmの第1波長域Z1Bで顕著な吸収スペクトルを示し、特に波長450nmから488nmで吸収スペクトルの変化が顕著である。そして、波長520nmから560nmの第2波長域Z2Bではルテインの吸収スペクトルが略0を示す。
従って、第1波長を波長440nmから520nmの緑色の可視光に相当する第1波長域Z1Bから、同じく緑色の可視光に相当する第2波長を波長520nmから560nmの第2波長域Z2Bから各々選択することが考えられるが、眼底構造物には、血液由来のヘモグロビンの色素が含まれるので、これらの色素によって、ルテインの検出が妨害されない波長を選択する必要がある。
本実施の形態も、第1の実施の形態と同様に、第1波長の第1G光で撮影された第1波長画像の各々の画素の輝度値から、第1波長と異なる第2波長の第2G光で撮影された第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値を減算して差分画像を得ることにより、網膜に存在する黄斑の画像データを選択的に精度よく抽出することができる。
黄斑が存在する画像データを眼底画像から抽出する際に、ヘモグロビンは阻害要因となるので、第1波長画像と第2波長画像との差分を生成した際にキャンセルし得ることを要する。例えば、第1波長画像と第2波長画像とにおいて、ヘモグロビンに係る画素の輝度値が各々同じであれば、第1波長画像と第2波長画像とから生成される差分画像でヘモグロビンに係る画素の輝度値は0となる。
緑色の可視光の波長帯域で発光する市販のレーザ光源には、例えば、505nm、514nm、520nm、532nm、552nm、561nmの波長を出射する製品が存在するので、第1波長及び第2波長は、505nm、514nm、520nm、532nm、552nm、561nmのいずれかから選択することができる。または、第1波長及び第2波長は、波長に対するルテインの吸収スペクトルの変化が顕著な波長450nmから488nmの範囲から選択してもよい。
図12は、本実施の形態に係る眼科装置610における画像処理を示したフローチャートである。図12に示した処理は、メモリ24に記憶された撮影処理プログラム及び画像処理プログラムに基づいて、眼科装置110の制御ユニットで行われる。
ステップ300では、SLO光源制御部1804及びスキャナ制御部1806の制御により、光源42Aから第1波長を示す第1G光を、光源42Bから第2波長を示す第2G光を、各々眼底に照射して第1波長画像と第2波長画像とを取得する。SLOユニット40Bが図10に示したような構成であれば、光源42Aから第1G光を、光源42Bから第2G光を、各々同時に出射して、G1光検出素子72Aで第1波長画像を、G2光検出素子72Bで第2波長画像を、各々取得することができる。
ステップ302では、画像処理部182が、第1波長画像と第2波長画像との位置合わせを行う。第1波長画像と第2波長画像とを同時に取得可能な本実施の形態では、ステップ302の手順は必ずしも必要ではないが、第1波長画像及び第2波長画像の各々を別個のタイミングで取得した場合は、位置合わせが必要になる場合がある。第1波長画像と第2波長画像との位置合わせは、図13の各々に示した網膜血管の分岐点VBUや視神経乳頭などの特徴点として複数抽出し、抽出した各々の特徴点が一致するように、第1波長画像と第2波長画像との位置合わせを行う。
ステップ304では、画像処理部182が、第1波長画像の各々の画素の輝度値から第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値を減算して差分画像を作成する。図13は、第1波長画像と第2波長画像との差分画像の作成の概念を示した説明図である。図13に示したように、第1波長画像の各々の画素の輝度値から第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値を減算することにより、差分画像を生成する。第1波長画像の各々の画素の輝度値から第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値を減算した結果が、マイナスとなる場合も考えられるが、かかる場合には、当該結果の絶対値を差分画像の輝度値とする。
第1波長及び第2波長の各々が波長440nmから560nmの範囲に含まれる場合、ヘモグロビンの相対反射特性率は波長に対してさほど変化しないので、ヘモグロビンを含む網膜血管の分岐点VBU4、VBU5は、第1波長画像と第2波長画像とで、いずれも大差ない明るさで写る。視神経乳頭ONHU4、ONHU5は、青色光及び緑色光をよく反射するので、第1波長画像及び第2波長画像のいずれにおいても明るく高輝度で撮影される。
しかしながら、黄斑MAC1は、前述のように、波長440nmから560nmの範囲で、吸収スペクトルが変化するので、第1波長画像と第2波長画像とを比較すると、黄斑MAC1を示す画素の輝度値が異なる。従って、第1波長画像と第2波長画像との差分画像では、網膜血管の分岐点VBU4、VBU5及び視神経乳頭ONHU4、ONHU5等に係る画素の輝度値が小さくなるが、黄斑MAC1に係る画素の輝度値は大きくなり、差分画像では黄斑MAC2が際立って明るく描写される。
図12のステップ306では、画像処理部182が、差分画像を二値化処理することにより黄斑を強調した黄斑画像を生成する。また、差分画像において、黄斑MAC2を示す画素は、黄斑MAC2以外の部分を示す画素に対して輝度値が異なる。従って、輝度差に基づいて黄斑MAC2の輪郭を抽出する等の処理より、黄斑MAC2の画像データ(黄斑MAC2を含む所定領域の画像データ)を抽出できる。かかる抽出を行わなくても、本実施の形態では、ステップ304で作成した差分画像では、黄斑MAC2が他の部分と明瞭に区別できるので、差分画像を黄斑画像強調画像として抽出してもよい。 また、差分画像あるいは黄斑強調画像から、黄斑の位置データ(画像上の座標など)を検出するようにしてもよい。
さらに、後述するように、差分画像から黄斑部分を抜き出して、第1波長画像又は第2波長画像の黄斑位置に重畳した画像を黄斑画像として生成してもよい。
ステップ308では、黄斑強調画像(あるいは黄斑領域の部分画像や黄斑の位置データを含む)を出力して処理を終了する。ステップ308で、表示制御部184は、黄斑強調画像とともに、患者IDに対応した患者属性情報を反映させた、後述する表示画面600を生成する。そして、眼科装置610のディスプレイ32に表示画面600を表示する。
出力部186は、表示画面600を、サーバ140の記億装置に出力する。表示画像600は、サーバの記憶装置に記憶される。サーバ140の記億装置に記憶された表示画面600は、ビューワ150からの操作に応じてビューワ150に送信され、ビューワ150の表示部に閲覧可能な状態で出力される。
図12に示した処理は、サーバ140が備えるCPUで実行してもよい。サーバ140のCPUで当該処理を実行した場合は、サーバ140のディスプレイに表示画像600を表示すると共に、表示画像600をサーバ140の記憶装置に記憶する。
また、図12に示した処理は、ビューワ150が備えるCPUで実行してもよい。ビューワ150のCPUで当該処理を実行した場合は、ビューワ150のディスプレイに表示画像600を表示すると共に、表示画像600をビューワ150の記憶装置とサーバ140の記憶装置とに各々記憶する。
図14は、ビューワ150の表示部に表示される表示画面600を例示した概略図である。
表示画面600は、図14に示すように、情報表示領域602と、画像表示領域604とを有する。情報表示領域602には、患者ID表示領域612、患者名表示領域614、年齢表示領域616、右眼/左眼表示領域618、眼軸長表示領域620、視力表示領域622、及び撮影日時表示領域624を有する。ビューワ150は、受信した情報に基づいて、患者ID表示領域612から撮影日時表示領域624の各表示領域に各々の情報を表示する。
情報表示領域602には、画像選択アイコン630と表示切替アイコン640とが設けられている。
画像表示領域604は、黄斑画像表示領域650と、関連画像表示領域660とを有する。黄斑画像表示領域650には黄斑強調画像が表示される。黄斑強調画像は、前述の差分画像でもよいが、差分画像は、黄斑以外の眼底構造物が黒っぽく描写され、各々の判別が困難なので、差分画像から黄斑部分を抜き出して、第1波長画像又は第2波長画像の黄斑位置に重畳した画像を表示してもよい。
画像選択アイコン630がオンされると、関連画像表示領域660に表示する関連画像を選択するためのプルダウンメニュー等が表示される。表示されるプルダウンメニュー等には、既に取得されている被検眼12の眼底の疑似カラー(RGB3色)画像、RGカラー画像、青単色画像、緑(第1G光)単色画像、緑(第2G光)単色画像、赤単色画像、光干渉断層血管撮影(OCTA)による画像及び黄斑強調画像(または差分画像、差分画像から黄斑部分を抜き出して第1波長画像又は第2波長画像の黄斑位置に重畳した画像)等が表示される。図14は、関連画像表示領域660に、OCTAによる中心窩無血管野(FAZ)が表示されている様子が示されている。なお、プルダウンメニュー等で黄斑画像である差分画像を選択した場合は、黄斑画像表示領域650と、関連画像表示領域660とに、黄斑強調画像が各々表示される。
表示切替アイコン640がオンされると、例えば、黄斑画像表示領域650と、関連画像表示領域660との左右の位置関係が反転する。デフォルト表示では、画像表示領域604の左側に黄斑画像表示領域650が、画像表示領域604の右側に関連画像表示領域660が各々表示されるが、表示切替アイコン640がオンされると、画像表示領域604の右側に黄斑画像表示領域650が、画像表示領域604の左側に関連画像表示領域660が各々表示される。
以上説明したように、本実施の形態では、第1波長の第1G光で撮影された第1波長画像の各々の画素の輝度値から、第1波長と異なる第2波長の第2G光で撮影された第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値を減算して黄斑MAC2を強調した差分画像を得ることにより、眼底に存在する黄斑MAC2の画像データを選択的に抽出することができる。黄斑強調画像から黄斑の位置データを正確に検出することができる。
眼底の網膜には、黄斑MAC2を検出する際の阻害要因となるヘモグロビンが存在するので、単一の波長の光で撮影した画像から黄斑MAC2の画像データを抽出するのは困難である。しかしながら、本実施の形態では、緑色を示す波長域の互いに波長が異なる2つの光で黄斑MACの吸収スペクトルに著しい変化があることと、同波長域において血液(ヘモグロビン)の相対反射特性率がさほど変化を示さないことに着目し、かかる2つの光で撮影した眼底画像の各々の画素の輝度値の差分を、各々の画素の輝度値とする差分画像を生成することにより、黄斑MAC2の画像データを選択的に抽出する。
本実施の形態による網膜の黄斑画像あるいは黄斑位置データの抽出により、視認ではと正確な位置を特定し難い黄斑MAC2を黄斑強調画像を用いて正確に特定し、明瞭に観察することが容易となる。よって眼科医は、眼底疾患を黄斑MAC2の状態から推定することができる。
[第3の実施の形態]
続いて第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、脈絡膜血管うち、静脈血管を画像処理で検出する。
本実施の形態に係る眼科装置は、第1の実施の形態に係る眼科装置110と同様に、第1波長の第1R光で撮影された第1波長画像と、第1波長と異なる第2波長の第2R光で撮影された第2波長画像と、を取得する。従って、本実施の形態に係る眼科装置は、第1の実施の形態に係る眼科装置と同様の構成なので、各構成には第1の実施の形態と同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図15は、各波長に対する酸素化ヘモグロビン(HbO2)と脱酸素化ヘモグロビン(Hb)との各々の吸収スペクトルの常用対数値を示した説明図である。図15では、波長635nmから802nmの範囲で、酸素化ヘモグロビンの吸収スペクトルが顕著に変化(グラフの左の対数の縦軸の目盛りで約2.5から極小値である約2.0となり、その後は約2.5へ変化)しているが、脱酸素化ヘモグロビンの吸収スペクトルは緩やかに減少(グラフの右の縦軸の目盛りで約3.3から約2.5へ変化)している。従って、本実施の形態では、波長635nmから802nmの範囲に含まれる第1波長の第1R光で撮影された第1波長画像と、波長635nmから802nmの範囲に含まれ、第1波長と異なる第2波長の第2R光で撮影された第2波長画像と、を各々取得する。
酸素化ヘモグロビンの吸収スペクトルと脱酸素化ヘモグロビンの吸収スペクトルとは常用対数値で異なるレベルなので、第1の実施の形態及び第2の実施の形態のように、第1波長画像と第2波長画像との差分画像を生成したのでは、酸素化ヘモグロビンの吸収スペクトルとの差に起因する第1波長画像と第2波長画像との差分を可視化できない。本実施の形態では、後述するように、第1波長画像の各々の画素の輝度値を第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値で除算して得た商の常用対数値を各々の画素の輝度値とする除算画像を作成する。
図16は、本実施の形態に係る眼科装置110における画像処理を例示したフローチャートである。図16に示した処理は、例えば、メモリ24に記憶された撮影処理プログラム及び画像処理プログラムに基づいて、眼科装置110の制御ユニットで行われる。ステップ400では、SLO光源制御部1804及びスキャナ制御部1806の制御により、光源44Aから第1波長を示す第1R光を、光源44Bから第2波長を示す第2R光を、各々眼底に照射して第1波長画像と第2波長画像とを取得する。第1波長と第2波長は、互いに異なるとともに、波長635nmから802nmの範囲から選択される。SLOユニット40Aが図2に示したような構成であれば、光源44Aから第1R光を、光源44Bから第2R光を、各々同時に出射して、R1光検出素子74Aで第1波長画像を、R2光検出素子74Bで第2波長画像を、各々取得することができる。脈絡膜の深さに到達する赤色の可視光の波長帯域で発光する市販のレーザ光源には、例えば、589nm、633nm、638nm、650nm、658nm、670nm、685nm、690nm、705nm、730nm、780nm、785nmなどがある。この中から第1波長と第2波長のレーザ光源が選択される。
ステップ402では、画像処理部182が、第1波長画像と第2波長画像との位置合わせを行う。第1波長画像と第2波長画像とを同時に取得可能な本実施の形態では、ステップ402の手順は必ずしも必要ではないが、第1波長画像及び第2波長画像の各々を別個のタイミングで取得した場合は、位置合わせが必要になる場合がある。第1波長画像と第2波長画像との位置合わせは、図17の各々に示した脈絡膜血管の分岐等を特徴点として複数抽出し、抽出した各々の特徴点が一致するように、第1波長画像と第2波長画像との位置合わせを行う。
ステップ404では、画像処理部182が、第1波長画像の各々の画素の輝度値を第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値で除算して得た商の常用対数値を各々の画素の輝度値とする除算画像を作成する。図17は、第1波長画像と第2波長画像との除算画像の作成の概念を示した説明図である。図17に示したように、第1波長画像の各々の画素の輝度値を第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値で除算して得た商の常用対数を算出することにより、除算画像を生成する。ステップ404では、算出した常用対数値がマイナスとなる場合も考えられるが、かかる場合には、当該結果の絶対値を除算画像の輝度値とする。
前述のように、第1波長及び第2波長の各々が波長635nmから802nmの範囲に含まれる場合、脱酸素化ヘモグロビンの吸収スペクトルは、酸素化ヘモグロビンの吸収スペクトルに比して、波長に対してさほど変化しない。従って、脱酸素化ヘモグロビンの濃度が高い脈絡膜血管の静脈、脈絡膜血管の静脈が複数合流する場所に位置する渦静脈12V1D、12V1E、12V2D、12V2E、12V3D、12V3E、12V4D、12V4E、及び網膜血管の分岐点VBU7、VBU8の静脈に係る第1波長画像の画素と、第1波長画像に対応する第2波長画像の画素との商は、1に近い値となる。1に近い値の常用対数値は0に近いので、除算画像において、脱酸素化ヘモグロビンの濃度が高い脈絡膜血管の静脈、渦静脈12V1F、12V2F、12V3F、12V4F、及び網膜血管の静脈の眼底構造物である分岐点VBU9は背景より輝度値が低く(黒っぽく)描写される。
しかしながら、前述のように、波長635nmから802nmの範囲で、酸素化ヘモグロビンの吸収スペクトルが顕著に変化する。従って、酸素化ヘモグロビンの濃度が高い動脈12A1D、12A2D及び網膜血管の分岐点VBU7の動脈部分等に係る第1波長画像の画素と、第1波長画像に対応する動脈12A1E、12A2E及び網膜血管の分岐点VBU8の動脈部分等に係る第2波長画像の画素との商は、1に近い値にならない。従って、酸素化ヘモグロビンの濃度が高い動脈12A1F、12A2F及び網膜血管の分岐点VBU9の動脈部分等の眼底構造物は輝度値が高く(白っぽく)描写される。
つまり、除算画像では、第1画像と第2画像にくらべて、背景エリアは変化なし(ヘモグロビンが無いので)、動脈は輝度値が高くなるプラス方向に変化し、静脈は輝度値が低くなるマイナス方向に変化する。その結果、動脈と静脈が異なる輝度(画素値)に強調された血管画像を得ることができる。当該血管画像は、背景の画素値をニュートラルとして、明るさの相対値を0とした場合、動脈部分の明るさの相対値は正となり、静脈部分の明るさの相対値は負となる。
図16のステップ406では、画像処理部182が、動脈/静脈データとして動脈血管画像や静脈血管画像を生成する。前述のように、除算画像において、脈絡膜血管の動脈12A1F、12A2Fや網膜血管の動脈等に係る画素と、脈絡膜血管の静脈、渦静脈12V1F、12V2F、12V3F、12V4F等に係る画素は、輝度値が異なる。従って、除算画像の輝度値に第1閾値(背景の画素値より大きい画素値を第1閾値とする)を適用することにより、除算画像から動脈12A1F、12A2F等からなる動脈血管画像を生成することができる。同様に、除算画像の輝度値に第2閾値(背景の画素値より小さい画素値を第2閾値とする)を適用することにより、脈絡膜血管の静脈、渦静脈12V1F、12V2F、12V3F、12V4F、網膜血管の静脈等からなる静脈血管画像を生成することができる。つまり、眼底画像から静脈と動脈を分離することができる。
本実施の形態では、動脈12A1F、12A2F等に係る画素は、静脈や渦静脈12V1F、12V2F、12V3F、12V4F等に係る画素に比して輝度値が高いので、輝度値が第1閾値以上の画素を抽出し、抽出した画素以外の画像領域を抽出した画素よりも輝度値が低い画素で埋めることによって動脈画像を作成する。
また、本実施の形態では、静脈、渦静脈12V1F、12V2F、12V3F、12V4F等に係る画素は、動脈12A1F、12A2F等に係る画素に比して輝度値が低いので、輝度値が第2閾値未満の画素を抽出し、抽出した画素以外の画像領域を抽出した画素よりも輝度値が高い画素で埋めることによって静脈画像を作成する。第1閾値及び第2閾値は、各々が同じ値でもよいし、互いに異なる値でもよい。
動脈/静脈データを抽出するための閾値は、除算画像における動脈12A1F、12A2F等に係る画素の輝度値と、渦静脈12V1F、12V2F、12V3F、12V4F等に係る画素の輝度値とに基づいて決定してもよい。例えば、動脈12A1F、12A2F等に係る画素の輝度値と、渦静脈12V1F、12V2F、12V3F、12V4F等に係る画素の輝度値との中間値を閾値とするようにしてもよい。
ステップ408では、画像処理部182が、静脈血管画像を画像処理することにより、渦静脈12V1H、12V2H、12V3H、12V4Hの位置を検出する。静脈血管画像では脈絡膜血管の静脈血管が可視化されている。脈絡膜の静脈血管が複数合流している個所が渦静脈である。渦静脈は脈絡膜を潅流した血液が眼球の外へ流れる出口に相当する血管であるため、もっとも酸素が消費された血液が集中する部分でもある。よって、脱酸素化ヘモグロビン(Hb)の濃度が他の静脈血管と比較して高くなっており、静脈血管画像において渦静脈位置の画素値は他の静脈血管の画素値より暗い。よって、もっとも暗い画素値の箇所あるいは静脈血管の画素値の平均値より暗い画素値の箇所を渦静脈位置と推定することができる。このとき、脈絡膜の静脈血管が複数合流していることを加味して渦静脈位置を検出するようにしてもよい。
このようにして、渦静脈12V1H、12V2H、12V3H、12V4Hの位置を検出できる。
ステップ410では、除算画像、動脈血管画像及び静脈血管画像を含む脈絡膜血管画像と、渦静脈位置データとを出力して処理を終了する。ステップ410で、表示制御部184は、脈絡膜血管画像等とともに、患者IDに対応した患者属性情報を反映させた、後述する表示画面700を生成する。そして、眼科装置110のディスプレイ32に表示画面700を表示する。
出力部186は、表示画面700を、サーバ140の記億装置に出力する。表示画面700は、サーバ140の記億装置に記憶される。サーバ140の記億装置に記憶された表示画面700は、ビューワ150からの操作に応じてビューワ150に送信され、ビューワ150の表示部に閲覧可能な状態で出力される。
図16に示した処理は、サーバ140が備えるCPUで実行してもよい。サーバ140のCPUで当該処理を実行した場合は、サーバ140のディスプレイに表示画像700を表示すると共に、表示画像700をサーバ140の記憶装置に記憶する。
また、図16に示した処理は、ビューワ150が備えるCPUで実行してもよい。ビューワ150のCPUで当該処理を実行した場合は、ビューワ150のディスプレイに表示画像700を表示すると共に、表示画像700をビューワ150の記憶装置とサーバ140の記憶装置とに各々記憶する。
図18は、ビューワ150の表示部に表示される表示画面700を例示した概略図である。
表示画面700は、図18に示すように、情報表示領域702と、画像表示領域704とを有する。情報表示領域702には、患者ID表示領域712、患者名表示領域714、年齢表示領域716、右眼/左眼表示領域718、眼軸長表示領域720、視力表示領域722、及び撮影日時表示領域724を有する。ビューワ150は、受信した情報に基づいて、患者ID表示領域712から撮影日時表示領域724の各表示領域に各々の情報を表示する。
情報表示領域702には、画像選択アイコン730と表示切替アイコン740とが設けられている。
画像表示領域704は、関連画像表示領域750と、動脈画像表示領域760と、静脈画像表示領域770とを有する。動脈画像表示領域760には動脈画像が表示される。静脈画像表示領域770には、静脈画像が表示される。図18に示したように、動脈画像には動脈12A1G、12A2G及び網膜血管の分岐点VBU10の動脈部分等が、静脈画像には渦静脈12V1H、12V2H、12V3H、12V4H、及び網膜血管の分岐点VBU11の静脈部分等が、各々表示されている。また、動脈画像には視神経乳頭ONHU10が、静脈画像には視神経乳頭ONHU11が、各々表示されている。
画像選択アイコン730がオンされると、関連画像表示領域750に表示する関連画像を選択するためのプルダウンメニュー等が表示される。表示されるプルダウンメニュー等には、既に取得されている被検眼12の眼底の疑似カラー(RGB3色)画像、RGカラー画像、青単色画像、緑単色画像、赤(第1R光)単色画像、赤(第2R光)単色画像、及び除算画像等が表示される。赤(第1R光)単色画像及び赤(第2R光)単色画像は、除算画像を生成する際に使用した元画像である。図18は、関連画像表示領域750に、元画像である赤(第1R光)単色画像が表示されている様子が示されている。
表示切替アイコン740がオンされると、例えば、関連画像表示領域750と、動脈画像表示領域760と、静脈画像表示領域770との左右の位置関係が変化する。デフォルト表示では、画像表示領域704の左側に関連画像表示領域750が、画像表示領域704の中央に動脈画像表示領域760が、画像表示領域704の右側に静脈画像表示領域770が各々表示されるが、表示切替アイコン740がオンされると、例えば、画像表示領域704の左側に動脈画像表示領域760が、画像表示領域704の中央に静脈画像表示領域770が、画像表示領域704の右側に関連画像表示領域750が各々表示される。
以上説明したように、本実施の形態では、第1波長の第1R光で撮影された第1波長画像の各々の画素の輝度値を、第1波長と異なる第2波長の第2R光で撮影された第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値で除算して得た商の常用対数値を各々の画素の輝度値とする除算画像を作成して、眼底に存在する動脈及び静脈の各々の画像データを選択的に抽出する。
波長635nmから802nmの範囲で、酸素化ヘモグロビンの吸収スペクトルは顕著に変化するが、脱酸素化ヘモグロビンの吸収スペクトルはそれほど変化しないので、第1波長画像の各々の画素の輝度値を第2波長画像の第1波長画像に対応する各々の画素の輝度値で除算して得た商の常用対数値を各々の画素の輝度値とする除算画像により、動脈と静脈とを明瞭に識別できるようになる。
本実施の形態に係る脈絡膜血管の動脈の画像データの抽出により、例えば、動脈硬化の兆候を逸早く検出することが容易となり、眼科医は、血管の障害に係る疾患の予兆を動脈12A1、12A2の状態から推定することができる。
[変形例]
続いて、眼科装置の変形例について説明する。図19は、本変形例の眼科装置のSLOユニット40Cのブロック図である。
本変形例は、SLOユニット40Cが、多波長光源162を有する光源部160と、第1波長の光を受光する第1波長用光検出素子164A及び第2波長の光を検出する第2波長用光検出素子164Bを有する受光部164を備える点で、第1の実施の形態に係る眼科装置110、第2の実施の形態に係る眼科装置610及び第3の実施の形態に係る眼科装置110と相違する。
多波長光源162は、SLD(Super Luminescent Diode)等の、波長440nmから802nmのレーザを出射可能な発光素子である。
SLOユニット40Cは、多波長光源162からの光を、反射又は透過して光路に導く光学系170、172、174、176、178を備えている。光学系172、176はスキャナであり、具体的には、ミラー、ダイクロイックミラー、ハーフミラー等である。光学系170はビームスプリッタであり、具体的には、ダイクロイックミラー、ハーフミラー等である。そして、光学系174、178はレンズである。
多波長光源162からの光は、光学系170を透過し、光学系172で反射し、光学系174で集光し、光学系176で反射し、光学系178で被検眼12の後眼部(眼底)に導かれる。光学系172及び光学系176の各々は、アクチュエータ等で可動であり、多波長光源162からの光を被検眼12の眼底に導くようにする。
被検眼12の眼底で反射した光は、光学系178を透過し、光学系176で反射し、光学系172で反射し、光学系170で反射して受光部164に導かれる。
受光部164に導かれた光は、ビームスプリッタ164Cで第1波長の光と第2波長の光とに分離され、第1波長の光は第1波長用光検出素子164Aで受光され、第2波長の光は第2波長用光検出素子164Bで受光される。
以上説明したように、本変形では、波長440nmから802nmのレーザを出射可能な多波長光源162を備えることで、SLOユニット40Cの光学系を簡素化でき、眼科装置のコンパクト化を図ることができる。
以上説明した各実施の形態における画像処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
以上説明した各実施の形態では、コンピュータを利用したソフトウェア構成による画像処理を想定しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、コンピュータを利用したソフトウェア構成に代えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア構成のみによって、画像処理が実行されるようにしてもよい。画像処理のうちの一部の処理がソフトウェア構成により実行され、残りの処理がハードウェア構成によって実行されるようにしてもよい。

Claims (14)

  1. 第1波長の光を発する第1光源および第1波長とは異なる第2波長の光を発する第2光源とを有する光源部と、
    前記第1波長の光で第1眼底成分および第2眼底成分を含む第1波長画像を撮像し、前記第2波長の光で前記第1眼底成分および前記第2眼底成分を含む第2波長画像を撮像する撮像部と、
    前記第1眼底成分よりも、前記第1波長および前記第2波長に対する反射率の差が大きい前記第2眼底成分が強調された強調眼底画像を生成する画像処理部と、
    を備える眼科装置。
  2. 前記画像処理部は、前記第1波長画像の各々の画素の輝度値から前記第2波長画像の前記第1波長画像に対応する各々の輝度値を減算することにより、第2眼底成分を含む眼底構造を強調した強調眼底画像を生成する、請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記光源部は、前記第1波長と前記第2波長との差が50nm以下である第1波長の光と第2波長の光を発する、請求項1又は請求項2に記載の眼科装置。
  4. 前記光源部は、前記第1波長と前記第2波長との差が25nm以下である第1波長の光と第2波長の光を発する、請求項3に記載の眼科装置。
  5. 前記光源部は、前記第1波長及び前記第2波長が、575nm以上800nm以下である第1波長の光と第2波長の光を発する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の眼科装置。
  6. 前記光源部は、前記第1波長及び前記第2波長が、589nm、633nm、638nm、650nm、658nmのいずれかである第1波長の光と第2波長の光を発する、請求項5に記載の眼科装置。
  7. 前記画像処理部は、眼底構造の脈絡膜血管を強調する、請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の眼科装置。
  8. 前記画像処理部は、前記眼底構造に含まれる成分のヘモグロビンを強調する、請求項7に記載の眼科装置。
  9. 前記画像処理部は、前記眼底構造に含まれる成分のメラニンを強調する請求項7に記載の眼科装置。
  10. 前記光源部は、前記第1波長および前記第2波長が、450nm以上488nm以下である前記第1波長の光と前記第2波長の光を発する、請求項1又は請求項2に記載の眼科装置。
  11. 前記画像処理部は、眼底構造の黄斑を強調する請求項10に記載の眼科装置。
  12. 前記画像処理部は、前記眼底構造に含まれる成分のルテインを強調する請求項11に記載の眼科装置。
  13. 第1波長の光を発する第1光源および第1波長とは異なる第2波長の光を発する第2光源から、第1波長の光および第2波長の光を発することと、
    前記第1波長の光で第1眼底成分および第2眼底成分を含む第1波長画像を撮像し、前記第2波長の光で前記第1眼底成分および前記第2眼底成分を含む第2波長画像を撮像することと、
    前記第1眼底成分よりも、前記第1波長および前記第2波長に対する反射率の差が大きい前記第2眼底成分が強調された強調眼底画像を生成することと、
    を含む画像処理方法。
  14. コンピューターを、
    第1波長の光を発する第1光源および第1波長とは異なる第2波長の光を発する第2光源から、第1波長の光および第2波長の光を発し、前記第1波長の光で第1眼底成分および第2眼底成分を含む第1波長画像を撮像し、前記第2波長の光で前記第1眼底成分および前記第2眼底成分を含む第2波長画像を撮像し、前記第1眼底成分よりも、前記第1波長および前記第2波長に対する反射率の差が大きい前記第2眼底成分が強調された強調眼底画像を生成する画像処理部として機能させる、画像処理プログラム。
JP2023214958A 2019-09-11 2023-12-20 画像処理装置、眼科装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム Pending JP2024041773A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023214958A JP2024041773A (ja) 2019-09-11 2023-12-20 画像処理装置、眼科装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/035727 WO2021048954A1 (ja) 2019-09-11 2019-09-11 画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム
JP2021545035A JPWO2021048954A1 (ja) 2019-09-11 2019-09-11
JP2023214958A JP2024041773A (ja) 2019-09-11 2023-12-20 画像処理装置、眼科装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021545035A Division JPWO2021048954A1 (ja) 2019-09-11 2019-09-11

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024041773A true JP2024041773A (ja) 2024-03-27

Family

ID=74866261

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021545035A Pending JPWO2021048954A1 (ja) 2019-09-11 2019-09-11
JP2023214958A Pending JP2024041773A (ja) 2019-09-11 2023-12-20 画像処理装置、眼科装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021545035A Pending JPWO2021048954A1 (ja) 2019-09-11 2019-09-11

Country Status (2)

Country Link
JP (2) JPWO2021048954A1 (ja)
WO (1) WO2021048954A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI803254B (zh) 2022-03-23 2023-05-21 國立中正大學 眼底影像之動靜脈辨識方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63238843A (ja) * 1987-03-27 1988-10-04 興和株式会社 眼科診断方法及び装置
JPH02295539A (ja) * 1989-05-08 1990-12-06 Kowa Co 眼底血管識別方法及び装置
JPH0871045A (ja) * 1994-09-02 1996-03-19 Canon Inc 眼底検査装置
US20060134004A1 (en) * 2004-12-21 2006-06-22 The University Of Utah Methods and apparatus for detection of carotenoids in macular tissue
JP4854390B2 (ja) * 2006-06-15 2012-01-18 株式会社トプコン 分光眼底測定装置及びその測定方法
JP4951758B2 (ja) * 2006-12-11 2012-06-13 国立大学法人九州大学 異方性ノイズを除去するためのプログラムと異方性ノイズ除去方法
JP5372540B2 (ja) * 2009-01-30 2013-12-18 株式会社トプコン 機能イメージング眼科装置及びマスク形成方法
JP2010233916A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Chiba Univ 眼底画像処理装置及び眼底画像処理プログラム並びに眼底画像処理方法
GB2487940B (en) * 2011-02-09 2014-12-17 Tel Hashomer Medical Res Infrastructure & Services Ltd Methods and devices suitable for imaging blood-containing tissue

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2021048954A1 (ja) 2021-03-18
WO2021048954A1 (ja) 2021-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4197953B2 (ja) 網膜機能カメラ
JP2023009530A (ja) 画像処理方法、画像処理装置、及びプログラム
US10561311B2 (en) Ophthalmic imaging apparatus and ophthalmic information processing apparatus
JP5850292B2 (ja) 眼科装置
JP2024041773A (ja) 画像処理装置、眼科装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム
JP6585897B2 (ja) 眼科撮影装置
JP2014073207A (ja) 眼科撮影装置
WO2018135175A1 (ja) 眼科装置
CN112040835A (zh) 图像处理方法、程序及图像处理装置
JP6901264B2 (ja) 眼科装置
WO2021074960A1 (ja) 画像処理方法、画像処理装置、及び画像処理プログラム
JP7181135B2 (ja) 眼科装置
JP2016049243A (ja) 眼科装置
JP7419946B2 (ja) 画像処理方法、画像処理装置、及び画像処理プログラム
JP2019054994A (ja) 眼科撮影装置、眼科情報処理装置、プログラム、及び記録媒体
WO2021075026A1 (ja) 画像処理方法、画像処理装置、及び画像処理プログラム
JP2017202369A (ja) 眼科画像処理装置
JP2022089086A (ja) 画像処理方法、画像処理装置、及び画像処理プログラム
WO2022181729A1 (ja) 画像処理方法、画像処理装置、及び画像処理プログラム
JP7494855B2 (ja) 画像処理方法、画像処理装置、及び画像処理プログラム
WO2022177028A1 (ja) 画像処理方法、画像処理装置、及びプログラム
JP7306482B2 (ja) 画像処理方法、画像処理装置、及びプログラム
WO2023282339A1 (ja) 画像処理方法、画像処理プログラム、画像処理装置及び眼科装置
JP6761519B2 (ja) 眼科撮影装置
WO2023199847A1 (ja) 画像処理方法、画像処理装置、及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231220