JP2024040637A - 画像形成システム - Google Patents

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Shuichi Tamura
直之 山本
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徹 仲江川
Toru Nakaegawa
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Kenichiro Kitajima
光太 森
Kota Mori
佳朗 塚田
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Abstract

【課題】圧着はがきなどの圧着印刷物を作成する場合にレイアウト変更を行わないようにすることができる画像形成システムの提供。【解決手段】圧着はがきを作成する設定のときにレイアウト変更が設定されている場合(SY1、SY2が共にYes)、主制御部は設定されているレイアウト変更を無効化する(SY3)。その後、画像形成装置によりトナー像が形成された圧着はがき用紙に対し圧着加工装置により圧着加工が行われることで、圧着はがきが作成される(SY4)。即ち、圧着印刷物作成モードの実行前にレイアウト変更が設定されていた場合には、圧着印刷物作成モードの実行時にレイアウト変更を実行せずに画像形成装置よりトナー像を形成させる。このようにして、圧着はがきを作成する設定のときにレイアウト変更が設定されていてもレイアウト変更を適用しないことから、圧着はがきが適切に作成される。【選択図】図10

Description

本発明は、記録材に画像を形成し、画像を形成した記録材を折り曲げて、折り曲げた記録材に熱及び圧力を加えて記録材を圧着することにより圧着印刷物を作成する画像形成システムに関する。
従来から、圧着印刷物を作成する画像形成システムが提案されている(特許文献1)。圧着印刷物として、例えば2つ折りに折り曲げた記録材の面と面(圧着面と呼ぶ)とが重ね合わされて擬似接着された圧着はがきなどが挙げられる。こうした圧着印刷物の場合、ユーザは疑似接着された圧着面を剥離するまで、圧着面に形成された文字や絵などのトナー像を読み取ることができない。なお、ここでいう擬似接着とは、接着後に剥離可能であり、剥離後に再接着し難い接着の一態様である。圧着印刷物は、機能拡張のために画像形成装置に後付け自在な後工程ユニットの1つである圧着加工装置によって、画像形成装置によりトナー像が形成された記録材が折り曲げられ圧着されることにより作成される。
また、画像形成システムは、後工程ユニットとしてステイプル装置を備えていることがある。ステイプル装置は、複数枚の記録材を束ねて綴じるステイプル処理を行って、綴じた記録材の束を排出する。
特開2014-35454号公報
従来の画像形成装置では、ユーザが記録材の1ページに複数ページ分の画像を載せる所謂レイアウト変更を設定することができる。レイアウト変更としては、例えば2ページ分のトナー像を1ページに形成する「2in1」、4ページ分のトナー像を1ページに形成する「4in1」、8ページ分のトナー像を1ページに形成する「8in1」などが挙げられる。また、画像形成システムがステイプル装置を備えている場合、ユーザはステイプル処理の有無を設定することができる。
しかしながら、レイアウト変更が設定されている場合に圧着はがきの作成が行われると、例えば本来なら圧着はがきに外から読み取れないように形成するトナー像が、レイアウト変更に伴い圧着はがきに外から読み取れるように形成されることがあった。また、ステイプル処理が設定されている場合に圧着はがきの作成が行われると、綴じられた記録材が圧着加工装置において途中で詰まるなどする虞があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされ、圧着はがきなどの圧着印刷物を作成する場合にレイアウト変更やステイプル処理を行わないようにすることができる画像形成システムの提供を目的とする。
本発明の一実施形態に係る画像形成システムは、表面に感圧接着剤層を有する記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、記録材に熱及び圧力を加えてトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置と、前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を折り曲げて、折り曲げた前記記録材を圧着する圧着加工装置と、前記画像形成装置と前記圧着加工装置を制御して、前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を前記圧着加工装置により圧着加工して圧着印刷物を作成する圧着印刷物作成モードを実行可能であり、記録材の1ページに複数ページ分の画像を載せるレイアウト変更を設定可能な制御手段と、を備え、前記画像形成手段は、前記レイアウト変更に応じて記録材にトナー像を形成可能であり、前記制御手段は、前記圧着印刷物作成モードの実行前に前記レイアウト変更が設定されていた場合には、前記圧着印刷物作成モードの実行時に前記レイアウト変更を実行せずに前記画像形成手段にトナー像を形成させる、ことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る画像形成システムは、表面に感圧接着剤層を有する記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、記録材に熱及び圧力を加えてトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置と、前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を折り曲げて、折り曲げた前記記録材を圧着する圧着加工装置と、前記画像形成装置と前記圧着加工装置を制御して、前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を前記圧着加工装置により圧着加工して圧着印刷物を作成する圧着印刷物作成モードを実行可能であり、記録材の1ページに複数ページ分の画像を載せるレイアウト変更を設定可能な制御手段と、を備え、前記画像形成手段は、前記レイアウト変更に応じて記録材にトナー像を形成可能であり、前記制御手段は、前記圧着印刷物作成モードを実行する場合には、前記レイアウト変更の設定を許可しない、ことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る画像形成システムは、表面に感圧接着剤層を有する記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、記録材に熱及び圧力を加えてトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置と、記録材の搬送方向に関して前記定着手段の下流に配置され、前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を折り曲げて、折り曲げた前記記録材を圧着する圧着加工装置と、記録材の搬送方向に関して前記定着手段の下流に配置され、複数の記録材にステイプル処理を行うステイプル装置と、前記画像形成装置と前記圧着加工装置と前記ステイプル装置を制御して、前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を前記圧着加工装置により圧着加工して圧着印刷物を作成する圧着印刷物作成モードを実行可能であり、前記ステイプル処理を設定可能な制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記圧着印刷物作成モードの実行前に前記ステイプル処理が設定されていた場合には、前記圧着印刷物作成モードの実行時に前記ステイプル処理を実行せずに前記ステイプル装置において記録材を搬送する、ことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る画像形成システムは、表面に感圧接着剤層を有する記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、記録材に熱及び圧力を加えてトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置と、記録材の搬送方向に関して前記定着手段の下流に配置され、前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を折り曲げて、折り曲げた前記記録材を圧着する圧着加工装置と、記録材の搬送方向に関して前記定着手段の下流に配置され、複数の記録材にステイプル処理を行うステイプル装置と、前記画像形成装置と前記圧着加工装置と前記ステイプル装置を制御して、前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を前記圧着加工装置により圧着加工して圧着印刷物を作成する圧着印刷物作成モードを実行可能であり、前記ステイプル処理を設定可能な制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記圧着印刷物作成モードを実行する場合には、前記ステイプル処理の設定を許可しない、ことを特徴とする。
本発明によれば、圧着印刷物を作成する場合にレイアウト変更やステイプル処理を行わないようにできる。
画像形成システムを示す概略図。 画像形成システムの制御構成を示す制御ブロック図。 2つ折りの圧着はがき用紙を示す図であり、(a)一面側、(b)二面側、(c)折り曲げた状態。 2つ折りにより圧着はがきを適切に作成可能な圧着はがき用紙のセット向き、搬送向き、折り方向の組み合わせを示す図。 3つ折りの圧着はがき用紙を示す図であり、(a)一面側、(b)二面側。 3つ折り動作時における圧着はがき用紙の状態を示す図であり、(a)折り動作開始前、(b)1回目の折り動作、(c)2回目の折り動作、(d)折り動作終了後。 3つ折りにより圧着はがきを適切に作成可能な圧着はがき用紙のセット向き、搬送向き、折り方向の組み合わせを示す図。 レイアウト変更を設定可能な印刷設定画面を示す図。 圧着はがきの作成時にレイアウト変更「2in1」を適用した場合と適用しない場合におけるトナー像の形成態様を示す図であり、(a)2つ折りの場合、(b)3つ折りの場合。 第一実施形態の設定制御処理を示すフローチャート。 第二実施形態の設定制御処理を示すフローチャート。 レイアウト変更の設定を許可しない場合における印刷設定画面の表示例を示す図。 ステイプル装置を備えた画像形成システムを示す概略図。 ステイプル処理を設定可能な印刷設定画面を示す図。
[第一実施形態]
<画像形成システム>
以下、本実施形態について説明する。まず、本実施形態の画像形成システムについて、図1を用いて説明する。本実施形態の画像形成システム1Xは、記録材Sにトナー像を形成する画像形成装置100と、画像形成装置100により画像が形成された記録材Sに対し圧着加工を行う圧着加工装置200とを有する。圧着加工装置200は機能拡張のために画像形成装置100に後付け自在な後工程ユニットであり、画像形成装置100と圧着加工装置200とは記録材Sを受け渡し可能に連結されている。この画像形成システム1Xは、画像形成装置100により画像が形成された記録材Sを圧着加工装置200へ搬送し、圧着加工装置200により記録材Sを折り曲げて圧着させることで、例えば圧着はがきなどの圧着印刷物を作成することができる。
図1では、圧着加工装置200として、折り加工装置400、圧着装置600を備えたものを例に示した。画像形成装置100、折り加工装置400、圧着装置600は、それぞれの間で制御信号やデータなどを送受信可能に、シリアル通信やパラレル通信が可能なデータ入出力インタフェース(不図示)により接続されている。
<画像形成装置>
上記の画像形成装置100について説明する。画像形成装置100は、電子写真方式のタンデム型のフルカラープリンタである。図1に示すように、画像形成装置100は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成する画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを有する。画像形成装置100は、装置本体に接続された原稿読取装置(不図示)又は装置本体に対しデータ入出力可能に接続されたパーソナルコンピュータ等の外部機器(不図示)から送られる画像データに基づいてトナー像を記録材Sに形成する。
本実施形態の場合、画像データは、記録材Sの一方の面に形成する第一トナー像に関する情報、記録材Sの他方の面に形成する第二トナー像に関する情報、折り方(例えば、記録材Sのサイズに応じた折り位置)や圧着面(谷折り側の面)の情報などを有する。
図1に示すように、画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは装置本体内において、中間転写ベルト130の移動方向に沿って並べて配置されている。中間転写ベルト130は複数のローラ(13、14、15)に張架されて回転されている。そして、中間転写ベルト130は後述のようにして一次転写されるトナー像を担持して搬送する。中間転写ベルト130を張架する二次転写内ローラ14と中間転写ベルト130を挟んで対向する位置には、二次転写外ローラ11が配置され、中間転写ベルト130上のトナー像を記録材Sに転写する二次転写部T2を形成している。二次転写部T2の記録材搬送方向下流には、定着装置8が配置されている。
画像形成装置100は、記録材Sが収容されたカセット10を有している。記録材Sは、搬送ローラ16によりカセット10からレジストレーションローラ12に向けて搬送される。その後、レジストレーションローラ12が中間転写ベルト130上に形成されたトナー像と同期して回転開始されることにより、記録材Sは二次転写部T2に搬送される。カセット10はサイズや厚さの異なる記録材Sを収容可能に複数配置されており、複数のカセット10のいずれかから使用者により選択された記録材Sが搬送される。なお、カセット10に収容された記録材Sに限らず、手差しトレイ160に載置された記録材Sが搬送されるようにしてもよい。また、オプションとして画像形成装置100に不図示の記録材供給装置が接続されて、記録材供給装置に収容された記録材Sが画像形成装置100へ供給される構成であってもよい。
画像形成装置100が備える4つの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、現像色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。したがって、ここでは代表してイエローの画像形成部Paについて説明し、その他の画像形成部Pb、Pc、Pdについては図示及び説明を省略する。
画像形成部Paには、感光体として円筒型の感光ドラム3aが配設されている。感光ドラム3aは、所定方向に回転駆動される。感光ドラム3aの周囲には帯電装置2a、露光装置La、現像装置1a、一次転写ローラ24a、ドラムクリーニング装置4aが配置されている。
画像形成装置100により、例えばフルカラーの画像を形成するプロセスについて説明する。まず、画像形成動作が開始されると、回転する感光ドラム3aの表面が帯電装置2aによって一様に帯電される。帯電装置2aは、例えばコロナ放電に伴う荷電粒子を照射して感光ドラム3aを一様な負極性の暗部電位に帯電させるコロナ帯電器などである。次いで、感光ドラム3aは、露光装置Laから発せられる画像信号に対応したレーザ光により走査露光される。これにより、感光ドラム3aの表面に画像信号に応じた静電潜像が形成される。感光ドラム3aに形成された静電潜像は、現像装置1a内に収容されているトナーとキャリアを含む現像剤によって可視像であるトナー像に現像される。
本実施形態の場合、現像装置1aは、現像剤として非磁性トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を使用している。トナーは、結着樹脂、着色剤、及び離型剤(ワックス)を含有している。結着樹脂は、公知のものを用いることができる。例えば、スチレン-(メタ)アクリル共重合体に代表されるビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ビニル系共重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合されたハイブリッド樹脂、エポキシ樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体等の樹脂を使用できる。着色剤は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに関して、それぞれ公知のものを用いることができる。
離型剤としては、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量オレフィン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、ベヘン酸ベヘニルやステアリン酸ベヘニルなどの高級脂肪酸と高級アルコールとの合成反応物であるエステルワックス、及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
感光ドラム3aに形成されたトナー像は、中間転写ベルト130を挟んで配置される一次転写ローラ24aとの間で構成される一次転写部にて、中間転写ベルト130に一次転写される。この際、一次転写ローラ24aには一次転写バイアスが印加される。一次転写後に感光ドラム3aの表面に残ったトナーは、ドラムクリーニング装置4aによって除去される。
このような動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部Pa~Pdで順次行い、中間転写ベルト130上で4色のトナー像を重ね合わせる。その後、トナー像の形成タイミングにあわせてカセット10に収容された記録材Sが二次転写部T2に搬送される。そして、二次転写外ローラ11に二次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト130上に形成されたフルカラーのトナー像が記録材Sに一括して二次転写される。二次転写後に中間転写ベルト130上に残ったトナーは、ベルトクリーニング装置22によって除去される。なお、本実施形態の場合、画像形成部Pa~Pd、中間転写ベルト130、ローラ(13、14、15)、二次転写外ローラ11などにより、記録材Sにトナー像を形成可能な画像形成手段としての画像形成ユニット150が構成されている。
トナー像が形成された記録材Sは、定着手段としての定着装置8へ搬送される。定着装置8は定着ローラと加圧ローラとを有し、それらによって形成された定着ニップ部においてトナー像が形成された記録材Sを挟持搬送することにより記録材Sを加熱、加圧してトナー像を記録材Sに定着させる。
本実施形態の画像形成装置100は、両面印刷可能である。片面画像形成モード時には、定着装置8により一面側にトナー像が定着された記録材Sが圧着加工装置200へ搬送される。両面画像形成モード時には、定着装置8により一面側にトナー像が定着された記録材Sが両面搬送部190へ搬送される。両面搬送部190では、記録材Sが搬送されながら反転されて、記録材Sの表面(第一面)と裏面(第二面)とが入れ替えられる。反転された記録材Sは、両面搬送部190をレジストレーションローラ12に向けて再搬送される。そして、記録材Sは、レジストレーションローラ12により印刷されていない裏面側(第二面側)を中間転写ベルト130側に向けた状態で、二次転写部T2へ向けて搬送される。二次転写部T2では、中間転写ベルト130上に形成されたフルカラーのトナー像が記録材Sの裏面側に一括して二次転写される。その後、記録材Sは定着装置8によるトナー像の定着が行われ、トナー像が形成された記録材Sが圧着加工装置200へ搬送される。
また、画像形成装置100は主制御部101を備えている。本実施形態の場合、制御手段としての主制御部101は、画像形成装置100と圧着加工装置200を制御して、トナー像が定着された記録材Sを圧着加工装置200により圧着加工して圧着印刷物を作成する圧着印刷物作成モードを実行可能である。即ち、主制御部101は圧着印刷物作成モード時に、画像形成装置100を制御して記録材Sに画像を形成する画像形成工程を実行し、また圧着加工装置200を制御して記録材Sを折り曲げて圧着する圧着加工工程を実行する。画像形成システム1Xの制御構成については後述する(図2参照)。
<記録材>
次に、記録材Sについて説明する。本実施形態では、基材と感圧接着剤層とを有する先糊タイプの記録材Sを用いる。基材としては、少なくとも片面に感圧接着剤層を形成することが可能な基材であればよく、例えば、上質紙、中質紙、コート紙などを挙げることができる。また、秘匿性の観点から、基材は光を透過せずに、一方の面に形成したトナー像が他方の面において透けて見え難いものであるのが望ましい。感圧接着剤層は加圧により疑似接着する感圧接着剤により形成され、接着剤基材と接着力調整剤とを含む。接着剤基材は、例えば、天然ゴムラテックスやその変性体、合成ゴムラテックス、合成樹脂等を配合した組成物が用いられる。接着力調整剤は、パラフィンワックス等公知のワックス、もしくはシリカ、酸化チタン、炭酸カルシウムなどによる微粒子状の充填剤である。いずれも接着剤基材との親和性が低く、感圧接着剤としての接着力を調整する。
接着剤基材に含有された微粒子状の充填剤が接着剤基材から突出することにより、感圧接着剤層表面に凸凹形状が形成される。この凸凹形状により、非加圧時には接着剤基材が表面に出ていないため、接着性を発現しない。一方、感圧接着剤層を塗布した面同士を重ね合わせて加圧すると、接着剤基材が表面に出てくるため、重ね合わせた面それぞれの接着剤基材によって接着性を発現する。ここで、郵送料などの輸送コストが封書よりも圧着はがきのほうが安価である点を考慮すると、記録材Sの坪量は「64g/m乃至209g/m」であるのが望ましい。こうした先糊タイプの記録材Sとしては、例えばトッパン・フォームズ株式会社製の圧着はがき用紙「POSTEX三つ折り」(坪量100g/m)や「POSTEX二つ折り」(坪量150g/m)などが挙げられる。なお、以下では圧着印刷物として「圧着はがき」を作成する場合を例に説明する。
<圧着加工装置>
次に、圧着加工装置200について説明する。図1に示すように、本実施形態の圧着加工装置200は、折り加工装置400と圧着装置600とを有している。折り加工装置400は、記録材Sの上面を内側にして記録材Sを折り曲げる。圧着装置600は、折り曲げた記録材Sに圧力を加える。以下、折り加工装置400、圧着装置600について説明する。
<折り加工装置>
折り加工装置400は、画像形成装置100による画像形成工程を経た記録材Sを折り曲げる折り加工を施す装置である。本実施形態では、一例として3つ折り加工と2つ折り加工が可能なローラ圧接方式の折り加工装置400を示した。折り加工装置400は、折り加工制御部430、記録材Sを折り曲げる折り曲げ部440を有している。折り加工制御部430は、主に折り曲げ部440の制御を行う。
折り曲げ部440の動作について、記録材SをZ字型に折り曲げる折り加工として3つ折り(例えば、外3つ折り)加工を例に述べる。画像形成装置100から搬送された記録材Sは入口ローラ対401により折り加工装置400内に引き込まれ、折り加工の要否に応じて分岐フラッパ402により別々の搬送経路に振り分けられる。折り加工を行なう場合は搬送ローラ対403に向かう折り加工経路に振り分けられ、折り加工を行なわない場合は排出ローラ対404に向かう折り回避経路に振り分けられる。
折り加工経路に振り分けられた場合、記録材Sはレジストローラ対405の位置で一時停止され、ループを形成してレジスト補正が行われる。レジスト補正された記録材Sは再び搬送され、折り位置検出センサ406を通過した後の所定タイミングで第一折りローラ407と第二折りローラ408により引き込まれると同時に一回目の折り加工が施される。そして、引き込まれた記録材Sが折り突き当てストッパ409に突き当たると、第二折りローラ408と第三折りローラ410により引き込まれると同時に二回目の折り加工が施される。こうして、記録材Sは一面同士が向かい合うように第一面側を第1の折り目で折り曲げられ、他面同士が向かい合うように第一面側と反対側の第二面側を第2の折り目で折り曲げられる。そして、二回目の折り加工が施された記録材Sは、排出ローラ対404に向かって搬送され、排出ローラ対404によって後続の圧着装置600へ受け渡される。なお、折り回避経路に振り分けられた場合、記録材Sは上記した3つ折り加工が施されることなく、排出ローラ対404によって後続の圧着装置600へ受け渡される。
折り曲げ部440の動作について、2つ折り加工を例に述べる。折り加工経路に振り分けられた場合、記録材Sは上記した3つ折り加工の場合と同様にレジスト補正され、再び搬送される。そして、2つ折り加工の場合、第一折りローラ407と第二折りローラ408により引き込まれ、折り位置検出センサ406の通過後に記録材Sの後端が後端突き当てストッパ411に突き当たると折り加工が施される。記録材Sは、一面同士が向かい合うように折り目で2つ折りに折り曲げられる。このとき、引き込まれた記録材Sは、予め所定位置に移動された先端ガイド412により導かれることで、第二折りローラ408と第三折りローラ410により引き込まれる。第二折りローラ408と第三折りローラ410に引き込まれた記録材Sは、排出ローラ対404に向かって搬送され、排出ローラ対404によって後続の圧着装置600へ受け渡される。なお、折り回避経路に振り分けられた場合、記録材Sは上記した2つ折り加工が施されることなく、排出ローラ対404によって後続の圧着装置600へ受け渡される。また、本実施形態では、両面にトナー像が形成された記録材Sが搬送されてきた場合、二面目つまり後にトナー像が形成された面が向かい合うように谷折りされることにより、2つ折り加工される。
<圧着装置>
次に、圧着装置600について説明する。圧着装置600は、上述した折り加工装置400による折り加工工程を経た記録材Sを圧着する圧着加工を施す装置である。本実施形態では、一例として記録材Sを挟持搬送する圧着ローラ対を介して記録材Sに熱及び圧力を加えることにより、記録材Sの圧着加工が可能なローラ圧接方式の圧着装置600を示した。圧着装置600は、圧着加工制御部630、記録材Sを圧着する圧着部640を有している。圧着加工制御部630は、主に圧着部640の制御を行う。
圧着部640について述べる。圧着部640は、回転して記録材Sを挟持搬送する圧着ローラ対601、圧着ローラ対601を加熱するヒータ602、圧着ローラ対601の温度を検出するサーミスタ603を有している。圧着ローラ対601は上ローラ601aと下ローラ601bとを有し、上ローラ601aと下ローラ601bとはそれぞれサーミスタ603の検出温度に応じてヒータ602により所望の温度に維持される。そして、圧着ローラ対601は折り曲げられた状態の記録材Sを挟持搬送しつつ、記録材Sに対し熱及び圧力を加えることができる。これにより、感圧接着剤層を内側にして折り曲げられた記録材Sは、感圧接着剤層を貼り合わせるようにして疑似接着される。
ここで、接着強度と再剥離性の観点から、圧着加工時の記録材Sの温度及び圧力は適正にコントロールする必要がある。これは、圧着加工時の圧力や温度が低い場合には接着力が弱くなり、疑似接着状態を維持できなくなる虞があるからである。他方、圧着加工時の圧力や温度が高い場合には接着力が強くなり、再剥離時に紙が破れるなどの再剥離性が低下する虞がある。そこで、圧着加工時の圧力や温度は記録材Sの種類に応じて適切に設定する必要がある。例えば、圧着装置600の圧着ローラ対601の温度を「15℃~80℃」より好ましくは「20~60℃」とし、圧力を「2MPa」以上とすることで適切な接着力を得ることができる。
なお、定着装置8で記録材Sに加える圧力は「0.1~0.5Mpa」程度である。記録材Sは、高い圧力(数MPa以上)の加圧により接着剤基材が表面に出てくることで接着性を発現する。そのため、圧力の低い定着装置8では、記録材Sが「100~200℃」と高温状態になるが、接着剤基材が表面に出難いため、接着性が発現せず付着しない。
<画像形成システムの制御構成>
次に、画像形成システム1Xの制御について、図1を参照しながら図2を用いて説明する。本実施形態では、画像形成装置100(詳しくは主制御部101)が圧着加工装置200(折り加工装置400、圧着装置600)に対する動作命令を一元的に管理してそれらを制御する場合を例に説明する。なお、図2に図示した以外にもモータや電源等の各種機器が接続されているが、ここでは発明の本旨でないのでそれらの図示及び説明を省略している。
本実施形態の画像形成システム1Xでは、図2に示すように、主制御部101に通信ケーブル500を介して折り加工制御部430、圧着加工制御部630が動作命令や各種データなどを通信可能に接続されている。主制御部101からの動作命令に従って、折り加工制御部430は折り加工装置400を動作させ、圧着加工制御部630は圧着装置600を動作させる。即ち、主制御部101は、画像形成装置100の動作を制御しつつ、圧着加工装置200(折り加工装置400、圧着装置600)に対し動作命令を送信することで、画像形成システム1X全体を制御し得る。
上記の主制御部101、折り加工制御部430、圧着加工制御部630は、同一の構成であってよい。例えば、それぞれがCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有する。
主制御部101は、CPU102、ROM103、RAM104を有する。ROM103やRAM104には、後述する設定制御処理(図10、図11参照)などの各種プログラムや各種データが記憶される。なお、RAM104は、各種プログラムの実行に伴う演算処理結果などを一時的に記憶することもできる。
画像形成装置100は例えば液晶表示部710を有する操作部700を備えており(図1参照)、選択手段としての操作部700は主制御部101に接続されている。操作部700は例えばタッチパネルであり、液晶表示部710に各種プログラムや各種データなどを提示した各種画面を表示することが可能であり、また使用者によるタッチ操作などのユーザ操作に応じて各種プログラムの開始入力や各種データ入力を受け付ける。
使用者は、操作部700や外部機器(不図示)から「画像形成ジョブ」の開始を入力することができ、また圧着はがきを作成する設定を行うことができる。「画像形成ジョブ」が入力された場合、CPU102はROM103に記憶されている設定制御処理(プログラム)を実行する。これに伴い、画像形成装置100と共に圧着加工装置200(折り加工装置400、圧着装置600)が動作され得る。
折り加工制御部430は、CPU431、ROM432、RAM433を有する。CPU431は、ROM432に記憶されている制御プログラムに基づいて折り加工装置400を動作させる。
圧着加工制御部630は、CPU631、ROM632、RAM633を有する。CPU631は、ROM632に記憶されている制御プログラムに基づいて圧着装置600を動作させる。圧着加工制御部630には、圧着ローラ対601を回転駆動するモータ634、圧着ローラ対601を加熱するヒータ602、圧着ローラ対601の温度を検出するサーミスタ603が接続されている。圧着加工制御部630は、サーミスタ603の検出結果(温度データ)を主制御部101に送信している。そして、圧着加工制御部630は主制御部101から目標温度を受信することで、ヒータ602の温度を変更し得る。また、圧着加工制御部630は主制御部101から搬送する記録材Sの目標速度を受信することで、モータ634の回転数を変更し得る。
次に、2つ折りにより圧着はがきを適切に作成可能な圧着はがき用紙のセット向き、搬送向き、折り方向について、図1を参照しながら図3(a)乃至図4を用いて説明する。画像形成装置100では、カセット10や手差しトレイ160あるいは画像形成装置100に接続された記録材供給装置(不図示)などのセット箇所から、記録材Sとして圧着はがき用紙が供給される。この際に、圧着はがき用紙のセット箇所やセット向きなどによって、供給した圧着はがき用紙の一面側と二面側のどちらかが表に向いて画像形成装置100から折り加工装置400へ搬送されるかが変わる。2つ折りの圧着はがき用紙は、上述した感圧接着剤層を有する糊面が一面側に、感圧接着剤層を有しない非糊面が二面側に存在するため、一面側が折り曲げられて圧着されるように画像形成装置100から折り加工装置400へ搬送される必要がある。
図3(a)は2つ折りの圧着はがき用紙の一面側を示し、図3(b)は2つ折りの圧着はがき用紙の二面側を示し、図3(c)は2つ折りの圧着はがき用紙を折り曲げた状態を示す。一例として、圧着はがき用紙は手差しトレイ160に感圧接着剤層を有する糊面900(一面側S1)を表向きにしてセットされる(糊面 上)。そして、糊面900に外から読み取れないようにユーザが秘匿したいトナー像が形成され、感圧接着剤層を有しない非糊面(二面側S2)に外から読み取れるようにしたい例えば宛名などのトナー像が形成される。
その後、トナー像が定着された圧着はがき用紙は、画像形成装置100から折り加工装置400へ糊面900が表に向いた搬送向きに搬送され(Face UP)、折り加工装置400によって折部Saで2つ折りされる。圧着はがき用紙が折り曲げられる折り方向は折り加工装置400によって異なり、画像形成装置100から搬送されたときに表に向く側を山折りで折り曲げる場合と谷折りで折り曲げる場合がある。本実施形態の場合、圧着はがき用紙は糊面900(一面側S1)が折部Saにおいて谷折りで折り曲げられる(搬送方向 谷折り)。そして、折り加工された圧着はがき用紙は、非糊面(二面側S2)が表面で且つ折部Sa側(折り目位置)が搬送方向先端となる搬送向きで折り加工装置400から圧着装置600へ排出され、圧着装置600により圧着される。
上記のように、圧着はがき用紙は糊面900がどちら向きでセット箇所にセットされるか、また糊面900と非糊面のどちらの面が表に向いた状態で搬送されるか、さらに谷折り若しくは山折りのどちらに折り曲げられるかで、圧着はがきが適切に作成できるかどうかが決まる。図4に、2つ折りにより圧着はがきを適切に作成可能な圧着はがき用紙のセット向き、搬送向き、折り方向の組み合わせを示す。上記の例は図4の「E1」で示す組み合わせに該当する。他の組み合わせ「E2~E4」については、説明を省略する。
次に、3つ折り(詳しくは外3つ折り)により圧着はがきを適切に作成可能な圧着はがき用紙のセット向き、搬送向き、折り方向について、図1を参照しながら図5(a)乃至図7を用いて説明する。画像形成装置100では、カセット10や手差しトレイ160あるいは画像形成装置100に接続された記録材供給装置(不図示)などのセット箇所から、記録材Sとして圧着はがき用紙が供給される。この際に、圧着はがき用紙のセット箇所やセット向きなどによって、供給した圧着はがき用紙の一面側と二面側のどちらかが表に向いて画像形成装置100から折り加工装置400へ搬送されるかが変わる。3つ折りの圧着はがき用紙は、一面側と二面側のそれぞれに上述した感圧接着剤層を有する糊面と感圧接着剤層を有しない非糊面が存在し、それぞれの糊面同士が圧着されるように画像形成装置100から折り加工装置400へ搬送される必要がある。
図5(a)は3つ折りの圧着はがき用紙の一面側を示し、図5(b)は3つ折りの圧着はがき用紙の二面側を示す。一例として、圧着はがき用紙は手差しトレイ160に糊面901が形成された一面側S1を表向き(糊面 上)、糊面902が形成された二面側S2を裏向きにしてセットされる。そして、糊面901、902に外から見えないようにユーザが秘匿したいトナー像が形成され、感圧接着剤層を有しない非糊面S1a、S2cに外から見えるようにしたい例えば宛名などのトナー像が形成される。
その後、トナー像が定着された圧着はがき用紙は、画像形成装置100から折り加工装置400へ一面側S1(糊面901)が表に向いた搬送向きに搬送され(Face UP)、折り加工装置400によって折部Sa、Sbで折り曲げられる。圧着はがき用紙が折り曲げられる折り方向は折り加工装置400によって異なり、画像形成装置100から搬送されたときに表に向く側を山折りで折り曲げる場合と谷折りで折り曲げる場合がある。本実施形態の場合、図6(a)及び図6(b)に示すように、圧着はがき用紙は1回目の折り動作によって折部Saで山折りされる。その後、図6(c)に示すように、圧着はがき用紙は2回目の折り動作によって折部Sbで谷折りされる(搬送方向 Z折り)。そして、折り加工された圧着はがき用紙は、図6(d)に示すように、一面側S1の非糊面S1aが表面で且つ折部Sb側(折り目位置)が搬送方向先端となる搬送向きで折り加工装置400から圧着装置600へ排出され、圧着装置600により圧着される。
図7に、3つ折りにより圧着はがきを適切に作成可能な圧着はがき用紙のセット向き、搬送向き、折り方向の組み合わせを示す。上記の例は図7の「F1」で示す組み合わせに該当する。他の組み合わせ「F2~F4」については、説明を省略する。
<印刷設定画面>
本実施形態の場合、ユーザは操作部700や外部機器に表示される「印刷設定画面」から圧着はがきを作成するか否かを設定できる。図8に「印刷設定画面」の一例を示す。図8に示すように、「印刷設定画面」には元の原稿サイズ、出力サイズ、部数、印刷向き、ページレイアウトをユーザが設定可能である。この「印刷設定画面」において、出力サイズに「圧着はがき」が設定された場合に圧着はがきを作成する設定がなされる。図8に示す例では、元の原稿サイズ「A4」に形成されるときよりも縮小されたトナー像が形成された「圧着はがき」を「100」部作成するように設定されている。
また、ユーザは「印刷設定画面」のページレイアウトを選択することにより、記録材Sの1ページに複数ページ分の画像を載せて印刷するレイアウト変更を設定することができる。例えば2ページ分のトナー像を1ページに形成する「2in1」、4ページ分のトナー像を1ページに形成する「4in1」、6ページ分のトナー像を1ページに形成する「6in1」などを、ユーザはページレイアウトに表示された中から選択できる。なお、レイアウトの初期設定は、1ページ分のトナー像が1ページに形成される「1in1」である。
ただし、既に述べた通り、従来では圧着はがきを作成する際にも、上記のレイアウト変更の設定が可能であった。図9(a)及び図9(b)の上段に、従来例として圧着はがきの作成時にレイアウト変更「2in1」を適用した場合におけるトナー像の形成態様を示す。図9(a)は2つ折りの圧着はがき用紙を用いて圧着はがきを作成する場合であり、図9(b)は3つ折りの圧着はがき用紙を用いて圧着はがきを作成する場合である。
図9(a)及び図9(b)においては右から順に、画像データにおける圧着はがき用紙の一面目と二面目に形成するトナー像のイメージ、圧着はがき用紙の一面目に形成されたトナー像、圧着はがき用紙の二面目に形成されたトナー像、折り加工後で圧着前を示す。2つ折りで用いる画像データは、一面目にスマイルマークと太陽マークの各トナー像を形成し、二面目の右側に「宛名」のトナー像を形成するように、各トナー像に関するデータを有している。3つ折りで用いる画像データは、一面目にスマイルマークと太陽マークと雲マークの各トナー像を形成し、二面目の非糊面に「宛名」、糊面に月マークとハートマークの各トナー像を形成するように、各トナー像に関するデータを有している。
2つ折りの場合、図9(a)に示すように、従来では、本来ならば外から読み取れないように圧着面Bの一面目に形成するスマイルマークと太陽マークが二面目に外から読み取れるように形成され、また「宛名」が二面目の本来とは違う左側に違う向きで形成されていた。3つ折りの場合、図9(b)に示すように、従来では、本来ならば一面目に形成するスマイルマークと太陽マークと雲マークが、二面目の糊面の右側にすべて形成されていた。また、従来では、本来ならば二面目の非糊面と糊面にわけて形成する「宛名」と月マークとハートマークが、二面目の糊面の左側にすべて形成されていた。このように、従来では、圧着はがきの作成時にレイアウト変更が行われると、各トナー像が本来形成されるべき箇所に形成されず、圧着はがきを適切に作成することが難しかった。
<設定制御処理>
そこで、本実施形態では圧着はがきを作成する際に、レイアウト変更の設定が行われていたとしても、図9(a)及び図9(b)の下段に示す本来の位置にトナー像を形成し、圧着はがきを適切に作成できるようにした。以下、それを実現するための第一実施形態の設定制御処理について、図2を参照しながら図10を用いて説明する。本実施形態の設定制御処理は、例えば操作部700や外部機器から「画像形成ジョブ」の開始が入力されることに伴い主制御部101により開始され、「画像形成ジョブ」の終了に伴い終了される。
図10に示すように、主制御部101は、圧着はがき用紙を圧着加工して圧着はがきを作成する圧着印刷物作成モードの設定であるか否かを判定する(SY1)。上記のように圧着はがきを作成するか否かの設定は、ユーザが「印刷設定画面」(図8参照)から行い得る。圧着はがきを作成しない設定である場合(SY1のNo)、主制御部101は画像形成装置100により画像データに基づいて圧着はがき用紙以外の記録材Sにトナー像を形成すべく、画像形成処理を開始する(SY6)。この場合、記録材Sへのトナー像の形成後、記録材Sに対し圧着加工装置200による圧着加工が行われずに、両面あるいは片面にトナー像が形成された記録材Sが出力される。
圧着はがきを作成する設定である場合(SY1のYes)、主制御部101はレイアウト変更が設定されているか否かを判定する(SY2)。上記のようにレイアウト変更は、ユーザが「印刷設定画面」(図8参照)から行い得る。圧着はがきを作成する設定のときにレイアウト変更が設定されていない場合(SY2のNo)、主制御部101は画像形成装置100により圧着はがき用紙にトナー像を形成すべく、画像形成処理を開始する(SY6)。この場合には、圧着はがき用紙へのトナー像の形成後、圧着はがき用紙に対し圧着加工装置200による圧着加工が行われ、圧着はがきが作成される(圧着印刷物作成モード)。レイアウト変更が設定されていない場合、レイアウトは初期設定の「1in1」であるので、図9(a)の下段あるいは図9(b)の下段に示すように、画像データに基づき各トナー像が形成されるべき箇所に適切に形成された圧着はがきが作成される。
他方、圧着はがきを作成する設定のときにレイアウト変更が設定されている場合(SY2のYes)、主制御部101は設定されているレイアウト変更を無効化することで、レイアウトを初期設定の「1in1」とする(SY3)。その後、主制御部101は画像形成装置100により圧着はがき用紙にトナー像を形成すべく、画像形成処理を開始する(SY4)。そして、圧着はがき用紙へのトナー像の形成後、圧着はがき用紙に対し圧着加工装置200による圧着加工が行われて、圧着はがきが作成される(圧着印刷物作成モード)。即ち、圧着印刷物作成モードの実行前にレイアウト変更が設定されていた場合には、圧着印刷物作成モードの実行時にレイアウト変更を実行せずに画像形成装置100によりトナー像を形成させる。
このように、圧着はがきを作成する設定のときにレイアウト変更が設定されている場合には、レイアウト変更が無効化され、レイアウトは初期設定「1in1」とされる。したがって、図9(a)の下段あるいは図9(b)の下段に示すように、各トナー像が形成されるべき箇所に適切に形成された圧着はがきが作成される。主制御部101は「画像形成ジョブ」が終了すると、無効化したレイアウト変更を有効化して(SY5)、当該「設定制御処理」を終了する。
以上のように、本実施形態では、圧着はがきを作成する設定のときにレイアウト変更が設定されている場合に、圧着はがき作成時にレイアウト変更を無効化する。こうすると、圧着はがきを作成する設定のときにレイアウト変更が設定されていてもレイアウト変更を適用せず、1ページ分のトナー像が圧着はがき用紙の1ページに形成されて圧着はがきが作成される。これにより、従来のように圧着はがきに外から読み取れないように形成するトナー像が、レイアウト変更に伴い圧着はがきに外から読み取れるように形成されないので、圧着はがきを適切に作成できる。なお、圧着はがきの作成後に再びレイアウト変更を有効化することで、圧着はがきを作成した後に圧着はがき以外の記録材Sを「1in1」で印刷してしまうといったユーザ設定ミスを生じ難くしている。
[第二実施形態]
上述した第一実施形態では、圧着はがき作成時にユーザにより設定されたレイアウト変更を無効化するようにしたがこれに限らない。例えば、圧着印刷物作成モードを実行する場合、本実施形態ではユーザにより「印刷設定画面」(図8参照)で圧着はがきの作成が選択された場合に、レイアウト変更の設定を許可しないようにしてもよい。以下、それを実現するための第二実施形態の設定制御処理について、図2を参照しながら図11及び図12を用いて説明する。
図11に示すように、主制御部101は、例えば操作部700の液晶表示部710に「印刷設定画面」(図8参照)を表示する(SY11)。そして、主制御部101は、圧着はがき用紙を圧着加工して圧着はがきを作成する圧着印刷物作成モードの設定であるか否かを判定する(SY12)。上記のように圧着はがきを作成するか否かの設定は、ユーザが「印刷設定画面」(図8参照)から行い得る。「印刷設定画面」においてユーザが出力サイズに「圧着はがき」以外の記録材Sを設定した場合(SY12のNo)、主制御部101はレイアウト変更の設定を許可し、ユーザがレイアウト変更選択可能に「印刷設定画面」を表示する(SY14)。即ち、ユーザは図8に示した「印刷設定画面」において、ページレイアウトから任意のレイアウトを選択することができる。この場合、記録材Sに対し圧着加工装置200による圧着加工が行われないので、圧着はがきは作成されないが、ユーザ所望のレイアウトでトナー像が形成された記録材Sが出力される。
他方、「印刷設定画面」においてユーザが出力サイズに「圧着はがき」を設定した場合(SY12のYes)、主制御部101はレイアウト変更の設定を許可せず、ユーザがレイアウト変更選択不可に「印刷設定画面」を表示する(SY13)。図12に、レイアウト変更の設定を許可しない場合における印刷設定画面の表示例を示す。図12に示すように、例えばページレイアウトにおいて「1in1」以外のレイアウトをグレーアウトして、ユーザがページレイアウトから「1in1」以外のレイアウトを任意に選択することができないようにする。なお、グレーアウト以外に「1in1」以外のレイアウト表示を消す、あるいは通常と同じ表示であるがユーザ選択を受け付けないようにしてもよい。
このように、第二実施形態では、ユーザが圧着はがきの作成を設定した時点でレイアウト変更の設定を許可せず、「印刷設定画面」においてユーザがレイアウト変更を選択できないようにしている。これにより、圧着はがきに外から読み取れないように形成するトナー像が、圧着はがきに外から読み取れるように形成される虞があるレイアウト変更をユーザが設定できなくなる。レイアウト変更が設定されない故に、圧着はがきの作成時にレイアウト変更が行われず、圧着はがきが適切に作成される。
なお、上述した第一、第二実施形態では、圧着加工装置200が画像形成装置100の装置本体外に異なる筐体として接続された画像形成システム1Xを例に示したが、圧着加工装置200は画像形成装置100の装置本体内(同一筐体内)に設けられていてもよい。その場合、主制御部101は、上述した折り加工制御部430、圧着加工制御部630としても動作する。
[他の実施形態]
ところで、画像形成システムは後付け自在な後工程ユニットとしてステイプル装置800を備えている場合がある。図13は、ステイプル装置を備えた画像形成システムを示す概略図である。図13に示す画像形成システム2Xはステイプル装置800を備え、ステイプル装置800は記録材Sの搬送方向に関し定着装置8の下流に配置されている。
<ステイプル装置>
ステイプル装置800は、画像形成装置100から排出される複数枚の記録材Sを束ねて綴じるステイプル処理を行うものである。ステイプル装置800は、画像形成装置100から排出された記録材Sをステイプルトレイ802へ搬送する。ステイプル装置800はステイプル処理を行う場合、所定枚数の記録材Sがステイプルトレイ802に載置される度にステイプラ801を動作して記録材Sを綴じ、綴じた記録材Sを圧着加工装置200へ搬送する。ステイプル装置800はステイプル処理を行わない場合、ステイプラ801を動作させないので、画像形成装置100から排出された記録材Sはそのまま圧着加工装置200へ搬送する。
<印刷設定画面>
画像形成システム2Xがステイプル装置800を備えている場合、ユーザは操作部700や外部機器に表示される「印刷設定画面」からステイプル処理を行うか否かを設定できる。図14に「印刷設定画面」の一例を示す。図14に示す「印刷設定画面」では、元の原稿サイズ、出力サイズ、部数、印刷向き、ページレイアウトの他に、「ホチキス/ソート」としてユーザがステイプル処理を設定可能である。この「印刷設定画面」において、「ホチキス/ソート」において「ホチキス+ソート」が選択された場合にステイプル処理を行う設定がなされる。
<設定制御処理>
ただし、従来では、圧着はがきの作成時にステイプル処理が行われると、綴じられた記録材Sが圧着加工装置200へ搬送されて搬送中に詰まる虞があった。そのため、圧着はがきの作成時にはステイプル処理が行われないようにする必要がある。そこで、画像形成システム2Xがステイプル装置800を備えている構成で、圧着はがきを作成する設定のときにステイプル処理が設定されている場合には、圧着はがき作成時にステイプル処理を無効化するのがよい。それを実現するために、上述した第一実施形態を適用する。具体的には、第一実施形態の設定制御処理(図10参照)において「レイアウト変更」を「ステイプル処理」に読み替えた処理を行う。即ち、圧着はがきを作成する設定のときにステイプル処理が設定されていても(SY2のYes)、主制御部101はステイプル処理を無効化して、ステイプル処理を行わないようにする(SY3)。
これにより、圧着印刷物作成モードの実行前にステイプル処理が設定されていた場合には、圧着印刷物作成モードの実行時にステイプル処理を実行せずにステイプル装置800において記録材S(圧着はがき用紙)を搬送する。こうして、圧着はがきの作成時にステイプル処理が行われず、記録材Sが綴じられることなく圧着加工装置200へ搬送されるので、圧着加工装置200において記録材Sが搬送中に詰まるのを抑制することができる。したがって、圧着はがきが適切に作成される。
あるいは、上述した第二実施形態を適用してもよい。具体的には、第二実施形態の設定制御処理(図11参照)において「レイアウト変更」を「ステイプル処理」に読み替えた処理を行う。即ち、「印刷設定画面」においてユーザが出力サイズに「圧着はがき」を設定した場合(SY12のYes)、主制御部101はステイプル処理の設定を許可せず、ユーザがステイプル処理選択不可に「印刷設定画面」を表示する(SY13)。この場合には、図14に示すように、例えば「ホチキス/ソート」において「ホチキス+ソート」をグレーアウトして、ユーザが「ホチキス/ソート」から「ホチキス+ソート」を選択することができないようにする。なお、グレーアウト以外に「ホチキス+ソート」の表示を消す、あるいは通常と同じ「ホチキス+ソート」の表示であるがユーザ選択を受け付けないようにしてもよい。
このように、ユーザが圧着はがきの作成を設定した時点でステイプル処理の設定を許可せず、「印刷設定画面」においてユーザがステイプル処理を選択できないようにしている。これにより、綴じられた記録材が圧着加工装置において途中で詰まる虞があるステイプル処理をユーザが設定できなくなる。ステイプル処理が設定されない故に、圧着はがきの作成時にステイプル処理が行われず、圧着はがきが適切に作成される。
なお、上述した設定制御処理を実行する構成であれば、画像形成システム1X、2Xを制御する制御部がどの筐体に設けられていてもよい。例えば、画像形成システム1X、2Xの全体を制御する制御部が上述した主制御部101や外部コントローラであるか、または圧着加工装置200のいずれかの装置の内部に設けられており、上述した設定制御処理を実行する構成であってもよい。
1X(2X)…画像形成システム、8…定着手段(定着装置)、100…画像形成装置、101…制御手段(主制御部)、150…画像形成手段(画像形成ユニット)、200…圧着加工装置、800…ステイプル装置、S…記録材(圧着はがき用紙)

Claims (4)

  1. 表面に感圧接着剤層を有する記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、記録材に熱及び圧力を加えてトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置と、
    前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を折り曲げて、折り曲げた前記記録材を圧着する圧着加工装置と、
    前記画像形成装置と前記圧着加工装置を制御して、前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を前記圧着加工装置により圧着加工して圧着印刷物を作成する圧着印刷物作成モードを実行可能であり、記録材の1ページに複数ページ分の画像を載せるレイアウト変更を設定可能な制御手段と、を備え、
    前記画像形成手段は、前記レイアウト変更に応じて記録材にトナー像を形成可能であり、
    前記制御手段は、前記圧着印刷物作成モードの実行前に前記レイアウト変更が設定されていた場合には、前記圧着印刷物作成モードの実行時に前記レイアウト変更を実行せずに前記画像形成手段にトナー像を形成させる、
    ことを特徴とする画像形成システム。
  2. 表面に感圧接着剤層を有する記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、記録材に熱及び圧力を加えてトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置と、
    前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を折り曲げて、折り曲げた前記記録材を圧着する圧着加工装置と、
    前記画像形成装置と前記圧着加工装置を制御して、前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を前記圧着加工装置により圧着加工して圧着印刷物を作成する圧着印刷物作成モードを実行可能であり、記録材の1ページに複数ページ分の画像を載せるレイアウト変更を設定可能な制御手段と、を備え、
    前記画像形成手段は、前記レイアウト変更に応じて記録材にトナー像を形成可能であり、
    前記制御手段は、前記圧着印刷物作成モードを実行する場合には、前記レイアウト変更の設定を許可しない、
    ことを特徴とする画像形成システム。
  3. 表面に感圧接着剤層を有する記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、記録材に熱及び圧力を加えてトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置と、
    記録材の搬送方向に関して前記定着手段の下流に配置され、前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を折り曲げて、折り曲げた前記記録材を圧着する圧着加工装置と、
    記録材の搬送方向に関して前記定着手段の下流に配置され、複数の記録材にステイプル処理を行うステイプル装置と、
    前記画像形成装置と前記圧着加工装置と前記ステイプル装置を制御して、前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を前記圧着加工装置により圧着加工して圧着印刷物を作成する圧着印刷物作成モードを実行可能であり、前記ステイプル処理を設定可能な制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記圧着印刷物作成モードの実行前に前記ステイプル処理が設定されていた場合には、前記圧着印刷物作成モードの実行時に前記ステイプル処理を実行せずに前記ステイプル装置において記録材を搬送する、
    ことを特徴とする画像形成システム。
  4. 表面に感圧接着剤層を有する記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、記録材に熱及び圧力を加えてトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置と、
    記録材の搬送方向に関して前記定着手段の下流に配置され、前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を折り曲げて、折り曲げた前記記録材を圧着する圧着加工装置と、
    記録材の搬送方向に関して前記定着手段の下流に配置され、複数の記録材にステイプル処理を行うステイプル装置と、
    前記画像形成装置と前記圧着加工装置と前記ステイプル装置を制御して、前記定着手段によりトナー像が定着された記録材を前記圧着加工装置により圧着加工して圧着印刷物を作成する圧着印刷物作成モードを実行可能であり、前記ステイプル処理を設定可能な制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記圧着印刷物作成モードを実行する場合には、前記ステイプル処理の設定を許可しない、
    ことを特徴とする画像形成システム。
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