JP2024040060A - グリース組成物、転がり軸受および潤滑方法 - Google Patents

グリース組成物、転がり軸受および潤滑方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低騒音性、高温高速耐久性を両立するグリース組成物、および該グリース組成物が封入された転がり軸受を提供する。【解決手段】グリース組成物7は、基油と増ちょう剤と添加剤を含み、基油が合成炭化水素油とエステル油との混合油であり、増ちょう剤が脂肪族ジウレア化合物であり、グリース組成物の初期酸価が2.0mgKOH/g以上であり、添加剤は、硫黄(S)、リン(P)、および亜鉛(Zn)の元素を含み、グリース組成物7に含まれるこれら元素の合計量が、グリース組成物全量に対して0.50質量%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、グリース組成物、該グリース組成物が封入された転がり軸受、および転がり軸受の潤滑方法に関し、特に、家電や産業機器などに用いられる産業機械用モータ、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)などに用いられる駆動用モータなどの高温高速回転で使用され、低騒音と長寿命が要求される転がり軸受に用いられるグリース組成物およびその転がり軸受に関する。
電動モータに代表される電機機械などの回転支持部に使用される軸受は、内部に潤滑用のグリースが封入されている。このような軸受では、当該グリースを鉄板もしくは芯金にゴム材を加硫接着したゴムシールなどの密封板(シール部材)を用いて密封する形式が一般的に採用されている。
近年、これらの軸受は高温高速化が進み、静音性を維持したまま、更なる高温高速耐久性(グリース寿命の長寿命化)に優れることが要求されている。また、静音性の観点などから、耐フレッチング性も求められる。
従来から、これらの用途に用いられるグリース組成物としては、主に、基油、増ちょう剤、酸化防止剤の成分などが調整されてきた。例えば、特許文献1では、駆動用モータ軸受のグリース組成物として、特定のジウレア化合物に特定のエステル油を使用したグリース組成物が提案されている。また、特許文献2では、特定の動粘度を有する基油を用いたグリース組成物を潤滑剤として使用することにより、耐フレッチング性を向上させた転がり軸受が提案されている。
国際公開第2013/015413号 特開2004-352858号公報
しかしながら、従来の知見では、低騒音性を維持して、更なる高温高速耐久性が要求される近年のモータ用軸受などのグリース組成物としては不十分である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、低騒音性、高温高速耐久性を両立するグリース組成物、該グリース組成物が封入された転がり軸受、および転がり軸受の潤滑方法を提供することを目的とする。
本発明のグリース組成物は、基油と増ちょう剤と添加剤を含むグリース組成物であって、上記基油が合成炭化水素油とエステル油との混合油であり、上記増ちょう剤が脂肪族ジウレア化合物であり、上記グリース組成物の初期酸価が2.0mgKOH/g以上であることを特徴とする。本発明において、グリース組成物の初期酸価とは、調製されたグリース組成物が使用される前(例えば、グリース組成物や該グリース組成物が封入された転がり軸受の出荷時、販売時など)の全酸価(TAN)のことである。
上記添加剤は、硫黄(S)、リン(P)、および亜鉛(Zn)の元素を含み、上記グリース組成物に含まれるこれら元素の合計量が、上記グリース組成物全量に対して0.50質量%以上であることを特徴とする。
上記添加剤は、硫黄(S)、リン(P)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、およびカルシウム(Ca)の元素を含み、上記グリース組成物に含まれるこれら元素の合計量が、上記グリース組成物全量に対して0.50質量%以上であることを特徴とする。
上記グリース組成物に含まれる上記元素の合計量が、上記グリース組成物全量に対して1.5質量%以下であることを特徴とする。
上記グリース組成物を高温環境下に曝した際の該グリース組成物の酸価の経時的変化は、上記初期酸価の値から低下した後、上昇していくという挙動を示すことを特徴とする。
上記脂肪族ジウレア化合物は、ジイソシアネート成分と2種類の異なる脂肪族モノアミンとを反応して得られる脂肪族ジウレア化合物であることを特徴とする。
上記基油の40℃における動粘度が40mm/s~70mm/sであることを特徴とする。
上記添加剤は、硫黄(S)、リン(P)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、およびカルシウム(Ca)の元素を含み、上記グリース組成物に含まれるこれら元素の合計量が、上記グリース組成物全量に対して0.50質量%以上1.5質量%以下であり、上記脂肪族ジウレア化合物は、ジイソシアネート成分と2種類の異なる脂肪族モノアミンとを反応して得られる脂肪族ジウレア化合物であり、上記基油の40℃における動粘度が40mm/s~70mm/sであることを特徴とする。
本発明の転がり軸受は、内輪と、外輪と、該内輪および外輪の間に介在する複数の転動体と、該転動体の周囲に封入されたグリース組成物とを有する転がり軸受であって、上記グリース組成物が本発明のグリース組成物であることを特徴とする。
モータ用軸受であることを特徴とする。
本発明の転がり軸受の潤滑方法は、転がり軸受を、合成炭化水素油およびエステル油の混合油からなる基油と脂肪族ジウレア化合物からなる増ちょう剤を含むグリース組成物によって潤滑させる潤滑方法であって、上記グリース組成物において、酸価の値を、初期酸価の値から低下させた後、上昇させることを特徴とする。
上記転がり軸受を80℃~200℃の高温環境下で潤滑させることを特徴とする。
上記グリース組成物として、上記初期酸価が2.0mgKOH/g以上のグリース組成物を用いることを特徴とする。
本発明のグリース組成物は、合成炭化水素油とエステル油との混合油であり、増ちょう剤は、ジイソシアネート成分と脂肪族モノアミン成分とを反応して得られる脂肪族ジウレア化合物であり、グリース組成物の初期酸価が2.0mgKOH/g以上であるので、後述の実施例に示すように、低騒音性、高温高速耐久性(グリース寿命の長寿命化)を両立することができる。上記グリース組成物において、脂肪族ジウレア化合物は上記基油への分散性に優れており、低騒音性に寄与する一方で、高速回転時に軟化(劣化)、漏洩などしやすく、長寿命化を図りにくいと考えられるが、グリース組成物の初期酸価を2.0mgKOH/g以上とすることで、低騒音性を維持しながら酸化劣化の進行を抑制でき、長寿命化を図ることができる。
添加剤は、硫黄(S)、リン(P)、および亜鉛(Zn)の元素を含み(好ましくは、硫黄(S)、リン(P)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、およびカルシウム(Ca)の元素を含み)、グリース組成物に含まれるこれら元素の合計量が、グリース組成物全量に対して0.50質量%以上であるので、初期酸価を2.0mgKOH/g以上にしやすく、鋼表面に吸着または化学反応して被膜を形成することで、高温環境下などでの酸化劣化を防ぎやすくなる。
グリース組成物に含まれる上記元素の合計量が、グリース組成物全量に対して1.5質量%以下であるので、グリース寿命の長寿命化をより図りやすい。
グリース組成物を高温環境下に曝した際の該グリース組成物の酸価の経時的変化は、初期酸価の値から低下した後、上昇していくという挙動を示すので、長期的なスパンでみて、最終的に劣化したと判断される酸価の値に到達するまでの時間を延長させることができ、結果として酸化劣化の進行を抑制できる。この挙動については、上記元素を含む添加剤由来の強力な酸成分が、基油の劣化生成物であるハイドロパーオキサイド(ROOH)を触媒的に分解するため、一時的に酸価の値が低下するものと考えられる。
本発明の転がり軸受は、本発明のグリース組成物が転動体の周囲に封入されるので、例えば、モータなどの電機機械に用いられる軸受に適しており、その電機機械の高温高速化や信頼性向上に寄与できる。
本発明の転がり軸受の潤滑方法は、転がり軸受を、合成炭化水素油およびエステル油の混合油からなる基油と脂肪族ジウレア化合物からなる増ちょう剤を含むグリース組成物によって潤滑させる潤滑方法であって、グリース組成物において、酸価の値を、初期酸価の値から低下させた後、上昇させるので、低騒音性を維持しながら酸化劣化の進行を抑制でき、長寿命化を図ることができる。
本発明の転がり軸受の一例である深溝玉軸受の断面図である。 本発明の転がり軸受を用いたモータの断面図である。 実施例1と比較例3のグリース組成物の酸価の経時的変化を示す図である。
一般的に、酸価はグリース組成物の劣化の指標に用いられている。通常、使用に伴ってグリース組成物の酸価は、初期酸価の値から徐々に上昇していき、ある程度以上になるとグリース組成物の酸化劣化が進行したと判断される。そのため、初期酸価を小さくするようにグリース組成物を設計するのが一般的である。本発明者は、低騒音性、高温高速耐久性を両立するべく、グリース組成物について鋭意検討を行った結果、グリース組成物の初期酸価を高く設定すると、結果として、高温環境下などでの酸化劣化の進行を抑制できることを新たに見い出した。本発明は、このような知見に基づくものである。
本発明のグリース組成物は、所定の基油と、所定の増ちょう剤と、添加剤を含み、初期酸価が2.0mgKOH/g以上である。
本発明のグリース組成物に用いる基油は、合成炭化水素油とエステル油との混合油である。これらの配合割合は特に限定されないが、例えば、質量比で合成炭化水素油:エステル油=(90:10)~(10:90)であり、(80:20)~(20:80)が好ましく、(70:30)~(30:70)であってもよい。例えば、一層の高温安定性の観点から、エステル油を合成炭化水素油よりも質量比で多く配合してもよい。
合成炭化水素油としてはポリ-α-オレフィン油(PAO油)がより好ましい。PAO油は、α-オレフィンまたは異性化されたα-オレフィンのオリゴマーまたはポリマーの混合物である。α-オレフィンの具体例としては、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、1-ドコセン、1-テトラドコセンなどが挙げられ、通常はこれらの混合物が使用される。
エステル油は、分子内にエステル基を有し室温で液状を示す化合物であり、例えば、ポリオールエステル油、リン酸エステル油、ポリマーエステル油、芳香族エステル油、炭酸エステル油、ジエステル油などが挙げられる。これらの中でも、芳香族エステル油、ポリオールエステル油、ポリマーエステル油が好ましい。
芳香族エステル油は、芳香族多塩基酸またはその誘導体と、高級アルコールとの反応で得られる化合物が好ましい。芳香族多塩基酸としては、トリメリット酸、ビフェニルトリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸などの芳香族トリカルボン酸、ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸などの芳香族テトラカルボン酸、またはこれらの酸無水物などの誘導体が挙げられる。高級アルコールとしては、オクチルアルコール、デシルアルコールなどの炭素数4以上の脂肪族1価アルコールが好ましい。芳香族エステル油の例としては、トリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテートなどが挙げられる。
ポリオールエステル油は、ポリオールと一塩基酸との反応で得られる分子内にエステル基を複数個有する化合物が好ましい。ポリオールに反応させる一塩基酸は単独で用いてもよく、また混合物として用いてもよい。なお、オリゴエステルの場合には二塩基酸を用いてもよい。ポリオールとしては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオールなどが挙げられる。一塩基酸としては、炭素数4~18の1価の脂肪酸が挙げられる。例えば、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、牛脂酸、ステアリン酸、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、サビニン酸、リシノール酸などが挙げられる。ポリオールエステル油の例としては、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2-エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネートなどが挙げられる。
上記基油の40℃における動粘度(混合油の動粘度)は、例えば30mm/s~90mm/sであり、30mm/s~70mm/sが好ましく、40mm/s~70mm/sがより好ましい。
本発明のグリース組成物に用いる増ちょう剤は、ジイソシアネート成分と脂肪族モノアミン成分とを反応して得られる脂肪族ジウレア化合物である。ジイソシアネート成分としては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜などが挙げられる。
脂肪族モノアミン成分としては、例えば炭素数6~24(好ましくは炭素数8~22)の直鎖状アミンを用いることができ、具体的には、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ドコシルアミンなどが挙げられる。
脂肪族モノアミン成分には、増ちょうさせやすいことから、2種類の異なる脂肪族モノアミンを用いることが好ましい。例えば、炭素数8~12の直鎖状アミンと炭素数18~22の直鎖状アミンを用いることができる。
基油に増ちょう剤としてジウレア化合物を配合してベースグリースが得られる。ジウレア化合物を増ちょう剤とするベースグリースは、基油中でジイソシアネート成分とモノアミン成分とを反応させて作製する。増ちょう剤は、基油と増ちょう剤との合計量(100質量%)に対して、例えば5質量%~30質量%であり、10質量%~20質量%が好ましく、10質量%~15質量%がより好ましく、11質量%~13質量%がさらに好ましい。
本発明のグリース組成物に用いる添加剤は、硫黄(S)、リン(P)、および亜鉛(Zn)の元素を含むことが好ましい。添加剤は、更に、バリウム(Ba)またはカルシウム(Ca)の元素を含むことがより好ましく、バリウム(Ba)およびカルシウム(Ca)の元素を含むことがさらに好ましい。本発明のグリース組成物に用いる添加剤として、複数種の添加剤が用いられてもよい。
グリース組成物に含まれる上記元素の合計量(例えば、5元素が含まれる場合は5元素の合計量)は、グリース組成物全量に対して0.50質量%以上であることが好ましく、0.60質量%以上であることがより好ましい。上記元素の合計量の上限は、特に限定されないが、例えば2.0質量%であり、1.5質量%以下であってもよく、1.0質量%以下であってもよい。
グリース組成物全量を基準とした各元素の含有量について、具体的に説明する。硫黄含有量は、例えば0.20質量%~1.0質量%であり、0.40質量%~0.80質量%が好ましい。リン含有量は、例えば0.10質量%~0.30質量%であり、0.10質量%~0.20質量%が好ましい。亜鉛含有量は、例えば0.10質量%~0.30質量%であり、0.10質量%~0.20質量%が好ましい。バリウム含有量は、例えば0.01質量%~0.20質量%であり、0.01質量%~0.10質量%が好ましい。カルシウム含有量は、例えば0.01質量%~0.20質量%であり、0.01質量%~0.10質量%が好ましい。
グリース組成物に含まれる各元素の含有量の大小関係は、(硫黄含有量)>(リン含有量または亜鉛含有量)>(バリウム含有量またはカルシウム含有量)であることが好ましい。
上述した各元素は主に添加剤に由来している。添加剤としては、例えば、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェートなどのリン酸エステルや、トリクレジルホスファイト、トリフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル、チオホスフェート、チオホスファイト、アルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)、ジチオカルバミン酸亜鉛(ZnDTC)、アルキルジチオリン酸モリブデン(MoDTP)などの極圧剤;Caスルホネート、Baスルホネートなどのスルホネート系防錆剤、脂肪酸、ナフテン酸、アルキルサリチル酸などのCa塩やBa塩であるカルボン酸塩系防錆剤などの防錆剤;硫黄系化合物などの酸化防止剤などが挙げられる。これらの添加剤は、上述した元素の含有量に応じて、適宜添加される。
本発明のグリース組成物では、上記添加剤(例えば金属系添加剤)などに起因して初期酸価が大きくなっており、その初期酸価は2.0mgKOH/g以上である。そのため、実施例に示すように、それよりも初期酸価が低いグリース組成物に比べて、特に高温環境下でのグリース寿命に優れる。グリース組成物の初期酸価は2.5mgKOH/g以上が好ましく、3.2mgKOH/g以上がより好ましく、4.0mgKOH/g以上であってもよい。
初期酸価は、JIS K 2501に準拠して測定される。初期酸価は、試料1g中に含まれる全酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム(mg)数と定義される。初期酸価の測定は、電位差滴定法で行われる。
後述の図3に示すように、上記グリース組成物を転がり軸受に封入して高温環境下で使用した場合において、該グリース組成物の酸価の経時的変化は、初期酸価の値から徐々に低下した後、徐々に上昇していくという挙動を示すことが好ましい。通常のグリース組成物は、使用に伴って、初期酸価の値から徐々に酸価の値が上昇していくという挙動を示すのに対して、図3に示すように、酸価の値が初期酸価の値から一旦低下して、その後上昇に転じるという挙動を示すことで、最終的に劣化したと判断される酸価の値に到達するまでの時間を延長させることができる。その結果、グリース組成物の酸化劣化の進行を抑制できる。
本発明のグリース組成物が上記挙動を示す場合において、酸価が低下する期間は、当該グリース組成物が曝される環境にもよるが、例えば使用開始から少なくとも1時間以上の期間であり、好ましくは24時間以上の期間である。また、酸価の経時的変化において、上記酸価は、例えば、初期酸価の値から1.0mgKOH/g以上(好ましくは2.0mgKOH/g以上)低下して、その結果1.0mgKOH/gを下回るような挙動を示す。
また、本発明のグリース組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、上記で列挙した元素を含まない添加剤をさらに配合してもよい。
本発明のグリース組成物の混和ちょう度(JIS K 2220)は、例えば220~300の範囲にあり、好ましくは240~280の範囲にある。
本発明のグリース組成物を封入してなる転がり軸受について、図1に基づいて説明する。図1は深溝玉軸受の断面図である。転がり軸受1は、外周面に内輪軌道面2aを有する内輪2と内周面に外輪軌道面3aを有する外輪3とが同心に配置され、内輪軌道面2aと外輪軌道面3aとの間に複数個の転動体4が配置される。この転動体4は、保持器5により保持される。また、内・外輪の軸方向両端開口部8a、8bがシール部材6によりシールされ、少なくとも転動体4の周囲に上述のグリース組成物7が封入される。内輪2、外輪3および転動体4は鉄系金属材料からなり、グリース組成物7が転動体4との軌道面に介在して潤滑される。
転がり軸受1において、内輪2、外輪3、転動体4の軸受部材を構成する鉄系金属材料は、軸受材料として一般的に用いられる任意の材料であり、例えば、高炭素クロム軸受鋼(SUJ1、SUJ2、SUJ3、SUJ4、SUJ5など;JIS G 4805)、浸炭鋼(SCr420、SCM420など;JIS G 4053)、ステンレス鋼(SUS440Cなど;JIS G 4303)、高速度鋼(M50など)、冷間圧延鋼などが挙げられる。
保持器5は、鉄系材料や樹脂材料から形成される。鉄系材料としては、保持器材として一般的に用いられる任意の材料を使用でき、例えば、保持器用冷間圧延鋼板(SPCC;JIS G 3141)、ステンレス鋼(SUS440Cなど;JIS G 4303)、保持器用炭素鋼(JIS G 4051)、保持器用高力黄銅鋳物(JIS H 5102)などが挙げられる。また、樹脂材料としては、例えば、フェノール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド66樹脂、ポリアミド46樹脂などのポリアミド樹脂を樹脂母材とし、炭素繊維、ガラス繊維などの強化繊維と、他の添加剤を配合した樹脂材料などが用いられる。
図1では軸受として玉軸受について例示したが、本発明の転がり軸受は、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、自動調心ころ軸受、針状ころ軸受、スラスト円筒ころ軸受、スラスト円すいころ軸受、スラスト針状ころ軸受、スラスト自動調心ころ軸受などとしても使用できる。
本発明の転がり軸受は、例えば、産業機械用、電装機器用、または電気自動車駆動用のモータの回転子を支持するものとして使用できる。本発明の転がり軸受を、例えばモータに適用した一例を図2に示す。図2はモータの構造の断面図である。モータは、ジャケット11の内周壁に配置されたモータ用マグネットからなる固定子12と、回転軸13に固着された巻線14を巻回した回転子15と、回転軸13に固定された整流子16と、ジャケット11に支持されたエンドフレーム19に配置されたブラシホルダ17と、このブラシホルダ17内に収容されたブラシ18と、を備えている。上記回転軸13は、深溝玉軸受1と、該軸受1のための支持構造とにより、ジャケット11に回転自在に支持されている。該軸受1が本発明の転がり軸受である。
本発明の転がり軸受を適用できるモータとしては、換気扇用モータ、燃料電池用ブロアモータ、クリーナモータ、ファンモータ、サーボモータ、ステッピングモータなどの産業機械用モータ、自動車のスタータモータ、電動パワーステアリングモータ、ステアリング調整用チルトモータ、ブロワーモータ、ワイパーモータ、パワーウィンドウモータなどの電装機器用モータ、電気自動車やハイブリッド自動車の駆動用モータなどが挙げられる。特に、静音性が要求され、かつ、高温高速回転で使用されるような軸受に好適であり、モータ用軸受に限定されない。
上述のように、本発明の転がり軸受は、高温かつ高速条件下での使用に適している。高温条件として、具体的には、軸受外輪の外径部温度が80℃以上であり、好ましくは100℃以上である。軸受外輪の外径部温度の上限は特に限定されないが、例えば200℃であり、180℃が好ましい。高速条件下として、具体的には、dm・n値が30×10以上であり、好ましくは70×10以上である。dm・n値の上限は特に限定されないが、例えば200×10であり、180×10である。例えば、EVやHEVの駆動用モータのグリース潤滑軸受は、100℃~150℃の高温条件、かつ、dm・n値が70×10~180×10の高速条件で使用される。本発明の転がり軸受はこのような使用環境下において、静音性やグリース寿命に優れる。
本発明の転がり軸受の潤滑方法は、転がり軸受を、合成炭化水素油およびエステル油の混合油からなる基油と脂肪族ジウレア化合物からなる増ちょう剤を含むグリース組成物によって潤滑させる潤滑方法であって、グリース組成物において、酸価の値を、初期酸価の値から低下させた後、上昇させることを特徴としている。軸受潤滑時において、グリース組成物の酸価の値を、初期酸価の値から低下させた後、上昇させる手法として、例えば、単一のグリース組成物を用いて潤滑させる手法を採用できる。また、予め封入されているグリース組成物に対して、途中に、他の潤滑組成物(他のグリース組成物または潤滑油組成物)や添加剤を給油、添加してもよい。上記潤滑方法において、転がり軸受を80℃~200℃の高温環境下で潤滑させることが好ましい。また、上記潤滑方法において、グリース組成物として、初期酸価が2.0mgKOH/g以上のグリース組成物を用いることが好ましく、上述した本発明のグリース組成物を用いることがより好ましい。
また、本発明の知見によれば、グリース組成物の高温高速耐久性を評価することができる。具体的には、この評価方法は、グリース組成物の初期酸価を測定し、その初期酸価に基づいてグリース組成物の高温高速耐久性を評価することを特徴とする。ここで、高温高速耐久性を評価するとは、該グリース組成物を高温高速条件に付した際のグリース寿命の優劣を判断することである。後述の実施例に示すように、初期酸価の結果と、高温高速耐久性試験におけるグリース寿命には相関が見られることから、例えば、初期酸価が高い(例えば初期酸価が2.0mgKOH/g以上)グリース組成物は、初期酸価が低い(例えば初期酸価が2.0mgKOH/g未満)グリース組成物よりも高温高速耐久性に優れると判断することができる。なお、当該評価においては、ベースグリースの組成が同じグリース組成物間で比較することがより好ましい。
表1および表2に示す組成のグリース組成物をそれぞれ調製した。表1および表2中、基油と増ちょう剤の含有量は、ベースグリース(基油+増ちょう剤)に対する含有率(質量%)を示している。各元素(S、P、Zn、Ba、Ca)の含有量は、グリース組成物全量に対する含有率(質量%)を示している。なお、この含有率は、あらかじめ各元素の検量線を作成した蛍光X線分析法によって測定した。表1および表2では、合成炭化水素油としてPAO油が用いられている。なお、表1下記の1)~4)は、表2においても同じである。
<初期酸価の測定>
各グリース組成物の初期酸価をJIS K2501に準拠して測定した。具体的には、電位差滴定法で測定した。終点はpH11.65であった。
<フレッチング試験>
各グリース組成物を単式スラスト玉軸受51204の内部に1.0g塗布し、室温下で、振動数30Hz、揺動角12°、アキシアル荷重2450Nの条件で振動させた。試験開始から2時間後の軸受摩耗量(重量減少量)を測定した。摩耗量の評価について、2mg未満を「A」、2~3mg未満を「B」、3mg以上を「C」として表1および表2に併記する。
<音響試験>
各グリース組成物を封入した玉軸受608(内径8mm、外径22mm、幅7mm)を用意して、この軸受に7.8Nのアキシアル荷重をかけ、1800min-1で30秒運転し、振動値G(RMS値)を測定した。振動値Gの評価について、25mG未満を「A」、25~30mG未満を「B」、30mG以上を「C」として表1および表2に併記する。
<高温高速耐久性試験>
各グリース組成物を玉軸受6204(内径20mm、外径47mm、幅14mm)に1.8g(全空間の38%に相当)封入して、試験用軸受を作製した。得られた試験用軸受を、軸受外輪の外径部温度150℃、アキシアル荷重67N、ラジアル荷重67Nの条件下で、10000min-1の回転速度で回転させて、モータ電流値上昇が+2Aに至るまでの時間を測定した。この条件のdm・n値は、約34×10である。グリース寿命時間の評価について、5000時間超えを「A」、3000時間超えを「B」、2000~3000時間を「C」、2000時間未満を「D」として表1および表2に併記する。
Figure 2024040060000002
Figure 2024040060000003
表1に示すように、合成炭化水素油とエステル油との混合油からなる基油と、脂肪族ジウレア化合物からなる増ちょう剤と、添加剤とを含み、初期酸価が2.0mgKOH/g以上のグリース組成物である実施例1~4は、いずれの試験でも良好な結果を示した。特に、初期酸価がより高い実施例3~4は、実施例1~2に比べて、グリース寿命がより優れる結果となった。
表1に示すように、ベースグリースが同じ組成であっても、初期酸価が2.0未満の場合は、グリース寿命が顕著に低下した(比較例1~3)。また、表2に示すように、初期酸価が2.0mgKOH/g以上であっても、ベースグリースの要件を満たさないグリース組成物では、各種特性をバランスよく発揮することが困難であった(比較例4、7、8、9)。
続いて、運転時間に伴うグリース組成物の劣化の状態を確認するべく、実施例1と比較例3について、上記高温高速耐久性試験において試験を一定時間ごとに停止して、軸受内のグリース組成物を採取して、その運転時間における酸価を測定した。結果を表3に示し、それをプロットした図を図3に示す。
Figure 2024040060000004
図3に示すように、比較例3は、酸価が、初期酸価(0.3mgKOH/g)の値から時間経過とともに徐々に上昇していき、最終的に10mgKOH/gを上回った。これに対して、実施例1は、酸価が、初期酸価(3.4mgKOH/g)の値から運転時間100時間後までは低下し、その後徐々に増加し、運転時間500時間後付近で初期酸価の値に到達した。その後、酸価はさらに上昇していった。運転時間2000時間後でも10mgKOH/g未満であった。このような挙動が、特に、グリース寿命に影響していると考えられる。なお、例えば150℃に調整された恒温槽の高温環境下に長時間曝した場合であっても、実施例1のグリース組成物の酸価の経時的変化は、図3に示すような挙動を示す。
以上より、本発明のグリース組成物は、所定の基油、所定の増ちょう剤、初期酸価を組み合わせることにより、低騒音性と高速高温回転での長寿命化の両立を実現した。
本発明のグリース組成物は、静音性、高温高速耐久性を両立できるので、例えば、回転電気機械用転がり軸受、EVやHEVの駆動用モータ用軸受などに好適に利用できる。
1 転がり軸受
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 保持器
6 シール部材
7 グリース
8a、8b 開口部
11 ジャケット
12 固定子
13 回転軸
14 巻線
15 回転子
16 整流子
17 ブラシホルダ
18 ブラシ
19 エンドフレーム

Claims (12)

  1. 基油と増ちょう剤と添加剤を含むグリース組成物であって、
    前記基油が合成炭化水素油とエステル油との混合油であり、前記増ちょう剤が脂肪族ジウレア化合物であり、前記グリース組成物の初期酸価が2.0mgKOH/g以上であることを特徴とするグリース組成物。
  2. 前記添加剤は、硫黄(S)、リン(P)、および亜鉛(Zn)の元素を含み、前記グリース組成物に含まれるこれら元素の合計量が、前記グリース組成物全量に対して0.50質量%以上であることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
  3. 前記添加剤は、硫黄(S)、リン(P)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、およびカルシウム(Ca)の元素を含み、前記グリース組成物に含まれるこれら元素の合計量が、前記グリース組成物全量に対して0.50質量%以上であることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
  4. 前記グリース組成物に含まれる前記元素の合計量が、前記グリース組成物全量に対して1.5質量%以下であることを特徴とする請求項2または請求項3記載のグリース組成物。
  5. 前記グリース組成物を高温環境下に曝した際の該グリース組成物の酸価の経時的変化は、前記初期酸価の値から低下した後、上昇していくという挙動を示すことを特徴とする請求項1または請求項2記載のグリース組成物。
  6. 前記脂肪族ジウレア化合物は、ジイソシアネート成分と2種類の異なる脂肪族モノアミンとを反応して得られる脂肪族ジウレア化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のグリース組成物。
  7. 前記添加剤は、硫黄(S)、リン(P)、亜鉛(Zn)、バリウム(Ba)、およびカルシウム(Ca)の元素を含み、前記グリース組成物に含まれるこれら元素の合計量が、前記グリース組成物全量に対して0.50質量%以上1.5質量%以下であり、
    前記脂肪族ジウレア化合物は、ジイソシアネート成分と2種類の異なる脂肪族モノアミンとを反応して得られる脂肪族ジウレア化合物であり、
    前記基油の40℃における動粘度が40mm/s~70mm/sであることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
  8. 内輪と、外輪と、該内輪および外輪の間に介在する複数の転動体と、該転動体の周囲に封入されたグリース組成物とを有する転がり軸受であって、
    前記グリース組成物が請求項1または請求項2記載のグリース組成物であることを特徴とする転がり軸受。
  9. モータ用軸受であることを特徴とする請求項8記載の転がり軸受。
  10. 転がり軸受を、合成炭化水素油およびエステル油の混合油からなる基油と脂肪族ジウレア化合物からなる増ちょう剤を含むグリース組成物によって潤滑させる潤滑方法であって、
    前記グリース組成物において、酸価の値を、初期酸価の値から低下させた後、上昇させることを特徴とする転がり軸受の潤滑方法。
  11. 前記転がり軸受を80℃~200℃の高温環境下で潤滑させることを特徴とする請求項10記載の転がり軸受の潤滑方法。
  12. 前記グリース組成物として、前記初期酸価が2.0mgKOH/g以上のグリース組成物を用いることを特徴とする請求項10または請求項11記載の転がり軸受の潤滑方法。
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