JP2024039343A - 電解質、二次電池、電池パック、車両及び定置用電源 - Google Patents

電解質、二次電池、電池パック、車両及び定置用電源 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた充放電効率および放電容量を示す二次電池を実現できる電解質、優れた充放電効率および放電容量を示す二次電池、この二次電池を備えた電池パック、並びに、この電池パックを備えた車両および定置用電源を提供すること。【解決手段】実施形態によれば、水系溶媒を含む電解質が提供される。水系溶媒は、水とリン酸エステルとを含む。水系溶媒に対するリン酸エステルの含有量は、1 mol%以上2.5 mol%未満である。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、電解質、二次電池、電池パック、車両及び定置用電源に関する。
負極活物質として炭素材料又はリチウムチタン酸化物を、正極活物質としてニッケル、コバルト及びマンガン等を含有する層状酸化物を用いた非水電解質電池、特にリチウム二次電池が、幅広い分野における電源として既に実用化されている。このような非水電解質電池の形態は、各種電子機器用などの小型の物から、電気自動車用などの大型の物まで多岐にわたる。これらリチウム二次電池の電解液には、ニッケル水素電池又は鉛蓄電池と異なり、エチレンカーボネートやメチルエチルカーボネートなどが混合された非水系の有機溶媒が用いられている。これらの溶媒を用いた電解液は、水溶液電解液よりも耐酸化性および耐還元性が高く、溶媒の電気分解が起こりにくい。そのため、非水系のリチウム二次電池では、2V~4.5Vの高い起電力を実現することができる。
一方で、有機溶媒の多くは可燃性物質であるため、有機溶媒を用いた二次電池の安全性は、水溶液を用いた二次電池に比べて原理的に劣りやすい。有機溶媒を含む電解液を用いたリチウム二次電池の安全性を向上させるために種々の対策がなされているものの、必ずしも十分とはいえない。また、非水系のリチウム二次電池は、製造工程において、ドライ環境が必要になるため、製造コストが必然的に高くなる。そのほか、有機溶媒を含む電解液は導電性が劣るので、非水系のリチウム二次電池の内部抵抗が高くなりやすい。このような課題は、電池安全性及び電池コストが重要視される電気自動車又はハイブリッド電気自動車、更には電力貯蔵向けの大型蓄電池用途においては、大きな欠点となっている。
非水系二次電池の課題を解決するために、水溶液電解質を用いた二次電池が提案されている。しかし、水溶液電解質の電気分解により、集電体から活物質が容易に剥離し得るため、二次電池の動作が安定せず、満足な充放電を行うには課題があった。満足な充放電を行うために、水溶液電解質を使用する場合、電池の充放電を実施する電位範囲を、溶媒として含まれている水の電気分解反応が起こらない電位範囲に留めることで対処できる。例えば、正極活物質としてリチウムマンガン酸化物を使用し、負極活物質としてリチウムバナジウム酸化物を用いることで、水溶媒の電気分解を回避できる。これらの組み合わせの場合、1V~1.5V程度の起電力が得られるものの、電池として十分なエネルギー密度は得られにくい。
対照的に、正極活物質としてリチウムマンガン酸化物を使用し、負極活物質としてLiTi24、Li4Ti512などといったリチウムチタン酸化物を用いると、理論的には2.6V~2.7V程度の起電力が得られ、エネルギー密度の観点からも魅力的な電池になりうる。このような正負極材料の組み合わせを採用した非水系のリチウムイオン電池では優れた寿命性能が得られ、このような電池は既に実用化されている。
しかしながら、水溶液電解質においては、リチウムチタン酸化物のリチウム挿入脱離の電位は、リチウム電位基準にて約1.5V(vs.Li/Li+)であるため、水溶液電解質の電気分解が起こりやすい。特に負極においては、負極集電体、又は負極と電気的に接続されている金属製の外装缶の表面での電気分解による水素発生が激しく、その影響で集電体から活物質が容易に剥離し得る。そのため、このような電池では動作が安定せず、満足な充放電が不可能であった。
スピネル型リチウムチタン酸化物Li4Ti512(TLO)を含め、多くのチタン含有酸化物の動作電位が水の電解電位よりも低い。そのため、例えば、TLOなどのチタン含有酸化物を負極活物質として用い且つ電解液に水を多く含む二次電池では、水の電気分解で発生した水素の気泡により負極活物質が剥離するだけでなく、負極活物質へのキャリア(例えば、リチウムイオン等のアルカリ金属イオン)の挿入反応と水の電気分解によるプロトン(水素カチオン;H)の還元反応とが競合する。その結果、二次電池の充放電効率や放電容量が低下する。
特開2020-038818号公報 特開2022-049455号公報 特開2015-159122号公報 特開2017-50148号公報
本発明が解決しようとする課題は、優れた充放電効率および放電容量を示す二次電池を実現できる電解質、優れた充放電効率および放電容量を示す二次電池、この二次電池を備えた電池パック、並びに、この電池パックを備えた車両および定置用電源を提供することである。
実施形態によれば、水系溶媒を含む電解質が提供される。水系溶媒は、水とリン酸エステルとを含む。水系溶媒に対するリン酸エステルの含有量は、1 mol%以上2.5 mol%未満である。
他の実施形態によれば、負極と、正極と、上記実施形態に係る電解質を具備する二次電池が提供される。
さらに他の実施形態によれば、上記実施形態に係る二次電池を具備する電池パックが提供される。
またさらに他の実施形態によれば、上記実施形態に係る電池パックを具備する車両が提供される。
またさらに他の実施形態によれば、上記実施形態に係る電池パックを具備する定置用電源が提供される。
実施形態に係る二次電池の一例を概略的に示す断面図。 図1に示す二次電池のII-II線に沿った断面図。 実施形態に係る二次電池の他の例を概略的に示す部分切欠斜視図。 実施形態に係る二次電池の更に他の例を概略的に示す部分切欠斜視図。 図4に示す二次電池の一態様のE部を拡大した断面図。 図4に示す二次電池の他の態様のE部を拡大した断面図。 実施形態に係る組電池の一例を概略的に示す斜視図。 実施形態に係る電池パックの一例を概略的に示す斜視図。 実施形態に係る電池パックの他の例を概略的に示す分解斜視図。 図9に示す電池パックの電気回路の一例を示すブロック図。 実施形態に係る車両の一例を概略的に示す断面図。 実施形態に係る定置用電源を含むシステムの一例を示すブロック図。
水溶液系の電解質を用いた二次電池において、電解質に含む電解質塩(例えば、リチウム塩)の濃度を高くすることで、電極での水分解を抑制できることが知られている。しかし、電解質塩の濃度が高いと電極に対する電解質の濡れ性が低くなり、電極への電解質の含浸性も低下する。電極への電解質の不十分な含浸は、充放電の速度、効率、及び容量などといった電池性能の低下の一因になる。
また、負極表面に緻密性が高い隔膜を設けて負極を水から遮断することが水分解の抑制手段として知られているが、このような隔膜を設けた負極に対しては、高濃度電解質の含浸性がより低い傾向がある。特に高い緻密性を有する隔膜としては、例えば、固体電解質膜が挙げられる。固体電解質膜は、イオン伝導性を有する固体電解質粒子のみからなる膜である。固体電解質膜は特定のイオンを選択的に透過させるものの溶媒が固体電解質膜を透過することが難しいため、固体電解質膜は遮水性を発揮する。他にも、固体電解質粒子同士を高分子材料により結着させたポリマー複合膜が提案されている。ポリマー複合膜は、固体電解質膜より遮水性が低いものの、高い緻密性を有し、且つ、微量の水系電解質を保持できる。また、ポリマー複合膜は、固体電解質膜と比較して、柔軟性に優れ、薄膜化も可能である。
液状電解質の電極への濡れ性を改善する方法として、電解質への界面活性剤の添加が知られている。界面活性剤の添加には、界面活性剤の経時変化や界面活性剤自体が正極にて分解する結果電池性能が劣化し得るといった懸念がある。
以下、実施の形態について適宜図面を参照して説明する。なお、実施の形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施の形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術とを参酌して、適宜設計変更することができる。
また、断りがなければ、pHなどの測定値は25℃で測定した場合の値を記載している。
(第1実施形態)
第1実施形態によると、電解質が提供される。電解質は、水とリン酸エステルとを含んだ水系溶媒を含む。水系溶媒は、リン酸エステルを水系溶媒に対し1 mol%以上2.5 mol%未満の含有量で含有する。
係る電解質は、例えば、二次電池用の電解質であり得る。より具体的には、水系電解質電池用の水系電解質であり得る。また、二次電池は、例えば、リチウム二次電池(リチウムイオン二次電池)又はナトリウム二次電池(ナトリウムイオン二次電池)であり得る。
係る電解質は、溶質として電解質塩を含み得る。電解質塩は、リチウムイオンやナトリウムイオン等といったキャリアイオンの塩、例えば、リチウム塩やナトリウム塩を含み得る。
電解質は、例えば、液状水系電解質であり得る。液状水系電解質は、溶質としての電解質塩を水系溶媒に溶解することにより調製される水溶液である。電解質は、ゲル状水系電解質であってもよい。ゲル状水系電解質は、上述した液状水系電解質と、高分子化合物とを混合して複合化することにより調製される。高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、及びポリエチレンオキシド(PEO)等を挙げることができる。
実施形態に係る電解質は、リン酸エステルを溶媒に含んでいることで電極に対する濡れ性が高い。例えば、電極が含む活物質含有層に対する電解質の濡れ性が高い。また、水を遮断するための隔膜を有する電極に対しても、隔膜に対する電解質の濡れ性が高い。即ち、電極における隔膜の有無に関わらず、係る電解質は電極に対し高い濡れ性を示す。
電解質の電極に対する濡れ性が高いことは、即ち電解質の電極への含浸性が高いということを意味する。電極のより細部にまで電解質が浸透し、電極活物質と電解質との接触効率が向上するので、より高い電池性能を得ることができる。具体的には、例えば、充放電効率および放電容量に優れた電池を実現できる。
リン酸エステルは、界面活性剤と比較して劣化しにくい。またリン酸エステルは、N-メチル-2-ピロリドンやγ-ブチロラクトンなど他の有機溶媒に比べ、電解質の電極に対する濡れ性を向上させる効果が大きい。リン酸エステルの例として、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、及びリン酸トリブチルを挙げることができる。また、他の例として上記リン酸エステルの水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されたフッ素置換リン酸エステルを挙げることができる。係る電解質は、これらリン酸エステル及びフッ素置換リン酸エステルからなる群より選択される少なくとも一つを含み得る。
係る電解質は、溶媒として、少なくとも水とリン酸エステルとを含んだ混合溶媒を含んでいる。電解質は、リン酸エステルを水系溶媒全体のうち1mol%以上含んでいることで、上述した高い濡れ性を発揮できる。リン酸エステルの含有量が水系溶媒全体のうち2.5mol%未満であることで、電解質塩の溶解性が良好になる。そのため、電解質塩の濃度を高くしても電池不良の原因となり得る電解質塩の析出が生じる懸念が無く、水の電気分解を抑制することができる。電解質塩に対するリン酸エステルのモル比が0.03以上0.1以下であることが好ましい。
水系溶媒は、主成分として水を含む。水系溶媒は、例えば、水系溶媒の全体に対し95 mol%以上99 mol%以下の割合で水を含み得る。
電解質塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩又はこれらの混合物を用いることができる。
リチウム塩として、例えば、塩化リチウム(LiCl)、臭化リチウム(LiBr)、水酸化リチウム(LiOH)、硫酸リチウム(Li2SO4)、硝酸リチウム(LiNO3)、酢酸リチウム(CH3COOLi)、シュウ酸リチウム(Li224)、炭酸リチウム(Li2CO3)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)(LiTFSI;LiN(SO2CF3)2)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI;LiN(SO2F)2)、及びリチウムビスオキサレートボラート(LiBOB:LiB[(OCO)2]2)などを用いることができる。
ナトリウム塩としては、塩化ナトリウム(NaCl)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、水酸化ナトリウム(NaOH)、硝酸ナトリウム(NaNO3)及びナトリウムトリフルオロメタンスルホニルアミド(NaTFSA)などを用いることができる。
水系電解質におけるキャリアイオン(例えば、リチウムイオン又はナトリウムイオン)のモル濃度は、4mol/L以上であることが好ましく、9mol/以上であることがより好ましく、12mol/L以上であることがさらに好ましい。電解質中のキャリアイオンの濃度が高いと、負極における水系溶媒の電気分解が抑制されやすく、負極からの水素発生が少ない傾向にある。係る電解質はリン酸エステルを含んでいることによってイオン濃度が高くても電極に対する濡れ性が高くなるため、電極内への含浸性が良好である。
また、キャリアイオン塩以外に、B,P,Al,La,Zr,Ge,Zn,Sn,Ga,Pb,In,Bi,Tl,Cu,Cd及びAgから成る群より選択される1以上の元素Aを含んだ塩を電解質に添加しても良い。このような化合物を電解質に添加することで、負極において元素Aを単元素、酸化物、水酸化物、塩基性炭酸化合物、又は硫酸化合物として含有する被覆層が形成され得る。これら元素Aを含有する部材は、それらが形成された電極における水素発生を抑える効果を発揮する。
電解質のpHは、3以上14以下であることが好ましく、4以上13以下であることがより好ましい。pHは25℃で測定した値である。
<<電解質の測定>>
以下に、電解質の性質を測定する方法を説明する。
測定対象の電解質が、例えば、作製済みの電池に含まれている場合、次のようにして電解質を抽出する。電池を放電後、電池を解体し、電解質を抽出して測定試料を得る。例えば、電池を解体して電極群を取り出す。電極群に含まれている電解質を抽出して、測定試料を得る。
<リン酸エステルの定量>
電解質中のリン酸エステルの同定と定量は、例えば、以下に述べる方法により実施できる。電池を解体し、電解質を抽出する。抽出した電解質に対しヘキサンによる抽出を実施し、電解質中の有機溶媒を取り分ける。取り分けた有機溶媒に対して、ガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)測定を実施することで、電解質中のリン酸エステルを同定できる。
加えて、プロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルを測定することで、電解質中の水とリン酸エステルのモル比を算出できる。抽出した電解質を、そのまま適当な重水素化溶媒に溶解させ、H NMRスペクトルを測定する。H NMRスペクトルでは、ピーク面積が水素原子数に比例するので、水分子のOH基が含むプロトン(-O“H”)に帰属されるピークの面積と、リン酸エステルのアルキル基が含むプロトン(-(C“H”)C“H”)に帰属されるピークの面積比から、水分子とリン酸エステルのモル比を算出できる。
<pHの測定方法>
電解質のpHの測定方法は、次の通りである。二次電池を解体して電解質を抽出し、液量を測定後、pHメータでpH値を測定する。pH測定は、例えば以下のように行う。この測定には、例えば(株)堀場製作所製のF-74を使用する。まず、pH4.0、7.0及び9.0の標準液を用意する。次に、これら標準液を用いて、F-74の校正を行う。測定対象の電解質(電解液)を適量調製したものを容器に入れ、pHを測定する。pHの測定後に、F-74のセンサー部を洗浄する。別の測定対象を測定する際は、上述した手順、即ち、校正、測定及び洗浄をその都度実施する。
第1実施形態に係る電解質は、リン酸エステルを1 mol%以上2.5 mol%未満含有する水系溶媒を含んでいる。当該電解質は、優れた充放電効率および優れた放電容量を示すことができる二次電池を実現できる。
(第2実施形態)
第2実施形態によると、二次電池が提供される。二次電池は、負極と、正極と、第1実施形態に係る電解質とを具備する。
当該二次電池は、例えば、リチウム二次電池(リチウムイオン二次電池)であり得る。また、二次電池は、ナトリウム二次電池(ナトリウムイオン二次電池)であり得る。二次電池には、水系電解質(例えば、水溶液電解質)を含んだ水系電解質二次電池が含まれる。つまり二次電池は、水系電解質リチウムイオン二次電池または水系電解質ナトリウムイオン二次電池であり得る。
係る二次電池は、負極と正極との間に位置する隔膜をさらに具備することができる。二次電池において、負極、正極、及び隔膜は、電極群を構成することができる。二次電池は、電極群および電解質を収容可能な外装部材を更に具備することができる。また、二次電池は、負極に電気的に接続された負極端子及び正極に電気的に接続された正極端子を更に具備することができる。
隔膜は、負極と正極とを電気的に絶縁するセパレータとして機能する。二次電池は、隔膜に加え、隔膜とは独立した他のセパレータをさらに含んでいてもよい。他のセパレータは、例えば、隔膜と正極との間に設けられ得る。他のセパレータにも、水系電解質が含浸され得る。
以下、負極、正極、隔膜、他のセパレータ、外装部材、負極端子及び正極端子について詳細に説明する。
(1)負極
負極は、負極集電体と負極活物質含有層とを含むことができる。負極活物質含有層は、負極集電体の片側の主面に又は表裏両側の主面に設けられ得る。負極活物質含有層は、負極活物質と、任意に導電剤及び結着剤を含むことができる。
負極は、負極活物質としてチタン含有酸化物を含み得る。負極活物質に用いるチタン含有酸化物としては、リチウムイオン挿入-脱離電位が、リチウムの酸化-還元電位を基準とする電位で1V(vs.Li/Li)以上3V以下(vs.Li/Li)である化合物を用いることができる。係る二次電池では、第1実施形態に係る電解質を含むことで負極での自己放電および水素発生を抑制できる。そのため、負極活物質が上記のような低い電位を有するチタン含有酸化物を含んでいても、水系電解質中で適切に充放電を行うことができる。
チタン含有酸化物としては、チタン酸化物、リチウムチタン複合酸化物、単斜晶型ニオブチタン酸化物、ナトリウムニオブチタン複合酸化物などを使用することができる。負極活物質は、チタン含有酸化物を1種、又は2種以上含むことができる。
チタン酸化物は、例えば、単斜晶構造のチタン酸化物、ルチル構造のチタン酸化物、又はアナターゼ構造のチタン酸化物を含む。各結晶構造のチタン酸化物は、充電前の組成をTiO2、充電後の組成をLixTiO2(添字xは0≦x≦1)で表すことができる。また、単斜晶構造のチタン酸化物の充電前構造をTiO(B)と表すことができる。
リチウムチタン酸化物は、例えば、スピネル構造のリチウムチタン酸化物(例えば一般式Li4+xTi512で表され-1≦x≦3である化合物)及びラムスデライト構造のリチウムチタン酸化物(例えば、Li2+xTi37で表され-1≦x≦3である化合物、Li1+xTi24で表され0≦x≦1である化合物、Li1.1+xTi1.84で表され0≦x≦1である化合物、Li1.07+xTi1.864で表され0≦x≦1である化合物、及びLixTiO2で表され0<x≦1である化合物)などを含む。また、リチウムチタン酸化物は、異種元素が導入されているリチウムチタン複合酸化物であってもよい。
単斜晶型ニオブチタン酸化物の例として、LixTi1-yM1yNb2-zM2z7+δで表される化合物が挙げられる。ここで、M1は、Zr,Si,及びSnからなる群より選択される少なくとも1つである。M2は、V,Ta,及びBiからなる群より選択される少なくとも1つである。組成式中のそれぞれの添字は、0≦x≦5、0≦y<1、0≦z<2、-0.3≦δ≦0.3である。単斜晶型ニオブチタン酸化物の具体例として、LixNb2TiO7(0≦x≦5)が挙げられる。
単斜晶型ニオブチタン酸化物の他の例として、LixTi1-yM3y+zNb2-z7-δで表される化合物が挙げられる。ここで、M3は、Mg,Fe,Ni,Co,W,Ta,及びMoからなる群より選択される少なくとも1つである。組成式中のそれぞれの添字は、0≦x≦5、0≦y<1、0≦z<2、-0.3≦δ≦0.3である。
単斜晶型ニオブチタン酸化物のさらに他の例として、例えば、Nb2TiO7、Nb2Ti29、Nb10Ti229、Nb14TiO37及びNb24TiO62を挙げることができる。単斜晶型ニオブチタン酸化物は、Nb及び/又はTiの少なくとも一部が異種元素に置換された置換ニオブチタン酸化物であってもよい。置換元素の例は、Na、K、Ca、Co、Ni、Si、P、V、Cr、Mo、Ta、Zr、Mn、Fe、Mg、B、Pb及びAlなどである。置換ニオブチタン酸化物は、1種類の置換元素を含んでいてもよく、2種類以上の置換元素を含んでいてもよい。
ナトリウムニオブチタン複合酸化物は、例えば、一般式Li2+xNa2-aM4bTi6-c-dNbcM5dO14+δで表され、0≦x≦4、0≦a<2、0≦b<2、0<c<6、0≦d<3、c+d<6、-0.5≦δ≦0.5、M4はCs,K,Sr,Ba,Caからなる群より選択される1以上を含み、M5はZr,Sn,V,Ta,Mo,W,Fe,Co,Mn,Alからなる群より選択される1以上を含む直方晶(orthorhombic)型Na含有ニオブチタン複合酸化物を含む。
負極活物質としては、アナターゼ構造のチタン酸化物、単斜晶構造のチタン酸化物、スピネル構造のリチウムチタン酸化物又はこれらの混合物を用いることが好ましい。これらの酸化物を負極活物質として用いた負極を、例えば、正極活物質としてリチウムマンガン複合酸化物を用いた正極と組み合わせることで、高い起電力を得ることができる。
負極活物質は、例えば、粒子の形態で負極活物質含有層に含まれている。負極活物質粒子は、一次粒子、一次粒子の凝集体である二次粒子、あるいは、単独の一次粒子及び二次粒子の混合物であり得る。粒子の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、球状、楕円形状、扁平形状、及び繊維状などにすることができる。
負極活物質の一次粒子の平均粒子径(直径)は3μm以下であることが好ましく、より好ましい平均一次粒子径は0.01μm以上1μm以下である。負極活物質の二次粒子の平均粒子径(直径)は30μm以下であることが好ましく、より好ましい平均二次粒子径は5μm以上20μm以下である。
この一次粒子径及び二次粒子径は、レーザー回折式の粒度分布測定装置により求めた粒度分布において、体積積算値が50%となる粒径を意味している。レーザー回折式の粒度分布測定装置としては、例えば、島津SALD-300を用いる。測定に際しては、2秒間隔で64回光度分布を測定する。この粒度分布測定を行う際の試料としては、負極活物質粒子の濃度が0.1質量%乃至1質量%となるようにN-メチル-2-ピロリドンで希釈した分散液を用いる。あるいは、測定試料としては、0.1gの負極活物質を、界面活性剤を含む1mL-2mLの蒸留水に分散させたものを用いる。
導電剤は、集電性能を高め、且つ、活物質と集電体との接触抵抗を抑えるために配合される。導電剤の例には、気相成長カーボン繊維(Vapor Grown Carbon Fiber;VGCF)、アセチレンブラックなどのカーボンブラック及び黒鉛のような炭素質物が含まれる。その他、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバーなどといった繊維状炭素材料を、導電剤として用いることができる。これらの1つを導電剤として用いてもよく、或いは、2つ以上を組み合わせて導電剤として用いてもよい。あるいは、導電剤を用いる代わりに、活物質粒子の表面に、炭素コートや電子導電性無機材料コートを施してもよい。
結着剤は、分散された活物質の間隙を埋め、また、活物質と負極集電体とを結着させるために配合される。結着剤の例には、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene;PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride;PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジェンゴム、ポリアクリル酸化合物、イミド化合物、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose;CMC)、及びCMCの塩が含まれる。これらの1つを結着剤として用いてもよく、或いは、2つ以上を組み合わせて結着剤として用いてもよい。
負極活物質含有層中の負極活物質、導電剤、及び結着剤の配合割合は、負極活物質が70質量%以上95質量%以下、導電剤が3質量%以上20質量%以下、結着剤が2質量%以上10質量%以下の範囲であることが好ましい。導電剤の配合割合が3質量%以上であると、負極活物質含有層の集電性能を向上させることができる。また、結着剤の配合割合が2質量%以上であると、十分な電極強度が得られる。結着剤は、絶縁体として機能し得る。そのため、結着剤の配合割合が10質量%以下であると電極内の絶縁部を減少させることができる。
負極活物質含有層の密度(集電体を含まず)は、1.8g/cm3以上2.8g/cm3以下であることが好ましい。負極活物質含有層の密度がこの範囲内にある負極は、エネルギー密度と電解質の保持性とに優れている。負極活物質含有層の密度は、2.1g/cm3以上2.6g/cm3以下であることがより好ましい。
負極集電体は、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、及び亜鉛(Zn)からなる群より選択される少なくとも1つを含む箔であることが好ましい。負極集電体の形態としては、箔以外にも、例えばメッシュ及び多孔体などが挙げられる。エネルギー密度及び出力向上のためには、体積が小さく、表面積が大きい箔の形態が望ましい。
負極集電体の厚さは、5μm以上20μm以下であることが好ましい。このような厚さを有する集電体は、電極の強度と軽量化のバランスをとることができる。
また、負極集電体は、その表面に負極活物質含有層が設けられていない部分を含むことができる。この部分は、負極集電タブとして働くことができる。或いは、負極集電体とは別体の負極集電タブを負極に電気的に接続してもよい。
負極は、例えば、次の方法により作製することができる。先ず、負極活物質、導電剤及び結着剤を溶媒に懸濁してスラリーを調製する。このスラリーを、負極集電体の片面又は表裏両面に塗布する。次いで、塗布したスラリーを乾燥させて、負極活物質含有層と負極集電体との積層体を得る。その後、この積層体にプレスを施す。このようにして、負極を作製する。
或いは、負極は、次の方法により作製してもよい。まず、負極活物質、導電剤及び結着剤を混合して、混合物を得る。次いで、この混合物をペレット状に成形する。次いで、これらのペレットを負極集電体上に配置することにより、負極を得ることができる。
(2)正極
正極は、正極集電体と、正極活物質含有層とを含むことができる。正極活物質含有層は、正極集電体の片側の主面又は表裏両側の主面に設けられ得る。正極活物質含有層は、正極活物質と、任意に導電剤及び結着剤を含むことができる。
正極活物質としては、例えば、酸化物又は硫化物を用いることができる。正極は、正極活物質として、1種類の化合物を単独で含んでいてもよく、或いは2種類以上の化合物を組み合わせて含んでいてもよい。酸化物及び硫化物の例には、アルカリ金属又はアルカリ金属イオンを挿入及び脱離させることができる化合物を挙げることができる。
このような化合物としては、例えば、二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LixMn24又はLixMnO2;0<x≦1)、リチウムニッケル複合酸化物(例えば、LixNiO2;0<x≦1)、リチウムコバルト複合酸化物(例えば、LixCoO2;0<x≦1)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えば、LixNi1-yCoy2;0<x≦1、0<y<1)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えば、LixMnyCo1-y2;0<x≦1、0<y<1)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えば、LixMn2-yNiy4;0<x≦1、0<y<2)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(例えばLixFePO4;0<x≦1、LixFe1-yMnyPO4;0<x≦1、0<y<1、LixCoPO4;0<x≦1)、硫酸鉄(Fe2(SO4)3)、バナジウム酸化物(例えばV25)、及び、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LixNi1-y-zCoyMnz2;0<x≦1、0<y<1、0<z<1、y+z<1)が含まれる。
上記のうち、正極活物質としてより好ましい化合物の例には、スピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn24;0<x≦1)、リチウムニッケル複合酸化物(例えば、LixNiO2;0<x≦1)、リチウムコバルト複合酸化物(例えば、LixCoO2;0<x≦1)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えば、LixNi1-yCoy2;0<x≦1、0<y<1)、スピネル構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えば、LixMn2-yNiy4;0<x≦1、0<y<2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えば、LixMnyCo1-y2;0<x≦1、0<y<1)、リチウムリン酸鉄(例えばLixFePO4;0<x≦1)、及び、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LixNi1-y-zCoyMnz2;0<x≦1、0<y<1、0<z<1、y+z<1)が含まれる。これらの化合物を正極活物質に用いると、正極電位を高めることができる。
正極活物質の一次粒子径は、100nm以上1μm以下であることが好ましい。一次粒子径が100nm以上の正極活物質は、工業生産上の取り扱いが容易である。一次粒子径が1μm以下の正極活物質は、リチウムイオンの固体内拡散をスムーズに進行させることが可能である。
正極活物質の比表面積は、0.1m2/g以上10m2/g以下であることが好ましい。0.1m2/g以上の比表面積を有する正極活物質は、Liイオンの吸蔵・放出サイトを十分に確保できる。10m2/g以下の比表面積を有する正極活物質は、工業生産の上で取り扱い易く、かつ良好な充放電サイクル性能を確保できる。
結着剤は、分散された正極活物質の間隙を埋め、また、正極活物質と正極集電体とを結着させるために配合される。結着剤の例には、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene;PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride;PVdF)、フッ素系ゴム、ポリアクリル酸化合物、イミド化合物、カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose;CMC)、及びCMCの塩が含まれる。これらの1つを結着剤として用いてもよく、或いは、2つ以上を組み合わせて結着剤として用いてもよい。
導電剤は、集電性能を高め、且つ、正極活物質と正極集電体との接触抵抗を抑えるために配合される。導電剤の例には、気相成長カーボン繊維(Vapor Grown Carbon Fiber;VGCF)、アセチレンブラックなどのカーボンブラック及び黒鉛のような炭素質物が含まれる。これらの1つを導電剤として用いてもよく、或いは、2つ以上を組み合わせて導電剤として用いてもよい。また、導電剤を省略することもできる。
正極活物質含有層において、正極活物質及び結着剤は、それぞれ、80質量%以上98質量%以下、及び2質量%以上20質量%以下の割合で配合することが好ましい。
結着剤の量を2質量%以上にすることにより、十分な電極強度が得られる。また、結着剤は、絶縁体として機能し得る。そのため、結着剤の量を20質量%以下にすると、電極に含まれる絶縁体の量が減るため、内部抵抗を減少できる。
導電剤を加える場合には、正極活物質、結着剤及び導電剤は、それぞれ、77質量%以上95質量%以下、2質量%以上20質量%以下、及び3質量%以上15質量%以下の割合で配合することが好ましい。
導電剤の量を3質量%以上にすることにより、上述した効果を発揮することができる。また、導電剤の量を15質量%以下にすることにより、電解質と接触する導電剤の割合を低くすることができる。この割合が低いと、高温保存下において、電解質の分解を低減することができる。
正極集電体は、チタン、アルミニウム及びステンレスなどの金属箔、又は、Mg、Ti、Zn、Ni、Cr、Mn、Fe、Cu及びSiから選択される1以上を含むアルミニウム合金箔であることが好ましい。集電体と電解質との反応による集電体の腐食を防止するために、集電体表面を異種元素で被覆してもよい。
正極集電体の厚さは、5μm以上20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。
また、正極集電体は、その表面に正極活物質含有層が設けられていない部分を含むことができる。この部分は、正極集電タブとして働くことができる。或いは、正極集電体とは別体の正極集電タブを正極に電気的に接続してもよい。
正極は、例えば次の方法により作製することができる。まず、正極活物質、導電剤及び結着剤を溶媒に懸濁してスラリーを調製する。このスラリーを、正極集電体の片面又は表裏両面に塗布する。次いで、塗布したスラリーを乾燥させて、正極活物質含有層と正極集電体との積層体を得る。その後、この積層体にプレスを施す。このようにして、正極を作製する。
或いは、正極は、次の方法により作製してもよい。まず、正極活物質、導電剤及び結着剤を混合して、混合物を得る。次いで、この混合物をペレット状に成形する。次いで、これらのペレットを正極集電体上に配置することにより、正極を得ることができる。
(3)隔膜
隔膜は、負極と正極との間に設けることができ、負極と正極との電気的な接触を防ぐ。即ち、隔膜は、負極と正極とを電気的に絶縁するセパレータとして機能する。また、隔膜は、負極および正極の少なくとも一方と接していてもよい。隔膜は、負極または正極に担持されていてもよい。例えば、隔膜は、負極または正極の活物質含有層の面上に形成されたものであり得る。
隔膜として、無機固体粒子と高分子材料とを含む膜、例えば、無機固体粒子と高分子材料との複合膜、或いはイオン交換膜を使用することもできる。無機固体粒子は、例えば、固体電解質の粒子であり得、上記膜は固体電解質膜であり得る。固体電解質膜は、例えば、固体電解質粒子を高分子材料を用いて膜状に成形した固体電解質複合膜であり得る。
隔膜の厚さは、内部短絡が生じにくいという観点からは、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、7μm以上であることが更に好ましい。また、隔膜の厚さは、イオン伝導性及びエネルギー密度を高めるという観点からは、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることが更に好ましい。
隔膜に含ませることのできる無機固体粒子としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、イットリア、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウムなどの酸化物系セラミックス、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ランタン、炭酸セリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、石膏、硫酸バリウムなどの炭酸塩および硫酸塩、水酸燐灰石、リチウムリン酸塩、リン酸ジルコニウム、リン酸チタニウムなどのリン酸塩、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックスなどが例として挙げられる。以上に挙げた無機粒子は水和物の形態をとっていてもよい。
無機固体粒子は、アルカリ金属イオンのイオン伝導性を有する固体電解質粒子を含むことが好ましい。具体的には、リチウムイオン及びナトリウムイオンに対するイオン伝導性を有する無機固体粒子がより好ましい。ここでいうリチウムイオン伝導性を有するとは、25℃で1×10-6 S/cm以上のリチウムイオン伝導度を示すことを指す。リチウムイオン伝導度は、例えば、交流インピーダンス法により測定できる。このような無機固体粒子を用いることで、リチウムイオン伝導性またはナトリウムイオン伝導性を有する隔膜を得ることができる。
リチウムイオン伝導性を有する無機固体粒子としては、例えば、酸化物系固体電解質、又は硫化物系固体電解質を挙げることができる。酸化物系固体電解質としては、NASICON(Sodium (Na) Super Ionic Conductor)型構造を有し、一般式Li1+xMα2(PO4)3で表されるリチウムリン酸固体電解質を用いることが好ましい。上記一般式中のMαは、例えば、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ストロンチウム(Sr)、ジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、及びカルシウム(Ca)からなる群より選択される1以上である。添字xは、0≦x≦2の範囲内にある。
NASICON型構造を有するリチウムリン酸固体電解質の具体例としては、Li1+xAlxTi2-x(PO4)3で表され0.1≦x≦0.5であるLATP化合物;Li1+xAlyMβ2-y(PO4)3で表されMβはTi,Ge,Sr,Zr,Sn,及びCaからなる群より選択される1以上であり0≦x≦1及び0≦y≦1である化合物;Li1+xAlxGe2-x(PO4)3で表され0≦x≦2である化合物;Li1+xAlxZr2-x(PO4)3で表され0≦x≦2である化合物;Li1+x+yAlxMγ2-xSiy3-y12で表されMγはTi及びGeからなる群より選択される1以上であり0<x≦2、0≦y<3である化合物;及びLi1+2xZr1-xCax(PO4)3で表され0≦x<1である化合物を挙げることができる。Li1+2xZr1-xCax(PO4)3は、耐水性が高く、還元性及びコストが低いことから、無機固体電解質粒子として用いることが好ましい。
また、酸化物系固体電解質としては、上記リチウムリン酸固体電解質の他にも、LixPOyzで表され2.6≦x≦3.5、1.9≦y≦3.8、及び0.1≦z≦1.3であるアモルファス状のLIPON化合物(例えば、Li2.9PO3.30.46);ガーネット型構造のLa5+xxLa3-xMδ212で表されAはCa,Sr,及びBaからなる群より選択される1以上でMδはNb及びTaからなる群より選択される1以上であり0≦x≦0.5である化合物;Li3Mδ2-x212で表されMδはNb及びTaからなる群より選択される1以上でありLはZrを含み得0≦x≦0.5である化合物;Li7-3xAlxLa3Zr312で表され0≦x≦0.5である化合物;Li5+xLa3Mδ2-xZrx12で表されMδはNb及びTaから成る群より選択される1以上であり0≦x≦2であるLLZ化合物(例えば、Li7La3Zr212);及びペロブスカイト型構造を有しLa2/3-xLixTiO3で表され0.3≦x≦0.7である化合物が挙げられる。固体電解質は、1種類であってもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
また、ナトリウムイオンのイオン伝導性を有する無機固体粒子としては、ナトリウム含有固体電解質を用いてもよい。ナトリウム含有固体電解質は、ナトリウムイオンのイオン伝導性に優れている。ナトリウム含有固体電解質としては、β-アルミナ、ナトリウムリン硫化物、及びナトリウムリン酸化物などを挙げることができる。ナトリウムイオン含有固体電解質は、ガラスセラミックスの形態にあることが好ましい。
無機固体粒子の形状は特に限定されないが、例えば、球状、楕円形状、扁平形状、又は繊維状などにすることができる。
無機固体粒子の平均粒子径は、15μm以下であることが好ましく、12μm以下であることがより好ましい。無機固体粒子の平均粒子径が小さいと、隔膜の緻密性を高めることができる。
無機固体粒子の平均粒子径は、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。無機固体粒子の平均粒子径が大きいと、粒子同士の凝集が抑制される傾向にある。
なお、無機固体粒子の平均粒子径は、レーザー回折式の粒度分布測定装置により求めた粒度分布において、体積積算値が50%となる粒径を意味している。この粒度分布測定を行う際の試料としては、無機固体粒子の濃度が0.01質量%乃至5質量%となるようにエタノールで希釈した分散液を用いる。
隔膜において無機固体粒子は、単一の種類のものを用いてもよく、複数種類を混合して用いてもよい。
隔膜において、無機固体粒子は主成分であることが好ましい。隔膜における無機固体粒子の割合は、複合膜のイオン伝導性を高めるという観点からは、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることが更に好ましい。隔膜における無機固体粒子の割合は、隔膜の膜強度を高めるという観点からは、98質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることが更に好ましい。隔膜における無機固体粒子の割合は、熱重量(TG)分析により算出できる。
隔膜に含まれる高分子材料は、無機固体粒子同士の結着性を高める。高分子材料の重量平均分子量は、例えば、3000以上である。高分子材料の重量平均分子量が3000以上であると、無機固体粒子の結着性をより高められる。高分子材料の重量平均分子量は、3000以上5000000以下であることが好ましく、5000以上2000000以下であることがより好ましく、10000以上1000000以下であることが更に好ましい。高分子材料の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)により求めることができる。
高分子材料は、単一のモノマーユニットからなる重合体(ポリマー)、複数のモノマーユニットからなる共重合体(コポリマー)、又はこれらの混合物であり得る。高分子材料は、酸素(O)、硫黄(S)、窒素(N)、及びフッ素(F)からなる群より選択される1以上を含む官能基を有する炭化水素で構成されるモノマーユニットを含んでいることが好ましい。高分子材料において、モノマーユニットで構成された部分が占める割合は70モル%以上であることが好ましい。以下、このモノマーユニットを、第1モノマーユニットと称する。また、共重合体において、第1モノマーユニット以外のものを、第2モノマーユニットと称する。第1モノマーユニットと第2モノマーユニットとの共重合体は、交互共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよく、又は、ブロック共重合体であってもよい。
高分子材料において、第1モノマーユニットで構成された部分が占める割合が70モル%より低いと、複合膜の遮水性が低下するおそれがある。高分子材料において、第1モノマーユニットで構成された部分の割合は、90モル%以上であることが好ましい。高分子材料は、第1モノマーユニットで構成された部分の割合が100モル%、すなわち、第1モノマーユニットのみからなる重合体であることが最も好ましい。
第1モノマーユニットは、酸素(O)、硫黄(S)、窒素(N)、及びフッ素(F)からなる群より選択される1以上の元素を含む官能基を側鎖に有し、主鎖が炭素-炭素結合により構成された化合物であってもよい。炭化水素は、酸素(O)、硫黄(S)、窒素(N)、及びフッ素(F)からなる群より選択される1以上の元素を含む官能基を、1以上有していてもよい。第1モノマーユニットにおける上記官能基は、複合膜を通過するアルカリ金属イオンの伝導性を高める。
第1モノマーユニットを構成する炭化水素は、酸素(O)、硫黄(S)、及び窒素(N)からなる群より選択される1以上を含む官能基を有することが好ましい。第1モノマーユニットが、このような官能基を有すると、複合膜におけるアルカリ金属イオンの伝導性がより高まり、内部抵抗が低まる傾向にある。
第1モノマーユニットに含まれる官能基としては、ホルマール基、ブチラール基、カルボキシメチルエステル基、アセチル基、カルボニル基、水酸基及びフルオロ基からなる群より選択される1以上を含むことが好ましい。また、第1モノマーユニットは、カルボニル基及び水酸基の少なくとも一方を官能基に含むことがより好ましく、両方を含むことが更に好ましい。
第1モノマーユニットは、下記式により表すことができる。
上記式において、R1は、水素(H)、アルキル基、及びアミノ基からなる群より選択されることが好ましい。また、R2は、水酸基(-OH)、-OR1、-COOR1、-OCOR1、-OCH(R1)O-、-CN、-N(R1)3、及び-SO21からなる群より選択されることが好ましい。
第1モノマーユニットとしては、例えば、ビニルホルマール、ビニルアルコール、酢酸ビニル、ビニルアセタール、ビニルブチラール、アクリル酸及びその誘導体、メタクリル酸及びその誘導体、アクリロニトリル、アクリルアミド及びその誘導体、スチレンスルホン酸、ポリフッ化ビニリデン、及びテトラフルオロエチレンからなる群より選択される1以上を挙げることができる。
高分子材料は、ポリビニルホルマール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン、及びポリテトラフルオロエチレンからなる群より選択される1以上を含むことが好ましい。
第2モノマーユニットとは、第1モノマーユニット以外の化合物、すなわち、酸素(O)、硫黄(S)、窒素(N)、及びフッ素(F)からなる群より選択される1以上を含む官能基を有さないか、又は、この官能基を有していても炭化水素ではないものである。第2モノマーユニットとしては、例えば、エチレンオキシド及びスチレンを挙げることができる。第2モノマーユニットからなる重合体としては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)及びポリスチレン(PS)を挙げることができる。
第1モノマーユニット及び第2モノマーユニットに含まれる官能基の種類は、赤外線分光分析法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy;FT-IR)により同定できる。また、第1モノマーユニットが炭化水素からなることは、核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance;NMR)により判断できる。また、第1モノマーユニットと第2モノマーユニットとの共重合体において、第1モノマーユニットで構成された部分が占める割合は、NMRにより算出できる。
隔膜における高分子材料の割合は、隔膜の可撓性を高めるという観点からは、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが更に好ましい。また、高分子材料の割合が多い方が、隔膜の緻密度が高くなりやすい。
また、隔膜における高分子材料の割合は、隔膜のキャリアイオン伝導性を高めるという観点からは、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが更に好ましい。隔膜における高分子材料の割合は、熱重量(TG)分析により算出することができる。
隔膜に含ませる高分子材料としては、単一の種類のものを用いてもよく、複数種類を混合して用いてもよい。
隔膜は、無機固体粒子及び高分子材料の他に、可塑剤や電解質塩を含んでも良い。例えば、隔膜が電解質塩を含むと、隔膜のアルカリ金属イオン伝導性をより高めることができる。
隔膜は、例えば、次のようにして電極上に形成することができる。
隔膜を形成するためのスラリーを準備する。隔膜形成用スラリーは、無機固体粒子と、高分子材料と、溶媒とを混合して得られた混合物を撹拌することにより得られる。
溶媒としては、高分子材料を溶解可能なものを用いることが好ましい。溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチルなどのエステル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテートなどのグリコール類;メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトールなどのグリコールエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、バレロニトリル、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクタムなどの非プロトン性極性溶媒;ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン、ガンマカプロラクトン、イプシロンカプロラクトンなどの環状カルボン酸エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ-n-プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、n-プロピルイソプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル-n-プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート化合物を用いる。
隔膜形成用スラリーを、例えば、負極または正極の一方の主面にて活物質含有層上に、例えば、ドクターブレード法により塗工して塗膜を得る。または、隔膜形成用スラリーを負極または正極の表裏両方の主面にて負極活物質含有層上に塗工して、各主面上に塗膜を得てもよい。各々の主面に塗工する隔膜形成用スラリーは、同一の組成を有してもよく、それぞれ異なる組成を有してもよい。また、負極に塗布するスラリーと正極に塗布するスラリーとは、同一の組成を有してもよく、それぞれ異なる組成を有してもよい。この塗膜を50℃以上150℃以下の温度で乾燥させる。このようにして、乾燥後の塗膜が、電極の片面または両面にて活物質含有層に設けられた積層体を得る。
次に、この積層体を、ロールプレス処理に供する。ロールプレス処理に際しては、例えば、上下に2つのローラーを備えたプレス装置を用いる。このようなプレス装置を用いることで、電極の両面に塗膜を設けた場合は、両方の塗膜を同時にプレスに供することができる。この際、ローラーの加熱温度は、所望の構造に合わせて適宜変更できる。
以上のようにして、隔膜を担持する電極を得ることができる。なお、上記プレス装置を用いれば電極両面に設けられた塗膜を同時にロールプレス処理することができるが、ロールプレス処理は片面ずつ行ってもよい。電極の片面にのみ塗膜を設けた場合でも、上記した上下に2つのローラーを備えたプレス装置を用いることができる。
また、活物質含有層の形成と隔膜の形成とを同時に行ってもよい。例えば、活物質含有層を形成するためのスラリーを集電体に塗布した後、当該スラリーが乾燥する前に、重ねて隔膜形成用スラリーを塗布してもよい。両方のスラリーを乾燥させた後、得られた積層体を適宜プレスに供することで、隔膜を担持する電極を得ることができる。
(4)他のセパレータ
他のセパレータとしては、例えば、不織布、又は、自立型多孔質膜を用いることができる。不織布又は自立型多孔質膜の材料としては、例えば、ポリエチレン(polyethylene;PE)、ポリプロピレン(polypropylene;PP)、セルロース、又はポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride;PVdF)を用いる。他のセパレータは、セルロース製の不織布であることが好ましい。
他のセパレータの厚さは、例えば、1μm以上であり、好ましくは3μm以上である。他のセパレータが厚い方が、二次電池の内部短絡が生じにくくなる。他のセパレータの厚さは、例えば、30μm以下であり、好ましくは10μm以下である。他のセパレータが薄い方が、二次電池の内部抵抗がより低く、二次電池の体積エネルギー密度が高まる傾向にある。
(5)外装部材
負極、正極、及び電解質が収容される外装部材には、金属製容器、ラミネートフィルム製容器、又は樹脂製容器を使用することができる。
金属製容器としては、ニッケル、鉄、及びステンレスなどからなる金属缶で角形、円筒形の形状のものが使用できる。樹脂製容器としては、ポリエチレン又はポリプロピレンなどからなるものを用いることができる。
樹脂製容器及び金属製容器のそれぞれの板厚は、0.05mm以上1mm以下の範囲内にあることが好ましい。板厚は、より好ましくは0.5mm以下であり、更に好ましくは0.3mm以下である。
ラミネートフィルムとしては、例えば、金属層を樹脂層で被覆した多層フィルムなどを挙げることができる。金属層の例に、ステンレス箔、アルミニウム箔、及びアルミニウム合金箔が含まれる。樹脂層には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、及びポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子を用いることができる。ラミネートフィルムの厚さは、0.01mm以上0.5mm以下の範囲内にあることが好ましい。ラミネートフィルムの厚さは、より好ましくは0.2mm以下である。
(6)負極端子
負極端子は、例えば、上述の負極活物質のアルカリ金属イオン挿入-脱離電位において電気化学的に安定であり、かつ導電性を有する材料から形成されることができる。具体的には、負極端子の材料としては、亜鉛、銅、ニッケル、ステンレス若しくはアルミニウム、又は、Mg,Ti,Zn,Mn,Fe,Cu,及びSiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。負極端子の材料としては、亜鉛又は亜鉛合金を用いることが好ましい。負極端子は、負極集電体との接触抵抗を低減するために、負極集電体と同様の材料からなることが好ましい。
(7)正極端子
正極端子は、例えば、リチウムの酸化-還元電位に対し3V以上4.5V以下の電位範囲(vs.Li/Li)において電気的に安定であり、且つ導電性を有する材料から形成することができる。正極端子の材料としては、チタン、アルミニウム、或いは、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。正極端子は、正極集電体との接触抵抗を低減するために、正極集電体と同様の材料から形成されることが好ましい。
実施形態に係る二次電池は、角形、円筒形、扁平型、薄型、コイン型等の様々な形態で使用され得る。また二次電池は、バイポーラ構造を有する二次電池であってもよい。バイポーラ構造を有する二次電池には、複数直列のセルを1個のセルで作製できるという利点がある。
以下、実施形態に係る二次電池の詳細を、図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る二次電池の一例を概略的に示す断面図である。図2は、図1に示す二次電池のII-II線に沿った断面図である。
電極群1は、矩形筒状の金属製容器からなる外装部材2内に収納されている。電極群1は、負極3とセパレータ4と正極5とを含む。電極群1は、正極5を及び負極3の間にセパレータ4を介在させて偏平形状となるように渦巻き状に捲回した構造を有する。電解質(図示しない)は、電極群1に保持されている。図1に示すように、電極群1の端面に位置する負極3の端部の複数箇所それぞれに帯状の負極リード16が電気的に接続されている。また、この端面に位置する正極5の端部の複数箇所それぞれに帯状の正極リード17が電気的に接続されている。この複数ある負極リード16は、図2に示すとおり一つに束ねられた状態で負極端子6と接続されている。また、図示しないが正極リード17も同様に、一つに束ねられた状態で正極端子7と電気的に接続されている。
金属製の封口板10は、金属製の外装部材2の開口部に溶接等により固定されている。負極端子6及び正極端子7は、それぞれ、封口板10に設けられた取出穴から外部に引き出されている。封口板10の各取出穴の内周面には、負極端子6及び正極端子7との接触による短絡を回避するために、それぞれ負極ガスケット8及び正極ガスケット9が配置されている。負極ガスケット8及び正極ガスケット9を配置することで、二次電池100の気密性を維持できる。
封口板10には制御弁11(安全弁)が配置されている。水系溶媒の電気分解により発生したガスに起因して電池セルにおける内圧が高まった場合には、制御弁11から発生ガスを外部へと放散できる。制御弁11としては、例えば内圧が設定値よりも高くなった場合に作動し、内圧が低下すると封止栓として機能する復帰式のものを使用することができる。或いは、一度作動すると封止栓としての機能が回復しない非復帰式の制御弁を使用してもよい。図4では、制御弁11が封口板10の中央に配置されているが、制御弁11の位置は封口板10の端部であってもよい。制御弁11は省略してもよい。
また、封口板10には注液口12が設けられている。電解質は、この注液口12を介して注液され得る。注液口12は、電解質が注液された後、封止栓13により塞がれ得る。注液口12及び封止栓13は省略してもよい。
図3に、二次電池の他の例を示す。この例では、セパレータ4を含む代わりに隔膜44が負極3に担持されている。隔膜44は、負極3と正極5との間に位置する。その他の詳細は図1に示した例と同様であるため、説明を省略する。
図4は、実施形態に係る二次電池の更に他の例を概略的に示す部分切欠斜視図である。図5は、図4に示す二次電池の一態様のE部を拡大した断面図である。図4は、外装部材として、ラミネートフィルム製外装部材を用いた二次電池100の一例を示している。
図4に示す二次電池100は、電極群1と、外装部材2と、図示しない水系電解質とを具備する。電極群1及び水系電解質は、外装部材2内に収納されている。水系電解質は、電極群1に保持されている。
外装部材2は、2つの樹脂層とこれらの間に介在した金属層とを含むラミネートフィルムからなる。
電極群1は、図5に示すように、積層型の電極群である。積層型の電極群1は、負極3と正極5とをその間にセパレータ4を介在させながら交互に積層した構造を有している。
電極群1は、複数の負極3を含んでいる。複数の負極3は、それぞれが、負極集電体3aと、負極集電体3aの両面に担持された負極活物質含有層3bとを備えている。また、電極群1は、複数の正極5を含んでいる。複数の正極5は、それぞれが、正極集電体5aと、正極集電体5aの両面に担持された正極活物質含有層5bとを備えている。
各負極3の負極集電体3aは、その一辺において、いずれの表面にも負極活物質含有層3bが担持されていない部分を含む。この部分は、負極集電タブ3cとして働く。図5に示すように、負極集電タブ3cは、正極5と重なっていない。また、複数の負極集電タブ3cは、帯状の負極端子6に電気的に接続されている。帯状の負極端子6の先端は、外装部材2の外部に引き出されている。
また、図示しないが、各正極5の正極集電体5aは、その一辺において、いずれの表面にも正極活物質含有層5bが担持されていない部分を含む。この部分は、正極集電タブとして働く。正極集電タブは、負極集電タブ3cと同様に、負極3と重なっていない。また、正極集電タブは、負極集電タブ3cに対し電極群1の反対側に位置する。正極集電タブは、帯状の正極端子7に電気的に接続されている。帯状の正極端子7の先端は、負極端子6とは反対側に位置し、外装部材2の外部に引き出されている。
図4に示した二次電池100の他の態様のE部を拡大した断面図を図6に示す。この態様では、セパレータ4を含む代わりに隔膜44が負極3に担持されている。負極3と隔膜44は、負極複合体500を構成している。電極群1は、複数の負極複合体500を含んでいる。各々の負極複合体500は、負極3と、負極3の両面に担持された隔膜44とを含んでいる。各負極3は、負極集電体3aと、負極集電体3aの両面に担持された負極活物質含有層3bとを備えている。各々の隔膜44は、負極3の負極活物質含有層3bにそれぞれ担持されている。その他の詳細は図5に示した態様と同様であるため、説明を省略する。
<負極活物質の測定>
負極が含む負極活物質は、SEM-EDXによる元素分析、ICP発光分光法、及びX線回折(X-Ray Diffraction;XRD)測定を組合わせることにより、同定することができる。SEM-EDX分析により、活物質含有層に含まれている成分の形状、及び活物質含有層に含まれている成分の組成比率(周期表におけるB~Uの各元素)を知ることができる。ICP測定により、活物質含有層中の元素を定量できる。そしてXRD測定により活物質含有層に含まれている材料の結晶構造を確認できる。
先ず、二次電池を分解する。例えば、初回充電を実施済みの二次電池を放電した後、この電池を解体して負極を取り出す。取り出した負極を純水で30分間洗浄する。その後、80℃の温度環境下で24時間真空乾燥させる。乾燥後、温度を25℃に戻し、負極試料を得る。
負極試料の断面を、Arイオンミリングにより切り出す。切り出した断面を、SEMにて観察する。試料のサンプリングについても大気に触れないようにし、アルゴンや窒素など不活性雰囲気で行う。3000倍のSEM観察像にて、幾つかの粒子を選定する。この際、選定した粒子の粒度分布ができるだけ広くなるように選定する。
次に、選定したそれぞれの粒子について、EDXによる元素分析を行う。これにより、選定したそれぞれの粒子に含まれる元素のうちLi以外の元素の種類及び量を特定することができる。
Liについては、ICP発光分光法により、活物質全体におけるLiの含有量についての情報を得ることができる。ICP発光分光法は、以下の手順に従って行う。
乾燥させた負極から、次のようにして粉末試料を準備する。負極活物質含有層を負極集電体から剥がし、乳鉢ですりつぶす。すりつぶした試料を酸で溶解して、液体サンプルを調製する。このとき、酸としては塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素などを使用できる。この液体サンプルをICP発光分光分析に供することで、測定対象の活物質に含まれていた元素の濃度を知ることができる。
SEMで選定したそれぞれの粒子に含まれている化合物の結晶構造は、XRD測定により特定することができる。XRD測定は、CuKα線を線源として、2θ=5°~90°の測定範囲で行う。この測定により、選定した粒子に含まれる化合物のX線回折パターンを得ることができる。
XRD測定の装置としては、Rigaku社製SmartLabを用いる。測定条件は以下の通りとする:
X線源:Cuターゲット
出力:45kV、200mA
ソーラスリット:入射及び受光共に5°
ステップ幅(2θ):0.02deg
スキャン速度:20deg/分
半導体検出器:D/teX Ultra 250
試料板ホルダー:平板ガラス試料板ホルダー(厚さ0.5mm)
測定範囲:5°≦2θ≦90°の範囲。
その他の装置を使用する場合は、粉末X線回折用標準Si粉末を用いた測定を行って、上記装置によって得られる結果と同等のピーク強度、半値幅及び回折角の測定結果が得られる条件を見つけ、その条件で試料の測定を行う。
XRD測定の条件は、リートベルト解析に適用できるXRDパターンを取得できる条件とする。リートベルト解析用のデータを収集するには、具体的にはステップ幅が回折ピークの最小半値幅の1/3-1/5となるようにし、最強度反射のピーク位置における強度が5000cps以上となるように適宜、測定時間またはX線強度を調整する。
以上のようにして得られたXRDパターンを、リートベルト法によって解析する。リートベルト法では、あらかじめ推定した結晶構造モデルから回折パターンを計算する。ここでの結晶構造モデルの推定は、EDX及びICPによる分析結果に基づいて行う。この計算値と実測値とを全てフィッティングすることにより、結晶構造に関するパラメータ(格子定数、原子座標、占有率等)を精密に分析することができる。
XRD測定は、広角X線回折装置のガラスホルダーに負極試料を直接貼り付けて測定することによって行うことができる。このとき、負極集電体の金属箔の種類に応じてあらかじめXRDスペクトルを測定しておき、どの位置に集電体由来のピークが現れるかを把握しておく。また、導電剤や結着剤といった合材のピークの有無もあらかじめ把握しておく。集電体のピークと活物質のピークが重なる場合、集電体から活物質含有層を剥離して測定することが望ましい。これは、ピーク強度を定量的に測定する際、重なったピークを分離するためである。もちろん、これらを事前に把握できているのであれば、この操作を省略することができる。
第2実施形態に係る二次電池は、負極と、正極と、電解質とを具備する。電解質は、第1実施形態に係る電解質である。当該二次電池は、優れた充放電効率および優れた放電容量を示す。
(第3実施形態)
第3実施形態によると、組電池が提供される。係る組電池は、第2実施形態に係る二次電池を複数個具備している。
係る組電池において、各単電池は、電気的に直列若しくは並列に接続して配置してもよく、又は直列接続及び並列接続を組み合わせて配置してもよい。
次に、実施形態に係る組電池の一例について、図面を参照しながら説明する。
図7は、組電池の一例を概略的に示す斜視図である。図示する組電池200は、5つの単電池100a~100eと、4つのバスバー21と、正極側リード22と、負極側リード23とを具備している。5つの単電池100a~100eのそれぞれは、第2実施形態に係る二次電池である。
バスバー21は、例えば、1つの単電池100aの負極端子6と、隣に位置する単電池100bの正極端子7とを接続している。このようにして、5つの単電池100は、4つのバスバー21により直列に接続されている。すなわち、図7の組電池200は、5直列の組電池である。例を図示しないが、電気的に並列に接続されている複数の単電池を含む組電池では、例えば、複数の負極端子同士がバスバーにより接続されるとともに複数の正極端子同士がバスバーにより接続されることで、複数の単電池が電気的に接続され得る。
5つの単電池100a~100eのうち少なくとも1つの電池の正極端子7は、外部接続用の正極側リード22に電気的に接続されている。また、5つの単電池100a~100eうち少なくとも1つの電池の負極端子6は、外部接続用の負極側リード23に電気的に接続されている。
第3実施形態に係る組電池は、第2実施形態に係る二次電池を具備する。そのため、当該組電池は、優れた充放電効率および優れた放電容量を示すことができる。
(第4実施形態)
第4実施形態によると、電池パックが提供される。この電池パックは、第3実施形態に係る組電池を具備している。この電池パックは、第3実施形態に係る組電池の代わりに、単一の第2実施形態に係る二次電池を具備していてもよい。
係る電池パックは、保護回路を更に具備することができる。保護回路は、二次電池の充放電を制御する機能を有する。或いは、電池パックを電源として使用する装置(例えば、電子機器、自動車等)に含まれる回路を、電池パックの保護回路として使用してもよい。
また、係る電池パックは、通電用の外部端子を更に具備することもできる。通電用の外部端子は、外部に二次電池からの電流を出力するため、及び/又は二次電池に外部からの電流を入力するためのものである。言い換えれば、電池パックを電源として使用する際、電流が通電用の外部端子を通して外部に供給される。また、電池パックを充電する際、充電電流(自動車などの動力の回生エネルギーを含む)は通電用の外部端子を通して電池パックに供給される。
次に、実施形態に係る電池パックの一例について、図面を参照しながら説明する。
図8は実施形態に係る電池パックの一例を概略的に示す斜視図である。
電池パック300は、例えば、図4に示す二次電池からなる組電池を備える。電池パック300は、筐体310と、筐体310内に収容された組電池200とを含む。組電池200は、複数(例えば5個)の二次電池100が電気的に直列に接続されたものである。二次電池100は、厚さ方向に積層されている。筐体310は、上部及び4つの側面それぞれに開口部320を有している。二次電池100の負極端子6及び正極端子7が突出している側面が、筐体310の開口部320に露出している。組電池200の出力用正極端子332は、帯状をなし、一端が二次電池100のいずれかの正極端子7と電気的に接続され、かつ他端が筐体310の開口部320から突出して筐体310の上部から突き出ている。一方、組電池200の出力用負極端子333は、帯状をなし、一端が二次電池100いずれかの負極端子6と電気的に接続され、かつ他端が筐体310の開口部320から突出して筐体310の上部から突き出ている。
係る電池パックの別の例を図9及び図10を参照して詳細に説明する。図9は、実施形態に係る電池パックの他の例を概略的に示す分解斜視図である。図10は、図9に示す電池パックの電気回路の一例を示すブロック図である。
図9及び図10に示す電池パック300は、収容容器31と、蓋32と、保護シート33と、組電池200と、プリント配線基板34と、配線35と、図示しない絶縁板とを備えている。
図9に示す収容容器31は、長方形の底面を有する有底角型容器である。収容容器31は、保護シート33と、組電池200と、プリント配線基板34と、配線35とを収容可能に構成されている。蓋32は、矩形型の形状を有する。蓋32は、収容容器31を覆うことにより、上記組電池200等を収容する。収容容器31及び蓋32には、図示していないが、外部機器等へと接続するための開口部又は接続端子等が設けられている。
組電池200は、複数の単電池100と、正極側リード22と、負極側リード23と、粘着テープ24とを備えている。
複数の単電池100の少なくとも1つは、第2実施形態に係る二次電池である。複数の単電池100の各々は、図10に示すように電気的に直列に接続されている。複数の単電池100は、電気的に並列に接続されていてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されていてもよい。複数の単電池100を並列接続すると、直列接続した場合と比較して、電池容量が増大する。
粘着テープ24は、複数の単電池100を締結している。粘着テープ24の代わりに、熱収縮テープを用いて複数の単電池100を固定してもよい。この場合、組電池200の両側面に保護シート33を配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて複数の単電池100を結束させる。
正極側リード22の一端は、組電池200に接続されている。正極側リード22の一端は、1以上の単電池100の正極と電気的に接続されている。負極側リード23の一端は、組電池200に接続されている。負極側リード23の一端は、1以上の単電池100の負極と電気的に接続されている。
プリント配線基板34は、収容容器31の内側面のうち、一方の短辺方向の面に沿って設置されている。プリント配線基板34は、正極側コネクタ342と、負極側コネクタ343と、サーミスタ345と、保護回路346と、配線342a及び343aと、通電用の外部端子350と、プラス側配線(正側配線)348aと、マイナス側配線(負側配線)348bとを備えている。プリント配線基板34の一方の主面は、組電池200の一側面と向き合っている。プリント配線基板34と組電池200との間には、図示しない絶縁板が介在している。
正極側コネクタ342に、正極側リード22の他端22aが電気的に接続されている。負極側コネクタ343に、負極側リード23の他端23aが電気的に接続されている。
サーミスタ345は、プリント配線基板34の一方の主面に固定されている。サーミスタ345は、単電池100の各々の温度を検出し、その検出信号を保護回路346に送信する。
通電用の外部端子350は、プリント配線基板34の他方の主面に固定されている。通電用の外部端子350は、電池パック300の外部に存在する機器と電気的に接続されている。通電用の外部端子350は、正側端子352と負側端子353とを含む。
保護回路346は、プリント配線基板34の他方の主面に固定されている。保護回路346は、プラス側配線348aを介して正側端子352と接続されている。保護回路346は、マイナス側配線348bを介して負側端子353と接続されている。また、保護回路346は、配線342aを介して正極側コネクタ342に電気的に接続されている。保護回路346は、配線343aを介して負極側コネクタ343に電気的に接続されている。更に、保護回路346は、複数の単電池100の各々と配線35を介して電気的に接続されている。
保護シート33は、収容容器31の長辺方向の両方の内側面と、組電池200を介してプリント配線基板34と向き合う短辺方向の内側面とに配置されている。保護シート33は、例えば、樹脂又はゴムからなる。
保護回路346は、複数の単電池100の充放電を制御する。また、保護回路346は、サーミスタ345から送信される検出信号、又は、個々の単電池100若しくは組電池200から送信される検出信号に基づいて、保護回路346と外部機器への通電用の外部端子350(正側端子352、負側端子353)との電気的な接続を遮断する。
サーミスタ345から送信される検出信号としては、例えば、単電池100の温度が所定の温度以上であることを検出した信号を挙げることができる。個々の単電池100若しくは組電池200から送信される検出信号としては、例えば、単電池100の過充電、過放電及び過電流を検出した信号を挙げることができる。個々の単電池100について過充電等を検出する場合、電池電圧を検出してもよく、正極電位又は負極電位を検出してもよい。後者の場合、参照極として用いるリチウム電極を個々の単電池100に挿入する。
なお、保護回路346としては、電池パック300を電源として使用する装置(例えば、電子機器、自動車等)に含まれる回路を用いてもよい。
また、この電池パック300は、上述したように通電用の外部端子350を備えている。したがって、この電池パック300は、通電用の外部端子350を介して、組電池200からの電流を外部機器に出力するとともに、外部機器からの電流を、組電池200に入力することができる。言い換えると、電池パック300を電源として使用する際には、組電池200からの電流が、通電用の外部端子350を通して外部機器に供給される。また、電池パック300を充電する際には、外部機器からの充電電流が、通電用の外部端子350を通して電池パック300に供給される。この電池パック300を車載用電池として用いた場合、外部機器からの充電電流として、車両の動力の回生エネルギーを用いることができる。
なお、電池パック300は、複数の組電池200を備えていてもよい。この場合、複数の組電池200は、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されてもよい。また、プリント配線基板34及び配線35は省略してもよい。この場合、正極側リード22及び負極側リード23を通電用の外部端子の正側端子と負側端子としてそれぞれ用いてもよい。
このような電池パックは、例えば大電流を取り出したときにサイクル性能が優れていることが要求される用途に用いられる。この電池パックは、具体的には、例えば、電子機器の電源、定置用電池、各種車両の車載用電池として用いられる。電子機器としては、例えば、デジタルカメラを挙げることができる。この電池パックは、車載用電池として特に好適に用いられる。
第4実施形態に係る電池パックは、第2実施形態に係る二次電池又は第3実施形態に係る組電池を備えている。そのため、当該電池パックは、優れた充放電効率および優れた放電容量を示すことができる。
(第5実施形態)
第5実施形態によると、車両が提供される。この車両は、第4実施形態に係る電池パックを搭載している。
係る車両において、電池パックは、例えば、車両の動力の回生エネルギーを回収するものである。車両は、この車両の運動エネルギーを回生エネルギーに変換する機構(Regenerator:再生器)を含んでいてもよい。
車両の例としては、例えば、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、アシスト自転車、及び鉄道用車両が挙げられる。
車両における電池パックの搭載位置は、特には限定されない。例えば、電池パックを自動車に搭載する場合、電池パックは、車両のエンジンルーム、車体後方又は座席の下に搭載することができる。
車両は、複数の電池パックを搭載してもよい。この場合、それぞれの電池パックが含む電池同士は、電気的に直列に接続されてもよく、電気的に並列に接続されてもよく、又は直列接続及び並列接続を組み合わせて電気的に接続されてもよい。例えば、各電池パックが組電池を含む場合は、組電池同士が電気的に直列に接続されてもよく、又は電気的に並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて電気的に接続されてもよい。或いは、各電池パックが単一の電池を含む場合は、それぞれの電池同士が電気的に直列に接続されてもよく、電気的に並列に接続されてもよく、又は直列接続及び並列接続を組み合わせて電気的に接続されてもよい。
次に、実施形態に係る車両の一例について、図面を参照しながら説明する。
図11は、実施形態に係る車両の一例を概略的に示す部分透過図である。
図11に示す車両400は、車両本体40と、第4実施形態に係る電池パック300とを含んでいる。図11に示す例では、車両400は、四輪の自動車である。
この車両400は、複数の電池パック300を搭載してもよい。この場合、電池パック300が含む電池(例えば、単電池または組電池)は、直列に接続されてもよく、並列に接続されてもよく、直列接続及び並列接続を組み合わせて接続されてもよい。
図11では、電池パック300が車両本体40の前方に位置するエンジンルーム内に搭載されている例を図示している。上述したとおり、電池パック300は、例えば、車両本体40の後方又は座席の下に搭載してもよい。この電池パック300は、車両400の電源として用いることができる。また、この電池パック300は、車両400の動力の回生エネルギーを回収することができる。
第5実施形態に係る車両は、第4実施形態に係る電池パックを搭載している。従って、当該車両は、走行性能に優れる。
(第6実施形態)
第6実施形態によると、定置用電源が提供される。係る定置用電源は、第4実施形態に係る電池パックを搭載している。
係る定置用電源は、第4実施形態に係る電池パックの代わりに、第3実施形態に係る組電池又は第2実施形態に係る二次電池を搭載していてもよい。実施形態に係る定置用電源は、高効率および高容量を実現できる。
図12は、実施形態に係る定置用電源を含むシステムの一例を示すブロック図である。図12は、第4実施形態に係る電池パック300A、300Bの使用例として、定置用電源112、123への適用例を示す図である。図12に示す一例では、定置用電源112,123が用いられるシステム110が示される。システム110は、発電所111、定置用電源112、需要家側電力系統113及びエネルギー管理システム(EMS)115を備える。また、システム110には、電力網116及び通信網117が形成され、発電所111、定置用電源112、需要家側電力系統113及びEMS115は、電力網116及び通信網117を介して、接続される。EMS115は、電力網116及び通信網117を活用して、システム110全体を安定化させる制御を行う。
発電所111は、火力及び原子力等の燃料源によって、大容量の電力を生成する。発電所111からは、電力網116等を通して電力が供給される。また、定置用電源112には、電池パック300Aが搭載される。電池パック300Aは、発電所111から供給される電力等を蓄電できる。また、定置用電源112は、電池パック300Aに蓄電された電力を、電力網116等を通して供給できる。システム110には、電力変換装置118が設けられる。電力変換装置118は、コンバータ、インバータ及び変圧器等を含む。したがって、電力変換装置118は、直流と交流との間の変換、互いに対して周波数が異なる交流の間の変換、及び、変圧(昇圧及び降圧)等を行うことができる。このため、電力変換装置118は、発電所111からの電力を、電池パック300Aへ蓄電可能な電力に変換できる。
需要家側電力系統113には、工場用の電力系統、ビル用の電力系統、及び、家庭用の電力系統等が、含まれる。需要家側電力系統113は、需要家側EMS121、電力変換装置122及び定置用電源123を備える。定置用電源123には、電池パック300Bが搭載される。需要家側EMS121は、需要家側電力系統113を安定化させる制御を行う。
需要家側電力系統113には、発電所111からの電力、及び、電池パック300Aからの電力が、電力網116を通して供給される。電池パック300Bは、需要家側電力系統113に供給された電力を蓄電できる。また、電力変換装置122は、電力変換装置118と同様に、コンバータ、インバータ及び変圧器等を含む。したがって、電力変換装置122は、直流と交流との間の変換、互いに対して周波数が異なる交流の間の変換、及び、変圧(昇圧及び降圧)等を行うことができる。このため、電力変換装置122は、需要家側電力系統113に供給された電力を、電池パック300Bへ蓄電可能な電力に変換できる。
なお、電池パック300Bに蓄電された電力は、例えば、電気自動車等の車両の充電等に用いることができる。また、システム110には、自然エネルギー源が設けられてもよい。この場合、自然エネルギー源は、風力及び太陽光等の自然エネルギーによって、電力を生成する。そして、発電所111に加えて自然エネルギー源からも、電力網116を通して、電力が供給される。
以下に実施例を説明するが、実施形態は、以下に記載される実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<正極の作製>
正極活物質としてLiNiCoMn、導電剤として黒鉛粉末、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)、及び、溶媒としてN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を混合して、スラリーを調製した。このスラリーにおける正極活物質、導電剤、及び結着剤の質量比は100:5:5とした。このスラリーを、Ti箔の片面上に塗布した。その後、溶媒を留去して積層体を得た。次いで、この積層体を圧延することで正極を得た。
<負極の作製>
負極活物質としてLiTi12、導電剤として黒鉛粉末、結着剤としてPVdF、及び溶媒としてNMPを混合して負極合材スラリーを調製した。このスラリーにおける負極活物質、導電剤、及び結着剤の質量比は100:5:1とした。また、Li1.3Al0.3Ti0.3(PO0.3)(以降、LATPと略記)とPVdFを質量比で80:20でNMP溶媒と混合して、LATP層スラリーを調製した。負極合材スラリーを、Zn箔の片面上に塗布し、乾燥させた。その上に、LATP層スラリーを塗布し、乾燥させた。その後、得られた積層体を圧延することで、LATP層が担持された負極を得た。
<水系電解質の調製>
LiCl12mol/L水溶液を9mLとリン酸トリメチル(以降、TMPと略記)を1mLとを良く混合した。得られた無色溶液に、LiClを0.5g(11.8mmol)添加して良く混合することで、TMPを10体積%含むLiCl12mol/L水溶液を得た。この水溶液を、評価用セルの水系電解質に用いた。
<評価用セルの作製>
上記負極および正極をそれぞれ直径10mmφの円形に打ち抜いた。また、セパレータとして、有限会社桐山製作所製ろ紙(NO.5C、直径21mm)を準備した。
プラスチック板上に、負極リード電極として陽極酸化アルミニウム板を載せ、この上に負極をLATP層が上になるように置いた。次いで、負極のLATP層の上に水系電解質を滴下し、その上にセパレータを載せ、セパレータの上に水系電解質をさらに滴下した。その上に、正極、正極リード電極としてTi板、及びプラスチック板を、この順番で、且つ正極のTi箔がTi板と接するように積層させた。得られた積層体をネジで固定することで、電池性能評価用のセルを得た。
(実施例2)
水系電解質に含ませたTMPの量を5体積%に変更したことを除いて、実施例1に記載したのと同様の方法により評価用セルを作製した。
(比較例1)
水系電解質において、TMPに代えて同量のNMPを用いたことを除いて、実施例1に記載したのと同様の方法により評価用セルを作製した。
(比較例2)
水系電解質において、TMPに代えて同量のγ-ブチロラクトン(以降、GBLと略記)を用いたことを除いて、実施例1に記載したのと同様の方法により評価用セルを作製した。
(比較例3)
水系電解質において、TMPを省略し、その代わりの有機溶媒を添加しなかったことを除いて、実施例1に記載したのと同様の方法により評価用セルを作製した。
(電解質の性能評価)
<水系電解質の接触角の測定>
負極上の水系電解質の接触角を測定して、係る電解質の電極に対する濡れ性を評価した。測定装置としては、協和界面科学社製、自動接触角計Dme-201を用いた。ガラス板上に、LATP層が上になるように負極を両面テープで固定した。装置に装着したシリンジに電解質を充填し、針の先端に液量1.2μLの液滴を作製した。作製した液滴を、ガラス板に固定した負極のLATP層上に着液させ、着液から10秒後の接触角度を測定した。先記操作を5回行い、得られた接触角度の平均値を算出し、これを電解質の接触角とした。
測定結果は、下記表1に示す。表1には、接触角の測定結果に加え、各実施例および比較例のセル条件としてTMP(実施例1)又はその代わりに電解質に含ませた有機溶媒およびその含有量(水系溶媒に対するモル百分率)を示す。
<充放電試験>
実施例1及び比較例1-3で作製した各評価用セルに対し、次のとおり充放電試験を行った。それぞれ定電流定電圧(CC/CV)充電を1回行った後に定電流(CC)放電を1回行うことを1サイクルとし、10サイクル繰り返した。具体的には、CC/CV充電では、先ず0.5Cレート(時間充電率)でセル電圧が2.55Vに達するまで定電流充電を行い、次いで終止条件まで定電圧充電を行った。終止条件は、電流値(mA)が0.5C相当に集束するまでか、充電開始から132分経過するまでの何れか早い方とした。CC放電は、0.5Cレートで放電開始から132分経過するまで行った。試験は、実施例1及び2、並びに比較例1-3の各セル条件についてそれぞれ2回ずつ行った。
2回行った試験のそれぞれにおいて、下記式1に従って充放電効率をサイクル毎に算出し、2サイクル目から10サイクル目までの充放電効率(式1)の平均値を算出した。式2に従い2回の試験における充放電効率の誤差を算出した。この誤差が5未満の場合は2回の試験の平均値をそのセル条件での充放電効率とし、誤差が5以上の場合は2回の試験のうち数値の高い方をそのセル条件の充放電効率(クーロン効率)とした。放電容量についても、2サイクル目から10サイクル目までの平均値を算出し、式3に従い2回の試験における放電容量の平均値の誤差を算出した、この誤差が5未満の場合は2回の試験の平均値をそのセル条件での放電容量とし、誤差が5以上の場合は2回の試験のうち数値の高い方をそのセル条件の放電容量とした。
式1:
充放電効率(%)=100%×{放電容量(mAh/g)/充電容量(mAh/g)}
式2:
充放電効率の誤差(%)=100%×|充放電効率の平均値の差|/充放電効率の平均値の和
式3:
放電容量の誤差(%)=100%×|放電容量の平均値の差|/放電容量の平均値の和。
以上の電池性能の評価結果を下記表2に示す。
先ず表1から、電解質に有機溶媒を添加することで、有機溶媒無添加のLiCl12mol/L水溶液(比較例3)と比較して接触角が低下することが分かる。さらに、TMPを添加した場合は、NMP及びGBLに比べ、接触角の低下の度合いが顕著に大きいことが分かる。この結果は、TMPのようなリン酸エステルは、NMPおよびGBLなど他の有機溶媒に比べ、水系電解質の電極に対する濡れ性を向上させる効果が大きいことを示している。また表2から、電極に対する濡れ性が高かった実施例1の電解質を使用した条件の評価用セルでは比較例1-3の条件のセルと比較して充放電効率および放電容量の何れもが高くなったという結果から、電極に対する電解質の濡れ性を向上させることで電池性能を改善できることが示された。
以上述べた少なくとも1つの実施形態および実施例によると、電解質が提供される。電解質は、1 mol%以上2.5 mol%未満の含有量でリン酸エステルを含んだ水系溶媒を含む。この電解質は、優れた充放電効率および放電容量を示す二次電池を提供することができる。また、優れた充放電効率および放電容量を示す電池パックを提供することができ、さらに、この電池パックが搭載された車両および定置用電源を提供することができる。
なお、本発明に係る実施形態は、以下の態様をも包含する。
[1] 水とリン酸エステルとを含んだ水系溶媒を含み、
前記水系溶媒に対する前記リン酸エステルの含有量は1 mol%以上2.5 mol%未満である電解質。
[2] 前記水系溶媒に対し95 mol%以上99 mol%以下の割合で前記水を含む、[1]に記載の電解質。
[3] 前記リン酸エステルは、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、及びその水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されたフッ素置換リン酸エステルからなる群より選択される少なくとも一つを含む、[1]又は[2]に記載の電解質。
[4] 負極と、
正極と、
[1]から[3]の何れか1つに記載の電解質と、
を具備する二次電池。
[5] 前記負極はチタン含有酸化物を含む、[4]に記載の二次電池。
[6] 前記負極と前記正極との間に位置しリチウムイオン伝導性を有する隔膜を更に具備する、[4]又は[5]に記載の二次電池。
[7] 前記負極と前記正極との間に位置し無機固体粒子と高分子材料とを含む隔膜を更に具備する、[4]又は[5]に記載の二次電池。
[8] [4]から[7]の何れか1つに記載の二次電池を具備した電池パック。
[9] 通電用の外部端子と、保護回路とを更に含む、[8]に記載の電池パック。
[10] 複数の前記二次電池を具備し、前記二次電池が直列、並列、又は直列及び並列を組み合わせて電気的に接続されている、[8]又は[9]に記載の電池パック。
[11] [8]から[10]の何れか1つに記載の電池パックを具備した車両。
[12] 前記車両の運動エネルギーを回生エネルギーに変換する機構を含む、[11]に記載の車両。
[13] [8]から[10]の何れか1つに記載の電池パックを具備した定置用電源。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電極群、2…外装部材、3…負極、3a…負極集電体、3b…負極活物質含有層、4…セパレータ、5…正極、5a…正極集電体、5b…正極活物質含有層、6…負極端子、7…正極端子、8…負極ガスケット、9…正極ガスケット、10…封口板、11…制御弁、12…注液口、13…封止栓、16…負極リード、17…正極リード、21…バスバー、22…正極側リード、23…負極側リード、24…粘着テープ、31…収容容器、32…蓋、33…保護シート、34…プリント配線基板、35…配線、40…車両本体、44…隔膜、100…二次電池、110…システム、111…発電所、112…定置用電源、113…需要家側電力系統、115…エネルギー管理システム、116…電力網、117…通信網、118…電力変換装置、121…需要家側EMS、122…電力変換装置、123…定置用電源、200…組電池、300…電池パック、300A…電池パック、300B…電池パック、310…筐体、320…開口部、332…出力用正極端子、333…出力用負極端子、342…正極側コネクタ、343…負極側コネクタ、345…サーミスタ、346…保護回路、342a…配線、343a…配線、350…通電用の外部端子、352…正側端子、353…負側端子、348a…プラス側配線、348b…マイナス側配線、400…車両、500…負極複合体。

Claims (13)

  1. 水とリン酸エステルとを含んだ水系溶媒を含み、
    前記水系溶媒に対する前記リン酸エステルの含有量は1 mol%以上2.5 mol%未満である電解質。
  2. 前記水系溶媒に対し95 mol%以上99 mol%以下の割合で前記水を含む、請求項1に記載の電解質。
  3. 前記リン酸エステルは、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、及びその水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されたフッ素置換リン酸エステルからなる群より選択される少なくとも一つを含む、請求項1又は2に記載の電解質。
  4. 負極と、
    正極と、
    請求項1又は2に記載の電解質と、
    を具備する二次電池。
  5. 前記負極はチタン含有酸化物を含む、請求項4に記載の二次電池。
  6. 前記負極と前記正極との間に位置しリチウムイオン伝導性を有する隔膜を更に具備する、請求項4に記載の二次電池。
  7. 前記負極と前記正極との間に位置し無機固体粒子と高分子材料とを含む隔膜を更に具備する、請求項4に記載の二次電池。
  8. 請求項4に記載の二次電池を具備した電池パック。
  9. 通電用の外部端子と、保護回路とを更に含む、請求項8に記載の電池パック。
  10. 複数の前記二次電池を具備し、前記二次電池が直列、並列、又は直列及び並列を組み合わせて電気的に接続されている、請求項8に記載の電池パック。
  11. 請求項8に記載の電池パックを具備した車両。
  12. 前記車両の運動エネルギーを回生エネルギーに変換する機構を含む、請求項11に記載の車両。
  13. 請求項8に記載の電池パックを具備した定置用電源。
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