JP2024036726A - 動力伝達機構 - Google Patents

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【課題】動作時の安定性を確保でき、サイズの小型化を実現することができる動力伝達機構を提供する。【解決手段】動力伝達機構1の第1ローラ及び第2ローラは、入力フランジ12の回転に伴って回転することにより、無端ベルト15の周方向に相対的に移動する。第1ローラ13は、無端ベルト15の一部が固定リング16及び出力リング17の表面部から離間した状態を維持するように、無端ベルト15に当接し、第2ローラ14は、無端ベルト15が一部を除いて固定リング16及び出力リング17に接触した状態を維持するように、第1ローラとは反対側から無端ベルト15に当接する。固定リング16及び出力リング17の表面は、ドライ接着性を有している。【選択図】図3

Description

本発明は、動力を伝達する動力伝達機構に関する。
従来、動力伝達機構として特許文献1に記載されたものが知られている。この動力伝達機構は、ファン・デル・ワールス力を利用したドライ接着によって、モータの回転速度を変速して出力するものであり、ドラム、出力ベルト、回転アーム及び出力シリンダなどを備えている。ドラムは、中心軸が上下方向に延びる円筒状のものであり、その外周面には、ドライ接着性を有する部材が貼り付けられているとともに、回転不能状態に固定されている。出力ベルトは、ドラムの外周面よりも長い周長を有する柔軟な無端ベルトタイプのものである。
モータは、ドラム内に内蔵され、その回転軸がドラムの中心軸と一致するように配置されている。回転アームは、一端部がモータの回転軸に固定され、他端部がドラムの径方向の外方に延びてから鋭角に折れ曲がって延びており、この他端部には、軌道ローラ(Orbiting Roller)が設けられている。この軌道ローラは、上下方向に延びる回転軸線周りに回転自在に構成されている。
また、出力シリンダは、ドラムよりも大径でドラムの外方に配置され、その内部には、連結ベルトが設けられている。この連結ベルトは、平面視ほぼ三角形に配置され、3つの頂点の部分が出力シリンダに固定されている。出力ベルトは、その一部が軌道ローラによってドラムの径方向の外方に引っ張られ、外周面の一部が連結ベルトの内周面に接触した状態に保持されているとともに、残りの部分がドラムの外周面に巻き付けられている。
この動力伝達機構では、モータによって回転アームが回転駆動されるのに伴い、軌道ローラは、出力ベルトの一部を連結ベルトの内周面に接触した状態に保持しながら、回転軸線周りに自転する。その場合、回転アームが1回転した際に、出力ベルトの内周面とドラムの外周面との周長差分、出力シリンダがドラムに対して相対的に回転することになる。すなわち、モータの回転速度は、変速されながら出力シリンダから出力されることになる。
"Low-Cost, Continuously Variable, Strain Wave Transmission Using Gecko-Inspired Adhesives", [online], [令和4年8月15日検索], インターネット<URL:https://ieeexplore.ieee.org/document/8613852>
上記従来の動力伝達機構によれば、軌道ローラを先端に有する回転アームが回転する構造である関係上、出力シリンダは、ドラムに対して相対的に回転する際、偏心しながら回転することになってしまう。すなわち、動作時の安定性が低いという問題がある。これに加えて、出力シリンダの回転が断続的になってしまうという問題もある。さらに、最終的な出力が出力ベルト及び連結ベルトを介して出力シリンダから出力される構造である関係上、動力伝達機構の小型化が困難であるという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、動作時の安定性を確保でき、サイズの小型化を実現することができる動力伝達機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る動力伝達機構1,1B~1Dは、環状の無端ベルト15,42,42C,80と、無端ベルトよりも短い長さの環状の表面部(固定側ドライ接着シート16c,ドライ接着シート41e)を有する基体(固定リング16,82、レール部材41)と、無端ベルトの周方向における一部が基体の表面部から離間した状態を維持するように、無端ベルトに当接する第1ローラ13(第1従動ローラ54,73)と、無端ベルトが一部を除いて基体の表面部に接触する状態を維持するように、第1ローラとは反対側から無端ベルトに当接する複数の第2ローラ14(駆動ローラ53、第2従動ローラ74、第3従動ローラ75)と、回転可能に設けられ、第1ローラ及び複数の第2ローラの少なくとも一方に接続された入力側回転部材(入力フランジ12、回転軸52a、入力部材70)と、無端ベルトに接続された出力側部材(出力リング17,83、出力ベルト43、出力アーム64)と、を備え、第1ローラ及び複数の第2ローラは、入力側回転部材の回転に伴って回転することにより、無端ベルトの周方向に相対的に移動するように構成されており、無端ベルトは、第1ローラの周方向への移動に伴って第1ローラとの当接部位が移動するように構成されており、無端ベルトの基体との当接面、及び、基体の表面部の少なくとも一方は、ドライ接着性を有するように構成されていることを特徴とする。
この動力伝達機構によれば、例えば、トルクが入力側回転部材に入力されることによって、入力側回転部材が回転した場合、第1ローラ及び第2ローラは、入力側回転部材の回転に伴って回転することにより、無端ベルトの周方向に相対的に移動する。さらに、無端ベルトは、第1ローラの周方向への移動に伴って第1ローラとの当接部位が移動する。
その際、第1ローラは、無端ベルトの周方向における一部が基体の表面部から離間した状態を維持するように、無端ベルトに当接し、複数の第2ローラは、無端ベルトが一部を除いて基体の表面部に接触する状態を維持するように、第1ローラとは反対側から無端ベルトに当接した状態となる。そして、無端ベルトの基体との当接面、及び、基体の表面部の少なくとも一方は、ドライ接着性を有するように構成されている。
それにより、入力側回転部材が回転し、第1ローラ及び複数の第2ローラが無端ベルトの周方向に相対的に移動する際、無端ベルトは、基体の表面部よりも長い分、基体に対して相対的に周方向に移動することになる。その結果、出力側部材は、無端ベルトと基体の表面部との長さの差分だけ、移動する。すなわち、入力側回転部材の回転が出力側部材の移動として出力されるとともに、入力側回転部材に入力されたトルクは、ローラ及び無端ベルトを介して、出力側部材に伝達されることになる。
以上のように、入力側回転部材に入力されたトルクは、第1ローラ及び複数の第2ローラの回転に伴い、無端ベルトを介して、出力側部材に伝達されることにより、この動力伝達動作を円滑に行うことができ、動作時の安定性を確保することができる。なお、本明細書における「ドライ接着性を有する」ことは、ドライ接着力が発生する能力を有することを意味し、ドライ接着力としては、ファン・デル・ワールス力、磁力、静電気力及び真空吸着力などが含まれる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の動力伝達機構1において、無端ベルト15は、入力側回転部材の回転軸線と同心の円環状に形成されており、基体(固定リング16)の表面部(固定側ドライ接着シート16c)は、入力側回転部材の回転軸線と同心の円環状に形成されており、第1ローラ13及び複数の第2ローラ14は、入力側回転部材に設けられ、入力側回転部材の回転軸線方向から見て放射状に配置されており、出力側部材(出力リング17)は、入力側回転部材の回転軸線周りに回転自在に設けられ、基体の表面部の外側で無端ベルト15が当接するとともに入力側回転部材の回転軸線と同心の円環状の当接面部(出力側ドライ接着シート17c)を有し、無端ベルト15の基体との当接面と、基体の表面部及び出力側部材の当接面部との少なくとも一方は、ドライ接着性を有するように構成されていることを特徴とする。
この動力伝達機構によれば、無端ベルト、基体の表面部及び出力側部材の当接面部は、入力側回転部材の回転軸線と同心の円環状に形成されており、出力側部材が入力側回転部材の回転軸線周りに回転自在に設けられているとともに、無端ベルトが、基体の表面部の外側で出力側部材の当接面部に当接する。それにより、入力側回転部材が1回転した際、無端ベルトと基体の表面部の長さの差分、無端ベルトは、基体に対して相対的に回転することになり、それに伴い、出力側部材は、無端ベルトと出力側部材の当接面部の長さの差分、入力側回転部材と反対側に回転することになる。すなわち、入力側回転部材の回転が出力側部材から減速されて出力されることになり、動力伝達機構として、減速機構を実現することができる。
また、無端ベルト、基体の表面部及び出力側部材の当接面部が、入力側回転部材の回転軸線と同心の円環状に形成されていることにより、無端ベルト、基体及び出力側部材における入力側回転部材の軸線方向の厚みを薄くしながら、トルクを伝達することが可能になる。それにより、動力伝達機構すなわち減速機構の回転軸線方向のサイズを小型化することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の動力伝達機構1B~1Cにおいて、基体(レール部材41)は、環状のレール部41bを有しており、基体の表面部は、レール部41bの外周面によって構成され、無端ベルト42は、レール部41bの外周面に巻かれており、レール部の内周面側に当接する第3ローラ(第2従動ローラ55)と、第1ローラ、第2ローラ及び第3ローラを支持する支持部材(フレーム51)と、をさらに備えることを特徴とする。
この動力伝達機構によれば、第1ローラ、第2ローラ及び第3ローラが支持部材によって支持されている。それにより、例えば、入力側回転部材を駆動する動力源を支持部材に設け、この動力源で入力側回転部材を回転させた場合、入力側回転部材の回転に伴って第1ローラ及び複数の第2ローラの少なくとも一方が回転する。この回転と第3ローラがレール部の内周面側に当接していることにより、支持部材は、レール部に沿って移動する。
その際、無端ベルトは、レール部の外周面よりも長い分、レール部に対して相対的に外周面の周方向に移動することになり、入力側回転部材の回転が出力側部材の移動として出力されるとともに、入力側回転部材に入力されたトルクは、ローラ及び無端ベルトを介して、出力側部材に伝達されることになる。したがって、このレール部の長さを大きく設定することにより、伝達可能な動力を高めることができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の動力伝達機構1Bにおいて、出力側部材は、無端ベルト42に接続された帯状部材(出力ベルト43)であることを特徴とする。
この動力伝達機構によれば、入力側回転部材に入力されたトルクを、ローラ及び無端ベルトを介して帯状部材を引っ張る力として帯状部材に伝達することができる。
請求項5に係る発明は、請求項3項に記載の動力伝達機構1Cにおいて、出力側部材(出力アーム64)は、無端ベルト42がレール部41b上を移動するのに伴って、回転するように構成されていることを特徴とする。
この動力伝達機構によれば、入力側回転部材が1回転した際、無端ベルトとレール部の表面部の長さの差分、無端ベルトは、レール部に対して相対的に回転することになり、その回転が出力側部材から減速されて出力されることになる。すなわち、動力伝達機構として、減速機構を実現することができる。
本発明の第1実施形態に係る動力伝達機構及び駆動機構の構成を示す斜視図である。 図1のII-II線に沿う断面を示す図である。 動力伝達機構の分解斜視図である。 動力伝達機構の平面図である。 動力伝達機構の正面図である。 図4のVI-VI線に沿う断面を示す図である。 図6のA部の拡大図である。 図6のB部の拡大図である。 図4のIX-IX線に沿う断面などを示す図である。 図9のC部の拡大図である。 固定リング及び出力リングの断面図である。 第1ローラ、第2ローラ及び無端ベルトを示す斜視図である。 第2実施形態に係る動力伝達機構の構成を示す斜視図である。 駆動ユニットの平面図である。 駆動ユニットの正面図である。 駆動ユニットの側面図である。 図16のXVII-XVII線に沿う断面を示す図である。 図15のXVIII-XVIII線に沿う断面を示す図である。 駆動ユニットの背面図である。 第3実施形態に係る動力伝達機構の構成を示す斜視図である。 動力伝達機構の出力アーム機構周りの水平断面図である。 レール部の垂直断面を示す斜視図である。 第4実施形態に係る動力伝達機構の一部を破断した構成を示す斜視図である。 動力伝達機構のXXIV-XXIV線に沿う断面を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る動力伝達機構について説明する。図1~2に示すように、本実施形態の動力伝達機構1は、駆動機構30に連結されており、この駆動機構30から入力されたトルクを減速して出力する減速機構タイプのものである。
なお、以下の説明では、図1の上側及び下側をそれぞれ「上」及び「下」という。また、図2などにおいては、理解の容易化のために、軸受、ボルト及びねじなどの断面部分のハッチングが適宜省略されている。
動力伝達機構1は、図3~12に示すように、入力軸11、入力フランジ12、1個の第1ローラ13、19個の第2ローラ14、無端ベルト15、固定リング16及び出力リング17などを備えている。この動力伝達機構1では、入力軸11、入力フランジ12、固定リング16及び出力リング17が、入力軸11の回転軸(中心軸)に対して同心に配置されている。
入力軸11は、円筒状に形成され、固定リング16の後述する固定リング基部16aの内孔を通って上下方向に延びている。入力軸11の外周面と固定リング基部16aの内孔の周面との間には、一対の軸受20,20が設けられている(図6参照)。それにより、入力軸11は、これら一対の軸受20,20を介して、回転自在の状態で固定リング16に支持されている。
入力軸11は、下側取付部11a及び上側取付部11bを備えている(図2参照)。下側取付部11aは、入力軸11の下端部に設けられており、上下方向に延びる内孔を備えている。駆動機構30の後述する電動機32の回転軸32aは、下側取付部11aの内孔に差し込まれるとともに、下側取付部11aにねじ止めされている。それにより、入力軸11は、電動機32によって回転駆動されることにより、その軸線周りに回転するように構成されている。
上側取付部11bは、入力軸11の上端部に設けられており、入力軸11の上端部から径方向の外側に延びるフランジ状の形状を備えている。なお、以下の説明では、動力伝達機構1の径方向の内側及び外側をそれぞれ「内側」及び「外側」という。
入力フランジ12は、平面視円環状に構成され、内側取付部12a、フランジ部12b及び外側取付部12cを一体に備えている(図2参照)。内側取付部12aは、円筒状で入力フランジ12の中央部に設けられている。入力軸11は、内側取付部12aの内孔に差し込まれ、上側取付部11bが内側取付部12aに上方から当接する状態で、内側取付部12aにねじ止めされている。それにより、入力フランジ12は、入力軸11と同心かつ一体に回転するように構成されている。
入力フランジ12には、1個の第1ローラ13及び19個の第2ローラ14が取り付けられている。1個の第1ローラ13及び19個の第2ローラ14は、平面視放射状に配置され、互いの中心軸線が入力フランジ12の周方向に沿って等間隔に設けられている(図12参照)。なお、本実施形態では、入力フランジ12が入力側回転部材に相当する。
第1ローラ13は、第1ローラ軸13a及び第1ローラ部13bを備えている(図8参照)。第1ローラ軸13aは、丸棒状に形成され、その内側端部が、ブッシュ13cを介して、入力フランジ12の内側取付部12aに取り付けられている。また、第1ローラ軸13aの外側端部は、2つの軸受13d,13eを介して、入力フランジ12の外側取付部12cに抜け止め状態で取り付けられている。この第1ローラ軸13aの中心軸線は、入力軸11の回転軸線に直交する平面に対して、上向きに小さい所定角度(例えば、1゜~n(nは1桁の数字)゜)分、傾斜した状態に配置されている。
第1ローラ部13bは、円錐台状で内側に向かって径が減少する形状を有しており、第1ローラ軸13aの径方向の中央部に配置され、第1ローラ軸13aと同心かつ一体に構成されている。この第1ローラ部13bの外周面の軸線方向の長さは、無端ベルト15の径方向の幅と同一になっている。以上の構成により、第1ローラ13は、中心軸線周りに回動自在の状態で入力フランジ12に取り付けられている。
第2ローラ14は、第2ローラ軸14a及び第2ローラ部14bを備えている(図7参照)。第2ローラ軸14aは、第1ローラ軸13aと同一のサイズ及び形状を有しており、その内側端部が、ブッシュ14cを介して、入力フランジ12の内側取付部12aに取り付けられている。また、第2ローラ軸14aの外側端部は、2つの軸受14d,14eを介して、入力フランジ12の外側取付部12cに抜け止め状態で取り付けられている。この第2ローラ軸14aの中心軸線は、入力軸11の回転軸線に直交する平面と並行な状態に配置されている。
第2ローラ部14bは、第1ローラ部13bと同一のサイズ及び形状を有しており、第2ローラ軸14aの径方向の中央部に配置され、第2ローラ軸14aと同心かつ一体に構成されている。この第2ローラ部14bの外周面の軸線方向の長さは、無端ベルト15の径方向の幅と同一になっている。以上の構成により、第2ローラ14は、中心軸線周りに回動自在の状態で入力フランジ12に取り付けられている。
フランジ部12bの内部には、第1ローラ13及び第2ローラ14を回転自在に収納するための20個の空間が形成されており、フランジ部12bの上面には、これらの空間に連続する1個の孔12e及び19個の孔12fが形成されている。これらの孔12e,12fは、径方向の外側から内側に向かうほど幅が狭くなるような、ほぼ三角形の形状になっている。
無端ベルト15は、磁性体の金属(例えば、Fe-Cr系ステンレス鋼)で構成され、平面視円環状で薄い帯状に形成されている。この無端ベルト15の上面には、19個の第2ローラ14が上方から当接している。それにより、無端ベルト15は、19個の第2ローラ14によって下方に押圧されることによって、固定リング16の表面の後述する固定側ドライ接着シート16c及び出力リング17の表面の後述する出力側ドライ接着シート17cに当接した状態に保持されている(図10,12参照)。
これに加えて、無端ベルト15の下面には、第1ローラ13が下方から当接している。それにより、無端ベルト15では、第1ローラ13とその両側の第2ローラ14との間の部分が、第1ローラ13によって上方に押圧されることにより、固定リング16の固定側ドライ接着シート16c及び出力リング17の出力側ドライ接着シート17cに当接しない状態に保持されている(図10,12参照)。また、無端ベルト15は、第1ローラ13及び第2ローラ14によって張力を付与されている。
この無端ベルト15の場合、固定リング16及び出力リング17に当接する径方向の全部位において、固定リング16及び出力リング17よりも周長が長くなるように構成されている。より具体的には、無端ベルト15は、固定リング16の固定側ドライ接着シート16c及び出力リング17の出力側ドライ接着シート17cに当接する径方向の全部位において、これらのドライ接着シートよりも周長が長くなるように構成されている。
固定リング16は、固定リング基部16a、固定側磁石リング16b及び固定側ドライ接着シート16cを備えている(図11参照)。固定リング基部16aは、円筒状に構成され、下端部が駆動機構30の後述するハウジング31の上端部に複数のボルト33(図2に2つのみ図示)を介して固定されている。固定リング基部16aの表面(上面)は、平面視円環状で、外側に向かって緩やかな斜め下がりの斜面形状(すなわち、円錐台の側面形状)になっている。
固定側磁石リング16bは、固定リング基部16aの表面と同一の形状及びサイズを有する、平面視円環状の永久磁石で構成されている。また、固定側ドライ接着シート16cは、固定側磁石リング16bと同一の形状及びサイズを有する、平面視円環状の合成樹脂(例えば、アクリル系ゴム又はシリコンゴム)で構成されている。また、固定側ドライ接着シート16cは、その表面がファン・デル・ワールス力を発生する特性すなわちドライ接着性を有している。
固定リング基部16aの表面には、上から順に、固定側ドライ接着シート16c及び固定側磁石リング16bが接着剤を介して同心の状態で固定されている。以上の構成により、固定リング16の表面は、ドライ接着力(すなわち、ファン・デル・ワールス力及び磁力)を有する状態となっている。なお、本実施形態では、固定リング16が基体に相当し、固定側ドライ接着シート16cが表面部に相当する。
また、前述したように、磁性体の金属製の無端ベルト15は、一部を除いて、第2ローラ14によって下方に押圧され、固定リング16の固定側ドライ接着シート16cに当接した状態になっていることにより、固定リング16のドライ接着力(ファン・デル・ワールス力及び磁力)によって、固定リング16に吸着/固定された状態になっている。さらに、無端ベルト15が固定側ドライ接着シート16cに当接した状態では、無端ベルト15の内側縁部は、固定側ドライ接着シート16cの内側縁部と一致するようになっている(図7参照)。
出力リング17は、出力リング基部17a、出力側磁石リング17b及び出力側ドライ接着シート17cを備えている(図11参照)。出力リング基部17aは、平面視円環状で、固定リング16の外側に配置され、その内孔の下側の表面と固定リング16の外周面との間には、軸受21が設けられている。それにより、出力リング17は、この軸受21を介して、固定リング16によって回転自在に支持されている。
また、出力リング基部17aの中央寄りの部分は、上方に突出する突出部17dになっている。この突出部17dの内側の縁部は、平面視円弧状で、固定リング16の外側の縁部との間に若干の間隙を有している。この突出部17dの表面は、平面視円環状で、外側に向かって緩やかな斜め下がりの斜面形状(すなわち、円錐台の側面形状)になっている。さらに、突出部17dの表面は、側面視したときに、固定リング基部16aの表面に沿って延ばした直線と一致するように構成されている。
出力側磁石リング17bは、平面視円環状の永久磁石で構成され、出力リング基部17aの表面と同一の形状及びサイズを有している。また、出力側ドライ接着シート17cは、平面視円環状で、固定側ドライ接着シート16cと同様の合成樹脂(例えば、アクリル系ゴム又はシリコンゴム)で構成され、出力側磁石リング17bと同一の形状及びサイズを有している。この出力側ドライ接着シート17cは、その表面がドライ接着力を発生する特性すなわちドライ接着性を有している。
出力リング基部17aの表面には、上から順に、出力側ドライ接着シート17c及び出力側磁石リング17bが接着剤を介して同心の状態で固定されている。以上の構成により、固定リング16の突出部の表面は、ドライ接着力(ファン・デル・ワールス力及び磁力)を有する状態となっている。なお、本実施形態では、出力リング17が出力側部材に相当し、出力側ドライ接着シート17cが当接面部に相当する。
さらに、前述したように、無端ベルト15は、第2ローラ14によって下方に押圧され、出力リング17の出力側ドライ接着シート17cに当接した状態になっていることにより、出力リング17のドライ接着力(ファン・デル・ワールス力及び磁力)によって、出力リング17に吸着/固定された状態になっている。また、無端ベルト15が出力側ドライ接着シート17cに当接した状態では、無端ベルト15の外側縁部は、出力側ドライ接着シート17cの外側縁部と一致するように構成されている。
次に、駆動機構30について説明する。駆動機構30は、動力伝達機構1に対してトルクを入力するものであり、図2に示すように、ハウジング31及び電動機32を備えている。ハウジング31は、各種動作装置(例えば、ロボット及び工作機械など)の所定部位に固定されており、円筒部31a及び取付部31bを備えている。
円筒部31aは、円筒状で上下方向に延びており、取付部31bは、円筒部の上端部に設けられている。電動機32は、円筒部31aに内蔵された状態で、取付部31bにネジ止めされている。電動機32の回転軸32aは、取付部31bの孔を介して、前述したように、動力伝達機構1の入力軸11に同心に連結されている。
次に、以上のように構成された動力伝達機構1の動作について説明する。入力軸11が、駆動機構30の電動機32によって回転駆動され、軸線周りに回転すると、入力フランジ12が入力軸11と一体に同一方向に回転する。入力フランジ12の回転に伴い、第1ローラ13は、軸線周りに回転し、無端ベルト15との当接部位を周方向に移動させながら、固定リング16及び出力リング17の表面上を転動する。これと同時に、第2ローラ14は、軸線周りに回転し、無端ベルト15を固定リング16側及び出力リング17側に押圧しながら、無端ベルト15の表面上を転動する。
このように入力軸11及び入力フランジ12が回転した際、無端ベルト15は、固定リング16及び出力リング17のドライ接着力によって、固定リング16及び出力リング17の表面に接着/固定された状態に保持される。それにより、無端ベルト15の張力が出力リング17に作用することになり、入力軸11のトルクが出力リング17に伝達されることになる。
そして、入力軸11及び入力フランジ12が1回転した場合、前述したように、無端ベルト15は、固定リング16及び出力リング17に当接する径方向の全部位において、固定リング16及び出力リング17よりも周長が長くなっていることにより、固定リング16との周長差分、固定リング16に対して入力軸11と同方向に相対的に回転することになる。それに伴い、出力リング17は、無端ベルト15との周長差分、入力軸11と同方向に回転することになる。
この動力伝達機構1では、以上のように、入力軸11が回転した際、入力軸11のトルクが出力リング17に伝達されるとともに、入力軸11の回転が減速されながら同方向の回転として出力リング17に伝達される状態となる。
以上のように構成された本実施形態の動力伝達機構1によれば、駆動機構30から入力軸11に入力されたトルクは、第1ローラ13及び第2ローラ14の回転に伴い、無端ベルト15を介して、出力リング17に伝達され、出力リング17は、入力フランジ12の回転速度が減速された状態で入力軸11と同方向に回転する。それにより、この減速動作を円滑に行うことができ、減速動作時の安定性を確保することができる。
また、無端ベルト15と、無端ベルト15が当接する2つのリング16,17におけるドライ接着シート16c,17cが、入力フランジ12の回転軸線と同心の円環状に形成されていることにより、無端ベルト15、固定リング16及び出力リング17の軸線方向の厚みを薄くしながら、トルクを伝達することが可能になる。それにより、動力伝達機構1の回転軸線方向のサイズを小型化することができる。
なお、第1実施形態は、無端ベルトとして、金属製の無端ベルト15を用いた例であるが、これに代えて、合成樹脂製の無端ベルトを用いてもよく、複数の帯状部材を組み合わせたものを無端ベルトとして用いてもよい。
また、第1実施形態は、2つの磁石リング16b,17b及び2つのドライ接着シート16c,17cを用いた例であるが、2つの磁石リング16b,17bを省略して、2つのドライ接着シート16c,17cのみを用いてよい。
さらに、第1実施形態は、2つのドライ接着シート16c,17cを固定リング16及び出力リング17にそれぞれ設けた例であるが、これらに代えて又はこれらに加えて、無端ベルト15の固定リング16との当接面側にドライ接着シートを設けるように構成してもよい。
一方、第1実施形態は、固定リング16を駆動機構30のハウジング31に固定した例であるが、これに代えて、固定リング16を、各種動作装置(例えば、ロボット及び工作機械など)の所定部位に固定してもよい。
次に、図13~19を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る動力伝達機構1Bについて説明する。本実施形態の動力伝達機構1Bは、後述する駆動ユニット50の電動機52から入力されたトルクを力として出力するものである。
なお、以下の説明では、便宜上、図13の矢印Y1-Y2のY1側を「前」、Y2側を「後ろ」といい、矢印Y3-Y4のY3側を「左」、Y4側を「右」といい、上側を「上」、下側を「下」という。
動力伝達機構1Bは、基台40、レール部材41、無端ベルト42、出力ベルト43及び駆動ユニット50などを備えている。基台40は、固定部40a及び取付部40bを有している。固定部40aは、平面視矩形に構成され、4本のボルト44(3本のみ図示)を介して図示しない床(又は各種動作装置の所定部位)に固定されている。取付部40bは、板状で固定部40aから一体に上方に延びている。
レール部材41は、基台40の取付部40bの上端部に固定されており、基部41a及びレール部41bを備えている。基部41aは、中空の筒状で取付部40bから前方に突出しており、その外周面が正面視小判形に形成されている。
レール部41bは、中空の筒状で、基部41aから前方に突出するように、基部41aと一体に設けられている。図17に示すように、レール部41bは、下から順に、レール基部41c、磁石ベルト41d及びドライ接着シート41eを備えている。レール基部41cは、正面視小判形に形成されており、その表面には、磁石ベルト41dが接着剤を介して固定されている。磁石ベルト41dは、薄い帯状の永久磁石で構成され、前後方向に所定幅を有し、レール基部41cの前側の外周面全体を覆うように設けられている。
ドライ接着シート41eは、磁石ベルト41dの表面に接着剤を介して固定されている。ドライ接着シート41eは、ファン・デル・ワールス力を発生する薄い帯状の合成樹脂で構成され、磁石ベルト41dと同一の前後方向の幅を有し、磁石ベルト41dの外周面全体を覆うように設けられている。以上の構成により、レール部41bの外周面は、ドライ接着力(ファン・デル・ワールス力及び磁力)を備えている。なお、本実施形態では、レール部材41が基体に相当し、ドライ接着シート41eが表面部に相当する。
無端ベルト42は、薄い帯状の磁性体の金属(例えば、Fe-Cr系ステンレス鋼)で構成され、ドライ接着シート41e及び磁石ベルト41dと同一の前後方向の幅を有している。無端ベルト42は、その裏面(下面)がレール部41bの外周面よりも長い周長を有しており、駆動ユニット50内の部位を除けば、裏面がレール部41bの外周面に当接する状態でレール部41bに巻かれている。
出力ベルト43は、薄い帯状の金属で構成され、左右方向に延びている。出力ベルト43は、前後方向の幅が無端ベルト42よりもかなり小さくなっており、一端部が無端ベルト42の所定部位における前後方向の中央位置に固定されている。なお、本実施形態では、出力ベルト43が出力側部材及び帯状部材に相当する。
次に、図14~19を参照しながら、駆動ユニット50について説明する。駆動ユニット50は、無端ベルト42をレール部41bに対して両者の周長差分、レール部41bの周方向に移動させるためのものである。
駆動ユニット50は、フレーム51、電動機52、一対の駆動ローラ53,53、第1従動ローラ54及び第2従動ローラ55などを備えている。図16に示すように、フレーム51は、前壁部51a、上壁部51b及び後壁部51cを備えている。上壁部51bは、前壁部51aの上端から後方に所定長さで延びており、後壁部51cは、上壁部51bの後端から下方に所定長さで延びている。なお、本実施形態では、フレーム51が支持部材に相当する。
電動機52は、前壁部51a及び後壁部51cの上側の部位に取り付けられており、回転軸52aを有している。回転軸52aは、前後方向に延びており、その後端部には、モータ側ギヤ52bが同心に取り付けられている。このモータ側ギヤ52bは、後述する2つのローラ側ギヤ53aに常時、噛み合っている(図19参照)。なお、本実施形態では、回転軸52aが入力側回転部材に相当する。
一対の駆動ローラ53,53は、左右方向に所定間隔で配置され、無端ベルト42をレール部41b側に押圧するように設けられている(図17参照)。一対の駆動ローラ53,53の各々は、前後方向に延びており、その前側部及び後側部は、図示しないが、前壁部51a及び後壁部51cに回動自在にそれぞれ支持されている。
駆動ローラ53の後端部には、ローラ側ギヤ53aが同心に設けられており、このローラ側ギヤ53aは、前述したモータ側ギヤ52bに常に噛み合っている。以上の構成により、電動機52によって回転駆動されることによって、一対の駆動ローラ53,53は軸線周りに同一方向に回転する。なお、本実施形態では、駆動ローラ53が第2ローラに相当する。
第1従動ローラ54は、ローラ軸54a及びローラ部54bを有している(図18参照)。ローラ軸54aは、丸棒状に形成され、レール部41bの表面から離間した位置に配置されている。また、ローラ部54bは、円筒状でローラ軸54aに同心に回動自在に嵌合しているとともに、無端ベルト42の裏面に当接している。なお、本実施形態では、第1従動ローラ54が第1ローラに相当する。
さらに、ローラ軸54aの前端部は、前側支持部材56によって支持されている。図15に示すように、前側支持部材56は、左右方向に所定長さで延びており、左右端部には、一対の付勢機構56a,56aが設けられている。これらの付勢機構56a,56aの各々は、前側支持部材56を上方に付勢するためのもの、すなわち第1従動ローラ54を上方に付勢するためのものである。付勢機構56aは、コイルばね付きのボールプランジャねじで構成されており、その下端部が前壁部51aの突出部51dに当接している(図16参照)。
この付勢機構56aの場合、下端部の突出量が変更可能であり、それにより、付勢機構56aが、前側支持部材56を介して、第1従動ローラ54を上方に付勢する力が調整可能に構成されている。
一方、ローラ軸54aの後端部は、後側支持部材57によって支持されている。図14に示すように、後側支持部材57の左右端部には、一対の付勢機構57a,57aが設けられている。これらの付勢機構57a,57aの各々は、後側支持部材57を上方に付勢するためのもの、すなわち第1従動ローラ54を上方に付勢するためのものである。付勢機構57aは、付勢機構56aと同様に、コイルばね付きのボールプランジャねじで構成されており、その下端部が後壁部51cの突出部51eに当接している(図16参照)。
この付勢機構57aの場合、付勢機構56aと同様に、下端部の突出量が変更可能であり、それにより、付勢機構57aが、後側支持部材57を介して、第1従動ローラ54を上方に付勢する力が調整可能に構成されている。
第1従動ローラ54は、以上の計4つの付勢機構56a,57bによってレール部41b側から離間する方向に押圧され、無端ベルト42をレール部41bから離間する方向に常時、押圧している。
一方、第2従動ローラ55は、レール部41bを間にして、第1従動ローラ54と対向するように設けられている(図16参照)。なお、本実施形態では、第2従動ローラ55が第3ローラに相当する。
第2従動ローラ55は、ローラ軸55a及びローラ部55bを有している(図18参照)。ローラ軸55aは、丸棒状に形成され、レール部41bの内周面から離間した位置に配置されている。さらに、ローラ軸55aの前端部及び後端部は、支持部材58(図19参照)によって支持されている。
また、ローラ部55bは、円筒状でローラ軸55aに同心に回動自在に嵌合しているとともに、レール部41bの内周面に当接している。
フレーム51には、前壁部51aの下側の左右端部から後方に延びる一対の支持壁部51g,51gが設けられている(図19参照)。これらの一対の支持壁部51g,51gの各々には、付勢機構57aと同様の付勢機構51fが設けられており、この付勢機構51fの上端部は、支持部材58の下面に当接している(図19参照)。この付勢機構51fの付勢力は、前述した付勢機構57aと同様に調整可能に構成されている。
以上の構成より、第2従動ローラ55は、2つの付勢機構51f,51fによってレール部41b側に押圧され、レール部41bの内周面に常時、当接している。それにより、レール部41b及び無端ベルト42は、第1従動ローラ54及び駆動ローラ53,53によって挟持されている。
次に、第2実施形態の動力伝達機構1Bの動作について説明する。この動力伝達機構1Bでは、駆動ユニット50の電動機52が作動した場合、回転軸52aと一体にモータ側ギヤ52bが回転し、それに伴い、モータ側ギヤ52bに噛み合う2つのローラ側ギヤ53aが回転することによって、一対の駆動ローラ53,53が回転駆動される。
これらの駆動ローラ53,53の回転に伴い、駆動ユニット50は、第1従動ローラ54及び第2従動ローラ55を回転させながら、レール部41bに沿って移動する。その際、第1従動ローラ54の無端ベルト42への当接部位が移動するとともに、無端ベルト42は、レール部41bのドライ接着力により、駆動ユニット50内以外の部分がレール部41bに接着された状態になる
そして、駆動ユニット50がレール部41b上を一周した際、無端ベルト42は、レール部41bとの周長差分、駆動ユニット50の移動方向に移動し、それに伴い、出力ベルト43は、無端ベルト42とレール部41bとの周長差分、駆動ユニット50の移動方向に駆動される。その結果、電動機52のトルクが出力ベルト43を牽引する力として出力される状態となる。
以上のように構成された本実施形態の動力伝達機構1Bによれば、駆動ユニット50の電動機52の回転に伴って、駆動ユニット50がレール部41b上を移動することによって、電動機52のトルクが出力ベルト43を牽引する力として出力される。それにより、この動力伝達動作を円滑に行うことができ、動作時の安定性を確保することができる。さらに、レール部41bの長さを大きく設定することにより、伝達可能な動力を高めることができる。
なお、第2実施形態は、第2ローラとしての一対の駆動ローラ53,53が電動機52によって駆動され、第1ローラとしての第1従動ローラ54が電動機52によって駆動されないように構成した例であるが、これに代えて、第1ローラとしての第1従動ローラ54が電動機52によって駆動され、第2ローラとしての一対の駆動ローラ53,53が電動機52によって駆動されないように構成してもよい。
また、第2実施形態は、無端ベルトとして、金属製の無端ベルト42を用いた例であるが、これに代えて、合成樹脂製の無端ベルトを用いてもよく、複数の帯状部材を組み合わせたものを無端ベルトとして用いてもよい。
さらに、第2実施形態は、磁石ベルト41d及びドライ接着シート41eを用いた例であるが、磁石ベルト41dを省略して、ドライ接着シート41eのみを用いてよい。
一方、第2実施形態は、ドライ接着シート41eをレール部41bに設けた例であるが、これらに代えて又はこれらに加えて、無端ベルト42のレール部41bとの当接面側にドライ接着シートを設けるように構成してもよい。
次に、図20~22を参照しながら、本発明の第3実施形態に係る動力伝達機構1Cについて説明する。本実施形態の動力伝達機構1Cは、駆動ユニット50の電動機52から入力されたトルクを減速しながらトルクとして出力する減速機構タイプのものである。
この動力伝達機構1Cの場合、以下に述べる点を除いて、第2実施形態の動力伝達機構1Bと同様に構成されているので、以下、動力伝達機構1Bと異なる点を中心に説明する。また、第2実施形態の動力伝達機構1Bと同一の構成に対しては同じ符号を付すとともに、その説明を省略する。
本実施形態の動力伝達機構1Cは、動力伝達機構1Bと比較した場合、出力アーム機構60を備えている点と、無端ベルト42に代えて無端ベルト42Cを備えている点と、レール部41bの一部の構造が異なっている。
この動力伝達機構1Cの場合、レール部41bのレール基部41cの外周面には、突起41fが形成されている。この突起41fは、断面矩形に構成され、レール基部41cの前端から所定距離分、後ろ側の位置において、レール基部41cの全周にわたって延びるように設けられている。
前述したドライ接着シート41e及び磁石ベルト41dは、両者の後端が突起41fに接する状態で、レール基部41cに固定されている。また、磁石ベルト41dの外周面は、突起41fの外周面と面一になるように構成されている。
出力アーム機構60は、駆動ユニット50の電動機52から入力されたトルクを出力するものであり、駆動ベルト61、ドライ接着シート62、出力プーリ63及び出力アーム64などを備えている。
駆動ベルト61は、薄い帯状に形成され、磁石ベルト41dと同一の厚さで、前後方向に所定幅を有している。駆動ベルト61は、その前端部が突起41fに接する位置に配置され、レール基部41cの外周面及び出力プーリ63のドライ接着シート63aの外周面に当接した状態でレール基部41cに巻かれている。この駆動ベルト61は、レール基部41cの外周面上を摺動可能に構成されている。
駆動ベルト61の外周面には、ドライ接着シート62が接着剤を介して固定されている。このドライ接着シート62は、薄い帯状で、駆動ベルト61よりも前後方向の幅が小さく構成されている。ドライ接着シート62は、その前端縁が突起41fに接する状態で、駆動ベルト61の外周面の全周にわたって延びており、厚さがドライ接着シート41eと同一に設定されている。それにより、ドライ接着シート62の外周面は、ドライ接着シート41eの外周面と面一になるように構成されている。
無端ベルト42Cは、無端ベルト42と比較して、前後方向の幅が広い点以外は、無端ベルト42と同一に構成されている。この無端ベルト42Cは、駆動ユニット50内の部分を除いて、2つのドライ接着シート62,41eの外周面に当接するように構成されている。
出力プーリ63は、円板状に構成され、その外周面には、ドライ接着シート63aが接着剤を介して固定されている。このドライ接着シート63aは、出力プーリ63の外周面と前後方向の幅が同一で、出力プーリ63の外周面の全周にわたって延びるように構成されている。
出力アーム64は、軸部64a及びアーム部64bを備えている。軸部64aは、円筒状に形成され、その前端部には、出力プーリ63が同心に固定されている。レール部41bには、アーム取付部65が一体に形成されている。このアーム取付部65は、円筒状に構成され、その内周面と軸部64aの外周面の間には、一対の軸受66,66が設けられている。なお、本実施形態では、出力アーム64が出力側部材に相当する。
以上の構成により、軸部64aは、レール部材41によって、その軸線周りに回動自在に支持されている。また、アーム部64bは、軸部64aの後端部から一体に延びており、それにより、軸部64aが回転した際、アーム部64bは、軸部64aの回転軸線周りに回転する。
次に、本実施形態の動力伝達機構1Cの動作について説明する。この動力伝達機構1Cでは、動力伝達機構1Bと同様に、駆動ユニット50の電動機52が作動した場合、一対の駆動ローラ53,53が回転駆動され、それに伴い、駆動ユニット50は、第1従動ローラ54及び第2従動ローラ55を回転させながら、レール部41bに沿って移動する。
その際、第1従動ローラ54の無端ベルト42への当接部位が移動するとともに、無端ベルト42は、レール部41bのドライ接着力及び駆動ベルト61のドライ接着シート62のドライ接着力により、駆動ユニット50内以外の部分がレール部41b及び駆動ベルト61に接着された状態になる
そして、駆動ユニット50がレール部41b上を一周した際、無端ベルト42は、レール部41bとの周長差分、駆動ユニット50の移動方向に移動する。それに伴い、駆動ベルト61は、無端ベルト42とレール部41bとの周長差分、駆動ユニット50の移動方向と反対側に駆動される。それにより、出力アーム64が駆動ユニット50の周回方向と逆方向に軸部64aの軸線周りに回転する。
その際、無端ベルト42が、駆動ユニット50内以外の部分がレール部41b及び駆動ベルト61に接着された状態になっていることで、電動機52のトルクが出力アーム64に伝達される。すなわち、電動機52のトルクが減速されながら出力アーム64からトルクとして出力されることになる。
以上のように構成された本実施形態の動力伝達機構1Cによれば、駆動ユニット50の電動機52が回転し、駆動ユニット50がレール部41b上を移動することによって、電動機52のトルクが減速されながら出力アーム64からトルクとして出力される。それにより、この減速動作を円滑に行うことができ、減速動作時の安定性を確保することができる。さらに、環状のレール部41bの場合、その正面視形状が小判形に限らず、円形でも楕円形でもよいとともに、その長さを大きく設定することにより、接触面積を大型化し、伝達可能なトルクを高めることができる。
以下、図23~24を参照しながら、本発明の第4実施形態に係る動力伝達機構1Dについて説明する。本実施形態の動力伝達機構1Dは、入力されたトルクを減速してトルクとして出力する減速機構タイプのものである。なお、以下の説明では、便宜上、図23の左側及び右側をそれぞれ「前」及び「後ろ」という。
動力伝達機構1Dは、図23~24に示すように、入力部材70、無端ベルト80、軸受81、固定リング82及び出力リング83などを備えている。この動力伝達機構1Dでは、軸受81、固定リング82及び出力リング83が、入力部材70の前側回転軸71の中心軸(回転軸)に対して同心に配置されている。
なお、本実施形態では、入力部材70が入力側回転部材に相当し、固定リング82が基体に相当し、出力リング83が出力側部材に相当する。
入力部材70は、前側回転軸71、前側フランジ部72、第1従動ローラ73、一対の第2従動ローラ74,74及び21個の第3従動ローラ75、後側フランジ部(図示せず)及び後側回転軸(図示せず)を備えている。
なお、本実施形態では、第1従動ローラ73が第1ローラに相当し、第2従動ローラ74及び第3従動ローラ75が第2ローラに相当する。
前側回転軸71は、図示しない動力源に接続されており、この動力源によって回転駆動される。また、後側回転軸は、前側回転軸と同心に配置され、図示しない軸受を介して、固定リング82に回動自在に支持されている。
前側フランジ部72は、円板状で、前側回転軸71の後端部に一体に設けられている。また、図示しないが、後側フランジ部は、円板状で後側回転軸の前端部に一体に設けられている。
第1従動ローラ73、一対の第2従動ローラ74,74及び21個の第3従動ローラ75の各々は、前後端部がそれぞれ前側フランジ部72及び後側フランジ部に回転自在の状態で連結されている。
第1従動ローラ73は、一対の第2従動ローラ74,74及び21個の第3従動ローラ75よりも径方向の内側に配置されている。また、一対の第2従動ローラ74,74は、第1従動ローラ73の周方向の両側に配置されており、21個の第3従動ローラ75は、それらの回転軸が同一円上に位置するように周方向に沿って等間隔で配置されている。
無端ベルト80は、薄い帯状の磁性体の金属で構成され、その外周面が第1従動ローラ73に当接するとともに、その内周面が一対の第2従動ローラ74,74及び21個の第3従動ローラ75に当接する状態で、これらのローラ73~75に巻き掛けられている。それにより、無端ベルト80では、第1従動ローラ73及び一対の第2従動ローラ74,74に巻き掛けられている部分が正面視V字状になっている。
固定リング82は、円筒状に形成され、その内周面82aの表面は、ドライ接着シート(図示せず)になっている。この固定リング82は、図示しない固定部(例えば、床又は各種動作機器の壁など)に固定されている。
また、出力リング83も、円筒状に形成され、その内周面83aの表面は、ドライ接着シート(図示せず)になっている。これらの固定リング82の内周面82a及び出力リング83の内周面83aは、面一に構成されている。
無端ベルト80の場合、前述した第1~第3従動ローラ73~75によって押圧されることにより、第2従動ローラ74,74と第1従動ローラ73の間の部分を除いて、その外周面が固定リング82の内周面82a及び出力リング83の内周面83aに当接している。それにより、無端ベルト80の外周面の周長は、固定リング82の内周面82a及び出力リング83の内周面83aの周長よりも長くなっている。
固定リング82の前端部の外周面82bは、それ以外の部分よりも小径に構成されており、出力リング83の後端部の内周面83bは、それ以外の部分よりも大径に構成されている。軸受81は、固定リング82の前側部の外周面82bと出力リング83の後端部の内周面83bの間に設けられている。それにより、出力リング83は、軸受81を介して、固定リング82に回転自在に支持されている。
次に、本実施形態の動力伝達機構1Dの動作について説明する。この動力伝達機構1Dでは、動力源からのトルクが入力部材70に入力された際、入力部材70が軸線周りに回転し、それに伴い、第1~3従動ローラ73~75は、無端ベルト80を固定リング82の内周面82a及び出力リング83の内周面83aに押圧しながら軸線周りに回転する。
その際、第1従動ローラ73の無端ベルト80への当接部位が移動するとともに、無端ベルト80は、固定リング82及び出力リング83のドライ接着力により、第1従動ローラ73及び一対の第2従動ローラ75の間の部分を除いて、固定リング82及び出力リング83に接着された状態になる
そして、入力部材70が軸線周りに1回転した際、無端ベルト80は、固定リング82に対して、固定リング82の内周面82aとの周長差分、入力部材70の回転方向に回転し、それに伴い、出力リング83は、無端ベルト80との周長差分、入力部材70と逆方向に回転することになる。
その際、無端ベルト80が、固定リング82及び出力リング83に接着された状態になっていることで、駆動源からのトルクが出力リング83に伝達される。すなわち、駆動源のトルクが減速されながら出力リング83からトルクとして出力されることになる。
したがって、本実施形態の動力伝達機構1Dによれば、以上のように減速動作が実行されることにより、減速動作を円滑に行うことができ、減速動作時の安定性を確保することができる。
1 動力伝達機構
12 入力フランジ(入力側回転部材)
13 第1ローラ
14 第2ローラ
15 無端ベルト
16 固定リング(基体)
16c 固定側ドライ接着シート(表面部)
17 出力リング(出力側部材)
17c 出力側ドライ接着シート(当接面部)
1B 動力伝達機構
41 レール部材(基体)
41b レール部
41e ドライ接着シート(表面部)
42 無端ベルト
43 出力ベルト(出力側部材、帯状部材)
51 フレーム(支持部材)
52a 回転軸(入力側回転部材)
53 駆動ローラ(第2ローラ)
54 第1従動ローラ(第1ローラ)
55 第2従動ローラ(第3ローラ)
1C 動力伝達機構
42C 無端ベルト
64 出力アーム(出力側部材)
1D 動力伝達機構
70 入力部材(入力側回転部材)
73 第1従動ローラ(第1ローラ)
74 第2従動ローラ(第2ローラ)
75 第3従動ローラ(第2ローラ)
80 無端ベルト
82 固定リング(基体)
83 出力リング(出力側部材)

Claims (5)

  1. 環状の無端ベルトと、
    当該無端ベルトよりも短い長さの環状の表面部を有する基体と、
    前記無端ベルトの周方向における一部が前記基体の前記表面部から離間した状態を維持するように、前記無端ベルトに当接する第1ローラと、
    前記無端ベルトが前記一部を除いて前記基体の前記表面部に接触する状態を維持するように、前記第1ローラとは反対側から前記無端ベルトに当接する複数の第2ローラと、
    回転可能に設けられ、前記第1ローラ及び前記複数の第2ローラの少なくとも一方に接続された入力側回転部材と、
    前記無端ベルトに接続された出力側部材と、
    を備え、
    前記第1ローラ及び前記複数の第2ローラは、前記入力側回転部材の回転に伴って回転することにより、前記無端ベルトの周方向に相対的に移動するように構成されており、
    前記無端ベルトは、前記第1ローラの周方向への移動に伴って前記第1ローラとの当接部位が移動するように構成されており、
    前記無端ベルトの前記基体との当接面、及び、前記基体の前記表面部の少なくとも一方は、ドライ接着性を有するように構成されていることを特徴とする動力伝達機構。
  2. 請求項1に記載の動力伝達機構において、
    前記無端ベルトは、前記入力側回転部材の回転軸線と同心の円環状に形成されており、
    前記基体の前記表面部は、前記入力側回転部材の前記回転軸線と同心の円環状に形成されており、
    前記第1ローラ及び前記複数の第2ローラは、前記入力側回転部材に設けられ、前記入力側回転部材の回転軸線方向から見て放射状に配置されており、
    前記出力側部材は、前記入力側回転部材の前記回転軸線周りに回転自在に設けられ、前記基体の前記表面部の外側で前記無端ベルトが当接するとともに前記入力側回転部材の前記回転軸線と同心の円環状の当接面部を有し、
    前記無端ベルトの前記基体との前記当接面と、前記基体の前記表面部及び前記出力側部材の前記当接面部との少なくとも一方は、ドライ接着性を有するように構成されていることを特徴とする動力伝達機構。
  3. 請求項1に記載の動力伝達機構において、
    前記基体は、環状のレール部を有しており、
    前記基体の前記表面部は、前記レール部の外周面によって構成され、
    前記無端ベルトは、前記レール部の前記外周面に巻かれており、
    前記レール部の内周面側に当接する第3ローラと、
    前記第1ローラ、前記第2ローラ及び前記第3ローラを支持する支持部材と、
    をさらに備えることを特徴とする動力伝達機構。
  4. 請求項3に記載の動力伝達機構において、
    前記出力側部材は、前記無端ベルトに接続された帯状部材であることを特徴とする動力伝達機構。
  5. 請求項3項に記載の動力伝達機構において、
    前記出力側部材は、前記無端ベルトが前記レール部上を移動するのに伴って、回転するように構成されていることを特徴とする動力伝達機構。
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