JP2024034828A - 椅子の身体支持装置及び背もたれ - Google Patents

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Abstract

【課題】背板を張地で覆ってなる背もたれにおいて、張地を正確に取り付けできて使用による捲り返りも生じない構造を開示する。【解決手段】背板29はエラストマ製であり、補強プレート37,38を介して背枠体11に取り付けられている。背板29の前面には、外周に位置した前向きのリブ60と、リブ60で囲われた段差面61が存在しており、張地30とこれに縫着された縁部材33,34,35とは、リブ60が囲われた凹部(段差部)に納まっている。従って、張地30は正確に位置決めされると共に、人が手を背もたれ5の縁に当てても張地30が捲り返ることはない。【選択図】図7

Description

本願発明は、椅子を構成する身体支持装置及びその一例としての背もたれに関するものである。
椅子の背もたれや座に関して、フィット性とクッション性とを向上させるために多くの提案が成されている。その手段として、例えば背もたれにおいて、背板をエラストマのような柔軟な素材で構成することが提案・実施されている。
その例が特許文献1に開示されている。特許文献1では、エラストマより成る支持部が環状のリテーナに取り付けられており、背もたれの全体又は一部を布で覆った態様が開示されている。特許文献1において、布は美粧や身体への当たりの柔らかさのために設けていると推測されるが、布の取り付けの具体的な構造は開示されていない。
特開2015-27468号公報
さて、特許文献1では、リテーナにエラストマ製の身体支持部が取り付けられていると推測されるが、具体的な構造は不明である。また、布を取り付けるに当たって、美感を保持しつつ取り付ける構造などは全く開示されておらず、現実性が不透明である。
本願発明はこのような現状を背景になされたものであり、背板への張地の配置構造について現実性に優れた技術を開示せんとするものである。
本願発明は様々な構成を含んでおり、その典型例を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は背もたれ等の身体支持装置に関すのくもので、この身体支持装置は、
「座した人の荷重を受ける身体受け板と、前記身体受け板の表面を覆う張地とを備え、
前記身体受け板の表面は、リブ状の外周部と、前記外周部の内側に位置して前記外周部の前面よりも後方に段落ちした広幅面とを有しており、
前記張地は、前記リブ状の外周部は被覆せず、前記広幅面に固定されている」
という構成になっている。
請求項2の発明は請求項1を具体化したものであり、
「前記張地のうち前記身体受け板の広幅面と重なる部位には、前記身体受け板の広幅面に重なるシート材が縫着又はその他の手段によって固定されており、前記シート材が前記身体受け板に固定されている」
という構成になっている。
請求項3の発明は請求項2を具体化したものであり、
「前後に開口した前記身体受け板を支持する支持フレームと、前記身体受け板の背面側に固定され前記支持フレームに手前から重なる補強プレートとを有しており、前記シート材には、前記身体受け板を貫通して前記補強プレートに係合する係合爪を多数設けている」
という構成になっている。
請求項4の発明は、請求項3を具体化して背もたれに適用している。すなわち、
「請求項3に記載した椅子の身体支持装置としての背もたれであって、
前記支持フレームとしての背フレームを備え、
前記背フレームは上下に分割されていて側面視で屈曲するように連結されており、
前記補強プレートは、前記上下に分割された背フレームの屈曲を許容するように上補強プレートと下補強プレートとに分割されており、
前記シート材は、撓み変形自在な素材で構成されていて、正面視で前記上補強プレートと下補強プレートとを跨りつつ重なっている」
という構成になっている。
本願発明では、張地はリブ状の外周部の内側で段落ちした広幅面に配置されており、リブの内側に配置されているため、張地をリブによって正確に位置決めできる。張地は背板等の身体受け板のリブで囲われているため、人の指先が身体受け板の外周縁に当たっても張地が捲れることはない。
請求項2の構成では、張地はシート材を介して身体受け板に強固に固定される。請求項3では、張地はシート材を介して身体受け板に取り付けられるため、張地の固定強度を格段に向上できる。また、係合爪を押し込むだけで取り付けできるため、椅子の組み立ての作業性もよい。
さて、近年のオフィスワーク(或いは在宅勤務)は殆どパソコン操作であるが、リクライニング状態でリラックスしつつ疲れることなくパソコン操作を行えると好適であり、そのためには、背もたれをその上部と下部とが相対的に回動するように構成して、リクライニングに際して背もたれの上部を下部に対して相対的に前傾動させたらよいと云える。
この点、請求項4の構成では、補強プレートは上下に2分割されているため、背もたれの相対的な回動(屈曲動)が許容される。かつ、シート材は撓み変形自在な素材で構成されていて上下補強プレートに跨がって重なっているため、背もたれの相対的な回動を確保しつつ、張地を支持できる。従って、請求項4の発明では、フィット性・クッション性を確保しつつリクライニング状態でのパソコンの視認性を確保できる。
実施形態を適用した椅子の外観を示す図で、(A)は手前上方から見た斜視図、(B)は正面図、(C)は後ろ前上方から見た斜視図である。 背部の構成部材の分離斜視図である。 (A)は傾動フレームと上部背枠との分離図、(B)は第2傾動フレームの上部の分離斜視図、(C)は第2傾動フレームの平面図である。 背板と縁部材とを後ろから見た分離斜視図である。 補強プレートと背フレームとの分離斜視図である。 補強プレートと背フレームとの分離正面図である(右の補強プレートは裏返して表示している。)。 (A)は縁部材の斜視図、(B)は(A)の部分拡大図、(C)は図6のIIC-VIIC視線から見た平断面図である。 (A)は図6のVIIIA-VIIIA 視線から見た平断面図、(B)は図6のVIIIA-VIIIA 視線から見た側断面図である。 回動状態を説明するための側面図である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下では方向を特定するために前後・左右の文言を使用するが、この方向は、椅子に普通に腰掛けた人から見た方向として定義している。正面図は着座者と対向した方向から見た図である。
(1).全体の概要
まず、椅子の概要を説明する。本実施形態は、オフィス用の回転椅子に適用している。椅子は、基本要素として脚装置1と座2と背もたれ3とを備えている。脚装置1は、5本の脚羽根を有する基部の中央にガスシリンダより成る脚支柱4を立設した構造であり、各脚羽根の先端にはキャスタを設けている。
図1(A)に示すように、脚支柱4の上端にベース5が固定されており、ベース5に、図2に示す左右の第1傾動フレーム6の下部先端が連結されている。第1傾動フレーム6は、ベース5から後ろに延びて立ち上がっているが、左右外側に広がりながら立ち上がっており、左右外側に大きく広がっている部分は下部背枠7を構成している。すなわち、第1傾動フレーム6と下部背枠7とは部材を部分的に共有しており、第1傾動フレーム6の上部は下部背枠7のサイドメンバー8になっている。
下部背枠7の下端は、左右長手のロアメンバー9で構成されている。すなわち、左右の第1傾動フレーム6の立ち上がり部をロアメンバー9(図1(C)参照)で連結することによって下部背枠7が構成されている。下部背枠7のロアメンバー9は、図2及び図6では省略している。
下部背枠7の上端には上部背枠10の下端が連結されている。上部背枠10は、左右のサイドメンバー11とその上端に繋がった12と、左右のサイドメンバー11の下端に繋がったロアメンバー13とを有してループ構造になっている。
本実施形態では、下部背枠7と上部背枠10とによって背フレーム(フレーム材)が構成されている。従って、背フレームの全体として見ると、下部背枠7のロアメンバー13は、日字状に構成された背フレームの中段メンバーと見ることが可能である。
上部背枠10の左右サイドメンバー11の下端は、下部背枠7のサイドメンバー8の上端に後傾動可能に連結されている。他方、上部背枠10のロアメンバー13は後ろ向きに張り出しており、後ろ向きに張り出したロアメンバー13に第2傾動フレーム14の上端が後傾動可能に連結されている。第2傾動フレーム14の下端は、ベース5の後部に連結されている。この点を図3に基づいて説明する。
図3(A)に示すように、上部背枠10を構成する左右サイドメンバー8の上端に板状の雄形軸受け部16を一体に形成している一方、上部背枠10におけるサイドメンバー11の下端には、雄形軸受け部16が下方から入り込む雌型軸受け部17が一体に形成されており、上下の軸受け部16,17が左右長手の第1ピン18によって連結されている。第1ピン18は、図示しないビスによって上部背枠10に固定されている。
図3(B)に示すように、第2傾動フレーム14は前向きに開口した樋状の形態を成しており、その上端に前向きの軸受けボス体19を一体に形成している一方、上部背枠10のロアメンバー13には、軸受けボス体19を左右から挟む軸受けリブ20を下向きに突設し、これら軸受けボス体19と左右の軸受けリブ20とを左右長手の第2ピン21で連結している。
第2傾動フレーム14の上端には、連結部囲うカバー(蓋)22が装着されている。カバー22は、軸受けボス体19及び軸受けリブ20を前から覆う前板23と、軸受けリブ20を左右外側から囲う左右側板24とを有しており、前板23は下向きに大きく切り開かれている。第2傾動フレーム14の内部のうち軸受けボス体19の左右両側には、側面視台形で左右一対ずつの規制板25を前向きに突設しており、前板23の左右両側部が規制板25で位置決めされている。
カバー22の側板24には、第2ピン21の端部が嵌合する上下一対のガイドリブ26を設けている。また、カバー22における前板23の左右側部を切欠くことにより、上向き係合爪27を形成しており、上向き係合爪27が軸受けリブ20に下方から係合することにより、カバー22は軽い力では抜けない状態に保持されている。
(2).背部の概要
図2に示すように、背もたれ3は、エラストマのような柔軟な樹脂素材より成る背板29と、背板29の前面に張られた張地(表皮材)30を備えている。背板29は身体受け板の一例であり、柔軟な樹脂素材で作られているため、着座した人の身体のフィット性に優れている。また、リクライニングに際して、上部背枠10と下部背枠7とが相対的に回動するが、背板29が弾性変形することによって両背枠10,7の相対回動が許容されている。
背もたれ3の上端には、着座者の頭や首を支持するアッパーレスト31が高さ調節可能に取り付けられている。アッパーレスト31は、上部背枠10の12にブラケット装置(図示せず)を介して取り付けられている。背もたれ3のリクライニングに際して、上部背枠10は下部背枠7に対して相対的に前向き回動するが、着座者の頭がアッパーレスト31で支持されているため、机上のパソコンのモニターに対する視線を変えることなくリクライニングできる。
傾動フレーム6,14及び上部背枠10は、アルミ等の軽金属のダイキャスト品を採用したり、エンジニアリングプラスチックの成型品を使用したりすることができる。第1傾動フレーム6(及び下部背枠7)と第2傾動フレーム14とはアルミ製として、上部背枠10は合成樹脂製とする、といったことも可能である。
図2(A)や図3に示すように、下部背枠7を構成するロアメンバー9の左右中間部に上向きのランバー支柱32を一体に形成しており、ランバー支柱32に、背板29に後ろから当たるランバーパッド33が高さ調節自在に装着されている。ランバーパッド33により、着座者の腰部(特に第3腰椎のあたり)が後ろから支えられる。
図2に示すように、背板29の前面には織地や編地からなる張地30が配置されている。張地30の外周部の後面に、合成樹脂より成る上部縁部材34と中間縁部材35と下部縁部材36とに縫着に固定されている。上部縁部材34は正面視で下向き開口コ字形に形成されて、左右の中間縁部材35は板状に形成されて、下部縁部材36は正面視で上向き開口コ字形に形成されている。
背板29の外周部後面には、上部補強プレート37と下部補強プレート38とがインサート成型法によって固定されており、これら補強プレート37,38が上部背枠10及び下部背枠7に取り付けられている。上部補強プレート37は正面視で下向きに開口したコ字形に形成されて、下部補強プレート38は正面視で上向きに開口したコ字形に形成されている。従って、上下補強プレート37,38は上下方向に長い左右のサイド部37a,38aを有している。また、上下補強プレート37,38の間には、ある程度の寸法の間隔が空いている。以下、背部の詳細を説明する。
(3).背枠・背板
図8から理解できるように、上部背枠10を構成するサイドメンバー11と12とは、前向きに開口した溝を有して樋状の形態になっている。下部背枠7のサイドメンバー8とロアメンバー9も同様である。これらのメンバー11,12,8,9は外周板40と内周板41とを有するが、外周板40の前後幅が内周板41の前後幅よりも小さくなっている。従って、各メンバー11,12,8,9の後面は傾斜している。
背板29は、表裏両面に多数の縦溝所定ピッチで形成されており、各縦溝の箇所に角形のスリット(穴)が上下に所定ピッチで多数形成されている。従って、背板29は、全体的には縦縞模様を成しつつ、前後に開口した多数のスリットによって格子模様も構成している。
また、背板29は、上下背枠10,7のメンバー11,12,8,9に重なる重合部(外周部)29aを有して、重合部29aがインサート成型によって補強プレート37,38に固定されている。この場合、背板29の重合部29aは、補強プレート37,38の外周面と内周面とに回り込んでいる。従って、補強プレート37,38は、前と内周面と外周面との3面が背板29の重合部29aで囲われている。
そして、図7(C)及び図8(B)に明示するように、補強プレート37,38の外周縁には前向きの外周リブ42を設けて、補強プレート37,38の内周部には、前向き段落ち部43が形成されており、背板29の重合部29aは前向き段落ち部43に入り込んでいる。
すると、背板29に外周リブ42を設けたことによる接着面積増大効果と、重合部29aが前向き段落ち部43に入り込んでいることによる掴持効果とにより、背板29と補強プレート37,38との固定強度を大きく向上できる。なお、補強プレート37,38の前面は、外周リブ42に対して段落ちした状態になっている。
図5,6に示すように、補強プレート37,38のサイド部に37a,38aに、請求項に記載した係合部の一環として、上下2つの第1係合ユニット44が形成されている。第1係合ユニット44は、平面視外向き鉤状の第1係合爪45と、その左右内側に配置された第1規制板46とで構成されている。
他方、上部背枠10のサイドメンバー11及び下部背枠7のサイドメンバー8に、請求項に記載した係合部の例として、第1係合ユニット44に対応した上下2段の第2係合ユニット47が形成されている。第2係合ユニット47は、第1係合爪45が上から嵌入係合する平面視L形の第2係合爪48と、その左右内側に位置した第2規制板49とで構成されている。
補強プレート37,38が一体化した背板29を、所定姿勢よりも少し高くした状態で背枠10,7に重ね、次いで背板29を下方にずらすと、第1係合爪45が第2係合爪48と係合して、背板29は前向き離脱不能に保持される。また、第1規制板45が第2規制板49の外側に位置することにより、サイド部37a,38aは左右内向きの移動が規制されて、第1係合爪45が第2係合爪48に係合した状態が保持される。
図5に明示するように、補強プレート37,38には、後ろ向きに突出した円筒状の大径ボス部51が周方向に離反して多数形成されている。他方、上部背枠10及び下部背枠7には、円筒状ボス部51が外側から嵌合する小径ボス部52の群が前向きに突設されており、大径ボス部51がビス53で小径ボス部52に固定されている。従って、大径ボス部51にはフランジ板51aが形成されて、小径ボス部52にはタップ穴が空いている。
既述のとおり、背もたれ3の組み立てに際しては、背板29を背枠7,10に重ねてから下方にずらして係合ユニット44,47を噛み合わせるが、ボス部51,52の間には、背板29の下向き移動を阻害しないようにクリアランスを設けている。なお、ボス部51,52は大小の関係を逆にしてもよい。
例えば図4に示すように、補強プレート37,38には表裏に開口した貫通穴54を多数形成しており、インサート成型に際して、背板29の肉を貫通穴54に侵入させている。このため、アンカー効果によって、背板29と補強プレート37,38との固定強度を格段に向上できる。
(4).表皮材・縁部材
図7に示すように、縁部材34,35,36は、ポリプロピレン等の合成樹脂製の成型品であり、基本的には帯板状(テープ状)の形態を成している。そして、裏面に、縁部材34,35,36を背板29に取り付けためのL形の係合爪56の群と、張地30を仮止めするための頭付きボス57とを形成している。張地30の周縁部は縁部材34,35,36の裏側に折り返されており、縁部材34,35,36の内周寄り部位に縫着されている。なお、張地30は、折り返された部位を縁部材34,35,36に接着してもよい。
係合爪56は、中間縁部材35及び上下縁部材34,36の縦長部に形成されており、頭付きボス57は、上部縁部材34の上辺部と下部縁部材36の下辺部、及び、中間縁部材35の下寄り部位とに設けている。従って、上部縁部材34の上辺部と下部縁部材36の下辺部では、背枠10,7には係合していない。
例えば図7に示すように、背板29の左右側部と補強プレート37,38のサイド部とには、係合爪56が嵌入する係合穴59を形成している。係合爪56は、縁部材34,35,36の弾性変形を利用して係合穴59に嵌め込まれている。図6に示すように、係合穴59の上半部は広幅部59aになっている。このため、係合爪56を広幅部59aに嵌め込んでから、縁部材34,35,36を下方にずらすと、係合爪56は幅狭の部位に落ち込む。
例えば図7に示すように、背板29の外周縁には前向きのリブ60が全周に亙って形成されている。従って、背板29の前面には、前向きのリブ60の先端面から段落ちした段差面61が形成されており、縁部材34,35,36は背板29の段差面61に重なっており、張地30は前向きのリブ60よりも手前にははみ出ていない。従って、人が背もたれの側部に手を当てても、張地30が捲り返されることはない。
また、上記のとおり、縁部材34,35,36の係合爪56を背板29の広幅部29aに嵌め込んでから、縁部材34,35,36を下方にずらしきると、係合爪56は係合穴の幅狭の部位に落ち込むが、これと同時に、上部縁部材33の上端は背板29の上端部の段差面61に重なりあう。これにより、縁部材34,35,36及び張地30の上向き動は、前向きリブ60によって阻止される。
例えば図2に示すように、上部縁部材34の上端左右中間部には左右長手で角形の切欠き62が形成されている。また、背板29の上端左右中間部と上部補強プレート37の上端左右中間部とには、左右長手で角形の逃がし穴63が形成されている。これら切欠き62と逃がし穴63は、アッパーレスト31を取り付けるブラケット(図示せず)を逃がすためのものである。
なお、アッパーレスト31は、図1の各分図に示す基板64と、基板64の外周部に後ろから重なった枠体65と、基板64に前から重なった張地66と、張地66の外周部に縫着された縁部材67とを供えている。基板64は請求項に記載した身体受け板の一例であり、エラストマからなっていて、枠体65にはインサート成型によって一体化されている。また、縁部材66には多数本のピンが後ろ向きに突出しており、ピンは枠体66に設けた保持穴(図示せず)に密嵌している。
そして、アッパーレスト31を構成する基板64の外周部には、前向きに突出した外周リブ64aが全周に亙って形成されており、縁部材67と張地66は、外周リブ64aで囲われた段差部に納まっている。従って、アッパーレスト31も本願発明の適用例になっている。
(5).まとめ
以上の構成において、背板29はエラストマ製であるため、着座者の身体のなじみが良く、フィット性・クッション性に優れている。特に、実施形態のように多数の縦溝とスリットとを形成すると、上下・左右の両方向に伸び変形するため、フィット性とクッション性とを更に向上できる。
そして、エラストマ素材はゴム弾性を有する素材特性上、背板29のみで背中を支持する場合は、べたつきを感じにくいようシボ加工を施したりして滑りをよくすることが行われるが、実施形態のように背板29はクロス等の張地30で覆うことで、シボ加工などを施さなくともべたつきを感じることなく、また、布地の風合いを現出してクッションタイプあるいはメッシュタイプの背もたれと同様の見た目を実現できる。また、様々な色の張地30を用意しておくことにより、顧客の好みに適合させることができる。なお、張地30は背板29が全く見えないものを使用することも可能であるし、背板29がある程度透けて見えるものを使用することも可能である。
そして、張地30は背板29の段差面61に重なっていて前向きリブ60で囲われているため、張地30は背板29に対して正確に位置決めされる。従って、張地30と背板29との境界はシャープなラインになって、優れた美感を現出できる。張地30の捲り返りがないことは既に述べたとおりである。
また、例えば、通常の椅子をテーブルの前で回転させた際に、背もたれの外縁部がテーブルの天板に擦れるなどして、張地が擦り切れたり破れたりする虞があるが、実施形態のように張地30が前向きリブ60に囲われると、前向きリブ60がバンパーの役目を果たし、張地30が擦り切れたり破れたりすることがなく、耐久性が向上する。背板29及び前向きリブ30がエラストマ等の柔軟な素材であることは必須要素ではないが、柔軟な素材であればより緩衝効果を発揮し、背板30や天板などの衝突物を傷つけず、さらに好適である。
張地30の取り付け手段として実施形態のように縁部材33,34,35を使用すると、張地30の取り付け作業を正確かつ能率よく行える。特に、実施形態のように係合爪56を使用して背板29に取り付ける。また、ビス止めであると、ビスの挿通穴が手前に開口して美感を悪化させるが、実施形態のように係合爪56を使用して取り付けると、係合爪56及びその形成のために開口している穴は張地30で隠れて見えないため、美感の悪化も生じない。これらの効果はアッパーレスト31にも同様である。
また、背板29を固定するためのビス53や補強プレート37,38の大径ボス部51は縁部材33,34,35で覆われているため、露出せず、背板29を強固に固定できる背もたれでありながら、美感の悪化は生じない。なお、背板29の取り付け手段として補強プレート37,38は必ずしも必要はない。従って、補強プレート37,38を使用しない場合は、係合爪56は、背板29に係合させたり背枠7,10に係合させたりしたらよい。なお、係合爪56と係合穴59とは係合手段(係合部)の一例であり、縁部材33,34,35の取り付け手段として、他の形態の係合手段使用することも可能である。
本実施形態では、傾動フレーム6,14とベース5と下部背枠7とが4点リンク機構を構成しているが、図9に示すように、第1傾動フレーム6の回動支点O1は第2傾動フレーム14の回動支点02よりも前に位置しており、また、下部背枠7に対する第2傾動フレーム14の連結点21は上下背枠7,10の連結点18よりも後ろに位置していることにより、リクライニングに際しては、上部背枠10が下部背枠7に対して相対的に前向き回動する(リクライニングするとθ1が小さくなる。)。
このため、机上にパソコンを配置して執務するにおいて、リクライニング状態でも顔をパソコンに向けた姿勢にして、その姿勢をアッパーレスト31によって維持できる。このため、首や肩の凝りを防止しつつ、リクライニング状態でパソコン操作を行える。
そして、本実施形態では、2つの補強プレート37,38が上下に分かれているため、上下背枠7,10の相対回動が許容されており、かつ、縁部材34,35,36は3段に分離しているため、背板29の曲がり変形も許容されている。従って、フィット性やクッション性に優れつつリクライニング状態でのパソコン操作性に優れた椅子を、容易に実現できる。
本実施形態では、背板29に前向きのリブ60を設けているが、背板29の曲がり変形を容易化するために、リブ60を薄くしたりVカットしたり部分的に無くしたりすることが可能である。リブ60をVカットしたり部分的に無くしたりした場合、背板29を部分的に薄くしてヒンジ部を形成することも可能である。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、背もたれは屈曲タイプである必要はない。リクライニング式でない椅子にも適用できる。更に、本願発明の適用対象は背もたれやアッパーレスト(ヘッドレスト)には限らず、座や肱当てなどにも適用できる。
本願発明は、椅子に具体化できる。従って、産業上利用できる。
3 背もたれ
6 第1傾動フレーム
7 下部背枠
10 上部背枠
29 身体受け板の一例としての背板
30 張地
31 アッパーレスト(ヘッドレスト)
34~36 縁部材
37 上部補強プレート
38 下部補強プレート
42 補強プレートの外周リブ
56 係合手段を構成する係合爪
59 係合手段を構成する係合穴
60 前向きのリブ
61 段差面

Claims (4)

  1. 着座した人の荷重を受ける身体受け板と、前記身体受け板の表面を覆う張地とを備え、
    前記身体受け板の表面は、リブ状の外周部と、前記外周部の内側に位置して前記外周部の前面よりも後方に段落ちした広幅面とを有しており、
    前記張地は、前記リブ状の外周部は被覆せず、前記広幅面に固定されている、
    椅子の身体支持装置。
  2. 前記張地のうち前記身体受け板の広幅面と重なる部位には、前記身体受け板の広幅面に重なるシート材が縫着又はその他の手段によって固定されており、前記シート材が前記身体受け板に固定されている、
    請求項1に記載した椅子の身体支持装置。
  3. 前後に開口した前記身体受け板を支持する支持フレームと、前記身体受け板の背面側に固定され前記支持フレームに手前から重なる補強プレートとを有しており、前記シート材には、前記身体受け板を貫通して前記補強プレートに係合する係合爪を多数設けている、
    請求項2に記載した椅子の身体支持装置。
  4. 請求項3に記載した椅子の身体支持装置としての背もたれであって、
    前記支持フレームとしての背フレームを備え、
    前記背フレームは上下に分割されていて側面視で屈曲するように連結されており、
    前記補強プレートは、前記上下に分割された背フレームの屈曲を許容するように上補強プレートと下補強プレートとに分割されており、
    前記シート材は、撓み変形自在な素材で構成されていて、正面視で前記上補強プレートと下補強プレートとを跨りつつ重なっている、
    椅子の背もたれ。
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